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『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の自然なチュートリアルが素晴らしい!

※ この記事はWii U/Nintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の序盤(パラセール入手まで)のネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。

 新作『ゼルダ』の良さを語るにはどうしたイイのか散々悩んだのですが、「序盤」に限定してネタバレしながら思いっきり書きますよーと開き直ることにしました。ネタバレを気にしない人、序盤はもうとっくに過ぎてしまった人が読んでくれたらイイなと思います。


 今回の『ゼルダ』は「ゼルダのアタリマエを見直す」という開発テーマで作られたことで、「オープンワールドのゲームになった」とか「自由度が上がって何でも出来るようになった」と評判です。Twitterの私のタイムラインを見ても、「メインストーリーそっちのけで狩りばっかりやっている」「サブクエストばかりやってて本来の目的を忘れた」と自由に遊んでいる人が多い印象です。発売前のプロモーションなどを見ても、「今度のゼルダは何でも出来る」部分を推しているように思えました。

 そこは間違っていないと思いますし、「自由に遊べるのは面白そうだな。俺も買ってみよう」とTwitterなどの評判を見てから買っている人も多数見かけました。「何でも出来る」からいろんな遊びをスクショや動画に撮ってみんなに見せたくなって、それを見た人が「自分でも遊びたい」と思う好循環になっていると思います。



 ただ、「自由に遊べる」という部分ばかりを強調しすぎると、「今までのゼルダとはちがうのかー」「自由度が高すぎると何をしてイイのか分からない」「オープンワールドって難しそう」と尻込みをしてプレイしていない人もいるかもなぁと思うのです。つい最近まで「オープンワールドのゲームは日本人には合わない」「日本人はレールに沿ったゲームしか出来ない」って論調がありましたしね。

 なので、「自由に遊べる」の部分はもう既に散々言われていると思うので他に任せるとして、私はちょっと毛色を変えてこのゲームが如何に「自由度が高すぎると何をしてイイのか分からない」という人のために導線をしっかり引いているのかを語ろうかなと思います。

 「ゼルダのアタリマエを見直す」という言葉が一人歩きして、今までとはまったく変わってしまったんだと手を出していない人もいるかもですが、私はやっぱりこのゲームの根本は「ゼルダらしさ」をすごく大事にしていると思っています。




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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 こちらは目覚めたリンクが洞窟から出てきた直後のスクリーンショットです。
 友人がプレイしているのを動画に録っておきました。既に×印が付いているのは、思いっきり崖に向かって飛び降りて1回死んだからなのですがそれは置いといて(笑)。

 洞窟から出ると、まずスクショ左上に映っている「たき火をしている老人」の姿が映り、あたかもこっちへ来いと誘導されているようです。道沿いに老人を目指すと、まず「木の枝」が落ちていて、それを拾うと最初の武器が手に入ります。最弱の武器ですが一応コレでゴブリンと戦えます。次に「ハイラルダケ」というキノコが生えているので、それを拾うと最初の回復アイテムが手に入ります。

 その向こうに転がせる岩があって、坂に沿って転がるのが分かり、
 老人の手前には「リンゴ」の生えている木があります。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 更に老人がしているたき火の周りには「焼きリンゴ」が落ちていて、それを拾うと老人から「リンゴは焼いて食べられる」というこのゲームのルールをなんとなく教えてもらえます。ここまでの間に手に入ったキノコやリンゴは調理して食べられるんだと自然と分かるんですね。

 その奥には「たいまつ」があって、老人のたき火の火を他に移せることが分かり、少し降りたところにその火を移せる薪があります。その横には「斧」――――ゲームが始まってすぐに現れる老人に道沿いに会いに行くだけで、これだけのアイテムが手に入るんですね。


 そして、大体の場合はそこから先に進んで初めて「敵」が出てきて、先ほどまでに手に入れていた武器や回復アイテムを使っての戦いが始まるというカンジです。
 こう説明すると、「今まで通りのゼルダだな」「普通のゲームの序盤だな」と思われるんじゃないでしょうか。「自由度が高すぎると何をしてイイのか分からない」という人のために、このゲームは「こう遊べばイイんだよ」としっかりと丁寧に導線を引いているのです。




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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 まぁ、その導線を無視していきなり崖を登ったりも出来るんですけどね!

 これは私がニコ生でプレイしていたログのスクショです。
 ニコ生経由なので画質がちょっと悪いのは勘弁してくださいな。

 もちろん私は「ゲームとしてはあの老人のところに行けってことだよな」と分かった上で、敢えて無視して崖を登りました。そしたらそこに敵がいて、でも私は順路通りに進んでいないから「木の枝」すら持っていないから戦わずに逃げて、


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 そのまま下に降りたら、丸腰のままゴブリンに襲われて大ピンチ(笑)。
 「ちゃんと順路通りに進まないから……」と思いつつも、


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 逃げ回っていたら斧が落ちていて(実際にはたき火していた老人のやつでしたが)、それを手に取った途端にゴブリンが逃げ出すという神展開に。



 ということで、今回の『ゼルダ』――――簡単に説明すると、
 「今までの『ゼルダ』のように順路通りに進んで遊ぶ」ことも出来るのだけど、「敢えてそれを無視することによって筋書きのない“自分だけのドラマ”を楽しむことも出来る」んです。

 後者の楽しみ方ばかりが取りざたされていますが、前者のような楽しみ方も出来るし、「今までのゼルダとはちがうのかー」「自由度が高すぎると何をしてイイのか分からない」「オープンワールドって難しそう」と尻込みをしている人でも楽しめるゲームなんじゃないかと思います。


 『ゼルダ』シリーズの歴史を振り返ると、
 1986年のディスクシステム用『ゼルダの伝説』(初代)は、剣も持たない状態で広大な世界に放り出されるゲームでした。説明書にLEVEL2までのダンジョンの場所が書かれているとか、友達と情報を共有して欲しかったとかってこともありますが、『ゼルダ』シリーズの中では稀有な「自由度の高いゲーム」でした。
 「文字に書かれてもよく分からん!」という人は、私が1年前にプレイしたゲーム実況が残っているのでそちらをどうぞ。


 しかし、1991年のスーパーファミコン用『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』になると、マップが岩や川などで細かく分断されていて、アイテムを取ることでそこを通れるようになるという「一本道を進むゲーム」の方向性になります(この時点ではまだ完璧な一本道ではないんですけどね)。
 例えば、最初のダンジョンで「ペガサスの靴」を取っておかないとこの道が通れないので、2つ目のダンジョンには行けないようになっている……みたいな。以後の『ゼルダ』シリーズは、基本的にはこの『神々のトライフォース』の方向性を引き継ぐことになります。


 今回の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、1991年から続いたその「ゼルダのアタリマエを見直す」ことで「一本道を進むゲーム」から「自由度の高いゲーム」に戻すことを目指されたそうです。2014年のE3の時点で、青沼さんは「初代のような広大な世界を冒険する遊びを3Dで表現する」と説明していました。




 しかしですよ。
 どうにも「自由度の高いゲームは素晴らしい」「一本道を進むゲームはダメだ」といった論調に偏りすぎているんじゃないのかと思うのです。どうして『神々のトライフォース』が自由度を捨ててまで一本道にしたかというと、「遊びやすくするため」だったはずじゃないですか。
 これは『ゼルダ』に限らず、『ドラクエ』もスーファミ時代に似たような変化をしていました。そうすることによって、攻略本がなくても、情報を交換する友達がいなくても、一人で遊んで万人がクリアまで行けて「あー、面白かった」と言えるゲームになっていったんじゃないですか。その功績を否定しちゃいかんと思うのです。

(関連記事:自由度を捨てて、『ドラクエ』や『ゼルダ』が得た“遊びやすさ”



 ということで、自由度を売りにした『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』発表当初は、正直不安の方が大きかったです。『神々のトライフォース』以降のシリーズが持っていた「遊びやすさ」が失われてしまうんじゃないのかと。


 しかし、実際に遊んでみると「次はどこどこに行け」「その次はどこどこだ」「探すのはこうやるのだ」と親切に指示してくれていて、感覚的には『神々のトライフォース』以降の『ゼルダ』に近いってむしろ思いました。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 ここからは序盤のストーリーのネタバレになりますが……
 『ブレス オブ ザ ワイルド』の最初の目的は、「まずマップに示された場所に行け」と言われます。さっきの「道に沿って進んでもイイし、いきなり崖を登ってもイイ」という話と同様に、「すぐにこの場所に行ってもイイし、寄り道としてそこらを探索してからでもイイ」のですが、この辺は『神々のトライフォース』以降の『ゼルダ』シリーズとあまり変わりないんじゃないかと思います。「そこらを探索」の、探索できるエリアがベラボウに広いだけで。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 そのポイントに着くと、今度は老人から「パラセールが欲しかったらすぐそこにある祠をクリアして来い」と言われます。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 しかし、その祠をクリアすると今度は「この始まりの台地にはあと3つ祠があるから全部クリアしろ」と言われ、その祠を探すために「望遠鏡」と「マップのピン」の使い方を教わります。


 プレイヤーのすることは「あと3つの祠」を探してクリアすることで、これが終わるとパラセールがもらえて、ようやくチュートリアルの終わりです。「チュートリアル」なんて言葉は使われていませんが、この「あと3つの祠」がどこにあるのかを探して、そこまでたどり着いて、クリアする頃には、このゲームの基本的なことをすべて学べているというチュートリアルになっているんですね。



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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 例えば、祠の一つは雪山の中にあります。
 雪山はそのまま入ると寒くてダメージを受けてしまうため、「防寒着を着る」か「体が暖かくなる食べ物を食べる」必要があります。防寒着が手に入るのは恐らく雪山の中だけだと思うので、三つの祠をクリアするためには「体が暖かくなる食べ物を食べる」ことに気づかなくてはならないんですね。



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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 そのため……導線的には「あと3つの祠」の内の1つ目と2つ目の間にある老人の小屋で、「ポカポカ草の実」と「それを使って料理をすれば雪山にも入れる」という情報が手に入るのです。つまり、このゲームにおいて「料理」という行為が非常に重要だと、雪山の祠にたどり着くまでにプレイヤーが自然と気づくようになっているのです。



 ただ、これも最初の「たき火をしている老人を無視して崖に登ってもイイ」のと同様に、この小屋に来てこの情報を手に入れる必要はありません。
 今までの「一本道ゲー」だったら、この情報を手に入れるまではこの料理が作れないみたいな仕様にしてしまっていたかも知れませんが、『ブレス オブ ザ ワイルド』はこの小屋以外で「ポカポカ草の実」を手に入れて、自分で気づいてそれを使った料理を作れればそのまま雪山に入れるのです。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 私はこの小屋とは反対の場所から雪山エリアに入ったのですが、こっちにもちゃんと「ポカポカ草の実」があるんですね。「これを使って料理を作れば雪山入れそうじゃん」と気づいた私はそのまま雪山に入り、クリアして、反対側から降りたら小屋を見つけ、入ったら「ポカポカ草の実を使った料理を作れば雪山に入れる」という情報を見つけて「知ってるわ!」となったのです(笑)。


 これも、「今までの『ゼルダ』のように順路通りに進んで遊ぶ」ことも出来るのだけど、「敢えてそれを無視することによって筋書きのない“自分だけのドラマ”を楽しむことも出来る」という一例なのかなと思います。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 ちなみに、料理のしかたは別の場所(森)で教えてもらえます。
 正直、ここの導線はちょっと弱いんじゃないかなとも思うんですけどね……森は、入らない人もいそうなので。


※ 3月15日追記
 指摘を受けて、友達のセーブデータを使って調べてみたら分かりました。「料理のしかた」は老人の小屋の前でも教えてもらえるんですね。というか、正規ルートはむしろこっちみたい。こっちに進めば木を切って丸太を橋にすることもそれとなく教えてくれます。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 んでもって、防寒着をもらう方法も一つではなく。
 小屋の日記で書かれている「ピリ辛山海焼き」を作って渡すと防寒着がもらえるんですね。私はこの日記を読まずに進んだため、ポカポカ草の実を使った料理を作って自分で食べて雪山に入って山頂で老人に出会って防寒着をもらいました。どっちのルートから進んでも「防寒着をもらうためには料理を覚えなくてはいけない」と、なっているんですねぇ。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>





 「始まりの台地」にある4つの祠はすべて「アイテム」が手に入り、祠をクリアする中で「アイテム」の使い方を自然と学べるというのも『神々のトライフォース』以降の『ゼルダ』の定番ですが。
 アイテムが活用できるのはダンジョンの中だけでなく、今まで走り回っていたフィールドでも大活躍するんだよと教えてくれるため、祠を出たすぐそこにそのアイテムが使える場所が用意されているのも『ゼルダ』らしいですね。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 マグネキャッチ入手後は、すぐそこの池に金属製の宝箱が沈んでいて。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 爆弾入手後は、目の前が爆弾で壊せる壁で。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 アイスメーカー入手後は、すぐそばの冷たい池に(マグネキャッチでは動かせない)宝箱が浮かんでいて。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 ビタロック入手後は、ビタロックを使わないと吹っ飛ばせない岩の下に宝箱があって。




