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『シンフォニック=レイン』紹介/全ルートが計算され尽くしたストーリーに唸るべし!

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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
“欝ゲー”が最前線だったゼロ年代前半の名作が待望のHD移植
『ヤマノススメ』のしろさんが描く丸っこいキャラと、石畳の街並みと、幻想的な音楽と
全ルートをプレイするとパズルのようにカッチリとハマるストーリー


『シンフォニック=レイン』
・発売:工画堂スタジオ
公式サイト
 PC用パッケージ版:2004年3月26日発売
 Steam版(HD移植):2017年6月15日発売
 Nintendo Switch用ソフト(HD移植):2018年12月13日
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
・ビジュアルノベル+リズムゲーム
・リズムゲーム時以外なら、好きな時にセーブ可能
 ※ Nintendo Switch版はセーブスロットが64コでした

 私が全ルートクリアにかかった時間は約25時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:◎(“欝ゲー”全盛期の時代のゲームなんで、容赦なく牙を剥く)
・恥をかく&嘲笑シーン:△(一人ずつ生徒が追い出される授業はちょっとつらいかも)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:○(一つのルートのみ、それがあったことが匂わされる)

↓1↓

◇ “欝ゲー”が最前線だったゼロ年代前半の名作が待望のHD移植
 このゲームは元々2004年に工画堂スタジオから発売されたPC用のビジュアルノベルゲームです。PC用のノベルゲーですが最初から18禁要素はありません。

 また、最近の工画堂スタジオのゲームと言えば『白衣性恋愛症候群』『白衣性愛情依存症』『夢現Re:Master』と百合ゲーが有名ですが、このゲームは百合ゲーではありません。男の子が主人公でヒロインを選択して個別ルートに進むビジュアルノベル……典型的な「恋愛アドベンチャーゲーム」だと思ってもらえばイイと思います。
 この時期の工画堂スタジオはビジュアルノベルにリズムゲームを合わせた「ミュージックアドベンチャーシリーズ」をいくつも出していて、この次の次の『ソルフェージュ』(2007年)が百合ゲーだったことで、会社として百合ゲーに力を入れていくのかなぁと思います。


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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

 このゲームについて語り始める前に、このゲームが最初に発売された2004年当時のPC用ゲームの状況について少し語っておこうと思います。
 今「PCでゲームを遊んでいる」と聞くと、恐らく大半の人はSteamのようなダウンロードゲームのプラットフォームを思い浮かべると思いますし、それ以前のPCゲームと言えばMMORPGとかFPSとか「ガチでゲームが大好きなマニアックな層」のゲームを連想してしまうかも知れませんが……1990年代後半~ゼロ年代前半は、日本のPCゲームと言えばエロゲーだったんですね。

 「エロゲー」というと、「エロ本」「エロ漫画」「エロビデオ」みたいな性欲処理のための商品と思われるかもですが、その時期の「エロゲー」は感動的なシナリオで泣かせにかかる“泣きゲー”や、重厚なシナリオで打ちのめしにかかる“欝ゲー”など、ストーリー重視の作品が流行っていて多数の才能が現れたんですね。
 例えば、後にアニメ『Angel Beats!』や『Charlotte』の原作を手がける麻枝准さんの『Kanon』(1999年)『AIR』(2000年)、『まどか☆マギカ』で時の人となった虚淵玄さんの『沙耶の唄』(2003年)、現在でも『Fate/Grand Order』が大ヒット中の奈須きのこさんの『月姫』(2000年)『Fate/stay night』(2004年)などなど……

 今だったら、例えば『小説家になろう』に小説を書いて投稿するような才能が、当時はそんな投稿サイトはなかったので「エロゲー」という分野に集まったのかなぁと思います。
 2000年前後にはPCの普及率も上がってくるので、ヲタク側としても漫画やゲーム機だけでなくPCを買うことがマストになっていて、例えばこの時期のヲタク大学生を描いた漫画『げんしけん』(2002年~)にも「エロゲーを遊ぶためにPCを買う」という話がありました。


 そして、ストーリー重視の「エロゲー」からエロを抜いて家庭用ゲーム機に移植して、そこでも大ヒットするゲームもたくさんあったため、ゼロ年代の前半あたりから「じゃあ、最初からエロなしでもイイんじゃねえの?」という空気が出てきます。ラムネのおまけにおもちゃを付けていたら、おもちゃの方がメインになってラムネがおまけになっていったので、最終的におもちゃだけをコンビニに並べるようになったみたいな話―――

 2002年から頒布が始まった『ひぐらしのなく頃に』、2004年の『CLANNAD』は、最初から18禁ではない「エロなしのPC用アドベンチャーゲーム」ですが大ヒットしました。そして、この『シンフォニック=レイン』が発売されたのは、まさにこの時期なんですね。工画堂スタジオは元々全年齢向けのアドベンチャーゲームをPC用に発売していたのですが、ちょうど『CLANNAD』と同時期に出たのがこの『シンフォニック=レイン』なのです(こちらの方が1ヶ月早い)。

 そう言えば、『ひぐらし』も『CLANNAD』も『シンフォニック=レイン』も、ヒロインのCV.が中原麻衣さんですね……(笑)。

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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>


 ということで、このゲームのストーリーも結構な“欝ゲー”だと思います。
 そもそものゼロ年代前半は、漫画でもアニメでも「欝な設定のシリアスなストーリー」が流行っていたんですね。例えば『鋼の錬金術師』なんて、母親が死んだから小さな兄弟が母親を錬金術で生き返らせようとしてしまい、その代償で弟は鎧の体になってしまう―――とか、今考えると「どんだけ可哀想なスタートラインだよ!」と言いたくなるのだけど、ゼロ年代前半はそういう設定の作品ばかりだったので当時は全然気にしていませんでした。


 さて、そんな『シンフォニック=レイン』なんですけど、当時は家庭用ゲーム機にも移植されず、メディアミックスなどもされなかったため「知る人ぞ知る名作」だったみたいです。Amazonでもちゃんと付属品が入ったヤツを買おうとすると15000円とかする……
 それが、2017年に現在の基準に合わせてグラフィックを描き直してHD化した上でSteam版が発売、その移植版が2018年にNintendo Switchで発売されたということです。私は当時、ブログの読者の方から「遊んでほしい」とプレゼントされ(同額のAmazonのギフト券を送ってもらうという間接的な形で)、1年9ヶ月放置していたんですけどようやくこの度プレイして「なるほど! これは名作だわ!」と唸りました。

 「欝ゲー」の要素はあるので、ぶっちゃけとあるルートのエンディングの後はしばらく落ち込みましたが、全ルートをプレイしてコンプリートした時には「よくぞ現行機に合わせて復活させてくれた!」と思いました。推していくためにも、紹介記事を書くことにしたのです。



↓2↓

◇ 『ヤマノススメ』のしろさんが描く丸っこいキャラと、石畳の街並みと、幻想的な音楽と
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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

 さてさて、この作品最大の魅力は「ストーリー」だとは思いますが……
 2020年にこの作品を紹介するにあたって、分かりやすくたくさんの人に伝えやすいキャッチーな部分に触れるとなると―――このゲームのキャラクターデザイン・原画を務めたのは、後に『ヤマノススメ』の原作を描くことになるしろさんです。「初めていただいた仕事」ということで、これが彼のキャリアの始まりだとか。この丸っこい顔と、淡い色使いは確かにそれっぽい。

 最初にOP映像を観たときは「みんな同じ顔に見える」と思ったのですが、実際にプレイしてみると表情の変化とか、声優さんの力で、全然ちがう顔に見えるようになっていきました。


 ちなみに、HD移植化にあたってキャラ絵は完全にリニューアルしたみたいで、2004年版のスクショと見比べると目の描き方が現代風になっていますね。この修正作業を、全キャラ分&全スチルでやったのか……


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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

 このゲームの舞台は、1年中雨が降り続ける架空の街ピオーヴァです。
 「ナターレ(クリスマス)」、「トラットリア(大衆向け食堂)」などイタリア語が普通に出てくるし、「南北に長い国」という説明も出てくるので、イタリアがモチーフじゃないかと思われます。

 ガソリン車はあるみたいですが、スマホやインターネットどころか、電話やテレビすら出てきません。街の外の人と連絡を取るためには手紙を出して何日も待たなくてはいけないし、コンビニとかもないみたいなので、現代ではなくて少し前の時代のイタリアっぽい架空の国といったところですかね。

 主人公はこの街の音楽学院に通うために一人暮らしをしています。


 最近ちょっと考えたことなんですけど、「恋愛アドベンチャーゲーム」において一番大事なのは「主人公が日常を送る場所」じゃないかと思うんです。
 例えば、ものすごく魅力的な女のコがいたとしても、そのコは一ルートのヒロインに過ぎず、他のルートではほとんど出番がなかったり引き立て役にまわったりします。総プレイ時間の何分の1しか、そのコは出てこないんですね。また、どんなにストーリーに魅力がある作品だったとしても、ストーリーで「うぉ、面白い!」と思わせられるのってポイントポイントであって、それ以外の時間はそこに向けた積み重ねだったりします。

 だから私、「恋愛アドベンチャーゲーム」は、主人公がプレイヤーの代わりにする「寝て」「起きて」「歩いて」「学校に通って」「食事をして」という日常が一番大事で、その日常を過ごす「場所」が魅力的じゃないとならないと思うんです。


 雨が降り続ける石畳の街ピオーヴァは街並みも建物もオシャレで、主人公達が食べているものも名前を聞いただけではよく分からないイタリア料理だったりしてオシャレ。日本人のプレイヤーには馴染みのない街や食べ物も、「故郷を離れて一人暮らしをしながら音楽学院に通っている主人公」の気分に上手くマッチします。


 更に、この舞台に合わせたBGMや楽曲もとても幻想的で良いです。
 音楽を担当された岡崎律子さんは、ご自身で歌を歌われるシンガーソングライターなだけでなく、林原めぐみさんを始めとする声優さんやアニメにも多数の曲を書いた作詞・作曲家でしたが……このゲームが発売された直後の2004年5月に、病気のために亡くなられています。
 そのため、「岡崎律子さんの遺作」になってしまい、彼女のファンにとっても思い入れの強い作品となっていたみたいです。



↓3↓

◇ 全ルートをプレイするとパズルのようにカッチリとハマるストーリー
 さて、いよいよ「ストーリー」について切り込みます。
 このゲームのシナリオを書いたのは、『My Merry May』で私に強烈なトラウマを植え付けてくれた西川真音さんです。しろさんの描く可愛らしいキャラクターと、キレイな背景とBGMで、どんな残酷なストーリーをぶつけてくるんだろうと私は最初から警戒していました。みなさんにも分かりやすい例で言うなら、「脚本:虚淵玄」って書かれてたらもうその時点で身構えるでしょみたいな話です。


 そして、案の定。
 このゲーム、ヒロインを「選ぶ痛み」をプレイヤーに突きつけてくるストーリーとなっていました。


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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

 というのも、このゲームの主人公クリスは、最初から「遠距離恋愛中の恋人」がいるんですね。名前はアリエッタ(愛称:アル)。

 音楽学院に通うために故郷から遠く離れた街に一人暮らしをしている主人公とちがい、主人公の故郷に留まってパン屋で働いている幼馴染です。遠く離れた街に暮らす2人は、週に1度の手紙のやり取りだけで繋がっています。日曜日の夕方にアルからの手紙が届き、クリスはその返事を月曜日の朝にポストに入れるというサイクルを―――3年近く続けてきました。


 物語が始まるのは11月27日。
 音楽学院(年齢的には日本の高校にあたるものみたい)の3年生のクリスは、1月20日の卒業演奏を無事に終えれば、卒業してアルのいる故郷の街に帰ることが出来ます。


 ただし、クリスの演奏するフォルテール(工画堂スタジオのミュージックアドベンチャーシリーズに登場する架空の楽器)科は単体の演奏だけではダメで、誰か別の人にパートナーになってもらって「歌唱」してもらわなくてはなりません。プレイヤー=クリスは、そのパートナーを「選択」しなくちゃいけないんですね。



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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

 その候補の一人が、トルティニタ(愛称:トルタ)
 アルの双子の妹で、クリスにとっても幼馴染です。クリスとアルとトルタは小さい頃から3人で音楽教室に通い、クリスはフォルテールの才能を、トルタは歌の才能を開花させるのですが、アルだけは音楽の才能がなかったためパン屋という他の道に進みます。

 音楽の才能があった2人はピオーヴァにやってきて音楽学院に通うのだけど(クリスはフォルテール科、トルタは声楽科)、音楽の才能のなかったアルだけは故郷に残る―――でも、クリスが選んだのはアルの方で、双子の恋人の方は遠く離れた街に暮らし、双子のもう片方と同じ街に暮らして同じ学院に通っているという。

 この際どくて危うい3人の関係性が、『タッチ』みたいで胸キュンポイントでもあります。


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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

 第2候補は、元生徒会長のファルシータ(愛称:ファル)
 おしとやかで礼儀正しく、同級生だけでなく教師からも頼られる存在です。

 声楽科に通う彼女もまた卒業演奏のパートナーを探していたため、クリスが声をかけられます。
 このゲームをプレイした人はみんなファルについて語りたくなるみたいで、全ルートクリア後に感想やらレビューやらを読み漁るとみんなファルについて語っていました。アルやトルタじゃなくて、敢えてファルなのか!



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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

 第3候補は、1年生のリセルシア(愛称:リセ)
 私の推しです。小っちゃくて可愛いし、CV.が折笠富美子さんですし。

 ただ、ヒロインズの中では影が薄いのか、感想記事なんかを読み漁っていたら「普通のギャルゲーだったら一番人気になったかも知れないのにねぇ……」なんて言われていました(笑)。
 でも、誰も使っていない旧校舎でこっそり歌っているところを主人公が見つけて、徐々に仲良くなっていく様とか「青春!」ってカンジがして私は大好きでしたよ。




 「恋愛アドベンチャーゲーム」において「ヒロインを選ぶ」ということは、「そのコ以外のヒロインを切り捨てる」ということ。この3人の中から卒業演奏のパートナーを選ばなくちゃいけないのだけど、「誰かを選ぶ」ということは、遠く離れた街にいるアルを裏切ることになるんじゃないかとクリスは悩み、ギリギリまでその答えを出さずにいるという。最初から「遠距離恋愛中の恋人がいる」という設定のため、誰も裏切らない選択が出来なくなっているんです。


 ちなみに、期限までに誰も選ばない優柔不断プレイをすると、「期限切れだ」とコーデル先生の連れてきたパートナーと組まされて、最低限の演奏をしてとりあえず卒業してアルのいる故郷に戻るというエンディングになるのですが……これがバッドエンド扱いなんですよ。

 「恋人以外の女性を選ばず、恋人だけを一途に愛し続ける」とバンドエンドになる辺りが、なるほど西川真音さんらしいわ!


 でも、バッドエンドも含めて全部のルートにしっかり意味があるし、一つのルートをプレイしただけでは結構謎も残るのですが。他のルートもプレイすると「なるほど、あのルートでの彼女はだからあんなことを言ったのか!」がしっかりと分かるようになっているのが面白かったです。

 「選ばれなかったヒロイン」の行動にもちゃんと意味があって、選ばれなかったとしても彼女達のキャラクターは損なわれることなく彼女達の人生を歩んでいることが分かるというか。



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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

 その他のキャラも簡単に……
 フォーニは、クリスの住む部屋に現れる音の妖精です。

 このゲームの世界は既に科学文明が発展していて車や汽車があるのだけど、かつては魔法が存在していて、クリス達が使うフォルテールという楽器も魔力に反応する楽器らしいのです。だから、音の妖精が部屋にいてもおかしくない……と思ったら、どうやらクリス以外には見えないし、声も聞こえないみたい。

 クリスもそうだけど、プレイヤーも、このコの明るさにどれだけ救われたことでしょう。


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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

 クリスにとって唯一の男友達のアーシノ
 クリスやトルタとちがって貴族らしく、お金持ちで、交友関係も広いリア充。


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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

 そして、クリスの担当教師であるコーデル先生
 HD化して復活した際の公式サイトのコメントで、シナリオの西川真音さんが「コーデル先生がお気に入りなのに、どうして昔の私はコーデル先生ルートを作らなかったのか」と書いていたのですが、むしろコーデル先生にとってはその方が幸せだったのでは!?と思わなくもない(笑)。



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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

 ゲームとしては、時折表示される選択肢を選んでいく典型的なノベルゲームです。マップの中から行先を選ぶ場面もありますが、それも要は「選択肢を選んでいる」だけですからね。
 分岐はさほど複雑ではないと思いますが、「この選択肢を選ぶとバッドエンド直行」というところがあるので、12月中旬あたりから選択肢が出てきたらセーブするのがオススメかな。

 Rボタンで既読スキップ、十字キー上でバックログと、ノベルゲーに必要な機能は揃っていると思います。



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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

 このゲームの特徴とも言える「リズムゲーム」パートですが、これは私には合いませんでした。
 判定がかなり厳しいというのもあるのですが、そもそもの判定の「GOOD」とか「BAD」とかの文字が恐ろしく小さくて色も同じなため、今俺が押したリズムが合っているのかすら分からないんですね。リズムが合っている時とそうでない時で音が変わるような気もするのだけど、フォルテールという楽器は色んなパートの音を出す楽器みたいで場所によって全然ちがう音が出てしまうし。

 難易度を三段階で変えることが出来るのだけど、変わるのは8ボタン-4ボタン-2ボタンと使うボタン数だけで判定は変わりません。リセの曲なんかはリズムが取りやすいので8ボタンでもそこそこ行けるのたけど、ファルの曲はリズムが取りづらくて2ボタンでも厳しい……
 そもそも卒業演奏に向けて同じ曲を何度も練習させられるから飽きてしまうし、禁断の方法「オートプレイ」にすることも出来るのだけどNintendo Switch版だと「オートプレイ」の演奏をカット出来ないため、周回プレイだと同じ曲の「オートプレイ」を延々と繰り返し聞かされる羽目に。

 でもまぁ、この辺は私に音楽的センスが規格外に欠如しているせいだとも言えますし、そんな私でもしっかり全エンディングが見られるように「オートプレイ」が実装されているのは助かったとも言えますね。もし「オートプレイ」がなかったら……ガクブル。



◇ 結局、どんな人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch版『シンフォニック=レイン』より引用>

 緻密に計算されたストーリー、可愛らしいキャラクターと、キレイな街並み、幻想的なBGMや楽曲の数々……様々な才能が集まったゼロ年代前半のPCゲームの中でも、未だに語り続ける人がいるのも納得な作品でした。ノベルゲームが好きだったら、是非手を出して欲しい作品です。

 価格はちょっと高い(フルプライスゲーの定価とほぼ変わらない)んですが、工画堂スタジオは定期的にセールもやるのでその時まで待ってもらっても構わないからオススメしたいです。


 それはそうと……この作品に熱烈なファンがいるからなのか、PC用の愛蔵版や普及版が出た時の特典や、同人誌などで、外伝や後日譚となる小説が多数書かれているみたいなんですね。ただ、現在だとそれらを入手するのは困難なので……電子書籍などで再販してくれないかなぁと思っています。自分も含めて、HD版から入ったファンも多いでしょうから。

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『タケシとヒロシ』紹介/ゲームが大好きな(大好きだった)人に送る珠玉の短編ゲーム

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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
Apple Arcade出身ならではの「短くてもイイや」と割り切ったゲーム
ゲームが大好きな弟のために、お兄ちゃんがゲームになる!
ジャンルは逆タワーディフェンス? ゲームを作る人の苦労が分かるわ……


『タケシとヒロシ』
・発売:オインクゲームズ
公式サイト
 Apple Arcade版:2019年11月8日配信開始
 Nintendo Switch用ソフト:2020年8月26日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
・アドベンチャー+タワーディフェンス
・セーブ方法:チャプターごとにオートセーブ



 私が1周クリアにかかった時間は約02時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:△(病気の弟は出てくるけど明るい話)
・恥をかく&嘲笑シーン:×
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ Apple Arcade出身ならではの「短くてもイイや」と割り切ったゲーム

 このゲームを開発したのはアナログゲームも作っている東京の会社:オインクゲームズです。デジタルゲームは主にiOS向けのスマホゲームを作っていて、いくつかはゲーム機用にも移植されていますね。


 そうした作品がAppleから受賞されたこともあったそうで、その縁なのかこのゲーム―――元々はAppleのサブスクリプションサービス「Apple Arcade」で独占配信されていたゲームなんですね。

 「Apple Arcade」にて新作ゲーム「タケシとヒロシ」本日リリース決定

 Apple Arcadeとは―――Appleが提供する「月額600円で指定のゲームが遊び放題になるサービス」です。GoogleのSTADIAとごっちゃになっている人もいるかもですが、あちらは買い切りのクラウドゲーム(日本では始まっていない)で、こちらは月額課金で遊び放題のダウンロードゲームと、方向性は正反対です。

 私は、ゲームはビジネスモデルに縛られているものだと思っています。アーケードゲームは連コインさせるために難しくされるし、ゲーム機用のゲームは中古に売られないように長くなるし、基本無料のスマホゲーだってずっと遊んでもらうために延々と終わらないゲームになるし。基本的には「難しくなる」か「長くなる」のがゲームの宿命だったんですね。

 「ダウンロード専売ゲーム」が出てきたことで、中古に売られることを怖がらないゲームが増えるかなと思いきや、あまりに短いゲームには「面白かったけどすぐにクリア出来たから返金してくれ」という声があがるなど、その宿命からは完全には逃れられませんでした。


 Apple Arcadeが始まった時に期待したのはここでした。
 月額課金で遊び放題のビジネスモデルならば、今までのビジネスモデルでは許されなかった新しいゲームがバシバシ出てくるのでは? と思ったんですね。

 例えばこのゲーム、一晩もあればクリア出来るボリュームしかありません。
 繰り返し遊べる要素もハイスコアを目指すことくらいで―――私は「短いゲーム」に不満を抱いたことがないのでこれくらいで大満足なんですが、900円払ってNintendo Switch版を買った人の中には「もう終わっちゃったの」と思ってしまう人もいるかもなぁと思います。

 でも、Apple Arcadeなら月額600円で遊べる100種類以上のゲームの中の一つなんですよ。
 一晩で終わることはマイナス要素ではなく、「じゃあ今日の夜はまた別のゲームを遊んでみようかな」と次の1本に進める―――『深世界』とか、『WHAT THE GOLF?』とか、Apple Arcadeで独占配信になっていたゲームがNintendo Switchなどで出ることが続いていて「Apple Arcadeって厳しいのかなー」と思っていたのですが。
 発想を裏返してみると、Apple Arcadeで遊び放題のゲームが他機種に移植されて名をあげると「Apple Arcadeならこれもこれもこれも600円で全部遊び放題なのかよ!」とお得感が出てきているんですよね。

 私はNintendo Switch版を買いましたが、環境のある人ならばApple Arcade版という選択肢も全然アリだと思います。


 また、こどもの頃は何十時間とゲームに夢中になれたけど、社会人になったらそんな時間がなくて最近はゲームを遊ばなくなっちゃったという人も多いと思います。先ほども書いたように、ゲームはそのビジネスモデル故に「難しい」か「長い」かになりがちですからね(その呪縛は基本無料のスマホゲーだって逃れられていない)
 でも、新しいビジネスモデルから生まれたこのゲームは一晩でサクッと終わるボリュームのゲームです。時間はさほどかかりませんし、社会人になって時間はないけどお金はあるって人なら、Apple Arcadeの月額600円はもちろん、Nintendo Switch版の買い切り900円も決して高くはないんじゃないかと思います。

↓2↓

◇ ゲームが大好きな弟のために、お兄ちゃんがゲームになる!
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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 このゲームのストーリーは人形アニメで語られます。
 任天堂のIndie Worldのトピックスで撮影の様子が1枚だけ写真で載っていますが、関節が動く人形を使ってポーズと表情を変えながら1コマずつ撮影されたそうです。手描きアニメやCGアニメも大変だろうけど、人形アニメもこれはこれで作るのムチャクチャ大変そう!


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 主人公は、中学2年生のタケシと、小学2年生のヒロシの兄弟です。
 ゲームクリエイターになるのが夢のタケシは、いくつかの素材を作ってゲームっぽいものに仕上げていました。「ゲームっぽいもの」を「ゲーム」と言い張って弟に見せれば感動されるだろうと思ったら、弟のヒロシが遊んでみたいと言い出してしまいます。ゲームとしてはまだ完成していないのに……


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 そこでタケシが考えた手段が、「弟がプレイする様子を見ながら、適度にハラハラしつつ、でもちゃんとクリアできるようなバランスでモンスターを人力で送り込む」というものでした。ゲーム部分の詳しい説明は次の項で述べますが、「オートで突っ込んでくる弟の勇者」に対して「迎え撃つモンスターを選んで配置する」タワーディフェンスのようなゲームですね。
 ゲームを遊ぶ側とゲームを作る側、両方が笑顔にならなければならない―――この発想は、アナログゲームをたくさん作ってきた会社ならではじゃないかと思います。アナログゲームはプレイヤー全員がハラハラして笑顔になれるバランスを考えなくちゃいけませんからね。


 こうして「嘘で始まったゲーム」だけど、弟のヒロシにとっては病弱な自分に勇気を与えてくれるもので、兄のタケシにとっては「もの作りの楽しさ」と「思ったようにはいかないもどかしさ」とを同時に味わわせるもので―――ゲームプレイヤーとしての物語と、ゲームクリエイターとしての物語の両方が描かれるのがイイのです。

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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>



 そうそう、Apple Arcade版からNintendo Switch版に移植される際の追加要素で、更にApple Arcade版にも後からアプデで追加された要素に―――ライバルキャラ:ヨースケが作ったゲームを実際に遊ぶことが出来るというものがあります。

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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 『500m ゾンビエスケープ!』――――
 これはこのメーカーがiOSやニンテンドー3DSで発売した『1000m ゾンビエスケープ!』の機能縮小版かなと思います。Aボタンをタイミングよく押していくことでキャラを歩かせて、なるべく長く進め!


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 私の最長記録は101mなので、別に500m歩けなくても話は進むし、500m行くとどうなるのか私は知りません。これを500m行ける人ってすごくない?


