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アニメ『迷家-マヨイガ-』各話感想メモまとめ(1話~最終話)

 作品リストも作ったことですし、アニメの各話感想のまとめやりますよ!Twitterに書いていたアニメ1話1話の感想をまとめる記事です。


 春アニメの1発目は『迷家-マヨイガ-』です!
 このアニメは「後から自分の感想を読み返す」のが、ものすごく面白いのです。「ということは、こういうことだな!」と書いた予想がことごとく当たっていないのが記録されていますからね。

<ルール>
・1話から最終話までの感想ツイートを貼り付け
・“最終話まで観終っている”現在の自分のコメントを補足
・なので、基本的に最終話までのネタバレを含みます
・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな


 今回の記事も長くなることが予測されるので格納しました。
 続きは「続きを読む」を押してもらえれば表示されます。ではでは。

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最新の技術で蘇ったワイワイワールド!『The Wonderful 101』紹介(5.5点)

【三つのオススメポイント】
・複雑なようで、根っこにある操作は実はシンプル
・これらは「オマケのミニゲーム」ではない!現代に蘇ったワイワイワールドだ!
・誰でもエンディングまで遊べる任天堂チューニング



『The Wonderful 101』
 Wii U用/ユナイト・アクション
 任天堂/開発:プラチナゲームズ
 2013.8.24発売
 セーブデータ数:30(ユーザーごとに作成可能)
 公式サイト※ 音が出ます

The Wonderful 101The Wonderful 101

任天堂 2013-08-24
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by G-Tools




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 プレイ時間は約26時間
 基本的にはイージーモードでのプレイでクリアしました
 やりこみ要素や隠しステージは無視しましたが、記事を書くために同じステージを何度もやり直したりはしています


◇ 複雑なようで、根っこにある操作は実はシンプル
 このゲームは2013年に任天堂から発売されたWii U用ゲームで、開発は元カプコンの人達が中心となって設立した会社プラチナゲームズ、ディレクターは『バイオハザード2』『デビルメイクライ』『ビューティフルジョー』『大神』『ベヨネッタ』を手がけた神谷英樹さんです。

 「プラチナゲームズが任天堂と一緒にゲームを作るの??」というのは第1報の時には話題になりましたが、その後『ベヨネッタ2』がWii U独占で発売されて、『スターフォックス零』の開発もプラチナゲームズが参加しているということで―――今ではもうすっかり任天堂にとってプラチナゲームズは「HDグラフィックの骨太アクションゲームを作れる貴重なパートナー」になったと言えると思います。



 さて、今作の話。
 プラチナゲームズにも、神谷さんのゲームにも熱烈なファンがいるので、今日の記事は「書くのが気が重い」というのが正直な気持ちです。一歩間違えたら、また一部分だけを抜粋されてどこかに貼り付けられて、そこしか読んでいない人が記事本文を読まずに「みんなが愛するゲームのことを批判するけしからんやつだ!」とコメント欄に押しかけてきて、炎上しかねません。だから、しっかりと覚悟を持って伝えたいことを伝えられるように書こうと思います。

 私には、このゲームは肌に合いませんでした。

 ただ、それは「このゲームがダメなゲームだから」ではありません。
 このゲームが思う「ゲームの面白さ」と、私がゲームに求めている「ゲームの面白さ」がズレていただけなんです。なので、このゲームのどこが私の肌に合わなかったかを書くことで、逆に「それって面白そうじゃん!」と思ってくれる人もいると思うんですね。私には肌に合わなかったけど、このゲームを面白いと思う人はたくさんいると思うんです。

 また、このゲーム……遊んでいない人には「どういうゲームなのか」がイマイチ伝わっていないと思います。いや、もっと言うと遊んでいた私ですら終盤まで「どういうゲームなのか」が分かっていなかったです。
 発売前に出た紹介映像とか社長が訊くでは、頑なに伏せられていたところを見ると……ひょっとしたらネタバレを気にしてプロモーションでは敢えて見せないようにしていたのかも知れませんが、発売から2年が経った今ならば「どういうゲームなのか」を語ってもイイと思うのです。

 手を出せば「このゲームを面白いと思える」のに、それを知らずに手を出していない―――という人のためにも、このゲームが「どういうゲームなのか」を語っていこうと思います。



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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 このゲームの基本は、斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲームです。味方キャラを大勢引き連れて戦う見た目から「『ピクミン』みたいなゲームかな?」と思われるかも知れませんが、『ピクミン』のようなストラテジー要素はほとんどなく、どちらかというと『ファイナルファイト』のような“ベルトアクション”に近いゲームです。

・Aボタンで攻撃
・Bボタンでジャンプ(二段ジャンプ可能)
・Yボタンを押している間はダッシュ


 基本操作はこんなカンジ。
 ビックリするくらいシンプルです。それこそ『ファイナルファイト』のような“ベルトアクション”って、後に大流行する格闘ゲームなどに比べて覚えなきゃならないことが少ないシンプルなジャンルでしたからね。



 ただ、このゲームはそれだけではありません。
 100人まで引き連れられる大勢の仲間を“合体”させることで多種多様なアクションをすることが出来るのです。

 まずは、ゲームパッドの画面に「図形」を描き込んでAボタンで、操作キャラを切り替えて違ったアクションが出来ます。ゲームパッドの画面を使いたくない人は右スティックでも代用可能です。

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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 円を描けば隊員達が「拳」に合体して、Aボタンでの攻撃が強力なパンチになります。


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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 直線を描けば隊員達が「剣」に合体して、Aボタンでなぎ払って広範囲を攻撃できます。


 言ってしまえば、『ゼルダの伝説』などのゲームで「アイテムを切り替える」のと変わらないのですが。メニュー画面を開いてアイテムを選ぶのと違って、瞬時にその場で形態が変わっていくので、上手い人なら銃→剣→ハンマーみたいに攻撃をしながら形態を変えてコンボを繋げることも出来ます。
 「たくさんの形態があるのなら覚えるのが大変そう……」と思われるかもですが、最初は使えるのが「拳」と「剣」だけで、ストーリーが進むごとに徐々に使えるものが増えていくってカンジなのでその辺の心配は必要ないと思います。思いますが……という話はまた後で。


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<画像はどちらもWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 この「形態の切り替え」を使った仕掛けも多く、例えば「拳」形態でハンドルを回し、敵が露わになったら「剣」形態になって攻撃をする―――みたいな場面もあります。





 次に、“合体”していない「余っている隊員」の活用方法。

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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 Xボタンでチームアタック。
 余っている隊員を敵にぶつけて敵の動きを封じたり出来ます。イメージ的には、「Xボタンが弱攻撃」「Aボタンが強攻撃」みたいなカンジですかね。


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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 ゲームパッドに図形を描いてXボタンを押すとマルチユナイト。
 プレイヤー自身は「剣」で広範囲を攻撃している間に、余っている隊員には「拳」で強力な一撃を食らわして欲しい―――みたいなことが出来ます。



 続いて、ショップで買わないと使えない特殊操作ですが、縛りプレイでもしない限りは真っ先に買って使えるようにしないとものすごく大変な目に合う基本的な特殊操作(矛盾)です。私はMiiverseで買うことを教えてもらうまでは1-Bもクリア出来ませんでした。

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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 ZLボタンでユナイト・ガッツ。
 巨大なプリンに“合体”することで敵の攻撃や砲弾を跳ね返せる技です。これなしでクリアとか出来るの?レベルで必要、絶対に真っ先に買おう。


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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 ZRボタンでユナイト・スプリング。
 身も蓋もない説明をすれば「回避」ボタンです。このゲームは「回避」ボタンがショップで買わないと使えないというのは、何ともこのゲームらしいですけど……これもものすごく大切な操作なので真っ先に買いましょう。



・Aボタンで攻撃
 タッチパネルor右スティックで図形を描いて、攻撃形態の切り替え
・Bボタンでジャンプ(二段ジャンプ可能)
・Yボタンを押している間はダッシュ
・Xボタンでチームアタック
 タッチパネルor右スティックで図形を描いてXボタンで、味方が合体して援護してくれる
・ZLで防御
・ZRで回避


 こんなところですかね。
 いきなりこれをパッと見ると「使うボタン多いなぁ……」と怖気づくかも知れませんが、ボタンごとの役割が分かってくるとそれほど混乱するものでもないと思います。




 ただ……私、この「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」のパートが最後まで面白いとは思えませんでした。これは元々、私が“ベルトアクション”のゲームを好きじゃないってのもあると思うんですけど……
 どこのステージでも同じような敵が出てきて、同じように戦うだけって思えてしまいました。敵の弱点に合わせたキャラを選んで、敵の攻撃を避けて、その隙に攻撃をする―――それを1面から最終面までずっと続けているという印象でした。その敵の数も多く(ザコ敵の種類は多くなくて同じ敵と何度も何度も戦う)、耐久力も高い敵が次から次へと登場するので、1ステージに1時間前後かかってしまうのもつらかったです。

 ゲームの面白みとしては、「色んな技を組み合わせて自分だけのコンボを見つける」とか「マルチユナイトで効率よく敵を倒す」辺りがポイントだと思うのですが……そもそもゲームパッドに図形を描いてもこちらの意図と全然違う図形に認識されるので、コンボどころの騒ぎじゃなかったんですね。「ハンマー」出したいのに「鞭」、「鉤爪」出したいのに「鞭」、「銃」出したいのに「鞭」、「爆弾」出したいのに「鞭」……どんだけ俺に「鞭」を使わせたいんだよ!!


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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 ゲームパッドも「図形を描く場所」以外のところをタッチしてしまうと画面が切り替わってユナイトアクションが出来なくなってしまうのにイライラしました。こっちはゲームに集中して「よーし!ここでハンマーに切り替えてトドメだー!」と思って図形を描いているのに、ゲームパッドの画面はのんきに「クイックヘルプ」を表示してて、慌てて元の画面に戻している間にテレビ画面ではボコボコにやられている―――みたいなこともしょっちゅうでした。

 ゲームパッドで「図形を描く」ゲームにするなら、ゲームパッドの画面はそれだけに集中させてくれたらよかったのに……2012年のE3の画像を見る限り、当初はそういう仕様だったみたいなのにねぇ。



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<画像はどちらもWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 あとまぁ……根本的なことを言っちゃうと、画面がよく見えないんです。
 自分が24インチという大きくないテレビでプレイしているということもあるのかもですが、敵も味方も100人単位で入り乱れるので何が起きているか分からないし、エフェクトが派手で敵の動きは見えないし、障害物とか大きな敵の向こうに入ると自分のキャラが見えなくなるのでそれで攻撃を喰らったり……

 「それもゲーム性なんだよ」ということなんでしょうけど、私は「画面を見づらくすることで難易度調整するゲーム」が好きじゃないです。ゲームが3Dになって遊びやすくなるならともかく、「ゲーム3Dになったからカメラアングルを工夫して画面を見づらくしたよ」なんて言われるから「昔のゲームは良かった……」なんて懐古主義の嘆きが出てきてしまうんだと私は思うんですけどね。



 ということで、私の肌には合いませんでした。
 合いませんでしたけど、これは元々私がこの手のジャンルのゲームが好きではないことに理由があると思います。甘いものが嫌いな人に、すっごく高級なスイーツを「美味しいよ!」と食べさせても「うわっ……甘ったる!」としか思われないみたいなことです。
 「元々“ベルトアクション”のゲームが好きな人」とか、「たくさんの敵味方がゴチャゴチャと動きまわるゲームが好きな人」とか、「カメラアングル固定型の3Dアクションゲームが好きな人」とかは、また別の感想になるんじゃないかなと思います。無責任に「オススメだよ!」とは言えませんけど、私が好きでなかったからと言って、全ての人が好きになれないワケじゃないと思いますしね。



 それと、もう一つ。
 このゲームを“基本は、斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム”と私は書きました。実際、発売前にプロモーションに使われた紹介映像や「社長が訊く」ではここばかりが取り上げられていたのですが……
 このゲームにとって「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」なんて、このゲームに収録されているたくさんのゲームの一つに過ぎないと私は思っています。



◇ これらは「オマケのミニゲーム」ではない!現代に蘇ったワイワイワールドだ!
 このゲーム……先ほど散々説明した「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」だけでなく、ところどころに「全く別のゲーム」が入っていて、ストーリーに合わせて次から次へと色んなことが起こります。



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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 野球が始まったり。


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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 シューティングゲームが始まったり。


 最近のゲームではこういうことは珍しくも何ともないと思います。
 『マリオ』にも『ゼルダ』にも『FF』にも「ゲーム本編とは全く違う操作のミニゲーム」が入っていて、完全にオマケのお遊びとして収録されているものもあれば、ストーリー進行のためにクリアが必須のミニゲームとして入っているものもあります。私は「クリアが必須のミニゲーム」があまり好きでなく、その度に「どうしてゲーム本編とは違う操作のミニゲームがクリア出来ないからといって先に進めなくするんだ」と思ってきました。

 『The Wonderful 101』のこれらのゲームも、最初はそう思っていました。
 あまりに頻繁に入ってくるミニゲームに、例えばボスをノーコンティニューで倒したのにその後の脱出ミニゲームで壁にぶつかって一撃死→コンティニュー→ステージクリア後の評価も最低評価になる、みたいなことが繰り返されてムキーーーッ!となっていました。


 しかし、終盤になってようやく気付きました。
 このゲーム……「本編」のオマケで「ミニゲーム」が入っているんじゃなくて、色んな「ミニゲーム」を次から次へと遊ばせるための繋ぎとして「本編」があるんじゃないのか、と。




 言ってしまえば、このゲーム。
 任天堂版『コナミワイワイワールド』を作りたかったんじゃないのか?と気付いたのです。

 終盤まで閉口しながらプレイしていた私ですが、それに気付いてからは「次はどんなゲームがやってくるのかな」とワクワクするようになりました。
 「図形を描いてユナイトアクション」みたいな押し出し方ではなくて、『ワイワイワールド』みたいなお祭りゲームだよと押し出せば興味を持った人はたくさんいたんじゃないかと思いましたし、どうして私以外誰も「『The Wonderful 101』は『ワイワイワールド』みたいなゲームだよ」と言ってくれなかったのかと思いました。


 そしたら、



<以下、引用>
山上「そうですね。これが、はじめて任天堂にプラチナゲームズさんが持ち込まれた時の企画書です。」

岩田「はい・・・。」

神谷「これはですね、最初うちの三並から「任天堂のキャラクターを中心に、世界的に有名なキャラクターが一堂に会する企画を考えてくれ」という、オーダーがあったんです。」

岩田「なんともまあ、大胆なオーダーですね(笑)。」

<中略>

岩田「神谷さんは社内でこのオーダーを受けて、どう思いましたか?」

神谷「僕はファミコンの『ワイワイワールド』とか『ファミコンジャンプ』がすごく好きだったんですね。
 別々の作品から多数のキャラクターが参加するオールスター・ミックス系のゲームっていろいろあると思うんですけど、それぞれの枠を超えて競演するところが、とにかく感動的だし、夢があるじゃないですか。」

</ここまで>
※ 改行・強調など、一部引用者が手を加えました


 最初に「社長が訊く」で言っていました!

 いや、確かに私は発売当時にこの話を読んでいました。
 しかし、実際にゲームを遊んでみるまで(しかもその終盤まで)すっかり忘れていました。というのも、この話は単に「人気キャラクターが一同に集まったゲーム」の例として出しただけだと思っていたんですね。そして「人気キャラクターを集めること」が現実的に不可能なので一旦企画は流れて、オリジナルキャラクターを立てて復活したので、もうそれは『ワイワイワールド』や『ファミコンジャンプ』とは無関係なものだろうと思っていました。

 しかし、出来上がった『The Wonderful 101』はキャラクターこそオリジナルキャラクターばかりですが、ゲームとしては『ワイワイワールド』とか『ファミコンジャンプ』にものすごく通じるものがあるし、最初の企画も単に人気キャラクターを集めただけではない『任天堂版ワイワイワールド』とか『任天堂版ファミコンジャンプ』みたいな壮大な“夢のようなゲーム”だったんじゃないかと思います。


<以下、引用>
神谷「とくに『ファミコンジャンプ』は僕はジョジョ目当てで買ったんですけど、主人公たちが出入りするので、必ずしもお気に入りのキャラクターを中心に活躍するものではなかったんですね。
 それで「好きなキャラをずっと使えて、みんなが満足できる形はないか?」と考えていて。

岩田「はい。」

神谷「そういう意味では『スマブラ』ってすごくよくできていますよね。自分の好きなキャラクターで遊びこめるし、あれはひとつの完成形だと思うんです。
 じゃあ「こっちはどうしよう?」と考えたとき、「あっ、ぜんぶ一度に出しちゃえばいいんだ」って思いついたわけです。」

岩田「「いつも全キャラ出てればいい」と?

神谷「はい、それがこの企画の最初でした。
 そこから、大人数がゾロゾロいることでどんなことができるだろうかとふくらんでいった形ですね。」

</ここまで>
※ 改行・強調など、一部引用者が手を加えました

 ここはすごく面白い話。
 「たくさんの人気キャラクターを一同に集めたゲーム」で、その「たくさんの人気キャラクター」をどう操作させればイイのかという話です。
 ここで例に出ている『スマブラ』とか、格闘ゲームとか、『マリオカート』とかだってそうだと思うんですけど、「その中の1人だけを操作キャラに選ばさせる」というのが1つのパターンです。
 後は例えば『スーパーロボット大戦』のようなSRPGとか、リアルタイムストラテジー(RTS)のように、人気キャラクターを「1つの駒」に見立ててプレイヤーは「それらのキャラに指示を出す指揮官に徹する」というのも1つのパターンです。


 それでは、神谷さんが好きだったという『ファミコンジャンプ』や『ワイワイワールド』はどうだったかと言うと……その前に、これらの作品を全然知らないという人もたくさんいると思うのでそこから説明します。

 『ファミコンジャンプ 英雄列伝』は1989年にバンダイから発売されたファミコン用のアクションRPGで、週刊少年ジャンプに当時連載中だった作品や過去に連載されていた作品のキャラクターが多数登場するのが特徴でした。登場作品は合計33作品、仲間になるキャラクターも(オリジナルの主人公を除いて)16人という豪華なものでした。
 しかし、一度に16人を引き連れられるのではなく、エリアによって決まったキャラクターを2人まで引き連れられるという仕様でした。エリア1はケンシロウと抜作先生、エリア2は冴羽獠と悟空、みたいなカンジで。

 こういう仕様にしたメリットは今ならば分かるのですが、当時は「せっかく悟空を仲間に出来たのに先に進むには別れなくちゃならないのはおかしい」って思っちゃっていましたねー。

 続編の『ファミコンジャンプII 最強の7人』は1991年にファミコン用のRPGで発売されるのですが、こちらは登場作品は7作品に絞っていて、仲間になるキャラクターも7人で、その中の3人でパーティを組むRPGとなっていました。お祭り感は薄れましたが、前作で出来なかった「好きなキャラをずっと操作して進める」ことが出来るようになったんですね。


 一方の『コナミワイワイワールド』は1988年にコナミから発売されたファミコン用のアクションゲームで、当時のコナミの人気作品のキャラクター6人+主人公キャラ2人を切り替えながら遊ぶことが出来ました。「↑+Aボタン」でキャラを切り替えることで、ゴエモンは宝箱を開けられるとか、マイキーは背が低いので狭い場所に入れるとか、キャラの特性を活かしたアクションが出来るのがこのゲームの特徴でした。

 『コナミワイワイワールド』は当時から非常に評価の高いゲームだったと思うのですが、敢えて問題点を探すとすると「せっかくのお祭りゲーなのに仲間になるのが遅いキャラは使われる機会が少ない」とかそんなところですかね。

