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こう言っちゃなんだけど、アニメよりもストーリーが面白い!『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』

 まさか、自分でもこんなにハマるとは思いませんでした。
 自分と同じようにこのゲームにさほど興味のない人の中にもハマる人はいるんじゃないかと思ったので、配信開始から2週間後のファーストインプレッション記事を書きます。


 『BanG Dream!』とは。
 ブシロードが企画している大型メディアミックス作品で、2015年1月から月刊ブシロードで連載開始された漫画を始め、担当声優さんが実際に楽器を演奏するライブや、雑誌連載、CD発売など多岐にわたって展開され、2017年1月からはテレビアニメが始まり、2017年3月からはこのスマートデバイス用アプリが配信開始されました。

 言ってしまえば「ラブライブ!のガールズバンド版」というカンジで、『ラブライブ!』が「キャラクター」と「声優さん」を連動させてアニメとライブで同じ振り付けのダンスを踊ったりするみたいに、『BanG Dream!』も「キャラクター」と「声優さん」を連動させてアニメとライブで同じ楽器を同じように演奏していくプロジェクトです。『けいおん!』でも似たような企画をしていましたが、アレをもっと本格的にやっているんですね。


 私はアニメから入った新参者ですが、そのアニメも「自分は結構好きだけどTwitterのTLを見てもあまり話題になっていないなー」と思っていました。Poppin'Party結成までを丁寧に描いたのはイイのだけど、スタートが2週遅かった上に展開を丁寧にしすぎたせいで他の作品が最終回とかのタイミングで「ようやくメンバーが揃った!」とやっていて、どうしても周回遅れ感があるために「王道ストーリー」だとちょっとキツイものがあったのかなーと思います。
 まぁ、そもそも今季は『けものフレンズ』という特大の化物が話題を独占してしまったので、他の作品はどうしようもなかったという気もしますけど……

 なので、アプリ版の配信も「自分はアニメそこそこ楽しんでいるから、ちょっと触りだけでも遊んでみるかな」くらいのテンションでダウンロードしたのでした。そしたら2週間ガッツリハマってしまい、おかげで『ゼルダ』が進まない進まない。流石のゼルダ姫もブチギレるんじゃなかろうか。


 何がそこまで面白かったのかというと、何を差し置いても「ストーリー」が面白くて、「『BanG Dream!』ってこういうことがやりたいプロジェクトだったのか!」とようやく分かったのです。

 アニメはPoppin'Partyという一つのバンドの結成を丁寧に描いたストーリーですが、アプリ版はさらにその先の話―――Poppin'Partyがバンドとして(地元では)そこそこ有名になって、他バンドとの交流なんかもあって、そうした他バンド一つ一つにもストーリーがあってキャラクター一人一人にもドラマがあって、「一つの町にいる5つのガールズバンドの群像劇」になっているんですね。アニメ版はその内の一バンドしかほとんど出てこないし、それも結成までの話をじっくり描いていたため、それがまだ分からなかったのです。


 会話シーンは昔ながらのテキストアドベンチャーのような「立ち絵」と「ボイス」と「セリフ」で構成されているのですが、Live2Dを導入しているので「立ち絵」が滑らかに動きまくるのがすごいですね。
 Live2Dが起用されたゲームは2011年からあるのですが(初が『俺妹ポータブル』で当時話題になりました)、私はLive2Dを使ったゲームは『めがみめぐり』くらいしかプレイしたことがなかったので驚きましたよ。「アニメよりキレイな絵でしっかり動くなんて!」と。

 ちなみに動画に出てくる有咲の声優さんは、『めがみめぐり』のツクモちゃんの声優さんです。



◇ ゲームシステムは
 この記事は「ゲームのファーストインプレッション」記事なので、ゲームシステムも簡単にですが解説していこうと思います。

 ゲームシステムは、ほぼ『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』(以下『スクフェス』)や、『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』(以下『デレステ』)です。
 「ガチャ」でキャラクターを手に入れ、そのキャラクターを編成して「リズムゲーム」を行い、その成績によってプレイヤーのレベルとキャラクターのレベルがそれぞれ上がっていく「育成」要素があり、レベルが上がると新しい「ストーリー」が読めるようになる―――といったサイクルのゲームです。

 『デレステ』を初めてプレイした時「『スクフェス』とほぼ同じゲームじゃねえか!」と驚いたのですが、まあ恐らく育成ソーシャルゲームでは割と普通のことなのかなと思います……独自性よりも、「どのゲームも同じような感覚でプレイできる」ことが重視されるらしいので。どの格闘ゲームも波動拳コマンドで飛び道具が出るみたいな話でしょう。


 『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』(以下『ガルパ』)も、そういう意味では『スクフェス』や『デレステ』と同じような感覚でプレイできるのですが、後発なだけあってか大胆に「ブラッシュアップされている要素」と「なくなっている要素」が取捨選択してあるなーと思いました。

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<画像は『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』より引用>

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<画像は『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』より引用>

 例えばガチャの仕様です。
 『スクフェス』の場合は「一般生勧誘」と「特待生勧誘」、『デレステ』の場合は「ローカルオーディションガシャ」と「プラチナオーディションガシャ」と、それぞれ大きく分けて2つのガチャがあります。「普通のガチャ」と「高級なガチャ」ってカンジですかね。

 前者は「1日1回だけ無条件で引ける」「引ける消費アイテムもガンガン手に入る」のだけど、基本的に一番下のランクのキャラしか手に入りません(ごく稀に一つ上のランクのキャラも出るので毎日引くのだけど……)。
 後者は「あまり手に入らない貴重な消費アイテムを使わないと引けない」し「その消費アイテムを補充するために課金させる」のだけど、その分だけある程度のランクのキャラが出ますし、最上位ランクのキャラはこっちでしか出ません。


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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 しかし、『ガルパ』には「普通のガチャ」がないんです。
 あるのは貴重なアイテムを消費して引ける「高級なガチャ」だけで、普通に引いても「ランク ☆☆」以上のキャラが、10連ガチャだと「ランク ☆☆☆」以上のキャラが1人確定で出ます。


 じゃあ、一番ランクが低い「ランク ☆」のキャラはどうやって手に入るかというと、ストーリーを読むだけで5人×5バンド=25人全員のキャラが自動的に手に入ります。「ランク ☆」のキャラは最初に全員手に入るので、ガチャをして集める必要がないんですね。

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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 また、育成ソーシャルゲームでは普通「保有できるキャラの枠が決まっている」「それを拡張するためには貴重なアイテムを使わなくちゃならない」と思うのですが、『ガルパ』は手に入ったキャラは全員保有できるそうです。ガチャでダブった「ランク ☆☆」以上のキャラは控室に送られ、このキャラは様々なアイテムに交換できるシールに変えることができます。


 つまり、どういうことかというと……
 『スクフェス』とか『デレステ』で日課としてまわしていた「普通のガチャ」って、どうせ碌なキャラが出ないし、保有できるキャラ数も決まっているから、出てきた低ランクのキャラは「育てているキャラ」と合成させて経験値の肥やしにさせるくらいしか使い道がないのです――――

 なので、『ガルパ』は最初からその「普通のガチャ」をなくしていますし、「要らないキャラ」を「育てているキャラ」に合成させて経験値が上がるみたいなシステムもありません。


 私がどうして育成ソーシャルゲームが苦手だったかというと実はここに理由があって……
 私、仲間になったキャラは全員育てないと申し訳ない気になってしまうし、経験値のために合成させて消滅させるのも可哀想って思っちゃうんです。しかも、『スクフェス』とか『デレステ』で仲間になるキャラは「アイドルになるのを夢見ている可愛い女の子」ですよ!それを「あー、低ランクだから要らね。経験値にさせよっと」とすぐに合成させるとか、それが人間が人間にすることかよ!

 しかし、全員を育てようとしても、毎日ガチャを回せてしまうから毎日新しいキャラが仲間になるし、しかもそのキャラは低ランクキャラで「育てたからといって絶対に強くならない」し、保有できるキャラ数の枠を圧迫するし、低ランク・低レベルのキャラを育てるのに忙しくて高ランク・高レベルのキャラを使う余裕がないからスコアも伸びないし、ゲーム的にはまったくメリットがありませんし面白くなくなってしまうのです。

 私が『パズドラ』も『スクフェス』も『デレステ』も『ファイアーエムブレムヒーローズ』も続かなかった理由の一つがそれなのですが、『ガルパ』はめったにキャラが増えない上に保有できる枠に制限がないしキャラを合成させる要素もありませんから、私のように「仲間になったキャラは全員育てないと申し訳ない」という人でもちゃんと全員育てられるんですね。だから、育成ソーシャルゲームが合わなかった私でも割と続けているという。



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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 あとシステム的に面白いのは、「ソーシャルゲーム」と先ほどまで書いていましたけど『ガルパ』には「フレンドリスト」の概念がないので厳密には「ソーシャルゲーム」ではないんですね。「強い人とフレンドになって、その人のキャラの力を借りる」みたいな要素が、『パズドラ』にも『スクフェス』にも『デレステ』にもあったのですが、『ガルパ』にはありません。

 代わりにあるのが、インターネット上でつながった5人で同時に同じ曲を演奏する「協力ライブ」です。といっても、リズムゲーム自体は自分一人でプレイするのですが、各人が一人ずつエース級のキャラを持ち寄って、そのキャラのスキルがガンガン飛び交うし、スコアが5人分上乗せされて報酬も豪華です。難易度はそれぞれ自分に合ったものを選んでイイので腕に自信がない人でも安心ですし、1回限りの野良でもパスワードを入力した人とだけ出来るプライベートでも可能です。

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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>


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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 上が一人ライブ、下が協力ライブの報酬アイテムです。
 同じスコアランクBの成績でも、入手できるアイテムの数が倍になっていますね。「演奏する曲が5人の中から抽選で決まる」以外にはデメリットのない仕様なので、ガンガン協力ライブをやっていった方が良いんじゃないかなと思います。

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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 チャット的なものもなく、出来るのはライブの前後に「スタンプ」を送れるくらい。
 これも使っていない人はまったく使ってこないので、インターネット協力プレイと言ってもハードルは低いんじゃないかなぁと思いますが。レギュラールームですらレベルカンスト&最高難易度でプレイしている人もたくさんいるので、自分みたいなヘタッピはおこぼれをもらい続けるみたいで申し訳ない気にはなってきますが……



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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 そう言えば、こちらが「ホーム画面」です。
 一見すると『デレステ』の「ルーム」のようですが、カスタマイズの要素はごくごく少なくて、基本的には「町にいるキャラクター達の会話を見ることが出来る」機能です。


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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 こんな風に、どの場所に誰がいて誰と会話しているのかが表示されるので、そこを開くと会話が見られるんですね。「New」となっている会話を見ると、「プレイヤーのレベル」と「会話したキャラのバンドのレベル」の経験値になります。後述しますが、これらを上げると新たなストーリーが解放されるってカンジですね。

 ホーム画面の会話は本当に他愛のない話です。
 「お弁当を忘れた」とか、「運動が好きか」とか、オチもない話が多いです。でも、それが本当にそのキャラがこの町で生活していて、どーでもイイ会話をしているのを眺めているみたいで楽しいんです。ひょっとしてこのゲーム、私が待ち望んだ「女のコと女のコがひたすらイチャイチャしているのをただ眺めるだけのゲーム」なのでは……

 まぁ、かなりのバリエーションがあるとは言え、2週間ぶっ続けで会話ばっか見ていたら流石に「New」の会話が少なくなりましたけどね。フルボイスですし会話のバリエーションに限界があるのは仕方がない。これってバージョンアップとかで追加されたりするのかなぁ……してくれたら嬉しいのだけど……


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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 その他の特徴としては、リズムゲームとしてプレイできる曲に「他のアニメ作品のカバー曲がある」ってのもありますね。これは『BanG Dream!』のオリジナル曲があまり知られていないからでしょうし、オリジナル曲はオリジナル曲で魅力的なのですが、やっぱり「有名な曲がある」というのはとっつきやすくなりますしね。


 現在までに遊べるカバー曲は以下の通り。原曲を歌っていた人・グループと、タイアップされたアニメも書いておきましょう。
・空色デイズ(中川翔子/『天元突破グレンラガン』OP)
・Alchemy(Girls Dead Monster/『Angel Beats!』劇中歌)
・光るなら(Goose house/『四月は君の嘘』OP)
・カルマ(BUMP OF CHICKEN/『テイルズ オブ ジ アビス』OP)
・Butter-Fly(和田光司/『デジモンアドベンチャー』OP)
・Don't say "lazy"(桜高軽音部/『けいおん!』ED)
・secret base ~君がくれたもの~(『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』ED)
・ドリームパレード(i☆Ris/プリパラOP)
・魂のルフラン(高橋洋子/『エヴァ 劇場版 DEATH & REBIRTH シト新生』主題歌)
・Hacking to the Gate(いとうかなこ/『STEINS;GATE』OP)
・シュガーソングとビターステップ(UNISON SQUARE GARDEN/『血界戦線』ED)
・いーあるふぁんくらぶ(みきとP feat.GUMI・鏡音リン/ボーカロイド曲)


 今後予定されているカバー曲は以下の通り。
・シルエット(KANA-BOON/『NARUTO -ナルト- 疾風伝』OP)
・そばかす(JUDY AND MARY/『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』OP)
・ETERNAL BLAZE(水樹奈々/『魔法少女リリカルなのはA's』OP)
・Little Busters!(Rita/『リトルバスターズ!』OP)


 最初から入っている曲以外は、ゲーム内の楽曲ショップで購入する必要があります(課金ではなくゲーム内で手に入るアイテムで購入する)。でも、自分の持っていない曲でも協力ライブで選ばれるとプレイ出来るみたいですね。「こんな曲あったっけ?」と思ったら、まだ買っていないだけだったという。

 チョイスとしては「アニソンでありながら、そこそこの認知度がありそうな曲を幅広い方向から選んだ」というカンジですね。『secret base』は元々アニソンじゃないですけど、『あの花』のアニメでカバーしたのを、更にカバーしているということかな。



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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 その他だと「スタミナ制ではない」のも特徴としてよく言われるのですが……
 スタミナ制のように時間回復する「ライブブースト」というシステムがあって(右上の炎のアイコン)、これがなくてもリズムゲームは遊べるのですが、これがあると経験値や報酬が5倍になるし、イベントのポイントなどは「ライブブースト」がないともらえません。「スタミナ制ではない」というよりかは、「スタミナが尽きてもリズムゲームは遊べるけど経験値や報酬が激減する」と言った方が適切じゃないかと……

 この「ライブブースト」が時間で回復するのは3つまでというのがちょっと厳しいですね。レベルが上がっても上限は変わらないみたいです。まぁ、難易度を上げても消費するのは一つだけなのはフェアだと思いますし、遊びすぎないで助かると言うことも出来なくはないのですが、イベントでランキング上位を狙おうとすると厄介なことになりそう。



◇ ストーリーは
 ここまでも長かったけど、ここからがいよいよ本題です!
 システム的にも確かに「今までの育成ソーシャルゲームの中では」私の好みではあるんですが、それだけだったらハイラルを放っておくほどハマらなかったと思います。やっぱりこの作品、「5つのバンドによるストーリー」が一番の魅力だと思います。


<Poppin'Party>
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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 一つ目のバンドはポッピンパーティ。
 アニメはこのバンドが主人公で、プロジェクトとしても「このバンドを演じる声優さんが実際に楽器を演奏する」というのが核にあるみたいです。普通の女子高生:戸山香澄がクラスメイトを中心に集めたメンバーで結成したバンドで、他のバンドと比べてみると「どこにでもいる女のコ達の、どこにでもありそうなストーリー」を等身大に描いているのが彼女たちかなぁと思います。

 故に、ちょっと地味なんですけどね……
 例えばこの手のアニメでは「メンバーの一人がものすごいお嬢様で、彼女の別荘で合宿をする」みたいな回が定番なのですが、ポッピンパーティにはそういうお嬢様なキャラっていないんですよね。質屋の孫くらい。
 髪色とかも割と「現実にありそう」な髪色で(有咲は金髪ですが)、他のバンドのピンク髪とか紫髪に比べると「アニメっぽくない」デザインだとは思います。でも、私の推しはりみりんです。お姉ちゃん大好きな妹は現実にもどこにでもいますよね!