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 この『500m ゾンビエスケープ!』も含めて全てのチャプターがタイトル画面から選んで遊べるのだけど、このチャプター画面も可愛くて好き。ノートの上に、写真とかクリップとか載っていて、手描きの文字やイラストが散りばめられている―――それほど予算のないインディーゲームでも、こういうところをしっかりデザインしているとムチャクチャ印象良くなりますよね。


 ということで、キャラもストーリーもデザインも最高のゲームだったのですが―――
 唯一の不満点はエンディングです。

 そこまでの作り込みに比べて、「予算が尽きたの!?」と言いたくなるくらい簡素で、特にBGMが無音だったのは寂しかったです。バグか何かでBGMが再生されないだけか?と、もう一度エンディングを見たけどやっぱり無音でした。どうしてそんなことに。

↓3↓

◇ ジャンルは逆タワーディフェンス? ゲームを作る人の苦労が分かるわ……
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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 ゲーム部分もしっかり出来ていて、ちゃんと面白かったです。
 公式サイトなんかでは「人形アニメとRPGの融合」みたいに書かれているのですが、「RPG」として楽しんでいるのは弟のヒロシの方で、プレイヤーの分身たるタケシにとってはどちらかというと「タワーディフェンス」に近いんじゃないかなぁと思います。

 向かってくる勇者に対して、モンスターを配置して迎え撃つ―――
 『勇者のくせになまいきだ』とか、『光と闇の姫君と世界征服の塔 ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』みたいに、プレイヤーはモンスターを配置する側なんですね。


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 ただし、勇者をやっつけてはいけません。

 というか、勇者をやっつけるだけなら超簡単なゲームですからね。普通のタワーディフェンスにはある「コスト」みたいな概念がないので強力なモンスターをたくさん配置できてしまいます。

 でも、弟のヒロシは、まだ小学2年生です。
 ゲームオーバーになったら哀しんでしまいます。


 かと言って、手応えのないゲームだったらすぐに飽きてしまうのがこども。


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 なので、プレイヤーが目指すのは勇者の残りHPが少ない状態での、勇者側のギリギリの勝利です。例えば、スクショの場面だと残りHPは5です。

 ギリギリの展開になればなるほどヒロシのドキドキ度が上がり、勝利後にそれは「たのしさゲージ」に積みあがっていって、5ラウンドまで繰り返して「たのしさゲージ」が目標まで到達していればそのチャプターはクリアです。逆に5ラウンド終了時に「たのしさゲージ」が目標まで届いていないか、勇者のHPが0になってしまうとゲームオーバーです。
 Apple Arcade版の初期にはなかったそうなのですが、2ラウンドを超えると中間ポイントが出来るので、中間ポイントを活かしてギリギリを攻めるのが攻略のコツです。



 弟のヒロシが楽しめるギリギリの展開を目指すには、配置できるモンスターの強さと特性をしっかり把握しなければならないし、遊んでいるとゲームを作る側の視点になっていくんですね。私が今まで「難しすぎる! どうしてゲームを作る人はゲームをこんなイヤガラセみたいな難易度にするんだ!?」と文句を言ってきたゲームも、ヒロシがドキドキできるギリギリの展開を目指してそうしていたのかなぁ……とか考えたりして。

 いや、でも、あのゲームとかあのゲームとか、絶対に「プレイヤーが苦しんでいる様をほくそ笑む」ために難しくしていたぞ! おのれー! とか考えたりして(笑)。


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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 全体的には「アクションゲームが苦手な人でも楽しめるゲーム」だと思うのですが、ゲームが進むと1ラウンドに1回だけ使える「絶対に回避が出来る」コマンドと、「絶対にクリティカルが出る」コマンドが出てきます。
 クリティカルの方はともかく、回避の方は敵の連続攻撃の中の「この一撃」を見極めてボタンを押さなくちゃいけないのでアクションゲームが苦手な人は苦戦するかも。例えばこの敵は「通常攻撃」と「特殊攻撃」の2パターンをランダムで行うってときに、「特殊攻撃」の時だけ回避したいことがあるんですね。「特殊攻撃」の方だと分かるテキストが出た瞬間に回避ボタンを押そうとして、間違えてクリティカルのボタンを押してゲームオーバーになってしまったことが何回あったことか……


 Apple Arcade版はタッチ操作のみでコントローラー操作に非対応だったらしいのですが、Nintendo Switch版はコントローラー操作はもちろん、タッチ操作だけでも遊べるようになっています。Nintendo Switch Liteで遊ぶ人もいるでしょうし、タッチ操作対応はありがたいですね。


◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch版『タケシとヒロシ』より引用>

 数時間で終わる、短いけど面白いゲームを探している人にはもちろんオススメです!

 また、このゲームってストーリー部分もゲーム部分も、「ゲームってすごいんだ」「ゲームって面白いんだ」「ゲームを作るのってこんなに大変で、だからこそ楽しいんだ」とゲームの可能性を全肯定してくれています。今現在ゲームが大好きな人はもちろん、タケシくらいの年齢だった頃やヒロシくらいの年齢だった頃にゲームが大好きだった人にも、是非遊んでほしい1本です。



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『フォーゴットン・アン』紹介/丁寧に描き込まれた世界と、死なない2Dアクションパズル

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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
アニメのように動くキャラと描き込まれた背景と、シームレスにつながるゲームと
主人公が決して死なない、パズル要素が強めのアクションパズル
まさに「アニメの主人公になれる」インタラクティブな体験が味わえる!


『フォーゴットン・アン』
・発売:コーラス・ワールドワイド、開発:ThroughLine Games
公式サイト
 Setam版:2018年5月16日発売、2019年3月5日日本語化対応
 Xbox One用ソフト:2019年2月27日発売
 プレイステーション4用ソフト:2019年2月28日発売
 Nintendo Switch用ソフト:2019年2月28日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
 iOS版:2019年8月1日発売
・アドベンチャー+アクションパズル
・セーブ方法:ストーリーが進行するとオートセーブ(頻度は高いです)


 私が1周クリアにかかった時間は約8.5時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:◎(キャラを処罰するかを迫られるポジションなので)
・恥をかく&嘲笑シーン:×
・寝取られ:○(ボンク師の視点だとNTRか、これ?)
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×(動物ではないものは結構死ぬが…)
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ アニメのように動くキャラと描き込まれた背景と、シームレスにつながるゲームと

 このゲームを開発したのはデンマークのThroughLine Gamesというスタジオで、そのスタジオのデビュー作だそうです。小規模なモバイルゲームの開発経験はあったものの、ゲーム機用のゲームは誰も開発経験のない状態での開発だったのだとか。

 日本での展開は主にコーラス・ワールドワイドが行っていますが、Steamのみスクウェア・エニックスの展開なのでどういうことなのかと思ったら……スクエニがヨーロッパで展開しているインディーゲームスタジオ支援機構の支援を受けていたそうで、海外での発売は(Steamも含めて)スクウェア・エニックスが行っていて、そこから日本語に訳して日本向けのゲーム機用に展開したのがコーラス・ワールドワイドみたいですね。

 プレイステーション4版のみパッケージソフトが出ています。
 iOS版は序盤の体験版のみ無料で、それ以降を遊ぶには1220円の課金が必要。プレイステーション4版とNintendo Switch版も無料体験版が配信されているので、気になる人はそちらからどうぞ。この紹介記事はNintendo Switch版をクリアまで遊んでの紹介となります。

(※ 8月31日追記:どうやらPS4版の体験版は既に配信終了になってしまっているみたいです。)



 さて、このゲーム―――
 PVでは「アニメーション映画の中に飛びこもう」と言っていて、実際にPVではアニメーションが長時間流れるし、開発者も「アニメの主人公になれるゲームを目指した」と仰っているし、公式サイトに書かれている公式ジャンルは「アドベンチャー」だったので……プレイステーションの「やるドラ」みたいな、アニメを観るゲームなのかなと思って買ってみたのですが、実際には全然ちがっていました!

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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 このゲームのジャンルは、2D横スクロールの「アクションパズル」だと思います。
 主人公のジャンプ力だとここからここまでは届くけど、ここまでは届かないからスイッチをこういう順番に起動して足場を動かせば届く―――的なアクションパズルです。


 んで、パズルを解いて先に進めるようになると、そこでストーリーも進んでいくカンジで―――アニメ映像はデモシーンだったり、ちょっとしたカットに使われるくらいで、基本のゲームは2D横スクロール視点で進行します。PVだとそのデモシーンのアニメ映像や会話シーンばかり使われているから、ゲーム部分が「アクションパズル」って思いませんよねこれだと……


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 しかも、このデモシーンのアニメ部分は日本のアニメから強い影響を受けているらしいのだけど、日本のアニメを見慣れている日本人からするとそこまでクオリティの高いものではありません。ここばかりをPVで推すのはあまりイイ手ではないと思ってしまいます。



 何故なら、ゲーム部分のグラフィックはすごいからです。
 ついさっき「デモシーンのアニメ部分はクオリティは高くない」と書きましたが……「プレイヤーが動かせるゲーム部分」と「デモシーンとなるアニメ部分」がシームレスにつながっていて、2Dアニメのキャラを実際に動かしているような感覚になれるのは本当にすごいと思います。途中のロードとかもほとんど感じさせません。


 主人公だけじゃなくキャラクターはみんなヌルヌルと動くし、背景もものすごく描き込まれています。「アニメを観るゲーム」というよりかは、「アニメの世界の中を走り回れるゲーム」と言った方がイイかも知れませんね。



 ただし、欠点もそこにあって……
 アンという主人公のアニメキャラが実際に生きているみたいに生々しく動くため、挙動が遅かったり、マップの移動に時間がかかったりするんですね。

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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 例えば、ZRボタンかZLボタンを押しながら移動するとダッシュが出来るんですけど、ある程度の距離をダッシュするとアンが息切れを起こしてスピードダウンしてしまう仕様とか――――これ別にこれがアクションパズルの鍵になっているワケでも何でもなくて、ただアンを「生きているキャラクター」と見せるためだけにそうしているんです(笑)。

 これを「没入感が増す演出だ」と思えるか、「しちめんどくせえ仕様だ」と思うかで、このゲームへの評価は変わっちゃうだろうなーと思います。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 そして、背景がやたら描き込まれた2Dゲーム特有の「どこが進める場所なのかが分かりづらい」問題もあります。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』のものを加工しました>

 『フォーゴットン・アン』も、矢印を書いたような「奥に進める場所」が背景に溶け込みすぎていてしばらくそれに気付きませんでした。「奥にも進めることがある」と分かっているだけで、気付けるようなとこがほとんどですが、初見だと結構つまづきそう。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 チュートリアルでは「選択によってストーリーが変わる」と書かれているのだけど、ある一点を除いてはどんな選択肢を選んでも大まかなストーリーはほぼ変わらない一本道みたいです。マルチシナリオではありません。そこはちょっと拍子抜け感があるかな……

 ただ、選択肢によって後の会話が変わることもあって……
 例えばあるキャラクターを「見逃す」か「処分する」かの選択を迫られた場合、見逃しても処分してもその後のストーリーは変わらないのですが、他のキャラクターから「オマエはあの時アイツを処分したよな」とねちねち言われたり、アンが記す日記の内容が変わったりするみたいです。
 過去にしたプレイヤーの行動が後々までかかってくるのはこのゲームのテーマ的にも正しいと思うんですけど、それを「ストーリーが変わる」と言うのはちょっと大言壮語な気が。


 ということで、このゲーム―――

 主人公がアニメキャラのようにヌルヌル動くために、若干テンポが悪い。
 背景が描き込まれているせいで、進めるところと進めないところの見分けが付かない。
 プレイヤーの行動次第でシナリオが変わりそうで変わらず、日記の内容が変わる程度。


 実質『七つ風の島物語』なんですよ!

 私のゲーム実況を全部チェックしている人でもなければ分からないような例えをするんじゃないって自分でも思いますし、デンマークの人達がこのゲームの影響を受けたとは思えないんですが……狙っているところは両作品とも近いと思うんです。不思議な生物が生きているアニメみたいな世界で、アニメみたいにキャラクターを動かしたいという狙い。

 時代はようやく『七つ風の島物語』に追いついたと言えますね!


↓2↓

◇ 主人公が決して死なない、パズル要素が強めのアクションパズル
 さてさて、「好きなゲームはアクションパズル」と公言している私の、「アクションパズルゲームとして見たこのゲーム」の説明と評価を行きますよー。


 多くの2Dアクションパズルと同じように、このゲームも「主人公がジャンプをして足場を乗り継いだり」「スイッチを押して仕掛けを動かしたり」するのですが……このゲーム最大の(アクションパズルとしての)特徴は、「アニマ」システムです。

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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 Yボタンを押すといつでも「アニマビジョン」の画面に切り替えることが可能で、アニマの流れを見ることが出来ます。
 アニマとは、このゲームの世界におけるエネルギーの源で、「電気」のように機械を動かすのにも使いますし、「魂」のように生物が意志をもって動く源にもなっています。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 主人公のアンは、この世界の「執行官」なので、このアニマを自由に移し替える力を持っています。右下のゲージにアニマをストックしておいて――――


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 別の場所に移して、機械を起動する――――みたいなことが出来るんですね。


 おぉ! 超便利な能力じゃん! と思われるかもですが……
 先ほど書いたように「アニマ」とは機械を動かすだけでなく、この世界の生物を動かすエネルギーでもあります。これを生物に使えば……例えば自分達に反抗的な態度を取る者を、有無を言わせずに処分することも出来ちゃうんですね。

 ゲーム的には流石に誰でも彼でもアニマを抜けるワケじゃなくて、ほとんどのキャラ相手には「この者からはアニマを抜くべきじゃない」と出るんですけど……主人公が、この世界の全生物にとって脅威となる力と権力を持っているってのは独特な設定ですよね。普通はゲームの主人公って弱い存在なことがほとんどなので。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 また、主人公のアンがアニマをストックしている状態だと出来るアクションがあって、その一つがウィングを広げた状態でのロングジャンプです。
 笑っちゃうくらいに遠く&高くまで飛べて気持ち良いのですが、「アニマをストックしている状態だと」ということは、その手前で機械を作動させるのにアニマを使っちゃうとロングジャンプが出来なくなるので、さあどうする―――みたいなパズルになっているんですね。

 私はアクションパズルを評価する際には「独自のシステム」と「独自のアクションの気持ち良さ」の2つを重視しているので、この2つを抑えている『フォーゴットン・アン』はなかなかにアクションパズルとして高評価でした。


 こんなカンジでジャンプは頻繁にさせられるので「ギリジャンが出来ない」という人にはなかなかつらいと思うのですが、全体的には「アクション」と「パズル」の比率は2:8くらいでパズルよりのアクションパズルかなと思います。
 それとこのゲーム、思い切ったことにゲームオーバーがないんです。主人公のアンを殺すような「敵」は出てこないし、高いところから落下しても「うっ」とアンが呻き声をあげるだけですし、ゲームオーバーになったらどうしようみたいなプレッシャーはありません。

 これはどうやら「アクションゲームが苦手な人への配慮」というよりかは、「アニメーションの主人公を動かしている気分になれるゲーム」を目指している以上は演出として「連続性を途切れさせたくない」からみたいです。「あ、これってゲームだったんだ」と思わせる部分を極力排しているので、ローディングの時間も途中にはないし、セーブも任意じゃなくてオートセーブになっているということなんですね。


 ということで、「ギリジャン」は求められますが、それさえ克服できればアクションゲームが苦手な人にもオススメできるアクションパズルかなと思います。

 パズル部分というか、ナゾトキは結構頭を使うと思います。
 私は、劇場と工場の2ヶ所でしばらく苦しみました。

 主人公のアンがヒントは出してくれるけど、答えが分からなかった時にどうにかしてくれる機能はありません。個人的にはこれくらいがちょうどよかったですが、解法を閃かずに袋小路に入るとちょっとクリアまでに時間がかかるかなぁ。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 あと、「難易度が高い」のではなく、説明が足りないと思ったのはこれ系のパズルです。
 「ディスク」と書かれているコマが盤面に幾つかセットされていて、1つ1つのコマにカーソルを合わせてAボタン長押しすると、「そのコマが移動できるルートと最終的にセットするべき場所」が表示されます。すべてのコマを「セットするべき場所」にセットするためには動かす順番が大事なのでそれを考えよう―――というパズルなのだけど、「動かせる」しか説明がないのでしばらく何をするべきか分からんかったですよ!


↓3↓

◇ まさに「アニメの主人公になれる」インタラクティブな体験が味わえる!
 ストーリー部分についても触れましょう。
 このゲームの舞台は「フォゴットンランド」、人間のいる世界から「忘れられたもの」が集まる世界です。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 なので、アンとボンク師以外の登場人物は、みな「もの」です。
 左から「サンドバッグ」「ブタ(の貯金箱?)」「スライムランプ」「分厚い本?」―――といったカンジに、メインキャラクターだけでなくモブまで1人1人が「人間のいる世界から忘れられて落ちていったもの」なのです。ちょっとした『オクトエキスパンション』感がありますね。


 ボンク師とアンは、この世界の「忘れられたもの」が人間のいる世界に戻るための「ゲート」を建設していて、「忘れられたもの」はそのゲートの優先チケットを得るためにボンク師から与えられた仕事をこなしている―――というところで、反乱者の襲撃があって、アンはその鎮圧に向かいます。これがストーリーの導入部です。

 アニメ調の絵柄と、アンやボンク師のデザインから「ジブリっぽい雰囲気だ」と思ってプレイを始めると、ジブリとは全然ちがうダークな世界に戸惑うと思います。主人公のアンも『ラピュタ』とか『魔女の宅急便』辺りのジブリヒロインのイメージで入ったので、「中身は草薙素子じゃねえか!」とビックリしました。

 反乱者を鎮圧する冷酷な執行官ですからね……



 ストーリーは日本語字幕には出来ますが、音声は英語のみ。
 日本語訳は基本的には問題がないと思うんですが、散々言われている「タグの表記ミス」を1年半経っても修正していないのはどうなのかなと思います。

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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>


 ところどころ会話が噛み合っていないように思えるのは、翻訳のせいというより原文のせいじゃないかな。
 それぞれが自分の言いたいことを勝手に言う会話が多くて「富野アニメみたいだな」と思いましたし、富野アニメで慣れている自分には問題がありませんでした。良いのか、それで。



 ストーリー自体も結構面白いと思うのですが、それに輪をかけて素晴らしいのは「ストーリー」と「ゲーム部分」が密接につながっていて、様々なシチュエーションを“自分でプレイして”乗り越えるところです。

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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 暴走する列車をアクションパズルを解いて止めたり。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 容疑者を尋問したり。


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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 変装して潜入したり。



 「アニメのようなゲーム」と言われると、プレイヤーとしてはただアニメを観ているだけのゲームと思われてしまうかも知れませんが……このゲームは「アニメの主人公になれるゲーム」を目指しているため、プレイヤーがこれらのシチュエーションを実際にプレイして乗り越えるんですね。アニメとゲームがシームレスにつながっているのも、そのためでしょう。
 そのおかげで「似たようなことばかりやっている気がする」というマンネリにならずに、局面局面で新鮮な気持ちで楽しめるようになっているという。買う前に思っていたゲームとはちがいましたけど、これはこれで面白かったです!


◇ 結局、どんな人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch版『フォーゴットン・アン』より引用>

 まずは「アクションパズルが嫌いではない」のが大前提で、その上でシリアス目の設定のアニメ映画が好きな人にはオススメです。作り込まれた「アニメ調の世界」と、プレイヤーが実際に「ゲームとして操作する」ことの融合はなかなかなものでした。

 インディーゲームというか昨今のダウンロードゲーには良質なアクションパズルが多いですが、その中では「アニメの主人公になりきる」というこのゲームにしかない特徴を持っているのは大きいでしょう。あと、主人公が敵にやられたりせず、ゲームオーバーがない。ここも重要!


 冒頭の繰り返しになりますが、パッケージソフトはプレイステーション4版のみ。
 iOS版は序盤の体験版のみ無料で、それ以降を遊ぶには1220円の課金が必要。プレイステーション4版とNintendo Switch版も無料体験版が配信されているので、気になる人はそちらからどうぞ。

(※ 8月31日追記:どうやらPS4版の体験版は既に配信終了になってしまっているみたいです。)

 

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『世界のアソビ大全51』紹介/今の時代に合わせて13年ぶりに復活した定番ゲーム集!

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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
ミニゲーム集が売れまくった時代のゲーム集が、現代に蘇る
見栄えも、分かりやすさも、設定できるルールの少なさも、ゲーム実況向き
一通り遊ぶだけでも大変な、大ボリュームの51コのゲームを全部紹介します!



『世界のアソビ大全51』
・発売:任天堂/開発:エヌディーキューブ
公式サイト
 Nintendo Switch用ソフト:2020年6月5日
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
・テーブルゲーム集
・セーブ方法:オートセーブ


 私のプレイ時間は90時間でした
 ※ すべてのゲームをクリアしたワケではありません。運要素のない「将棋」や「リバーシ」はCPUに勝てない……

↓1↓

◇ ミニゲーム集が売れまくった時代のゲーム集が、現代に蘇る

 「アソビ大全」シリーズの1作目『だれでもアソビ大全』は、ニンテンドーDSの初期:2005年11月に発売されました。

 もはや懐かしい言葉ですが、“Touch!Generations”という「ゲームの定義を広げて普段ゲームを遊ばないような年代の人でも楽しめるようにする」ことを目指した任天堂の商品群の一つでした。
 昔からある定番のボードゲームやテーブルゲームを、DSのタッチパネルで操作できるようにして、1本のソフトがあれば複数のDSで対戦ができるダウンロードプレイにも対応するなど、DSの機能を活かした商品にしたのがこのゲームです。

 開発は『俺の料理』などを作っていたアジェンダ。
 初代の収録ゲームは以下の通りです。『世界のアソビ大全51』に収録されているかどうかもまとめました。

○ 「しんけいすいじゃく」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
× 「ばばぬき」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
○ 「7ならべ」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「スピード」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
× 「ダウト」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「ページワン」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
△ 「アメリカンページワン」
 → 全く同じではないけれど『世界のアソビ大全51』の「ラストカード」と似たゲーム
× 「スローモー」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
○ 「だいふごう」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
× 「ポーカー」
 → 『世界のアソビ大全51』に入っているのは「テキサスポーカー」
○ 「ブラックジャック」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「クロンダイク」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
× 「セブンブリッジ」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「ラミー」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「スペード」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「ハーツ」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「ナポレオン」
 → 『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』でリストラ
× 「コントラクトブリッジ」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「ゴニンカン」
 → 『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』でリストラ
× 「ナップ」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
○ 「しょうぎ」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「ごもくならべ」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「はなふだ」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
× 「ぼうずめくり」
 → 『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』でリストラ
× 「はさみしょうぎ」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「ぐんじんしょうぎ」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「すごろく」
 → 『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』でリストラ
○ 「チェス」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「リバーシ」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「チャイニーズチェッカー」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「チェッカー」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「バックギャモン」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
× 「バランスゲーム」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「ソーダゲーム」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ、『1-2-switch』に同じようなゲームが収録
× 「シーソーゲーム」
 → 『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』でリストラ
× 「ラストワン」
 → 『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』でリストラ
× 「ことばさがし」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
○ 「ボウリング」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「ダーツ」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「おはじきビリヤード」
 → 「ビリヤード」が『世界のアソビ大全51』に収録
○ 「おはじきゴルフ」
 → 『Wi-Fi対応(以下略)』でリストラされるも「ゴルフ」が『世界のアソビ大全51』に収録
× 「おはじきじんとり」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ


 初代では42種類のゲームが収録されていて、(△のものも合わせて)その内の19種類が今作『世界のアソビ大全51』にも収録されています。
 並べてみると分かるのですが、「トリックテイキング」という戦略性の高いトランプゲームの項目は全ゲームがリストラされていて、ボードゲームらしからぬ「バラエティゲーム」もすべて入れ替わっています。『世界のアソビ大全51』はなるべく気軽に遊べるゲームを集めて、出来るだけ実際にボードゲームやおもちゃとして存在するものを選んだ―――この辺は、収録ゲームを見比べると方針の違いが見えて面白いですね。




 初代が発売された頃は、まだニンテンドーDSがインターネットにつながるニンテンドーWi-Fiコネクションのサービスが始まっていない時期で、初代はオンライン対戦に非対応でした。
 しかし、日本版から1年後に発売された海外版『42 ALL-TIME CLASSICS』『CLUBHOUSE GAMES』は一部の収録ゲームを(海外向けに)変更しただけでなく、その頃にはニンテンドーWi-Fiコネクションが始まっていたためオンライン対戦にも対応しました。そのため、日本にも逆輸入のような形で更に1年後の2007年4月に、オンライン対戦対応の続編『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』が発売されたのです。

 一応言っておくと、現在ではDSソフトのオンラインサービスは終了しているため、今から買ってもオンライン対戦は出来ません。初代と被っているゲームも多いですが、せっかくなのでこちらも収録ゲームをまとめましょう。


× 「ばばぬき」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「ダウト」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
○ 「7ならべ」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「しんけいすいじゃく」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「スピード」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
× 「スローモー」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
△ 「アメリカンページワン」
 → 全く同じではないけれど『世界のアソビ大全51』の「ラストカード」と似たゲーム
× 「ページワン」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「ハーツ」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
○ 「だいふごう」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
× 「ラミー」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「セブンブリッジ」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
○ 「ブラックジャック」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
× 「ポーカー」
 → 『世界のアソビ大全51』に入っているのは「テキサスポーカー」
○ 「テキサスホールデム」
 → 今作からの新規収録、「テキサスポーカー」のこと
× 「ナップ」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「スペード」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「コントラクトブリッジ」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「グリッドアタック」
 → 今作からの新規収録、『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「はさみしょうぎ」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
○ 「ごもくならべ」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「ドット&ボックス」
 → 今作からの新規収録、『世界のアソビ大全51』にも収録
○ 「リバーシ」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「チェッカー」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「チャイニーズチェッカー」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「バックギャモン」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「チェス」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「しょうぎ」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
× 「ぐんじんしょうぎ」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
○ 「ルドー」
 → 今作からの新規収録、『世界のアソビ大全51』にも収録
○ 「ドミノ」
 → 今作からの新規収録、『世界のアソビ大全51』にも収録
× 「ことばさがし」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「ソーダゲーム」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ、『1-2-switch』に同じようなゲームが収録
○ 「はなふだ」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「ボウリング」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「ダーツ」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「おはじきビリヤード」
 → 「ビリヤード」が『世界のアソビ大全51』に収録
× 「バランスゲーム」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
× 「おはじきじんとり」
 → 『世界のアソビ大全51』でリストラ
○ 「クロンダイク」
 → シリーズ皆勤賞、『世界のアソビ大全51』でも遊べます
○ 「マージャンソリティア」
 → 今作からの新規収録、『世界のアソビ大全51』にも収録
× 「だっしゅつパズル」
 → 今作からの新規収録、『世界のアソビ大全51』でリストラ


 「ナポレオン」「ゴニンカン」「ぼうずめくり」「すごろく」「シーソーゲーム」「ラストワン」「おはじきゴルフ」の7つが外れ、「テキサスホールデム」「グリッドアタック」「ドット&ボックス」「ルドー」「ドミノ」「マージャンソリティア」「だっしゅつパズル」の7つが新規収録されました。42種類中、『世界のアソビ大全51』でも遊べるのは(△も含めて)23種類です。

 当時のレビューを検索してみると。日本ではなじみのない海外のゲームが増えたことで「わざわざ知らない海外のボードゲームのルールを覚えたいやつなんていない」的なレビューが出てきたのですが……そこで海外のボードゲームを削除するのではなく、『世界のアソビ大全51』は「世界にはアナタの知らないゲームがこんなにあるんだよ」と紹介するプロモーションにしているのは逆転の発想で上手いなと思いました。



 さて、↓の記事でも書きましたが、DS版の『アソビ大全』2作が発売された2005年~2007年頃は、『脳トレ』ブームで「ミニゲーム集」が大ヒットしていた特殊な時期です。
 メーカーもユーザーも開発費が膨大化した大作ゲームについていけなくなった時期(1996年~2004年辺り?)と、スマホやSteamなどの「ゲームをダウンロードして遊ぶ」ことが当たり前になる時期(2010年~辺り?)の、ちょうど狭間となる時期に「どう遊ばれるのかを想定して一つのパッケージに収めたミニゲーム集」が大ヒットしていたんですね。『脳トレ』、『Wii Sports』、『Wii Fit』などなど。

 2005年~2009年あたりの『脳トレ』ブーム・Wiiブームは何だったのか


 では、初代の『アソビ大全』は、どう遊ばれると想定して一つのパッケージに収めたミニゲーム集だったのか―――これは恐らく、旅行先での夜とか、学校の昼休みとか、友達同士が何人もで集まった際に「この1本さえ持っていれば」全員で一緒に遊ぶことができる定番商品として考えられたんじゃないかと思われます。修学旅行先にみんなで遊べる用にトランプやUNOを持っていく代わりに、このソフト1本持っていけば大丈夫、的な。

 ダウンロードプレイ対応なのでソフト1本あればみんなで遊べますし、何よりDS版は「最大8人まで」の同時プレイに対応していますから(Nintendo Switchの『世界のアソビ大全51』は4人まで)