 続編の『ワイワイワールド2 SOS!!パセリ城』は1991年にファミコン用アクションゲームとして発売されて、こちらにもコナミの人気キャラクターが5人登場します。登場しますが、実は本人ではなく主人公ロボのリックルがアイテムを取ることで一定時間だけそれらのキャラクターに変身できるというものでした。
 これが『1』に比べてイマイチ『2』は評価されていないポイントなのかも知れませんが、『ファミコンジャンプ』の例と同様に「好きなキャラだけずっと使って遊べる仕様になった」とも言えて、続編としては割と真っ当だったんじゃないのかと私は思っています。



 さて、『The Wonderful 101』はこの中では『コナミワイワイワールド』に一番近いと思います。仲間にしたキャラクターはずっと一緒についてきていて、いつでも操作キャラを切り替えられる、それぞれのキャラはそれぞれの特徴を持った武器が使えて、それらを切り替えながら色々な場面を突破していく――――
 実際に出来上がった『The Wonderful 101』は、仲間になるキャラクター100人がこの作品のオリジナルキャラクターなのでキャラクターを切り替えることにありがたみは特に感じなかったのですが……企画当初の「任天堂のキャラクターを中心に、世界的に有名なキャラクターが一堂に会する」ゲームだったとしたら、ものすごく魅力的な企画だったと思うんですね。

 ゲームパッドに円を描くと、操作キャラがマリオになってパンチ攻撃。
 ゲームパッドに直線を描くと、操作キャラがリンクになって剣攻撃。
 ゲームパッドに直角を描くと、操作キャラがフォックスになって銃攻撃。
 ゲームパッドに曲線を描くと、操作キャラがヨッシーになってベロ攻撃。

 全員で冒険をしているカンジがするし、全員で地球を守る戦いをしていることに熱さがあるし、『スーパーロボット大戦』とも『スマッシュブラザーズ』とも違う“新たな形のオールスターゲーム”のスタンダードになったのかも知れないと思うのです。
 どうして没になったのか!と言ったら、そりゃ「マリオとヨッシーとカービィとピカチュウが合体して剣になってそれをリンクが振り回して敵をやっつける」なんて企画は原作者からOKがもらえるワケがないとも思いますが(笑)。



 ということで、この作品――――
 任天堂版『コナミワイワイワールド』(ただし任天堂キャラはいません)と説明すると手っ取り早いかなと思うのですが、余計ワケが分からないような気もします。



 話を戻します。
 そんなカンジで「大勢のキャラクターを切り替えながら遊ぶ」ところが『ワイワイワールド』っぽいと書いてきたのですが、“「本編」のオマケで「ミニゲーム」が入っているんじゃなくて、色んな「ミニゲーム」を次から次へと遊ばせるための繋ぎとして「本編」があるんじゃないのか”というのも『ワイワイワールド』っぽいのです。

 どちらかと言うと……『ファミコンジャンプ』の『1』の方と、『ワイワイワールド』の『2』の方がそれっぽいのですが。これらのゲームは、ファミコンのあの時代なのにも関わらず、ストーリーの進行に合わせて原作の雰囲気を受け継いだミニゲームが次から次へと出てきてそれらをクリアしていくオムニバスっぽいゲームになっていました。


 話題に出してきた4作品の内バーチャルコンソールに唯一出ているのは『ワイワイワールド2』なので、これをちょっと見ていきましょうか。

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<写真は『ワイワイワールド2』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 このゲームの基本は「横スクロールアクションゲーム」なのですが……


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<写真はどちらも『ワイワイワールド2』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 ステージが進むと、当時コナミの大人気シリーズだった『ツインビー』や『グラディウス』まんまのステージになったり。


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<写真はどれも『ワイワイワールド2』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 ステージによってはパズルゲーム(『ガッタンゴットン』というゲームが元ネタらしい)だったり、レースゲーム(『シティボンバー』というゲームが元ネタらしい)だったり、『フロッガー』だったり、様々なジャンルのゲームを遊ぶゲームとなっているのです。


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<写真はどれも『ワイワイワールド2』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 元ネタを知っているとニヤリと出来るものも多く。
 『ゴエモン』ステージは、『がんばれゴエモン』じゃなくて『Mr.五右衛門』オマージュだったり。パスワード入力画面が『クォース』風だったり。無線で仲間からの通信が入ってくるのは『メタルギア』っぽかったり、ってのはこじつけじゃなくて本当なのだろうか。


 『ワイワイワールド2』は、もうどっちが本編だか分からないくらいたくさんのゲームが入っていて、当時の自分も「色んなゲームが1本に詰め込まれたおもちゃ箱みたいなゲーム」と認識していました。『ツインビー』や『グラディウス』がクリア出来ないからって「どうしてゲーム本編とは違う操作のミニゲームがクリア出来ないからといって先に進めなくするんだ」なんて怒ったりはせず、「『ツインビー』や『グラディウス』まで遊ばせてくれるなんて!」と感動していました。



 『The Wonderful 101』もそうなんです。
 本編は一応「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」なのかも知れませんが、様々なゲームが入っていて次から次へと押し寄せてきます。このゲームも「色んなゲームが1本に詰め込まれたおもちゃ箱みたいなゲーム」なんです。



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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 『パンチアウト』風のボスとの対決とか!


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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 『スペースハリアー』風のシューティングゲームステージとか。
 任天堂的には『スターフォックス』と言っておいた方がイイのかな……


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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 『すりぬけアナトウス』まである!!
 他の作品と比べて知名度がアレなんで、これはたまたま似ちゃっただけかも知れない!


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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 これは「本編とは違った操作をさせる色んなゲーム」ではなく、本編とも言える「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」なのですが……ステージによっては『ゼルダの伝説』っぽい謎解き要素もあります。



 ここまでやるのなら「2D『マリオ』っぽいステージ」とか「『スマブラ』っぽいステージ」とか「『マリオカート』っぽいステージ」とかも入れた方が、一層お祭り感が出たんじゃないのかとも思うのですが……そう言えば「『F-ZERO』っぽいステージ」ってなかったですよね。レースっぽいところはあったけど『F-ZERO』みたいな疾走感があったワケじゃないし、どうして入れなかったんだろう。



 ということで、「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」のパートは好きではなかった私ですが、「色んなゲームが1本に詰め込まれたおもちゃ箱みたいなゲーム」と気付いてからはこれらのパートは楽しめるようになりましたし、面白かったです。『パンチアウト』と『スペースハリアー』がお気に入りかな。

 今の技術で『ワイワイワールド』みたいなお祭りゲーを作ったらこんなことが出来るというゲームだったと思います。任天堂オールスターのキャラでなくなってしまったのは残念ですが、それでもゲーム自体は十分に豪勢で豪華な詰め込みまくられたゲームでした。


 一方、不満点は……これらのゲームが面白いからこそ「これらのゲームだけ」遊ぶことは出来ないというところです。先ほども書きましたが、このゲームは1ステージに1時間前後かかります。その中で次から次へと色んなことが起こり、その中に『パンチアウト』や『スペースハリアー』が入っているだけなのです。
 例えば……1時間のステージは、最初の30分は「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」が続き、5分間ムービーとQTEがあって、その後に強制スクロールで奥に進む3Dアクションゲームが10分あって、その後に『パンチアウト』が5分、その後にまた「斜めから見下ろしたカメラアングルで固定された3Dアクションゲーム」が5分あって、奥からの攻撃を避けながら脱出するパートが5分あって―――といったカンジに「1時間の間に色んなゲームが押し寄せてくる」ように構成されていて。『パンチアウト』だけ遊びたくても、そこに行くまでにものすごく時間がかかるのです(この例の時間はテキトーです)。

 せめて、1ステージがこんなに長くなければなぁ……と思ってしまいます。


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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 QTEもやっぱり自分は好きになれません。
 苦労してボスをノーコンティニューでやっつけたと思っても、その後のQTEで図形を思ったように認識してもらえずに失敗を繰り返す→ゲームオーバー→コンティニュー→ステージクリア後の評価が最低評価になるというパターンを何回味わったことか。



◇ 誰でもエンディングまで遊べる任天堂チューニング
 社長が訊くのラストで、任天堂の山上さんがこんなことを仰っています。

<以下、引用>
山上「プラチナゲームズさんのゲームというと、ハードでちょっと難しいという印象があると思うんですね。
 でも今回はあまりアクションが得意でない方に向けても十分楽しめるような、任天堂チューニングを行っています。
 「プラチナゲームズのゲームって、ちょっとハードル高そうだな~」と思って様子を見ている方がいらっしゃったら、その心配はまったくありませんので、ぜひ手にとって、多彩なユナイト・モーフを楽しんでいただきたいなあと思います。」

</ここまで>


 これはまさにその通りで、プレイする前は「この手のジャンルが苦手な自分にはクリア出来ないんじゃないか」と思っていましたが、そんな人でもゴリ押しでクリア出来るようになっていました。
 山上さんの発言だと「プラチナゲームズのゲームは難しい、任天堂のゲームは簡単、今回は任天堂に合わせた難易度になっている」的に読めるかもしれませんが、ぶっちゃけ任天堂のゲームって別に簡単じゃないですし、『The Wonderful 101』はクリアだけなら他の任天堂のゲームよりも「誰にでも」クリアできると思います。


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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 まずは難易度選択
 このプレイヤーを挑発しているともとられる画像は置いといて(笑)、基準となるノーマル、それよか簡単なイージー、更に簡単なベリーイージーが最初から選べます。ノーマルで全ステージをクリアするとその上の難易度が出て、更にその上の難易度もあるみたいです。
 私はほぼ全ステージをイージーでクリアしましたが、「オペレーションセレクト」でクリア済のステージに挑戦すると仲間や能力が引き継がれているので、ノーマルでもそこそこ太刀打ち出来るようになっていましたね。



 また、コンティニューすると「すぐその場から」再開になります。
 任天堂のゲームはコンティニューすると随分と前に戻らされて「ぐへー」となることが多いのですが、このゲームは「すぐその場から」体力も回復した状態で再開されるため、何度もコンティニューしてゴリ押しすれば誰でもクリア出来てしまうのです。それで楽しいのかという問題もありますし。


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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 すぐさま「最低評価」を突きつけられますけどね!
 頑張ってクリアしても、誉められるどころか、呆れたような溜息をつかれるだけですけどね!どんどんやる気がなくなってくる!!




 このゲーム、確かに「クリア出来ない」とか「難しい」とかの部分には任天堂チューニングは入っていて、「多くの人がクリアは出来る」「難易度は下げられる」ようになっています。しかし、個人的にはこのゲームはそれよりも全てにおいて「分かりづらい」ことがネックだと思います。
 例えば、基本操作とも言える「ユナイト・ガッツ」「ユナイト・スプリング」をショップで買わないと使えない仕様も分かりづらいです。神谷さんはトークイベントで「チュートリアルが長いので最初から使えるとその効果に気付かない人がいるかも知れない」「ショップに置いておけば流石に効果を読むだろう」仰っていたんですけど……

 私、この手のアクションゲームの序盤で「ショップ」なんて開きもしないですよ。
 だって所持金が減るじゃないですか。「所持金が減る」というリスクがあるものは、ゲームを熟知するまではなるべく使わないようにしていました。なので、「ユナイト・ガッツ」と「ユナイト・スプリング」を買わずに進めて、しばらく1-Bもクリア出来ませんでした。


 スキルとか調合とかも最後までよく分からなかったし、説明もなかったので一度も使わずにクリアしました。
 操作キャラの変更をしたかったのだけど、どこの画面からそれが出来るのかすらよく分かりませんでした。
 ラスボス戦で「回復アイテム使いたい!」と思っても使い方が分からず使えませんでした。スタートボタンで使えたと記憶しているんですが、スタートボタンが無効化される場面が何度かあったんですよ……謎。


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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 あとは、例えばショップの画面。
 桁が多すぎて、どれが買えるのかパッと見だと分かりません。一、十、百、千、万……と数えなきゃ分からないレベルです。スケールの大きいゲームだから桁を大きくしたいのなら、所持金と価格の数字を同じサイズにして上下に並べるとか、3桁ずつ点を入れるとかしてくれればイイのに。


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<画像はWii U用ソフト『The Wonderful 101』より引用>

 調合も最後までよく分からなかったので使いませんでした。
 道中で手に入ったアイテムで右のアイテムが作れるのだと思いますが、右のアイテムは小さな絵が描いてあるだけで効果がさっぱり分かりません。作ったら素材はなくなってしまうのに、「とりあえず作る」なんて勿体なくて出来ません。



 「1ステージが長い」という話は散々してきましたが、ところどころに「オートセーブ」が入るので途中でやめてもコンティニューをすればそこから再開にはなります。そこは確かに親切仕様です。
 しかし、どこで「オートセーブ」をしてくれたのかは、「セーブ中」の文字が一瞬出るだけなので、プレイヤーにはよく分かりません。「流石にセーブされているだろう」と電源を切って、後日再開したらものすごく前の場所からやり直しだったこともあります。こういう仕様にするのなら、1ステージの長さを分割して半分にするとかの方が自分は嬉しかったです。

 「1ステージが長い方が、まだ終わらないという緊張感があって面白いだろう」という狙いなのかも知れませんし、それについていっているファンが多数いるのは分かります。
 分かりますが、個人的には1ステージ20~30分が限界で、それ以上に1ステージが長いゲームは「○時から観たいテレビがあるのに、その時間までに終わらない……どうしよう……」みたいな時間に追われるプレイになってしまうので、起動するのが億劫になってしまうのです。



◇ 総評
 とまぁ……こんなカンジで、「私の好みには合わないゲーム」ではありました。

・“ベルトアクション”のようなゲームが好きではない
・画面が見づらいゲームが嫌い
・そもそも3Dアクションゲームが嫌い
・1ステージが長いゲームがつらい
・QTEが嫌い
・ステージクリア後に評価されるゲームが嫌い
・要素が多すぎるゲームはもうワケが分からない


 私が思う「自分が嫌いなゲームの要素」がものすごく詰め込まれていたゲームで、むしろここまで肌に合わないゲームだったら「なんで買ったの?」と自分でも疑問に思うくらいです。嫌いなジャンルのゲームを買って遊んで「やっぱり嫌いでした!」って、そりゃ買った自分が悪いだろうと思いますもの。

 でも、ネット上だと「絶賛する人ばかり」だったからさぁ……
 食わず嫌いをしちゃいけないなと思ったんですよ……



 ただ、繰り返しになりますが、「レベルの低いゲーム」とか「クオリティの低いゲーム」とかでは全然ないんですよ。私の好みではなかっただけでこのゲームを面白いと思うであろう人はたくさんいることと思います。私とは正反対な好みの人ならば、このゲームを楽しめるんじゃないかと思うのです。

・“ベルトアクション”のようなゲームが好き
・派手なエフェクトやカメラワークのゲームが好き
・カメラ固定の3Dアクションゲームが好き
・1ステージが長いゲームが楽しい
・QTEが好き
・ステージクリア後に評価されることに燃える
・たくさんの要素があるゲームの方がやりこみ甲斐を感じる


 そういう人はこのゲームを楽しめるんじゃないかなぁと思います。

 あとは、「色んなジャンルのゲームが次から次へと押し寄せてくるゲーム」が好きな人にもオススメです。
 私個人の好みとしては、もっと振り切っちゃって、『任天堂ワイワイワールド』として押していった方が良かったんじゃないかなとは思うんですけどね。「2Dマリオっぽいステージ」とか「スマブラっぽいステージ」とか「マリオカートっぽいステージ」とか、「どうぶつの森っぽいステージ」とか「ファイアーエムブレムっぽいステージ」とか「MOTHERっぽいステージ」とか、見たかったです。それこそ“夢のようなゲーム”になっちゃいますけど。


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| ゲーム紹介 | 17:54 | comments:12 | trackbacks:0 | TOP↑

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RPGにはこれだけの可能性があった!『ライブ・ア・ライブ』紹介(7.3点)

【三つのオススメポイント】
・7人の漫画家がキャラデザを手がける、全く別の7つのゲーム
・しかし、共通する「RPG」という枠組みに、「RPG」の無限の可能性を感じられる
・7つの世界を表現する見事なドット絵グラフィック!


『ライブ・ア・ライブ』
 スーパーファミコン用/RPG
 スクウェア
 1994.9.2発売
 セーブデータ数:4
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スクウェア 1994-09-02
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 Wii Uバーチャルコンソール用
 スクウェア・エニックス
 2015.6.24配信開始/858円+消費税
 公式サイト


 プレイ時間は約29時間
 ※ ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください
 バッドエンドではないエンディングだったので「クリアした」と言ってイイと思うのですが、自分がたどり着いたエンディングは「真のエンディング」ではなかったっぽいです


【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目の有無を、実験的にリスト化しました。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番強くて、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:◎(SF編と中世編はトラウマ案件として有名らしい)
・寝取られ:◎(スクウェア三大悪女として有名らしい)
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×(一般的なレベルだと思う)
・動物が死ぬ:△(RPGなので動物と戦うことも多いです)
・人体欠損などのグロ描写:△(そういうグラフィックの敵が……)
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:△(若干、虫っぽい敵もいるけど……)
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:○(隠しイベントとしてあったらしい)
・セックスシーン:×


◇ 7人の漫画家がキャラデザを手がける、全く別の7つのゲーム
 権利関係が複雑そうなので「バーチャルコンソールの配信は絶望的」と噂されていた作品ですが、この度Wii Uのバーチャルコンソールとして配信が実現しました!
 自分は発売当時ちょうどゲームから離れていた時期だったので、今回が初見プレイでした。同じように「今回このゲームを初めて知った」という若い人もいるかも知れないので、まずはこのゲームが発売された1994年頃の「スクウェア」がどういう立ち位置だったのかから説明しようと思います。


 スクウェアという会社は1980年代に創業、当初はパソコン用のゲームを作っていましたが、1985年からはファミコン用のソフトを手がけることになります。DOGを結成しディスクシステムにアドベンチャーゲームなどを発売したりしていました。『水晶の龍』なんかが有名ですかね。
 1986年にエニックスが『ドラゴンクエスト』を大ヒットさせて、日本にもRPGブームが来ていたところ、スクウェアは様々なところに『ドラクエ』の模倣には収まらない要素を盛り込んだ『ファイナルファンタジー』を1987年にヒットさせます。以後のスクウェアはRPGに注力するようになり、ファミコン、ゲームボーイ、スーパーファミコンに『ファイナルファンタジー』シリーズ、『Sa・Ga』シリーズ、『聖剣伝説』シリーズなどを展開してヒットさせていきます。

 そのフットワークの軽さと『ドラゴンクエスト』よりも大人びた層を対象にしていたこともあって、『ドラゴンクエスト』のエニックスと並んで、『ファイナルファンタジー』『Sa・Ga』『聖剣伝説』のスクウェアが二大RPGメーカーとして肩を並べたのがちょうどこの頃なのです。
 その後の1996年、スクウェアは任天堂と決別し、ソフトをプレイステーション用として発売していくと発表しました。その結果、当時の次世代ゲーム機戦争はプレイステーションの勝利が確定し、『ドラゴンクエスト』を始めとする他のソフトメーカーのソフトもプレイステーションに集まることとなりました。


 当時のスクウェアはそのくらい大きな影響力を持っていたし、当時のRPGはそのくらい市場の中心のジャンルだったんですね。任天堂がNINTENDO64に『マリオ』や『ゼルダ』を出しても、「64はアクションゲームばかりじゃん。アクションが苦手な人でも遊べるRPGがなければ売れないよ。」なんて言っている人も多かったです。今だともう信じられない話かも知れませんが。


 さて、『ライブ・ア・ライブ』に話を戻します。
 当時のゲーム業界において「RPG」は市場の中心でしたし、スクウェアはその中でもRPG専用メーカーとも言えるくらいにたくさんのRPGを発売していました。王道の『ファイナルファンタジー』シリーズ、それに対する異端とも言える『Sa・Ga』シリーズ、アクションRPGの『聖剣伝説』シリーズ、シミュレーションRPGの『フロントミッション』シリーズ、超豪華スタッフによるドリームプロジェクトだった『クロノ・トリガー』などなど……

