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アニメ『アルドノア・ゼロ』各話感想メモまとめ(13話~最終話)

 思えば、この各話感想メモまとめを始めたのは、『アルドノア・ゼロ』の1クール目が「これは各話の感想をまとめて読むと面白そうだな」というストーリーだったからでした。そんな軽い気持ちで始めて、自分が全話感想を書いた作品は全部まとめるようにした結果、3ヶ月に1回こうして忙しすぎて死にそうになる時期が出来たワケですが……

 その『アルドノア・ゼロ』を最終話を迎えるまで追いかけてこれて、感慨深い気持ちは強いです。
 2クール目は1クール目とはちょっと違う方向性のストーリーになっていたとは思います。それも1クール目のまとめから通して読むと違いがよく思い出せるかなと。



 アニメ『アルドノア・ゼロ』各話感想メモまとめ(1話~12話)


 では、2クール目のまとめ行きます!

<ルール>
・13話から最終話までの感想ツイートを貼り付け
・“最終話まで観終っている”現在の自分のコメントを補足
・なので、基本的に最終話までのネタバレを含みます
・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな


 今回の記事も長くなることが予測されるので格納しました。
 続きは「続きを読む」を押してもらえれば表示されます。ではでは。

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| アニメ雑記 | 21:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アニメ『アルドノア・ゼロ』各話感想メモまとめ(1話~12話)

 久々にやります!

 かつて私はmixiの日記にアニメの感想を書いている時期がありまして、それらをブログで記事にまとめるということを2009年~2011年あたりにはやっていました。「各話をリアルタイムに観ていた感想」と「最終話まで観た自分がそれを振り返って思ったこと」を併記するのが自分でも面白かったし、『まどか☆マギカ』の感想なんかは当時結構評判が良かったものでした。

 ただ、mixiに感想を書いていくのが労力としてしんどくなってmixiの日記自体を書かなくなってしまい、フェードアウトしていったのですが……最近はアニメの各話感想をTwitterに呟くようにしているので、それを利用すれば似たようなことが出来るんじゃないかと思いました。

<ルール>
・1話から12話までの感想ツイートを貼り付け
・“12話まで観終っている”現在の自分のコメントを補足
・なので、基本的に12話までのネタバレを含みます
・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな


 「間違いがあったりするでしょうが」は言い訳でも言い逃れでもなくて、「感想ってそういうものじゃん」と私は思っているんです。
 例えば今回の『アルドノア・ゼロ』なんかは典型的な作品なんですけど、「これまでにこういう伏線が張ってあるということは今後こういう展開が来るんだろうな」と必死に考えても全然当たらないんです。そして、それが面白い作品なんですよ。予想していることがそのまま起こるようなストーリーなんかちっとも面白くない、必死の予想を上回るようなことが起こるからストーリーは面白いんです。だから、「間違っていたじゃないか!」とか「オマエの考えは浅い!」とか言われても、「それが面白いんじゃん」としか言いようがないです。

 なので、公開するかどうかはともかく、「各話の感想をメモ取りながらアニメを観る」というのはみなさんにもオススメです。「間違ったことを書いて」も「考えが浅い」でもイイんですよ。「貴方はそう思った」のなら、それは感想として正しいのですから。

 今回の記事も超長くなることが予測されるので格納しました。
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| アニメ雑記 | 21:24 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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『アルドノア・ゼロ』はリアル系ロボアニメ?スーパー系ロボアニメ?

※ この記事はアニメ『アルドノア・ゼロ』第7話「邂逅の二人 —The Boys of Earth—」までのネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。

 第8話の前に書いておきたかった話。
 ちょっと前ですけど、『アルドノア・ゼロ』という作品をものすごく分かりやすく説明しているツイートを読みました。



 なるほど。『アルドノア・ゼロ』の“敵”側にあたる火星カタフラクトは、デザインは「見るからに敵ロボットっぽいデザイン」ですが、

○ そのパイロットにしか動かせない専用機
○ その1機しか存在しないワンオフな機体
○ なので、基本的に1機ずつ戦う
○ 機体ごとに特別な能力がある
 …ニロケラスは「全てを消滅させるバリア」、アルギュレは「斬れないものなどないレーザーサーベル」、ヘラスは「自在に動かせる6本のロケットパンチ」