 さて、「ミニゲーム集が売れた時代」はあっという間に終わります。スマホを始めとして「低価格(もしくは基本無料)で遊べるダウンロード専用ソフト」が普及したことで、ミニゲーム集の価値は落ちていき、かつてのように何百万本も売れることはなくなりました。
 DS版の『アソビ大全』は「これ1本あればみんなで遊べるソフト」として売ることが出来ましたが、今だったらみんなスマホを持っているので、みんなで同じアプリをその場でダウンロードして遊べちゃいますもんね。


 とは言え、任天堂は『1-2-Switch』や『Nintendo Labo』など、それでもミニゲーム集的なソフトを出しているのです。前者は「Joy-Conを活かした2人用ゲーム」を集めたもので、後者は「段ボールで工作したコントローラを使って遊べるゲーム」を集めたもので、どちらもスマホとかSteamとかでダウンロード販売できないものを狙って作られていたと思います。

 しかし、『アソビ大全』は事情がちがいます。
 「定番ゲームを集めたゲーム集」ということは、定番ゲームならスマホを始めとしたいろんな機種で既に遊べるものが多いということです。私はフレンドとオンライン対戦する様を実況できれば面白そうだなと買いましたが、今更こんなゲームをNintendo Switchのパッケージソフトで発売して売れるのかな―――と思っていました。


 そしたら、毎週コンスタントにゲームソフト売上ランキングに名前を連ねる定番ソフトとして定着しているみたいです。DS版の『だれでもアソビ大全』の売上は70万弱でしたが、Nintendo Switch版の『世界のアソビ大全51』は6月末までの決算発表で既に国内40万本を超えていて海外市場も合わせるとミリオンセラーに到達していることが発表されました。国内売上でもDS版を抜きそうな(既に抜いていそうな)勢いはありますね。
 発売前にはこのヒットは予想していませんでしたが、自分でこのゲームを遊んでみたら売れるのも納得の内容でした。DS時代の『だれでもアソビ大全』が友達同士で持ち寄って一緒に遊ぶ定番ソフトを目指したのに対して、Nintendo Switchの『世界のアソビ大全51』は恐らく……


 「ゲーム実況で遊ばれる定番ソフト」を目指して作られたゲームじゃないかと思うのです。それが、「今の時代に合わせたアソビ大全」だったんだろうと。


↓2↓

◇見栄えも、分かりやすさも、設定できるルールの少なさも、ゲーム実況向き

 『世界のアソビ大全51』の開発は、任天堂の連結子会社エヌディキューブです。

 元々は任天堂が電通と共同出資して設立した会社で、『F-ZERO FOR GAMEBOY ADVANCE』などを開発していたのですが……ハドソンがコナミの子会社になったあたりで、ハドソンで『マリオパーティ』などを作っていたスタッフが入って札幌本社を作り、『Wii Party』や『マリオパーティ』なんかを開発するようになって現在に至ります。要は、任天堂の「パーティゲーム」に特化したセカンドパーティですね。

 また、スタッフクレジットを見ると、DS時代の『だれでもアソビ大全』2作を開発したアジェンダにいた小林貴樹さんが設立したスマイルブームも開発に協力しているみたいです。スマイルブームは『プチコン』で有名な会社です。つまり、前2作の主要スタッフも開発に協力していたみたい。


 さて、『世界のアソビ大全51』というタイトル通り、このゲームには51種類のゲームが入っています(オマケの「ピアノ」も入れれば52種類)。その内の4つは1人用のゲームで、残り47種類のゲームの内「スロットカー」「フィッシング」「協力タンク」を除く44種類のゲームでオンライン対戦が可能です。オフラインで一人用を遊ぶ場合は、もちろんCPUとの対戦になるのが基本(「ヒット&ブロー」や「ゴルフ」のような例外はありますが)

 オンライン対戦は「フレンドだけが入れる部屋でのフレンド対戦」、「知らない人と対戦するランダムマッチ」の2種類で、どちらも遊べるゲームは一緒です(フレンド部屋だとルール変更することが可能で、ランダムマッチだと予め決まったルールで遊ぶことになります)


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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 これが、オフライン一人用で遊べる全52種類のゲームで。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 こちらが、オンラインのフレンド部屋で遊べる44種類のゲームで。
 「スロットカー」「フィッシング」「協力タンク」「ピアノ」と、1人用専用の「スライドパズル」「麻雀ソリティア」「クロンダイク」「スパイダー」が選べなくなっています。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>
 
 こちらは、オンラインのランダムマッチで遊べる44種類のゲームとなっています。
 遊べるゲームはフレンド部屋と一緒です。

 レーティング的なものは(多分)なくて、遊びたいゲームを3つまでセットしておくと「同じゲームを遊びたい人が現れました!」とマッチングするみたい。マッチング待ちの間は1人で別のゲームを遊ぶことも可能(いくつかのゲームではマッチングされると中断セーブのデータが作られる)
 『世界のアソビ大全51』の共通仕様として、「フレンド部屋」でのオンライン対戦には制限時間がありませんが、ランダムマッチでのオンライン対戦にはどのゲームにも一手一手に制限時間があります。それはまぁ当然だと思うのですが、相手がラグイと全体的に動きが遅くなるので制限時間までに狙った操作ができるかの別ゲーになってしまうのがつらい……



 あ、そうそう。
 これらのゲームは全て最初から選べて、「このゲームを解禁させるためにはこちらのゲームをクリアしなければならない」みたいな作業はありません。初起動時にオンライン対戦をするためには、最低一つはどれかのゲームをプレイしてユーザー設定をしなくちゃなりませんが……このゲームで「しなくちゃならない」ことはそれくらい。



 どうせだったら「スロットカー」「フィッシング」「協力タンク」もオンラインで遊べたら良かったのにと思わなくもないけれど、とりあえず44種類のゲームでオンライン対戦が可能なのがこのゲーム最大の魅力ですね。
 「麻雀」とか「将棋」とかならそれ単体でオンライン対戦可能なスマホアプリとかもあると思うのですが、このゲームの場合はこのゲームを1つ持っていればアプリを切り替えることもなく、フレンド部屋をいちいち解散することもなく、「次はどのゲームで遊ぶ?」と44コの中から選ぶことが出来るのです。ゲーム実況の生配信でフレンドを誘ってオンライン対戦をしようとすると、その手間が必要かどうかは無茶苦茶デカイんですよ。


 欲を言えば、フレンド部屋に4人入っている時も、『スマブラSP』の「専用部屋」みたいにその4人で交替で2人対戦のゲームを遊べるようにして欲しかったですが……この辺は開発会社的に、オンライン対戦ゲーの開発ノウハウが足りてなかったんですかねぇ。フレンド部屋に4人集まった時の「遊べるゲームの少なさ」はちょっと残念です。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 オンラインのフレンド部屋で遊べる4人用ゲームは8つ。
 「ドミノ」「ルドー」「麻雀」「ラストカード」「ブラックジャック」「テキサスポーカー」「大富豪」「7ならべ」です。「麻雀」はルールが分からない人も多いと考えると、ちょっと少ないかなぁと思います(「麻雀」が分かる4人なら「麻雀」さえあれば延々と遊べますが)



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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 話をちょっと変えて……
 これは「生配信映え」するゲームを目指した故だと思うのですが、このゲームは実はグラフィックが無茶苦茶リアルなんですね。例えば、この「ルドー」なんて本来なら「真ん中の折り目」なんて必要ないだろうに、実在するボードゲームならこうなっているというところをしっかり作ってあるのです。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「コネクトフォー」のインテリア感とか、凄いですよね。
 背景の椅子や観葉植物なんてゲーム的には描き込む意味はないのに、しっかり描き込んであるのです。


 例えばブログとかレビューの文章だけ読んで買うかどうかを決められた時代は「ゲームの中身が大事」と言い張れたと思うのですが、ゲーム実況を観て自分も買おうかどうかを決める時代になると「動いている映像」で判断されちゃうので、やっぱりこういうところに力を入れてくるんだと思うのです。



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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 また、オフラインで遊ぶ時、フレンド部屋で遊ぶ時には、「キャラがそのゲームを遊んで説明してくれる」ムービーが全ゲームに用意されています(オンラインのランダムマッチでは流れません)
 Xボタンを押せばスキップ出来るようにしていて、「最初の1回」だけでなく「毎回必ず流れる」ようになっているんですね。これは『1-2-Switch』とかもそうだったと思うのですが、対戦ゲームって持ち主は何回もプレイしてルールを熟知していても、遊びに来た友達とかは遊び方が分からなかったりすることってあるじゃないですか。そのために毎回「遊び方ムービー」が流れるし、ゲーム実況の場合は視聴者もそのゲームのルールが分かるようにしてあるのだと思います。

 これは恐らく、前作『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』に「馴染みのない海外のボードゲームを収録されても困る」という批判があったことから、「馴染みのない海外のボードゲームを収録しない」のではなく、どうすれば「馴染みのない海外のボードゲームでも楽しく遊んでもらえる」のかを考えた結果の答えだと思うんですね。
 ちなみに、逆に海外では漢字が読めなさそうな「将棋」「麻雀」はデザインをグローバル版にすることも出来ます。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 私はDS版の2作品は未プレイのため、ネットのレビューなんかを読んだ伝聞で申し訳ないんですが……DS版の2作は、ゲームの進行をガイドしてくれるマスコットキャラがいないことが味気なかったそうなんですね。
 Nintendo Switch版の今作はそのため、大人とこどもの男女合わせて4人のキャラのフィギュアがムービーに登場して会話形式で「どう遊ぶのか」「どこに遊びの肝があるのか」を教えてくれるようになりました。『脳トレ』の川島教授、『Wii Fit』のウィーボ君やトレーナー、『安藤ケンサク』の安藤ケンサクなど、こういうキャラがいるとゲームに対するイメージもずいぶん変りますよね。



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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 次に、これは「ゲーム実況で遊ばれることを考えて敢えてそうした」というより「開発工程の都合上そうせざるを得なかった」だけだと思いますし、賛否両論あると思うのですが……このゲーム、「設定変更できるルール」がかなり少ないです。

 例えば、「麻雀」で設定できるのは「東風戦/東南戦」と「赤ドラあり/赤ドラなし」だけです。任天堂が過去に出した麻雀ゲーム『役満DS』なんかだと、公式サイトを見ると35項目も細かく設定できたみたいなんですが、今作では設定できるのは2項目だけです。

 「大富豪」だけはやたら細かくルールが設定できるのを例外として、他のゲームは大抵1つとか2つだけで……「七ならべ」とか「ラストカード」とかは、「このルールだとこのゲームの本当の面白さは出なくない?」と思わなくもないのですが。


 とは言え、52コもゲームを収録している都合上、1つ1つのゲームをそれほど細かく作れなかったのでしょうし。結果的に、ゲーム実況などでフレンドと遊ぶ場合は「自由にルールをカスタマイズできる」より「このゲームのルールはこれで固定!」としてもらった方がスムーズに進行するとも思います。
 全国各地・世界各国で遊ばれているゲームはそれぞれの土地でルールが微妙にちがうもので、オンラインで集まったフレンドで「いやいや、喰いタンは普通なしでしょ!」「最近のゲームでは喰いタンはありなことがほとんどだ」みたいな論争を始めたらキリがありません。「ルドー」とか「ヨット」みたいなよく知らない海外のボードゲームで、「ルールを35項目細かく設定できます!」って言われてもスタンダードが分かんねえよってなりますしね。

 そういう意味では「ルールが細かく設定できない」ことは私は賛成です。
 ただ、「七ならべはジョーカーありのルールじゃなきゃ盛り上がらないでしょ!」みたいに、収録されているルールに不満があるものもあります。その辺は「俺がこどもの頃に遊んでたルールが一番面白い」となっちゃうので、しょうがないですね……ジョーカーありの「七ならべ」が特殊ルールなこと、今回初めて知りましたよ。



 また、DS版は最大8人までプレイ出来たのが、今作では最大4人対戦までに減って、「ばばぬき」のような大人数でワイワイ遊んだ方が楽しいゲームがリストラされました。
 これは恐らく「友達同士でDSを持ち寄って遊ぶ」ことが想定されていたDS版はプレイ人数が多ければ多いほど良かったけど、オンライン対戦ありきで作られた今作は8人対戦だと待ち時間が長くなるし誰か一人でも回線状況が悪いとラグだらけで遊べたもんじゃなくなることを考えて最大4人対戦にしたのかなぁと思います。

 また、これは開発の手間の問題だと思いますが、4人対戦ができるゲーム―――例えば「ブラックジャック」や「大富豪」なんかを2人で遊ぼうとすると、残りの人数はCPUが入って4人対戦になります。4人対戦のゲームを、2人対戦で1vs1で遊ぶことは出来ないんですね。
 この仕様のためか、4人対戦が出来ても良さそうな「ボウリング」や「ゴルフ」が最大2人対戦になっているのは残念(4人対戦にしていたら、2人で遊ぶ場合にも必ずCPUが入ってCPUのプレイを見なくちゃいけなくなるのを避けたと思われる)

 繰り返しになっちゃいますが、思ったよりオンラインで4人対戦できるゲームが少なかったのはやっぱり残念です。




 また、「ゲーム実況映えする」要素としてオンライン対戦の話をメインに進めてしまいましたが、敢えて1人用でCPUと戦うという人もいますよね。DS版のレビューを読むと、DS版の難易度選択は「ふつう」「つよい」「すごい」の3つだったのですが、「ふつう」と「すごい」の間にあまり差がなくて、更に「将棋」や「チェス」は思考ルーチンを複数入れられず、難易度調整が出来なかったそうです。

 それを踏まえてなのか、今作『世界のアソビ大全51』では運頼みのゲームを除いてはCPUが「ふつう」「つよい」「すごい」「やばい」の4段階になっていて、「ふつう」は初心者でも勝てるレベル、「やばい」はふざけんなと言いたくなるレベルにちゃんと設定してあると思いました。将棋やチェスも、ちゃんと4段階の難易度があります。

 まぁ、そのせいで……運要素のない「リバーシ」「チェッカー」「チェス」「将棋」辺りはCPU「すごい」相手でも私には歯が立ちませんけどね。なので、全ゲームのクリアは早々に諦めました。
 「リバーシ」マジで全然勝てねえ。↓は最高難易度じゃなくて、上から2番目の「すごい」でコレですよ! 清々しいくらいの完敗!

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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>


 まぁ……欲を言えば、CPU戦も「CPU1」とか「CPU2」みたいなのじゃなくて、たくさんいるフィギュアのキャラ達と対戦したかったなーと思いました。
 せっかくフィギュアが「私のオススメするゲームはこれ!」と言ってくれる機能があるんだから、そのフィギュアと対戦したかったです(キャラによって思考ルーチンを変えると、それが44種目もあるから作るのがものすごく大変とは思いますが……思考ルーチンを変えなくても、対戦相手の名前が変わるだけで雰囲気が変わるので)



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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 ここまでずっと「ゲーム実況映えする」部分に触れてきましたが、そこ以外の部分も。
 まずは、このゲームは基本的には「コントローラ操作」と「タッチ操作」の両方に対応しています。もちろん「トイテニス」みたいなゲームはコントローラじゃないと遊べませんが、「将棋」とかトランプ系のように「駒やカードを選ぶゲーム」はどちらでも遊べます。
 ゲーム実況する時には当然「コントローラ操作」じゃないと実況しようがないのですが、例えば家族と「将棋したい!」って時はNintendo Switch本体をタブレット端末のようにテーブルに置いてタッチ操作だけで対戦できるようになっているんですね。

 もちろん1人用でも「コントローラよりタッチ操作の方が向いているゲーム」があって、「スピード」とか「麻雀ソリティア」とかは私はタッチ操作でプレイしています。というか、スティックの動きがちょっと遅くない??


 Joy-Con1つでプレイ出来るので、おすそ分けプレイにももちろん対応……だけど、複数人プレイの際にはPROコンはどうも使えないっぽい?
 この仕様はどういうことなんだ。我が家にはJoy-Conが左右1つずつと、PROコンが2つあるのだけど、これだとコントローラでの対戦は2人までしか出来ないんですね。タッチ操作で遊べばイイと言われても、そうするとNintendo Switchの小さな画面を4人で覗き込むことになるわけで……



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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51 ポケットエディション』より引用>

 また、Nintendo SwitchにはDSや3DSとちがって「ソフト1本あれば複数のゲーム機で一緒に対戦できるダウンロードプレイ」の機能がないのですが……それでも「麻雀」や「大富豪」など「相手の手札が見えてしまうとなりたたないゲーム」を1本のソフトで遊べるようにするため、『世界のアソビ大全51 ポケットエディション』を配信しています。

 この『ポケットエディション』は「ドミノ」「コネクトフォー」「大富豪」「スロットカー」が遊べる体験版でありながら、製品版を持っている人が1人でもいればローカルプレイでこれ以外のゲームでも対戦できるという“ダウンロードプレイの代替”となるものなんですね。商品ページから「体験版ダウンロード」でダウンロードできます(アカウント連携していない場合は、switchのeShopからどうぞ)。


 ものすごくありがたいけど、他の「麻雀」とか「大富豪」のゲームをNintendo Switchで出しているメーカーからすると「そういうのが出来るの任天堂だけってズルくね?」とならないかな(笑)。





 とまぁ、51(オマケも含めれば52)もゲームを収録している分だけ「ここをもうちょっとこうして欲しかった」というところもなくはないんですが、オンラインでもオフラインでも、コントローラ操作でもタッチ操作でも、1人でもみんなでも、色んな遊び方が出来るように作り込まれているゲーム集だと思います。

 アップデートとか有料DLCとかで、ゲームが追加されたり、一部のゲームでプレイ人数が増えたりしないかなと思っているのだけど……それは難しいんですかね。「協力タンク」をオンラインの4人プレイで遊べるようにして欲しかったなぁ。



↓3↓

◇ 一通り遊ぶだけでも大変な、大ボリュームの51コのゲームを全部紹介します!

 さて、いよいよここからです。
 ゲーム集はやっぱり「どんなゲームが収録されているか」が大事ですもんね。なので、51コ全部を紹介していきます! 「どうせ全部スマホとかで無料で遊べるっしょ」とか思っている人のために、無料のスマホアプリが出ているかどうかも調べていきますよ。


 ちなみに海外のボードゲームがどういう出自なのかは、裁判傍聴芸人の阿曾山大噴火さんが詳しく書かれていますので是非是非そちらをどうぞ!



1.「マンカラ」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録。
 流石に「マンカラ」のアプリはないだろ~と思ったら、ありました(笑)。1プレイごとに広告がはさまるタイプの基本無料アプリで、オンライン対戦も出来ます。

 「穴と石さえあれば遊べる」手軽さゆえに世界中で遊ばれているゲームで、様々なルールがあるそうです。
 『世界のアソビ大全51』の「マンカラ」は、6つのポケットに4つずつ石が入った状態でスタート。プレイヤーが出来ることは「自分サイドの6つのポケットの中から1つを選ぶ」ことだけで、左右のゴールに多く石を貯めた人が勝ちとなります。

 例えば、4つ石が入っているポケットを選んだ場合、そのポケットから反時計回りで次のポケット・その次のポケットと4つのポケットに1つずつ石を入れていきます。それだけだとただの石の移動になるのですが、「最後に石を入れたポケット」がゴールの場合は「もう1回ポケットを選べる」で、空っぽのポケットの場合は「反対側にある相手の石を奪える」というルールになっています。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 プレイヤーの取れる手段は「6つの中からポケットを選ぶ」というだけなのに、それが攻防一体の駆け引きになるところが熱いです。『世界のアソビ大全51』でプレイした場合はアシスト機能もあるので、初心者でも遊びやすいと思います。オススメ。



2.「ドット&ボックス」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 19世紀のフランスの数学者が考案した「紙とペンがあれば遊べるゲーム」で、ヨーロッパではとてもメジャーらしく、DS版の『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』から引き続きの収録となります。
 定番ゲームなので、スマホアプリでもありました。バナー広告タイプの基本無料ゲーですが、オンライン対戦は出来ませんでした。

 『世界のアソビ大全51』の「ドット&ボックス」は、4×6のボードに交代で1辺ずつ書き加えていって(パスは出来ない)、4辺が埋まって正方形が出来たらその人の陣地―――それを最後までやって、どちらの陣地が大きいかというナワバリバトルとなっています。
 このゲームの肝は「4辺を埋めて正方形を塗りつぶしたら、連続で次の1辺を書き加えることが出来る」ところにあって、敢えて2辺ずつの形を作っていって相手が3辺を書いたら4辺目を奪うとか、敢えて敵に4辺目を与えることで順番を変えるとかの戦略が大事なゲームだと思います。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 「相手を罠にかける系のゲーム」なので、好きな人は好きなんでしょうけど、私は苦手なタイプのゲームかな……



3.「ヨット」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録。
 生まれたのは1954年と比較的最近のゲームで、ヨットの上で遊ばれたから「ヨットゲーム」という名前で、後に『ヤッツィー』という名前で商品化もされました。ということで、『ヤッツィー』という名前のスマホアプリはむっちゃたくさん出ています。オンライン対戦も可能。マジで何でもあるな、スマホアプリ!

 『世界のアソビ大全51』の「ヨット」は12ターン(他のルールだと「スリーカード」含めた13ターンのものが多いみたい?)で、交替で5つのサイコロを振っていきます。そのサイコロは「ポーカー」のように「これとこれだけ残して後は振り直す」といったカンジに3回振ることが出来て、それで“役”を作っていきます。

 ゲームの肝としては、この“役”は1回しか選べないということ。
 例えば「5つのサイコロがすべて同じ目になる=ヨット」は最高得点の50点ですが、ヨットの欄に記入できるのは1回だけで、2回目以降は記入できません。逆に、ヨットなんて難しい“役”は出せないと判断して、他のどれに入れても得点の低いしょぼい目の時に敢えてヨットを選んで0点でもイイから他に賭けるという手もあります。

 私が生配信でプレイした様子はこちらと、こちら
 「ランダム要素」と「戦略性」のバランスが絶妙で、逆転の要素もしっかりあるというすごくよく出来たゲームです。私が今回このゲームで初めて遊んだ海外のボードゲームの中では、一番好きです。好きすぎて「オンラインでの4人対戦したかったー」と残念に思うほどです。



4.「コネクトフォー」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録。
 元になったゲームは『キャプテンズ・ミストレス』と言って、「船長の愛人」みたいな意味だとか。長い航海の間に船長の部屋に集まって遊ばれたからそんな名前―――と、まさかの二連続「船の上で生まれたゲーム」ですよ!

 やっていることは「五目並べ」ではない「四目並べ」なんですが、平らな盤面に並べていくのではなく、立てられた盤面の溝に落としていく形なのは、揺れる船の上でも遊べるようにということなのかなと思います。
 『世界のアソビ大全51』調べによると、全ゲームの中で最も多くの人に遊ばれているのはこれだとか。「体験版に収録されてるからでは?」と思ったけど、これ以外の3つは特に上位に来ていないんですよね……

 「四目並べ」で検索すればゲームアプリはたくさん出てきます。例えばこれとか。オンライン対戦も可能ですが、流石に人はいないのかマッチングはしませんでした。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 これも 「相手を罠にかける系のゲーム」なので、私は苦手。この手のゲームって「次に相手はここに置いてくるはずだ」を読まなくちゃいけないので、人の気持ちが分からないコミュ障の自分には難しい……



5.「ヒット&ブロー」
 1人プレイ時は1人で正解を当てる、2人プレイ時は先に正解を当てた方が勝ち
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:答えの同色なし/あり
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:答えの同色なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 別名「マスターマインド」、「アソビ大全」シリーズでは初収録です。生まれたのはもっと昔だろうけど、1970年代に商品化されたことでその時代の日本でもおもちゃとして有名みたいです。
 ピンにあたるものの種類や穴の数は様々ですが、簡単なプログラムでゲーム化できるためパソコン黎明期にBASICで作られることも多かった―――ということで、『プチコン』で作っている人もいました。もちろんスマホアプリもあって、オンライン対戦も可能(マッチングはしなかった)。

 6色のピンが4つの穴にどうセットされているのかを「推理」するゲームです。
 正解の色が正解の穴に入っている数を「ヒット」。
 正解の色が、正解以外の穴に入っている数を「ブロー」で教えてくれるので―――1発で当てるのではなく、試しに入れてみた不正解から正解を導いていくってカンジですね。1人用の場合は(CPU戦ではなく)8回の間に推理するゲームで、対人戦だと交替に入れていって正解をピタリと当てた方が勝ち。

 私が生配信でプレイした様子はこちら
 ものすごくハマって何回も遊んじゃうというワケではないのだけど、他のゲームとは毛色のちがうゲームなので割と好きです。



6.「ナインメンズモリス」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録。
 少なくともローマ帝国時代にはあったらしいボードゲームです。ということで、海外ではメジャーなゲームみたいで、スマホアプリでも出ていてオンライン対戦も可能。

 9ターン目までは9つある石を交替で置いていき、10ターン目以降は置いた石を1マスずつ交替で隣に移動させていきます。1列に3つ自分の石が揃ったら「ミル」で、相手の石のどれか1つを消すことが出来ます。これでどちらかの石が2つになるまでか、どちらかの石がどこにも動かせなくなるかしたら終了です。

 移動式の「三目並べ」というか、「○×ゲーム」を高度にしたようなゲームですね。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 一応、石が残り3つになったら隣じゃない場所まで移動させられる「ホッピング」という救済措置があるものの、どうしてもワンサイドゲームになりやすくて逆転の目もないので……私はあまりピンと来なかったかな。



7.「ヘックス」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録。
 六角形のマスが敷き詰められた盤上で行うボードゲームで、このゲームをきっかけにして「六角形のマスのボード」自体のことをヘックスと呼ぶようになったとか。例えば「ヘックス ゲームアプリ」で検索すると、大量の戦争ゲームが出てくるほどに……古典的なこの「ヘックス」のアプリも、オンライン対戦が出来るものは見つかりませんでしたが、オフラインで遊べるものはありました。

 片方のプレイヤーは縦に、もう片方のプレイヤーは横に、自分のマスで道を通した方が勝ちです。シンプルなルールなのに、この六角形のマスのおかげで「攻撃」と「防御」が一体になった不思議な感覚が生まれて面白いです。ただ、突き詰めていくと「先手が必ず勝つ」らしいので、オンライン対戦で真剣に遊ぶのは向いていないかも。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。




8.「チェッカー」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 別名「ドラフツ」、「アソビ大全」シリーズでは初代から収録されてる皆勤賞です。
 世界規模で見るとプレイ人口は4000万人という超メジャーゲームだそうで、オンライン対戦可能なスマホアプリももちろんあります。ここまで来るとスマホアプリが出ていないゲームって何があるんだ?