 そうしたソフト群の中で、この『ライブ・ア・ライブ』は「実験的」で「RPGの色んな可能性」に挑んだ作品だったのだと思います。

 まず「オムニバス形式」の作品で、7つの章から成っています。
 章立てのRPGと言えば『ドラゴンクエストIV』などが既にありましたが、『ライブ・ア・ライブ』の場合は「全く別のゲームが7つ入っていて、そのどれから遊んでも構わない」という作品でした。そのために、それぞれの章には別の漫画家さんがキャラクターデザインとして起用されていて、章ごとの独自性を際立たせていました。

 当時の自分は「漫画家7人もキャラデザに起用なんて、なんでそんなことするんだ?」と分からなかったのですが、今回プレイしてみてよく分かりました。試みとしては『GUILD01』とかに近いんですよ。著名なクリエイター4人が作った別々のゲームが1本のパッケージに収録されている、みたいなカンジで。『ライブ・ア・ライブ』は「著名な漫画家7人がキャラクターデザインを手がけた別々のゲームが、1本のパッケージに収録されている」んです。

 そのくらい、それぞれの章は別のゲームになっているのです。
 「システム」は同じなのに。
 切り口が違うと、全く別のゲームになってしまう――――


 RPGにはそれくらいの可能性があるんだと、時代の最先端を突き進んでRPGを作りまくっていた当時のスクウェアは考えていたのだと思います。
 そして、実際にプレイステーション時代になってからもスクウェアは様々なRPGを作りまくっていきますものね。『ライブ・ア・ライブ』はRPGが色んな方向に進んでいく過渡期にあたる、「色んなRPGの可能性」を見せた見本市のような作品だったとも言えます。



◇ 共通する「RPG」という枠組みに、「RPG」の無限の可能性を感じられる
 それでは、収録されている7つの章を見ていきましょう。
 順番は単に「私がプレイした順番」です。

○ 西部編
 西部劇をモチーフにしたシナリオ。
 キャラクターデザインは石渡治さん。代表作は『B・B』『LOVe』など。

 ならず者の集団クレイジー・バンチに支配された町を救うために、賞金首であるサンダウン・キッドが立ち上がる章です。ゲームとしては「鐘が8回鳴る」という制限時間までに町を探索し、見つかったアイテムを使って町人に罠を仕掛けてもらい、それで敵を迎え撃つのです。

 言ってしまえば、RPGの「探索」要素にスポットを当てた章です。
 プレイ時間が長くなく、「探索」が苦手でも「戦闘」で挽回できるなど自由度も高く、私はお気に入りの章でした。


○ 現代編
 高原日勝が最強の格闘家を目指す話です。
 キャラクターデザインは皆川亮二さん。代表作は『スプリガン』。後に『ARMS』や『D-LIVE!!』なども執筆されますね。

 当時流行していた『ストリートファイターII』のような格闘ゲームの世界観をベースにしていて、ゲームシステムとしても格闘ゲームのように「6人のキャラクターから対戦相手を選んで順々に倒していく」というもの。戦闘自体は「格闘アクション」ではなく、このゲームに共通するSRPG風のコマンドバトルですが。

 言ってしまえば、RPGの「戦闘」要素にスポットを当てた章です。
 喰らった相手の技を覚えるシステムがあるために、対戦する順番に攻略要素があるなど、シンプルなのに奥が深くて楽しかったです。個人的には、これもお気に入りの章です。


○ 原始編
 原始時代の人類をコメディタッチで描くシナリオです。
 キャラクターデザインは小林よしのりさん。代表作は『おぼっちゃまくん』『ゴーマニズム宣言』など。

 言葉を持たない狩猟民族が主人公達なので「台詞」が一切なく、『FF5』や『FF6』のようなドット絵の動きだけでキャラクターの感情を説明し。戦闘は「シンボルエンカウントなんだけど敵の姿は見えない」のでニオイを嗅いでその場所を推理する、など独特のシステムがあります。
 レベルアップ要素やアイテム合成によって強い武器を作るなどの「育成」要素もあって、最初はどうすりゃイイんだこんな敵というザコ敵に囲まれて絶望するのだけど、次第にそうした敵も楽々倒せるようになっていくのが気持ち良いです。

 原始人という設定を活かして、他のRPGにはない独自の味を出してしまった章です。
 これも、割とお気に入りです。


○ SF編
 宇宙を航行中の宇宙船の中で起こるドラマを描いた話です。
 キャラクターデザインは田村由美さん。代表作は『巴がゆく!』『BASARA』など。

 宇宙船の中で作られたロボット:キューブを主人公にして宇宙船内を動き回り、人間関係の中で立ち回っていく話です。ザコ戦の要素はなく、ゲームシステムとしては指示された場所に向かってストーリーを進める「一本道アドベンチャーゲーム」に近いです。

 言ってしまえば、RPGの「ストーリー」要素にスポットを当てた章です。
 個人的には、1~2位を争うくらいに好きな章でした。


○ 功夫編
 クンフーの流派:心山拳の継承を描いたシナリオです。
 キャラクターデザインは藤原芳秀さん。代表作は『拳児』『ジーザス』など。

 「7つの話の中でこの主人公だけジイさんなのかよ!?」とプレイ前は思ったのだけど、この章はそれがポイントとなっていて。このジイさんが主人公となって3人の弟子を見つけ、育てて、その3人の中から1人を「継承者」にするという話なのです。

 言ってしまえば、RPGの「育成」要素にスポットを当てた章です。
 3人の内の誰を育てるのかでストーリーが若干変わるのが面白いです。終盤の連戦は正直退屈でしたけど、発想としてはなかなかお気に入りの章でした。


○ 近未来編
 スーパーロボットアニメのような世界観のシナリオです。
 キャラクターデザインは島本和彦さん。代表作は『炎の転校生』『逆境ナイン』など、後に『吼えろペン』や『アオイホノオ』なんかも描かれますね。

 父を殺され孤児院に暮らすアキラを主人公に、暴走族クルセイダーズと陸軍の企みに挑んでいく話です。ゲームシステム自体は「シンボルエンカウントのRPG」として特筆するところも少ないのだけど、細かい寄り道イベントと、主題歌があるなど(スーファミのゲームなので歌は流れませんが)往年のロボットアニメを彷彿とする熱いシーンもあります。

 RPGで「ストーリー」を描くという点ではSF編と共通するものがあるのですが、あちらが「アドベンチャーゲーム」の流れだったのと比較すると。こちらは凝った「演出」によるアニメ的、映画的な見せ方を目指した賞とも言えます。
 非常に人気の高い章らしいのですが、個人的には延々と湧き続けるシンボルエンカウントの敵がつらくてあまり好きではありませんでした。ラストは確かに燃えるんですけどね……


○ 幕末編
 悪の大名にとらわれた要人を救うために敵城に潜入する忍者の話です。
 キャラクターデザインは青山剛昌さん。代表作は『YAIBA』など。このゲームの開発が行われている頃にちょうど『名探偵コナン』の連載が始まるんですね。

 非常に多くのやりこみ要素があるシナリオで、敵を倒した数がその都度「○人斬り」と表示されます。そのために城内の全ての人間を殺す「100人斬り」や、逆に誰も殺さない「0人斬り」を目指すことも出来ます。0人斬りを目指す場合は、シンボルエンカウントの敵から隠れる「隠れ蓑」や、鐘の音によって変化する合言葉などの要素をしっかり理解しないとなりません。

 また、幕末に限らず江戸時代付近の有名人物が次々と登場するストーリーも面白いです。

 非常に「自由度」も「やりこみ要素」も充実している章で、人気の高い章なんじゃないかなと思います。
 ただ、私はノーヒントでプレイしたために「0人斬り」は途中で断念(レベル上げをしなかったので中ボスでどうしても勝てなかった)、結局2回目をやり直して中途半端な虐殺をするだけで終わってしまって……「自由度」も「やりこみ要素」も、結局は「しっかりと攻略情報を理解しなくてはならない」ことを痛感しました。



 7つの章はそれぞれ「別のゲーム」と言ってイイくらいプレイ感覚が違うのですが、実は根っこにあるゲームシステムは共通です。見下ろし型のフィールドを移動して、戦闘は「7×7」のマス目を使ったSRPG風のコマンドバトル―――それなのに「全く別のゲームが7つ入っている」と思えるくらい、RPGには可能性があったのです。切り口によって様々な顔を見せるんです。

 それを可能にしているのは、「7×7」のマス目を使ったSRPG風のコマンドバトルという独自のシステムじゃないかと思います。
 普通のRPGのコマンドは「通常攻撃」「MPを消費する魔法攻撃」のように二つに分類されると思うのですが、このゲームにはMPの概念がなく全てのキャラが複数の技を持っていて、「攻撃」も「回復」も「補助」も全て「戦う」コマンドから持っている技を選んで行います。それぞれの技には「距離」「方向」「技が出るスピード」「追加効果」のようなものがあって、「一度に複数のマスを攻撃できるMAP兵器」のようなものもあります。

 特に重要だと自分が思ったのは「速さ」の概念で、「強力だけど時間がかかる技」は発動前に敵がそこを動くとその技はもう当たらなくなってしまったり、回復役は敢えて順番をパスして味方に先に行動させたりという戦略性があります。自分が一番近いなと思ったのは、『ファイナルファンタジーX』のカウントタイムバトル(CTB)かなぁ。『ライブ・ア・ライブ』のシステムをより万人向けにしていくとCTBになるように思えます。


 この独特のバトルシステムが「普通ではない7つのRPG」をそれぞれ成り立たせていると言えるのですが……逆に言うと、私がこのゲームで一番感じた「欠点」もこのバトルシステムでした。戦略性の高いバトルシステムなので、とにかく1回の戦闘に時間がかかるんですね。なのに、とある章だと普通のRPGのようなランダムエンカウントでザコ戦を何百回と戦闘をしなきゃならなくなるので、とにかく時間がかかるかかる。

 「普通ではないRPGに適したバトルシステム」を「普通のRPG」に当てはめた結果、ただひたすら時間がかかるようになってしまった悪例だと思います。

 クリアした後に攻略サイトを読んだりTwitterで教えてもらったりした話なのですが、その章は「こちらのレベルが上がるとザコ敵も強くなる」「なのでレベルを上げすぎないように逃げるのが基本」だったみたいです。
 私はRPGで「逃げる」を選ぶのが苦手なのでエンカウントした敵は全部倒していて、その結果レベルが上がりすぎてザコ敵も強くなってしまい、1回の戦闘に5分くらいかかる→ 2秒歩く→ ザコ敵にエンカウントするので5分かけて倒す→ 2秒歩く→ ザコ敵にエンカウントするので5分かけて倒す→ 2秒歩く→ ザコ敵にエンカウントするので5分かけて倒すを繰り返していました。

 おかげでレベルが上がりまくってラスボスも瞬殺でしたしね……その辺にいるザコ敵の方が強かったような……


 ランダムエンカウントにしなければとか、「こちらのレベルが上がるとザコ敵も強くなる」仕様にしなければとか、エンカウント率が3分の1くらいならばとか、「逃げる」が勝ちなシステムだとあらかじめ教えてくれるとかしてくれたら良かったのに……と思いました。
 その章さえなければ私はこのゲームをかなり好きなまま終われたと思うのですが、その章のせいで随分と印象が悪くなってしまいました。



◇ 7つの世界を表現する見事なドット絵グラフィック!
 話を変えます。
 スクウェアという会社のゲームは創立当時からグラフィックに定評があり、現在でも日本でトップクラスのグラフィックのゲームを作れる会社と認識されていると思います。しかし、そのスクウェアの歴史の中でも「スクウェアのグラフィックの黄金期はいつだと思う?」とアンケートを取れば、スーパーファミコン時代かプレイステーション時代のどちらかになるんじゃないかと思います。


 「ドット絵グラフィックが極まったスーファミ時代」
 「ポリゴンによる3D表現やムービーで一時代を築いたプレステ時代」


 私はどちらにも違った良さがあると思います。
 「ドット絵には暖かみがあるけどポリゴンは無機質で人間味を感じない」みたいな定型の“昔は良かった”語りが私は好きではありません。ただ、この二者には明確な「出来ること/出来ないこと」の差があって、スーファミ時代とプレステ時代はその一点で大きく異なるのです。


 プレステ時代になってポリゴンで作られるようになったスクウェアのゲームは、「カメラワーク」を手に入れるんですね。
 人物の周りをグルグル回ったり、顔のアップに寄っていったり、俯瞰からキャラを映したりということが出来るようになりました。「ムービー」もその延長線上にあるものですし、その結果プレステ時代のスクウェアのゲームは「映画のようなゲーム」と絶賛される一方で、「じゃあ映画でも作ってろよ」というアンチも出てきたという。

 ドット絵で作られたスーファミ時代のゲームは、基本的には「カメラワーク」がありません。
 なので、スーファミ時代のスクウェアのRPGは、プレステ時代と同じように「ストーリー重視」のものであっても、「映画のような演出」ではなく「(カメラの位置が固定されている)演劇のような演出」が基本になるのです。


 本当ならここでババーンとスクリーンショットを載せて「どうだ!すごいでしょ!」と説明したいのですが……スクウェア・エニックスのバーチャルコンソールのソフトはスクショ貼り付け禁止なので、私もそれに倣ってスクショに頼らずに文章で凄さを説明したいと思います。


 例えば、「西部編」。
 西部劇の雰囲気を出すために、キャラクターではなく「転がる草」が画面を横切るんです。あの西部劇っぽい草!正体のよく分からないけど、「あ!西部劇でよく転がってるヤツだ!」と思えるあの草が画面を転がっているんです。

 例えば、「現代編」。
 空と地面の色を上手く変化させることで、「夜明け」を表現する演出が見事でした。カメラアングルが変えられないからこそ、画面内にあるものを使って時間変化を表現させて、それがストーリーともマッチしているという。

 例えば、「原始編」。
 言葉を持たない時代の話なので、台詞は一切なくキャラクターの動きだけでストーリーを説明しなくてはなりません。プレステ以降のようなカメラワークもありません。それが逆に「舞台上で走り回るコント」のようで面白いんですね。映画は演劇の上位互換ではなく、両者にはそれぞれの良さがあるのだと実感させてくれます。



 また、大前提として「7つの世界」をゲームで作ろうとすると「素材の使いまわし」が出来ません。
 例えば『ファイナルファンタジーV』だったら、序盤に出てくる城も中盤に出てくる城も、壁のグラフィックなんかは一緒なワケです。同じ世界観だからそれが許されるんです。しかし、『ライブ・ア・ライブ』のようなゲームの場合、「幕末編」に出てくる城と「近未来編」に出てくるビルが同じグラフィックというワケにはいきません。「7つの世界」をゲームで作ろうとすると、全部別々に作らなければならないんです。


 「作るのが非常に大変そう」で言えば……
 このゲームのバトルシステムには「向き」の概念があるので、敵も味方も「手前側を向いたグラフィック」と「向こう側を向いたグラフィック」の両方が必要なのです。その上、味方はたくさんある技ごとに細かく違った動きをしまくります。どんだけ労力がかかったんだと震え上がります。



 ただ……ここも不満点で申し話ないんですけど……
 それ故に「どうだ!このグラフィックすごいだろう!」とただただ画面を見ているだけの時間も長いんですね……ストーリーが進む場面は「そこが見せ場」なんだから文句を言っちゃいけないのは分かります(リトライ時にAボタン連打するのは億劫だけど)。しかし、戦闘シーンで一つ一つの技が長いのがつらくてつらくて。

 このゲームには、普通のRPGにおける“たたかう”のような通常技がありません。なので、ザコ戦でも敵も味方も必殺技の応酬のようなことが続くのですが、その一つ一つがとても長いのです。いつまで経っても戦闘が終わりません。ボス戦ならそれもテンション上がる演出なのですが、先ほども書いたようにランダムエンカウントで何百回とザコと戦わなければならない章で延々と敵が大量の火の鳥を召還しているのを眺めていれば心も淀んでいきます。


 この「ザコ敵の長い攻撃モーションを延々と眺めている時間」は『スーパーマリオRPG』でも感じましたし、プレステ時代の『ファイナルファンタジー』シリーズにも感じました。それが当時のスクウェア基準で、実際にそれが受けていたのだからそれが正しかったのかも知れませんが、私はこれがあまり好きではありません。
 何百回と繰り返し観るザコの攻撃は、なるべく短くして戦闘のテンポを良くしてくれよ―――と、どうしても思ってしまいます。


◇ 総括
 自分の感想を読み返してみると、不満点は「とある章のランダムエンカウント」に集約されているのが分かりますね……それくらい、あのエンカウント率と戦闘の長さは苦痛でした。それ故にフィールドを「探索」する気にもならず、結果的にそれが「真のエンディングじゃないエンディング」にしかたどり着けなかった理由だと思います。しかし、あの鬼エンカウント率が待っていると考えると、やり直す気にもなれない……

 ということで、ゲームのトータルの評価としては「前半は超楽しかった」けど「終盤はつらかった」というものになってしまいます。


 「RPGには色んな可能性がある!」とこのゲームが見せていたように、この後のRPGは確かに色んな方向に進んでいって成功していくのですが……この頃のRPGが既に抱えていた「ただただ画面を見ているだけの時間も長い」問題を、プレステ時代も、PS2時代も解消できず、自分がRPGをあまりやらなくなってしまうことを考えると。「可能性」と同時に「行き詰まり」も感じてしまった作品だったのかなぁと。

 あと、スクウェア・エニックスのバーチャルコンソールのソフトはMiiverseにスクショが貼れないのも寂しいです。会社の方針なら仕方がないんですけど、バーチャルコンソール以外のソフトはスクショが貼れるんですよねぇ。謎。


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ストーリーが面白いんだから、それでイイじゃないか!『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』紹介(9.5点)

【三つのオススメポイント】
・低予算とは言え、ノベルゲームとして必要最低限の機能はある
・ベタだけど、だからこそ飛びっきりに魅力的なキャラクター達
・ストーリーを語るには、どうしたってネタバレ抜きでは難しい!


