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『Ultimate Chicken Horse』紹介/これぞ対戦&協力型『マリオメーカー』の形!

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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
みんなの思惑が交錯してできる「予測不能コース」を攻略せよ!
ルールもステージも自由にカスタマイズ可能だから、遊び方も自由!
見知らぬ人とのオンラインプレイだからこそ、「楽しく遊ぼうぜ!」と読む空気


『Ultimate Chicken Horse』
・開発:Clever Endeavour Games
 Steam版:2016年3月5日発売、1480円
 プレイステーション4版:2017年12月14日発売、1500円
 Xbox One版:2017年12月15日発売、1620円
 Nintendo Switch版:2018年9月25日発売、1480円
  ※ スクリーンショット撮影可能、動画撮影不可
・2~4人プレイ用の2D横スクロールアクションゲーム
・セーブスロット数:1


<PVはNintendo Switch版のものです>


<PVは2017年末のアップデート内容です>

<PVは2018年9月のアップデート内容です>
 
↓1↓

◇ みんなの思惑が交錯してできる「予測不能コース」を攻略せよ!

 このゲームはカナダの小さなゲーム開発会社:Clever Endeavour Games(従業員は6人!)による2D横スクロールアクションゲームです。

 PC版が最初に発売されたのは2年半も前らしいのですが、PS4版が出た昨年末やNintendo Switch版が出た先月に合わせて全機種でアップデートして、様々な新機能や新ブロックなどが追加されたそうです。Nintendo Switch版から入った私からすると「この機能、今までなかったの!?」と思う部分もあるので、他機種版を随分前に遊んだっきりという人も久々に起動してみましょう!

 ちなみに「PS4版とPC版」「Nintendo Switch版とPC版」はクロスプラットフォームで遊べるそうです。過去のブログ記事ですが、Xbox One版は残念ながらクロスプラットフォームでは遊べないとの記述がありますね……


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 ゲームはまず、ツリーハウスに並ぶ「羊」や「アライグマ」、「馬」、「鶏」などの可愛らしい動物達の中から自分が操作するキャラクターを選びます。マルチプレイの時は、当然「他の人が既に選んでいるキャラクター」は選べません。


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 キャラクターを選んだらプレイ開始!
 操作方法は「Xボタンを押しっぱなしでダッシュ」「Aボタンでジャンプ」という『スーパーマリオブラザーズ』シリーズに似た形ですね。キーコンフィグは出来ません。キャラクターによる性能差もなし。
 『スーパーマリオワールド』の「Yボタンを押しっぱなしでダッシュ」「Bボタンでジャンプ」から一列ズレているので最初は戸惑いましたが、じきに慣れました。

 2Dアクションゲームとしての“触り心地”の特徴としては、キビキビ動く(慣性があまり付かない)のと、壁キックが自由に出来て「1つの壁だけで壁キックで登っていける」のが重要ですね。




 このゲームにはいくつかモードがあるのですが、メインモードと言って良いであろう「パーティ」「クリエイティブ」について説明します。これらのモードは2~4人による対戦モードで、ローカルプレイはもちろん、オンラインプレイにも対応しています。Nintendo Switchの場合は片方のJoy-Conだけで遊べるので、おすそ分けプレイも出来ますね。

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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 このゲームの基本は、「スタート地点」から「ゴール地点の旗」まで走って跳んでたどり着くだけ!その順位によってポイントがもらえ、それを例えば12ラウンド繰り返して、設定されているスコアに誰かが到達したら優勝です。


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 ですが、それだけだと当然ゲームにはなりませんよね。
 「パーティ」モードの場合は、与えられたパーツの中から1人1つずつを選んで……
 「クリエイティブ」モードの場合は、全てのパーツの中から自由に1人1つずつ……


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 好きな場所に設置することが出来ます。


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 設置が終わったら競争開始!


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 競争が終わったらまた設置。


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 設置が終わったらまた競争!

 というのを繰り返していくと………


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 最終的には、こんな殺意に満ちたコースになるという!



 このゲームは「ルールのカスタマイズ」が可能なので様々な遊び方が出来ますが、基本的には「自分が真っ先にゴールすればポイントになる」のと「自分の仕掛けたトラップで他のキャラを倒せればポイントになる」ため―――
 イジワルなトラップを仕掛けて「自分以外」を殺しに行くのか、はたまた凶悪なトラップをすり抜ける救済パーツを置いて自分が真っ先にクリアするのか、“「スタート地点」から「ゴール地点の旗」まで走って跳んでたどり着くだけ”のゲームなのに様々な思惑が交錯するのです。

 自分の仕掛けた弓矢のトラップが他の人のブロックによって防がれる、とか。
 せっかくゴールしやすくなるようにと置いた階段が爆弾で破壊される、とか。
 良かれと思ってワープ扉を置いたら、ワープ扉の向こうから延々と矢が飛んでくるようになった、とか。

 全員の思惑が交錯するからこそ、「俺の思ったようにならない!」という予測不能なコースが出来上がっていくという。


 遊んでいる感覚は『スーパーマリオメーカー』の100人マリオで出会った「クソコース」に頭抱えながら挑んでいるのに近いような、むしろ敢えて「クソコース」を作って相手を困らせるゲームのような、その「クソコース」に1つのパーツを加えて「自分だけ真っ先にクリアできるコース」に変えてしまうゲームのような……
 まだゲームがオンラインにつながる前の時代、ファミコンの『エキサイトバイク』や『レッキングクルー』で友達と一緒にアホみたいなコースを作って「こんなんクリアできないだろうガハハハハハ」と笑いあっていたのを、オンラインで世界中の知らない人と一緒に「ちゃんと競技として成り立つ形で」遊べるようにしたみたいなゲームかなと思います。


 オンラインプレイで知らない人と一緒に遊ぶのなら、『エキサイトバイク』や『レッキングクルー』並に何でもありになりがちな「クリエイティブ」モードよりも、最初の内は制限のある「パーティ」モードの方がオススメです。「どのパーツが与えられるか」というランダム要素が強いので、毎回ちがった展開になりますし、そのパーツの中で出来ることしか出来ないので空気を読む必要もありませんし(この辺は記事の後半に書きます)。


↓2↓

◇ ルールもステージも自由にカスタマイズ可能だから、遊び方も自由!
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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 この機能はどうやらNintendo Switch版の発売に合わせた2018年9月のアップデートで追加されたそうで、私としては「こんな根幹に関わる機能が今までなかったの!?」と驚いたのですが……このゲーム、「どういうプレイをしたらポイントが入るのか」を自分達で自由にカスタマイズできるのです。しかも、「ON/OFF」だけじゃなくて、「ポイントの量」まで細かく調整できます。


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 ゲームで一番重要なのは、実は「ルール」です。
 例えば「サッカー」という競技は「相手のゴールにボールを入れたら1点が入る」というルールだから、みんなゴールに向かってボールを蹴るし、守備側はそれを防ぐために相手を密着マークしたりするのです。これにもし仮に「相手選手のパンツを脱がせても1点」というルールが追加されたら、守備側も密着マークなんか出来なくなりますよね。パンツを脱がされちゃうから。

 『スーパーマリオ』だって「横から敵に当たったらダメージ」というルールだから、プレイヤーは敵を避けて進むのであって。もし「敵に当たると敵が吹っ飛んでマリオのレベルが上がる」というルールだったら、逆に敵に向かってぶつかりに行くゲームになりますよね。『イース』みたいなカンジに。



 つまり、「ルールのカスタマイズが可能」というのは「遊び方を自由に変えられる」ということなんです。
 例えば、「自分の仕掛けたトラップで相手を倒した時のポイント」を高く設定したら、みんなこぞってトラップを仕掛けて、殺意に満ちたコースが出来上がっていくでしょうし。
 「コインを取ってゴールした時のポイント」を高く設定したら、一か八かでコインで大逆転できるギャンブル性の高いゲームになっていくでしょうし。
 このゲームのデフォルトルールだと「簡単すぎるコースはゴールしてもポイントにならない」のですが、私はそれだと序盤のラウンドが盛り上がらないと思って「どんなコースでもゴールすればポイントになる」ようにしています。


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 何点獲ったら優勝になるのか、の「獲得ポイント」。
 誰も優勝にならなかったらいつまで続けるのか、の「長さの制限」。
 パーツを置く制限時間、の「配置タイマー」。
 競争の制限時間、の「ランタイムリミット」。

 これらも自由に変更可能です。
 「ランタイムリミット」を短くするとレースゲーム的になりますね。

 「ダブルパーティボックス」はパーティモード時に、プレイヤーが少ない時に「1ラウンド2個ずつ」パーツが置けるようになるという機能です。これはオンの方がオススメ。

 クリエイティブモードは各ラウンドに1つずつ「好きなパーツ」を選んで置けるモードなのですが、1ラウンドごとに置ける個数を増やすと「パーツとパーツを組み合わせた大掛かりな仕掛け」を作る人も出てきて、よりガチ度の高い対戦型『マリオメーカー』っぽくなっていきます。


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 パーティモード時に出現するパーツの確率も1個ずつ細かく調整できます。
 例えば、「コインを取ってゴールした時のポイント」を高く設定したからコインの出現確率を低くしようみたいな遊び方が出来ますね。
 「出てくるパーツが全部ノコギリ」みたいなことも出来ますし、逆に人が死ぬトラップは1コも出ないようにしてゴールまでの競争を純粋に楽しむレースゲーム的な遊び方も出来ますね。


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 また、『マリオメーカー』のようにステージを自作してそれをインターネット上にアップロードしたり、誰かが作ったステージをダウンロードして遊んだりも出来ます。
 「敵キャラクター」や「パワーアップアイテム」などが存在しないゲームなので、『マリオメーカー』のような多彩なステージを作れると期待すると物足りないというか、「じゃあ『マリオメーカー』やればイイんじゃない?」となってしまうと思いますが……『マリオメーカー』とはちがって、このゲームでは4人まで同時プレイが可能なんですね。自分の作ったステージや、誰かが作ったステージを、オンライン・オフラインともに一緒に遊ぶことが出来るのです。


 先ほどまでに説明していた「パーティ」と「クリエイティブ」モードだけでなく、このゲームにはパーツを増やすことなく純粋にスタートからゴールまでのタイムを計る「チャレンジ」というモードもあります。これは1人から4人まで同時プレイが可能。
 つまり、誰かが作った凶悪なステージを、誰が一番早くゴールできるか―――みたいな遊び方も出来るんですね。

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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 遊び方は無限大!