 ナナメにのみ進める駒を交替で一つずつ前進させていくのだけど、相手の駒は一つだけなら飛び越して取ることが可能です。これを延々と繰り返して相手を全滅させるか、相手が動かせなくなるかすると終了。
 ポイントとしては「飛び越せて取れる相手の駒があると、それを必ず取らなくちゃいけない」のと、相手の陣地奥深くまでいくと「プロモーション」といって後ろにも進めるようになること―――――かなぁ。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 シンプルなのに奥が深いゲームなのは分かるんですけど、それ故にちょっとプレイしただけでは面白さの肝が私には分かりませんでした。定石みたいなのが分かってくるとちがうのかなぁ。




9.「ウサギと猟犬」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:ウサギの位置ランダム/固定
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:ウサギの位置ランダム
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録。
 「ウサギ」と「猟犬」に分かれる非対称ゲームで、ヨーロッパでは割とポピュラーなゲームみたいです。ですが、英語版のWikipediaに書かれている名前や、類似ゲームの名前で検索しても、スマホアプリどころかボードゲームすら出てきません。本当に実在するのか、このゲーム……

 どの方向にも進めるウサギと、3匹いるけど前にしか進めない猟犬の対決です。猟犬はウサギの動きを封じ込めれば勝ちで、ウサギは猟犬よりも前に行けば勝ちという非対称性が珍しいですね。
 ウサギのスタート位置が固定だと、どうやら猟犬の必勝パターンがあるみたいで……対戦で遊ぶ場合はランダムにした方がイイかなと思われます。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 パッと遊んで「すげえ楽しい!」と思うゲームではないんですが、短時間で遊べることもあってついつい色んな展開を模索してみたくなるゲームです。




10.「五目ならべ」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:三三ゆるす/先手のみ禁止、四四ゆるす/先手のみ禁止、長連ゆるす/先手のみ禁止
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:三三、四四、長連、すべて先手のみ禁止
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初代から収録されてる皆勤賞です。
 ファミコンの頃から『五目ならべ 連珠』を発売していた任天堂の「五目ならべ」です。もちろんスマホアプリもたくさん出ているので、みなさん勝手に検索してダウンロードしてください。

 白と黒の石を交互に置いていって、先に5つ並べた方が勝ち。
 しかし、このルールだと「先手が必ず勝つ」と証明されたため、先手と後手の公平性を保つため、先手にのみ「こうやったら負けですよ」という禁じ手をいくつか作ったルールが生まれました。その禁じ手が「三三」「四四」「長連」で、それらを禁止した五目並べを「連珠」というそうです。『世界のアソビ大全51』では、この禁じ手を許すかどうかを設定できるというワケですね。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 「コネクトフォー」もそうなんですけど、この「何個つなげた方が勝ち」ってゲームはどうも私は苦手みたい(不得意というより、面白さの肝があまり分からない)。




11.「ドミノ」
 4人対戦用(人数が足りないとCPUが入る)
 ※ 手牌を隠すゲームなので、オフラインで複数人プレイするには複数のswitchが必要
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:35点マッチでプレイ/61点マッチでプレイ、5アップ/かんたん、手牌が出せない時は出せるまでドロー/1回だけドロー/ドローせずにパス
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:61点マッチ、5アップ、手牌が出せない時は出せるまでドロー
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 日本では「ドミノ倒し」くらいしか有名じゃないけど、本来の遊び方は海外では大人気で「世界四大ゲーム」に数えられるほどです。それゆえにDS版の『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』で収録されて、今作でも引き続きの収録となります。なので、もちろんスマホアプリも出ています(遊べるルールを増やすには課金が必要)。会員登録すればオンライン対戦も出来るみたい?(怖いんでやっていない)

 「かんたんルール」だと手牌から同じ数字の牌をつなげて手牌をなくしていくだけなので、「数字しかないUNO」みたいなプレイ感覚ですね。
 「5アップルール」だとこれに更に一捻りしていて、繋げていったドミノの端の合計が5の倍数だと得点が入る仕組みになります。誰かの手牌がなくなったら他の3人の手牌の数字の合計÷5が得点に入り、得点を継続して新しいラウンドへ。その合計が35点になったら終了か、61点になったら終了かという違い。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 「かんたんルール」だとシンプルすぎて物足りないけど、「5アップルール」だと端っこに数字の大きい牌を集めれば高得点になるが他の人も高得点を取りやすくなるといった戦略性が生まれて面白くなります。『世界のアソビ大全51』なら合計を自動計算してくれるからゲームに集中できますし、初心者にとってはリアルにやるよりゲームで遊んだ方が向いているかな。




12.「チャイニーズチェッカー」
 3人対戦用(人数が足りないとCPUが入る)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:自分のコマをジャンプできる/できない、敵エリアにコマを置ける/置けない
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:自分のコマをジャンプできる、敵エリアにコマを置けない
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 このゲーム唯一の3人用ゲーム。
 「アソビ大全」シリーズでは初代から収録されてる皆勤賞です。日本では「ダイヤモンドゲーム」という名前で商品化されていたので、そちらの名前で知っている人も多いかも。そちらでは王駒・子駒の区別がありましたが、このゲームにはその区別はありません。
 スマホアプリでも見つけたのですが、盤面が広いのでプレイに時間がかかる……

 自陣の駒すべてを一番早く反対側まで動かせた方が勝ちというゲームなのだけど、特徴的なのは「前にいる駒を飛び越せることが出来る」ルールで、これによってピョンピョンと連続でジャンプして遠くまで進めるのが気持ち良いゲームとなっています。相手をやっつけるんじゃなくて、相手の駒を利用するというのが、私はかなりお気に入りです。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 ただ、このゲーム唯一の3人用ゲームなので、フレンド部屋なんかで「ついでにチャイニーズチェッカー遊ぼっか」とは言いづらいんですよね。ほとんどのゲームが2人用か4人用ですからね……




13.「ルドー」
 4人対戦用(人数が足りないとCPUが入る)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:コースにコマがない時サイコロなし/スタートダイス3回/スタートダイス1回、ブロックなし/あり、ゴール条件ピッタリ/数が多ければOK
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:コースにコマがない時サイコロなし、ブロックなし、ゴール条件は数が多ければOK
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 イギリスを代表するボードゲームらしく、DS版の『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』にも収録されていました。アニメ『プリンセス・プリンシパル』の中で幼い頃のアンジェとプリンセスが遊んでいるカットがあるので、実質百合ゲーと言える。言えない。

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<画像はテレビアニメ『プリンセス・プリンシパル』第8話より引用>

 スマホ版ももちろんあります。6人プレイとかある上に、『リアルタイム将棋』ならぬ『リアルタイムルドー』まである! 日本語表記には出来ない上に課金要素あるらしいので、気を付けてね。

 4人で和やかに遊べるすごろくゲーかと思いきや、「スタート地点からコマを出撃させるためにはサイコロで6を出さなくてはならない」と「相手のコマに重なるとスタート地点に戻せる(もちろん再出撃には6を出す必要あり)」というルールのため、6が出るまでサイコロを振り続けるだけのゲームとボロクソに叩かれることの多いゲームで可哀想。

 ただ、実際の「ルドー」がどうかは知りませんが、『世界のアソビ大全51』の「ルドー」はボタンを押している長さによってサイコロの目が固定されているっぽいので「6を出すタイミングを探るゲーム」だと気づくとムチャクチャ面白くなります。「6はちょっと自信ないけど、2と3のタイミングは掴んだ!」という時には敢えて2や3を出して相手のコマを吹っ飛ばすとか、4ついるコマをどう並行して進めるかの戦略性もあって個人的にはそこまで嫌いじゃないです。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 いつか人を集めてガチで「ルドー」を勝負する配信をやってみたいけど、参加してくれる人があんまりいなさそう!




14.「バックギャモン」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:ワンマッチ/3点マッチ/5点マッチ
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:ワンマッチ
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 恐らく日本人にとって「名前は聞いたことあるけど実際には遊んだことがないボードゲーム」1位じゃないかな。
 現存する世界最古のボードゲームと言われているくらいなので、「アソビ大全」シリーズではもちろん初代から収録されてる皆勤賞です。スマホアプリも恐ろしくたくさん出ているので、各自検索してくれればイイんじゃないですかね。

 2人用のすごろくで、同じマスに止まれば相手をスタート地点に戻せるあたりは「ルドー」と共通するところがあります。特徴的なのは2つ振ったサイコロの目でそれぞれどれを動かしてもいいところ、「相手のゴール」が「自分のスタート地点」なところ、自分の駒を2つ以上積み上げると相手はその上に載せられずに防御できるところあたりですかね。
 駆け引きがしっかりあってなかなか面白かったです。「3点マッチ」「5点マッチ」は更に勝ち方によって得点が変わるらしいのだけど、流石にそこまで行くと私には複雑すぎてピンときませんでした。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。




15.「リバーシ」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズではもちろん初代から収録されてる皆勤賞です。
 スマホアプリも死ぬほどたくさん出ているんで、みなさん勝手に検索してください。

 日本では『オセロ』という商標で知られていることも多いゲームで、自分の石で相手の石を挟むとひっくり返して自分の石にすることが出来て、最終的に石を多く置いている方が勝ち―――って説明は必要あります?
 こどもでも遊べるシンプルなルールだけど、運の要素がない戦略ゲーなので実力差がきっちり出てしまい、CPUには歯が立ちません……ネットでコツ的なものを読み漁っても、なおCPUの「すごい」に勝てない……勝てる気配もしない……


 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 


16.「チェス」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 こちらも「アソビ大全」シリーズでは初代から収録されてる皆勤賞です。
 これもスマホアプリは死ぬほど出ていますから、それぞれ好きなのをダウンロードすればイイんじゃないですかね!(投げやり)

 「キング」や「クイーン」など異なる動きの出来るコマを交替で動かし、相手の「キング」を先に取った方が勝ちというゲームです。「将棋」に似たゲームですけど、元々は古代インドに「チャトランガ」というボードゲームがあって、それが西に伝播して「チェス」になり、東に伝播して「将棋」になったと言われています。故に「チェス」と「将棋」は兄弟というよりイトコみたいな関係で、それぞれちがう家庭環境で独自進化を遂げた別ゲーと言えます。
 「将棋」のつもりでプレイすると、「ポーンは斜めにいる敵しか倒せない」とか「キングの位置がワープするキャスリング」とかのルールに戸惑うんですよね……

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 こちらももちろんCPUには歯が立ちません。



17.「将棋」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:先手コマ落ち平手/飛車落ち/角落ち/2枚落ち/4枚落ち/6枚落ち
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:先手コマ落ち平手
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 これも「アソビ大全」シリーズでは初代から収録されてる皆勤賞ですね。
 んで、どーせこれもスマホアプリがたくさん出ているんじゃないですかね!知らんけど!

 「王将」や「飛車」など異なる動きの出来るコマを交替で動かし、相手の「王将」を先に取った方が勝ちというゲームです。「チェス」に似たゲームですけど、元々は古代インドに「チャトランガ」というボードゲームがあって、それが東に伝播して「将棋」になり、西に伝播して「チェス」になったと言われています。故に「将棋」と「チェス」は兄弟というよりイトコみたいな関係で、それぞれちがう家庭環境で独自進化を遂げた別ゲーと言えます。

 「将棋」の特徴はやっぱり、「取った相手の駒を仲間にして好きなところに置ける」ってところですね。この辺のシステムが『ファイアーエムブレム』とか『スーパーロボット大戦』シリーズの「説得して敵を仲間に引き入れる」システムの元になっているんだろうか。
 元々将棋は「先手が有利」と言われているらしく、先手の駒を少なくしてハンデを付けることも出来るそうです。


 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 「将棋」だけのゲームだったら自分みたいな初心者は怖くてオンライン対戦なんか出来ないけど、『アソビ大全』だったら「ついでにやってみようかな」くらいの人がオンライン対戦にいるからなのか私でもランダムマッチで1勝できました!これがこのゲームのいいところ!



18.「5五将棋」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 5×5マスの簡易型「将棋」で、「アソビ大全」シリーズでは初収録です。
 スマホアプリを探したのだけど、iOS向けには無料のはないみたい。有料のはあるのだけど配置がちょっと違うんですよね……AndroidOS向けには無料のがありましたが、私はプレイしていません。

 各駒は一つずつで、「香車」と「桂馬」がなくなっているのが特徴ですね。体感では、普通の「将棋」の半分くらいの時間で決着がつきました。ただ、プレイ感覚は紛れもなく「将棋」なので、友達同士でサクッと遊ぶ分にはこっちの方が向いているかも。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 私は普通の「将棋」よりこっちの方が好きですが、それでもやはりCPU最高難易度には勝てませんでした。



19.「花札」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 ※ 手札を隠すゲームなので、オフラインで複数人プレイするには複数のswitchが必要
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:三回戦/六回戦/十二回戦、花見で一杯あり/なし、月見で一杯あり/なし
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:三回戦、花見で一杯あり、月見で一杯あり
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 かつての任天堂の主力商品で、今でも販売されている「花札」のゲームです。
 実は、というか「現物の花札を売っている会社だから当然のこと」なのか、任天堂って「花札」単体のゲームってほとんど出していないんですよね。でも、「アソビ大全」には例外的に初代からシリーズ皆勤賞で収録されています。貴重な任天堂製の花札ゲームと言えるのかも知れません。
 任天堂以外のメーカーからならスマホアプリはたくさん出ているでしょうから、それぞれみなさん検索してくださいな。

 遊べるルールは「こいこい」のみ。
 「場に出ている札」と「手札」が同じ月・植物だと両方を獲得できて、更に「山札」から1枚めくってそれも同じように「場に出ている札」と同じ月・植物だと獲得できて―――を交互に繰り返し、獲得した札で“役”を作ると点がもらえます。ただし、その“役”よりももっと得点を上積みできることを期待して「こいこい」を宣言してゲームを続けることも可能。

 「手札」だけで決着がつかず、「山札」からめくったものでどうにかなることもあったり――――「戦略」も大事だけど、運による「逆転の要素」もあって最後まで気が抜けないのが面白いところだと思います。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 私、人生で何回か「こいこい」のルールを覚える機会があって、そして毎回しばらくやらないと忘れちゃうんですけど(笑)。プリミティブなゲームのようで、何が起こるか分からないところが大きくて楽しいです。かなり好きなゲームの一つです。



20.「麻雀」
 4人対戦用(人数が足りないとCPUが入る)
 ※ 手牌を隠すゲームなので、オフラインで複数人プレイするには複数のswitchが必要
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:東風戦/東南戦、赤ドラあり/なし
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:東風戦、赤ドラあり
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 実は「アソビ大全」シリーズ初収録です。
 というのも、DS版の「アソビ大全」シリーズが発売された同じ時期に、任天堂は『役満DS』という麻雀ゲームを出していたんですね。任天堂はその後もWiiには『役満Wii 井出洋介の健康麻将』、3DSとWii Uには『役満 鳳凰』という麻雀ゲームを出していたのですが、Nintendo Switchでは麻雀ゲームを出していません。DS時代は2つに分かれていた「アソビ大全」と「麻雀」が、ここで初めて1つになったというカンジですかね。


 麻雀は中国生まれのゲームと言われますが、中国の麻雀は地域によってルールは様々で、その後にアメリカで大流行したアメリカ麻雀も、そしてこのゲームに収録されている日本式の「麻雀」も使う牌のセットは同じだけどルールが全然ちがうそうです。故に、日本以外でのこのゲームの「麻雀」は日本式の「Riichi Mahjong」と表記されています。

 スマホアプリは山ほど出ていると思うので割愛。

 簡単にルールを説明すると、「手牌の13枚」プラス「引いてきた牌1枚」の合計14枚で「2枚」「3枚」「3枚」「3枚」「3枚」を成立させていくゲームです。「2枚」は同じ牌を2枚で、「3枚」は同じ牌を3枚か数字が並んだ3枚にすればOK。この組み合わせ次第で様々な「役」が出来て点が変わるのだけど、どんなに高得点の「役」を作っていても、一番最初に成立させた人しか点がもらえない早い者勝ちってのがポイントですね。

 「ランダム要素」と「戦略性」のバランスが絶妙で、一度覚えたら一生遊べるゲームなんて言われています。ただ、このゲームのチュートリアルだけで麻雀が覚えられるかというと、ちょっと微妙かな。オススメの役を教えてくれる機能がありますが、「マジかよ」ってのばかり選ばれるし。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 画面四分割の「麻雀」配信、本当スゴイと思うので観て……



21.「ラストカード」
 4人対戦用(人数が足りないとCPUが入る)
 ※ 手札を隠すゲームなので、オフラインで複数人プレイするには複数のswitchが必要
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「ラストカード」という名前では「アソビ大全」シリーズ初収録ですが、この手のゲームは「クレイジーエイト」というトランプゲームが元になっていて、DS版に収録されていた「アメリカンページワン」はその変種です。『UNO』は「アメリカンページワン」を専用のカードで遊びやすくまとめたようなゲームで、この「ラストカード」は『UNO』的なデザインのカードで「アメリカンページワン」を遊ぶようなゲームになっていました。ややこしい!
 ということで、「ラストカード」というスマホアプリは見つかりませんでしたが、『UNO』のスマホアプリをどうぞ。

 同じ色か、同じ数字のカードを場に出していって、最初に手札を0にした人が勝ち。
 『UNO』の公式ルールに近いらしいのですが(ただし、ドロー2にドロー2を重ねることは出来る)、出せるカードがあった場合は必ず出さなければならないというルールになっているため「わざと出さずに温存する」ことが出来ず、かなり運ゲーっぽくなっています。『UNO』のゲームもNintendo Switchで出ているので、そちらに比べるとずいぶんと底が浅くなっているとは思うのですが……こどもと大人が一緒になって遊べることを目指して、敢えて戦略性を排除したのかなぁと思わなくもない。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 サクサクと遊べて、私は「これはこれで」と思います。
 ルール変更でもうちょっと戦略的に出来たのなら、大人同士の対決でも長く遊べたのにとは思いますけど。



22.「ブラックジャック」
 4人対戦用(人数が足りないとCPUが入る)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:5ラウンド/10ラウンド、ダブルダウンあり/なし
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:5ラウンド、ダブルダウンあり
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 ここからはトランプゲームのターンです。
 「アソビ大全」シリーズ皆勤賞で、貴重な「Nintendo Switch1台で遊べる4人対戦用のゲーム」ですね。スマホアプリももちろん出ています。

 札の合計数が大きければ勝ち(ただし上限は21で、それ以上になると負け)(10・J・Q・Kは10で、Aは1か11)というシンプルなゲームなのだけど、数字を競うのはプレイヤー同士ではなくディーラーとで、プレイヤーは全ラウンドが終わった時のチップの合計で競うことになります。ダブルダウンはゲームの途中で賭け金を倍にできるルールで、逆転の目が上がる要素ですね。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 カジノなどでは超定番ゲームで、ルールも分かりやすいのですが、私はトランプゲームの中ではそこまで上位に来ないかな。チップを賭けるシステムが苦手というのもあります。



23.「テキサスポーカー」
 4人対戦用(人数が足りないとCPUが入る)
 ※ 手札を隠すゲームなので、オフラインで複数人プレイするには複数のswitchが必要
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:5ラウンド/10ラウンド
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:5ラウンド
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』から「テキサスホールデム」という名前で収録されていたゲームです。というか、「テキサスポーカー」という呼び方は一般的ではないんですね。オンライン対戦が可能なスマホアプリも「テキサスホールデム」という名前でした。

 5枚で「役」を作るのは普通の「ポーカー」と一緒なんですが、自分の手札は2枚で、場に全員共通の5枚が順々に出されていって、「合わせて7枚の中から最強の手になる5枚を判定してその強さを比べる」というルールになります。
 要は、普通の「ポーカー」だったら相手の手が一切見えないのだけど、こちらは共通の札がある分だけ相手の手が推測できるんですね。「共通の札にスペードが4枚あるということは、スペードを1枚持っているヤツはフラッシュが成立するぞ」みたいなカンジで。もちろん相手もそう思っているので、ハッタリを聞かせて吊り上げていくのも手ですが。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 私は普通の「ポーカー」よりもこちらの方が好きです。チップを賭けるシステムが苦手なんで勝てるワケじゃないんですが、勝てなくてもこのゲームは良く出来たゲームだと思います。



24.「大富豪」
 4人対戦用(人数が足りないとCPUが入る)
 ※ 手札を隠すゲームなので、オフラインで複数人プレイするには複数のswitchが必要
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:5ラウンド/10ラウンド、8切りあり/なし、スペード3返しあり/なし、しばりなし/あり、都おちあり/なし
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:5ラウンド、8切りあり、スペード3返しあり、しばりなし、都おちあり
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 何故かこのゲームだけやたらルールを細かく設定できる「大富豪」。
 「アソビ大全」シリーズでは初代から収録されている皆勤賞ですね。海外では「President」って名前になっています。かなり人気のゲームでしょうからスマホアプリもたくさん出ている模様。みなさん、各自検索してくださいな。

 2が最強のカードで、先に出ているカードより強いカードを出して手札を最初に0枚にした人が勝ち―――というシンプルなルールなのですが、「同じ数字のカードを2枚ずつ出したら、次の人も2枚ずつ出さなくちゃいけない」「同じ数字のカードを4枚同時に出したら“革命”が起こってカードの強さが逆転する」などのルールによって、非常に高い戦略性を生んでいます。

 そして、このゲーム最大の特徴はラウンドの順位によって「大富豪」「富豪」「貧民」「大貧民」と位置付けて、「貧民」「大貧民」は最強のカードを献上して、「大富豪」「富豪」は代わりに好きなカード(大抵の場合は最弱のカード)を渡すことが出来るというところです。つまり、勝者は勝ち続けやすく、敗者はいつまで経っても勝つのが難しいという―――これぞ経済が学べるゲーム! 実質『ファンタジーゾーン』だ!

 ただし、それを覆すために「革命」や「都おち」などのルールがあるので、割と逆転は起こりやすいです。最終ラウンドで1位になった人が勝ちというルールなので、CPUと戦うと4ラウンド目で「都おち」喰らって最終ラウンドが悲惨な目に合う展開を何度喰らったことか(最終的には「都おち」をなしに設定してCPUに勝ちました)。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 「麻雀」と並んで、「このゲームさえあればずっと遊んでいられる」ゲームだと思います。私もトランプゲームの中では一番好きかな。



25.「7ならべ」
 4人対戦用(人数が足りないとCPUが入る)
 ※ 手札を隠すゲームなので、オフラインで複数人プレイするには複数のswitchが必要
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:パス5回/3回/1回/なし、エースとキングはつながらない/つながる
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:パス5回、エースとキングはつながらない
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初代から収録されている皆勤賞です。
 オンライン対戦はないみたいですが、スマホアプリでも出ています。というか、このスマホアプリの方が「ジョーカーあり」とかのルール設定できて有能……

 4つのスートの「7」を並べて、その横に数字が順番になるように交替でカードを並べていって手札が最初になくなった人が勝ち―――というゲームです。各自パスできる回数が決まっているため、出せるカードがあるのに敢えて出さずにパスして、出せるカードがないプレイヤーをゲームオーバーに追い込んでいくイヤガラセが出来るのが特徴です。

 ただ、私がこどもの頃に遊んでいたルールでは、「ジョーカーあり」でカードをせき止めているプレイヤーにジョーカーを押し付けることが出来たのですが……『世界のアソビ大全51』ではそういうルールを設定することは出来ません。結果的に、最初に配られたカードが悪いとどうしようもないだけのゲームになっているような……

 私が生配信でプレイした様子はこちら。



26.「スピード」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:ジョーカーあり/なし
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:ジョーカーあり
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 トランプゲームの中では珍しいアクションゲームなので、「アソビ大全」シリーズでは初代から収録されている皆勤賞です。スマホアプリでもオンライン対戦の出来るものがあったのですが、実際にプレイしてもマッチングしませんでした。

 2つの台札それぞれの「隣の数字」を、自分の手札から次々と置いていって先に手札を0にした方が勝ちというゲームです。コントローラでもプレイすることは出来ますが、このゲームに限ってはタッチ操作の方が断然速いと思います。ゲーム実況に不向き!

 運動神経も大事ですが、ゲームとしては「どの順番で出していけば効率よく手札を減らせるか」の判断が大事なので、手だけじゃなくて頭の回転のスピードがモノを言うゲームだと思います。故に、私は苦手!

 私が生配信でプレイした様子はこちら。



27.「神経衰弱」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:カードがそろったらもう1回めくる/交代、揃える枚数2枚/4枚
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:カードがそろったらもう1回めくる、揃える枚数2枚
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 シリーズ皆勤賞ですが、DS版の「しんけいすいじゃく」は8人まで遊べるパーティゲームっぽい仕様だったのに比べると、こちらは1vs.1のガチンコ対決な仕様になっているかなと思われます。「神経衰弱」のスマホアプリはたくさん出ていますが、オンライン対戦ありのものは見つけられませんでした。

 伏せられたカードを2枚ずつめくり、同じ数字だったらそれがポイントになる―――というゲームです。「たまたま2枚が同じ数字」という可能性は低いので、さっきめくったカードの裏が何だったかを記憶していくことで神経が衰弱していくという意味でのタイトルですね。
 こどもだって遊べるシンプルなルールですが、揃える枚数を「4枚」にすると別次元の難しさになって大人でも侮れません。オフライン対戦やフレンド対戦をする機会がある人は、是非「4枚」で遊んでみてください。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。



28.「戦争」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズ初収録です。
 ちょっとルールはちがいますが、WEB上で遊べるサイトがありました。

 伏せられた3枚のカードから1枚を選び、せーので出して強い数字だった方がカードをもらえるというゲームです。要は運ゲー。
 ただ、『世界のアソビ大全51』の「戦争」はそれぞれが「A~Kの13枚」と決まっているため、自分の出した数字と相手の出した数字を覚えていれば残りの数字も推測できます。とは言うものの、推測できたからといってその数字を選べないので結局は運ゲーなんですが(笑)、自分の残りの札が分かっている方が面白いので参考までに。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 この配信の対決、自分で言うのも何だけどお気に入りなので是非見てもらいたい。




29.「たこやき」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:ジョーカーあり/なし
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:ジョーカーあり
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録。
 どころか、コンピューターゲームで他に出ているのを見つけられないくらいでした。スマホアプリも検索しても出てこず。

 生配信中でも視聴者の人達と「こんなゲーム知らない」「大阪の方で遊ばれてるとか?」「大阪出身だけど知りません」と話していて、ひょっとして任天堂がでっち上げたトランプゲームなのではとすら思ったのですが……どうやら10年くらい前から「幼児でも遊べるトランプゲーム」として子育て世帯に向けたメディアで取り上げられていたみたいですね。私含めて、視聴者の非リア充っぷりがバレてしまう!