『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』
 Wii U用/ノベルアドベンチャー
 ケムコ
 2014年4月9日発売
 1080円(税込)
 セーブデータ数:30(※ユーザーごとに作成可能)
 公式サイト

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 プレイ時間は約22時間
 全エンディングをコンプリート、追加シナリオも全て読みました
 やりこみ要素などを無視したTRUEエンドまでのプレイ時間は16時間でした
 ※ ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
・シリアス展開:◎(中盤からはかなりのシリアスなストーリーが続きます)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:△?(文字だけならそう誤解させるシーンはある)
・人が食われるグロ描写:△(文字だけだけどバッドエンドの中にはある)
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:○(美弥様はもちろん、るみ子さんもそこそこ)
・BL要素:△(BL要素はないけど、BL好きなキャラが出てくる・笑)
・ラッキースケベ:△(公式にはないということだけど、中盤のアレは男子の夢だと思う)
・セックスシーン:×
※ ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

 この記事に書いたNG項目の有無を、実験的にリスト化しました。みなさんそれぞれ気になるところだけ反転させて読んでくださればありがたいです。今後、ストーリー性の強い作品を紹介する際には使っていこうと思います。

 記号は「◎」が一番強くて、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。


◇ 低予算とは言え、ノベルゲームとして必要最低限の機能はある
 このゲームは元々、2013年4月にAndroid用として、2013年10月にiOS用として配信開始されたスマートフォン向けアドベンチャーゲームです。そちらの価格は500円~540円で、更に追加シナリオが1つ120円(多分)で5本販売されているみたいです(そちらの公式サイト)。

 私がプレイしたのは、2014年4月に配信開始されたWii Uのダウンロードソフト版です。追加シナリオ5本を全て含んだ状態で1080円なので、若干お得なのかな……?Wii U版は「テレビ画面でのプレイ」はもちろん、「ゲームパッドの画面だけでのプレイ」も可能です。私は最近小さい文字を読むと目が疲れるようになってきたので、「テレビ画面でのプレイ」が中心でした。

 内容自体に差はないみたいなので、みなさんお好きな機種でどうぞ。


 さて、ケムコのアドベンチャーゲームです。
 「ケムコ」という会社についてどういうイメージを抱いているかは世代によって違うと思うのですが、ファミコン・スーファミ世代の中には「ケムコってまだあったのか!」と驚く人もいるかも知れません。失礼な話ですが、私もWiiウェアにケムコのソフトが出た時「ケムコってまだあったのか!」と驚きましたから。

 ケムコは元々コトブキシステムという会社のゲームブランドで、海外ゲームのローカライズなどを中心に、ファミコンの時代からPS2やXboxの時代までパッケージソフトを出していたそうですね。ファミコン・スーファミ世代のゲーム好きには「ケムコ」の名前は知れ渡っていると思うのですが、「ケムコの代表作は?」と訊かれると答えられない人が多いんじゃないかと思います。
 任天堂なら『マリオ』とか、ナムコなら『ファミスタ』とか、コナミなら『グラディウス』とか、カプコンなら『ロックマン』とか、ポンポン代表作が出てくるのに比べると「ケムコって何を出してたっけ……」とイマイチ地味な印象があります。

 強いて挙げるなら『シャドウゲイト』ですかね。
 しかし、アレも「ローカライズの文章が変」みたいな理由で有名なので、「ケムコ=変なゲーム」というイメージもあるんじゃないかと思います。


 さて、ファミコン時代から生き続けてきたゲーム会社達は、その後みんな激動な人生を進んでいます。スクウェアとエニックスが合併したり、タイトーがそこに吸収されたり、バンダイとナムコが合併したり、ハドソンがコナミに吸収されて名前が消えたり、テクノスジャパンもデータイーストもなくなったり、テクモはコーエーと一緒になってついでにガストも一緒になったり、アトラスはなんかもうすごいことになっていたり。

 ケムコも、寿グループの再編により2004年からコトブキシステム→コトブキソリューションへとブランドが受け継がれ、以後は携帯電話やスマートフォン向けのソフトを手がけていくことになります。そして、この『デスマッチラブコメ』もそうですけど、たまーにそうしたソフトをゲーム機用のダウンロード専売ゲームとして移植してくれるのです。

 ゲーム機がハイスペックになってソフトの開発費が高騰しまくっている中で、(それぞれ事情は違いますけど)大手の会社が他の会社と合併したり、他の会社を吸収したりしつつも、なかなか新作を作れないという現状を尻目に……大作路線に早い段階から見切りを付けたケムコは、比較的小規模な開発で完成させられる携帯電話やスマホアプリやダウンロード専売ゲームに昔ながらのRPGやらアドベンチャーゲームやらを多数展開しているというのは面白い話だなぁと思うのです。


 さて、そんな事情なので……
 この作品も「低予算だなぁ」と思うところは正直あります。

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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 ゲームは、こんなカンジに「登場人物の立ち絵」+「台詞もしくはモノローグ」+「背景絵」で構成されていて。「立ち絵」のポーズは各キャラ一つずつで、「表情差分」でキャラクターの感情を表現しています。ストーリーが進むと「一枚絵」が出てくることもあるのですが、それも数えるほど。「背景絵」も限られていて、「背景絵を描く余裕がないから不思議空間で誤魔化しています」というのが分かってしまうシーンも目立ちました。

 まぁ……元々は500円前後のスマホ用アプリですからね。
 フルプライスのパッケージソフトでのノベルゲームなんかに比べると、低予算で、作りがチープなところはどうしても目に付いてしまいます。


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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 システム面も、「フローチャート」のようなものがないのは別にイイとして(さほど複雑な分岐をするゲームではないので)も。「前の選択肢に戻る」のような操作が出来ない上に、「読んだところを少しだけ読み直すことが出来る機能=バックログ」の範囲が短いのがちょっとつらいです。
 「ん?さっき何て言ってたっけ……?」と思って読み返したくても、「バックログ」の範囲を超えちゃっていて、仕方がないから前のセーブデータから読み直したこともあります。「縦読み」のくだりとかな!



 なので、不満点のないゲームではないです。
 元が500円前後のスマホアプリとは言え、1000円前後のダウンロード専売ゲームとして考えるのならもうちょっと何とかしてくれないかなと思うところもあります。

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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 追加シナリオも、スマホ版なら1本120円とかしたものなのだから頑張って「1枚絵」くらい入れてくれたって良いじゃないかと思わなくもない。お風呂のシーンとかお風呂のシーンとかお風呂のシーンとか。



 でも、「ノベルゲーム」で一番大事なところは「そこか?」って話ですよね。
 「ノベルゲーム」なんだから、「ストーリーが面白い」のならばそれでイイじゃないかとも思うんですね。


 「ストーリーが面白いかどうか」は人それぞれ好みが分かれてしまうので「オススメできるかどうか」を語るのは難しいのですが、私にはこのゲームのストーリーは面白かったし、大好きなストーリーでした。追加シナリオも含めるとプレイ時間が20時間を超えていて、退屈な作業的な時間は皆無でしたし、1000円のダウンロードソフトと考えるとボリュームも申し分ないでしょう。



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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 「低予算」感が溢れているとは言え、必要最低限の機能はちゃんとあります。
 「オート」機能や、高速で進む「スキップ」機能。

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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 オプションで「文字スピード」や「オートでのスピード」も変更可能。

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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 「セーブ」&「ロード」もいつでも可能。
 Wii U版は全ての操作が「ボタンだけ」でも、「タッチ操作だけ」でも可能というのも悪くないです。


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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 ゲームとしては、時折出てくる「二択」を選ぶだけ。
 しかし、このゲーム「主人公が愛を告白されると爆発して死ぬ」という特徴があります。

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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 これをゲームの構造として分析すると、「正しい方を選べばストーリーが進む」「間違った方を選べば即死亡でバッドエンド」という分かりやすいゲームブックになっていると言えます。ただし、プレイヤーがそれに慣れてきた後半になるとフラグ管理が必要になってきて、最終的にエンディングも複数あります。なので、選択肢の場面ごとにセーブデータを保存しておくことをオススメします。セーブデータも「オートセーブが1つ」+「任意セーブが29箇所」も保存しておけますしね。

 よくよく考えてみると、このゲームの選択肢が基本的に「二択」なのって「るみ子さんを選ぶか乙羽を選ぶか」の二択にかけているのかな。

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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 「フラグ管理が必要ならゲームとして難しいんじゃ……」と思われるかも知れませんが、バッドエンドになると「どうしてこんな結末になったのか」を解説してくれるキャラが現れます。
 上昇した難易度の救済措置にもなっていますし、今の爆発で巻き込まれた被害規模を教えてくれるなど読み物としても面白いし、バッドエンドを集めるというやりこみ要素にもなっています。ゲーム好きだったら「バッドエンドをコンプリートしたい!」と思う人も多いでしょうし、バッドエンドにこういう遊び心があるところもイイですね。


 なので、「低予算」なことは目に見えてしまうゲームではあるのですが、その制約の中で必要なものをちゃんと揃えてプレイヤーが遊びやすいように考えて作ってあるゲームなので……印象としては、「とても頑張っているゲーム」という印象を持ちます。ダウンロードソフトなんだから、これでイイじゃないか!



◇ ベタだけど、だからこそ飛びっきりに魅力的なキャラクター達
 このゲームの魅力が何なのかを考えると……奇抜な設定や、ノリの良いテキスト、ストーリーの意外性など多々あるんですけど。やっぱり私はこのゲーム最大の魅力は「キャラクター」だと思うんですね。ということで、シンプルにメインキャラ達を紹介していこうと思います。


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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 まずは、主人公:矢木景。
 高校入学早々、「愛を告白されると爆発して死ぬ」体になってしまいます。頭は悪いけれど、主人公の視点で語られる台詞やモノローグは切れ味があって面白いし読みやすいです。


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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 次に、Wヒロインの一人:津野るみ子。
 黒髪ロングのお嬢様で、この地域一体では超有名な神社の娘です。近寄りがたくて神々しい典型的なお嬢様キャラですけど、このゲームの場合「彼女が景に告白しようとする」ところから始まるので、お嬢様キャラなんだけど放っておけない気持ちになってくるのが上手いです。


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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 Wヒロインのもう一人:白詰乙羽。
 主人公:景の幼馴染で、小学生の頃に景がスカートめくりをして以降は景をぶん殴るようになった暴力キャラです。背も胸も小さくて、ジト目が多めの暴力系ツンデレキャラ―――なんだけど、このゲームの場合「彼女が景に告白しようとする」ところから始まるので、るみ子さん同様にその行動が憎めないんですよねぇ。


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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 主人公の悪友:平木場亜須賀。
 長身金髪ロン毛で、実は成績も優秀なのだけど、景と一緒におっぱい論争に熱くなったりするノリの良いキャラです。るみ子と乙羽という美少女二人に告白されそうになる景に悪態をつきながら、何だかんだ景を助けてくれる熱いキャラです。


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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 クラスの中心的女子:九段志乃歌。
 亜須賀とは小学生の頃から、るみ子とは中学生の頃からの付き合いで、面倒見がよくて困っている人がいるとついつい助けたくなる姉御肌なキャラです。デスマッチラブコメに巻き込まれた景のことも助けてくれようとします。


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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 大人しいクラスメイト:東護美弥。
 おっとりとした性格のせいか厄介な友人ができることが多く、友人の少ない乙羽が親しくしている数少ないクラスメイトです。既にこのゲームをプレイした人ならば何となく分かるでしょうが、私がこのゲームのキャラで一番好きなキャラは彼女です。9.5点を付けたこのゲームの魅力の5点分くらいは美弥様の魅力だったと言っても過言ではないほどに。結婚して欲しい(誰ととは言わない)。


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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 厳格なクラスメイト:有栖隆斗。
 「馬鹿馬鹿しい」が口癖の学級委員で、クールなキャラのように思えて、デスマッチラブコメに巻き込まれた景を助けてくれるキャラです。すっごい面倒くさい性格をしているのだけど、それ故にみんなが見ないように誤魔化している問題点に切り込むようなところもあります。



 この7人がメインキャラです。
 学園ラブコメというか、ライトノベルというかハーレムアニメというか、この手の作品に詳しい人ならばものすごくベタなキャラが揃っているという印象を覚えたかも知れません。「黒髪ロングのお嬢様」「背の小さい暴力ツンデレ娘」「主人公と馬鹿話で盛り上がれる悪友」「面倒見の良いクラスメイト」「おっとりおっぱい」「クールメガネ」……どこにでもいそうなキャラが揃っている、どこにでもありそうな作品と思われたかも知れません。


 でも、この作品はそれでイイんです。
 この作品はラブコメでありながら「主人公が愛を告白されると爆発して死ぬ」という奇抜な設定の作品です。言ってしまえば、「よくあるラブコメ」のパロディのような側面を持った作品なんです。
 「よくあるラブコメ」と同じようなキャラが揃っていて、同じように女のコが主人公を大好きで、同じように羨ましいことこの上ないのに、告白されたら爆発して死ぬんです。だから、キャラクターは「よくあるラブコメ」で良いんです。「よくあるラブコメのキャラクター」達が、「主人公が愛を告白されると爆発して死ぬ」という奇抜な設定の中でどう動くのかというところに独自性があるのですからね。



◇ ストーリーを語るには、どうしたってネタバレ抜きでは難しい!
 さて……
 ここまで「ネタバレにならないように」気を遣って書いてきたこの記事ですが、ストーリーが魅力の作品をオススメするのに全くネタバレしないように紹介記事を書くのは難しいです。なので、ここからは多少のネタバレを含んだ話を書こうと思います。

 「最後はどうなる」みたいなネタバレを書くつもりはありません。
 ただ、この作品がどういう構造の話なのかは語るつもりです。

 なので、私は「なるべくならゲームをやる前には、ここからの話を読まないで欲しい」と思っています。まっさらな状態でゲームをプレイして、TRUE ENDまで進めた上で、ここからの話を読んで欲しいと思っています。
 しかし、こうした紹介記事は「既にゲームを遊び終えた人」も読むでしょうし、ここまでの紹介を読んでも「さほど興味が湧かないなー」と思いながら読んでいる人もいると思うんです。私もそう思いますもの。ここまでの紹介文でこのゲームの魅力を何割伝えられたかといったら1割くらいだと思っています。ネタバレなしで伝えられるのはそんなもんだろうと。



 だから、ここから先は多少のネタバレがあります。
 ここまでの話を読んでも興味が湧かなかった人に興味を持ってもらうために、この作品がどういう作品なのかを語ってしまおうと思います。




 OKですか?

 そろそろ核心部分に触れた話を書きますよ。


 うんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこうんこ!



 ………そろそろマジメに書きますね。



 このゲームって、本質的には「デス・ゲーム」ものなんですよ。

 タイトルに「ラブコメ」と付いているし、ストーリーが美少女二人から告白されるスタートだし、「愛を告白されたら爆発して死ぬ」なんてコメディにしか思えないし……まだプレイしていない人にとっては、ものすごく馬鹿馬鹿しい明るくライトな話のように思えるかも知れませんが。私は、この作品の本質は「ラブコメ」ではなく「デス・ゲーム」だと思っています。

 「デス・ゲーム」ものとは……
 なんらかの理由で集められた登場人物達が、そこから逃げ出すことは出来ない「死のゲーム」に参加させられて、その恐怖の中で真実にたどり着こうとするジャンルの作品です。有名どころで言えば、『バトル・ロワイアル』とか『SAW』とか、ゲームで言えば『ダンガンロンパ』とか『極限脱出 9時間9人9の扉』とかがありますね。

 同じケムコのアドベンチャーゲーム『トガビトノセンリツ』もそうです。
 というか……恐らくですけど、『トガビトノセンリツ』などの「デス・ゲーム」を題材にしたアドベンチャーゲームを作ってきたスタッフが、もっとライトに誰にでも楽しめる作品を作ろうと考えて、「デス・ゲーム」を題材にしたアドベンチャーゲームのシステムに「学園ラブコメ」の設定やキャラクターをはめこんで出来上がったのがこの『デスマッチラブコメ』じゃないかなぁと思います。


 『デスマッチラブコメ』のストーリーは、「何故、景は愛を告白されたら爆発して死ぬ体になってしまったのか」というところがポイントになってきます。ストーリーが進むと少しずつ真相が見えてくるのですが、どうやら景には学園に伝わる「呪い」がかけられているのではないかという話になって―――誰か「呪い」をかけた“黒幕”がいることが分かるんですね。

 そう。つまり……
 二つ目のオススメポイントで書いた「魅力的なキャラクター」が、全員「容疑者」になるんです。


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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>


 なので、この作品のストーリーを引っ張る推進力は「この状況を生み出した“黒幕”は誰か」「“黒幕”の狙いは何だ」「主人公はこの状況から抜け出せるのか」という要素になっていて、それでいて「死が隣にある恐怖」が緊張感を生み、その過程で「容疑者となっているキャラクターや主人公の内面が掘り下げられる」ことで物語に多面性が生まれる――――といったカンジで、やっていることは完全に「デス・ゲーム」ものなんですね。

 だから、この作品のキャラクター達は、みんな内面にものすごく暗いものを抱えているのです。じゃないと、「このキャラが黒幕か…?」と疑えませんからね。


 『デスマッチラブコメ』という作品をネタバレなしに説明するのは難しいので、「よくあるラブコメのようでちょっと違う」とか「よくあるラブコメのアンチテーゼ」とか「よくあるラブコメのパロディ」という表現を使う人が多いです。というか、私もついさっき使いました。ただ、私はこの作品は「よくあるラブコメを否定するもの」ではないと思うんですね。

 どっちかと言うと、「デス・ゲーム」というシリアスで重たいジャンルに、「よくあるラブコメ」という明るくて前向きで憎めないテイストを持ち込んだ作品だと思うのです。その結果、「デス・ゲーム」もののシリアスさと緊張感と謎解き要素と、「よくあるラブコメ」の明るさと魅力的なキャラクターと恋愛模様とが融合された作品になったのだろうと思います。


 最初はよく分からない「謎」だらけの話で、「理不尽」にしか思えないのに、そこから徐々に話が見えてきて最終的には「一本の線」に繋がる―――この気持ち良さは「デス・ゲーム」ものの特権だと思いますし、自分がこの作品を大好きな理由でした。「ただのラブコメ」でも、「ただのデス・ゲーム」でも自分はここまで好きにはならなかったと思います。


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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 ヤバイぜ、『デスマッチラブコメ』!



◇ 総括
 ということで、是非オススメです!
 「シリアスな話は苦手」「突然うんこうんこ言い出す主人公は苦手」という人には流石にオススメしづらいですが、「主人公が愛を告白されると爆発して死ぬ」というただキャッチーな一発ネタで惹きつけるだけではなく、この手のジャンルのアドベンチャーゲームを作り続けてきたスタッフだからこそ「この作品にしかない魅力を持った1本」を作り上げることが出来たのだと思います。


 「続編」を求めるファンも多いらしいし、メーカー側も「売れたらその可能性も……」と示唆しているみたいなんですが、個人的にはこの「1作目の衝撃」はどう足掻いても超えられないと思うので……純粋な続編よりも、この魅力的なキャラクター達を使ったスピンオフ作品が見たいかなぁって思います。極論を言うと、このキャラ達を使ったパズルゲームとかでも構わないと思っているくらいです(笑)。

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<写真はWii U版『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』より引用>

 美弥様、可愛いよ美弥様。
 美弥様が主人公のスピンオフ作品でもイイですよ。


 ケムコ、凄いね。
 「ケムコの代表作は?」と訊かれたら、これからは即答で「デスマッチラブコメ!」と答えると思いますよ!面白かったー!

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≫ EDIT

これぞ任天堂の集大成であり新機軸!『Splatoon』紹介(10点)

【三つのオススメポイント】
・今度こそ「Wii Uゲームパッドを活かした」分かりやすくて遊びやすいゲーム
・「オンライン」に繋がることでゲームはこんなに面白くなる
・3D空間を作り続けてきた任天堂の新作アクションゲームとしての「ヒーローモード」


『Splatoon』
 Wii U用/アクションシューティング
 任天堂
 2015年5月28日発売
 5700円(税別)
 セーブデータ数:1(※ユーザーごとに作成可能)
 公式サイト(※ 音が鳴ります)

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 プレイ時間は6月14日夜の時点で51時間
 オンラインランクは20まで上がりました
 一人用のヒーローモードは全ステージクリア
 amiiboで出来るチャレンジモードはガールだけ全ステージクリア
 アップデートで、新ブキ「N-ZAP85」「パブロ」「シャープマーカー」追加、新ステージ「ホッケ埠頭」「モズク農園」が追加されて、第1回目のフェスが終わった時点での紹介になります


◇ 今度こそ「Wii Uゲームパッドを活かした」分かりやすくて遊びやすいゲーム
 このゲームは、Wii U本体の発売から2年半が経過した2015年5月に任天堂から発売された新規タイトルのゲームです。ジャンルとしては「TPS」=「サードパーソン・シューティングゲーム」で、3Dアクションゲームに銃を撃つ要素を加えたジャンルのゲームと説明すれば分かりやすいかなと思います。
 「一人用のヒーローモード」も収録されていますし、「オフラインで二人で遊べるバトルドージョー」というモードもあるのですが、メインは「4人vs4人のオンライン対戦モード」です。任天堂のパッケージソフトで、ここまで本格的に「オンラインがメイン」「オフラインはオマケ」というゲームはほとんどなかったんじゃないかなぁと思います。


 任天堂がTPS?
 任天堂がオンラインゲーム?

