やまなしなひび-Diary SIDE-

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そのゲームの「一区切り」は何分ですか?

 『幻影異聞録#FE』クリアしました!
 すげえ面白かったです!Wii Uには好きなゲームがたくさんあるけれど、その中でも確実にトップ3に入るくらいお気に入りの作品です。

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 クリア時間は71時間半。
 発売前のインタビュー記事を読むと「サイドストーリーなどを追わずにメインストーリーだけをクリアするのなら30時間くらいで終わります」というコメントがあったのだけど、サイドストーリーもリクエストも全部消化して、レアエネミーも倒して武器も全部作って……とやっていたらこれくらい時間がかかっていました。

 ただ、自分としてはそんなに「長いゲーム」という印象はないんですね。
 「もう終わっちゃうのか……寂しいな」くらいの感覚でした。



 「短く終わるゲーム」の需要はどのくらいあるのか?
 【アンケート結果】「短く終わるゲーム」の需要はどのくらいあるのか?

 昨年の私は『スマブラ』やら『Splatoon』やら『スーパーマリオメーカー』やら「遊ぼうと思えば一生遊べてしまうゲーム」を100時間以上プレイしたこともあって、その反動から今年の私は「10時間以内に終わる短いゲーム」を集中して遊ぼうかなと考えています。

 理想は「1週間にゲームを1本クリアする」。
 「短くても面白いゲームはいっぱいあるんだよ!」と言っていくことによって、時間がないから最近はゲームを遊べていないという人にも面白いゲームを勧めていけたらなぁと思っています。『幻影異聞録#FE』が終わったので、今週から早速始めます。



 さて、今日の話は、その「短く終わるゲーム」と近くて遠い話です。
 上の記事のコメント欄で面白くて悩ましい話をもらい、深く考えてみたくなりました。

 それは、レビュー記事では「総プレイ時間」だけでなく、「一回あたりのプレイ時間」も知りたい―――というものでした。

 ほとんどの人はゲームを「余暇の時間」にプレイしていると思います。
 仕事をしていない時間&学校に行っていない時間なことはもちろん、食事・睡眠・入浴などの“1日にやらなければならないこと”のスキマでかつ、「観たいテレビ番組」などがない時間を見つけてor捻出して、「1時間だけ時間が空いているからゲームしよう」といったカンジにゲームを遊べる時間にゲームを遊んでいるのだと思います。

 こうしてスキマを見つけて「1時間だけ時間が空いているからゲームしよう」とゲームを起動しているのだから、当然のことながら「1時間」までしか遊べません。
 分かりやすく「セーブポイントからセーブポイントまでの時間」で考えるのなら……セーブポイントからセーブポイントまでの時間が2時間かかるゲームだと、1時間ではセーブポイントまでたどりつけずにセーブすることも出来ずに電源を切るしかないのです。

 ネタバレになるから具体的なタイトルは書きませんけど、PS2のとあるゲームで終盤セーブポイントが出なくなるゲームがありました。
 当時は今以上に3Dアクションが苦手だった自分は泣きそうになりながら「ここでやめたらまた1時間くらい前からやり直しになってしまう」「もう二度とここまで来れるとは思えない」とプレイし続けました。“セーブポイントが出なくなる”ということも知らなかったため、「ここを越えたらセーブポイントがあるはずだ……あるはずだ……」→ない→「ここを越えたらセーブポイントがあるはずだ……あるはずだ……」→ないの繰り返しで、結局セーブポイントがなかったのでPS2の電源を入れたまま学校に行ったことがありました。そして、帰ってきてから再開してクリアしたのですが、最後までセーブポイントはありませんでした。


 ゲームを遊ぶ人にとっては、全部で何時間かかるのかという“総プレイ時間”と同じくらい、「20分あれば遊べるのか」「30分あれば遊べるのか」「1時間あれば遊べるのか」「1時間以上ないと遊べないのか」という“一回あたりのプレイ時間”も重要なんだろうと思うのです。
 ゲームレビューを読んでそのゲームを買うかどうかの参考にしたい人ならば、ゲームレビューにその情報を求めるのは至極当然なことだと思います。しかし、自分も含めてゲームレビューを書く側からすると、あまり意識しないところなんですよね……


 「セーブポイントからセーブポイントまでの時間」が問題ならば、「いつでもセーブできるゲーム」ならば問題ないのかというとそうでもなく……
 例えばWii Uの『レゴシティ アンダーカバー』をプレイした時にすごく思ったんですね。あのゲームは広大なマップをオープンワールドのように自由に動き回れて、セーブも何か一つアイテムを取るたびにされるオートセーブ方式なので、「いつでもセーブできるゲーム」とも呼べるゲームだったのですが……ただ、ゲームを再開した時は毎回「警察署」からのスタートとなります。

 「いつでもセーブできるけど、再開される場所は毎回スタート地点」って意味なくない?
 「よーし、今日はここまで進んだからセーブして続きは明日だー」ってやると、次の日はまたスタート地点からやり直しです。説明書にも「ミッションの途中でセーブしてやめるとミッションは最初からやり直しになります」と書いてあるため、あのゲームは私は「1時間半くらいのまとまった時間」がないと起動できませんでした。


 Wiiの『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』の時も、「どこでもセーブできるけど、再開される場所は決まっている(けどプレイヤーにはそれがよく分からない)」ため――――やっとの思いで水路を抜けて、セーブして続きを明日プレイしようと思ったら、次の日に再開した時に水路の入口から始まってずっこけたことがありました。
 同じような不満を持った人が多かったのか、最近の『ゼルダ』シリーズは「セーブポイント」があって「セーブできる場所と再開される場所を一致させる」ようになりましたね。私はこっちの方が分かりやすくて好きです。再開される場所が決まっているのなら、どこでもセーブできるとは言わないと思いますもの。




 私が『幻影異聞録#FE』を気に入っているのは実はこの部分だったりします。
 このゲームは移動の画面だったらいつでもメニューが開けてどこでもセーブ&ロードが可能です。『レゴシティアンダーカバー』や『トワイライトプリンセス』のように「どこでもセーブできるけど、再開される場所は決まっている」のではなく、セーブした地点からきっちり再開されるのです。
 通路1本進んだところでセーブしてもしっかりと反映されるため、「ちょっと10分プレイしよう」と通路を1本だけ進めてセーブしてやめることもしょっちゅうです。ボス戦は前後のイベント含めて30分くらいはかかるので時間がない時にはプレイしませんが、「ここに入るとボス戦だけど準備はイイ?」みたいな表示が出るので時間のない時はセーブしてボス戦は後日ということも出来るし……とても気楽に起動できるので、その結果、それが積み重なって70時間を超えても「長いゲーム」という印象がなかったのかなぁと思います。






 ということで、私にとっては『幻影異聞録#FE』みたいなゲームが理想なのですが……
 今日の話は、実はこの「どこでセーブ出来るのか」という話は本題ではないのです。この「どこでセーブ出来るのか」という話は、10年前とは受け取られ方が劇的に変わったと思います。

 この10年ですっかり主流になった携帯機には「スリープモード」があるので、セーブポイントまでたどり着けなくても「スリープ」にしておいて後日に続きをプレイするなんてことは日常茶飯事でしょう。据置機でもXboxOneには「スリープモード」に近い「クイック起動モード」がありますし、PS4には「サスペンド&レジューム機能」が追加されました。
 「その間も電力消費はされる」「スリープばっかりでセーブするのを怠ると大変なことになる」という問題はありますが、セーブポイントまでたどり着けなくてPS2の電源を入れたまま学校に行ったあの日の自分を思い出すと、いい時代になったなーと思うのです。

 「最近のゲーム」批判では、「タイトル画面の前にやたらめったら色んな企業のロゴが出てなかなか始まらない」ということがよく言われますが……「最近のゲーム」はそれこそWii U以外には「スリープモード」のようなものが実装されているため、タイトル画面すら最初に起動したっきり二度と観ないままクリアする人も多いんじゃないのかなぁと思います(※1)
 複数のゲームを同時にプレイする人はこの方法は使えませんが、真に極まっている人は3DSを複数台所持していて「これは『○○』専用の3DS」「こっちは『○○』専用の3DS」「こっちはそれ以外のゲームを遊ぶ3DS」と使い分けている人もいますからね(笑)。怖いわ、財力ある大人って!

(※1:Wii Uもバーチャルコンソールには「どこでも中断&再開」機能が付いていますけどね。ソフトごと×ユーザーごとに記録してくれるのだから、これも地味にありがたい機能だなぁと思います)


 すんごい話が遠まわりしてしまいましたが……
 今日の本題はここからです。

 今やもう「セーブポイントからセーブポイントまでの時間」を気にする時代ではなくなりました。どこでもスリープに出来て、どこからでも再開できる夢のような時代です。

 だからこそ、重要なのは「一区切り」の時間なのかなぁと思うのです。


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◇ 何分あれば、そのゲームは「一区切り」まで遊べる?

 「本」に例えると、伝わりやすいかなぁと思います。
 「本」というメディアは、漫画でも小説でもエッセイでも、「どこで読むのを中断しても自由」だし「しおりを挟んでおけばいつでもその続きから読み始められる」ものですよね。究極の「サスペンド&レジューム機能」を備えていると言えます。なので、ちょっとした飽き時間に楽しむのに向いているのですが……


 しかし、漫画だったら「1話」の途中、小説だったら「1章」の途中で中断しておくと、何だかキモチワルイ感覚がしませんか?後日、続きから読もうとした際に話の途中から始まっているとキモチワルイため、出来る限り「その1話の終わり」とか「その章の終わり」まで読んで中断することに私はしています。

 キンドルで活字の本を読んでいると、自分の読書スピードから計算してくれて「この章を読み終わるまであと何分」という表示が出るのですが……ああいう機能があるということは、私と同じように「章の終わりまで読み終わってから中断したい」と考えている人が結構いるってことなのかなーと思うのです。
 あの機能のおかげで「観たいテレビ番組まであと10分しかないけど、この章を読み終わるまで7分だから読んじゃおう」みたいなことが出来てすごく便利。便利すぎて、紙の本を読んでいる時にそれが表示されないことが不便に思えるくらいです(笑)。




 ゲームの話に戻します。
 元々の「レビュー記事では「総プレイ時間」だけでなく、「一回あたりのプレイ時間」も知りたい」というコメントを下さった方は、きっと「どこでもセーブ出来るからイイじゃないか」とか「どこでもスリープに出来るからイイじゃないか」ってことを聞きたいワケではないと思うんですね。

 そのゲームの「1話」とか「1章」は、大体どのくらいの時間がかかりますか?ということを聞きたいのだと思います。

 アクションゲームだったら「1つのステージ」がどれくらい時間がかかるのか。
 RPGだったら「1つのダンジョン」がどれくらい時間がかかるのか。
 対戦ゲームだったら「1回の試合」でどれくらい時間がかかるのか。
 探索ゲームだったら「次のセーブポイントまで」どれくらい時間がかかるのか。
 アドベンチャーゲームだったら「1章」がどれくらい時間がかかるのか。


 例えば『Splatoon』の「ナワバリバトル」は3分です。
 起動時間やマッチングの待ち時間を考えても、「30分あれば6戦は出来るかなー」みたいな計算が立ちます。

 でも、例えば『モンハン』で「40分以内に○○を倒せ」みたいなクエストを遊ぶ場合(※ 私は『モンハン』未プレイなので例はテキトーです。ゴメンなさい)、30分しかない空き時間には遊べないなと考えますよね。3DSは蓋を閉じておけばスリープモードに出来るから、半分だけ削ったところでスリープモードにして続きは明日やろうとはなかなか考えられないと思うのです。

 こうして「○分」という時間が分かりやすいゲームならばまだ計算が立つのですが、アクションゲームの「1ステージ」にかかる時間とか、RPGの「1つのダンジョン」にかかる時間とかだったらものすごく曖昧で、「1時間しかゲーム遊べないけど、1時間で区切りの良いところまで遊べるのか」がイマイチ分からないんですね。


 例えば『ゼルダの伝説』シリーズが「いつでもセーブ出来る」&「いつでもスリープに出来る」となったとしても、ダンジョン攻略の途中で中断して1週間後にプレイしても、「先週の俺は一体何をやっていたんだっけ……」と全く分からなくなってしまいます。
 あの仕掛けをこっちに動かして、このスイッチを押すとここから水が流れるから、その前にここに登っておいてこれを下に降ろしておくとどーのこーの、みたいな複雑な仕掛けを解くゲームですからね。その途中で「いつでもセーブ出来るからここまでにして続きは来週だ!」とするのは難しいのです―――
 しかし、「ダンジョンの途中で中断するのが難しいゲーム」なのに、「そのダンジョンをクリアするまでにどれくらいの時間が必要なのかが分からない」ため、「まとまった時間のある人」じゃないとなかなかプレイ出来ないんじゃないかと思うのです。


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◇ 「個人」だからこそ、レビューに書けること

 ゲームというメディアは、公式から「このゲームはワンプレイ何分で遊べますよ!」と言うのは難しくて……
 序盤のダンジョンは1時間でクリア出来るけど、後半のダンジョンは4時間かかるみたいな時にはどう書けばイイのか分かりませんし。プレイヤーの力量によって「ステージをクリアする時間」は違うという問題もあります。何度も何度もコンティニューしてクリアする人はそれだけ時間がかかるので上手い人と下手な人では2倍・3倍の差が出るでしょうし、アクションパズルゲームの場合は「解法を思いつくか」でクリア時間に差が出てしまいます。

 「本」の例えを出した時に、キンドルで活字の本を読む場合は「自分の読書スピード」と「残りの文字数」から「この章を読み終わるまであと何分」を表示することが出来ると書きました。
 これをゲームに置き換えると「プレイヤーの力量」と「ステージの長さ・難易度」から「あなたはこのステージをクリアするのに大体これくらいの時間がかかりますよ」と表示してもらえる機能と言えるのですが……「本」には出来ても「ゲーム」にその機能を実装するのは難しそうですよね。文字数で機械的にカウントできる「本」とちがって、「ゲーム」は要素が多すぎるので。