 火星カタフラクトってスーパーロボットアニメのノリなんですよね。



 それと比較して“味方”側にあたる地球のカタフラクトは、

○ 全ての高校生が必修科目で習うくらいに、みんなが乗れる
○ 一世代前の機体で学生用の練習機になっているKG-6 スレイプニール、現在の連合軍の主力機であるKG-7 アレイオン、ともに量産機
○ チームを組んで複数で戦う
○ 武器は全機体共通のナイフ、ハンドガン、ライフル等


 地球側のカタフラクトは、リアル系ロボットアニメのノリなんですよね。



 『アルドノア・ゼロ』という作品は、往年のスーパーロボットアニメのノリで向かってくる火星騎士達を、リアル系ロボットに乗り込んだ主人公が『空想科学読本』みたいな戦法で倒していくアニメ―――と説明すると、伊奈帆がすごくイヤミな若者に思えてしまいますね(笑)。


 でも、この「スーパーロボvsリアルロボ」という構図は、ただ単にそういう設定の違いを用意しているだけじゃなくて、ちゃんと“その設定の違い”を活かした戦いになっているのがすごく面白いと思うのです。

 例えば……地球の兵器には「脱出装置」が付いているんですね。第2話でニロケラスと交戦した戦闘機のパイロットはパラシュートで脱出しようとしましたし、第5話でアルギュレと戦った伊奈帆は海に落下する直前に操縦席ごとレールアウトしています。こういう脱出装置は『Zガンダム』なんかにもある装置なので、リアル系ロボットアニメではよく見かけるシーンだと思います。
 でも、恐らく火星のカタフラクトには「脱出装置」が付いていません。第3話のニロケラスも、第5話のアルギュレも、第7話のヘラスも、「脱出装置」のようなものを使った形跡はありませんでした。これは考えてみれば当然で、火星のカタフラクトは皇帝から騎士に貸し与えられている一体限りの機体ですから、パイロットだけ「脱出装置」で生還することなんて考えられていないんだと思います。


 『アルドノア・ゼロ』第5話のアルギュレ戦は、この「脱出装置のあるリアル系ロボ」と「脱出装置のないスーパーロボ」の違いを活かした戦いだったんですね。両機体ともに海に落っこちて水蒸気爆発で粉々になってしまうのですから、これ実は「相打ち」なんですけど……伊奈帆は脱出装置で逃げられて、ブラドは爆発から逃げられずに死んでしまう(多分)という。
 また、伊奈帆の乗っていたKG-6 スレイプニールは量産機ですから、伊奈帆の機体は粉々になってしまいましたが、翌週また別の機体(韻子が乗っていた02号機)に乗り換えて戦っているという。これは主人公機が量産機ならではの戦い方で、『ガンダム』の富野由悠季監督が『Vガンダム』でやろうとしたことに通じなくもないですね。



 ついでなので、ちょっと話ズレますけど。
 観返してみると……第5話で伊奈帆がぶっ壊したKG-6 スレイプニールって、元々はカームが乗っていた01号機なんですよね。胸にしっかりそうナンバリングされていました。伊奈帆が元々乗っていた03号機は、第4話のアルギュレ戦で右腕がもげちゃったからだと思うんですが。断りもなくカームの機体を粉々にするとか、やっぱり伊奈帆は酷い男なのかも(笑)。

 整理してみると……
 第3話は、01号機にカーム、02号機に韻子、03号機に伊奈帆。
 第4話は、01号機にカーム(多分)、03号機に伊奈帆が乗って右腕がもげて。
 第5話は、01号機に伊奈帆が乗って大破。
 第6~7話は、02号機に伊奈帆が乗っている(カームは整備担当になり、韻子はKG-7 アレイオンに乗り換えた)という。