 これも「戦争」と同じような運ゲーで、山札から出た数字の場所の場札をひっくり返して、その札の数字の場所もひっくり返すのだけど……すでにひっくり返したものや「J・Q・K」はハズレなので相手に順番が移っちゃう、これで先に「A~10」をひっくり返した方が勝ちというゲームです。
 ただし、「ジョーカーあり」のルールにしておくと単なる運ゲーではなく、「どこにジョーカーを使うのか」という戦略が生まれます。要は「もう使われてしまって出辛いと思われる数字」をジョーカーで埋めることが出来るんですね。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。




30.「ぶたのしっぽ」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:ペナルティカード出せる/出せない
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:ペナルティカード出せない
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録。
 同名のトランプゲームはいくつかバリエーションがあるみたいで、Wikipediaに書かれているルールは完全に別物ですね。ほぼ同一のルールだけど、4人対戦でラウンド制のものならWEBで遊べるものを見つけました。

 ぶたのしっぽのように丸く配置されたカードから順番にカードをめくって山に加えていき、前の人と同じスートを出してしまうと山を全部押し付けられる―――というゲームです。それだけだったら「戦争」「たこやき」と同じ運ゲーになるのですが、特殊ルールで「押し付けられたカードを自由に出せる」というものがあって、そうすると「どのタイミングでどのカードを出すのか」の戦略性が生まれます。

 惜しむべくはランダムマッチだとこのルールが採用されていないことと、やっぱりこのゲームは2人より4人とかで遊んだ方が盛り上がるんじゃないかってことですね。ちょっともったいないゲームだと思います。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。




31.「ゴルフ」
 1人プレイ時はスコアが残るだけ、2人対戦可能
 ※ コントローラ操作のみ、タッチすると残り距離が出る
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:3ホール/9ホールでプレイ
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:3ホール(スタートホールはランダム)
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 初代の『だれでもアソビ大全』では「おはじきゴルフ」だったものが、「ゴルフ」として復活しました。
 とは言え、『世界のアソビ大全51』は世界のボードゲームやカードゲームを収録したソフトなため、スポーツゲームも「実在するおもちゃ」っぽいものを目指しているんだと思います。ベースボールは野球盤だし、レースはスロットカーだし。というワケで、このゲームの「ゴルフ」は本格的なゴルフゲームというよりミニチュアみたいなコースでボールを打っていくおもちゃ的なゴルフゲームになっています。こんなおもちゃが売っているかよ、なんてつっこんではいけない。


 ゴルフとは、特殊な形をした棒でボールを打って、少ない打数で穴に入れることが目的のスポーツです。起源は定かではありませんが、少なくとも15世紀のスコットランドにはゴルフが行われていたという記録が残っているそうです。スコットランドに限定された人気スポーツが、19世紀にイングランドで大流行して、世界各国に広まっていったのだとか。

 コースは『Wii Sports』の「ゴルフ」と同じ9ホールで、それは元々ファミコンの『ゴルフ』の18ホールの中から9つを選んで3D化したものです。ゲームシステムに合わせて細かいところが変わっているので、見比べるのも面白いですね。
 
 
 ゲームシステムはものすごく簡略化されていて、
ファミコンの『ゴルフ』がチャーシューメンとボタンを押していくゲームならば、こちらはチャーのみ。クラブはドライバー・アイアン・パターのみで、ボールが曲がることなどもありません。唯一の要素は「風を読む」ことくらいかな。

 『Wii Sports』のようなJoy-Conを振る操作には対応していません。正直、ゴルフゲームを期待すると物足りないでしょうが、そういう人はゴルフゲームを買えばイイよと開き直って極限までシンプルに作ったのかなぁと思いますね。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 このゲームの仕様上そうするとCPUが入っちゃうからということなのかも知れませんが、4人対戦できないのがマジで残念……



32.「ビリヤード」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 ※ コントローラ操作のみ
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:9ボール/かんたんルール(数字あり/なし)/8ボール
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:9ボール/8ボール
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 DS版では「おはじきビリヤード」でしたが、こちらでは普通の「ビリヤード」になりました。Nintendo Switch版は、アナログスティックを弾いた強さによってキューを打つ強さが変わる仕様になっています。ビリヤードが遊べるスマホアプリも山ほどあるので、みなさん勝手に検索してください。
 このゲームのスポーツゲームは「実在するおもちゃ」っぽいものを目指しているとついさっき書きましたが、ビリヤード台も「実在するおもちゃ」と言えば「実在するおもちゃ」かな……?

 共通する白玉を交互に突いて残りの玉を穴に落としていくゲームですね。
 ビリヤードの起源は、様々な国で行われすぎていてよく分からないみたい。

 9ボールは「白玉を突いてぶつける玉」の順番が1→2→3と決まっているのだけど、ぶつけた後の玉がどう転がるかは関係がなく、先に9番の玉を落とした方が勝ちというルールです。偶発的な要素がそれなりに強いルールですね。
 8ボールは2人のプレイヤーが担当するボールを「1~7」と「9~15」に分けて、担当している7つの玉を全部落としてから、8番の玉を先に落とせば勝ちというルールです。7つの玉をしっかり落とさなくちゃいけないので、実力がしっかり出るルールと言えます。
 かんたんルールは、この8ボールを簡略化したようなルールで、9つある玉の内のどれでもいいから5つ先に落とした方が勝ちですね。相手の妨害とかのしようもなくなるので、単純に玉を突いて玉を落としていく快感が味わえる初心者向けのルールと言えますね。


 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 後に出てくる「キャロム」と比べて玉の動きに融通が効いていないため、直線になっているかが判断できない私にはなかなか難しかったです。




33.「ボウリング」
 1人プレイ時はスコアが残るだけ、2人対戦可能
 ※ Joy-Conを振る操作、もしくはタッチ操作で遊べます(PROコン非対応)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:5フレーム/10フレーム/チャレンジ、バンパーなし/あり
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:5フレーム、バンパーなし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 実は「アソビ大全」シリーズ皆勤賞です。
 DS版はタッチペンを活かして玉を投げる操作でしたが、Nintendo Switch版はJoy-Conを振って『Wii Sports』的に遊ぶことも、DS版同様にタッチ操作で投げることも出来るようになりました。いや、でもそれならやっぱり4人対戦に対応して欲しかったですね。

 10コ並べてあるピンに向かって鉄球を転がして倒し、そのスコアを競うゲーム。
 1投で10コ全部倒せばストライク、1フレームに2投できるのでそこで全部倒せばスペア、次のフレームのスコアが乗っかるボーナス点が入ります。そのため、10フレームしかないはずなのに最高得点は300点になるという計算がよく分からない!

 ボウリングの起源は古代からあるそうなんですが、現代に続くルールを制定したのはあのマルティン・ルターだとか! というのも、当時のボウリングはピンを悪魔に見立てた宗教儀式だったそうで、宗教革命の一環としてそうしたルールが定められたみたい。
 当時のボウリングはピンが9つで、しかしそれがアメリカに普及すると賭け事として禁止されて、その抜け道としてピンを1本足して「これはお前らが禁じたボウリングとは別物だ」と言い張って今の形になったそうです。一休さんかよ。


 ストライクが出続ければ良いんですけど、出なかった時の「端っこにピンが3つ残った」みたいな状況でしっかり端っこに投げられるのか―――みたいなところが、このゲームの肝かなと思います。上手くいかなかった時の対応力があるかどうか。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 「実在するおもちゃ」感はどこいったと思われるかもですが、ほら、世界の富豪だったら自宅にボウリングのレーンを作っている人だっていそうですし、ボウリングなんておもちゃみたいなもんですよ。



34.「ダーツ」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 ※ Joy-Conを振る操作、もしくはタッチ操作で遊べます(PROコン非対応)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:カウントアップ/301/501、ダブルアウト/オープンアウト
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:カウントアップ/301/501、ダブルアウト
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 こちらも実は「アソビ大全」シリーズ皆勤賞です。
 DS版はタッチペンを活かして矢を投げる操作でしたが、Nintendo Switch版はJoy-Conを振って矢を投げることも、DS版同様にタッチ操作で投げることも出来るようになりました。Joy-Conのサイズがダーツのそれと近いので、かなり雰囲気が出ますね。

 ダーツの原型は、酒場の樽にめがけて矢を投げていたのが始まりで、「樽がもったいねえ!」と気付いた人が木を輪切りにしたものを使うようになったそうです。故に、この特殊なスコアの並びは木の年輪が元になっているんです。

 「カウントアップ」は的に当たった点を単純に足していって、スコアの高い方が勝ち。
 「301」と「501」はスタートのスコアで、的に当たった点をそこから引いていって最終的に0にする必要があるのだけど、0よりも下の数字になってしまったらバーストでやり直しになってしまいます。「カウントアップ」とちがってしっかりと狙ったところに当てないとゴールできないので、より技術が求められるってカンジですね。「ダブルアウト」は更に最後のスコアはダブルの的に当てないといけないルール。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 俺には「ダーツ」の才能があったんでは!?と思い、しばらく毎日オンラインでランダムマッチで対戦していたのですが……上には上がいるもんだ。





35.「キャロム」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「おはじきビリヤード」は似たゲームですが、「キャロム」は「キャロム」として別だとすれば「アソビ大全」シリーズ初収録です。南アジアではポピュラーなゲームなんだとか。スマホアプリも出ていますが、弾くんじゃなくてボタンで発射されるのか……

 「ビリヤード」に似ているのだけど、決定的なちがいは「ビリヤードは白玉が動いたところから次の人が突く」のに対して「キャロムは毎回それぞれの並行ラインの上から打つ」ところですね。「ビリヤード」より相手へのヘイトが溜まりづらいのは良いところです(笑)。
 白と黒、それぞれのコインを先に落とした方が勝ちで「ビリヤード」の8ボールに近いルールなのですが、最後のコインを落とす前にクイーンの赤コインを落とす必要があって、「8ボールは自玉を全部落としてから8を落とす」のに対して「キャロムは自コインを全部落とす前にクイーンを落としておく必要がある」のが違いますね。

 ビリヤードよりも融通が効いてくれてガンガン落ちてくれるし、アナログスティックで弾いてコインを吹っ飛ばすのが気持ち良いです。一応タッチ操作にも対応しているのですが、これで角度を合わせるのは超絶難しいので私は使っていません。


 私が生配信でプレイした様子はこちら。




36.「トイテニス」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 ※ コントローラ操作のみ
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:1ゲームマッチ/2ゲームマッチ
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:2ゲームマッチ
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録ですが、恐らくは『Wii Sports』とか『Wii Party U』の流れでの収録かなと思います。ボードゲームとかカードゲームだけでなく、「実在するおもちゃ」的なスポーツゲームを入れていこうという。

 でも、野球盤とかサッカー盤とかはともかく、テニスのおもちゃなんてあるの?と思ったら、普通にAmazonで売っていました。



 しかも、マリオの!

 テニスとは、ラケットを使ってボールを打ち合って、相手のコートに入れ続けるゲームです。相手のコートに入れられなかったり、2バウンドしちゃったりすると、相手の得点になります。
 スポーツとしては恐らく古代から行われていたものですが、11世期頃のフランスで「ジュ・ド・ポーム」と呼ばれたものが原型と言われています。それで19世期の末にルールが整備されて現在に至る、と。

 ゲームとしてはボタンによって「フォア」と「バック」を使い分けるのと、「ロブ」や「ネットプレイ」なんかもあって実は結構しっかりしています。『Wii Sports』より複雑なゲームは遊べない私には、ちょっとこのゲームは複雑すぎました。CPUにも勝てない!

 私が生配信でプレイした様子はこちら。




37.「トイサッカー」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 ※ コントローラ操作のみ
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 こちらも「アソビ大全」シリーズでは初収録ですが、同じエヌディーキューブが開発した『Wii Party U』には「テーブルサッカー」というWii Uゲームパッドだけで遊べるゲームが収録されていました。

 サッカーはボールを足で蹴って相手のゴールに入れるスポーツです。
 ボールを蹴っていたと思われる記録は石器時代まで遡れるらしいのですが、現代のサッカーに通じるものは19世期後半のイギリスで出来ました。当時パブリックスクールごとに違っていたルールを統一しようと出来たのがFA(フットボール協会)で、このルールが協会式フットボール(Association Football)と呼ばれました。そのsocを取って、現在のアメリカ英語で言われるサッカーになったそうです。

 これもボタンによって右回転・左回転を使い分けれて、スティックで全キャラを同時に動かすことが出来ますね。
 古典的なサッカーのおもちゃというと、↓みたいな「テーブルフットボール」があるんですが……このゲームはどっちかというと「サッカー盤」みたいなカンジですね。こういうゲームほど、どうすれば上手く出来るのか分かりません!



 私が生配信でプレイした様子はこちら。




38.「トイカーリング」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 ※ コントローラ操作のみ
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
asobi-49.png
<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 こちらも「アソビ大全」シリーズでは初収録です。
 カーリングの起源は15世期のスコットランドと言われています。『あつまれ どうぶつの森』にも出てくる『雪中の狩人』という絵は16世期のものですが、遠くに描かれている人々が何をしているとかいうとカーリングだったそうです。そんな昔からある遊びなのかと驚きますね。

 冬季五輪の花形競技とも言える「カーリング」ですから、「カーリングのおもちゃ」は結構出ているんですけど……本来のカーリングって、両チーム同じ位置から交互に石を投げるんですね。でも、この「トイカーリング」は両チームが反対側から交互に石を投げるという……こういうおもちゃは見つかりませんでした。

 恐らくですけど、元になっているのはこちらも『Wii Party U』のポケットゲーム「おはじきカーリング」じゃないかと思われます。そのゲームは両チームが反対側から同時に無数の石を投げるゲームだったのですが、この「トイカーリング」では交互に投げる戦略性の高いゲームになりました。

 滑る床に石を発射して、最後のターンを終えた時により中央に自分の石が残っていた方が勝ちというゲームです。後攻が圧倒的に有利だろうとは思うものの、私は結構好きなゲームです。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。
 アナログスティックを使うのがクソ下手なことが分かってしまう動画だ……




39.「トイボクシング」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 ※ コントローラ操作のみ
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:なし
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録です。
 ボクシングとは、パンチのみで相手の上半身を殴って相手を倒すスポーツです。古代エジプトの時代からあったと言われていますが、現代につながるルールが整備されたのは18世紀です。

 この手のおもちゃで有名なのはタカラトミーの「拳闘士」シリーズで、実際にパンチをするとおもちゃがパンチをするという『Wii Sports』のご先祖的なおもちゃになっていました。
 ただ、このゲームの「トイボクシング」はモーションセンサーに非対応で、「Aボタンでパンチ」「Bボタンでガード」という超シンプルな仕様になっています。でも、カウンターでダメージアップなどボクシングの魅力はしっかり収めているのが流石。私はこういうプリミティブなゲームこそがプレイヤーの実力が出ると思うので、CPUにもちっとも勝てないんですけどね!


 私が生配信でプレイした様子はこちら。



40.「トイベースボール」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 ※ コントローラ操作のみ
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:3イニング/6イニング/9イニング
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:3イニング
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 こちらも「アソビ大全」シリーズでは初収録ですが、同じエヌディーキューブが開発した『Wii Party U』には「テーブルベースボール」というWii Uゲームパッドだけで遊べるゲームが収録されていました。

 野球とは、先攻・後攻に分かれて、守備側がボールを投げて、攻撃側がバットという棒で打ち返す、その飛んだ場所でベースに進んで本塁(4つ目のベース)まで到達したら1点―――というスポーツです。野球の起源はアメリカ国民のアイデンティティに関わってくると言われるので、扱いが難しいんですが……現在につながるルールは1840年代のアメリカで生まれ、南北戦争によってアメリカ中に広まったというのは間違いないと思います。
 このゲームはそれをおもちゃにしたいわゆる「野球盤」ですね。 「野球盤」は特に「投げる」と「打つ」に特化して、それ以外の動きを考えなくてイイというのが特徴ですね。

 「消える魔球」はなく、ボールのスピードと左右の変化球で打ち取らなくちゃいけないので「駆け引き」というか「配球」がかなり重要だと思います。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。




41.「エアホッケー」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:5点マッチ/10点マッチ
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:5点マッチ
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録です。
 コントローラでも操作できますが、Nintendo Switch本体のマルチタッチ機能を活かして2人同時のタッチ操作でも遊べるようになっています。DSや3DS、Wii Uはシングルタッチだったため、こういうタッチパネルの使い方は出来なかったんですね。

 まぁ、指で隠れると見づらいんで、私はコントローラで操作しますけど!


 エアホッケー自体は1970年代に生まれたもので、ボウリング場やゲームセンターに置かれることが多いです。これは「実在するおもちゃ」としてはギリギリのラインか……スマホアプリもたくさん出ています。

 丸いマレットで、丸いパックを打ち合って相手のゴールに入れた方が1点というゲームです。ゲームのポイントとしては、“ラケット”の役割のはずのマレットが丸いため、打ったパックが狙った方向にいきづらいところですね。「トイテニス」とかに比べて偶発的な展開になりやすいというか。

 そのため、ワイワイ遊ぶにはかなり向いているゲームで好きです。


 私が生配信でプレイした様子はこちら。




42.「スロットカー」
 2~4人対戦用(1人プレイ時はCPUと2人対戦)
 ※ コントローラ操作のみ
 ※ 3人以上でプレイするにはNintendo Switchが2台必要?(未確認)
 オンライン対戦はできません。
 設定変更できるルール:周回数6周/???(クリア出来てないからか変更できない……)
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録です。
 溝に沿って模型の車を走らせる競技で、1960年代に世界中で大ブームになったそうです。

 ここからはオンライン対戦ができないゲームが続くのですが、「Nintendo Switch本体を複数並べて好きなコースを作れる」などオフラインでの複数人プレイに特化したゲームとして用意されたのかなぁと思います。1台で遊ぶ時に選べるコースは3コースです。
 操作方法は、Aボタンもしくはアナログスティックを倒す「アクセル」のみ。ブレーキもハンドル操作もない「アクセル」のみのレースゲームで、「アクセル」を強くしすぎるとコーナーから飛び出してしまうなど、レースゲームの面白さを極限まで簡略したようなゲームになっています。

 でも、こういうシンプルにしたゲームの方が誤魔化しが効かなくて私には難しい!
 「アナログスティック」でアクセルを操作した方が微妙な踏み込みが出来て良いらしいのだけど、アナログスティックが上手く使えないオールドタイプの自分には難易度が高すぎました……

 公式の説明動画はこちら。




43.「フィッシング」
 1人用はスコアアタック、2~4人対戦用
 ※ Joy-Conによるコントローラ操作のみ
 ※ 3人以上でプレイするにはNintendo Switchが2台必要?(未確認)
 オンライン対戦はできません。
 設定変更できるルール:3分フィッシング/フリーフィッシング
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録です。
 「実在するおもちゃ」って話はどこ行ったかって? この地球の大自然が俺達のおもちゃみたいなもんだったじゃないか!

 こちらもオンラインでは遊べない代わりに、複数のNintendo Switch本体を並べることで「1台の本体では川しかなかった」のが「上流の本体を傾けると滝になる」とか「並べ方次第で海になる」など、オフラインで遊ぶのに特化したゲームになっているみたいです。

 複数ある立ち位置を移動しつつ、ウキを投げて、魚がかかったらスティックをグルグル回して引き寄せる! 『どうぶつの森』の釣りがかかった瞬間にボタンを押す反射神経系のゲームならば、こちらはかかった後にグルグル回す体力系のゲームと言えるかな。糸に耐久値があるので、大きい魚を遠くで釣ると糸が切れることも。

 Joy-Conでしか操作できない理由はよく分かりません。
 1人用だとモーションセンサーは使わなくて、2人用以上だと(ボタン数の問題で)ウキを投げるのがAボタンじゃなくてJoy-Conを振る操作になるのですが、他のゲームもおすそ分けプレイはJoy-Conでしか出来ないんだからどうしてこのゲームだけPROコンで1人用が遊べないのかは謎です。


 癒されるゲームだけど、1人用だといつも同じ川だし、釣れる魚も限られているのが残念……

 公式の説明動画はこちら。




44.「VSタンク」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 ※ コントローラ操作のみ
 オンライン対戦可能
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録です。
 選べるステージは3ステージで、ラジコン操作(スティックを上に倒すと上に進むのではなく、自機が前進するタイプの操作)で戦車を動かしていき、相手を撃った方が勝ちというゲームです。

 任天堂は戦車のゲームを定期的に出すので似たゲームはいろいろと思いつくのですが、恐らくは『スーパーマリオパーティ』の「ドッカン戦車デラックス」が元ネタなのかなと思います。
 これは元々『マリオパーティ2』に3D空間で戦車に乗って4人対戦する「ドッカンせんしゃ」というゲームがあって、これを見下ろし視点にしてNintendo Switch本体を複数並べて遊べるようにしたのが「ドッカン戦車デラックス」です。↓の「協力タンク」は同じように、Nintendo Switch本体を複数並べて遊べますからね。


 恐らく「協力タンク」が「オフラインで4人で遊べるモード」で、それをオンラインにも対応しようとしたら「オンラインで遊べるけど2人用になっちゃった」「VSタンク」になったのかなぁと思いますね……欲を言えばオンラインで4人プレイで遊びたかったのだけど、実現できるならしたでしょうし。

 私が生配信でプレイした様子はこちら。




45.「協力タンク」
 1~4人協力用
 ※ コントローラ操作のみ
 ※ 3人以上でプレイするにはNintendo Switchが2台必要?(未確認)
 オンライン協力プレイはできません。
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 ということで、↑の「VSタンク」のオフライン特化用です。
 この2つを別ゲーにカウントするなら、1つにまとめて『世界のアソビ大全50』で発売すればよかったのでは……

 『スーパーマリオパーティ』の「ドッカン戦車デラックス」のようにNintendo Switch本体を並べてコースを作成することが出来ます。ただ、(私は未プレイなので)プレイ動画を見る限りはあちらは対戦プレイのモードだったため、こちらは「4人で協力して敵と戦う」仕様にして差別化を図ったのかなと思われます。

 1人用でも遊ぶことが出来るのだけど、1人だとボスが強くて勝てない……
 俺に、俺に友達さえいれば……

 公式の説明動画はこちら。




46.「的あて」
 1人用はスコアアタック、2人プレイ時は対戦になる
 ※ タッチ操作不可、Joy-Conを使うとジャイロ操作、PROコンの場合はスティックエイムになります
 オンライン対戦可能
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録です。
 が、Joy-Conのジャイロセンサーを使ってポインターのようにして射撃する様は、『はじめてのWii』の「シューティング」を彷彿とさせます。ただ、そちらは的を外さずに連続で当てるとコンボになるので無駄撃ちしないことが重要だったのに比べると、こちらにはそういう要素がなく闇雲に撃っても良くなっている分、底が浅くなったかなーとは思います(手軽になったとも言えるけど)。

 任天堂のガンシューティングの歴史は長く、1970年に横井軍平さんが考案したおもちゃ:光線銃シリーズから始まります。その大ヒットを受けてレーザークレー射撃場を全国各地に展開しようとして失敗するのですが、それが任天堂のアーケードゲーム参入のきっかけになったと言われていますね。
 ファミコン参入後はファミコンの周辺機器として1984年に光線銃を発売、その専用ソフトの一つが『スマブラ』にも参入する『ダックハント』です。1985年に海外版のファミコン(NES)を発売した際には、本体に光線銃と『ダックハント』を同梱するバージョンがあったことで海外の知名度が高いんですね。『Splatoon』に出てくる「N-ZAP85」というブキはこれが元ネタです(「N-ZAP89」は色が変わった後期型らしい)。
 1993年にはスーパーファミコン用の周辺機器としてスーパースコープを発売、『スマブラ』シリーズに出てくる武器として有名ですが、「持ち方がちがう!」とよく言われますね。

 そして、2006年にはポインティングデバイスを標準搭載したゲーム機Wiiが出て、そのロンチタイトルとして出たのが『はじめてのWii』です。その後も、Wiiザッパーと『リンクのボウガントレーニング』を出すなど、NESの頃から海外市場はガンシューティングが強いと踏んで展開していたように思われます。

 長々と書いたけど、この話は『世界のアソビ大全51』にあんまり関係なくない??

 私が生配信でプレイした様子はこちら。




47.「6ボールパズル」
 2人対戦用(1人プレイ時はCPU戦)
 ※ コントローラ操作のみ
 オンライン対戦可能
 設定変更できるルール:ハンデなし/あり、ガイドあり/なし
 ランダムマッチのオンライン対戦時のルール:ハンデなし、ガイドあり
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初収録です。
 が、このゲームには元ネタがあって、Wiiで発売された『マリオパーティ9』の「エクストラ」モードで遊べた「6ボールパズル」をオンライン対戦できるようにして採用したのがこのゲームとなっています。

 ということで、このゲーム唯一の落ちものパズルゲーです。同じ色のボールを6つつなげると消すことが出来ます。ただし、落ちものパズルゲーとしてはかなり異色で、このゲームは「連鎖」を起こしても何もおきません。相手にボールを送り込む攻撃が出来るのは、「ヘキザゴン」「ピラミッド」「ストレート」の型で消した時のみ。
 故に、このゲーム―――『ぷよぷよ』とかでよくある「ラッキーで連鎖がつながって勝てたーやったー」みたいなことは起こりません。かなりガチ仕様なゲームだと言えます。

 そして、『マリオパーティ9』からやり込んでいる勢(世の中にはすごい人がいるもんだ……)からしても、このゲームのCPU「やばい」は異次元の動きをするそうな。私は「やばい」を出すところまでも行けていないので分かりません!

 私が生配信でプレイした様子はこちら。




48.「スライドパズル」
 1人プレイ専用
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 このゲーム、死ぬほど難しくない!?

 「アソビ大全」シリーズでは初収録、ここからは1人用ゲームです。
 スライドパズルということで「空白のマスに他のマスを移動させて正しい並びにするパズル」かと思いきや、ぜんまいじかけで動くカメ(ウサギ)の進む道をパズルで動かして誘導してあげるゲームで……目標300点でクリアらしいんですが、私はカメでも80点くらいしか取れません。

 ゲームのコツというか、攻略のコツみたいなものも、とんと見当がつきません。
 ちなみにタッチでも操作できるので、そっちの方が向いているかと思います。

 公式の説明動画はこちら。




49.「麻雀ソリティア」
 1人プレイ専用
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 『Wi-Fi対応 世界のだれでもアソビ大全』からの収録です。

 『上海』という名前の方がイメージしやすい人も多そうですね。元々は1986年にアメリカのアクティビジョンが発売したPCゲームで、日本でも家庭用ゲーム機・アーケードゲーム・PCゲームなどで発売されたので多く知られていると思います。「麻雀」が普及したアメリカや日本とちがって、ヨーロッパでは麻雀牌を使った遊びとしてはこれが一番メジャーなんだとか。

 同じ牌を2つセットで取っていって全部取ったらステージクリアなのだけど、「上に牌が載っている牌」や「他の牌に左右から挟まれている牌」は取ることが出来ず、牌を取る順番が重要なゲームです。制限時間はありませんが、クリア時間によって★3つまでで評価されるシステムはあります。

 ステージ数は60、私は『上海』やったことがなかったんですが延々と遊んじゃう中毒性があって全ステージクリアしました(★3は目指しません)。コントローラでもプレイ出来ますが、スティックのカーソル移動が遅いんでタッチ操作がオススメです。

 公式の説明動画はこちら。



50.「クロンダイク」
 1人プレイ専用
 設定変更できるルール:1枚めくり/3枚めくり
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 「アソビ大全」シリーズでは初代から収録されている皆勤賞です。
 昔のWindowsパソコンには「ソリティア」というタイトルで収録されていたので、このゲームの名称を「ソリティア」と誤解している人も多いのですが(というか私がそうでした!)、「ソリティア」とは一人で遊ぶゲームのことです。だから、『上海』は「麻雀ソリティア」だし、「クロンダイク」も「スパイダー」もソリティアの一つなんですね。

 最終的には「組札」と呼ばれる場所に、「A→K」の13枚を4つのスート通りに並べるのが目標で、そのためには場札の表向きになっているカードを「黒と赤が交互に」「数字が小さくなっていくように」並べることが出来るというゲームです。
 「運」と「先を読む力」が必要で、それでも落ちものパズルゲーのように忙しなく動かなくちゃいけないワケでもなく、ずっと遊んでいられる中毒性の高いトランプゲームだと言えます。私はかなり好きで、オンライン対戦のマッチング待ちの時にはこれをプレイしています。

 公式の説明動画はこちら。



51.「スパイダー」
 1人プレイ専用
 設定変更できるルール:初級/中級/上級
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 同じスートのカードを上からK~Aと13枚並べられたら組札(クリア済)に移せて、全部のカードを組札に移せたらクリアというゲーム。カードが動かせるのは「そのカードより一つ大きい数字の下」だけで、「同じスートで数字が順番通りに並んだカードは同時に動かすことが出来る」のが肝ですね。初級はスートが1種類なので楽ですが、上級はスート4つになるので相当難しいです。

 このゲームもWindowsのパソコンに入っていたりするのですが、私が記憶に残っているのは3DSで出た『鬼トレ』の「同色整列」です。
 これの最高難易度が本当に難しくて、毎日1プレイだけ挑戦するも1ヶ月くらいずっとクリア出来ない日々が続きました。今日こそは、今日こそはとプレイしていて、ある日あれよあれよと整列出来ていって「これは絶対にクリアできる!1ヶ月の激闘に終止符を打つ時が来た!」というところまでいったのですが、そこでまさかの3DSの充電が切れる。以後、もう二度と『鬼トレ』を起動しなくなったとさ。

 今回この『世界のアソビ大全51』にこのゲームが収録されているのを見て、私はひそかにリベンジを誓っていました。そして、これも1ヶ月くらい戦っていましたが、何とか最高難易度をクリア! あの3DSの充電が切れたトラウマからようやく解放されることが出来ました。ありがとう、『アソビ大全』! ありがとう!