 この辺は非常に『ゼルダ』っぽいですよね。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 そして、極めつけはここ。
 4つの祠をすべてクリアした後、パラセールを受け取るために老人に会うには「とある建物」の上まで登らなくてはなりません。

 そもそも最初の洞窟から出るためにはまず岩を登らないと出られなかったのですが、ひょっとしたらその後は全く壁を登らなかった人もいるかも知れないので(いるかな……)、チュートリアルの最後に「自然と壁を登らせる」操作をやらせて、このゲームは壁が登れるんだと改めて教えるのです。



 『ブレス オブ ザ ワイルド』の「始まりの台地」は、それだけで十分に自由に遊べる場所です。ゲームセンターDXで濱口さんがプレイしていたのも、このエリアの中だけで、それだけでも十分に楽しそうだったのですが。しかし、その自由に遊べる場所が、このゲームにおいて抑えなければならない基本を教えてもらえる場所になっているんですね。

 武器を手に入れること。
 回復アイテムを手に入れること。
 敵と戦うこと。
 祠を見つけること。
 ワープの方法。
 望遠鏡の使い方、マップの使い方。
 アイテムを使うこと。
 料理をすることと、その効果。
 服を着替えること。


 これらを自然と、遊びながら身につけられて、それが身について初めて先に進めるようになっているので。私はこのゲームを「非常にゼルダらしい」と思いましたし、初代『ゼルダ』以上の自由度でありながら、『神々のトライフォース』以降の遊びやすさも兼ね備えたゲームだと思いました。
 「自由度が高すぎると何をしてイイのか分からない」という人も、少なくとも序盤で何をしてイイのか分からなくなることはないと思います(強いて難しいポイントを挙げると、望遠鏡で祠を探すところくらいかな)。



 序盤以降はどうなのか?と聞かれると、私はまだ序盤なので分かりません!(笑)
 10時間くらいはプレイしているのですが、メインストーリーそっちのけで探索していたり、『1-2-Switch』のレビューを書くのに膨大な時間を費やしたり、この記事を書いたり、真実の愛を探求したり『みまもりSwitch』から1日2時間以上遊ぶと怒られたりしていて、全然進んでいません。クリアには3か月くらいは平気でかかりそうですね……

 一説によると中盤以降は「次にどこに行くのか」を教えてもらえなくなるなんてネタバレも見ましたけど、パラセール入手まで進めたような人ならば「それを自分で探す」ことも出来るようになっているんじゃないですかね。





 今にして観返してみると、『ゲームセンターDX』は序盤のチュートリアル部分をすごく丁寧に面白く見せてくれていることが分かりますね。祠の部分は省略されてますけど。
 敵の攻撃をタイミング良くかわすとスローモーションになるとか、雪山では盾をスノーボードのように出来るとかは、普通にプレイしていても分かりませんでした。ゴブリンのアジトをやっつける方法も「そういう手があったのか!」と驚くとともに、私がやった方法を濱口さんが「これやったらダメかー」と事前に気づいてやめていて、実行した私の立場がありませんでした(笑)。




 1月の体験会で青木瑠璃子さんがプレイしているのも、「序盤のプレイ」を見比べるのが面白いですね。青木さんは最初にタルを担いでいたために宝箱に気づかず、ずっと半裸のままプレイしているという(笑)。



 そうそう。
 今回の『ゼルダ』は「オートセーブ」で、道中で死んでしまったとしてもそのすぐ手前からやり直しなので気楽にプレイ出来るのですが、「任意セーブ」も出来ますし、「オートセーブ」のデータも複数残してくれるので万が一進行不能バグが発生したとしても大丈夫なようになっていますね。以前この記事に書いたように、ここが一番不安だったところなので安心してプレイできています。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の画像に文字を加えて投稿したものです>


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ゲームが下手ながらニコ生で『スーパーマリオメーカー』の実況を行っていました【跡地】

この記事は、ニコニコ生放送で行った『スーパーマリオメーカー』で応募してもらったコースの挑戦の跡地です。


<告知時の文章>
 こういう企画は1年くらい前にやっていれば盛り上がったような気もするけど!
 来週末にNintendo Switchの発売を控えた今、Wii Uを振り返る意味でも今週末(2月25日を予定)に『スーパーマリオメーカー』を実況プレイしようと思います。テストとして、生放送後のログをYouTubeにも投稿しようと考えています。


 プレイするコースは今から募集します!
 応募してもらったコースを初見で次々とプレイしていくのは、福袋の開封に近いものがあると思いますしね。自薦でも他選でも構いませんし。初期に作ったコースでも、最近作ったコースでも構いません。簡単なコースでも、難しいコースでも、アイディア満載のコースでも構いません……が、あまりに難しいコースだとズルをする可能性があるとだけ言っておきます(笑)。

 ただし、一つだけ条件が合って。
 「1-1」~「8-4」に当てはめて通してプレイするつもりなので、そのコースが「1-1」から「8-4」の32コースの中でどこに当てはまるのか指定して応募してください。このコースが実際にゲームの中に入ったらどういう役割のコースになるか考えてみるのも面白いと思うので。

WiiU_screenshot_GamePad_018DB_20170220201550ba9.jpg


<応募要項>
・私にプレイさせたい『スーパーマリオメーカー』(Wii U版)のコースを、「1-1」~「8-4」までの32コースのどこがイイのかを指定してオススメしてください
・「1-1」~「8-4」までの32コースは“早いもの順”なので、空いているところを指定してください
・応募するコースの知らせ方は、コースIDか、スーパーマリオメーカー ブックマークのURLをコメント欄に書き込んでください

・自分で作ったコースでも、他の人が作って遊んでみたら面白かったコースでも構いません
・初期に作ったコースでも、最近作ったコースでも構いません
・難易度も自由ですが、「1-1」~「8-4」までの32コースのどこに当てはまるのかは考えてください
応募は1人につき3コースまで、でお願いします

・応募締め切りは2月25日の正午とします
 ※終了しました


・正直、この時期に募集しても32コース全部は埋まらないと思うので、スカスカになったとしてもそれはそれで通してプレイします
・応募が全くなかったり、あっさり終わっちゃったりした場合、予定を変更して「兄貴から譲り受けたWiiに入っていたダウンロードソフトを遊ぶ配信」になります(笑)
・「1-1」から「8-4」まで(クリアはともかく)プレイする時間が足りなかった場合、後日ロスタイム配信をするかも知れませんし、しないかも知れません……





 動画のログは、どうやらブログを開いた際にかなり重くなってしまう原因になっているみたいなのでリストへのリンクを貼っておくことにしました。



 各ステージの紹介記事は必ず書きますが、動画をたくさん載せている『1-2-Switch』の紹介記事が恐ろしく重くて、同様に動画をたくさん載せる予定の各ステージの紹介記事も恐ろしく重くなりそうなので……その2つの記事を同時に読み込まないように、少し間をあけて書こうと思います。

| ゲーム実況 | 20:00 | comments:20 | trackbacks:0 | TOP↑

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Wii Uが完全には成しえなかった「TV画面を使わなくても遊べる据置機」を実現したNintendo Switch

 この話はNintendo Switchの発売後、実際に何週間か遊んでから書いた方がイイかとも迷ったのですが……「Wii Uの総括」として書いておかなければならないと思ったので、Nintendo Switch発売直前のこのタイミングで書きます。



◇ Wii U前の「据置ゲーム機」
 DSを遊ぶのに相応しいのは外?それとも自宅?
 据置ゲーム機のメリットって何なんだろう?

 これらの記事を書いたのは2009年3月―――
 Nintendo Switchどころか、Wii Uもまだまだ影も形もない時期の記事です。
 国内ゲーム市場の話題としては、この前の年末商戦で『Wii Music』と『街へいこうよ どうぶつの森』が振るわずにWiiが失速、PS3も『FF13』発売前でまだ浮上せず(この年の9月に値下げをして12月に『FF13』発売)、「据置ゲーム機どうすんのこれ……」という時期でした。


 家でゲームを遊ぶ場合でも、携帯ゲーム機はホント便利です。テレビを使わなくても遊べるから「テレビをつけっぱなしにして観たい番組が始まるまでの合間にプレイ」とか、画面が自由に動かせるから「ベッドで寝ころびながらのプレイ」とか、水回りにさえ気を付ければ「お風呂やトイレでのプレイ」だって可能です。
 それに比べて据置ゲーム機は、テレビに線を繋いで、テレビ画面を占拠して、テレビの前にドカッと座りながらでしか遊べませんでした。

 携帯ゲーム機と据置ゲーム機、どっちを遊ぶ?……と考えたら、携帯ゲーム機のメリットが多すぎて、据置ゲーム機は不自由極まりないじゃないか!というのが、2009年3月の記事でした。



 Wii Uが挑む相手は「据置型ゲーム機不要論」である

 そして、2011年6月にWii Uが発表されます。
 巨大な画面がドンと構えているコントローラが“顔”となり、コンセプト映像は「テレビ画面でマリオを遊んでいたけど、家族が野球を観たいと言うのでゲームパッドの画面に切り替えて続きを遊ぶ」シーンから始まりました。
 ゲームの画面を「テレビ画面」と「ゲームパッドの画面」のどちらにも自由に切り替えられることによって、据置ゲーム機でありながら“テレビを使わなくても遊べるから「テレビをつけっぱなしにして観たい番組が始まるまでの合間にプレイ」とか、画面が自由に動かせるから「ベッドで寝ころびながらのプレイ」とか、水回りにさえ気を付ければ「お風呂やトイレでのプレイ」だって可能”になると思ったのです。


<以下、セルフ引用>
 『ドラクエ』だったら「ながらレベル上げ」
 『どうぶつの森』だったら「ながら果物拾い」
 『ゼルダ』だったら「ながらミニゲーム」


 もちろんソフトによって色んな使い方があると思います。
 でも、まず僕が真っ先に嬉しかったのは、「据置型ゲーム機だと遊ぶのが苦しくなってきたソフト達」に救済の道を見せたことです。時間のかかる箇所はテレビのチャンネルを変えて液晶コントローラで「ながらプレイ」、大画面で遊びたい箇所はテレビの大画面でプレイ。

</ここまで>

 しかし、それは……今にして思えば「勝手にそう期待してしまっただけ」だったように思えます。「このゲーム機ならこんなこともこんなこともこんなことも出来ますよ」という幾つかのコンセプトの中の一つが全部そうなると思い込んで、実際に出てきたものはそうではなくて失望してしまったというか。



 実際には、Wii Uのゲームって「テレビ画面がないと遊べないゲーム」も結構あったんですよね……



◇ 発売されたWii Uの現実
 Wii Uが発売されてからの4年間で、私が「TV画面を使わないでゲームパッドの画面だけで遊んだゲーム」はそれはもうたくさんありました。
 『Wii Fit U』、『トライン2』、『ブタメダル』、『クニットアンダーグラウンド』、『役満 鳳凰』、『THE 密室からの脱出2』、『リトル インフェルノ』、『スーパーマリオメーカー』……バーチャルコンソールのソフトや、Wiiモードでのソフト、Miiverseやeショップやブラウザなどなど。

 「最初から最後までゲームパッドの画面のみで遊んだ」のではなく、例えば『スーパーマリオメーカー』は「コース作りはテレビのニュースをつけっぱなしにしてゲームパッドの画面でプレイ」して、「他の人が作ったコースに挑戦するときはテレビ画面でプレイ」というカンジに使い分けていました。
 時間のかかる作業的なところはゲームパッドの画面で、真剣にやりたいところはテレビ画面で―――と、Wii U発売前に夢みたとおりのことが出来ていました。




 しかし、こうやって“「テレビ画面」と「ゲームパッドの画面」のどちらにも自由に切り替えられる”ゲームばかりではなくて、「テレビ画面」と「ゲームパッドの画面」の二画面をフル活用したゲームは、両方の画面を使うため、テレビなしで「ゲームパッドの画面だけで遊ぶ」ということが出来なかったんですね。

 『ニンテンドーランド』の幾つかのゲーム、『レゴシティアンダーカバー』、『Splatoon』、『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』、『幻影異聞録 #FE』……私が遊んだゲームの中だけでも、これらのゲームは二画面をフル活用したゲームだったため、「ゲームパッドの画面だけで遊ぶ」ことが出来ませんでした。


 「Wii Uゲームパッドを活かしたゲーム」とは何だ?