 任天堂に『マリオ』や『どうぶつの森』のイメージしか持っていない人は「突然どうした?」と思われるかも知れません。しかし、『スーパーマリオブラザーズ』が『ドンキーコング』『ドンキーコングJr.』『マリオブラザーズ』『デビルワールド』『エキサイトバイク』『バルーンファイト』といったそれまでの任天堂ゲームを基盤にして作られたように、『Splatoon』もここ数年の任天堂ゲームの様々な要素を基盤にして作られていると私は思います。決して「突然現れた」ワケではないのだろうと。

 直接的なスタッフの構成で言えば、『Splatoon』はWii Uのローンチタイトルに関わっていた人達による「既存のゲームの枠にとらわれない新しいゲームをつくろう」というプロジェクトから生まれたそうです。Wii UのローンチタイトルとはWii Uの本体機能、『ニンテンドーランド』、『NewスーパーマリオU』などですが……やはり、『Splatoon』の一番の基盤になっているのは『ニンテンドーランド』だろうなぁと私は思います。

 『ニンテンドーランド』とは、2012年12月にWii U本体と同時発売になったソフトです。Wii Uという新しいゲーム機の楽しさを提供するための「Wii Uゲームパッドを活かしたゲーム」が12種類収録されているという商品で、その様々な要素が『Splatoon』に繋がっていると考えられます。

【ジャイロセンサーでの照準操作】
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<写真はWii Uソフト『ニンテンドーランド』より引用>

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 Wii Uゲームパッドに内蔵されたジャイロセンサーで照準を付けるガンアクション操作は、『ニンテンドーランド』に収録されている「鷹丸の手裏剣道場」「ゼルダの伝説 バトルクエスト」というアトラクションから受け継がれています。
 『Splatoon』に関して「今までTPSに見向きもしなかった連中が、任天堂が作った途端に遊び始めやがって!」といったことを言う人もいるのですが、右スティックで照準を合わせる操作なんて出来なかった人達(=私)がWii Uゲームパッドのジャイロセンサーでならようやくマトモに遊べるようになっただけなので。『Splatoon』でTPSを始めた人達に向けた“次の1本”を作りたいのなら、ジャイロセンサーで照準合わせられるようにしてください。お願いします。


【4人協力プレイ】
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<写真はWii Uソフト『ニンテンドーランド』より引用>

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 4人が1チームになって3D空間を自由に走り回り、連携を取って役割分担しながら目的を達成するのは「マリオチェイス」から受け継がれています。「マリオチェイス」がオフラインで声をかけあう協力プレイなのに対して、『Splatoon』はオンラインで仲間の考えを推測して協力しあうプレイなのが対照的ではありますが。


【高低差を活かした3Dアクションシューティング】
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<写真はWii Uソフト『ニンテンドーランド』より引用>

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 高さのある3D空間内での3Dアクションシューティングという点では、「メトロイドブラスト」もありました。協力プレイも出来ますし、Wii Uゲームパッドを使ったスターシップの操作は『Splatoon』の操作方法によく似ています。左スティックで移動、ジャイロ&右スティックでカメラと照準操作、ZRボタンで攻撃。

 自分は発売当時スターシップがマトモに動かせなくて、地上のサムスだけをプレイして何とかクリアしたのですが……『Splatoon』の操作に慣れた今プレイしたらスイスイ動かせるようになっていました。


【テレビ画面とゲームパッドの二画面を使ったゲーム】
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<写真はWii Uソフト『ニンテンドーランド』より引用>

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 テレビ画面に「3Dのゲーム画面」、ゲームパッドの画面に「上空からの2D画面」が表示されて、その両方を見ながらプレイするゲームといえば「C・ファルコンのツイスターレース」です。しかし、今でも思うのだけど、どうして「F-ZEROなんちゃら」ってアトラクション名にしなかったんだろうこれ!


【他の人のMiivereseが表示される】
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<写真はWii Uソフト『ニンテンドーランド』より引用>

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 ゲーム内にうようよ歩いているアバターはMiiverseに呟いたことが表示されるので、“生の声”を持った他人のアバターがゲーム内にいるようで、「みんなで遊んでいる」感覚が味わえます。こういうところも似ていますね。


【ゲームパッドの画面からショートカットできるメニュー画面】
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<写真はWii Uソフト『ニンテンドーランド』より引用>

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 メニュー画面が“街”になっているので3Dの画面でトコトコと入口まで歩いていっても良いし、それが面倒くさい人はゲームパッドをタッチして一気にゲームを始めても良いところも同じですね。


【レトロ感のあるミニゲーム】
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<写真はWii Uソフト『ニンテンドーランド』より引用>

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 『ニンテンドーランド』はコインを使って「プライズ」がもらえるミニゲームが遊べて、『Splatoon』はオンラインの待ち時間にミニゲームが遊べます。どちらもドット絵のレトロ感溢れるゲームです。


【案内役となる看板娘】
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<写真はWii Uソフト『ニンテンドーランド』より引用>

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 『脳トレ』の川島教授、『Wii Fit』のウィーボ君、『安藤ケンサク』の安藤ケンサクなど、任天堂のゲームには「案内役」が登場するゲームが多いです。これは、ストーリーを持たないゲームであっても「軸となるキャラクター」を置くことでプレイヤーを引っ張る意図があるのだと思います。

 『ニンテンドーランド』にはモニータちゃんがいましたが、『Splatoon』にはアイドルユニット:シオカラーズがいます。私はホタルちゃん派です。



 ……と、こんな風に今から思えば『Splatoon』の基盤になっている要素が『ニンテンドーランド』にはたくさんあったのだと分かるのですが。『ニンテンドーランド』そのものは、「Wii Uゲームパッドを活かしたゲーム」を揃えることが目的化しすぎてしまっていて、誰のための商品なのかよく分からないものになっていました。
 「1人では遊べない大人数向けのゲーム」も「1人で黙々と遊ぶストイックなゲーム」も収録されているとか、12種類もゲームが入っていると遊び方を覚えるのも大変とか、正直分かりづらいゲームになってしまっていたと思います。『Wii Sports』がどうして受けたのかって、みんなが知っているスポーツを題材にして、分かりやすいゲームに徹したからだったのに。

(関連記事:これが新しいゲーム機だっ!『ニンテンドーランド』紹介

 加えて……今になって思えばなんですが、『ニンテンドーランド』の「二画面を使った遊び」は「オクトパスダンス」も「C・ファルコンのツイスターレース」も「バルーントリップ ブリーズ」も両方の画面を観なければならないという“制約”だったんです。その忙しなさを楽しんでねという遊びなのだけど、逆に考えると「むしろ遊びづらくなっている」とも言えたワケです。
 また、「ゼルダの伝説 バトルクエスト」や「メトロイドブラスト」のジャイロセンサーでの操作も、ゲームパッドを常に立ててのプレイが“強制”されていました。

 これらは確かに「新しいゲーム体験」ではありましたが、ゲームパッドのおかげでゲームが遊びやすくなったというよりも、「その不自由さを楽しんでね」というゲームパッドでのプレイを強いられているようなゲームだったと今なら思います。

 結果的に『ニンテンドーランド』は思ったようなヒット作にはならず、それだけが原因ではありませんがWii Uのスタートダッシュも失敗します。「『ニンテンドーランド』は『Wii Sports』にはなれなかったね」「Wii UはWiiのようにはなれなかったね」と槍玉に挙げられることもありました。



 ところがどっこい、そこから『Splatoon』が生まれるのです。
 共通のスタッフが多いこともあってか、『Splatoon』は『ニンテンドーランド』の良くなかったところが徹底的に改善されたゲームになっています。流石、「失敗したらタダでは終わらない」任天堂です。バーチャルボーイからニンテンドー3DSを作る会社なだけあります。

  「二画面を使った遊び」は“両方の画面を観なければならない”というよりかは、“時々ゲームパッドの画面も確認すれば戦況が分かるよ”という遊びになっています。「二画面を観なければならない“制約”」ではなく「二画面のおかげで“遊びやすくなっている”」という。
 ジャイロセンサーによる操作も、ゲームパッドを立ててプレイする必要のあった「ゼルダの伝説 バトルクエスト」や「メトロイドブラスト」と違い、基本的にはゲームパッドを寝かしたままでの操作になります。Yボタンを押せば基準となる位置をユーザーが自由に決められますし、ジャイロセンサーを使いたくないという人は右スティックのみで照準を合わせることも出来ます。「ジャイロセンサーでの操作が“強制”」ではなく「右スティックが苦手な人は“ジャイロでも操作出来ますよ”」となっているんですね。

 また、『Splatoon』にはメインとなる「4人vs4人のオンライン対戦」、レコードのB面のような「一人用のヒーローモード」、オフラインで二人で遊べる「バトルドージョー」という大きく分けて3つのモードが収録されていますが……3つのモードは操作方法は共通で、「インクを銃で撃って」「イカになってインクに潜る」という遊びは一緒なのです。12コもゲームを覚えなくちゃならなかった『ニンテンドーランド』に比べて、非常に分かりやすくなりました。


 操作方法を簡単に説明します。
 「移動」は左スティック
 「照準」はゲームパッドを動かすor右スティック
 「攻撃」はZRボタン
 「イカになる」のはZLボタンを押しっぱなし


 基本はこの4つです。

 「カメラリセット(ゲームパッドの今の位置を正面に合わせること)」がYボタン
 「ジャンプ」はXボタン
 「サブウェポン(爆弾など)」はRボタン
 「スペシャルウェポン(ゲージが溜まったときに使える必殺技)」は右スティックの押しこみ


 慣れてきたらこの4つも覚えるとイイと思います。


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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 オプションで「ジャイロ操作のオフ」や「右スティックの反転」などが変更出来ますが、キーコンフィグは出来ません。これは任天堂の自社開発ソフトの伝統でもありますからねぇ。「作り手がベストだと思ったボタン配置を提供する」ことが大事だという考え方。自分はこのボタン配置はものすごくしっくり来ているので、不満はありません。

 購入してから2年半が経過しているのに今更ですけど、Wii Uのゲームパッドって「左スティック」を操作するゲームも「十字ボタン」を操作するゲームもどちらもすごく手に馴染みますね。今まで自分が触ってきたゲーム機のコントローラって「こっちはイイんだけどもう片方が……」というものばかりだったので、驚きましたし、2年半「左スティック」を使うゲームをほとんどプレイしてこなかったことがバレてしまいますね(笑)。

 ちなみに、「テレビ画面を使わないでゲームパッドの画面だけでプレイする」ことは出来ません。あくまで二画面を使った遊びのゲームなので。


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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 このゲームの特徴は、ZRボタンで銃から発射されるのが「インク」で、そのインクによって「床」や「壁」を塗ることが出来るというところです。もちろん銃なので敵を撃てば敵を倒すことができて、スタート地点に戻すことができます。

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 もう一つの特徴は、ZLボタンを押している間はイカになって自軍のインクに潜れるところです。自軍のインクの中なら高速で移動できますし、壁だって登れます。また、イカになっている間は相手からは姿が見えませんし、攻撃に使うインクの回復(リロード)もしてくれます。


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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 ゲームのルール(勝利条件)はモードによって違いますし、オンライン対戦でも現在は「ナワバリバトル」と「ガチエリア」の2つのルールがあって今後も追加される予定なのですが……一番代表的な「ナワバリバトル」は、エリアをどれだけ自軍のインクで塗れたのかを競います。


 誰にでも分かる単純明快なルール。
 しかし、だからこそ、人それぞれ「こうすればイイんじゃないか」というプレイスタイルが違っていて、それが許される奥深さがあるのです。

 例えば、世界中で親しまれている「サッカー」というスポーツ、ルールだけならものすごくシンプルなワケですよ。ボールを蹴って相手のゴールに入れる、それだけ。誰にでも分かる単純明快なルール。ですが、世界中の人々が百年単位で「こうすれば勝てるんじゃないのか」と考えた結果、多彩なフォーメーションとか戦術が生まれていったワケで。


 『Splatoon』の世界における「ナワバリバトル」は、私達の世界における「サッカー」のような、“原始的な面白さ”と“奥深い戦略性”の両方を持った遊びなんじゃないかなぁと思います。



◇ 「オンライン」に繋がることでゲームはこんなに面白くなる
 『ニンテンドーランド』が発売された頃、「マリオチェイス」や「メトロイドブラスト」を「友達のいない自分はオンラインでも遊びたかった!」と言っている人をチラホラと見かけました。任天堂は全てのゲームをオンライン対応にはしないので、「任天堂はオンラインゲームを軽視している」という批判もよく目にします。
 しかし、「マリオチェイス」や「メトロイドブラスト」をオンラインに対応させただけの『ニンテンドーランド2』を出すのではなく、しっかりと「オンラインだからこそ面白い」ゲームを考えて『Splatoon』を出してくるように……「任天堂はオンラインゲームを軽視している」というよりかは「任天堂はオンラインで面白くなるゲームかどうかを考えてオンラインに対応させるかを決めている」だと私は思うんですね。


 Wii Uの現実的な最大のライバルは3DSだろう

 Wii U本体発売から1ヵ月後の2013年1月に書いた記事です。
 『マリオ』も『マリオカート』も『スマブラ』も3DSで出る以上、Wii Uは「3DSでは出ないゲーム」を出さなければならない―――という記事でした。『Splatoon』が出た2015年に読むと面白いものがあると思うので、当時読んでくださった方もまたどうぞ。

 「3DSのジャイロセンサーと違って、Wii Uのジャイロセンサーはゲームパッドを動かしてもテレビの画面は動かない」ことから、“3DS以上に「色んな遊び」が詰め込める”と書いています。これはまさに前項で書いた『Splatoon』の魅力の一つである「ゲームパッドで遊びやすくなった」部分だと思います。

 そして、もう一つ。
 携帯ゲーム機が「どこででも遊べる」ことに対して、据置ゲーム機は「インターネット常時接続を活かしたゲーム」を出すべきだと書いているんですね。もちろん携帯ゲーム機にもインターネット必須のゲームはありますけど、インターネット必須ならば「外では遊べない」という据置ゲーム機最大の弱点にも目をつむってもらえると思ったんですね。


 さて、『Splatoon』。
 任天堂のパッケージソフトでは珍しい、「オンラインがメイン」「オフラインはオマケ」というゲームですが……「3DSではできないWii Uでしか提供できない遊び」を考えていくと、こうしたゲームに力を入れていくのは当然だと言えます。
 今後のWii Uのラインナップを考えても、『デビルズサード』に『マリオメーカー』とオンラインに力を入れたゲームが並んでいますし。『どうぶつの森』もそうなるんじゃないかなぁと予想しています。


 しかし、一方でこういう意見もあるんですね。

 どうして私は“オンラインモード”のあるゲームが嫌いなのか

 オンラインゲームは相手と時間を共有するため、勝っても負けても気を遣ってしまい楽しめない―――という記事です。さっきの記事と同じ人が書いたとは思えない話ですね(笑)。
 でも、確かに私は人類の中でも上位に入るくらいの面倒くさい人間だと思いますが、私と同じように「オンラインゲームはちょっと……」と思っている人はそこかしこにいることでしょう。なので、「据置ゲーム機はオンラインゲームに力を入れるべきだ!」と言いつつも、「それだとついてこれない人も多くなるだろうな」とも思うんですね。

 任天堂がオンラインゲームを絶対視してこなかったのもそういう理由かなと思います。オンラインゲームに力を入れると、「オンラインはちょっと……」という私のような人間は楽しめなくなってしまいますからね。



 ということで、『Splatoon』です。
 このゲームは「オンライン対戦のゲームは楽しめない……」という人にも、「オンラインでゲームはこんなに面白くなるんだ!」と楽しんでもらうために作られたゲームだと思います。

 上で紹介した「どうして私は“オンラインモード”のあるゲームが嫌いなのか」という記事には、こんな私でも楽しめるオンラインゲーム案として

○ 「多人数」同時プレイのゲーム
 ← 「自分の責任」が薄まるので気軽にプレイ出来る
○ 「途中抜け」「途中参加」が自由なゲーム
 ← 時間的な拘束力が弱いので、協力プレイも気軽に出来る
○ 「負けた人」が、次の勝負では有利になるゲーム
 ← 遠慮なく相手をボッコボコに出来る


この3つが挙げられていました。


○ 「多人数」同時プレイのゲーム
 『Splatoon』は「4人vs4人」のオンライン対戦です。
 この「1チーム4人」というのが絶妙で、1人がサボるとほぼ勝てないから一生懸命プレイしなければならない、しかし4人も敵がいると「コイツのせいで負けた」と思いにくい人数なんです。もしも、これがもっと多い人数だったら「自分一人くらい手を抜いてもイイや」と考えてしまいがちだし、「自分のおかげでチームが勝った」と思いにくかったでしょう。もしも、これがもっと少ない人数だったら、「アイツのせいで負けた」と恨まれやすかったでしょう。

 「相手を殺した数」ではなく「最終的にエリアを塗った割合」で勝負が決まる「ナワバリバトル」は、勝者の4人全員が「俺のおかげでチームが勝てたんだ」と思えるし、敗者のチームの塗りポイント上位は「俺は頑張ったんだけどなぁ」と思えるルールなのがとても良いです。8人中6人くらいは「俺はよくやった」と思えるルール。
 まぁ、「負けチームの塗りポイント最下位」が続くと、精神的に落ち込んでしまうところはありますけどね……


○ 「途中抜け」「途中参加」が自由なゲーム
 これは別に『Splatoon』に限った話じゃなくて、対戦型FPSではよくある仕様だとコメント欄で教えてもらったのですが、オンライン対戦が好きじゃない自分は知りませんでしたし、それが知られていないことがFPSやTPSが日本で苦戦してきた理由じゃないかなぁと思うほどです。

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 オンライン対戦モードの入口は、3つです。
 「レギュラーマッチ」のルールは現在のところ「ナワバリバトル」で。
 「ガチマッチ」のルールは現在のところ「ガチエリア」です。
 「レギュラーマッチ」のみ、フレンドに合流が出来ます。

 私は「ガチマッチ」はほとんどやっていないので「レギュラーマッチ」の話を書きますが、「ナワバリバトル」は1試合3分。この試合中は流石に「途中抜け」「途中参加」は出来ませんが、試合が終わるごとに「次の試合も続けますか?」と訊かれます。3分間に1回抜けるタイミングがあるんですね。それで抜けた人がいれば、新たな人が参加してくるというカンジです。

 で、ここからが重要なんですけど。
 このゲーム、誰も抜けずにずっと同じ8人で遊んでいたとしても、「敵味方のチーム分け」がシャッフルされるんです。さっき味方だった人が敵になったり、敵だった人が味方になったりするのです。だから、途中で誰かが抜けたところで気にならないのです。
 もし、これがずっと同じチームで戦うというシステムだったら「えー!○○さん抜けちゃったの!頼りになってたのに……」ということが起こると思うんですが、敵味方がシャッフルされるから誰が抜けたか気付かないくらいです。1試合ごとの「抜け」「参加」が非常に気楽なんですね。

 また、「敵味方のチーム分けが毎回シャッフルされる」ことにより、「またアイツにやられた!」とか「コイツのせいで負けた!」というヘイトが溜まりにくい仕様になっています。流石に「負けチームの塗りポイント最下位」が続くと、「あのやまなしレイってヤツのチームいつも負けてんな」と思われてしまうかもですが(笑)。



 それと、「フレンドに合流」は今まさにオンライン対戦を遊んでいる人のところに、「次の対戦で空きが出来たら入ります」と合流する機能です。これのおかげで気軽にフレンドと一緒に遊べるようになりました。自分は未プレイですけど、恐らくこの「気軽にフレンドに合流できる仕組み」は『マリオカート』シリーズにもある機能だったと思います。
 自分の持っている『スマブラ』にも「フレンドとの合流」機能はあったんですけど、『スマブラ』は「フレンドとの対戦はフレンドしか入ってこれない」「対戦は4人まで」だったために流動性がなかったんですね。こういう仕組みは『Splatoon』みたいに「フレンド以外も混じって対戦」「多人数同時プレイ」という流動性があってこそだなと思いました。