 しかし、こういうことを作る側も意識していないワケもなくて。
 『幻影異聞録#FE』をプレイしていて思ったのは、このゲームは「30~40分で一区切り」になるようにしているんだなということでした。
 『幻影異聞録#FE』のダンジョンは、1時間もあれば踏破できてしまうものもあれば、4時間くらいかかるものもあるのですが……ダンジョンの中に「ワープポータル」という「ここの地点まで到達すれば出入り口付近と自由に行き来できるようになりますよ」というポイントや、「この壁を壊しておくと次に来た時にショートカットできますよ」というポイントが、大体30~40分ごとに来るようになっていたんですね。そこまで行くと拠点まで戻っても大丈夫なので、拠点に戻って回復したり新しい武器を作ったりする「区切り」を与えてもらえるのです。
 ボス戦も前後のイベント含めて大体30~40分くらいですし。このゲームは「どこでもセーブ&ロードできる」だけじゃなくて、ワンプレイが「30~40分ごとに一区切り」出来るようになっていたのです。

 この「一区切りの時間」は個人差があると思うので、私には30分だったけど、上手い人には20分かも知れないし、そうでない人には50分かかるかも知れなくて、それ故に公式から「このゲームは30分ごとに一区切りが来ます!」とは言えないのですが、個人ブログが書くレビューだったら「私はワンプレイ30分で一区切りでした」と書いたって構わないと思いますし、それが出来るのは“一ユーザー”である個人だけだと思うんですね。






 ゲームに限らず、現代の「娯楽」はユーザーの余暇を奪い合っていると言えます。それぞれの人の1日には「ここは10分空いている」「ここは30分空いている」「睡眠時間を削れば1時間空けられる」といったカンジにスキマが空いていて、その時間をたくさんの「娯楽」のどれが選んでもらえるのかを競合しているのだと思います。
 「10分のスキマはYouTubeを観よう」とか「30分空いているからアニメを観よう」とか「1時間空いているからドラマを観よう」といったカンジに、空き時間に合わせて「娯楽」は埋められていくのならば―――その「ゲーム」が何分あれば楽しめるのかという情報は、ひょっとしたら「ゲームが面白いかどうか」以上に大切な情報なんじゃないのかとさえ思います。

 DSの『脳トレ』とか、Wiiの『Wii Sports』とかって、当時は「ミニゲーム集」みたいに揶揄されることも多かったですけど……「それぞれに独立したゲームを選んで遊べる」ことによって、「10分空いている時に遊ぼう」みたいなスキマに上手く入り込んでいたんじゃないかと思います。
 私は「その層がそのまま移行している」とは思わないんですけど、「遊ばれ方」としてはスマホのゲームなんかもこれに近いのでしょう。ワンプレイにかかる時間が想像しやすいので、「ちょっと10分空いているから遊ぼう」みたいな起動がしやすい。スキマ時間を埋めやすいゲームの形なんだろうと。



 ということで、今後ゲームをオススメする記事を書く際には「このゲームが面白いかどうか」とか「クリアまでに何時間かかるのか」とかの情報と同じように「どれくらいの時間があれば一区切りまで遊べるのか」という情報を意識して書いていこうかなと思います。

 そうすることによって、「時間がない忙しい人」でもゲームを楽しめるようになればなーと期待して。


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| ゲーム雑記 | 17:59 | comments:10 | trackbacks:0 | TOP↑

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「コマンドバトルのRPG」ではプロモーションの“売り”にならない?

 年末からプレイし続けているWii Uの『幻影異聞録#FE』も、恐らく終盤まで進んでいてそろそろゴールが見えてきました。プレイ時間はもう50時間を超えていますが、終わらせるのが寂しいくらいです。

 このゲームのどこが好きかを語るなら、私は真っ先に「戦闘が楽しい」ことを挙げます。

 オーソドックスな「コマンドバトル」式のRPGでありながら、
・「敵の弱点をスキルで突くと“セッション”という連続攻撃が起こる」
・「しかし、一人のキャラが習得できるスキルの数には限りがあるので“あらゆる弱点を突くことが出来る”キャラは存在しない」
・「戦闘に出せるキャラは3人だけだけど、主人公のイツキ以外はいつでも入れ替え可能」


 ということで、キャラクターの役割分担を考えた育成と、どのキャラを前線に出してどういう順番で敵を攻撃していくのかを考える戦略性が重要で―――原作となるSRPGとしての『ファイアーエムブレム』の魅力を、「コマンドバトル」式のRPGにジャンルが変わりながらもしっかりと踏襲しているのが見事だと思います。

 興味を持ってくださった人がいたら、ファーストインプレッションの記事も書いているのでそちらもどうぞ。

(関連記事:『幻影異聞録♯FE』1stインプレッション/無茶なコラボかと思いきや、生まれたのは堅実なRPG



 さて、この『幻影異聞録♯FE』……ファーストインプレッションの記事を書いた際に、プレイしていない人から「このゲームってコマンドバトルRPGだったんですか。事前の情報が少なかったためSRPGだと思っていました」という興味深いコメントをいただきました。
 自分はこのゲームはE3でチキが歌う映像を観た時点で「絶対に買う!」と決めてしまったため、それ以降の情報はネタバレ防止のためにほぼ遮断していました。なので、どの程度このゲームが「コマンドバトルRPGだ」と説明されていたのかは分かりませんが、原作の『ファイアーエムブレム』がSRPGなんだから「SRPGなんだろうな」と思ってしまう人がいてもおかしくないですよね。


 なので、『幻影異聞録♯FE』が発売前に公開していった映像を振り返ってみて、どの程度「コマンドバトルRPGだ」と説明されていたのかを確認していこうかなと思います。

 まずは2015年4月のニンテンドーダイレクトで出てきた「1stトレーラー」。


 「1stトレーラー」なので、キャラや世界観が中心の映像ですね。
 戦闘画面も映っているので、既にこのゲームをプレイしている自分は「コマンドバトル」なことが分からなくもないですが、この映像だけで確信を持つのは難しいかなぁと思います。


 次に、2015年6月のE3でお披露目された「2ndトレーラー」。


 「1stトレーラー」より更に進んで、ストーリーが何となく見えてきて、キャラクターの「担当声優さん」も発表されています。ボーカロイドのようなチキが歌う姿を観て、自分は「このコラボは良いぞ!」と買うことを決めました。
 ちなみにこの映像、E3でのツリーハウスライブでも同じものが流れていたみたいだけど、日本語の分からない外国人の方々はどう思ったのでしょう(笑)。



 流石にこのツリーハウスライブはガッツリ第1章をプレイしているので、「コマンドバトル」なこともこの映像を観れば分かると思います。思いますが、45分あるツリーハウスライブの映像を観る人は限られているでしょうし、何よりガッツリ第1章のネタバレをしているんですよね。なので、私は当時この映像を観ていませんでした。

 スタッフも「ジャンルがコマンドバトルRPGなこと」が知られていないことに危機感があったのか、7月に公開されたファミ通.comのインタビューや、10月に公開された公式のスタッフブログで、「コマンド選択式のバトル」「オーソドックスなRPGスタイル」なことが繰り返し語られていました。ジャンルが誤解されているという認識はスタッフにもあった模様です。
 しかし、「コマンドバトルRPG」なことは長いインタビューなどの一部分で語られているだけなので、“既にこのゲームに興味を持って熱心に情報を集めている人”しか読まないんじゃないかなぁとも思うんですね。



 2015年10月からは「3rdトレーラー」と、各キャラの紹介映像が順次公開されていきます。『幻影異聞録#FE』はTVCMを放送しない代わりに、YouTubeなどに映像を公開するプロモーションを取っていたみたいですね。ガッツリとした終盤までのストーリーのネタバレを含んでいるので、これからプレイするつもりの人は観ない方がイイかも知れません。























 10月序盤~12月序盤に公開されたこれらの映像は、当然ながら「キャラクター」メインで「ストーリー」を紹介するものとなっています。なので、ゲームシステムに関する言及はほとんどなく、「コマンドバトル」RPGという説明はされていません。



 ツリーハウスライブを除けば、このゲームが「コマンドバトル」RPGなことが分かる映像は2015年11月のニンテンドーダイレクトが初めてだと思います(11分45秒から)。



 「コマンドバトル」という言葉は出てきませんが、「スキル(魔法みたいなもの)」を選択する場面があるので、恐らくこの映像を見れば「コマンドバトル」なことは分かるかなぁと思います。



 最後に、2015年12月2日(発売3週間前)に公開された「紹介映像」です。
 「シンボルエンカウント」なことや、「敵の弱点を突くとセッションが起こる」などかなり詳細な説明がされているので、流石にここまで観ると「コマンドバトル」なことは分かると思います。
 ただ、「紹介映像」を観る人って、かなりそのゲームに興味を持っている人だけだと思うので……このゲームに興味のない人にも知ってもらう機会があれば良かったのになぁとは思います。CEROがB(12歳以上推奨)だからかも知れませんが、「ネコマリオタイム」でもガン無視されていますからね、このゲーム。




 こう振り返ってみると……
 「コマンドバトル」なことは、「わざわざ説明することもない」ととりたててクローズアップしていないだけという気がしますね。任天堂からすれば「アトラスと『ファイアーエムブレム』のコラボタイトル」ということで、コマンドバトルのRPGだと分かるだろうと思っていたように感じます。
 プロモーションは「キャラクター」や「世界観」「ストーリー」の説明が中心になり、ゲームの根っこの部分である「バトルの方式」や「育成方法」などを公開したのはプロモーション期間の終盤だけ。アトラス側はそこに危機感があったのか、公式ブログに「SRPGではなくRPGです!」と書いていたりしたのだけど……それが上手く伝わらなかったのかもと思います。



 私、「コマンドバトルのRPG」はもっと大きくプロモーションしてもイイと思うんですね。
 最近だと、(特に据置機では)「コマンドバトルのRPG」って珍しいジャンルになっていて、「RPG」という記述があったから買ってみたらバトルはアクション操作だったみたいなこともしょっちゅうだと思います。『ファイナルファンタジー』シリーズも最新作『15』がアクションバトルになっただけでなく、原作ではコマンドバトルだった『7』もリメイクではかなりアクション要素が強くなっているみたいですし。

 「コマンドバトルのRPG」というスタイルは「古臭く」「不自然で」「海外では売れない」みたいな話は、10年くらい前から繰り返し繰り返し何度も目にしてきました。なので、特に海外市場がメインとなる据置機では「コマンドバトルのRPG」はなかなか発売できず、作る場合にもアクション要素だったりシミュレーション要素だったりを強めることが多いのでしょう。


 日本では『ドラクエ』以後のファミコン後期~プレステ期くらいまでは、RPGと言えば「コマンドバトル」のRPGのことで、「アクションバトル」のRPGはアクションRPG、「シミュレーション要素が入ったバトル」だとシミュレーションRPG(SRPG)に分類してあったので、「アクションゲームが苦手だけどRPGなら遊べる」という人も「コマンドバトルのRPG」を選んで買うことが出来たと思うのですが。
 最近では「コマンドバトル」も「アクションバトル」も「シミュレーション要素が入ったバトル」も全部「RPG」と言われるし、「RPGのそもそもの定義はロールをプレイングするゲームだ」みたいな話から、例えば「『どうぶつの森』こそが真のRPGだ」とか「『モンハン』こそが真のRPGだ」なんて言う人もいますからね。「コマンドバトルのRPG」を選んで買うことが難しくなっているんじゃないのかって思うのです。
 スーファミ時代まではカメラアングルを自在に動かすことは出来なかったので画面写真を見ればどのジャンルのゲームか分かったのですが、今のゲームはどのジャンルのゲームもカメラアングルをグルグル動かすのでプロモーションビデオを見てもなおどのジャンルか分からなかったりしますしねぇ。「コマンドバトルだと思って買ったらアクションバトルだった」とか、「シミュレーションRPGだと思ってスルーしていたらコマンドバトルだった」みたいなことが起こってしまうのでしょう。



 そんなことを言っている私も、『幻影異聞録#FE』で久々に「コマンドバトルのRPG」を遊んだくらいなので偉そうなことは言えませんが、「コマンドバトルのRPG」には「コマンドバトルのRPG」にしかない魅力があると『幻影異聞録#FE』を遊んで思いました。
 「アクションゲームが苦手な人にも楽しめる」のはもちろん、アクションゲームをよく遊ぶ自分にとっても「集中力や瞬発力を求められないのでちょっとした時間のスキマに遊べる」のが良かったし、プレイヤーのスキルを問わずに「キャラクターが成長していってどんどん大技を繰り出すようになる」のが楽しかったし、複数のキャラを同時に動かすことが難しいアクションバトルと違って「複数のキャラクターを並行して動かせるチーム戦の楽しさと戦略性」があるだけでなく、シミュレーションRPGと違って「1戦1戦が短くてテンポが良い上にキャラにとらせられる行動が限られているので脳をそこまで疲弊しない」のが良かったです。

 この楽しさは他のジャンルのゲームでは代替できないものですから……
 「コマンドバトルのRPG」というスタイルが「古臭く」「不自然で」「海外では売れない」と言われようがなんだろうが、「このゲームはコマンドバトルのRPGですよ!」と大きな声でプロモーションして欲しいなぁと思うのです。


 というか……「コマンドバトルのRPG」を楽しんでいた層って、今は恐らく「ソーシャルゲーム」とも分類される基本無料の育成ゲームに流れていっているんですよね。ゲーム機用のゲームにも『ポケモン』や『妖怪ウォッチ』など「コマンドバトルのRPG」と呼べる人気作がありますが、かつてと比べて絶対数は減っているし、『ドラクエ』や『FF』も開発が長期化してなかなか新作が出なくなってしまっている現状(そもそも『FF』もアクションになるし)。

・ゲーム機は「物理ボタン」を活かしたアクションゲームが中心に。
・ソーシャルゲームは、ゲーム機用ではもう厳しくなった「コマンドバトルのRPG」の後釜に。


 という棲み分けが起こっているのかなぁと思います。




 なので、なおさら『幻影異聞録#FE』には「コマンドバトルのRPG」なことを大きくプロモーションして欲しかったです。ゲーム機用のゲームにも、まだまだ「コマンドバトルのRPG」があるんですよ!とアピールして欲しかったです。
 任天堂にとってこの手のジャンルのゲームは、ゲームそのものの売上だけでなく、「Wii Uには色んなジャンルのゲームが出ているんですよ」というバリエーションを見せる意味合いもあると思うので……「コマンドバトルのRPGが出ている」という情報が何より重要だったと思うのです。

 「キャラクター」や「世界観」や「ストーリー」を前面に押し出したプロモーションも悪くはないのですが(私はそれで買う気になったのですし)、ゲームの根っこは「ゲームシステム」なんだということをもう少しプロモーションして欲しかったかなぁと思います。




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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 全然関係ないですけど、このスクショ……すごくエロイなぁと思います。
 そりゃCEROもBになるし、ネコマリオタイムでも紹介されないワケだ!!