<Roselia>
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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 二つ目のバンドはロゼリア。
 ポッピンパーティ同様こちらも「このバンドを演じる声優さんが実際に楽器を演奏する」らしいのだけど、どこにでもいそうな女のコ達だったポッピンパーティとは対照的に、こちらはものすごくストイックに頂点を目指す本格派のバンドです。
 それ故に他バンドとのやりとりは衝突することもあるのだけど、友希那は父の無念を晴らすために音楽をやっていて、紗夜は何でも自分を軽々追い抜いていく天才の妹へのコンプレックスでストイックにならざるを得ず、リサは幼馴染である友希那を放っておけなくて自分も参加して――――バンドストーリーを見ると、なんだかすごく人間くさくて、青春熱血マンガの主人公達みたいなのです。

 アプリ版のバンドストーリー序盤とほぼ同じストーリーですが、ロゼリアの物語はWEB漫画として連載もされているのでそちらから入ってもイイですね。



<Afterglow>
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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 三つ目はアフターグロウ。
 中学のクラス替えで一人別のクラスに分かれてしまった蘭のためにバンドを結成し、そのまま幼馴染5人で同じ高校に通って続けているというバンド。比較的ポッピンパーティに似たバンドで、とにかく5人が仲良しでいつもイチャイチャしています。日常アニメの主人公5人組みたいなバンドですね。

 中学の頃に結成されたバンドなため、アプリ内で読めるバンドストーリーでは結成にまつわるエピソードが出てこないみたいなのが残念。いつかどこかで公開されませんかね。



<Pastel*Palettes>
girlpa9.jpg<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 四つ目はパステルパレット。
 芸能事務所が作ったアイドルバンドで、アイドル研究生上がりの彩、有名子役だった千聖、モデルをしていたイヴ、ギタリストのオーディションで受かった日菜、ドラムがいなかったから急きょ誘われたスタジオミュージシャンの麻弥という、経歴も目的もバラバラな5人で結成されたバンドです。

 華やかな見た目と裏腹に、5つのバンドの中で唯一「ビジネスとしてバンドをしている」ため、事務所からの指示で夢と理想のギャップに苦しんだりそれぞれの思惑が交錯したりするストーリーが面白いです。女神のようなほほえみの裏で黒いものを抱えている千聖さんがイイキャラしてます。

 ポッピンパーティやアフターグロウのような「仲良し5人組」だけじゃない、こういうバンドもあるんだと見せてくれるのが個人的な好みです。



<ハロー、ハッピーワールド!>
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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 メンバーにクマがいるバンド。
 涼宮ハルヒから邪悪な心をすべて取り去ったみたいな弦巻こころが、「世界中を笑顔にしたい」と周囲を巻き込んで結成したバンドです。非常にアニメアニメしたグループ……というか、キャラ配置的にはSOS団のまんまなような気もします。

 こころ→ 涼宮ハルヒ
 花音→ 朝比奈みくる
 薫→ 古泉一樹
 はぐみ→ 鶴屋さん
 美咲→ キョン

 しかし、弦巻こころは「常識がない」という一点を除けば「世界中を笑顔にしたい」と本気で言えるくらい純粋で、実際に他者を全肯定するそのスタンスはサーバルちゃんみたいだし、人としてものすごく尊敬できる人物だと思います。「常識がない」のだけが厄介なのだけど……

 なので、ここのバンドストーリーはコメディとしてすごく楽しいです。
 ここはここでポッピンパーティとは別にアニメ化して欲しいですけど、もし仮に実現したとしても毎週30分こころの暴走を見させられるのはクッタクタになりそう(笑)。



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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 イベント限定のストーリーを除けば、このアプリのストーリーは大きく分けて3つです。

 プレイヤーのランクを上げることで新しいエピソードが解放されていく「メインストーリー」は、ポッピンパーティが他4つのバンドを誘いにいくところから始まる「バンドとバンドの垣根を超えた交流の話」です。プレイヤーのランクは、ライブをしたりホーム画面からキャラ同士の会話を見たりすると上がっていきます。


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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 「バンドストーリー」は、そのバンドに所属しているキャラを使ってライブをしたり、そのバンドに所属しているキャラの会話を見たりすると「バンドランク」が上がって見られるようになります。こちらは「バンド内の話」で、ロゼリア・パステルパレット・ハロー、ハッピーワールドの3バンドは結成からの話が読めます。


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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 キャラごとのエピソードは入手したカードごとにちがったエピソードが、恐らく「レベル1」の時と「レベルMAX」の時にアイテムを消費して読めるように出来ます。「レベルMAX」の時の消費アイテムは半端なく、「ランク ☆☆☆」や「ランク ☆☆☆☆」のキャラのエピソード解放に必要な消費アイテムはふざけんじゃねえと言いたくなるレベルでした。

 キャラごとのエピソードを読むと能力値が上がるので、メンバー編成で入れた際に「レベル1」のは解放しておいて、「レベルMAX」時の解放はお気に入りのキャラだけってカンジかなぁ。




 私がこの作品のストーリーが好きなのは、「バンド内の話」と「バンドとバンドの垣根を超えた話」の両方があることです。縦軸と横軸がしっかりあるからこそ面白いんですね。

 例えば……ポッピンパーティの香澄たちからすれば、パステルパレットの彩先輩は「同じ学校の先輩」だし「芸能人」だし尊敬の対象なのだけど。パステルパレットの「バンドストーリー」を読むと彩は苦労人なことが分かる上に、バンド内では「変なポーズを考える人」みたいな扱いだとか(笑)。


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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 ハロー、ハッピーワールドの薫さんは王子様のような外見で、りみりんとかひまりとか他のバンドのコからすると頬を赤らめてしまうような存在なのだけど……


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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 同じバンドメンバーの花音からすれば、「この人は黙ってればカッコイイのに……」と思われているとか(笑)。


 言ってしまえばこの「5バンド」……全然ちがうテイストの5つの作品の主人公たちとも言えるので、バンド間の垣根を超えて交流させると「作品の垣根を超えた交流」のような面白さがあるのです。
 流石にこの記事がアップされてから「面白そうだから自分も観てみよう」とするのは難しいと思うんですけど……3月30日までの「お花見イベント」で読めるイベント限定ストーリーは「ポッピンパーティの5人とイヴが、弦巻こころ達とお花見をする」という話で、あまりにぶっ飛んだハロー、ハッピーワルドの世界観に有咲が苦しむのがものすごく面白かったです。

 有咲はアニメの第1話からずっと出ているキャラですが、アニメだけ観ているときには有咲のここまでの魅力は分かりませんでした。他バンドのキャラとかけあわせることでこんなに面白くなるとは……『BanG Dream!』というプロジェクトは、5つのバンドのそれぞれの物語をかけあわせることで、1+1+1+1+1を5じゃなくて20にも30にもするプロジェクトだったんだなーと思いました。




 その他、この『ガルパ』というアプリは全体的に「キャラとキャラの関係性」を描くことに重点が置かれていて……ホーム画面の会話が「キャラとキャラの会話」が中心なのもそうですし、キャラ同士の関係性もバンド間を超えた関係性を考えて配置してあるなーと思います。

 ポッピンパーティの沙綾の家がやっているパン屋に、アフターグロウのモカが常連として通っているとか。
 パステルパレットの千聖さんは、ハロー、ハッピーワルドの薫さんと幼馴染で、だからこそ煙たがっているとか。
 ロゼリアの紗夜とパステルパレットの日菜はどちらもギターをやっている双子の姉妹。妹の日菜はお姉ちゃんが大好きなのでお姉ちゃんがやることを何でもマネするのだけど、何をするのにも才能がありすぎてすぐにお姉ちゃんを追い抜いてしまうため、姉の紗夜はギターだけは負けるワケにはいかないとストイックになってしまって日菜のことを敬遠している――――とか。何この「凡人の姉と、天才の妹」って構図!俺の大好きなヤツやないか!


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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 リズムゲームとしては「上から降ってくる譜面に合わせて5か所をタップしたりスライドしたりする」という『デレステ』のまんまなんですが、特徴としてはスキルを発動した際にキャラのセリフとカットインが入ることで。この時、メンバーの組み合わせが特定の組み合わせになると「○○!頼んだ!」→「うん!任せろ!」みたいな掛け合いが起こって『スパロボ』みたいな熱さがあります。

 基本は「同じバンドのメンバー」同士を入れると掛け合いしやすいのですが、「バンドとバンドの垣根を超えた関係性」のキャラを入れても掛け合いが起こるのが面白いです。協力ライブで、たまたま他の人が使っていた紗夜と日菜が揃ったときはクソ熱かった!



 逆に、例えば『デレステ』(というか『アイマス』シリーズ)のような「プレイヤー(プロデューサー)とキャラの関係性」みたいなものはほとんど描かれません。一応「メインストーリー」なんかにはプレイヤーが存在するのですが、本当にただ傍観しているだけだし、フルボイスがただそこだけ途切れるので違和感ありあり。
 こんなんだったらプレイヤーの存在はストーリーに登場させずに、ただただ「女のコと女のコがイチャイチャしているのを眺めるだけ」に徹した方が良かったんじゃないかと思いますが……


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<画像は『BanG Dream!ガールズバンドパーティ!』より引用>

 まぁ、有咲から名指しで気持ち悪がられたから、これを御褒美とするか……





 私は元々「終わりのないゲーム」や「クリアまでが長いゲーム」が苦手なので、このアプリもいつまで続けるのかは正直分からないのですが……「メインストーリー」と「バンドストーリー」の結末を見たいので、そこを目標にプレイしようと思っています。「イベントのストーリー」も「お花見イベント」がものすごく面白かったので、次にも期待したいのだけど、あまり続くとこっちの身が持たないからなぁ……(笑)。

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『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の自然なチュートリアルが素晴らしい!

※ この記事はWii U/Nintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の序盤(パラセール入手まで)のネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。

 新作『ゼルダ』の良さを語るにはどうしたイイのか散々悩んだのですが、「序盤」に限定してネタバレしながら思いっきり書きますよーと開き直ることにしました。ネタバレを気にしない人、序盤はもうとっくに過ぎてしまった人が読んでくれたらイイなと思います。


 今回の『ゼルダ』は「ゼルダのアタリマエを見直す」という開発テーマで作られたことで、「オープンワールドのゲームになった」とか「自由度が上がって何でも出来るようになった」と評判です。Twitterの私のタイムラインを見ても、「メインストーリーそっちのけで狩りばっかりやっている」「サブクエストばかりやってて本来の目的を忘れた」と自由に遊んでいる人が多い印象です。発売前のプロモーションなどを見ても、「今度のゼルダは何でも出来る」部分を推しているように思えました。

 そこは間違っていないと思いますし、「自由に遊べるのは面白そうだな。俺も買ってみよう」とTwitterなどの評判を見てから買っている人も多数見かけました。「何でも出来る」からいろんな遊びをスクショや動画に撮ってみんなに見せたくなって、それを見た人が「自分でも遊びたい」と思う好循環になっていると思います。



 ただ、「自由に遊べる」という部分ばかりを強調しすぎると、「今までのゼルダとはちがうのかー」「自由度が高すぎると何をしてイイのか分からない」「オープンワールドって難しそう」と尻込みをしてプレイしていない人もいるかもなぁと思うのです。つい最近まで「オープンワールドのゲームは日本人には合わない」「日本人はレールに沿ったゲームしか出来ない」って論調がありましたしね。

 なので、「自由に遊べる」の部分はもう既に散々言われていると思うので他に任せるとして、私はちょっと毛色を変えてこのゲームが如何に「自由度が高すぎると何をしてイイのか分からない」という人のために導線をしっかり引いているのかを語ろうかなと思います。

 「ゼルダのアタリマエを見直す」という言葉が一人歩きして、今までとはまったく変わってしまったんだと手を出していない人もいるかもですが、私はやっぱりこのゲームの根本は「ゼルダらしさ」をすごく大事にしていると思っています。




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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 こちらは目覚めたリンクが洞窟から出てきた直後のスクリーンショットです。
 友人がプレイしているのを動画に録っておきました。既に×印が付いているのは、思いっきり崖に向かって飛び降りて1回死んだからなのですがそれは置いといて(笑)。

 洞窟から出ると、まずスクショ左上に映っている「たき火をしている老人」の姿が映り、あたかもこっちへ来いと誘導されているようです。道沿いに老人を目指すと、まず「木の枝」が落ちていて、それを拾うと最初の武器が手に入ります。最弱の武器ですが一応コレでゴブリンと戦えます。次に「ハイラルダケ」というキノコが生えているので、それを拾うと最初の回復アイテムが手に入ります。

 その向こうに転がせる岩があって、坂に沿って転がるのが分かり、
 老人の手前には「リンゴ」の生えている木があります。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 更に老人がしているたき火の周りには「焼きリンゴ」が落ちていて、それを拾うと老人から「リンゴは焼いて食べられる」というこのゲームのルールをなんとなく教えてもらえます。ここまでの間に手に入ったキノコやリンゴは調理して食べられるんだと自然と分かるんですね。

 その奥には「たいまつ」があって、老人のたき火の火を他に移せることが分かり、少し降りたところにその火を移せる薪があります。その横には「斧」――――ゲームが始まってすぐに現れる老人に道沿いに会いに行くだけで、これだけのアイテムが手に入るんですね。


 そして、大体の場合はそこから先に進んで初めて「敵」が出てきて、先ほどまでに手に入れていた武器や回復アイテムを使っての戦いが始まるというカンジです。
 こう説明すると、「今まで通りのゼルダだな」「普通のゲームの序盤だな」と思われるんじゃないでしょうか。「自由度が高すぎると何をしてイイのか分からない」という人のために、このゲームは「こう遊べばイイんだよ」としっかりと丁寧に導線を引いているのです。




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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 まぁ、その導線を無視していきなり崖を登ったりも出来るんですけどね!

 これは私がニコ生でプレイしていたログのスクショです。
 ニコ生経由なので画質がちょっと悪いのは勘弁してくださいな。

 もちろん私は「ゲームとしてはあの老人のところに行けってことだよな」と分かった上で、敢えて無視して崖を登りました。そしたらそこに敵がいて、でも私は順路通りに進んでいないから「木の枝」すら持っていないから戦わずに逃げて、


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 そのまま下に降りたら、丸腰のままゴブリンに襲われて大ピンチ(笑)。
 「ちゃんと順路通りに進まないから……」と思いつつも、


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 逃げ回っていたら斧が落ちていて(実際にはたき火していた老人のやつでしたが)、それを手に取った途端にゴブリンが逃げ出すという神展開に。



 ということで、今回の『ゼルダ』――――簡単に説明すると、
 「今までの『ゼルダ』のように順路通りに進んで遊ぶ」ことも出来るのだけど、「敢えてそれを無視することによって筋書きのない“自分だけのドラマ”を楽しむことも出来る」んです。

 後者の楽しみ方ばかりが取りざたされていますが、前者のような楽しみ方も出来るし、「今までのゼルダとはちがうのかー」「自由度が高すぎると何をしてイイのか分からない」「オープンワールドって難しそう」と尻込みをしている人でも楽しめるゲームなんじゃないかと思います。


 『ゼルダ』シリーズの歴史を振り返ると、
 1986年のディスクシステム用『ゼルダの伝説』(初代)は、剣も持たない状態で広大な世界に放り出されるゲームでした。説明書にLEVEL2までのダンジョンの場所が書かれているとか、友達と情報を共有して欲しかったとかってこともありますが、『ゼルダ』シリーズの中では稀有な「自由度の高いゲーム」でした。
 「文字に書かれてもよく分からん!」という人は、私が1年前にプレイしたゲーム実況が残っているのでそちらをどうぞ。


 しかし、1991年のスーパーファミコン用『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』になると、マップが岩や川などで細かく分断されていて、アイテムを取ることでそこを通れるようになるという「一本道を進むゲーム」の方向性になります(この時点ではまだ完璧な一本道ではないんですけどね)。
 例えば、最初のダンジョンで「ペガサスの靴」を取っておかないとこの道が通れないので、2つ目のダンジョンには行けないようになっている……みたいな。以後の『ゼルダ』シリーズは、基本的にはこの『神々のトライフォース』の方向性を引き継ぐことになります。


 今回の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、1991年から続いたその「ゼルダのアタリマエを見直す」ことで「一本道を進むゲーム」から「自由度の高いゲーム」に戻すことを目指されたそうです。2014年のE3の時点で、青沼さんは「初代のような広大な世界を冒険する遊びを3Dで表現する」と説明していました。




 しかしですよ。
 どうにも「自由度の高いゲームは素晴らしい」「一本道を進むゲームはダメだ」といった論調に偏りすぎているんじゃないのかと思うのです。どうして『神々のトライフォース』が自由度を捨ててまで一本道にしたかというと、「遊びやすくするため」だったはずじゃないですか。
 これは『ゼルダ』に限らず、『ドラクエ』もスーファミ時代に似たような変化をしていました。そうすることによって、攻略本がなくても、情報を交換する友達がいなくても、一人で遊んで万人がクリアまで行けて「あー、面白かった」と言えるゲームになっていったんじゃないですか。その功績を否定しちゃいかんと思うのです。

(関連記事:自由度を捨てて、『ドラクエ』や『ゼルダ』が得た“遊びやすさ”



 ということで、自由度を売りにした『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』発表当初は、正直不安の方が大きかったです。『神々のトライフォース』以降のシリーズが持っていた「遊びやすさ」が失われてしまうんじゃないのかと。


