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『閃光のハサウェイ』アニメ化に対する私の期待

 私は『閃光のハサウェイ』の小説版を全巻読んでいますけど、まだ読んでいない人や読まずにアニメを楽しみにしている人も多いと思うので、ネタバレはなるべく書かないようにしますし、コメント欄にもネタバレは書かないでください。
 ただ、今日の記事は「どういうテイストの作品なのか」は書かないとしょうがないので、そこも知りたくないという人は引き返すことを推奨します。



 「機動戦士ガンダム NT(ナラティブ)」11月劇場公開。ユニコーンの続編

 ガンダムシリーズの新作として、『機動戦士ガンダムUC』の続編である『機動戦士ガンダム NT』が発表されました。が、私もそうですし、古参のガンダムファンが驚いたのはその発表とセットで紹介された「今後のシリーズ展開」についてです。そのスライドには『閃光のハサウェイ』の文字が……「劇場3部作」とも書かれているみたいですね。

 自分のタイムラインでは、『ガンダムNT』以上に『閃光のハサウェイ』アニメ化の情報に「マジかよおおおおおお!」と大騒ぎになっていました。私もしばらくは驚いていましたが、冷静になってみると「なるほど」と思うところも多くて、今はかなり期待しています。なので、今日は「私がどうして『閃光のハサウェイ』のアニメ化に期待しているのか」を書こうと思います。



◇ そもそも『閃光のハサウェイ』ってどういう位置づけの作品?
 このブログを読んでいる人の中には、「ガンダムシリーズ全然分からないから何を大騒ぎしているのかさっぱりだ」という人もいらっしゃるでしょうし、「最近ガンダムシリーズのファンになったけどこの小説の名前は聞いたこともない」という人もいらっしゃるでしょう。
 なので、なるべく簡潔に分かりやすく「ガンダムシリーズにおいて『閃光のハサウェイ』がどういう作品なのか」を説明しようと思います。

 まず、1979年4月~1980年1月に『機動戦士ガンダム』というテレビアニメが放送されます。シリーズ1作目であり、シリーズの原点です。舞台は宇宙世紀0079年。商業的な理由で打ち切りになってしまいますが、再放送やプラモデルなどで火がつき、1981年3月から劇場版3部作(テレビアニメに新規カットを加えて編集したもの)が公開されてヒットします。

 その続編として1985年3月~1986年2月に放送されたのが『機動戦士Zガンダム』でした。舞台は、『ガンダム』で描かれた一年戦争の7年後となる宇宙世紀0087年です。「79年の7年後は86年では?」と思われた人もいるかもですが、年が変わるくらい長い戦いを描いていたということです。
 主人公やヒロインは新キャラですが、「前作の7年後の世界」なので前作『ガンダム』のキャラも多数登場します。当時のファンからすると、「あのキャラが7年後にこうなったのかー」という驚きがあったんじゃないかなと思います。

 その次が、1986年3月~1987年1月に放送された『機動戦士ガンダムΖΖ』で、舞台は『Zガンダム』直後の宇宙世紀0088年です。
 こちらも主人公達メインキャラは新キャラですが、『Zガンダム』と地続きの話なので、『ガンダム』や『Zガンダム』のキャラも登場します。

 そして、1988年に公開されたオリジナル劇場版アニメが『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』です。宇宙世紀0093年を舞台に、『ガンダム』1作目から続く因縁の最終決戦が描かれます。『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』のキャラが登場する……と言って構わないでしょう。



 その次のオリジナル劇場版アニメ『機動戦士ガンダムF91』は1991年3月に公開され、「シリーズの仕切り直し」として『逆襲のシャア』から30年後の宇宙世紀0123年を舞台にしているため、(設定上はさておき)前作までのキャラは一切登場しません。

 宇宙世紀0096年を舞台にした『機動戦士ガンダムUC』が(小説版は2007年~、アニメ版は2010年~)出てきてからはちょっとややこしくなってしまいましたし、OVA作品の中にも『ガンダム』や『Zガンダム』のキャラがチラッと登場していたりもしますし、『THE ORIGIN』についてはもっと説明が面倒なんですけど……
 基本的には、最初の『ガンダム』のキャラがしっかり登場する作品は『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』という4作品だけだったんですね。アニメとしては。



 じゃあ、『閃光のハサウェイ』とは何なのかというと……
 これは(今までは)アニメになっていない小説で、『逆襲のシャア』の公開と『F91』の公開の間の期間である1989年から1990年にかけて全3巻で刊行されました。書いているのは富野監督ご本人です。舞台となるのは『逆襲のシャア』の12年後となる、宇宙世紀0105年とされています(これについては後で触れたいと思います)。そして、『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』に出てくるキャラが登場します。『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』のキャラが登場する最後の作品と言ってイイでしょう。
 つまりですね……『ガンダム』のキャラが登場するアニメ作品は、『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』の4作品で完結しているのかと思いきや。実はその後を描いた小説版がある―――“真なる完結編”みたいな立ち位置の作品だったんです。


 ということで……アニメにはなっていないけど、ガンダムの年表の中では重要な立ち位置の作品である今作は、『Gジェネレーション』などのゲームにも登場したり、今年去年の2月に発売された『スーパーロボット大戦V』にも登場したりしていたんですね。