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『幻影異聞録♯FE』1stインプレッション/無茶なコラボかと思いきや、生まれたのは堅実なRPG

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 7時間ほどプレイした感想になります。第1章クリアまで進みました。
 設定などを説明するために、この記事では「第1章前半までのネタバレ」を含みます。



 『幻影異聞録♯FE』は2015年12月26日に任天堂から発売されたWii U専用ソフトです。開発はアトラス。
 ソフト単品の通常版の定価は7236円、アートブックやボーカルCD・オリジナルコスチューム3種のダウンロード番号などが付いてくる数量限定特別版「Fortissimo Edition」の定価は9698円、「Fortissimo Edition」にWii U本体とキャラクター歌詞カード・ステッカー・サポートクエスト3種のダウンロード番号を含めた本体セットの定価は40824円。詳しくはこちらのページをご覧下さい。

 私はボーカルCDが欲しかったので「Fortissimo Edition」を買いましたが、「ダウンロード版の方がロード時間が短い」という説を聞いて「マジかー」と思っているところです。



 このソフトは2013年1月のニンテンドーダイレクトで発表された『真・女神転生meetsファイアーエムブレム』というコラボレーションタイトルです。
 任天堂は、自社が苦手とするジャンル・客層の人気シリーズを、実績のあるメーカーに開発させて任天堂から発売するという施策をよく使います。NINTENDO64の頃は『シレン2』とか『オウガバトル64』とか、ゲームキューブだったら『バテン・カイトスII』とか、Wiiだったら『零』や『ゼノブレイド』、Wii Uなら『ベヨネッタ2』なんかもありますね。これらは任天堂が自社開発で開発するのは苦手なタイプのゲームだと言えます(※1)

 しかし、この方法だと「固定ファンのいる人気シリーズを自社ハード独占で発売できる」一方、(細かい事情はソフトによって違いますけど)元々はソフトメーカーのシリーズだったものなので「どうして他機種で遊べないの?」「待ってれば他機種に移植されるでしょ?」と言い出す人もいたんですね。『ラストストーリー』も『ゼノブレイド』も『ベヨネッタ2』も、その手の話はよく目にしました。

 そういうこともあってか、最近の任天堂は「固定ファンのいる人気シリーズ」をそのまま持ってくるのではなく、「自社IP」を「実績のあるソフトメーカーに預けて開発してもらう」コラボレーションタイトルに力を入れているのかなと思います。
 『ゼルダ無双』だったり、『ポッ拳』だったり、広義で言えば『スマブラ』最新作もバンダイナムコによる開発ですし、過去に遡れば『マリオ&ソニック』とか『マリオバスケ』とか『ダンスダンスレボリューションwithマリオ』とかもありましたね。かつてはマリオがキティちゃんばりに色んなソフトとコラボしていたのが、他の任天堂IPも積極的に行うようになったと言えるのかも知れません。


 この『幻影異聞録♯FE』も、紆余曲折はあったみたいですが、『女神転生』や『ペルソナ』シリーズといったRPGを開発してきたアトラスが、『ファイアーエムブレム』のキャラを使って完全新作のRPGを作ったという分かりやすいコラボレーションタイトルになっています。『ゼルダ無双』や『ポッ拳』に比べてタイトルは分かりづらいですけどね!もうちょっと分かりやすいタイトルはなかったのでしょうか。

(※1:『ゼノブレイド』は、『ゼノギアス』や『ゼノサーガ』と繋がっているワケではないんですけどね。)


◇ そう言えば、最近「RPG」ってやっていなかったなぁ……という話
 なので、この『幻影異聞録♯FE』―――Twitterのタイムラインに流れてくる感想を見ると、「『ペルソナ』っぽい」「『ペルソナ』まんまじゃねえか!」「むしろ『ペルソナ』って名前で出せば良かったのに」という声が多いです。コラボレーションタイトルという経緯を考えれば、それはむしろ当然の話だと思うんですけどね。

 ただ、私は『ペルソナ』シリーズをプレイしたことがないので、どのくらい「『ペルソナ』まんまじゃねえか!」なのかは分かりません。というか、よく考えてみると私、21世紀になってからは数えるほどしかRPGを遊んでいないことに気付きました。
 母が買ったついででプレイしたソフトやバーチャルコンソールなど過去のソフトを除くと、多分PS2の『FF10』、DSの『キミの勇者』、Wiiの『ラストストーリー』の3本だけじゃないかと思います。1機種1本のペースです。PS3と3DSでは1本も遊んでいないことを考えると、1機種0.6本ペースか。これ、むしろもう「RPGは嫌いなジャンルだ」くらいのペースですよね。嫌いなジャンルと公言している3Dアクションですら年間2~3本遊んでいるというのに。


 この理由は「発売されるRPGの数が、昔(ファミコン~プレステ時代)に比べて減った」ということもあるのかも知れませんが、私の中に「RPGは最近ちっとも遊んでいないので、最近の作品にはもうついていけないんじゃないか」みたいな苦手意識があったのかもなぁと思います。
 『キミの勇者』は「昔懐かしいRPG」を売りにしたから買ったのですし、『ラストストーリー』も「坂口さんの作品ならそんなに最近のRPGっぽくないだろう」と思ったから買ったのですし(失礼だ)。『ペルソナ』シリーズも『3』や『4』の評判の高さは聞いていたので「プレイしてみようかなー」と考えたこともあるのですが、「それは最近のRPGについてゆける人にとって評判がイイだけであって、俺みたいなオッサンにはついてゆけないだろう」みたいな躊躇があったんですね。

 だって、他のジャンルは大抵そうですもん!
 3Dアクションとかさ、「このゲームはすごいよ!」「最先端だよ!」「絶対面白いから買ってね!」って熱烈なファンから勧められて、実際にお金出して買って遊んでも全然ついてゆけなくて、それを正直にブログに書いたら「オマエのセンスがないのが悪いんだ」「オマエのようなアンチはこのゲームについて二度と語るな!!」と炎上してさ!



 ということもあって、「最近のRPG」にはとんとご無沙汰だったワケですが……
 なので、『幻影異聞録♯FE』を初めて観た時、「チャンスだ!」と思ったんですね。
 『ペルソナ』と『ファイアーエムブレム』のコラボレーションタイトルを作るのならば、「『ペルソナ』は好きだけど『ファイアーエムブレム』はよく知らない人」も「『ファイアーエムブレム』は好きだけど『ペルソナ』はよく知らない人」も楽しませるものにしなくてはなりません。特に『ペルソナ』は、スピンオフの『Q』を除けば任天堂ハードで1作も出ていないシリーズで、そのコラボレーションタイトルを任天堂が開発させるのだから、「『ペルソナ』シリーズを1作も遊んだことのない人でも楽しめるように作ってあるはずだ!」と思ったのです。

 「最近のRPG」からとんと離れてしまった自分が、「最近のRPG」に挑戦する最後のチャンスかも知れない―――と思って買ったのです。ようやくここからが本題です。


◇ あまり変わっていなかった「RPG」というジャンル
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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 開発側も「RPGに慣れていない人も遊ぶはずだ」と分かっているからか、難易度選択が出来ます。イージーは「RPGに不慣れな人」、ノーマルは「RPGには慣れているけど初めてこのゲームを遊ぶ人」、ハードは「このゲームのシステムをよく分かっている人」が対象なのかなと思います。ストーリーはどれを選んでも変わらないそうです。

 私は難易度選択は「最初からカーソルが合っているものをそのまま選ぶ」ことにしているので「ノーマル」で始めました。まだ第1章をクリアしたところですが、ワイルドエネミー(たまに出てくる強力なザコ敵)に遭遇すると仲間が瞬殺されるレベルです(笑)。まぁ……「イベント中やバトル中を除けば、どこでもセーブ&ロードが出来る」ため、小まめにセーブしていれば取り返しの付かない事態にはならないと思いますが。


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 このゲームの主人公は、「蒼井樹」と「織部つばさ」という日本の高校生です。
 渋谷など、実在の街も舞台として登場します。まだ第1章だからかも知れませんが、「実在の街を自由に歩きまわれる」ってほどではなく、歩ける場所はすごく限られていますね……

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 色々あって二人は「イドラスフィア」という謎空間で、「ミラージュ」という「異世界の英雄」を武器にしてその力を使うことが出来る「ミラージュマスター」に覚醒します。
 この「異世界の英雄」というのが、恐らく過去の『ファイアーエムブレム』シリーズに登場するキャラクターなんですね。「蒼井樹」は『ファイアーエムブレム覚醒』の「クロム」の力を借り、「織部つばさ」は『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』の「シーダ」の力を借りて戦います。

 ただ、この「ミラージュ」達は記憶を失っているみたいで、原作で一緒の部隊として戦ったキャラ同士でも「はて……?初めまして……」というボケ老人だらけの同窓会状態なので、ぶっちゃけ原作の『ファイアーエムブレム』シリーズを知らなくても何の問題もないと思います。

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 クロム「気づいたら剣になっていた…」




 ものすごくややこしい設定に思えるかもですが、この設定は「普通の高校生」である主人公達が「剣や魔法を使って戦うことが出来る」という理由付けをしているだけですし、渋谷などの実在の街は「普通のRPGでいう町」で、謎空間イドラスフィアは「普通のRPGでいうダンジョン」というだけなんです。
 やることと言えば、「町」でアイテムを買ったりクエストを頼まれたりして、「ダンジョン」に潜ってザコ敵と戦ってボス敵と戦ってストーリーを進める―――突飛な設定のようで、プレイヤーがやることは「オーソドックスなコマンドバトル式RPG」なんだなぁと思いました。それこそ私がRPGをたくさんプレイしていたスーファミ時代とゲームの構造はあまり変わらなくて、「最近のRPGはきっと複雑でついてゆけないはずだ」と不安だった自分がバカみたいだと思ったほどです。


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 設定が独特なところと言えば……同じように「ミラージュマスター」となって悪のミラージュと戦っている仲間の組織が、芸能事務所なところ。

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 日本古来の芸能は「神降ろし」とも言われる行為なため、芸能活動を頑張れば「ミラージュマスター」としての力も付いていくはず―――ということで、主人公達もアイドルなどの芸能活動をしていくことに……って、どういう理屈だこれ!こういうノリは嫌いじゃないです。

 自分はプレイしていないので聞きかじっただけですけど、『ペルソナ』シリーズは確か「学園生活」と「バトル」を交互にプレイしていくみたいなカンジだったと思います。『幻影異聞録♯FE』もそれを踏襲していて、恐らく「芸能活動」と「バトル」を交互にプレイしていくカンジになるのかなと思います。


◇ このゲーム独特のシステム
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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 システム面での「このゲームならでは」の特徴も幾つか紹介しようと思います。
 まずはWii Uゲームパッドの使い方。

 このゲームではWii Uゲームパッドの画面を主人公が持つスマートフォンに見立てて、『LINE』のようなアプリ『TOPIC』で各キャラクターと会話することができます。この届くメッセージはストーリーを進めるものや攻略のヒントなどもありますが、キャラクターとの他愛もない会話も多いです。『ドラゴンクエスト』における「仲間との会話」システムみたいなものですね。

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 スマートフォンなので、その場にいないキャラからもメッセージが届きます。
 ダンジョンの奥でもチキからの応援メッセージが!!!スタンプも付いている!!!!
 よーし!結婚しよう!!


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 また、Wii Uゲームパッドの画面はマップにすることも可能です。
 自分は超絶方向音痴でザコ戦が終わるたびに自分がどっちから来たかが分からなくなってしまうので、この仕様は助かりました。

 ただ、こうして「Wii Uゲームパッドをサブ画面としてフル活用する」ゲームなため、テレビ画面を使わないでWii Uゲームパッドの画面だけで遊ぶことは出来ません。使えるコントローラはPROコントローラにも対応していますが、ボタンやスティックの操作をPROコントローラでも動かせるだけで、Wii Uゲームパッドは必須だと公式サイトには書いてありますね。『TOPIC』が読めないからストーリー進まなくなっちゃうのでしょう。


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 戦闘はシンボルエンカウントで敵に接触すると始まります。
 ただ、Xボタンを押して剣を振るうことが出来るので、これで敵を吹っ飛ばして倒れている隙に横を通れば戦わずに済みますし、倒れている敵に接触すると「先制攻撃」になりやすいそうです。

 ということで「ゲームパッドのマップ画面だけ見て進む」のは難しいみたいですね(笑)。


 1回の戦闘はロード時間も含めて結構時間がかかるのだけど、敵は1回シンボルエンカウントで戦闘をすると現れてた敵が一旦全て消えるので、連戦にならずにストレスなく探索できるのが好きなところです。


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 イベントシーンはフルボイスですが、台詞を聞き終わるまで待てなければAボタンを押せば先に進みます。「オート」や「早送り」も可能、Rボタンの「MWオフ」は「メッセージウィンドウをオフにする」という意味です。

 私は男のボイスはガンガン飛ばしてしまいますが、ヒロインのボイスだけはCV.が水瀬いのりさんなのでじっくりと聴いています。ちなみにヒロインが水瀬いのりさんで、そのお姉ちゃんが茅野愛衣さんなので、2015年を象徴するキャスティングだなぁと思いました。


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 ストーリーの節目にはアニメーションも流れます。
 オープニングのスタッフクレジットを見ると、アニメーション制作は「株式会社アニマ」と「STUDIO4℃」の二社で作っているみたいですね。アニマは『ファイアーエムブレム覚醒』や『if』のムービーパート、4℃は『キャサリン』のムービーパートや『新パルテナ』の短編アニメの一つを制作していたので、両社とも任天堂やアトラスと過去に仕事をしていた会社です。



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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 戦闘はシンプルなコマンド選択式のバトルです。
 戦闘に入る前のシンボルエンカウントにはアクション要素があることを先に書きましたが、戦闘自体にアクション要素やリアルタイム要素はありません。「ATTACK(攻撃)」「SKILL(魔法)」「GOODS(アイテム)」などを選んで戦うオーソドックスなコマンド選択式のバトルだと言えます。

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 このゲームならではの特徴としては、「弱点」のシステムが『ファイアーエムブレム』っぽいですね。「剣は斧に強く」「斧は槍に強く」「槍は剣に強い」三すくみや、「飛行ユニットは弓に弱い」特効といった『ファイアーエムブレム』ではおなじみのシステムがRPGっぽくアレンジされて入っています。

 敵を攻撃する際、それぞれの敵の「効果的に効く攻撃(弱)」「あんまり効かない攻撃(耐)」が表示されるので、効く攻撃を優先して使っていきましょう。どの敵も最初は「?」「?」「?」「?」「?」「?」「?」「?」「?」「?」となっているので、弱点を探りながらそれぞれのキャラで攻撃していくのが楽しいです。

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 そして!何よりこのゲーム最大の魅力だと自分が思っているのが「セッション」システムです!前述したとおり、敵は「弱点」の属性を持っているので、こちらはその属性の「SKILL」を使って攻撃するのが基本なのですが、その際に他のキャラが「その属性の攻撃に合わせて連続攻撃をしかける」スキルを装備していると、セッションスタート!連続攻撃が始まります。

 次々と味方が攻撃を繋げてくれて、1回の行動と消費EPで最大3回分の攻撃を浴びせて敵を倒してくれるのが超気持ち良いです。また、「3回分のセッション」なのに1回目で倒してしまった場合は、「オーバーキル」として他の敵を攻撃してくれます。
 敵が複数出てくると「うへぇ……こんなに倒さなくちゃならないのかぁ……」と思うのだけど、セッションを上手く使って連続で攻撃したり、画面の上に表示されている行動順を見て優先して倒す敵を考えたりすることで、上手くやるとノーダメージで多くの敵をやっつけられるのがすごく楽しいです。



 「属性とかスキル装備とかよく分からないなぁ……」と思ってしまう人もいるかもですが、(少なくとも第1章は)覚えていくスキルをセットするしかないし、どの「SKILL」を使って攻撃すると「セッション」が起こるのか表示されますし、仲間が「それを使え!」と言ってくれるし、かなりの親切仕様だと思います。

 一つ一つのコマンドに「HELP」として「どんなことが起こるのか」が表示されるのもありがたい。アトラスと『ファイアーエムブレム』が合体したら、鬼のような難易度のゲームになりそうなものですが、難易度はともかく「ユーザーにとって親切なゲーム」であるようにところどころに気を遣っているのはポイント高いです。





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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 経験値が溜まるとレベルアップ!
 上がるパラメータとそうでないパラメータが分かれる辺りも『ファイアーエムブレム』っぽいですね。

 シーダの相棒なのに成長率悪いな、このヒロイン!


