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『グノーシア』紹介/間違いなく俺は、この14人と一緒に宇宙を冒険したんだ

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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
1プレイは10~15分。何百回と、CPU相手に遊べる1人用人狼ゲーム
ループするごとに強くなる「ループ作品の主人公」を体験できる
このゲームの主人公は「自分」だし、キャラクターは「NPC」なんかじゃなかった


『グノーシア』
・メーカー:プチデポット(Vita版のみ販売はメビウス)
公式サイト
 プレイステーションVita版:2019年6月20日発売
 Nintendo Switch版:2020年4月30日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
・SF人狼ゲーム
・セーブ方法:オートセーブ


※ PVはNintendo Switch版のものです
 私のクリア時間は28時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:△(一部のエンドを除いて終始明るいノリ)
・恥をかく&嘲笑シーン:△(土下座シーン、ちょっと恥ずかしいの私だけ?)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×(性別を持たない汎という概念は面白かった)
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×(グノーシアは人間を「消滅」させてるだけなんで)
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ 1プレイは10~15分。何百回と、CPU相手に遊べる1人用人狼ゲーム

 このゲームは『メゾン・ド・魔王』を作ったことで有名なプチデポットが、約4年をかけて開発したインディーゲームです。
 元々はプレイステーションモバイル用にプロトタイプを作っていたところ、プレイステーションモバイルのサービスが終了、Vita用ソフトとして開発を始めるも完成した頃にはVitaは出荷終了しているくらいの末期になっていました。しかし、そんな時期にも関わらず(そんな時期だからこそ?)「終わりかけているVitaにこんな面白いゲームがあるぞー!」と口コミが広がってヒットしました。

 私がプレイしたのは、そのVita版にバランス調整などを施して移植をしたNintendo Switch版です。Vita版の実績と評判があったため、ニンテンドーダイレクトで紹介されるなど注目度も高く、自分も含めて「Nintendo Switch版で初めて遊びました」って人が結構いました。
 よく「○○の機種で出たら買うとか言っているヤツは、実際に○○の機種で出ても買わない」と言われますが、少なくとも『グノーシア』はNintendo Switch版で出たから買って遊んだという人がたくさんいましたよ!


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>


 さて、そんな経緯なので私はプレイする前から「人狼をモチーフにしたアドベンチャーゲーム」「ムチャクチャ評判が良かった」ことくらいは知っていました。逆に言うとそれくらいの知識しかなかったので、ケムコのアドベンチャーゲームとか、『シークレットゲーム』みたいな、ストーリーをひたすら読んでいって、たまに選択肢がある―――というノベルゲームだと勘違いしていました。

 全然違いました。

 このゲーム、「人狼をモチーフにしたアドベンチャーゲーム」というよりかは「人狼をCPU相手に延々と遊ぶゲーム」だったんです。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 「人狼とか全く知らない」という人もいらっしゃると思うので、ゲームの大まかな流れを説明していきます。まずは「会議パート」です。『人狼』では「昼フェイズ」と呼ばれるパートですね。

 メンバーの中に紛れている「グノーシア」が誰かを話し合って推理していくパートです。プレイヤーが出来ることは大まかに分けて2つ、「Xボタンを押して自分から発言する」「Aボタンを押して他の人の発言を聞く」かです。
 自分から発言すると「アイツは怪しい!」と名指しで攻撃できるのですが、喋りすぎると目立ってしまって「アイツ喋りすぎで怪しい」と逆に怪しまれてしまいます。「他の人の発言を聞く」と、誰が誰を怪しんでいるかなんかが分かる一方、望まない展開になって「その人じゃなかったのにー」と場に流されてしまうことにもなりかねません。なので、両方をバランス良く使っていく必要がありますね。

 時間制限などはないので、データなんかを見ながらじっくり考えましょう。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 自分およびCPUの発言が合計5回終わったら、「会議パート」のラスト:投票開始です。
 「コールドスリープさせたい相手」を1人1票ずつ入れていって、多数決で1位になった人を強制的にコールドスリープにさせます。乗員の勝利条件は「全てのグノーシアをコールドスリープさせること」なので、ここでグノーシアを全滅できれば「終了」です。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 グノーシアをコールドスリープさせられなかった or グノーシアがまだ残っている場合、ゲームは続行し、「移動パート」に入ります。『人狼』における「夜フェイズ」だと思うのですが、やれることは結構あります。どちらかというと育成シミュレーションとか恋愛シミュレーションっぽいパートだと思います。

 まずは「経験値が溜まっていた場合は自室でレベルアップ」が出来ます。
 詳しくは次の項で説明しますが、このゲームは「主人公の成長」がムチャクチャ重要なので、忘れずにレベルアップさせてステータスをアップさせておきましょう。

 続いて、「宇宙船内にいる誰か一人にだけ会いに行ける」のですが―――――あ、説明し忘れていました。このゲームはSFです。人類が宇宙を飛び回っている時代に、この宇宙船という密閉空間に「グノーシア」に汚染されているヤツがいるぞ! やべえ! って話です。グノーシアに汚染された人を野放しにしないため、グノーシアを全員見つけ出さない限り、この宇宙船はどこにも行けないんですね。

 話を戻しましょう。
 この「移動パート」で誰かに会いに行けば、その人とちょっとだけ仲良くなって「会議パート」で協力してくれるなんてこともありますし。あちらから「同盟を結ぼう」と提案されることもあります。また、ストーリーを進めるための特殊イベントが起こるのもこの「移動パート」が多いです。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 「移動パート」が終わると、グノーシアに狙われた一人が消滅します。
 グノーシアが何人残っていたとしても、グノーシアに消滅させられるのは一人ずつです。グノーシア側は「グノーシアの数が生き残っているメンバーの半数以上に到達する」と勝利なので、グノーシアの仲間をコールドスリープさせないように立ち回りながら、乗員を一人ずつ排除していくプレイになりますね。

 そして、残ったメンバーでまた「会議パート」、コールドスリープさせる人を話し合って投票します。この繰り返し、ちょっとまとめてみましょうか。

・会議パート:自分+CPUが5回まで発言できる
→ 投票:誰か一人を「コールドスリープ」させる
→ 移動パート:誰か一人に会いに行ける
→ グノーシアの襲撃:誰か一人が「消滅」させられる

→ 会議パート:自分+CPUが5回まで発言できる
→ 投票:誰か一人を「コールドスリープ」させる
→ 移動パート:誰か一人に会いに行ける
→ グノーシアの襲撃:誰か一人が「消滅」させられる

→ これを「グノーシア全員をコールドスリープさせる」か、「グノーシアの数が生き残っているメンバーの半数以上に到達する」まで続ける


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 そして、プレイヤーが勝っても負けても、ループしてまた「1日目」の「会議パート」からやり直しになります。「誰がグノーシアか」どころか、「参加しているキャラの数」、「誰がどの役職か」などもすべてリセットされるので、前回のプレイで分かったことは次のプレイでは役に立ちません。この辺はちょっとローグライクっぽい。
 ゲームが進むと、「参加人数」「グノーシアの数」「どの役職がいるのか」「自分がどの役職なのか」を自分で設定できるようになります(「おまかせ」にもできます)。これで延々とループを繰り返しながら、CPU相手に「会議」を重ねていくゲームなんですね。

 1ループにかかる時間は長くても15分くらい、人数を減らせば10分もかからないと思います。「ワンプレイの短さ」と「毎回ちがうことの起こるリプレイ性の高さ」ゆえに、勝っても負けても「もう一度!」と遊びたくなるのは、『Splatoon』みたいな対戦ゲームのような中毒性があります。

 ジャンル的には「アドベンチャーゲーム」なのに、ゲームマインド的には「対戦ゲーム」なんですね。



 こんなカンジ。
 『人狼』を知っている人なら「まんま人狼じゃん!」と思ったかも知れません。設定をSFにして、役職名を独自のものにしていますが、中身は『人狼』そのまんまです。説明の際には分かりやすく「乗員」と「グノーシア」以外の役職名は書きませんでしたが、ゲームを進めていくと「1度に参加するキャラ数」「潜んでいるグノーシアの数」も増えて、役職もどんどん増えていきます。

 こちらも簡単にですがまとめておきますが、『人狼』を知らない人には「こんなに一度に覚えられない!」と思われるでしょう。ゲーム内ではちょっとずつ解禁されていくので、実際にゲームで遊べば覚えやすくなっていると思われます。


<乗員サイド>
※ 「グノーシア全員をコールドスリープさせる」と勝利
・乗員 (『人狼』でいう“村人、人間”)
 特に能力を持たない一般人

・エンジニア (『人狼』でいう“占い師、預言者”)
 移動パートの最後に、「その人がグノーシアかどうか」を1人だけ調べられる

・ドクター (『人狼』でいう“霊能者、霊媒師”)
 移動パートの最後に、「コールドスリープさせた人がグノーシアかどうか」を調べられる

・守護天使 (『人狼』でいう“狩人、騎士、用心棒”)
 移動パートの最後に指定した1人を、グノーシアの襲撃から守ることができる

・留守番 (『人狼』でいう“共有者、双子”)
 2人1組のセットで、それぞれがお互いを「乗員」だと認識・証明できる

<グノーシアサイド>
※ 「グノーシアの数が生き残っているメンバーの半数以上に到達する」と勝利
・グノーシア (『人狼』でいう“人狼”)
 移動パートの最後に、指定した1人を消滅させることができる

・AC主義者 (『人狼』でいう“狂人、裏切り者”)
 能力的には「乗員」だけど、グノーシアの味方で好き放題ウソをつくことができる。ただし、AC主義者は誰がグノーシアかを知らないし、グノーシアも誰がAC主義者かを知らない(なので、グノーシアから襲撃を受けて消滅することもある)

<第3陣営>
※ 「乗員サイド」及び「グノーシアサイド」が勝利条件を満たすまで生き残れば勝利
・バグ (『人狼』でいう“妖狐、狐”)
 「乗員」にとっても「グノーシア」にとっても敵。グノーシアが襲撃しても消滅しないけど、エンジニアに調べられると消滅する



 『グノーシア』に出てくる役職はこんなところ。全て『人狼』の方にもある役職ですね。

 ゲーム内のルールとして「乗員サイド」はウソをつくことが出来ず、ウソをつくことが出来るのは「グノーシア」「AC主義者」「バグ」の3役職だけです。
 例えば、「私、エンジニアです」と名乗り出た人が2人いた場合、本物のエンジニアは1人しかいないので、残りの1人は「グノーシア」「AC主義者」「バグ」のどれかってことですね。逆に言うと、「グノーシア」「AC主義者」「バグ」をあぶりだすために、エンジニアやドクターに名乗り出てもらうという手があります。



 「さっきから『人狼』『人狼』って何度も言っているけど、そもそも『人狼』って何?」という人のために、『人狼』もちょっと説明しておきましょう。
 元々はヨーロッパの伝統的なゲームに、家族や親戚などが集まった際に遊ぶ集団推理ゲームがあり(『ウインク殺人事件』『ウインクキラー』もこの一つと言われる)。それを1986年にソ連のドミトリー・ダヴィドフ氏が「市民とマフィアの抗争」という形にまとめ、『Mafia』というカードゲームが生まれます。



 この『Mafia』というゲームは世界中に広がって様々なローカルルールを生んだ後、1990年代後半になるとインターネットが普及したことでそれらのローカルルールがまとめられて、様々なバリエーションが生まれ、その中に「人間と人狼の戦い」に置き換えられたものがあったそうです。
 2000年代に入ると、そうした「人間と人狼の戦い」に置き換わったカードゲームが世界中から発売されるようになります。2001年のアメリカからは『汝は人狼なりや?』、フランスからは『ミラーズホロウの人狼』、イタリアからは『タブラの狼』―――日本における『人狼』人気はこれらのカードゲームを、コアなアナログゲーマーが輸入して遊んでいたのが始まりみたいです。

 

 これをインターネット上でも遊びたいと、2000年代中盤くらいには「チャットで遊ぶ人狼」が普及して、2010年代に入るとスマホ用アプリを使ったものも多く登場し、テレビ番組やニコニコ、YouTubeでも対戦される様子を放送するものも出てきて認知を広げていきました。


 この『グノーシア』というゲームを一言で言ってしまえば、「カードゲームやチャットなど“対人”でしか遊べなかった人狼を、“対CPU”で遊べるようにしたゲーム」なのですが―――じゃあ、このスタッフはさぞかし『人狼』が大好きなんだろうなと思いきや全然そうじゃないらしいんですね。
 色んなところのインタビューで語られていることなのですが、実際に『人狼』に参加してみたら初日にあっという間に吊るされてしまい(『グノーシア』における「コールドスリープ」)初心者なのに全然楽しめなかったそうです。それ故に「必要な人数を集めるのが大変なので気軽に遊べない」「最初から知っておかないとならない戦略が多くて初心者にはハードルが高い」「ワンプレイが長い」「早々に脱落した人にはやることがなくなる」などの問題点が分かり、それらを解消した1人用専用『人狼』ゲームとして『グノーシア』が生まれたのだと思われます。

 なるほど、『グノーシア』序盤のチュートリアルが「人数も役職も少ない状態で始まる」「プレイヤーは決して狙われない」のはそのためかと思いました。


 思えば、元々コンピューターゲームにはそういう側面もあったと思うんですね。
 例えばファミコンの『麻雀』とか、SIMPLEシリーズの『THE 麻雀』みたいなゲームは、「対戦相手も麻雀牌も必要なく、ジャラジャラという騒音も気にしないで一人で遊べる」からこそのヒットだったと思うんです。野球とかテニスとかのゲームもそうです。人数を集めて場所を借りてみたいな手間を必要とせず、「現実にあるゲーム、スポーツを手軽に1人で楽しめる」のがコンピューターゲームの魅力の一つだったと思うのです。

 しかし、1990年代後半から2000年代辺りにインターネットが普及して、それまでCPUと対戦していたそれらのゲームも「オンラインで世界中のプレイヤーと対戦しよう!」みたいな流れになってきます。麻雀だって、野球だって、テニスだって、なんならマンカラとかナインメンズモリスとかヒット&ブローとかチャイニーズチェッカーとかだってオンライン対戦できてしまう時代です。

 そんな時代に、「オンライン対戦から普及していった」と言っても過言ではない『人狼』ゲームを、逆に1人用ゲームに落とし込むというのは面白い試みだと思うんですね。『人狼』というものには興味があるけど、遊ぶためのハードルが爆上がりしているこの時代だからこそ、このゲームはヒットしたのかなぁと思うのです。

↓2↓

◇ ループするごとに強くなる「ループ作品の主人公」を体験できる
 先の項目で「このゲームはCPU相手に『人狼』を延々と遊ぶゲームだ」と書きました。短期的にはその説明がすべてなのですが、長期的な目標として「一緒に『人狼』をプレイする14人のCPUのイベントを発生させる」というものがあります。

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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 「このゲームを始めたばかりのプレイヤー=記憶を失っている主人公」は、一緒に宇宙船に乗っていて、一緒にグノーシア探しをしている14人の人となりを知りません。グノーシア探しの合間にイベントを起こすことによって、14人の生い立ちやら境遇、趣味などを知っていくことがこのゲームの長期的な目標です。

 宇宙がループするごとにみんなの記憶はリセットされて、みんなの役職も変わるのですが……このゲームの主人公であるアナタ(とセツ)だけはループしても記憶を継続できるため、みんなの素性を忘れずにいられるのです。『シュタインズ・ゲート』における「リーディングシュタイナー」のように。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 ある程度ゲームを進めると、「イベントが起こりやすい設定」に合わせてくれる「イベントサーチ」機能が使えるようになります。イベントには「乗員側でしか起こらないイベント」「グノーシア側でしか起こらないイベント」なんかがあって、様々な役職でプレイしないとすべてのイベントは見られないんですね。
 また、イベントには発生させるだけではなく特定の条件をクリアしなければならないものもあります。例えば「自分だけがグノーシアだと知っている○○をコールドスリープに追い込む」とか、「××と一緒に勝利条件を満たすまで生き残る」とか、「△△と□□を3日目まで行き残らせる」といった、特殊な条件でのプレイが求められるんですね。百回以上ループするゲームですから、これが結構なアクセントになってくれるという。



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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 また、このゲームには「育成シミュレーション」っぽい側面もあって、「勝利」しようが「敗北」しようがループするごとに経験値が溜まっていって自分を成長させられるシステムがあります(恐らく難しい条件で「勝利」した方が獲得経験値は高くなる)。
 成長させられるパラメータは「カリスマ」「直感」「ロジック」「かわいげ」「演技力」「ステルス」の6項目で、初期設定から自由に割り振りできます。平均的に成長させるか、一点突破で行くか、性格が分かれるところですね。


 んで、私……このゲームを始めたばかりの頃、「この要素いるかなー?」と思っていたんですよ。どうもこういう「自由に成長させられるシステム」だと私、自分のプレイスタイルには役立たないパラメータばかり上げて、必要なパラメータを上げずに詰むことをどのゲームでもよくやっちゃうんですね。
 この先の展開を知らないのに、何が必要かなんて分からなくないですか?

 なので、私は『グノーシア』でも序盤ほとんど勝てませんでした。自分が狙われることのないチュートリアルを除くと、勝率1割もいかないくらいで。ずっと「コイツとコイツとコイツがグノーシアだってのは分かっているのに、どうしてみんな投票してくれないんだ!」という事態に陥っていたんですね。今思うと、多分「直感」「ステルス」に振りすぎて、「カリスマ」「ロジック」が足りてなかったのでしょうけど。


 だから、このゲームを始めて数日の頃は、「みんなが絶賛しているゲームなのに、ちっとも勝てなくてつらい」と『Splatoon』みたいなことを考えていました。「俺は全てのゲームに才能がないダメダメクズ野郎なんだ、ゲームレビューなんて書く資格はないからさっさとブログなんかやめて死ねばイイんだ」と考えていました。

 でも、このゲームはそれが正しいんです。
 「何度も何度も何度も何度もループしてやりなおすループ作品の主人公」のロールプレイとしては、それが正しいんです。岡部倫太郎だって、ナツキ・スバルだって、自分の無力さに打ちひしがれたことは一度や二度じゃありませんでした。でも、敗北からのループで得たものを次のループで活かそうとするから人は成長するのです。

 『Splatoon』は500時間プレイしても上手くなりませんでしたけど、『グノーシア』は成長してくれるのです。私が、ではなく、ゲーム内の主人公が! マジでこのゲームが「負けても経験値が入るゲーム」で良かった……


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 もう一つ、先の「14人のCPUとイベントを起こすことが長期的な目標」の話と絡むのですが、このゲームには「起こすことで特殊コマンドを覚えられるイベント」があります。もちろん覚えた特殊コマンドは次のループでも使用可能です。

 例えば、↑のスクショは沙明の得意技「土下座」―――
 これを見ると「沙明から土下座を教えてもらうイベント」が発生して、主人公も覚えることが出来ます。特殊コマンドは特定のパラメータが一定以上ないと使えないものも多いのですが、その分効果の高いものも多く、立ちまわり方がガラリと変わるほどです。

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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 「ループを繰り返す主人公」がそのループの中で「一緒に宇宙船に乗っている14人と交流を深めて特殊コマンドを教えてもらい」、次のループの時はみんなはそのことを忘れているのだけど「主人公だけはその特殊コマンドを教えてもらったことを忘れていないのでその特殊コマンドを使って戦える」ってめっちゃ熱いと思うんですよ!