※ 5月5日:修正しました



◇ ガンダムにおける「アニメ」と「小説」の差
 しかし、実は厄介なこともあるのです。

 『ガンダム』の作者と言えば、富野由悠季監督で。
 そして、『閃光のハサウェイ』の小説を書いたのも富野由悠季さんです。監督自らが書いているのだから「公式」かというと、実はそうでもないのがややこしい。

 例えば、最初の『機動戦士ガンダム』にも富野由悠季さん本人が書いた小説版があります。テレビアニメ放送のタイミングで発売されて大ヒットしたのですが、高年齢層に向けて書かれたものらしくて、設定からストーリー展開、物語の結末まで、アニメ版と全然ちがうそうなんですね。
 「アニメの監督」も「小説を書いた人」も同じ人なのに、物語が全然ちがう……アニメは色んなしがらみによって例えばやられメカを出さなければならなかったなどの事情を考えれば、「小説版こそが富野さんが描きたかった本当のガンダム」と言えるのかも知れませんが、そちらを公式としちゃうと『Zガンダム』に話がつながらないという……(笑)。

 なので、ガンダムシリーズの「公式」はアニメ版の方にあって、小説版は「非公式」扱いなんだと思います。確かサンライズ的には「アニメになったものが公式」だったはず。

機動戦士ガンダム I (角川スニーカー文庫) 機動戦士ガンダム II (角川スニーカー文庫) 機動戦士ガンダム III (角川スニーカー文庫)


 んで、この『閃光のハサウェイ』という小説に話を戻すのですが……
 この小説、実は劇場版アニメ『逆襲のシャア』の続編ではなくて、『逆襲のシャア』の小説版の一つである『ベルトーチカ・チルドレン』の続編なんですね。そして、『逆襲のシャア』も劇場アニメ版と小説版では微妙に話がちがうのです。

 『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』の4つのアニメからつながる“真の完結編”として読むと、「あれ?話がビミョーにちがくない??」となってしまうという。
 「アニメになったものが公式」理論で言えば、『逆襲のシャア』の公式は劇場アニメ版ですから、『ベルトーチカ・チルドレン』は非公式で、その続編となる『閃光のハサウェイ』も非公式となってしまい……“真の完結編”と先ほどは書きましたが、実際には監督自らが書いたパラレルワールドでの非公式の後日譚というよく分からない立ち位置になってしまっているのです。

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン (角川スニーカー文庫)
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(上) 機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ (角川スニーカー文庫) 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(中) 機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ (角川スニーカー文庫) 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(下) 機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ (角川スニーカー文庫)


 だからですね。
 私が『閃光のハサウェイ』のアニメ化に期待するのはここなんです。

 今までは非常に扱いづらい、ややこしい立ち位置の作品だった『閃光のハサウェイ』を―――サンライズが「公式」に、劇場版アニメ『逆襲のシャア』の続編として描き直してくれるのなら、今後ゲームなんかで登場する際にも分かりやすい位置についてくれるんじゃないかと思ったんです。

 『閃光のハサウェイ』を既に読んでいる人からすると、「あの地味な話をアニメ化するの?」「あの暗い話をアニメ化するの?」といったカンジに“原作小説の忠実なアニメ化”を考えてしまうと思うのですが。そもそもの『ガンダム』のアニメ版と小説版が全然別物だったという話からすると、『閃光のハサウェイ』のアニメ版はもっと派手な話にしたり、もっと明るい話にしちゃってもイイと思うんですね。
 新型MSをもっとたくさん出して、戦闘シーンも増やして、新キャラも出して、トップレスの女性キャラには服を着せて、結末だって変えちゃってもイイと思うんです。


 ……と言えるのは、私があんまり『閃光のハサウェイ』の小説版をあまり好きじゃなかったからかも知れませんね(笑)。
 あの小説版が大好きな人は「改変するんじゃない!」と怒るかも知れませんが、私はそのメディアに合った作品に作り替えるのがメディアミックスだと思うので、大胆に変えちゃってもイイと思います。富野さんが許可してくれるのかは分かりませんが……




◇ 新たなシリーズ作品の中での『閃光のハサウェイ』
 ここでもう一度、「今後のシリーズ展開」として発表されたスライドを貼っておきます。

 新作として発表されているのは3本で……
・宇宙世紀0097年 『ガンダムNT』
・宇宙世紀0103年 『閃光のハサウェイ』
・宇宙世紀0104年 『ガンダムUC2(仮)』

 この3本を「連続する世界観を持つシリーズとして打ち出す」と書かれています。そして、これが次世代のガンダムファンにとってのスタンダードになるように展開していくと読めます。


 さて、ここで気づいたことがある人は鋭い。
 『閃光のハサウェイ』の年表が宇宙世紀0103年になっているんですよ。先ほど私は『閃光のハサウェイ』小説版の舞台は宇宙世紀0105年だと書いたのですが……それが2年ほど前になっているのです。

 実はこの『閃光のハサウェイ』の舞台が何年なのかは小説には記載されておらず、あらすじにも「宇宙世紀0100年代」としか書かれていません。「宇宙世紀0105年」と最初に書かれたのがいつかは分からないのですが、ネットで調べてみると1990年前後の雑誌に記載されて、後にいろんな年表に書かれるようになったとか。
 なので、Wikipediaを始めとして多くの「ユーザーが作るWEB百科事典」系のサイトには「宇宙世紀0105年」と書かれているのですが……アニメ化される今度の『閃光のハサウェイ』は「宇宙世紀0103年」が舞台という。これが何を意味するのか。