 しかし、実際に遊んでみると「次はどこどこに行け」「その次はどこどこだ」「探すのはこうやるのだ」と親切に指示してくれていて、感覚的には『神々のトライフォース』以降の『ゼルダ』に近いってむしろ思いました。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 ここからは序盤のストーリーのネタバレになりますが……
 『ブレス オブ ザ ワイルド』の最初の目的は、「まずマップに示された場所に行け」と言われます。さっきの「道に沿って進んでもイイし、いきなり崖を登ってもイイ」という話と同様に、「すぐにこの場所に行ってもイイし、寄り道としてそこらを探索してからでもイイ」のですが、この辺は『神々のトライフォース』以降の『ゼルダ』シリーズとあまり変わりないんじゃないかと思います。「そこらを探索」の、探索できるエリアがベラボウに広いだけで。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 そのポイントに着くと、今度は老人から「パラセールが欲しかったらすぐそこにある祠をクリアして来い」と言われます。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 しかし、その祠をクリアすると今度は「この始まりの台地にはあと3つ祠があるから全部クリアしろ」と言われ、その祠を探すために「望遠鏡」と「マップのピン」の使い方を教わります。


 プレイヤーのすることは「あと3つの祠」を探してクリアすることで、これが終わるとパラセールがもらえて、ようやくチュートリアルの終わりです。「チュートリアル」なんて言葉は使われていませんが、この「あと3つの祠」がどこにあるのかを探して、そこまでたどり着いて、クリアする頃には、このゲームの基本的なことをすべて学べているというチュートリアルになっているんですね。



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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 例えば、祠の一つは雪山の中にあります。
 雪山はそのまま入ると寒くてダメージを受けてしまうため、「防寒着を着る」か「体が暖かくなる食べ物を食べる」必要があります。防寒着が手に入るのは恐らく雪山の中だけだと思うので、三つの祠をクリアするためには「体が暖かくなる食べ物を食べる」ことに気づかなくてはならないんですね。



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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 そのため……導線的には「あと3つの祠」の内の1つ目と2つ目の間にある老人の小屋で、「ポカポカ草の実」と「それを使って料理をすれば雪山にも入れる」という情報が手に入るのです。つまり、このゲームにおいて「料理」という行為が非常に重要だと、雪山の祠にたどり着くまでにプレイヤーが自然と気づくようになっているのです。



 ただ、これも最初の「たき火をしている老人を無視して崖に登ってもイイ」のと同様に、この小屋に来てこの情報を手に入れる必要はありません。
 今までの「一本道ゲー」だったら、この情報を手に入れるまではこの料理が作れないみたいな仕様にしてしまっていたかも知れませんが、『ブレス オブ ザ ワイルド』はこの小屋以外で「ポカポカ草の実」を手に入れて、自分で気づいてそれを使った料理を作れればそのまま雪山に入れるのです。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 私はこの小屋とは反対の場所から雪山エリアに入ったのですが、こっちにもちゃんと「ポカポカ草の実」があるんですね。「これを使って料理を作れば雪山入れそうじゃん」と気づいた私はそのまま雪山に入り、クリアして、反対側から降りたら小屋を見つけ、入ったら「ポカポカ草の実を使った料理を作れば雪山に入れる」という情報を見つけて「知ってるわ!」となったのです(笑)。


 これも、「今までの『ゼルダ』のように順路通りに進んで遊ぶ」ことも出来るのだけど、「敢えてそれを無視することによって筋書きのない“自分だけのドラマ”を楽しむことも出来る」という一例なのかなと思います。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 ちなみに、料理のしかたは別の場所(森)で教えてもらえます。
 正直、ここの導線はちょっと弱いんじゃないかなとも思うんですけどね……森は、入らない人もいそうなので。


※ 3月15日追記
 指摘を受けて、友達のセーブデータを使って調べてみたら分かりました。「料理のしかた」は老人の小屋の前でも教えてもらえるんですね。というか、正規ルートはむしろこっちみたい。こっちに進めば木を切って丸太を橋にすることもそれとなく教えてくれます。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 んでもって、防寒着をもらう方法も一つではなく。
 小屋の日記で書かれている「ピリ辛山海焼き」を作って渡すと防寒着がもらえるんですね。私はこの日記を読まずに進んだため、ポカポカ草の実を使った料理を作って自分で食べて雪山に入って山頂で老人に出会って防寒着をもらいました。どっちのルートから進んでも「防寒着をもらうためには料理を覚えなくてはいけない」と、なっているんですねぇ。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>





 「始まりの台地」にある4つの祠はすべて「アイテム」が手に入り、祠をクリアする中で「アイテム」の使い方を自然と学べるというのも『神々のトライフォース』以降の『ゼルダ』の定番ですが。
 アイテムが活用できるのはダンジョンの中だけでなく、今まで走り回っていたフィールドでも大活躍するんだよと教えてくれるため、祠を出たすぐそこにそのアイテムが使える場所が用意されているのも『ゼルダ』らしいですね。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 マグネキャッチ入手後は、すぐそこの池に金属製の宝箱が沈んでいて。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 爆弾入手後は、目の前が爆弾で壊せる壁で。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 アイスメーカー入手後は、すぐそばの冷たい池に(マグネキャッチでは動かせない)宝箱が浮かんでいて。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 ビタロック入手後は、ビタロックを使わないと吹っ飛ばせない岩の下に宝箱があって。




 この辺は非常に『ゼルダ』っぽいですよね。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 そして、極めつけはここ。
 4つの祠をすべてクリアした後、パラセールを受け取るために老人に会うには「とある建物」の上まで登らなくてはなりません。

 そもそも最初の洞窟から出るためにはまず岩を登らないと出られなかったのですが、ひょっとしたらその後は全く壁を登らなかった人もいるかも知れないので(いるかな……)、チュートリアルの最後に「自然と壁を登らせる」操作をやらせて、このゲームは壁が登れるんだと改めて教えるのです。



 『ブレス オブ ザ ワイルド』の「始まりの台地」は、それだけで十分に自由に遊べる場所です。ゲームセンターDXで濱口さんがプレイしていたのも、このエリアの中だけで、それだけでも十分に楽しそうだったのですが。しかし、その自由に遊べる場所が、このゲームにおいて抑えなければならない基本を教えてもらえる場所になっているんですね。

 武器を手に入れること。
 回復アイテムを手に入れること。
 敵と戦うこと。
 祠を見つけること。
 ワープの方法。
 望遠鏡の使い方、マップの使い方。
 アイテムを使うこと。
 料理をすることと、その効果。
 服を着替えること。


 これらを自然と、遊びながら身につけられて、それが身について初めて先に進めるようになっているので。私はこのゲームを「非常にゼルダらしい」と思いましたし、初代『ゼルダ』以上の自由度でありながら、『神々のトライフォース』以降の遊びやすさも兼ね備えたゲームだと思いました。
 「自由度が高すぎると何をしてイイのか分からない」という人も、少なくとも序盤で何をしてイイのか分からなくなることはないと思います(強いて難しいポイントを挙げると、望遠鏡で祠を探すところくらいかな)。



 序盤以降はどうなのか?と聞かれると、私はまだ序盤なので分かりません!(笑)
 10時間くらいはプレイしているのですが、メインストーリーそっちのけで探索していたり、『1-2-Switch』のレビューを書くのに膨大な時間を費やしたり、この記事を書いたり、真実の愛を探求したり『みまもりSwitch』から1日2時間以上遊ぶと怒られたりしていて、全然進んでいません。クリアには3か月くらいは平気でかかりそうですね……

 一説によると中盤以降は「次にどこに行くのか」を教えてもらえなくなるなんてネタバレも見ましたけど、パラセール入手まで進めたような人ならば「それを自分で探す」ことも出来るようになっているんじゃないですかね。





 今にして観返してみると、『ゲームセンターDX』は序盤のチュートリアル部分をすごく丁寧に面白く見せてくれていることが分かりますね。祠の部分は省略されてますけど。
 敵の攻撃をタイミング良くかわすとスローモーションになるとか、雪山では盾をスノーボードのように出来るとかは、普通にプレイしていても分かりませんでした。ゴブリンのアジトをやっつける方法も「そういう手があったのか!」と驚くとともに、私がやった方法を濱口さんが「これやったらダメかー」と事前に気づいてやめていて、実行した私の立場がありませんでした(笑)。




 1月の体験会で青木瑠璃子さんがプレイしているのも、「序盤のプレイ」を見比べるのが面白いですね。青木さんは最初にタルを担いでいたために宝箱に気づかず、ずっと半裸のままプレイしているという(笑)。



 そうそう。
 今回の『ゼルダ』は「オートセーブ」で、道中で死んでしまったとしてもそのすぐ手前からやり直しなので気楽にプレイ出来るのですが、「任意セーブ」も出来ますし、「オートセーブ」のデータも複数残してくれるので万が一進行不能バグが発生したとしても大丈夫なようになっていますね。以前この記事に書いたように、ここが一番不安だったところなので安心してプレイできています。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の画像に文字を加えて投稿したものです>


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≫ EDIT

『スーパーマリオ ラン』は「マリオのアタリマエ」を見直した!

 とうとうマリオがスマホ&タブレット端末用アプリ市場に参戦という『スーパーマリオ ラン』が、2016年12月15日にiOS向けに先行配信開始となりました。日本時間だとどうも15日の深夜というか16日の早朝くらいに配信だったみたいですね。

 『スーパーマリオ ラン』はNintendo Creators Program利用可能ソフトなため、初プレイはYoutube Liveで生配信したのですが……私のPCのスペックのせいかマトモな配信にならなかったのでログも削除しました。楽しみにして下さった方がいらしたら申し訳ない。

 私自身はその後もプレイを続け、一気に全ステージをプレイするのはもったいないとピンクコイン集めに専念して現在は4-4まで来ました。
 プレイを始める前までは、私は「オートラン系のゲーム」って正直言って「嫌い」だったため「面白くなかったら無料部分だけ遊んでさっさとやめちゃおう」と思っていたのですが、実際にプレイしてみたら無料部分だけでも「これ、面白いやつだ!」と思ったので迷わず購入しました。まぁ、その辺も記事の中でおいおい説明します。


Super Mario Run

<紹介映像>


<イメージ映像>



 私はこの『スーパーマリオ ラン』、「マリオのアタリマエ」を見直した作品だと思ったんですね。

 「マリオがオートで走る」とか「正面からクリボーに当たってもオートで避けてくれる」みたいな話もそうなんですが、もっともっと細かい部分で『マリオ』シリーズがシリーズを重ねてきたからこそ「変えられなかったしがらみ」を大胆に取っ払った作品だと思いました。感覚的には『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』をプレイした時に似てます。「爆弾の個数を気にしなくても良くなったのか!」みたいなすごい細かいところが変わったおかげでグンと遊びやすくなりました。



◇ 失われなかった「探索」の楽しさ
 ですが、まずは「変わらなかった部分」から語ります。

 もしスマホで『スーパーマリオ』が出たら、皆さんは遊びたいですか?

 これはまだ任天堂がスマホ&タブレット端末用アプリ市場への参戦を発表していない3年前に書いた記事です。そこから3年で、任天堂がスマホ&タブレット端末用アプリ市場への参戦を発表して、『スーパーマリオ ラン』を発表して、実際に配信開始されました。2013年の記事を2016年の私が読むと、これは『スーパーマリオ ラン』をプレイしていない人の記事を『スーパーマリオ ラン』をプレイした私が読んでいることになってすごく興味深かったです。


<以下、引用>
 スマホで出ているアクションゲームには、操作を極限までシンプルにしてある「スマホでも遊べるアクションゲーム」も少なくありません。
 “走り系アクションゲーム”と言われるジャンルで、主人公はひたすら走り続けていて、プレイヤーは障害物に合わせて上にスワイプでジャンプ、下にスワイプでしゃがむ、などの操作をしていくゲーム――――『チャリ走』なんかもそうなのかな。


 これこそが「スマホに最適化されたアクションゲーム」と言えるのかも知れませんが、もし『スーパーマリオ』もスマホでやっていくためにそういう路線に変更したとしたとしても……それは多分『スーパーマリオ』ではないですよね。


 『スーパーマリオ』の魅力は「探索の楽しさ」だからです。
 ゴールに一直線に進むだけではないんです。土管に入るルート、隠しブロックで1UPキノコ、豆の木に登って上空を突き進むルート、無限1UPが出来る場所、ワープ土管……あのステージには色んな“寄り道”が用意されていて、それを探すのと、その情報をみんなで交換するのが楽しかったんです。

 ひたすら走り続けるマリオをジャンプさせてゴールまで進むゲームを作っても、それは『スーパーマリオ』ではないです。『スーパーマリオ』の面白さを受け継いでいませんから。外伝ならともかく、「2Dマリオシリーズ」だと私は思いません

</ここまで>

 冒頭にも書いた通り、私は“走り系アクションゲーム”というか「オートラン系のゲーム」が好きじゃありませんでした。「反射神経」と「反復練習してコースを覚える」ことが求められていて、どっちかというとレースゲームのそれに近いと思うんですね。だから、スマホでのマリオが「オートラン系のゲーム」になると聞いた時は「あーあ」と思ったのですが。


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<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 『スーパーマリオ ラン』は「オートラン系のゲーム」でありながら、色んな“寄り道”が用意されている「探索の楽しさ」を持ったゲームになっていました。画像は分かりやすく「上のルート」「下のルート」に分かれている面を選びましたが、ハテナブロック一つ取っても『スーパーマリオ ラン』では「ハテナブロックを下から叩いてアイテムを出す」か「ハテナブロックの上に登って更に高いところにジャンプするのか」でちがうルートになります。

 「あれ?上にもルートがあるみたいだけど、どうやって行くんだ?」
 「ピンクコイン全部取ってたつもりが、1コ目、2コ目、4コ目……って、オイ!3コ目がないぞ!どこにあった?」

 1周しただけではコースの全貌は見えず、何度も何度も同じコースをプレイすることで「今度はこっちのルートへ行ってみよう」「あそこは登れるのか試してみよう」と徐々に探索していくのが楽しいのです。
 それでいてマリオは前に走り続けてテンポよく進むので、本編のマリオシリーズのように「全部のブロックを叩いて全部の土管でしゃがんで確認する」みたいなしらみつぶしの探索を求められないのもイイバランスかなと思います。




◇ 「ステージ数を少なくする」という冒険
 さて、ここからが「マリオのアタリマエ」が見直されたという話です。

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<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 今回の『スーパーマリオ ラン』はステージ数が少ないです。
 クリア後の隠しステージとかもあるのかも知れませんが、とりあえず最初から見えるステージ数は6-4までの全24ステージ。これは歴代マリオシリーズの中でもかなり少ない部類でしょう。


 元々マリオシリーズは「ステージ数の多い」ゲームです。
 『ドンキーコング』からして、当時のアーケードゲームは「1つのゲームで1つの面」が常識だったのに宮本さんが「どうしても4面構成にしたい」と言って全4面のゲームになったそうですし(過去の社長が訊くを参照)、『マリオブラザーズ』は「全ステージが同じ地形」なのでちょっと例外として、『スーパーマリオブラザーズ』も裏面抜きで8-4までの全32ステージ。『スーパーマリオブラザーズ2』は8-4までの全32ステージに加えて、隠しステージが確か20なので全52ステージか。
 攻略サイトを見て1つ1つ自力で数えてみたところ、『スーパーマリオブラザーズ3』は全88ステージ、『スーパーマリオワールド』は全74ステージ、『Newスーパーマリオブラザーズ』は全80ステージ、『NewスーパーマリオブラザーズWii』は全77ステージ、『Newスーパーマリオブラザーズ2』は全94ステージ、『NewスーパーマリオブラザーズU』は全82ステージでした(黄色スイッチのような実質ボーナスステージなものも含んでいます)。


 『スーパーマリオブラザーズ3』以降は、大体平均で80ステージくらいですね。
 それと比較すると『スーパーマリオ ラン』の24ステージはかなり少ないと思えることでしょう。「このステージ数で1200円は高い!」「無料で遊べるのが1-3までなんて舐めているのか!」みたいな批判が多いのも、今までの「マリオのアタリマエ」で考えれば頷けます。

 しかし、逆に考えると……今までのマリオシリーズはボリューム病に侵されていたとも思うのです。
 『スーパーマリオブラザーズ3』で80ステージ以上という大ボリュームにしてしまったがために、それ以降のシリーズも大体70ステージ以上にしなくては「ボリュームが少ない」「前作の方が長く遊べた」といった批判を受けてしまいます。パッケージソフトの場合は中古に売られて新品では買われないというリスクも背負います。

 作り手は何とかステージ数を増やさなければと苦心しますし。
 じゃあ、遊び手はステージ数が多ければ喜ぶかというと、シリーズを全作やりこんでいるような人は喜ぶでしょうが、あまりのボリュームに尻込みをして「マリオやってみたいんだけどすごく大変そうだからなぁ……」と手を出せない人もいたと思うんですね。私なんかはもう最近はプレイ時間が5時間を超えると「長ぇ!」と飽きてくるようになってきたし(笑)。