 これは2014年2月に書いた記事です。
 Wii Uの発売が2012年12月ですから、Wii U発売から1年3か月が経過したタイミングの記事ですね。

 私はそれまで「今までのゲームがWii Uゲームパッドがあったから遊びやすくなった」のならそれは立派に「Wii Uゲームパッドを活かしたゲーム」と言えると思っていました。他機種では右スティック操作なのがWii Uならばタッチペンで操作できるとか、他機種とちがってテレビを使わないで遊べるとかが立派に魅力になると思っていました。

 しかし、任天堂自身は、「それでは新しいゲーム機を買ってはもらえない」「Wii Uでしか実現できないゲームがないと買ってもらえない」「Wii Uゲームパッドがなければ実現できないゲームがないと買ってもらえない」と考えて……そこから出てきたのが『Splatoon』や『スーパーマリオメーカー』だったんですね。
 まぁ、『Splatoon』は続編がNintendo Switchで、『スーパーマリオメーカー』は3DS版が出ているので、Wii Uゲームパッドなしでも実現できてしまっているような気もしますが(笑)。


 『Splatoon』なんかは「二画面をフル活用したゲーム」で、ゲームパッドの画面にリアルタイムの勢力図が表示されるだけでなく、「ここにトルネードを撃つ」とか「ここのビーコンにジャンプする」など大きなタッチパネルに常に勢力図が表示されていることを活かしたウェポンがありました。
 『Splatoon 2』は二画面ではなくなるので、勢力図はボタンで切り替えることで代用していますが、トルネードやビーコンは出せないためスペシャルウェポンやサブウェポンは入れ替えになるみたいですね。『Splatoon 2』が面白いゲームになることはもちろん期待していますが、『1』の上位互換というワケにはいかなくて、きっと「あー、トルネードやビーコンのあった『1』が懐かしいなー」みたいに懐古する人も出てくるんだろうなーと思います。私はどちらも使いこなせなかったので別にイイです!



 しかし、『Splatoon』のように「二画面をフル活用したゲーム」はテレビ画面を使わなければ遊べません。せっかくWii Uは「画面付きコントローラ」を持って、テレビ画面の前に拘束されることから解放されると思ったのに、「Wii Uならではのゲーム」を作ろうとしたらテレビ画面の前にまた拘束されてしまうのです。

 流石に『Splatoon』のオンライン対戦をテレビを観ながら遊ぼうとは思わなかったので『Splatoon』は別にイイのですが、『レゴシティアンダーカバー』とか『幻影異聞録 #FE』の「ブロック探し」や「ダンジョン探索」は時間がかかるのでゲームパッドの画面だけでも遊べるようにして欲しかったとも思いました。
 でも、『レゴシティアンダーカバー』も『幻影異聞録 #FE』も、「主人公が持っている端末」をWii Uゲームパッドに見立てていることで「ゲームの主人公」とプレイヤーをシンクロさせているゲームなので「Wii Uならではのゲーム」を作ろうとした結果なんですよね……『レゴシティアンダーカバー』は他機種に移植されますけど、あの演出はどうするんでしょう。


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<画像はWii Uソフト『レゴ®シティ アンダーカバー』より引用>

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>


 先日Miiverseについて“「色々な機能」を持たせたが故に、それぞれがそれぞれの足を引っ張ってしまったところが多かったと思う”という記事を書きましたが、実はWii Uゲームパッドも同様のことが言えると思うのです。

 どうしてWii Uに「画面付きのコントローラ」を付けたのかという話は、2011年のE3で公開された「社長が訊く」に詳しく書かれています。

・テレビの電源が入っていなくてもすぐに中身の情報が見られる
・だれかが家のテレビを見ていても、ゲームパッドの画面だけでも遊べる
・「相手に自分の画面を見せずに遊ぶ」と「みんなが同じ画面を見て遊ぶ」を組み合わせられる
・情報画面とゲーム画面が両方映っていることで、かなり便利に遊べるゲームがある
・テレビ画面に近づかないと見えないようなものも手元で見られる
・ジャイロセンサーが入ったのでザッパーと組み合わせられる
・文字入力が快適になる
・「自分が絵を描く画面」と「人に見せる画面」に向いているサイズはちがう


 たった1ページに「画面付きのコントローラがあればあれも出来る、これも出来る」と語られていて、宮本イズムと言われる「アイディアとは複数の問題を同時に解決するものだ」を実現させたアイディアだったと思うのですが……しかし、それらの複数の機能がお互いに干渉しあってうまく作用しなかったのはMiiverseと似ていて。


 「Wii Uゲームパッドがあれば、あれも出来る、これも出来る」という使い方の筆頭だった、「テレビ画面を使わなくてもゲームパッドの画面だけで遊べる」と「テレビ画面とゲームパッドの画面の二画面の遊びが出来る」の二つは相反していて――――

・テレビ画面を使わないでゲームパッドの画面だけで遊びたい人にとっては、『Splatoon』や『幻影異聞録』や『レゴシティアンダーカバー』がテレビ画面必須だったのが不満で、
・テレビ画面とゲームパッドの画面の二画面の遊びを期待していた人にとっては、二画面を活かしたゲームが少なかったのが不満で、

 「両方できる」ようにしたせいで、どちらの人にも不満を持たれてしまったように思うのです。




 Wii Uというゲーム機は結局のところ、「アイディアとは複数の問題を同時に解決するものだ」という考えに捉われすぎたゲーム機だったんじゃないのかと思います。




◇ そこからのNintendo Switch
 さて、ここからは未来の話です。
 Wii Uは「テレビ画面を使わなくてもゲームパッドの画面だけで遊べる」と「テレビ画面とゲームパッドの画面の二画面の遊びが出来る」の両方ができるゲーム機で、その二つが相反してしまったのですが……Nintendo Switchは「二画面の遊び」の方は切り捨てて、「テレビ画面を使わなくてもNintendo Switch本体の画面だけで遊べる」方に特化したんですね。


 もちろんWii UとNintendo Switchでは仕組みがちがいます。
 Wii Uは本体が据置ゲーム機で、そこからゲームパッドに電波を飛ばして「あたかも携帯ゲーム機のように」遊べるゲーム機でした。なので、本体からの電波が届く範囲内でしか遊べませんでした。
 Nintendo Switchは本体がタブレット端末のような板で、言ってしまえば「携帯ゲーム機そのもの」なのですが、ドッグに格納することでテレビに出力することも出来ます。だから、世界中のどこにだって持ち運んで遊べることが出来るのですが。


 想定されている遊ばれ方としては、「テレビ画面」と「Nintendo Switch本体の画面」を自由に切り替えて遊べるというものなので、Wii U発売前に私が期待した“ゲームの画面を「テレビ画面」と「ゲームパッドの画面」のどちらにも自由に切り替えられる”を引き継いでいるとも思うのですね。

 しかも、今回は「二画面の遊び」を切り捨てました。
 「二画面の遊び」がなくなってしまったことには少しの寂しさがありましたし、「二画面だからこそ遊びやすくなるゲーム」はたくさんあったろうにとは思うのですが……切り捨てたおかげで、今回は恐らくすべてのゲームが「テレビ画面」と「Nintendo Switch本体の画面」を自由に切り替えて遊べるんです。

 Wii Uでは不完全だったものが、Nintendo Switchでは完全になるのです。






 任天堂が公開しているNintendo Switchの映像やTVCMは、恐らく「Wii Uとの差別化」を図るために、「家ではテレビ画面を使って遊ぶ」「外ではNintendo Switchの画面で遊ぶ」といったカンジに家と外での使われ方を分けて見せています。


 しかし、実際に発売されて使ってみたら、私はWii Uのように「家の中でも「テレビ画面」と「Nintendo Switch本体の画面」を自由に切り替えて遊べる」ことが大きな長所になると思っています。
 “テレビを使わなくても遊べるから「テレビをつけっぱなしにして観たい番組が始まるまでの合間にプレイ」とか、画面が自由に動かせるから「ベッドで寝ころびながらのプレイ」とか、水回りにさえ気を付ければ「お風呂やトイレでのプレイ」だって可能”といった携帯ゲーム機のような使い方はもちろん。例えば、文字入力が続くところは本体を取り出してタッチパネルで文字を入力するとか、パーティゲームだったら例えば一人の人が携帯モードで(他の人に見せずに)隠したアイテムを残りの全員がテレビの大画面で探すみたいなことも出来ると思うんですね。









 2017年2月現在、任天堂が公開しているNintendo SwitchのTVCMの内の幾つかには、冒頭に「テレビ画面に映っていたゲーム画面が、ドックから本体を引き抜いた途端に本体の方に続きの画面がシームレスに移行する」シーンが入っています。任天堂の開発者のインタビューなどを見ると、この「シームレスに移行する」ことは重視していたみたいなのですが……

 この「シームレスな移行」って、単に「家ではテレビモードで遊べて、外では携帯モードで遊べる」というだけなら特に必要もない技術だと思うんですよ。TVCMのようなシチュエーションで「遊んでいたゲームを中断して外に持ち運ぼうとする」のなら、むしろスリープモードに入ってくれた方が嬉しいはずですもの(笑)。
 この「シームレスな移行」がありがたいのは、むしろ家の中で「テレビ画面」と「Nintendo Switch本体の画面」を自由に切り替えて遊ぶ時だと思うんですね。ずっとテレビ画面でゲームを遊んでいたけど、そろそろ野球の試合が始まるからNintendo Switch本体の画面に切り替えて遊びたいとか。逆に、レベル上げ作業はベッドで寝転がりながらプレイしていたけど、ボス戦に挑むときはテレビの大きな画面に切り替えて遊びたいとか。『どうぶつの森』のマイデザインのところだけ、テレビ画面からNintendo Switch本体の画面に切り替えてタッチパネルで操作したいとか。

 Wii Uのように“家の中で「テレビ画面」と「Nintendo Switch本体の画面」を自由に切り替えて遊ぶ”ことを想定しているから、「シームレスな移行」になるように作ったのだろうし、映像やTVCMで繰り返し見せているのでしょう。



 そういう意味では、Nintendo Switchは「Wii Uを否定するもの」ではなくて「Wii Uのコンセプトを正統に引き継いで完璧にしたもの」と言えると思うのです。




 「二画面の遊び」の方は切り捨ててしまいましたけどね……
 コストを考えると難しそうではあるのですが、「二画面の遊び」はスマホ連動と上手く合わせて復活しないかなーと妄想しています。例えば『幻影異聞録』はイツキ君がスマホを取り出したらWii Uゲームパッドに「イツキくんが見ているスマホの画面」が映るようになっているのですが、それを本当に「自分のスマホ」に映せるようになったら面白そうじゃないですか。

 一つ一つのゲームごとにアプリを用意するのはコストを考えると採算が取れなさそうですけど、例えば『どうぶつの森』みたいに「ゲーム機用のソフト」も「スマホ用のアプリ」も両方ヒットすることが見込めるシリーズは、「スマホ用のアプリに、ゲーム機用ソフトのセカンドスクリーンになる機能がある」みたいな仕込みができると思うんですね。


 まぁ、Wii Uの時も「Wii Uで『どうぶつの森』が発売されたらこんなことが出来るにちがいない!」と本体発売前から妄想していたら結局ソフトは出なかったので、Nintendo Switchでも『どうぶつの森』が出るかは分かりませんけどね!


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≫ EDIT

Miiverseとは何だったのか

 今年3月3日にいよいよ発売されるNintendo Switch。
 海外からの情報ではチラホラ言われていましたが、先週の4Gamer.netさんの『Splatoon2』プロデューサー野上恒さんへのインタビューで「Nintendo SwitchはMiiverseに対応していない」と明言されました。国内でこの情報が出てくるのは、恐らく初めてかな……?



【Nintendo Switch 5週連続インタビュー(1)】「Splatoon2」編。あれから2年が経った“イカの世界”で,また新たな戦いの日々が始まりそうな予感

<イカ、引用>
4Gamer「前作だとフェスのときにはMiiverseに投稿されたイラストがゲーム内でも表示されたりしていて,すごく楽しかった記憶があります。ああいった機能は用意されるのでしょうか? というか,Nintendo SwitchにMiiverseはあるんでしょうか?