 また、今までは『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』の4つのアニメからつながる“真の完結編”のような立ち位置にされていた『閃光のハサウェイ』が、三作品の真ん中に置かれているというのも気になります。

 『閃光のハサウェイ』が「暗い話」と言われてきたのは、『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』『逆襲のシャア』の4つのアニメからつながる“真の完結編”だと思われてきたからというのが主な理由だと私は思うんですね。富野アニメって、元々「暗い話」がたくさんあるじゃないですか。『ザンボット3』も『イデオン』も『ダンバイン』もムチャクチャ「暗い話」ですよ。
 その中でも『閃光のハサウェイ』が「暗い話」と言われるのは、『ガンダム』の頃から一緒に時をすごしてきた作中キャラの最後の物語がコレなのかってことだと思うんですね。リアルタイム世代からすると最初の『ガンダム』から『閃光のハサウェイ』は10年ですからね。


 しかし、今回の発表では『閃光のハサウェイ』の後にもう1作品『UC2(仮)』という作品が作られることも発表されています。
 仮に『閃光のハサウェイ』が小説版通りの「暗い話」だったとしても、その先の話があるのです。“真の完結編”ではもうないのです。「連続する世界観を持つシリーズ」と言われているくらいなんですから、『閃光のハサウェイ』のキャラが『UC2(仮)』に登場することもあるでしょう。『閃光のハサウェイ』での出来事が、『UC2(仮)』で「去年あんなことがあったよなー」と出てくる可能性もあるでしょう。

 30年越しに、あの「暗い話」だった『閃光のハサウェイ』の後の話が描かれる―――というのは、実は『閃光のハサウェイ』のアニメ化以上に楽しみなことかも知れません。



 また、「新たな宇宙世紀100年の歴史」を描く「UC NexT 0100」シリーズとして展開されていくという話は、『閃光のハサウェイ』を既に読んでいる人にとってはニヤリと出来る表現だと思いますし……これからそうした時代の物語が埋められていくというのは楽しみでもあります。

 更に、今回は『逆襲のシャア』の宇宙世紀0093年から『F91』の宇宙世紀0123年までの30年間に作品を作る余地が――――という話でしたが。「新たな宇宙世紀100年の歴史」を描くんだったら、『F91』後の話だって今後描いていく可能性はありますよね?

 とうとう『F92』が描かれる時が来るのか!?

 (『ガンダムF92』とは、『ガンダムF91』の続編としてテレビアニメ化が企画されていたけど、『F91』がコケたため没になったと言われている幻の作品)


 でも、マジメな話……『閃光のハサウェイ』以上にガンダムシリーズのゲームなどに出てくるけど、アニメ化されているワケではないから非公式扱いの『クロスボーン・ガンダム』なんかがどうなるのか気になりますね(『クロスボーン』の舞台は宇宙世紀0133年~)。
 世論としては「『F91』の絵柄でアニメとして『クロスボーン・ガンダム』を作り直して欲しい」と言っている人が多いみたいですが……アレはあの絵柄で、漫画という媒体だから描けたものだと思うので、アニメ化しても成功しないんじゃないかと思うのだけど……そう思うのは、私が『閃光のハサウェイ』とちがって『クロスボーン・ガンダム』が大好きだからでしょうね(笑)。

 今回の『NT』や『閃光のハサウェイ』はどちらかというと「大人の視聴者」を想定している作品じゃないかと思います(劇場公開ですしね)。しかし、次世代のガンダムファンを育てるのなら「子どもが楽しめるガンダム」を作らなければならず、『ビルドファイターズ』や『ビルドダイバーズ』がそれを担えれば良かったのですがそうなれているかは微妙な現状―――思いきって、「子どもが楽しめるガンダム」として『クロスボーン・ガンダム』を作るのも手かも知れませんけどね。

 ほら、子どもにも大人気な「海賊もの」ですし!
 『クロスボーン・ガンダム』の連載開始は1994年ですから、『ONE PIECE』の連載開始の1997年より前ですよ!むしろ『クロスボーン・ガンダム』の連載が終わったタイミングで、「海賊もの」の後釜として『ONE PIECE』が出てきたと言っても過言ではな……いや、それはさすがに過言だ!(笑)


 しかし、『クロスボーン・ガンダム』を「子どもが楽しめるガンダム」としてアニメ化したとしたら、「実はその続編があるんだよ」と“真なる完結編”として『鋼鉄の7人』が読まれることとなってギャーーーーーとなりかねませんね。歴史は繰り返す!


