やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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やりこみ要素があるから初心者でも安心して遊べるね!

 多分、「統一された名前」がないシステムだと思うんですが。
 Xbox360の「実績」とか、PS3の「トロフィー」とか、『スマブラX』の「クリアゲッター」とか、ゲームソフトによっては「称号」とか「賞状」とか、様々なネーミングで呼ばれている“(クリアとはまた別の)個別の条件をリストで提示されて、それを達成することで「達成しました!」と誉められるシステム”ってあるじゃないですか。


 あの手のシステムは「やりこみ要素」の一つとしてメジャーなものになっていて。
 「やりこみ要素があるから長く楽しめる!」とか「やりこみ要素があるからゲーマーも大満足!」なんて言われたりもします。「やりこみ要素があるからってゲーマーが喜ぶか?」という疑問は置いといて……



 ああいう「実績」的なシステムって、実はゲーム初心者の人や、そのゲームを始めたばっかの人にとってもありがたいシステムになっているんですよね。ゲーム熟練者やそのゲームを長く遊んでいる人“だけ”が嬉しいシステムではないのです。



 『鬼トレ』(正式名称:東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング)をプレイしていて、そう思ったのです。
 このゲームにも「賞状」という形で、その「実績」的システムが入っているのですが……プレイする前まで自分は「脳トレにやりこみ要素とか入れて誰が喜ぶんだよ」なんて思っていました。んで、実際にプレイすると「俺が喜んでる!」となりました(笑)。


 『鬼トレ』にはたくさんのトレーニングや機能が入っています。

 超辛い「鬼トレ」が8種類。
 前作までの『脳トレ』っぽい「鬼トレ補助」が9種類。
 ミニゲーム的な「脳トレ」が9種類。
 「リラックス」が3種類。

 この他にも「集中時間測定」がありますし、すれちがい通信やハンコのデザインなんかも出来ます。


 まだ自分は全要素を解放していませんが、「鬼トレ」全8種類が出た時点で「もうムリ。俺にはこれ以上の成績は出せない」と心が折れかけていました。しかし、「賞状」のリストの中にこういう条件があったんですよ。「3日続けて鬼計算をプレイする」というものが。

 まぁ、成績は上がらなくても3日連続でプレイするだけで達成できるんだから、とりあえず毎日「鬼計算」だけプレイしてみようかなと続けてみました。これを達成すると「7日続けて鬼計算をプレイする」という新たな条件が出るんですけど、それは置いといて(笑)。

 賞状目当てで「成績は上がらなくてもいいから3日連続でプレイしてみるか」と3日連続でやってみると、成績も結構伸びるもんなんですよね。賞状というエサに釣られたプレイヤーが、「鬼トレは毎日続けると成績が伸びるんだよ」と身をもって体感できるようになっているんです。



 「賞状」の一覧を見て達成条件を見ると、「このゲームはこう遊ぶとイイんだよ」と教えてくれているんです。
 「○日出席」とか「○日続けて鬼トレをする」みたいな継続させる条件から、「計算20」で新幹線以上・ロケット以上みたいな一つ一つのトレーニングの目標を設定している条件、「すれちがい通信を設定する」とか「ハンコを自作する」といった機能を使うだけで達成させる条件なんかがあるんです。

 「このゲームを極めてください!」みたいな途方もない達成条件ももちろんありますし、それこそ「やりこみ要素があるから長く楽しめる!」とか「やりこみ要素があるからゲーマーも大満足!」と言われるようなものでもあるんですけど――――


 「実績」的なシステムには、初心者を「このゲームはこう遊ぶとイイんだよ」と誘導する機能もあるんです。
 例えば「鬼計算」でもらえる「賞状」には「3日続けてプレイ」「7日続けてプレイ」の他に、「4バック到達」「7バック到達」というものがあります。必ず2段階用意されているんです。これが凄く重要なんです。

 「鬼計算」は「3バック」が最初の壁と言われています。
 「1バック」は楽勝、「2バック」はコツをつかめば、しかし「3バック」は一発ではなかなかクリア出来ません。「4バック到達」という賞状は、初心者に与えられる「最初の目標」に設定されているんです。
 ここに到達すれば脱・初心者で、次は頂となる「7バック到達」が高い高い目標になるのです(ひょっとしたらもっと上の条件もあるのかも知れませんが、今の自分はここまでしか条件解放出来ていないんで、あったらゴメンナサイ)


 もし「鬼計算」の賞状達成条件が「7バック到達」しかなかったら、こうはいきません。作り手は「やりこみ要素があるからゲーマーも大満足!」と思うのかもしれませんが、遊び手はそうは思えません。高すぎる目標だけを与えられても、そこに登ろうとは思えないのです。
 具体的な名前は挙げませんけど、そういうソフトもありますよね……「実績」的システムを上級者だけが目指すやりこみ要素だと思っているソフト。すげー勿体ないと思います。


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 『鬼トレ』もそうですし『スマブラX』もそうだったんですけど、たくさんのモードを用意して「好きなように遊んでね!」としてくれるゲームは、逆にどのモードから遊んでイイか分からないってことがあります。

 「クリアゲッターのあるスマブラXでダメだったんじゃ、実績的なシステムがあってもダメってことじゃん!」という例になっちゃうかも知れませんが……
 『スマブラX』の発売直後、某レビューサイトに投稿されていたレビューで、「メインとなるアドベンチャーモードは10時間程度で終わってしまった。オマケモードは他にたくさんあるみたいだが、メインのモードがこのボリュームではこの定価では高いと言わざるを得ない」と書かれてて驚いたことがありました。


 『スマブラ』のメインモードは「大乱闘」ですから!
 「アドベンチャーモード」の方がオマケですから!!

 まぁ、これはメニュー画面で「みんなで遊ぶ」「ひとりで遊ぶ」という分け方をしたせいだと思うんですが(大乱闘は一人でCPU戦をしても面白い。むしろそれが面白い)、たくさんのモードを用意したせいで「どう遊べばイイのか」が分からなくなってしまった悲しい例だと思うのです。



 一本のゲームで色んなモードが入っているよ!というゲームは最近のトレンドでもあります。
 任天堂は『鬼トレ』以降も『ニンテンドーランド』とか『Wii Fit U』なんかも用意しているので、こういうゲームにも「実績」的なシステムは搭載しているんじゃないかと思われます。




 ちょっと前にシミュレーションゲームと和製RPGについての記事を書いたことがありましたが。

 何故日本でRPGが人気ジャンル(だった?)かというと、「次に何をすればイイかという目標を与えられ」「それを達成する喜びをコンスタントに与えられる」からだと思うのです。
 「洞窟のゴブリンに旅商人が襲われるので助けてください」と頼まれる→プレイヤーがやっつけにいく→「ありがとうございます!おかげで商人がやってきて町も助かりました」とお礼を言われる→次の町に行って、また頼まれごとをする→以下ループ

 2D『マリオ』とかもそうか。
 ステージが与えられる→クリアする→やったー!次の面だ→以下ループ


 これって『鬼トレ』で、教授の望みどおりに「賞状」の条件を達成するのと似ていますよね。
 「4バック到達したら賞状あげますよ」→やった達成した!→「おめでとうございます。次は7バック到達したら賞状あげますよ」

 「実績」的なシステムって、和製RPGとか2D『マリオ』のように一つ一つの「目的」と「それをクリアした達成感」をコンスタントに与えてくれる文法を、別のジャンルのゲームでも味わわせてくれるシステムと言えるのかも知れません。

 ならば、「4バック到達」と「7バック到達」の2段階の条件があるのも分かりますよね。
 超難しい面が一つしかない2D『マリオ』なんか誰が遊ぶんだって話です。




 というワケで、こうした「実績」的なシステムは「いやぁ、自分はやりこみ要素とかやれるほど上手くないっすからー」という初心者の人にこそ役に立つシステムですし、作り手もそうしたシステムだと意識して作って欲しいですし(多くのソフトは分かって作っていると思いますが)、ゲームレビューなどをする人も注目して欲しいところだなって思います。

 あと、『鬼トレ』の「賞状」達成条件の中に「誕生日に鬼トレをする」というものがあるんですけど、7月24日が誕生日な私には無理ゲーです。


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| ゲーム雑記 | 18:05 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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『脳トレ』と『鬼トレ』の大きな違い

 前の記事にも書きましたが、『鬼トレ』を友人から借りました。

 自分は初代『脳トレ』はかなりハマリましたし、『脳トレ』がゲーム業界に貢献したことはとても大きかったと思っています。しかし、だからこそDSiウェア版『ちょっと脳トレ』のグレードダウン具合にはかなりゲンナリしましたし、『脳トレ』シリーズに対するイメージはかなり悪くなっていました。


 最新作『鬼トレ』も、発表時から「今更脳トレかぁ……」とあまりテンションが上がりませんでしたし。
 体験版でプレイした「鬼計算」も自分にはピンと来ませんでした。何が面白いか分かんねーな、と。なので実際にソフトが発売されてからも「自分には関係のないソフト」という認識で、気にも留めていなかったんですが。



 友人から借りて実際に毎日起動していると、「あれ?すげー面白いじゃん」と思うようになりました。
 『脳トレ』が抱えていた構造的欠陥を見事に解決していて、『鬼トレ』こそが『脳トレ』シリーズの完成形じゃないかと思ったほどでした。

 いや、もっと言うと「ゲームと難易度」の問題についての一つの答えを出したソフトとも言えて、他のジャンルのソフトも見習えるところがあるんじゃないかとか、いやむしろ他ジャンルのソフトから上手く見習ったからこその『鬼トレ』じゃないかとか語りたくなるソフトでした。