野上氏「Miiverseはないんですよね……。
 ただ前作のフェスって,おっしゃるとおりMiiverseの投稿機能がうまくマッチしたんですよね。こちらから提示したお題に対して,皆さんが大喜利のように盛り上げてくださって。ああいった形で,僕らとプレイヤーの皆さんが一緒に盛り上がれるような機能を用意しようと思っています。」

</ここまで>
※ 改行・強調など一部引用者が手を加えました



 「Nintendo SwitchはMiiverseに対応していない」理由は幾つかあると思いますが、一番分かりやすいのは「Nintendo Switchは(標準では)お絵描きに向いていないから」という理由があります。

 任天堂のタッチパネル付ゲーム機はDSも3DSもWii Uも感圧式(抵抗膜方式)のシングルタッチでした。ザックリ説明すると「パネルにかけられた圧力を検知する」ため、指だろうがタッチペンだろうがつまようじだろうが、何でタッチしても反応してくれるんですね。
 一方、Nintendo Switchは一般的なスマホやタブレット端末と同じ静電容量方式のマルチタッチになると発表されています(このページの「主な仕様」参照)。これは「電流変化を感知して位置を検出する」もので、複数地点のタッチを検出できる代わりにタッチできるものが「人間の指」や「専用のタッチペン」と限られています。


 スマホやタブレット端末用のタッチペンは100円ショップなどにも売っていますが、電流変化を起こせる素材が使われていて「先が太く丸く」なっています。「同じ素材のまま細くすればイイんじゃ?」と素人目には思えてしまいますが、それだと反応が悪くなってしまうんですって。結果、こうしたタッチペンは3DSやWii Uのタッチペンよりも太くなってしまって細かい絵が描きづらいという。

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 ここまで読んで「え?スマホやタブレット端末でも、細いタッチペンを使って絵を描いている人っているよね?」と思われた人もいるかも知れません。私もApple Pencilを使っています。こういった「スマホやタブレット端末でも使える細いタッチペン」は電流変化を検出させるためにタッチペン側が電気を起こすので、電池やバッテリーを使いますし、高額になります。
 定価1万円越えのApple Pencilは極端だとしても、安価なものでもAmazonで検索したところ3000円とか5000円くらいが現在の相場みたいですね……

pensaki2-3.jpg
pensaki3.jpg

 試しにiPad Proの「メモ」アプリを使って、「100円ショップで買ってきたスマホ用のタッチペン」と「1万円したApple Pencil」で絵を描いてみました。まず「青い鉛筆」で下描きをして、その上から「黒いペン」で清書をしました。そのズレ具合から「狙ったところに線が引けるかどうか」を比較しようと思ったのですが……

 それ以前に線の太さが全然ちがくなっちゃうんですね。同じアプリの同じ「鉛筆」「ペン」というツールを使っているのに……
 「左の絵の方がイイ!」という人もいるかも知れませんが、描いた本人の手ごたえとしては「右の絵の方がイイ」と思いますし、100円ショップのタッチペンはやはり思ったところに線が引きづらい上に引っかかるような素材でイマイチでした。100倍値段がちがうということはこういうことなのか。




 閑話休題。
 Nintendo SwitchにApple Pencilのようなタッチペンを付けたら定価がその分だけ上乗せされてしまいますから、Nintendo Switchにはタッチペンが付いてきません。標準でタッチペンが付いてきたDSや3DSやWii Uと違うんですね。
 今後『絵心教室』などを出す際に専用のタッチペンを発売する可能性はゼロではありませんが、標準で付いていないということはタッチペンを持っている人・持っていない人が分かれるということですし、「みんながお絵描き出来るMiiverse」がNintendo Switchに対応していないのも仕方がないことなのかなーと思います。


 逆説的に言えば、3DSはまだまだMiiverseに対応していますし、もし仮にNintendo Switchとは別の「感圧式(抵抗膜方式)のシングルタッチの3DS後継機」が発売されることがあればそちらはMiiverseに対応するだなんてこともないこともなくはないのかも知れなくもない気もしなくもないのですが。
 Wii Uの目玉機能として立ち上げられたMiiverseが、Wii Uが生産終了してその役目を終えて、その後継機となるNintendo SwitchがMiiverseに対応していないというのだから……一つの区切りとして、ここで「Miiverseとは何だったのか」を振り返っておこうかなと思います。

Wii Uの新機能「MiiVerse」でゲームはこんなに面白くなれる!
Miiverseと『いつの間に交換日記』とTwitterの違い
Miiverseを実装した任天堂の未来は
『ファイアーエムブレム 紋章の謎』こそが「Miiverseのためのゲーム」になるだろう
Miiverseの「ネタバレ防止機能」は、もっともっと知れ渡って欲しい
サービス開始から1年が経ったMiiverseの現在は
とうとう見えたMiiverseの真価。『クニットアンダーグラウンド 』紹介


 なんせ私、Wii U発売前から発売後もずっとMiiverseについての記事を書いてきましたからね……「Miiverseとは何だったのか」をここで語っておかないといけないと思うのです。



◇ Miiverseは何のために用意された?
 Miiverseを一言で簡単に説明すると、「任天堂が自前で用意したSNS」です。

 Miiverse以前の任天堂はオンラインでのつながりを「実際に知り合っている人同士」でのみのつながりになるように、インターネット上でのやりとりしかない人とフレンドになることを推奨していなかったんですね。しかし、インターネット上でフレンドコードを交換する人は後を絶たず、(時間軸は前後しますが)出会い系のような使われ方をされたことによって『いつの間に交換日記』が終了してしまうなんて事態にもなりました。

 そのため、任天堂はMiiverseという自前のSNSを作り、「知らない人同士でも繋がれる」「ただし、何かマズイことが起こらないように通報・監視システムを徹底した」場所にしました。下ネタとか誹謗中傷はすぐに削除されますし、繰り返した人には警告がいきます。ディストピア感が満載のSNSですが、子にゲーム機を与える親御さんからの評判は良かったみたいな話は聞きますね。
 後述する「自分の活動」が終了した際、「私はTwitterなどはやっていなくてMiiverseだけなんです!これからはどこにプライベートなことを書き込めばイイんですか!」と怒っていた人がたくさんいて、「Twitterでも始めればイイんじゃ……」と私は思ったのですが(笑)、逆に考えれば他のSNSはやっていないけどMiiverseだけはやっているという人が結構いたってことなんですね。


 Miiverseの目的はもちろん「知らない人とフレンドになる」ことだけでなく、「同じゲームを遊んでいる人と繋がれる」ことが最大の目的でした。そのため遊んでいるゲームのスクリーンショットを貼り付けられて、それぞれの進行具合を共有したり、攻略情報を交換したりということが出来ました。言うなれば「そのソフト専用の掲示板」を任天堂が作って提供していたってカンジですね。

 自分の4年間の投稿を振り返ってみたら、『ニンテンドーランド』、『スーパーメトロイド』、『Wii Fit U』、『TRINE2』、『マーヴェラス』、『クニットアンダーグラウンド』、『スマブラ for Wii U』、『THE 密室からの脱出2』、『The Wonderful 101』、『U-EXPLORE』、『ガンヴォルト』、『レゴシティアンダーカバー チェイスビギンズ』で「ここはどうすればイイんですか?」とMiiverseに質問を書いて、その回答通りにプレイして突破できたという経験をしていました。
 「質問は書きこまなかったけど他の人の投稿を見てクリア出来たゲーム」もたくさんありますし、Miiverseのおかげでクリア出来たゲームの数を考えるとMiiverseのなくなるNintendo Switchで私はやっていけるのかちょっと不安になりますね……




 また、Miiverse最大の特徴は「文字入力」だけでなく「手描き入力」が出来ることでした。「手描き」が出来るということはこうやってお絵描きが出来るということで、手軽に気軽にイラストを投稿したり、イラスト職人達の芸に圧倒されたりということもありました。



splatoon14.jpg
<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

WiiU_screenshot_TV_018DB_20150918015239bb5.jpg
<写真はWii Uソフト『スーパーマリオメーカー』より引用>

 そして、Miiverseで忘れちゃいけないのは「ゲームとの連動」機能です。
 対応しているゲームは、Miiverseのページを開かなくてもゲーム内に他の人のMiiverse投稿が表示されるので、例えば『Splatoon』の「フェス」では両陣営に分かれた書き込みがそこら中に表示されたり、例えば『マリオメーカー』ならコース内の特定地点を指定して書き込みが出来たりしました。

 『Splatoon』がブームになっていた頃、Miiverseという名前も知らないような人がTwitterなどの盛り上がりに触発されたからなのか「お絵描きがしたいからWii Uと『Splatoon』を買ってきた」と言っているのを見かけた時、Miiverseが夢みた世界はココだったのかと感慨深いものがありました。



 整理しますと……Miiverseの機能には以下のようなものがあったのです。

・知らない人とも(安全な形で)繋がれるSNSの機能
・同じゲームを遊んでいる人同士で情報を共有できる掲示板の機能
・簡単・手軽にお絵描きができてそれを公開できる機能
・ゲーム内にほかの人の投稿を表示して「みんなで遊んでいる」感覚を強めてくれる機能


 一つ一つは「Twitterでやればイイじゃん」「2chでやればイイじゃん」と言われるようなものだったかも知れませんが、それを任天堂が自前で用意して、しっかりと自分達で管理して、Miiverseという一つの場所に複数の機能を持たせることで……「アイディアとは複数の問題を同時に解決するものだ」という言葉の通り、それ以前の任天堂が抱えていた問題を同時に解決しようとしたのです。

 狙いは、間違っていなかったと思います。
 Wii U発売から4年間ずーーーーーーっとMiiverseを見てきて、Miiverseがあったから楽しかったことをたくさんたくさん経験してきましたし、Miiverseがあったからこそ面白くなったゲームも『Splatoon』や『マリオメーカー』などなどたくさん見てきた自分としては、Miiverseがやろうとしていたことは正しかったと断言できます。


 しかし、「Miiverseは良かったよね」と全肯定できるかというとそうでもなく、Nintendo SwitchがMiiverseに対応しないと聞いた時に「あー、やっぱりね」と思ってしまったのも事実です。やろうとしたことは正しかったと思うのだけど、それが出来ていたかというとそうでもなかったと思うのです。



◇ Miiverseが歩んだ4年間の「変化」
 多くのインターネットサービスがそうであるように、Miiverseも日々「更新」をすることで機能が追加されたり削減されたりしました。
 その歴史を分かりやすくまとめたサイトでもないかなぁと思って検索したのですが見つからなかったので、自分で作っちゃいました。Miiverseの「運営からのお知らせ」を投稿してくれるケイさんの投稿一覧を遡って、「主な仕様変更」をまとめてみました。


・2012年11月~12月 各地域でスタート
2013年2月 各コミュニティで「プレイ済みの投稿」にしぼって表示できるようになる、ブロックしたユーザーの投稿やコメントが表示されなくなる
2013年3月 自分が「共感」した投稿の一覧が見られるようになる
2013年4月 WEBブラウザ版がスタート、この時点では閲覧とコメントのみが可能
2013年4月 手描きの際に「一つ戻す」機能の追加、手描き以外ならばゲームパッド以外のコントローラでも操作が可能になる
2013年5月 コメントにも画面写真が付けられるようになる、ブロック機能の強化
2013年5月 WEBブラウザからMiiverseへの投稿やフォローなどが出来るようになり、投稿したURLを直接貼り付ければMiiverseユーザーじゃなくても投稿が見られるようになる
2013年6月 Miiverseの投稿をFacebookやTwitterなどのSNSに共有できる機能が追加
2013年6月 1回の投稿で使える文字数が100文字から200文字に倍増
2013年9月 「ゲームに関係のない話題」が出来る「自分の活動」への投稿が可能に
2013年10月 ユーザーを探す際に「ニックネーム」から探せるようになる
2013年11月 コミュニティ内の初期表示が「プレイ済の投稿」に
2013年12月 3DSもMiiverseに対応、ユーザー数が激増して様々な問題も起こるように
2014年2月 『初音ミク Project mirai』のコミュニティに不適切な画像投稿がされたため、スクリーンショットの投稿が出来なくなる(続編では対策されて可能になった模様)
2014年3月 人気の投稿の過去ログが見られるようになる
2014年3月 「自分の活動」への投稿にもスクリーンショットが付けられるようになる
2014年5月 コメントにも「共感」が出来るようになる
2014年6月 1回の投稿で使える文字数が200文字から400文字に倍増、他の人が「共感した投稿」がみんなの活動に表示されるように
2014年6月 Miiverseの投稿をWEBサイトに埋め込めるようになる
2014年7月 文字入力をした際に「改行」が出来るようになる
2014年12月 3DSのフレンドコードを交換しようとする人が後を絶たないため、『妖怪ウォッチ2』のコミュニティではコメントが出来ないようになる
2015年2月 投稿一覧の画面にコメントの一部が表示されるようになり、おすすめユーザーが表示されるように
2015年2月 フォローしている人が最近フォローした人が表示されるように
2015年5月 みんなの活動で表示される投稿数が、一人一件ずつになる(連続投稿すると見てもらえなくなる)
2015年7月 大型リニューアル「ゲームに関係のない話題」が出来る「自分の活動」の廃止、投稿が「プレイ日記」「お絵描き」「トピック」に分かれる、アルバム機能の追加、チャット的な使い方を防止するため1日の投稿数が30までに
2015年10月 WEB版に広告が表示されるようになる
2015年10月 YouTubeコミュニティで「ゲームに関係のない話題」をする人が多いので、コメントが出来なくなる