 14人は必ずしも味方とは限りません。
 グノーシアが何人か混じっているし、同じ陣営だったとしても性格が合わないヤツもいます。


 でも、この「仲間から教わった特殊コマンドで戦っていく」と、繰り返すループの中でこの14人と一緒に宇宙を冒険したこと、この14人と一緒に戦ったことを思い出させられるのです。「ループ作品の主人公」のロールプレイとして、これ以上ない体験でした。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 ループを繰り返して強くなるのは主人公だけではありません。
 14人のCPUもイベントを起こすとパラメータが上がるらしく、パラメータがあがると強力な特殊コマンドもガンガン使ってくるようになります。

 「俺とセツ以外は記憶を引き継いでいないはずなのに、何故……」とは思いますが、CPUと戦う『人狼』ゲームとしてはこの方がむっちゃ白熱します。キャラクターごとの個性がはっきりと出るし、とうとうコイツの本気を引き出したぜ感も出てきますし。

↓3↓

◇ このゲームの主人公は「自分」だし、キャラクターは「NPC」なんかじゃなかった
 さっきの項で私は「序盤は勝率1割もいかないくらいだった」と書きました。このゲームは勝敗がログとして残るワケではないので、実際に1割だったかは分かりませんし、体感としてそれくらいだったかなと思っただけなのですが……中盤以降、目に見えて勝てるようになった理由には「ループを繰り返してパラメータが上がった」ことと、「強力な特殊コマンドを教えてもらって立ち回り方が変わった」こと。

 そして、もう一つ、ものすごく大事なことで……
 仲間(CPU)を信じるようになった―――のが大きかったです。


 このゲームをプレイしていない人には「何を言っているんだ、仲間キャラなんて所詮はプログラムされたNPCだぞ」と思われるかも知れませんし、私も最初はそう思っていました。
 だから、「俺がグノーシアを見つけなければ」「俺がみんなを導いて見つけたグノーシアに投票をさせなければ」というプレイをしていました。各キャラの発言を振り返って、コイツはこの時こう言っていたからもしコイツがグノーシアだった場合コイツにこう言うのはおかしくて……と全部一人で考えていました。その結果、誰がグノーシアかは分かっているのに、私がコールドスリープされたりグノーシアに襲撃されたりし続ける日々でした。

 しかし、ある時「うわー、ダメだ。全然分かんねえ……お手上げだー」という回があって、テキトーに投票したら、私以外の全員が投票したキャラが見事にグノーシアで、それであっさり「勝利」したんですね。私以外のキャラクター(CPU)も生き残るために必死で、ちゃんとグノーシアを見つけようと立ちまわるので、俺がグノーシアを見つけなくてもみんながグノーシアを見つけてくれるんだと気付けたんです。


 私の中で、14人のキャラクターが「プログラムされただけのNPC」ではなく「一緒に宇宙を冒険した仲間」に変わった瞬間でした。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 このゲームのキャラクターは、ループを繰り返しているとどんどん「こういうヤツ」というのが分かってくるんです。それは単に「イベントが起こって生い立ちを説明されたから」とかじゃなくて、グノーシア探しの立ち回り方を通じて、なんとなく人となりが分かってくるんですね。

 例えば、コメットは「ウソを見破るのが超得意、だけど自分がウソをつくのは超下手」だとか、しげみちは「一瞬で見破られるウソしかつかないが、こちらがグノーシアの時も気づかずに庇ってくれるお人よし」だとか、セツは「意外とポンコツだからコイツが疑っているヤツは白なことが多い」だとか―――それぞれのキャラによって動きのクセがちがっていて、ものすごく人間くさい立ち回りをするんです。


 というのも……このゲームのキャラクターは「こういうキャラクターを作りたい!」とか「こういうストーリーを描くためにはこういうキャラを配置しなくちゃ!」とかではなく、「CPUと人狼を遊ばせるんだからこういうパラメータのキャラとこういうパラメータのキャラとこういうパラメータのキャラが必要だ」と作られたらしいんです。『人狼』ゲームでのパラメータありきでキャラクターが生まれているという。

 そのパラメータも「カリスマ」「直感」「ロジック」「かわいげ」「演技力」「ステルス」の6項目で、あとキャラごとに使える特殊コマンドがちがうくらいなんですが―――それでこんなに各キャラの立ち回りに個性が出るのだから不思議です。
 『ダビスタ』『カルチョビット』の薗部さんは「パラメータを増やすとその数値だけで結果が予測できてしまう」「いろんなタイプのキャラを少ないパラメータで再現するアルゴリズムを作るのが大事」と仰っているのですが、それに近いものを感じました。『ダビスタ』の4つに比べれば『グノーシア』の6つは多いのかも知れないけど(笑)、たった6つのパラメータで様々な個性と、様々な展開をしていくように組み込まれているんだなと。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 そして、もう一つ。
 14人のキャラクターを「一緒に宇宙を冒険した仲間」と感じられたのと同じくらい私にとっては重要なことなんですが、このゲームの主人公って「主人公というキャラクター」ではなく「私」なんですよ。何をそんな当たり前なことをと思われたかもですが、私「ゲームを遊んでいて主人公を自分だと思ったこと」がほとんどないんです。そう思いたいんだけど、そう思えないことの方が圧倒的に多いんです。

 分かりやすい例から言うと、『逆転裁判』をプレイしていて「このナルホドくんという男は俺だ!」と思いながらプレイできる人はほとんどいないと思うんですね。『逆転裁判』は「俺を動かすゲーム」ではなく「ナルホドくんというキャラを動かすゲーム」ですから。
 では、主人公の姿が見えないノベルゲーム―――『弟切草』とか『かまいたちの夜』ではどうなのかというと、それも「主人公のキャラ」がいてそのキャラの行動を選ぶというイメージでした。だって、2人っきりでドライブしたりスキーに出かけたりするイイカンジの女友達なんて俺にはいないし……

 例えば『ROOMMATE~井上涼子~』を実況した時にも何度か言っていたのですが、「主人公=自分」と思えるはずのギャルゲーであっても、主人公のセリフや地の文が、自分の思考とあまりにも離れすぎてしまっていると「主人公=自分」とは思えませんし。
 一般的に「主人公=自分」と思えると言われている『ドラゴンクエスト』シリーズでも、「主人公=自分」と思えたことは一度もないです。だって、『ドラクエ』の主人公って「はい・いいえ」しか喋らないけど、実際の俺は無茶苦茶おしゃべりだし!


 もちろん「主人公=自分」と思えないゲームがダメなゲームだって話ではありません。ここに出した例えのゲームは全部名作だと思いますし、私にとっても全部好きなゲーム……『かまいたちの夜』は発売3日後に犯人をネタバレされたのであんまり好きなゲームじゃないですが(笑)、その他は全部好きなゲームです。

 でも、「主人=自分」と思えるゲームをいつか遊んでみたい、いつか体験してみたいと思っていたのです。そういう体験をしたことがなかったから。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 では、何故この『グノーシア』というゲームが特別に「主人公=自分」と思えるゲームだったのか―――主人公に自分の名前を付けられるとか、主人公の姿が見えないとか、そういうところだけでなく。私の中で大きかったのは、「Xボタンを押すと発言が出来る」というシステムで統一されているところでした。

 「会議パート」での操作は「Xボタンで自分が発言する」「Aボタンで他人の発言を聞く」ですが、イベントシーンなんかの選択肢も「まずXボタンを押して発言をする」→ 「選択肢を選ぶ」というワンクッションが必要になります。このおかげで、「出てきた選択肢を選んでいる」のではなく「自分から率先して発言している=自分の意志で発言している」ロールプレイになっているんですね。


 正確にはそうではないんですけど、「自分の好きな時に発言できるゲーム」と思えるように作ってあって―――『ROOMMATE~井上涼子~』をプレイしていて思った「俺だったらこんなこと言わないのに」とか、『ドラゴンクエスト』をプレイしていて思う「選択肢が出るまで発言することすら許されないか」を、極力感じさせないゲームになっているのに私は感動しました。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 自由なタイミングで発言できるからこそ、「喋りすぎ」「うるさい」「黙れ」と怒られるゲーム―――すごくない?



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 ゲームを「味わったことのない体験を与えてくれるもの」と考えている人には、どうかどうかプレイして欲しい作品です。少なくとも2020年の時点で、このゲームに似たものは存在していないと思いますので。

 CPUと対戦できる『人狼』ゲームとしても、育成シミュレーションとしても、キャラクターゲームとしても、SF作品としても、それぞれの要素が上手く組み合わさった傑作で。ローグライクゲームのようなリプレイ性だったり、『Splatoon』などの対戦ゲームのような「あと一戦だけ」という中毒性も持っているゲームです。

 ホント、不思議なゲームですよ……
 こういうゲームに出会えると、「ゲームが好きで良かった」と思える作品でした。


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『あつまれ どうぶつの森』紹介/これぞ2020年型のシリーズ最新作!

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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
“自分だけの島”を作ると、馴染みのキャラ達がこの島に集まってくる
一つ一つのルーチンワークに意味を持たせ、面倒にもさせた、マイルとDIY
インターネットが常にある時代の継続的なアップデートと、SNSと、ゲーム実況と


『あつまれ どうぶつの森』
・発売:任天堂
公式サイト
 Nintendo Switch用ソフト:2020年3月20日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
・コミュニケーション
・セーブ方法:一定時間ごとにオートセーブ(任意セーブ→ 即終了も可能)


 私のプレイ時間は130時間でした
 ※ 特にクリア―とかないゲームですが、島クリ手に入れて一つの島を完成させるくらいまでにかかった時間を載せておきます


【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:×
・恥をかく&嘲笑シーン:×
・寝取られ:×(しずえさんがたぬきちの横で働いているくらい)
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:○(虫のディティールはリアルになった……)
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ “自分だけの島”を作ると、馴染みのキャラ達がこの島に集まってくる
 『どうぶつの森』シリーズは2001年4月にNINTENDO64用ソフトとして、1作目が発売されて始まりました。「敵も出てこなければ、ストーリーが展開されるワケでもない」、「ただ村で生活するだけ」、「時計機能を使ってリアル季節と連動」、「1つの村に家族が住み、時間差でプレイする」、「それぞれの村は地形も果物も住人もちがう」と、それまでのゲームとはまったくちがう新しいゲームとして口コミでどんどん広がっていきました。

・2001年4月『どうぶつの森』(NINTENDO64)
・2001年12月『どうぶつの森+』(ゲームキューブ)
 ・2003年6月『どうぶつの森e+』(ゲームキューブ)
・2005年11月『おいでよ どうぶつの森』(ニンテンドーDS)
・2008年11月『街へいこうよ どうぶつの森』(Wii)
・2012年11月『とびだせ どうぶつの森』(ニンテンドー3DS)
 ・2016年11月『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』(ニンテンドー3DS)
・2020年3月『あつまれ どうぶつの森』(Nintendo Switch)


 とは言え、2001年4月というのはNINTENDO64末期です。
 2001年9月に当時の新型ゲーム機:ゲームキューブが発売されたため、任天堂は前作から8ヶ月後にあたる2001年12月に、続編というか前作の不満点を潰して完成形にした『どうぶつの森+』を発売しました。正確な数字は分かりませんが、最低でも国内60万本は売り上げたそうですね(ロングヒット商品なので集計に入っていないところで売れ続けていたみたいですが)。

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<画像はゲームキューブ用ソフト『どうぶつの森+』より引用>

 今の『どうぶつの森』シリーズの売上から考えると60万本は少ないように思えるかも知れませんが、ゲームキューブは普及台数がさほどでもなく、『マリオカート ダブルダッシュ!!』や『スーパーマリオサンシャイン』も推定80万~90万本とミリオンセラーに届きませんでした。そう考えると60万本は全然悪くない数字で、この時点で任天堂の中では「マリオ」や「ゼルダ」に続く人気シリーズという地位を獲得していたと思われます。


 海外版の逆輸入とも言える『どうぶつの森e+』をはさみ、2005年11月にいよいよ『おいでよ どうぶつの森』が発売されます。このタイトルは、「ニンテンドーDSをインターネットにつないで遊べるニンテンドーWi-Fiコネクション」の第1弾ソフトとして発売されているので、任天堂にとっても戦略的なタイトルだったことが分かるでしょう(第2弾が『マリオカートDS』)。
 携帯ゲーム機用のソフトになったため、本体とソフトを持ち寄ることで友達の村に遊びに行って一緒に遊べるようなった他、先に説明したようにインターネット経由でフレンドの村に遊びに行けるようになりました。携帯機での展開ゆえに簡略化された地形や削除された住人などもありましたが、「手軽に遊べる」「友達と持ち寄って一緒に遊べる」という携帯機との相性の良さを発揮して500万本以上売り上げた大ヒットゲームになりました。

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<画像はニンテンドーDS用ソフト『おいでよ どうぶつの森』より引用>



 しかし、次のWii用ソフト『街へいこうよ どうぶつの森』は、そうした「携帯機ならではの良さ」を失っている割にDS版から遊びがあまり変わらず、「据置機ならではの良さ」みたいなものもほとんどありませんでした。一応100万本は売り上げたものの「あまり上手くいかなかったソフト」と後に社長に語られたソフトになってしまいました。

記念撮影
<画像はWii用ソフト『街へいこうよ どうぶつの森』より引用>


 「どうぶつの森」シリーズにとってターニングポイントはここだと私は思うんですね。どんなに評判のイイ作品であっても、その作品から変わり映えのしない続編を出してしまえば売上は5分の1になる―――Wii版が売れなかったことを「やっぱり据置ゲーム機じゃダメだな」と言い訳にせず、その失敗を次の作品への礎にするからこのシリーズは強いんです。


 Wii版の反省をバネにして登場した次作『とびだせ どうぶつの森』は、「一人の住人として気ままに暮らす」というそれまでのコンセプトを一新して、「村長になって村全体を発展させていく」ようになりました。
 村の発展にともない徐々に施設が増えるなど「徐々に機能を覚えていく」仕様になっていたり、公共事業として家の外に置けるアイテムができたので「自分だけの村作り」で出来ることが増えていたり、「村長になる」というアイディアは「どうぶつの森」シリーズが抱えていたいくつかの問題を同時に解決してくれたんですね。

 「社長が訊く」で当時の社長だった岩田さんがおっしゃった「これまでの“家自慢”から、今度は「“村自慢”に変えるんだ」ということですね。」は、このゲームをものすごくよく表していたと思います。

 その“村自慢”の機会をつくるために、「知らない人にも自分の村を自由に見て回れる」夢見の館という機能があって。そのため、以前からあったマイデザインを地面に貼れる機能を使って、村に道路を引いてキレイに整地している人も少なくなかったですね。

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<画像はニンテンドー3DS用ソフト『とびだせ どうぶつの森』より引用>



 そこから7年半―――
 やっと出たWii U版がスゴロクだったり、スマホ版が出たり、スマブラに参戦したり、「どうぶつの森」シリーズはなかなか本編が出てきませんでしたが。7年半ぶりに出た『あつまれ どうぶつの森』は、「村長になって村を発展させていく」『とびだせ どうぶつの森』を同じ方向性で進化させたような作品でした。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 今作の舞台は「無人島」です。
 たぬき3匹と住人3人(と、空港にいるドードー)だけで「無人島」に移住して、島をどんどん発展させていくと、住人は増えていくし、新しい施設が建つことでフータやしずえさんといったおなじみのキャラがやってくるのです。ゲームタイトルの『あつまれ』は複数人のプレイヤーで遊べるという意味だけでなく、「自分の手で島を発展させて、どうぶつ達を集めていこう」という意味も込められているんじゃないかと思われます。

 その方向性は、3DS版の「村長になって村を発展させていこう」から引き継がれているものと言えるでしょう。今回のプレイヤーは「移住ツアーの初期メンバーの一人」に過ぎないはずなのに、散々たぬきちにこき使われていない!?



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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 「じゃあ、前作とあまり変わらないんじゃ?」と思ったら大違いです。
 今作最大の特徴は、今まで「自分の家の中」にしか置けなかった家具が「島のどこにでも」置けるようになったことです。前作のように一部の公共事業アイテムだけでなく、基本的にすべての家具が家の外に置けるようになりました(※1)

 これにより、例えば「焚火」みたいな、室内に置くのは不自然な家具の用途が格段に増えたのです。むしろ、今までは室内にしか置けなかったのに、どうしてそんな家具があったんだ??

(※1:壁掛け用のアイテムなんかは外の壁にはかけられませんので、完全に全部ではありませんが)


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 更に、島をある程度まで発展させると「島クリエイター」の資格をゲットできます。
 「川の位置を変えたり埋め立てたり」「高台を増やしたり削ったり」といったカンジに、これまでのシリーズでは決して手を付けられなかった地形変化をプレイヤーの好きなように出来るのです。

 また、前作では自分でマイデザインを用意して1枚1枚地面に貼り付けなければいけなかった「道路」も、あらかじめ用意してもらったデザインを好きなところに引いたり、自分で作ったマイデザインも連続で貼り付けられたりと―――前作まではかなりやり込んでいる人しか手をつけなかった「道路づくり」を誰にでも手軽に出来るようにしたのです。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 こんなカンジに、自宅前に1階層上のカフェテラスを作ったり。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 島を東西に分断する高い壁を作ったり。

 アナタの理想通りの島に作り変えることが出来るのです!



 「島全体を自分の好きなように作り変えられる」という要素だけを見ると、この7年半の間に『マインクラフト』のようなサンドボックス系のゲームが大ヒットした影響も少なくないとは思うのですが……前作の3DS版の時点で「自分だけの村を作る」コンセプトがあったこと、その後に出たスピンオフ作品の『どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー』が「自分だけの家(+庭)を作る」部分だけを楽しむゲームで今考えれば差別化されていたことなどから、「島全体を自分の好きなように作り変えられる」のはシリーズの流れに沿った展開だったのかなと思いました。

 この辺は『ブレス オブ ザ ワイルド』が何故オープンワールドになったのかの話と似ているんですけど、単に「最近アレが流行っているからアレを真似しよう」ってだけじゃなくて、シリーズが抱えていた問題点とか物足りなさを打開しようとした結果そうなったっていったのだと思うんですね。

 またDS版から変わり映えがしなかったWii版の反省を活かして、評判の高かった3DS版の方向性を引き継ぎながら出来ることを格段に増やして別ゲーにしてきたのも流石だなぁと思います。Wii U版がスゴロクでズコーッとなったのは忘れてあげよう!