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 防具やアイテムは街で買ったり宝箱から拾ったりしますが、『ファイアーエムブレム』のキャラが武器となって戦うゲームなため、武器の入手方法はちょっと特殊です。
 ユニティとかパフォーマとかカルネージといった専門用語が飛び交いますが、要は「モンスターを倒すなどして素材を集めると新しい武器を作れる」のです。一行で説明したら、ものすごく普通のシステムですね(笑)。

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 全部が全部そうではないですが、登場する武器は『ファイアーエムブレム』を知っているとニヤリと出来るものが幾つかあります。あー、やっぱこの武器はこういう「SKILL」覚えるよね、ニヤリ、みたいな。


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 説明が前後してしまいましたが、武器を装備して戦っているとゲージが溜まっていって、その武器固有の「SKILL」を習得していきます。キャラに覚えさせた「SKILL」は武器を変えても残ります。
 「SKILL」には、「回復魔法」「攻撃魔法」のようなもの、「力を2上げる」みたいな能力をアップさせるもの、「味方が剣のスキルで敵の弱点を攻撃した時にセッションで攻撃をしかける」といったセッションスキルなどがあり、それらをセットして使っていきます。


 まとめると……

・キャラクターは「敵を倒す」と経験値がもらえてレベルアップ
・武器は「使う」ごとに熟練度が上がって、スキルをキャラに覚えさせられる
・新たな武器は、敵を倒した時などにもらえる「素材」を使って作る


 こんなカンジですね。
 第1章の時点ではキャラも武器も限られているので「どう成長させていくのか」という選択肢はほとんどありませんが、セットできるスキルの枠には限りがあるので「これを覚えさせるためにこれは捨てよう」みたいな取捨選択が鍵になっていくのかなと思います。



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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 戦闘時の服は着せ替え可能です。
 特典や有料DLCで買えるコスチュームはコレですね。そうでない服も作中でガンガン手に入っています。見た目が変わるだけで能力は変わりませんし、「戦闘時の服」なので「シリアスなイベントなのに全員水着を着てる」みたいなことは起こらないと思います。



◇ どんなに人にオススメ?
 設定やコラボレーションの特異さに戸惑うかも知れませんが、遊んでみると「ものすごくオーソドックスなコマンド選択式バトルのRPG」なことが分かります。まだ第1章だからかも知れませんが、システムに分かりづらいところもないので、「スーファミ以来ほとんどRPGをやっていないから最近のRPGとかよく分からんなぁ」という人でも楽しめると思います。

 キャラがアイドルを目指して歌いだしたりするのにはビックリするかも知れませんが(笑)、ほら!スーファミのRPGでも『FF6』はオペラとかやっていましたし!それと似たようなものですよ!!

 それでいて……「仲間との会話」が『LINE』風のアプリで行われて、それが「次にどこに行くのか」のかフラグ管理になっていたり。敵の弱点を突いて次々と連続攻撃を繰り出すセッションみたいな気持ちの良いシステムがあったり。最近のRPGらしいシステムがしっかり面白さに直結していて、「RPGって面白いんだなぁ」とつくづく思いました。


 そもそもWii Uでは超貴重な「コマンド選択式バトルのRPG」ですしね。
 Wii Uで「コマンド選択式バトルのRPG」を遊びたい人には、そりゃオススメです!

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≫ EDIT

新しいファンに向けて作るか、昔からのファンに向けて作るか

 今日は『ファイアーエムブレムif』についての話を語っていくのですが、これは「ファイアーエムブレム」シリーズに限った話でもなければゲームに限った話でもなく、長く続いているシリーズが必ずと言ってイイほどどこかで直面する「新しいファンが求めているものと、昔からのファンが求めているものがズレてしまう問題」についての話だと思います。
 なので、「ファイアーエムブレム」シリーズを知らない人にも読んでもらいたいですし、「ファイアーエムブレム」シリーズを知らない人にも向けて『ファイアーエムブレムif』がどうしてああいう形になっているのかを一から説明していこうと思います。


 任天堂は、4月2日のニンテンドーダイレクトにて「ファイアーエムブレム」シリーズ最新作『ファイアーエムブレムif』を『白夜王国』と『暗夜王国』の2バージョン発売すると発表しました。
 片方買えばもう一方のシナリオは有料DLCで購入できるとか、ダウンロード版は1バージョンの発売で「どちらのシナリオに進むのか」を途中で選べるとか……商品形態が割と複雑なのですが、N-Stylesさんがものすごく分かりやすく説明してくださっている画像付きの記事を書かれているので、そちらを読むと分かりやすいと思います。

 ファイアーエムブレムifにおける任天堂の実験



 さて、何故2バージョンを発売するのか?
 これはニンテンドーダイレクトでの説明が不足していたこともありますし、「ファイアーエムブレム」シリーズを遊んだことのない人が少なくないこともあって、誤解をしている人も多く見かけました。

 例えば、「『ポケモン』みたいなものだ」と言っている人も多かったですが、これは全然違います。『ポケモン』が2バージョン発売されるのは、それぞれのバージョンで仲間に出来るポケモンが違うので、もう片方のバージョンを買った友達とポケモンを交換して遊んでねという意図です。
 『ファイアーエムブレムif』は主人公が「白夜王国に付くか」と「暗夜王国に付くか」を選ぶためのバージョン違いなので、当然仲間になるキャラクターは違いますが友達と交換できたりはしないと思います。「俺は白夜王国を買ったけど、暗夜王国のキャラは友達からもらえばイイや」とか出来たら台無し感が凄いですから(笑)。


 また、「『ファイナルファンタジーIV イージータイプ』のようなものだ」と言っている人もいましたが、これも違います。
 今では信じられない話かも知れませんが、ファミコン時代の「ファイナルファンタジー」シリーズは難易度が高く、コアなゲームファンからは高い支持を受けていた一方で低年齢層には取っつきにくいシリーズでした。なので、スーファミ1作目の『IV』は通常版の発売の3ヵ月後に「全く同じストーリーだけど、難易度を下げて、言い回しなどを低年齢層にも分かりやすくした」バージョンを発売してユーザー層を広げようとしたのです。

 『ファイアーエムブレムif』は「白夜王国に付くか」と「暗夜王国に付くか」を選ぶのだから、当然ストーリーは2バージョンで全然違うものになるでしょう。単に難易度違いの2バージョンではないのです。



 では、ここからが本題。
 『ファイアーエムブレムif』の『白夜王国』と『暗夜王国』という2バージョン―――私なりの言葉で説明するのなら、この2バージョンはジャンルが違います。

 分かりやすく言うと……『白夜王国』は、シリーズ前作の『ファイアーエムブレム覚醒』と同じように「レベル上げ」を好きなだけ自由に出来る“育成シミュレーション”で。
 『暗夜王国』は、シリーズ代表作の『暗黒竜と光の剣』や『紋章の謎』と同じように「レベル上げ」が出来ない“戦略シミュレーション”だと私は思います。


 「レベル上げ」というのは、「ゲームの進行とは関係のない寄り道で雑魚敵をたくさん倒して、レベルを上げてキャラクターを強い状態にしてからゲームを進めようとする作業」のことです。

 これはニンテンドーダイレクトでは語られなかったのですが、公式サイトにはしっかり書かれています。『白夜王国』は「メインシナリオ以外で経験値やお金を稼ぐことができ、自由度の高いキャラクター育成をお楽しみいただけます」と書かれていて、『暗夜王国』は「限られた経験値やお金でどう戦うか?をお楽しみいただけます」と書かれているのです。

 こここそがこの2バージョンの決定的な違いなのですが、ここについて語っている人をほとんど見かけなかったので、発表から3週間以上が経過して旬を過ぎた時期であろうに、わざわざこんな記事を書いているのです。


 「ファイアーエムブレム」シリーズ未経験者の方は「レベル上げが出来るかどうかってそんな重要なことか?」「どっちか1バージョンだけ出せば良かったんじゃないか?」と思われるかも知れません。
 しかし、シリーズを長く見てきた自分からすると「2バージョン出す」というこの決断は、シリーズが「新しいファンに向けて作るか、昔からのファンに向けて作るか」の岐路に立たされた「ファイアーエムブレム」がどちらも大切にするために選んだものすごい一手のように思えました。それを説明するためには、「ファイアーエムブレム」シリーズの歴史を語るべきでしょう。

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○ 順風満帆とはいかなかった「ファイアーエムブレム」シリーズ
 「ファイアーエムブレム」シリーズの1作目は1990年にファミコン用ソフトとして発売された『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』です。今年でシリーズ25周年で、ソフトも現在までに13作品が発売されている(※1)のでかなりの長寿シリーズと言えると思います。

(※1:『暁の女神』が10作目という発言があるので、サテラビューの『アカネイア戦記』はカウントされていないみたい)


 しかし、任天堂の人気シリーズである『マリオ』や『ゼルダ』に比べると、「ファイアーエムブレム」シリーズは任天堂の最重要シリーズというワケではありません。
 全世界で何百万・何千万と売れる『マリオ』や『ゼルダ』と比べると、「ファイアーエムブレム」シリーズの歴代売上トップはスーファミの『紋章の謎』で国内77万本、平均でも大体30万本前後の売上です。海外ではシリーズ6作目の『封印の剣』までそもそも販売すらされていないシリーズでした。

 また、「シリーズ生みの親」とも言われている加賀昭三さんはシリーズ5作目の『トラキア776』を最後にインテリジェントシステムズを退社、エンターブレインからプレイステーション用ソフト『ティアリングサーガ』を2001年に発売―――この際に泥沼な裁判沙汰になっているのですが、長くなるので割愛します。
 内部ではどうなっていたのかは分かりませんが、一ユーザーとしてこの頃の自分は「作者が任天堂を見限ってプレステで新作を出すなんてもう「ファイアーエムブレム」は終わっちゃったな」くらいに思っていました。実際、「加賀さんの抜けた後のファイアーエムブレムはファイアーエムブレムではない」というファンもいるくらいですからね。

 正直なところ、ここでシリーズが終了しててもおかしくはなかったと思います。(任天堂にしては)さほど大きな売上のソフトではない、任天堂の主戦場である海外市場では販売すらしていない、カリスマとも言える作者が抜けてしまった―――こういう状況になってしまってシリーズの続編が作られなくなるケースというのは、ゲームの歴史の中では痛いほど見てきました。



 しかし、その後の「ファイアーエムブレム」シリーズはゲームボーイアドバンスで3作、ゲームキューブで1作、Wiiで1作が発売され―――シリーズを立て続けに発売して蘇らせようとする“第2シーズン”とも言える展開がされていきます。

 先ほど私は“任天堂の人気シリーズである『マリオ』や『ゼルダ』に比べると売上げは低い”と書きました。確かに任天堂の人気アクションゲームに比べると売上げは高くないのですが、逆に言うと「任天堂の人気シリーズはアクションゲームに偏りすぎている」のです。
 『ドラクエ』と『FF』を擁したプレイステーションに敗れた64時代以降、任天堂はセカンドパーティによる「非アクションゲーム」を充実させようとしました。64では『シレン2』や『オウガバトル64』が任天堂から発売されましたし、ゲームキューブでは『バテン・カイトスII』、ゲームボーイアドバンスでは『黄金の太陽』や『ゲームボーイウォーズアドバンス』なんかも展開されていました。

 そうした作品達と同様に「ファイアーエムブレム」シリーズは、任天堂にとって貴重な「非アクションゲーム」のシリーズだったんですね。なので、ゲームボーイアドバンスを入口にしてゲームキューブ→Wiiといった据置機にユーザーを引っ張っていく戦略的なソフトとして展開されていきましたし、シリーズ7作目の『烈火の剣』以降は海外での展開もされるようになりました。



 さて、その後……
 Wiiの『暁の女神』で10作目となり一区切りとなったシリーズは、その後にDSで『新・暗黒竜と光の剣』と『新・紋章の謎』とリメイク作品を2作出します。
 DSというゲーム機は言うまでもなく社会現象を起こしたほどのプラットフォームだったために、大量のユーザーが集まり、そのため『FF』リメイクだったり『ドラクエ』本編だったりと言ったサードメーカーの「非アクションゲーム」の人気シリーズも発売されました。