 公式の説明動画はこちら。




オマケ.「ピアノ」
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 画面をタッチすると、音が鳴ります。
 Nintendo Switch本体を並べると鍵盤が増えたり、Joy-Conを振るとドラムになったりします。

 ピアノは1700年前後に、イタリア出身のバルトロメオ・クリストフォリが「弦を叩く」構造を作り上げたことで生まれたそうです。それまでにも「弦を弾くチェンバロ」などの楽器はあったのですが、ピアノは「弦を叩く」ことによって強弱を付けることが出来るようになったとかうんたらかんたら。 

 公式の説明動画はこちら。



◇ 結局、どんな人にオススメなの?
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<画像はNintendo Switch用ソフト『世界のアソビ大全51』より引用>

 例えば、「麻雀だけ遊びたい!」とか「大富豪だけ遊びたい!」と目当てのゲームが限られている人には、多分「麻雀だけのゲーム」「大富豪だけのゲーム」を選んだ方がイイんじゃないかと私は言います。その方がルールを細かく設定できたり、基本無料のスマホアプリとかも出てたりしますからね。

 このゲームに向いているのは、「たくさんゲームが並んでいること」「知らないゲームがズラッと並んでいること」にワクワクできる人だと思います。1つのゲームを極めるタイプの人よりも、複数のゲームをビュッフェ形式でちょっとずつ遊んでいくことが好きなタイプの人にオススメです。

 また、そうしたゲームが「任天堂が考えた独自のゲーム」ではなく「昔からある古典的ゲーム」なこともポイントで。このゲームを1本通して遊ぶだけで、そうした古典的なゲームをたくさん知って「俺、そのゲーム遊んだことあるぜ」とドヤ顔で語れるようになるのも大きいですね。
 私はこれで今後「倒さないドミノ遊んだことあるよ?」とか、「バックギャモン面白いよね」とか言えますからね! 「ドヤ知識」が読めるのも、多分そういう“知識欲”を持った人に向けた要素だと思います。


 

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『ペーパーマリオRPG』紹介/パラメータ1の増減が生死を分けるビター味マリオ

paperrpg-1.png
<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
『スーパーマリオRPG』の流れを汲む、2つの「マリオのRPG」シリーズ
ランダム要素のない、ガチ戦略バトル(ただしアクションコマンドあり)
ドラゴンの棲む古城、天空闘技場、海賊の財宝の眠る島……様々な冒険がここにある!


『ペーパーマリオRPG』
・発売:任天堂/開発:インテリジェントシステムズ
公式サイト
 ゲームキューブ用ソフト:2004年7月22日
・アクションRPG
・セーブ方法:町やダンジョンにあるセーブブロックを叩くと任意セーブ完了


 私のクリア時間は31時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:○(基本は明るいけど、仲間達に見捨てられるダークな展開もある)
・恥をかく&嘲笑シーン:△(ルイージやクッパのイジリ方は苦手な人もいるかも)
・寝取られ:○(寝取られというか、仲間に裏切られる展開がある)
・極端な男性蔑視・女性蔑視:△(今の感覚だと、トランスジェンダーイジリはちょっと…)
・動物が死ぬ:○(モグラを叩きすぎると死ぬらしい)
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:△(観客を食ってダメージ回復するドラゴンとかいる)
・グロ表現としての虫:△(大量の虫ーーーー!ぎゃーーーー!)
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ 『スーパーマリオRPG』の流れを汲む、2つの「マリオのRPG」シリーズ
 「え? ペーパーマリオのレビューだって!? 7月17日発売のはずなのに、もう?」と思われたかも知れませんが、誤解しないでください。この記事は「2020年7月17日発売のNintendo Switch用ソフト『ペーパーマリオ オリガミキング』の紹介記事」ではありません、「2004年7月22日発売のゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』の紹介記事」です。

 「どうしてこんな紛らわしい時期にそんな昔のゲームをレビューするんだよ! 間違えてクリックする人を狙ったアクセス数稼ぎかー? 死ね!」と思われたかも知れませんが、昨年の2月にプレゼントされたものを今年の1月から遊び始めたところ、あまりに難しくてクリアに半年かかってたまたまこの時期になっただけです。本当は1月中にクリアしたかったんですよ!


 プレゼントされたゲームなんで、「難しい難しい」と愚痴るくらいなら、黙って途中でギブアップして二度とこのゲームについては触れないくらいの方がイイかなと途中までは思っていたのですが……ステージ4をクリアした辺りで、ふと気づいたことがあったのです。
 そうか、俺はこのゲームについて重大な勘違いをしていたぞと。恐らくこのゲームを遊んだことのない人も、ビジュアルなどのイメージから誤解している人も多そうなので語っておこうと考えました。

 私が今までクリアしてきたRPGの中では、『ソウルハッカーズ』に続いて歴代2位くらいに難しかったです(アレも自力クリアしたワケじゃないけど)。『オクトパストラベラー』の裏ボス戦がずっと続くようなゲームでした。
 「は? このゲームそんなに難しくねえだろ、やっぱオマエはゲームが下手というより頭おかしいんだよ! 死ね!」と思った人なら『オクトパストラベラー』の裏ボス戦くらい余裕だと思うので、買おう! 『オクトパストラベラー』!



 さて、このゲームについて語る前に「マリオのRPG」の歴史について語りましょう。
 『マリオ』本編はバリバリのアクションゲームですが、そんな「マリオのRPG」が登場したのはスーパーファミコンの時代である1996年3月です。
 その名も『スーパーマリオRPG』で、当時『FF』や『ロマサガ』などの大ヒットRPGを連発していたスクウェアの開発でした。このゲームも大ヒットして今でも「一番好きなゲーム」に名前を挙げる人が少なくないくらいの名作です。私はちょっと、あまり肌に合わなくて、ラスボスに勝てずにギブアップしちゃいましたが……

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<画像はWiiバーチャルコンソール用『スーパーマリオRPG』より引用>

 しかし、このゲームの発売直前の1996年2月にスクウェアは『FF』の新作である『FF7』を任天堂機ではなくプレイステーションで発売すると電撃発表しました。『スーパーマリオRPG』を置き土産に任天堂とスクウェアは絶縁関係になり、これ以降スクウェアは基本的にプレイステーション独占でタイトルを発売していきます。

 最近のゲームの売上ランキングからするとイメージが出来ないかも知れませんが、当時の日本のゲーム市場は「RPG」が一番の人気ジャンルでした。たくさんの大人気「RPG」を抱えていたスクウェアのプレイステーション独占はゲーム機のシェア争いを一気に動かして、『ドラゴンクエスト』もプレイステーションに出ることが決まるといよいよ決着したカンジです。


 『FF』を含めたスクウェアの人気RPGと『ドラゴンクエスト』を独占するプレイステーション陣営に対して、それらの「RPG」を持たない任天堂、セガ、そしてマイクロソフトは「どうにかしてRPGをウチに持ってこなければ」と苦労していきます。NINTENDO64に『シレン2』が出たり、ドリームキャストで『グランディア2』が出たり、Xbox360で『ブルードラゴン』が出たり、この流れは2009年に『ドラゴンクエストIX』がニンテンドーDSで発売されるまで続きました(そして、2010年代になるとスマホゲーの時代になるので、相対的にゲーム機用のRPGの位置が落ちてくる……)。

 そんな風に「RPG」タイトルが戦略的に必要な時代でしたから、任天堂は絶縁状態にあるスクウェアとは別の会社に『スーパーマリオRPG』の続編を作らせます(アーカイブ参照)。開発はインテリジェントシステムズで、『スーパーマリオRPG2』という仮タイトルが付けられていたこの作品は、2000年に『マリオストーリー』というタイトルでNINTENDO64用ソフトとして発売されます。




 アクションコマンドなどの一部のシステムだったりシンボルエンカウントのコマンドバトルなことは継承されたものの、クォータービューだった『スーパーマリオRPG』とはちがい、ペラペラの紙のようなマリオを主人公にして絵本のような世界を描いたこの作品は新たなシリーズを生み出します。『マリオストーリー』の海外名が『Paper Mario』だったことから、このシリーズは「ペーパーマリオ」シリーズと呼ばれ、その2作目である今作が『ペーパーマリオRPG』というタイトルになるんですね。


 ということで、スクウェアの作った『スーパーマリオRPG』の代わりに、マリオのRPGとして「ペーパーマリオシリーズ」が生まれて現在でも続いているんですね~めでたし、めでたし―――という話なら分かりやすいのですが、実はそうではないという。


 任天堂がRPG不足に苦しんでセカンドパーティにいろんなRPGを作らせていた2000年前後、実はスクウェアの方にもいろんなことがあって「元○○を作っていたスタッフ」が次々と独立して会社を作っていました。
 『ゼノギアス』を作っていた人達のモノリスソフト(1999年設立)、『聖剣伝説』シリーズを作っていた人達のブラウニーブラウン(2000年設立)、そして『スーパーマリオRPG』を作っていた人達が集まったと言われるアルファドリーム(2000年商号変更)――――『スーパーマリオRPG』の続編を作りたいけどスクウェアとはもう関われないからインテリジェントシステムズに作ってもらってたら、『スーパーマリオRPG』を作っていた人達がスクウェアを出てしまうという(笑)。

 そのため、『スーパーマリオRPG』を作っていた人達によるアルファドリームが、もう一つマリオのRPGのシリーズを作ることになります。それが、2003年にゲームボーイアドバンスで発売された『マリオ&ルイージRPG』です。こちらもシリーズ化されて、リメイクも含めると7作発売されたそうです。


 そちらのシリーズとの差別化のためか、インテリジェントシステムズの「ペーパーマリオシリーズ」は、この次のWii用ソフト『スーパーペーパーマリオ』以降はRPGではなくアクションアドベンチャーにジャンルが変わりました。私はシリーズの中では唯一この『スーパーペーパーマリオ』だけは遊んでいたため、「前作まではRPGだったの!?」と驚きました。

 ということで、スクウェアの作った『スーパーマリオRPG』の代わりに、マリオのRPGとして「ペーパーマリオシリーズ」が生まれたのだけど、アルファドリームが「マリオ&ルイージRPG」シリーズを手がけるようになったため、「ペーパーマリオシリーズ」はRPGじゃなくなったんですね~めでたしめでたし――――と言いたかったのだけど、実はこのアルファドリームは2019年に破産。

 「マリオのRPG」の路線が消滅した2020年に、インテリジェントシステムズが「ペーパーマリオ」の新作をNintendo Switchで出すという。


 むっちゃややこしいと思うので、図にしてみましたー。

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 「ゲームの歴史なんかどうでもいいよ、さっさとゲームの中身の話をしろよ!」と思われたらゴメンなさい。しかし、この歴史こそが私がこのゲームを勘違いしていた原因でもあるので説明しなくてはいけなかったんですね。
 『スーパーマリオRPG』の後継となるべく生まれたシリーズなのだけど、『スーパーマリオRPG』とはまったくちがうゲームだと思わなければならなかったのです。

↓2↓

◇ランダム要素のない、ガチ戦略バトル(ただしアクションコマンドあり)
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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 このゲームを始めたばかりのころは……絵本のようなグラフィック、漢字にはルビが振ってあって、「悪の組織」と戦う勧善懲悪のストーリー、そして何より「攻撃力・防御力はどのキャラも一桁の数字」「HPも大体二桁の数字」と―――計算がまだそれほど得意でもない小学校低学年のこどもでも楽しめるゲームなのかなと思っていました。

 この次作である『スーパーペーパーマリオ』をクリアしている私でもそう思っていたので、このシリーズをまったく遊んでいない人にはそういうイメージを持っている人も少なくないんじゃないですかね。「可愛らしいグラフィックの、こども向けゲーム」だと。

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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>


 そしたらどっこい、ステージ1のザコ敵である「その辺をトコトコ歩いているノコノコ」ですら恐ろしい強さで、あっという間にゲームオーバー直前まで追い詰められました
 「レベルや装備が整っていない序盤が一番キツイ」RPGもあるのでこのゲームもそういうことかと思いきや、このゲームは「レベルが上がっても攻撃力・防御力は上がらない」「装備などない(アクセサリ的なバッジはある)」ため、ゲームが進んでもちっとも楽になりません。むしろ、敵の攻撃がどんどん過酷になるのでゲームバランスもどんどん過酷になっていきます。


 「初代『ポケモン』に続いて、こども向けのRPGでもマトモにクリアできない俺は、もうRPG向いていないのかなぁ」「もう何もかもが向いていない気がする」「死のう」くらいに落ち込んでいたのですが、ブログのコメント欄で「私もこのゲーム、クリア出来ませんでした」という声をいただいたことでハッと気が付いたのです。


 このゲームを開発している会社って、インテリジェントシステムズだ……と。『ファミコンウォーズ』や『ファイアーエムブレム』を作っている会社ですよ。

 最近はかなり方向性が変わりましたが、この頃の『ファイアーエムブレム』は「死んだ仲間は死んだまま進む」「ステージの途中ではセーブできない」ため―――ステージの後半でうっかり仲間が死ぬと「もうこの仲間は死んだまま進む」のか、「1時間のプレイが台無しになるけどリセットボタンを押してステージの最初からやり直す」のかを、血の涙を流しながら悩まなきゃいけないゲームで。だから、ありとあらゆる手でうっかり仲間が死んでしまうような罠をはりめぐらしている「手ごわいシミュレーション」でした。そんなゲームを作っている鬼畜会社ですよ!


 だから、この『ペーパーマリオRPG』も難しいゲームなんですよ。
 しかも、一般的なRPGとはかなりちがう独特のルールで出来ているゲームなため、一般的なRPGのつもりでプレイすると相当苦戦することになるという。

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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 例えばこのゲーム、「攻撃力5」の味方キャラが「防御力3」の敵キャラに攻撃を仕掛けた場合、ダメージは必ず「2」になります。何回やっても「2」になります。アクションコマンドの成否によってダメージが変わる技や、攻撃を回避する状態異常もありますが、基本的なルールとして「同じ味方キャラが同じ敵キャラを攻撃すると毎回同じダメージになる」があるんです。ダメージが倍増するクリティカルとか、(状態異常や煙幕がなければ)回避とかも発生しません。


 一般的なコマンドバトルRPGで、こういう仕様のゲームは多くないと思います。
 「同じ味方キャラ」が「同じ敵キャラ」を攻撃すると、毎回ダメージが変わる“ゆらぎ”が発生するのが普通です。というのも、『ドラゴンクエスト』にしろ『ファイナルファンタジー』にしろ、日本のコマンドRPGのほとんどは元をたどると『ダンジョンズ&ドラゴンズ』というアメリカのテーブルトークRPGに行き着きます。攻撃が当たるかどうかや、そのダメージ量がいくつになるのかを、サイコロを振って決めていたんですね。それ故に、日本のコマンドRPGには「ランダム要素」が多かれ少なかれ入っているんですね。

 分かりやすい例えを言うと、『ドラゴンクエスト』シリーズにおける「ザオラル」です。「死んだ仲間にかけると仲間が生き返る魔法」というRPGにおいて重要な魔法でありながら、伝統的に成功率が50%で、失敗すれば何も起こらない仕様……こどもの頃は意味が分からなかったのですが、元が「サイコロを振るゲーム」と考えると納得できます。『ルドー』の「6が出るまで出撃できない」に比べればマシだ!
 「いのりのゆびわ」(使用するとMPを回復するが約1割の確率で壊れるアイテム)、「パルプンテ」(複数の効果の中からランダムで選ばれる魔法)など、この他にも『ドラクエ』シリーズには「ランダム要素」の強い魔法やアイテムが結構あるんですよね。



 しかし、『ペーパーマリオRPG』はちがいます。
 先ほども書いたように、このゲームの開発は『ファミコンウォーズ』や『ファイアーエムブレム』シリーズを作っているインテリジェントシステムズです。んで、これらの元祖をたどるとウォーシミュレーションゲームという、テーブルトークRPGとはまた別のボードゲームで、更に突き詰めると将棋やチェスに行き着きます。

 ウォーシミュレーションゲームが「ダイス」を使わなかったわけではないですし、『ファイアーエムブレム』シリーズには「クリティカル」や「命中・回避」といったランダム要素はありましたが……『ファミコンウォーズ』には、こういったランダム要素はありませんでした。「同じ味方キャラが同じ敵キャラを攻撃すると毎回同じダメージになる」し、「クリティカル」や「命中・回避」もありません。そりゃ、将棋やチェスだったら「おっとー!飛車が敵の歩兵の攻撃を避けた―」とか起こりませんものね。


 ということで、この『ペーパーマリオRPG』―――
 『ファミコンウォーズ』をコマンドRPGにしたようなゲームなんですよ。

 一般的なRPGとちがって「ランダム要素」はほとんどなく、敵のHP・攻撃力・防御力、こちらの攻撃力や相性なんかを全部頭に入れて、一手一手しっかり考えて「敵の攻撃回数を1回でも減らす」ことをしないとザコ戦でもあっという間にゲームオーバーになってしまう詰将棋的なバトルなんですね。

 HPや攻撃力・防御力の数値が二桁・一桁なところや、「ノコタロウは地上の敵には強いけど空中の敵を攻撃できない」や「チビヨッシーののみこむは相手の防御力を無視して攻撃できる」みたいにユニットごとの相性があるところも『ファミコンウォーズ』っぽい。


 そのため、このゲームにおいて「攻撃力や防御力の1の差」はムチャクチャ重要です。攻撃力2だったら防御力2の敵には何百回攻撃しても0ダメージですが、攻撃力3なら1ダメージずつ与えられますからね。そう言う計算をしていくゲームなのです。
 しかし、先ほども書きましたが、このゲームは「レベルアップ」や「装備」によって攻撃力・防御力が上がりません。バッジの中には攻撃力・防御力を上げてくれるものもありますが、出てくるのは中盤以降で数も限られています。「レベルを上げて物理で殴る」では突破できないようになっています。しっかり頭を使わないとダメなんです。

 あと、このゲームには回復魔法はありません(※1)。スペシャルゲージを貯めて使うスペシャル技か、アイテムでしか回復できないのですが……お金を貯めて回復アイテムを買いこんでゴリ押し出来ないように、アイテムが持てる数も10コとかなり少ないです(※2)ありとあらゆる手段で「ゴリ押しでクリアすることは許さん!」と道が絶たれているの、シミュレーションゲームを作っている会社らしいですよね。

(※1、2:クリア後に攻略サイトを読んで知ったのだけど、やりこみ要素をやると回復魔法が使える仲間が入ったり、アイテムの所持数の上限を上げたりも出来たらしい。そういうのをやりこみ要素のご褒美にするなよ……)


 スクウェアの『スーパーマリオRPG』は、ラスボスを倒せずにやめた私が言うのもアレなんですが、『FF』を作っていた会社のRPGなだけあってオーソドックスなRPGで難易度もそこまで高くありませんでした。私はクリア出来ませんでしたが、私の母が後に「レベルを上げて物理で殴る」で無事にクリアしていましたからね。
 その『スーパーマリオRPG』の続編と思ってこのゲームを遊ぶと、全然ちがうゲームなんで上手くいかなくて当然なんですよ。「スゴロクだ」と思ってゲームを始めたら「将棋」だったみたいな話ですよ。ということで、私は悪くない!


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 とまぁ、基本的にはシミュレーションゲームを作っているメーカーらしい「詰将棋的なコマンドバトルRPG」なんですが、これにスクウェアの『スーパーマリオRPG』から継承した「アクションコマンド」が融合したことで厄介なことに……

 「アクションコマンド」とは、攻撃時にタイミング良くボタンを押すとダメージが1プラスされたり、防御時にはタイミングよくボタンを押すとダメージが1マイナスされたり、魔法的なものを使う際にはQTEに成功した分だけ威力が上がったり……要は、「見てるだけ」だったコマンドバトルRPGの戦闘にプレイヤーの操作を加えようというものなんですが。私は、『スーパーマリオRPG』の頃からこれがすごく嫌いなんですね……


 というのも、「タイミング良くボタンを押す」の「タイミング良く」ってのが納得いかないんですね。俺にとっては今のタイミングが「タイミング良い」んだよ、どうしてオマエが勝手に「タイミングが良いかどうか」を判断するんだよ!例えば、「ボールがバットに当たる瞬間にボタンを押す」とかだったら私にも「良いタイミング」は分かるのですが、ブレス的なものを浴び続けているその1秒の間のどのタイミングでボタンを押すかなんて分からないじゃないですか。

 でも、このゲームはアクションコマンドを成功することが前提のゲームバランスになっているところがあって、防御時のアクションコマンドに成功しないと「毒」「睡眠」「混乱」「氷付け」などの状態異常を防ぐことが出来ず、それらの状態異常を直す手段も少ないため、難易度が跳ね上がるんですね。全員睡眠でタコ殴りとか、全員氷付けでタコ殴りとか、何度経験したことか……


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 更にそのイライラに拍車をかけるのが、劇場を模したバトルの舞台。
 「観客の盛り上がりによってスペシャルゲージが溜まる」といったプレイヤーのメリットはあるものの、観客が攻撃してくるのを察知して事前にボタンを押さないといけなかったり、敵の攻撃とは別に舞台装置が落下してきたり、氷付けにしてくる噴射がいきなり起こったり、プレイヤーのマイナスになることが頻繁に起こり。それに突発的に対処しなくちゃならないので、「詰将棋の最中に突然QTEをしなくちゃいけない」みたいなゲームになっているんです。

 「アクションコマンドをさせるな」とは言いませんけど、「アクションコマンドに成功すればプレイヤーに得がある」くらいに留めておいて、「アクションコマンドに失敗するとどんどんプレイヤーが不利になって難易度が跳ね上がる」のは勘弁して欲しかったなーと思います。


↓3↓

◇ ドラゴンの棲む古城、天空闘技場、海賊の財宝の眠る島……様々な冒険がここにある!
 ………

 ………ヤバイ!

 今日の記事は「愚痴らずに書けるはずだ」と思ったから書き始めたのに、結局ずっと愚痴っている気がする!


 確かに難易度は高かったし、「もうペーパーマリオシリーズはこりごりだよ~」と思うくらいに大苦戦したのだけど、決して手を抜いたゲームではなくて「隅々まで作りこまれた気合の入ったゲーム」だったと思います。今からそういった話を書いていきます。


 「RPGに何を求めるのか」は人それぞれちがうと思いますが、私の場合は何といっても「冒険」です。溶岩が溢れる火山、灼熱の砂漠とピラミッド、凍てつく氷の大地、古代図書館だったり、たくさんの人が行き交うマーケットだったり、現実では絶対に行けないような場所を冒険できるシチュエーションがRPGの魅力だと私は思っています。

 だから、「いろんなところに行けるか」が私にとってのRPGの評価ポイントになりがちで、「変な異空間みたいなところでずっと戦っている」RPGはあまり好きじゃないし、スマホのソシャゲは戦闘や育成がRPGっぽくても「冒険」している感がほとんどないので全然ハマれないのです。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 その点、『ペーパーマリオRPG』は「冒険」している感の強いゲームでした。
 拠点となるのは、スラム街っぽい「ゴロツキタウン」―――今作のマリオは、「7つのスター」を集めるために「ゴロツキタウン」から7つのステージに冒険していくという形になります。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 ドラゴンの棲む古城を冒険したり。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 海賊の宝を求めて大海原を航海したり、という王道の展開から。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 天空闘技場のチャンピオンを目指してひたすらバトルするとか。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 豪華列車の中で事件に巻き込まれるとか。


 様々な場所、様々なシチュエーションで、様々なストーリーが展開されていきます。
 特にストーリーに関しては「マリオのパブリックイメージ」からすると禁じ手じゃないかと思われる際どい展開もあったりして、この次の『スーパーペーパーマリオ』ともども「攻めてるなぁ」と思いました。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 また、単純にいろんなところに行ってスターを集めるだけでなく、同じようにスターを集めている「悪の組織」が登場します。この「悪の組織」と戦いながらスターを探す展開が、レッドリボン軍と戦いながらドラゴンボールを探す展開みたいでワクワクしました(この例え、通じる?)。



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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 その様々なシチュエーションを楽しませるため、このゲームには色んな要素が入っています。クイズだったり―――


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 『ゼルダ』的な謎解きだったり―――


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 マリオなんで、道中はアクションゲーム的なジャンプアクションだったりも求められます。



 うーん……
 『スーパーマリオRPG』がそういうゲームだったから、この『ペーパーマリオRPG』も「基本はコマンドバトルRPGだけど、道中でアクションの腕」も求められるとしているんでしょうが……この時代に何故「RPG」が一番人気のジャンルだったかというと「アクションゲームが苦手な人でもじっくり遊べるから」であって、RPGにアクションの腕も求めるのは「アクションゲームが苦手だからRPGが好き」な人を取りこぼすだけじゃないかなぁと思うんですね。

 「アクションが得意な人なら、コマンドバトルRPGが苦手な人でも補える」みたいなバランスにしているならともかく、アクションもアクションコマンドも戦略的なコマンドバトルも全部こなさないとならないバランスにしているので、様々なジャンルのゲームスキルが高くないと苦戦するゲームになっていて……


 それらのジャンルが全部得意なら「このゲーム1本買えば色んな味が楽しめる!」んだけど、1つでも苦手なジャンルが混ざっていると「ぐえー、マヨネーズ入ってるから食えないー」みたいになってしまうという。


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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 「作りこんでいる」と言えば、このゲームで最初に仲間になるクリスチーヌはXボタンを押すことで「ありとあらゆる場所」「ありとあらゆる人」の解説をしてくれるという驚異の作りこみ! 要は、その辺を歩いているモブにも名前があって、設定があって、その解説のテキストが用意されてるってことですよ。マジで、実質『オクトパストラベラー』じゃん!

 しかし、このゲームの仲間キャラクターは一人しか出せなくて、他のキャラならスイッチが押せたり、移動速度が上がったりするので……クリスチーヌの出番はあまり多くありません。そのため、私はこの解説をほとんど読んでいません。膨大な量のテキストがあっただろうけど、それを読むのが面倒くさい!


 「ものすごく作りこんでいるからこそ面倒くさい」仕様は、無視すれば別にイイんですけど、ストーリー面でもその弊害を感じることがあって……終盤かなりテンポが悪いと感じるところはありました。スタッフ側は1人1人のモブキャラまで愛していて丁寧に描いているつもりなんだろうし、そうしたモブキャラまで大好きな人には最高のゲームなんでしょうけど、自分はあまりノれませんでした。


 あれ?
 結局、愚痴ってない!?