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 それでいて、今作の目玉要素とも言える「島クリエイター」も「やってもイイし、やらなくてもイイ」としているのが凄い。普通こんな機能を実装したら、丁寧にチュートリアルを付けて「こんな島を作ってみましょう」みたいに押し付けがちだと思うのですが……島をある程度発展させた人へのご褒美に留めておいて、まったく使わなくてもイイようにしているという。

 その「島の発展」すら、別に無視しちゃって構わないワケですし。
 ゲームに設定された一応の目標は「島の評価を上げてスタッフロールを見る」ことだと思うのですが、それを無視して気ままに魚を釣ったり、虫を取ったりしているだけでもイイのが、このゲームです。「ちょっとだけ遊びたい人」と「ガッツリ遊びたい人」の両方をカバーしようとしているのは、頭が下がります。

↓2↓

◇ 一つ一つのルーチンワークに意味を持たせ、面倒にもさせた、マイルとDIY
 ゲーム内のすべての要素が「やってもイイし、やらなくてもイイ」のが「どうぶつの森」シリーズの特徴ですが……それだけだと「何をするゲームか分からない……」と投げ出してしまう人も多かったためか、前作『とびだせ どうぶつの森』から「実績」システムのような「バッジ」システムが導入されていました。

 「たくさん魚を釣る」とか「たくさん手紙を書く」みたいな条件を達成するとバッジがもらえたんですね。

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<画像はニンテンドー3DS用ソフト『とびだせ どうぶつの森』より引用>

 更に、2016年に発売された『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』(既に『とびだせ どうぶつの森』を持っていた人は無料アップデートが可能)では、そうした長期的な目標だけでなく、「明日の朝までに○○をしよう」といった短期的な目標をくれる「くらしサポート」といった機能が追加されました。



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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 今作『あつまれ どうぶつの森』にも似たような機能は実装されていて、「長期的な目標」と「短期的な目標」の両方を与えられて達成するとマイルがもらえるという仕組みになっています。特に「短期的な目標」となる「たぬきマイレージ+」は、「今日は何をやろうかなー」と思った際に「5匹さかなを釣れ」というお題が出てるから「じゃあそれやるかー」という動機付けになってくれます。


 「どうぶつの森」はゲーム内のすべての要素が「やってもイイし、やらなくてもイイ」というシリーズなため、「魚釣りしかしない」とか「服は最初のやつしか持っていない」みたいな遊び方も出来ちゃうゲームです。でも、作り手としては「せっかく作ったゲームの要素はなるべく全部楽しんでほしい」と思うもので、それでいて強制しない方法として、こういうシステムを入れているのかなと思います。「マイル目的で、やりたくもないことをやらされる」という見方も出来ますが、指定された仕事が面倒になってきた頃にはマイルが余ってくるでしょうし。

 『Splatoon』の1作目で「せっかくたくさんのブキを入れたのだから、ずっと一つのブキを使うんじゃなくて色んなブキを使ってほしい」と思ったからこそ、『Splatoon2』では色んなブキがローテーションで回ってくる「サーモンラン」というモードが入ったみたいなことね(そのモードも別に遊びたくなければ遊ばなくてもイイのだけど)。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 そして、新要素となる「DIY」です。
 ざっくり言ってしまえば、「アイテム」と「アイテム」を合成することで「別のアイテム」を生み出すという―――『アトリエ』シリーズとか、『牧場物語』シリーズとか、もっと言うと『マインクラフト』系のサンドボックスゲーとかにも採用されていることの多い“よくあるシステム”が今回「どうぶつの森」シリーズで初めて採用されました。

 今作は先にも書いたように「無人島を発展させていく」ゲームになっているため、従来通りの「お店でアイテムを買う」だけでなく、「自分でアイテムを作る」必要があるのですが――――マイル同様、このシステムが「同じことの繰り返しをする毎日」に意味を持たせているのです。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 一つには、「素材」集めがあります。
 従来の「どうぶつの森」シリーズにも、「毎日木をゆすると家具が二つ落ちてくる」とか「叩くとお金が出てくる岩が毎日一つだけある」といった要素があって、この“当たりの木”“当たりの岩”を探すのが毎日のルーチンワークになっていた人も多いかと思われます。

 今作『あつまれ どうぶつの森』の場合、“当りの木”以外でも揺すると「木の枝」が落ちてきて、これが釣り竿や虫取り網を作るのに必要だったり。“当たりの岩”以外でも叩くと「石」「粘土」「鉄鉱石」が出てきて、斧を作ったり、しょぼい道具を丈夫な道具に強化したりに使えます。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 更に、そうして集めた「素材」を使ってアイテムを作る「レシピ」集めの要素も生まれました。
 このレシピは1回覚えてしまえば(素材のある限りは)何個でもアイテムが作れるのですが、1度手に入れてしまえばカタログから注文して友達にも送れる家具や服なんかのアイテムとちがって、一つの「レシピ」で一人ずつしか覚えられません。そのため、「アイテム」集め「素材」集めと同じくらい「レシピ」集めも重要になってくるんですね。

 んで、この「レシピ」がどうやって手に入るか―――
 序盤のチュートリアルを進めることで手に入るものもありますが、それ以降になると「島に住む住人から教えてもらう」か「海岸に流れ着いているメッセージボトル」で読むとか、あとは季節のイベントなんかで覚えられるものもあります。

 さっきの「素材をゲットするために木をゆすったり岩を叩いたりするようになった」話と同様に、レシピをゲットするため、積極的に住人の家に押しかけるようになったし、海岸も毎日一通りチェックするようになりました。「行動」自体は今までのシリーズでもやっていたことなのだけど、そこにご褒美が入るようになったので、それらのルーチンワークも楽しくなったんですね。現金なやつ!



 ということで、前作からそういう傾向はあったとは思いますが、今作は如実にゲームの様々な要素を「やってもイイし、やらなくてもイイ」から「なるべく全部やって欲しい」というゲームデザインになっていると感じました。
 例えば、「魚釣りだけやりたい人」がいたとしても、釣り竿を作るためには「木の枝」と「鉄鉱石」が必要で、そのためには木を揺すって岩を叩く必要があるのだけど、そのために必要なスコップを作るには「木材」が必要で、それを手に入れるためには斧が必要で―――と、色々なことをして、色々な素材とアイテムを用意しなくてはならなくなりました。

 釣り竿に限らず、頻繁にアイテムが壊れるの……ちょっとイラっとするんですよね。ゲーム序盤だけの我慢じゃなくて、ずっとそうなので。
 ゲームが進んだら店でも上位アイテムが買えるようになるので、いっそのこと金で全部解決するのも手なんですが。「こうだったら良かったのになぁ」という願望を言わせてもらえば、ゲームが進んだらムチャクチャ壊れにくい「丈夫な釣り竿」が作れるようになるとか、いつ壊れるかが分かるように耐久値が表示されるとかしてくれたら良かったのに。


 そのせいで「なるべく全部やって欲しい」というゲームデザインのはずが、「木を揺するの面倒くさいから釣りするのやめよう」「木材あんまりないから岩叩くのやめよう」と、一つのことを面倒だと考え始めると全部一気にやる気がなくなってしまうゲームデザインになっているような。私は最終的にアイテムを消費しない、「カブの売買」とか「島クリ」だけやるマシーンになってしまいました。やっぱり土いじりが一番だね!


 この辺は、時代に合わせて“よくあるシステム”を採用した結果―――楽しくなった側面も、面倒くさくなった側面もあって、賛否が分かれそうなところだと思います。個人的には飽きるまで楽しんだから満足ですが、「気軽に楽しめるゲームだよ!」と言いづらくなったかなぁと。


↓3↓

◇ インターネットが常にある時代の継続的なアップデートと、SNSと、ゲーム実況と
 さて、前作『とびだせ どうぶつの森』が発売された2012年から、今作が発売された2020年の間の7年半で、任天堂が一番大きく変わったのは「インターネットとの距離感」だと思います。

 分かりやすい例から挙げると、「インターネット経由での継続的なアップデート」があります。
 前作の頃には(『amiibo+』は当初から計画していたものではないだろうから考えないこととして)、インターネット経由で追加された要素はせいぜい「新しい家具」くらいでした。その配布も、セブンイレブンとコラボして「セブンイレブンに行けば3DSをインターネットに接続できるよ」と限定家具を配布するなど、自宅ではゲーム機をインターネットに接続していない人でもインターネットに接続できるサービスをかなり推していたんですね。

 正確な数字は分かりませんが、当時はまだまだゲーム機をインターネットに接続しない人が多いと任天堂は考えていたのか、2012年の『とびだせ どうぶつの森』は「インターネットに接続しなくても問題なく遊べる」「インターネットに接続すると更に楽しい」というバランスのゲームになっていました。


 しかし、そこから7年半が経ち、その間に様々なゲームが発売されました。
 象徴的なのは、2015年の『Splatoon』や『スーパーマリオメーカー』です。この2本のゲームは「インターネットに接続しなくても遊べるのはチュートリアルのようなモード」「本番はインターネットに接続するモード」でかつ、「インターネット経由による無料アップデートで遊びが追加されていくゲーム」でした。

 この2本が発表された時、私は「俺は買うけどインターネット必須のゲームがどれくらい売れるんだろう」と思ったのを覚えています。しかし、蓋を開けてみれば、Wii Uというさほど普及台数の多くないゲーム機でどちらもミリオンセラーを達成しました。
 インターネット必須のゲームでも問題なく売れるくらい、ゲーム機のネット接続率は上がっているという実感が任天堂にも生まれたのでしょう。2017年に本体が発売されたNintendo Switchの任天堂ソフトは、「インターネット経由での無料アップデート」と「有料DLCの販売」の2本柱で継続的に遊ばせるものが多いです。ブキやステージが追加されていって、フェスのようなイベントがあった『Splatoon2』は言うまでもなく、『スマブラSP』もステージ作りのようなモードが追加されたり、『キノピオ隊長』なんて2人同時プレイのモードが無料で追加されましたもんね。

 そう言えば、ニンテンドー3DSの頃は前述したセブンイレブン等でインターネットに接続できるサービスを展開していた任天堂ですが、現在はもうニンテンドーゾーンって終了していたんですね。自宅でネットに接続する人が増えたからなのか、もうその役割を終えていたという。お疲れさまでした。


 そんな経緯なので『あつまれ どうぶつの森』も、インターネットにつながっていることが前提で、有料DLCは発表されていませんが、「インターネット経由での無料アップデート」で遊びが継続的に追加されることが発表されています。
 例えば、「イースター」だったり「メーデー」、「ジューンブライド」のような季節のイベントは、最初からソフトに入っているワケじゃなくて、その季節が近づいてきたら無料アップデートで追加されるようになったんですね。もしNintendo Switchをインターネットに接続していない人がいたなら、それらのイベントは遊べません。



 このアップデートのタイミングもよく考えられていて、発売日から始めた人がそろそろ「島クリ」を手に入れた頃&お金も余裕が出来た頃に、低木を売ってくれるレイジや、美術品を売ってくれるつねきちが来るという。
 イースターのイベントはむっちゃ不評でしたが、アースデーのイベントは「島作りのテクニックを教える意味合い」があったり、メーデーのイベントは「こんな島が作れるんだという見本」になっていたり、国際ミュージアムデーは「見ていない人も多そうな博物館めぐりをさせる目的作り」になっていたり、ジューンブライドは「パニエルの島を使わせる」だったり、イベントはタイミングと内容がしっかりと考えられている印象です。

 前作にはあったけど今作には(まだ)ない要素は結構あるのだけど……そう考えると、「夢見の館」は一通り島作りが完成してみんなが飽きてきた頃にアプデで追加されるんじゃないかとか、「南の島」はフレンドの島もみんな完成して遊びに行ったり来たりするのに飽きてきた頃にアプデで追加されるんじゃないかとか、予想&妄想は出来ます。

 つまり、現時点ではまだ実装されていない要素もたくさんあるみたいなので、今の時点でレビューなんて書けないんですね(笑)。

 何というレビュアー泣かせ。
 でも、『Splatoon』みたいなオンラインゲームだって、スマホ用のゲームだって、年単位で遊ばせることを考えて徐々に機能が実装されるのが最近のゲームですから……2020年型の『どうぶつの森』は当然こういう形になるんだろうなと思っていました。



 また、レイジやつねきちが「ゲームの進行具合」ではなく「アップデートで同時期に」みんなの島にやってくるというのは、SNS等で話題になることを狙っているのかなぁと思います。
 前作の時の3DSでもスクショに撮ってTwitterにアップしたりとかは出来ましたが、通常3DSではSNSへのアップはかなり時間がかかりましたし、何よりあの時期の任天堂って「SNSとの共存方法」が中途半端だったと思うんです。


 例えば、3DS本体機能にはスクショを撮る機能がないため、SNSにスクショをアップできるソフトは限定されていたとか。Wii UでMiiverseが始まって、そちらでは多くのソフトがスクショをアップ出来たのだけど、Wii Uを持っている人しか見ないMiiverseで話題になっても宣伝効果が薄かったとか。


 Nintendo Switchはその辺すごく割り切っていて、Miiverseは廃止、本体機能でスクショも動画もワンボタンで撮れて、それを即座にTwitterやFacebookにアップすることが出来る―――と、個人的には攻略情報を共有できるMiiverseはすごい好きな機能だったんですけど、Miiverseを廃止したおかげでNintendo SwitchのゲームはTwitterで話題になって売れることも多いと『ブレス オブ ザ ワイルド』の頃から思わされてきましたからね。

 『あつまれ どうぶつの森』も、Twitterでスクショや動画を見かけない日はないというくらいに溢れていて、プレイしていない人も遊びたくなってのこの売上なのかなと思います。


 更に、前作ではQRコードで配布&もらうことが出来た「マイデザイン」は、IDを入力することで受け取ることが出来ます(Nintendo Switch Onlineの有料会員になる必要はあります)。これもまたSNSでの共有に向いている形で、良さげなマイデザインがバンバンTwitterのタイムラインに流れてきますねー。




 そして、最後―――
 今作は「ゲーム実況映えするどうぶつの森」という印象を受けました。

 この7年半の間の任天堂最大のトピックは「任天堂が公式にゲーム実況をすることを認めた」だと私は思います。今やゲームは「自分で遊ぶ」だけでなく「人が遊んでいるのを見る」時代。ゲーム実況に馴染みのない人は「人が遊んでいるのを見るだけで楽しいの?」と思われるかも知れませんが、人が遊んでいるのを見るだけで楽しいし、そんな中でも「視聴者も参加できるタイプのゲーム」は視聴者も一緒になって遊べて盛り上がれるんですね。

 4人vs.4人の多人数戦でフレンドならガンガン乱入できる『Splatoon』とか、自分が作ったコースを人に遊んでもらえる『スーパーマリオメーカー』とか、99人まで一緒に遊べる『テトリス99』とか―――そう狙って作ったワケじゃないと思うんですが、結果的にものすごく「ゲーム実況映えするゲーム」になっていると思うのです。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 最初の項でも述べたように、「どうぶつの森」シリーズはDS版の頃からオンラインに対応していて「フレンドの村」に遊びに行ける機能がありました。しかし、スペックの問題もあったでしょうが、オンラインで遊びに来られる人数は3人まで(自分を入れて4人)なのが慣例でした。3人ずつしか入ってこられないと、割と出来ることが限られちゃうんですよね……

 それが、今作『あつまれ どうぶつの森』ではオンラインで遊びに来られる人数が7人まで(自分を入れて8人)と倍増しました。更に、『テトリス99』とか『Ultimate Chicken Horse』とかでも採用されていたので最近のトレンドだと思うんですが、部屋を作った際に提示されるパスワードを入れることで「フレンドになっていない人もオンラインに参加できる」システムが採用されています(※2)

 このおかげで、普段ゲーム実況を観ているだけの雲の上の人の島にも、フレンドになんかなってもらえなくても遊びに行けるんですね。もちろん、ゲーム実況以外でも「カブが高騰した島をTwitterで見かけたので初めましての人でも売りに行ける」みたいな使い方も可能です。

(※2:パスワードを発行しないで、フレンドだけ自由に入ってこられる設定にも出来ます)


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 前作の「南の島」のようにミニゲームがみんなで遊べる要素は(まだ)ないのですが、「島クリ」や「マイデザイン」が使えて、8人集まれば色んなことが出来るもので―――上の画像は、ウチの島で開催された「絵しりとり」大会の様子です。他の島では、みんなでピクロスを解いたり、みんなでクイズに挑戦したり。他の人の実況を見ていたら、デスゲームが開催されたこともありましたっけ。

 ニュース記事で見かけただけですが、新型コロナウイルスのせいで行えなかった卒業式を『あつまれ どうぶつの森』で開いたとか、結婚式を『あつまれ どうぶつの森』で開いたなんて話も聞きました。こういうことが出来るのも、オンラインで一緒に遊べる人数を4人→ 8人に倍増させたからだと思います。


 このゲームがここまで話題になって、売れているのは、シリーズのネームバリューに胡坐をかかないで「2020年に発売するに相応しいどうぶつの森」を作ったからだと思います。お見事!



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 このシリーズ、以前は「人を選ぶゲーム」って言われていたと思います。
 分かりやすい目標がなくて、何をしても自由、何をしなくても自由、自分なりの目標を立てられる人には最高のゲームだけど、分かりやすい目標を与えられないと遊ぶ気にならない人には向かない――――だから私、「コアなゲーム好きな人」がこのゲームを好きだと言っているのが意外だったりしたのですが。

 3DS版→ 今作と、「村の発展」「島の発展」という分かりやすい目標が与えられる方向性になっているんですね。なので、もうこのシリーズは「人を選ぶゲーム」ではなく、「誰にでも楽しめるゲーム」と呼んでイイと思います。


 その中でも特にオススメな人を考えると、やっぱり今作の目玉は「家の外にも家具が置ける」ことだと思うので……手持ちのアイテムによるコーディネートを考えるのが好きな人にオススメかな。家の中にしろ、家の外にしろ、自分が着る服にしろ、「どれを置こうかな」「どれを着ようかな」と考えるのが楽しいゲームなんで。

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≫ EDIT

『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』紹介/スーパー美少女と送るひと夏の冒険譚!

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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
シリーズ一新を象徴する「かわいいのに田舎臭い」ライザちゃんの絶妙なデザイン
ベースはシンボルエンカウントのコマンドRPG、帰ってきたら調合もするよ!
ひと夏の出会い、みんなでつくる秘密基地、これはファンタジー版『ぼくなつ』では??



『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』
・発売:コーエーテクモゲームス、開発:ガスト長野開発部
公式サイト
 プレイステーション4用ソフト:2019年9月26日発売
 Nintendo Switch用ソフト:2019年9月26日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
 Setam版:2019年10月29日発売
 DMM GAMES版:2019年10月29日発売
・RPG
・セーブ方法:拠点でのみ手動セーブ可能(移動中ならボタン一発で拠点に帰還できます)


 私が1周クリアにかかった時間は約43時間でした
 ※やりこみ要素やクリア後の要素・有料DLCなどはやっていないプレイ時間です
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:△(過去に起こった事件は結構重いかも)
・恥をかく&嘲笑シーン:○(序盤は主人公達が島のはみ出し者でなかなかキツイ)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:△(モンスターをやっつけるくらい)
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:△(イチャイチャはするけど百合というほどではない)
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×(ただ歩いているだけでエロイという声はあるけど…)
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ シリーズ一新を象徴する「かわいいのに田舎臭い」ライザちゃんの絶妙なデザイン
 「アトリエ」シリーズは、1997年の『マリーのアトリエ』から始まって……現在までに発売されたシリーズは20作以上!ナンバリングはされていませんが、シリーズの正統続編には通し番号が記されていて、この『ライザのアトリエ』は「A21」と21作目に当たるそうです。ひょっとして、移植とか外伝を除いた「正統続編の多いゲームシリーズ」の中でもトップクラスなんじゃなかろうか。

 私が「アトリエ」シリーズをプレイするのは、シリーズ1作目の『マリーのアトリエ』以来です。なので、今までのシリーズとの比較みたいな紹介の仕方は出来ません。その代わり、「アトリエシリーズって気になっているけどプレイしたことないんだよなぁ」という人には、同じ目線での紹介が出来るかなと思います。参考になれば幸いです!

 ちなみに私がプレイしたのはNintendo Switch版なので、操作説明などはNintendo Switchのプロコン準拠だと思ってください。
 全部買うとゲームソフト1本分くらいの値段がする有料DLCは、「武器の見た目を変えられる」「水着に着せ替えられる」「ライザちゃん以外のメインキャラを主人公にした追加ストーリー」「超高難度マップ」などで、「これを買えばゲームが有利になる」みたいなものではありませんね。


 さてさて、まず大事な前提から。
 「アトリエ」シリーズはガストの看板シリーズなため、1年に1本ペースで新作が発売されているんですね。HD機になったPS3の『ロロナ』以降の発売頻度を見てみましょうか。ちなみに「移植」は除いて、のリストです。

・2009年6月『ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術士~』
・2010年6月『トトリのアトリエ ~アーランドの錬金術士2~』
・2011年6月『メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~』

・2012年6月『アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~』
・2013年6月『エスカ&ロジーのアトリエ ~黄昏の空の錬金術士~』
・2014年7月『シャリーのアトリエ ~黄昏の海の錬金術士~』

・2015年11月『ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~』
・2016年11月『フィリスのアトリエ ~不思議な旅の錬金術士~』
・2017年12月『リディー&スールのアトリエ ~不思議な絵画の錬金術士~』

・2019年3月『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

・2019年9月『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』



 これは「新作の正統続編」だけで……これらの移植版とか、これらのキャラが登場するスマホゲーとか、これらのキャラが登場する『ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~』(2019年1月発売)みたいな外伝もあって、ものすごいハイペースで作られていることが分かるかと思います。

 そのため、1本のゲームを3~4年かけて作る海外のAAAタイトルとか、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』みたいな任天堂タイトルとかと比べてしまうと……どうしても「世界の狭さ」や「敵キャラの種類の少なさ(色違いがやたら多い)」を感じてしまうのはしょうがないです。天井と比較してしまうのは良くないです。


 しかし、逆に考えると(開発は1.5~2ラインで作っているそうなので)開発期間1~2年という限られたスケジュールの中でこれだけのものが出来るというのは、シリーズ作を1年に1本ペースで発売しているからこそのノウハウの蓄積の力だと思うんですね。これはこれでAAAタイトルにはない技術と言えると私は思います。


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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 ということで、ライザちゃんかわいい。大勝利。


 このゲームは最初に情報が発表されたときから、主人公のライザちゃんのデザインがものすごく大きな話題になって、「太もも!」「おっぱい!」「この太ももで錬金術とかムリでしょ」とか、みなさんライザちゃんのことをエロイ目で見すぎですよ!
 マジメにこのキャラクターデザイン、3Dになってゲーム内で動いた際に「ありとあらゆる角度で見てかわいい」ように頭から足先までしっかり考えて作られていると思うんですよ。だからそこ、太ももばっかり見てるんじゃない!