 このゲーム、しばらく借りててイイかな?>友人への私信
 自分で買い直してもイイんだけど、セーブデータは引き継げないだろうしなぁ……




 さて、本題。

 『鬼トレ』の前に『脳トレ』の話から始めます。
 もう7年も前のソフトですから、読んでいる人の中には『脳トレ』を知らない人もいるかも知れませんしね。

 『脳トレ』とは、2005年に発売されたニンテンドーDSソフト『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』の通称で、このソフトは世界中で大ヒットして“社会現象”を引き起こしました。今までゲームを遊んでいなかったシニア層にも売れて、「ゲーム人口の拡大」の象徴になったソフトでもありますね。


 このゲームは元々、DS本体が発売した際の同時発売ソフトに「文字を書くゲーム」がないことに気付いたスタッフが、「せっかくタッチペンのゲーム機を出すんだから文字を書くゲームを作ろう」と発案したところから始まったそうです。
 収録されているゲームは、「簡単な計算式を20問連続で解く“計算20”」や「一瞬だけ表示された数字の枠を数字が少ない順にタッチする“瞬間記憶”」といったようなシンプルなミニゲームばかりなのですが。「脳を鍛えるトレーニング」という動機付けと、実在の教授が出てくることによる信憑性と、自分の記録が折れ線グラフになって残る面白さと、で、パッケージングの大成功例と言えるソフトだったと思います。

 あのゲームを超楽しんでいた自分でも、「脳を鍛える」という動機付けがなかったら、あんなにプレイしなかったと思いますもの。



 実際、「計算20」とか「名作音読」とか、小学生の頃にはウンザリしていたようなことを久々にやってみるとすごく楽しいですし、眠っていた脳が呼び起こされるようなカンジがしたんですね。毎日トレーニングを続けて成績が伸びていくと、すごく自分が成長できたようで嬉しかったです。

 だが、それは最初の1ヶ月だけでした。
 最初の頃はどのゲームも新鮮ですから、頭を使って、スコアを上げていくことに喜びを見出せたのですが。それをずっと続けていると「習慣」になってしまって、同じことの繰り返しで頭を使っている感覚がなくなって、むしろ脳が退化しているような感覚になってしまいました。

 1ヶ月も続けているとハイスコアも伸びなくなってきますしね。
 なので、いつしか起動しなくなってしまいました。





 こういう話をすると、当時『脳トレ』を批判していたような人達はこう言ってきました。
 「ほら見たことか!」「すぐに飽きてしまうような薄っぺらいゲームじゃないか!」「これだから“ゲームらしくないゲーム”はダメなんだよ!」「非ゲーマーに媚びたところで何も良いことなんてないんだよ!」 ふむ。“ゲームらしくないゲーム”って久々に見たフレーズですね(笑)。

 一つ言っておきたい。
 『脳トレ』がぶち当たった構造的欠陥って、“ゲームらしいゲーム”も同じように抱えている欠点ですよ。


 新しいゲームを始めた頃は楽しい。
 新しいことを覚え、ゲームに適応して、どんどん攻略していくのが楽しい。頭を使っているのが分かるし、自分が上手くなっていく感覚が楽しい―――しかし、1ヶ月もやっていると新鮮さは薄れ、上達もしなくなり、同じことの繰り返しになって、次第に飽きて起動しなくなってしまう。

 期間に差はあれども、ゲームというのは基本的にはそういうものです。
 そこに「ストーリー」を付け加えたり、「やりこみ要素」を加えたりして、小まめに達成感を得られることで飽きが来る期間を引き延ばそうとしたりはしますが。根本的には、『脳トレ』も“ゲームらしいゲーム”も、最初は新鮮だけど、徐々に惰性になって、最後は飽きて辞めてしまうのは一緒なんです。

(関連記事:楽しめたもの勝ち


 さて、『鬼トレ』。
 自分が『鬼トレ』の何に驚いたかというと、『鬼トレ』って「ずっと遊べる脳トレ」なんですよ。
 トレーニングの厳しさとか、ワーキングメモリーを鍛えると日々の生活がどう変わるかとかがプロモーションでは語られていましたけど。ゲームデザインとしては「ずっと遊べるようになった」という大きな進化をしているんです。むしろ自分はこれが大きいと思うのです。


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○ 「永遠に上がり続ける難易度」と「自分に合った難易度」
 『鬼トレ』というソフトには、メニューとして「鬼トレ」「鬼トレ補助」「脳トレ」「リラックス」が入っています。

 「鬼トレ」は8種類。これがメインメニューで、あまりに厳しいので1種目1日1回ずつしかプレイできません。

 「鬼トレ補助」は『脳トレ』シリーズ前3作の中から選ばれた9種類。前作プレイ済の人からすると「脳トレと言えばあんなゲーム」と思い出せるものはココに入っています。「計算20」とか「漢字破壊」とか。

 「脳トレ」はミニゲームっぽいもの。ソリティア的なもののように頭を使うミニゲームが多いみたいですね。「陣取対局」面白いんで、これだけ有料DLCで追加ステージとか売ってくれませんかね?

 「リラックス」は「細菌撲滅」とかそういうの。「鬼トレ」「鬼トレ補助」「脳トレ」のどれかをプレイしないと選べないようになっているみたいです。


 今日語るのは『鬼トレ』の中の「鬼トレ」の話です。
 あまりに厳しいので自分は1日1「鬼トレ」と決めていますし、今「1週間ずっと鬼計算をやる」期間にしているので(そうすると表彰状がもらえる)「鬼計算」を例に出します。これがCMや体験版でも有名なトレーニングだと思いますしね。公式サイトに動画があるんで、観たい人はどうぞ(音声が出ます)。

 「鬼計算」は、表示されている計算式より前の答えを覚えておいて書くというのもの。
 1バックだったら1つ前の答えを、2バックだったら2つ前の答えを、3バックだったら3つ前の答えを……ってなカンジに。当然覚えておかなきゃいけない数が増えれば増えるほどごっちゃになるので凄く難しくなります。


 「鬼トレ」は“レベル”というか“面のようなもの”があります。
 「鬼計算」の場合「1バック」→「速い1バック」→「2バック」→「速い2バック」→「3バック」といったカンジで構成されていて。正答率が85%以上だと上の面に上がれて、84~66%だと同じ面をもう一度、65%以下だと下の面に下がるというカンジですね。
 スタッフによると、「99バック」まではプログラムされているそうです。

 「ずっと遊べる脳トレ」と自分が表現したのはまさにこれが理由で。
 難易度はほぼ永遠に上がるんですよ。
 前作『脳トレ』はせいぜい「普通」と「難しい」の2つが用意されているトレーニングがあるという程度でしたが、今回の『鬼トレ』の「鬼計算」は難易度が198つも用意されているということになります。
 しかも、作るのに大して手間がかかっていなさそうだという(笑)。「こんな一工夫で難易度を上げられるのか!」って思いますよね。


 んで、ここからが重要なんですけど。
 『鬼トレ』は前作『脳トレ』と同じように自分の成績を折れ線グラフで記録してくれるため、前回プレイした時の難易度から始めてくれるんです。「2バックが限界な人」はいきなり2バックから、「4バックが限界な人」はいきなり4バックから始めてくれるんです。

 常に自分にとってギリギリの難易度の面を与えてくれる―――『鬼トレ』の凄いところはここなんだと思います。体験版では分からなかった部分ですね。
 ほぼ無限に用意されている難易度(面)と、常に自分にとってギリギリの難易度(面)でプレイ出来ること。「ゲームと難易度」について、どういう形がベストなのかをずっと考えてきた自分からすると「これは一つの答えが出ちゃったぞ」と思ったほどです。


俺「力量に差がある限り誰もが「ギリギリの難易度」で遊べるゲームなど存在しない。」
俺「ならば、「イージーモード」「ノーマルモード」「ハードモード」と分けていくべきか?」
俺「そうすると「せっかくクリアしたけどイージーモードか…」と達成感を阻害してしまうかも知れない。」
俺「ならば、みんな同じ難易度だけど、無敵アイテムのような救済措置を用意するか?」
俺「それって「難易度を分けている」のと変わらなくないか?」


 『Newマリオ2』で何回もやられると無敵の白しっぽマリオになれるアイテムが出たり。
 『ファイアーエムブレム』や『世界樹の迷宮』にも「イージーモード」的なものが入ったり。
 簡単すぎるゲームは縛りプレイをすればイイという意見が出たり、それじゃ楽しめないという意見が出たり。TARI TARI

 みんなが楽しめる難易度のゲームとは何か、どのゲームも四苦八苦していると思います。



 難易度を198つも用意して、誰もが「ギリギリクリア出来そうで出来ない難易度」で遊べるようにする――――これは一つの答えだと思いますし、別に『鬼トレ』が初めて発明したワケじゃなくて、実はこういうゲームってあるんですよね。


 自分はあまりそういうゲームをプレイしたことがないんですけど、3Dアクションゲームとかにはプレイヤーの操作から判断して自動で難易度調整されるゲームもあるらしいですし。そもそも『スーパーマリオブラザーズ』とかだって本来はそうでしたよね。

 1-1クリアー!1-2クリアー!1-3クリアー!1-4クリアー!2-1何とかクリアー!2-2クリア出来なかったー!ちくしょう、明日こそは2-2をクリアしてやんぞ!と、全32面+裏面を通してちょっとずつ上達していくゲームだったんです。
 あの頃のゲームは「クリアする」ことが目的じゃなくて、「上達する」ことが目的だったはずで。『鬼トレ』はそこに戻っただけと言えるのかも知れませんね。