 『スーパーマリオ ラン』のステージ数が少ないのは開発期間の問題なんかもあるのかも知れませんが、中古に売られないダウンロード専用ソフトとして初めてのマリオだったがゆえに「ステージ数は増やさなくてイイ」と冒険することが出来たんじゃないかと思います。



 そのため、『スーパーマリオ ラン』は同じステージを何度も遊ばせようとする仕組みが充実しています。まずは『Newマリオ』以降の定番「スターコイン」に代わるカラーコイン集め。

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<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 一つのステージに「ピンクコイン」「パープルコイン」「ブラックコイン」という3通りのコースがあって、基本的には同じ地形なのですが、5つのカラーコインの配置が異なるだけでなく敵やブロックの位置が微妙に異なるところもあります。

<ピンクコインのコース>
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<パープルコインのコース>
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<ブラックコインのコース>
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<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 画像は1-1の「最初のカラーコイン」の位置です。
 ピンクコインはただのジャンプで取れますが、パープルコインはクリボーをタイミングよく踏んづけて大ジャンプをしなければ取れませんし、ブラックコインはジャンプの頂点で壁キックになるように調整してジャンプしなければならないので相当ムズイです。難易度はもちろん「ピンク<パープル<ブラック」の順で、1回のプレイでピンクを5つ取得できたらパープルコースが解放、1回のプレイでパープルを5つ取得できたらブラックコースが解放というカンジになります。


 また、各コースは解放されたら好きなコースを選べるので……
 スコアアタックを考えたらどのコースをどのキャラで挑むのかをしっかり吟味しなくてはなりません。

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<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 ハイスコアはフレンド間のランキングとして表示されます。
 まだ配信開始直後だからというのもあると思いますが、ステージによって誰がランキング上位にいるのかが全く変わるのが面白いです。



 そして、今作品の目玉と言えるのが「非同期のオンライン対戦:キノピオラリー」です。

<動画は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 1人用モードと全く同じステージ構成ではないのですが、1人用モードのステージを元に自動生成された「毎回ちがうコース」を、世界中の誰かのゴーストと一緒に走ることが出来ます。
 ステージが自動生成なのにどうしてゴーストが走れるのか?というのはよく分からんのですが、始めたばかりなのでまだレーティング(キノピオの数)が低いけれど確実に私よりゲームの上手いフレンドの人がいたので対戦してみたらコテンパンにやられたこともあるので、レーティングで強さが決まるワケではなくて本人のプレイ履歴に沿ったプレイになっているとは思うんですけど……どうなんでしょうね?

 誰か、私のゴーストと対戦した人がいたらどんなだったか教えてほしいです。
 開幕直後にコウモリに当たったり穴に落ちたりしていたら、まさに私です(笑)。



 「キノピオラリー」が「同時プレイのオンライン対戦」ではなく「非同期のゴーストとの競争」になっていることに関して不満だという意見も見たんですけど……
 『スーパーマリオ ラン』は1人のプレイヤーが何か月も遊ぶスタイルのゲームではなく、たくさんの人が2~3週間遊んで満足して終わるというスタイルのゲームでしょうし、iOSとAndroidで配信時期もちがっていて任天堂からすれば「後から入る人」も大切にしたいのでしょうから、「非同期のゴーストとの競争」は上手い落としどころかなーと私は思っています。 


 話を戻します。
 つまり、『スーパーマリオ ラン』はステージ数を少なくして、1つのステージでいろんな遊びをさせようとしているんですね。

・普通にゴールを目指す
・1回のプレイでピンクコインを5つ全部取る
・1回のプレイでパープルコインを5つ全部取る
・1回のプレイでブラックコインを5つ全部取る
・ハイスコアを目指す
・自動生成のキノピオラリーでゴーストと対戦する


 「一つのステージにいろんな遊びを詰め込んだ」という点では『スーパーマリオ64』とか『Splatoon』とかにも通じるかなと思います。



 本家の2Dマリオシリーズだったら、

・普通にゴールを目指す
・スターコインを3つ探す
(ステージによっては隠しゴールを探す)
(『Newマリオ2』ならコインラッシュモードがある)


 くらいで、上手い人なら1プレイでゴールもスターコインも全部クリアしちゃうって人も多いでしょうから、「1つのステージを1回しかプレイしない人」もいたと思うんですけど。『スーパーマリオ ラン』はステージ数は少ないですが、上手い人でも2度3度同じステージをプレイするようになっているという。



 だから、「普通にゴールを目指す」以外の楽しみ方をする気がない人にとっては、1200円というのは高く感じるかなーとは思います。「カラーコインの探索が楽しい」「ルート考えるのが楽しい」「ハイスコア争うのが楽しい」「ゴーストとの競争が楽しい」、この中の2つ以上でも当てはまる人ならば買いだとは思いますが。

 スーパーマリオ ランに1200円の価値があるか知る方法

 『スーパーマリオ ラン』配信直後のAll About田下広夢さんの記事。
 読んで初めてハッとしたんですけど、『スーパーマリオ ラン』は無料だと「1-3までしか遊べない」んですけど、逆に言えば1-3までの範囲ならば1200円払った人と全く同じに遊べるんですよね。各ステージ普通にクリアを目指すのはもちろん、カラーコインの探索も、フレンドとハイスコアを競い合うことも、キノピオラリーだって出来ます(1-3までだと入手できるキノピオチケットの数は少ないですが、マイニンテンドーのギフトでももらえますし)。

 そう考えると……この「無料では1-3までしか遊べない」という仕様。
 実はものすげー大盤振る舞いだったのでは、という気もしてきました。




◇ シャボンという「複数の問題を同時に解決する」秀逸なアイディア
 実際にプレイするまでそのすごさが分からなかったのが「シャボン」というシステムです。

 私、冒頭から何度か「オートラン系のゲームが嫌いだった」という話を書いていますが、その理由はオートラン系のゲームは「ちょっとタイミングを外しただけですぐ死んでステージの最初からやり直しになるから」です。そりゃそういうゲームだから仕方ないだろって話なんですけど(笑)。ああいうストイックさに付いていけないのです。

 『スーパーマリオ ラン』は「キノコを取った状態なら一撃喰らっても大丈夫」なだけでなく、各ステージで2回「シャボン」に入って少し戻って復活することが出来ます(アイテムとして入手して数が増えることもあります)。やられたら最初からじゃないんですね。オートラン系のゲームの多くどころか、本家の『スーパーマリオ』シリーズですら「最初から」か「中間ポイントから」のやり直しなのに!

 そう、つまり。ここでも「マリオのアタリマエ」は見直されているんです。




 私みたいに割としょっちゅう穴に落っこちる下手っぴからすると、この仕様はすごくありがたいのですが……しかし、この「シャボン」システムはただの初心者救済措置では収まりません。ミスにならなくても任意に「シャボン」に入り、そのままコースを逆流することも出来るのです。

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<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 『スーパーマリオ ラン』はオートでマリオが前進してしまうため、カラーコインを1コ取り損ねただけで「しまったあああああ」となりがちです。しかし、この「シャボン」を使ってコースを逆流すれば……

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<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 取り逃がしたカラーコインもしっかり取れるのです!
 キャラが勝手に前に進むゲームで、任意にコースを戻れるシステムを入れるとはすごい発想です。



 更に更に。
 私は全然その境地ではないので、見様見真似で「こんなカンジ」と画像だけ貼り付けますが……ハイスコアを狙うガチ勢の人達は、上下に分かれているルートを、上のルートでコインを取った後、シャボンで逆流して下のルートに入って下でもコインを取る、みたいなこともするらしいです。シャボンを使い切ってようやくクリアできるかどうかの私には未知の領域すぎるわ!

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<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>



 ということで、この「シャボン」システム。

・アクションゲーム初心者でも「その場で復活できる」救済措置になる
・カラーコイン集めで2回だけやり直しができる救済措置になる
・ハイスコアアタックの際にどこで逆走するかというやりこみ要素になる


 ……と、一つの新要素で「初心者」「中級者」「上級者」それぞれに恩恵をくれているんですね。マリオシリーズが抱えていた問題点も、オートラン系のゲームが抱えていた問題点も、あっさりと解決してしまう……これが宮本イズムの「アイディアとは複数の問題を同時に解決するものだ」ってヤツですよ。宮本さんが考えたのかどうかは知りませんが。




 また、ステージ中に復活できるシャボンシステムを採用しているため、本家マリオのような「残機」の概念がなくなりました。1UPキノコも登場しなくなり、各ステージは(最初からなら)何度でもやり直せるようになりました。

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<画像は『スーパーマリオ ラン』より引用>

 だからなんやねんと思われるかもですが、そのおかげで「ステージの最初からやり直す」がいつでも出来るようになったんですよ!『スーパーマリオギャラクシー2』の時に「残機制のせいで、何十回とやり直さなくちゃいけないタイムアタックっぽいステージも自殺しなければやり直せない」「残機がなくなると拠点まで戻らされる」ということを愚痴っていましたが、残機制でなくなったおかげでそれらの問題も解決です!

 カラーコイン集めやハイスコアアタックは一つのステージを何度も繰り返し遊ぶ必要がありますから、このテンポの良さはありがたい!



 また、スマホ&タブレット端末向けアプリなんだから当然かも知れませんが、各ステージをクリアする度にオートセーブされる仕様です。残機切れの心配もなく何度も挑戦できるのですが……そこで思い出されるのは、『スーパーマリオ ラン』が発表される前の約1年前に書いた記事です。

 2Dマリオの「砦や城をクリアしないとセーブできない」理由とジレンマ

 2Dマリオは今時「1ステージごとにセーブ」が出来ないのだけど、その理由を“「1ステージごとにセーブ出来れば、何度でもやり直しが出来てしまう」→「残機を増やす意味がなくなる」→「1UPキノコやコインに価値がなくなる」→「ステージを探索したり、寄り道したりする喜びがなくなる」→「単なる一本道ゲームになってしまう」からだ”と考えた記事です。

<以下、引用>
 私個人の好みで言えば、「マリオも、そろそろ「残機制」をやめてもイイんじゃないかな」と思っています。「1UPキノコ」を廃止して、「コイン」は別の使い道を用意して、「1UPキノコ」以外に寄り道して集めたくなるようなアイテムを置けばイイんじゃないかなと思います。『New』シリーズでおなじみの「スターコイン」を、もっと色んな用途に使わせるとかね。それで「1ステージごとにセーブ可能」で「無限にコンティニュー可能」にしてもイイんじゃないかと思っています。
</ここまで>

 『スーパーマリオ ラン』は、この時に書いた私の要望通りの作品になりました。
 「残機制」は廃止。
 「1UPキノコ」も廃止。
 「コイン」はハイスコアアタックと、色々建てたりするのに使う。
 「1UPキノコ以外に寄り道して集めたくなる」ものは、カラーコインとかシャボンとか。
 「スターコイン」はカラーコインに代わって、カラーコインをコンプするとキノピオラリーのチケットがもらえるようになりました。
 「1ステージごとにセーブ可能」で、
 「無限にコンティニュー可能」



 今まで地味~~に不満だった要素を、今回の『スーパーマリオ ラン』はしっかりとつぶしてくれているので、ゲーム機用にも恐らく作っているであろう2Dマリオ最新作でも引き継ぐところは引き継いでほしいと思います!



◇ 『スーパーマリオ ラン』から、『スーパーマリオスイッチ(仮)』につながるのか?
 さて……
 ゲーム内容に関しては、もう申し分ない傑作だと思います。「スマホやタブレット端末で出来るマリオ」として100点満点の出来のゲームだと私は思っています。ぶっちゃけた話、私は最近の「ゲーム機用のマリオ」より好きです。


 しかし、『スーパーマリオ ラン』について語るのなら避けて通れないのが、「1200円」という価格、「体験無料で、それ以降は売り切り」というスタイルです。「無料で最後まで遊ばせろ!」という過激な意見だけでなく、「1200円は高かったんじゃないか?」とか「無料で遊べるのが1-3までなのが悪かったんじゃ」とか「体験無料とかじゃなく、最初から売り切りで良かったのでは」といった意見もよく目にします。


 私も1200円という価格を最初に聞いたとき「大丈夫?」と思ったのですが。
 「売り切りで1200円」にした理由も分からんでもないのです。


 この『スーパーマリオ ラン』は何のために作られたのか?という話です。
 任天堂はスマホ&タブレット端末向けアプリを作ると発表した時から一貫して、「任天堂IPに触れる人を増やして任天堂のゲーム機を買ってくれる人を増やすため」と言っています。つまり、『スーパーマリオ ラン』で「マリオって面白いんだな」と思ってくれた人が、今度出る『スーパーマリオスイッチ(仮)』を遊ぶためにニンテンドースイッチを買おうかなと思ってもらえるようにとアプリを出しているのです。

 そうすると、価格はものすごく重要になってきます。
 例えば『スーパーマリオスイッチ(仮)』が全80ステージで5800円ですという価格で売ろうとしたとき、もし『スーパーマリオ ラン』が全24ステージを無料で遊べますとか500円で遊べますみたいな展開をしていたのなら、「スマホなら無料で(もしくは500円で)マリオが遊べるのに、ゲーム機のマリオは5800円もするのかよ」って思って誰も買ってくれないでしょう。

 『スーパーマリオ ラン』の全24ステージで1200円という価格は、ゲーム機用ソフトを売っていかねばならない任天堂にとってギリギリの価格なんだと思います。



 そもそもの話……
 「1200円で売り切りにしたから『スーパーマリオ ラン』は炎上しているんだ」と言われますけど、もし仮に『スーパーマリオ ラン』が「基本無料のゲーム」だったとしても炎上していたと思うんですよ。

・広告で収益を上げるタイプの基本無料だった場合
 → 「ゲームを起動するたびに永谷園のCMが流れてスキップできないのがウザイ!コンティニューするのにも永谷園のミニゲームを遊ばないとならないなんて!★1つ」

・強力なアイテムをお金で売る基本無料だった場合
 → 「パタパタの羽を500円で売るだなんて高すぎる!昔のマリオならば無料で手に入ったアイテムが課金しないと手に入らないなんて任天堂を見損ないました。★1つ」

・レアキャラを課金ガチャで回させる基本無料だった場合
 → 「ノーマルガチャだとクソみたいなカエルマリオばかり出るし、課金してガチャ回しても期間限定デイジーが出なかった。絶対に許せない。★1つ」


 こんな未来しか見えませんもの。
 『ポケモンGO』で、「私は運転者ではありません」にタップしながら車を運転して事故を起こした人がいて、それでも「任天堂が悪い」と批判する人はいたので(そもそも任天堂が開発しているワケではないのだが)。何をやっても任天堂は誰かに批判されるんだと思いますし、批判されるということは良くも悪くも注目されているということでしょうし、「今批判されているのはこうしたからで、ああしておけば良かったんじゃないのか」みたいなのを後出しジャンケンで言っても意味ないと思います。


 とは言え、『スーパーマリオ ラン』で初めて(or久々に)マリオシリーズをプレイした人が「こんなんで1200円も払えと言うなんてぼったくりだ!」と怒っているのだとしたら、マリオシリーズにとってプラスどこからマイナスの方が大きいとも思うんですね。本来の目的だった“『スーパーマリオ ラン』で「マリオって面白いんだな」と思ってくれた人が、今度出る『スーパーマリオスイッチ(仮)』を遊ぶためにニンテンドースイッチを買おうかなと思ってもらえるよう”に逆行していると思うのです。




 「スマホ&タブレット端末の操作で遊べるマリオ」としては大傑作だと思いますが。
 「スマホ&タブレット端末の市場で受け入れられるマリオ」としてはマイナスイメージしかないのだったら。


 私はやっぱり「スマホ&タブレット端末にマリオなんて出すべきじゃなかった」と思いますし、今すぐ任天堂はこの市場から撤退するべきだと思います。
 『ポケモンGO』でも叩かれ、『スーパーマリオ ラン』でも叩かれ、恐らく『どうぶつの森』でも叩かれると思いますよ。ゲームの面白さの問題ではなく、「無料で遊べるスマホ&タブレット端末で任天堂IPに触れてもらって任天堂のゲーム機を買ってもらう」という狙いそのものが間違っていたんだと思います。

 任天堂にとってスマホ&タブレット端末の市場は主戦場ではありません。撤退したところで問題はありません。本当の主戦場はゲーム機事業であるニンテンドースイッチであるはずです。
 アプリの開発にリソースをぶちこんでマイナスイメージを拡散させているくらいなら、ニンテンドースイッチのソフトに全力を注ぐべきだと思いますよ。


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『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』1stインプレッション/現代に蘇ったファミコン探偵倶楽部

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 2時間半ほどプレイした感想になります。
 ちなみに私は『ポケモン』はゲームもアニメもほぼ未体験ですが、『ポケモン』を全く知らない人でも問題なく楽しめると思います。