 開発者の一人Kyler Kellyは、ブログにてこう書いています。「 I expect the community to find other interesting rulesets that we would have never imagined.」
 つまり、「開発者である私達が想像もしていないような面白いルールセットを、遊び手のみんなが思いついてくれることを期待しています」と。「こうやって遊んでね」と開発者の思った通りのレールに沿うのではなく、プレイヤー自身が楽しい遊び方を考えていくゲームなんですね。


 修正パッチが来てエラー落ちしにくくなったら、このゲームを特殊なルールで遊ぶ配信もいつかやってみたいですね。特殊ルールなので流石に野良の人は入れられないし、4人揃うかどうかが不安ですけど!

↓3↓

◇ 見知らぬ人とのオンラインプレイだからこそ、「楽しく遊ぼうぜ!」と読む空気
 このゲームはオフラインでのローカルプレイでも4人まで一緒に遊ぶことが出来ますが、ここから先はオンラインプレイについての説明を書こうと思います。


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 自分で部屋を作る場合は「ゲームをホストする」。
 野良で、誰かの部屋に入って遊びたい場合は「公開ゲームを探す」。
 友達の部屋に入りたい場合は「招待コードを入力」です。

 ルールのカスタマイズは(多分)部屋を作った人にしか出来ないと思います。
 招待コードはプレイするごとに変わるみたいなので、リアルタイムに「部屋開くから来てね~、招待コードは○×△◇」と教えなきゃいけないのがちと面倒。


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 「公開ゲームを探す」を選ぶとこんなカンジ。
 ホストの人の地域(アジア、ヨーロッパ、アメリカ)や、どのくらい人が入っているのか、遊んでいるモードなんかが表示されますね。


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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 (Nintendo Switch版の場合)ZLボタンと右スティックの組み合わせで「定型文チャット」を送ることが出来ます。「定型文チャット」なので恐らく海外の人にも翻訳されて伝わっているので、言語を越えて「(こんなコース)無理!」と叫んだり、穴に落ちて「ハハハ!」と笑ったりするのが楽しいです。



 さて、ここからが重要な話。
 置けるパーツが決まっている「パーティ」モードだとあまり気にしなくてイイと思うんですが、好きなパーツが置けてしまう「クリエイティブ」モードの場合、「1位を目指す」だけでなく「みんなで楽しむために空気を読む」ことがある程度は必要になるかなぁと思うんですね。

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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 例えば、これは1ラウンドごとに5つ好きなパーツが置ける「クリエイティブ」モードの部屋だったのですが……
 一度に5つも好きなパーツが置けるので「大掛かりな仕掛け」を作る人がいました。右上の傘を指している犬(?)の人が、何ラウンドもかけて木材をつなげているなぁ……とは思ったのですが。

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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 なんと!このつながった木材、ベルトコンベアに溶接されていて、ゲーム開始から一定時間が経過するとステージを全部なぎ倒すように動いてくるという!(笑)


 「こんなんやったら誰もクリア出来なくなっちゃうじゃん」という仕掛け。
 でも、好きなパーツを置ける「クリエイティブ」モードだからって、例えば「爆弾」でその仕掛けをぶち壊したり、「ワープドア」でゴールまでショートカットしたりしちゃったら……勝ち負けにこだわってそんなことをしても面白くないよね!と、全員この仕掛けを残して活かした上でゴールを目指す方法を生み出すプレイを最後までしていました。みんな「空気を読んだ」のです。


 このゲーム……特に「クリエイティブ」モードの場合は、勝ち負けだけに執着したらきっと「凶悪なトラップは無効化する」方向に進んじゃって面白くなくなっちゃうんです。
 「勝ち負け」よりも「みんなが面白くなるためには」を考えて空気を読んでプレイする、良い意味での“緩さ”を楽しめる人に向いたゲームかなぁと思います。そういう意味では「対戦型『マリオメーカー』」というだけでなく、「みんなで一緒になって遊ぶ協力型『マリオメーカー』」でもあると思うんですね。



 なので、どのゲームもエンジョイ勢寄りの自分としては大好きなゲームなのですが……
 大きな難点が一つあります。Nintendo Switch版は「頻繁にエラー落ちする」のです。オンラインプレイをしようとすると3回に1回はエラー落ちするし、自分はエラー落ちしていなくても誰かはエラー落ちするので「4人全員がそろう」ことが本当に稀。

 公式もそのことを把握しているので、修正パッチを作っていることを公式発表しているのですが……「言語を日本語に変更するとクラッシュしにくくなるよ」と言っていて、こちとら最初から日本語でやっとんじゃーーい!とずっこけたので、修正パッチの完成を待つのにも若干の不安が(笑)。

 すっごい面白いゲームだと思うので、ここは残念ですね。
 修正パッチの完成、首を長くして待っています。



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch版『Ultimate Chicken Horse』より引用>

 記事内にも書きましたが……ファミコンの『エキサイトバイク』とか『レッキングクルー』みたいにステージエディットのあるゲームで、無茶苦茶なステージを作ってゲラゲラ笑っていたような人は絶対に遊ぶべきゲームです。それをちゃんと「対戦用ゲーム」として成立させているのが凄いです。

 また、「厳密な勝負にこだわる人」や「ストイックに上達を目指す人」よりも、「楽しいことを優先できる人」や「自分なりの遊びを考えたくなる」人にオススメで――――「本当の意味でのエンジョイ勢」向けのゲームですね。


 私はまだステージやキャラを全解放させていないんですけど、一旦プレイを中断して修正パッチが出るのを待とうかなと思います。エラー落ちが減ったら再開して、オリジナルルールでの対戦を生配信しながら遊びたいですね。修正パッチの完成が待たれる!


Ultimate Chicken Horse (Original Soundtrack)
Posted with Amakuri
¥1,600
売上げランキング: 21595
これはゲームじゃなくてサウンドトラックね

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『UNDERTALE』紹介/コマンドバトルRPGに飽きちゃった人達に向けた「ポストJRPG」

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<画像はNintendo Switch版『Undertale』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
「日本のゲームが大好きなアメリカ人」による「ポストJRPG」
コマンドバトルだけどテキストアドベンチャー?弾幕シューティング?『パンチアウト』?
「お約束を覆す」ことを斬新と思えるか、既に通った道と思ってしまうか


『UNDERTALE』
・開発者:Toby Fox
 Steam版:2015年9月15日発売、2017年8月22日に日本語化対応、980円
・日本版パブリッシャー:ハチノヨン
 プレイステーション4版:2017年8月16日発売、1620円
 プレイステーションVita版:2017年8月16日発売、1620円
 Nintendo Switch版:2018年9月15日発売、1620円
  ※ スクリーンショット撮影可能、動画撮影可能
 ※PS4版、Vita版、Switch版にはパッケージソフト版もあります
・コマンドバトルRPGにいろんなジャンルの要素を加えたゲーム
・セーブスロット数:1


<PVはNintendo Switch版のものです>
 私の1周クリア時間は約06時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:◎(ポップな絵ですが話はむっちゃ重いです)
・恥をかく&嘲笑シーン:△(嘲笑はないけど空回りするキャラがつらい人はいるかも)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:○(死ぬかどうかはあなた次第ではあるけど)
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:△(性別不明の主人公を女として見るなら若干…)
・BL要素:△(性別不明の主人公を男として見るなら若干…)
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

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| ゲーム紹介 | 17:56 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

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『オクトパストラベラー』紹介/スクウェア時代のDNAを受け継いだ、でも2018年にふさわしい新しい冒険のRPG!

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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
主人公も、仲間も、どの道を進むのかも……選ぶのは君だ!
「ここは○○の村です」と言うだけだった村人Aを、仲間にしたり倒したり盗んだり――
シールドを削って大技を叩きこむ!シンプルなコマンドバトルなのに爽快感がバツグン!


『オクトパストラベラー』
・発売:スクウェア・エニックス、開発:アクワイア
 Nintendo Switch用ソフト:2018年7月13日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影×
・コマンドバトル式RPG
・セーブスロット数:9+オートセーブ用が1つ


 8人のメインストーリークリアに私がかかった時間は86時間でした
 追記:その後のサブクエストなどもすべてクリアで計108時間かかりました
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

↓1↓

◇ 主人公も、仲間も、どの道を進むのかも……選ぶのは君だ!
 全世界で大ヒット中の『オクトパストラベラー』、むちゃくちゃ面白かったんで紹介記事を書きます!大作・傑作の多いNintendo Switchのゲームの中でも、今のところ私は一番好きだというくらいに楽しみました。


 このゲーム―――「進化したドット絵のグラフィック」だったり、「ターン制のコマンドバトル」だったり、スーファミ世代を直撃する要素が満載で。そのせいで発売当初から「『ロマサガ』っぽい」とか「いや、『FF6』っぽい」といったように、往年の名作のどれに似ているかみたいなことが話題になっていました。

 確かに『ロマサガ』っぽいところも、『FF6』っぽいところもあるのですが……私としてはこのゲームは、一つの作品を挙げて「○○に似ている」とは言いたくありません。


 どちらかと言うと、スクウェア時代のいろんなゲームのいろんな要素が混ざって復活した“スクウェアの集大成のようなゲーム”だと私は思うのです。
 「『ロマサガ』っぽい」とか「いや、『FF6』っぽい」と言っている人達に対して、「いやいや!このゲームはスクウェアっぽいんだ!」と言うのは反則な気もしますけど……(笑)。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 ひょっとしたら若い人達の中には「スクウェアって何……?」という人もいらっしゃるかも知れないので解説しますと、現在のスクウェア・エニックスという会社は、かつては『ドラゴンクエスト』のエニックスと『ファイナルファンタジー』等のスクウェアという2つの会社でした。そのライバル同士が合併したのが2003年―――

 合併する前のスクウェアという会社は、ファミコン後期に『ファイナルファンタジー』1作目をヒットさせて以降、ゲームボーイ・スーパーファミコン・プレイステーションと様々なRPGを発売していきました。『ファイナルファンタジー』『SaGa』『聖剣伝説』『フロントミッション』『クロノトリガー』『ライブ・ア・ライブ』『ゼノギアス』『キングダムハーツ』―――アクションRPGやシミュレーションRPGなんかもありますが、様々なRPGを挑戦して作っている会社だったのです(中には“ハイスピード・ドライヴィングRPG”なんてものもありました)。