 Miiverseの更新の歴史を振り返ってみると、2015年2月までは「SNSとしての機能を拡張させている」更新が多いように思えます。投稿できる文字数が100文字から200文字、200文字から400文字に増えたり。WEBブラウザ版のスタートや3DSへの対応、更には他SNSでの共有が出来るようになったり、他のWEBサイトに貼り付けられるようになったり。
 「正直要らんわー」という声が大多数でしたけど、「おすすめユーザー」の表示や「あなたの仲の良い人はこの人をフォローしましたよ!」と教えてくれる機能は非常にSNS的ですよね。


 しかし、その一方でMiiverseの歴史は「ゲームに関係のない話題」とどう折り合いをつけていくかの歴史であることも見えてきます。
 Miiverseは元々は「ゲームの話をしてもらう場所」として立ち上げたのだけど、YouTubeコミュニティなどに「ゲームに関係のない話題」を投稿する人が後を絶たなかったため、2013年9月に「ゲームに関係のない話題」が出来る「自分の活動」への投稿が可能になりました。今にして思えばなんですが、しっかりとマネタイズしていればMiiverseがSNSの天下を獲っていた未来もあったんじゃないかと思うんですよ。ほら、今Twitterが潰れそうになっているワケですし。

 ですが、2015年7月に「自分の活動」が廃止されます。その理由が「ゲームとは無関係な投稿がどんどん増えてきたから」って、いやいや!「ゲームとは無関係な投稿」を隔離するために「自分の活動」を作ったのに、それを廃止したらまた元の木阿弥じゃねえの!?と思いますよね。そして、案の定YouTubeコミュニティに「ゲームとは無関係な投稿」が多くなったため、2015年10月YouTubeコミュニティにコメントが出来なくなります。


 こう振り返ってみると、「Wii Uを普及させようとしていた時期」には頑張ってどんどん機能を拡張させてSNSとして充実していったのだけど、「Wii Uの早期撤退が決まった」辺りからMiiverseとしても「終わらせ方」を意識して、なるべく赤字を出さないように「投稿の制限」と「広告収入でのマネタイズ」を始めたのかなぁと邪推してしまいます。
 なので、Nintendo SwitchがMiiverseに対応しないと聞いたときに「やっぱりね」と思ったのです。



・知らない人とも(安全な形で)繋がれるSNSの機能
・同じゲームを遊んでいる人同士で情報を共有できる掲示板の機能
・簡単・手軽にお絵描きができてそれを公開できる機能
・ゲーム内にほかの人の投稿を表示して「みんなで遊んでいる」感覚を強めてくれる機能


 Miiverseには以上の4つの機能があると書きましたが、1つ目の「SNSの機能」はコレにて終わりました。
 『Miitomo』などの任天堂スマホ向けタイトルがそうであるように、Nintendo SwitchではMiiverseに対応しない代わりに「Twitterなどの既存大手のSNSで相互フォローしている人と繋がれる」仕組みになると思われます。自前でSNSを用意したWii Uとは対照的に、既にあるSNSを活用していくのだろうと。

 Miiverseに夢を見た自分としては、夢の終わりがかなり寂しいですね……



◇ Miiverseは何がダメだったのか
 しかし、「自分の活動」を廃止して「Miiverseはあくまでゲームの話題をしてもらう場所」なのだと任天堂が言うのならそれはそれで従うしかありません。SNSが本業のTwitterだって大赤字で潰れそうなのだから、同じような負担をゲームが本業の任天堂に押し付けるのもあんまりだと思います。「ゲームに関係のない話題はしないでください」と言うのなら、そうしましょう。


 ですが、私は「他の3つの機能」でMiiverseを考えてみても及第点は与えられません。「ここを直して欲しい」「最低限欲しい機能がどうしてないのか」と4年間ずっと思っていたところがたくさんありましたが、今日まで改善されることはありませんでした。それはもう、申し訳ないのだけどスタートからMiiverseの設計は間違っていたと言わざるを得ません。



× 同じゲームを遊んでいる人同士で情報を共有できる掲示板の機能
 Miiverseに何度も「ここはどうしたらイイの?助けて!」と質問をして、そのおかげでクリアできたゲームがたくさんある私ですが、Miiverseは「ゲームに詰まった人が質問を投稿する」ことを一切想定していない設計だと思っていました。


 Miiverseって「投稿の検索」が出来ないんですよ。
 例えばとあるゲームの「5面」で私が詰まったとします。過去に同じように「5面」で詰まった人がいないか確認したいのですが、それを検索する術がありません。過去にいろんな人がした投稿をスクロールして一つ一つ確認するしかないのです。

 Miiverseには「ネタバレ」を防止する機能として「この投稿はネタバレですよー」と表示を隠せる機能があるのですが、過去にいろんな人がした投稿を探す際にコレがすごくネックになります。自分は「5面」の情報を知りたいのに、「ネタバレを表示する」を押したことで「10面のラスボスが誰なのか」を知ってしまったりするのです。

 じゃあ過去ログをチェックせずに質問をすればイイじゃんと思って質問をすると、「その質問は過去に出ているのでそっちを読んでください」と怒られたり、運営のケイさんも「質問をする前に同じような質問をしている人がいないか探してください」と書いています。発売直後のゲームならともかく、発売からしばらく経ったゲームは膨大な数の投稿がされているのに?


 「攻略情報の交換」を目的とするのならあって当然な「検索機能」がない理由は分からなくもなくて。Miiverseは「手描き入力」が出来てしまうため、「文字での検索機能」を付けても投稿を網羅できないんですね。「5面の進み方が分かりません!」と文字で投稿している人は「5面」で検索して引っかかるけど、「5面の進み方が分かりません!」と手描きで投稿している人は「5面」で検索しても引っかからないのです。

 手軽に気軽にお絵描き出来るように「手描き入力機能」を付けたせいで、攻略情報の交換がしづらくなってしまった……
 しかし、2015年7月の大型リニューアルによって、質問などを投稿する「トピック」では手描き入力が出来なくなったので、「これでとうとう検索機能が追加されるのかな!」と期待したのですが2017年2月になった現在でもその機能は追加されていません。大型リニューアルの時点ではもう撤退戦に入っていて、こういう「使いやすくなる機能の追加」は出来なかったってところですかね。



 では、2015年7月の大型リニューアルで「自分の活動」を廃止してまでMiiverseが推していた「プレイ日記を付けることでゲーム体験を共有する」ことはどうだったのかというと……そのために、プレイ中のゲームをHOMEボタンを押して中断して、長い接続時間を経てMiiverseを開いて、スクショと文章を打って投稿していたら、さっきまで熱中していたゲームも冷めるわ!って思います。

 PS4とかもそうですし、Nintendo Switchでもそうですけど、スクリーンショットや動画を撮るのは「今遊んでいるゲームを中断させずに撮れる」必要があるのです。Wii Uで一番人気だった『Splatoon』なんかはメインモードがオンライン対戦だったため、その最中はHOMEボタンも押せませんしMiiverseへの投稿もできません。
 Nintendo Switchはボタン1発でスクリーンショットが撮れて、後に動画記録も出来るようになるそうですが、逆に言えばそれが出来なかったWii UのMiiverseは「やりたいことは立派だったけどそれが可能ではなかった」と言わざるを得ません。


 そもそも「プレイ日記を付けよう!」と言われても、Miiverseの投稿ってただ1列に並ぶだけで過去ログを振り返るのが超大変なんですよ。例えば「2013年の自分の投稿を振り返りたい」と思っても、ひたすら下にスクロールして読み込んで、ひたすら下にスクロールして読み込んで、を繰り返すしかありません。たくさん投稿している人はそれだけ無茶苦茶時間がかかります。
 その人がそれまでしてきた投稿の中から、「投稿された月を指定して表示できる」とか「投稿されたゲーム(コミュニティ)を指定して表示できる」みたいな、ブログだったらあって当然な機能がMiiverseにはありません。自分のゲームプレイを記録する用途にはハッキリ言ってすっごく不向きです。Miiverseを開発した「はてな」はそういうことに無関心なのかも知れませんが、「その人の投稿の中からゲーム(コミュニティ)を指定して表示できる」機能があったらほかの人の投稿一覧を眺めるのも楽しかったろうになーと思います。



× 簡単・手軽にお絵描きができてそれを公開できる機能


 では、「お絵描き掲示板」としてはどうかというと……
 これはいろんな考えがあるとは思いますが、私の好みを言えば最初から最後までずっと「横長のキャンパスは描きづらい」と思っていました。好きなキャラの絵を描きたくても、顔を描いたらもう上下が残っていないんですもの。

 「弘法筆を選ばず」のようにセンスのある人はこの横長のキャンパスの中で様々な表現をしていたので、私が「横長のキャンパスは描きづらい」と言っても「それはオマエが下手だからだ、ばーか」と言われておしまいかも知れませんが……もうちょっとキャンパスを上下に広げてくれれば描けるものも増えるのになぁとずっと思っていました。

 Miiverseが始まって4年間、様々な変更もあったのにどうしてこの「横長のキャンパス」だけは頑なに守られていたのかというと……Miiverse開始時は「文字で投稿する場合は最大文字数が100文字」「なので、フキダシはそれに合わせて横長」「手描き投稿もそのフキダシと同じ形状」となったのだと思います。
 文字での投稿は最大文字数が100文字→200文字→400文字と増えていったのですが、ゲーム内や投稿一覧の画面で表示されるのはその内の前半部分だけだったりして……


 Miiverseの最初の設計で「文字で投稿する場合は最大文字数が100文字」としたことの弊害が、その後ずーーーーっとノドに刺さった小骨のようにMiiverseを使いづらいものにしていたと思うのです。もし仮に最初から200文字にしていて、ゲーム内でも200文字表示できるようにフキダシが上下にもうちょっと広くなっていて、絵を描くキャンパスも広くなっていたら、またちがう可能性があったと思うのです。



× ゲーム内にほかの人の投稿を表示して「みんなで遊んでいる」感覚を強めてくれる機能
 これはMiiverseにしか出来なかったことで他では代用できないものだと思いますし、『Splatoon』や『スーパーマリオメーカー』の活用方法は見事でしたし、『Splatoon2』を初めとして今後出てくるゲームにもどうにかして似たような機能を入れて欲しいと思うのですけど……

 4年間を振り返れば必ずしもイイ思い出ばかりというワケでもなくて。
 「Miiverseとの連動」を無理矢理ねじ込んだようなゲームも多く、「ゲームを遊ぶとMiiverseに自動投稿されるソフトによる連続投稿」はその最たるものでした。「みんなの活動」を開いたら『Wii Fit U』で誰がどのトレーニングをしたのかがズラッと並んでいたこともありましたっけ。『ソニックロストワールド』の「このアイテムを使ってね!」とかもありました。ああいうものがタイムラインを占拠することのウザさって言ったら!