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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>


 上のリストを見てもらえれば分かりやすいのですが、「アトリエ」シリーズはおよそ3作を一グループとして「同じ世界観」「共通のキャラクターも登場する」としています。そして、この『ライザのアトリエ』は新シリーズ1作目にあたる作品です。
 キャラクターデザインを担当されたイラストレーターさんもトリダモノさんという新しい人選で、今までのシリーズのガーリーなイメージから一新して「牧歌的」「田舎町にいる普通の女の子」を目指して作られたのですが……これが、ものすごい難産だったみたいですね。


ライザはこうして生まれた。「ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~」キャラクターデザインの変遷を,細井Pとトリダモノ氏が語る4Gamer.netより)


 この壮絶な作成過程を読むと、単純に「新しいイメージの新シリーズにしたいから、新しいイラストレーターさんを起用して、新しい風を吹き込んだ」なんて一行では片付けられない苦労があったんだなぁと思いますね。イラストレーターさんが一人で作ったのではなく、スタッフとディスカッションして、スタッフから様々なアイディアをもらって、ようやく出来上がったデザインなんですね。これはやっぱりシリーズを量産し続けてきたガストの力も大きいんじゃないかなと思いました。

 「田舎者」っぽいんだけど、テンプレ的な「田舎者」ではない、このキャラしかないデザインの「かわいい田舎娘」をよくぞ生み出してくれました!


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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 そうして出来上がったイラストのキャラクターが、しっかり「かわいい3Dモデル」になってゲーム内では動き回ります。
 3Dマップを自由に動き回るゲームだと、プレイヤーは基本的にライザちゃんの後ろ姿ばかり見ることになるし。ストーリー部分では胸から上のアングルになることが多いのですが……後ろ姿でも、太ももが見えないアングルでも、ちゃんとかわいいのは本当にすごいと思います。


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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 また、数はさほど多いワケではありませんが、ストーリーの合間にはイラストレーターさんが描かれた一枚絵も出てきて、これがどれも美麗です。


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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 美麗と言えば!
 キャラクターデザインばかり取り上げられるこのゲームですけど、背景の街並みもむっちゃキレイでかわいいんですよ。木組みの家、石畳の広場、川沿いの道、ヤギのいる農場、湖が見渡せる高台―――ゲームの序盤は走り回っているだけでワクワクしました。流石に終盤にもなると見飽きてくるので、「ここは何もない島だよ」というライザ達の気持ちも分かってくるのですが(笑)。

 日数制限的なものはありませんが、ゲーム内には「時間」があって(マップを切り替えたり、錬金したり、寝たりすると経過する)、同じ風景でも朝から夕方、夜まで様変わりするのもいいところ。時には雨も降ったりするので、この島で自分も生活している気分になれます。


↓2↓

◇ ベースはシンボルエンカウントのコマンドRPG、帰ってきたら調合もするよ!
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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 さてさて……『マリーのアトリエ』以来の久々の「アトリエ」シリーズを遊んでみて驚いたんですが、「アトリエ」シリーズってRPGなんですね。

 いや、『マリーのアトリエ』も確かに公式ジャンルは「RPG」ではあったのですが、「普通のRPGとはちがう自由な遊び方ができる」のがウリで、ずっと自室に引きこもって調合だけすることも出来れば、町の人達と交流して仲良くなることも出来る―――『プリンセスメーカー』から続く“育成シミュレーション”の系譜にあるゲームだと記憶していたものですから、『ライザのアトリエ』を遊んで「普通のRPGなんだ!?」と驚きました。


 『ライザのアトリエ』は「一本道のストーリーを追う」「シンボルエンカウント」の「コマンドバトルRPG」です。マルチシナリオやマルチエンディングとかではなくて、「○○に行け」といったシナリオの目的を達成するとストーリーが進行していく分かりやすいタイプのRPGだと言えますね。

 3D空間を走り回るのは、左スティックで移動、右スティックでカメラ操作です。

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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 +ボタンを押すと、「ここまでのあらすじ」と「次にすること」が表示されるのでまめにチェックしましょう。中には何のヒントもなく「3日経つのを待つ」みたいな目的のときもあるから、これを見ないと「何をやってもストーリーが進まないなぁ」ってことになりかねないぞ!



 基本的には「スタンダードなRPG」なのですが、主人公が錬金術士なこともあって、「アイテムとアイテムを合成して新たなアイテムを作る」調合ができるというのが大きな特徴となっています。
 これによって、ストーリーを進めることそっちのけで強力な武器を作ったり、島に住む人々のお願い(サブクエスト)を聞いてあげたりみたいな遊びもできますし、メインストーリーでも「○○を作れ」といったように主人公が錬金術士なことを活かした展開をしていくところも多々あります。


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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 調合の第一歩は、まず素材となるアイテムを「採取」するところから。
 フィールドは素材アイテムで溢れていて、ライザの自宅のある島ではアイテムは取り放題、モンスターの出てくる「森」や「洞窟」などではカゴの容量いっぱいまでアイテムを取って持ち帰ることが出来ます。もちろん、モンスターを倒してもアイテムは手に入ります。

 私はこの手の「フィールドでアイテムをごっそり集めて、自宅で合成して良いアイテムに変化させる」ゲームが大好きなのですが……特にこの『ライザのアトリエ』は、最初ライザちゃんが錬金術士ではないためアイテムを採取することができず、ストーリーを進めて錬金術士になって初めて「自分が今まで何気なく通っていた道にこんなに“素材”があふれていたんだ」と気付けるようになっているのが見事でした。

 その結果、他人の家の箱を勝手にぶっ壊してミルクを持ち帰る野盗みたいなライザちゃんが生まれるワケですが(笑)。


 アイテムを「調合」して作ることで、「斧」とか「鎌」といった採取道具も作ることが出来ます。フィールドの探索中はこれを切り替えることによって、例えば同じ木でも「棒で殴ると木の実が落ちてくる」「鎌で削ると樹皮が手に入る」「斧で斬ると丸太が手に入る」といったカンジに―――「調合」によって手に入ったアイテムによって、「採取」の幅が広がっていくのも楽しいです。

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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 「採取」における不満点は、ダンジョンでアイテムを集めるカゴがあっという間にいっぱいになってしまうことです。この手のゲームは何が役立つかも考えずにたくさんアイテムを持ち帰って、後であれが役に立った―というのが楽しいのですが……1回の探索で持ち帰れるアイテムが少ないことで、せっかく見つけたアイテムを諦めたり、敵と戦わないように進まなくちゃいけなかったりする(敵を倒してもアイテムをドロップするので)と、このゲームの楽しいところを自ら台無しにしちゃっているのではと思いました。

 ゲームを進めるとカゴを大きくするアイテムが作れるようになったり、1エリアごとにワープできるようになったりするので、そういったジレンマから解放される……と言いたいのですが、その頃には今度は「今まで集めたアイテムを保管できるコンテナ」がいっぱいになってしまうので、初期に集めた素材をタダ同然で売り払ったりしなくちゃならなくなるという。その上、大量のアイテムを1コずつ選んで売るのも大変!

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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 とまぁ……アイテム周りには不満点があったのですが、移動に関してはプレイヤーに対する配慮がものすごくてそこは良かったですね。まずは、-ボタン一発ですぐに「ライザの部屋」に帰れること、島の掲示板を見れば島のあらゆるところにワープできること、後半はさらにダンジョンの中でも行ったことのあるエリアにならワープができるようになること。

 そのせいで「命がけの探索」みたいな緊張感はほとんどなくなっちゃうのですが、気軽に遊べるようになっているのでこれは良いゲームデザインだったと思います。


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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 次に、そうして「採取」してきたアイテムを合成して新たなアイテムを作る「調合」です。私はこの手の「フィールドでアイテムをごっそり集めて、自宅で合成して良いアイテムに変化させる」ゲームが大好きなのですが、流石に錬金術士を主人公とする「アトリエ」シリーズはここに凝っていて、「調合」に関しては今まで遊んだどのゲームよりも面白かったです。

 一見すると「ものすごく難しそう」に思える画面ですが、ベースとなるアイテム……上の画像の場合は「小麦粉」を作るので「ヴァッサ麦」を投入して、あともう一つのアイテム(ヴァッサ麦でもイイし、その隣のエリアのアイテムでもイイ)を入れればもう「小麦粉」が作れてしまいます。

1.ベースのアイテムは必ず入れる
2.2つ以上のアイテムを入れる

 これだけで新しいアイテムに「調合」出来てしまうのです。これが基本。
 ただし、他に入れるアイテムによって「品質」が上がったり、「特殊効果」が付いたり、戦闘で使うアイテムなら「消費CC」が下がったり……3つ目以上のアイテムを入れると、そういった“プラスアルファ”の付加価値を付けてくれるんですね。更には、別のアイテムに変化するというものまであります。

 この辺、最初はよく分からずに「調合」していくしかないのですが……メインストーリーやサブクエストで「品質○○以上の××を作ってこい」が出たあたりで、「なるほど、ここのエリアにこの色のアイテムを入れると品質が上がるのか!」と分かってくるのでグッと面白くなってきます。たっぷり集めたアイテムが色んな効果を生むのは、やはり楽しい!


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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 これは不満点というより、「これからこのゲームを始める人には是非知っておいてほしいこと」として書くのですが……「Xボタン:サブメニュー」→「並び替え」→「品質順」と押すことで、持っているアイテムを「品質順」に並べることができます。
 これによって高品質の素材を投入して「品質○○以上の××を作ってこい」というお題をクリアしたり、逆に品質の低いアイテムはまとめて売り払ったりできるので……このゲームでは絶対に必要な操作の一つなのですが、イマイチ分かりづらいところにあるので私は中盤までこれに気付かないで苦戦しました。WEB説明書にもここの操作は載っていないんですよねぇ。



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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 そして、RPGの華とも言える「戦闘」部分。
 一見すると、スーファミ~プレステ時代の『ファイナルファンタジー』のアクティブタイムバトルのようなリアルタイムで進むコマンドバトルに見えるのですが……プレイヤーがコマンドを出せるのは1キャラのみで、残りの味方も敵も超高速で動きます。「1キャラずつ攻撃が終わるのを残りが待っている」時間がないため、あっという間に戦闘が進行していくんですね。

 その上、操作も「Aボタンで攻撃」「Bボタンで隊列変更や逃走」「Yボタンでアイテム使用」「Xボタンで魔法(スキル)使用」と、コマンド選択がボタン対応になっているだけでなく……「+ボタンで情報閲覧」「-ボタンでタクティクスレベルを上げる」「LRボタンで操作キャラの切り替え」「上下ボタンで味方キャラが魔法(スキル)を使うかの切り替え」「ZRボタンでクイックアクション」と、コマンドバトルRPGなのにほぼ全部のボタンを使用させるのには戸惑いました。

 というか、この記事を書くために説明書を読み返して「上下ボタンで味方キャラが魔法(スキル)を使うかの切り替え」ができることを思い出したくらいですからね、私……ほとんど使わなかったなコレ。「-ボタンでタクティクスレベルを上げる」と「ZRボタンでクイックアクション」はクリアには絶対必須なんで忘れないでください(後者は序盤は使えないので忘れても構わないけど)。


 また、「アイテム」と「魔法(スキル)」も、一般的なRPGのアイテムと魔法とは別物なのが要注意です。

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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 「アイテム」は出撃前に武器スロットにセットしたものだけを使えて、使ってもなくならない代わりに「パーティで共有のCC」という数字を消費します。上の画面で言えば、右の方に表示されている「10 CORE CHARGE」ってやつね。
 分かりやすく言えば、仲間達が共有しているMPというカンジで……出撃時には必ず「10」持っていて、上の画像で言えば「魚油リキッド」は1消費、「フラム」は2消費、「施しの軟膏」は2消費です。このペースならあっという間に尽きちゃわない?と思われるかもですが、「このアイテムはこの出撃時にはもう使わない」と宣言すると(コンバート)、CCを最大値の10まで回復することが出来ます。

 拠点に帰ると、このCCの数値も、コンバートしたアイテムも元に戻ります。

 すっごいややこしく思えるのですが……「普通のRPGでいう魔法」が「ライザのアトリエにおけるアイテム」って認識で構わないかな。最大MPが恐ろしく低いかわりに、MP全快する方法があるというカンジで。


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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 じゃあ、「魔法(スキル)」はどうなのよというと、こちらもパーティ共通のAP(アクションポイント)というものを使います。上の画像で言えば「AP 13」と表示されているヤツですね。これは戦闘時は「0」から始まって(シンボルエンカウントの敵を殴って戦闘開始になれば「10」から)、敵に攻撃を加えるなどすると溜まっていくゲージです。

 「敵を攻撃して溜まるゲージを消費して使える必殺技」みたいな感覚で構わないと思うのですが、このAP(アクションポイント)はMAXまで溜まった状態で-ボタンを押すとタクティクスレベルを上げることや、順番に関係なく割り込んで行動ができるクイックアクションなど―――様々なことに使います。

<AP(アクションポイント)を使って出来ること>
・魔法(スキル)を使う
・MAXまで溜めてパーティ全体の能力の底上げをする
・APを10+スキルの分を消費して、クイックアクションで大技を決めて相手の大技を防ぐ


 AP(アクションポイント)を使うのか溜めるのか―――そのリスクとリターンを瞬時に判断しなければならないというゲームなんですね。



 どうしてこんなややこしいシステムにしてるんだろうと最初は不思議だったのですが、このシステムによって「調合によって作った強力なアイテムを何度でも使用できる」とか「ザコ戦でも大技を連発できる」といったカンジに、普通のRPGでありがちな“もったいないから温存しよう”という消極的な戦い方をしなくて済む、積極的に色んなアイテム・色んな技を使いたくなる仕様にしたかったのだと思いました。

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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 しかし、その結果として戦闘が面白くなっているかというと……正直微妙で。
 「アイテムも大技も雑魚戦でガンガン使ってイイ」「ボタン一発で拠点にすぐに戻れる」ため、普通のRPGの「アイテムやMPをやりくりする楽しさ」がなくなり……雑魚戦もボス戦も、同じように大技を連発して同じような戦い方をするだけになっちゃったんですね。

 上の画像のアクションオーダー、ライザちゃんが「魔法ダメージを与えて」、レントが「アイテムを使ってくれ」と言っていますが―――戦闘中に仲間が要求した行動を取ると、仲間が大技を放ってくれるので、ただただこれを繰り返すだけのゲームになっちゃうという。
 序盤は戦闘が難しく、中盤はそれを理解して面白くなってきたところで、終盤はそれがずっと続くので飽きてくる……という。


 「調合」で作ったアイテムを「戦闘」でもバシバシ使えるようにしたかったのは分かるのだけど、実際に食べてみると「美味しいんだけど、ずっと同じ味が続く……」という惜しいシステムでした。


↓3↓

◇ ひと夏の出会い、みんなでつくる秘密基地、これはファンタジー版『ぼくなつ』では??
 とまぁ…システム面では不満点も少なくないのですが。
 それを補ってあまりある「キャラクター」と「シナリオ」の魅力があったと思います!


 「キャラクターの魅力」というのは、単純に「ライザちゃんの太ももがエロイ」って話じゃなくてね……この島に住むライザだったりレントだったりというキャラが、しっかりと描けているシナリオだったなと思うんです。

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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 ライザちゃんのデザインが発表されたころから「この顔とこの体で“なんてことない”“普通の女の子”って設定はムリがあるでしょ」みたいな声があったのですが……実際に遊んでみると納得で、ライザちゃん達が住む島は「風習や因習の厳しい閉鎖的な島」で、この島の中にはライザちゃんを可愛いって言ってくれる人は一人もいないんですね。強いて挙げるなら、行商人として島を訪れるロミィさんくらい。


 ライザちゃんにしても、レントにしても、タオにしても……この「閉鎖的な島」で、自分の価値にすら気付かず、でも何にもなれずただただ日々を過ごしているというスタートなんですね。

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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 「これぞ村社会!」という、閉鎖的な島だからこそ大威張りしている一家とかもいるし、ライザちゃんが錬金術を始めてからしばらくは「あんな怪しいものを」と言われるし……風景むっちゃキレイな街並みなのに、この島の人間関係はドロドロしているな!ってなります。


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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 もちろん、それは「スタートの設定」の話であって……
 行商でやってきた隊の一員であるクラウディアとか、錬金術士であるアンペルとか、彼と旅をしている女戦士リラとか、「島の外からやってきた人々」との出会いで彼女らは変わり、そして彼女ら自身の持っている可能性に気付いていく――――そういう成長物語なのです。

 「ゲームの中でまでドロドロした人間関係なんか味わいたくない」と思っちゃう人もいるかもですが、それを打破していくストーリーですからね。最終的には、登場人物の一人一人に愛をこめて描かれたストーリーだって思えるようになりますから。



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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 ライザちゃんばかり注目されるけど、レントもタオもクラウディアも、一人一人に物語があって成長していくのが熱かったです。ライザちゃんが錬金術を始めたからみんなでやろうって言うんじゃなくて、それぞれに目指す道があって、それでもみんな仲間だから集まるってのがイイんですよ。


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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 このゲームには日数制限的なものはないのですが(誰々がモンスターに襲われているから助けに行かなくちゃって時でも自宅に戻って何日も寝たりできる)、セミの鳴き声、強い日差し、この期間だけ島にいられる旅人達、みんなで作る秘密基地など――――まだ大人になれない少年少女達が、“夏休みに大冒険をする”話と受け取れるように作ってあると思います。

 主人公は「田舎にやってくるぼく」ではなくて、「田舎に住んでいる女の子」の方だけど、やっていることは『ぼくのなつやすみ』っぽいんですね。このかけがえのない1ヶ月を楽しもう、的な。
 世界を救うために壮大な旅に出るというよりは、夏休みにフラッとこの島に遊びに来たみたいなゲームなんです。

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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 秘密基地ではペットも飼えるぞ!




