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『タケシとヒロシ』紹介/ゲームが大好きな(大好きだった)人に送る珠玉の短編ゲーム

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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
Apple Arcade出身ならではの「短くてもイイや」と割り切ったゲーム
ゲームが大好きな弟のために、お兄ちゃんがゲームになる!
ジャンルは逆タワーディフェンス? ゲームを作る人の苦労が分かるわ……


『タケシとヒロシ』
・発売:オインクゲームズ
公式サイト
 Apple Arcade版:2019年11月8日配信開始
 Nintendo Switch用ソフト:2020年8月26日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
・アドベンチャー+タワーディフェンス
・セーブ方法:チャプターごとにオートセーブ



 私が1周クリアにかかった時間は約02時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:△(病気の弟は出てくるけど明るい話)
・恥をかく&嘲笑シーン:×
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ Apple Arcade出身ならではの「短くてもイイや」と割り切ったゲーム

 このゲームを開発したのはアナログゲームも作っている東京の会社:オインクゲームズです。デジタルゲームは主にiOS向けのスマホゲームを作っていて、いくつかはゲーム機用にも移植されていますね。


 そうした作品がAppleから受賞されたこともあったそうで、その縁なのかこのゲーム―――元々はAppleのサブスクリプションサービス「Apple Arcade」で独占配信されていたゲームなんですね。

 「Apple Arcade」にて新作ゲーム「タケシとヒロシ」本日リリース決定

 Apple Arcadeとは―――Appleが提供する「月額600円で指定のゲームが遊び放題になるサービス」です。GoogleのSTADIAとごっちゃになっている人もいるかもですが、あちらは買い切りのクラウドゲーム(日本では始まっていない)で、こちらは月額課金で遊び放題のダウンロードゲームと、方向性は正反対です。

 私は、ゲームはビジネスモデルに縛られているものだと思っています。アーケードゲームは連コインさせるために難しくされるし、ゲーム機用のゲームは中古に売られないように長くなるし、基本無料のスマホゲーだってずっと遊んでもらうために延々と終わらないゲームになるし。基本的には「難しくなる」か「長くなる」のがゲームの宿命だったんですね。

 「ダウンロード専売ゲーム」が出てきたことで、中古に売られることを怖がらないゲームが増えるかなと思いきや、あまりに短いゲームには「面白かったけどすぐにクリア出来たから返金してくれ」という声があがるなど、その宿命からは完全には逃れられませんでした。


 Apple Arcadeが始まった時に期待したのはここでした。
 月額課金で遊び放題のビジネスモデルならば、今までのビジネスモデルでは許されなかった新しいゲームがバシバシ出てくるのでは? と思ったんですね。

 例えばこのゲーム、一晩もあればクリア出来るボリュームしかありません。
 繰り返し遊べる要素もハイスコアを目指すことくらいで―――私は「短いゲーム」に不満を抱いたことがないのでこれくらいで大満足なんですが、900円払ってNintendo Switch版を買った人の中には「もう終わっちゃったの」と思ってしまう人もいるかもなぁと思います。

 でも、Apple Arcadeなら月額600円で遊べる100種類以上のゲームの中の一つなんですよ。
 一晩で終わることはマイナス要素ではなく、「じゃあ今日の夜はまた別のゲームを遊んでみようかな」と次の1本に進める―――『深世界』とか、『WHAT THE GOLF?』とか、Apple Arcadeで独占配信になっていたゲームがNintendo Switchなどで出ることが続いていて「Apple Arcadeって厳しいのかなー」と思っていたのですが。
 発想を裏返してみると、Apple Arcadeで遊び放題のゲームが他機種に移植されて名をあげると「Apple Arcadeならこれもこれもこれも600円で全部遊び放題なのかよ!」とお得感が出てきているんですよね。

 私はNintendo Switch版を買いましたが、環境のある人ならばApple Arcade版という選択肢も全然アリだと思います。


 また、こどもの頃は何十時間とゲームに夢中になれたけど、社会人になったらそんな時間がなくて最近はゲームを遊ばなくなっちゃったという人も多いと思います。先ほども書いたように、ゲームはそのビジネスモデル故に「難しい」か「長い」かになりがちですからね(その呪縛は基本無料のスマホゲーだって逃れられていない)
 でも、新しいビジネスモデルから生まれたこのゲームは一晩でサクッと終わるボリュームのゲームです。時間はさほどかかりませんし、社会人になって時間はないけどお金はあるって人なら、Apple Arcadeの月額600円はもちろん、Nintendo Switch版の買い切り900円も決して高くはないんじゃないかと思います。

↓2↓

◇ ゲームが大好きな弟のために、お兄ちゃんがゲームになる!
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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 このゲームのストーリーは人形アニメで語られます。
 任天堂のIndie Worldのトピックスで撮影の様子が1枚だけ写真で載っていますが、関節が動く人形を使ってポーズと表情を変えながら1コマずつ撮影されたそうです。手描きアニメやCGアニメも大変だろうけど、人形アニメもこれはこれで作るのムチャクチャ大変そう!


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 主人公は、中学2年生のタケシと、小学2年生のヒロシの兄弟です。
 ゲームクリエイターになるのが夢のタケシは、いくつかの素材を作ってゲームっぽいものに仕上げていました。「ゲームっぽいもの」を「ゲーム」と言い張って弟に見せれば感動されるだろうと思ったら、弟のヒロシが遊んでみたいと言い出してしまいます。ゲームとしてはまだ完成していないのに……


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 そこでタケシが考えた手段が、「弟がプレイする様子を見ながら、適度にハラハラしつつ、でもちゃんとクリアできるようなバランスでモンスターを人力で送り込む」というものでした。ゲーム部分の詳しい説明は次の項で述べますが、「オートで突っ込んでくる弟の勇者」に対して「迎え撃つモンスターを選んで配置する」タワーディフェンスのようなゲームですね。
 ゲームを遊ぶ側とゲームを作る側、両方が笑顔にならなければならない―――この発想は、アナログゲームをたくさん作ってきた会社ならではじゃないかと思います。アナログゲームはプレイヤー全員がハラハラして笑顔になれるバランスを考えなくちゃいけませんからね。


 こうして「嘘で始まったゲーム」だけど、弟のヒロシにとっては病弱な自分に勇気を与えてくれるもので、兄のタケシにとっては「もの作りの楽しさ」と「思ったようにはいかないもどかしさ」とを同時に味わわせるもので―――ゲームプレイヤーとしての物語と、ゲームクリエイターとしての物語の両方が描かれるのがイイのです。

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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>



 そうそう、Apple Arcade版からNintendo Switch版に移植される際の追加要素で、更にApple Arcade版にも後からアプデで追加された要素に―――ライバルキャラ:ヨースケが作ったゲームを実際に遊ぶことが出来るというものがあります。

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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 『500m ゾンビエスケープ!』――――
 これはこのメーカーがiOSやニンテンドー3DSで発売した『1000m ゾンビエスケープ!』の機能縮小版かなと思います。Aボタンをタイミングよく押していくことでキャラを歩かせて、なるべく長く進め!


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 私の最長記録は101mなので、別に500m歩けなくても話は進むし、500m行くとどうなるのか私は知りません。これを500m行ける人ってすごくない?