 閑話休題。
 ということで……『アルドノア・ゼロ』の前半は「スーパーロボvsリアルロボ」という構図を取り入れて、無敵のスーパーロボをリアルロボで如何にして倒すかを描いてきたとも言えます。
 今にして思うと、なんですが……公式サイトの監督インタビュー(LOGIN → ABOUT → TX/001)で「スーパーロボット」と「リアルロボット」というジャンルの話が最初に来ていたことから、作り手も最初にこの構図を考えていたのかもですね。



 もちろん、こういう「リアルロボでスーパーロボに立ち向かう構図」は『アルドノア・ゼロ』が初めてやっているワケではないと思いますし、言ってしまえば『機動戦士ガンダム』の終盤はまさにこういう構図で話が進むんですよね。

 『機動戦士ガンダム』の序盤は、「1機しかないけど超強いガンダムvs戦闘機みたいのや戦車みたいのや量産機のザク」という構図で。主人公側がスーパーロボ、敵側がリアル系ロボになっているのですが。

 『機動戦士ガンダム』の終盤は、敵側が「とてつもない機動性を誇るビグロ」「磁気バリアでビームを弾く上に全方位にビームを撃てるビグ・ザム」「サイコミュによる長距離攻撃およびオールレンジ攻撃が可能なエルメス」「脚がないジオング」といったカンジに1機しかいないけど超強いモビルアーマーを投入して。それをビームライフルとビームサーベルとバルカンくらいしかないガンダムで倒していくという構図で。主人公側がリアル系ロボ、敵側がスーパーロボと逆転しているのが面白いところです。



 『アルドノア・ゼロ』は『機動戦士ガンダム』のパクリだ―――みたいな話ではなくてね。
 以前に書いた“「強い敵に挑む主人公」の物語と、「強い主人公に挑む敵」の物語”という考え方でこれらの作品を見ると……

 機体性能だけなら、『機動戦士ガンダム』の序盤は「強い主人公に“弱者”である敵が挑む」物語で→終盤は「超強い敵に“弱者”である主人公が挑む」物語へと移っていって、この戦力差をアムロやホワイトベースクルーの成長によって補っていると考えられて。

 『アルドノア・ゼロ』は、機体性能だけなら『機動戦士ガンダム』終盤のような「超強い敵に“弱者”である主人公が挑む」物語からスタートしていて。この戦力差を、伊奈帆の分析力と、冒頭で書いたような「リアル系ロボットならではの戦い方」で補っていると考えられます。





 さて、第8話の放送の前に是非書いておきたかった理由はここからで。
 第7話のラストで、とうとう地球側もアルドノア・ドライブを手に入れてしまったんですね。

 これまでは「火星:スーパーロボvs地球:リアルロボ」という構図でしたが、地球側もスーパーロボットを手に入れてしまったのです。
 今までの勢力図が一気に変わってしまう展開で、私は正直「1クール目のラストくらいにそういう展開が来るんだろうな」と思って第6話まで観た時点での記事の最後に「このまま最後まで「この勢力図のまま」終わるとは思えません。」と書いたのですが、まさかその翌週にそんな展開になるとは(笑)。



 これは6話を観終わった時点でネタのつもりでTwitterに書いたのですが……これから先、本当にあの鹵獲してあった火星カタフラクトに伊奈帆が乗りこんで、火星軍をメッタメタにやっつける話になったらどうしましょう(笑)。



【三行まとめ】
・『アルドノア・ゼロ』は「リアル系ロボvsスーパーロボ」という構図のアニメだ
・「量産機にしか出来ない戦い方」で「専用機」を撃退しているとも言える
・しかし、主人公側もスーパーロボを手に入れちゃって、果たしてどうなる?