 しかし、エニックスと合併した2003年以降になると、ゲーム機のスペックは高くなり、開発費も高騰の一途をたどり、挑戦的な新規ソフトというものをなかなか作りづらくなって、『ドラクエ』『FF』シリーズの派生作品やリメイク作品が多くなってしまったり。
 ゲーム機のスペックが高くなったことで、海外市場の中心がFPSやTPSといった「3Dアクションシューティング」や、「オープンワールド」のゲームになっていって……コマンドバトル式のRPGはあっという間に「古臭いジャンル」になってしまったり。(『ファイナルファンタジー』シリーズ最新作の『XV』だって、オープンワールドのアクションバトルになりましたからね)


 スクウェアという会社は合併してなくなり、開発費が高騰して挑戦的な新規ソフトは鳴りを潜め、コマンドバトル式のRPGは時代遅れになってしまった―――そんな現代に現れたコマンドバトル式のRPGである新規ソフト『オクトパストラベラー』は、「スクウェア時代のRPG」っぽいゲームになっていたのです。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 ゲームはまず、各地にいる8人のキャラクターの中から主人公を1人選ぶところから始まります。このシステムは1992年に発売されたフリーシナリオRPG『ロマンシング サ・ガ』に似ていますよね。誰を主人公にして、どの道に進んで、誰を仲間にして、どのイベントをこなすのかをプレイヤーが自由に決められるRPGでした。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 『オクトパストラベラー』の場合、主人公に選ばなかった残りの7人も彼らのいる街に行けば仲間にすることが出来ますし、彼らのストーリーも遊ぶことが出来ます。8人の主人公がいるからと言って8周ゲームを遊ばなくてはならないのではなく、1周で8人全員のストーリーを遊べるんですね。これは『ロマサガ』とはちがうところで(『ロマサガ』は主人公に選ばなかったキャラはどんな境遇なのか分かりませんでしたから)、この辺は現代に合わせたチューニングだとも言えます。



 彼らを仲間にした第2章以降は、大陸地図に記された街にそのキャラクターをパーティに入れた状態で向かうと「そのキャラクターが主人公のメインストーリー」が進む――――というのは、1994年発売の『ファイナルファンタジーVI』の後半っぽいところです。
 あのゲームも「特定の主人公」がいるワケではなく「仲間になるキャラクターは全員が主人公」という群像劇で、後半はそうしたキャラ達を仲間にしても仲間にしなくても自由だし、仲間にしてパーティに入れた状態で特定の場所に連れていくとイベントが起こるというゲームでした。

 『オクトパストラベラー』も、主人公に選んだ1人以外のキャラクターは、仲間にするのもメインストーリーを進めるのも「やってもやらなくても自由」です。その辺は『ファイナルファンタジーVI』っぽいですし、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のような現代のオープンワールドゲームっぽいところでもあります。

 私のクリア時間を見て、「面白そうだけどこんなに遊ぶ時間はないなー」と尻込みしている人は、8人全員を仲間にしてストーリーを全部クリアするのではなく、8人の中から好みのキャラ4人に絞って進めるというのでも全然かまわないと思いますよ。そうすればクリアまでの時間は半減しますし、ゲームバランス的にもそれでちょうどいいくらいじゃないかと思います。
 エンディング後のやりこみ要素には「8人全員クリアしていないと出ないサブクエスト」もありますが、少なくともエンディングまでは「主人公の一人旅でもクリアできる」ように作っているそうですし、実際に2周目はそうやって遊んでいるという人もTwitterのタイムラインで見かけました。主人公の一人旅だとフィールドコマンドが限られるからサブクエストが全然クリアできないでしょうけど(笑)。



 私はトレサを主人公に選び、通常だったらすぐ北の街にいるサイラスか、南の村にいるオルベリクを仲間にするのがセオリーだと思うのですが……私は敢えてサイラスを飛ばして、真っ先にオフィーリアのところに行って仲間にして、最後までトレサとオフィーリアをパーティから外さない遊び方をしていました。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』のパッケージ画像
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 何故なら、このパッケージ画像を見てください……!
 8人のキャラクターがみんなそれぞれ目を合わせずに歩いているというのに……

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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』のパッケージ画像より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 トレサとオフィーリアだけは仲良く談笑しながら歩いているのです……
 これは、圧倒的な百合―――!

 ということで、クリアまでずっとこの2人をパーティに入れていました。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 こういう「私だけのパーティ」という感覚を補強してくれるのが、第2章から出てくるパーティチャットというシステムです。メインストーリーを進めている時、パーティにいるメンバーに合わせて「ストーリーを進めているキャラとその仲間」の掛け合いが見られるもので……

 この発生条件にはヒントのようなものがない上に、メインストーリーを進めてしまうともう見られないため、「全員分のパーティチャットを見るには攻略サイトをいちいちチェックしてパーティを入れ替えないとならない!」という批判もあるみたいなんですが―――私はこれは「全員分の会話を見て欲しい」のではなく、どのキャラクターをパーティに入れているかで「プレイヤーごとに見られる会話が変わる」システムだと思うので。私はこの仕様で全然かまわないと思っています。

 一度見たパーティチャットは、後で見返せるようにはしてほしかったですけど。





 ――――と、こんな風に「誰を主人公にするのか」も「誰を仲間にするのか」もプレイヤーが自由に選べるこのゲーム。更に「どの道を進むのか」もプレイヤーの自由です。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 街から街へは「道」でつながっています。
 昔のRPGでは当たり前のように採用されていた「縮尺を変えたワールドマップ(フィールドマップ)」とか、『ロマサガ』のように「地図で行先を指定して移動」とかではなく、街と同じ縮尺の道を歩いていきます。スクウェア時代のRPGでムリヤリ喩えるなら『ファイナルファンタジーX』(2001年発売)が近いですかね。スクウェア以外なら『MOTHER』が一番有名だと思うんですけど。

 ただ、一本道をひたすら進む『ファイナルファンタジーX』とはちがって、「左に行けば○○の街、右に行けば××の村」といったように道が分かれていて……大陸地図を見ながら「○○の街に行けばオフィーリアのストーリーが進むみたいだな」と次に行く道を決めるのが通常の遊び方なのですが、敢えてストーリーに関係のない洞窟に入って宝箱を漁ったり、本来なら後半に行くはずの街に序盤から「逃げる」を駆使して進み高い武器を先に買ったりみたいな遊び方も出来ます。

 「そういう遊び方をするとゲームバランスが崩れちゃうのでは?」と、昔のゲームだったら道を閉鎖して「3章をクリアするまで4章の街には入れません」みたいにしたと思うんですが……このゲームは、ゲームバランスよりも「プレイヤーのやりたいことが出来る」方が優先されて頑張れば行けるようにしてあるんですね。その制限のなさが「自由度」を感じる要因なのかなぁと思います。



 ただ、これは「不満点」というより、自由度を優先したゲームの「代償」とも言えることなんですけど……
 プレイヤーが好きなタイミングで好きな街に行って、やりたいイベントだけ進めるようにした結果、例えば『ファイナルファンタジーV』とか『ファイナルファンタジーVI』みたいに「世界地図が激変してしまうようなダイナミックなストーリー展開」には出来ないんですね。これは『ブレス オブ ザ ワイルド』でも思いましたが。

 ストーリーはそれぞれの街とそれぞれのキャラクターで完結していて、描かれるのはあくまで「個人の話」です。世界を救うために戦う勇者みたいな大きな展開にはならず、このキャラクターの第2章とこのキャラクターの第3章は同じ町で展開するみたいな時でもそれぞれのストーリーに出てくるサブキャラクターは別で、それぞれの話がつながらないようになっています(メインストーリーをクリアした後にはこういう要素も実はあるので、「8人分のメインストーリーをクリアしてからが本番」とも言えるのですが……クリア時間を考えるとそこまで遊べる人は多くないでしょうし)


 また、“ゲームバランスよりも「プレイヤーのやりたいことが出来る」方が優先されている”ため……8人全員のメインストーリーを律儀にクリアしていると、こちらのレベルが上がりすぎてしまって終盤になればなるほど楽勝の展開になってしまったところがあります。裏ボスを除けば、一番苦戦したのは主人公1人でクリアしなくちゃならない最初のダンジョンのボス戦だったわ……

 まぁ、それこそ『ロマサガ』だってそうだったので、「自由度」と「難易度」のバランスって難しくて、「自由度」を優先するとどうしても「難易度」はおおざっぱになってしまうのでしょうけれども。



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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 とは言え……そんなことが「不満点」にならないくらいに、楽しい旅でした。
 「HD-2D」と謳われたグラフィックは、スーファミ後期の緻密なドット絵のようでもあり、きっちりと作り上げられた3D空間の上にそれが載っていて、更に光やボカシなどの画面効果もあって……「ドット絵で出来た世界」を本当に歩き回れているような、このゲームにしかない独特な感覚がありました。砂漠、雪山、市場……新しい場所の新しい風景に出会うのがこんなに楽しいのかと、久々にゲームのグラフィックに感動しましたよ。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 すごいのは背景だけでなく、ドット絵で描かれたキャラクター達が動き回ってストーリーが語られるのも『ファイナルファンタジーV』(1992年発売)や『ファイナルファンタジーVI』(1994年発売)のようで見ていて楽しかったです。
 プレステ以降は3DCGが普及して「映画っぽい演出」が主流になったためこういう作品は少なくなってしまったのですが、カメラアングルが固定された状態でキャラクターが動き回る様は「舞台演劇っぽいというか人形劇っぽい演出」で、更にスーファミ時代にはなかった「キャラクターボイス」が付くことでそれが強化されたかなと思います。


 『オクトパストラベラー2』と言わずとも、「HD-2D」を使った新作RPGがまた作られることがあったなら、今度こそ「オペラ」が欲しいですねぇ!声優さんへの負担が半端なくなるだろうだけど!