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| アニメ雑記 | 17:56 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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「どうしてお姫様はさらわれるのか」問題と、「思ったよりお姫様さらわれないな」問題

 援護のためというか、私自身もちょっと語りたくなったので拡散します。
 ただまぁ、この記事……ナチュラルに色んな作品のネタバレを含んでいるのでお気を付けください。


 lastlineさんが挙げている例はどれも「ゲーム」ですけど、「漫画、アニメ、古典などを問わず、募集してます」とのことです。

 それで自分も考えてみたんですけど、「ゲーム」の例はものすごくたくさん思いつくのに比べて、「漫画」とか「アニメ」とか「小説」とか「映画」とかで例を考えてもなかなか思いつかないんですね。

 『スーパーマリオ』も『ゼルダの伝説』も『ドラゴンクエスト』も1作目は「お姫様がさらわれたから助けに行こう」という作品で、私はこれらの作品に初めて触れた時に「魔王にお姫様がさらわれてそれを助けに行くのは定番のシチュエーションだ」と思った記憶がかすかにあるので……「ゲームにしかないシチュエーション」ではなくて、コンピューターゲームが生まれるより前からある「古典」というか「王道」のシチュエーションだったと思うのですが、それが何だか思い出せない!子どもの頃の自分が知っているということは、童話とかおとぎ話とかかなぁ。


 何故ゲームに「お姫様がさらわれて始まる」設定のものが多かったかというと……
 お姫様に限らず、「かよわい女のコをさらう敵=悪」「それを助けに行くプレイヤー=正義」という勧善懲悪の構図を分かりやすくするためだと思います。黎明期のコンピューターゲームには「本当の悪は何だ?」みたいな深遠なテーマを描けるような容量はありませんでしたから、その中で「分かりやすい悪」「分かりやすい正義」を設定だけで提示したのかなぁと思います。
 こう言っちゃなんですけどマリオだってクリボーやノコノコを大量に惨殺しているワケで、それを正当化するために「お姫様をさらった悪いヤツ」が必要なんだと思います。


 ちなみに『スーパーマリオブラザーズ』の前身である『ドンキーコング』も、「主人公の恋人であるレディがドンキーコングにさらわれたので助けに行く」というストーリーですし。
 『ゼルダ』や『ドラクエ』より2年早い『ドルアーガの塔』も、「主人公の恋人であるカイがドルアーガに捕らえられたので助けに行く」というストーリーですし。

 その頃は「お姫様」ではなく「主人公の恋人」を助けに行くというストーリーなんですね。
 それが数年後には、『スーパーマリオ』も『ゼルダの伝説』も『ドラゴンクエスト』も(『魔界村』も『影の伝説』も『忍者じゃじゃ丸くん』も)「お姫様がさらわれて始まる」設定になっているというのは、「主人公の恋人」よりも「一国のお姫様」を目標にすることで国を救うという更に大きなものを背負わせるためなんかなぁなんて思いました。


 更に更に、1980年代中盤のゲームは「お姫様がさらわれて始まる」設定のものが多かったですが、それ以降のゲームはそうではなくなったかなぁと思います。『ゼルダ』シリーズ最新作『ブレスオブザワイルド』では、ゼルダ姫は自らの意志で敵を封じ込めるためにそこに留まっていますし。『ドラクエ』は『II』の時点で、姫をさらわれるどころか国が滅ぼされて、単身生き残った姫が主人公達とともに復讐の旅に出るワケですし。ストーリー性が強くなっていくに従って、単純な「お姫様がさらわれて始まる」設定の作品は減っていったとも言えますね。




 さて、「ゲーム」以外ではどうなのか?という話。
 「お姫様がさらわれる」という作品はなかなか思いつかなかったんですけど、「女のコがさらわれるor捕まっている」のを男主人公が助けに行くという作品ならばものすごくたくさんあると思います。

 『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリスは「さらわれた」ワケではありませんが、政略結婚のために幽閉されているのをルパン達が助けるという目的のストーリーになっていきますし。『天空の城ラピュタ』にもシータが敵に捕まってしまったのを、主人公パズー達が助けにいくという場面があります。宮崎アニメで言えば、『未来少年コナン』もラナがさらわれたのを助けるためにコナンは旅立ちますね。

 もっともっと古典に遡ると、『一寸法師』は女のコを守るために鬼と戦い、その勝利の果てに「大きな体」と「金銀財宝」と「その女のコとの結婚」を得るという話ですし―――日本の物語には古来から「女のために男が戦う」という王道のテンプレがあるように思えます。


 「海外には女のために男が戦う話はないのか?」としばらく考えてみたところ、『スターウォーズ(エピソードIV)』はまんま「敵にさらわれたお姫様を助けるために旅に出る話」でした。『エピソードVI』は逆に「ハン・ソロを助けに行く」ところから始まりますけど(笑)。
 まぁ、『マリオ』や『ゼルダ』は海外でも大人気なので「日本でしか受けない日本固有の価値観」というワケではないですよね。というか、そもそも『ドンキーコング』の元ネタは『ポパイ』だから、アメコミ的な価値観とも言えるか。



 ニコ生をしながら話題になったのは、ガンダムシリーズには結構そういうシーンが多くないかという話でした。「お姫様」という設定にこだわらなければ、ロボットアニメにおいて「味方の女性キャラが敵に捕まる」とか「敵の女性キャラがスパイとしてこちら側に忍び込んでくる」とかは定番ですからね。そうすることによって「敵」と「味方」のキャラ同士が接触して、敵味方の看板を外した「人」と「人」とのつながりになるという。