  『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』は2016年2月3日に発売された3DSダウンロードソフトです。発売は株式会社ポケモン、販売は任天堂、開発はクリーチャーズです。定価は1500円ですが2月29日までは20%オフの1200円にて販売されています


◇ 任天堂と「アドベンチャーゲーム」の歴史(読み飛ばし可)
 公式サイトに書かれているジャンルは「シネマティックアドベンチャー」とのことですが、ゲームのベースは「コマンド選択式のアドベンチャーゲーム」だと思ってもらえれば分かりやすいと思います。古くはファミコン版『ポートピア連続殺人事件』とか、最近では『逆転裁判』なんかが有名なジャンルですね。
 情報を集めてストーリーを進めるというゲームの構造はそれらの作品と同じなのだけど、『名探偵ピカチュウ』はストーリーの進行に合わせてCGムービーが流れるので「シネマティック」+「アドベンチャー」ということなんだと思います。



 任天堂のアドベンチャーゲームと言えば『ゼルダの伝説』シリーズに代表される「アクションアドベンチャー」が有名ですが、アクション要素の薄い「コマンド選択式のアドベンチャーゲーム」も昔から作っていて、なかなか歴史があります。
 1986年に任天堂はファミコンの周辺機器として、「大容量」で「セーブ可能」「500円で書き換え可能」なディスクシステムを発売します。詳しい話は省きますが、このディスクシステムは「コマンド選択式のアドベンチャーゲーム」に非常にマッチしていたため、1987年~『新・鬼ヶ島』、1988年~『ファミコン探偵倶楽部』、1989年~『遊遊記』、1991年~『タイムツイスト』と複数の「コマンド選択式のアドベンチャーゲーム」を発売していました。

 しかし、1986年にエニックスが『ドラゴンクエスト』を大ヒットさせて以降、国内のゲーム市場はすっかり「和製RPGブーム」になっていたので、「コマンド選択式のアドベンチャーゲーム」自体がかなり下火になってしまっていたと思います。
 1992年、スーパーファミコン用ソフトとしてチュンソフトが『弟切草』をヒットさせた後は、アドベンチャーゲームは「サウンドノベル」「ビジュアルノベル」と形を変えて再興していきますが……任天堂はこの波に全く乗りませんでした。


 1995年、任天堂は「サテラビュー」を使ったスーパーファミコン向け衛星データ放送サービス「スーパーファミコンアワー」を始めます。自分は未プレイなのですが「番組の放送時間内のみプレイできるゲーム」の配信を行っていたそうで、今で言う『Splatoon』の試射会とか3DSの『リアル脱出ゲーム』みたいなカンジだったのかなぁと思います。このサービスの中で、任天堂は1996年に『BS新・鬼ヶ島』、1997年に『BS探偵倶楽部 雪に消えた過去』を配信しています。

 サテラビューの作品は「その時間でしかプレイできない」「そもそもサテラビュー自体の普及率が低かった」ことから人気シリーズであってもプレイしたことのない人も多く、リメイクやバーチャルコンソール化を望む声も未だにありますね。『BSゼルダの伝説』『BSドラゴンクエストI』『BSファイアーエムブレム アカネイア戦記』……錚々たるメンツの中に『新・鬼ヶ島』や『ファミコン探偵倶楽部』といった「コマンド選択式のアドベンチャーゲーム」が入っていたというのは興味深い話です。


 1997年、任天堂はコンビニエンスストア大手のローソンと手を組んでスーパーファミコン用ソフトの書き換えサービス「ニンテンドウパワー」を始めます(2000年からはゲームボーイも書き換え可能に)。「ディスクシステムの再来」のようにも思えますし、「後のバーチャルコンソール」に繋がっているようにも思えますね。
 任天堂はここでもアドベンチャーゲームを複数投入していて、1997年には『BS新・鬼ヶ島』のリメイクとなる『平成 新・鬼ヶ島』、1998年にはディスクシステム版のリメイクである『ファミコン探偵倶楽部PartII うしろに立つ少女』、2000年にはHAL研究所がファミコン用ソフトとして発売していた『メタルスレイダーグローリー』のリメイクを発売、完全新作のソフトとしては1999年に『はじまりの森』を発売していました。



 「何の話をしてるんだ、ピカチュウの話はいつ始まるんだ」と思っている人も多いことでしょう。しかし、この話で任天堂が「コマンド選択式アドベンチャー」をディスクシステムとかサテラビューとかニンテンドウパワーといった「普通にゲーム屋さんに行って1本のソフトとして買ってくるビジネスモデル」とは違う方法で販売してきたことが分かると思います。
 アクションゲームやシューティングゲームは上達するために「何度も何度も繰り返し遊ぶ」ことが多かったのに対して、「コマンド選択式アドベンチャー」は遊び終わったらおしまいで他のゲームと同じ値段で売るのは割高なジャンルだったと言えます。書き換えではないパッケージソフト版も発売されていたのでそういう意図があったのかは分かりませんが、中古対策の意味合いもあったのかも知れませんね。
 500円で書き換えが出来たディスクシステム、放送時間のみに遊べたサテラビュー、2000円で書き換えが出来たニンテンドウパワー……これらはビジネスとして大成功したサービスだったとは思いませんが、最近のゲーム機がインターネットに繋いで出来ることとかなり共通しているんですね。

 なので、私は任天堂が2008年にWiiウェアで「ダウンロード専売のゲーム」を発売し始めた時に、「これでコマンド選択式アドベンチャーが復活するに違いない!」と思いました。『ファミコン探偵倶楽部』に続く『Wiiウェア探偵倶楽部』の始まりだ―――っ!と思ってから8年が経ちました。


 2001年、ゲームボーイアドバンス用ソフトとしてカプコンが発売した『逆転裁判』は当時既にとっくに下火だった「コマンド選択式アドベンチャー」を復活させます。アクションゲームなどが苦手な人でも『逆転裁判』は遊ぶという人も多く、「ゲーム人口の拡大」に大貢献したシリーズとなりました。
 また、2004年に発売されたニンテンドーDSのタッチパネルによる操作は「コマンド選択式アドベンチャー」に新たな遊びを盛り込んだことで、DSの前半くらいは「アクション要素のないアドベンチャー」はちょっとしたブームになっていて、色んな会社が作っていたんですよね。サクセスの『おさわり探偵 小沢里奈』、D3の『THE 鑑識官』、SNKプレイモアの『どきどき魔女神判』(ボス戦はアクションだけど)、レベルファイブの『レイトン教授』シリーズなどなどなど……「コマンド選択式アドベンチャー」も多方面に進化していて、非常にバラエティ豊かになっていた時期です。

 任天堂もこの時期、珍しく「普通にゲーム屋さんに行って1本のソフトとして買ってくるゲーム」として「アクション要素のないアドベンチャー」を発売していて……2005年に『アナザーコード 2つの記憶』、2006年に『プロジェクトハッカー 覚醒』、2007年に『ウィッシュルーム 天使の記憶』、2009年の『いろづきチンクルの恋のバルーントリップ』もそうかな、2010年に『ラストウィンドウ 真夜中の約束』、Wii用ソフトは2009年に『アナザーコード: R 記憶の扉』を出していますし……1年に1本くらいのペースで発売していたんですね。

 が、2010年『アナザーコード』『ウィッシュルーム』『ラストウィンドウ』を開発していたCINGが破産……言ってしまえば任天堂のアドベンチャーゲームを最もコンスタントに作っていた開発会社がなくなってしまい、それ以降は任天堂は「アクション要素のないアドベンチャー」を発売しなくなりました。
 もしCINGが健在だったら、3DSダウンロードソフトあたりで「安価で楽しめる推理アドベンチャー」をコンスタントに発売していたのかなーなんて最近まで夢想する日々でした。



 ということで!ようやくピカチュウの話ですよ!
 ディスクシステム、サテラビュー、ニンテンドウパワーと「時代を先取りしすぎたサービス」で展開されてきて、DS時代に花開いたかと思ったら開発会社がなくなってしまうなど、ずっと不遇だった任天堂の「コマンド選択式アドベンチャー」が、ダウンロード専売ゲームがメジャーになった現代にてようやく戻ってきたのです!

 しかも、主人公がピカチュウということで、こんなに話題になっているんですから……こんなに嬉しいことはありません!この火を絶やさないようにファーストインプレッション記事を気合入れて書きますよ!前置き長すぎるだろ!


◇ 遊びやすくなった「現代のアドベンチャーゲーム」
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<画像は3DSダウンロードソフト『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』より引用>

 ゲームはキャラクターを操作するタイプのアドベンチャーゲームです。
 スライドパッドで移動(十字キーでも歩けるけど走れない)、Aボタンで「話す」か「調べる」だけ。プレイヤーが操作するのは人間のティム君で、ピカチュウはそれを追いかけてくるのだけど、障害物などに上手く引っ掛けて追いかけてこられないように嫌がらせすることも出来ます(笑)。

 アドベンチャーゲームを全くやったことがない人に説明するのなら、『ドラゴンクエスト』のようなRPGから「戦闘」や「育成」の要素を抜いて「ストーリー」に特化したゲームと言えば伝わりやすいですかね。というか、『ドラゴンクエスト』が『ポートピア連続殺人事件』などのアドベンチャーゲームに「戦闘」や「育成」を足したゲームなんですけどね。


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<画像は3DSダウンロードソフト『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』より引用>

 マップにいるキャラクターに話しかけたり、マップにあるものを調べたりして、条件を満たせば「状況」が変わり、集めた証言や証拠を使って「推理」をするとストーリーが進行するというゲームになっています。
 キャラクターに話しかけると「何について聞くか」を選べるところが、「コマンド選択式アドベンチャー」らしいところですね。普段の台詞はフルボイスではありませんが、アドベンチャーゲームとしてのテンポを考えるとコレでイイと私は思います。


 「推理」をするゲームということで難しく思われるかも知れませんが、まだ自分が序盤ということを差し引いても難易度は低めかなと思います。マップにいるキャラクター全員に話しかけて調べられるところを全部調べるなど、面倒くさがらずに出来ることを全部やる「コマンド総当り」で先に進めます。『逆転裁判』のような「何回ミスしたらゲームオーバー」というシビアな要素もないそうなので、この手のアドベンチャーゲームを全くやったことのない人にも気軽に手を出して欲しいですね。


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<画像は3DSダウンロードソフト『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』より引用>

 ゲームとしてプレイヤーがやっていることは『ファミコン探偵倶楽部』の頃と変わりがないのですが、当然昔のゲームに比べて遊びやすくなっているところもたくさんあります。上の画像は「3DSの下画面」です。

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<画像は3DSダウンロードソフト『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』より引用>

 「捜査リスト」をタッチするか、Lボタンで、ティム君がまとめてくれたメモを読むことが出来ます。「証拠」「証言」「人物」「ポケモン」の情報が細かくアップデートされて、今がどんな状況だったかを読み返すことが出来ます。


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<画像は3DSダウンロードソフト『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』より引用>

 「推理メモ」をタッチするか、Rボタンで、「推理」をする画面になります。この画面は「自分達が今から何をしなければならないのか」という目的をいつでも確認できることと、実際に集めた情報から「推理」することでストーリーを進めることという二つの側面がありますね。

 ゲームの流れは、「推理メモ」に「しなければならないこと」が提示される→ 聞き込みをしたり、周囲を調べたりして「捜査リスト」の情報を集める→ 集めた情報を元に「推理」して解決→ ストーリーが進むってカンジですね。
 このサイクルが10分くらいで、それらを幾つか重ねて30~40分くらいでその場所をクリア→ 新たな場所に進むくらいの一区切りですかねぇ。この辺の時間は個人差があるでしょうから、難しいですけど……


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<画像は3DSダウンロードソフト『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』より引用>

 下画面のピカチュウをタッチするか、Xボタンで、いつでもピカチュウに話しかけることが出来ます。何か特別なことが起こる場合はあちらからサインが出るので、そこで話しかけるとそこでしか聞けない話が聞けます。この部分はフルボイス。


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<画像は3DSダウンロードソフト『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』より引用>

 「会話ログ」をタッチすると直前の会話も見られます。

 最近のアドベンチャーゲームとして考えると「あって当たり前」の機能と言えばそうなのですが……『ファミコン探偵倶楽部』の頃を思い出すと、最近のアドベンチャーゲームは本当に遊びやすくなったなぁと思います。メモとか取らなくてもイイし、久々にプレイしても何をしていたのか忘れて先に進めないなんてこともないし、メッセージの表示やロードに時間がかかることも少ないから「コマンド総当り」も面倒くさくないし。


 セーブは「ストーリーが進んだ後」や「マップを移動した後」にオートセーブされて、自分の好きなときにはセーブ出来ません。ここは割と明確な不満点かなー。3DSだから蓋閉じてスリープモードにしておけばイイとも言えるのですが、複数のソフトを同時並行で遊んでいる人は区切りのイイところまで進めないとセーブ出来ないのは不便だろうし、「区切りのイイところ」がよく分かりません。あとどれくらい進めればストーリーが進行するのかは、遊んでいる側には分かりませんからね。

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<画像は3DSダウンロードソフト『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』より引用>

 ストーリーが進む際には、「フルボイス」のムービーになります。


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<画像は3DSダウンロードソフト『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』より引用>

 ところどころに「タイミングよくAボタンを押す」といったQTE(クイックタイムイベント)もあって、「タイミングを合わせてボタンを押す」という行為が超超超超超苦手な自分にとっては鬼門と言えるのですが、今のところは「失敗しても問題なくストーリーが進む」みたいです。
 今後どうなるのかは分かりませんが、QTEは「ストーリーが最高に盛り上がっている」のに「QTEに失敗してキャラクターがずっこけたりしてグダグダになる」だけという姿を見てきた自分としては、「QTE入れるくらいなら黙ってムービー観てるだけの方がマシなんですけど……」といつも思っています。



◇ ポケモンが生活に溶け込んでいる世界観
 冒頭にも書いた通り、私は『ポケットモンスター』シリーズをゲームもアニメもほぼ通過したことがなく、私のポケモン知識は『ポケモンスナップ』と『スマブラ』シリーズくらいしかありませんでした。
 しかし、恐らくこのゲームはそういう人もターゲットにした作品なんじゃないのかなと思います。任天堂が近年の主要戦略としている「自社IPに触れる人を増やす」試みに近いもので、本編とはまた違った『ポケモン』の魅力を引き出すことで、今までは『ポケモン』に興味がなかった人も取り込もうという狙いがあるのかなーと。

 登場するポケモンも「知ってて当たり前でしょ?」ということではなく、「捜査リスト」でいつでも見返せるようになっているし、ストーリーの中で「こういう特徴を持ったポケモンなのか」と知ることも出来ます。



 この作品の主人公は、失踪した父親を探しにきたティムという人間と、記憶を失っている名探偵ピカチュウの2人(1人と1匹)です。人間とポケモンは言葉が通じないのだけど、何故かティムとこのピカチュウだけは言葉が通じるので、それを利用して2人は「人間への聞き込みはティムが」「ポケモンへの聞き込みはピカチュウが」行うコンビとして事件を解決していくのです。

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<画像は3DSダウンロードソフト『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』より引用>

 ポケモンが普通に生活の中にいるという世界観なので……
 例えば、公園では黒人の男の子がズルッグというポケモンとサッカーボールを蹴って遊んでいます。男の子がポケモンと遊んであげているのかなと思って聞いてみると、ズルッグ曰く「自分が少年をコーチしてやっている」とのこと。人間とポケモン両方の話を聞けることで、「人間が見ている世界」だけでなく「ポケモンが見ている世界」も知ることが出来るのがとても良いですね。


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<画像は3DSダウンロードソフト『名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生~』より引用>

 このゲームに出てくるポケモンで、自分が「前から知っている」ポケモンは(今のところ)ピカチュウくらいしかいなかったのですが……こんなポケモンがいるのか!と知れて面白いです。公園には鳩みたいなポケモンがいて、木によってナワバリにしているポケモンが違っていたり。カフェに入ったら手伝いをしているポケモンがいたり、前述したようにサッカーボールを蹴っているポケモンがいたり……行く場所によって違うポケモンが「そこで暮らしている」のが見えてすごく楽しいです。



 自分はまだクリアまで進めていませんが、早い人は発売日の夜には「もうクリアしたー」と報告をしていたのでボリュームはそんなにないみたいで。そもそも『~新コンビ誕生~』という副題が付いているのだから、この1本で終わらせるのではなくシリーズ化していくことを前提に作っているのだと思いますが……
 『ファミコン探偵倶楽部』のように何作も出して、1作目では行けなかった場所に行き、1作目では出せなかったポケモンをどんどん登場させていって欲しいなぁと思います。ダウンロードソフトという市場は、それが出来る場所だと思いますから。

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『幻影異聞録♯FE』1stインプレッション/無茶なコラボかと思いきや、生まれたのは堅実なRPG