○ 「負けた人」が、次の勝負では有利になるゲーム
 このゲームには直接的な分かりやすい「有利になる要素」があるワケではありません。『マリオカート』のアイテムとか、『スマブラ』の「最後の切りふだ」のような、大逆転できる要素もそんなにないです。チーム4人が一丸となれば残り1分でも大逆転できるゲームではありますが。

 しかし、このゲームのレギュラーマッチは「レーティング」がしっかりあって(レギュラーマッチの場合は表示されない)、チーム分けの際に極端な実力差があまり出ないようになっていると思います。後述しますが、フェスマッチはそうではなかったので、如何に普段のレギュラーマッチが考えてチーム分けされていたのかと思いましたもの。
 その結果、勝ち続けるとそんなに強くない人と組むことになるし、負け続けると強い人と組むようになっているように思えます。このレーティングについてはまだまだ判断できないところはありますが、少なくとも考えなしにチーム分けされているワケではないと思います。



 今後のアップデートで「フレンドだけでチームを組んで他のチームと対戦する」という機能も追加されるそうなんですが、この記事を書いている時点ではフレンドと合流してもチーム分けは自動で決められてしまいます。また、海外では割とマイナス点として評価されているそうなのですが、このゲームにボイスチャットはありません。仲間に対して送れるメッセージは「カモン!」と「ナイス!」だけです。

 私はこれこそが『Splatoon』最大の魅力だと思うんですね。
 対戦型のゲームは、同じステージを何十回・何百回と繰り返しプレイするため、“勝てる動き”を正確にこなすだけの覚えゲーになりがちです。任天堂の対戦型のゲームは、なのでここにランダム性を加えて毎回違うことが起こるようにすることが多いんですね。例えば、『マリオカート』は入手できるアイテムがスロットで決まるし、『スマブラ』で出現するアイテムは毎回違います。そうすることによって飽きにくいゲームになっているのです。

 『Splatoon』にはこういうランダム性の要素が一見するとないのですが……
 「敵味方のチームが毎回変わる」上に、ボイスチャットがないので「意思統一もできない」というところに、ランダム性が生まれているのです。同じステージを何十回と遊んでも、毎回新しいメンバーで遊んでいるから毎回新しいことが起こるのです。「同じチームにチャージャーが3人もいるじゃないか!」とか、「俺以外の全員が裏道を進んでるから中央塗っているヤツが誰もいない!」とか、予想外のことが起こりまくるのです。だから、何十回遊んでも飽きないのです。

 最初からフレンドだけでチームが組めてずっと同じメンバーで遊んでいたらこういう楽しさはなかったろうし、ボイスチャットで意思統一できたら“勝てる動き”を誰かが指示してそれに従うだけのゲームになっていたんじゃないかと思います。まぁ、『スマブラ』に「終点・アイテムなし」を求める人もいるように、『Splatoon』にも「そんなランダム要素は要らない!」という人もいるでしょうけど。
 あと、海外の人達の「ボイスチャット希望」って世界中の人が英語を喋れる前提の考え方ですよね。私は「カモン!」と「ナイス!」以外の英語が喋れないのでボイスチャットがなくて良かったです!



 また、オンラインによる楽しさは「オンライン対戦」による楽しさだけではありません。
 このゲームは発売から半年間は無料アップデートが続くと予告されていて、実際に発売から3週間の間に新しいブキが3つと新しいステージが2つ追加されています。パッケージ版購入者からの情報によると、どうもこれらの追加ブキやステージは最初からソフトに入っていて、それを徐々にアンロックさせて使えるようにしていっているみたいなんですね。アップデート容量は小さなものらしいんで。

 最初はスタンダードなブキやステージが揃っていて、徐々にテクニカルなブキやステージが追加されていき、その度に話題になっていく……オンラインゲームでは珍しくもなんともないことですけど、任天堂としては恐らく『マリオカート8』や『スマブラfor』の「アップデート」や「有料DLC」で遊びを追加していった流れを受け継いでいるんじゃないかなと思います。

 任天堂一社で何十本ものソフトをWii Uに用意するのは大変ですが、『マリオカート』や『スマブラ』のように全世界で何百万本と売れるゲームがあるのだから、それらの追加コンテンツを用意してずっと遊び続けてもらおうというのがWii Uでの任天堂の戦略になっていることと思います。
 『Splatoon』もこの流れに沿って、定期的な追加コンテンツで長く遊び続けてもらおうというソフトになっているんですね。半年間のアップデートは無料ですが、それ以降は有料DLCも来るんじゃないかなぁと予想しているのですが、果たして。「お金を払った人が有利になる有料DLC」はイヤですが、「イカちゃんを可愛く着せ替えられる有料DLC」ならば、私は喜んでお金を払いますよ!メイド服を!メイド服を私にください!



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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 後は、やはりMiiverseの使い方が、Wii Uのロンチに関わっていた人達によるソフトなだけあって「これがMiiverseの魅力か!」という使い方がされています。前述したとおり道行く人のMiiverseが表示されるのは『ニンテンドーランド』にもあった仕様ですが、『Splatoon』で表示されるのは「日本人の投稿限定」で「それなりに人気の投稿」が表示されるみたいですね。
 無作為にMiiverseが表示された『ニンテンドーランド』のカオスなカンジは「遊園地らしい」っちゃらしいんですが、お絵描き意欲が出てくるものではありませんでした。

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 スクールアイドルがいました。

 『Splatoon』の仕様だと、クオリティの高い投稿をたくさん目にする機会が多く、それを見た世の中の絵描きが自分も描きたいと思い、更にそれを見た人が「こんなすごい投稿があったよ!」と話題にするスーパー好循環が生まれています。Miiverseの可能性を3年前のE3からずっと語ってきた自分としてはとても感慨深かったです。
 お絵描きのために『Splatoon』買ったとか、『Splatoon』でのお絵描き楽しいとか、Twitterを見ていると「Miiverseという名前」すら知らない人が喜んで投稿しているんですよ!ゲーム内に自然に現れるから、「Miiverseという名前」なんか意識しないという。これがMiiverseの本来あるべき姿だったのですよ!



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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 オンラインゲームならではのお祭りイベント「フェス」も開催!

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 第1回の「フェス」は「朝食はごはん派?パン派?」という御題でチームを分けて、その24時間は普段のオンライン対戦ではなく「ごはん派4人vsパン派4人」のナワバリバトルをするというものでした。成績に応じて、装備のカスタマイズに使えるスーパーサザエという報酬がもらえます!

 最初『みんなで投票チャンネル』っぽいと思ったのですが、どっちかというと『スマブラfor』の「コンクエスト」っぽいですね。

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 事前に投稿された「朝食はごはん派?パン派?」のMiiverseが、当日これでもかというほど出てきて「祭りだー!」とテンション上がりまくり。テンション上がった状態でお店に入ると、店員はすげー普通のテンションで接してくるのがリアルな祭りっぽくもありました(笑)。


 ……と、雰囲気作りは最高だったんだけど。
 肝腎の「フェスマッチ」の仕様はとても残念。

・ルールは「ナワバリバトル」のみ
・なので、普段は「ガチマッチ」プレイしているガチ勢も一緒のプレイ
・フレンド合流も出来ない
・レーティングがあまり機能していないのか、勝っても負けてもワンサイドになりがち
・敵味方のシャッフルがないので、メンバー固定したまま戦い続けられる
・勝ってると楽しいけど、負けてると「ずっと負け続ける」こともしばしば
・ステージが24時間同じ3ステージなので、1日中ずっとやってると流石に飽きる……
・「ごはん派」の方が人数が多かったのか、「ごはん派」は常に余りがちで「パン派」が来るまでの待ち時間が非常に長かったそう


 普段のオンライン対戦に“制約”を付けているだけなので、「フェスならではの面白さ」があまりないのがつらかったです。敵味方シャッフルこそが『Splatoon』最大の魅力だと言っていた自分としては、敵味方の固定が一番つらかったかなぁ……ずっと同じメンバーで戦い続けられることで連携も高まるし、連勝もできるという楽しさがなかったワケではないのですが。

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 すごいバランスの取れたチームで7~8連勝とかしてたら、この有様。
 「あまりに強すぎるチームは強制解散」みたいなシステムがあったんですかねぇ。それならそれでも構わないんですけど、それだと「フェスならではの面白さ」が本当に何もないというか……事前の盛り上がりが最高だっただけに残念。「遠足は前日が一番楽しい」ということを、大人になって久々に思い出しましたよ。



 残念なところついでに、不満点というか要望を書いておきますけど……
 『スマブラ』みたいなリプレイ機能って、『Splatoon』には付けられないんですかね?

 オンライン対戦中はHOME画面に当然移れないので、スクショ撮ったりMiiverseに投稿したりが出来ないんですよ。「こんなことがあったよ!」とか、「すごい名勝負だった!」みたいな場面をみんなと共有したくても、それができない仕様なのが残念です。システム的に大変だろうことは分かるのですが……アップデートでもムリならば、何年後かに発売されることを期待している『Splatoon2』にでも是非。


◇ 3D空間を作り続けてきた任天堂の新作アクションゲームとしての「ヒーローモード」

 高さのあるゲーム

 唐突に全然別の話題です。
 スーパーファミコン時代から『パイロットウィングス』や『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』で「高さのあるゲーム」を表現していた任天堂が、NINTENDO64と『スーパーマリオ64』で3D空間を自在に作れるようになって「高さ」を手に入れました。

 この90年代中盤のゲーム業界における「ゲームが3Dになって何が変わったのか―――」という各社の動きってすごく面白かったんだなと今なら思います。
 セガは『バーチャファイター』で「3Dで作られたリアルな人間の動き」を表現し、スクウェアは『ファイナルファンタジーVII』で「CGムービーによる映画のようなゲーム」を作り、任天堂は『スーパーマリオ64』で「高さのある箱庭空間での自由な遊び」を実現したと言えますからね。「3D」という新しい表現方法をどうゲームに活用したかのアプローチは様々で、そのどれもが後のゲームの礎になっているという。

 ただ、その任天堂がたどり着いた「高さのある箱庭空間での自由な遊び」が必ずしも任天堂を幸せにはしなかったという。以前に紹介したhamatsuさんの記事で言及されているのですが、『スーパーマリオ64』を作った宮本さん自身が『スーパーマリオ64』を始めとする3Dアクションゲームに厳しいことを言っているのです。

 それはこの記事の、第6回から。
 インタビューされた時期は1999年の秋で、これから『ドンキーコング64』が発売されるというタイミングです。

<以下、引用>
 ぼく、3Dアクションゲームってほんとに面白いかな?って思ってるんですよね、
 自分で作っておいて、言うのもなんですが(笑)。

 「3Dアクションゲームの時代だ!」とか言って、みんなをその気にさせたのはぼくなんやけども、
 みんなも「そっか。これからは3Dアクションか!」って思って、それで実際に3Dアクションゲームをつくってみたら、たいへんだった、という思いをしてると思うし、そのわりには意外と面白くならへんかったって、あれ?って。

 だったら、マリオのことを、なんで面白いと思ったんやろ?って言って、もう1回してみたら、やっぱり意外と面白くなかったとかね(笑)。

 あのね、ほんとにそういうものだと思っているんです。
 作るほうにとっても難しいし、遊ぶほうも難しく感じることが多いの。

 つまり、3Dアクションというだけで面白がる時期は終わったと思います。
 3Dゲームにすることで面白さが引き立つ、ゲーム性の「アイディア」が中心にならないと、だめなんでしょうね。

</ここまで>
※ 改行や強調など、引用者が一部手を加えました

 この話の続きは、「と僕は思っているんだけど、レア社が作った『ドンキーコング64』は「3Dアクションゲームってのは面白いんだ」という前提で作られていて、任天堂を飛び越した3Dアクションゲームの完成形になっていると思う」ということなんですけど……2015年という未来から読んでいる私からすると、宮本さんは「3Dアクションゲームというだけで面白がってもらえる時期は終わった」と思っているという話がとても気になるのです。

 『マリオ64』は世界中でものすごく評価されたゲームで、未だに「マリオ64のようなゲームの正統続編なマリオが遊びたい」という声は根強く聞かれます。しかし、作った宮本さん自身が1999年の時点で既に「遊ぶほうも難しく感じている」「マリオ64のようなゲームを面白がってもらえる時期は終わった」と考えていたという。


 んで、3D『マリオ』と3D『ゼルダ』の違いの話になるのです。
 『マリオ64』で「高さ」を得た3D『マリオ』ですけど、宮本さんが『スーパーマリオギャラクシー2』で「遊びとしては平面の遊びが楽しい」」と仰っていたように以後の3D『マリオ』は「高さのない平面的な遊び」を強化していきます。
 「マリオの面白さに高さって必要なのか?」「高さを得てマリオは面白くなったのか?」というそもそもの疑問が、宮本さんにすらあったのだと思われます。

 3D『ゼルダ』は違います。『ゼルダ』は元々「探索」のゲームですし、スーファミ時代から「高さ」を表現していたくらいですから、“3Dゲームにすることで面白さが引き立つ”があったのだと思います。「ゼルダに高さは必要」「高さを得てゼルダは面白くなった」と自信を持っているから、今でも3D『ゼルダ』は「高さのあるゲーム」なんだと思います。


 「何の話をしてるんだ?」と思われるかも知れませんが。
 任天堂は「3D空間でのアクションゲーム」を20年間作り続けていて、「3Dになって面白くなったもの」「3Dになっても面白くならなかったもの」をずっと考え続けてきたと思うんです。64時代はそれこそ「これからは3Dの時代だ!」と言っていたけど、「本当に3Dアクションって面白いのか?」と立ち返って、『どうぶつの森』が出てきたり、『Wii Sports』や『Wii Fit』が出てきたり、3D『マリオ』でも平面の遊びにしたりしたのだと思います。

 そんな任天堂が、バリバリ3Dアクションの『Splatoon』を出したことで「え?これって任天堂のゲームなの?」と思った人もいるかも知れません。このゲーム、「高さ」がありますからね。
 しかし、逆に言うと「3Dになってゲームは面白くなったのか?」「高さを得てゲームは面白くなったのか」を考え続けてきた任天堂が、満を持して出した「3Dだからこそ面白いゲーム」「高さを得たからこそ面白いゲーム」が『Splatoon』だとも言えるのです。


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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 やはり、このゲームの核となっているのは「自軍のインクで塗られた壁ならばイカになって昇ることができる」というアイディアだと思います。これによって「高いところへの移動」もスムーズにできますし、プレイヤーがステージの空間を把握しやすくなっているのです。「高さのあるゲーム」の何が複雑だったかというと、「見えるのに行けない」場所が多くて、回り道をして登る間にどこなのかが分からなくなってしまったからだと思うんですね。

 オンライン対戦のステージも全て「高さ」のあるステージで、「高さ」をどう使うのかが鍵となっています。



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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 そして、「一人用のヒーローモード」も「3Dだからこそ面白い」「高さを得たからこそ面白い」ギミックが満載で、3D空間での遊びを考え続けてきた任天堂による「マリオでもゼルダでもない」全く新しい3Dアクションゲームとして非常に高いクオリティの遊びになっているのです。

 『マリオ』や『ゼルダ』をdisりたいワケじゃないんですけど、やっぱりシリーズものというのは遊び続けているとそのシリーズの「決まったルール」に慣れてきてしまうものです。今更「ハテナブロック」からコインが出てくることに驚かないし、「ヒビの入った壁」を見たら爆弾で壊せるんだなと思ってしまうものです。

 『Splatoon』は完全新作のゲームですから、「インクを銃で撃って」「イカになってインクに潜る」という新しいルールを活かした“今までに見たことのないギミック”が次から次へと出てくるのです。この新鮮さは、仮に数年後に『Splatoon2』が出ても味わえない一度きりの体験だろうなぁと思います。


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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 具体例を出しすぎるとネタバレになっちゃうので好きだったステージの紹介は一つだけにしますが、私はこの「回転する足場を塗ってイカで泳いで落ちないようにする」ステージが好きでした。これは「マリオでもゼルダでもない全く新しい3Dアクションゲーム」だったからこそ出来たギミック。


 「一人用のヒーローモード」は、オンライン対戦とも操作が全く一緒なので「操作の練習」にもなりますし、「新作アクションゲーム」としても楽しめますし、「世界観の掘り下げ」にもなっています。1ステージ辺りのボリュームがそこまででもないのも、個人的には好みです。

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 「3Dアクションってどっちに進めばイイのか分からなくなる……」という人もいるかも知れませんが、このゲームの「ヒーローモード」は『スーパーマリオギャラクシー』のように「細かいエリアをクリアしたら次のエリアにジャンプする」システムを採用しているので道に迷うことは少ないと思います。これも「3D空間でのアクションゲーム」を20年間作り続けてきた任天堂がたどりついた「道に迷わずに楽しめる3Dアクションゲーム」の形だとも言えますし、20年間の積み重ねがあったからこそ『Splatoon』が生まれたのだと私は思います。
 ステージ自体はほぼ一本道ですが、各ステージには1つ隠されているミステリーファイルというものがあります。『マリオ』シリーズにおけるスターコインとか彗星メダルみたいなヤツ。これを探すのも「探索ゲーム」好きな自分は非常に楽しかったです。かなりガチで探さないと見つからないところにありますからねぇ。



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 更に、amiiboを持っていれば「ヒーローモードでクリアしたステージ」の内20ステージを「新たな条件でプレイするチャレンジモード」が遊べます。ガールのamiiboなら「チャージャーでプレイ」、ボーイのamiiboなら「ローラーでプレイ」、イカのamiiboなら「シューターだけど時間制限などがある状態でプレイ」となっています。

 言ってしまえば「やりこみ要素」で、「やりこみ要素」は欲しい人と欲しくない人が分かれるので別売りのコンテンツとして提供するのは私は賛成です。チャレンジモードクリアで手に入る装備は「見た目」重視のものなので、買った人だけが有利なものではありませんし、オンラインの待ち時間に遊べるミニゲームが手に入るのも悪くないと思います。

 ただ、そのamiiboが品切れ状態なのはいただけません。
 慌てて追加生産しても、手に入るのが仮に半年後なら、半年後に「やりこみ要素」を遊ぶのなんてすごくダルイですよ。私は運よくamiibo3体を手に入れられましたけど、多くの人が手に入れられていない現状はつらいものがあります。一度クリアしたステージを、チャージャーでプレイすると全く別のバランスになっているのとかすごく楽しかっただけに、全員が遊べるワケではないのが本当に勿体ないなぁと。



◇ 総評
 ものすごく絶賛してきましたが、それでも「オンラインがメインのゲームである以上は、どうしても人を選ぶゲーム」なのは仕方がないでしょう。極端な話、自宅にインターネットが繋がっていない人にとってはこの楽しさは半分以下に下がってしまうと思いますから。

 しかし、「3Dアクションが嫌い」「オンラインゲームが嫌い」と言い続けていた私が全力でプレイして、全力で楽しめているのだから、ものすごく間口の広い3Dアクションゲームだと思いますし、多くの人が楽しめるオンラインゲームなんだと思います。それはやはり、一朝一夕で出来上がってきたものではなく、任天堂がこれまでに積み上げてきたゲーム達があったからでしょう。
 今までの任天堂が大事にしてきたものを引き継ぎ、上手くいかなかったものもちゃんと研究して改善して、その上で“全く新しい体験を提供する新機軸のゲーム”として形にしてくれたことに拍手を贈りたいと思います。「フェスマッチ」の仕様とか、「amiibo」の品切れとか、ケチをつけられるところももちろんあるんですけど、それでも「こういうゲームを出してくれたこと」に感謝したいし、任天堂の底力を感じました。


 このゲームは今の時点が完成形ではなく、半年かけて無料アップデートを繰り返し完成形になっていくそうです。
 予定されていたアップデートが全て終わった半年後、その頃に記事を書いてもまだ読んでくださる人がいそうだったら、ですけど……その時にもまた紹介記事(第2弾)を書いて、今回の紹介記事(第1弾)とどれくらい変わったのかを語れればイイなと思います。
 ただ、私としては、今くらいのシステムとボリュームが丁度イイなとも思っているんですね。気楽に遊べるし、覚えなくちゃいけない要素もそれほど多くない。アップデートでブキやステージやモードが追加されていっても、今の絶妙なバランスが保てるのだろうかとは思います。

 なので、買うか悩んでいる人は早めに買いましょう!
 今ならまだ大丈夫です!