 その中でも「お姫様」と呼べるポジションで思い出せるのは……

 『クロスボーン・ガンダム』にはまさに「お姫様(帝国の総統の娘)が敵にさらわれる」シーンがありますね。元々は帝国の総統の娘だったコを宇宙海賊が保護していたのを、帝国側に取り返されるという形ですが。
 その『クロスボーン・ガンダム』という作品は『ガンダムF91』の焼き直しというかリベンジで、“一般人の男主人公”が出会った少女が実は“敵国のお姫様”でしたという『ロミオとジュリエット』的な共通点があるので、『ガンダムF91』にも同じようなシーンがあります。「さらわれた」というよりかは、「それしか選択肢がなくなっちゃったから付いていった」みたいなカンジだったと思いますが。

 『Vガンダム』における女王の娘は、どういう経緯で味方サイド→ 敵サイドに行ったのか忘れちゃったのですが……『F91』『V』『クロスボーン』と「実は敵国のお姫様が何故だかこっちサイドにいて、後に敵サイドに行ってしまう」という展開が続いていたんですね。

 『ガンダムW』は「既に滅ぼされた国の王女」で、「さらわれる」というよりかは「捕らえられる」というカンジだったと思うのですが、自分を傀儡とした国家が樹立されるなど……「お姫様をさらって政治利用する」という有意義に活用された例だったかなと思います。主人公がスーパー工作員なせいか、この王女もしょっちゅう囚われの身になる。

 最近の作品だと、『ガンダムUC』も言えるかもですね。ただ、あのお姫様は「さらわれた」というよりかは「脱走したらなんか知らん間に捕まってた」みたいなカンジなので、「さらわれた」というのは微妙か。そもそも彼女は「姫」なのか?という問題が。


 「思ったよりお姫様がさらわれるシーンが多いじゃないか!」と思ったのですが、「お姫様がさらわれる」のイメージである「キノコ王国からピーチ姫だけをクッパが誘拐する」みたいなのではなくて、「国から離反していた敵国のお姫様が連れ戻される」ケースがガンダムシリーズには多いですね。『カリオストロの城』のクラリスもそうか。『アルドノア・ゼロ』もそうかな。『かぐや姫の物語』なんかも当てはまるか。
 さらう理由も「国民に人気のお姫様の地位を政治利用する」ものが多くて、それもクッパがピーチ姫をさらったり竜王がローラ姫をさらったりするのとは理由がちがいますね。


 そもそも「敵国のお姫様だけをさらう」ことに何のメリットがあるんだって話ですしね……
 それこそ『ドラクエII』ではハーゴンはムーンブルクを国ごと滅していましたし、『マリオギャラクシー』なんかだとクッパはキノコ王国を滅ぼす気満々で城ごとピーチ姫を強奪していったカンジでしたし。ラスボスはその強さを読者・視聴者・プレイヤーに見せつけなければならないので、「お姫様」どころか「国」ごと滅ぼしていくようになるのかなぁと思います。


 「国が滅ぼされてお姫様が捕らえられる」というシチュエーションなら、割とある気がしますね。
 現在アニメ放送中の『ナイツ&マジック』にもそういうシーンがありましたし、『スターウォーズ(エピソードIV)』もこれに近いと言えるかも知れません。『ダイの大冒険』のレオナ姫もそうだし、ゲームですけど『ファイアーエムブレム』シリーズには多いシチュエーションだと思います。


 逆に、ピーチ姫やローラ姫のような「健在な国から、お姫様だけを誘拐する」ケースとなると……護衛やらなんやらを突破するのは超大変そうですし、お姫様を人質にしたことで可能な交渉にも限度があるでしょうし、お姫様とエロイことをしたい!という願望でさらうことが許されるエロ漫画とかエロ小説とかエロゲーなんかを除くとあまり現実的ではないんですかね。




【故あって祖国を離れていたお姫様が連れ戻されるケース】
・『ルパン三世 カリオストロの城』(「さらわれる」の定義で考えると微妙だけど)
・『ガンダムF91』(「お姫様」の定義も「さらわれる」の定義も微妙だけど)
・『Vガンダム』(どういう経緯で敵方に行ったのか忘れた)
・『クロスボーン・ガンダム』
・『アルドノア・ゼロ』
・『かぐや姫の物語』

【国が滅ぼされてお姫様も囚われるケース】
・『スターウォーズ(エピソードIV)』(順番的には逆だけど)
・『ダイの大冒険』
・『ガンダムW』(とっくの昔に滅んだ国の王女様だけど)
・『ナイツ&マジック』

【なんか知らん間に捕まってたケース】
・『ガンダムUC』


 思いついたのはこんなところですかねぇ。
 こう見ると、『ガンダムUC』の彼女は迂闊すぎるにも程があったと思える。

 みなさんも思いつきましたら、私に…というより、lastlineさんにどうぞ。


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| ひび雑記 | 17:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』各話感想メモまとめ(39話~最終話)

 ……

 ………率直な今の私の気持ちを書きますと、「この記事、書きたくねえ……」です。この作品の感想、誉めても貶して先には地獄しか待っていないことが分かっているので全力で逃げ出したいです。
 なんでこんな「アニメの感想をまとめる記事」なんてものを始めてしまったのか!3年前の自分にDメールを送って辞めさせたい!