 その時期に「ファイアーエムブレム」シリーズが何故リメイク作品を展開していたかというと、大量のユーザーが集まったDSだからこそ「新規層への拡大」を狙って、「ストーリーはシリーズの原点」でありながら「システムの抜本的な見直し」を図っていたのです。「ファイアーエムブレム」シリーズの“第3シーズン”とも言えるDS→3DSのこの時期は、とにかく「新規層への拡大」がテーマなんですね。
 例えば、「面の途中にセーブポイントが用意される」とかだったり、「仲間が死んでも次の面では生きているカジュアルモード」だったり、「プレイヤーの分身となるマイユニット」だったり。それまでの「ファイアーエムブレム」シリーズが「それを導入したらファイアーエムブレムじゃなくなっちゃうよ」と入れてこなかったシステムを入れてでも、新規のユーザーを獲得しようとしたのです。



 ソースが曖昧なところの情報ですけど、3DSの『覚醒』の売上次第では「ファイアーエムブレム」シリーズは終了していたという話もあったみたいですしね。コアなファンに買い支えられてきたシリーズだけれど、それでも売上げは徐々に落ちてきていて、加賀さんが抜けた時以上に「どうにかしなければシリーズが終わってしまうところ」まで来てしまっていたのです。


 ということで、ようやくシリーズ前作『ファイアーエムブレム覚醒』の話になります。
 このゲームも『新・暗黒竜と光の剣』や『新・紋章の謎』と同様に「システムの抜本的な見直し」を図った作品です。それが、この記事で主題となっている「レベル上げが出来るようになった」なのです。それまでシリーズの本流だった「獲得できる経験値には限りがあってレベル上げは出来ない」システムを辞めて、“戦略シミュレーション”が苦手な人でもレベル上げをしてキャラクターを育てればゴリ押しで進められるようにしたのです。

 実を言うと、このシステムは「ファイアーエムブレム」シリーズ初の試みではありませんでした。
 ファミコンの『外伝』やゲームボーイアドバンスの『聖魔の光石』でも取り入れられていたシステムなので、「仲間が死んでも次の面では生きているカジュアルモード」のように発売前からの「そんなことをしたらファイアーエムブレムじゃなくなっちゃう!」という反発は少なかったと思います。



 『ファイアーエムブレム覚醒』では、この「レベル上げが出来るシステム」だけでなく、シリーズ初の「キャラクターボイスの採用」や「人気絵師コザキユースケさんの起用」、『聖戦の系譜』で採用された「結婚システム」や、新要素の「デュアル」システム、『新・紋章の謎』で取り入れられた「仲間が死んでも次の面では生きているカジュアルモード」や「プレイヤーの分身となるマイユニット」などを取り入れました。
 これらには全てプレイヤーのキャラクターへの愛着を高める効果があり、それらの要素が複合的に重なり合って、プレイヤーがお気に入りのキャラクターを自由に育てられる“育成シミュレーション”に特化していったのです。


 今の時代、シビアなバランスの“戦略シミュレーション”はなかなか大きな売上を残せませんが、“育成に特化したRPG”は『ポケモン』にしたって『パズドラ』にしたって相変わらず大人気です。『ファイアーエムブレム覚醒』も“育成シミュレーション”に転換したことで国内売上もV字回復、海外市場でも成功を収め、シリーズ終了の危機から一転して新たなユーザー層の獲得に成功しました。



 ハイ、めでたしめでたし。
 これでシリーズは安泰なので、これから先の「ファイアーエムブレム」シリーズは『覚醒』のように「自由にレベル上げが出来る」育成シミュレーションとして続いていくのですね―――メーカーはシリーズ復活が嬉しいし、ユーザーはシリーズ存続が嬉しい、Win-Winだ!!


 とはいかないのが、ゲームの難しいところ。

 売上げが低下していたとは言え、ずっと「ファイアーエムブレム」シリーズを支えてきた人達の中にはガッカリしてしまった人も少なくなかったのです。ユーザー層の拡大のためにジャンルを変えて生き残った『ファイアーエムブレム覚醒』は、逆に言うと今までのジャンルが好きだった人を切り捨ててしまったとも言えるのです。


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○ 何かを変えれば、今までのものは失われる―――
 『ファイアーエムブレムif』の2バージョン発売が発表されるちょっと前、誰だか忘れてしまったのですが(覚えていたらその人に『if』の印象を訊きたい)Twitterのタイムラインでこんなことを書いている人がいたのです。


 「「ファイアーエムブレム」シリーズが好きでずっと追いかけてきたけど、『覚醒』で単なる“育成シミュレーション”になっちゃってガッカリした。もう買うことはないと思う」

 『覚醒』以外のシリーズを知らない人には「レベル上げが出来るようになる」ことがどうしてそんなにガッカリするのか分からないかも知れません。新しいものに文句を言う懐古厨だとか、新しいファンが入ってきたのを疎む老害だとか、思う人もいらっしゃるかも知れません。

 でも、私はこの人の気持ちが分かるんです。
 レベル上げの出来ない「ファイアーエムブレム」シリーズの魅力は、「やりくりの面白さ」なんです。敵の数は決まっているから、原則として経験値も有限です。この限られた経験値をどのキャラに与えていくかという「やりくりの面白さ」なんです。

 仲間にいるキャラ全員を育てることは出来ませんから、例えば「レベルが上がってもパラメータの上がりが悪い老人には経験値を与えない」けど「若い女のコは、今は弱くても育てていけばエースに成長するから地道に育てよう」といったカンジに考えていくんですね。だから、老人で敵のHPを削って、若い女のコでトドメを刺す―――みたいなことを考えていくのが面白いんです。
 また、「成長率」は決まっているのだけど実際のどのパラメータが成長するかはプレイするごとに変わるので、強いキャラであっても「守備が上がってくれー、次レベルが上がっても守備が上がらなきゃ流石に2軍に落とさなきゃならなくなるんだよー、頼むよー……頼むよー……しゃあああああ!守備、上がったああああああ!」みたいにパラメータがたった1上がるかどうかにドラマが生まれるのです。

 こういう要素は、「自由にレベル上げが出来るシステム」を導入するとなくなってしまう要素です。「レベル上げに文句があるならレベル上げのステージを使わなきゃイイじゃないですかー」と鼻ほじりながら言ってくる人もいるかも知れませんが、本当はレベル上げが出来るのに縛りプレイで使わないだけならそこにドラマは生まれないと思うのです。



 何かを選ぶということは、何かを捨てるということだ――――
 ゲームに限った話ではありませんが、シリーズが「新しい体験」を提供するために変わっていくと、今までのシリーズの魅力を失ってしまうということはよくあることです。それこそ『ゼルダ』だって『ドラクエ』だって、ファミコン時代とスーファミ時代では別のゲームに変わっていてそうして生き残ってきたのだとブログでも何度も書いてきたことです。

(関連記事:自由度を捨てて、『ドラクエ』や『ゼルダ』が得た“遊びやすさ”
(関連記事:RPGは変わった(20年前に)
(関連記事:「ダンジョンの奥に中ボスがいない」ことによる面白さ


 だから、私は「『ファイアーエムブレム覚醒』にガッカリした人」をタイムラインで見かけた時、「気持ちは分かるけど仕方がないじゃない……」と思ってしまったんです。シリーズ存続の危機まで追い詰められて、そこで“育成シミュレーション”にジャンルを変えたことで何とか生き残れたのだから、今の時代に「昔ながらの「ファイアーエムブレム」を作れ」と要求するのは酷だよ、と思ったのです。

 そしたら、作ってた。昔ながらの「ファイアーエムブレム」を。
 低難度・高難度という表現をしたから誤解してしまった人も多かったと思いますが、『ファイアーエムブレムif』の2バージョンは「(『覚醒』以後の)新しいファン」に向けた『白夜王国』と、「(『覚醒』にガッカリしてしまった)昔からのファン」に向けた『暗夜王国』という違いなんです。


 「ファンはどうせ両方買うんだろう」とか「任天堂も両方買わせて儲けようとしている」という話にしたがる人もいますし、実際に両方買う人も確かにいるとは思いますが……私の感覚ではこの2バージョンは全然違うジャンルのゲームなので、「どっちを気に入るのか」は人それぞれ明確に分かれると思います。
 喩えるなら「2Dマリオ」と「3Dマリオ」くらいの違いですかね。共通する部分はなくはないけど、ゲームの文法が全然違うし、支持している層も人数も全然違うけど、どちらも「マリオシリーズ」と一緒くたにされているというか。



 「新しいファン」と「昔ながらのファン」のどちらに向けて作ればイイのか―――を考えた結果、2バージョンを作ればイイんだと逆転の発想で解決したワケで。これは色んなシリーズにも見習ってもらいたいと思う一方で、これは「ファイアーエムブレム」だからこそ出来たこととも言えるんですね。

 SRPGはグラフィックの使いまわしが効くので、純粋に新作を2本作るよりも、同時に2本作ってしまった方が開発費を抑えられるというのも大きいと思います。
 キャラクターのグラフィックは「立ち絵」にしても「CGのモデル」にしても、『白夜王国』での味方キャラクターが『暗夜王国』での敵キャラクターとして登場するのですから、2本分作る必要はありません(もちろん片方にしか出ないキャラもいるだろうけど)。
 また、ステージのマップも「関が原を東軍と西軍の両方の視点で描く」かのように、『白夜王国』と『暗夜王国』で共通のマップが登場してそれぞれの視点でプレイすることになることも予想できます。作った一つのマップを2本両方に登場させられるのならば、純粋に2本新作を作るよりかは開発費を抑えられることと思います。


 ちょっと話がズレますけど……
 スーパーファミコンの『ファイアーエムブレム 紋章の謎』が発売された時、この作品は第1部で『暗黒竜と光の剣』のリメイクが入っていて、第2部はその後の完全新作が入っていて、1本の値段で2本遊べるなんてなんて太っ腹なんだ!と感動したのですが。
 今考えると、キャラクターのグラフィックや、ステージのマップなどを使いまわせるので「純粋に2本作る」よりかは遥かに開発費を抑えられていたんですね。しかも、それが「第1部ではああいう戦いだったこの場所に、第2部で再び訪れた時にはこんなことになってるとは!」と、壮大な物語世界の歴史を感じさせる効果を生んでいたのだから凄い。


 横にズレた話を更にズラしてしまって申し訳ありませんが。
 「『紋章の謎』の頃は2本のソフトを1本に収録していたじゃないか!『if』は2バージョン発売して2本買わせるなんてヒドイ!昔は良かった!」と言う人もいるかと思います。Twitterで実際に言われました。でも、『紋章の謎』の定価って税抜き9500円ですよ。
 『ファイアーエムブレムif』は1本が税抜き4700円で、もう1本のシナリオを有料DLCで購入すると税抜き1852円、「第3のシナリオ」も税抜き1852円――――全部足して8404円です。2本入った『紋章の謎』よりも、3本買った『if』の方が安いんですよ。


 私はこの記事にも書いたように、ゲームの有料DLCは「本編の発売前に有料DLCの価格と内容を予め発表しておいて欲しい」「欲しい人が限られている機能は有料DLCにして、欲しい人だけが買えるようにすればイイ」と思っています。
 この記事で書いたように今回の2バージョンは全然ジャンルの違うゲームなので「欲しい人が限られている」と言えると思いますし、全部入りで8404円で売るよりかは、最初に4700円で売って「欲しい人だけ有料DLCでもう1本も買えるよ」とした今回の方が消費者に対して誠実だと思います。

 『覚醒』の時の「発売前にはほとんど公表しなかった(※2)有料DLC」に比べても、ちゃんと発売前に告知していることも偉いと思います……と言いつつ、発売後にまた「レベルの上がりやすいマップ」とか「クリアすると買い物が半額になるマップ」とかの有料DLCを大量に発表する可能性はまだありますけど。「信用を失う」ってのはそういうことですからね。

(※2:マルスが仲間になるマップのみ、期間限定無料だと宣伝していたけど)

(関連記事:ゲームの有料DLCは、発売前にちゃんと告知して欲しい




 閑話休題。
 この「新しいファン」と「昔からのファン」に向けて2バージョン発売するという方針、実は一番近いのは『大乱闘スマッシュブラザーズ for 3DS/Wii U』じゃないかなぁと思っています。

 「もうゲームは携帯機でしかやる気になれないよ」という新しいファンに向けてニンテンドー3DS版を作り、「いやいや!スマブラは据置機じゃないとダメだよ」という昔からのファンに向けてWii U版を作った―――もちろん『ファイアーエムブレムif』のケースと違って、携帯機と据置機ではグラフィックの使いまわしは出来ませんし、単なるマルチ展開ではなくてステージやモードは違うのだけど。キャラクターのパラメータ調整など共通する部分も多いので、純粋に2本作るよりかは2本同時に作ることで開発期間を短く出来たというところはあると思います。

 『スマブラ』も発売前は「ファンはどうせ両方買うんでしょ?」と言っている人がいましたが、2バージョンの売上には大きく差が出ていますし、「3DS版しか買っていない人」「Wii U版しか買っていない人」はたくさんいます。
 『ファイアーエムブレムif』も、現在言われているほど「ファンはどうせ両方買うんでしょ?」とはいかないんじゃないかと思います。特に『覚醒』から入った新しいファンは『暗夜王国』は「全然違うゲームじゃないか!」と戸惑うでしょうし。




 「新しいファン」と「昔からのファン」のどちらに向けて作ればイイのか―――という話。
 ゲームが3Dになった90年代後半は『マリオ』や『ゼルダ』ですら3Dアクションゲームになってしまって、2Dアクション大好き・3Dアクション大嫌いな自分にとっては本当につらい時期でした。非アクションゲームでも、『ファイナルファンタジー』シリーズが中世ファンタジーの世界観をやめて機械が普通にある世界観になってしまったのは今でも寂しいです。

 でも、『マリオ』や『ゼルダ』は現在は「2D」と「3D」の両方を作っていますし(※3)。『ファイナルファンタジー』も本編こそ「機械が普通にある世界観」ですけど、かつての『FFCC』やオンラインとかスマホとかで「中世ファンタジーの世界観」も展開しているみたいなので―――「新しいファン」と「昔からのファン」のどちらにも向けて両方作るというのが、長く続いているシリーズの宿命なのかなぁと思います。

(※3:『マリオ』は『Newマリオ2』『NewマリオU』『マリオ3Dワールド』を同時に作っていたし、『ゼルダ』は『神トラ2』『ムジュラ3D』『Wii U版』を同時に作っていたみたいだし、2ラインどころか3ラインで動いているんですよね)


 「ファイアーエムブレム」シリーズは、『マリオ』や『ゼルダ』や『ファイナルファンタジー』のように世界中で何百万本と売れるシリーズではないので同じように「純粋な新作を2本作る」資金力や開発期間はないでしょうが、使いまわしできるところは使いまわして「2本同時発売」を実現したのはアイディアの勝利だったと思います。

 ビジネスとして『ファイアーエムブレムif』が成功するかどうかは今の時点では分かりませんけど、ゲームの歴史も長くなってきて、ユーザーの嗜好も多様化している現状。使いまわせるところは使いまわして2本作るというのは、今後のトレンドになっていくかもなぁって思います。

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○ 余談


 『ファイアーエムブレムif』の主人公は「白夜王国」の生まれでありながら「暗夜王国」で育ったという設定らしいです。なので、紹介映像では「白夜王国」にいる実の妹から「兄様」と呼ばれ、「暗夜王国」にいる少女からは「お兄ちゃん」と呼ばれていて―――これでは『ファイアーエムブレムif 実妹/義妹』じゃないか!という声も挙がっています。


 私は実は「妹キャラ」というものには興味がないので、実妹だろうが義妹だろうが紹介映像で「お兄ちゃん」と呼ばせてどっちを選ぶんですかと全国の妹属性の人達を釣り上げようとする様はあざとすぎてあまり好きにはなれなかったのですが……
 よくよく考えると、今回の『ファイアーエムブレムif』の主人公は「マイユニット」という形で自分で設定できるワケで、当然「女主人公」にすることだって出来ます。ということは……実の妹から「姉様」と呼ばれ、義理の妹からは「お姉ちゃん」と呼ばれて慕われる、「実姉妹でイチャイチャするのか/義理の姉妹でイチャイチャするのか」を選べるゲームだということですよね!