↓2↓

◇ 「ここは○○の村です」と言うだけだった村人Aを、仲間にしたり倒したり盗んだり――
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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
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 さてさて。
 「グラフィックが良い!」とか「自由度が高い!」みたいなことを言っても、そういう宣伝をするゲームは耳にタコができるほどたくさんあるので、「わざわざこのゲームを買わなくてもなぁ」と思われてしまうかも知れません。なので、あまり他のゲームでは体験したことがない要素として、私はこのゲームの「フィールドコマンド」というシステムを推したいと思います。



 これは一言で説明すれば、村人に対して「話す」以外のことが出来るシステムです。

 「フィールドコマンド」は、8人のキャラクターそれぞれちがうものを持っていて、主人公に選んだキャラはもちろんパーティに入れているキャラのものも使えます。大きく分けて4種類――――

・商人:トレサは「買い取る」、盗賊:テリオンは「盗む」
← 村人が持っているアイテムを入手できるコマンド

・神官:オフィーリアは「導く」、踊り子:プリムロゼは「誘惑」
← 村人を一時的に仲間にして連れ歩けるコマンド

・剣士:オルベリクは「試合」、狩人:ハンイットは「けしかける」
← 村人に戦いを仕掛けるコマンド

・薬師:アーフェンは「聞き出す」、学者:サイラスは「探る」
← 村人の個人情報を知るコマンド


 それぞれ「正道/邪道」のちがいはありますが、得られる結果は一緒なので……「8人全員仲間にして育てると時間がかかるから、仲間にするのは4人に絞って遊ぼう」という人はこの4種類のフィールドコマンドが上手く分散するように選んだ方がサブクエスト攻略には良いと思います。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 例えば、これが普通に「話す」をした時の反応です。
 「ここは○○の村です」といったような、どこのRPGでも見かける定番のセリフですね。典型的な村人Aのキャラです。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
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 次に、アーフェンの「聞き出す」をした反応です。
 単なる「村人A」だと思っていたキャラが、実は「近隣の村々にまで伝えられるほどの腕っぷしの女性」だったことが分かります。それで求婚が絶えないというこの世界の男どもよ!強さこそが女性の魅力だ!


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
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 更に、トレサの「買い取る」をしてみると……所有物は「鉄の斧」1本!
 しかも、売ってくれないという!(笑)


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
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 そして、オフィーリアの「導く」をすると、連れ歩けるばかりか、戦闘中に呼び出して戦ってもくれます!村一番の腕っぷしを見せてもらおう!(呼び出せる回数には限りがあって、その回数を使い切ると帰ってしまいます。また街に戻って「導く」をすれば連れていけますが)

 必要がないのでやりませんでしたが、オルベリクの「試合」やハンイットの「けしかける」を使えば敵として戦うことも出来ます。村一番の腕っぷしを見せてもらおう!(二度目)


 この「フィールドコマンド」というのは、メインストーリーを進めるためにも使いますが……主な用途としては、大陸中にいる「困っている人」を助けるサブクエストに使います。
 この「フィールドコマンド」と「サブクエスト」と、先の項で述べた「自由度」はガッツリ噛み合っていて―――例えば、こっちの村で困っている人を助けるためには、あっちの街であの人からアイテムを「買い取る」か「盗む」かしなければならないのだけど、実はそっちの村にいるその人から「聞き出す」情報でもクリアできるといったカンジに。人それぞれ「自分の選んだ道」「自分の選んだ仲間」によってちがう解決方法をして、その後の彼らの人生が変わったりするみたいなんですね。

 また、ストーリーやクエストの攻略とは別に、純粋にゲーム攻略のためになることも多々あって。
 その辺にいるおばあさんがすげえイイ武器を持っているので、それをトレサで「買い取る」と、その辺の店で売っている武器よりも数段高い戦力で進めることが出来たり。次の項で説明しますが、序盤は特にオフィーリアの「導く」やプリムロゼの「誘惑」で連れ歩いた人にも戦ってもらうことで助かることが多いシステムだったりします。



 ただ……そういう「ゲームの攻略がうんぬんかんぬん」みたいなだけの話じゃなくて、私としては「ここは○○の村です」と言うだけだった村人Aにも人生があって個性があることが分かるのがすげえ面白いと思うんですよ。
 例えば、子供のキャラに「買い取る」をするとキャンディを持っているとか、ただ川を眺めているだけのおばあちゃんが実はムチャクチャ悪いことしていた元盗賊で「導く」で連れていくと超強いとか、「聞き出す」をすることでトレサのお母さんはむっちゃ美人で親子と間違えられるような夫婦だと分かるとか(というか、この一家のモデルって……)。

 倫理上、子供のキャラを連れ歩いたり戦いをしかけたりは出来ないようになっていますが……話しかけられる村人のほとんどは「仲間にした時のパラメータ」「敵にした時のパラメータ」がちゃんと用意してあるだけじゃなく、トレサで「買い取る」をした際のセリフとか、オフィーリアで「導く」をした際のセリフとか、逆に「別れる」を選んだ際のセリフとかが、一人一人の村人でちゃんと全部ちがうんですよ!


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
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 こんなの汎用セリフにしてもおかしくないのに、ちゃんと一人一人ちがうセリフを書いているところに、村人一人一人の個性が見えてくるものですし、すげえ手が込んでいると思いますよ。

 ついつい小さな女の子から「ありがとう」と言ってもらえたくて、ほぼ使わないキャンディを買い取ろうとする私、そしてそういう時に限って値切るトレサ!「良い買い物ができました」じゃなーい!



 こんな風に村人に「話す」以外のことが出来るRPGは珍しいと思うのですが……例えば1988年発売の『ファイナルファンタジーII』には「ワードメモリーシステム」というものがあって村人との会話を「覚える」「尋ねる」といったことができましたし、「話すだけでは見えてこない村人の個性が垣間見える」システムと捉えるなら1999年発売の『ファイナルファンタジーVIII』でカードバトルを仕掛けられたり2001年発売の『ファイナルファンタジーX』でブリッツボールに勧誘できたりするシステムに通じるのかなと思います。

 こういうところにもスクウェア時代のDNAが受け継がれているです!(ちょっと強引)


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 先ほどはサラっと流してしまいましたが、サブクエストも「村人にも個性があり人生がある」を感じられる大好きな要素です。
 『オクトパストラベラー』というタイトルは「8人の旅人」という意味だと思うんですが、旅をしているのは8人の主人公達だけじゃなくて、村人達の中にもサブクエストを進行していくことで旅をする者達がいます。彼らにもいろんな「旅をする理由」があって、旅の中でそういう人に出会い、また別の場所でその人と再会して……というのがすごく良かったです。

 私は、「実の母親からの手紙」を拾ってしまった女性の話がすげえ好きだったなぁ……


↓3↓

◇ シールドを削って大技を叩きこむ!シンプルなコマンドバトルなのに爽快感がバツグン!
 RPGの華と言えば「戦闘」!

 RPGのプレイ時間の大半は「戦闘」をしなくちゃならないので、どのゲームも『ドラゴンクエスト』と同じ「戦闘システム」だったら飽きられてしまうし、「同じシステムだったらドラクエやるよ」となってしまうため、ゲームごとに独自の「戦闘システム」を組み込んできたのがRPGの歴史だと言えます。

 差別化を図るために、「戦闘」にアクションを加えてみたり、シミュレーション要素を加えてみたり、様々なソフトが様々な挑戦をしてきたのですが……例えばアクション要素が入ると「アクションゲームが苦手な人が遊べなくなってしまう」とか、シミュレーション要素が入ると「1回の戦闘に時間がかかってしまう」とかの問題も生まれてきました。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 そんな中、『オクトパストラベラー』は「ランダムエンカウント」の「ターン制」「コマンドバトル」というクラシックなRPGのシステムを踏襲していて、アクション要素もシミュレーション要素もありません。「俺、スーファミ以降はRPGを1本も遊んだことがないけど、最近のRPGについていけるかなぁ……」という人でも全然大丈夫だと思います。


 しかし、「クラシックなRPGのシステム」なのに、戦略的で、爽快感がバツグンで、他のRPGでは味わえないような「戦闘」が楽しめるのは―――「味方側のブースト」「敵側のブレイク」というこのゲーム独自のシステムが組み込まれているからなのです。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
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 まずは「味方側のブースト」から説明します。
 「トレサ」や「オフィーリア」といった名前の下に、ランプのようなものが1つ灯っているのが見えることでしょう。これは「ブーストポイント(BP)」と呼ばれるもので、味方側は各ターンが始まるたびに1つもらうことが出来ます。

 通常の攻撃や魔法はこのBPを使わなくても出来るのですが、LRボタンを押すことでBPを消費して「攻撃」や「魔法」の効果を上げることができるのです。
 例えば、BPを1つ使って武器攻撃をすると「2回」斬りつけるとか、攻撃魔法や回復魔法はBPを使った分だけ威力が倍化するとか、味方の攻撃力アップ/敵の防御力ダウンといった補助魔法はBPを使った分だけ効果が長くなるとか、「盗む」の成功確率が上がるとか―――BPを使った分だけ、あらゆる行動の効果がアップするんですね(ただし、「アイテム」などブーストできないコマンドもある)

 BPは1度に3つまで使うことができて、すなわち「4倍」がMAXで―――
 BPを3つ使ったMAXでないと出せない技もあったりするんですが……

 ブーストにはリスクもあって、「ブーストをした次のターンはBPをもらえない」んですね。だから、毎ターンブーストをすればイイということでもなく、「勝負どころ」を見極めてブーストする必要があるのですが。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
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 その1つの目安になるのが、「敵側のブレイク」というシステムです。
 このゲームに出てくる敵には、必ず「弱点」「シールドポイント」が設定されています。村人に「試合」をふっかけた時でもです。

 「?」の部分が「弱点」です。
 このゲームの物理攻撃は「剣」「短剣」「槍」「斧」「弓」「杖」の6種類、魔法攻撃は「炎」「氷」「雷」「風」「光」「闇」の6種類で、「?」にはこの12種類のどれかが当てはまるんですね。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
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 オフィーリアが杖で攻撃したら、それが相手の「弱点」だったそうで、一つ「?」が判明しました。一度判明した「弱点」は以後ずっと記憶してくれるので、過去に戦った相手は既に「弱点」が分かっていて楽に倒せるようになっています。主人公達の記憶力はすごいな!