 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』各話感想メモまとめ(1話~13話)
 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』各話感想メモまとめ(14話~25話)
 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』各話感想メモまとめ(26話~38話)


<ルール>
・39話から最終話までの感想ツイートを貼り付け
・“最終話まで観終わっている”現在の自分のコメントを補足
・なので、基本的に最終話までのネタバレを含みます
・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな

 今回の記事も長くなることが予測されるので格納しました。
 続きは「続きを読む」を押してもらえれば表示されます。ではでは。

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| アニメ雑記 | 17:58 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

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『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』各話感想メモまとめ(26話~38話)

 1クール目も2クール目も「感想メモまとめ」の記事を書いていたので、3クール目も書きますよ!4クール目もきっと書きます!ブログが続いていれば!

 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』各話感想メモまとめ(1話~13話)
 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』各話感想メモまとめ(14話~25話)


<ルール>
・26話から38話までの感想ツイートを貼り付け
・“38話まで観終わっている”現在の自分のコメントを補足
・なので、基本的に38話までのネタバレを含みます
・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな

 今回の記事も長くなることが予測されるので格納しました。
 続きは「続きを読む」を押してもらえれば表示されます。ではでは。

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| アニメ雑記 | 17:50 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』各話感想メモまとめ(14話~25話)

 もう春アニメが始まっていますが、アニメ感想メモまとめです!
 1クール目を既にまとめてしまっているので、2クール目もやらなければならないという義務感でまとめているのですが、ということは……(以下略)。

 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』各話感想メモまとめ(1話~13話)

 詳しくはネタバレになってしまうので後で書きますが、非常に書きづらいんですよ、この作品の感想って……

<ルール>
・14話から25話までの感想ツイートを貼り付け
・“25話まで観終っている”現在の自分のコメントを補足
・なので、基本的に25話までのネタバレを含みます
・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな

 今回の記事も長くなることが予測されるので格納しました。
 続きは「続きを読む」を押してもらえれば表示されます。ではでは。

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『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』各話感想メモまとめ(1話~13話)

 14話が放送される前に書き終わらねばなりません!冬アニメ感想まとめです!
 これまでは視聴しているアニメ作品は全て「ツイートをまとめる」ということをやっていたのですが、ツイセーブに自分のTwitterの呟きは全部記録するようにしたので、感想を読みたければ作品名で検索すれば読んでもらえるようになったんですね。

 なので、「ツイートをまとめる記事」の役割はもうほぼ必要なくなったとも言えるのですが、プッシュしている作品は「今現在の自分のコメントを捕捉として載せる」目的で今後も毎季2~3作品くらいのペースでやろうかなと思っています。

<ルール>
・1話から13話までの感想ツイートを貼り付け
・“13話まで観終っている”現在の自分のコメントを補足
・なので、基本的に13話までのネタバレを含みます
・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな

 今回の記事も長くなることが予測されるので格納しました。
 続きは「続きを読む」を押してもらえれば表示されます。ではでは。

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『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の魅力は「分かりやすさ」だ!

 10月から始まった新ガンダム『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』がとても面白いです。
 自分の大好きな長井監督が手がけるガンダム作品ということで、始まる前は「もしつまらなかったらどうしよう……」「日本中のアニメファンから叩きまくられる内容だったらどうしよう……」と不安だったのですが。Twitterの自分のタイムラインを見る限り、普段アニメを観ないような人も楽しんでいる人が多いみたいで安心しました。何目線なんでしょう、私は。


 ただ、この作品をブログで話題にするのは難しいなーと思っていたんですね。
 「面白い!」以外に特に言うことがないのです。強いて言えば、「超面白い!」くらい。

 歴代ガンダム作品の中でも、今回の『鉄血のオルフェンズ』ってトップクラスに「分かりやすい」作品だと思うんですね。お話が分かりやすいというだけでなく、面白さが分かりやすい―――わざわざブログに記事を書いて「こういう見方をすると面白くなるんですよ」みたいなことを言わなくても、面白さが伝わっている作品だと思うのです。




 しかし、この『鉄血のオルフェンズ』は来週の週末に1話~6話を48時間限定で無料配信するそうです。ということは、このタイミングでブログで話題に出せば、興味を持ってもらえて「今まで観ていなかった人」も観始めるかも知れませんよね。なので、今日は「今まで観ていなかった人」にも興味を持ってもらえるように、『鉄血のオルフェンズ』の「分かりやすさ」を語っていこうと思います。

 ネタバレはなるべく避けますが、これから観始める人が理解しやすいように「こういう構造の話だよ」という話はします。「ガンダムって何か難しそうだし……」という人にこそ読んで欲しい!


 ちなみに、今回の48時間限定の無料配信とは別の話で。
 ガンダムファンクラブというサイトならば誰でも「最新話1週間無料」で視聴できます。PCからでも利用可能。
 更に、自分は試していませんが、月額600円の有料会員になれば今までの話も全話見放題です。この有料会員は「7日間無料キャンペーン」もやっているそうです。

 更に更に、バンダイチャンネルの有料会員も全話見放題、dアニメストアの有料会員も全話見放題です。ただし、こちらはガンダムファンクラブに比べて1週間遅れの配信みたいですね。

 期間限定配信は1~6話だけなので、それ以降はどうしたらイイんだ!という人はこれらのサービスを利用するのも手ですね。

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分かりやすさ1:キャラクターデザインが分かりやすい
 ガンダムシリーズは「宇宙」を舞台にした「戦争」を題材に描くことが多いので、どの作品もとにかくキャラクターが多いです。『鉄血のオルフェンズ』もまだ序盤だというのに、結構な数のキャラクターが登場しています。ストーリーが進めば更にキャラクターは増えていくでしょう。