 『鬼トレ』と『マリオ』の違いは、と言うと―――
・『マリオ』には一応の目安となる「クリア」があるけど、『鬼トレ』にはない(99バックは人類には到達不能だろうし)。
・そのため『鬼トレ』は自分なりの目標を立てなくてはならないが、裏を返せば永遠に上達を目指せるゲームだと言える。
・『マリオ』は「体育会系のゲーム」って言われるけど『鬼トレ』はもっと「体育会系のゲーム」だよね。





【『脳トレ』と『鬼トレ』の大きな違い・3行まとめ】
・『脳トレ』は他の“ゲームらしいゲーム”同様に、「ずっと続けていると飽きる」という欠点があった
・『鬼トレ』は「たくさんの難易度」をプレイヤーに合わせることで、ずっと遊べるようになった
・それって「クリアが目的じゃなかった頃のゲーム」に似ているのかも知れない




 というか、「ゲームはクリアしなきゃダメだ」という固定概念を消すことが出来れば、「誰もが楽しめる難易度」ってそんな大変なことじゃないのかもなぁと『鬼トレ』をプレイすると思えてきます。



 自分は今「5バック」と「速い4バック」を行ったり来たりしているんですが、「5バック」は43%とかでケチョンケチョンなんです。「あー俺もうダメだ。俺には何の才能もないんだ死のう」と思ってしまうんですけど、下に落とされると「速い4バック」は90%くらいで出来て「俺って天才だ!これなら5バックだってその内クリア出来るぜ!」と錯覚できるという(笑)。

 これは『スーパーマリオブラザーズ』が何故「やられるとステージの最初に戻される」仕様なのかって話に近いのかもって思うのです。
 宮本さんの仰っていた「クリアできないところばかりやらされるとプレイヤーはイヤになってしまう。ステージの最初まで戻して、クリアできるところもプレイさせることでプレイヤーは継続して遊んでくれるんだ」に似ていると思いますし。



 やっぱり『鬼トレ』って、『脳トレ』以上に任天堂イズムを感じるんですよ。
 あの変な寸劇のことじゃなくてね(笑)。難易度の調整が、すごく“ゲームらしい”なぁって思うのです。


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| ゲーム雑記 | 17:57 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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ライバルは過去の自分だ!~ハイスコア表示に工夫を~

 先月にDSiウェア『ラビ×ラビ』をクリアした直後、当時は原稿の追い込み時期だったので「新しいゲームの操作とか覚えられないなー、でもゲームしたいなー」という微妙な状態で。
 「慣れ親しんだゲームで」「毎日ちょっとだけ起動できるもの」ということで、DSiLLに最初からインストールされている『ちょっと脳トレ 理系編』をプレイしていました。昨日でちょうど30日目で全要素解放、プレイ終了。



 自分はこの『ちょっと○○』シリーズは好きではなくて、『ちょっと脳トレ』もパッケージソフト版を2種に分けて売るというあまり誉められた商法ではないと思っているのですが……それでも2006年以来久々に「計算20」や「計算100」をプレイすると燃えるものがありました(笑)。

 5年前は「計算20」で12秒がハイスコアだったんですが、今回は13秒台までしか出ませんでした。
 脳が衰えている……!



 ということで、超今更ですが『脳トレ』語りをします―――
 『脳トレ』って、言ってしまえばハイスコアを狙い続けるゲームだったんですよね。


 『メイドインワリオ』以降、任天堂は「複数のミニゲームをパッケージにして商品化する」という一つの路線を確立しました。
 『メイドインワリオ』は「1回数秒のプチゲーム」を、『脳トレ』は「脳を活性化するトレーニング」を、『はじめてのWii』は「Wiiリモコンを活かした対戦ゲーム」を、『Wii Fit』は「バランスボードを使ったミニゲームとトレーニング」を――――1つのパッケージソフトとして押し込んで商品化したのです。


 これらのソフトは各ミニゲームごとにハイスコアが表示されるのですが……
 他のソフトではスコアだけ表示されたりランキングが表示されたりというくらいなのに対して、『脳トレ』の場合はご丁寧に折れ線グラフにして昨日の自分・一昨日の自分・3日前の自分・4日前の自分……と比較できるようになっていたのです。

 『脳トレ』には明確なクリア目標はありません(『ちょっと脳トレ』には段位挑戦があるけど)。
 例えば、「計算20」で15秒を切ると新しいミニゲームが登場します!みたいなことはしないんです。でも、常に「昨日の自分」と比較されるのです。昨日より良かったら教授が誉めてくれて、悪かったら「もっと頑張りましょう」と言ってくるのです。



 アーケードゲームの場合はともかく、家庭用ゲームの「ハイスコア」狙いというのは常に自分との戦いです。ライバルは過去の自分なのです。
 その文化を利用して、「ハイスコア」狙いのゲームを「脳のトレーニング」に置き換えたというのは見事な発想だと思いますし、だから自分は『脳トレ』を「ゲームらしいゲーム」だなぁと思うのです。


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○ 俺が戦っているのは「数字」じゃない
 んで、この『脳トレ』の折れ線グラフを経験していると、他のゲームのハイスコア表示って「気が利いていないよなぁ」と思ってしまいます。折れ線グラフにしろとまでは言いませんけど、もう少し何とかならんのかなと思うのです。


 例えばDSiウェア『甘口!大籠城』を遊んだ際―――
 このゲームは200円で全4面とコンパクトなゲームなんですが、1つ1つの面がよく出来ていて、「クリア後もハイスコアを狙って何度も遊んでね!」というゲームで。まさにその通りで、同じ面を何度も遊びたくなるのですけど………

 この「ハイスコア」が数字しか表示されないため、昨日出したスコアなのか一昨日出したスコアなのか1週間前に出したスコアなのか分からないのです。
 日付だけでも記録してくれれば全然違うのに……オートで日付記録が難しいなら、昔のアーケードゲームみたいに3文字の英数字を入れられるようにしてくれれば……自分の戦っている「ハイスコア」がいつの自分なのかが分かって燃えられるのに。

 『甘口!大籠城』に限らず、こういうゲームは沢山あります。
 というか、「ハイスコア」がいつの自分なのか分かるゲームって『脳トレ』くらい??



 これ、別に「『脳トレ』は任天堂が作っているから特別」ってワケじゃないんですよ。
 『Wii Fit』だって、数字とプレイヤーがランキング形式で羅列されるだけですもの。だから、この最高記録を出したのかがいつの自分だか分かりません。
 『Wii Fit』はトレーニング数が膨大なので『脳トレ』のように折れ線グラフを付けられないのは確かです。でも、日付をつけるくらい頑張ってくれよと思うのです。TOP10記録をTOP5にしてもイイからさ。




 そうそう。
 日付の話からはちょっとズレますけど、「ハイスコア」もただ単に数字だけを残すゲームと、その「ハイスコア」によって「S/A/B/C/D」とか「プラチナ/金/銀/銅」といった具合にランク付けしてくれるゲームがありますよね。自分は後者の方が好きです。

 数字だけ更新しても「今回の自分がどの程度頑張ったのか」がよく分からないんですけど、今まで「C」だったものが「A」になったり今まで「銅」だったものが「金」になったりというのを見ると、「おー、俺すげー頑張ったじゃん」と思えるのです。
 『ラビ×ラビ』の全ステージのランク付けとか、何気に設定するのは大変なんだろうなーと思ったのですが。これがあるのとないのとではゲームの遊び方の幅が全然変わるので、頑張って設定しているゲームは応援したくなってしまいます。




 レースゲームのゴーストなんかも、「燃えられる工夫」の一例ですよね。
 ただ単に数字だけ見せられて「ハイ!この記録を超えて下さいね」と言われるだけじゃなくて、プレイヤーに燃える要素を与えて欲しいなぁと思います。



 『脳トレ』が証明したように、「過去の自分と戦わせる」のってゲーム経験の長さに関係なく多くの人が熱中出来ると思うんです。万人が楽しめる難易度調整は難しいし、対戦ゲームは「どんなに頑張っても勝てない人」が出てくる―――でも、「過去の自分との戦い」は誰もが平等に楽しめる。

 『脳トレ』のヒットって当時から「こんなんすぐに飽きられるよ」とバカにしている人が多かったけど、「どうしてヒットしたのか」の分析をすると他のゲームに活かせる要素は沢山あったんですけどね。もったいないもったいない。


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| ゲーム雑記 | 17:33 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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セーブ方式、どちらがお好み?

 お久しぶりです。ご無沙汰しております。
 ちょっと本格的に時間がなかったので2週間ほどブログの更新を休ませてもらいました。そして、ここからも時間がないので、今までの「週3回更新」から「週2回更新」に縮小した形で夏までは行こうかなと思っています。うん……頑張ります。



 この文脈で語ると、「オイテメーふざけんな」と言われそうですが。
 『レイトン教授と魔神の笛』をクリアしていました。


 ゲームをやらないと「ゲームやらずにゲームのこと語るんじゃねえ!」と言われ、ゲームをやってブログを更新しないと「更新サボってんじゃねえ!」と言われ、ゲームをやってブログを更新すると漫画を描く時間がなくて「アイツ、漫画描きとして終わったな…」と言われるという。どの方向に進んでも地獄しかないぜ!