 「弱点」を攻撃したことで敵の「シールドポイント」が1つ減って、0=「ブレイク」状態となりました。
 「ブレイク」状態になった敵は、そのターンと次のターンが行動不能になるだけでなく、「弱点」かどうかに関係なくこちらの攻撃が大ダメージになるため、先ほど説明した「ブースト」をフルに使って大技を叩きこむチャンスです!


 同じプロデューサーの3DSソフト『ブレイブリーデフォルト』(2012年発売)を、より進化させたようなシステムだと思いますが、『ブレイブリーデフォルト』はスクウェア・エニックスに合併した以降のゲームで、「スクウェア時代の集大成」という今日の記事からは外れてしまうので気づかなかったことにします!(笑)


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 先ほどの敵は最序盤の敵だったので、「弱点」も多くて、「シールドポイント」が1と、「ブレイク」しやすい相手だったのですが……ゲームも進むと「弱点」が少ない敵や、「シールドポイント」が多い敵もたくさん出てきます。

 そうすると「ブレイク」できるタイミングが限られてくるため、「味方がブーストできるターン」に合わせて「敵をブレイクしよう」といったように、次のターンや次の次のターンの展開を予測して戦う必要が出てくるんですね。そのために敢えてシールドを減らす通常攻撃にブーストを使ったり、補助魔法にブーストを使って長い時間効果を持続させたりなんて戦法を取ることもあるでしょう。
 「シミュレーション要素はない」とは書きましたが、先の先の展開を予測して、パズルのように味方の攻撃を組み合わせて、最後に大技を叩きこむのは『スーパーロボット大戦』のようなシミュレーションRPGに近い感覚かも知れません。もはやスクウェアでもスクウェア・エニックスでもない!(笑)

 ということで、ザコ戦であっても戦闘にはちょっと時間がかかるため、一つ一つのダンジョンは短めになっていますね。



 敵の「弱点」を突いて攻撃するゲームと言えば、RPGでは『ファイナルファンタジー』シリーズに代表されるように超定番だと思うのですが……ボス戦で「弱点」が分かったら、その攻撃をひたすら連発するだけと単調になりがちでした。
 また、味方の編成も、どうしても攻撃力の高いキャラが「攻撃」、それ以外は攻撃しても大してダメージにならないから「回復」……みたいに役立つキャラとそうでないキャラに分かれがちでした。

 『オクトパストラベラー』の「戦闘」のどこが好きかというと、攻撃力の低い仲間であっても敵の「弱点」を突いて「ブレイク」するのに必要なところだったり、「弱点」はあくまで「ブレイク」するために突くものであってブーストして叩きこむ大技はそのキャラの一番強い攻撃で良いところだったり。
 昔ながらのRPGと同じ文法のゲームでありながら、昔のRPGとはちがう価値観のゲームなところが私は大好きなのです。「クラシックなシステムのRPG」なのに、「今までに遊んだことのない感覚」が味わえたというか。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 敵の「弱点」を突くことが重要なゲームなので、RPGとしては珍しいと思うんですが1つのキャラクターが複数の武器を装備できるのも特徴ですね。商人:トレサは「槍」と「弓」、盗賊:テリオンは「剣」と「短剣」みたいなカンジに職業ごとに装備できる武器の種類がちがうので、幅広い「弱点」の敵をカバーできるようにパーティ4人を考えて編成するのが良いのですが……

 どうしてもこの編成だと「斧」を持っているキャラクターを入れられない、Oh No...という時には、オフィーリアの「導く」やプリムロゼの「誘惑」といったフィールドコマンドを使って、「斧」が使える村人を連れていくということも出来るのです。


 このゲームの「戦闘システム」はとても面白いんですけど、それが何故面白いのかというと……「主人公を自分で選べる」「仲間も自分で選べる」「どの道を進むのかも自分で選べる」という自由度と、村人に「話す」以外のことができるフィールドコマンドというシステムが、このブーストやブレイクといった「戦闘システム」にマッチしたからこそ面白いのだと思うのです。

 ゲームの各要素がガッツリと噛み合わさったからこその面白さで、もしこのゲームが「主人公固定」「仲間も固定」「ストーリーも一本道」だったらこんなに面白くなかったと思うんですね。
 そういう意味では「自由度の高いRPG」を極めた、2018年にふさわしい到達点のような1本だったと言えます!よくぞこんなゲームを作ってくれました!



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch用ソフト『オクトパストラベラー』より引用
 ©2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.>


 本当はこの紹介記事をアップするまでに、エンディング後に出てくるサブクエストも全部クリアしたかったのですが……1時間40分に渡る激闘の末にさっき裏ボスに負けてしまったので、まだ裏ボスだけ倒せていません。
 そういう状態での評価ですが、私はこれまでに遊んだコマンドバトル式のRPGの中で一番好きというくらいにこのゲームが大好きです。自由度を優先した「代償」のあるゲームなので万人がベストワンに挙げる作品だとは思いませんけど、私にとってはこのゲームが歴代ベストワンのコマンドバトル式のRPGです。それくらいムチャクチャ楽しかったです。

 単なる「スーファミ時代を懐古してスーファミ時代にしかない表現にとどめた作品」ではなくて、スーファミ時代に全盛を迎えた「ドット絵」や「コマンドバトル」がその後も進化し続けて現代まで生き続けたらこうなっているという独自進化を遂げた1作でした。


 なので、「スーファミ世代」や「コマンドバトル式のRPGが好きな人」にはもちろんオススメなんですけど、もっと若い世代で「コマンドバトルのゲームなんかやったことがない…」という人にも手に取って欲しい作品でした。
 行ったことのない場所に向かって、いろんな人に出会う―――そういう冒険に胸が躍る人には、きっと楽しいゲームだと思いますよ。


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『スバラシティ』紹介/じっくり考えてドカンと消す、ペンシルパズルと落ちものパズルのいいとこどり!

※ 現在、ニンテンドー3DS版がウルトラサマーセールで「通常500円のところ300円」と40%オフになっています! 購入予定の方は忘れずに!(8月31日9時59分まで)

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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
制限時間はないけれど、『ぷよぷよ』で連鎖を起こすような爽快感!
目標は超高層タワーを作ること!だけど、作ったら作ったで邪魔!
1マスだけ消せる市長マークを使いこなせるようになると、もう一段階面白くなる


『スバラシティ』
・開発者:Ryuji Kuwaki
 iOS版:2015年5月配信開始、基本無料(広告&アイテム課金)
 AndroidOS版:2016年6月配信開始、基本無料(広告&アイテム課金)
・パブリッシャー:フライハイワークス
 ニンテンドー3DS版:2017年2月15日配信開始、500円
 Nintendo Switch版:2018年8月9日配信開始、500円
・パズル
・セーブスロット数:スマートデバイス版は1つ、3DS版はノーマル・カジュアルで3つずつ、Switch版は合わせて3つ


<PVはNintendo Switch版『スバラシティ』のものです>
 私が全キャラクターアンロックにかかった時間は20時間くらいでした
 全レベルの建物アンロックは30時間近くやっているけどムリそうです……
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください


↓1↓

◇ 制限時間はないけれど、『ぷよぷよ』で連鎖を起こすような爽快感!
 このゲームは元々、『ネコアップ』などで知られる桑木隆治さんによるスマートデバイス用アプリでした。桑木さんは元はゲーム会社に勤務されていたそうなのですが、そこを辞められた後はFlashゲームなどを作っていたところ、iPhoneなどのiOS端末を知ってそのアプリを作るようになったそうです。

 ゲーム機版は、現在のところフライハイワークスからニンテンドー3DS版とNintendo Switch版が配信されています。私が主にプレイしたのはニンテンドー3DS版でしたが、3DSは現在だとスクリーンショットが撮影できないためスクリーンショットのためにアプリ版(iOS版)もプレイしたので、各機種のちがいを最初に説明しておこうかなと思います。


 まずは、「ニンテンドー3DS版」と「Nintendo Switch版」のちがいから。
 私はNintendo Switch版はプレイしていないのですが、ネットでのレビューなどを読むと「基本的には一緒」ですけど「3DS版は二画面を活かして“融合できる候補”を教えてくれたのがNintendo Switch版ではなくなっている」といったカンジに、3DS版の機能が一部Nintendo Switch版では受け継がれていないみたいですね。

 もちろん、Nintendo Switch版にも「テレビ画面にも映せる」「スクリーンショットも撮れる」といった本体機能を活かした良さはあるのですが。


 次に、「(3DSとNintendo Switchを合わせた)ゲーム機版」と「スマートデバイス用アプリ」のちがいを説明します。
 ゲーム機版は、3DS版もNintendo Switch版も買いきりの500円で追加課金などはありません。アプリ版は基本無料ですがバナー広告が表示されている他、画面を切り替えていると時々広告動画が強制的に始まります(5秒経つと飛ばせるようになる)。また、ゲーム機版では人口を一定以上あげることによってアンロックされるキャラクターが、スマホ版では広告ムービーを見ることでアンロックできるみたいです。

 また、これらの広告要素も課金(120円くらい)することで解除できる他―――
 これはAndroid版からの新要素で、後にiOS版でも追加された要素で、1プレイに1回「課金することで市長マークを5つ増やすことができる」そうです。市長マークの説明は後でしますが、これは正直どうなのよ…って思いますね。1プレイに1回だけだからハイスコアには影響しないだろうという判断みたいですが、超高レベルなガチ勢以外は「課金したかどうかが露骨に成績に反映されてしまう」要素だと思うんですけど。

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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 また、ゲーム機版には、標準的な「ノーマル」と初心者向けの「カジュアル」の2つのモードがありますが。アプリ版は「ノーマル」のみだったり(故に、ちょっと初心者にはハードルが高いんじゃないかと思わなくもないです)。
 ゲーム機版は、市長マークを「建物を壊す」のと「一手戻す」のに使えるのに対して、アプリ版はどうやら「一手戻す」操作自体がないみたいなのと。
 ゲーム機版は任意セーブでセーブスロットに中断記録を3つ残せるのに対して、アプリ版はオートセーブで1つしか残せないみたいで。

 まぁ、当たり前なんですけど……
 ゲーム機版の方が500円払わせるだけあって、「初心者でも楽しめる」上に「遊びやすい」仕様になっているなと思いました。オススメなのはゲーム機版ですけど、とは言え機種を持っていない人や、面白いかどうか分からない内はお金を払えないという人はアプリ版を入口にするのもアリかなと思います。「カジュアル」モードがないと、このゲームの面白さが分かる前に辞めちゃわないかと思わなくもないですが……