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 この『500m ゾンビエスケープ!』も含めて全てのチャプターがタイトル画面から選んで遊べるのだけど、このチャプター画面も可愛くて好き。ノートの上に、写真とかクリップとか載っていて、手描きの文字やイラストが散りばめられている―――それほど予算のないインディーゲームでも、こういうところをしっかりデザインしているとムチャクチャ印象良くなりますよね。


 ということで、キャラもストーリーもデザインも最高のゲームだったのですが―――
 唯一の不満点はエンディングです。

 そこまでの作り込みに比べて、「予算が尽きたの!?」と言いたくなるくらい簡素で、特にBGMが無音だったのは寂しかったです。バグか何かでBGMが再生されないだけか?と、もう一度エンディングを見たけどやっぱり無音でした。どうしてそんなことに。

↓3↓

◇ ジャンルは逆タワーディフェンス? ゲームを作る人の苦労が分かるわ……
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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 ゲーム部分もしっかり出来ていて、ちゃんと面白かったです。
 公式サイトなんかでは「人形アニメとRPGの融合」みたいに書かれているのですが、「RPG」として楽しんでいるのは弟のヒロシの方で、プレイヤーの分身たるタケシにとってはどちらかというと「タワーディフェンス」に近いんじゃないかなぁと思います。

 向かってくる勇者に対して、モンスターを配置して迎え撃つ―――
 『勇者のくせになまいきだ』とか、『光と闇の姫君と世界征服の塔 ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』みたいに、プレイヤーはモンスターを配置する側なんですね。


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 ただし、勇者をやっつけてはいけません。

 というか、勇者をやっつけるだけなら超簡単なゲームですからね。普通のタワーディフェンスにはある「コスト」みたいな概念がないので強力なモンスターをたくさん配置できてしまいます。

 でも、弟のヒロシは、まだ小学2年生です。
 ゲームオーバーになったら哀しんでしまいます。


 かと言って、手応えのないゲームだったらすぐに飽きてしまうのがこども。


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 なので、プレイヤーが目指すのは勇者の残りHPが少ない状態での、勇者側のギリギリの勝利です。例えば、スクショの場面だと残りHPは5です。

 ギリギリの展開になればなるほどヒロシのドキドキ度が上がり、勝利後にそれは「たのしさゲージ」に積みあがっていって、5ラウンドまで繰り返して「たのしさゲージ」が目標まで到達していればそのチャプターはクリアです。逆に5ラウンド終了時に「たのしさゲージ」が目標まで届いていないか、勇者のHPが0になってしまうとゲームオーバーです。
 Apple Arcade版の初期にはなかったそうなのですが、2ラウンドを超えると中間ポイントが出来るので、中間ポイントを活かしてギリギリを攻めるのが攻略のコツです。



 弟のヒロシが楽しめるギリギリの展開を目指すには、配置できるモンスターの強さと特性をしっかり把握しなければならないし、遊んでいるとゲームを作る側の視点になっていくんですね。私が今まで「難しすぎる! どうしてゲームを作る人はゲームをこんなイヤガラセみたいな難易度にするんだ!?」と文句を言ってきたゲームも、ヒロシがドキドキできるギリギリの展開を目指してそうしていたのかなぁ……とか考えたりして。

 いや、でも、あのゲームとかあのゲームとか、絶対に「プレイヤーが苦しんでいる様をほくそ笑む」ために難しくしていたぞ! おのれー! とか考えたりして(笑)。


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 全体的には「アクションゲームが苦手な人でも楽しめるゲーム」だと思うのですが、ゲームが進むと1ラウンドに1回だけ使える「絶対に回避が出来る」コマンドと、「絶対にクリティカルが出る」コマンドが出てきます。
 クリティカルの方はともかく、回避の方は敵の連続攻撃の中の「この一撃」を見極めてボタンを押さなくちゃいけないのでアクションゲームが苦手な人は苦戦するかも。例えばこの敵は「通常攻撃」と「特殊攻撃」の2パターンをランダムで行うってときに、「特殊攻撃」の時だけ回避したいことがあるんですね。「特殊攻撃」の方だと分かるテキストが出た瞬間に回避ボタンを押そうとして、間違えてクリティカルのボタンを押してゲームオーバーになってしまったことが何回あったことか……


 Apple Arcade版はタッチ操作のみでコントローラー操作に非対応だったらしいのですが、Nintendo Switch版はコントローラー操作はもちろん、タッチ操作だけでも遊べるようになっています。Nintendo Switch Liteで遊ぶ人もいるでしょうし、タッチ操作対応はありがたいですね。


◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 数時間で終わる、短いけど面白いゲームを探している人にはもちろんオススメです!

 また、このゲームってストーリー部分もゲーム部分も、「ゲームってすごいんだ」「ゲームって面白いんだ」「ゲームを作るのってこんなに大変で、だからこそ楽しいんだ」とゲームの可能性を全肯定してくれています。今現在ゲームが大好きな人はもちろん、タケシくらいの年齢だった頃やヒロシくらいの年齢だった頃にゲームが大好きだった人にも、是非遊んでほしい1本です。



| ゲーム紹介 | 21:00 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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『フォーゴットン・アン』紹介/丁寧に描き込まれた世界と、死なない2Dアクションパズル

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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
アニメのように動くキャラと描き込まれた背景と、シームレスにつながるゲームと
主人公が決して死なない、パズル要素が強めのアクションパズル
まさに「アニメの主人公になれる」インタラクティブな体験が味わえる!


『フォーゴットン・アン』
・発売:コーラス・ワールドワイド、開発:ThroughLine Games
公式サイト
 Setam版:2018年5月16日発売、2019年3月5日日本語化対応
 Xbox One用ソフト:2019年2月27日発売
 プレイステーション4用ソフト:2019年2月28日発売
 Nintendo Switch用ソフト:2019年2月28日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
 iOS版:2019年8月1日発売
・アドベンチャー+アクションパズル
・セーブ方法:ストーリーが進行するとオートセーブ(頻度は高いです)


 私が1周クリアにかかった時間は約8.5時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:◎(キャラを処罰するかを迫られるポジションなので)
・恥をかく&嘲笑シーン:×
・寝取られ:○(ボンク師の視点だとNTRか、これ?)
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×(動物ではないものは結構死ぬが…)
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ アニメのように動くキャラと描き込まれた背景と、シームレスにつながるゲームと

 このゲームを開発したのはデンマークのThroughLine Gamesというスタジオで、そのスタジオのデビュー作だそうです。小規模なモバイルゲームの開発経験はあったものの、ゲーム機用のゲームは誰も開発経験のない状態での開発だったのだとか。

 日本での展開は主にコーラス・ワールドワイドが行っていますが、Steamのみスクウェア・エニックスの展開なのでどういうことなのかと思ったら……スクエニがヨーロッパで展開しているインディーゲームスタジオ支援機構の支援を受けていたそうで、海外での発売は(Steamも含めて)スクウェア・エニックスが行っていて、そこから日本語に訳して日本向けのゲーム機用に展開したのがコーラス・ワールドワイドみたいですね。

 プレイステーション4版のみパッケージソフトが出ています。
 iOS版は序盤の体験版のみ無料で、それ以降を遊ぶには1220円の課金が必要。プレイステーション4版とNintendo Switch版も無料体験版が配信されているので、気になる人はそちらからどうぞ。この紹介記事はNintendo Switch版をクリアまで遊んでの紹介となります。

(※ 8月31日追記:どうやらPS4版の体験版は既に配信終了になってしまっているみたいです。)



 さて、このゲーム―――
 PVでは「アニメーション映画の中に飛びこもう」と言っていて、実際にPVではアニメーションが長時間流れるし、開発者も「アニメの主人公になれるゲームを目指した」と仰っているし、公式サイトに書かれている公式ジャンルは「アドベンチャー」だったので……プレイステーションの「やるドラ」みたいな、アニメを観るゲームなのかなと思って買ってみたのですが、実際には全然ちがっていました!

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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 このゲームのジャンルは、2D横スクロールの「アクションパズル」だと思います。
 主人公のジャンプ力だとここからここまでは届くけど、ここまでは届かないからスイッチをこういう順番に起動して足場を動かせば届く―――的なアクションパズルです。


 んで、パズルを解いて先に進めるようになると、そこでストーリーも進んでいくカンジで―――アニメ映像はデモシーンだったり、ちょっとしたカットに使われるくらいで、基本のゲームは2D横スクロール視点で進行します。PVだとそのデモシーンのアニメ映像や会話シーンばかり使われているから、ゲーム部分が「アクションパズル」って思いませんよねこれだと……


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 しかも、このデモシーンのアニメ部分は日本のアニメから強い影響を受けているらしいのだけど、日本のアニメを見慣れている日本人からするとそこまでクオリティの高いものではありません。ここばかりをPVで推すのはあまりイイ手ではないと思ってしまいます。



 何故なら、ゲーム部分のグラフィックはすごいからです。
 ついさっき「デモシーンのアニメ部分はクオリティは高くない」と書きましたが……「プレイヤーが動かせるゲーム部分」と「デモシーンとなるアニメ部分」がシームレスにつながっていて、2Dアニメのキャラを実際に動かしているような感覚になれるのは本当にすごいと思います。途中のロードとかもほとんど感じさせません。