 さ て お き。
 『レイトン』シリーズ初挑戦の自分。Twitterで「1作しかやる気がないんだけどどれからでも楽しめますか?」と質問したところ、最新作である『魔神の笛』をオススメしてくれた人が多かったので、いきなり『魔神の笛』から始めてみました。

 詳しくは「ゲーム紹介」で書く予定なんですけど……
 いきなり『魔神の笛』からでも楽しめる丁寧な作りでしたし、ゲームに慣れていない母でも戸惑わずに遊べる操作周りに、ゲームに慣れている人にはありがたいメモ機能なども用意されていて。アニメーション制作は『true tears』『Angel Beats!』などのP.A.Worksで、非常にクオリティが高く――最後の最後まで気を抜かずにものすごーく作りこんである作品でした。母も自分も堪能しました。




 ということで、基本的には「絶賛」に近い評価なんですが……
 その「絶賛」は「ゲーム紹介」に取っておくとしまして、今日は敢えて!敢えて!「ここはこうして欲しかった」と思ったところを紹介して、何故自分がそう思ったのか、そして何故そう作ってはいないのかを想像して、ゲームを構成する一つの要素として考えていけたらなと思っています。




○ 「ここはこうして欲しかった」ところ
 単刀直入に書きますと、「セーブ方式」です。


 この作品、3つまでセーブファイルを作ることが可能なんですが……
 「どのファイルにセーブしますか?」と訊かれて選ぶタイプ―――ファミコン世代に分かりやすい例を出すのならば『FF』タイプのセーブ方式になっているんです。

 これを自分は、今プレイしているセーブファイルに上書きされるタイプ―――ファミコン世代に分かりやすい例を出すのならば『ドラクエ』タイプのセーブ方式にして欲しかったのです。その方が、母を始めとした“ゲームにあまり慣れていない人”に向いているだろうと思うからです。


※ 注:この方式を初めて取ったのが『ドラクエ』『FF』というワケではありませんよ。
 日本を代表するRPGがそれぞれ違った方式を取っていたということで、“分かりやすい例”として出しました。そして確か、最近の『ドラクエ』は『FF』方式になっていたんじゃなかったっけ。『6』か『7』をやった時に驚いた記憶があります。




○ 何故自分がそう思ったのか
 これ、ゲームに慣れていない母に『脳トレ』をプレゼントした際に言われたことなんですが……
 ゲームに慣れていない人は「セーブデータが消えてしまう」ことを凄く恐れるんですよ。


 ゲームに慣れていれば、バッテリーバックアップがアホになってデータが消えちゃったり、間違えて大事なファイルにセーブしちゃってアババババとなったり、兄貴のデータが消えていてボッコボコにされたりというのは誰しもが経験することじゃないですか。何十本もゲームを遊べば、1本データが吹っ飛んだ記憶も「そんなこともあったよね」と思い出話に出来ます。


 でも、ゲームに慣れていなかった当時の母は1/1で「大切なデータ」。
 間違えて消してしまうことに非常に怯えていましたし、それが怖くてゲームを怖がっているようでした。逆に言うと、『脳トレ』はそうした人が安心して遊べるように、セーブデータの消去をするためには面倒くさい手順を踏まないと消せないようになっていたんですけどね――――



 で、『脳トレ』のセーブ方式というのは、上述した2つの方式で言えば『ドラクエ』タイプの方式なんですよ。正確に言うとオートセーブなのでファイルを選ぶタイミングがない、というかもっと根本の理由があるんですがそれは後で書きます。

 『脳トレ』を始めとして、任天堂の“Touch!Generations”のゲームは『Wii Sports』も『Wii Fit』も『ドラクエ』タイプの方式でしたし。任天堂のタイトルの中でも“あまりゲームに慣れていない人”をターゲットにしたゲーム、『どうぶつの森』や『Newマリオ』『マリオギャラクシー』なんかも『ドラクエ』タイプの方式をとっているのです。


 「任天堂タイトルが全部そう」というワケでもなくて――
 手持ちのタイトルで言えば、『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』や『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』は『FF』タイプの「どのファイルにセーブするか」を選ぶ方式になっていました。ザックリした印象で言えば、ゲーマー向けタイトルは『FF』方式で、初級者向けタイトルは『ドラクエ』方式というカンジで―――



 だから、“『脳トレ』の次の1本”である『レイトン教授』シリーズには『ドラクエ』タイプのセーブ方式にしてもらいたかったなぁと思ったのです。


 ……というのが、僕の意見。
 でも、そんな単純な話でもないんですよね。恐らくメーカー側にはメーカー側の意図があってこういう仕様にしているのでしょう。 


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○ 何故そう作ってはいないのか
 「どのファイルにセーブするか」を選ぶ『FF』方式のメリットとは何でしょう?

 それは、1人で複数のファイルを活用することが出来ることに尽きると思います。


 例えば『スパロボ』のルート分岐前にセーブファイルを複数作っておいて、「今回はこっちのルートに進むけど、後であっちのルートもやってみようっと!」ということがしやすいですよね。『ドラクエ』方式でもファイルをコピーすれば出来るんですけど、いちいちタイトル画面に戻って「コピーする…」を選ばなくてはなりません。

 『スパロボ』ほど分かりやすい例ではありませんけど、例えばRPGで「ダンジョン内でのセーブポイントでセーブするファイル」と「ダンジョンに入る前にセーブするファイル」で分けるとか、ギャルゲーで「このシーンが好きだから直前にセーブしたファイルは取っておいて何度も観ようっと」とか。


 「どのファイルにセーブするか」を選ぶ『FF』方式を使うことで、遊びの幅が広がると思うんです。
 さっき注の欄にて「ドラクエも確か最近は『FF』方式だった気がする」と書きましたが、RPGとかSLGとかADVのようなゲームでは『FF』方式の方がメリットは大きいんですよね。『ゼルダ』や『エムブレム』も同様。




 逆に「今プレイしているセーブファイルに上書きされる」『ドラクエ』方式のメリットとは何でしょう?

 一つには、さっきから書いている「間違えたファイルにセーブ」しちゃわないということですが……
 もう一つ、やり直しがしづらいということが言えると思うのです。


 『脳トレ』や『どうぶつの森』は分かりやすい例です。
 『脳トレ』は失敗した結果もきっちりデータに残ってしまって、その部分だけ記録しないなんてことは出来ません。『どうぶつの森』もカブを買って大損したとしても「じゃあ1週間前のデータからやり直そう」なんてことが出来ないようになっています(1週間ずーっとセーブもリセットもしないで電源つけっぱなしなら出来るか)(リセットさんに怒られるけど)。

 『マリオ』に関してはちょっと当てはまらないんですけど……
 『脳トレ』も『どうぶつの森』も『Wii Sports』も『Wii Fit』も、主人公は“自分”ですからね。リセットしてやり直すのではなく、失敗したこともしっかりと記録に残すようにと考えられているのでしょう。




 つまり、『脳トレ』と『レイトン教授』は(当たり前だけど)根本が違うんですよね。
 『レイトン教授』の主人公はレイトン教授ですし。
 アドベンチャーゲームなので「この章だけまたやりたいからセーブファイル取っておこうっと」とか、「ヒントメダル足りなくなるかも知れないからここでセーブしておこう」といった遊び方があるので、『脳トレ』のように『ドラクエ』タイプのセーブ方式は取れないんですよね。

 そもそも……
 『レイトン教授』が“『脳トレ』の次の1本”として注目されたのは結果論であって、元々は「テレビドラマが好きな20代~30代の女性層を狙った」ソフトでしたからね。“『脳トレ』の次の1本”として買ってみた自分からするとギャップを感じたのも当然と言えば当然の話……


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○ 「セーブ方式、どちらがお好み?」
 個人的には、複数ファイルを管理して「あっちのファイルからやり直そう」みたいなことが性格的に苦手なので、『ドラクエ』タイプのセーブ方式の方が好きです。『スパロボ』も全ルート制覇しようとして毎回最初からやり直して時間がなくて、「もう…『スパロボ』とかイイかな……」と脱落した人です(笑)。

 ただ、もちろん『FF』タイプのセーブ方式のメリットも分かりますし、向いているゲームのジャンルがそれぞれ違うので、『FF』タイプを支持する人の方がウチのブログを読んで下さっている人には多いんじゃないかって予想しておきます。RPGとかSLGはこっちの方が向いているでしょうしねー。




 ということもあって……
 『レイトン教授』って、あまり“『脳トレ』の次の1本”という印象は受けませんでした。

 自分としては“アクション要素のない『ゼルダ』”という印象の方が強かったかな。
 成長要素やダンジョン攻略はないですけど、探索する楽しみとか、脳を刺激されるカンジとか、個性的なサブキャラクターとか、色んなやりこみ&脱線要素とか。“『ゼルダ』の前の1本”として売り込むのも手じゃないかなーと思いました。これはまー、いずれ書けたら書こうと思います。


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| ゲーム雑記 | 18:04 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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任天堂が松嶋菜々子で描くもの

※ 記事タイトルは敬称略です。

 『Wii Fit Plus』も仮に定価が2000円ではなくて4800円だったなら、「完全版商法」として僕は“イヤ”でしたよ。現に価格が発表されるまではボロックソに批判していましたし。>以上、私信

(関連記事:『Wii Fit Plus』はガセネタであってくれ!
(関連記事:E3 2009任天堂メディアブリーフィングの、率直な感想



 ということで、今日も『Wii Fit Plus』の話です。
 どうやらシルバーウィークに合わせて、松嶋菜々子さんバージョンのTVCMが始まったそうです。Wii.comでも視聴出来ますね。

 『Wii Sports Resort』のナインティナインに続いて芸能人を起用したTVCMということで、「おぉっ!こう来たか!」と思わず膝を叩きました。

 前作である『Wii Sports』や『Wii Fit』は共に、「棒です」「板です」というティザーCMから始まり、コンセプトや「遊んでいる家族」の絵を見せるCMが中心で、芸能人起用のTVCMは発売後しばらく経ってからだったと思うのですが―――
 前作のTVCMは「コンセプトを伝える」ことに力点が置かれていたのに対して、コンセプトが既に認知されてブランド力が築かれている状況での今作は「芸能人が楽しくプレイしているところ」を見せるだけで「前作との違い」を分かりやすく伝えられるというCMになっています。