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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 さて、ここからがゲーム内容の説明です。
 『スバラシティ』という名前や画面の雰囲気から、「『シムシティ』みたいな街づくりシミュレーションゲームかな?」と勘違いしてしまう人もいらっしゃるかも知れませんが……ゲームのジャンルは「パズル」で、「シミュレーション」要素はありません。


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<画像はiOS版『スバラシティ』のものに一部手を加えました>

 見るべきは「地面の色」です。
 「緑」「黄緑」「茶色」……あとは途中から出てくる「灰色」と、4種類の地面があって、同じ色の地面はつながっていることが分かるかと思います。このつながっている部分は、「一つにまとめる」ことができます。

 オレンジ色の丸で囲んだ部分をタッチしてみましょう。


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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 こうなります……とスクショだけだとイマイチ伝わりづらいと思うので、ブロックがどう動いたのかを矢印で示してみましょう。


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<画像はiOS版『スバラシティ』のものに一部手を加えました>

 2つつながっていた「茶色」のブロックが1つにまとまり、「木」と「人」だったものが「家」にレベルアップしました(「木」と「人」はどちらも同じレベル1のブロックなので中身を気にしたりする必要はありません)。
 また、「茶色」のブロックが1つにまとまったことで空いたスペースに、上部から「黄緑」のブロックが下りてきて、更にその上部からは「茶色」のブロックが補充されました。こんな風に次から次へとブロックが補充されるので「落ちものパズル」と言われているんですね。

 プレイヤーが出来ることは「同じ色でつながったブロックを1つにまとめる」ことと、「市長マークを使ってブロックを壊す」ことの2つしかありません。市長マークについては最後の項で説明するので、ここでは「同じ色でつながったブロックを1つにまとめる」について説明しますが……

 「同じ色でつながったブロックを1つにまとめる」ことの効果は2つあって――――
 1つは、ブロックが組み合わさることで徐々にブロックのレベルが上がっていくことです。先ほどのスクショで「木」と「人」が組み合わさって「家」が出来たことを書きましたが、ゲーム的に分かりやすく解説すると「レベル1のブロックとレベル1のブロックを融合したらレベル2のブロックに上がった」というカンジですね。

 そして、もう1つは「ブロックを1つにまとめる」ことがブロックを移動させられる数少ない手段なんですね。「このブロック邪魔だなー、移動させたい!」と思っても、ここは『スバラシティ』、そのブロックには人が住んでいるのだから安易に立ち退きなんてしてくれません。
 ただし、ブロックを融合させて「良い家」「良いマンション」「良いタワー」を作ったらそこに移住してくれるってことですね。レベル11以上の建物になると観覧車とかだったりするけど、どうやって住んでるんだアレ!


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<画像はiOS版『スバラシティ』のものに一部手を加えました>

 この「邪魔なブロックを移動させるためにブロックを融合させる」のが楽しくて、じっくり「ここを消せばこの色がここに落ちてくるからこの色がつながるな……」と二手・三手先を考えるゲームなんです。『テトリス』や『ぷよぷよ』のように次のブロックが落ちてくるから急いで考えなくちゃいけないというゲームではなく、『ピクロス』とか『数独』のようにじっくり考えることができるのでどちらかというとペンシルパズルに近いゲームだと思うんですが……

 では、次にオレンジ色の丸で囲んだ部分をタッチしてみましょう。


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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 「黄緑」の5つのブロックが融合されて、レベル4の「大きな家」が出来ました。
 そして、その「黄緑」のブロックがなくなったところに「茶色」のブロックが落ちてきて、(1つは偶然でしたが)今度は「茶色」ブロックが6つつながりましたね。

 こんな風に、ブロックを融合させることでその上のブロックが落ちてきて新しく融合できるようになって、たくさんのブロックがドカンと消える(厳密には1つに融合される)―――この気持ちよさは『ぷよぷよ』で連鎖を狙って組んだときの気持ちよさに通じます。ペンシルパズルのようにじっくり考えることが出来るのだけど、『ぷよぷよ』などの落ちものパズルのようなランダム性と爽快感も持ったいいとこどりのパズルゲームになっているのです!



 先ほど、“ゲーム機版には、標準的な「ノーマル」と初心者向けの「カジュアル」の2つのモードがありますが。アプリ版は「ノーマル」のみ”と書きました。
 「カジュアル」モードは市長マークが最初の1つから増えない代わりに、ブロックの色が3種類しかないので初心者でも連鎖が起こりやすく楽しく遊べます。
 「ノーマル」モードはブロックの色が途中から4種類になるので、しっかり考えないと連鎖を起こせずに難易度が上がるのですが、条件を満たすことで市長マークが増えていくので、より高度なプレイになっていきます。


 私が「ゲーム機版の方がオススメ」と書いたのはこの理由で、最初は「カジュアル」モードで何も考えずにブロックを融合させまくって次々と連鎖していくのを楽しんだ方がイイと思ったからです。私が「ノーマル」モードの面白さに気付いたのは15時間くらい遊んでからなので、「ノーマル」モードしかないアプリ版は面白さに気づく前に辞めちゃう人も多いだろうなーと。


↓2↓

◇ 目標は超高層タワーを作ること!だけど、作ったら作ったで邪魔!
 こうして「同じ色のブロックを融合させていく」だけのゲームかと思いきや、そこから更に発展しているのがこのゲームなのです。

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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 ここでは、下から二段目の4つつながっている「茶色」のブロックを融合しようと思います。


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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 そしたら、おおおおおおおおおお!?
 レベル10のマンションが完成しました(レベル10に上がる建物は、融合させる前から白く光っているので分かるようになっています)。

 レベル10のマスは、見ての通り地面が「白」です。
 「茶色」を融合させても、「緑」を融合させても、「黄緑」を融合させても、「灰色」を融合させても、レベル10まで成長させると「白」になるのです。そして、「白」のマスは「白」同士でしかつながりません―――つまり、レベル10の建物はレベル10同士でしか融合させられないんですね。


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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 そして、このように「レベル10の建物を4つ融合させるとレベル13の建物ができる」「レベル10の建物を5つ融合させるとレベル14の建物ができる」といったカンジに、レベル10の建物をなるべくたくさん集めて融合させるのが目的となるのです。


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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 では、これだけ揃えたレベル10の建物を融合させてみましょう。
 数えてみたら15個でした。ということは……


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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 レベル24のタワーが出来ました!
 「レベル10の建物」をたくさん集めるほど残りのマスが少なくなって難しくなるのだけど、最高レベルの33を目指すとなると「レベル10の建物」を24マス集めなくちゃいけないので無理じゃボケエエエエエ!全部で25マスしかないのに、どうやって24マス集められるというのか(笑)。

 私はどんなに頑張っても無理だったので(最高記録は30レベルでした)、みなさんはがんばってください。でも、別にあっさり33に到達したからといって報告とかしてこなくてイイですからね。腹立つから!


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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 さて、「レベル11以上の建物」は地面が金色になって、これ以上は融合できなくなります。
 つまり、もう移動できない邪魔なマスが画面上に残るので、むやみやたらに「レベル11以上の建物」を作っていくと融合できるマスが少なくなってしまうのです。デカくなりすぎた建物は市長権限では動かせなくなってしまうということだ、おのれー。

 そうして「もうどこも融合できない」「市長マークも使い切ってしまった」らゲーム終了。
 その時点での人口がハイスコアになります。


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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 ゲームとしては「ひたすらハイスコアを目指すゲーム」と言えて、ストーリーとかエンディングとかがあるワケじゃないのですが、「1回のプレイで○レベルの建物をいくつ作る」といった条件でアンロックされるキャラクターがあるので(レベル1の絵が変わるだけ)、ゲームを始めたばかりのころはこれを目指していくのがイイでしょう。

 これらの条件を満たすプレイをしていくと、次第にこのゲームのコツが分かっていくと思いますし。これらを全部達成したあとも「レベル33を目指そう」とか「市長マークのカンストを目指そう」といったように、自分なりの目標を立てて延々と遊び続けている人が多いみたいですね。
 私も積みゲーがなければ延々と遊べちゃうのだけど、『スバラシティ』を除いても積みゲーがあと92本あるのでここらで引くことにします。レベル33までは届かなかった……!


↓3↓

◇ 1マスだけ消せる市長マークを使いこなせるようになると、もう一段階面白くなる
 さて、いよいよ市長マークについての説明をします。

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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 このゲームでは基本的に「同じ色のブロックを融合させる」時にしかブロックを移動できないため、「このブロックさえなければー」と思う局面がしょっちゅう起こります。例えば上の画像だと「茶色」ブロックの木が邪魔で、これさえなければ「灰色」が3つそろって、更に左端に融合すれば右の「黄緑」もつながるのですが……そうした時に役立つのが市長マークなのです。

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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 市長マークを1つ消費することによって、1つブロックを消すことが出来るのです。
 「私の首をかけて、この木を撤去する!!」

 市長の首、軽いな……?


 市長マークは「ノーマル」モードなら初期値が2つ、「カジュアル」モードなら初期値が1つ。「カジュアル」モードはそれ以上は増えないのですが、「ノーマル」モードは100年が経過することに1つ増えて、レベルの高い建物を建てても増えます。超高層タワーを建てた記念に、クローン市長が補充されるということか……

 ゲームを始めたばかりの頃は「レベルの高い建物」を作れないので「ノーマルモードは何が面白いかさっぱり分からん、カジュアルモードは連鎖がバシバシ決まって超楽しい」ってカンジなのですが、「レベルの高い建物」を作れるようになると市長マークがガシガシ増えて「ここもここもここも取り壊してやる!」と自由な区画整理ができるようになって「ノーマルモードの方が楽しい!」と分かってきます。そのたびに消し飛ぶクローン市長の首。

 マジメな話、レベル33の建物を目指すなら大量の市長マークが必要なので、まずはそこそこの超高層タワーを作って市長マークをたくさん手に入れ、後にその超高層タワーをぶっ壊すみたいなプレイが必要になってくるのだと思います。あのタワーをぶち壊しても市長の首1つで済むんだから、やっぱり市長の首は重いのか……?