 主人公だけじゃなくキャラクターはみんなヌルヌルと動くし、背景もものすごく描き込まれています。「アニメを観るゲーム」というよりかは、「アニメの世界の中を走り回れるゲーム」と言った方がイイかも知れませんね。



 ただし、欠点もそこにあって……
 アンという主人公のアニメキャラが実際に生きているみたいに生々しく動くため、挙動が遅かったり、マップの移動に時間がかかったりするんですね。

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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 例えば、ZRボタンかZLボタンを押しながら移動するとダッシュが出来るんですけど、ある程度の距離をダッシュするとアンが息切れを起こしてスピードダウンしてしまう仕様とか――――これ別にこれがアクションパズルの鍵になっているワケでも何でもなくて、ただアンを「生きているキャラクター」と見せるためだけにそうしているんです(笑)。

 これを「没入感が増す演出だ」と思えるか、「しちめんどくせえ仕様だ」と思うかで、このゲームへの評価は変わっちゃうだろうなーと思います。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 そして、背景がやたら描き込まれた2Dゲーム特有の「どこが進める場所なのかが分かりづらい」問題もあります。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』のものを加工しました>

 『フォーゴットン・アン』も、矢印を書いたような「奥に進める場所」が背景に溶け込みすぎていてしばらくそれに気付きませんでした。「奥にも進めることがある」と分かっているだけで、気付けるようなとこがほとんどですが、初見だと結構つまづきそう。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 チュートリアルでは「選択によってストーリーが変わる」と書かれているのだけど、ある一点を除いてはどんな選択肢を選んでも大まかなストーリーはほぼ変わらない一本道みたいです。マルチシナリオではありません。そこはちょっと拍子抜け感があるかな……

 ただ、選択肢によって後の会話が変わることもあって……
 例えばあるキャラクターを「見逃す」か「処分する」かの選択を迫られた場合、見逃しても処分してもその後のストーリーは変わらないのですが、他のキャラクターから「オマエはあの時アイツを処分したよな」とねちねち言われたり、アンが記す日記の内容が変わったりするみたいです。
 過去にしたプレイヤーの行動が後々までかかってくるのはこのゲームのテーマ的にも正しいと思うんですけど、それを「ストーリーが変わる」と言うのはちょっと大言壮語な気が。


 ということで、このゲーム―――

 主人公がアニメキャラのようにヌルヌル動くために、若干テンポが悪い。
 背景が描き込まれているせいで、進めるところと進めないところの見分けが付かない。
 プレイヤーの行動次第でシナリオが変わりそうで変わらず、日記の内容が変わる程度。


 実質『七つ風の島物語』なんですよ!

 私のゲーム実況を全部チェックしている人でもなければ分からないような例えをするんじゃないって自分でも思いますし、デンマークの人達がこのゲームの影響を受けたとは思えないんですが……狙っているところは両作品とも近いと思うんです。不思議な生物が生きているアニメみたいな世界で、アニメみたいにキャラクターを動かしたいという狙い。

 時代はようやく『七つ風の島物語』に追いついたと言えますね!


↓2↓

◇ 主人公が決して死なない、パズル要素が強めのアクションパズル
 さてさて、「好きなゲームはアクションパズル」と公言している私の、「アクションパズルゲームとして見たこのゲーム」の説明と評価を行きますよー。


 多くの2Dアクションパズルと同じように、このゲームも「主人公がジャンプをして足場を乗り継いだり」「スイッチを押して仕掛けを動かしたり」するのですが……このゲーム最大の(アクションパズルとしての)特徴は、「アニマ」システムです。

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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 Yボタンを押すといつでも「アニマビジョン」の画面に切り替えることが可能で、アニマの流れを見ることが出来ます。
 アニマとは、このゲームの世界におけるエネルギーの源で、「電気」のように機械を動かすのにも使いますし、「魂」のように生物が意志をもって動く源にもなっています。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 主人公のアンは、この世界の「執行官」なので、このアニマを自由に移し替える力を持っています。右下のゲージにアニマをストックしておいて――――


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 別の場所に移して、機械を起動する――――みたいなことが出来るんですね。


 おぉ! 超便利な能力じゃん! と思われるかもですが……
 先ほど書いたように「アニマ」とは機械を動かすだけでなく、この世界の生物を動かすエネルギーでもあります。これを生物に使えば……例えば自分達に反抗的な態度を取る者を、有無を言わせずに処分することも出来ちゃうんですね。

 ゲーム的には流石に誰でも彼でもアニマを抜けるワケじゃなくて、ほとんどのキャラ相手には「この者からはアニマを抜くべきじゃない」と出るんですけど……主人公が、この世界の全生物にとって脅威となる力と権力を持っているってのは独特な設定ですよね。普通はゲームの主人公って弱い存在なことがほとんどなので。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 また、主人公のアンがアニマをストックしている状態だと出来るアクションがあって、その一つがウィングを広げた状態でのロングジャンプです。
 笑っちゃうくらいに遠く&高くまで飛べて気持ち良いのですが、「アニマをストックしている状態だと」ということは、その手前で機械を作動させるのにアニマを使っちゃうとロングジャンプが出来なくなるので、さあどうする―――みたいなパズルになっているんですね。

 私はアクションパズルを評価する際には「独自のシステム」と「独自のアクションの気持ち良さ」の2つを重視しているので、この2つを抑えている『フォーゴットン・アン』はなかなかにアクションパズルとして高評価でした。


 こんなカンジでジャンプは頻繁にさせられるので「ギリジャンが出来ない」という人にはなかなかつらいと思うのですが、全体的には「アクション」と「パズル」の比率は2:8くらいでパズルよりのアクションパズルかなと思います。
 それとこのゲーム、思い切ったことにゲームオーバーがないんです。主人公のアンを殺すような「敵」は出てこないし、高いところから落下しても「うっ」とアンが呻き声をあげるだけですし、ゲームオーバーになったらどうしようみたいなプレッシャーはありません。

 これはどうやら「アクションゲームが苦手な人への配慮」というよりかは、「アニメーションの主人公を動かしている気分になれるゲーム」を目指している以上は演出として「連続性を途切れさせたくない」からみたいです。「あ、これってゲームだったんだ」と思わせる部分を極力排しているので、ローディングの時間も途中にはないし、セーブも任意じゃなくてオートセーブになっているということなんですね。


 ということで、「ギリジャン」は求められますが、それさえ克服できればアクションゲームが苦手な人にもオススメできるアクションパズルかなと思います。

 パズル部分というか、ナゾトキは結構頭を使うと思います。
 私は、劇場と工場の2ヶ所でしばらく苦しみました。

 主人公のアンがヒントは出してくれるけど、答えが分からなかった時にどうにかしてくれる機能はありません。個人的にはこれくらいがちょうどよかったですが、解法を閃かずに袋小路に入るとちょっとクリアまでに時間がかかるかなぁ。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 あと、「難易度が高い」のではなく、説明が足りないと思ったのはこれ系のパズルです。
 「ディスク」と書かれているコマが盤面に幾つかセットされていて、1つ1つのコマにカーソルを合わせてAボタン長押しすると、「そのコマが移動できるルートと最終的にセットするべき場所」が表示されます。すべてのコマを「セットするべき場所」にセットするためには動かす順番が大事なのでそれを考えよう―――というパズルなのだけど、「動かせる」しか説明がないのでしばらく何をするべきか分からんかったですよ!