 そのため……なのかは分かりませんが、Miiverseは2015年5月から「みんなの活動」に表示される投稿を一人一件ずつに変更しました。連続投稿している人も、最新の一件しか表示されなくなったんですね。その分、たくさんの人の投稿を見られるようになったとも言えるのですが。
 「ひとつ前の投稿が見てもらえなくなった」ことにより、毎日のようにお絵描きを投稿しても「見てもらえるのは最新の一件だけ」になってしまい、私はここでかなりMiiverseへのモチベーションが下がってしまいました。Miiverseの「ゲームとの連動機能」が、Miiverseの「SNS的機能」や、Miiverseの「お絵描き掲示板的な機能」を殺してしまったというか……



 長い記事になってしまったのでそろそろまとめますが、Miiverseって「色々な機能」を持たせたが故に、それぞれがそれぞれの足を引っ張ってしまったところが多かったと思うのです。

・知らない人とも(安全な形で)繋がれるSNSの機能
← 「ゲームとの連動機能」のせいか、表示が一人一件ずつになる
← 「ゲームと関係ない話題の禁止」

・同じゲームを遊んでいる人同士で情報を共有できる掲示板の機能
← 「手描き入力」のせいで過去の投稿が検索できない
← ゲーム中断しないとスクショ撮れない上に、後から投稿を読み返すことを想定していない

・簡単・手軽にお絵描きができてそれを公開できる機能
← 「最大文字数100」の初期設計に合わせたせいで、ずっと横長のキャンパス

・ゲーム内にほかの人の投稿を表示して「みんなで遊んでいる」感覚を強めてくれる機能
……これを活かせたソフトの登場が2年遅かった



 最初から「お絵描き」と「トピック」を分けて、「トピック」を検索できるようにしておけば……
 最初から「最大文字数200文字」にしてフキダシ=キャンパスを大きくしておけば……
 最初からマネタイズをして、「自分の活動」も投稿できるSNSを目指しておけば……
 Wii Uに「ボタン1発でスクショを撮ってアルバムに保存する機能」があれば……

 やっぱりMiiverseは「最初の設計」を失敗したんじゃないかと思ってしまうのです。




◇ Nintendo Switchではどうなるのか?
 Nintendo SwitchがMiiverseに対応しないことは記事の冒頭に書きましたが、それではMiiverseが担っていた機能をNintendo Switchではどうするのかが気になります。




 以前にも紹介した『Splatoon2』に関するツイートですが、気になるのは「フレンドやSNSで招待した仲間と待ち合わせて」の部分です。SNSというのはTwitterだったりFacebookだったりのことだと思うのですが、そうした既存SNSでやり取りのある人をそのままオンラインプレイに招待できるということなんですね。

 任天堂のスマートデバイス向けアプリ『Miitomo』や『スーパーマリオラン』にもあったので、「Twitterで相互フォローになっている人にはすぐにフレンド申請が出来る」機能なんかもあるんじゃないかと思うのですが……どうでしょうね。『ファイアーエムブレムヒーローズ』ではフレンドコードを入力させられたのでちょっと不安ですが(笑)。


 まぁ、とにかく。Miiverseという「任天堂が管理している(安全な)SNS」ではなく、TwitterやFacebookといった既存SNSを活用してスクリーンショットの投稿などもそちらに投稿させるそうなので……子にゲーム機を与える親御さんの立場からの意見はどうなのかちょっと心配ですね。Twitterだと「おっぱい揉みたい。もしくは死にたい」みたいなことを言っている人がいっぱいいますから、子どもにはTwitterやらせたくないって人も多いんじゃないかと思うんですけどね。

 あと、Nintendo Switchは発売日の時点ではWEBブラウザが搭載されていないそうなので、WEBブラウザがないのにどうやってSNSに投稿するんだろうというのは気になります。まさか、microSDカードに保存して、電源切って、microSDカードを抜いてパソコンに挿して、そこからSNSに投稿する―――みたいなことではないですよね。そうではないと信じたい。私、microSDカードをまだ買っていないので!



 「お絵描き掲示板としての機能」は、冒頭にも書いたようにNintendo Switchにはタッチペンが付いていなくてお絵描きに不向きなのですが……『Splatoon2』ではMiiverseに代わる機能を用意してくれそうなので、「ゲームとの連動要素」はソフトによっては引き継いでくれるのかなと期待しています。

 「カルチョビットWEB」とか、「イカリング」とか、「スーパーマリオメーカーブックマーク」みたいに、1つ1つのソフトごとにWEBサイトを立ち上げてそこで投稿などの記録が見られる方がイイんじゃないかなとも思います。
 『Splatoon2』の「フェスでのお絵描き」も、専用サイトを立ち上げてそこに画像を投稿するみたいな方法ならそんなに難しくなく出来そうですしね。それなら各自で好きな画材を使って描けますし(手軽さはなくなっちゃいますけど)。



 しかし、ちょっと話が変わるんですけど……
 TwitterなどのSNSで「相互フォローしている人」とフレンドになれる仕組みが一般的になると、Twitterでの「相互フォロー」に意味が出てきてしまうんですよね。私は全く「相互フォロー」にこだわってこなかったので、フォロー返しとかリムーブとかを「その時の気分」でやってきたし、「相互フォローになっているかどうか」なんて気にしていなかったんですけど。今後はちゃんと考えなきゃいけないのかなーとちょっと思いました。

 まぁ、私とNintendo Switchでのオンラインフレンドになったところで、特に得もないと思いますけどね!


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【告知】12月24日(土曜日)20時頃~ニコ生で『Splatoon』のオンライン対戦を実況しました

【お知らせ】12月24日(土曜日)20時~22時くらいに、ニコニコ生放送で『Splatoon』のオンライン対戦を実況プレイしました

 1枠目
 PCがヤバイ!音がちゃんと配信されるかも不安だぞこれ!

 2枠目
 音は大丈夫っぽい!映像は分からん!

 ラスト3枠目
 残り10分切ったら切り上げて年明けから挑戦するソフトを発表します。

――書き忘れていたことを追記――
・画質が悪かったり、カクカクしちゃったりしても、オンライン対戦なので今回の配信に限っては気にせずにプレイします
・最悪の場合は「これはラジオなんだ」と思ってください
ただ漫然と対戦するだけでは盛り上がらないと思うので、生配信中の最終的な勝率が4割を切った場合は罰ゲームとしてリクエストで残り2時間でクリスマスイラストを描きます(白黒で)
・「誰かが誰かをハグしている姿」なので2キャラ、僕のキャラでもいいですし、版権キャラでもいいです
・全然関係ないキャラがハグしている絵もそれはそれで面白そうかな…
・ラスト10分は、「年明けから挑戦するソフト」の発表をします。引っぱるようなものでもないんですけど



 1年ぶりの『Splatoon』プレイです!
 フレンドの方がいらしたらお好きなように合流してください。
 フレンドじゃないけど、これを機に(2度目があるかは分かりませんが)フレンドになって一緒にプレイしたいという人は、事前にNNIDをコメント欄にでもお書きください。

 多分3枠。ひたすらレギュラーマッチをやります。「部屋があまりに強すぎて勝てない」とか「ブキ変えたい」とか「ニコ生の1枠30分になりそうだから枠移動する」とかで私が部屋から抜けて別の部屋に入ることもあると思いますが、追いかけてきてくださればありがたい。

 「なんでこんなことやるの?」みたいな話は、「続きを読む」に格納しておきます↓
 「ログ」も録画→エンコード→投稿が終わり次第に載せています!

≫ 「続きを読む」

| ゲーム実況 | 20:00 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

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どこをどうしていたら、Wii Uは成功できたのだろう

 よりによってこんな時期に荒れそうな話題をするなよと自分でも思うのですが、秋になっちゃうと恐らくNX(仮)の詳細が発表されるでしょうから、その前に「Wii Uとは何だったのか?」を書いておこうと思います。

 来年3月に予定されている任天堂の新型ゲーム機「NX(仮)」の発売までに、Wii Uの積みゲーを全部消化しようと片っ端からプレイしていて改めて思ったのですが……私にとってWii Uは「非常に満足度の高いゲーム機」でした。
 『Splatoon』に『幻影異聞録♯FE』、『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』など「Wii Uでしか遊べないゲーム体験」はとても楽しかったですし、『スマブラ』や『Wii Fit』などWiiから引き続いたゲームの新作も満足でしたし、『マリオメーカー』や『クニットアンダーグラウンド』は「ネットワークにつながってみんなで遊ぶ楽しさ」を教えてくれましたし、「Wii Uでしか遊べないゲーム」というワケではありませんでしたが『レイマンレジェンド』も『デスマッチラブコメ』も『イトル・デューの伝説』も無茶苦茶面白かったですし、『Wii Street U』には未来を感じたし『ブタメダル』は終わるのが寂しかったし、『ニンテンドーランド』は接待ゲームとしてものすごく重宝しましたし。
 Wiiソフトが安価で遊べるダウンロード版も嬉しかったし(おかげで積みゲーがすごいことに!)、バーチャルコンソールは「キーコンフィグ」と「まるごとバックアップ」でようやく完成形になった上に『MOTHER』シリーズなどWiiの時には出なかったソフトが出たのが良かったですし、Wiiモードも含めるとものすごくたくさんのゲームが遊べる夢のようなゲーム機だったと思います。


 ですが、客観的に見ればWii Uは「ビジネス的に大失敗なゲーム機」だったのは間違いなくて……
 例えば、Wii Uが発売された2012年11月(※1)からNX(仮)の発売が予定されている2017年3月までの期間は「4年5か月」と……2001年9月発売のゲームキューブから2006年11月発売のWii(※2)の「5年3か月」よりも短く、ゲームキューブ以上に短命に終わったゲーム機になってしまいました。

(※1:アメリカでの発売日。日本では2012年12月発売でした)
(※2:アメリカでの発売日。日本では2006年12月発売でした)

 サードメーカーがほとんどソフトを出さなかったことも致命的でしたが、任天堂ですら初期(2013年1月~6月)と末期(2016年5月~)にソフトをほとんど発売しない時期があって、特に末期は「任天堂ですらWii Uを見限ってNX(仮)に移行してるんだな」と分かってしまうほどでした。


 何故こんなことになってしまったのか―――
 どこでどう道を間違えてしまったのか―――

 例えば、今から私がタイムマシンを開発して2008年~2010年あたりの過去に戻って任天堂の人達にアドバイスをするのなら、何を教えればWii Uは成功したのだろうかと思うんですよ。「Wii Uは失敗だったね」というのは結果論では言えるのだけど、「あの時ああしておけば成功していた」という部分も思いつかないんです。最初からもう勝ち目のない負け戦だったんじゃないかと。
 かといって、欧米が「据置機>携帯機」の市場になっていることを考えると「Wiiの後継機は出すな!」とも言えませんし、そもそもWii Uに非常に満足していた私の立場がなくなります。Wii Uが作られなければ、『Splatoon』が生まれない世界線になっちゃいますからね。



 ということで……NX(仮)が発表される直前のこのタイミングで、「Wii Uとは何だったのか?」という私の考えをまとめておこうと思います。



1.スペックか、ギミックか
 現在、同じように据置ゲーム機を展開しているメーカーであっても「任天堂」が「ソニー(SIE)」や「マイクロソフト」とは決定的にちがうところがあります。
 2社が重視していないことを重視しているというか、それ故に2社にはない“枷”に縛られているというか。当たり前すぎるからなのか、あまり語られていないような気がするのですが、ここが任天堂にとって一番重要なところだと私は思っています。


 それは、

 
 「本体価格」です。


 任天堂の歴代の据置ゲーム機の、発売時の定価を並べてみましょう。

・ファミリーコンピュータ: 14800円
・スーパーファミコン: 25000円
・NINTENDO64: 25000円
・ゲームキューブ: 25000円
・Wii: 25000円(税込価格)


 スーパーファミコンからWiiまで、見事なまでに25000円です。
 これは、任天堂がファミリー層を大事にしていることとファミリー層からの支持が強いことが大きいのかなと思います。子どもが誕生日とかクリスマスに親やおじいちゃん・おばあちゃんにねだれるギリギリの価格というか。25000円でもねだられるのは正直キッツイと思いますけど(笑)、このラインをずっと任天堂は死守してきました。

 ゲーム画面付きコントローラを持つWii Uは流石にこのラインが死守できないんじゃないかと思われましたが、プレミアムセットとベーシックセットの2種類を用意して、ベーシックセットの税抜価格が25000円とこの価格に収めてきました。



 それでは他社はどうかというと……
 これらも日本での発売時に「一番安いモデル」の定価で。

【ソニー】
・PlayStation: 39800円
・PlayStation 2: 39800円
・PlayStation 3(20GB): 49980円
・PlayStation 4: 39980円


【マイクロソフト】
・Xbox: 34800円
・Xbox 360: 37900円
・Xbox One: 39980円


 PS3のみ飛びぬけて高いですが(しかも、60GBはもっと高かった)、基本的には4万円前後に集まっていますね。Xbox Oneは海外ではキネクト同梱版しかなくて価格が高かったのですが、半年後にキネクトを付けない安いバージョンが発売され、日本展開は更にその後だったため39980円というのは「キネクトが付かないバージョン」の価格です。



 Wiiが発売された頃、「Wiiリモコンみたいなのじゃなくて、もっとちゃんとハイスペック方面に進んでHDグラフィックのマリオとかゼルダとか出してくれたら買ったのに」と言っている人がいました。
 Wii Uに対しても、「ゲームパッドなんか要らないから、PS4やXoboxOneと同じくらいのハイスペック路線だったら買ったのに」と言っている人は最近でも見かけます。

 しかし、25000円で出せるハイスペックなんてたかが知れているじゃないですか。
 PS3は49980円ですよ。PS4やXboxOneも39980円ですよ。
 「25000円という制約」のある任天堂がスペック勝負で殴り合っても、他社に勝てるワケがないんです。

 だから、Wiiは「Wiiリモコン」というギミックで勝負したし、Wii Uは「ゲームパッド」というギミックで勝負したんです。そうするしかなかったんです。



 「いやいや、やまなしさん。64やゲームキューブは25000円だったけどスペック高かったじゃないですか」と思った人もいるかも知れませんが、それ故に64やゲームキューブは発売が遅かったのです。