 あと、第7話でニーナが「韻子がいない!韻子がいない!」と騒いでいたので、二人が再会した時にどれだけ百合百合してくれるのかを楽しみにしております。(*´д`*)
 が、こんな風に共依存百合カップルみたいに描かれていると、どっちかが死んじゃって、残った方がさやかちゃん化してしまうんじゃないかと心配しています。二人にはずっと百合百合しておいて欲しいのに!

| アニメ雑記 | 17:46 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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『アルドノア・ゼロ』における「通信」の意味

※ この記事はアニメ『アルドノア・ゼロ』第6話「記憶の島 —Steel Step Suite—」までのネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。


 Twitterを見ていたら書いた方がイイ気がしたので書きます。
 『アルドノア・ゼロ』の第2話について「ジャミングされて通信できないとか言っているのに主人公が携帯電話で喋ってて。テキトーに作ってんだな」と言っているPOSTを見かけました(実際にはもっと口汚い言葉でしたが)。

 「そんなに分かりづらいシーンだったかな……」と最初は思ったんですけど、私は『アルドノア・ゼロ』の特に第2話は大好きで4~5回は繰り返し観ているから分かっているだけで。1回しか観ていない人&繰り返し視聴できる環境のない人には分かりづらかったのかも知れないので、そういう人達に向けて解説記事を書こうと思います。


 というのも……「ジャミング」とか「通信」とか「携帯電話」とかは、『アルドノア・ゼロ』というアニメの(少なくとも序盤では)最重要キーアイテムだと思われるのです。ここを「テキトーに作ってんだな」と観ていると、今後の展開で何を描いているのかさっぱり分からない可能性もありますんで、今の内に解説しておこうと。




 さて、その前に基本的な話を……
 『アルドノア・ゼロ』というアニメは「群像劇」です。
 界塚伊奈帆という主人公は一応設定されていますが、伊奈帆一人だけを描く物語ではなく、スレインだったりアセイラム姫だったり鞠戸大尉だったりといった多数のキャラクターを使って、一つの事件を中心にそれぞれが別々のことを考えてそれぞれの行動を取っている姿を描いている物語なのです。ここまでは恐らく多くの人が「なんとなく」でも分かって観ていると思います。

 そして、その「群像劇」なんですが……「群像劇」好きの私が「群像劇」を楽しむ際にどこを見ているのかというと……単にキャラクターがたくさんいて別々に動いているだけでは「ただゴチャゴチャした話」としか思えなくて、「別々の主人公達」で実は「共通するテーマ」を一貫して描いているかどうかが重要だと私は思っています。
 ウチのブログで取り上げてきた作品達で言うと……例えば『428』は、境遇も目的も違う5人の主人公を動かしながら、それぞれの物語で「父と子」という一貫したテーマを描いていましたし。『氷菓』の文化祭編(『クドリャフカの順番』)は、4人の主人公が文集の完売のために奔走する様子を描きつつ、「才能と期待」という一貫したテーマを4人の物語でそれぞれ描いていました。

 「父と子」という物語であっても、「才能と期待」という物語であっても、一人の主人公を使って描くだけだとどうしても“一面的”になってしまうところ。群像劇として多数のキャラクターを使って描くと“多面的”に描くことが出来る―――というのが、私が「群像劇」を好きな理由でもあるのです。

(関連記事:“ゲームとして”ちゃんと面白い。『428~封鎖された渋谷で~』紹介
(関連記事:『氷菓』の文化祭編が超面白かったという話



 では、『アルドノア・ゼロ』ではどうなのか――――
 伊奈帆やスレインやアセイラム姫や鞠戸大尉やその他にもたくさんいるキャラクター達を別々に動かして何を描いているのか、というのが冒頭の話に繋がってくるのです。それは……


「判断は臨機応変。イザとなれば自分を信じて決断する。
お姉ちゃん、いつも言って聞かせているでしょ」



 第2話で、伊奈帆が姉である界塚ユキと電話で話している内容―――これこそがこの作品が多数のキャラクターを別々に動かして描こうとしているものであり。
 詳しくは後述しますがこれ以後は主人公達は「携帯電話」で「通信」をすることが出来なくなるので、主人公が最後に「通信」をして受けた指示が「通信で指示を待つのではなく“自分の意志”で行動を決断しろ」という内容となっているのです。


 もちろんこの会話はユキ姉が伊奈帆にだけ言ったものなのですが……この作品のキャラクター達の行動を見れば、どのキャラクターも「通信を受けて指示された通りに動く」か「“自分の意志”で行動を決断するか」のどちらかに当てはまり(そりゃそうなんだけど……)。