 やっべ、これは悩む。
 ゲームのジャンルがどうこうとか長々と語ってきたけど、最終的には「実の妹か義理の妹か」という話で締めくくるという。

| ゲーム雑記 | 17:55 | comments:27 | trackbacks:0 | TOP↑

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初心者のための『ファイアーエムブレム』講座

 Wii Uでは「ファミコン生誕30周年記念 Wii Uバーチャルコンソール体験キャンペーン」というものが行われていて、現在のところスーパーファミコンで発売された『ファイアーエムブレム 紋章の謎』が期間限定30円で販売されています。

 んで、Miiverseを見ると、思った以上に「ファイアーエムブレムって聞いたことがないです。有名なゲームなんですか?」という声や「30円だから買ってみたのですが敵を全滅させてもクリアになりません。なんで??」みたいな声が多いんです。小学生だけじゃなく、大人の人でも、『ファイアーエムブレム』シリーズを全くプレイしたことがない人が多いみたいなんです。

 『ファイアーエムブレム』シリーズって任天堂のソフトの中では「熱心なファン」に支えられている一方、100万本を売るような「広く売れるソフト」ではないので、長く続いているシリーズなのに全く知らない人は知らないってシリーズなんですよね。有野課長も「消防士の話ですか?」と言っていたし(笑)。



 なので、「今30円で売っているけどファイアーエムブレムってどんなゲーム?」という人や、「ファイアーエムブレム始めたんだけどどうやればイイのか分からない!」という人のために、『ファイアーエムブレム』ってのはこういうゲームなんだよと解説をしようと思います。

 慣れている身からすると「当たり前なルール」が、初心者にとっては壁になりますしね。



 ちなみに、今日の記事では「これから30円で『紋章の謎』を買おうと思っている人」を想定して書きますんで、『紋章の謎』が中心の話になると思いますが―――『ファイアーエムブレム』シリーズはその後に色んな要素が足されてはいるんですが根っこの部分は一緒なので、最近の作品(3DSの『覚醒』とか)を始めようって人にも参考になる話だと思いますです。



0.まずWii UのeShopから『ゲームセンターCX 有野の挑戦HD』を観ましょう
 これで「ファイアーエムブレムがどんなゲームか」は分かります。
 以上!今日の記事は終了!!



 って終わらせると、流石に石を投げられそう(笑)。
 1~3面のネタバレにはなるんですけど、初心者の有野課長が四苦八苦しながらプレイしている姿を見れば「どんなゲームか」は分かると思いますし、同じような初心者の人はまずこの映像から見始めるのがイイと思いますよ。そして、有野課長と同じように「3面までクリア」を目指すところから始めるとイイと思います。


 ただ、注意点。
 有野課長は初心者な上、「3面までクリア」を目指しているので、『ファイアーエムブレム』ファンからすると「なんでアレをしないんだよ!」とか「それやっちゃうと後々に辛くなるぞー!」ということをやっています。だから、課長のプレイをマネしないように。


 具体的には
・「砦に待機した状態でターン終了するとHPが回復する」のを使おう
・ジェイガンではあまり敵にトドメを刺さないようにしよう
・ワープの杖は貴重品なのでここではまだ使わないようにしよう





1.『ファイアーエムブレム』は「数字に忠実なゲーム」
 『ファイアーエムブレム』は、例えば攻撃力10のキャラ守備力5のキャラに攻撃を与えると、(基本的に)必ず5のダメージになります。

 実はこういうゲームってあまりないですよね。
 『ドラゴンクエスト』シリーズの場合、同じキャラが同じ敵に攻撃を当てても、さっきは16のダメージだったけど今度は32のダメージだ、みたいなことが起こります。これはRPGの起源がTRPGだからだと思うんですが、とにかく『ドラクエ』とは違うんです。

 同じSRPGの『スーパーロボット大戦』シリーズの場合でも、攻撃力が「パイロットの能力+武器の攻撃力×パイロットの気力×射程がどーのこーの」みたいに複雑な計算式で成り立っているため、ステータス画面を見ただけではダメージが幾つかはピッタリ想像出来ません。



 『ファイアーエムブレム』はそういう意味では「最も数字に忠実なゲーム」と言えますし、「敵味方のステータス画面を小まめにチェックしなくてはならないゲーム」なんです。熟練者にとってはこれが面白いのですし、初心者にとっては難しいところでしょう。



 それでは具体的にステータス画面を見てみましょう。
 Wii版のバーチャルコンソール公式サイトに、ステータス画面の写真が載っています。

 見ましたか?マルスの顔グラフィックが載っている写真です。
 初心者の人は「うげー、こんな数字がいっぱいあるのかよー。難しそう」って思うかもしれません。ですが、重要な数字は限られているんです。全部の数字を把握する必要はないんです、少なくとも初心者の間は。


 重要なのはこの3つ。

・「HP」…これが0になると死亡なので、常に気を遣おう

・「攻撃」「守備」…「こちらの攻撃力-相手の守備力=与えるダメージ」

・「攻速」…「攻撃する速度」の略。これが相手より3上回ると2回攻撃


 逆に「わざ」「幸運」「武器(の数字)」は、最初の内は気にしなくてイイです。
 「ちから」は「攻撃」の元となる数字ですし(「キャラのちから」+「武器の攻撃力」=「攻撃」になる)、「速さ」は「攻速」の元となる数字ですし(「キャラの速さ」-「武器の重さ」=「攻速」になる)―――この数字はこの数字と繋がっているんだくらいの認識でイイでしょう。



 ちなみに、有野課長はここまでの知識もなくプレイしていたみたいです。
 「2回攻撃の条件」を知らなかったみたいですし。逆に言うと、ここまでの知識がなくても3面まではプレイ出来るということです。今の時点で「よくわかんねーや」という人も、3面までプレイして、その後にこの記事を読み返せばイミが分かるところも多いんじゃないかと思いますよ。




 重要なことをもう一つ。
 『ファイアーエムブレム』は「数字に忠実なゲーム」と書きましたが、「不確実なゲーム」とも言えます。だからこそドラマチックで面白いゲームなんです。

 再びWii版バーチャルコンソール公式サイトから戦闘画面の写真をどうぞ。

 また数字がいっぱい書いてありますね。
 ゲージは先ほど重要だと書いた「HP」です。
 ATCは「攻撃」、DEFは「守備」です。

 先ほど説明していない数字が2つ。
 HIT=「命中率」と、CLT=「クリティカル率」です。

 「命中率」と「クリティカル率」は複雑な計算式で導き出されるので先ほどは説明をしませんでしたが、この数字により、プレイヤーの思わぬ展開にゲームが進むんです。
 「敵のサンダーがクリティカルヒットになってアーマーナイトが一撃で沈んだ」とか「絶体絶命だと思ったらレナさん敵の攻撃を避けたった」とか。それが、プレイヤーごとに異なるドラマが生まれる理由になるんです。

(関連記事:ゲームにストーリーは必要だと思いますか?



 というか、私5面で早くもドーガ死んじゃったんですけど!
 ノーリセットプレイとか言ってたら、序盤からまさかのアーマーナイト抜きプレイとかマゾゲーになっちゃっているんですけど!!流石にこれは予想外でしたよ!(今までドーガが死んだことなかったので……)



2.ペガサスナイトは弓矢に弱い、アーマーナイトは魔法攻撃に弱い
 先ほどの項目で、自分は“『ファイアーエムブレム』は、例えば攻撃力10のキャラ守備力5のキャラに攻撃を与えると、(基本的に)必ず5のダメージになります。”と書きました。

 「基本的に」というカッコ書きで書いたのにはもちろんワケがあって。
 例外もあるんです。それがこのゲームの奥深いところで、「ユニットごとに得手・不得手となる相手がいる」ように作ってあるんです。炎ポケモンは水ポケモンに弱いとか、アンデット系の敵には炎魔法が効くとか、そんなカンジの。



 飛行ユニット(ペガサスナイト、ドラゴンナイト、飛竜)は、弓攻撃(アーチャー、ハンター、スナイパー、ホースメン、シューター、あと風魔法)に弱いんです。どんなに鍛えてあるドラゴンナイトでも、ハンターの攻撃1発で致命傷になってしまうんです。

 三度、Wii版バーチャルコンソール公式サイトからステータス画面
 この左下に「特効:20 ナイト系」と書かれていると思います。これは「普段の攻撃力は10だけど、ナイト系に攻撃する時だけ特別に攻撃力が20になりますよ」という特別効果があるということなんです。この場合、マルスの装備している「レイピア」という武器が、ナイト系に対して特別な効果があるということですね。
 敵味方全ての弓兵のステータス画面を見てもらえれば分かりますが、弓矢はそれだけで「特効 ひこう系」となっているんです。

 これを知らないと、1面でシーダがあっさり弓兵に殺されてしまうんです。
 「HPまだまだあったのに、なんで!?」と。

 ちなみに有野課長はコレも知らずにプレイしていたみたいです。
 誰かスタッフが教えてあげれば良かったのに……



 この「特効」は他にもあって、多くの場合は「特効を持った武器」です。
 アーマーナイトやジェネラルに「特効」があるアーマーキラーという剣、ソシアルナイトやパラディンに「特効」があるナイトキラーという槍、その両方に「特効」があるマルス専用のレイピア(なので、1面の時点でマルスには鉄の剣を持たせてレイピアを温存させた方が良い)。





 また「特効」とはまた別の「相性」があります。
 それが「魔法」という要素。「魔法で攻撃された場合のみ、守備ではなく魔防(魔法防御)が守備力」になるのです。 
 どんなに守備力を鍛えたキャラでも、魔法防御が低いと魔法攻撃であっさり死んでしまうのです。

 先ほど自分は「5面でドーガが死んじゃった」と書きましたけど、その時点で我が軍のドーガの「守備:11」「魔防:0」でした。余裕だぜーとガシガシ進んでいたら、攻撃力7の魔法攻撃サンダーで、運悪くクリティカル(通常の3倍のダメージ)が出てしまい一撃で21のダメージを食らって死亡――――ってカンジでした。

 クリティカルはまぁ運ですけど。
 鉄壁だと思ったアーマーナイトがあっさり魔法攻撃に沈むというのは、『ファイアーエムブレム』あるあるなので。「このゲームに最強キャラなどいないんだ」と思ってプレイしてもらえればイイかなと思います。




3.「自分だけのチーム」感
 このゲームは大体全部で50人近くのキャラが仲間になるそうで、その内出撃できるのは12~15人と限られています。前項で「ユニットごとの相性」の話を書きましたが、それゆえにどういう編成にするのかはプレイヤーごとに違うという面白さがあります。

 弓兵は一人なのか二人なのか、はたまた三人なのか。
 回復役は一人なのか二人なのか、はたまた三人なのか。
 敢えてジジイを使うのか、若い女のコばかり使うのか。



 また、同じキャラを使っていても、こっちの人と自分とでは成長のし方が違うなんてことも起こります。
 キャラにはおおよその成長率が設定されていて、例えばジェイガンは「どんなにレベルが上がってもほとんどステータスが上がらない」とか、シーダなら「力がガンガン上がるけどHPはなかなか上がらない」とかあるんですけど。
 あくまで「このキャラは○○が上がりやすい」という確率の話なので、今回のオグマはちっとも守備力上がらねえ!みたいなことも起こるんです。Miiverse見てたら7面でレナのちからが11になっている人いたけど、何だアレは!


 それ故に「自分だけのチーム」になるし、そこが面白いゲームなんです。



4.支援システム
 『紋章の謎』をプレイするだけなら大して気にする必要はありませんけど、『ファイアーエムブレム』シリーズを語る上で欠かせないのがこの「支援システム」です。


 ざっくりと説明すると……
 マルスとシーダは恋人同士なので、シーダが近くにいるとマルス様ハッスルして普段の力以上なものが出まっせ!というシステムなのですが。
 「恋人同士」という分かりやすい設定だけじゃなくて、「あれ?実はこのキャラってこのキャラが近くにいるとクリティカル率上がってるよね?」みたいな隠れ三角関係になっていたりして。複雑な人間関係を表す一要素となっていたんです。


 当時の自分は小学生だったのでよく分かってませんでしたが、どうやらこの(スタッフの遊び心とも言える)隠し要素にファンは夢中になって。「○○のことを密かに想い続けている△△だけど、あぁ……!でも、○○には□□という恋人がいるのであった……!」という妄想・同人のネタになっていたようで。

 これが後のシリーズ『聖戦の系譜』では、プレイヤーの行動次第で「○○は□□ではなく△△と結婚して子どもを作る」と出来るように進化していったんですよね。
 子作りについてはアレですけど、この「キャラ同士に実は関係性がある」というのは後々のシリーズでは強化されていくところで。『紋章の謎』ではそれほど気にすることではないですが、シリーズの源流を垣間見れる要素だとも言えるんで紹介しました。



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 色んな要素を書いたんで、「こんなに一度に理解出来ないよ……」「やっぱり難しいゲームなんじゃないのか」と思われたかも知れません。

 しかし、『ファイアーエムブレム 紋章の謎』の序盤って今思うとかなり「初心者向け」に配慮されて作ってあるとも言えるんです。

 今日の記事で駆け足に書いたような色んな要素を、順番に覚えられるようになっているんです。
 例えば最初の1~3面では、魔法が出てきません。敵も「海賊(山賊)」と「弓兵」が基本で、ゲームのルールとこちらのユニットの特性を覚えることに集中できるようになっているのです。

 またWii Uのバーチャルコンソールならば「いつでもバックアップ」が使えますから、面の途中でバックアップを取っておけばリセットした際のやり直し時間はそんなにかからないようになっています。
 シリーズファンからは「その遊び方は邪道だ」と言われるかも知れませんが、初心者の人は遠慮なく「いつでもバックアップ」を使って『ファイアーエムブレム』の面白さを分かって欲しいです。


 最後に、これから『紋章の謎』を始めようって人に向けて、『紋章の謎』の序盤に限ったアドバイス7カ条を記してこの記事をしめたいと思います。


一.どんなにターンがかかっても気にするな!慎重に確実にプレイすべし!
一.進むのは、砦でHPを回復させてからで構わない!
一.リセットをしないと不利になる時がある!特にシーダが死んだ時だ!
一.ジジイは大して成長しないので経験値をあげるな!育てるなら若い女だ!
一.「手槍」「手斧」は敵が使うと厄介だが、味方が使うときは過信するな!
一.ボス以外で顔が付いているヤツは大抵仲間になるの法則!
一.レイピアは切り札になるんで、マルスには鉄の剣を持たせるんだ!
一.敵の盗賊は真っ先に殺せ!村を破壊されると取り返しがつかなくなるぞ!