↓3↓

◇ まさに「アニメの主人公になれる」インタラクティブな体験が味わえる!
 ストーリー部分についても触れましょう。
 このゲームの舞台は「フォゴットンランド」、人間のいる世界から「忘れられたもの」が集まる世界です。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 なので、アンとボンク師以外の登場人物は、みな「もの」です。
 左から「サンドバッグ」「ブタ(の貯金箱?)」「スライムランプ」「分厚い本?」―――といったカンジに、メインキャラクターだけでなくモブまで1人1人が「人間のいる世界から忘れられて落ちていったもの」なのです。ちょっとした『オクトエキスパンション』感がありますね。


 ボンク師とアンは、この世界の「忘れられたもの」が人間のいる世界に戻るための「ゲート」を建設していて、「忘れられたもの」はそのゲートの優先チケットを得るためにボンク師から与えられた仕事をこなしている―――というところで、反乱者の襲撃があって、アンはその鎮圧に向かいます。これがストーリーの導入部です。

 アニメ調の絵柄と、アンやボンク師のデザインから「ジブリっぽい雰囲気だ」と思ってプレイを始めると、ジブリとは全然ちがうダークな世界に戸惑うと思います。主人公のアンも『ラピュタ』とか『魔女の宅急便』辺りのジブリヒロインのイメージで入ったので、「中身は草薙素子じゃねえか!」とビックリしました。

 反乱者を鎮圧する冷酷な執行官ですからね……



 ストーリーは日本語字幕には出来ますが、音声は英語のみ。
 日本語訳は基本的には問題がないと思うんですが、散々言われている「タグの表記ミス」を1年半経っても修正していないのはどうなのかなと思います。

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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>


 ところどころ会話が噛み合っていないように思えるのは、翻訳のせいというより原文のせいじゃないかな。
 それぞれが自分の言いたいことを勝手に言う会話が多くて「富野アニメみたいだな」と思いましたし、富野アニメで慣れている自分には問題がありませんでした。良いのか、それで。



 ストーリー自体も結構面白いと思うのですが、それに輪をかけて素晴らしいのは「ストーリー」と「ゲーム部分」が密接につながっていて、様々なシチュエーションを“自分でプレイして”乗り越えるところです。

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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 暴走する列車をアクションパズルを解いて止めたり。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 容疑者を尋問したり。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 変装して潜入したり。



 「アニメのようなゲーム」と言われると、プレイヤーとしてはただアニメを観ているだけのゲームと思われてしまうかも知れませんが……このゲームは「アニメの主人公になれるゲーム」を目指しているため、プレイヤーがこれらのシチュエーションを実際にプレイして乗り越えるんですね。アニメとゲームがシームレスにつながっているのも、そのためでしょう。
 そのおかげで「似たようなことばかりやっている気がする」というマンネリにならずに、局面局面で新鮮な気持ちで楽しめるようになっているという。買う前に思っていたゲームとはちがいましたけど、これはこれで面白かったです!


◇ 結局、どんな人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 まずは「アクションパズルが嫌いではない」のが大前提で、その上でシリアス目の設定のアニメ映画が好きな人にはオススメです。作り込まれた「アニメ調の世界」と、プレイヤーが実際に「ゲームとして操作する」ことの融合はなかなかなものでした。

 インディーゲームというか昨今のダウンロードゲーには良質なアクションパズルが多いですが、その中では「アニメの主人公になりきる」というこのゲームにしかない特徴を持っているのは大きいでしょう。あと、主人公が敵にやられたりせず、ゲームオーバーがない。ここも重要!


 冒頭の繰り返しになりますが、パッケージソフトはプレイステーション4版のみ。
 iOS版は序盤の体験版のみ無料で、それ以降を遊ぶには1220円の課金が必要。プレイステーション4版とNintendo Switch版も無料体験版が配信されているので、気になる人はそちらからどうぞ。

(※ 8月31日追記:どうやらPS4版の体験版は既に配信終了になってしまっているみたいです。)

 

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【告知】8月2日(土曜日)20時頃~『あつまれ どうぶつの森』の花火大会に合わせてフレンドの島に遊びに行く実況やります!

【お知らせ】8月2日(土曜日)20時頃~YouTube Liveで、『あつまれ どうぶつの森』の花火大会にみんなで遊びに行く実況をやります!


配信ページはこちら


 (およそ)2ヶ月に1度の予定で送る『あつまれ どうぶつの森』実況です!
 アプデで8月日曜日に花火大会が実装されたので、それに合わせてフレンドの島に遊びに行く実況やります。遊びに行くフレンドさんは既に(水曜日の『SIREN』枠で話し合って)決まっているので、募集はしていません。悪しからず。

 Discordでボイスチャット繋ぎますけど、ボイスチャットは「入っても入らなくても自由」というスタンスです。


【現在、登録されている効果音コマンド】
・あけましておめでとうございます
・ええーっ、すごい!
・ごごごごめんなさーい
・しつこいなぁ
・スタジアムの大歓声
・マーベラス!
・また遊んでね!
・やっほー
・よ、よろしくお願いします
・頑張って!
・結果を発表します
・残念~
・不合格です


 生配信中にコメント欄でこれらの文字をコメントで打つと特殊効果音が鳴ります。効果音は効果音ラボさんで配布されているものを使わせてもらっています。


 この記事は『あつまれ どうぶつの森』の実況をまとめた記事です。
 生配信の告知や、動画のログの格納などに、使いまわしていきます。

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【告知】7月25日(土曜日)15時頃~複数の実況者が『テトリス99』の「パスワードマッチ」を同時に実況する企画に参加します!

【お知らせ】7月25日(土曜日)15時頃~YouTube Liveで、『テトリス99』の「複数のゲーム実況者がパスワードマッチのパスワードを共有して同時に配信することで、複数のチャンネルの実況者と視聴者のみなさんを同じ部屋に集めて99人満席を目指すという企画」に参加をします!


配信ページはこちら


 普段よりも早い告知なのですが、いつもとちがう15時~17時という時間での実況で、更に視聴者参加企画のため、事前に告知することにしました。

 説明が長くて、イマイチ分かりづらいかも知れないのですが……
 参加する視聴者のみなさんにとっては、何回かやっている『テトリス99』のパスワードマッチの実況とあまり変わりないと思います。いつも通り、Discordも繋ぎます。ただ、そのパスワードを複数の実況者と共有することで、例えば「10人は視聴者で埋まったけど、残り89人はCPU対戦だった」みたいな事態ではなくなり、「10人はウチの視聴者で、残り89人はよそのチャンネルの実況者と視聴者だった」となるんですね。

 いつもとちがうのは、配信の最初と最後は、私が主催者のsan。さんのDiscordチャンネルに入って自己紹介してくることくらいです。ゲームが始まったら、いつも通り自分のDiscordチャンネルに戻ってくる予定。

 あと、「参加してやるぜ!」という人に、強制ではないけどお願いがあって……どうせなら「ウチの視聴者みんなでこの企画に挑戦する」感を出すために、ユーザー名を少しイジって名前のどこかに「なし」を付けてくれると面白いかなと思います。
 「鈴木一郎@なし」みたいに語尾にくっつけるだけでもイイし、「空条なし太郎」みたいに名前の一部を変化させるのでもイイんで(ひらがな・カタカナ・漢字・英字なんでもOK)


 あと、16時45分からはチーム戦を3戦するそうなので、どうせなら「ウチの視聴者はこのチーム」と決めて入ると盛り上がりそうですね。それは当日チャット欄かDiscordで話し合って決めてもイイかな。 


【現在、登録されている効果音コマンド】
・あけましておめでとうございます
・ええーっ、すごい!
・ごごごごめんなさーい
・しつこいなぁ
・スタジアムの大歓声
・マーベラス!
・また遊んでね!
・やっほー
・よ、よろしくお願いします
・頑張って!
・結果を発表します
・残念~
・不合格です


 生配信中にコメント欄でこれらの文字をコメントで打つと特殊効果音が鳴ります。効果音は効果音ラボさんで配布されているものを使わせてもらっています。


 この記事はオンラインゲーム実況なんかをまとめた記事です。 生配信の告知や、動画のログの格納などに、使いまわしていきます。

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【告知】6月24日(水曜日)20時頃~『スーパーマリオメーカー2』の実況配信をやります!

【お知らせ】6月24日(水曜日)20時頃~YouTube Liveで、『スーパーマリオメーカー2』を1人で遊ぶ実況生配信やります!


配信ページはこちら

  今回はオンラインはなし、1人で視聴者の皆様が作ったコースやワールドを次々とプレイしていきます。22時からポケモンの発表映像があるんで、それまでには終わらせたいですね。

 ただし!
 『あつまれ どうぶつの森』で、フレンドの誰かの島でカブが高騰したら「死ぬほど買いこんだカブを売りに行く実況」になります。水曜日に実況するスケジュールだとこうなっちゃうんですよね……でも、みんなでカブを売りにフレンドの島に遊びに行ったりしているのを見ると、俺だけカブを買わないのも寂しいし!