 「自由に通信が出来る火星サイド」「通信が出来ずに“自分の意志”で行動を決断する地球サイド」が対比されて描かれていることが分かるのです。


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○ そもそも、何故「通信」が出来ないのか
 基本的な話ですが、例えば第2話を観ていなかったリという理由でここを見落としている人もいらっしゃると思うので……ここから説明します。

 第1話のラストで地球に降下した火星の揚陸城が、第2話の冒頭でまず行ったのは「海底ケーブルの破壊」「通信基地の破壊」「通信衛星の破壊」「ジャミングによる地球連邦軍の通信妨害」―――と、“地球サイドの通信網の破壊”から行っているのです。その結果、攻撃されている地域ではスマホやノートパソコンが通信できなくなったという描写がありますし、地球の軍隊も通信で指示を受けられなくなったという描写があります。

 この行動について、同じく2話の中盤で鞠戸大尉がしっかり説明をしてくれています。

「ジャミングだ。
強力な妨害電波でこっちの指揮系統を混乱させる。
15年前と同じ、ヤツらの手だ」



 火星軍は攻撃を仕掛ける前に、まず相手の通信網を破壊してから攻撃をする―――それが彼らの常套手段なのです。


 では、何故伊奈帆は携帯電話でユキ姉と喋れたのか?
 それは単純に、あの時点では伊奈帆達の住む新芦原市がまだ戦場になっていないからです。なので、フェリーに乗ろうとしている一般人もまだテレビのようなものを見ているし、カームと起助は「俺達も徴兵されたりしないよなぁ」なんてノンキな話をしているのです。彼らにとって戦争はまだ「面倒くさいことが起こっちゃったなぁ」くらいでしかなく、この後のカームがどんどんさやかちゃん化していることを考えると切ない会話でもあるのです。



 そして、トリルランが新芦原市に襲来してきます。
 クルーテオとトリルランの会話を振り返れば、この時点ではまだ新芦原市が戦場になっていないこと、トリルランの襲来によって新芦原市が戦場になってしまうことが分かると思います。


ト「クルーテオ卿、今すぐ新芦原に進軍すべきです。我らが姫の悲運の地に御旗を掲げば、ヴァースの大義はより確固たるものとなりましょう」
ク「うむ。元よりそのつもり。
 だが、まずは落着地制圧が急務」
ト「ならば、クルーテオ卿。
 是非このトリルランにお任せを。長らく食客に甘んじた御恩を果たすに、絶好の機会」
ク「うむ。貴公に委ねようトリルラン。
 当地の責任者を拘束し、姫の死にまつわる仔細を明らかにするのだ」
ト「はっ」



 「新芦原市は日本のどの辺りなのか?」というのを、自分は何故だかずっと東京の市なんだと思っていたのですが(モデルとなっているロケ地が東京だからですかねぇ)、東京が陥落してからトリルラン襲来までのタイムラグと、新芦原市への隕石爆撃にクルーテオが気付いていなかったことを考えると……
 新芦原市は東京から結構離れた場所と考えるのが妥当みたいですね。東京の通信基地が破壊されても新芦原市で携帯電話が使えたのも、そう考えれば納得です。
 

 もちろんトリルランの狙いは「姫の悲運の地に御旗を」なんてものではありません。アセイラム姫を暗殺した火星軍からのスパイ(ライエの父親等)を口封じのために抹殺しにやって来るのです。
 とにかくこれで新芦原市も戦場になり、これ以降は伊奈帆達も「通信」を封じられて、地球連邦軍から孤立してしまいます―――奇しくもユキ姉が“最後の電話”で伊奈帆に伝えた「通信で指示を待つのではなく“自分の意志”で行動を決断しろ」という事態に追い込まれてしまうのです。



 『アルドノア・ゼロ』という作品は、こうして「通信が途絶されて自分達以外に誰にも頼れない状況」にて「一人一人のキャラクターが自分を信じて決断する」様を描いている作品なんです。