 ……1コ多くなっちゃったけど、御愛嬌。

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あなたは「リセットボタンを押してやり直し」が出来ますか?

 以前の記事に書いた通り、Wii Uのバーチャルコンソールで『ファイアーエムブレム 紋章の謎』を始めました。スーファミ当時に何周も遊びまくったゲームです。


 なので、Miiverseにも書きましたが、今回は「リセット禁止」という縛りプレイを自分に課してのプレイをしようと思います。仲間が死んでもそのまんま、重要アイテムを取り逃がしてもそのまんま、マルスが死んだらその場で終了。
 あ、「みんなもそうしろよ」って話じゃないですよ?私は前々から一度こういうプレイをしてみたかったので、Miiverseのある今回はまたとないチャンスだと思ってそうしているだけです。



 何故『ファイアーエムブレム』はリセットをしてしまうのか?
 正確に言うと「リセットして最初から」ではなくて、「セーブしたところからやり直す」というだけなんですけどね。『紋章の謎』はそのセーブポイントが「面の最初」にしかないから、同じ面を最初から何度もやり直すハメになるという話です。

 『ファイアーエムブレム』は仲間が死んでも(基本的には)生き返りません。
 このキャラがいないと後々にこのキャラを仲間に出来ない―――ってキャラでも容赦なく死にます。というか、むしろそういうキャラこそ死にやすいバランスになっています(笑)。
 経験値を注ぎまくって大切に育てたキャラでも容赦なく死にます。『紋章の謎』にはレベル上げできるポイントがありませんから(闘技場も一応あるけどハイリスク)、経験値は有限なのです。なのに、あっさりと死んで、禄に経験値を与えられていないキャラだけで残りの面を戦わなくちゃならなくなったりします。


 また、仲間が死んだ状態で全面クリアをしても「真のエンディング」が観られないので、否応なく「仲間が一人も死んでいない状態での完璧クリア」をしなくちゃならないという圧がかかるのです。



 なので、自分は当時「仲間が死んだら即リセットで面の最初からやり直す」という縛りプレイをしていたのですが……今回はもうそれを辞めて、逆に「どんなにリセットしたくてもやり直し禁止」という縛りプレイで遊ぼうと思ったのです。

 理由は幾つかあって……
 一つはシンプルに「面倒くさい」という理由。1本のゲームに情熱を注げた当時と違い、今はやっぱり「同じ面をリセットして最初から何度もやり直す」のがしんどくなってしまったところがあって―――メーカー側もそれが分かっているから、最近の『ファイアーエムブレム』は「面の途中にセーブポイントがある」とか「死んだキャラも次の面で復活するモードがある」としていると思うんです。

 ならば、いっそのこと「リセット禁止」にすれば同じ面を何度もやらないで済むぞ!と(笑)


 あとは、このゲームっていつも必死にプレイしてしまうため、何周遊んでも「同じようなメンバー編成」で戦ってしまって「一度も使ったことがないキャラ」ばかりなんです。
 『暗黒竜』のリメイク版の時の「社長(に代わって桜井さん)が訊く」で、「仲間が死んでもまた新しい仲間との出会いがあるように50人くらい仲間になる」という話がされてて驚いたことがありました。

 「オグマが死んでも、替わりの傭兵を使えばイイじゃない」ってゲームだったのか!と。

 なので、「仲間が死んでもやり直し禁止」という縛りプレイにすることで、今まで使ったことのないキャラも使わなくちゃならなくなって、このゲームの新たな側面が見られるかも知れない―――と。



 それと、当然こういう遊び方をすれば「難易度は上がる」と思います。エースクラスが死んでもそのまま継続しなきゃなりませんし、貴重なアイテムを持った仲間が死んでもそのまんまですし、マルスが死んだらその場で終了ですからね(笑)。だから私は「クリアできないだろうけどそれでイイや」と思って始めています。目的は「クリアをする」ことではなく、「楽しむ」ことだ、と。
 当時何度も遊び倒したゲームだからこそ出来ることですし、Miiverseがあるからこそ「こんな遊び方してんだぜ、俺!」を共有できるんじゃないかと思うのです。「3面で早速レナ死んじゃったけどどうしよう!」みたいな事態になっても、「頑張れ!」と言ってくれる人がいると信じてやってみようかなと。


 これを書いている段階では、まだ1面をクリアしただけなんですけどね。
 2面でマルス死んで即終了の可能性もあるので、「みんなも応援してくれよな!」とはなかなか言えないという(笑)。


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 さて、ここからが本題です。
 みなさんは「リセットボタンを押してセーブしたところからやり直す」って出来ます?

 「ゲーマーとしてのプライドが許さない」とか「リセット禁止という縛りプレイを遊んでいる」みたいな話ではなくて、「リセットボタンを押してセーブしたところからやり直せばイイんだ」という発想がありますかね?


 ウチの母はこれが出来ないんですよ。そういう発想がない。
 『ルーンファクトリー3』をプレイしていて―――レベル600くらいまで育てた仲間モンスターが、恐らくバグでいきなりレベル5にまで下がっちゃったことがあったんです。攻略サイトなんかを回ったけどその手の話はなかったので、特定のアイテムを上げるとレベルが下がっちゃうというバグだったんだと思うのですが。
 ええーーーー!あんなに苦労して育てたキャラがレベル5になっちゃうなんてーーーー!ショックーー!と叫んだ母は、しっかりセーブして終わらせたそうな(笑)。

 それを後から聞いた私は「なんでセーブしたんだよ。セーブしないで電源切れば良かったのに」と笑ったのだけど、よくよく考えてみればそうなんです。母にはそういう発想がないんです。




 母が本格的にゲームを始めたのはDSの『おいでよ どうぶつの森』です。
 セーブしないでゲームを終わらせると怒られてしまうゲームなんです。

 んで、考えてみると……
 『脳トレ』も『Wii Sports』も『Wii Fit』も、サードメーカーのソフトでも『428』も『ファミリーフィッシング』も『ゴーバケーション』も、全部オートセーブのゲームです。「セーブしないでゲームを終わらせる」ということが出来ないゲームなんです。する必要がないゲームとも言えるか。

 任意に「セーブする」というコマンドを選ぶゲームでも、『ドラゴンクエスト』シリーズなんかは「死んでも経験値が蓄積されるゲーム」なので、セーブしたところからやり直すということがあまりありません。『ルーンファクトリー3』もそうでした。全ての行動でスキルポイントが上がっていくので、「リセットしてセーブしたところからやり直す」ってことをあまりやらないゲームなんですね。


 そもそもこの「セーブポイントを作っておいて、上手くいかなかったらリセットを押してそこからやり直せばイイや」って、ちょっと高度な思考とも言えますよね。今目の前にある状況とは違う、「さっきの状況」を脳の中に留めておいて、「どっちの方がマシか」と比較して選ぶということなので―――慣れていない人には難しい思考じゃないかと思うのです。




 さっき書いた「オートセーブのゲーム」の例―――
 一番の理由は「セーブをしないで終わらせてしまう人」のために勝手にセーブをしてあげようということなんでしょうけど、こんな風に「ゲームにそれほど慣れていない人でも楽しめるゲーム」は「オートセーブ」にしてあることが多くて、「その方が分かりやすいから」という理由もやっぱりあるんじゃないかと思うのです。


 『ファイアーエムブレム』の話でもう一つ面白い話があって、『紋章』リメイク版の頃の「社長が訊く」でこんな会話がなされていました。シリーズの伝統を破って「死んでしまった仲間が次の面で生き返る」システムを入れるかどうかの議論で。

<以下、引用>
樋口「そうなんです(笑)。
 でも、そこで初めてプレイして僕自身が『エムブレム』の魅力にとりつかれてしまったんです。RPGでは倒されても生き返るシステムがあったりしますけど、「倒されてしまった仲間は復活しない」というシステムこそがこのゲームに緊張を生み、最大の魅力だと思うようになりました。

岩田「それで、14年前に「復活はダメです」と注文をつけ、
 今回も、「そこはどうしても譲れないポイントだ」と思ったんですね。」

樋口「 はい。そこは絶対に譲れないと思いました。
 ところが、任天堂さんと議論をしていくなかで、
 初めてのお客さんにとっては「倒されたら生き返らない」という話を聞いただけで、敬遠されてしまうのではないかという話が出てきました。」

前田「そもそも初めての人は、仲間が倒されたときに、リセットしてやり直すという方法をご存じなかったりしますし。」

</ここまで>
※ 改行など引用者が一部手を加えました。



 『ファイアーエムブレム』シリーズは「死んだ仲間が生き返らない」ことが伝統で、それ故に「何度もリセットしてやり直すのが億劫」という脱落者をたくさん生んできてしまった。なので、セーブポイントを増やすなどして対処したのが『暗黒竜』リメイクだったのだけど、そもそも「リセットしてやり直す」という発想がない人もいる―――ということで、『紋章』リメイクで「死んだ仲間も生き返るモード」を入れた、と。


 これは確かに盲点でした。
 スーファミ版の『紋章の謎』が出た1994年と違い、現代のゲームは「オートセーブ」のゲームも増えてきました。リセットしたらペナルティを受けるゲームもあります。「リセットしてやり直す」という文化を持たないゲーマーも多くなっているんだと思うのです。


 Wii Uってリセットボタンがないんですよね。
 Wiiには物理的なリセットボタンもありましたし、HOMEボタンを押すと「Wiiメニューへ戻る」「リセットする」「ゲーム再開」などが選べました。Wii Uには物理的なリセットボタンもなければ、HOMEボタンを押しても「リセットする」という選択肢が出てこないんです。
(※ バーチャルコンソールのソフトはゲームパッドをタッチして出てくるバーチャルコンソールメニュー画面からリセットが出来ます)

 携帯ゲーム機は元々リセットボタンがないから3DSももちろんリセットボタンがありませんし。「リセットボタンを知らない子ども」もいるのかも知れません。



 「ワシらの若い頃のふぁいあーえむぶれむはのぅ……仲間が死んだらりせっとぼたんを押したもんじゃ……」と将来近所の子ども達に語ったところで、「リセットボタンって何ー?」「知らなーい」「きもーい」「じじいキモチワリィからさっさと死ねよー」と言われる日が来るのかも知れませんね。





 ということで。
 今回バーチャルコンソール体験キャンペーンでスーファミ版『紋章の謎』を配信するにあたって。任天堂は有野課長に、「仲間が死んだら即リセットを押させる」という縛りプレイで「有野の挑戦」をやらせているという(Wii U版e-Shopで観られる『ゲームセンターCX』ね)。

 自分とは正反対のプレイスタイルですけど、「リセットしてやり直す」という発想がない人に向けて『ファイアーエムブレム』ってこういうゲームなんですよという手本を見せてあげるということなんでしょう。
 『バルーンファイト』の時もそうでしたが、今回のバーチャルコンソール体験キャンペーンは「有野の挑戦」を上手く活かしたキャンペーンになっているなと思います。「バーチャルコンソール、Miiverse、有野課長」の3つが見事に組み合わさっているというか。


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| ゲーム雑記 | 17:58 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

『ファイアーエムブレム 紋章の謎』こそが「Miiverseのためのゲーム」になるだろう

 「またMiiverseの話かよ!興味ねえからその話もうやめろよ!」という人もいらっしゃるでしょうけど、このタイミングでコレを書かないとずっと後悔すると思うんで、お付き合いいただけたらと思います。


 現在、Wii Uでは「ファミコン生誕30周年記念 Wii Uバーチャルコンソール体験キャンペーン」というものが行われています。30日間限定で、そのソフトを30円で販売しますよーというキャンペーン。現在のソフトはファミコンの『バルーンファイト』で(今週金曜日まで)、今週の水曜日から『ファイアーエムブレム 紋章の謎』が30日間30円で販売されます。
 誤解している人もいるかもですが、「(30円での)販売期間が30日間」なだけで、購入後は30日後だろうが90日後だろうがずっと遊べますよ。

 キャンペーンの名称からして「バーチャルコンソールを体験してもらうためのキャンペーン」となっていますが、早期にWii U本体を買ってくれた人へのサービスということで「3DSのアンバサダー・プログラム」と同じようなサービスと捉えている人も多いみたいです。


 自分もそうした側面がないとは言いませんけど、
 もう一つ、このキャンペーンの目的の一つとして「Miiverseがあることで既存のゲームがこんなにも面白くなるんだと知らしめるためのデモンストレーション」という狙いがあると思うのです。ラインナップの順番を見ると、そういう意図で打順が組まれているように思えるのです。


 Wiiの時は「新しいゲーム機」を打ち出しすぎて、付いて来れない人を生んでしまいました。
 「ユーザーに」ではなくて「メーカーに」。
 『Wii Sports』や『Wii Fit』のような「新しいゲーム」を期待して本体を買った人に応えられるような“次のソフト”をなかなか出せなかったし、伝えられなかったですよね。サードメーカーはもちろん、任天堂だって一部のジャンル以外は苦戦を強いられましたから。