 なので、『鉄血のオルフェンズ』はキャラクターデザインが分かりやすくなっていて、「キャラクターの見た目」と「中身」と「役割」が一致しやすいようになっています。

 端的に言ってしまうと……「悪そうな顔をしたキャラは、ちゃんと悪人」みたいなことです。
 コーラルにしても、1番組の隊長にしても、トドにしても、見た目からして“嫌なやつ”っぽいキャラは実際に“嫌なやつ”でした。
 逆に、オッサンはオッサンでも渋くてカッコよいオッサンな見た目のおやっさん(ナディ・雪之丞・カッサパ)クランク二尉は、作中でも人望の厚い人格者なキャラクターでした。

 あくまで今のところは……ですけど、『鉄血のオルフェンズ』には「見た目は悪そうだけど実はイイ人」とか「善人そうだけど実は極悪人」みたいな人がいないんですね。悪く言えば「キャラクターデザインが記号的すぎる」のかも知れませんし、多くの作品は敢えてそうならないように心がけているものだと思いますが、私はこれだけ膨大な数のキャラクターが出てくるガンダムシリーズならば正しい方針だと思います。


 これは「オッサン」だけでなくて、メインキャラとなる若者達もそうで……
 太っちょで温和そうな見た目のビスケットは、実際に温和なキャラだし。
 ガチムチで難しい顔をしている昭弘は、イメージ通り口数が少ないし。
 金髪くせっ毛のユージンは、見た目どおりの神経質な性格で。
 逆に、背が高くて短髪のシノは、細かいことを気にしない大雑把な性格です。

 主人公の三日月からしてキャラクターデザインは「表情が分かりにくいミステリアスな目」をしていて、実際に奥底が知れないような不思議なキャラになっていますし。リーダー格のオルガは、長身・色黒・銀髪と“他のキャラとは違う”特徴的なキャラクターデザインになっています。


 Wヒロインの対比も分かりやすい。
 クーデリアは、長身・金髪ロングヘアー・巨乳という見た目からしての「お嬢様」で。
 アトラは、ちびっこくて子どもっぽい体型の「幼馴染」ポジションですもんね。

 他のキャラも……
 頭の良さそうな金髪イケメンのマクギリスは、しっかり相手を分析してから攻撃してくるという「頭の良さそうな」戦い方をしてくるし。
 快活で性的アピールの強いラフタは、その性格通りに機動性で翻弄してくる戦い方をしてくるし。
 如何にも仕事の出来そうな眼鏡女子のフミタンは、眼鏡女子っぽく機械に精通していて通信士として活躍しているし。
 白スーツでいかにもな伊達男名瀬は、ハーレム艦を作っているほどだし。



 「キャラクターデザインの見た目」から受け取る第一印象と、実際の彼ら・彼女らの「性格」「能力」「ポジション」がほとんどズレていないことで、たくさんいるキャラクターがごっちゃにならずに把握できるのかなぁと思います。第1話~第2話辺りは「キャラ多くて大丈夫か?」と思って観ていたのですが、今ではすっかり各キャラを個体認識できるようになりました。


 あと、キャラの名前についても……
 三日月・オーガス昭弘・アルトランドナディ・雪之丞・カッサパ名瀬・タービン……といったカンジに、「漢字」の入ったキャラクターが何人か出てくるのですが、みんな「黒髪」なんですよね。

 「日本人っぽい名前」と「黒髪という見た目」がシンクロしやすいようにしているのかな―――という話を書こうと思っていたのですが、クーデリア・藍那・バーンスタイン桜・プレッツェルにも漢字が入っていました(笑)。
 アインとかは黒髪だけど漢字入っていませんし、よーし今の話は忘れてくれー。


 でも、主人公の名前が「三日月」というのは日本人にとって個別認識しやすい名前ですし、ヒロインの「クーデリア」という名前も五文字の呼び名で他とごっちゃにならない名前というのも分かりやすいですね。呼び名が五文字のキャラは、あとは「ビスケット」「マクギリス」「デクスター」「おやっさん」くらい(笑)。



分かりやすさ2:キャラクター配置が分かりやすい
 これも「今現在は」という括弧付きの話ではあるんですが……
 『鉄血のオルフェンズ』にはたくさんのキャラクターが登場しますが、勢力図ということを考えるとそれほど分かりにくくはありません。分類すると、「同じ艦の仲間」と「それ以外」です。


 思い返せば、最初の『機動戦士ガンダム』だってそうです。たくさんのキャラクターがいて、複雑な話に思えるかも知れませんが、基本的には「ホワイトベース」と「それを追いかけるジオン軍」の話なんです。複雑なのは、その「ジオン軍」の中に様々な思惑があって「○○派」「××派」みたいな派閥争いとかがあることなんですけど、そういうのを気にしなければ「仲間」と「敵」で分かりやすく分類される話なんです。
 これは『ガンダム』の次の『イデオン』を観ても思ったことなんですけど、当時はまだビデオデッキがそれほど普及していませんでしたから「1話から通して全話を観る」人ばかりではなく、「途中から観始めても何となく分かる」シンプルな構造になっていたんですね。