 誰にも頼れない状況だからこそ、自分達で火星カタフラクトを撃退しようとした伊奈帆も。それに協力しようとしたアセイラム姫も、父の仇を討とうとしたライエも、伊奈帆達を助けようと揚陸艇で救助に向かった鞠戸大尉も、誰かに命令されたワケでもなく“自分の意志”で行動をしました。

 6話のスレインの行動なんかも、恐らくはそうですよね。
 誰にも頼れない状況に追い込まれ、自分の意志で決断した結果―――彼は「オレンジ色のカタフラクト」を追って種子島までやってきたのでしょうから。



○ 「通信が出来る火星サイド」と「通信が出来ない地球サイド」
 そして、対照的に……火星軍は巨大な揚陸城から長距離レーザー通信で連絡を取り合う様や、“謁見の間”にて火星にいる皇帝に直接通信を取る様が描かれています。地球サイドとは対照的に、彼らはいつでも通信で繋がれる状況にいるのです。

 しかし、彼らは“真の意味では”全く繋がれていません。

 ザーツバルムはクルーテオに覚られないように「アセイラム暗殺の秘密」を知るスレインを注視しているし、スレインは皇帝に「通信」で真実を伝えた気になったけれど逆に火星からの正式な宣戦布告を導いてしまうし、ザーツバルムとの「通信」で指示を受けていたトリルランは予想外の事態に反応できずに撃退されてしまうし。

 「通信」で繋がれているはずの火星軍は、ちっとも連携が取れずに伊奈帆達に各個撃破されている状況で―――




 再び、「通信」では繋がれていない地球サイドを比べてみると……
 第3話でニーナは「フェリーの乗客名簿に名前がなかったから」という理由で、いるかも分からない韻子達を助けるために揚陸艇に乗り込んで救助に来たし。第4話で不見咲副長はマグバレッジ艦長らが絶体絶命の大ピンチの瞬間に駆けつけていたし。先ほど書いた鞠戸大尉が揚陸艇で来た件も、貝塚ユキが生きて避難民を守って戦っていることを信じたからこその行動で。

 「通信」で繋がれていない地球サイドの方が、連絡の取れない友や仲間のことを想うことで、絶妙なチームワークで繋がれているんです。



 言ってしまえば、この『アルドノア・ゼロ』という作品――――
 どこでだって誰とだって「通信」で繋がれるこの時代に、それを超越した「人と人との心の繋がり」を描いているとも言えるのです。

 もちろんそれを「面白いと思うか」は人それぞれですし、今時こんな真っすぐなメッセージを込める作品なんてこっ恥ずかしいって思う人もいるでしょう(※1)けど、少なくともこの作品が「テキトーに作ってんだな」という作品ではないことが伝われば幸いです。

(※1:だからこそ分かりやすい台詞で説明したりはしないんですけどね。)

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○ 余談
 ……と、ここまで書いてきたことをまとめると。

 「地球サイドは、“通信”が出来なくても“自分の意志で決断”して、友や仲間のために行動する正しい連中」
 「火星サイドは、“通信”に頼り切って“自分の意志で考えることを放棄”して、仲間同士で騙しあったりする間違った連中」


 という勧善懲悪な作品に思えるかも知れません。
 実際、キャラクターの描き方も「地球サイドのキャラはみんないいひと」で「火星サイドのキャラはみんなイヤなヤツら」に見えるように描いているように思えます。でもきっとワザとですよね、これ。


 『アルドノア・ゼロ』は分割2クール作品だそうなので、全24~26話辺りなのでしょう。
 現在はまだ6話が放送されている時期ですから……このまま最後まで「この勢力図のまま」終わるとは思えません。何よりストーリー原案が虚淵さんですからね。
 虚淵さんが以前ラジオにゲスト出演された際に、虚淵さんの作品に「信じていたシステムに裏切られていたことに気付く」展開が多いのは信じていた○○主義が幻想でしかなかったという話を父から聞かされていたから―――という話をされていて。『アルドノア・ゼロ』がまさにそういう話になっていくのなら、ここから二転三転はしていくのだろうと。