【現在、登録されている効果音コマンド】
・あけましておめでとうございます
・ええーっ、すごい!
・ごごごごめんなさーい
・しつこいなぁ
・スタジアムの大歓声
・マーベラス!
・また遊んでね!
・やっほー
・よ、よろしくお願いします
・頑張って!
・結果を発表します
・残念~
・不合格です


 生配信中にコメント欄でこれらの文字をコメントで打つと特殊効果音が鳴ります。効果音は効果音ラボさんで配布されているものを使わせてもらっています。



 この記事は『スーパーマリオメーカー2』を遊ぶ配信の記事です。
 生配信の告知や、動画のログの格納などに、使いまわしていきます。

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『グノーシア』紹介/間違いなく俺は、この14人と一緒に宇宙を冒険したんだ

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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
1プレイは10~15分。何百回と、CPU相手に遊べる1人用人狼ゲーム
ループするごとに強くなる「ループ作品の主人公」を体験できる
このゲームの主人公は「自分」だし、キャラクターは「NPC」なんかじゃなかった


『グノーシア』
・メーカー:プチデポット(Vita版のみ販売はメビウス)
公式サイト
 プレイステーションVita版:2019年6月20日発売
 Nintendo Switch版:2020年4月30日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
・SF人狼ゲーム
・セーブ方法:オートセーブ


※ PVはNintendo Switch版のものです
 私のクリア時間は28時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:△(一部のエンドを除いて終始明るいノリ)
・恥をかく&嘲笑シーン:△(土下座シーン、ちょっと恥ずかしいの私だけ?)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×(性別を持たない汎という概念は面白かった)
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×(グノーシアは人間を「消滅」させてるだけなんで)
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ 1プレイは10~15分。何百回と、CPU相手に遊べる1人用人狼ゲーム

 このゲームは『メゾン・ド・魔王』を作ったことで有名なプチデポットが、約4年をかけて開発したインディーゲームです。
 元々はプレイステーションモバイル用にプロトタイプを作っていたところ、プレイステーションモバイルのサービスが終了、Vita用ソフトとして開発を始めるも完成した頃にはVitaは出荷終了しているくらいの末期になっていました。しかし、そんな時期にも関わらず(そんな時期だからこそ?)「終わりかけているVitaにこんな面白いゲームがあるぞー!」と口コミが広がってヒットしました。

 私がプレイしたのは、そのVita版にバランス調整などを施して移植をしたNintendo Switch版です。Vita版の実績と評判があったため、ニンテンドーダイレクトで紹介されるなど注目度も高く、自分も含めて「Nintendo Switch版で初めて遊びました」って人が結構いました。
 よく「○○の機種で出たら買うとか言っているヤツは、実際に○○の機種で出ても買わない」と言われますが、少なくとも『グノーシア』はNintendo Switch版で出たから買って遊んだという人がたくさんいましたよ!


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>


 さて、そんな経緯なので私はプレイする前から「人狼をモチーフにしたアドベンチャーゲーム」「ムチャクチャ評判が良かった」ことくらいは知っていました。逆に言うとそれくらいの知識しかなかったので、ケムコのアドベンチャーゲームとか、『シークレットゲーム』みたいな、ストーリーをひたすら読んでいって、たまに選択肢がある―――というノベルゲームだと勘違いしていました。

 全然違いました。

 このゲーム、「人狼をモチーフにしたアドベンチャーゲーム」というよりかは「人狼をCPU相手に延々と遊ぶゲーム」だったんです。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 「人狼とか全く知らない」という人もいらっしゃると思うので、ゲームの大まかな流れを説明していきます。まずは「会議パート」です。『人狼』では「昼フェイズ」と呼ばれるパートですね。

 メンバーの中に紛れている「グノーシア」が誰かを話し合って推理していくパートです。プレイヤーが出来ることは大まかに分けて2つ、「Xボタンを押して自分から発言する」「Aボタンを押して他の人の発言を聞く」かです。
 自分から発言すると「アイツは怪しい!」と名指しで攻撃できるのですが、喋りすぎると目立ってしまって「アイツ喋りすぎで怪しい」と逆に怪しまれてしまいます。「他の人の発言を聞く」と、誰が誰を怪しんでいるかなんかが分かる一方、望まない展開になって「その人じゃなかったのにー」と場に流されてしまうことにもなりかねません。なので、両方をバランス良く使っていく必要がありますね。

 時間制限などはないので、データなんかを見ながらじっくり考えましょう。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 自分およびCPUの発言が合計5回終わったら、「会議パート」のラスト:投票開始です。
 「コールドスリープさせたい相手」を1人1票ずつ入れていって、多数決で1位になった人を強制的にコールドスリープにさせます。乗員の勝利条件は「全てのグノーシアをコールドスリープさせること」なので、ここでグノーシアを全滅できれば「終了」です。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 グノーシアをコールドスリープさせられなかった or グノーシアがまだ残っている場合、ゲームは続行し、「移動パート」に入ります。『人狼』における「夜フェイズ」だと思うのですが、やれることは結構あります。どちらかというと育成シミュレーションとか恋愛シミュレーションっぽいパートだと思います。

 まずは「経験値が溜まっていた場合は自室でレベルアップ」が出来ます。
 詳しくは次の項で説明しますが、このゲームは「主人公の成長」がムチャクチャ重要なので、忘れずにレベルアップさせてステータスをアップさせておきましょう。

 続いて、「宇宙船内にいる誰か一人にだけ会いに行ける」のですが―――――あ、説明し忘れていました。このゲームはSFです。人類が宇宙を飛び回っている時代に、この宇宙船という密閉空間に「グノーシア」に汚染されているヤツがいるぞ! やべえ! って話です。グノーシアに汚染された人を野放しにしないため、グノーシアを全員見つけ出さない限り、この宇宙船はどこにも行けないんですね。

 話を戻しましょう。
 この「移動パート」で誰かに会いに行けば、その人とちょっとだけ仲良くなって「会議パート」で協力してくれるなんてこともありますし。あちらから「同盟を結ぼう」と提案されることもあります。また、ストーリーを進めるための特殊イベントが起こるのもこの「移動パート」が多いです。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 「移動パート」が終わると、グノーシアに狙われた一人が消滅します。
 グノーシアが何人残っていたとしても、グノーシアに消滅させられるのは一人ずつです。グノーシア側は「グノーシアの数が生き残っているメンバーの半数以上に到達する」と勝利なので、グノーシアの仲間をコールドスリープさせないように立ち回りながら、乗員を一人ずつ排除していくプレイになりますね。

 そして、残ったメンバーでまた「会議パート」、コールドスリープさせる人を話し合って投票します。この繰り返し、ちょっとまとめてみましょうか。

・会議パート:自分+CPUが5回まで発言できる
→ 投票:誰か一人を「コールドスリープ」させる
→ 移動パート:誰か一人に会いに行ける
→ グノーシアの襲撃:誰か一人が「消滅」させられる

→ 会議パート:自分+CPUが5回まで発言できる
→ 投票:誰か一人を「コールドスリープ」させる
→ 移動パート:誰か一人に会いに行ける
→ グノーシアの襲撃:誰か一人が「消滅」させられる

→ これを「グノーシア全員をコールドスリープさせる」か、「グノーシアの数が生き残っているメンバーの半数以上に到達する」まで続ける


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 そして、プレイヤーが勝っても負けても、ループしてまた「1日目」の「会議パート」からやり直しになります。「誰がグノーシアか」どころか、「参加しているキャラの数」、「誰がどの役職か」などもすべてリセットされるので、前回のプレイで分かったことは次のプレイでは役に立ちません。この辺はちょっとローグライクっぽい。
 ゲームが進むと、「参加人数」「グノーシアの数」「どの役職がいるのか」「自分がどの役職なのか」を自分で設定できるようになります(「おまかせ」にもできます)。これで延々とループを繰り返しながら、CPU相手に「会議」を重ねていくゲームなんですね。

 1ループにかかる時間は長くても15分くらい、人数を減らせば10分もかからないと思います。「ワンプレイの短さ」と「毎回ちがうことの起こるリプレイ性の高さ」ゆえに、勝っても負けても「もう一度!」と遊びたくなるのは、『Splatoon』みたいな対戦ゲームのような中毒性があります。

 ジャンル的には「アドベンチャーゲーム」なのに、ゲームマインド的には「対戦ゲーム」なんですね。



 こんなカンジ。
 『人狼』を知っている人なら「まんま人狼じゃん!」と思ったかも知れません。設定をSFにして、役職名を独自のものにしていますが、中身は『人狼』そのまんまです。説明の際には分かりやすく「乗員」と「グノーシア」以外の役職名は書きませんでしたが、ゲームを進めていくと「1度に参加するキャラ数」「潜んでいるグノーシアの数」も増えて、役職もどんどん増えていきます。