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≫ EDIT

豪華フルコースの功と罪。『スーパーマリオギャラクシー2』紹介(6.5点)

【三つのオススメポイント】
・Wiiでしか出来なかった、Wiiリモコン+ヌンチャクの操作に特化したマリオ
・非常にバラエティ豊かなステージ達
・「ゲーム」部分以外もブラッシュアップして遊びやすくなっている


『スーパーマリオギャラクシー2』
 Wii用/3Dアクション
 任天堂
 2010年5月27日発売
 5524円(税別)
 セーブデータ数:3
 公式サイト
 Wii U用ダウンロード版
 2015年1月15日配信開始
 2500円(税別)
 公式サイト

スーパーマリオギャラクシー2[オンラインコード]スーパーマリオギャラクシー2[オンラインコード]

任天堂 2015-01-15
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◇ Wiiでしか出来なかった、Wiiリモコン+ヌンチャクの操作に特化したマリオ
 この作品は2010年にWii用ソフトとして発売された3Dマリオシリーズ第4弾です(※1)
 2015年にWii Uで遊べるダウンロード版が配信開始されたので、私はそちらをプレイしました。基本的には同じ内容だと思いますし、バーチャルコンソールのような「どこでも中断」や「まるごとバックアップ」などの追加機能はありません。Wiiのパッケージソフトがディスクなしで遊べるというだけですね。逆に言うと、Wiiのパッケージソフトに同梱されていた解説DVDは付いてきません。

(※1:DSで発売された『スーパーマリオ64』のリメイク作品を加えると5作品目になりますね)


 さて、この記事を書いている2015年5月の時点では、3Dマリオシリーズは

・NINTENDO64用ソフト『スーパーマリオ64』
・ゲームキューブ用ソフト『スーパーマリオサンシャイン』
・Wii用ソフト『スーパーマリオギャラクシー』
・Wii用ソフト『スーパーマリオギャラクシー2』
・ニンテンドー3DS用ソフト『スーパーマリオ3Dランド』
・Wii U用ソフト『スーパーマリオ3Dワールド』


……と、6作品が発売されています。私がプレイしたことがあるのは、シリーズ1作目の『マリオ64』、この作品の前作『マリオギャラクシー』、この作品の次回作『マリオ3Dランド』の3つで、今回の『マリオギャラクシー2』が4作品目になります。なので、この次の『マリオ3Dランド』をプレイした上で、『マリオギャラクシー2』が何だったのかを語っていければなと思います。


 “3Dマリオ”という言葉で一括りにしましたが、実は最初の『マリオ64』と最近の『マリオ3Dランド』では全然違うゲームです。

 『マリオ64』は「3Dで作られた箱庭空間を探索してスターを探す」ゲームです。
好きなスターを獲得しよう!
<写真は『スーパーマリオ64』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 獲得できる順番に多少の制約はありますし、こっちのスイッチを押しておかないと獲れないスターなんかもあるのですが……1つのステージに大体7~8コくらいのスターが用意されているので、基本的にプレイヤーはそれを好きな順番に獲得していきます。「ステージのボスを倒してもらえるスター」「ノコノコと競争をして勝つともらえるスター」「ステージに置かれている赤コインを全部集めると出てくるスター」……と、条件は様々です。
 次のステージに進むには「スターを幾つ獲っているとこの扉が開くぞ」といった条件があるので、プレイヤーはステージを何度もプレイしてスターを探索していくんですね。3Dアクションの悩みの種であるカメラアングルも、なのでこの頃は「自動操作+プレイヤーが操作して補う」となっていて、カメラも自分で操作してステージを探索していくのです。


 これが、最近の『マリオ3Dランド』になると……
 「スター集め」ではなくなり、画面の右か奥に進むと待っている「ゴールポール」にたどり着くとステージクリア→次のステージに進むことが出来るゲームになりました。カメラアングルも斜め上からほぼ固定で、時間制限も出来て、2Dマリオに奥行きを足したようなゲームになっているんですね。


 ザックリした分け方をするのなら……『マリオ64』は「探索」のゲーム、『マリオ3Dランド』は「到達」のゲームと言えますね。この辺の考え方は、『色々水平思考』のhamatsuさんの影響を受けております私。

任天堂失敗列伝〜第四回〜「マリオ64の巻」
三次元のマリオの歩み マリオ3Dランドレビュー



 んで、その間にはさまれている『スーパーマリオギャラクシー』及び『スーパーマリオギャラクシー2』はどうなのかと言うと……この2作は「スターを探す」ゲームです。そのスターを獲得できる条件も、「頼みごとを聞く」「シルバースターを5つ揃える」「ミニゲームで条件以上のスコアを出す」など『マリオ64』同様に様々なのですが……一番多いのは「ゴール地点=スターまでたどり着く」というものです。
 そのコースも球状の惑星から惑星へと一方通行で進んでいったり、とにかく上に登るのだと分かりやすかったりするので、「どっちに行けばイイのか分からない」ことにはなりにくくなっています。つまり、『マリオ64』同様に「スターを探す」ゲームでありながら、プレイヤーがやることは『マリオ3Dランド』同様の「到達」のゲームなんですね。カメラアングルは状況によって変わりますが、基本的には作り手の決めたカメラアングルでの操作になって、プレイヤーがカメラを動かすことは出来ません。

 『マリオ64』が『マリオ3Dランド』になる間の“過程”に生まれたゲームと言えますし。
 どちらの魅力も兼ね備えたゲームとも言えると思います。


 ということで……実は「“3Dマリオ”が好き」という人の中には、『マリオ64』が好きな人もいれば『マリオギャラクシー』が好きな人もいれば『マリオ3Dランド』が好きな人もいるのです。『ファイアーエムブレムif』の白夜王国/暗夜王国どころの騒ぎではありません。全員を満足させるためには、こちらは3作同時に作らねばなりません(笑)。
 実際、『マリオ3Dランド』の次の作品が同系統の『マリオ3Dワールド』だと発表された際は、「『マリオギャラクシー3』が良かったぁ!」と嘆いたファンもいましたし、任天堂からも「今後『マリオギャラクシー3』を作らないワケではない」というコメントが出ていましたからね。



 さてさて、そんなわけで『マリオ64』とも『マリオ3Dランド』とも微妙に似てて微妙に違う『マリオギャラクシー』シリーズ。もう一つ大きな特徴として、このシリーズはWii専用ゲームとして作られたのでWiiの象徴とも言えるWiiリモコン+ヌンチャクで操作する“3Dマリオ”となっています。
 Wii U用のダウンロード版であっても、ゲームパッドやクラシックコントローラでは操作できません。このゲームはあくまでWiiリモコン+ヌンチャクで操作するために作られたゲームなんです。

 操作は、ヌンチャク側のアナログスティックで「移動」。
 ヌンチャク側のZボタンで「しゃがみ」。
 Wiiリモコン側のAボタンで「ジャンプ」。
 Wiiリモコンを振ると、「スピン」をして敵を攻撃することが可能です。


 操作方法は『マリオ64』に近いですね。Bボタンで「パンチ」していたのが、Wiiリモコン振って「スピン」に変わったくらい。

スピン
<写真はWiiソフト『スーパーマリオギャラクシー2』より引用>

 操作に使うボタンは多くありませんが、これらを組み合わせることで多彩なアクションが可能となっています。

・ジャンプ中に「スピン」することで空中で微調整が可能
・ジャンプをテンポ良く重ねると三段跳び
・「しゃがみ」の状態でジャンプするとバック宙
・ジャンプ中に「しゃがみ」でヒップドロップ
・走りながら「しゃがみ」→ジャンプで幅跳び
・ジャンプして壁に張り付いた状態でジャンプボタンを押すと壁キック


 この辺の多くは『マリオ64』から受け継がれている“3Dマリオ”の伝統ではありますね。


 「Wiiリモコン+ヌンチャクで操作する“3Dマリオ”」という話はここから。
 上で説明したマリオの操作にプラスして、Wiiリモコンのポインターを使って「スターピースを集めて」「スターピースを敵に発射してぶつける」ことが出来るのが『マリオギャラクシー』シリーズの特徴です。

ポインターを動かしてスターピースを回収
<写真はWiiソフト『スーパーマリオギャラクシー2』より引用>

 こんぺいとうのようなスターピースを、Wiiリモコンのポインターで回収(ボタンは特に押す必要はありません)。

ポインターを敵に合わせてBボタンで攻撃
<写真はWiiソフト『スーパーマリオギャラクシー2』より引用>

 Wiiリモコンのポインターを敵に向けてBボタンで発射!
 スターピースを敵にぶつけて気絶させることが可能です。


 言ってしまえば、普通のゲームコントローラーの右スティックで行っているエイムをWiiリモコンのポインターで行っているだけなんですが……自分の手の動きで直接介入できる感覚が独特で、Wii発売前のWii Previewにて松野泰己さんが「(Wiiリモコンならば)より直感的にゲームの世界に触ることが出来る」と表現していたくらいです。

 ただ……前作『スーパーマリオギャラクシー』をプレイして思ったのは、スターピースは敵を気絶させることしか出来ず、倒せないんですね。『マリオ』というゲームはマリオが生身でジャンプして敵をやっつけなきゃならないので、スターピースだけでは敵を倒せません。
 「直接ゲームの世界に触れる」のに、介入できる効果が限定的で物足りなかったんですね。


ポインターを敵に合わせて敵を飲み込む
<写真はWiiソフト『スーパーマリオギャラクシー2』より引用>

 しかし、今作はヨッシーが登場します。
 ヨッシーは登場するステージが限られてはいますが、ヨッシーに乗っている間は「ポインターを合わせてBボタン」で敵や果物をバンバン食べてくれます。敵を一撃でやっつけられるんですね。アナログスティックで移動しながら、Wiiリモコンのポインターを使って敵をやっつけていくのが非常に楽しく、今度こそ完全な形で「直接ゲームの世界に触れる」と感じました。


◇ 非常にバラエティ豊かなステージ達
 皆さんは、「マリオ」シリーズにおける「マリオらしさ」って何だと思いますか?
 人の数だけ答えは違うでしょうし、色々な「マリオらしさ」が集まって「マリオ」シリーズは出来ていると思うのですが……私が思う一番の「マリオらしさ」とは、「マリオを使ってバラエティ豊かなステージを冒険するゲーム」だと思っています。『スーパーマリオブラザーズ』1作目の説明書には「ファンタスティックアドベンチャーゲーム」と書かれていたそうですしね。

 マリオのデビュー作となる『ドンキーコング』からしてそうです。
 「1つのゲーム辺り1面で十分」だった時代に、宮本さんが「4面つくるということは4つのゲームをつくることなんですよ」と言われながらも実現させた全4面は―――マリオという一人のキャラクターを操作しながらも、それぞれの面に違った4つの遊びが詰め込まれているという作品でした。

(関連記事:マリオのジャンプは如何にして「多機能」になっていったのか


 『マリオブラザーズ』は横井軍平さんの色が濃いので例外だと思いますが……
 『スーパーマリオブラザーズ』は、『ドンキーコング』のスーパーグレードアップバージョンと言えるでしょう。「地上」「地下」「水中」「空」「敵城」と、バラエティ豊かな様々なステージを駆け抜けてピーチ姫を助けに行くゲームです。まさに「大冒険!」というゲームだったんですね。

 『スーパーマリオブラザーズ3』になると、「草原の国」「砂漠の国」「海の国」といったカンジにワールドごとに特色を持たせてあって世界中の不思議な国を冒険している感覚がありましたし。
 『スーパーマリオワールド』は、地続きの恐竜ランドを舞台に「このエリアはバニラドーム」「このエリアはまよいのもり」といったカンジにエリアごとに特色を持たせてありました。マップにある巨大な湖を突っ切るには水中面をクリアしなければならない―――といったカンジに、マップとステージが連動しているのが特徴でしたね。

 『スーパーマリオ64』になると、前述した通り「ゴールに到達する」のではなく「スターを獲得する」のがクリア条件ですから、色んなステージが舞台になっているだけでなく色んな遊びが詰め込まれたゲームになりました。
 大きな山のあるステージならば「頂上までノコノコと競争して勝ったらスター獲得」とか、雪山のステージならば「迷子のペンギンを親ペンギンに届けたらスター獲得」とか。「4面つくるということは4つのゲームをつくることなんですよ」と言われた『ドンキーコング』同様に、各ステージに合わせた色んな遊びを詰め込んだのが『スーパーマリオ64』と言えます。


 『スーパーマリオギャラクシー』シリーズもそれに準じた形になっています。
 色んな惑星を舞台にしたアクションゲームで、多くのステージは「ゴール=スターにたどり着くこと」がクリア条件なのですが、そこに至るまでの道筋がステージによって「横スクロールアクション」になったり、「水中」を通ったり、「溶岩の上」を通ったり、「空」を飛んだりと様々です。
 また、前述した通り「ゴール=スターにたどり着くこと」以外がクリア条件のステージも幾つかあって、「敵を特定地点まで誘導したらクリア」になったり、「シルバースターを5つ探して集めたらクリア」だったり、「ミニゲームで○点以上を獲れたらクリア」だったりというステージもあります。『マリオ64』同様に、色んな遊びをさせてくれる様々なステージが詰め込まれているんですね。

 私が好きだったステージを列挙すると……

スライダー

 木をくりぬいたスライダーを滑り降りるステージ。

もぐらたたき

 氷上をスケートで滑りつつ、もぐらたたきをするステージ。

キラーvsキラー

 次々と撃ち込まれるキラーをヨッシーで飲み込み、逆に吐き出して弾丸のようにして敵にぶつけていくステージ。

未来少年コナン

 とうがらしを食べて走り続けてしまう暴走ヨッシーを制御して、重力に逆らって壁まで走るステージ。

ライン取りが大事

 こちらもとうがらしで暴走するヨッシーを制御して、コースに並ぶパープルコインを回収していくステージ。

テンポ良く進まないと落ちる
<写真は全てWiiソフト『スーパーマリオギャラクシー2』より引用>

 回転し続ける足場から落ちないように進むステージ。このステージは「通常面」と「いたずら彗星の面」がそれぞれ違ったバランスになっていて、単なる高難度化に留まっていないのが好きでした。



 各ステージごとに、「舞台」も「クリア条件」も「カメラアングル」も変わり、幾つかのステージでは「操作方法」も違っていて―――
 「マリオを使って様々なアトラクションを遊ぶゲーム集」と言えますし、そういう意味では「タッチペンを使った脳を鍛えるゲームを集めた『脳トレ』」や「バランスWiiボードを使ったゲームを集めた『Wii Fit』」とかとゲームの構造としては変わらないんじゃないかと私は思っています。



 しかし、色んなゲームを集めて1つのパッケージにすると、どうしたって「俺はこのゲームが好きじゃない!」というものが収録されてしまうものです。私は『脳トレ』の「三角暗算」が好きじゃなかったし、『Wii Fit』の「踏み台リズム」はどうしてもリズムが合わなくて嫌いでした。

 『スーパーマリオギャラクシー2』も、「好きだったステージ」もたくさんあるのですが、「遊ぶのがつらくて二度とやりたくないステージ」もたくさんあってそっちの印象の方が強くなってしまいました。
 「遠近感のつかめない空中を飛んで、空中に浮かんでいるメダルを獲るステージ」は100回くらいやり直しました。タイミングを合わせてAボタンが出来ない私は「バネマリオ」の面で案の定右肩を傷めました。「高速チカチカブロック」の面は本当に泣きながらプレイしていましたし……“真の最終面”の出現条件のとてつもない作業感には本当にゲンナリしました。同じステージを何度も何度もクリアしなければならないのは苦痛でした。

 『脳トレ』や『Wii Fit』ならば「様々なゲームを収録しているけど、好きなゲームだけ遊んでくれればイイよ」で済んだ話です。全部のゲームを極める必要はありません。
 しかし、こちらのゲームの場合は、ある程度は嫌いなステージもクリアしなければ先に進めませんし、“真の最終面”を出すためには全てのステージをクリアしなければならないのです。


 特につらかったのは終盤のステージのカメラアングル。
 段差があって「高さの把握」が重要なステージでは、カメラアングルが真上からになって「高さ」が把握出来なかったり。敵との距離を考えて「間合いの把握」が重要なステージでは、カメラ位置が低くなって「間合い」が把握出来なかったり―――カメラアングルがとにかく遊びづらくて、プレイヤーはそれを変更出来ません。
 これが並のゲームならば「作り手が無能なんだな」「3Dアクションゲームが嫌いな人の気持ちが分からないんだな」と諦められるのですが、このゲームの場合は「3Dアクションゲームを食わず嫌いしている人達にも遊んでもらいたい」と言っていて、実際に序盤は本当に計算されていて遊びやすいカメラアングルでした。

 それが、終盤になるとカメラアングルが遊びづらくなってしまうので、「カメラアングルの悪さ」で難易度調整しているように思えて非常に印象が悪かったです。
 実際“真の最終面”とか、カメラの位置を変えて『マリオ3Dランド』のようなアングルでプレイさせてくれたならそんな難しい面じゃなかったと思います。「3Dアクションゲームを食わず嫌いな人にも遊んでもらいたい」と言いつつ、そんなことも分からないのかこのスタッフは!!