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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 また、島には様々な人が住んでいて、そういう人達の頼みを聞くサブクエストも発生します。
 足が痛くて遠出が出来ないと言っているおばあさんや、島の名物スイーツを作りたいおばちゃん、いつか王子様のような結婚相手が来てくれることを夢見ているお姉さんなどなど……クリアには必須ではないんですが、同じ人の頼みを解決し続けているとその人の物語も動いていって、この島に暮らしている色んな人の物語が知れるし、その悩みを解決することで島がどんどん幸せになっているカンジがするのが好きなところです。

 ライザちゃんだけの物語じゃなくて、サブキャラクター一人一人にしっかり物語があるんですね。


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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 私が好きなのは、島の外からやってくる行商人ロミィさん。
 ライザちゃんをからかえる「年上のお姉さん」ってポジションがとてもイイんですよ。こういうサブキャラクターもしっかりデザインが凝っているのも凄いですよね。


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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 もちろんジェナも好きです。
 こういう子供が、この島で何を考えてどういう人生を歩むのか―――そういうものが見えてくるのでサブクエスト進めるのむっちゃ楽しかったです(だから、クリアまでにこんな時間がかかったのか??)。



 そうそう。
 メインストーリーはフルボイスですが、サブクエストなどの横道の話はボイスなしです。そこはまぁしょうがないのですが、このゲーム「全体的に文字が小さい」という不満点もあります。さっきからのスクショも「台詞が読みづらい」と思われていそうですが、戦闘中や錬金中も小さな文字がところせましとワンサカ出てくるのでテレビの画面に近づいてプレイしていたほどでした。

 「オマエんちのテレビが小さいのが悪い!」と言われそうですが……Nintendo Switchだと「携帯モード」で遊ぶ人もいらっしゃるでしょうし。


 あと、個人的には、このストーリーならばキャラクターの年齢を2~3下げた方がテーマ的なものが分かりやすかったと思います。「まだ大人になっていない少年少女の冒険譚」なのに、ゲームスタート直後からライザちゃんたち悪ガキグループも大人に見えちゃうキャラデザでしたし(タオ以外)。
 でも、それだとマーケティングの問題とか、海外展開とかで問題になるのかな。海外は特に「児童の労働」に厳しいので、『幻影異聞録#FE』なんかは海外版だとキャラクターの年齢が1歳ずつ上がっているという話もありましたし。


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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 すっごい細かいツッコミどころに思われそうですが……
 ストーリー上「魚がまったく獲れなくなって漁師達が困っている」という展開になっている時でも、市場で「調べる」ボタンを押すと「今日も大漁みたい」というメッセージが出るなど、配慮が足りない場面がチラホラありました。

 「そんなこと」って思うかもしれませんが、こういうところのメッセージ一つ変えることで「本当に切羽詰まっているんだなぁ」という悲壮感が生まれるのですし、作りこんでいるゲームはこういうところに気を遣うので、短い開発期間で作ったゲームという印象はこういうところで感じちゃいます。


◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch版『ライザのアトリエ』より引用>

 システム面ではところどころで惜しいと思わせられてしまったけれど、「かわいいキャラ」と「かわいい街並み」で「胸躍るひと夏の冒険」というワードに響く人には是非オススメです!
 ライザちゃんのキャラデザなどで「エロイゲーム」と誤解している人もいるかもですが、お色気シーンはほとんどなく、子供にも見せたくなる健全で熱いストーリーでしたよ。シリーズの中でもかなりヒットしたそうですし、いっそのことアニメ化して、夏休みの午前中にでも放送したいくらいでした。


 記事の序盤にも書きましたが「アトリエ」シリーズは基本的に「3作品で一まとめ」で、この『ライザのアトリエ』は新シリーズ1発目の作品でした。なので、既に次回作ではライザが登場することが公言されています
 でも、ライザちゃんだけでなく、レントやタオやクラウディアはもちろん、島の住民がこの後どうなるのかを次回作でも描いて欲しいと思わせる作品でした。この島が舞台にならなくても、この島の話が聞けるだけでも感動しそうですよねぇ。数年後アレは島の名物になったのかとか、あの2人はどうなったのかとか、そういうのを知りたくなる作品でした。


   

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≫ EDIT

『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』紹介/海外製だからこそのリブート(再起動)とリビルド(再構築)成功!

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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
「くにおくんシリーズ」の世界とキャラを再構築!これが新しいシリーズの夜明けだ!
シリーズ伝統のベルトスクロールアクションは健在!見た目は変わってもくにおくんだ!
日本でもアメリカでもない“リバーシティ”を舞台にした新たなシリーズが始まる!


『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』
・発売:アークシステムワークス、開発:WayForward
公式サイト
 Setam版:2019年9月5日発売
 プレイステーション4用ソフト:2019年9月5日発売
 XboxOne用ソフト:2019年9月5日発売
 Nintendo Switch用ソフト:2019年9月5日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
・ベルトスクロールアクション
・セーブスロット数:3
 ※オートセーブ+任意セーブでどこでも終了可能、再開はそのエリアに入ったところから


 私が1周クリアにかかった時間は約08時間でした
 ※やりこみ要素やハードモードなどはやっていないプレイ時間です
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:×
・恥をかく&嘲笑シーン:△(長谷部と真美は“嘲笑”してくる)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:○(床をGらしき虫が走ってたりする)
・百合要素:△(のぞみときょうこの話はグッときた)
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ 「くにおくんシリーズ」の世界とキャラを再構築!これが新しいシリーズの夜明けだ!
 「くにおくんシリーズ」というと元々ファミコンやスーファミの頃の時代に人気だったテクノスジャパンのアクションゲームで、1作目のベルトスクロールアクションをベースにして様々な作品が発売されました。シリーズを大別するとこんなカンジになるそうです。


<リアル頭身のケンカアクション、熱血硬派シリーズ>
・熱血硬派くにおくん
・初代熱血硬派くにおくん
・新・熱血硬派くにおたちの挽歌

<2D頭身のヒーローものっぽいアクション、ダウンタウンシリーズ>
・ダウンタウン熱血物語
・ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会
・ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!
・びっくり熱血新記録!
・熱血格闘伝説

<2D頭身で様々な部活に挑戦する、スポーツシリーズ>
・熱血高校ドッジボール部
・熱血高校ドッジボール部サッカー編
・いけいけ!熱血ホッケー部
・熱血!すとりーとバスケット
・ダウンタウン熱血べーすぼーる物語
・熱血!ビーチバレーだよ くにおくん

<おでん>
・くにおのおでん

 見やすくするために移植や続編モノは省いてあります。ゲームボーイの『熱血硬派くにおくん 番外乱闘編』のように「2Dなのに熱血硬派を名乗っているソフト」もあるので線引きは微妙ですけどね。

 しかしその後、ゲーム業界が「次世代ゲーム機戦争」なんて言葉で盛り上がっていた1995~1996年頃にテクノスジャパンは倒産、版権が他社に移り、DS時代にはポリゴン化して3Dアクションゲームの道を試したりしたのですがあまり上手くいかず……3DS以降はアークシステムワークスからダウンロード用ソフトを含めて新作がたくさん出たのですが、ファミコン風のグラフィック&ゲーム性から脱却できませんでした。

 シリーズ消滅の危機までいったことから考えると、新作を出してくれるだけでありがたいとは思うんですけどね……正直、「マンネリ化」を感じてしまって、ここ最近は購買意欲が湧いてきませんでした。


 そこに現れたのがWayForward!
 『シャンティ』シリーズで知られるアメリカのゲーム会社が、「くにおくんシリーズ」に新たな風を持ち込んでくれました。

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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 主人公は、なんと『新・熱血硬派くにおたちの挽歌』でりきの恋人だった「きょうこ」と、『新・熱血硬派くにおたちの挽歌』でくにおの恋人だった「みさこ」!意外すぎるチョイス!浦沢直樹先生が『地上最大のロボット』をリメイクした『PLUTO』を描いた際、アトムじゃなくてゲジヒトを主人公にしたみたいなヤツ!


 というのも、やはりこの作品は「2D頭身のダウンタウンシリーズ」ではなく、「リアル頭身の熱血硬派シリーズ」の外伝なんですね。なので、「ダウンタウンシリーズ」でおなじみの長谷部や島田真美ではなく、『新・熱血硬派くにおたちの挽歌』のきょうことみさこが主人公になるという。


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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 と思っていたら、長谷部と真美も出てきたんですけどね!



 「リアル頭身の熱血硬派シリーズ」とは言いつつ、熱血硬派シリーズだけでなくダウンタウンシリーズやスポーツシリーズからも数多くのキャラが登場しています。


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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 『ダウンタウン熱血物語』『ダウンタウン熱血行進曲』から五代!
 コイツ、原作だとクソ強かったのに、今回はゴミ箱からいきなり登場して頼みごとをしてくるという変なキャラに!


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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 『熱血高校ドッジボール部』から、なりたか!
 花園高校で「実は最強キャラ」みたいに言われてるヤツ!


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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 『熱血硬派くにおくん 番外乱闘編』から、美穂子!
 ゴメンゴメンゴメン、誰だか知らない……検索してようやく「元になっているキャラがいたのか」と知ったキャラです。私がゲームボーイ持っていなかったことを差し引いても、シリーズの中でもかなりのマニアックキャラじゃない!?



 とまぁ、こんなカンジに「意外なところから意外な人選」で様々なキャラが登場します。今回「きょうこ」と「みさこ」という女のコ2人が主人公なこともあって、女性キャラが特に多く登場しているかなと思います。


 また、単純に「昔のキャラがリファインされたデザインで登場する」ってだけではなくて……「五代がみさこのストーカーをしていた」とか、「ひろしが漫画ヲタクになっている」とか、「小学生のころに山田が長谷部に一目ぼれしてしまう」とか、キャラクター設定やキャラクター同士の関係性を独自に描き直している点も目立ちました。

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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 これには賛否両論あるかもですが、私は「賛成」です。
 クリストファー・ノーランのダークナイト三部作が『バットマン』に新たな風を吹き込んだように、「くにおくんシリーズ」も今までの作品に縛られない独自解釈によって新しいシリーズに再構築(リビルド)するくらいで構わないと思います。

 3DS時代のアークくにおくんは「ファミコン時代の開発者を呼び寄せる」ことで旧作ファンに呼びかけていましたが、そうするとやっぱり「ファミコン時代の作風」から脱却できなくなっちゃうんですね。
 今回は外部の会社、しかもWayForwardというアメリカの会社が作ったことでその辺のしがらみから上手く脱却できていたと思うのです。それは単純に「主人公が女」ってだけではなく、「固定概念にとらわれずに一からシリーズを再構築する」ということが出来ていたと思うのです。


 ただまぁ個人的には不満点もあって、後半のボスはオリジナルキャラ(ですよね?)が多くなるので、「この枠にもっとメジャーなキャラをぶちこんで欲しかったなー」と思ってしまいましたが……こういう作品だと「どうしてあのキャラを出してくれないんだ!」って思われるのは仕方がないこと。
 今回は出なかったキャラに出てもらうためにも、WayForwardには是非またこの路線の続編を出してほしいです。個人的には豪田砂織を出して欲しかったなー。そして、お兄ちゃんとイチャイチャして欲しかったなー。


↓2↓

◇ シリーズ伝統のベルトスクロールアクションは健在!見た目は変わってもくにおくんだ!
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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 ゲームジャンルは、昔ながらのベルトスクロールアクションです。
 2Dアクションながら「奥行き」があるタイプのゲームで、攻撃ボタンを重ねることでコンボというか連続攻撃が決まっていきます。オフラインでの2人協力プレイが可能で、同士討ち(フレンドリーファイア)の有り/無しも設定できます。


 私がプレイしたのはNintendo Switch版なので、ボタン説明はNintendo Switch版準拠になりますが……

・Yボタン=弱攻撃
・Xボタン=強攻撃
・Bボタン=ジャンプ
・Aボタン=特殊攻撃
・Rボタン=ガード
・Lボタン=舎弟の召喚

 こんなカンジ。キーコンフィグはありません。
 レベル1の頃には出来るアクションが少ないのですが、レベルが上がることで「倒れている敵を踏みつける」とか「倒れている敵を持ち上げる」といったアクションが増えていって、更にお店で必殺技(特殊攻撃)を購入することも可能です。キャラによって覚えられる必殺技(特殊攻撃)はちがうみたいなので、「1周目はきょうこでプレイしたけど2周目はみさこでプレイしようかな」なんて遊び方もできますね。

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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 もちろんマッハキックなんかのおなじみの必殺技もあります。
 必殺技は緑色のゲージを消費して使い、このゲージは通常攻撃を敵に当てることで回復するみたいです。



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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 ベルトスクロールアクションの定番である、「その辺に落ちているものを拾って武器として使う」要素ももちろん健在です。『ダウンタウン熱血物語』でもあったゴミ箱やチェーンだけでなく、自転車とかベンチとかヨーヨーとか様々なものを武器として使えるのが楽しかったです。魚市場でマグロ振り回して戦うのには笑いました。

 武器はリーチが長いものが多くて大人数相手での立ち回りに有効なのですが、今回は「武器の耐久度」があるので強力な武器をずっと持っていくみたいなプレイは出来ません。この辺の塩梅はすごくよく出来ていたかなと思いますね。


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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 2つまでセットできる「アクセサリー欄」を使って、「武器の耐久度を上げる」とか、「○○な敵に対するダメージを5%上げる」みたいなカスタマイズも可能です。自分のプレイスタイルに合わせてアクセサリーを使い分けるのも『ダウンタウン熱血物語』っぽいし、女のコが主人公の「くにおくんシリーズ」というカンジもしててイイですね。



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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 しかし、かわいい見た目に反して、難易度は決して低くありません。
 回復手段が「レベルアップ時の全回復」と「ショップで買える回復アイテム」くらいしかないので(あと、ごくまれに出るドロップアイテム)、大した回復アイテムが買えない序盤は特にキツイです。店が出てこない1面が一番厳しかったですし、碌な回復アイテムが売っていない2面もキツかった……3面以降は回復アイテムを買い込んでゴリ押しできるんですけどね。

 お店で買える消費アイテムも「○%体力を回復する」ものがほとんどで、ステータス補正的なアイテムが少ないのも残念。買う前に効果が分からないこともあって、一つ「値段の割に回復量の大きなアイテム」を見つけたらそればっかり買ってしまうようになっちゃいました。
 アクセサリーも含めて、買い物周りは「もっと工夫したら面白く出来たんじゃないかなー」と思わなくもないです。


--9月17日追記--
 コメント欄で指摘していただき確認してみたところ、食べ物などの消費アイテムは「初回のみ」ライフ回復+ステータスアップの効果があるみたいです。値段の割に回復量が小さいアイテムは、いろんなステータスが上がるとかですかね。とりあえず色んな種類のアイテムを使っていった方がステータスは上がるっぽいぞということで。



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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 時折はさまる「ケンカアクション以外の動きが求められるシーン」や、特殊なボス戦などは、キライな人も多そうです。私は「ゲームに変化を付けるため」と好意的に受け止めましたが、それならもうちょっと難易度を抑えたらどうなんだとも思いました。ケンカアクションを求めて買った人に、シビアなジャンプアクションを遊ばせるんじゃないよ!



 難易度の高さは海外製だからなのかと思いましたが、そもそも昔の「くにおくんシリーズ」だって決して難易度の低いゲームではありませんし、『ダウンタウン熱血物語』もお金が貯まっていないスタート直後が一番キツイという見方が出来ます。
 個人的には、その難易度も「シリーズリスペクト」というカンジがしたし、その難易度に合わせて慎重な立ち回り&回復アイテムをごそっと買っていくプレイに徹したので丁度良かったのですが……「くにおくんシリーズ」を「派手な必殺技で雑魚敵を一掃する爽快ゲー」みたいに捉えている人は「コレジャナイ」と思ってしまうかも知れませんね。


↓3↓

◇ 日本でもアメリカでもない“リバーシティ”を舞台にした新たなシリーズが始まる!
 「くにおくんシリーズ」は1986年のアーケードゲーム『熱血硬派くにおくん』から始まるのですが、あの当時の「くにおくんシリーズ」って「私達の身近にある場所」が舞台だったと思うんですよ。1作目の1面が、駅のホームで他校の不良と殴り合うってステージですからね。

 『ダウンタウン熱血物語』でも、商店街を駆け抜け、公園とか工事現場とかで戦い、他校に乗り込んでボスと戦うというゲームでしたし……『ダウンタウン熱血行進曲』の、民家を通り抜けて、マンションの壁をよじ登って、屋上を走るってのも「私達の身近にある場所」が舞台だったと思います。


 しかし、くにおくん達は未だに高校生である一方、現実世界はそこから30年が立ってしまって……日本中から商店街がなくなっているとか、公園の遊具が撤去されてるとか、駅のホームには転落防止用のフェンスが付けられるとか、そもそもあんな見た目の不良はもういないとか。「くにおくんシリーズ」の舞台って、もう「昔の日本の風景」になっちゃっているんですね。『三丁目の夕日』的な、こんな時代もあったよねと。



 今作『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』は開発がWayForwardになったことで、絵柄がガラッと変わっただけじゃなく、一から作品世界を再構築したこともあって……「リバーシティ」という新しい街を舞台にした「くにおくんシリーズ」新章が始まった!カンジがしました(※1)

(※1:この「リバーシティ」というのは、海外での『ダウンタウン熱血物語』のタイトル『River City Ransom』から来ていると思うのですが)


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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 例えば、メニュー画面がスマホだったり。


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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 ショッピングモールを舞台にして戦ったり。


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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 スクショじゃ絶対に伝わらないと思いますが、ラジカセの置いてある場所ではオシャレなボーカル曲が流れていて……ゲーム全体が「現代的」で「オシャレ」な雰囲気なんです。もちろんキャラや背景のドット絵もすごいです。ずっと1980年代から抜け出せなかった「くにおくん」がようやく21世紀にやってきたというか(いや、ラジカセは1980年代的ではあるんですけど・笑)。


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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 ところどころアニメムービーが挟まったり、コミック調になったりする(この絵もすげえかわいい)ことから思うに……「現代を舞台にしてくにおくんシリーズを再構築させよう」というよりかは、「アメコミ的な世界観でくにおくんシリーズを再構築しよう」という狙いがあるのかなと思います。「リバーシティ」という舞台ですが、日本っぽいところもありますし、アメリカっぽいところもありますし、無国籍というか多国籍な世界を構築したかったのかなと思いました。

 ボイスは英語のみで日本語がないというのは残念でしたし、次回作があるなら日本語ボイスも入れて欲しいんですけど、その結果「よりアメコミっぽい雰囲気の作品」になれていたのも確かかなと思います。


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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 新主人公の「きょうこ」と「みさこ」は、非常に漫画的なキャラで、明るくて、行動力があって、時に図々しく、時にずる賢くて、「くにお」や「りき」では描けないストーリーが描けていたと思います。

 「くにお」や「りき」には硬派で、ヒーローっぽいイメージが付いてしまっている分、ストーリーにあまり自由が効かないんですよね。『熱血硬派くにおくんすぺしゃる』で、プリクラを撮ろうとしているみすずを「すげえブスがプリクラ撮ろうとしてたぜ」と笑うくにおくんが描かれた時「くにおはこんなこと言わない!」と思っちゃいましたもの。でも、今作の「きょうこ」や「みさこ」ならそれが許されると思うのです。


 日本の会社だったらここまでの思いきりはなかったんじゃないかと思います。
 アメリカの会社だからこそ、シリーズの再構築と再起動が可能で、今までの「くにおくんシリーズ」を停滞させていた様々なものをぶち壊してくれたと思うので……是非是非この1作に留まらずに、この路線の作品を出し続けてほしいなぁと思います。



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<Nintendo Switch版『熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』より引用>

 「くにおくんシリーズ」を昔遊んでいたけど最近はすっかり遊んでいないやーという人や、「くにおくんシリーズ」という名前は聞いたことがあるけどどれから遊んでいいのか分からないという人には、シリーズを一から再構築しようとしたこの作品から遊ぶことをオススメします!
 ダウンロード専用ソフトとしてはちょっと定価は高いし、難易度も低くないんですけど、「くにおくんシリーズ」への愛に満ちて、ここから再起動しようという熱い志を感じる作品ですから。


 ちなみに「くにおくんシリーズ」はこの後、10月10日に『ダウンタウン乱闘行進曲マッハ!!』をSteam、PS4、Nintendo Switch用に発売予定です。2016年にPS4で、2017年にSteamで発売した『ダウンタウン乱闘行進曲 かちぬきかくとうSP』のバージョンアップ版だそうです。

 その『ダウンタウン乱闘行進曲 かちぬきかくとうSP』には、チームミスズとして「みすず」はもちろん「きょうこ」や「みさこ」も登場していたそうなので、『マッハ!!』の方にも当然出ることでしょう!これは買わなくてもイイかなー、『moon』と同日だし、と思っていたけどやっぱ買おうかな!


 そして、更に2019年秋に『イカすぜ!小林さん』という新たな外伝をSteam、PS4、Xbox One、Nintendo Switch用に発売予定だそうです。
 いや、流石に「くにおくんシリーズ」出しすぎでは……(笑)。

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≫ EDIT

『じんるいのみなさまへ』紹介/満点ではないけれど、唯一無二の「日常系アニメの中に入れる」ゲーム

わかった!Switchだね!
<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
「女のコ達が無駄話をするだけ」、それこそが楽しいんだという執念で作られたゲーム
荒廃した秋葉原でサバイバルをする――のは、プレイヤーじゃなくてキャラクター達
ストーリーには文句なし!有料DLCのやり方には文句しかない!