【第5世代】
・セガサターン:1994年11月22日、44800円
・PlayStation:1994年12月3日、39800円
・NINTENDO64:1996年6月23日発売、25000円


 「他にもゲーム機あっただろう!3DOとかピピンとかプレイディアとか!」みたいな話は受け付けておりません。ご容赦お願いします。
 64はPSよりも1年半遅れの発売になって、当然この間にPSはソフトのラインナップを増やしていましたし、1996年2月には『FF7』のPSでの発売が発表されましたし、1年半の間に本体値下げがどんどん進んで1996年6月22日には19800円に値下げされました。64はPSよりも1年半遅い発売になったため、スペックでは優れていたとしても、PSの方がソフトがたくさん出ているし価格も安いし『FF』も出る―――と、発売日には既に勝負あった状態だったのです。


【第6世代】
・ドリームキャスト:1998年11月27日発売、29800円
・PlayStation 2:2000年3月4日、39800円
・ゲームキューブ:2001年9月14日、25000円
・Xbox:2002年2月22日、34800円


 ドリキャスについても語りたい気もしますが……今日の記事には関係がないので我慢します。
 ここでも任天堂機はPS陣営から1年半遅れで、PS2は初期はソフトがなかなかそろわなかったものの「DVD再生機能」と「PS1の互換機能」で支持を集め、2001年になってから『鬼武者』や『FF10』とミリオンセラーのソフトが連発して牙城を固めていました。64同様ゲームキューブも、発売日には既に決着がついていたような印象があります。



 最初の項目でこんなに長くなるとは思っていなかったので、そろそろまとめますが……「25000円という制約」のある任天堂が他社のハードとやりあうためには……

一.「スペック」を諦めて、「ギミック」で勝負するWii路線
二.「発売時期」を遅らせて、「価格」と「スペック」を死守する64・GC路線
三.「ファミリー層」を諦めて、本体価格を40000円前後に上げて戦う他社追随路線


 この三つの路線があって……
 Wii Uは「一」を選んだということなんですね。

 んでんでんで、NX(仮)に関しては……『ドラクエ11』や『ソニック』がマルチタイトルで発売されそうということで、PS4から三年遅れの「二」路線という見方も出来るのです。
 まぁ、PS4やXboxOneにも上位機種が噂されているので、NX(仮)が三年遅れでPS4やXboxOneに追いついたとしても、新PS4や新XboxOneにまた置いていかれるんじゃないかと思いますけどね……



2.ファミリー層か、ゲーマー層か
 Wii Uに話を戻します。
 WiiもWii Uも、「ファミリー層」から見捨てられない価格で、「シェア争い」で後退しない発売時期にするために、スペックよりもギミックで勝負するしかなかった―――というのが「1.」で語った話でした。

 Wiiはその辺をものすごく割り切っていたので、WiiリモコンやバランスWiiボードといった「ファミリー層」に受けるギミックで勝負していました。ボタンをほとんど使わない『Wii Sports』や『Wii Fit』は「普段はゲームを遊ばない人」を巻き込み、家族や友達みんなで遊べるゲーム機として支持され。比較的後期に発売された『Wii Party』でも日本で200万本以上、全世界で900万本以上売れた大ヒットになっていました。



 しかし、「ファミリー層」に受けたWiiは、どうしても「一人用のゲーム」がなかなか売れず「ゲーマー層」には支持されませんでした。少なくとも任天堂はそう考えたのでしょう。Wiiの末期はガクッと勢いを失ってしまったこともあり、Wii UはWiiとは全くちがう路線に進みます。

 「Wii Uは体感ゲーム機ではない」という任天堂のCM戦略

 初期のWii Uは「Wiiリモコンを振る操作」などの体感操作をTVCMなどには一切映さず、あくまでWii Uはボタンで遊ぶゲーム機だと見せていきました。ソフトのラインナップも『マリオ』や『ピクミン』や『The Wonderful 101』といった「一人で遊ぶゲーム」を最初の1年に投入していましたし(『マリオ』は複数人プレイも出来るけど)。
 Wii Uが初めてお披露目された2011年E3の「ソフトウェア ラインナップ映像」を観ると、「サードメーカーの暴力的なゲームがたくさん遊べますよ!」とガンガンアピールしているし、実際にWii U初期は『ゾンビU』とかプッシュしていましたものね。

 任天堂は後に「『ニンテンドーランド』が『Wii Sports』のようにならなかったのがWii Uのつまづきの原因」と言っていたと思うのですが。
 両方発売日に買った私からすると『ニンテンドーランド』はストイックな一人用のゲームが多いし、複数人協力プレイのゲームは「ヘタな人が一人でもいると即ゲームオーバーになる」ガチンコ難易度だし、『マリオチェイス』ですら十字キー使えない人には太刀打ちできないし、「どうして『Wii Sports』のようになると思った??」と言いたくなるゲームでした。まぁ、『マリオチェイス』は十字キーに初めて触った当時5歳の甥っ子でも楽しんでいたので、そこは流石だなとは思いますが……

 そもそもゲームパッドの「画面が付いているからテレビを観ながらでもゲームが遊べます」ってのは完全に「一人でゲームを遊ぶ」ことを想定していますし、「ゲームパッドがあればいつでもマップが確認できる」とか「右スティックの代わりにタッチペンが使えるのが便利」とか、「ファミリー層」よりも「ゲーマー層」に向けたギミックなんですよWii Uゲームパッドって。


 「ファミリー層」のために本体価格を25000円に抑えただろうに、
 「ゲーマー層」に向けたソフトとギミックを採用して、
 真っ先に引き入れなければならなかった「ファミリー層」をみすみす逃したのがWii Uのつまづきの最初だったと思います。


 では、任天堂が取りに行った「ゲーマー層」はどうかと言うと……
 ここまで記事で連呼しておいてアレなんですけど、「ゲーマー層」という言葉がものすごく誤解を生んでいると思うんですね。「ゲーマー層」って言われると「どんなゲームでも食わず嫌いせず、時間とお金を惜しまずにゲームを遊ぶことに全力を注ぐ人」みたいな印象になっちゃうんですが。そんな人はたくさんはいないし、そういう人達はWii UだろうがPS4だろうがXboxOneだろうが全機種ゲーム機を揃えますよ。

 「ゲーマー層」という言葉で指している人達を正確に表現するのなら、「人気シリーズのファンで続編が出たら是非遊びたい人達」の総称だと現在の私は考えています。

 例えば……数字はテキトーですけど、

・『ドラクエ』の新作が出たら是非遊びたい人が200万人
・『FF』の新作が出たら是非遊びたい人が150万人
・『バイオハザード』の新作が出たら是非遊びたい人が80万人
・『ゼルダ』の新作が出たら是非遊びたい人が50万人
・『テイルズ』の新作が出たら是非遊びたい人が40万人

 こんな風にそれぞれのシリーズに「固定ファン」がいて、もちろんその中の人は“『ドラクエ』も『FF』も遊びたい人”みたいに重なっていたりもするのですが、逆に言うと全てのシリーズを遊びたい「マスターオブ人気シリーズ」みたいな人はごく少数で。
 どのゲーム機にどの人気シリーズの新作が出るかは、この「固定ファン」を何人引っ張ってこられるかというカードの奪い合いで。任天堂がどんなに「ゲーマー層」をターゲットにしようとも、サードの人気シリーズを引っ張ってこられない限りは、「マリオの新作が出たら是非遊びたい人」と「ゼルダの新作が出たら是非遊びたい人」と「スマブラの新作が出たら是非遊びたい人」と「マリオカートの新作が出たら是非遊びたい人」くらいしか牽引できないんです。Wii Uに至っては、『ゼルダ』の新作もまだ出ていませんしね……


 つまり、「ゲーマー層」が求めているのは「自分の好きなシリーズの続編が出ること」だけなんですよ。「ゲーマー層向けのゲーム機」ってのは「人気のシリーズの続編がたくさん出るゲーム機」なんですよ。スペックとか機能とかは二の次で。
 『ドラクエ9』が出たらシリーズファンはDSを買ったし、『モンハン4』が出たらシリーズファンは3DSを買ったし。



 しかし、「スペックは二の次」とは言いましたが、Wii Uはスペックの問題でPS4やXboxOneとのマルチに対応できず「Wii Uだけ人気シリーズの続編が出ない」という状況になってしまいました。だから、「サードの人気シリーズのファン」からは見向きもされませんでした。結果的に、Wii Uは「ゲーマー層」と呼ばれる人達も逃したのです。


 ということで、「ファミリー層」と「ゲーマー層」の両方を狙いにいって、中途半端な仕様になったことでその両方を逃した―――典型的な「二兎を追う者は一兎をも得ず」なハードがWii Uだと言えるのですが。Wii Uはただ、更にややこしいことに。


 「ファミリー層」にも「ゲーマー層」にも受けた『Splatoon』という奇跡の存在があるので、話がややこしいんですよね……Wii Uというハードは「一兎をも得ず」だったのですが、『Splatoon』というソフトは「二兎を得ちゃった」というか。Wii Uが「二兎を追うハード」だったからこそ『Splatoon』は生まれたとも言えると思うんですね。「ファミリー層」に寄ったWiiでは『Splatoon』は生まれなかったのですから。

 だから、Wii Uというハードは単純に「売れなかったのだから出さなければ良かった」とも言えず、次世代に向けた土台は築いたハードだったとも言えるんです。それはまぁ、NX(仮)の詳細が発表されてから言えば良いことかも知れませんが。



3.サードメーカーがWii Uにソフトを出す未来はあったのか?
 「Wii U」と「サードメーカー」の話で絶対に語らなければならないのが、「ユービーアイソフト」の存在です。
 「ユービーアイソフト」はフランスに本社を置く大手ゲームメーカーで、『レイマン』シリーズ、『アサシンクリード』シリーズ、『ゴーストリコン』シリーズ、『スプリンターセル』シリーズ、『Just Dance』シリーズなど多くのシリーズを抱えています。

 Wiiで『Just Dance』が大ヒットしたからなのか、Wii U発売前から「ユービーアイソフト」はWii Uに力を入れていることを宣言していて、任天堂もローカライズなどをしてプッシュしていくと言っていて……『ゾンビU』や『レイマンレジェンド』など、「Wii Uゲームパッドを活かした」Wii U独占ソフトを発表していました。「社長が訊く」にも取り上げられていましたからね。

 ですが、Wii Uはスタートダッシュに失敗。ソフトの売上も低調だったことで、「ユービーアイソフト」はWii U独占を発表していた『レイマンレジェンド』を発売延期にした上に各ゲーム機で発売するマルチタイトルに変更。日本での発売は任天堂からでしたが任天堂はそれに怒ったからなのかTVCMなどは一切流さず。その後も、「ユービーアイソフト」は『Watch Dogs』の発売をWii U版だけ半年遅らせるなど……子どものケンカか!と言いたくなる遺恨が、任天堂と「ユービーアイソフト」の間に残ってしまいました。


 この話……表層だけ見ると、「Wii Uがスタートダッシュに失敗したことで、サードメーカーが離れていってしまった」と思われるかもしれません。後にそう語り継がれてしまいそうなので、リアルタイムにWii Uを見てきた一人として「そうではない」と記しておかなければならないと思うんですね。


 Wii Uがスタートダッシュに失敗したことで離れていったサードメーカーは「ユービーアイソフト」だけで、その他のサードメーカーは最初からソフトを出していない!!!!

 他のみんなは最初から応援していなかったのに、「最初は応援していたけど途中で応援をやめた人」だけを叩くのはおかしいでしょう。「ユービーアイソフト」は何も悪くない!