 こちらも簡単にですがまとめておきますが、『人狼』を知らない人には「こんなに一度に覚えられない!」と思われるでしょう。ゲーム内ではちょっとずつ解禁されていくので、実際にゲームで遊べば覚えやすくなっていると思われます。


<乗員サイド>
※ 「グノーシア全員をコールドスリープさせる」と勝利
・乗員 (『人狼』でいう“村人、人間”)
 特に能力を持たない一般人

・エンジニア (『人狼』でいう“占い師、預言者”)
 移動パートの最後に、「その人がグノーシアかどうか」を1人だけ調べられる

・ドクター (『人狼』でいう“霊能者、霊媒師”)
 移動パートの最後に、「コールドスリープさせた人がグノーシアかどうか」を調べられる

・守護天使 (『人狼』でいう“狩人、騎士、用心棒”)
 移動パートの最後に指定した1人を、グノーシアの襲撃から守ることができる

・留守番 (『人狼』でいう“共有者、双子”)
 2人1組のセットで、それぞれがお互いを「乗員」だと認識・証明できる

<グノーシアサイド>
※ 「グノーシアの数が生き残っているメンバーの半数以上に到達する」と勝利
・グノーシア (『人狼』でいう“人狼”)
 移動パートの最後に、指定した1人を消滅させることができる

・AC主義者 (『人狼』でいう“狂人、裏切り者”)
 能力的には「乗員」だけど、グノーシアの味方で好き放題ウソをつくことができる。ただし、AC主義者は誰がグノーシアかを知らないし、グノーシアも誰がAC主義者かを知らない(なので、グノーシアから襲撃を受けて消滅することもある)

<第3陣営>
※ 「乗員サイド」及び「グノーシアサイド」が勝利条件を満たすまで生き残れば勝利
・バグ (『人狼』でいう“妖狐、狐”)
 「乗員」にとっても「グノーシア」にとっても敵。グノーシアが襲撃しても消滅しないけど、エンジニアに調べられると消滅する



 『グノーシア』に出てくる役職はこんなところ。全て『人狼』の方にもある役職ですね。

 ゲーム内のルールとして「乗員サイド」はウソをつくことが出来ず、ウソをつくことが出来るのは「グノーシア」「AC主義者」「バグ」の3役職だけです。
 例えば、「私、エンジニアです」と名乗り出た人が2人いた場合、本物のエンジニアは1人しかいないので、残りの1人は「グノーシア」「AC主義者」「バグ」のどれかってことですね。逆に言うと、「グノーシア」「AC主義者」「バグ」をあぶりだすために、エンジニアやドクターに名乗り出てもらうという手があります。



 「さっきから『人狼』『人狼』って何度も言っているけど、そもそも『人狼』って何?」という人のために、『人狼』もちょっと説明しておきましょう。
 元々はヨーロッパの伝統的なゲームに、家族や親戚などが集まった際に遊ぶ集団推理ゲームがあり(『ウインク殺人事件』『ウインクキラー』もこの一つと言われる)。それを1986年にソ連のドミトリー・ダヴィドフ氏が「市民とマフィアの抗争」という形にまとめ、『Mafia』というカードゲームが生まれます。



 この『Mafia』というゲームは世界中に広がって様々なローカルルールを生んだ後、1990年代後半になるとインターネットが普及したことでそれらのローカルルールがまとめられて、様々なバリエーションが生まれ、その中に「人間と人狼の戦い」に置き換えられたものがあったそうです。
 2000年代に入ると、そうした「人間と人狼の戦い」に置き換わったカードゲームが世界中から発売されるようになります。2001年のアメリカからは『汝は人狼なりや?』、フランスからは『ミラーズホロウの人狼』、イタリアからは『タブラの狼』―――日本における『人狼』人気はこれらのカードゲームを、コアなアナログゲーマーが輸入して遊んでいたのが始まりみたいです。

 

 これをインターネット上でも遊びたいと、2000年代中盤くらいには「チャットで遊ぶ人狼」が普及して、2010年代に入るとスマホ用アプリを使ったものも多く登場し、テレビ番組やニコニコ、YouTubeでも対戦される様子を放送するものも出てきて認知を広げていきました。


 この『グノーシア』というゲームを一言で言ってしまえば、「カードゲームやチャットなど“対人”でしか遊べなかった人狼を、“対CPU”で遊べるようにしたゲーム」なのですが―――じゃあ、このスタッフはさぞかし『人狼』が大好きなんだろうなと思いきや全然そうじゃないらしいんですね。
 色んなところのインタビューで語られていることなのですが、実際に『人狼』に参加してみたら初日にあっという間に吊るされてしまい(『グノーシア』における「コールドスリープ」)初心者なのに全然楽しめなかったそうです。それ故に「必要な人数を集めるのが大変なので気軽に遊べない」「最初から知っておかないとならない戦略が多くて初心者にはハードルが高い」「ワンプレイが長い」「早々に脱落した人にはやることがなくなる」などの問題点が分かり、それらを解消した1人用専用『人狼』ゲームとして『グノーシア』が生まれたのだと思われます。

 なるほど、『グノーシア』序盤のチュートリアルが「人数も役職も少ない状態で始まる」「プレイヤーは決して狙われない」のはそのためかと思いました。


 思えば、元々コンピューターゲームにはそういう側面もあったと思うんですね。
 例えばファミコンの『麻雀』とか、SIMPLEシリーズの『THE 麻雀』みたいなゲームは、「対戦相手も麻雀牌も必要なく、ジャラジャラという騒音も気にしないで一人で遊べる」からこそのヒットだったと思うんです。野球とかテニスとかのゲームもそうです。人数を集めて場所を借りてみたいな手間を必要とせず、「現実にあるゲーム、スポーツを手軽に1人で楽しめる」のがコンピューターゲームの魅力の一つだったと思うのです。

 しかし、1990年代後半から2000年代辺りにインターネットが普及して、それまでCPUと対戦していたそれらのゲームも「オンラインで世界中のプレイヤーと対戦しよう!」みたいな流れになってきます。麻雀だって、野球だって、テニスだって、なんならマンカラとかナインメンズモリスとかヒット&ブローとかチャイニーズチェッカーとかだってオンライン対戦できてしまう時代です。

 そんな時代に、「オンライン対戦から普及していった」と言っても過言ではない『人狼』ゲームを、逆に1人用ゲームに落とし込むというのは面白い試みだと思うんですね。『人狼』というものには興味があるけど、遊ぶためのハードルが爆上がりしているこの時代だからこそ、このゲームはヒットしたのかなぁと思うのです。

↓2↓

◇ ループするごとに強くなる「ループ作品の主人公」を体験できる
 先の項目で「このゲームはCPU相手に『人狼』を延々と遊ぶゲームだ」と書きました。短期的にはその説明がすべてなのですが、長期的な目標として「一緒に『人狼』をプレイする14人のCPUのイベントを発生させる」というものがあります。

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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 「このゲームを始めたばかりのプレイヤー=記憶を失っている主人公」は、一緒に宇宙船に乗っていて、一緒にグノーシア探しをしている14人の人となりを知りません。グノーシア探しの合間にイベントを起こすことによって、14人の生い立ちやら境遇、趣味などを知っていくことがこのゲームの長期的な目標です。

 宇宙がループするごとにみんなの記憶はリセットされて、みんなの役職も変わるのですが……このゲームの主人公であるアナタ(とセツ)だけはループしても記憶を継続できるため、みんなの素性を忘れずにいられるのです。『シュタインズ・ゲート』における「リーディングシュタイナー」のように。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 ある程度ゲームを進めると、「イベントが起こりやすい設定」に合わせてくれる「イベントサーチ」機能が使えるようになります。イベントには「乗員側でしか起こらないイベント」「グノーシア側でしか起こらないイベント」なんかがあって、様々な役職でプレイしないとすべてのイベントは見られないんですね。
 また、イベントには発生させるだけではなく特定の条件をクリアしなければならないものもあります。例えば「自分だけがグノーシアだと知っている○○をコールドスリープに追い込む」とか、「××と一緒に勝利条件を満たすまで生き残る」とか、「△△と□□を3日目まで行き残らせる」といった、特殊な条件でのプレイが求められるんですね。百回以上ループするゲームですから、これが結構なアクセントになってくれるという。



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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 また、このゲームには「育成シミュレーション」っぽい側面もあって、「勝利」しようが「敗北」しようがループするごとに経験値が溜まっていって自分を成長させられるシステムがあります(恐らく難しい条件で「勝利」した方が獲得経験値は高くなる)。
 成長させられるパラメータは「カリスマ」「直感」「ロジック」「かわいげ」「演技力」「ステルス」の6項目で、初期設定から自由に割り振りできます。平均的に成長させるか、一点突破で行くか、性格が分かれるところですね。


 んで、私……このゲームを始めたばかりの頃、「この要素いるかなー?」と思っていたんですよ。どうもこういう「自由に成長させられるシステム」だと私、自分のプレイスタイルには役立たないパラメータばかり上げて、必要なパラメータを上げずに詰むことをどのゲームでもよくやっちゃうんですね。
 この先の展開を知らないのに、何が必要かなんて分からなくないですか?