 第6話でアセイラム姫がアルドノアの起動因子には皇族の遺伝子情報がうんぬんという話をしていたので……
 まさか!姫様の妊娠フラグですか!(*゚∀゚)=3 と、テンション上がりかけたのですが。アセイラムはエデルリッゾと擬似姉妹でイチャイチャし続けて欲しいし、百合百合するのならライエとがイイので、アルドノアの力でどうにかして女のコ同士で子作りできる奇跡を起こして欲しいです!

| アニメ雑記 | 17:49 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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「視聴者だけが全てを知っている」というシチュエーションに私は弱い

※ この記事はアニメ『アルドノア・ゼロ』第2話「地球の一番長い日 —Beyond the Horizon—」までのネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。


 いやー、ビックリするくらい面白かったです。『アルドノア・ゼロ』第2話。
 第1話を観た時は「まだまだよく分からんなー」くらいの手応えだったのですが、第2話で早速フルスロットルで面白くなりました。「ストーリー原案って言ってもどうせ名前貸しているくらいなんだろうな」と思ったら、虚淵さんガッツリ脚本書くのね。やっぱり「うわっ、何だコレ!早く続きを見せてくれよ!!」と思わせる達人だと思いますわ。

 輸送車で必死に逃げまくるとこのハラハラ感とか、“FOOD理論”的に言えば伊奈帆くんがお姉ちゃんのために作っていたのがスクランブルエッグじゃなくてだし巻き卵だったのがグッと来すぎるとか、見所はたくさんありまくるのですが……個人的に「あ、これ。俺の大好きなヤツだ!」と思ったところの話を今日は書きます。


 それは「視聴者だけが全てを知っている」というシチュエーション。
 火星からやってきたアセイラム姫はテロの被害に合って死んでしまった―――
 と思われているのですが、「実際には体調を崩したアセイラム姫の身代わりにパレードに出ていた女性が殺されたのであってアセイラム姫は健在。」という説を唱えている女性こそがアセイラム姫だということを、「エデルリッゾがアセイラム姫に仕えている」ということを知っている視聴者だけは分かっているのですが、地球の人々は知りません(伊奈帆くんは気付いているのかも知れませんが)。

 んで、このアセイラム姫を殺すテロを起こしたのは、地球人ではなく実は火星人―――ということを知っている当事者のテロリストは全員トリルランに殺されたのだけど、唯一その一人の娘ライエだけは生き残り。アセイラム姫ともども、伊奈帆達に助けられ。

 圧倒的戦力差にも関わらず、伊奈帆は火星人達と戦うことを決意するのだけど―――実は一緒に逃げている集団の中に「火星のお姫様」と「そのお姫様を暗殺して戦争を引き起こした首謀者の娘」を知らずに抱えていて。単に逃げ遅れた学生と民間人の集まりが、(本人達も知らない内に)地球の命運を握る一団になっているという。


 これは燃えるしかない展開じゃないか!というのもさることながら、

 伊奈帆達は、アセイラム姫の正体もライエの正体も知らず。
 アセイラム姫は、ライエの正体を知らず。
 ライエは、アセイラム姫の生存を知らず。
 火星サイドのお偉いさん方も、アセイラム姫の生存を知らず。

 でも、我々視聴者だけは「全ての真実」を知っているという。
 アセイラム姫の正体がバレないかというハラハラと、ライエの正体に早くみんな気づけよというもどかしさを同時に味わわせる見事なキャラ配置ですし。このキャラ配置だとエデルリッゾ辺りが「うわー!余計なことすんなー!」ということをしでかしそうだし、火星軍が地球を混乱に陥れるために最初に通信網を破壊したことでアセイラム姫が連絡を取れなくなっているし、視聴者だけがやきもきさせられているのが凄いです。


 同じ虚淵さん脚本のアニメでも『魔法少女まどか☆マギカ』は、「視聴者も何が起こっているか分からない」「全てを知っているのはほむらちゃんだけ」という設定でグイグイ話を引っ張っていくアニメでしたが。
 『アルドノア・ゼロ』は、「登場人物全員が何が起こっているか分からない」「全てを知っているのは視聴者だけ」という設定でグイグイ話を引っ張っていくというのがすごく興味深いです。