 それが分かっているからこそ、このスタッフはこのゲームの次に『マリオ3Dランド』を作ったんですよね。

 『マリオ3Dランド』の「社長が訊く」にて、開発スタッフは前作『マリオギャラクシー2』について以下のように振り返っています。

<以下、引用>
林田「そうです。『ギャラクシー2』は僕の中で、中華料理の“満漢全席”のイメージなんです。」

岩田「はい(笑)。」

林田「「こんなにいろいろありますから、どれでも食べてください!」というゲームですね。
 全部食べるには何時間もかかるし、食べおわるとお腹がいっぱいになる。『サンシャイン』から蓄積していったものをすべて詰め込んだので、それこそ「何でもあります!」というゲームを『ギャラクシー2』でつくったつもりだったんです。」

岩田「次はもっと、次はもっと、とした結果、どんどん大きく、豪華になっていった、ということですね。
 でも一方で、「それはお客さん全員にとっていいことなのか」という課題が生まれたわけですよね。」

林田「ええ。ですから、今度は“満漢全席”じゃなくて、手軽にサクサク食べられる“ハンバーガー”みたいな気軽なゲームを目指そう、と。そこから考えていくことにしました。」

</ここまで>
※ 改行・強調など引用者が一部手を加えました

 「満漢全席」は清の時代の中国における超豪華な宴会様式のことで、国中の様々な豪華料理を膨大な量を集めて数日かけて食べるという意味から、慣用句として「度が過ぎた贅沢さ」みたいなニュアンスも含んでいる言葉だと思います。分かりやすく言うと、「超豪華なフルコース料理」くらいなカンジですかね。

 先ほど私が「好きだったステージ」に挙げたものの中には、『マリオ64』や『マリオサンシャイン』から受け継いだステージがありますし、もちろん前作『マリオギャラクシー』から受け継いだステージもあります。“3Dマリオ”の集大成のような豪華フルコースなゲームを作ったことは確かに凄いのだけど、それゆえに「俺はこれ食べられないんだよなぁ……」というものが出てきてしまったという。
 食の喩えに便乗すると、私も割と偏食家というか「嫌いな食べ物」が幾つもある人間です。まずマヨネーズがニオイだけでも吐いてしまうくらい苦手。そういう人間からすると「フルコースの料理」なんて、「絶対どこかで食べられない料理が出てくる……」と思うだけなのです。それだったら、それこそ食べ慣れたハンバーガーだけを食べている方が幸せだと言えます。


 この作品の次の『マリオ3Dランド』が「ハンバーガーみたいなゲームを目指す」と作られ、各ステージの舞台はバラエティ豊かではあるものの「クリア条件はゴールポールを目指す」「カメラアングルは斜め上から固定」で基本的に統一したことは……
 当時は意味があまり分かっていなかったのですが、『マリオギャラクシー2』をプレイした今ならすごくよく分かりました。私が『マリオギャラクシー2』で嫌だった部分を全部解決していくと『マリオ3Dランド』になる―――と思うのです。


 ただ、逆に言うと、私が『マリオギャラクシー2』で好きだった部分も『マリオ3Dランド』では削られてしまったとも言えるので……
 「すごく好きなところとすごく嫌いなところがあるマリオギャラクシー2」か「最初から最後までそこそこ好きだったマリオ3Dランド」では、どっちが私にとって良いゲームなのかは難しいですね。それこそ今年のE3で「次の“3Dマリオ”」が発表されるかも知れませんが、次回作がどういう形になるのか興味があります。やはり、いっそのこと三作同時に開発するしか……


◇ 「ゲーム」部分以外もブラッシュアップして遊びやすくなっている
 ゲーム部分はもう思う存分に語ったので、ここからはその周りの部分について。
 前作『マリオギャラクシー』に比べて、今作はとにかく「分かりやすく」を心がけているように思いました。

ワールドマップ
<写真はWiiソフト『スーパーマリオギャラクシー2』より引用>

 まずは「ステージ選択」の画面。
 前作『マリオギャラクシー』は、「テラス」「バスルーム」「キッチン」といった部屋に入って、それぞれの部屋で「スターが幾つあるとこのステージに飛べる」とステージを選んでいました。『マリオ64』の「スターが幾つあるとこの扉の中に入れる」を踏襲しているのでしょうが、正直分かりづらかったです。

 今作は『スーパーマリオ3』以降の“2Dマリオ”が採用しているようなワールドマップを取り入れ、ステージで一つでもスターを取ると次のステージに進めるようになりました。それで、ポイントポイントに「ここから先はスターを幾つ集めてから来てね」という箇所が用意されているという。



 ステージごとに用意されているスターも、「通常面」「応用面」「いたずら彗星面」と大体2~3個となっていて(※2)、いたずら彗星は「通常面」に隠されているいたずら彗星メダルを獲ると現れる&一度現れた「いたずら彗星面」はいつでも挑戦出来る―――と、非常に分かりやすくなりました。前作のいたずら彗星の仕組みはエンディングまでプレイしたのに、よく分かりませんでしたからね……

(※2:“真の最終面”を目指すと変わりますが……)

 ただ、個人的には「いたずら彗星」は大嫌いです。
 恐らく『マリオ64』のように「一つのステージに色んな遊び方を詰め込みたい」というコンセプトで生まれたのだと思いますし、そういう「いたずら彗星面」がなかったワケではないのですが……今回の「いたずら彗星面」は、「ライフ1でボス戦を戦う」とか「同じステージを時間制限ありでプレイする」とか「同じステージを影が追いかけてくる状態でプレイする」とか、単に「通常面」の難易度を上げただけの面が多くて非常に残念でした。

 このことについてTwitterで愚痴っていたら「難しいとすぐ文句を言うんですね」と言われたんですけど、そういうことではなくて……単なる高難度の「いたずら彗星面」が全てのステージに用意されていると分かっていると、苦労して「通常面」のボスを倒したとしても「この後またライフ1でコイツと戦わなきゃいけないんだろうな」と分かってしまっているので全然達成感がないんです。
 「いたずら彗星」のせいで、本編であるはずの「通常面」が前座というか前哨戦というか、イージーモードになってしまったと思うんです。低難度ステージと高難度ステージを両方プレイさせて「ボリュームたくさんでしょ?」と言われても、極上のスープを水で2倍に薄めて飲んでいるような感覚で、それぞれの面の達成感を損なっているだけだと思うんですけどねぇ。



 それと、この記事に書いたように……どうも前作から「中間ポイント」を減らして、コンティニューの際のやり直しが長くなったように体感では感じました。1UPキノコの数も減ったことで、アクションゲームが苦手でも1UPキノコを取って何度もコンティニューすればゴリ押しで突破できた前作と違って、確実に上手くならないと突破できなくなったように思えました。

 「マリオ」シリーズは、「プレイヤーに上手くなる快感を味わって欲しいゲーム」だからだとも言えるので、そういう選択をしたのは分からなくはないです。コンティニュー連発で上手くならなくてもクリア出来た前作は正しくなかったと、スタッフは思ったのでしょう。



どう見てもロゼッタ
<写真はWiiソフト『スーパーマリオギャラクシー2』より引用>

 じゃあ、どうして「クリア出来ない人はスキップできる機能」とか入れるのよ?


 「アクションゲームが苦手な人でも楽しめるよ!」と宣伝する
→ 前作はコンティニュー連発&1UPキノコ大放出で、ゴリ押しで進められた
→ それでは「上手くなる快感」が味わえない
→ 今作はコンティニューポイント減らして、1UPキノコの数も絞った
→ アクションゲームが苦手な人がゴリ押し出来なくなった
→ そういう人に向けて、上手くならなくても先に進めるスキップ機能を入れた


 本末転倒じゃないですかね……
 アクションゲームが苦手な人の立場で考えてみて、「コンティニュー連発してゴリ押しでクリアできる」のと「クリアしなくてもステージをスキップできる」のと、どっちが遊んでいて達成感があると考えるのなら断然前者だと思うのですが。マリオシリーズは後者を選んで「この方が容赦なく難易度上げて上級者も楽しめる」としているのだから、正直私はこのゲームを「アクションゲームが苦手な人でも楽しめるよ!」とは言いたくないです。

 本当に「アクションゲームが苦手な人でも楽しめるゲーム」を目指すのなら、前作のようにコンティニューポイントを増やすとか、1UPキノコを大量に出すとか、むしろ残機を無限にするとか―――色々と手はある思います。実際そういうアクションゲームは世の中にたくさんあります。
 でも、「スキップ機能」という一番(作るのが)楽な方法を入れて「これでアクションゲームが苦手な人でも先に進めますよ」と言い張っちゃうとか、私はこういう考え方が全くもって好きになれません。



 それと、「マリオを使って様々なアトラクションを遊ぶゲーム集」で様々な遊びが詰め込まれているこのゲームなのですが、「マリオのテンプレ」を踏襲してしまっていることで歪さを感じることは少なくありませんでした。例えば、このゲーム……ポーズしても「このステージの最初からリトライ」が出来ないんですよ。レースゲームのタイムアタックのように何回も何回も繰り返し挑戦するステージだってあるのに、「あ……もう今回は無理だ」「最初からやり直したい」って思ってもワールドマップに戻るか、自殺するかのどちらかでしかやり直しが出来ないのです。

 また、私なんかは苦手なステージは100回単位でやり直したのですが、マリオはもちろん「残機が0になるとゲームオーバー」になるので、その度に星船に戻らされる→ワールドマップをテクテク歩いてステージまで戻る→読み込み→読み込み→ゲームスタートと、やり直すのに時間がかかるのが地味に苦痛でした。
 マリオシリーズに「残機を無限にしろよ」って言っても、それやっちゃうと1UPキノコの価値がなくなっちゃうのでそうは出来ないのかも知れないのですが、それだったら「マリオにこだわる理由はないのでは……」と思ってしまいます。

 各国の料理を取り揃えた豪華フルコースなのに、食器が箸ししかないから、箸でステーキ切って食べているみたいなカンジでした。食べられなくはないけどさぁ……もっと良い方法あるでしょうと。


◇ 総括
 「すごいゲーム」なのは分かります。
 作った自分達で「満漢全席」と言っちゃうのも分かるくらい、“3Dマリオ”の色んな遊びを詰め込んだ超豪華なゲームだったと思います。こんなゲームはそうそう作れるものではないと思います。

 ただ、「好きか嫌いか」で言うと、私はあまり好きになれませんでした。
 遊びづらいカメラアングルで難易度を上げるところ、同じコースを何度もプレイさせてボリュームを増やすことで薄味になってしまったところ、上手くならなければクリア出来ないというバランスにしながら「スキップ機能」で初心者救済と言い張っているところ、「色んな遊び」を詰め込みながらそれに合わせた「リトライ機能」などを組み込めていないところ……

 元々、私は「好きなゲームの続編は楽しめない」ので仕方ないのかも知れませんが。
 以前コメント欄で「好きなゲームの続編は楽しめないと仰るのなら『マリオギャラクシー2』をプレイしてから言ってください」と言われたんですけど、申し訳ないですが今回のケースも楽しめませんでした。



 この『スーパーマリオギャラクシー2』は、前作の『スーパーマリオギャラクシー』同様に世界中で大ヒットして高い評価を受けているゲームです。こんなに辛口に評価しているユーザーは世界中で私くらいかも知れませんが……


 でも、作ったスタッフも「このままではダメだ」と思ったから、次に『マリオ3Dランド』を作っているワケで……売上も評価も高いものを残した『スーパーマリオギャラクシー』『スーパーマリオギャラクシー2』に対して、誰よりも厳しい目を向けていたのは任天堂自身だと思うのです。

 もし仮に今年のE3で『スーパーマリオギャラクシー3』が発表されたとしても、『マリオ3Dランド』と『マリオ3Dワールド』を経過してきたスタッフによる『スーパーマリオギャラクシー3』になるでしょうから、より幅広い層を楽しませる作品になると期待しています。

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≫ EDIT

何でも燃やして壊せる気持ち良さ!『Little Inferno』紹介(8点)

【三つのオススメポイント】
・戦略性もなく、ただただ燃やして壊す快感だけが楽しめる
・セットで壊すと更に気持ち良いコンボ集め
・シニカルなテキスト、凝っているギミック


『Little Inferno(リトル インフェルノ)』
 Wii U用/パズル(←?)
 任天堂/開発:Tomorrow Corporation
 2015年4月2日発売
 900円(税別)※Wii U eShop専売
 セーブデータ数:3
 公式サイト

Little Inferno リトル インフェルノ [オンラインコード]Little Inferno リトル インフェルノ [オンラインコード]

任天堂 2015-04-02
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◇ 戦略性もなく、ただただ燃やして壊す快感だけが楽しめる
 この4月に任天堂がWii Uダウンロード専用ソフトとして発売した本作。
 元々はWiiウェア等で展開されて好評を博した『グーの惑星』の作者が開発したソフトで、海外ではWii U初期のダウンロードソフトとして展開されただけでなく、スマホ&タブレット用だったりPC用だったりと幅広い展開がされています(海外の公式サイト)。

 日本語版は恐らく今回のWii U版が初で、任天堂がローカライズすることによって元々は約100種類だったコンボを約300種類に増やしてあるとのことです。これは後述しますが、わざわざニンテンドーダイレクトでこれを強調していたのは「同じ日本語版はWii U以外の機種では出ないよ」ってことなのかなと思います。実際に時期が経てばどうなるかは分かりませんが。


WiiU_screenshot_GamePad_01763.jpg
<画像はWii U DLソフト『Little Inferno』より引用>

 ゲームとしては、テレビ画面もしくはWii Uゲームパッドの画面を暖炉に見立てて、Wiiリモコンもしくはタッチペンでアイテムを暖炉に投げ込み→火をつけて→燃やす→出てきたお金を回収する→そのお金で新たなアイテムを購入する→そのアイテムを暖炉に投げ込む、という繰り返しになります。
 文章にすると、「何という作業感」って気になりますね(笑)。


 このゲームが開き直っているところは、プレイヤーに“リスク”とか“戦略性”のようなことを考えさせることなく純粋に暖炉でアイテムを燃やすことを楽しませようとしているところです。

 お金は「カタログでアイテムを注文した時にかかる金額」よりも「そのアイテムを燃やした後に手に入るお金」の方が大きいので、燃やせば燃やすほどお金が増えていきますし……待っていれば虫が暖炉に迷い込んでくるので、その虫を燃やして資金を稼ぐことも出来ます。

 また、バーベキューなどで実際に火を付けたことのある人なら知っていると思いますが、リアルな火は「マッチ→新聞紙のような燃えやすいもの→小枝などの小さなもの→薪の破片→薪」といったカンジに段階を踏んで大きくしていく必要がありますが……このゲームの場合は、マッチからどんなものにでも一発で火が付いてあっという間に燃え広がります。テレビだろうが、目覚まし時計だろうが、一瞬で燃やすマッチ。怖い。


 なので、「効率良くお金を稼げるように燃やさないと」と考えたり、「燃やす順番」を気にしたりする必要はないのです。ただ、闇雲にアイテムを買う!燃やす!お金が出てくる!キモチイイ!というゲームなのです。戦略性は薄いですが、そのおかげで「頭空っぽでもヒャッハー!」と気持ち良さだけを味わえるので自分はこの仕様はとても正しいと思います。


 また、アイテムを燃やして壊した後に出てくるお金は自分で回収しなければなりません。大きなアイテムがあっという間に燃えて朽ちていく爽快感と虚無感の後に、タッチペン(もしくはWiiリモコン)で1つ1つお金を回収して所持金がガンガン増えていくキモチヨサは格別で――――この感覚は、荷物を詰める際に使う梱包材をプチプチ潰しているような爽快感だなと思いました。

 すごく手の込んだ『∞プチプチ』というか。

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<画像はWii U DLソフト『Little Inferno』より引用>



◇ セットで壊すと更に気持ち良いコンボ集め
 「え?ただ単にアイテムを燃やすだけのゲームじゃ、すぐに飽きちゃわない?」という疑問を持った人もいるかと思います。「お金のやりくり」だったり「燃やす順番」だったりを気にする必要はありませんが、このゲームで唯一気にしなければならないのは「何と何を一緒に燃やすか」というコンボです。


 一例を挙げるとネタバレになってしまいますが、序盤のものなのでどうか御勘弁を。


WiiU_screenshot_GamePad_01763_20150410212109f57.jpg
<画像はWii U DLソフト『Little Inferno』より引用>

 これは「目覚まし時計」と「他人のクレジットカード」を一緒に燃やした時に起こる「時は金なり」というコンボです。


WiiU_screenshot_GamePad_01763_20150410212152186.jpg
<画像はWii U DLソフト『Little Inferno』より引用>

 コンボはこのようにリストという形で提示されるので、このコンボ名から「カタログに入っているアレとアレを一緒に燃やすとこのコンボじゃないのか……?」と推測して実際に燃やしてみるのがこのゲームの分かりやすい目的になります。正解のコンボを達成すると、どこから聴こえるのか歓声と先ほどの表示と「お急ぎ便のチケット」がもらえます。


 ゲームの進行としては、「このコンボを幾つか達成する」+「所持しているカタログの全商品を1回は注文する」+「郵便で届く頼まれごとをちゃんとこなす」と次のカタログが買えるようになって、新しいカタログを手に入れるたびにストーリーが進むというカンジです。

 最初の内は持っているカタログが少ないので、アイテムの数も限られていて推測も簡単なのですが、後半に行くとカタログの数も増えるのでアイテムの組み合わせも無限大に増えていきます―――しかし、私が2周プレイして確認したところ「理不尽なコンボ」はなく「ちゃんと推理すれば分かるコンボ」ばかりで、ここを考えるのはとても楽しかったです。
 任天堂公式のジャンルだとこのゲームは「パズル」になっていて、「パズル……はて……?」というのが正直なところなんですが、ここを推理させるのが主なゲーム性だと考えると「パズルゲーム」という分類も間違ってはいないのかなぁ。個人的には「パズルゲーム」よりももっと幅広い人に魅力を感じてもらえる「ただキモチイイだけのゲーム」だと思うんですけど。



 ただ、このコンボの仕組みについて納得がいかないところが一つあります。
 ニンテンドーダイレクトの説明でも、紹介映像でも、このコンボが「300種類くらいある」という説明がされています。しかし、1周のプレイで出てくるのは99種類+1だけなんです。公式サイトによると「300種類以上の中から99種類が選ばれる」とのことです。

 単純に計算しても、全部のコンボを体験するには最低でも「4周」はプレイする必要があります。選ばれるのは恐らくランダムですから、実際にはもっと必要かも知れません。しかし、セーブデータは「3つまで」しか作れません。「コンボは300種類くらいある」と言われても、実際にユーザーはそこまで体験できないんです。

 この仕様は「何周も遊ばせたかったから」なのか、「人によってプレイ内容が違うことを楽しんで欲しかったから」なのか、「元々のプログラム上100種類までのコンボしか認識できないから、ローカライズで300種類に増やしてもその内の99種類を選ぶしかなかったから」なのかは分かりませんが――――任天堂がローカライズした版の魅力として大々的に挙げられた「300種類以上のコンボ」が、実際には「その内の99種類が選ばれるだけです」というのは拍子抜けでした。


 こういうコンボって「意図しなかったコンボを達成して高得点が起こった!」みたいのが楽しいんであって、プレイごとに選ばれるコンボが変わりますよって言われてもそれでゲームが面白くはならないと思うんですけどね。
 なので、別に「任天堂がローカライズした版」だからこその魅力は薄いと思いますし、英語が読める人だったら他機種で英語版をプレイしても全然問題はないかなと思います。



◇ シニカルなテキスト、凝っているギミック
 とは言え、英語が読めない人にとっては、日本語で書かれている「毒っけたっぷりのテキスト」は魅力的かなとも思います。これは任天堂のローカライズの力というより、元々の海外版の持っている魅力だと思いますが。

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 やみつきサプリメント「国際的に使用が禁止された薬ですが、本当は安全です!」


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 弁護士のブリーフケース「正義の味方 弁護士を装う時に効果絶大。」

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<画像は全てWii U DLソフト『Little Inferno』より引用>

 火の車の地球「本当はそんなことはありません。すべてあなたの空想です。」



 また、アイテム一つ一つの「燃やされた時のギミック」がすごく凝っているのもこのゲームの魅力の一つです。紹介映像で出てきたので言えば、「とうもろこし」を燃やすと「ポップコーンになる」とか、「他人のクレジットカード」を燃やすと「お金が湧き出て燃える」とか。
 そのギミックのブラックさも面白ければ、コンボ目当てに複数のアイテムを一緒に燃やしていると、そこに相乗効果が生まれてトンでもないカオスなことになります。ただ単に「アイテムがある、燃える、なくなる」だけじゃなくて、様々なことが起こるからこそ面白いのです。



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<画像は全てWii U DLソフト『Little Inferno』より引用>

 ん……?
 ドット絵の木……?


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<画像は全てWii U DLソフト『Little Inferno』より引用>

 『ダックハント』じゃないか!!



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<画像は全てWii U DLソフト『Little Inferno』より引用>

 横に一列揃うと……



◇ 総括
 コンボの仕様に関しては手放しには誉められないし、1周のプレイ時間は短めでそんなに何周も遊んで楽しいものではないと思うんですが―――プレイヤーにどういう体験を味わって欲しいのかを考えて、その邪魔になるような成分は省き、魅力を増すような成分だけを加えた割り切った仕様は最高でした。


 個人差はあると思いますが、1周のコンボのコンプリートまで5~6時間くらいですかね(←ネタバレ防止のため、反転してください)。セールが終わった現在の価格だと高く感じる人もいるかなぁとは思います。
 海外版各機種の価格を見ると、Steamでは980円とのことですが、iOSのHD版が600円iOSの通常版が360円Androidの通常版が359円とのことで……日本語ローカライズしてくれているとは言え、Wii U版の現在の972円は割高に思えてしまうかも。

| ゲーム紹介 | 17:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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