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 7時間ほどプレイした感想になります。第1章クリアまで進みました。
 設定などを説明するために、この記事では「第1章前半までのネタバレ」を含みます。



 『幻影異聞録♯FE』は2015年12月26日に任天堂から発売されたWii U専用ソフトです。開発はアトラス。
 ソフト単品の通常版の定価は7236円、アートブックやボーカルCD・オリジナルコスチューム3種のダウンロード番号などが付いてくる数量限定特別版「Fortissimo Edition」の定価は9698円、「Fortissimo Edition」にWii U本体とキャラクター歌詞カード・ステッカー・サポートクエスト3種のダウンロード番号を含めた本体セットの定価は40824円。詳しくはこちらのページをご覧下さい。

 私はボーカルCDが欲しかったので「Fortissimo Edition」を買いましたが、「ダウンロード版の方がロード時間が短い」という説を聞いて「マジかー」と思っているところです。



 このソフトは2013年1月のニンテンドーダイレクトで発表された『真・女神転生meetsファイアーエムブレム』というコラボレーションタイトルです。
 任天堂は、自社が苦手とするジャンル・客層の人気シリーズを、実績のあるメーカーに開発させて任天堂から発売するという施策をよく使います。NINTENDO64の頃は『シレン2』とか『オウガバトル64』とか、ゲームキューブだったら『バテン・カイトスII』とか、Wiiだったら『零』や『ゼノブレイド』、Wii Uなら『ベヨネッタ2』なんかもありますね。これらは任天堂が自社開発で開発するのは苦手なタイプのゲームだと言えます(※1)

 しかし、この方法だと「固定ファンのいる人気シリーズを自社ハード独占で発売できる」一方、(細かい事情はソフトによって違いますけど)元々はソフトメーカーのシリーズだったものなので「どうして他機種で遊べないの?」「待ってれば他機種に移植されるでしょ?」と言い出す人もいたんですね。『ラストストーリー』も『ゼノブレイド』も『ベヨネッタ2』も、その手の話はよく目にしました。

 そういうこともあってか、最近の任天堂は「固定ファンのいる人気シリーズ」をそのまま持ってくるのではなく、「自社IP」を「実績のあるソフトメーカーに預けて開発してもらう」コラボレーションタイトルに力を入れているのかなと思います。
 『ゼルダ無双』だったり、『ポッ拳』だったり、広義で言えば『スマブラ』最新作もバンダイナムコによる開発ですし、過去に遡れば『マリオ&ソニック』とか『マリオバスケ』とか『ダンスダンスレボリューションwithマリオ』とかもありましたね。かつてはマリオがキティちゃんばりに色んなソフトとコラボしていたのが、他の任天堂IPも積極的に行うようになったと言えるのかも知れません。


 この『幻影異聞録♯FE』も、紆余曲折はあったみたいですが、『女神転生』や『ペルソナ』シリーズといったRPGを開発してきたアトラスが、『ファイアーエムブレム』のキャラを使って完全新作のRPGを作ったという分かりやすいコラボレーションタイトルになっています。『ゼルダ無双』や『ポッ拳』に比べてタイトルは分かりづらいですけどね!もうちょっと分かりやすいタイトルはなかったのでしょうか。

(※1:『ゼノブレイド』は、『ゼノギアス』や『ゼノサーガ』と繋がっているワケではないんですけどね。)


◇ そう言えば、最近「RPG」ってやっていなかったなぁ……という話
 なので、この『幻影異聞録♯FE』―――Twitterのタイムラインに流れてくる感想を見ると、「『ペルソナ』っぽい」「『ペルソナ』まんまじゃねえか!」「むしろ『ペルソナ』って名前で出せば良かったのに」という声が多いです。コラボレーションタイトルという経緯を考えれば、それはむしろ当然の話だと思うんですけどね。

 ただ、私は『ペルソナ』シリーズをプレイしたことがないので、どのくらい「『ペルソナ』まんまじゃねえか!」なのかは分かりません。というか、よく考えてみると私、21世紀になってからは数えるほどしかRPGを遊んでいないことに気付きました。
 母が買ったついででプレイしたソフトやバーチャルコンソールなど過去のソフトを除くと、多分PS2の『FF10』、DSの『キミの勇者』、Wiiの『ラストストーリー』の3本だけじゃないかと思います。1機種1本のペースです。PS3と3DSでは1本も遊んでいないことを考えると、1機種0.6本ペースか。これ、むしろもう「RPGは嫌いなジャンルだ」くらいのペースですよね。嫌いなジャンルと公言している3Dアクションですら年間2~3本遊んでいるというのに。


 この理由は「発売されるRPGの数が、昔(ファミコン~プレステ時代)に比べて減った」ということもあるのかも知れませんが、私の中に「RPGは最近ちっとも遊んでいないので、最近の作品にはもうついていけないんじゃないか」みたいな苦手意識があったのかもなぁと思います。
 『キミの勇者』は「昔懐かしいRPG」を売りにしたから買ったのですし、『ラストストーリー』も「坂口さんの作品ならそんなに最近のRPGっぽくないだろう」と思ったから買ったのですし(失礼だ)。『ペルソナ』シリーズも『3』や『4』の評判の高さは聞いていたので「プレイしてみようかなー」と考えたこともあるのですが、「それは最近のRPGについてゆける人にとって評判がイイだけであって、俺みたいなオッサンにはついてゆけないだろう」みたいな躊躇があったんですね。

 だって、他のジャンルは大抵そうですもん!
 3Dアクションとかさ、「このゲームはすごいよ!」「最先端だよ!」「絶対面白いから買ってね!」って熱烈なファンから勧められて、実際にお金出して買って遊んでも全然ついてゆけなくて、それを正直にブログに書いたら「オマエのセンスがないのが悪いんだ」「オマエのようなアンチはこのゲームについて二度と語るな!!」と炎上してさ!



 ということもあって、「最近のRPG」にはとんとご無沙汰だったワケですが……
 なので、『幻影異聞録♯FE』を初めて観た時、「チャンスだ!」と思ったんですね。
 『ペルソナ』と『ファイアーエムブレム』のコラボレーションタイトルを作るのならば、「『ペルソナ』は好きだけど『ファイアーエムブレム』はよく知らない人」も「『ファイアーエムブレム』は好きだけど『ペルソナ』はよく知らない人」も楽しませるものにしなくてはなりません。特に『ペルソナ』は、スピンオフの『Q』を除けば任天堂ハードで1作も出ていないシリーズで、そのコラボレーションタイトルを任天堂が開発させるのだから、「『ペルソナ』シリーズを1作も遊んだことのない人でも楽しめるように作ってあるはずだ!」と思ったのです。

 「最近のRPG」からとんと離れてしまった自分が、「最近のRPG」に挑戦する最後のチャンスかも知れない―――と思って買ったのです。ようやくここからが本題です。


◇ あまり変わっていなかった「RPG」というジャンル
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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 開発側も「RPGに慣れていない人も遊ぶはずだ」と分かっているからか、難易度選択が出来ます。イージーは「RPGに不慣れな人」、ノーマルは「RPGには慣れているけど初めてこのゲームを遊ぶ人」、ハードは「このゲームのシステムをよく分かっている人」が対象なのかなと思います。ストーリーはどれを選んでも変わらないそうです。

 私は難易度選択は「最初からカーソルが合っているものをそのまま選ぶ」ことにしているので「ノーマル」で始めました。まだ第1章をクリアしたところですが、ワイルドエネミー(たまに出てくる強力なザコ敵)に遭遇すると仲間が瞬殺されるレベルです(笑)。まぁ……「イベント中やバトル中を除けば、どこでもセーブ&ロードが出来る」ため、小まめにセーブしていれば取り返しの付かない事態にはならないと思いますが。


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 このゲームの主人公は、「蒼井樹」と「織部つばさ」という日本の高校生です。
 渋谷など、実在の街も舞台として登場します。まだ第1章だからかも知れませんが、「実在の街を自由に歩きまわれる」ってほどではなく、歩ける場所はすごく限られていますね……

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 色々あって二人は「イドラスフィア」という謎空間で、「ミラージュ」という「異世界の英雄」を武器にしてその力を使うことが出来る「ミラージュマスター」に覚醒します。
 この「異世界の英雄」というのが、恐らく過去の『ファイアーエムブレム』シリーズに登場するキャラクターなんですね。「蒼井樹」は『ファイアーエムブレム覚醒』の「クロム」の力を借り、「織部つばさ」は『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』の「シーダ」の力を借りて戦います。

 ただ、この「ミラージュ」達は記憶を失っているみたいで、原作で一緒の部隊として戦ったキャラ同士でも「はて……?初めまして……」というボケ老人だらけの同窓会状態なので、ぶっちゃけ原作の『ファイアーエムブレム』シリーズを知らなくても何の問題もないと思います。

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 クロム「気づいたら剣になっていた…」




 ものすごくややこしい設定に思えるかもですが、この設定は「普通の高校生」である主人公達が「剣や魔法を使って戦うことが出来る」という理由付けをしているだけですし、渋谷などの実在の街は「普通のRPGでいう町」で、謎空間イドラスフィアは「普通のRPGでいうダンジョン」というだけなんです。
 やることと言えば、「町」でアイテムを買ったりクエストを頼まれたりして、「ダンジョン」に潜ってザコ敵と戦ってボス敵と戦ってストーリーを進める―――突飛な設定のようで、プレイヤーがやることは「オーソドックスなコマンドバトル式RPG」なんだなぁと思いました。それこそ私がRPGをたくさんプレイしていたスーファミ時代とゲームの構造はあまり変わらなくて、「最近のRPGはきっと複雑でついてゆけないはずだ」と不安だった自分がバカみたいだと思ったほどです。


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 設定が独特なところと言えば……同じように「ミラージュマスター」となって悪のミラージュと戦っている仲間の組織が、芸能事務所なところ。

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 日本古来の芸能は「神降ろし」とも言われる行為なため、芸能活動を頑張れば「ミラージュマスター」としての力も付いていくはず―――ということで、主人公達もアイドルなどの芸能活動をしていくことに……って、どういう理屈だこれ!こういうノリは嫌いじゃないです。

 自分はプレイしていないので聞きかじっただけですけど、『ペルソナ』シリーズは確か「学園生活」と「バトル」を交互にプレイしていくみたいなカンジだったと思います。『幻影異聞録♯FE』もそれを踏襲していて、恐らく「芸能活動」と「バトル」を交互にプレイしていくカンジになるのかなと思います。


◇ このゲーム独特のシステム
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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 システム面での「このゲームならでは」の特徴も幾つか紹介しようと思います。
 まずはWii Uゲームパッドの使い方。

 このゲームではWii Uゲームパッドの画面を主人公が持つスマートフォンに見立てて、『LINE』のようなアプリ『TOPIC』で各キャラクターと会話することができます。この届くメッセージはストーリーを進めるものや攻略のヒントなどもありますが、キャラクターとの他愛もない会話も多いです。『ドラゴンクエスト』における「仲間との会話」システムみたいなものですね。

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 スマートフォンなので、その場にいないキャラからもメッセージが届きます。
 ダンジョンの奥でもチキからの応援メッセージが!!!スタンプも付いている!!!!
 よーし!結婚しよう!!


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 また、Wii Uゲームパッドの画面はマップにすることも可能です。
 自分は超絶方向音痴でザコ戦が終わるたびに自分がどっちから来たかが分からなくなってしまうので、この仕様は助かりました。

 ただ、こうして「Wii Uゲームパッドをサブ画面としてフル活用する」ゲームなため、テレビ画面を使わないでWii Uゲームパッドの画面だけで遊ぶことは出来ません。使えるコントローラはPROコントローラにも対応していますが、ボタンやスティックの操作をPROコントローラでも動かせるだけで、Wii Uゲームパッドは必須だと公式サイトには書いてありますね。『TOPIC』が読めないからストーリー進まなくなっちゃうのでしょう。


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 戦闘はシンボルエンカウントで敵に接触すると始まります。
 ただ、Xボタンを押して剣を振るうことが出来るので、これで敵を吹っ飛ばして倒れている隙に横を通れば戦わずに済みますし、倒れている敵に接触すると「先制攻撃」になりやすいそうです。

 ということで「ゲームパッドのマップ画面だけ見て進む」のは難しいみたいですね(笑)。


 1回の戦闘はロード時間も含めて結構時間がかかるのだけど、敵は1回シンボルエンカウントで戦闘をすると現れてた敵が一旦全て消えるので、連戦にならずにストレスなく探索できるのが好きなところです。


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 イベントシーンはフルボイスですが、台詞を聞き終わるまで待てなければAボタンを押せば先に進みます。「オート」や「早送り」も可能、Rボタンの「MWオフ」は「メッセージウィンドウをオフにする」という意味です。

 私は男のボイスはガンガン飛ばしてしまいますが、ヒロインのボイスだけはCV.が水瀬いのりさんなのでじっくりと聴いています。ちなみにヒロインが水瀬いのりさんで、そのお姉ちゃんが茅野愛衣さんなので、2015年を象徴するキャスティングだなぁと思いました。


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 ストーリーの節目にはアニメーションも流れます。
 オープニングのスタッフクレジットを見ると、アニメーション制作は「株式会社アニマ」と「STUDIO4℃」の二社で作っているみたいですね。アニマは『ファイアーエムブレム覚醒』や『if』のムービーパート、4℃は『キャサリン』のムービーパートや『新パルテナ』の短編アニメの一つを制作していたので、両社とも任天堂やアトラスと過去に仕事をしていた会社です。



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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 戦闘はシンプルなコマンド選択式のバトルです。
 戦闘に入る前のシンボルエンカウントにはアクション要素があることを先に書きましたが、戦闘自体にアクション要素やリアルタイム要素はありません。「ATTACK(攻撃)」「SKILL(魔法)」「GOODS(アイテム)」などを選んで戦うオーソドックスなコマンド選択式のバトルだと言えます。

WiiU_screenshot_TV_0131D_20151228003358f1a.jpg
<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 このゲームならではの特徴としては、「弱点」のシステムが『ファイアーエムブレム』っぽいですね。「剣は斧に強く」「斧は槍に強く」「槍は剣に強い」三すくみや、「飛行ユニットは弓に弱い」特効といった『ファイアーエムブレム』ではおなじみのシステムがRPGっぽくアレンジされて入っています。

 敵を攻撃する際、それぞれの敵の「効果的に効く攻撃(弱)」「あんまり効かない攻撃(耐)」が表示されるので、効く攻撃を優先して使っていきましょう。どの敵も最初は「?」「?」「?」「?」「?」「?」「?」「?」「?」「?」となっているので、弱点を探りながらそれぞれのキャラで攻撃していくのが楽しいです。

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 そして!何よりこのゲーム最大の魅力だと自分が思っているのが「セッション」システムです!前述したとおり、敵は「弱点」の属性を持っているので、こちらはその属性の「SKILL」を使って攻撃するのが基本なのですが、その際に他のキャラが「その属性の攻撃に合わせて連続攻撃をしかける」スキルを装備していると、セッションスタート!連続攻撃が始まります。

 次々と味方が攻撃を繋げてくれて、1回の行動と消費EPで最大3回分の攻撃を浴びせて敵を倒してくれるのが超気持ち良いです。また、「3回分のセッション」なのに1回目で倒してしまった場合は、「オーバーキル」として他の敵を攻撃してくれます。
 敵が複数出てくると「うへぇ……こんなに倒さなくちゃならないのかぁ……」と思うのだけど、セッションを上手く使って連続で攻撃したり、画面の上に表示されている行動順を見て優先して倒す敵を考えたりすることで、上手くやるとノーダメージで多くの敵をやっつけられるのがすごく楽しいです。



 「属性とかスキル装備とかよく分からないなぁ……」と思ってしまう人もいるかもですが、(少なくとも第1章は)覚えていくスキルをセットするしかないし、どの「SKILL」を使って攻撃すると「セッション」が起こるのか表示されますし、仲間が「それを使え!」と言ってくれるし、かなりの親切仕様だと思います。

 一つ一つのコマンドに「HELP」として「どんなことが起こるのか」が表示されるのもありがたい。アトラスと『ファイアーエムブレム』が合体したら、鬼のような難易度のゲームになりそうなものですが、難易度はともかく「ユーザーにとって親切なゲーム」であるようにところどころに気を遣っているのはポイント高いです。





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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 経験値が溜まるとレベルアップ!
 上がるパラメータとそうでないパラメータが分かれる辺りも『ファイアーエムブレム』っぽいですね。

 シーダの相棒なのに成長率悪いな、このヒロイン!