 22日時点で公開されている松嶋さんバージョンのTVCMは3本。
・目標に合わせて「おすすめメニュー」を選択してくれる
・消費カロリー計算機能が追加、食べ物のカロリーを目標に設定できる
・赤ちゃんやペットの体重も量れる

 どれも『Wii Fit Plus』で追加された機能です(ペットの体重は前作海外版にあった機能ですけど)。
 豊富な広告料を活かして、複数バージョンのTVCMを使って追加機能を伝えるというお手本のようなTVCMなのですが……僕が一番驚いたのは、実はこの「追加機能」のシーンではなく。



 松嶋さんが「片足バランスウォーク」をプレイしてフラフラになっているシーンでした。

 「片足バランスウォーク」は前作から入っている代表的なトレーニングです。前作をプレイした人ならば知っているトレーニングなので、“前作との違いを視聴者に伝える”コンセプトからすると不要なシーンなのですが。

 逆に言えば、前作をプレイした人のほとんどはあの「片足バランスウォーク」をプレイしていたことでしょう。そして、TVCMでの松嶋さん同様に「うわっ!左足難しい!」とフラフラになっていたことでしょう。
 前作経験者からすると、TVCMの松嶋さんは“かつて通り過ぎた自分の姿”なんですよ。
 あれだけの美人が“かつての自分”のようにフラフラになっているのを見れば、悪い言葉になってしまいますが優越感を覚えられるワケです。んでもって、最後に「前作を持っている人ならば2000円で楽しめますよ」の文字。

 「しばらく『Wii Fit』サボっていたけど、この機会にまたやってみようかな」と思わせられる仕掛けがそこらに施されているという。ここ数年の任天堂のTVCMの中でも、頭抜けて素晴らしいTVCMじゃないかと思いますよ。


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○ “失敗”を恐れさせないTVCM
 松嶋さんと言えば、これまでにも沢山の任天堂ソフトのTVCMに出演されていますよね。
 『もっと脳トレ』『Newスーパーマリオ』『旅の指さし会話帳DS』『もっとえいご漬け』……

 『Wii Fit Plus』も含めて、これらの“TVCMが松嶋さんをどう描いているか”は一貫しています。
 美人さんが、ゲームを上手くプレイ出来なくて四苦八苦している姿。

 『もっと脳トレ』では、高い脳年齢にショックを受け、
 『Newスーパーマリオ』では、巨大マリオにハシャいでいたら穴に落っこちて、
 『もっとえいご漬け』では、店員に「イエス」と答え続けて巨大ハンバーガーを食べるハメになって、
 『Wii Fit Plus』では、片足バランスウォークに苦戦したり、消費カロリーに絶句したり。

 『旅の指さし会話帳DS』は実用ソフトなので例外なんですが、あのCMでも「ゲーム全頼みで商品を値切る」とかでしたよね。“美人なんだけどちょっと頼りない”みたいなキャラクターを貫き通しているワケです。



 こういう風に、「ゲームを上手くプレイできない様子」って。
 他に例がないとまでは言いませんけど……ゲームのTVCMではそんなに使われるものでもありませんよね。普通は「格好良くプレイしているところ」「楽しくプレイしているところ」「白熱のシーン」が使われていて、「ゲームオーバーになるところ」や「ミスをしてしまうところ」はそうそう使われるものでもありません。

 これは任天堂でもそうです。
 『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』『スーパーマリオギャラクシー』『メトロイドプライム3』といったソフトのTVCMを思い出せば、プレイヤーの姿を映すTVCMであっても「格好良くプレイしている」場面ばかりが使われていたと思います。


 でも、ゲームって「格好良くプレイできる」ばかりじゃないですよね。
 TVCMを見て、こんなプレイを自分でもしてみたい!と思っても、始めたばかりは下手くそなのでボロッボロで。理想と現実のギャップに苦しめられるものじゃないですか。
 そこから上手くなっていく過程が面白いんじゃないか、とゲーム好きな人は言うでしょう。僕もそう思います。失敗に失敗に失敗を重ねて成功していくしかないんですよね。だから、ゲーム好きな人に買ってもらいたい商品のTVCMはそれで構わないと思っています。


 しかし、ゲームに慣れていない人は「失敗」を恐れるんですよ。
 ゲーム好きな人にとっては何百回と繰り返して慣れている「ゲームオーバー」が、1度も「ゲームオーバー」になったことがない人には恐怖なんですよ。宮本茂さんが、ゲームをやらない奥さんに初代『どうぶつの森』を勧める際に「これは敵が出てこないゲームだよ」と言ったというのは、このブログでは何度も出てきている話ですね。

 そして、松嶋さんをTVCMに起用しているソフトが“狙っている層”というのは、こういう人達なんですよ。


 だから、最初にTVCMで「失敗」する様を見せておく。
 こんな美人でも「失敗」するんだよ、格好悪いでしょ、それでも楽しいのが「ゲーム」なんだよ、と。
 『脳トレ』も『Wii Fit』も『マリオ』も、言ってしまえば「失敗」を重ねて学習して上手くなっていくゲームです。「失敗」することが前提のゲームなんですよ。だから、先にTVCMで「失敗」を描いておく―――

 TVCMを観て買った人が「脳年齢、高っ!」と思っても、「でもまー松嶋菜々子と一緒だったし」と安心出来ますし。その後に徐々に上達していけば「松嶋菜々子を超えた!」と勝手に思えるワケで(笑)。
 TVCMを観た人がどう思って、買った後にどういう気持ちで遊んでくれるか、というところまで考えてあるTVCMだと思うのです。


 そういう意味では、松嶋さんは「スタートライン」なんだと思います。
 競い合ってくれるゲーム友達がいない人が、最初に競う「仮想ライバル」なんだと思います。


 TVCMに芸能人を起用したりとか、PRキャラクターに芸能人を起用したりとか、任天堂もそうですし他の会社も沢山やっていますよね。でも、それで何を描くのかというビジョンまで持っている例って、その内の半分とかもっと少ないとかの割合しかないんじゃないかと思っています。

 「任天堂はTVCMにかけられる資金力が違う」のは確かですけど、重要なのはその資金で何を描くかであって。任天堂だって、それに失敗して売れなかったソフトが沢山あるのになーと思ったりするワケです。


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○ 本当に全然関係ない余談
 東京ゲームショーで発表される内容についての噂だと思うんですが、PS3にドリームキャストのエミュが実装されるのでは?なんて噂が出ていますね。ドリキャスソフト持っているのにドリキャス本体を持っていない自分としては、「まさかの逆転ホームラン!」と大阪ばりにテンション上がっています。

 でも、冷静に考えてみれば……「(バーチャルコンソールのように)ドリキャスのソフトをPSNでダウンロード販売しますよ」という可能性が高いか。うーむ。真実はどちらだ!?

| ゲーム雑記 | 18:00 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

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『脳トレ』ブームは『FF』や『餓狼2』を生み出せたのか

 実を言うと、僕は94年辺りからブツッとゲームをやらなくなって……ところどころに復活をしたことはあったのですが(98年頃にサターンと00~02年にPS→PS2、あとはフリゲ)、本格的にゲーム三昧生活を復活したのはDS&Wiiを購入した2006年からなのです。
 なので、今日の話のように、その空白期間にあたる話は……聞きかじったこととか、後から調べて知ったことなんかを整理して再構築したものです―――ところどころに認識のミスがあるかも知れませんので、気が付いたら指摘して下さると助かります。



 さて、今日の話題。
 半月ほど前に「ブランクがあっても大丈夫なゲームor厳しいゲーム」という記事を書いた際に、興味深いコメントを幾つかもらいまして……その中でも取り合わせてみると面白い二つのコメントがありました。

 曰く、一つには「格闘ゲーム系はブランクがあると必殺技が出せなくて遊べない」というもので。
 もう一つは「格闘ゲームというジャンルを遊んでいれば、一つ一つの格ゲーにブランクがあっても大丈夫」というもの。


 この二つの意見―――一見すると矛盾しているように思えるかも知れませんが、格闘ゲームというジャンルの隆盛と衰退という歴史を鑑みれば“同じことを指している”と見ることが出来ますし。これって格闘ゲーム以外のジャンルにも言えることだよなぁと思ったのです。



○ 言うなれば、“模倣”と“独自性”
 今の若い人達には格ゲーブームを全く知らない人も多いでしょうから、説明をしますと……
 それ以前にもソレを目指した作品は幾つも存在しましたが、対戦型格闘ゲームの基礎を築き上げたのは『ストリートファイターII』(以下『ストII』)だと言われています。アーケード版は91年の登場で、スーパーファミコンに移植されたのが92年。Wikipediaによるとスーファミ版の売上げは国内288万本、世界で630万本だとか。

 我が家も『ストII』を遊ぶために、あらゆる手を尽くしてスーファミ本体を購入したのを覚えています。
 『ストII』は文化、というべきか。得意・不得意はあるけれど、とりあえずみんな「波動拳コマンドくらいは言える」というか。「ヨガと言えばダルシム」とか、「バルセロナと言えば五輪とバルログ」とか、「タイガーと言えばタイガーアッパーカット」とか。たった数年の大ブームで、僕ら世代みんなの中の共通言語になったのですよ。そのくらい大人気でした。