 もちろん、私が好きなこうした「視聴者だけが全てを知っている」作品は『アルドノア・ゼロ』だけではないです。
 ラブコメ作品の中の「片想いをしているキャラ」が好きなのは、相手には伝わっていないその想いを「自分は知っている」ことでハラハラ&やきもきさせられるからだし。アンジャッシュのすれちがいコントが好きなのは、「自分は知っている」ちょっとのズレがトンでもないことを引き起こしていることに当人達が気付いていないことにゲラゲラ笑えるからだし。私が最初の『ガンダム』を別格で好きなのは、ジオン軍のエリートが必死こいて追いかけているホワイトベースの乗組員がたまたま居合わせた少年少女達なことを「自分は知っている」からだし。

 『刑事コロンボ』に代表される倒叙式のミステリー作品も、「視聴者だけは犯人を知っている」状態から「どうやって探偵が犯人に気付いて追い詰めていくのか」を楽しむものなので、「視聴者だけが全てを知っている」に該当するかも知れませんね。



 そう言えば、ブログには多分書いていなかったんですが『ジョジョ』3部のアニメ、観てます。「好きな原作のアニメは観ない」私なのですが、『ジョジョ』3部を最後に読んだのは15年くらい前なので「こんな能力の敵いたなぁ!」「で、どうやって倒すんだっけ……」と微妙に記憶が残っていないので普通に楽しめています(笑)。

 んで、子どもの頃は気付いていなかったんですけど、『ジョジョ』3部ってただ単に「敵のスタンド使いが出てきたので倒す」ってパターンを繰り返すんじゃなくて……
 最初は正々堂々と主人公達の前に現れて1vs1の勝負→ 今度の敵は「どいつがスタンド使いか」分からないままスタンドだけが襲ってくる→ 今度の敵は「どれがスタンドか」分からないままなんか攻撃されている→ 今度の敵はチームで襲ってくる→ 等々、といったカンジに「どう戦うのか」のパターンを毎回変えていて飽きさせないようにしていたんですね。

 どの敵とはネタバレになるから書きませんけど、その敵の中に「視聴者はコイツが敵のスタンド使いだと知っている」けど「主人公達はそれを知らない」敵が出ていて――――うわああああ!ポルナレフ、さっさと敵の正体に気づけよ、この馬鹿あああああ!と、やきもきさせるようになっていたのです。ご丁寧に「コロンボ」ってワードも出てきますし(笑)。

 というか、ひょっとしたら私のこの「視聴者だけが全てを知っている」シチュエーションが好きだというルーツは、この『ジョジョ』3部かも知れないなぁって思うのです。『コロンボ』とか『古畑』とかを知るよりももっと前に、『ジョジョ』3部の方を読んでいましたから私。
 子どもの頃から大好きな漫画でしたけど、今観ると「ホントよく考えられているなぁ……」と改めて感心してしまいます。




 閑話休題。
 ということで、今季のアニメは大豊作だと思います。
 ほぼ毎日楽しみなアニメが放送されて幸せな日々。

 そう言えば、虚淵さんが黒田洋介さんからアニメ脚本の手法として教わったもので―――

<以下、引用の引用>
 1話でインパクトを与えて途方に暮れさせ、2話では(作品の)世界観とストーリーの方向性を説明する。そして3話では、それまでに説明したこと以外のことも起こり得るというサプライズを起こす
</ここまで>

 というものがありましたね
 『まどか☆マギカ』は1~2話で「ふむ……オーソドックスな魔法少女ものか」と思わせて3話で「全然違ったあああああああ!」と度肝を抜いたのだけど。
 『アルドノア・ゼロ』は1話で「火星との戦争が始まり」、2話で「絶望的な戦力差で地球が好き勝手蹂躙されていく中、主人公が戦う決意をする」という展開だったので。3話で「サプライズ」を起こすのなら、主人公達からの逆転の一手が見せられるのか―――超楽しみにしております。

| アニメ雑記 | 17:55 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

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