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 防具やアイテムは街で買ったり宝箱から拾ったりしますが、『ファイアーエムブレム』のキャラが武器となって戦うゲームなため、武器の入手方法はちょっと特殊です。
 ユニティとかパフォーマとかカルネージといった専門用語が飛び交いますが、要は「モンスターを倒すなどして素材を集めると新しい武器を作れる」のです。一行で説明したら、ものすごく普通のシステムですね(笑)。

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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 全部が全部そうではないですが、登場する武器は『ファイアーエムブレム』を知っているとニヤリと出来るものが幾つかあります。あー、やっぱこの武器はこういう「SKILL」覚えるよね、ニヤリ、みたいな。


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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 説明が前後してしまいましたが、武器を装備して戦っているとゲージが溜まっていって、その武器固有の「SKILL」を習得していきます。キャラに覚えさせた「SKILL」は武器を変えても残ります。
 「SKILL」には、「回復魔法」「攻撃魔法」のようなもの、「力を2上げる」みたいな能力をアップさせるもの、「味方が剣のスキルで敵の弱点を攻撃した時にセッションで攻撃をしかける」といったセッションスキルなどがあり、それらをセットして使っていきます。


 まとめると……

・キャラクターは「敵を倒す」と経験値がもらえてレベルアップ
・武器は「使う」ごとに熟練度が上がって、スキルをキャラに覚えさせられる
・新たな武器は、敵を倒した時などにもらえる「素材」を使って作る


 こんなカンジですね。
 第1章の時点ではキャラも武器も限られているので「どう成長させていくのか」という選択肢はほとんどありませんが、セットできるスキルの枠には限りがあるので「これを覚えさせるためにこれは捨てよう」みたいな取捨選択が鍵になっていくのかなと思います。



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<画像はWii Uソフト『幻影異聞録♯FE』より引用>

 戦闘時の服は着せ替え可能です。
 特典や有料DLCで買えるコスチュームはコレですね。そうでない服も作中でガンガン手に入っています。見た目が変わるだけで能力は変わりませんし、「戦闘時の服」なので「シリアスなイベントなのに全員水着を着てる」みたいなことは起こらないと思います。



◇ どんなに人にオススメ?
 設定やコラボレーションの特異さに戸惑うかも知れませんが、遊んでみると「ものすごくオーソドックスなコマンド選択式バトルのRPG」なことが分かります。まだ第1章だからかも知れませんが、システムに分かりづらいところもないので、「スーファミ以来ほとんどRPGをやっていないから最近のRPGとかよく分からんなぁ」という人でも楽しめると思います。

 キャラがアイドルを目指して歌いだしたりするのにはビックリするかも知れませんが(笑)、ほら!スーファミのRPGでも『FF6』はオペラとかやっていましたし!それと似たようなものですよ!!

 それでいて……「仲間との会話」が『LINE』風のアプリで行われて、それが「次にどこに行くのか」のかフラグ管理になっていたり。敵の弱点を突いて次々と連続攻撃を繰り出すセッションみたいな気持ちの良いシステムがあったり。最近のRPGらしいシステムがしっかり面白さに直結していて、「RPGって面白いんだなぁ」とつくづく思いました。


 そもそもWii Uでは超貴重な「コマンド選択式バトルのRPG」ですしね。
 Wii Uで「コマンド選択式バトルのRPG」を遊びたい人には、そりゃオススメです!

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『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』1stインプレッション/ゲームパッドを活かしたWii Uならではのパズルアクション!

 タイトル長いので『U-EXPLORE』と略すのがイイみたいです。Miiverseのコミュニティも「U-EXPLOREコミュニティ」ってなっていますし。

WiiU_screenshot_GamePad_004C0_2015112102464528a.jpg

 3時間半ほどプレイ。ステージ18までクリアしました。
 この記事を書くために、「プロフェッショナル」と「カジュアル」の二つの難易度を試したり、複数人プレイを(1人で)試したりしているのでプレイ時間の割りに進行は遅めだと思います。



 『U-EXPLORE』は2015年11月18日に配信開始されたWii Uダウンロード専売ソフトです。価格は1700円。
 海外では『Affordable Space Adventures』というタイトルでWii Uダウンロードソフトとして発売されていたもので、日本版のローカライズはレイニーフロッグが行っています。日本版(↑)と海外版(↓)のPVは方向性が全然違うのが面白いですし、日本版は独自に日本語吹き替えのナレーションを入れるなどしていて、かなり気合の入ったローカライズなのが分かります。日本版のPVはこの声だからこそ「不気味」なんですよねぇ。



 開発はデンマークのKnapNok Gamesと、スウェーデンのNifflas’ Games。
 海外でのパブリッシャーはKnapNok Gamesが行っているみたいですね。

 KnapNok GamesはWii Uダウンロードソフト『わいわい!みんなでチャレンジ』などで知られる開発会社です。WiiリモコンとWii Uゲームパッドを活かしたイカれたゲームを次々と遊ばせるパーティゲームですね。
 日本で受けたインタビューもあるので読んでみると、KnapNok Gamesは会社の方針として「小さな会社なのでアイディアで勝負したいと思い、コントローラの変わった機能を活かしたパーティゲームに力を入れている」みたいですね。
 過去にはWiiリモコンやPS Moveを二人で向き合って振って擬似セックスをするというゲームを作ったこともあるそうです(笑)。なるほど、それをちゃんと商品として売れるものに仕立て上げたのが、『わいわい!みんなでチャレンジ』なのか……

 Nifflas’ Gamesは、日本ではWii Uダウンロードソフトとして発売された『クニットアンダーグラウンド』を始めとするインディーズゲームを開発したNicklas Nygrenさんのハンドルネーム「Nifflas」の会社です。『クニットアンダーグラウンド』は独特の絵と音が美しい、哲学的な探索&パズルアクションのゲームでした。
 上述のKnapNok Gamesのインタビューを読む限り……「Nifflas」は現在はKnapNok Gamesに所属していて、KnapNok Gamesに入社してからはこの『U-EXPLORE(海外名は『Affordable Space Adventures』)』の開発を行っていたみたいですね。

(関連記事:とうとう見えたMiiverseの真価。『クニットアンダーグラウンド 』紹介


 横文字が多くてワケわかんねえやー!
 もうこんな記事は読むのやめる!!と、途中で投げ出す人が続出しそうなので……日本語を読む根気のない人達にも分かるように、噛み砕いて説明しますと……


 「コントローラの変わった機能を活かしたゲーム」を作っている会社に、
 「探索&パズルアクション」を作ることが得意な開発者が参加したら―――
 「Wii Uゲームパッドの機能を活かしたパズルアクションゲーム」が出来上がりましたよ
ってことなんです。


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<画像はWii Uダウンロードソフト『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』より引用>

 ジャンルとしては「2Dのパズルアクション」だと思います。
 安い宇宙船をつかまされて未知の惑星を探索し始めたら、この惑星がどうもヤバイものだらけで、何とか脱出を目指すぞ―――的な始まりです。『knytt』シリーズっぽい始まり方ですね!

 操作は、
・左スティックで宇宙船の「移動」
・右スティックで「ライト(スキャナー)」の方向を変える


 最初はこれだけ。
 『クニットアンダーグラウンド』のように「さあ!どこにでも行くがよい!」と投げ出される探索ゲームではなく、各ステージがエリアに区切られていて、ゴールにたどり着くと次のステージが始まるってカンジの「ステージクリア型のパズルアクション」と言えます。


WiiU_screenshot_GamePad_01E00_2015112021183175a.jpg
<画像はWii Uダウンロードソフト『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』より引用>

 クリアしたステージは、いつでも「ステージの選択」で戻って遊べます。


 最初は機能の少ない宇宙船ですが、ステージが進むごとに徐々に使える機能が増えていきます。序盤は一ステージごとに一つ機能が増えて、その機能の使い方を理解しないと先に進めなくなっているので……「こんなにたくさんの機能があっても覚えられない!」みたいなことにはならないと思います。

・ZRボタンで「照明弾」を発射
 (敵を倒すのではなく、スイッチを押すことくらいしか出来ない)
・ZLボタンで「敵のスキャン」
・ゲームパッドの傾きで、宇宙船の「傾き」をコントロール



 しかし、何と言ってもこのゲームは「Wii Uゲームパッドの画面」を使ったコンソールパネルの機能が特徴です。

WiiU_screenshot_GamePad_01E00_20151120195029961.jpg
<画像はWii Uダウンロードソフト『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』より引用>

 これがスタート直後のゲームパッドの画面です。
 「エンジンをかける」「スキャナを付ける」というスイッチがゲームパッドの画面に表示されていて、敵にやられた後などはこのボタンを押してわざわざエンジンをかけ直さなくてはなりません。どことない『鉄騎』感。


WiiU_screenshot_GamePad_01E00_2015111902164828b.jpg
<画像はWii Uダウンロードソフト『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』より引用>

 ステージ10まで行くと、ゲームパッドの画面はこうなっています。
 「こんなにたくさんの機能を使いこなさなければいけないのか!」と思われるかもですが、同時に使うワケではありません。「燃料エンジン」と「電気エンジン」はどちらか片方しか使えませんし、使う必要はありません。


WiiU_screenshot_TV_01E00_201511190216348b0.jpg
<画像はWii Uダウンロードソフト『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』より引用>

 これが敵。
 ZLボタンで敵を「スキャン」すると、この敵が何に反応するのかが分かります。それが表示されるのがゲームパッドの画面のセンサー機器のところ。さっきの画像から、センサーのところだけ切り取って見せましょうか。

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<画像はWii Uダウンロードソフト『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』のスクリーンショットから一部を切り取ったものです>

 赤い部分が「この敵」が感知するものです。
 この敵は「電気」には敏感に反応するけど、「熱」は反応が鈍いことが分かります。なので、ここでは「電気エンジン」を切って、「燃料エンジン」に切り替えて、電気を消費するスキャナ(ライト)も切って、電気の消費量を抑えて突破していきましょう。


 「スラスター」は出力を上げると重いものも押し込めますし、「安定装置」を三段階くらい付けると慣性が抑え目になってとても操作しやすくなります。しかし、そうした便利な機能は「音」や「熱」や「電気」を多く消費するので敵に見つかってしまいます。敵に見つからないように、使う宇宙船の機能を切り替えながら進むパズルゲームなんですね。

 また、ゲームパッドの画面をポチポチ押して宇宙船の機能を切り替えている間もゲームは止まらないので、「敵に見つからないようにスラスターの出力を0にする」→ 落下する→ 「敵の捕捉範囲を超えたら地面に激突する前にスラスターの出力を上げて激突を防ぐ」といった二つの画面を見ながら俊敏に動く必要もあります。
 コンソールパネルの操作はボタン操作で代用することも出来るのですが、ボタン操作の方が早いときもあれば、タッチパネルの方が早いときもあるので、それも見極めて使い分けなくてはなりません。

 「テレビの画面だけ観ていてもダメ」「ゲームパッドの画面だけ観ていてもダメ」
 Wii Uの特徴とも言える二つの画面を両方使いこなさなくてはならないゲームということで、『ゾンビU』に近いゲーム性と言えるかも知れませんね。

 そのため、「テレビ画面をオフにしてゲームパッドの画面だけで遊ぶ」ことは出来ません。あくまでWii Uの「二画面を活かしたゲーム」なのです。




 『クニットアンダーグラウンド』はおしゃべりな妖精二匹を引き連れた探索だったのでニギヤカでしたが、こちらはガチで孤独に見知らぬ惑星を彷徨うゲームです。決して倒せない無機質な敵と、なんかうようよしていて気持ち悪い触手に囲まれていて、画面も暗いし、「恐怖」と「孤独」をずっと感じながらのプレイになります。
 だから、プレイに緊張感があるんです。二画面に注意を払いながら、敵に見つからないように上手くやりすごさなくてはならない心細さは半端ないです。

 それでいて、実際に敵に見つかって攻撃されてゲームオーバーになったとしても、すぐ手前のポイントからのやり直しになるので実はそれほどのストレスはありません。この辺は『クニットアンダーグラウンド』もそうでしたね。
 だからすごく遊びやすいのだけれど、『クニットアンダーグラウンド』は隠しステージはそうではなかったな……こっちのゲームはどうだろう……


◇ 難易度変更
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<画像はWii Uダウンロードソフト『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』より引用>

 難易度は「プロフェッショナル」と「カジュアル」から選べます。
 デフォルトは「プロフェッショナル」になっていたので私は「プロフェッショナル」で始めましたが、「カジュアル」も試したところ……正直、違いが分かりませんでした。序盤だからなのかな。後半になるとまた違うのかも知れません。

 難易度変更は途中からでも出来るみたい。


◇ 複数人プレイ
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<画像はWii Uダウンロードソフト『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』より引用>

 また、KnapNok Gamesは『わいわい!みんなでチャレンジ』などのパーティゲームを手がけている会社なので、このゲームも三人までの協力プレイに対応しています。海外版のトレーラーもこの「三人プレイ」を推していましたもんね。

 使えるコントローラは、一人は必ず「Wii Uゲームパッド」。
 後は「Wiiリモコン」、「Wiiリモコン+ヌンチャク」、「PROコントローラ」の三種類です。「クラシックコントローラ」は使えません。

 協力プレイでやることは、「役割分担」です。
 この画像で言えば、「航海士」が宇宙船の操縦です。Wiiリモコンを横持ちにして十字キーで宇宙船を動かします。「科学調査員」がスキャナー(ライト)です。ヌンチャクのアナログスティックでライトを照らす方向を定めます。この役割はあんまり面白くなくないか?(笑)
 そして、「Wii Uゲームパッド」の人はオペレーターとしてコンソールパネルを操作します。

 本来なら一人で操作することを、みんなでワイワイ言いながらプレイしてね―――という協力プレイなんですね。これはこれで面白そうです。私は家に友達を呼べるような状況ではないので試せませんが。


◇ どんなに人にオススメ?
・Wii Uゲームパッドを活かした「Wii Uならではのゲーム」を求めている人
・コンソールパネルをポチポチいじってメカを動かすのに燃える人
・アクションパズルゲームが好きな人
・おどろおどろしい雰囲気のゲームが好きな人


 1700円という価格はWii Uダウンロードソフトとしては高めの価格ですし、ゲームの雰囲気は「気軽に遊ぼうぜ!」と言えるものではありませんが、『クニットアンダーグラウンド』の作者が「Wii Uのためのゲーム」として考えてくれたゲームだけあって、このゲームにしかないこのゲームだけの魅力を持ったゲームになっていると思います。

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<画像はWii Uダウンロードソフト『U-EXPLORE SPACE ADVENTURES』より引用>

 ロード画面で表示される画像なんかも種類が豊富な上、HD画質で細かく描かれているだけでなく、日本語の部分はしっかりローカライズされているんですよね。日本語吹き替えのナレーションも入っているし、自分はまだそこまで到達していませんがMiiverseを使った仕掛けもあるみたい。

 「Wii Uのゲームパッドを活かしたダウンロードソフト」なんて恐ろしくニッチな市場だと思うのに、どうしてこんなに気合入れて開発してくれた&ローカライズしてくれたのかと思ってしまったほどです。
 サードがこんなソフトを作って出してくれているんだから、任天堂もニンテンドーダイレクトなんかで紹介してあげたらイイのに。貴重な「Wii Uだけのゲーム」ですよ!

 まだ私は序盤だと思うので、今ならまだ追いつけます!是非一緒にプレイしましょう!
 そして、Miiverseに私が「ここの突破方法が分からない……ボス、助けて」と書き込んだら優しくヒントを教えてください!お願いします!!