 そうなると、当然……『ストII』人気を受けて各会社はこぞって格闘ゲームを作るワケです。
 任天堂ですら『ジョイメカファイト』を作ったくらいですからね。

 出来はそれぞれ玉石混交というところだったのでしょうが……この格闘ゲームブームの面白かったところは、ゲームの基本部分は『ストII』が完成させてしまっていたので、チョイチョイっとキャラと必殺技を変更させて独自ルールを加えるだけでゲームとして成り立ってしまったことです。物凄く“模倣”しやすかったというか。
 格闘ゲームの“全員がプレイキャラ”という特性もちょうどよく、漫画やアニメなんかのメディアミックスと上手くハマりました。人気絶頂期だった『ドラゴンボール』(93年~)や『幽遊白書』(94年~)(『幽遊白書』は格ゲーじゃないヤツの方が有名でしょうが)なんかは当然、『Gガンダム』(94年)『ガンダムW』(96年)のもありましたね。『らんま』(92年~)のは『ストII』がスーファミに移植される前に出ていたのか!
 ※ カッコ内年数は格闘ゲームの発売年


 んで、必殺技コマンドの話に戻るんですけど……
 『ストII』ブームに乗り合わせた作品達は、当然のように必殺技コマンドも踏襲していくワケです。『ストII』でいう「波動拳」コマンドを『幽遊白書』で入力すれば「霊丸」が出て、「昇竜拳」コマンドだと「ショットガン」が出るみたいな。
 言ってしまえば、『ストII』で鍛えたテクニックを他のゲームでも活かせるようになっていたんですよね。それはメーカーにとってもプレイヤーにとっても、悪いことではなかったのです。

 これが「格闘ゲームというジャンルを遊んでいれば、一つ一つの格ゲーにブランクがあっても大丈夫」という根拠。“模倣”の結果として、共通項が多かったと言うべきか。


 しかし、全てが全て『ストII』の“模倣”だったワケではありません。
 特に91年にアーケード版が出た『餓狼伝説』、92年末に出た『餓狼伝説2』―――を始めとするSNKの格闘ゲームは、『ストII』とはまた違う派閥のファン層を築いていきました。僕はあんまりアーケードゲームに詳しくないんですけど、当時の友人曰く「カプコン派とSNK派は根本から違う」とのことでした。よう分からんけど。

 “超必殺技”を生み出した『龍虎の拳』、“2ラインシステム”を進化させた『餓狼2』、格闘ゲームに武器の概念を定着させた『サムライスピリッツ』、オールスター&チーム戦の『KOF』などなど―――SNKが生み出した格闘ゲームの新要素というものも沢山あるんですよね。
 時間の前後関係はちょっと分からないのですが……『ストII』の“模倣”だけでなく、それぞれのゲームに“独自性”を加える余地が残っていたことが格ゲーブームの一因だったのかなぁと思うのです。

 それは恐らく、93年の『バーチャファイター』にも言えることで―――
 『バーチャファイター』をキッカケに3D格闘ゲームが爆発的に増えるのですが……それ以降の進化に行き詰った格闘ゲームは90年代後半辺りから衰退していくうんぬんかんぬん、は僕はあまり詳しくありませんし、色んな人が語っているでしょうから割愛します。
 ただ、何となく各作品ごとの“独自性”が強くなりすぎていって、『ストII』さえやっておけば大抵の格ゲーは初見でも何とかできるみたいな部分が薄まっていったのかなぁと思いました。共通部分が減っていったというか。

 そのために、自分にとって遊べる格ゲーが限定されてしまい、「格闘ゲーム系はブランクがあると必殺技が出せなくて遊べない」に繋がったんじゃないかと解釈をしましたが如何に。




 格闘ゲームの定義を広げていけば、覚えゲーと化していた当時の格闘ゲームのアンチテーゼとして生み出された『スマッシュブラザーズ』とかは今でも売れているんだから―――「格ゲーは衰退した」とは言えないような気もするんですけどね。それはさておき。


 この話を頭の中で組み立てていて、一つ思いついたことがありました。
 この歴史の流れ……『ドラゴンクエスト』以後のRPGに似ているんじゃないか、と。


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 ○ 猫も杓子もRPGだった時代
 『ドラゴンクエスト』(以下『ドラクエ』)が発売されたのは86年―――RPGという概念はTRPGやPCゲームにて「知っている人は知っている」という認知だったそうですし、今考えれば『ドラクエ』より数ヶ月前に発売された『ゼルダの伝説』も同じところを狙ったのかも知れませんが。

 RPGと言えば、『ドラクエ』。
 それくらい当時のインパクトは凄まじかったそうです。剣を持ち、魔物と戦い、アイテムを集め、謎を解き、姫を助け、敵のボスを倒して世界を救う。RPG(ロールプレイングゲーム=役割を演じるゲーム)とはよく言ったもので、こんなゲームがあるのか!と人々を夢中にさせました。

 まぁ……実を言うと、我が家にファミコン本体が来た頃には『ドラクエIII』が出ていたんで。こういう話は僕よりも上の世代の方が詳しいんでしょうけどね。後から本で読んだ話ですと、『ドラクエ』が面白すぎて“模倣”として発売されたRPGを片っ端から遊んでいったという人も多かったそうですよ。


 『ドラゴンクエスト』が生み出したRPGブームは凄まじく……
 ファミコン後期を超え。『ドラクエ』を始めとするファミコン時代の人気RPG作品の多くがスーパーファミコンで発売されたために、スーパーファミコンが日本市場で勝利を収めたというくらいです(アクションやシューティングに関しての性能は、スーファミよりもメガドライブやPCエンジンの方が上だったという話ですしね)。

 もちろんプレステ以後もRPG人気は続くのですけど、ファミコン・スーファミ時代のRPGブームの空気は異様で。先ほどの格ゲーの例のように、漫画・アニメを原作としたRPGも山ほど発売されました。
 『ウルトラマン』(88年)、『ドラえもん』(90年)なんかもRPGになっていますね。『ドラゴンボール』はカードバトル形式のものが出ていたので、『ドラクエ』チックなRPGは92年と遅め。漫画原作じゃないけれど、アクションゲームのキャラをRPGにしたものに『ゴエモン外伝』(90年)『マリオRPG』(96年)なんかもあります。
 ※ カッコ内年数はRPGの発売年

 RPGも、言ってしまえば『ドラクエ』『ドラクエII』『ドラクエIII』辺りでシステムが完成しきってしまった感が当時はあったので―――キャラとストーリーと世界観を一新して、ゲームの根っこの部分は『ドラクエ』を踏襲すればそれだけでゲームになってしまう……非常に“模倣”しやすいジャンルだったんですよね。
 今日の話はゲームクリエイターが読んだら「そんな簡単にはいかねえんだよ!」と怒りそうな話ですが(笑)。まぁ、観念的な話で言えば……ということです。



 もちろん、『ドラクエ』の“模倣”だけでRPGブームが続いたワケではありません。
 『ヘラクレスの栄光』『MOTHER』『桃太郎伝説』……などなど、『ドラクエ』ブームの頃から『ドラクエ』との差別化を図ることによって“独自性”を築き上げようとした作品も数多いです。
 そんな中でも『ドラクエ』の対抗馬として最も成長していったのが、技術者集団スクウェアが作った『ファイナルファンタジー』(以下『FF』)シリーズでしょう。

 サイドビューの戦闘画面(プレイヤー=主人公ではない)、人が死にまくるシリアスなストーリー、グラフィックにこだわった演出、鳥山明キャラデザの『ドラクエ』に対して天野喜孝キャラデザの『FF』、勇者のいないメンバー編成……などなど。『ドラクエ』に対するアンチテーゼのようなものを各所に感じます。
 ちょっと面白いことに、ファミコン時代の『FF』(1作目~3作目)には「魔法は使用回数制」「レベルではなく戦闘内容によってレベルアップ」「乗り物の数がやたら多い」などの“後の作品には受け継がれなかった”チャレンジ色の強いシステムが多かったんですが……スーファミ以降は、そうした面は『ロマサガ』などに任せたからなのか、4作目以降の『FF』というのは奇をてらっていない分かりやすいシステムが多いんですよね(『VIII』は突然変異のように複雑なシステムでしたが)。


 言うなれば……『ドラクエ』とは違う“独自性”によって、各作品はブランド力を築いていったのです。
 まぁ、重要な要因として『ドラクエ』は発売が遅く、『FF』は発売が早かったということもあるでしょうけどね。変わらない『ドラクエ』と、変化し続ける『FF』というイメージがあるのも作品数の差が大きいんじゃないかと思うのです。


 そう考えると……ここ数年、和製RPG(というか一人用ゲーム全般)の勢いが落ちている理由って。格闘ゲームのソレと同じように、一つ一つの作品の“独自性”が強くなり過ぎたことが言えるのかも知れませんね。
 公式サイトを眺めても、横文字で名付けられたオリジナルのシステムの名前がズラッと並べられて覚えきれませんし。プレイヤーにとっては、過去のプレイ経験を活かせない独自のシステムは「覚えなきゃならない」億劫なものなんだよなぁ……と(もちろん、翻って「新鮮」になるんですが)。

 逆に言うと、格闘ゲームの続編が徐々に数字を落としていったのに対して、RPGの続編はファミコン~プレステくらいまでは右肩上がりだった理由って同じシステムでも新鮮に遊べたことが利点だったからなのかなぁと思ったりしました。ボリュームとかグラフィックとかの伸びシロが大きかったので、システム部分の進化がなくても良かったというか。