◇ 結局、どういう人にオススメなの?
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<画像はゲームキューブ用ソフト『ペーパーマリオRPG』より引用>

 かわいらしい見た目とは裏腹に、システムも難易度もストーリーもビター味な大人向けマリオだと思われます。
 「大人向け」って言葉だと「CERO:Z」指定みたいに思われるかもですが、作品のコンセプトとしては「えー? マリオとかこども向けでしょー」と背伸びし始めたくらいの年代のコ――小学校高学年~中学生くらいを狙って苦めに仕上げたんじゃないかなと思います。言うても、それでもストーリーは勧善懲悪ですからね。

 詰将棋的なコマンドバトルと、突然のQTEと、アクション要素と、謎解き要素と―――色んな要素で出来ているゲームなので、様々なジャンルのゲームのスキルが高い人には溜まらないゲームでしょう。逆に言うと、どれか一つが苦手だとそれだけで私みたいに大苦戦することになるのですが……


 あぁ! 私がゲームが上手かったら、色んなゲームをもっと楽しめたんだろうな!
 そんなことを考えてしまいました。

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≫ EDIT

『グノーシア』紹介/間違いなく俺は、この14人と一緒に宇宙を冒険したんだ

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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
1プレイは10~15分。何百回と、CPU相手に遊べる1人用人狼ゲーム
ループするごとに強くなる「ループ作品の主人公」を体験できる
このゲームの主人公は「自分」だし、キャラクターは「NPC」なんかじゃなかった


『グノーシア』
・メーカー:プチデポット(Vita版のみ販売はメビウス)
公式サイト
 プレイステーションVita版:2019年6月20日発売
 Nintendo Switch版:2020年4月30日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
・SF人狼ゲーム
・セーブ方法:オートセーブ


※ PVはNintendo Switch版のものです
 私のクリア時間は28時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:△(一部のエンドを除いて終始明るいノリ)
・恥をかく&嘲笑シーン:△(土下座シーン、ちょっと恥ずかしいの私だけ?)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×(性別を持たない汎という概念は面白かった)
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×(グノーシアは人間を「消滅」させてるだけなんで)
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ 1プレイは10~15分。何百回と、CPU相手に遊べる1人用人狼ゲーム

 このゲームは『メゾン・ド・魔王』を作ったことで有名なプチデポットが、約4年をかけて開発したインディーゲームです。
 元々はプレイステーションモバイル用にプロトタイプを作っていたところ、プレイステーションモバイルのサービスが終了、Vita用ソフトとして開発を始めるも完成した頃にはVitaは出荷終了しているくらいの末期になっていました。しかし、そんな時期にも関わらず(そんな時期だからこそ?)「終わりかけているVitaにこんな面白いゲームがあるぞー!」と口コミが広がってヒットしました。

 私がプレイしたのは、そのVita版にバランス調整などを施して移植をしたNintendo Switch版です。Vita版の実績と評判があったため、ニンテンドーダイレクトで紹介されるなど注目度も高く、自分も含めて「Nintendo Switch版で初めて遊びました」って人が結構いました。
 よく「○○の機種で出たら買うとか言っているヤツは、実際に○○の機種で出ても買わない」と言われますが、少なくとも『グノーシア』はNintendo Switch版で出たから買って遊んだという人がたくさんいましたよ!


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>


 さて、そんな経緯なので私はプレイする前から「人狼をモチーフにしたアドベンチャーゲーム」「ムチャクチャ評判が良かった」ことくらいは知っていました。逆に言うとそれくらいの知識しかなかったので、ケムコのアドベンチャーゲームとか、『シークレットゲーム』みたいな、ストーリーをひたすら読んでいって、たまに選択肢がある―――というノベルゲームだと勘違いしていました。

 全然違いました。

 このゲーム、「人狼をモチーフにしたアドベンチャーゲーム」というよりかは「人狼をCPU相手に延々と遊ぶゲーム」だったんです。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 「人狼とか全く知らない」という人もいらっしゃると思うので、ゲームの大まかな流れを説明していきます。まずは「会議パート」です。『人狼』では「昼フェイズ」と呼ばれるパートですね。

 メンバーの中に紛れている「グノーシア」が誰かを話し合って推理していくパートです。プレイヤーが出来ることは大まかに分けて2つ、「Xボタンを押して自分から発言する」「Aボタンを押して他の人の発言を聞く」かです。
 自分から発言すると「アイツは怪しい!」と名指しで攻撃できるのですが、喋りすぎると目立ってしまって「アイツ喋りすぎで怪しい」と逆に怪しまれてしまいます。「他の人の発言を聞く」と、誰が誰を怪しんでいるかなんかが分かる一方、望まない展開になって「その人じゃなかったのにー」と場に流されてしまうことにもなりかねません。なので、両方をバランス良く使っていく必要がありますね。

 時間制限などはないので、データなんかを見ながらじっくり考えましょう。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 自分およびCPUの発言が合計5回終わったら、「会議パート」のラスト:投票開始です。
 「コールドスリープさせたい相手」を1人1票ずつ入れていって、多数決で1位になった人を強制的にコールドスリープにさせます。乗員の勝利条件は「全てのグノーシアをコールドスリープさせること」なので、ここでグノーシアを全滅できれば「終了」です。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 グノーシアをコールドスリープさせられなかった or グノーシアがまだ残っている場合、ゲームは続行し、「移動パート」に入ります。『人狼』における「夜フェイズ」だと思うのですが、やれることは結構あります。どちらかというと育成シミュレーションとか恋愛シミュレーションっぽいパートだと思います。

 まずは「経験値が溜まっていた場合は自室でレベルアップ」が出来ます。
 詳しくは次の項で説明しますが、このゲームは「主人公の成長」がムチャクチャ重要なので、忘れずにレベルアップさせてステータスをアップさせておきましょう。

 続いて、「宇宙船内にいる誰か一人にだけ会いに行ける」のですが―――――あ、説明し忘れていました。このゲームはSFです。人類が宇宙を飛び回っている時代に、この宇宙船という密閉空間に「グノーシア」に汚染されているヤツがいるぞ! やべえ! って話です。グノーシアに汚染された人を野放しにしないため、グノーシアを全員見つけ出さない限り、この宇宙船はどこにも行けないんですね。

 話を戻しましょう。
 この「移動パート」で誰かに会いに行けば、その人とちょっとだけ仲良くなって「会議パート」で協力してくれるなんてこともありますし。あちらから「同盟を結ぼう」と提案されることもあります。また、ストーリーを進めるための特殊イベントが起こるのもこの「移動パート」が多いです。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 「移動パート」が終わると、グノーシアに狙われた一人が消滅します。
 グノーシアが何人残っていたとしても、グノーシアに消滅させられるのは一人ずつです。グノーシア側は「グノーシアの数が生き残っているメンバーの半数以上に到達する」と勝利なので、グノーシアの仲間をコールドスリープさせないように立ち回りながら、乗員を一人ずつ排除していくプレイになりますね。

 そして、残ったメンバーでまた「会議パート」、コールドスリープさせる人を話し合って投票します。この繰り返し、ちょっとまとめてみましょうか。

・会議パート:自分+CPUが5回まで発言できる
→ 投票:誰か一人を「コールドスリープ」させる
→ 移動パート:誰か一人に会いに行ける
→ グノーシアの襲撃:誰か一人が「消滅」させられる

→ 会議パート:自分+CPUが5回まで発言できる
→ 投票:誰か一人を「コールドスリープ」させる
→ 移動パート:誰か一人に会いに行ける
→ グノーシアの襲撃:誰か一人が「消滅」させられる

→ これを「グノーシア全員をコールドスリープさせる」か、「グノーシアの数が生き残っているメンバーの半数以上に到達する」まで続ける


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 そして、プレイヤーが勝っても負けても、ループしてまた「1日目」の「会議パート」からやり直しになります。「誰がグノーシアか」どころか、「参加しているキャラの数」、「誰がどの役職か」などもすべてリセットされるので、前回のプレイで分かったことは次のプレイでは役に立ちません。この辺はちょっとローグライクっぽい。
 ゲームが進むと、「参加人数」「グノーシアの数」「どの役職がいるのか」「自分がどの役職なのか」を自分で設定できるようになります(「おまかせ」にもできます)。これで延々とループを繰り返しながら、CPU相手に「会議」を重ねていくゲームなんですね。

 1ループにかかる時間は長くても15分くらい、人数を減らせば10分もかからないと思います。「ワンプレイの短さ」と「毎回ちがうことの起こるリプレイ性の高さ」ゆえに、勝っても負けても「もう一度!」と遊びたくなるのは、『Splatoon』みたいな対戦ゲームのような中毒性があります。

 ジャンル的には「アドベンチャーゲーム」なのに、ゲームマインド的には「対戦ゲーム」なんですね。



 こんなカンジ。
 『人狼』を知っている人なら「まんま人狼じゃん!」と思ったかも知れません。設定をSFにして、役職名を独自のものにしていますが、中身は『人狼』そのまんまです。説明の際には分かりやすく「乗員」と「グノーシア」以外の役職名は書きませんでしたが、ゲームを進めていくと「1度に参加するキャラ数」「潜んでいるグノーシアの数」も増えて、役職もどんどん増えていきます。

 こちらも簡単にですがまとめておきますが、『人狼』を知らない人には「こんなに一度に覚えられない!」と思われるでしょう。ゲーム内ではちょっとずつ解禁されていくので、実際にゲームで遊べば覚えやすくなっていると思われます。


<乗員サイド>
※ 「グノーシア全員をコールドスリープさせる」と勝利
・乗員 (『人狼』でいう“村人、人間”)
 特に能力を持たない一般人

・エンジニア (『人狼』でいう“占い師、預言者”)
 移動パートの最後に、「その人がグノーシアかどうか」を1人だけ調べられる

・ドクター (『人狼』でいう“霊能者、霊媒師”)
 移動パートの最後に、「コールドスリープさせた人がグノーシアかどうか」を調べられる

・守護天使 (『人狼』でいう“狩人、騎士、用心棒”)
 移動パートの最後に指定した1人を、グノーシアの襲撃から守ることができる

・留守番 (『人狼』でいう“共有者、双子”)
 2人1組のセットで、それぞれがお互いを「乗員」だと認識・証明できる

<グノーシアサイド>
※ 「グノーシアの数が生き残っているメンバーの半数以上に到達する」と勝利
・グノーシア (『人狼』でいう“人狼”)
 移動パートの最後に、指定した1人を消滅させることができる

・AC主義者 (『人狼』でいう“狂人、裏切り者”)
 能力的には「乗員」だけど、グノーシアの味方で好き放題ウソをつくことができる。ただし、AC主義者は誰がグノーシアかを知らないし、グノーシアも誰がAC主義者かを知らない(なので、グノーシアから襲撃を受けて消滅することもある)

<第3陣営>
※ 「乗員サイド」及び「グノーシアサイド」が勝利条件を満たすまで生き残れば勝利
・バグ (『人狼』でいう“妖狐、狐”)
 「乗員」にとっても「グノーシア」にとっても敵。グノーシアが襲撃しても消滅しないけど、エンジニアに調べられると消滅する



 『グノーシア』に出てくる役職はこんなところ。全て『人狼』の方にもある役職ですね。

 ゲーム内のルールとして「乗員サイド」はウソをつくことが出来ず、ウソをつくことが出来るのは「グノーシア」「AC主義者」「バグ」の3役職だけです。
 例えば、「私、エンジニアです」と名乗り出た人が2人いた場合、本物のエンジニアは1人しかいないので、残りの1人は「グノーシア」「AC主義者」「バグ」のどれかってことですね。逆に言うと、「グノーシア」「AC主義者」「バグ」をあぶりだすために、エンジニアやドクターに名乗り出てもらうという手があります。



 「さっきから『人狼』『人狼』って何度も言っているけど、そもそも『人狼』って何?」という人のために、『人狼』もちょっと説明しておきましょう。
 元々はヨーロッパの伝統的なゲームに、家族や親戚などが集まった際に遊ぶ集団推理ゲームがあり(『ウインク殺人事件』『ウインクキラー』もこの一つと言われる)。それを1986年にソ連のドミトリー・ダヴィドフ氏が「市民とマフィアの抗争」という形にまとめ、『Mafia』というカードゲームが生まれます。



 この『Mafia』というゲームは世界中に広がって様々なローカルルールを生んだ後、1990年代後半になるとインターネットが普及したことでそれらのローカルルールがまとめられて、様々なバリエーションが生まれ、その中に「人間と人狼の戦い」に置き換えられたものがあったそうです。
 2000年代に入ると、そうした「人間と人狼の戦い」に置き換わったカードゲームが世界中から発売されるようになります。2001年のアメリカからは『汝は人狼なりや?』、フランスからは『ミラーズホロウの人狼』、イタリアからは『タブラの狼』―――日本における『人狼』人気はこれらのカードゲームを、コアなアナログゲーマーが輸入して遊んでいたのが始まりみたいです。

 

 これをインターネット上でも遊びたいと、2000年代中盤くらいには「チャットで遊ぶ人狼」が普及して、2010年代に入るとスマホ用アプリを使ったものも多く登場し、テレビ番組やニコニコ、YouTubeでも対戦される様子を放送するものも出てきて認知を広げていきました。


 この『グノーシア』というゲームを一言で言ってしまえば、「カードゲームやチャットなど“対人”でしか遊べなかった人狼を、“対CPU”で遊べるようにしたゲーム」なのですが―――じゃあ、このスタッフはさぞかし『人狼』が大好きなんだろうなと思いきや全然そうじゃないらしいんですね。
 色んなところのインタビューで語られていることなのですが、実際に『人狼』に参加してみたら初日にあっという間に吊るされてしまい(『グノーシア』における「コールドスリープ」)初心者なのに全然楽しめなかったそうです。それ故に「必要な人数を集めるのが大変なので気軽に遊べない」「最初から知っておかないとならない戦略が多くて初心者にはハードルが高い」「ワンプレイが長い」「早々に脱落した人にはやることがなくなる」などの問題点が分かり、それらを解消した1人用専用『人狼』ゲームとして『グノーシア』が生まれたのだと思われます。

 なるほど、『グノーシア』序盤のチュートリアルが「人数も役職も少ない状態で始まる」「プレイヤーは決して狙われない」のはそのためかと思いました。


 思えば、元々コンピューターゲームにはそういう側面もあったと思うんですね。
 例えばファミコンの『麻雀』とか、SIMPLEシリーズの『THE 麻雀』みたいなゲームは、「対戦相手も麻雀牌も必要なく、ジャラジャラという騒音も気にしないで一人で遊べる」からこそのヒットだったと思うんです。野球とかテニスとかのゲームもそうです。人数を集めて場所を借りてみたいな手間を必要とせず、「現実にあるゲーム、スポーツを手軽に1人で楽しめる」のがコンピューターゲームの魅力の一つだったと思うのです。

 しかし、1990年代後半から2000年代辺りにインターネットが普及して、それまでCPUと対戦していたそれらのゲームも「オンラインで世界中のプレイヤーと対戦しよう!」みたいな流れになってきます。麻雀だって、野球だって、テニスだって、なんならマンカラとかナインメンズモリスとかヒット&ブローとかチャイニーズチェッカーとかだってオンライン対戦できてしまう時代です。

 そんな時代に、「オンライン対戦から普及していった」と言っても過言ではない『人狼』ゲームを、逆に1人用ゲームに落とし込むというのは面白い試みだと思うんですね。『人狼』というものには興味があるけど、遊ぶためのハードルが爆上がりしているこの時代だからこそ、このゲームはヒットしたのかなぁと思うのです。

↓2↓

◇ ループするごとに強くなる「ループ作品の主人公」を体験できる
 先の項目で「このゲームはCPU相手に『人狼』を延々と遊ぶゲームだ」と書きました。短期的にはその説明がすべてなのですが、長期的な目標として「一緒に『人狼』をプレイする14人のCPUのイベントを発生させる」というものがあります。

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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 「このゲームを始めたばかりのプレイヤー=記憶を失っている主人公」は、一緒に宇宙船に乗っていて、一緒にグノーシア探しをしている14人の人となりを知りません。グノーシア探しの合間にイベントを起こすことによって、14人の生い立ちやら境遇、趣味などを知っていくことがこのゲームの長期的な目標です。

 宇宙がループするごとにみんなの記憶はリセットされて、みんなの役職も変わるのですが……このゲームの主人公であるアナタ(とセツ)だけはループしても記憶を継続できるため、みんなの素性を忘れずにいられるのです。『シュタインズ・ゲート』における「リーディングシュタイナー」のように。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 ある程度ゲームを進めると、「イベントが起こりやすい設定」に合わせてくれる「イベントサーチ」機能が使えるようになります。イベントには「乗員側でしか起こらないイベント」「グノーシア側でしか起こらないイベント」なんかがあって、様々な役職でプレイしないとすべてのイベントは見られないんですね。
 また、イベントには発生させるだけではなく特定の条件をクリアしなければならないものもあります。例えば「自分だけがグノーシアだと知っている○○をコールドスリープに追い込む」とか、「××と一緒に勝利条件を満たすまで生き残る」とか、「△△と□□を3日目まで行き残らせる」といった、特殊な条件でのプレイが求められるんですね。百回以上ループするゲームですから、これが結構なアクセントになってくれるという。



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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 また、このゲームには「育成シミュレーション」っぽい側面もあって、「勝利」しようが「敗北」しようがループするごとに経験値が溜まっていって自分を成長させられるシステムがあります(恐らく難しい条件で「勝利」した方が獲得経験値は高くなる)。
 成長させられるパラメータは「カリスマ」「直感」「ロジック」「かわいげ」「演技力」「ステルス」の6項目で、初期設定から自由に割り振りできます。平均的に成長させるか、一点突破で行くか、性格が分かれるところですね。


 んで、私……このゲームを始めたばかりの頃、「この要素いるかなー?」と思っていたんですよ。どうもこういう「自由に成長させられるシステム」だと私、自分のプレイスタイルには役立たないパラメータばかり上げて、必要なパラメータを上げずに詰むことをどのゲームでもよくやっちゃうんですね。
 この先の展開を知らないのに、何が必要かなんて分からなくないですか?

 なので、私は『グノーシア』でも序盤ほとんど勝てませんでした。自分が狙われることのないチュートリアルを除くと、勝率1割もいかないくらいで。ずっと「コイツとコイツとコイツがグノーシアだってのは分かっているのに、どうしてみんな投票してくれないんだ!」という事態に陥っていたんですね。今思うと、多分「直感」「ステルス」に振りすぎて、「カリスマ」「ロジック」が足りてなかったのでしょうけど。


 だから、このゲームを始めて数日の頃は、「みんなが絶賛しているゲームなのに、ちっとも勝てなくてつらい」と『Splatoon』みたいなことを考えていました。「俺は全てのゲームに才能がないダメダメクズ野郎なんだ、ゲームレビューなんて書く資格はないからさっさとブログなんかやめて死ねばイイんだ」と考えていました。

 でも、このゲームはそれが正しいんです。
 「何度も何度も何度も何度もループしてやりなおすループ作品の主人公」のロールプレイとしては、それが正しいんです。岡部倫太郎だって、ナツキ・スバルだって、自分の無力さに打ちひしがれたことは一度や二度じゃありませんでした。でも、敗北からのループで得たものを次のループで活かそうとするから人は成長するのです。

 『Splatoon』は500時間プレイしても上手くなりませんでしたけど、『グノーシア』は成長してくれるのです。私が、ではなく、ゲーム内の主人公が! マジでこのゲームが「負けても経験値が入るゲーム」で良かった……


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 もう一つ、先の「14人のCPUとイベントを起こすことが長期的な目標」の話と絡むのですが、このゲームには「起こすことで特殊コマンドを覚えられるイベント」があります。もちろん覚えた特殊コマンドは次のループでも使用可能です。

 例えば、↑のスクショは沙明の得意技「土下座」―――
 これを見ると「沙明から土下座を教えてもらうイベント」が発生して、主人公も覚えることが出来ます。特殊コマンドは特定のパラメータが一定以上ないと使えないものも多いのですが、その分効果の高いものも多く、立ちまわり方がガラリと変わるほどです。

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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 「ループを繰り返す主人公」がそのループの中で「一緒に宇宙船に乗っている14人と交流を深めて特殊コマンドを教えてもらい」、次のループの時はみんなはそのことを忘れているのだけど「主人公だけはその特殊コマンドを教えてもらったことを忘れていないのでその特殊コマンドを使って戦える」ってめっちゃ熱いと思うんですよ!

 14人は必ずしも味方とは限りません。
 グノーシアが何人か混じっているし、同じ陣営だったとしても性格が合わないヤツもいます。


 でも、この「仲間から教わった特殊コマンドで戦っていく」と、繰り返すループの中でこの14人と一緒に宇宙を冒険したこと、この14人と一緒に戦ったことを思い出させられるのです。「ループ作品の主人公」のロールプレイとして、これ以上ない体験でした。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 ループを繰り返して強くなるのは主人公だけではありません。
 14人のCPUもイベントを起こすとパラメータが上がるらしく、パラメータがあがると強力な特殊コマンドもガンガン使ってくるようになります。

 「俺とセツ以外は記憶を引き継いでいないはずなのに、何故……」とは思いますが、CPUと戦う『人狼』ゲームとしてはこの方がむっちゃ白熱します。キャラクターごとの個性がはっきりと出るし、とうとうコイツの本気を引き出したぜ感も出てきますし。

↓3↓

◇ このゲームの主人公は「自分」だし、キャラクターは「NPC」なんかじゃなかった
 さっきの項で私は「序盤は勝率1割もいかないくらいだった」と書きました。このゲームは勝敗がログとして残るワケではないので、実際に1割だったかは分かりませんし、体感としてそれくらいだったかなと思っただけなのですが……中盤以降、目に見えて勝てるようになった理由には「ループを繰り返してパラメータが上がった」ことと、「強力な特殊コマンドを教えてもらって立ち回り方が変わった」こと。

 そして、もう一つ、ものすごく大事なことで……
 仲間(CPU)を信じるようになった―――のが大きかったです。


 このゲームをプレイしていない人には「何を言っているんだ、仲間キャラなんて所詮はプログラムされたNPCだぞ」と思われるかも知れませんし、私も最初はそう思っていました。
 だから、「俺がグノーシアを見つけなければ」「俺がみんなを導いて見つけたグノーシアに投票をさせなければ」というプレイをしていました。各キャラの発言を振り返って、コイツはこの時こう言っていたからもしコイツがグノーシアだった場合コイツにこう言うのはおかしくて……と全部一人で考えていました。その結果、誰がグノーシアかは分かっているのに、私がコールドスリープされたりグノーシアに襲撃されたりし続ける日々でした。

 しかし、ある時「うわー、ダメだ。全然分かんねえ……お手上げだー」という回があって、テキトーに投票したら、私以外の全員が投票したキャラが見事にグノーシアで、それであっさり「勝利」したんですね。私以外のキャラクター(CPU)も生き残るために必死で、ちゃんとグノーシアを見つけようと立ちまわるので、俺がグノーシアを見つけなくてもみんながグノーシアを見つけてくれるんだと気付けたんです。


 私の中で、14人のキャラクターが「プログラムされただけのNPC」ではなく「一緒に宇宙を冒険した仲間」に変わった瞬間でした。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 このゲームのキャラクターは、ループを繰り返しているとどんどん「こういうヤツ」というのが分かってくるんです。それは単に「イベントが起こって生い立ちを説明されたから」とかじゃなくて、グノーシア探しの立ち回り方を通じて、なんとなく人となりが分かってくるんですね。

 例えば、コメットは「ウソを見破るのが超得意、だけど自分がウソをつくのは超下手」だとか、しげみちは「一瞬で見破られるウソしかつかないが、こちらがグノーシアの時も気づかずに庇ってくれるお人よし」だとか、セツは「意外とポンコツだからコイツが疑っているヤツは白なことが多い」だとか―――それぞれのキャラによって動きのクセがちがっていて、ものすごく人間くさい立ち回りをするんです。


 というのも……このゲームのキャラクターは「こういうキャラクターを作りたい!」とか「こういうストーリーを描くためにはこういうキャラを配置しなくちゃ!」とかではなく、「CPUと人狼を遊ばせるんだからこういうパラメータのキャラとこういうパラメータのキャラとこういうパラメータのキャラが必要だ」と作られたらしいんです。『人狼』ゲームでのパラメータありきでキャラクターが生まれているという。

 そのパラメータも「カリスマ」「直感」「ロジック」「かわいげ」「演技力」「ステルス」の6項目で、あとキャラごとに使える特殊コマンドがちがうくらいなんですが―――それでこんなに各キャラの立ち回りに個性が出るのだから不思議です。
 『ダビスタ』『カルチョビット』の薗部さんは「パラメータを増やすとその数値だけで結果が予測できてしまう」「いろんなタイプのキャラを少ないパラメータで再現するアルゴリズムを作るのが大事」と仰っているのですが、それに近いものを感じました。『ダビスタ』の4つに比べれば『グノーシア』の6つは多いのかも知れないけど(笑)、たった6つのパラメータで様々な個性と、様々な展開をしていくように組み込まれているんだなと。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 そして、もう一つ。
 14人のキャラクターを「一緒に宇宙を冒険した仲間」と感じられたのと同じくらい私にとっては重要なことなんですが、このゲームの主人公って「主人公というキャラクター」ではなく「私」なんですよ。何をそんな当たり前なことをと思われたかもですが、私「ゲームを遊んでいて主人公を自分だと思ったこと」がほとんどないんです。そう思いたいんだけど、そう思えないことの方が圧倒的に多いんです。

 分かりやすい例から言うと、『逆転裁判』をプレイしていて「このナルホドくんという男は俺だ!」と思いながらプレイできる人はほとんどいないと思うんですね。『逆転裁判』は「俺を動かすゲーム」ではなく「ナルホドくんというキャラを動かすゲーム」ですから。
 では、主人公の姿が見えないノベルゲーム―――『弟切草』とか『かまいたちの夜』ではどうなのかというと、それも「主人公のキャラ」がいてそのキャラの行動を選ぶというイメージでした。だって、2人っきりでドライブしたりスキーに出かけたりするイイカンジの女友達なんて俺にはいないし……

 例えば『ROOMMATE~井上涼子~』を実況した時にも何度か言っていたのですが、「主人公=自分」と思えるはずのギャルゲーであっても、主人公のセリフや地の文が、自分の思考とあまりにも離れすぎてしまっていると「主人公=自分」とは思えませんし。
 一般的に「主人公=自分」と思えると言われている『ドラゴンクエスト』シリーズでも、「主人公=自分」と思えたことは一度もないです。だって、『ドラクエ』の主人公って「はい・いいえ」しか喋らないけど、実際の俺は無茶苦茶おしゃべりだし!


 もちろん「主人公=自分」と思えないゲームがダメなゲームだって話ではありません。ここに出した例えのゲームは全部名作だと思いますし、私にとっても全部好きなゲーム……『かまいたちの夜』は発売3日後に犯人をネタバレされたのであんまり好きなゲームじゃないですが(笑)、その他は全部好きなゲームです。

 でも、「主人=自分」と思えるゲームをいつか遊んでみたい、いつか体験してみたいと思っていたのです。そういう体験をしたことがなかったから。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 では、何故この『グノーシア』というゲームが特別に「主人公=自分」と思えるゲームだったのか―――主人公に自分の名前を付けられるとか、主人公の姿が見えないとか、そういうところだけでなく。私の中で大きかったのは、「Xボタンを押すと発言が出来る」というシステムで統一されているところでした。

 「会議パート」での操作は「Xボタンで自分が発言する」「Aボタンで他人の発言を聞く」ですが、イベントシーンなんかの選択肢も「まずXボタンを押して発言をする」→ 「選択肢を選ぶ」というワンクッションが必要になります。このおかげで、「出てきた選択肢を選んでいる」のではなく「自分から率先して発言している=自分の意志で発言している」ロールプレイになっているんですね。


 正確にはそうではないんですけど、「自分の好きな時に発言できるゲーム」と思えるように作ってあって―――『ROOMMATE~井上涼子~』をプレイしていて思った「俺だったらこんなこと言わないのに」とか、『ドラゴンクエスト』をプレイしていて思う「選択肢が出るまで発言することすら許されないか」を、極力感じさせないゲームになっているのに私は感動しました。


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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 自由なタイミングで発言できるからこそ、「喋りすぎ」「うるさい」「黙れ」と怒られるゲーム―――すごくない?



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch版『グノーシア』より引用>

 ゲームを「味わったことのない体験を与えてくれるもの」と考えている人には、どうかどうかプレイして欲しい作品です。少なくとも2020年の時点で、このゲームに似たものは存在していないと思いますので。

 CPUと対戦できる『人狼』ゲームとしても、育成シミュレーションとしても、キャラクターゲームとしても、SF作品としても、それぞれの要素が上手く組み合わさった傑作で。ローグライクゲームのようなリプレイ性だったり、『Splatoon』などの対戦ゲームのような「あと一戦だけ」という中毒性も持っているゲームです。

 ホント、不思議なゲームですよ……
 こういうゲームに出会えると、「ゲームが好きで良かった」と思える作品でした。


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≫ EDIT

『あつまれ どうぶつの森』紹介/これぞ2020年型のシリーズ最新作!