 今回の「Wii Uバーチャルコンソール体験キャンペーン」のソフトは、20年前や30年前のゲームです。「既存のゲーム」どころか「古臭いゲーム」です。でも、そんな「古臭い」ゲームであってもMiiverseがあれば「新しいゲーム体験」になるんだと、「ユーザーに」はもちろん「メーカーに」も見せ付ける狙いがあるんじゃないかと思うのです。





 Miiverseの良さって何でしょう?
 自分はシンプルに、この「2つ」だと思います。

・超手軽に、どのシーンの「スクリーンショット」も貼り付けられる
・他の機器も必要とせずに「手描き」で投稿が出来る


 「同じゲームの話題を共有できる」とか「自分一人ではクリア出来ないところを周りに教えてもらう」とかは、別にMiiverseでなくても出来ます。
 ニンテンドーダイレクトで岩田社長が「Miiverseで今こんなことが起こっているんですよ。楽しそうでしょ?」と言っている間、ニコニコ動画やTwitterで「TwitterやPixivがあるから別にMiiverseなんてなくても構わないし」というコメントを見かけました。自分もそう思います。他のSNSで代用出来ることは、それほどのウリにならないんです。



 しかし、この2つは違います。
 「スクリーンショット」は、ソフト側が制限をかけていなければ(『WiiストリートU』とか)、どのゲームのどんな場面であっても「スクリーンショット」を貼り付けられるようになっています。ソフト側で特別に「スクリーンショットを撮る機能」をプログラムしなくても、それこそ30年前の『バルーンファイト』でも「スクリーンショット」が貼り付けられるのです。

 この「スクリーンショット」は「保存」も出来なければ、「選択」も出来ません。自分は最初はこの仕様はどうなんだろうなーと思っていましたし、その内にバージョンアップで変更される可能性もあると思うんですけど。「スクリーンショット」を「張り付けられる」けど「保存出来ない」という仕様は、その写真は“今まさにその人はその状況をプレイしているんだ”という臨場感を生んでいるんです。



 「手描き」に関しては、正直「絵が上手い人達の腕をお披露目する場」にしかなっていないので「絵が描けない人」に疎外感を与えているという見方も出来るけど、自分自身「他の人の絵を見たくてMiiverseを起動する」こともあるので……まだ何とも言えないかなぁ。


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 「Wii Uバーチャルコンソール体験キャンペーン」のラインナップは以下の通り。

・ファミコン『バルーンファイト』(1/24~2/22)
・スーファミ『ファイアーエムブレム 紋章の謎』(2/20~3/21)
・スーファミ『MOTHER2』(3/20~4/18)
・ファミコン『星のカービィ 夢の泉の物語』(4/17~5/16)
・スーファミ『スーパーメトロイド』(5/15~6/13)
・ファミコン『ヨッシーのたまご』(6/12~7/11)
・ファミコン『ドンキーコング』(7/15~8/13)


第1弾:『バルーンファイト』の狙い
 このゲームは1985年に発売されたファミコン用アクションゲーム、現任天堂の社長の岩田さんがプログラミングをしたことでも有名なゲームですね。『スーパーマリオブラザーズ』以前のゲームということで、今遊ぶと「かなりシンプルなゲーム」と思うんですが……

 「こういうシンプルなゲーム」にMiiverseが加わるとどうなるのかを見せ付けるために、このゲームが第1弾になったのだと思われます。もちろん社長が作って課長が遊んだとか、『ニンテンドーランド』の中にリメイク版が入っているとか、そういう話題性も狙ってでしょうが。


 このゲームを一人用で遊ぶ場合は、「面クリア型の通常モード」でハイスコアを狙ったり一つでも先の面を目指したりという遊び方か、「バルーントリップモード」で20コ連続で風船を割って風船の色を変えるという遊び方があります。


 Miiverseがあれば「俺は○○○点を出したぞー!!」という自慢や、「○色の風船まで出したぞー」という自慢を、スクリーンショット付きで出来るんですね。そのスクリーンショットは、間違いなく「今現在その人がプレイしている画面」という証明になりますから。
 そういう遊び方をさせるために、『ゲームセンターCX』でわざわざ有野課長に「○色の風船を出す」というお題に挑戦させたのでしょう。



 つまり、Miiverseがあれば、これまで「一人で黙々と遊ぶしかなかったスコアアタックゲームやタイムアタックゲーム」が「みんなで遊べるようになる」のです。
 『マリオカート』のようなレースゲームならば「○○のコースを×分××秒で走ったぜー!」とか、『スマッシュブラザーズ』のように実績システムのあるゲームならば「○○の実績獲ったぜ!」という自慢というか報告が簡単に出来るのです。
 今までのようにデジカメを用意して、カメラを画面に向けて、反射して自分のキモチワルイ顔が映らないように気を付けて、Twitterに投稿して、「これ、画像加工してんじゃねえの?」と言われて――――みたいな必要はないのです。だ、だれがキモチワルイ顔だ!失礼な!


 当然これは、今後アップデートで実装されるであろう「ユーザーが作れるコミュニティ」で化ける機能だと思います。タイムアタック専用のコミュニティを作って、今週はみんなで『マリオカートU』のこのコースのタイムを競おうぜ!みたいな遊び方が出来るのです。

 『Wii Fit U』とかも超楽しみです。
 「ひたすらみんなで筋トレ報告をするコミュニティ」とか出来て、1日の消費カロリーを競ったりしそう!しんどそうだから私は参加したくない!(笑)。



第2弾:『ファイアーエムブレム 紋章の謎』の狙い
 ようやく本題。
 このゲームは1994年に発売されたスーパーファミコン用シミュレーションRPGで、現在でも根強いファンを持つシリーズの代表作であります。


○ 「遊ぶ人の数だけ違うユニット編成」
 このゲームを知らない人のために分かりやすく説明をしますと、「面クリア型の将棋」みたいなものだと思ってください。ただし、将棋と違って、このゲームの駒(ユニット)は敵を倒した分だけ成長しますし、ストーリーが進むにつれてどんどん新たな仲間が増えていきます。そして、1つの面に出撃できる駒は決まっていて、全員は出撃させられないのです。


 なので、プレイヤーごとに「どの駒を使って、どの駒を育てているのかが異なるゲーム」なんですね。
 例えば自分は「病気の母親に薬を買ってあげるために海賊の手先になっている」(という設定の)カシムという弓兵がお気に入りで、ウチの軍ではオグマに次ぐNo.2の撃墜数だったんですけど。同じようにこのゲームを遊んだ人に「カシムの攻撃力半端ねえよなー」と言っても、「カシム……そんなヤツいたっけ……」「あんなヤツ使ってたの!?」とか言われるんです。

 あの当時にMiiverseがあれば!鬼のような強さを誇る我が軍のカシムをみんなに見せ付けられたろうに!


 というカンジで……「ウチのチーム自慢」が出来るんですね、Miiverseがあれば。
 「ウチはマルス以外は全員女のコだぜー!キャッハー!」自慢とか。
 「敢えてオッサンとハゲ頭だけで編成しています!成長率が低い!」自慢とか。
 「ペガサス三姉妹とミネルバとマリアは常に一緒に行動させて姉妹百合を妄想して楽しんでます!」自慢とか。自慢か、これ?


 もちろんコレは『ファイアーエムブレム』に限った話ではなく。
 今後Wii Uで発売される「自分なりの遊び方が出来るゲーム」全般に言えることです。『どうぶつの森』で珍妙な部屋を作った自慢、『シムシティ』で変な街を作った自慢、『ウイニングイレブン』で「ぼくのかんがえたさいきょうのちーむです」自慢とか―――一人で黙々と遊ぶしかなかったシミュレーションゲームに、「コミュニケーション」という新たな楽しみを加えてくれると思うんです。

 問題は、「今更据置機でシミュレーションゲーム出してくれるメーカーがどれだけあるの?」って話なんですが。うーん……



○ 「こんな悲惨な目に合った」自慢
 最近のシリーズは「イージーモード」が選べて緩和されているそうですが、1994年の『ファイアーエムブレム 紋章の謎』は「死んだ仲間は生き返らない」というガチな厳しさのゲームです(終盤に一人だけ生き返らせるアイテムが手に入ったりするんですけど)。


 『シレン』なんかもそうですけど、「死んだ時に喪失するものがデカイゲーム」は「俺はこんな悲惨な目で殺されたんだよ」自慢が盛り上がるのです。今回の『紋章の謎』+Miiverseの組み合わせも恐らくそうなると思います。
 だってこのゲーム、キャラが死ぬと「悲壮感たっぷりのセリフを遺して死ぬ」んですもの!「実は○○さんのことが好きでし……た…グフッ」みたいな!あたかも「写真撮って!」と言わんばかりの画面で、こりゃMiiverseが「誰が死んだ」報告で埋め尽くされる未来がオラワクワクすんぞ!!



 また、圧倒的に不利な状況に追い込まれているスクリーンショットを載せて「もうどうしようもないお…(´;ω;`)」と報告するとか、逆に「4連続で避けた!オグマさん、神!」みたいな嬉しい報告とかもありそう。『ファイアーエムブレム』ってやっぱり「誰かに愚痴りたくなるゲーム」だし「誰かに自慢したくなるゲーム」だと思うんですよね。

 Miiverseがあれば『パワプロ』のサクセスモードとかもすげー面白くなりそうなんだけどなぁ……コナミはもう、家庭用のゲーム機に興味がなさそうだから……どうだろうなぁ……



○ 「攻略サイトなしでも遊べるように」
 これは何度か書いていることですけど、Miiverseってのは「かつて友達の家でマリオを遊んでいると1UPキノコの位置を誰かが教えてくれた」ように、知っている人が知らない人に攻略情報を教えてあげるという側面があるんですよ。『ニンテンドーランド』の裏面から始める裏技なんて、恐らくみんなMiiverseで知ったんでしょうし。

(関連記事:Miiverseを実装した任天堂の未来は
(関連記事:昔の名作ゲームを今遊んでも100%の面白さを味わえるワケがない
(関連記事:攻略サイトを見る人、攻略サイトを見ない人


 『ファイアーエムブレム』は、実は攻略本とか攻略サイトがないとキツイゲーム。
 誰を仲間にするためには、誰を出撃させて誰で説得しなくてはならないとか、そこで誰を仲間にしていないとこっちの誰を仲間にできない―――とか。この場所にピッタリ止まると「隠しの店」が出て、ここでしか変えないレアアイテムを買えるし、それがないと全員はクラスチェンジできない―――とか。


 自分が『蒼炎の軌跡』を途中でやめてしまったのはそれが原因でした。
 仲間にし方が分からないキャラがいて、そのまま進めていたら、今度は別のキャラを仲間に出来ずに殺すしかなくて、「アイツらだけは絶対に許さない……!」とか言われて。ショボーンとなって。起動が億劫になってしまったという。

 Miiverseと『ファイアーエムブレム 紋章の謎』はそういう「攻略本や攻略サイトの替わり」になる側面が見られるんじゃないかと思います。まぁ、ネタバレと紙一重なんでその辺の問題も起こりそうではありますが。




 自分にとってこの『ファイアーエムブレム 紋章の謎』は「生涯TOP5」に入れるくらい大大大好きなゲームで、当時何十時間と遊びまくったゲームなので―――同時に何本もゲームをプレイしていて、積みゲーはまだまだ残っていて、『ドラクエ10』のベータテストも迫っていて、1ヵ月後には『MOTHER2』が来て(こちらは当時未プレイなゲーム)という今の自分には「別にいいかな……」と思っていました。

 正直、昔何度もクリアしたゲームをこのタイミングでやるのかよと自分で自分にツッコミを入れたいんですが、このゲームがMiiverseでどう化けるのかを見たくなってしまいました。きっと、あの当時には得られなかった「新しい楽しさ」が味わえるんじゃないかと思うのです。

 なのでまー、ガッツリと「クリアを目指すぞ!」という気合を入れて遊ぶワケじゃないですが、気ままにプレイしてMiiverseに投稿する―――みたいなことを考えています。



第3弾:『MOTHER2』の狙い
 7本の中で唯一のRPGであり、こちらも根強いファンの多いソフトですね。
 「思い出語り」とか「ストーリーについての語り合い」が盛り上がりそう。ですが、自分は完全に初めてのプレイになるのでネタバレ対策が心配なところ。その辺の対策(コミュニティを分けるとか)がないとMiiverse自体を覗けなくなっちゃうかな……

(関連記事:ニンテンドーダイレクトから垣間見えた任天堂のWii Uでの戦略


第4弾:『星のカービィ 夢の泉の物語』、第5弾『スーパーメトロイド』の狙い
 この頃になると、恐らくWii Uバーチャルコンソールのサービスが本格的に始まっていると思うので、『バルーンファイト』や『紋章の謎』のように「みんなで一斉にこのゲームを始める」みたいなことにはならないかも知れませんが……

 この2本もまた「ここはどうやれば先に進めるの?」とか「この隠しステージの出し方が分からない!」というゲームなので、Miiverseでの教え合いが盛り上がりそうなゲームですね。



第6弾:『ヨッシーのたまご』、第7弾『ドンキーコング』の狙い
 この頃にはもう「Wii Uの新作ソフト」もちゃんと出ている時期だと思うので、多分Miiverseはあまり盛り上がらないんじゃないかと思っています……(笑)。


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 ゲーム機の新機能って「それを活かしたソフト」がないと分からないんですよね。

 『Wii Sports』を買わなかった人が、『斬撃のレギンレイヴ』でようやく「Wiiリモコンって面白いな!」と言っていた―――みたいに、「それを活かしたソフト」を買わなければその機能の凄さを分からないままってことがあるんです。「DSの二画面を活かしたゲームはほとんど出なかった」と言っている人もいましたもんね。


 そういう意味では、Miiverseはまだ「それを活かしたソフト」=「Miiverseのためのゲーム」が出ていないんだと思うのです。「攻略情報を教えあう」という点では『ニンテンドーランド』や『ゾンビU』は機能していると言えますが、それはMiiverseの凄さの一面でしかないと思うのです。


 なので、『ファイアーエムブレム 紋章の謎』こそが「Miiverseのためのゲーム」になるんじゃないかとココに書いておきます。
 もちろん、ああいうゲームを「新作ソフト」でしっかり用意できれば最高だったんですけど、シミュレーションゲームやRPGなんかは新型ゲーム機の初期の頃に出すのは難しいので、「じゃー旧作を30円で売ろうよ」というこのキャンペーンはかなりの“奇策”だけど“合理的”だったと思います。


 ちなみに私はカチュア派です。
 青髪好き、ショートカット好きという私のルーツはそこにあるのか……?


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