『じんるいのみなさまへ』
・発売:日本一ソフトウェア、開発:アクワイア
 プレイステーション4用ソフト:2019年6月27日発売
 Nintendo Switch用ソフト:2019年6月27日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
・ガールズアドベンチャー
・セーブスロット数:4


 私が1周クリアにかかった時間は約18時間でした
 有料DLCの2周目は既読スキップを使いまくって、1+2周合計で約27時間かかりました
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:△(重い設定もあるけれど、終始明るい展開です)
・恥をかく&嘲笑シーン:×(失敗することはあるけれども不快レベルではない)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:○(男性は存在しません、そんな生物はいません)
・動物が死ぬ:△(グロ描写はないけど動物を捕らえて食するサバイバルなんで)
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:○(「恋愛感情」はハッキリ描かれてるけど「肉体関係」とかはない)
・BL要素:×
・ラッキースケベ:△(CERO:Bなのはシャワーシーンのことか?)
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ 「女のコ達が無駄話をするだけ」、それこそが楽しいんだという執念で作られたゲーム
 このゲームは「日本一ソフトウェア」と「アクワイア」のコンビで作られたガールズアドベンチャーです。
 「アドベンチャーゲーム」という言葉で『ゼルダの伝説』とか『トゥームレイダー』みたいなアクションアドベンチャーを想像してしまう人もいるかもですが、『逆転裁判』とか『ひぐらし』みたいなテキストアドベンチャーの方が近いです。言っちゃえばノベルゲームですし、「ソシャゲのストーリー部分」と言った方が若い人には分かりやすいかも知れません。

 PS4とNintendo Switchで出ていますが、私がプレイしたのはNintendo Switch版の方ね。



 「日本一ソフトウェア」という会社に対して、「インディーゲームをフルプライスで売る会社」と表現している人がいて言い得て妙だなと思いました。その表現をした人は恐らく、ダウンロード専用ソフトとして2000~3000円で買えるクオリティのものを定価7500円のパッケージソフトで売る―――という皮肉で言ったのだと思いますし、私もまぁ同意する部分はあります。開発費は抑えているのに、販売価格は抑えねえのかよとは思います。

 ただ、それは見方を変えれば「他の大手メーカーがやらない挑戦的なゲームを作ってパッケージソフトとして売る会社」とも言えると私は思うのです。挑戦的なゲームだから万人受けはしないし、大失敗することもあるけど、刺さる人には刺さる―――


 「インディーゲーム」という単語を、「安いゲーム」と捉えるか「挑戦的なゲーム」と捉えるかで、その意味は180度変わるんですね。


 『じんるいのみなさまへ』は本当にハートフル日常系百合なのか、百合愛好家が菅沼Pを小一時間問い詰めてみた

 発売前のプロデューサーのインタビューを読むと、その辺りのことも語られています。
 日本一ソフトウェアには『ディスガイア』のような本流と、「ある一部分を尖らせた、チャレンジングな性質のゲームを作る」という2つの方向性があって、このゲームは後者だったと。しかし、後者の代表例は『嘘つき姫と盲目王子』とか『世界一長い5分間』なんかだと思うのですが、今回はその中でも特に尖った企画らしく社内では全く賛同されなかったそうなんですね。

 その尖った企画というのが「百合」


 「百合」とは、女性同士の関係性を主題として描いた作品のことで―――漫画・アニメなんかでは「ガッツリと女性同士の恋愛を描いたもの」から、「女のコが集まってイチャイチャするだけのライトのもの」までたくさんあります。特に、『けいおん!』とか『ゆるゆり』のアニメがヒットしたあたりからライトな百合は「日常系アニメ」として一大ジャンルになったと言えます。

 しかし、ゲーム業界―――特にゲーム機用のゲームソフトでは「百合ゲー」なんてほぼ存在していません。
 たまたま『じんるいのみなさまへ』と『夢現Re:Master』が同じ月に出たから世に百合ゲーがたくさんあるように錯覚するかも知れませんが、工画堂スタジオですら『白衣性恋愛症候群』が2011年、『白衣性愛情依存症』が2015年、『夢現Re:Master』が2019年ですから、4年に1本くらいのペースでしか「百合ゲー」って発売されないんですよ。


 だから、一百合好きとしての意見を言わせてもらえれば、まずは「発売してくれてありがとう」なんです。売れそうにないどころか、そもそも市場が存在していないニッチなところを開拓してくれようとしたワケですから。
 このプロデューサーさんは学生時代から百合姫を買っているくらいの百合好きだったそうなのですが、社内で誰も「百合」が分かる人がいない―――からの、企画を通して、開発をしていく過程は大変だったろうなぁと思います。まぁ、それでもゲームとして許せないところはありましたが(笑)。



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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 「百合ゲー」なんだから、一番重要なのは「どんなキャラクターが登場するのか」でしょ!ということで、ここからは登場する女性キャラクターを紹介します。まずは、主人公「榛東 京椛(しんとう きょうか)」ちゃん。おばあちゃんっこなため妙に知識が古臭い、アニメオタク。

 いわゆる「アホの子」系の主人公で、明るいムードメーカーです。
 タイプ的には『けいおん!』の平沢唯とか、『ゆるキャン△』の各務原なでしこの系統なんですが、みんなからイジられるタイプなので『ごちうさ』のココアちゃんが一番それっぽいかと思っていたのですが、プロデューサーが『ゆるゆり』好きということを踏まえると赤座あかりなのかも。なんだかんだ、私はきょうかちゃん推しです。

 アニメ好きという設定なんだけど、序盤以外にそれをにおわせることを言わないので「シナリオ書いた人、あまりアニメ詳しくないと見た……」と思ってしまいました。

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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 ネタが微妙に古いし!



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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 恐らくこのゲームのキャラクターで人気投票をしたら1位になるであろう、ゲームオタク「菓子 永里那(かし えりな)」ちゃん。
 背が小さくて釣り目で、全体的に猫っぽいカンジなので、『けいおん!』のあずにゃんとか『ごちうさ』のチノちゃん系統なのかなと思いきや……そちらは有料DLCの朱香さんの担当で、えりなちゃんはノラリクラリとみんなにツッコミを入れていく『バンドリ!』の青葉モカとか『少女終末旅行』のユーリみたいなキャラでした。

 シナリオを書いている人も同じようにゲーム好きなんだろうなーと思うくらい、普段の言動から自然にゲームネタをはさみこんでくるのが好きなところ。テンプレのヲタクキャラじゃなくて、普通にゲーム好きの女のコってカンジなんですよね。まぁ、ちょっと知識が「本当に13歳ですか?」と言いたくなるくらい昔に偏ってはいますが(笑)。

ロードしてる?ディスク交換のタイミングかー?
<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>



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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 続いては、おっとりおっぱい「少弐 勇魚(しょうに いさな)」ちゃん。
 女のコ達が4~5人集まるアニメでは必ず一人はいるであろう、「おっとりしていて」「おっぱいが大きい」「母性あふれる」キャラです。『けいおん!』で言えばムギちゃんとか、『がっこうぐらし!』で言えばりーさんとか。

 その溢れる母性を活かして、このゲームでは料理担当を一手に担うのだけど、ひたすら前に突き進むメンバーと比べて自分が役に立っていないんじゃないかと不安になってくるという側面も描かれます。このポジションのコが一番闇が深いというのは伝統なのかも知れない。


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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 体力担当が「小松 和海(こまつ かずみ)」ちゃん。どうしてこのコだけ平々凡々な名前なんだ……というのは、特に伏線でもありませんでした。『デスノート』みたいな際どいテーマを扱う作品は「実在の人物と名前が被らないように突飛な名前を付ける」ことがよくありますが、このコだけ「よくある名前」なんですよねぇ。

 ボーイッシュで、でもおっぱいは大きいという、『きんいろモザイク』の猪熊陽子や『となりの吸血鬼さん』の夏木ひなた系のキャラですね。背が高くて体力があるだけじゃなくて、キャンプ知識があるというスーパープレイヤー。遭難したときには一人は欲しい逸材です。



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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 頭脳担当が「邑楽 幽々子(おうら ゆゆこ)」ちゃん。
 年少組だけどクールで頭が良くて、トラブルの解決方法をしっかり考えてくれる学者タイプのキャラです。あまり日常系アニメにはいないタイプのコかなぁと思いましたが、『となりの吸血鬼さん』のソフィーとかはそれっぽいか。

 所持アイテム一覧のところの解説なんかは、彼女の口調なんですよね多分。
 このコがいなかったらどうなっちゃっていたんだろうというくらいのMVPなのだけど、有料DLCでは上位互換みたいな朱香ちゃんが出てくるので活躍の場を半々に分けられるという可哀想な目に合います。朱香ちゃんについては後で書きますが、やっぱり有料DLCは失敗だったんじゃないかって思いますわ。

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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 本人も言っている。



 ということで、キャラクターは日常系アニメっぽいキャラが揃っていて。
 「女性同士の恋愛をガッツリ描く」百合作品というよりかは、「女のコがたくさん集まってみんな仲良し!」という日常系アニメに近い作品だと思います。実際、先のプロデューサーのインタビューでも『けいおん!』や『ゆるゆり』、『ゆるキャン△』なんかを楽しんでいた(る)人に向けたと書かれていますし、そういった日常系アニメの主人公になれるというコンセプトのゲームだと思うんですね。


 『ゆるキャン△』って百合かなぁって話をし始めると、5時間くらいかかりそうなのでやめておきます(笑)。

 カップリングは固定で、「プレイヤーの行動によってくっつくカップルが変わる」みたいなことはありません。ストーリー展開も(有料DLCを除けば)一本道です。個人的にはゲームなんだから自由にカップリングを選ばせて欲しかったんですけど、マルチシナリオを実装するような開発期間はなかったんでしょうね。そこはホント残念……

 メインストーリーはフルボイスで、声優さん達は正直名前を聞いたことのないような方ばかりだったのですが、みなさんしっかり上手いし、「初めて聴く声」だからこそ「この作品にしか存在しないキャラ」に聴こえるというのは日常系アニメでもよくあるキャスティングかなと思います。終盤のきょうかちゃんの演技がね、すごく良くてね……



 開発中に社内で「このゲームは無駄話が多すぎないか?」と言われたそうなんですが、「そういう日常的な会話を楽しんでもらう作品なんだ」と押し切った執念は見事だったと思います。
 ゲーム機用のゲームじゃないですけど、スマホ用で大ヒットしている『バンドリ』なんかは「今日は買いたかったパンが売り切れてた」みたいな心底どうでもいい話を女のコ同士がしているのを眺めるのがホーム画面だったりしますし……「無駄話」にこそ百合が宿るんですよ!

 それなのに、百合に理解のない人間が「女が喋っているだけで中身がない」とか言ってくるのは、それこそ『けいおん!』のアニメがヒットした10年前に出てきた「ストーリーがない」「成長を描かなければアニメではない」みたいな10年遅れの価値観なんですよ!ゲーム業界は(百合に関しては)10年遅れている!




 ということで、基本的には「女のコ達がイチャイチャするのを眺めるノベルゲー」で、百合好きとしてはそのコンセプトを絶賛したいのですが……ノベルゲーとして致命的な欠点がありまして、このゲーム「セーブが各章の終わりか1日の終わりにしか出来ない」んです。会話の途中でセーブ出来ないんですね。
 特にどこにでも持ち運べるNintendo Switchなら、空き時間にちょっと起動して読み進められるからノベルゲーとの相性が無茶苦茶イイはずなんですけど……このゲームは好きなタイミングでセーブが出来ないため、「空き時間にちょっと起動する」のが難しいのです。

 スリープモードを使えばええやんってことなのかも知れませんし、実際自分はスリープモードをフル活用してちょっとずつ読み進めてクリアしましたが、そうすると「他のゲームと並行して遊ぶ」ことが出来ないんでストレスになるんですよ。おかげで『スーパーマリオメーカー2』ほとんど起動できなかったよ!


 『バイオハザード』みたいに「セーブするタイミングを考える」ことまでゲーム性に落とし込んでいるのならともかく、そうでないなら「セーブできるタイミングが限られている」ことがプレイヤーにとってプラスに作用するところは1ミリもありません。開発期間が短いとか言い訳にならず、ノベルゲー作るなら「どこでもセーブ」はマストで実装しなきゃいけません。
 料理自体は美味しいのに、「お皿を買ってくる時間がありませんでした」とテーブルの上に直で盛り付けてくる料理屋くらい、「自分達の良さを台無しにしている」ところですからね!

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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 1日の終わりに「セーブしますか?」と聞かれるのをスキップして必ずセーブすることを「オートセーブ」と言い張って、オプションでオン/オフ出来るとかドヤ顔で言ってくるのも神経を逆なでしてくれる。それを世間では「オートセーブ」とは言わないですよ……


 セーブデータ周りではもう一つ許せないことがあって……エンディング後にセーブしたデータは「2周目のオープニングから始まる」セーブデータになるため、クリア直前の世界を歩き回りたい場合はセーブデータを分けておく必要があります。
 これはまぁ許せるのですが、有料DLCのルートだと最終日のセーブデータは「エンディングを見る」以外のことが出来なくなります。有料DLCルートではクリア直前の世界を歩き回りたい場合は「最終日の1日前のセーブデータ」を分けて保存しておかなくちゃならないのです。初見でプレイしていたらいつが最終日かも分からないし、セーブデータ4つしか保存できないのにいちいち細かくセーブデータ分けられないでしょ!

 そのため、せっせと集めたレシピや、つくった料理の一覧も、全部確認できなくなってしまいました。「女のコ達の日常を楽しんで欲しい」というゲームなのに、強制的に日常が終わるという。


 セーブデータ周りはプレイしたら真っ先に不満に思うところだろうに、クロスレビューで酷評したファミ通はこういうところに触れないんですよね。「遊ばずにレビューしたんじゃないの」とまでは言いませんけど、ユーザー目線に立ったレビューだとはとてもじゃないけど思えませんよ。


↓2↓

◇ 荒廃した秋葉原でサバイバルをする――のは、プレイヤーじゃなくてキャラクター達
 「女のコ達が4~5人集まってイチャイチャする日常系アニメ」と言っても、例えば『けいおん!』だったら「バンド」、『ごちうさ』だったら「喫茶店」、『ゆるキャン△』だったら「キャンプ」と、作品によって描いているものは違います。

 「日常系アニメのようなゲーム」を目指して作られた『じんるいのみなさまへ』が描いているのは、ズバリ「サバイバル」です。


 自分達以外誰もいなくなった世界で、力を合わせて生きていこうというストーリーなんですね。

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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 なので、「誰もいなくなった街」を歩き回る探索パートというのがあります。
 舞台となるのは秋葉原で、『AKIBA'S TRIP』などを開発してきたアクワイアの開発なので、荒廃した秋葉原が3Dマップで作りこまれています。ホテルの外に出たら、街の端から端までシームレスで移動可能。『AKIBA'S TRIP』では「この店、ゲーム内ではまだ○○だけど、現実ではもう潰れて△△になっちゃったんだよな」みたいなこと言われていましたが、『じんるいのみなさまへ』なら大丈夫!全部の店が平等に潰れている!(笑)


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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 秋葉原なので実際に秋葉原に行ったことのある人はもちろん、行ったことがない人も「この景色は『ラブライブ!』で観たことある」とか「ここにあの駿河屋ゲーム館があったのか」みたいな楽しみ方が出来ます。
 写真は「ガンダムカフェ」の跡地、『ガンダムビルドダイバーズ』ではすぐそこの階段でリクとチャンピオンが喋っていたっけ。



 という探索パートの映像で「このゲームはガチなサバイバルアクションゲームなのか」と勘違いしてしまい、「自分には難しそう」と尻込みしてしまう人だったり、逆に『7 Days to Die』みたいなゲームだと期待していたのに全然ちがったという人だったりが続出してしまったみたいなんですが……このゲーム、基本的には「ノベルゲー」で、探索パートは「目的の場所に着くとストーリーが進行するだけ」くらいに捉えてイイと思います。

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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 あの黄色い光が、「ストーリーが進行する場所」です。
 ストーリーを読んでいれば「次に行くべき場所」は説明されますし、もし読み逃しちゃってもLボタンを押せば「○○に行こう!」と教えてくれるので親切。

 「荒廃した秋葉原で自給自足のサバイバル生活をしなくてはならない」のですが、食料調達や道具の作成、インフラの整備などもストーリーを進めるだけでキャラクター達が全部やってくれます。プレイヤーがあれこれ悩んだりする必要はありません。
 だってこのゲーム、「日常系アニメみたいな百合を楽しむゲーム」ですもの。襲ってくる敵もいなければ、シビアな食糧管理なんかも必要ありません。ゲームが下手な人が遊ぶと女のコ達がズタボロになっていって最終的に餓死するみたいなゲームだったら、ちっとも「日常系アニメ」っぽくないじゃないですか!



 まぁ、後半は大雑把な場所しか指定されず、どこに行けばイイのか分かりづらいところは不満なのですが……その根本的な原因が。

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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 「黄色い光」が背景に溶け込んで見つけづらい!
 いや、マジで、どうしてこんな色にしたの……もっと見やすい色にしようよ。レインボーカラーにしてキラキラ光って遠目にも見つけやすいくらいで丁度イイでしょう。お店探索と色が被っているし。


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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 逆に、ファミ通のクロスレビューなどで批判された「地図に現在地が表示されない」というのは、それを受けて公式でもパッチで追加するとアナウンスしているのですが……個人的には、それは雰囲気ぶち壊しなのではと思いました。

 このゲームは、「スマホなどの電子機器がなくなった世界」で地図と地形を見比べて探索することによって、ゲームが進むにつれて「どんどん街の構造を覚えてくる」「庭のようになってくる」ところにプレイヤーとキャラクターの一体感があるというのに―――「他のゲームではマップに現在地が表示されるのが普通だから」って理由で、そこを批判するファミ通のゲームセンスのなさよ!他に批判するところあるでしょ!よりによってそこかよ!