 なので、私は『グノーシア』でも序盤ほとんど勝てませんでした。自分が狙われることのないチュートリアルを除くと、勝率1割もいかないくらいで。ずっと「コイツとコイツとコイツがグノーシアだってのは分かっているのに、どうしてみんな投票してくれないんだ!」という事態に陥っていたんですね。今思うと、多分「直感」「ステルス」に振りすぎて、「カリスマ」「ロジック」が足りてなかったのでしょうけど。


 だから、このゲームを始めて数日の頃は、「みんなが絶賛しているゲームなのに、ちっとも勝てなくてつらい」と『Splatoon』みたいなことを考えていました。「俺は全てのゲームに才能がないダメダメクズ野郎なんだ、ゲームレビューなんて書く資格はないからさっさとブログなんかやめて死ねばイイんだ」と考えていました。

 でも、このゲームはそれが正しいんです。
 「何度も何度も何度も何度もループしてやりなおすループ作品の主人公」のロールプレイとしては、それが正しいんです。岡部倫太郎だって、ナツキ・スバルだって、自分の無力さに打ちひしがれたことは一度や二度じゃありませんでした。でも、敗北からのループで得たものを次のループで活かそうとするから人は成長するのです。

 『Splatoon』は500時間プレイしても上手くなりませんでしたけど、『グノーシア』は成長してくれるのです。私が、ではなく、ゲーム内の主人公が! マジでこのゲームが「負けても経験値が入るゲーム」で良かった……


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 もう一つ、先の「14人のCPUとイベントを起こすことが長期的な目標」の話と絡むのですが、このゲームには「起こすことで特殊コマンドを覚えられるイベント」があります。もちろん覚えた特殊コマンドは次のループでも使用可能です。

 例えば、↑のスクショは沙明の得意技「土下座」―――
 これを見ると「沙明から土下座を教えてもらうイベント」が発生して、主人公も覚えることが出来ます。特殊コマンドは特定のパラメータが一定以上ないと使えないものも多いのですが、その分効果の高いものも多く、立ちまわり方がガラリと変わるほどです。

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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 「ループを繰り返す主人公」がそのループの中で「一緒に宇宙船に乗っている14人と交流を深めて特殊コマンドを教えてもらい」、次のループの時はみんなはそのことを忘れているのだけど「主人公だけはその特殊コマンドを教えてもらったことを忘れていないのでその特殊コマンドを使って戦える」ってめっちゃ熱いと思うんですよ!

 14人は必ずしも味方とは限りません。
 グノーシアが何人か混じっているし、同じ陣営だったとしても性格が合わないヤツもいます。


 でも、この「仲間から教わった特殊コマンドで戦っていく」と、繰り返すループの中でこの14人と一緒に宇宙を冒険したこと、この14人と一緒に戦ったことを思い出させられるのです。「ループ作品の主人公」のロールプレイとして、これ以上ない体験でした。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 ループを繰り返して強くなるのは主人公だけではありません。
 14人のCPUもイベントを起こすとパラメータが上がるらしく、パラメータがあがると強力な特殊コマンドもガンガン使ってくるようになります。

 「俺とセツ以外は記憶を引き継いでいないはずなのに、何故……」とは思いますが、CPUと戦う『人狼』ゲームとしてはこの方がむっちゃ白熱します。キャラクターごとの個性がはっきりと出るし、とうとうコイツの本気を引き出したぜ感も出てきますし。

↓3↓

◇ このゲームの主人公は「自分」だし、キャラクターは「NPC」なんかじゃなかった
 さっきの項で私は「序盤は勝率1割もいかないくらいだった」と書きました。このゲームは勝敗がログとして残るワケではないので、実際に1割だったかは分かりませんし、体感としてそれくらいだったかなと思っただけなのですが……中盤以降、目に見えて勝てるようになった理由には「ループを繰り返してパラメータが上がった」ことと、「強力な特殊コマンドを教えてもらって立ち回り方が変わった」こと。

 そして、もう一つ、ものすごく大事なことで……
 仲間(CPU)を信じるようになった―――のが大きかったです。


 このゲームをプレイしていない人には「何を言っているんだ、仲間キャラなんて所詮はプログラムされたNPCだぞ」と思われるかも知れませんし、私も最初はそう思っていました。
 だから、「俺がグノーシアを見つけなければ」「俺がみんなを導いて見つけたグノーシアに投票をさせなければ」というプレイをしていました。各キャラの発言を振り返って、コイツはこの時こう言っていたからもしコイツがグノーシアだった場合コイツにこう言うのはおかしくて……と全部一人で考えていました。その結果、誰がグノーシアかは分かっているのに、私がコールドスリープされたりグノーシアに襲撃されたりし続ける日々でした。

 しかし、ある時「うわー、ダメだ。全然分かんねえ……お手上げだー」という回があって、テキトーに投票したら、私以外の全員が投票したキャラが見事にグノーシアで、それであっさり「勝利」したんですね。私以外のキャラクター(CPU)も生き残るために必死で、ちゃんとグノーシアを見つけようと立ちまわるので、俺がグノーシアを見つけなくてもみんながグノーシアを見つけてくれるんだと気付けたんです。


 私の中で、14人のキャラクターが「プログラムされただけのNPC」ではなく「一緒に宇宙を冒険した仲間」に変わった瞬間でした。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 このゲームのキャラクターは、ループを繰り返しているとどんどん「こういうヤツ」というのが分かってくるんです。それは単に「イベントが起こって生い立ちを説明されたから」とかじゃなくて、グノーシア探しの立ち回り方を通じて、なんとなく人となりが分かってくるんですね。

 例えば、コメットは「ウソを見破るのが超得意、だけど自分がウソをつくのは超下手」だとか、しげみちは「一瞬で見破られるウソしかつかないが、こちらがグノーシアの時も気づかずに庇ってくれるお人よし」だとか、セツは「意外とポンコツだからコイツが疑っているヤツは白なことが多い」だとか―――それぞれのキャラによって動きのクセがちがっていて、ものすごく人間くさい立ち回りをするんです。


 というのも……このゲームのキャラクターは「こういうキャラクターを作りたい!」とか「こういうストーリーを描くためにはこういうキャラを配置しなくちゃ!」とかではなく、「CPUと人狼を遊ばせるんだからこういうパラメータのキャラとこういうパラメータのキャラとこういうパラメータのキャラが必要だ」と作られたらしいんです。『人狼』ゲームでのパラメータありきでキャラクターが生まれているという。

 そのパラメータも「カリスマ」「直感」「ロジック」「かわいげ」「演技力」「ステルス」の6項目で、あとキャラごとに使える特殊コマンドがちがうくらいなんですが―――それでこんなに各キャラの立ち回りに個性が出るのだから不思議です。
 『ダビスタ』『カルチョビット』の薗部さんは「パラメータを増やすとその数値だけで結果が予測できてしまう」「いろんなタイプのキャラを少ないパラメータで再現するアルゴリズムを作るのが大事」と仰っているのですが、それに近いものを感じました。『ダビスタ』の4つに比べれば『グノーシア』の6つは多いのかも知れないけど(笑)、たった6つのパラメータで様々な個性と、様々な展開をしていくように組み込まれているんだなと。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 そして、もう一つ。
 14人のキャラクターを「一緒に宇宙を冒険した仲間」と感じられたのと同じくらい私にとっては重要なことなんですが、このゲームの主人公って「主人公というキャラクター」ではなく「私」なんですよ。何をそんな当たり前なことをと思われたかもですが、私「ゲームを遊んでいて主人公を自分だと思ったこと」がほとんどないんです。そう思いたいんだけど、そう思えないことの方が圧倒的に多いんです。