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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 こういう局面だと「レベル10の建物」をもう融合しちゃうか、その下の細かいブロックを撤去してまだ上部で「レベル10の建物」を増やせるのかに悩みますね。


 そうして「もう融合できるブロックがない」詰みの状態で、更に「市長マーク」も使い切ったらゲーム終了です。その時点での人口がハイスコアとして残ります。のですが……


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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 アプリ版だと、ここで「課金すればまだ続けられますよ!」って言われるという。

 正直、この課金要素は好きじゃないですね……



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はiOS版『スバラシティ』より引用>

 まぁ、とは言えパズルゲームとしては申し分のない出来です。
 気軽に「ちょっと時間あるからやろうかな」と始めて1時間とかが経過している恐ろしいゲーム。

 パズルゲームが好きな人にはオススメですけど、特に「コンピューターゲームのパズルゲーム」よりも『ピクロス』とか『数独』みたいに「じっくり考えるペンシルパズル」が好きな人にオススメかなと思います。

 電車での長距離移動なんかが多い人にもオススメ。
 というか、Nintendo Switch版はだから「お盆休み前」の季節に合わせての配信だったのか。『ピクロス』とかもそうですけど、この手のジャンルのソフトは長期休暇のタイミングに合わせて配信開始になることが多いですね。退屈な時間があっという間に過ぎてしまう旅の相棒にどうぞ(市長の首を飛ばしながら)。


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『Minit』紹介/白黒の世界を冒険する、お手軽『ゼルダ』!

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<画像はNintendo Switch版『Minit』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
世界を構成するのは白と黒の二色
「1分で死ぬ」ということは、「どのイベントも1分で終わるくらいテンポが良い」ということ
しかし、中身はしっかりアクションアドベンチャー!探索と成長を楽しもう!


『Minit』
・開発者:Jan Willem Nijman、Kitty Calis、Jukio Kallio、Dominik Johann
・パブリッシャー:Devolver Digital
・日本語ローカライズなど:架け橋ゲームズ
 Steam版:2018年4月3日発売、980円
  ※ 日本語化は近日アップデートで公式に対応予定
 プレイステーション4版:2018年8月9日発売、1000円
 Nintendo Switch版:2018年8月9日発売、1000円
  ※ スクリーンショット撮影可能、動画撮影可能
・見下ろし視点のアクションアドベンチャー
・セーブスロット数:3


<PVはNintendo Switch版のもので、期間限定公開だそうです>
 私の1周クリア時間は約03時間でした
 謎解きに相当詰まったので、サクサク進んだ人はこの半分くらいでクリアできるかも
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください


↓ここから1↓

◇ 世界を構成するのは白と黒の二色
 このゲームは4人のゲーム開発者が集まって作ったインディーゲームで、今年の4月に海外版がSteamなどで発売されていました。有志による日本語化パッチはありましたが、この8月にめでたく公式に日本語化がされて日本国内でもプレイステーション4版とNintendo Switch版が発売されました。

 SteamなどのPC版も近日アップデートで日本語化に対応するみたいですね。
 「プレイステーション4版は日本語化されていなくて、こちらもPC版と同様に近日アップデートで日本語化に対応する」というプレスリリースも見たんですけど、PS4の公式サイトには「本タイトルは日本語対応済みです。」と書かれているんですよね……間違っているのはどちらなのか、誰かPS4版を買ったという人はいませんかね?

 私がプレイしたのはNintendo Switch版ですが、こちらも初期設定では「ENGLISH」になっているので「SETTINGS」で「JAPANESE」に直してプレイする必要があります。

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<画像はNintendo Switch版『Minit』より引用>

 設定変更は「画面の濃さ」や「コントローラ設定」など細かく変えられます。私は「自殺してセーブポイントからやり直す」のがBボタンなのは間違えて押しやすそうだとXボタンに変えてプレイしていました。
 聞き慣れない「VEGAN」は「菜食主義者」という意味だそうで、このモードを「ON」にすると一部のシーンが変更になるみたいです。何その手の込みよう!



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<画像はNintendo Switch版『Minit』より引用>

 このゲーム最大の特徴は、なんと言ってもこのグラフィックです!
 「白」と「黒」しかありません。

 しかもですよ、「白」と「黒」しかない画面を使った謎解きゲームの『Shift』とか、「白」と「黒」の陣取り合戦の『INVERSUS』とかとはちがって。このゲームの場合、「白」と「黒」なことを活かしたゲームではありません。ただ、グラフィックが「白黒」なだけなんです。ゲームとしては別に「カラー」でも成立するゲームです。


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<画像はNintendo Switch版『Minit』より引用>

 例えば、こことか特にすごいですよ。
 「地面の粒々」と「砂ぼこり」と「サボテン」、これだけで“ここは砂漠です”と言い張っているという。


 特に「白黒」なことを使ったゲームにはなっていないものの、「白黒」なことを使ったグラフィック表現はセンスにあふれるもので……この絵作りを「面白い!」と思えるか、「手抜きやん」と思ってしまうかで、このゲームへの評価は180度変わってしまうかなと思います。

 私は「面白い!」と思ったからこのゲームを買ったのだけど、流石に全部のゲームがこのグラフィックになられても困るので他のゲームはマネしないでください(笑)。



 難があるのは「BGM」です。
 「BGM」自体はしっかりしたメロディだったり環境音を聞かせるとこだったりで申し分ないのですが、どうも遊び続けていると「BGM」が消えたままになるという不具合があるみたいで……私はクリアまでに3回ほど喰らいました。ソフトを再起動すると直るので、「狙ってそういう仕様にしている」のではないと思うんですけど(Steam版のレビューでも見かけたので、Nintendo Switch版だけの不具合ではないと思います)。

 元々「白と黒しかないグラフィック」な上に、「いつの間にか消えているBGM」で無音のままプレイしていると……ゲーム&ウォッチか!とツッコミたくなりました。今は本当に2018年なのか!?


↓ここから2↓

◇ 「1分で死ぬ」ということは、「どのイベントも1分で終わるくらいテンポが良い」ということ
 このゲームのタイトルの『Minit』とは、「呪われた剣を拾ったことで1分間で死んでしまう主人公」のことを指しています。プロモーションなどでもここを「このゲームの特徴」としてすごく推しているのですが……個人的には、ここは「なんか思ったのとちがうな……」と思いました。


 「1分間で死ぬ」からと言って、『Celeste』みたいにガンガン死んで覚えるゲームというワケではないし、開発者が想定していた「死ぬたびに新しい冒険が楽しめるゲーム」ともちょっとちがう気がします。



↑ このゲームの特徴を捉えた「パラパラ漫画」のPV。


 このゲームの場合、死んでも拠点に戻らされるだけですぐ復活になりますし、難しさも悲壮感も特にないです。慣れてくると「もう時間がないからさっさと死んで拠点からリスタートしよう」と自分から自殺ボタンを押すようになっていきます。

 「1分間で主人公が死ぬゲーム」というより、
 「門限がめっちゃ早いので、昼の間にやれることをしっかり考えて行動するゲーム」というカンジで、全然ゲームのジャンルはちがうんですけど『牧場物語』とか『ルーンファクトリー』とか『Stardew Valley』で効率の良い動きを目指していくのに似ていると思いました。あれの「1日」がめっちゃ短いバージョン。


 ということで、「1分で死んじゃうなんてものすごく難しいゲームなんじゃないの?」ということは全くないのです。
 すべてのイベントや次の拠点までの道が「1分以内に終わる」ようになっているので、とにかくテンポが良いゲームになっています。クリアまでの総プレイ時間は短いのですが、逆に言えばそのくらい「テンポがむちゃくちゃ良いゲーム」なんですよ。

 また、「なんだよー、『Celeste』みたいに死んで覚える激ムズゲームを期待してたのにー」という人のために、クリア後には「ハードモード」が解禁されます。こちらは「一撃でも喰らったら死亡」「行動時間が1分→40秒へと変更」「謎解きの配置が変わってる」ため、ガチで何度も死んで1秒も無駄にしない動きを指に教えこませていかないと間に合いません。私は砂漠で挫折しました。



 「1分で死ぬ主人公」という設定のおかげで、この手のゲームに慣れていない人でも手軽に楽しめるように、コンパクトでテンポの良い構成になっていて。
 それでいて、そんなヌルイのでは満足できないという人のために「40秒で死ぬハードモード」が用意してあって、アクションアドベンチャー上級者にはこちらをやりこんでねとしてあるという。



 ただ、個人的にはもうちょっと「1分で死ぬ」という設定を活かしたイベントとかも欲しかったなーとは思いました。本当にただ「プレイヤーの枷」となる時間制限にしかなっていなくて、例えば逆にこの呪いがかかったからこそ有利に進める展開みたいなのも見たかったなと思いました。
(例えば、敵の罠にかかって地下に閉じ込められる→ 敵のボス「ふっふっふ!オマエは一生そこから出られないぞ!」→ 1分経ったら普通に死んで自宅から復活する主人公→ 敵のボス「あれ!?捕まえたはずなのに、いない!」―――みたいなのとか、色んなネタが出来ると思うんだけど、そういうのはないんですよねぇ)


↓ここから3↓

◇ しかし、中身はしっかりアクションアドベンチャー!探索と成長を楽しもう!
 ゲームのジャンルは、「見下ろし視点のアクションアドベンチャー」です。

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<画像はNintendo Switch版『Minit』より引用>

 主人公は最初は能力が低くて「行ける場所」も狭いのだけど、ゲームを進めてアイテムが手に入ったり成長したりすることで「行ける場所」も広がっていき、ラスボスまでたどり着いて倒せばクリア―――というタイプのゲームです。
 「探索をする」→ 「成長をする」→ 「探索できるエリアが広がる」というこのサイクルは、王道の面白さですね。


 記事タイトルには『ゼルダ』と書いたんですけど、自分が今まで遊んだゲームの中では『フェアルーン』が一番近かったかなと思いました。
 「アクションゲームの腕前」よりも「パズルゲームの発想力」よりも、「アドベンチャーゲームのフラグ立て」が重要なゲームということで。あと、「アクションゲームが苦手な人にもオススメできるかなぁ」と思ってプレイしていると、終盤「あかんわ。アクションゲームが苦手な人にはちっともオススメできねえ」というガチアクションゲームになるところとかも(笑)。



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<画像はNintendo Switch版『Minit』より引用>