 時代が進むとビデオデッキも普及するし、レンタルビデオなんかも出てくるし、最近ではネット配信なんかで1話から通して観ることも出来るようになったため―――後のガンダムシリーズも、「たくさんの勢力が出てきてどれがどれと戦っているのか分からなくなる」とか「単独行動しているキャラがたくさんいるのでどのキャラが今何をしているのか分からなくなる」ことが多くなっていって、その複雑さこそがガンダムシリーズの人気でもあるので別に悪いとは言いませんが。


 『鉄血のオルフェンズ』は今のところ、仲間はみんな一緒に行動していて、敵はそれを妨害するギャラルホルンという分かりやすい構造なので―――ぶっちゃけた話、例えば次の日曜日に放送される第9話から観始めても割とすんなり理解できるんじゃないのかなーと私は思っています。
 ちなみに、これは完全にネタバレ情報なのでネタバレが嫌な人はリンク先を開かないで欲しいのですが、『鉄血のオルフェンズ』は毎週公式サイトの「World」というページで各キャラクターの最新の相関図を発表しています。例えば、誰かキャラが死んだとしたら、相関図の中で「コイツは死にました」とわざわざ載せる凝りようなのです。そのためうっかりリンク先を開くと、これから第1話から観始めようとしている人にとっては「コイツ死ぬんかい!」とネタバレになってしまうのでご注意を。

 これから第1話から観始める人は、放送開始前の相関図と、第1話放送後の相関図をどうぞ。

 元々「キャラの配置」がごっちゃになりづらい“分かりやすい”作品だと思うのですが、こうして毎週毎週手間をかけて「今こうなっていますよー」と教えてくれるので「ガンダムってたくさんキャラが出てきて難しそう……」と敬遠している人も問題なく楽しめる作品だと思います。



分かりやすさ3:目的が分かりやすい
 これは序盤のネタバレと言えば、ネタバレなので……何も知らずに観たい人は読み飛ばしてください。




 この作品の主人公達は、「クーデリアを火星から地球に送り届ける」という目的で行動しています。“スタート地点”と“ゴール地点”がハッキリしているストーリーなんですね。先ほどリンクを貼った公式サイトの「World」というページの一番下には、今現在の三日月達がどれだけ地球に近づけたのかという画像が載っているほどです。

 それこそ最初の『機動戦士ガンダム』もそうでしたよね。あの話は、サイド7というコロニーから地球のジャブローまで「ホワイトベース」が何とか逃げまくるという話です。
 『宇宙戦艦ヤマト』もそうです。地球からイスカンダル星まで「ヤマト」が向かうという話です。


 目的がハッキリしていることでストーリーを引っ張ってくれる力になるし、視聴者にも「今は全体の中のどの辺まで進んだ」ことが分かるというものです。まぁ、「ジャブローってどこだ」「イスカンダルってどのくらい離れているんだ」という問題はありますが。
 例えばこれが「戦争に勝つ」という目的のストーリーだとすると、「戦争ってどうすれば終わるのか」が誰にも分からないし、「今は全体の中のどの辺まで進んだ」のかが分かりづらかったりします。もちろんだからこそ「終わりが見えない戦争の悲惨さ」のようなものも描けるのですけど、「どこに向かっているか分からない話」はどうしたって付いてこられる人が絞られてしまいますからね。

 この「目的がストーリーを引っ張るんだ」という話、それだけに絞って記事を書いた方が面白そうなので、また今度書くかも知れません。



 それと……これは今回の記事の「分かりやすさ」という話からは外れるかも知れませんが、『鉄血のオルフェンズ』におけるクーデリアは「ラグビーのボール」のような存在だと思うんですね。つまり、今は味方がガッツリ保持しているけど、敵が必死になって奪いにくる存在。

 主人公達はクーデリアを抱えて地球まで逃げ切りたい。
 コーラル率いる火星支部はクーデリアを殺したい。
 マクギリスら監査局の連中はクーデリアを捕獲したい。


 それぞれの思惑は細かくあって、一人一人のキャラの狙いは違っていたりするのだけど(アインなんかはクーデリアはどうでも良くてガンダムへの復讐のために動くのだろうし)、この作品はクーデリアを巡る攻防なんだと見ると構造が分かりやすいんじゃないかなと思います。

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【とても分かりやすい三行まとめ】
・キャラクターが見た目通りなのが分かりやすい
・「同じ艦に乗っている」のが味方だから、分かりやすい
・“スタート”と“ゴール”がハッキリしているから分かりやすい



 もちろんこれらは「今現在は」という話なので、ここから先にこれらを裏切るような予想外の展開が来ることもありえるでしょう。そうすると、この作品の魅力だった「分かりやすさ」は損なわれてしまうかも知れません。逆に言うと、だからこそ「今ならまだ“これから観始める人”でも大丈夫だよ」と言いたいのです。

 とりあえず来週の週末に48時間限定で第1~6話を無料配信してくれるということなので、第1~6話だけでもどうぞ。それで肌に合わなかったらそこで観るのを辞めればイイだけなんで。
 ちなみに私の好きなキャラクターは、クッキーとクラッカというロリ双子姉妹です!

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| アニメ雑記 | 17:59 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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