 分かりやすい例から言うと、『逆転裁判』をプレイしていて「このナルホドくんという男は俺だ!」と思いながらプレイできる人はほとんどいないと思うんですね。『逆転裁判』は「俺を動かすゲーム」ではなく「ナルホドくんというキャラを動かすゲーム」ですから。
 では、主人公の姿が見えないノベルゲーム―――『弟切草』とか『かまいたちの夜』ではどうなのかというと、それも「主人公のキャラ」がいてそのキャラの行動を選ぶというイメージでした。だって、2人っきりでドライブしたりスキーに出かけたりするイイカンジの女友達なんて俺にはいないし……

 例えば『ROOMMATE~井上涼子~』を実況した時にも何度か言っていたのですが、「主人公=自分」と思えるはずのギャルゲーであっても、主人公のセリフや地の文が、自分の思考とあまりにも離れすぎてしまっていると「主人公=自分」とは思えませんし。
 一般的に「主人公=自分」と思えると言われている『ドラゴンクエスト』シリーズでも、「主人公=自分」と思えたことは一度もないです。だって、『ドラクエ』の主人公って「はい・いいえ」しか喋らないけど、実際の俺は無茶苦茶おしゃべりだし!


 もちろん「主人公=自分」と思えないゲームがダメなゲームだって話ではありません。ここに出した例えのゲームは全部名作だと思いますし、私にとっても全部好きなゲーム……『かまいたちの夜』は発売3日後に犯人をネタバレされたのであんまり好きなゲームじゃないですが(笑)、その他は全部好きなゲームです。

 でも、「主人=自分」と思えるゲームをいつか遊んでみたい、いつか体験してみたいと思っていたのです。そういう体験をしたことがなかったから。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 では、何故この『グノーシア』というゲームが特別に「主人公=自分」と思えるゲームだったのか―――主人公に自分の名前を付けられるとか、主人公の姿が見えないとか、そういうところだけでなく。私の中で大きかったのは、「Xボタンを押すと発言が出来る」というシステムで統一されているところでした。

 「会議パート」での操作は「Xボタンで自分が発言する」「Aボタンで他人の発言を聞く」ですが、イベントシーンなんかの選択肢も「まずXボタンを押して発言をする」→ 「選択肢を選ぶ」というワンクッションが必要になります。このおかげで、「出てきた選択肢を選んでいる」のではなく「自分から率先して発言している=自分の意志で発言している」ロールプレイになっているんですね。


 正確にはそうではないんですけど、「自分の好きな時に発言できるゲーム」と思えるように作ってあって―――『ROOMMATE~井上涼子~』をプレイしていて思った「俺だったらこんなこと言わないのに」とか、『ドラゴンクエスト』をプレイしていて思う「選択肢が出るまで発言することすら許されないか」を、極力感じさせないゲームになっているのに私は感動しました。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 自由なタイミングで発言できるからこそ、「喋りすぎ」「うるさい」「黙れ」と怒られるゲーム―――すごくない?



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 ゲームを「味わったことのない体験を与えてくれるもの」と考えている人には、どうかどうかプレイして欲しい作品です。少なくとも2020年の時点で、このゲームに似たものは存在していないと思いますので。

 CPUと対戦できる『人狼』ゲームとしても、育成シミュレーションとしても、キャラクターゲームとしても、SF作品としても、それぞれの要素が上手く組み合わさった傑作で。ローグライクゲームのようなリプレイ性だったり、『Splatoon』などの対戦ゲームのような「あと一戦だけ」という中毒性も持っているゲームです。

 ホント、不思議なゲームですよ……
 こういうゲームに出会えると、「ゲームが好きで良かった」と思える作品でした。


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ニンテンドーダイレクトが来そうで来ない

 「来ない」って書いた途端に来そう、というフラグを立てるための記事。

 任天堂が今後発売するゲームなどを発表する映像「ニンテンドーダイレクト」が来なくて、ゲームファンがやきもきしています。『ポケモン剣盾』の有料DLCを発表したダイレクトはありましたが、任天堂全体のダイレクトはまだ来ていません
 ニンテンドーダイレクトが始まった2011年10月以降の動向を見ると、ほぼ毎年1~2月にニンテンドーダイレクトは来ているみたいなんですね。

<年明け1発目に公開されたニンテンドーダイレクト>
・2012年2月 Nintendo Direct 2012.2.22

・2013年1月 Wii U Direct Nintendo Games 2013.1.23
・2013年2月 Nintendo 3DS Direct 2013.2.21

・2014年2月 Nintendo Direct 2014.2.14

・2015年1月 Nintendo Direct 2015.1.14

・2016年3月 Nintendo Direct 2016.3.4

※ 2017年1月13日 Nintendo Switch プレゼンテーション 2017開催
・2017年4月 Nintendo Direct 2017.4.13

・2018年1月 Nintendo Direct mini 2018.1.11
・2018年3月 Nintendo Direct 2018.3.9

・2019年2月 Nintendo Direct 2019.2.14


 Nintendo Switch発売年の2017年は1月に大体的な発表会→ 翌日に一般向け体験会を開催したため、1~2月にニンテンドーダイレクトが公開されませんでしたし、2016年は3月4日とギリギリ1~2月に収まっていませんでしたが……その他の年は毎年のように1~2月にニンテンドーダイレクトが公開されてきました。

 任天堂の年間スケジュールは「6月のE3でその年の年末商戦の目玉タイトルをお披露目」→ 「11~12月の年末商戦で目玉タイトルを売る」ことが中心になるため、その年末商戦が終わった上半期は情報が何もなくなりがち。
 そこでニンテンドーダイレクトを公開して、春以降に発売するゲームを発表するのが慣例となっています。例えば昨年2月のニンテンドーダイレクトでは6~9月に発売された『スーパーマリオメーカー2』『ASTRAL CHAIN』『ゼルダの伝説 夢をみる島』なんかが発表されていたみたいです。


 では、今年はどうなのかというと……
 3月6日に『ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX』が株式会社ポケモンから発売され、3月20日に『あつまれ どうぶつの森』が発売されることは発表されていますが、それ以降の任天堂のNintendo Switchタイトルは発表されていません。4月後半からのゴールデンウィーク近辺は割と任天堂のタイトルが売れるので、例えば昨年・一昨年は『ニンテンドーラボ』が発売されたのですが、そこがまだ空白なんですね。

 だから、如何にもニンテンドーダイレクトが来そう。
 なのに、来ない……


 新型コロナウイルスによっていろんなものが止まってしまっているor自粛ムードがあるため、例えば用意していた映像が使えない事態になっている可能性も考えてしまうほどです。


 ちなみにこれまでに発表されている任天堂タイトルでまだ発売日が決まっていないタイトルは、『ブレスオブザワイルド』の続編、『メトロイドプライム4』、『ベヨネッタ3』、『ファミコン探偵倶楽部』、『ゼノブレイド』リメイクなどですが……昨年の例を考えるに、任天堂タイトルは「全く発表されていなかったソフトが電撃的に発表される可能性」の方が高いかなぁと思います。
 サードメーカーのソフトは『ノーモア ヒーローズ3』、『パンツァードラグーン:リメイク』、『Hollow Knight: Silksong』、『Minecraft DUNGEONS』、『DOOM Eternal』、『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター』、『天穂のサクナヒメ』、『九龍妖魔學園紀 ORIGIN OF ADVENTURE』、『Deadly Premonition 2』、『ブリガンダイン ルーナジア戦記』、『桃太郎電鉄~昭和 平成 令和も定番!~』なんかがありますね。夏までのソフトを発表するのなら、取り上げられるソフトも多そうです。


 さて……「来ない」「来ない」と書いた時こそ来るような気がしますが。
 「来るような気がします」と書いたことで、裏の裏をかいて来ないような気がしますが。
 「来ないような気がします」と書いたことで、裏の裏の裏を……


 

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