マップ把握はゲーマーの基本
<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>



 「移動速度が遅い」という批判はまぁ分かる。
 大して運動神経も良くなさそうなきょうかちゃんの移動速度ならこんなもんだとは思うので、移動速度を上げるよりもファストトラベル機能を付けて欲しかったとは思います。

 欲を言えば、ゲームが進むことで「自転車」とか「馬」とかを入手できるようになって、それで移動速度が上がる―――みたいな要素があれば完璧だと思うんですが。このゲーム、開発の予算がなさすぎて主人公のきょうかちゃん以外の3Dモデルが作れなかったくらいなんで。「自転車に乗るモーション」とか「馬に乗るモーション」とか、とてもじゃないけど作れなかったのでしょう。

 出来ることならば、きょうかちゃん以外のキャラも3Dモデルを作ってそうしたキャラが街を歩いているみたいなこともやって欲しかったですよねぇ。畑に行けば和海が農作業をしていて、川に行けばえりなちゃんとゆゆちゃんが釣りしてて、ホテルに戻ったら勇魚さんが夕食の下ごしらえをしている――――そうした日常を見せてくれたら、もっと「日常系アニメっぽいゲーム」になったと思うんですけどねぇ。


 その代わりと言っちゃなんだけど、きょうかちゃん以外に連れ歩く2人を選ぶことで歩いている最中にその2人が会話する要素はあります(ボイスはなし)。これ、地味に「どのキャラとどのキャラの組み合わせか」と「今ストーリーが何章か」で会話内容が変わるという優れものなのですが……パターンがそれぞれ2~3ずつしかないので、同じ会話を延々とループして読まされるという。

 ここはマンパワーで頑張るところでしょ!
 こういうところこそ『バンドリ』とかやって見習ってほしかったです。


 特定キャラと特定キャラを連れている時に特定の行動をすると特殊イベントが起こるという要素もあるみたいなんですが、自分は朱香とえりなちゃんで釣りをした時に1回見ただけです。他のキャラの組み合わせでもあったのかも知れないけど、メンバーの入れ替えも1日の終わりにしか出来ないので組み合わせを試しづらいんですよねぇ。



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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 多くのオープンワールドゲーが「目的地に着けばストーリーが進行する」「けど、横道に逸れて延々とサブクエストをクリアしたりも出来る」みたいなカンジで、このゲームも「メインストーリーを進める」ことを無視して秋葉原を自由に探索することが出来ます。

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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 「お店の探索」「畑での作業」「釣り」などは、素材や食材が手に入る代わりに時間を消費します。これによって探索時間が12時間を超えるとホテルに強制的に戻されて1日を終えます。
 1日の最後に料理を作れないと翌日「空腹状態」で探索に必要な時間が倍になるというペナルティを受けるので、メインストーリーから逸れた横道の遊びとしては「毎日の食事を作れるくらいに食材やレシピを集めて色んな料理を作る」のが目的になりますかね。

 ぶっちゃけ探索時間が倍になるペナルティを受けても、探索せずにメインストーリーを進めればイイし、イザとなったら大量のカップラーメンもあるので、ペナルティは激ゆるですけどね。



 いろんな食材を集めていろんな料理を作っていくのは、それなりに楽しいです。『牧場物語』系のゲームでも「あの食材が手に入ったら、この料理もこの料理もこの料理も作れるようになる!」という楽しさがありますが、それに近いものがあります。ただ、素材に関しては一部の消耗品以外はほぼ何の役にも立ちません。

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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 というのもこのゲーム、「ノベルパート」と「探索パート」が上手く噛み合っていないんです。序盤から自由に「探索」して大量に持っている素材も「ノベルパート」のストーリーでは持っていないことになっていて、「○○を作るためには××が必要だから△△にないか探しに行こう!」と大量の××がアイテム欄にあるのに言うんですよ。頭にメガネ載せながら「メガネメガネ」言う人かよ!

 ただまぁ、こういうこと自体は他のゲームでもよくあって……『The Escapists2』でも「既にそのアイテムは持っている」のに「指定された場所にあるアイテムを取ってこなくちゃいけない」仕様だったため、既に持っているこれじゃダメなのと思ったものでした。だから、あまりそこを批判したくはないのですが。


 でも、100円玉硬貨だけは「ノベルパート」と「探索パート」がしっかりと連動して、あれだけ大量に貯めた100円玉硬貨がストーリーの都合で全部なくなったのは許してねえかんな!プレイヤーの都合のいいようには連動しないのに、都合のわるいようには連動するダブルスタンダード!
 この辺が「遊ぶ人の気持ちに立ってゲームが作られていない」と思ってしまうところです。強制的に100円玉を全部失うことによってゲームが面白くなったと思いますか?と訊きたい。



 「メインストーリー」を進めずに、秋葉原中を「探索」して遊ぶ要素がある―――と言っても、このゲームだと料理は1日1つしか作れないし、作った効果も「採取量が1.1倍になる」みたいなショボショボなものだったりで、あんまりカタルシスがないんですよね。
 例えば『ルーンファクトリー』みたいに作った料理を複数持ち運べて、探索中に「○○を食べて移動速度アップ!」「××を食べて釣り効果4倍!」「△△を食べて畑の収穫量が10倍だー!」みたいにガンガンパワーアップしていけば楽しかったと思うんですけどね。

 あとは「作った料理で図鑑が埋まっていく」とか「釣った魚で図鑑が埋まっていく」みたいな要素があるとか、他のキャラがメインストーリーとは関係ないサブクエストを出してくれるとか、そういう目的があったならもっと横道に逸れるのも楽しかったと思うのですが……そういうものもありません(PS4版には一応「料理をたくさん作る」みたいなトロフィーがあるし、今までにどの料理を作ったのかは料理一覧の画面から見ることはできる)


 一つ一つの要素は良いのに、それが上手く噛み合わなかったというか……
 「ゲームとしてどう遊ばれるのか」の完成したビジョンがないまま作られたような気がします。

 それとも実装させるはずの仕様が、開発期間の短さで実装できなかったとかですかね。もったいない作品でした。


↓3↓

◇ ストーリーには文句なし!有料DLCのやり方には文句しかない!
 このゲーム―――「ダメなところ」「行き届いていないところ」を挙げればキリがないんです。
 しかし、じゃあ「ダメなところしかないゲームなのか」と言ったらそんなことはないし、冒頭から書いているように日常系百合ゲーという「他のゲームにはやらなかったことをやろうとした」ことは確かですし、ストーリーは文句なしで良かったと思います。


 そういや、夏から始まるアニメには「無人島で遭難したり」「宇宙空間で遭難したり」「世界中の人が石化したり」、サバイバルものがやたら多いのですが……“他に頼れる人がいない”状況で限られたキャラクター達が試行錯誤して生き延びようとする話は、やっぱり面白いんですよ。


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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 『じんるいのみなさまへ』もそうです。
 「魚を食べたいけど、魚を捕まえられるような網がない」→ いろんなお店を探索→ 「ハンモックで代わりにならないかな!」と、生活に必要なものを秋葉原にあるもので代用したり作ったりするのが楽しかったです。


 そうしてみんなで力を合わせて生きていく内に、一人一人に劣等感だったり憧れだったりが芽生え、感情が少しずつ変化していくものを描いているので……「サバイバル」と「百合」を上手く組み合わせたストーリーになっていたと思われます。ネタバレになるので何かは言わんけど、大量のアレも良かったです。


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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 そして、誰もが気になるであろう「どうして秋葉原に誰もいなくなっていたのか」という世界の謎も――――序盤からガンガン伏線が張られて、先が気になるストーリーになっていました。
 プロデューサーのインタビューによると「日常系の百合はゲームとは相性が悪いので、大きな物語として謎で引っ張ることにした」とのことで、実際「百合」に興味がない人も「序盤は女が喋っているだけで退屈だったが終盤の謎が明かされていく展開は面白かった」という感想の人をチラホラ見かけたので狙い通りだったのかなと思います。


 「ノベルパート」と上手く噛み合っていなかった「秋葉原の探索パート」も、あのメインビジュアルがなかったら買っていなかったという人も多いだろうし、百合ゲーの今の市場規模では「百合以外の要素」を売りにしなきゃいけないんだなぁとちょっと悲しくなりますけどね……



 それでも、「サバイバル」「百合」「世界がどうしてこうなったのかという謎」が組み合わさったストーリーは見事だったし、自分はエンディングに向けた展開はすごく好きでした。
 ノベルパートの背景がストーリーとあまり合っていないみたいな不満点がないワケじゃないですけど、低価格のノベルゲーにはよくあることですしね(このゲームはフルプライスですけど)。





 だが、有料DLC。オマエはダメだ。
 このゲームの有料DLCは500円で、1周目のクリアデータがあると、6人目のキャラが追加された「別ルートのストーリー」が楽しめるという売り文句でした。

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<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 追加された6人目は「朱香 CyxaЯ(しゅか すはーや)」ちゃん。
 日本人とロシア人のハーフで、12歳で大学生をしている天才留学生だそうです。


 ふむふむ。
 「2周目以降限定」ということは、この天才設定を活かして「1周目ではなかなか気づかなかったことに彼女が早めに気付いたり」「1周目では謎だったところが彼女がいると分かったり」するのかな?と思うじゃないですか。そういうのはほとんどないです。

 ストーリーの8割はほぼ同じ内容で、終盤のみ彼女がいることで別展開に進む程度です。確かに終盤の展開で「1周目では明らかにならかった真実が判明する」ところはあるんですけど、私は有料DLCの方のエンディングはあまり好きじゃありませんでした。エンディングに向けてのストーリーの盛り上がりみたいなのがまったくないんですもの。


 そもそも、どうして有料DLCは「2周目以降限定」だったのかって話ですよ。
 有料DLCを売るなとは言いません。ニッチなゲームだから、少ない購入者から更に集金したい気持ちは分かります。でも、500円払った人に8割同じ話をもう1回読ませるってどういうことよ。1周目の時点で有料DLCを使わせてくれたって良かったじゃないですか。終盤で選択肢によってルート分岐するようにしておけば、事前にセーブデータ分けておくとかで対応できたじゃないですか。


わたくしたちは全員で力を合わせてきた
<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 8割同じ展開をするのに「わたくしたちは全員で力を合わせてきた」みたいに言われても、オマエがいなくても問題のなかった1周目をオレ達は知っているぞ……!と言いたくなってしまいます。



 「百合」部分のストーリーはそれなりに良かったのですが、そのためだけにもう1周遊ぶ時間が必要なことを考えるとあまりオススメは出来ませんね。2周プレイしようとすると、「セーブできるタイミングが限られている」のと「探索パートの移動の遅さ」が更にのしかかってくるという。
 自分はそれでも「1周目ではあまり作れなかった料理をなるたけコンプしたいな」と思ってがんばってプレイしたのですが、前述したように最後の最後でセーブデータがおじゃんになったので持っていた匙をぶん投げました。


 このゲーム……
 「コンセプト」も「キャラクター」も「ストーリー」も良かったと思いますし、一つ一つの要素は光っているのに、盛り付け方でとことん台無しにしているゲームだなぁと思いました。このゲームがそこそこ売れたことで、もしまた「百合ゲー」を作る機会があったなら、もうちょっと遊ぶ人の気持ちを考えて作ってほしいと思いますわ。


◇ 結局、どういう人にオススメ?
ちゃんと考えた方が良い気もするんだけど、すっごく眠い
<画像はNintendo Switch版『じんるいのみなさまへ』より引用>

 いろいろと書いてきましたが、私の不満点は……

・基本的にはノベルゲーなのに好きなときにセーブできない
・目的地に行けばストーリーが進むゲームなのに、目的地の色が保護色で見づらい
・消えた100円玉
・有料DLCを買うと、8割同じ話をもう1回読まされる


 大体この4つに集約されるので。
 これらを許容できる人で、『けいおん!』『ゆるゆり』『ゆるキャン△』などの日常系ライト百合アニメが好きな人や、「サバイバル」「百合」「世界がどうしてこうなったのかという謎」が組み合わさったストーリーに興味がある人にはオススメです。

 実際「似たようなゲームがあるか」って言われたらありませんし、唯一無二のゲームなのは間違いないです。このゲームをきっかけに「百合ゲー」がもっともっとたくさん作られるようになって、全体的なクオリティが上がってくれることを期待しています。


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『Her Story』紹介/このゲームに名探偵はいない。調べるのも考えるのもアナタ自身な、究極の一人称推理ゲーム

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<画像はSteam版『Her Story』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
自分の頭で考えて「検索」する、ゲームでしか味わえない調べものアドベンチャー
細切れになったインタビュー動画を、一つ一つメモして整理して真実を導き出せ!
「答え合わせ」などない、だからこそ「人と話したくなる」ストーリー


『Her Story』
・開発者:Sam Barlow氏、公式日本語化:PLAYISM
 Steam版:2015年6月24日発売(※公式日本語版は2016年11月24日より)
 PLAYISM版:2016年11月18日発売
・インタラクティブムービー+推理アドベンチャー
・セーブスロット数:1


 私がエンディングまでかかった時間は約6.5時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください


【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:○(人が死ぬのも重いけど、彼女の人生が壮絶すぎて……)
・恥をかく&嘲笑シーン:×
・寝取られ:△(女性目線で「好きな男が別の女とヤった」のって寝取られに入ります?)
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:△(これが果たして百合なのかどうかで一晩は議論できる)
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:△(セックスについて語るシーンが度々出てくる)

↓1↓

◆ 自分の頭で考えて「検索」する、ゲームでしか味わえない調べものアドベンチャー
 このゲームを日本語で遊ぶには、2019年6月現在はパソコンで遊ぶしか選択肢がありません。iOS版Android版は出ているのだけど日本語訳がなく、ゲーム機用には海外含めても移植されていないみたいです。

 それでもこのゲーム、海外では様々な賞にノミネートされ、高い評価も受けた話題作なため―――私はずっと「パソコンを新しく買い換えたら遊ぼう」と楽しみにしていました。遊んでみた結果、万人にオススメできるものではないけれど、「ゲームとは何か」「アドベンチャーゲームとは何か」を議論するのに欠かせない“ターニングポイントになる作品”だと思ったので紹介記事を残しておきます。


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<画像はSteam版『Her Story』より引用>

 これが、このゲームのメイン画面です。ウィンドウ部分だけじゃなくて、スクショ全部がゲームの画面ね。
 Windows95あたりを彷彿させる昔のパソコンのデスクトップ画面そのもので、操作も「マウスでカーソルを合わせて」「ダブルクリックでソフトを開く」とか「キーボードで文字を打ち込む」とか、パソコン操作そのものです。ゲーム機用に発売されないのは、ゲームコントローラで遊んでも没入感が味わえないからかなと思います。


 デスクトップにある「Readme.txt」にも書かれていますが、このゲームは警察のデータベースに残された「1994年に起こったとある事件についてのアーカイブ映像を調べる」ゲームです。
 古いデスクトップな理由はよく分からないんですが、「主人公がこのパソコンで調べている年」=「私がこのゲームを遊んでいる今の年」みたいなので、時代の変化に左右されないように敢えて逆に90年代相当のパソコンを再現しているのかなと思います。


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<画像はSteam版『Her Story』より引用>

 初期設定では「ブラウン管のような表示」になっているのも芸が細かい(笑)。
 私は「スクショを撮るのに向いていないな」とアンチグレアにチェックを入れて普通の画面にしちゃいましたが、各所のレビューを読むと「ブラウン管のような表示」のままにした方が活きる演出があったとか。まぁ、お好きな方で。


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<画像はSteam版『Her Story』より引用>

 ごみ箱の中には「オセロ」的なゲームまで入っています。
 P1もP2も自分でやらなきゃいけないのでこれで遊べるワケではありませんが、昔のデスクトップ画面をイジっているような雰囲気は抜群ですよね(笑)。「これがクリア条件だったりするのだろうか?」と一応最後まで自分vs.自分で遊んでみたのは私だけで良いです。


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<画像はSteam版『Her Story』より引用>

 このゲームでプレイヤーがやることは、「検索窓」に語句を入力して、出てきた「動画」を観る―――これだけです。観ているのはあくまで「過去の動画」なため、プレイヤーが質問をしたり、行動を起こしたりすることは出来ないんですね。
 「動画」は、数日に渡る同じ女性の事情聴取らしく、この警察のデータベースは彼女の一言一句が検索できるようにしてくれています。例えば、ゲームを始めた直後はプレイヤーが分かりやすいように「殺人」という言葉が予め検索窓に入っていて、そのまま検索すると「殺人」という言葉を彼女が発した動画が全て出てくるという塩梅です。イギリスの警察は有能ですね。


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<画像はSteam版『Her Story』より引用>


 「バラバラの日」に撮影された、「同じ人物」の発言を観ていくことで、事件の真相が徐々に浮き彫りになっていくのですが……この警察のデータベースは「時系列順に動画を観る」ことは出来ず、あくまで「検索ワードで出てきた動画を観る」ことしか出来ません。「この発言の前後の動画を観たい」と思っても、前後の動画に出てきそうなワードを予想して検索するしか手段がないのです。イギリスの警察は無能か!


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<画像はSteam版『Her Story』より引用>

 また、このゲームの「バランス」として非常に優秀なところなんですが……
 どんな検索ワードで出てきた動画も、再生できるのは「最初の5件」だけなんです。

 よく使われるワード……例えば「今」というワードで検索すると11件の動画が出てくるのですが、プレイヤーが再生できるのは時系列順で「最初の5件」だけです。当然ながら、後半の動画の方が「事件の真相」に近いため、プレイヤーは「前半には出てこない」「後半にだけ出てくる」ワードを推測して検索しなくてはならないのです。イギリスの警察はどうしてこんな仕様で構わないと考えたんだ……!(笑)


 ついこないだキンドル本で推理小説の短編集を発売したくらいなので、私は「推理もの」の小説も漫画も映画もゲームも大好きですが、この『Her Story』は「ゲームでしか味わえない」体験だったと思います。プレイヤーが自分で推理して、自分で考えて、自分で真相に近づいていく―――これは小説や漫画や映画には出来ない、ゲームならではの強みですよ。


↓2↓

◆ 細切れになったインタビュー動画を、一つ一つメモして整理して真実を導き出せ!
 このゲームを今から遊ぼうという人に一つアドバイスをしていくと、「メモを取りながらプレイしましょう」ということです。数日間に渡る事情聴取の動画を断片的に見るだけだと、ミスリードを誘う描写も多いし、この女の人が言っていることが二転三転するために混乱してしまうと思うんですね。

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<画像はSteam版『Her Story』より引用>

 例えば、↑の動画なら「1994年6月18日」の「19時25分02秒」と書かれています。
 「6月18日の発言はどうだったのか」「前後の文脈はどうなのか」といったことを整理するためにも、一つ一つの動画の「日付」と「時間」と「簡単な内容」くらいはメモを取っておいた方がイイでしょう。私はiPadのメモ帳に記録していましたが、単語帳みたいなカードタイプのものの方が順番を後から変えられるからイイかも。

 メモをとらなくてもクリアだけなら出来ないことはないというか……次の項で述べますが、このゲームは「事件の真相」がよく分かっていなくてもエンディングは迎えられるのでメモを取らない遊び方も出来なくはないのですが、しっかりと「事件の真相」に向かうためにもメモを取りながら遊ぶことを推奨します。


 フラグ管理に縛られることなく自分で考えた検索ワードから出てきたバラバラの動画を観て、事件の全体像を想像していく様は、他の作品では味わえない感覚でした。「バラバラの物語から真実を導き出す」のなら『ひぐらしのなく頃に』なんかもそれっぽいですし、「時系列がバラバラのストーリーを集めていく」のなら(このゲームより後の発売ですが)『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にも当てはまると思うのですが、そこに「自分で推理して検索ワードを考える」要素が入るため、プレイヤーの数だけ「真実への辿り着き方」がちがうのが面白いと思うんですね。


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<画像はSteam版『Her Story』より引用>

 絶対に「事件に直結するワード」だろうと推理して「死体」で検索したら、何故だかギター弾いて熱唱している動画が始まって、その歌詞に出てきただけだったというのは笑いました。

 どこまで計算しているのかは分からないのですが、「一つの単語で一気に真相が分かる」みたいなのがなくて、「徐々に、徐々に真実が浮き彫りになっていく」感覚があって……台詞の一言一句まで計算しているのかなと思いましたし、ましてや元々は英語のゲームだったのを日本語に翻訳したPLAYISMの功績スゲエって思いますよ。英語の分からない私みたいな人間でも、問題なく楽しめました。


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<画像はSteam版『Her Story』より引用>

 全部の動画の中で、どれを観て、どれを観ていないかが分かる「データベースチェッカー」というソフトもあります。とは言え、クリックしたらその位置の動画が観られるなんてことはなく、ただ単に「既に観たかどうか」しか分からないんですけどね。でも、本当に手探りで調べていくゲームなので、これがあるとないとでは大違い。

 ものすごく斬新なゲームかつ、インディー精神にあふれた作品なので、「ちょっと飯野賢治さんっぽいかな?」と思いながら遊んでいましたが、飯野さんだったらこんな「プレイヤーに対する気遣い」なんて絶対しない!綺麗な飯野さんだ!貴様、ニセモノだな!