 だからですね……私はちょっと思うんですよ。
 もしWii Uがスタートダッシュに大成功していて、Wiiみたいに最初の1年で大きく普及していたとしたら、「ユービーアイソフト」以外のサードメーカーはWii U向けソフトを作ったのだろうか?と。だって、Wiiだってあれだけ普及させても後半ほとんどサードはソフトを作らなくなったじゃないですか。


 Wiiの時だったか3DSの時だったかWii Uの時だったかは忘れちゃいましたが、任天堂は「苦戦しているハード」も一発大逆転で息を吹き返すという例でゲームボーイ時代の『ポケットモンスター』の話を出すことがあります。あの頃のゲームボーイも市場としてはすっかり終わりかけていたのに、『ポケモン』1本(正確には2本)のヒットで市場として息を吹き返して、各サードメーカーもゲームボーイ用ソフトを次々に発売するようになった――――だから、今苦戦しているこのハードも、1本の大ヒットで変わるんだ、と言うことがあります。

 しかし、『Splatoon』が大ヒットしても、どのサードメーカーも「Wii Uでソフトが売れているみたいだからウチも出そうっと!」と動き出しませんでした。それどころか、任天堂自身ですら「『Splatoon』の次のソフト」を特に出していませんからね。
 ソフトの売上もハードの牽引力も、『ポケモン』と『Splatoon』では差があるのも確かなんですが……それ以上に、ゲームボーイとWii Uでは「1本のソフトの開発にかかる期間と費用」が全然ちがいます。他所が売れているみたいだからウチも作ってみるかーみたいな軽い気持ちでWii Uのソフトは作れんでしょう。

 ゲームボーイの時代とちがって、現在は「1本のソフトの大ヒット」でサードメーカーがソフトを作ってはくれないんです。


 だからね……例えばタイムマシンを完成させた私が2008年~2010年くらいの過去に戻って、任天堂に『Splatoon』という最高のゲームのことを正確に伝えて、任天堂自身がそれを完成させて2012年のWii U本体と同時発売で『Splatoon』を発売して100万本の大ヒットを飛ばしたとしても。そこからサードメーカーはソフトを作らないんじゃないかなぁと思うのです。特に日本のサードメーカーは。

 それは、もう「HDグラフィックの据置ゲーム機のソフト」を作れるサードメーカーが日本には数えるほどしかなくなっちゃったことと、スマホ向けや携帯ゲーム機向けの方が安く作れて多く売れるだろうことと、「HDグラフィックの据置ゲーム機のソフト」を作るのならマルチで開発しやすいPS系で出すよって理由が考えられるので……

 何をどうしてもWii Uにサードメーカーはソフトを作らなかっただろうって思いますし、「2.」の項目を思い出すとこの時点で「ゲーマー層」から支持される可能性はほぼ絶望的だったんじゃないかと思うのです。



4.携帯ゲーム機か、据置ゲーム機か
 「2.」の項目で、「人気シリーズには固定ファンがいるので、人気シリーズを引っ張ってこられると固定ファンをそのまま獲得できる」という話を書きました。それこそが「ゲーマー層」という言葉の実際の意味だろうと。

 しかし、実は「話を単純化するために敢えて端折った」こともあって。
 例えば『モンスターハンター』とか『どうぶつの森』シリーズは、「据置ゲーム機で出した時」と「携帯ゲーム機で出した時」で売上が3~4倍ちがったりします。単純に『モンハン』ファン『ぶつ森』ファンと言っても、「携帯ゲーム機だから遊ぶ人」「据置ゲーム機でも遊ぶ人」に分かれるんですね。
 Wii Uは人気シリーズの続編がほとんど出なかったから勝ちハードにはなれなかったと言えますが、Wii Uの先輩であるWiiは携帯ゲーム機なら400万本クラスを売り上げられる『モンハン』『ドラクエ』『どうぶつの森』が揃って発売されたのに、揃って100万本前後に留まったということがあったのです(前2つはオンライン有料というハンデもありましたが)。



 「携帯機なら友達同士で持ち寄って一緒に遊べる」とか、「携帯機ならテレビ画面に縛られず遊べてスリープ&復帰も素早い」とか、「そもそも携帯機の方が普及している」とか、色んな要因があるとは思うんですが……
 そうしたことを受けて、恐らくWii Uの画面付きコントローラは「携帯ゲーム機のように起動できる据置ゲーム機」を目指してああいう形になったんじゃないかと思います。


 Wii U発売前に行われた岩田さん・宮本さん・糸井さんの鼎談を読むと、そういう意図が見られます。

<以下、引用>
岩田 「はい。
 Wiiはその大きなテレビにつながって、そこにはちょっとしたスペースもできて、みんなで身体を動かしたり、わいわい遊ぶことができた。それは、自分たちで言うのもなんですが、すばらしいことだったと思います。 」

糸井「うん。」

岩田「と同時に、ちょっと失ったものもあって。
 なにかというと、リビングのテレビは家族の共有物なので、ほかの人がテレビを見るときにゲームはできないし、誰かがゲームをやっているとテレビが見られないわけです。ということは、ひとりでじっくり遊ぶタイプのものとは、じつは相性がよくなかったんですね。

糸井「うーん、それはそうですね。
 いま「それはそうですね」なんて軽く言ったけど、両方のタイプのゲームをつくってる会社としては、たいへんなジレンマですね、それは。 」

宮本「そうなんです(笑)。」

</ここまで>
※ 改行・強調などは引用者が行いました


 しかし、全てのWii Uソフトが「テレビ画面を使わなくてもゲームパッドの画面だけで遊べる」ワケではありません。その機能に対応していないソフトは相変わらず「ほかの人がテレビを見るときにゲームはできないし、誰かがゲームをやっているとテレビが見られない」し、例えば『スマッシュブラザーズ』のように大画面で遊ぶことを想定したソフトはゲームパッドの画面では小さくてよく見えなかったりしました。

 また、「ゲームパッドの画面だけで遊べる」ということは「1画面だけで遊べる」ということですから、「二画面という特徴のWii U」でなくても遊べるということで、「Wii Uゲームパッドを活かしたゲームになっていない」という批判もありました。というか、そもそも「据置機だけどテレビを使わなくても遊べるよ!」というゲームだったら、「それなら携帯機で良くない?」って話になっちゃいますからね。


 「Wii Uゲームパッドを活かしたゲーム」とは何だ?

 2014年2月の記事。
 当時の私がとてもいいことを言っているので、引用しましょう!

<以下、引用>
 Wii U最初の1年間は「今までのゲームがWii Uゲームパッドのおかげでこんなに遊びやすくなるんですよ」と提案してきたワケで、“今までのゲーム”が好きな人達の方を向いていたワケです。
 でも、2年目のWii Uは「Wii Uゲームパッドでしか実現出来ない“今までにないゲーム”が遊べるんですよ」と提案していくことになります。それは言ってしまえば、「“今までのゲーム”が好きな人達」ではなくて「“今までのゲーム”に飽き飽きしている人達」の方を向く行為であって。Wiiの時と同様に「任天堂はまたゲーマーを軽視するのか!」と言われるのは間違いありませんからね。

</ここまで>


 で、そこから生まれるのが『Splatoon』なのですが。
 『Splatoon』は「テレビ画面」と「ゲームパッドの画面」をフル活用したバリバリの据置ゲーム機のゲームです。

 Wiiはテレビ画面を占拠してしまうため、一人用のゲームが売れなかった。
 そのためWii Uはテレビ画面を占拠しないように、携帯ゲーム機みたいな画面付きコントローラを持って生まれた。そして、携帯ゲーム機のような「テレビ画面を使わなくても遊べるゲーム」をいくつも出したら、「それじゃー別に携帯ゲーム機でイイじゃん」と存在意義を否定され続け―――最終的に行き着いた答えが、「テレビ画面」をバリバリ占拠する一人用ゲーム『Splatoon』だったというのは、WiiからWii Uの流れを見続けてきた身としては驚きでした。


 つまり、据置ゲーム機には「据置ゲーム機としての魅力」が求められていたんです。
 中途半端に携帯ゲーム機っぽさを取り入れても携帯ゲーム機には勝てなかったんです。「テレビ画面を占拠」しても売れるゲームは売れるし、Wiiで一人用のゲームが売れなかったのは別に「テレビ画面を占拠するから」ではなくて「そこまで面白くなさそうだったから」なんです!


 さて、これを受けたNX(仮)の話。
 現在出てきている噂だと、「PS3よりは上だがPS4よりは下なスペックの携帯ゲーム機」で「(多分別売りの)ユニットを使うことでテレビに出力も可能」という「携帯ゲーム機と据置ゲーム機のハイブリッド路線」なのかなぁというところです。

 噂なんで……無難なところではありますよね。
 ベースは携帯ゲーム機だから『モンハン』を持ち寄って遊ぶことも可能だし、テレビを観ながら『どうぶつの森』で木の実を拾ったり『ドラクエ』でレベル上げしたりも可能。
 それでいてテレビにも出力できるなら、『Splatoon』のようにテレビ画面でプレイしないと酔いそうなゲームも遊べますし、任天堂の得意とする「ファミリー層」向けのパーティゲームも出せます。コントローラをどうするのかというところに「ギミック」がありそうな気がしますし。

 『モンハン』を始めとした、現在3DS向けにソフトを出しているシリーズやサードメーカーを引っ張ってこられれば国内シェアという点ではかなり大きいし。任天堂としても「3DS」と「Wii U」に同じシリーズをそれぞれ作らなければならないみたいなことがなくなって、開発リソースを「チャレンジブルな新作」に回せそうですし。
 Wii Uがやりたかったことを実現させる次世代機とも言えるんですね。Wii Uの失敗がNX(仮)に繋がっているというか。


 しかし、「携帯ゲーム機と据置ゲーム機のいいとこどり」は結局中途半端なまま終わってしまわないかとWii Uの顛末を知っている身としては思ってしまうし、ただの高スペック携帯ゲーム機だったら代り映えがしないでしょうし……「携帯ゲーム機と据置ゲーム機のハイブリッド路線」だからこそ実現できたゲームというものを見せてもらいたいですね。


 あくまでまだ噂なんですけど(笑)。


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 「どこをどうしていたら、Wii Uは成功できたのだろう」という記事タイトル通りに、Wii Uが失敗しなかったシナリオを逆転の発想で考えるのなら……やっぱり「ファミリー層を切り捨ててでも高価格・ハイスペック路線に進んでサードメーカーがマルチでソフトを出しやすい環境にする」「ある程度シェアが取れたら数年後に本体価格を下げてファミリー層を狙いに行く」くらいしか思いつきませんねぇ。それもリスキーな話ですが。

 しかし、もしそれでWii Uが大成功してたとしても、スペック重視路線でWii Uゲームパッドを付けていなければ『Splatoon』は出てこないでしょうし……Wii Uユーザーとしては「Wii Uが成功して『Splatoon』が生まれなかった世界線」よりか「Wii Uが失敗して『Splatoon』が生まれた世界線」の方が幸せなのでは?と思わなくもないです。株主からすればふざけんじゃねえって話でしょうが(笑)。



 ただね……「Wii Uというゲーム機なら出来たであろうこと」が碌に出来ないまま世代交代になってしまうのは残念だなぁとは思います。
 例えば『ファイアーエムブレム』とか『ファミコンウォーズ』みたいな数字情報の多いシミュレーションゲームなら、「手元の画面にステータス画面」を映しておいて「テレビ画面に大局」を映すみたいなことも出来たんじゃないかと思います。
 Wiiで出た『ウイニングイレブン プレーメーカー』みたいに複数のキャラを同時に動かすゲームは、大画面タッチパネル+複数のボタンを持ったゲームパッドに向いているんじゃないかと期待していたし。
 Wiiとちがってジャイロセンサーが標準装備されているんだから、PS3の『HEAVY RAIN』みたいにコントローラをあれこれ使わせるアドベンチャーゲームも色々出来たんじゃないかなぁと思いますね。ゲームパッドなら更にマイクやカメラやタッチパネルも付いているし、出来ることが多い!

 これらのソフトが出たからってWii Uのシェアが拡大したとは思わないんですが、Wii Uで出ることで遊びやすくなったゲームはたくさんあったと思いますし、ある程度のシェアを確保しないとこういうゲームが出てこないことを考えるとシェア争いもやっぱり大事だったんだなぁと痛感しました。
 この無念を晴らすためにも、NX(仮)には「テレビ画面とコントローラ画面の二画面の遊び」を引き継いで欲しいなぁと思います。というか、そうじゃないと『Splatoon2』は出せませんしねぇ。

| ゲーム雑記 | 17:56 | comments:13 | trackbacks:0 | TOP↑

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ゲームが下手ながら実況プレイで『スペランカー』クリアしました!【跡地】

5月15日~6月11日の間に、ニコニコ生放送でゲーム実況プレイを行い、『スぺランカー』を最初から最後までプレイしました!(1周目のみ)


【ニコニコミュニティ】ゲームが下手な人が見ている世界の生放送



<ルール>
・頑張ってクリアを目指す
・生放送の視聴者数が10人に達しなかったら、プレイヤーは「ギブアップ」出来る
・クリア出来ないまま3か月間が経過したら、プレイヤーは「ギブアップ」出来る

※ 少しルールを変えました


 この記事は「『スペランカー』の告知用の記事」でした。
 次のソフトからはまた別の記事を用意するつもりです。

スペランカー [WiiUで遊べるファミリーコンピュータソフト][オンラインコード] スペランカー [3DSで遊べるファミリーコンピュータソフト][オンラインコード]

 動画のログは↓に格納しているので、トップページから読んでいる人は「続きを読む」をクリックしてください。
 思いっきりネタバレなマップも記事の最後に載せています。

≫ 「続きを読む」

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