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間口を広げ、遊びの幅も広がった!『魔神少女 エピソード2 願いへの代価』1stインプレッション

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 現在のプレイ時間は1時間46分。
 難易度「CASUAL」で、5ステージ遊んだ時点での感想です(1つのステージを何回もプレイしています)。



 『魔神少女エピソード2 願いへの代価』公式サイト)はニンテンドー3DS用のダウンロード専用ソフトとして、2015年11月4日に800円にて発売されたソフトです。『エピソード2』という名前の通り、シリーズ2作目です。

 前作『魔神少女 -Chronicle 2D ACT- 』公式サイト)は、こちらもニンテンドー3DS用のダウンロード専用ソフトとして、2014年8月6日に400円にて発売されました。400円という低価格ながら、完成度の高さとやりこみの深さにて多くの人を虜にしました。自分も当時、紹介記事を書いているんで、よろしかったらどうぞ。

(関連記事:遊べば遊ぶほど強くなる!『魔神少女 -Chronicle 2D ACT-』紹介


 ストーリーは一応「前作の続き」みたいですし、前作よりも今作の方が要素も多く、価格も400円と800円では倍の差がありますので……「やるんだったら前作からやろうかな」と考える人もいるかも知れません。しかし、私は「どっちか1作だけ遊ぶ」という人にならば間違いなく『エピソード2』の方をオススメします。


 前作に不満があったワケではないのですが、続編をプレイしてみると前作は「400円のゲームでこれだけ作りこんでくれたんだからここは目をつむろう」と気にしないようにしていたところが結構あったんだなぁと思いました。

 今作は800円のゲームということで妥協することのないゴージャスなゲームになっていますし、「アクションゲームが苦手な人にも取っつきやすく」なっているだけでなく、「プレイヤーが好きなように遊べる“幅の広さ”」が出来ているのです。



◇ ゲームの基本
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<写真は3DSDLゲーム『魔神少女エピソード2 願いへの代価』より引用>

 このゲームのジャンルは「2Dアクション」です。
 『スーパーマリオ』のように己の肉体で相手を踏んづけて倒すタイプの「2Dアクション」ではなく、ショットを撃って相手を倒していく『ロックマン』タイプの「2Dアクション」ゲームです。今の若い人がどのくらい『ロックマン』を知っているのかは微妙ですけど……


 基本操作は前作通り。
 オプションでキーカスタマイズも出来ますが、デフォルトだと……

「Yボタンでショットを撃つ」
「Bボタンでジャンプ」
「Aボタンで強化ゲージを消費して強化」
「Xボタンでリングコマンドを出すか、LRボタンで武器変更」


 こんなカンジ。
 ただ、今作からの追加要素もあって、詳しくは後述しますが「Xボタンでリングコマンドを呼び出す」のが今作では重要になっていますね。私は前作ではLRボタンで武器変更していたので、「リベンジマジックってどうやって出すんだ…?」と最初は分かりませんでした。


○ 「Aボタンで強化ゲージを消費して強化」
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<画像は3DSDLゲーム『魔神少女エピソード2 願いへの代価』のスクリーンショットの一部を加工したものです>

 このゲームは、敵を倒すと「トレース」と呼ばれる蝶のようなものが発生し「強化スロット」に溜まっていきます。「強化スロット」のゲージが溜まっているところでAボタンを押すと、そこのスロットのパワーアップが出来るのです。この画像だと「LINE」のゲージの途中なので、このタイミングでAボタンを押すと「WING」がパワーアップして、ジャンプの滞空時間が長くなります。

 「えー、何だか難しそう」と思う人もいるでしょう。私もそう思います。
 しかし、このゲームはそういう人のために、パワーアップのシステムを「オート=コンピュータに全部任せる」「セミオート=コンピュータに任せつつ自分でもAボタンを押してパワーアップできる」「マニュアル=自分がAボタンを押した時のみパワーアップできる」の3つの中から選べるようにしてあるのです。

 私は基本的に、前作も今作も「セミオート」ですね。ほとんどAボタン押しません(笑)。
 今作からの要素として「オート」「セミオート」でパワーアップした時に、「スピード!」とか「ウィング!」といったカンジにボイスで叫んでくれるようになりました。このおかげで自動でも何がパワーアップしたかが分かるし、どんどん強くなっているのが実感できて気持ちいいです。

 なので、「何だか難しそう……」と思った人は「オート」か「セミオート」に設定して、ガンガン敵をやっつけていけばガンガンこっちがパワーアップしていくぜくらいに考えておけば良いと思います。


○ Xボタンでリングコマンドを出す
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<写真は3DSDLゲーム『魔神少女エピソード2 願いへの代価』より引用>

 武器変更コマンドです。
 「倒したボスキャラの武器を入手して使えるようになる」のは前作と一緒です。加えて、今作から基本武器である「ライン」と「コメット」の切り替えもできるようになりました。前作だと強化スロットを消費しないと「コメット」に切り替えられなかったため、私は「コメット」を使う機会があまりなかったんですよねー。今作で初めて「コメットもイイじゃん」と思いました。

 ただ、画像は「コメット」じゃなくて「パニッシュ」になっていますね(笑)。
 後述しますが、今作からの新要素で「スロットを自分の好きなように変更できる」機能が入ったので、私は「コメット」ではなく「パニッシュ」を選びました。タメ撃ち楽しい。

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<画像は3DSDLゲーム『魔神少女エピソード2 願いへの代価』のスクリーンショットの一部を加工したものです>

 さてさて!
 前作から今作への変更点はたくさんあるのですが、その中でも私が一番重要だと思っていて、もう前作には戻れないなと確信した変更点はこちらです!

 新要素「キャパシティ」。
 前作は「ライン」や「コメット」といった通常武器は無限に撃てたのだけど、ボスキャラを倒して手に入れた特殊武器は「強化スロット」のゲージを消費しないと使えない仕様でした。つまり、特殊武器を使いたければパワーアップを犠牲にしなきゃならなかったんですね。
 なので、前作は基本的にずっと通常武器を使い続け、イザという時だけ特殊武器を使うという戦いにするしかありませんでした。せっかくボス敵を倒して新武器を手に入れても気軽に使えなかったのです。


 それに対して今作は、全ての武器は共通の「キャパシティ」を消費して撃てるという仕様になりました。
 通常武器の「ライン」は消費が少ないので好き放題撃てる。特殊武器の「レーザー」は強力だけど消費が大きいので連発は出来ない―――みたいな。「キャパシティ」は自動で少しずつ回復するので、それを見極めながら武器を使い分けていきましょう。分かりやすく言っちゃうと、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』の「がんばりゲージ」です。爆弾は消費が大きいので連発できないぞ、みたいな。

 これによって、特殊武器も道中で好きなだけ撃てるし、プレイヤーが好きな武器を使った攻略が出来る自由度が生まれたのです。


○ Xボタンのリングコマンドから「上」か「下」を押すことで、アイテムが使えるように
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<写真は3DSDLゲーム『魔神少女エピソード2 願いへの代価』より引用>

 今作からの新要素です。
 詳しくは後述しますが、トレースを使ってショップで「マジックアイテム」を買っておくとステージで1回だけ使えるようになりました。「1回だけ」というのはステージで1回だけという意味で、消費アイテムではなく「どのステージを遊んだ時も1回だけ使えるようになる」のです。

 「ライフの回復」や「足場を作る」など、アクションゲームが苦手な人への救済措置にもなりますね。


○ ダメージを受けた分だけ反撃できる「リベンジマジック」
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<写真は3DSDLゲーム『魔神少女エピソード2 願いへの代価』より引用>

 これも今作からの新要素。
 今作では敵からダメージを喰らうと「リベンジゲージ」が溜まり、そのゲージを消費することで「リベンジマジック」という強力なショットが撃てるようになりました。使い方は、Xボタンでリングコマンドを出してからRボタン。昔の格闘ゲームにおける「超必殺技」みたいなヤツですね。

 前作は「ダメージを喰らう」ことに対するペナルティの大きいゲームでした。ライフはもちろん減るし、ノーマル難易度だと回復する手段はありませんし、強化スロットに溜めているトレースが減るからパワーアップが遅くなるし、特殊武器も使いづらくなってしまいました。「最初から最後まで1回もダメージを喰らわない」ことでサクサク進めるようになる一方、一撃でも喰らうと挽回が難しくなってしまう側面もありました。

 それが前作の持ち味でもあったと思うんですけど、今作はそこから思い切って方針転換して、「ダメージを喰らう」ことによって使える技を新要素に加えたんですね。一撃を喰らっても「その分リベンジマジックが使えるぜ」と思えるという。


 「キャパシティ」も「マジックアイテム」も「リベンジマジック」も、今作からの追加要素は「前作がシビアすぎた」ところから「とっつきやすく、誰でも楽しめるように」と間口を広げる効果になっているなぁと思います。


◇ アクションゲームが苦手な人を歓迎しつつ、ボリュームも増やす
 前作と今作の方向性の違いは、ゲーム開始時の難易度選択画面からも分かります。

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<写真は3DSDLゲーム『魔神少女 -Chronicle 2D ACT-』より引用>

 これが前作の難易度選択画面。
 「EASY」「NORMAL」「LUNATIC」、「LUNATIC」は1回ゲームクリアした後に選べるようになったんだったと思います。
 ここで重要なのは、カーソルのデフォルトの位置は「NORMAL」だということです。


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<写真は3DSDLゲーム『魔神少女エピソード2 願いへの代価』より引用>

 次に今作の難易度選択画面。
 「VERY×2 EASY」「CASUAL」「EXPERT」「LUNATIC」、「LUNATIC」は今作も1回ゲームクリアした後に選べるようになるみたいです。
 カーソルのデフォルトの位置は「CASUAL」でした。


 実際に「CASUAL」を遊んでみたカンジ、恐らく今作の「CASUAL」は前作の「EASY」に相当する難易度じゃないかなと思います。
 前作の「NORMAL」はライフ回復アイテムを敵が落とさず、かなりシビアなバランスでした。ゲームがあまり上手くない私は、何度も死んで敵の攻撃パターンを覚えて、カスタマイズにカスタマイズを重ねてやっとの思いでクリアできたカンジでした。
 それに比べて今作の「CASUAL」はライフ回復アイテムがバンバン落ちてくるし、カスタマイズがテキトーな上に敵の攻撃パターンを覚えていない初見プレイでも、「マジックアイテム」や「リベンジマジック」を駆使すればサクサク進める難易度だなぁと今のところの印象です。そして、これより更に下の「VERY×2 EASY」という難易度もあるという。


 つまり前作と今作の難易度はこんなカンジじゃないかなぁと思います。

・***** → 「VERY×2 EASY」new!
・「EASY」 → 「CASUAL」
・「NORMAL」 → 「EXPERT」
・「LUNATIC」 → 「LUNATIC」

 重要なのは、カーソルのデフォルトの位置が前作では「NORMAL」で今作では「CASUAL」だということです。前作より一段階下の難易度を標準の難易度にして誰でもサクサク楽しめるようにした上に、前作の「EASY」でも難しかった人のために更に下の難易度「VERY×2 EASY」を用意したってことなんだと思います。


 ゲームが上手い人には分からない感覚だと思いますが、ゲームが下手な人が新しいゲームを始める時に最初に思うことは「このゲームは果たして自分にも出来るゲームなのか……」です。つまり、このゲームが自分のためのゲームなのか、ゲームが上手い人のためのゲームなのかが分からないまま、ゲームを始めなければならないのです。

 そういう人がゲームを始める、何も考えずに難易度はカーソルが最初から指していた「NORMAL」で始める、ボコボコにやられる、何度も何度もゲームオーバーになっても最初の面もクリア出来ない、仕方ないから難易度を「EASY」に下げようかと思うと「EASYに下げたらもう二度とNORMALに戻せませんよ」と忠告される―――――「あぁ……ゲームが下手な自分は、このゲームには手を出してはいけなかったんだ……」と、打ちのめされてしまう瞬間です。「ゲームが下手」というコンプレックスを突きつけられてしまう瞬間です。

 たかが「難易度選択時に最初のカーソルがどこを指しているか」ですけど、そのゲームがどういう人に向けて作られているのか、どういう人にオススメ出来るのかが分かりやすく見えるところだと私は思います。『魔神少女 エピソード2』は、前作よりも「アクションゲームが苦手な人にも楽しめるように」と配慮されたゲームだと、ここを見るだけで分かるのです。


○ 最初から選べるステージは8つ、純色のシェガーは1ステージ4つ
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<写真は3DSDLゲーム『魔神少女エピソード2 願いへの代価』より引用>

 とは言え、今作からの新要素が全て「アクションゲームが苦手な人」に向けたものということではありません。続編として「順当なパワーアップをしている」ところも多いです。

 まず、最初から選べるステージ数が、前作では「6」でしたが、今作では「8」に増えています。ということは、ボス敵を倒して入手できる特殊武器も「6」から「8」に増えているということですね。
 また、探索要素もパワーアップしていて、各ステージに隠されている「純色のシェガー」が、前作の「1ステージ2つ」から今作では「1ステージ4つ」に増えています。私はまだ全部見つけたワケではありませんが、現時点で「なるほど、上手いことギミックを活かしているなぁ」と唸らされています。


○ 更に自由度が増したカスタマイズ要素
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<写真は3DSDLゲーム『魔神少女エピソード2 願いへの代価』より引用>

 前作にも、溜めたトレースを使ってキャラを強化する「グロウパート」、純色のシェガーを獲ることで「強化スロットの上限が増える」などのカスタマイズ要素がありましたが……今作は更に要素が増えて、「手に入れたトレースと純色のシェガーを使ってどこを強化するのか」の自由度が増しました。

 「ステータスを成長」と「テクニカルスキルを成長」は前作の「グロウパート」のようなもの。テクニカルスキル(ボスを倒して入手する特殊武器)の成長はパワーアップが2項目になりましたが。


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<写真は3DSDLゲーム『魔神少女エピソード2 願いへの代価』より引用>

 「スロットをカスタマイズ」は、前作の“純色のシェガーを獲ることで「強化スロットの上限が増える」”を更に一歩進めたような新要素です。どのスロットの上限を上げるかを自分で決められる上に、スロット自体を選べるようになりました。「WING」じゃなくて「DASH」にするかとか、「COMET」じゃなくて「PANISH」にするかとか、プレイヤーの戦い方に合わせてスロットを決められるようになったんですね。

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<写真は3DSDLゲーム『魔神少女エピソード2 願いへの代価』より引用>

 更に、前述したようにステージで1回だけ使える「マジックアイテム」もトレースを使って買えるようになりました。細かいジャンプ操作が苦手な人、探索が苦手な人などは、「マジックアイテム」を使うことでその苦手をカバー出来ますし。「手に入れたトレースと純色のシェガーをどこに使うのか」の選択肢が増えたことで“自分だけのカスタマイズ”をしている感覚が前作よりも格段に増しました。

 おかげで、純色のシェガーを探す目的で同じステージを何周も遊んでいても「次はどこを強化しようかなっ」とワクワク出来るんですね。


◇ 前作以上に「キャラクター」を掘り下げる
 前作も発売前から「可愛らしいキャラクターの2Dアクションが出るみたいだぞ」と話題になっていましたし、各ステージのボスキャラを使った3DSのテーマが発売されるなど、キャラクター人気の強いゲームでしたが……今作は更にここをパワーアップしてあります。

 今作は、まず各キャラクターのキャラクターデザインを各キャラクターごとに違う人が担当しています。そう言えば『ロックマン』シリーズって各ボスキャラのアイディアを募集とかしていたっけなぁ……なんて思い出しましたが、違う人がキャラクターデザインをすることで様々なタイプの絵柄のキャラクターが混在するゲームになるんですね。

 また、前作では400円という低価格なソフトだったためか、各キャラクターの声優さんは「1人の声優さんが兼ね役で何キャラクターか演じる」形になっていました。
 今作は予算が前作より増したのか、各キャラクターに1人ずつ声優さんが付いているみたいで公式サイトのキャラクター紹介ページにも声優さんの名前が載るようになりましたね。

 主人公ジズーの声が変更になったのも、恐らくそのためみたい。
 前作では手登根さんがジズーとクリンスィーの二役を演じていましたが、今作では手登根さんがクリンスィー役、ジズー役はやびくかりんさんになったんですね。

 キャラデザと声優さんが1人1人違うことで、個性が前作以上に出ていると思いますし、自分としてはこっちの方が愛着が湧くかなぁと思っています。


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<写真は3DSDLゲーム『魔神少女エピソード2 願いへの代価』より引用>

 キャラへの愛着と言えば!
 前作ではせっかく個性的で可愛いボスキャラクターがいるのに、喋るのは戦う前だけで倒してしまえばそれで終わりという寂しい仕様でしたが……今作では「倒した後の会話」が読めるようになりました。しかも、ボイス付き!これは「ステージをクリアした御褒美」としても、「キャラクターの掘り下げ」としても、嬉しい新要素です。



 そう言えば、ボスキャラだけでなく道中に登場するザコ敵キャラも凝っているキャラが多いなーと思いながら遊んでいたのですが、今作ではザコ敵キャラのデザインを公募するコンテストが開かれていたそうで、「そんな面白そうなことやっていたのか!」と今更ながらに知りました(笑)。

 ボスキャラもザコキャラも色んな人のアイディアが詰まっているのに、それでもちゃんと統一感あるデザインに収めてあってゲームとして成り立っているのも凄い話です。



◇ ファーストインプレッション
 「ゲームの紹介記事を書くのを辞めようと思う」という話を数日前に書きましたが、ファーストインプレッションの記事ならば「クリアをしなくても書ける」「難易度に言及しなくても良い」「ゲームに対して一番熱量の高いタイミングで書ける」「発売週に記事が書けるので、記事の需要も、好きなゲームをオススメできる効果も大きくなる」という目論みがあって、発売日付近に買った新作ゲームに限りますが今後は「ファーストインプレッション」の方を軸にしていこうかなと思っています。

 その1本目が、このゲームで良かったです(笑)。
 単に「面白いゲーム」というだけでなく、「前作と比べて変わった部分・良くなった部分」がものすごく分かりやすいゲームですし、まだ2時間もプレイしていない私ですが今のところは「3DSダウンロードソフトの中でも“とりあえずコレは買っておけ”と言えるソフト」になりそうな1本かなぁと思っています。


 ちなみにプレイ時間は2時間にも達していない私ですが、この記事は4~5時間かけて書いています。ブログに記事を書くためにゲームが進んでいないとは、本末転倒感が半端ない!!


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