 まぁ……RPGに関しては、以前にも書いたようにサードメーカーがDSでオリジナルのRPGを展開し始めているので。これが新しい流れを生み出すことを期待して……



 何と、ここからが今日の本題。
 『脳トレ』って、こうした視点から考えると非常に「便乗しにくい」ジャンルのゲームだったんじゃないかと思ったのです。


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 ○ 『脳トレ』の対抗馬ってどれ?
 格闘ゲームとRPGの例えを出しましたけど……実を言うと、こういうタイプのジャンルってそうそうないんですよ。
 喩えば、『スーパーマリオブラザーズ』のような2Dアクションの場合、『ストII』に対する『餓狼2』だとか、『ドラクエ』に対する『FF』のようなポジションのソフトって何がありますかね?『ドラキュラ』『魔界村』『カービィ』『(レア製)ドンキー』『高橋名人』『PC原人』……どれもしっくりこない気がするんです。あぁ、海外だと『ソニック』になるのか。

 シューティングゲームも『インベーダー』が草分けなのは分かるのですが、それ以降の二大派閥というと…うーん。どれもしっくり来ないというか。アドベンチャーゲームにおける『ポートピア』以降もそうか……そもそもアドベンチャーゲームって量産しにくいですしね。
 レースゲームとか音ゲーとかホラーゲームとかはどうだったんでしょう?この辺はちょうど自分にとっての空白期なので不明。サッカーゲームで言えば、『ウイイレ』と『FIFA』か(海外限定)。野球ゲームで言えば、『ファミスタ』と『パワプロ』はしっくり来るかな。



 で、『脳トレ』ブームの話です。
 『脳トレ』『もっと脳トレ』が大ブームになって、「手軽に金儲けが出来る!」と各会社が似たような路線のゲームを出しました。ここまでは『ドラクエ』『ドラクエII』のヒットで“模倣”したRPGが沢山出たのと一緒です。
 しかし、どの会社も『FF』のような“新たな人気作”を作れませんでした。

 結局、『えいご漬け』も『お料理ナビ』も『常識力トレーニング』も『Wii Fit』も任天堂が作ったワケですからね。言ってしまえば、『ドラクエ』しか存在しないRPGだとか、『ストII』しか存在しない格ゲーみたいなもので……競合相手のいないジャンルは徐々に衰退していく悲劇だったのかもなぁと。


 考えてみれば当然のことで……
 『ドラクエ』をクリアして、よし!もっとRPGを遊びたい!と思う人は沢山いたでしょうが。
 『脳トレ』を延々とプレイして、よし!もっとトレーニングしたい!と思う人はそうはいないというか。『脳トレ』にはクリアの概念がありませんからね。

 “模倣”しても売れにくい。

 ゲームデザインからして「次の1本」に向いていなかったんですよね。
 次の1本を狙うのなら『脳トレ』とは違う題材……それこそ任天堂が狙った英語や料理や体重を狙うべきだったんだけど、「脳を鍛えるゲームが売れたからウチも脳を鍛えるゲームを作ろう」と走ってしまったというか。

 “独自性”を出すことが出来なかった。

 それは単に「任天堂は資本力があるからCMで売れる」というだけのことではなくて、題材の問題。
 任天堂ソフトの中にも『顔トレ』みたいに売れなかったソフトもありますしねー。



 と結論付けるつもりで、今日の記事のタイトルは当初「『脳トレ』ブームの悲劇は『FF』や『餓狼2』を生み出せなかったことかも知れない」にするつもりだったのですが……

 あれ?そう言えば、1コあったな……と。
 敢えてピックアップするとなると、『脳トレ』とは全然違うのに、『脳トレ』ブームを上手く活かして独自ブランドを築き上げたシリーズが1つあったな……と、書いている最中に気付いてしまったのです。


 それは、『レイトン教授』シリーズ。
 「知育ブームの二大シリーズは、『脳トレ』(を始めとする“Touch!Generations”)と『レイトン教授』である!」

 うーん……やっぱりムリがあるかなぁ。
 『ドラクエ』との差別化をはかった『FF』どころの差じゃなく、『脳トレ』と『レイトン教授』には物凄い差がありますし。でも、これくらい両極端な方がジャンルの幅としては面白いのかな?


 『レイトン教授』を『脳トレ』と同ジャンルのソフトと捉えると『レイトン教授』は70万本クラスが売れる立派なキラーソフトですし、『脳トレ』シリーズの“Touch!Generations”の『美文字』も20万本以上が売れているヒットソフトですし……

 『脳トレ』ブームが去った跡でも、ちゃんと売れる市場が残っているという見方も出来るんですよね。
 流石に『もっと脳トレ』の400万本に比べると寂しい気はしますが……『リクとヨハン』みたいに、『レイトン教授』路線を狙ったソフトも出てきていますし、今後も息長く続いていくジャンルになる予感はします。




 まぁ、そもそも知育ゲームって定義の難しいジャンルなんですよね。
 喩えば、今度出る『クイズマジックアカデミーDS』を知育ゲームに分類するのは抵抗あると思うんですよ。でも、『常識力トレーニング』と違うジャンルだとも思えません。その差は何?
 “トレーニング”とタイトルに付いているからなのかというと、『リンクのボウガントレーニング』は知育?もう、何が何やら。


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| ゲーム雑記 | 19:14 | comments:11 | trackbacks:0 | TOP↑

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そもそも『脳トレ』ブームってなんで嫌われてるんだ?

 『脳トレ』が売れているのは別に最近始まったことでもないのだけれど、どうもここ数ヶ月「ゲームらしくないゲーム」への批判がネット上で多数派になっている気がします。
 きっかけは『もっとえいご漬け』の不振辺りに「実用ソフト終わったーププー!」的な意見が出始めたことだと思うんですが、『眼力』にしても『家計ダイアリー』にしても『顔トレ』にしても、発売前から「こんなん売れるようならゲーム業界は終わりだ」的な批判が(『お料理ナビ』や『常識力』の頃に比べて)強かった気がします。

 何だかんだ言って、『もっとえいご漬け』は50万本超えたらしいんですけどね……


 ALL ABOUTの「ゲームらしいゲームよどこへいく」という記事が、最近色んなブログで言及されているのを見かけました。
 記事自体は「DSで従来型ゲームを売るには」的な発想のもので、僕も同意なんですけど……この記事に対する反応が各所で起こっているというのを見ると、「ゲームらしいゲームへの渇望」と「ゲームらしくないゲームへの批判」が各人の中に強く浮き出ているという証拠なのかなぁと思ったりもするのです。


 天邪鬼が全裸で歩いているようなのが僕ですから、この展開には「ん?」と思うのですよ。で、僕くらいはやっぱり反対記事を書かなくちゃなーと考えていたら、『カイ氏伝』さんのところで既に書かれていました。流石!最後になんか重い荷物を渡されているような気がするけど気にしないぞ!!

 「ゲームらしいゲーム」は本当に売れないのか(『カイ氏伝』)

 なるほど…そもそも「ゲームらしいゲーム」も売れているという視点。
 僕がデータをまとめるのもアレなんで、『マルガの湖畔』さんのデータなどを見てもらえばイイのですが…
 2007年のデータも8月11日時点で、トップ10に『もっと脳トレ』のみ。(ひょっとしたら『Wii Sports』や『はじめてのWii』も「ゲームらしくないゲーム」と見なす人が多いのかも知れませんが)。トップ20だと『常識力』『眼力』『脳トレ』『もっとえいご漬け』、トップ30で『えいご漬け』『漢字脳』……30分の7というのは、多いか少ないか人それぞれだろうなというラインですかね。

 むしろ実用ソフト以外はシリーズものばっかだな……という危機感の方が強いんですけど(笑)。Wiiのツートップを除くと、キャラものでも続編ものでもない作品は11位の『レイトン教授』の次は46位の『ウィッシュルーム』だったりします。
 僕としてはこっちの方が「大丈夫?」という気になるんですが、この話はまた別の機会にでもするとして―――


 そもそも、どうして皆ここまで『脳トレ』ブームが嫌いなの?ということを考えていきたいと思います。

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 あ……今更ですけど、
 僕は『脳トレ』や『Wii Sports』を「ゲームらしくないゲーム」だとは思っていません。
 『FF』得意な人と『テトリス』得意な人が違うように、スタート時点での得手/不得手がRPGやシミュレーションゲームとは違うよなぁと思うだけで、プレイを続ければ必ず上達しますし上達することで成果が上がるというのは「ゲームらしいゲーム」だと思っています。

 流石に『お天気チャンネル』とかまで行くと、「ゲームらしくない」とは思いますけどね。


 なのだけど……多分、僕の思想とか信念とかは別個のところで、世間一般の考え方としては「『脳トレ』はゲームらしくないゲームだ」と思われているのでしょうから―――
 「ゲームらしくないゲーム」=『脳トレ』、「ゲームらしいゲーム」=『FF』シリーズ、みたいな二項対立をでっち上げて「『FF』シリーズが好きな人が『脳トレ』ブームを嫌う理由」みたいなイメージで書いていこうと思います。

 実際には『FF』も『脳トレ』も好きだという人も少なくないだろうし(僕なんかはそう)、『FF』こそ「ゲームらしくないゲーム」だっ!って思う人もいるとは思うんですけどね。ムービーゲーム全盛の頃は、『FF7』とか『FF8』って「観ているだけでゲームじゃねえ!」って批判されていたんですよ……時代の変化って面白いね。


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 そもそも、『脳トレ』がいくら売れようが『FF』の売上げには関係ないと思うんですよ。DSやWiiがなければ、PS3やXbox360が売れていた……という可能性もなくはないけれど、直接そう繋がらないだろうというのが僕の考えです。

 というか、別の『脳トレ』批判では「『脳トレ』のためにDSを買ったような人は他の(従来型)ゲームは買わない!」「だから、『脳トレ』ブームは次に繋がらない不毛なものだ!」と言っているのに……
 この局面においてはあたかも「『脳トレ』ばかりが売れるせいで、他の(従来型)ゲームが売れない!」って言っているのって物凄く矛盾していると思いませんか?