↓3↓

◆ 「答え合わせ」などない、だからこそ「人と話したくなる」ストーリー
 ここから先は「クリア条件」についての話を書くので、ストーリーのネタバレはしませんが「クリア条件」なんて知りたくないという人は読まない方が身のためです。実際にこのゲームをプレイして、クリアしてからお読みください。


 さっきの項で「データベースチェッカー」なんて出したから、ひょっとしたら「なるほど、このゲームはこれを全部埋めていくゲームなんだな」と勘違いしちゃった人もいるかも知れません。確かにSteamの実績には「全部の動画を観る」というものもあるみたいですが、全部の動画は観なくてもクリアは出来ますし、私は観ていません。


 そもそもこのゲーム、プレイヤーが「事件の真相」が分かったかどうかすら重要視していないのです。
 普通この手のゲームだったら「証拠は集めた!あとは、この証拠で犯人を追い詰めるだけだ!」という展開になっていくと思うのですが、このゲームにはそういったものはありません。ある程度の動画を観たら「そろそろ終わりにするか?」と聞かれるので、「ハイ」と答えるとエンディングです。『逆転裁判』で言えば、「探偵パート」だけやって「裁判パート」がないみたいなことです。


 だから、メモを取らずにプレイするとエンディングを迎えてもなお「え?どういうことだったの?」と分からない人もいちゃうと思うんですね。普通の推理小説なら「探偵役」のキャラが事件の真相を明らかにしてくれますし、『逆転裁判』だったら裁判の果てに真相が見えてくるものですが……このゲームはあくまで「過去の事件を調べる」だけなので、真相はプレイヤー自身が考えなくちゃいけないし、真相にたどり着けなかったとしてもエンディングを迎えられちゃうのです。

 でも、現実の世界では「答え合わせ」なんかしてくれないし、「答え合わせ」をしてくれないからこそ「え?あれってどういう意味だったの?」と周りと話したくなると思うんです。「彼女の生い立ち」「事件に至るまでの道」、そして「彼女がその後どうなったのか」を誰かと話したくてウズウズしてくるのです。



 私はこれをものすごい英断だったと思います。
 それまでは「一本道」路線だったから一つでもクリア出来ないところがあると詰むしかなかった『ゼルダの伝説』シリーズが、『ブレス オブ ザ ワイルド』で「チュートリアルとラスボス以外は行っても行かなくても良い!」としたことでクリア出来ないところがあっても無視できるようになったように――――
 どうしたって「一本道」路線になりがちな推理アドベンチャーというジャンルに、「プレイヤー自身が好きなように調べれば良い」という圧倒的な自由度を取り入れたことで、「事件の真相」にすら気付かなくたってイイじゃないかとしたこの作品―――推理アドベンチャーというジャンルにおいて、一つの「ターニングポイント」になると思うんですね。


 実際、主人公は「過去に起きた事件を調べる」だけの人ですからね。この証言を元に誰かを逮捕する警察役でも、この証言を元に誰かを追い詰める検事役でもありません。ただ「調べる」だけの人だから、プレイヤーが「もうこの事件について調べるのはイイや」と思ったところでエンディングなのです。

 この没入感はすごいし、だから私「全部の動画を観よう」とか「Steamの実績をコンプしよう」なんて思わず、ある程度のところで「もういいや」とエンディングにしちゃったんですね。全部の動画を自力で観るのはものすごく大変なのだけど、だからといって攻略サイトを観ながら動画を埋めていく作業というのは、この作品の「プレイヤー=主人公」の没入度にふさわしくないと思いましたんで。

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<画像はSteam版『Her Story』より引用>



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はSteam版『Her Story』より引用>

 「好き嫌い」の分かれるゲームだと思うんですが、このジャンルの一つのターニングポイントとして「推理アドベンチャー」が好きな人には遊んで覚えておいてもらいたいタイトルだなと思います。定価も600円弱と安いですし、クリアまでのプレイ時間もそれほどではありませんし(私はむしろものすごくかかった方で、他所のレビューを読むと私の半分くらいの時間で終わらせている人が多かったみたい)。

 あと、「ゲームとは」という表現に興味がある人にもオススメです。
 他のゲームにはない体験をさせてくれるのに、これはゲームならではの体験と断言できるもので、「ゲームとは何か」についても語りたくなる作品ですね。


 余談ですが、今作の精神的続編と言われる『Telling Lies』も今回のE3でトレーラー映像が出てきたみたいです。
 前作のヒットのおかげで、明らかに予算が上がっている……(笑)。登場人物は4人になり、持ち主不明のノートパソコンから4人の映像を再生して真実を解明していくというものみたい。Steamのページによると、最初から日本語字幕に対応しているみたいなので楽しみに待ちます!

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『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』紹介/没入感抜群!これぞ『ドラクエ』の主人公になれるアクションゲーム

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<画像はWii用ソフト『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
「主人公=自分」のコマンドRPG:ドラクエを、アクションゲームにするとこうなる!
ジャイロセンサーのなかったWiiリモコンで剣を振るゲームを作る四苦八苦
シリーズおなじみの敵キャラが、「アクションゲームの敵」として上手く調理されている


『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』
・発売:スクウェア・エニックス、企画:ジニアス・ソノリティ、開発:エイティング
 Wii用ソフト:2007年7月12日発売
・体感アクションRPG
・セーブスロット数:2


 私がエンディングまでかかった時間は約12時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください


【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:△(ドラクエ本編に比べれば鬱度は弱い)
・恥をかく&嘲笑シーン:×
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:△(敵モンスターに蜂などはいる)
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◆ 「主人公=自分」のコマンドRPG:ドラクエを、アクションゲームにするとこうなる!
 このゲームはWii初期に発売された『ドラゴンクエスト』シリーズのスピンオフ作品で、「Wiiリモコンを剣に見立てて振って攻撃」する体感アクションゲームになっています。

 元々このゲームの4年前にあたる2003年に、(ゲーム機のソフトではなく)テレビに直接つないで遊べる体感ゲームマシン『剣神ドラゴンクエスト 甦りし伝説の剣』が発売されていて、『ドラゴンクエストソード』はそのコンセプトを受け継いだ精神的続編のようなものです。
 エポック社の体感ゲーム(2000年~)、バンダイのLet's! TV プレイ(2004年~)、コナミのPLAY-POEMS(2004年~)など、Wiiが発売される前の2000年代前半ってちょっとした「テレビに直接つないで体を動かして遊ぶゲーム」のブームめいたところがありました。

 同じ時期にプレイステーション2もEyeToy(2004年)を出していましたし、ドリームキャストは釣りコントローラやマラカスコントローラを出していましたし(2000年前後)、任天堂もゲームキューブではタルコンガを出していましたし(2003年)……「突然変異なゲーム機」のように言われるWiiですが、実は体感ゲームブームの流れを引き継いだとも言えるんですよね。


 もちろん、それまでは「専用のマシン」や「専用の周辺機器」が必要だった体感ゲームが、標準のコントローラだけで遊べるというのがWiiの“英断”で……そのため、Wiiではたくさんの体感アクションゲームが発売されたのですが。
 実はこの『剣神ドラゴンクエスト』や『ドラゴンクエストソード』って、当時たくさん発売された体感アクションゲームとはちょっとちがっていて、単に「体感アクションが流行っているからそれにドラクエを当てはめよう」ってゲームではないと思うんですね。どちらかというと、『ドラゴンクエスト』を忠実にアクションゲーム化しようとしたら体感アクションになった―――というか。


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<画像はNintendo Switch版『ドラゴンクエストヒーローズI・II』体験版より引用>
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<画像はNintendo Switch版『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』体験版より引用>

 近年ではアクションゲームの『ドラクエ』スピンオフ作品も珍しくなくなりました。『ドラゴンクエストヒーローズ』(2015年~)や、『ドラゴンクエストビルダーズ』(2016年~)、もっと前になるとスライムを主人公とした『スライムもりもりドラゴンクエスト』(2003年~)というゲームもありました。

 しかし、それらのゲームは“『ドラゴンクエスト』をアクションゲームにしたゲーム”とはちょっとちがうと思うんですね。
 『ドラゴンクエストヒーローズ』は「ドラクエキャラを使った無双系アクションゲーム」だし、『ドラゴンクエストビルダーズ』は「ドラクエの世界で遊ぶマイクラ風サンドボックスゲーム」だし、スライムはスライムが主人公だし。


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<画像はWii版『ドラゴンクエスト』より引用>

 『ドラクエ』の画面って、元々はこうじゃないですか。
 「プレイヤー=主人公」の目線から見た“一人称視点のゲーム”じゃないですか。

 そのため、イベントシーンも主人公は喋らないし、戦闘中も主人公以外のキャラはAIで行動するのに対して「主人公だけはオートにできない」し、主人公の名前は「プレイヤーが付ける」ため公式の名前が存在しません。戦闘の画面も主人公の目線なので、敵キャラだけがズラっと並びます(戦闘中に味方キャラが映るようになった『8』以降も、まずは敵キャラがズラっと並ぶ)。

 これを『ファイナルファンタジー(以下FF)』シリーズなんかと比べると分かりやすくて、『FF』は主人公キャラにもセリフがあるし、オート戦闘は『FF』だとあまりないけどスマホ版などでは全キャラオートに出来るみたいで、主人公の名前は変更できるけど公式のものも存在していて(『5』のバッツとか『7』のクラウドとか)、戦闘の画面も「味方キャラも敵キャラも全員映る横からの視点」でした。


 『ドラクエ』は一人称視点(主人公=プレイヤー)のRPGで、『FF』は三人称視点(主人公=キャラクター)のRPGなんですね。
 この発想で見ると、『ドラゴンクエストヒーローズ』も『ドラゴンクエストビルダーズ』も『スライムもりもりドラゴンクエスト』も三人称視点のアクションゲームになっているため、「ドラクエをアクションゲームにしたもの」ではなく「アクションゲームのキャラや世界にドラクエを当てはめたもの」だろうというのが先ほどの私の話だったのです。


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<画像はWii用ソフト『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』より引用>

 それに比べて、このゲーム『ドラゴンクエストソード』は一人称視点のアクションゲームです!主人公の目線なので敵がズラっと並びますし、味方キャラはAIで動きますし(「めいれいさせろ」にすることも可能)、これぞ「ドラゴンクエストを忠実にアクションゲームにした形」でしょう!


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<画像はWii用ソフト『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』より引用>

 操作は、「Wiiリモコンを振ると剣を振って攻撃」「Bボタンを押すとポインターの位置に盾を構えて防御」です。戦闘中の移動はできないので、「華麗なステップで敵の攻撃を避ける」みたいなことはできません。
 魔法は主人公は使えず、味方がAIで使ってくれる他、コマンドを開いて味方に使ってくれるよう指示を出すことも可能です。アイテムもコマンドを開いて自分で使います。コマンドを開いている間は敵の動きが止まるのがありがたい。

 闇雲にWiiリモコンを振るゲームというよりかは、「攻撃をするタイミング」と「防御するタイミング」を見極めて、敵に攻撃を出来るタイミングで的確に攻撃を加えるというのが中心のゲームで―――「ターン制のコマンドバトル」をアクションゲームにするとこうなるというカンジで、これも『ドラクエ』っぽいなぁと思いました。


 何というか、「ドラクエをなるべく忠実にアクションゲームにしてください」というお題を出されて作ったみたいなゲームで。ゲームとして面白いかどうかはさておき、ドラクエシリーズが好きな人には「こうやってアクションゲームに落とし込んだのかー」と見てもらいたい作品でした。



↓2↓

◆ ジャイロセンサーのなかったWiiリモコンで剣を振るゲームを作る四苦八苦
 しかし、この作品は発売当時あまり評判が良くなかったんですね。
 当時のWiiリモコンというのはまだジャイロセンサーが搭載されておらず、Wiiリモコンにジャイロセンサーを搭載するモーションプラスの発売はこの2年後の2009年6月、モーションプラスと一体化されたWiiリモコンプラスの発売は更に1年後の2010年11月でした。


 ジャイロセンサーのないWiiリモコンでは思ったような動きが反映されず、Wiiリモコンを縦に振っているのに横斬りと判定されるみたいなこともしょっちゅう起こります。そのため、「Wiiリモコンってイマイチじゃない?」「剣神ドラゴンクエストの方がマシだった」「期待してたのに……」と言われ、Wiiというハードの張子の虎が崩れていってしまい、その矢面に立たされたのがこの『ドラゴンクエストソード』だったのだろうと思うのです。


 その後に任天堂がモーションプラスを発売したようにジャイロセンサーのないWiiリモコンには限界があったのだから、その中でなんとかゲームとして形にしようとした『ドラゴンクエストソード』が責められるのはちょっと可哀想だと思うんですけどね。


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<画像はWii用ソフト『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』より引用>

 ジャイロセンサーのないWiiリモコンで「ちゃんとゲームとして成立させよう」と編み出されたであろうシステムが、このポインターロックシステムです。Wiiリモコンのポインターを合わせて「あらかじめ斬りたいところをAボタンでロック」してから振ると、その地点を通る攻撃になります。
 私はクリア後に攻略サイトを見るまで分かっていなかったんですが、ポインターロックをしていないで振ると必ず画面の中心を斬ることになるんですって。マジかよ……だから、終盤敵の攻撃を弾けなかったワケだ。


 「なるほど!ポインターロックのシステムがあれば思ったところが斬れるから余裕だね!」と思いきや、ゲームが進むと「素早くポインターをロックしつつ縦斬り・横斬り・ナナメ斬りを正確に繰り出さなくてはならない」場面も多く、またポインターをロックしてからWiiリモコンを振るというのは2つの動作が必要で時間がかかるため「敢えてポインターロックを使わないで素早く斬撃を出す」場面もあったりして、全然余裕ではありません。

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<画像はWii用ソフト『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』より引用>


 要は、「思ったように動いてくれないWiiリモコン」を逆手にとって、それをうまく使いこなせるかどうかのゲームデザインにしているのです。
 前述したように、Wiiリモコンは後にモーションプラスを装着してジャイロセンサーが付きますし、現在のNintendo SwitchのJoy-Conにはジャイロセンサーが付いています。そのため、「Nintendo Switchで『ドラクエソード』のリメイクを出してくれないかな。そうすれば思ったような斬撃が出せて楽しいだろうに」という声もよく聞きますし、私もそう思う気持ちもなくはないのですが(その時は『剣神ドラゴンクエスト』とセットにしてくれたら嬉しい)、ジャイロセンサーで思ったような斬撃が出せるようになったらこのゲームはムチャクチャ簡単になっちゃうんですね。

 そうすると、もうゲームスピードから全部作り直さなくちゃいけなくなるから移植とかリメイクとかは難しいんじゃないかなぁと思います。
 「体感アクションゲームとしてのドラクエ」は専用アリーナで遊ぶ『ドラゴンクエストVR』が出てきているので、もし新作が出るとしたらVRっぽいヤツになりますかねぇ。VRだと私、3D酔いしちゃうので遊べないのが残念ですが……


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<画像はWii用ソフト『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』より引用>

 その点、この『ドラゴンクエストソード』は安心です!
 一人称視点のゲームですが、基本はレールに沿って前に進むだけで、視点を動かしたりは出来ません。3D酔いが起こる場面は、ゼロとは言いませんが、一人称視点のゲームの中ではかなり少ないゲームだったと思います。


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<画像はWii用ソフト『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』より引用>

 ただまぁ、そこがゲームとしての不満点でもあるんですよねぇ。
 「イカダに乗って川を進む」みたいな場面はあるものの、基本的にどのステージも「前に進みながら敵をやっつけていく」だけなので、もっと変化のあるステージも欲しかったところ。町がモンスターの群れに襲われているから防衛する、みたいな毛色のちがうステージがあればよかったのに……とは思うんですが。それはあまりドラクエらしくないってことなのかなぁ。


↓3↓

◆ シリーズおなじみの敵キャラが、「アクションゲームの敵」として上手く調理されている
 『剣神ドラゴンクエスト』は、『ドラゴンクエストI』のストーリーを追体験する作品で。
 『ドラゴンクエストVR』は、『ドラゴンクエストIII』の舞台をVRで再現したものなのですが。

 今作『ドラゴンクエストソード』は、まったく新しい舞台とストーリーとキャラクターの完全新作となっていました。


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<画像はWii用ソフト『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』より引用>

 しかし、敵キャラはドラクエシリーズおなじみのモンスター達です。
 当時すでに『ドラゴンクエストVIII』で3D化されていたとは言え、リアルタイムに動くアクションゲームの敵キャラとしてドラクエのモンスター達が出てくるのはテンション上がりますね。


 原作では「レベルを上げて物理で殴れば倒せる」モンスター達ですが、今作ではアクションゲームの敵なので、各キャラごとに「攻撃の後に隙ができるのでまずは防御してからカウンター」とか「遠方から矢を放ってくるのでそれを斬撃で弾き返す」といった対処法を見つけなければなりません。
 ボス戦なんかは「このモーションの時はこの攻撃をしてくるので素早く4回防御して、直後の隙に2発叩き込む」みたいにパターンを覚えて見切っていくゲームになるので、ちょっとした『SEKIRO』ですよ。

 まぁ、『ドラクエ』というよりかは『ゼルダ』っぽいなとは思うのですが、「ドラクエでお馴染みのあのキャラ達をアクションゲームにするとこうなる」という再現が面白かったし、アクションゲームの敵としてちゃんと個性が出ていたのは良かったと思います。


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<画像はWii用ソフト『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』より引用>

 私のお気に入りは「メタルスライム系」の扱いでした。
 他の敵と戦っている際に高速で下を駆け抜けるので、ここで咄嗟に斬りかからないとそのまま逃げられるという。もちろん倒せば経験値がドカッと入ります。

 ガンシューティングゲームにおけるレアアイテムみたいな扱いだと思うんですが、「メタルスライムが出た時の驚きと喜び」と「逃げられた時の喪失感」という原作の要素を見事に再現していると思うんですね。


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<画像はWii用ソフト『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』より引用>

 「くさったしたい」の登場が、ホラーゲーム的というかお化け屋敷的なのも好き。
 そういやコイツ、ゾンビだったな!



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<画像はWii用ソフト『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』より引用>

 メーカー公式のジャンルは「体感アクションRPG」とのことで、確かにレベルアップのシステムや装備の概念もあるのですが、ゲームとしての骨格は「ステージクリア型のガンシューティングゲーム」に近いと思われます。
 レールに沿って一本道を進み、ランダムエンカウントやシンボルエンカウントではなく毎回必ず同じ敵が同じ場所で登場して、ステージクリア時にはスコアが集計されてハイスコアが残り、同じステージを何度も遊んでハイスコア更新を目指す―――――

 「ボリュームが少ない」「すぐに終わってしまった」という人もいましたが、ガンシューティングゲームとして考えればステージ数はそれほど少ないとは思いません。同じ時期に出たWiiのガンシューティングゲームで比較すれば、セガの『ゴースト・スカッド』なんて全3面ですからね(笑)。
 どっちかというと、先ほど書いたように「凝られたシチュエーションでの戦闘がない」ことの方が私は不満なのですが、このゲームの場合はその分の労力を「様々な敵との戦闘」にかけたとも言えて、まぁその方がドラクエらしいと言えばドラクエらしいとは思います。


 難易度は決して低くないと思うのですが、「対処法」が分かるとダメージを一気に抑えられたり、一つ装備をグレードアップするだけでものすごく強くなれたり、ステージに持ち込める回復アイテムの数が限られているため「このまま進むか町に引き返すか」の葛藤が大きかったり、ゲームバランスはとても良かったと思います。
 「対処法」に気付くまでは「なんだよこのゲーム、クソかよ」と愚痴っていたら、「あ、こうすればイイのか」と気付いて、「やっべ、オレ天才かも」と掌返したことが何度もありましたからね。


◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はWii用ソフト『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』より引用>

 ドラクエシリーズのキャラや世界が好きで、ゲームジャンルとしてはガンシューティングゲームが好きな人に是非オススメです。そんな人、あんまりいない気がするけど(笑)。

 「あのドラクエの要素をこう落とし込んだのか!」が面白いので、ドラクエに全く興味がない人にはさほど楽しめないと思いますし。アクションゲームが苦手だからドラクエ遊んでいるという人には、このゲームみたいに「何度も死んで対処法を覚える」タイプのアクションゲームはキツイように思えるし。人を選ぶゲームだとは思うんですよねぇ。

 ただ、「主人公=自分」になりきって戦えるドラクエのアクションゲームとして他にはない魅力を持っていると思いますし、個人的にはとても楽しめました。この路線もまた復活して欲しいですね。あ、福引はもうなくてイイです。


 

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