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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
“自分だけの島”を作ると、馴染みのキャラ達がこの島に集まってくる
一つ一つのルーチンワークに意味を持たせ、面倒にもさせた、マイルとDIY
インターネットが常にある時代の継続的なアップデートと、SNSと、ゲーム実況と


『あつまれ どうぶつの森』
・発売:任天堂
公式サイト
 Nintendo Switch用ソフト:2020年3月20日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
・コミュニケーション
・セーブ方法:一定時間ごとにオートセーブ(任意セーブ→ 即終了も可能)


 私のプレイ時間は130時間でした
 ※ 特にクリア―とかないゲームですが、島クリ手に入れて一つの島を完成させるくらいまでにかかった時間を載せておきます


【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:×
・恥をかく&嘲笑シーン:×
・寝取られ:×(しずえさんがたぬきちの横で働いているくらい)
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:○(虫のディティールはリアルになった……)
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ “自分だけの島”を作ると、馴染みのキャラ達がこの島に集まってくる
 『どうぶつの森』シリーズは2001年4月にNINTENDO64用ソフトとして、1作目が発売されて始まりました。「敵も出てこなければ、ストーリーが展開されるワケでもない」、「ただ村で生活するだけ」、「時計機能を使ってリアル季節と連動」、「1つの村に家族が住み、時間差でプレイする」、「それぞれの村は地形も果物も住人もちがう」と、それまでのゲームとはまったくちがう新しいゲームとして口コミでどんどん広がっていきました。

・2001年4月『どうぶつの森』(NINTENDO64)
・2001年12月『どうぶつの森+』(ゲームキューブ)
 ・2003年6月『どうぶつの森e+』(ゲームキューブ)
・2005年11月『おいでよ どうぶつの森』(ニンテンドーDS)
・2008年11月『街へいこうよ どうぶつの森』(Wii)
・2012年11月『とびだせ どうぶつの森』(ニンテンドー3DS)
 ・2016年11月『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』(ニンテンドー3DS)
・2020年3月『あつまれ どうぶつの森』(Nintendo Switch)


 とは言え、2001年4月というのはNINTENDO64末期です。
 2001年9月に当時の新型ゲーム機:ゲームキューブが発売されたため、任天堂は前作から8ヶ月後にあたる2001年12月に、続編というか前作の不満点を潰して完成形にした『どうぶつの森+』を発売しました。正確な数字は分かりませんが、最低でも国内60万本は売り上げたそうですね(ロングヒット商品なので集計に入っていないところで売れ続けていたみたいですが)。

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<画像はゲームキューブ用ソフト『どうぶつの森+』より引用>

 今の『どうぶつの森』シリーズの売上から考えると60万本は少ないように思えるかも知れませんが、ゲームキューブは普及台数がさほどでもなく、『マリオカート ダブルダッシュ!!』や『スーパーマリオサンシャイン』も推定80万~90万本とミリオンセラーに届きませんでした。そう考えると60万本は全然悪くない数字で、この時点で任天堂の中では「マリオ」や「ゼルダ」に続く人気シリーズという地位を獲得していたと思われます。


 海外版の逆輸入とも言える『どうぶつの森e+』をはさみ、2005年11月にいよいよ『おいでよ どうぶつの森』が発売されます。このタイトルは、「ニンテンドーDSをインターネットにつないで遊べるニンテンドーWi-Fiコネクション」の第1弾ソフトとして発売されているので、任天堂にとっても戦略的なタイトルだったことが分かるでしょう(第2弾が『マリオカートDS』)。
 携帯ゲーム機用のソフトになったため、本体とソフトを持ち寄ることで友達の村に遊びに行って一緒に遊べるようなった他、先に説明したようにインターネット経由でフレンドの村に遊びに行けるようになりました。携帯機での展開ゆえに簡略化された地形や削除された住人などもありましたが、「手軽に遊べる」「友達と持ち寄って一緒に遊べる」という携帯機との相性の良さを発揮して500万本以上売り上げた大ヒットゲームになりました。

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<画像はニンテンドーDS用ソフト『おいでよ どうぶつの森』より引用>



 しかし、次のWii用ソフト『街へいこうよ どうぶつの森』は、そうした「携帯機ならではの良さ」を失っている割にDS版から遊びがあまり変わらず、「据置機ならではの良さ」みたいなものもほとんどありませんでした。一応100万本は売り上げたものの「あまり上手くいかなかったソフト」と後に社長に語られたソフトになってしまいました。

記念撮影
<画像はWii用ソフト『街へいこうよ どうぶつの森』より引用>


 「どうぶつの森」シリーズにとってターニングポイントはここだと私は思うんですね。どんなに評判のイイ作品であっても、その作品から変わり映えのしない続編を出してしまえば売上は5分の1になる―――Wii版が売れなかったことを「やっぱり据置ゲーム機じゃダメだな」と言い訳にせず、その失敗を次の作品への礎にするからこのシリーズは強いんです。


 Wii版の反省をバネにして登場した次作『とびだせ どうぶつの森』は、「一人の住人として気ままに暮らす」というそれまでのコンセプトを一新して、「村長になって村全体を発展させていく」ようになりました。
 村の発展にともない徐々に施設が増えるなど「徐々に機能を覚えていく」仕様になっていたり、公共事業として家の外に置けるアイテムができたので「自分だけの村作り」で出来ることが増えていたり、「村長になる」というアイディアは「どうぶつの森」シリーズが抱えていたいくつかの問題を同時に解決してくれたんですね。

 「社長が訊く」で当時の社長だった岩田さんがおっしゃった「これまでの“家自慢”から、今度は「“村自慢”に変えるんだ」ということですね。」は、このゲームをものすごくよく表していたと思います。

 その“村自慢”の機会をつくるために、「知らない人にも自分の村を自由に見て回れる」夢見の館という機能があって。そのため、以前からあったマイデザインを地面に貼れる機能を使って、村に道路を引いてキレイに整地している人も少なくなかったですね。

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<画像はニンテンドー3DS用ソフト『とびだせ どうぶつの森』より引用>



 そこから7年半―――
 やっと出たWii U版がスゴロクだったり、スマホ版が出たり、スマブラに参戦したり、「どうぶつの森」シリーズはなかなか本編が出てきませんでしたが。7年半ぶりに出た『あつまれ どうぶつの森』は、「村長になって村を発展させていく」『とびだせ どうぶつの森』を同じ方向性で進化させたような作品でした。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 今作の舞台は「無人島」です。
 たぬき3匹と住人3人(と、空港にいるドードー)だけで「無人島」に移住して、島をどんどん発展させていくと、住人は増えていくし、新しい施設が建つことでフータやしずえさんといったおなじみのキャラがやってくるのです。ゲームタイトルの『あつまれ』は複数人のプレイヤーで遊べるという意味だけでなく、「自分の手で島を発展させて、どうぶつ達を集めていこう」という意味も込められているんじゃないかと思われます。

 その方向性は、3DS版の「村長になって村を発展させていこう」から引き継がれているものと言えるでしょう。今回のプレイヤーは「移住ツアーの初期メンバーの一人」に過ぎないはずなのに、散々たぬきちにこき使われていない!?



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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 「じゃあ、前作とあまり変わらないんじゃ?」と思ったら大違いです。
 今作最大の特徴は、今まで「自分の家の中」にしか置けなかった家具が「島のどこにでも」置けるようになったことです。前作のように一部の公共事業アイテムだけでなく、基本的にすべての家具が家の外に置けるようになりました(※1)

 これにより、例えば「焚火」みたいな、室内に置くのは不自然な家具の用途が格段に増えたのです。むしろ、今までは室内にしか置けなかったのに、どうしてそんな家具があったんだ??

(※1:壁掛け用のアイテムなんかは外の壁にはかけられませんので、完全に全部ではありませんが)


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 更に、島をある程度まで発展させると「島クリエイター」の資格をゲットできます。
 「川の位置を変えたり埋め立てたり」「高台を増やしたり削ったり」といったカンジに、これまでのシリーズでは決して手を付けられなかった地形変化をプレイヤーの好きなように出来るのです。

 また、前作では自分でマイデザインを用意して1枚1枚地面に貼り付けなければいけなかった「道路」も、あらかじめ用意してもらったデザインを好きなところに引いたり、自分で作ったマイデザインも連続で貼り付けられたりと―――前作まではかなりやり込んでいる人しか手をつけなかった「道路づくり」を誰にでも手軽に出来るようにしたのです。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 こんなカンジに、自宅前に1階層上のカフェテラスを作ったり。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 島を東西に分断する高い壁を作ったり。

 アナタの理想通りの島に作り変えることが出来るのです!



 「島全体を自分の好きなように作り変えられる」という要素だけを見ると、この7年半の間に『マインクラフト』のようなサンドボックス系のゲームが大ヒットした影響も少なくないとは思うのですが……前作の3DS版の時点で「自分だけの村を作る」コンセプトがあったこと、その後に出たスピンオフ作品の『どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー』が「自分だけの家(+庭)を作る」部分だけを楽しむゲームで今考えれば差別化されていたことなどから、「島全体を自分の好きなように作り変えられる」のはシリーズの流れに沿った展開だったのかなと思いました。

 この辺は『ブレス オブ ザ ワイルド』が何故オープンワールドになったのかの話と似ているんですけど、単に「最近アレが流行っているからアレを真似しよう」ってだけじゃなくて、シリーズが抱えていた問題点とか物足りなさを打開しようとした結果そうなったっていったのだと思うんですね。

 またDS版から変わり映えがしなかったWii版の反省を活かして、評判の高かった3DS版の方向性を引き継ぎながら出来ることを格段に増やして別ゲーにしてきたのも流石だなぁと思います。Wii U版がスゴロクでズコーッとなったのは忘れてあげよう!


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 それでいて、今作の目玉要素とも言える「島クリエイター」も「やってもイイし、やらなくてもイイ」としているのが凄い。普通こんな機能を実装したら、丁寧にチュートリアルを付けて「こんな島を作ってみましょう」みたいに押し付けがちだと思うのですが……島をある程度発展させた人へのご褒美に留めておいて、まったく使わなくてもイイようにしているという。

 その「島の発展」すら、別に無視しちゃって構わないワケですし。
 ゲームに設定された一応の目標は「島の評価を上げてスタッフロールを見る」ことだと思うのですが、それを無視して気ままに魚を釣ったり、虫を取ったりしているだけでもイイのが、このゲームです。「ちょっとだけ遊びたい人」と「ガッツリ遊びたい人」の両方をカバーしようとしているのは、頭が下がります。

↓2↓

◇ 一つ一つのルーチンワークに意味を持たせ、面倒にもさせた、マイルとDIY
 ゲーム内のすべての要素が「やってもイイし、やらなくてもイイ」のが「どうぶつの森」シリーズの特徴ですが……それだけだと「何をするゲームか分からない……」と投げ出してしまう人も多かったためか、前作『とびだせ どうぶつの森』から「実績」システムのような「バッジ」システムが導入されていました。

 「たくさん魚を釣る」とか「たくさん手紙を書く」みたいな条件を達成するとバッジがもらえたんですね。

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<画像はニンテンドー3DS用ソフト『とびだせ どうぶつの森』より引用>

 更に、2016年に発売された『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』(既に『とびだせ どうぶつの森』を持っていた人は無料アップデートが可能)では、そうした長期的な目標だけでなく、「明日の朝までに○○をしよう」といった短期的な目標をくれる「くらしサポート」といった機能が追加されました。



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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 今作『あつまれ どうぶつの森』にも似たような機能は実装されていて、「長期的な目標」と「短期的な目標」の両方を与えられて達成するとマイルがもらえるという仕組みになっています。特に「短期的な目標」となる「たぬきマイレージ+」は、「今日は何をやろうかなー」と思った際に「5匹さかなを釣れ」というお題が出てるから「じゃあそれやるかー」という動機付けになってくれます。


 「どうぶつの森」はゲーム内のすべての要素が「やってもイイし、やらなくてもイイ」というシリーズなため、「魚釣りしかしない」とか「服は最初のやつしか持っていない」みたいな遊び方も出来ちゃうゲームです。でも、作り手としては「せっかく作ったゲームの要素はなるべく全部楽しんでほしい」と思うもので、それでいて強制しない方法として、こういうシステムを入れているのかなと思います。「マイル目的で、やりたくもないことをやらされる」という見方も出来ますが、指定された仕事が面倒になってきた頃にはマイルが余ってくるでしょうし。

 『Splatoon』の1作目で「せっかくたくさんのブキを入れたのだから、ずっと一つのブキを使うんじゃなくて色んなブキを使ってほしい」と思ったからこそ、『Splatoon2』では色んなブキがローテーションで回ってくる「サーモンラン」というモードが入ったみたいなことね(そのモードも別に遊びたくなければ遊ばなくてもイイのだけど)。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 そして、新要素となる「DIY」です。
 ざっくり言ってしまえば、「アイテム」と「アイテム」を合成することで「別のアイテム」を生み出すという―――『アトリエ』シリーズとか、『牧場物語』シリーズとか、もっと言うと『マインクラフト』系のサンドボックスゲーとかにも採用されていることの多い“よくあるシステム”が今回「どうぶつの森」シリーズで初めて採用されました。

 今作は先にも書いたように「無人島を発展させていく」ゲームになっているため、従来通りの「お店でアイテムを買う」だけでなく、「自分でアイテムを作る」必要があるのですが――――マイル同様、このシステムが「同じことの繰り返しをする毎日」に意味を持たせているのです。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 一つには、「素材」集めがあります。
 従来の「どうぶつの森」シリーズにも、「毎日木をゆすると家具が二つ落ちてくる」とか「叩くとお金が出てくる岩が毎日一つだけある」といった要素があって、この“当たりの木”“当たりの岩”を探すのが毎日のルーチンワークになっていた人も多いかと思われます。

 今作『あつまれ どうぶつの森』の場合、“当りの木”以外でも揺すると「木の枝」が落ちてきて、これが釣り竿や虫取り網を作るのに必要だったり。“当たりの岩”以外でも叩くと「石」「粘土」「鉄鉱石」が出てきて、斧を作ったり、しょぼい道具を丈夫な道具に強化したりに使えます。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 更に、そうして集めた「素材」を使ってアイテムを作る「レシピ」集めの要素も生まれました。
 このレシピは1回覚えてしまえば(素材のある限りは)何個でもアイテムが作れるのですが、1度手に入れてしまえばカタログから注文して友達にも送れる家具や服なんかのアイテムとちがって、一つの「レシピ」で一人ずつしか覚えられません。そのため、「アイテム」集め「素材」集めと同じくらい「レシピ」集めも重要になってくるんですね。

 んで、この「レシピ」がどうやって手に入るか―――
 序盤のチュートリアルを進めることで手に入るものもありますが、それ以降になると「島に住む住人から教えてもらう」か「海岸に流れ着いているメッセージボトル」で読むとか、あとは季節のイベントなんかで覚えられるものもあります。

 さっきの「素材をゲットするために木をゆすったり岩を叩いたりするようになった」話と同様に、レシピをゲットするため、積極的に住人の家に押しかけるようになったし、海岸も毎日一通りチェックするようになりました。「行動」自体は今までのシリーズでもやっていたことなのだけど、そこにご褒美が入るようになったので、それらのルーチンワークも楽しくなったんですね。現金なやつ!



 ということで、前作からそういう傾向はあったとは思いますが、今作は如実にゲームの様々な要素を「やってもイイし、やらなくてもイイ」から「なるべく全部やって欲しい」というゲームデザインになっていると感じました。
 例えば、「魚釣りだけやりたい人」がいたとしても、釣り竿を作るためには「木の枝」と「鉄鉱石」が必要で、そのためには木を揺すって岩を叩く必要があるのだけど、そのために必要なスコップを作るには「木材」が必要で、それを手に入れるためには斧が必要で―――と、色々なことをして、色々な素材とアイテムを用意しなくてはならなくなりました。

 釣り竿に限らず、頻繁にアイテムが壊れるの……ちょっとイラっとするんですよね。ゲーム序盤だけの我慢じゃなくて、ずっとそうなので。
 ゲームが進んだら店でも上位アイテムが買えるようになるので、いっそのこと金で全部解決するのも手なんですが。「こうだったら良かったのになぁ」という願望を言わせてもらえば、ゲームが進んだらムチャクチャ壊れにくい「丈夫な釣り竿」が作れるようになるとか、いつ壊れるかが分かるように耐久値が表示されるとかしてくれたら良かったのに。


 そのせいで「なるべく全部やって欲しい」というゲームデザインのはずが、「木を揺するの面倒くさいから釣りするのやめよう」「木材あんまりないから岩叩くのやめよう」と、一つのことを面倒だと考え始めると全部一気にやる気がなくなってしまうゲームデザインになっているような。私は最終的にアイテムを消費しない、「カブの売買」とか「島クリ」だけやるマシーンになってしまいました。やっぱり土いじりが一番だね!


 この辺は、時代に合わせて“よくあるシステム”を採用した結果―――楽しくなった側面も、面倒くさくなった側面もあって、賛否が分かれそうなところだと思います。個人的には飽きるまで楽しんだから満足ですが、「気軽に楽しめるゲームだよ!」と言いづらくなったかなぁと。


↓3↓

◇ インターネットが常にある時代の継続的なアップデートと、SNSと、ゲーム実況と
 さて、前作『とびだせ どうぶつの森』が発売された2012年から、今作が発売された2020年の間の7年半で、任天堂が一番大きく変わったのは「インターネットとの距離感」だと思います。

 分かりやすい例から挙げると、「インターネット経由での継続的なアップデート」があります。
 前作の頃には(『amiibo+』は当初から計画していたものではないだろうから考えないこととして)、インターネット経由で追加された要素はせいぜい「新しい家具」くらいでした。その配布も、セブンイレブンとコラボして「セブンイレブンに行けば3DSをインターネットに接続できるよ」と限定家具を配布するなど、自宅ではゲーム機をインターネットに接続していない人でもインターネットに接続できるサービスをかなり推していたんですね。

 正確な数字は分かりませんが、当時はまだまだゲーム機をインターネットに接続しない人が多いと任天堂は考えていたのか、2012年の『とびだせ どうぶつの森』は「インターネットに接続しなくても問題なく遊べる」「インターネットに接続すると更に楽しい」というバランスのゲームになっていました。


 しかし、そこから7年半が経ち、その間に様々なゲームが発売されました。
 象徴的なのは、2015年の『Splatoon』や『スーパーマリオメーカー』です。この2本のゲームは「インターネットに接続しなくても遊べるのはチュートリアルのようなモード」「本番はインターネットに接続するモード」でかつ、「インターネット経由による無料アップデートで遊びが追加されていくゲーム」でした。

 この2本が発表された時、私は「俺は買うけどインターネット必須のゲームがどれくらい売れるんだろう」と思ったのを覚えています。しかし、蓋を開けてみれば、Wii Uというさほど普及台数の多くないゲーム機でどちらもミリオンセラーを達成しました。
 インターネット必須のゲームでも問題なく売れるくらい、ゲーム機のネット接続率は上がっているという実感が任天堂にも生まれたのでしょう。2017年に本体が発売されたNintendo Switchの任天堂ソフトは、「インターネット経由での無料アップデート」と「有料DLCの販売」の2本柱で継続的に遊ばせるものが多いです。ブキやステージが追加されていって、フェスのようなイベントがあった『Splatoon2』は言うまでもなく、『スマブラSP』もステージ作りのようなモードが追加されたり、『キノピオ隊長』なんて2人同時プレイのモードが無料で追加されましたもんね。

 そう言えば、ニンテンドー3DSの頃は前述したセブンイレブン等でインターネットに接続できるサービスを展開していた任天堂ですが、現在はもうニンテンドーゾーンって終了していたんですね。自宅でネットに接続する人が増えたからなのか、もうその役割を終えていたという。お疲れさまでした。


 そんな経緯なので『あつまれ どうぶつの森』も、インターネットにつながっていることが前提で、有料DLCは発表されていませんが、「インターネット経由での無料アップデート」で遊びが継続的に追加されることが発表されています。
 例えば、「イースター」だったり「メーデー」、「ジューンブライド」のような季節のイベントは、最初からソフトに入っているワケじゃなくて、その季節が近づいてきたら無料アップデートで追加されるようになったんですね。もしNintendo Switchをインターネットに接続していない人がいたなら、それらのイベントは遊べません。



 このアップデートのタイミングもよく考えられていて、発売日から始めた人がそろそろ「島クリ」を手に入れた頃&お金も余裕が出来た頃に、低木を売ってくれるレイジや、美術品を売ってくれるつねきちが来るという。
 イースターのイベントはむっちゃ不評でしたが、アースデーのイベントは「島作りのテクニックを教える意味合い」があったり、メーデーのイベントは「こんな島が作れるんだという見本」になっていたり、国際ミュージアムデーは「見ていない人も多そうな博物館めぐりをさせる目的作り」になっていたり、ジューンブライドは「パニエルの島を使わせる」だったり、イベントはタイミングと内容がしっかりと考えられている印象です。

 前作にはあったけど今作には(まだ)ない要素は結構あるのだけど……そう考えると、「夢見の館」は一通り島作りが完成してみんなが飽きてきた頃にアプデで追加されるんじゃないかとか、「南の島」はフレンドの島もみんな完成して遊びに行ったり来たりするのに飽きてきた頃にアプデで追加されるんじゃないかとか、予想&妄想は出来ます。

 つまり、現時点ではまだ実装されていない要素もたくさんあるみたいなので、今の時点でレビューなんて書けないんですね(笑)。

 何というレビュアー泣かせ。
 でも、『Splatoon』みたいなオンラインゲームだって、スマホ用のゲームだって、年単位で遊ばせることを考えて徐々に機能が実装されるのが最近のゲームですから……2020年型の『どうぶつの森』は当然こういう形になるんだろうなと思っていました。



 また、レイジやつねきちが「ゲームの進行具合」ではなく「アップデートで同時期に」みんなの島にやってくるというのは、SNS等で話題になることを狙っているのかなぁと思います。
 前作の時の3DSでもスクショに撮ってTwitterにアップしたりとかは出来ましたが、通常3DSではSNSへのアップはかなり時間がかかりましたし、何よりあの時期の任天堂って「SNSとの共存方法」が中途半端だったと思うんです。


 例えば、3DS本体機能にはスクショを撮る機能がないため、SNSにスクショをアップできるソフトは限定されていたとか。Wii UでMiiverseが始まって、そちらでは多くのソフトがスクショをアップ出来たのだけど、Wii Uを持っている人しか見ないMiiverseで話題になっても宣伝効果が薄かったとか。


 Nintendo Switchはその辺すごく割り切っていて、Miiverseは廃止、本体機能でスクショも動画もワンボタンで撮れて、それを即座にTwitterやFacebookにアップすることが出来る―――と、個人的には攻略情報を共有できるMiiverseはすごい好きな機能だったんですけど、Miiverseを廃止したおかげでNintendo SwitchのゲームはTwitterで話題になって売れることも多いと『ブレス オブ ザ ワイルド』の頃から思わされてきましたからね。

 『あつまれ どうぶつの森』も、Twitterでスクショや動画を見かけない日はないというくらいに溢れていて、プレイしていない人も遊びたくなってのこの売上なのかなと思います。


 更に、前作ではQRコードで配布&もらうことが出来た「マイデザイン」は、IDを入力することで受け取ることが出来ます(Nintendo Switch Onlineの有料会員になる必要はあります)。これもまたSNSでの共有に向いている形で、良さげなマイデザインがバンバンTwitterのタイムラインに流れてきますねー。




 そして、最後―――
 今作は「ゲーム実況映えするどうぶつの森」という印象を受けました。

 この7年半の間の任天堂最大のトピックは「任天堂が公式にゲーム実況をすることを認めた」だと私は思います。今やゲームは「自分で遊ぶ」だけでなく「人が遊んでいるのを見る」時代。ゲーム実況に馴染みのない人は「人が遊んでいるのを見るだけで楽しいの?」と思われるかも知れませんが、人が遊んでいるのを見るだけで楽しいし、そんな中でも「視聴者も参加できるタイプのゲーム」は視聴者も一緒になって遊べて盛り上がれるんですね。

 4人vs.4人の多人数戦でフレンドならガンガン乱入できる『Splatoon』とか、自分が作ったコースを人に遊んでもらえる『スーパーマリオメーカー』とか、99人まで一緒に遊べる『テトリス99』とか―――そう狙って作ったワケじゃないと思うんですが、結果的にものすごく「ゲーム実況映えするゲーム」になっていると思うのです。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 最初の項でも述べたように、「どうぶつの森」シリーズはDS版の頃からオンラインに対応していて「フレンドの村」に遊びに行ける機能がありました。しかし、スペックの問題もあったでしょうが、オンラインで遊びに来られる人数は3人まで(自分を入れて4人)なのが慣例でした。3人ずつしか入ってこられないと、割と出来ることが限られちゃうんですよね……

 それが、今作『あつまれ どうぶつの森』ではオンラインで遊びに来られる人数が7人まで(自分を入れて8人)と倍増しました。更に、『テトリス99』とか『Ultimate Chicken Horse』とかでも採用されていたので最近のトレンドだと思うんですが、部屋を作った際に提示されるパスワードを入れることで「フレンドになっていない人もオンラインに参加できる」システムが採用されています(※2)

 このおかげで、普段ゲーム実況を観ているだけの雲の上の人の島にも、フレンドになんかなってもらえなくても遊びに行けるんですね。もちろん、ゲーム実況以外でも「カブが高騰した島をTwitterで見かけたので初めましての人でも売りに行ける」みたいな使い方も可能です。

(※2:パスワードを発行しないで、フレンドだけ自由に入ってこられる設定にも出来ます)


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 前作の「南の島」のようにミニゲームがみんなで遊べる要素は(まだ)ないのですが、「島クリ」や「マイデザイン」が使えて、8人集まれば色んなことが出来るもので―――上の画像は、ウチの島で開催された「絵しりとり」大会の様子です。他の島では、みんなでピクロスを解いたり、みんなでクイズに挑戦したり。他の人の実況を見ていたら、デスゲームが開催されたこともありましたっけ。

 ニュース記事で見かけただけですが、新型コロナウイルスのせいで行えなかった卒業式を『あつまれ どうぶつの森』で開いたとか、結婚式を『あつまれ どうぶつの森』で開いたなんて話も聞きました。こういうことが出来るのも、オンラインで一緒に遊べる人数を4人→ 8人に倍増させたからだと思います。


 このゲームがここまで話題になって、売れているのは、シリーズのネームバリューに胡坐をかかないで「2020年に発売するに相応しいどうぶつの森」を作ったからだと思います。お見事!



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 このシリーズ、以前は「人を選ぶゲーム」って言われていたと思います。
 分かりやすい目標がなくて、何をしても自由、何をしなくても自由、自分なりの目標を立てられる人には最高のゲームだけど、分かりやすい目標を与えられないと遊ぶ気にならない人には向かない――――だから私、「コアなゲーム好きな人」がこのゲームを好きだと言っているのが意外だったりしたのですが。

 3DS版→ 今作と、「村の発展」「島の発展」という分かりやすい目標が与えられる方向性になっているんですね。なので、もうこのシリーズは「人を選ぶゲーム」ではなく、「誰にでも楽しめるゲーム」と呼んでイイと思います。


 その中でも特にオススメな人を考えると、やっぱり今作の目玉は「家の外にも家具が置ける」ことだと思うので……手持ちのアイテムによるコーディネートを考えるのが好きな人にオススメかな。家の中にしろ、家の外にしろ、自分が着る服にしろ、「どれを置こうかな」「どれを着ようかな」と考えるのが楽しいゲームなんで。

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