 もちろん人々の時間と財布は有限ですから、『脳トレ』と『FF』のどっちを買うのか悩んで『脳トレ』を買ったという人も0人だとは思いません。でも、そんなこと言ったら全ての娯楽に対しても「○○が人気だから従来型ゲームが売れないんだ!」と言うべきじゃないですか?

 「高校野球が熱いから従来型ゲームが売れない」
 「欽ちゃんのマラソンなんてどうでもいいものを観ているから従来型ゲームが売れない」
 「ワンピースが40巻とか続いていて面白いせいで従来型ゲームが売れない」
 「スマップが出演していないから従来型ゲームが売れない」
 「ユ○チューブやニ○動でプレイ動画を観れば十分だからゲームが売れない」

 こういう意見はほとんど見たことないですもん。
 っつーか、動画共有サイトなんかはモロに従来型ゲームの“層”と被っているんだから、『脳トレ』なんかよりも影響あると思うんですけどね。結局、みんな「自分の好きなものは正義」「自分の嫌いなものは悪」と世界を二色で塗り分けているだけなんでないの?


 ……という論理は、自分でも強引だと思う(笑)
 任天堂は従来型ゲームを出すけど、高校野球の大会の主催とかしないし。要はゲーム業界の「人材」とか「技術」の問題なのかなぁと思うのです。


 『脳トレ』ブームを嫌っている理由って、推測するにこんなカンジ?

 1.「ゲームらしいゲーム」を作る才能が「ゲームらしくないゲーム」を作ることに消費されているんじゃないかという危惧
 2.「ゲームらしくないゲーム」ばかりが売れることで、「ゲームらしいゲーム」が発売されなくなるんじゃないかという不安
 3.自分が嫌いな「ゲームらしくないゲーム」が売れているのが腹立つ


 まず「1」の「人材流出」から。「技術の進歩が止まる」とか言う人もいますね。
 当たり前ですけど、『FF13』を作っているスタッフに「あー、○○君。明日からガーデニングのソフトを作ってくれ」と言うワケではないですよね。そんな会社だったら、遅かれ早かれアレな感じになっていると思います。そもそも任天堂の実用ソフトだってほとんどは外注なんですよね。
 『えいご漬け』はプラト、『お料理ナビ』はインディーズゼロ、『常識力』はHAL研究所、『ピクロス』はジュピター、『眼力』はバンダイナムコ、『家計ダイアリー』はsyn Sophiaが開発しているワケです。もちろん開発が外注だからといって何もしなくていいワケではありませんが、社内のスタッフは必要最低限に済ますことが出来ます。
 『眼力』をバンナムに作らせている(というより流通だけ任天堂が担当したというカンジ?)間に、任天堂は『マリオギャラクシー』作っていますからね。ゲーム業界が一丸となって実用ソフトを作っているみたいな思い込みは、思い込みでしかありません。

 もちろん会社によって方針は様々でしょうが、アクションゲームに向いているクリエイター、RPGに向いているクリエイター、実用ソフトに向いているクリエイター……などというように、クリエイターの才能は様々なんですから。様々な才能を発揮する場所が出来たのなら、それはむしろゲーム業界にとってプラスじゃないですかね?


 次に「2」の「売れるゲームしか出なくなる」こと。
 もちろん『脳トレ』系というか実用ソフトの数は「『脳トレ』が売れたんだからウチも!」と増えていったとは思います。でも、結局ほとんど売れなかったじゃないですか。
 「結局、任天堂の実用ソフトしか売れねえじゃねえか!」と文句を言っている人が、一方では「このままじゃ売れる実用ソフトしか発売されない時代になるぞ!」と文句を言う……どっちやねん(笑)。
 この二つの論理を足すと、「任天堂以外は実用ソフトを作らなくなる」と思うんですけどねぇ。『脳トレ』嫌いな人にとっては願ったり叶ったりなんじゃないですか?

 DSは実用ソフト以外にもソフトは沢山出ていますし、Wiiなんか従来型の延長みたいなゲームばかりだと批判されているくらい。カイ氏伝さんが仰るように「ゲームらしいゲーム」もしっかりと売れているし、売れているということは発売されているということなんですよ。

 そりゃね……「ゲームらしいゲーム」と「ゲームらしくないゲーム」じゃソフトの発売までの速度が違うんですから実数に差は出ると思いますし、価格差もあるから『脳トレ』は他のソフトよりも売れると思います。
 ただ…やっぱり「ゲームらしくないゲーム」が存在しなくても、「ゲームらしいゲーム」の売上げは上がらないと思いますよ。むしろ『脳トレ』目当てでDS買った回帰層が、『FF3』とか『いたスト』を懐かしがって買ってたりするんですけど……そうした効果は無視して、一方的に『脳トレ』ブームを批判するのって卑怯じゃないですか?



 ということで、ここまで僕は「『脳トレ』ブーム批判なんて言いがかりに過ぎないじゃん」と言ってきたんですが……実は、「3」の「自分が嫌いな「ゲームらしくないゲーム」が売れているのが腹立つ」という考え方が、一番真っ当かなーと思います。

 「腹立つ」って何じゃそりゃと思うなかれ。
 ゲーム会社は売れてなくても「ゲームらしいゲーム」を作り続けると思います。もちろん人気のジャンルとかは分かれると思いますが、100本のソフトが全部『脳トレ』もどきになるなんてことはありえません。

 ただ、お店の棚は有限なんですよね。
 売れ筋の商品を更に売れるように配置していくと、『脳トレ』置いてー『Wii Sports』置いてー『眼力』置いてー……と、それだけで新作ソフト3本分のスペースを使ってしまいます。ゲーム屋さんにとっても定番商品は、ありがたい商品ですからね。
 ただ……「ゲームらしいゲーム」を好きな人にとっては、新作ソフト3本分のスペースが死んでいるということになり。『脳トレ』『Wii Sports』『眼力』がそこに置いてなければ出会っていたかも知れない3本の新作ソフトとの出会いを、みすみす失ってしまったことにもなります。


 同じようなことはゲームランキングにも言えることでしょう。
 「何か面白いソフトないかなー」とゲームランキングを見て、トップ10の中から気に入ったジャンルのソフトを買っていく……という買い方は、毎週のように『脳トレ』や『Wii Sports』がランクインしているランキングだと出来ませんよね。
 あと、業界の未来とか全部フッ飛ばしても、自分が大好きなソフトが全然売れないというのは哀しいことですし。あまりに売れないと、そのシリーズやジャンル自体がもう出ないんじゃないかと不安になりますからね。


 ちょうど「PS2を買っていればほとんどのゲームが遊べた時代」から、「ハードですら自分で考えて買わなきゃいけない時代」に移った時期というのもあって―――ゲームを楽しむのに、ある程度の情報収集能力が必要になったと思うんですよ。
 それは単純に「インターネットを使っているか」なんて話ではなく、今自分が欲しいのはどういうソフトなのかといった自己分析や、どれだけの時間を費やせるのかといったスケジュール管理なども含めて―――より良いゲームライフのために、頭を使わなきゃならなくなったんですよね。


 ということで、今「貴方にオススメの新作ソフトはコレだ!」と教えてくれる実用ゲーム(もちろんWi-Fiで最新のデータを引っ張ってくる)を売り出したら面白いんじゃないかと言ってみる(笑)


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 古い話になりますが……ゲームが2Dから3Dに変わった頃、僕は一度ゲームをやめました。3Dのゲームが面白いとは思わなかったし、今でも3Dのアクションゲームなんかは苦手なままです。でも、当時は「ゲームの3D化はゲームの進化だ!」みたいに声高に叫ばれていたんですよ。

 確かに技術的にはそうだったとは思うんですけど……
 2D好きだった僕は楽しめるゲームがなくなり、一度ゲームをやめ、今DSが回帰層を狙って2Dアクションを幾つもヒットさせているという事実に「あー、ようやく気付いたのか」と思ったりするのです。


 でも、今の『脳トレ』ブームを「進化」と思っている人はいませんよね。
 任天堂自身が「技術を進化させていくだけで売れる時代は終わった」と言っていますし、『脳トレ』や『Wii Sports』は「多様化」なんでしょう。そうしたソフトが400万本だか200万本だか売れているから、「時代の最先端はあっちなのか!」と思うかも知れませんが、そういうことではないんですよ。


 ゲームボーイの『テトリス』が大ヒットしたのが1989年。
 国内だけで400万本以上が売れました。そして、『テトリス』以上に売れたパズルゲームは、20年近く経った今でも登場していません(シリーズ累計なら『ぷよぷよ』もいい勝負だと思いますが…)。
 それでも、落ちものパズルゲームというジャンルは生き続けていますし、『テトリス』がゲームを駄目にしたなんて言う人もいません。

 同じことは、今「ゲームらしくないゲーム」と言われているジャンルにも言えると思うんですよ。
 やることは「脳を鍛える」ことでも「テニスラケットを振り回す」ことでもなくなると思いますが、『脳トレ』みたいなゲームや『Wii Sports』みたいなゲームは5年後・10年後でも細々と存在しているんじゃないかと思うのです。


 「ブームはブームでしかない」のなら、それでイイじゃないですか。
 『脳トレ』ブームが終わった後、荒地しか残らないのだとは僕は思いません。その土壌をどう活かすのか、ゲーム会社もゲーマーも試されているのだと思います。

 「脳を鍛えたい」と言った母のために苦労してDSと『脳トレ』を買った一年前……今では「頭を使うのは疲れる」と、母は毎日『どうぶつの森』を遊んでいます。これもまた一つのモデルケースなんでしょうね。

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| ゲーム雑記 | 23:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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