 インディーのアクションアドベンチャーゲームをそこそこ遊んでいる身からすると、このゲームの“アクションアドベンチャーとしての特徴”を挙げるなら「一本道感が薄い」ことです。
 クリアには必要ないコレクションアイテムややりこみ要素があるだけでなく、クリアに必要な要素も「どこどこに行け」と言われることなく自分でフィールドを探索して見つけなくてはなりません。苦労してたどり着いたけど、クリアには特に必要のない場所も結構あります。

 そのため、海外のガチ勢の間では「クリアに関係のないことは一切しないタイムアタック」が流行っているらしく、最速クリアは7分を切っているとか……(2周目ハードモードなら4分を切っている人もいる)。同じゲームを遊んでいるとは思えない。



 逆に、「一本道ではない」ことで、終盤は「どこに行けばイイのか分からなくなる」ところがあるかも知れませんね。私はそれで1時間くらいさまよっていました。ゲーム内にヒントがないワケではないので難易度としては絶妙だったと思いますが「どこに行けばイイのか分からなくなる」ことを楽しめない人にはちょっとキツイかも知れませんね。アクションアドベンチャーってそういうゲームですけど。



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch版『Minit』より引用>

 「思ったより普通のアクションアドベンチャーだな……」という感想で、手軽なお値段で楽しめるアクションアドベンチャーを求めている人にオススメと言いたいところなんですけど。インディーゲームだとこのジャンルは激戦区なんですよねぇ。

 私の推しで言うと、戦闘のない『PAN-PAN~ちっちゃな大冒険~』とか、可愛らしいキャラクターで社会を風刺している『Yono (ヨノ)』とか、Nintendo Switchでは出ていないけどダンジョンのパズル攻略部分がむちゃくちゃ楽しい『イトルデューの伝説 失われた島と謎の城』とか……

 そういった“他のインディー系アクションアドベンチャー”と比べた際のこの作品の魅力を考えたなら、やはり「白黒のグラフィック」に魅力を感じる人にはオススメですし、タイムアタックやハードモードやアイテムコンプなどのやりこみ要素にハマれる人にはオススメかなと思います。


 あと、私はタコの脚がまだ1つ見つかっていないので、誰か最後の1本の場所を教えてください!Miiverseカムバック!

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『バイオハザード』紹介/あの時代が生んだサバイバルホラーの完成形!

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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
「固定カメラ」に「ラジコン操作」に「銃攻撃」が、三位一体となって恐怖を作る!
遊びやすさを追求したRPGが失った、「限られたリソースのやりくり」の緊張感
「探索」と「謎解き」の要素がギュギュっと詰め込まれた密度の濃い洋館



『バイオハザード』
 プレイステーション用/サバイバルホラー、アクションアドベンチャー
 カプコン
 1996年3月22日発売
 セーブスロット数:5

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 私の1周クリア時間は約12時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください


↓ここから1↓
◇ 「固定カメラ」に「ラジコン操作」に「銃攻撃」が、三位一体となって恐怖を作る!
 このゲームは1996年にカプコンからプレイステーション用ソフトとして発売された「サバイバルホラー」ゲームです。
 「プレイステーション用の実験作」のつもりで、どちらかというとマニア向けに作られたらしいのですが、口コミで広がって大ヒットしました。この1作目が様々な機種に移植されただけでなく、現在でも続編が作り続けられていて、世界中で大人気のシリーズとなっています。

 私がプレイしたのは1997年に発売された『ディレクターズカット』で、こちらにはアクションゲームが苦手な人のための「ビギナーモード」とアクションゲームが得意な人のための「アレンジモード」が追加されているのですが、私は「オリジナルモード」をプレイしたので初代とほぼ変わらないんじゃないかなと思います。

 また、2002年にはゲームキューブ用ソフトとしてリメイク版が作られ、このリメイク版をHDリマスターしたものがPS4、Xbox One、PCといった現行機で配信されているので現在ではこちらが遊びやすいかも知れませんね。
 このリメイク版は部屋が増えていたり、敵が増えていたり、仕掛けがオリジナル版とちがっていたりするのですが、ゲームの骨格部分は受け継がれていて強化されているそうです。


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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 さて、このゲームの特徴は、監視カメラで見ているかのような「固定カメラ」式のアングルです。プレイヤーがカメラを操作できるのでもなければ、カメラがプレイヤーを追いかけてくれるワケでもありません。主人公の位置によって、使われるカメラが切り替わっていくというスタイルなんですね。


 2018年にこれを読んでいる若い人なんかだと「どうしてそんな仕様にしたんだ?」と思われるかも知れませんが、1996年というプレイステーション初期の時代では仕方のないことだったのだと思います。

 『バイオハザード』より1年前の1995年の『Dの食卓』は「一人称視点で館を探索して歩き回る3Dアドベンチャー」でしたが、静止画とムービーを組み合わせることであたかも館を歩き回っているように見せかけていただけなので。歩くのはむっちゃ遅いし、敵との戦闘もQTEにしか出来ませんでした。
 『バイオハザード』より1年後の1997年に発売された『ファイナルファンタジーVII』や、その続編となる『VIII』『IX』も、街やダンジョンの中は『バイオハザード』同様に「フィールドは静止画のレンダリングCG」で「キャラクターは3Dポリゴン」という組み合わせでした。
 更に時代を進んだ2000年の『ぼくのなつやすみ』でも、『バイオハザード』とほぼ同じような「固定カメラ」「ラジコン操作」だったので、初代プレイステーションのソフトでは「動かせないカメラ」というのは別に珍しいことではなかったのです(その分、グラフィックを描き込めますしね)。

 『バイオハザード』より3か月後の1996年6月に発売の『スーパーマリオ64』が、3D空間をカメラも動かしながら(ジュゲムがカメラを撮りながらマリオを追いかけているという設定の)自由自在に動き回れるゲームで、これが後の3Dアクションのスタンダードになっていくのですが……それが可能だったのは3Dに特化したNINTENDO64という新しいゲーム機の力ですし、逆に言うとそれ以前には「カメラを自在に操って3D空間を動き回れる3Dアクションゲーム」というのは難しかったんですね(プレステでも『トゥーム・レイダース』のようなゲームが後々出るので、完全に不可能だったワケではないのですが)



 しかし、じゃあ『バイオハザード』の「固定カメラ」が『スーパーマリオ64』の「ジュゲムカメラ」より劣っているかというと、そうではありません。『バイオハザード』は「固定カメラ」なことを最大限に活かしたゲームになっていたのです。

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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 例えば、こういう何気ない場面……
 ただ道を歩いているだけなのですが。


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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 (固定カメラでは見えない)曲がり角の向こうにゾンビが潜んでいる!みたいなことが頻繁に起こります。

 もちろんこれはゲームを作る側が、「カメラアングル」と「ゾンビの位置」をちゃんと計算してプレイヤーからギリギリ見えないようにしてあるのです。
 もしこれがプレイヤーが自在にカメラを動かせる最近の3Dアクションゲームのようなアングルだったり、逆にスーパーファミコン時代の見下ろし型2Dアクションゲームのアングルだったりしたら、曲がり角の向こうにゾンビがいることが分かってしまうから驚きはしないですよね。

 『バイオハザード』は、当時の技術では標準的だった「固定カメラ」式のアングルを見事に活かしたゲームだったんです。それ故にプレイステーションの時代を象徴するゲームになったのかなぁと思います。



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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』説明書より引用>

 そして、『バイオハザード』と言えば……で有名な「ラジコン操作」も、この「固定カメラ」式のアングルと密接な関係にあります。このゲームは、方向キーの上を押すとキャラクターが前に進み、左右で向きを変えて、下を押すと後退します。


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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 例えば、この場面だと……
 主人公(ジル)は手前を向いているので、上ボタンを押すと手前に進み、下ボタンを押すと奥に進みます。非常にややこしくて、とっさにワケが分からなくなります。実際、最後まで私はこの操作に慣れず、ラスボスから距離を取ろうとしたのに間違えて敵に突進してボコボコにされたりもしていました(笑)。


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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 どうしてそんな操作にしているのかというと……
 例えば、上の2枚の画像は「同じ部屋」なんですけど……部屋の真ん中から向こうでは手前に進み、真ん中からこちらでは奥に進みます。唐突にカメラの「手前/奥」が逆転するんです。
 こういう状況で、他のゲームのように「上ボタンを押すと上に進む」「下ボタンを押すと下に進む」操作方法だと、カメラが切り替わったら逆のボタンを押さなくちゃならなくなるんですね。ゆったりとした場面なら構いませんが、敵から急いで逃げようとする場面でそうなってしまったら大混乱です。

 「画面に関係なく、キャラクターが向いている方向に前進する」というラジコン操作は、細かくカメラアングルが切り替わる(プレイヤーの意志では操作できない)「固定カメラ」式のアングルを活かすための操作方式なんですね。

 また、そういった機敏な動きができないラジコン操作だからこそゾンビを怖く感じるという副作用もあります。もしこのゲームのキャラを『ブレス オブ ザ ワイルド』のリンクとか、『Splatoon』のイカちゃんみたいに、直感的に気持ちよく動かせちゃったなら、ゾンビなんか全然怖くなかったでしょうしね。


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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 そして、このゲームがどうして「敵を銃で攻撃するゲーム」なのかというのも、「固定カメラ」式のアングルとラジコン操作に直結する話です。

 一応このゲームにも近接武器として「コンバットナイフ」があるんですが、間合いがつかみづらい「固定カメラ」式のアングルで、機敏に動けないラジコン操作では、近接武器のヒット&アウェイはほぼ不可能なんですね(世の中にはナイフのみでクリアする変人もいるみたいですが……)。
 そのため、遠距離から攻撃できて、こちらは動かなくてイイ「銃による攻撃」がメインとなるのです。「銃による攻撃」はオート照準なので軸合わせもしなくてイイですし、現在のFPSやTPSみたいなエイムも必要ありません(しかし、海外版は難易度を上げるために、このオート照準がなくて自分で向きを合わせなくちゃならないんですって。これが銃国家ってやつか……)。

 卵が先か、鶏が先かは分かりませんが……「敵がゾンビ」というのも、ゲームデザイン的に「銃で攻撃する相手」として相応しいと思えますね。なかなか死なない頑丈なヤツで、つかまれると怖いので近寄りたくないのだけど、動きはノロノロしていて飛び道具を持たないから遠距離から銃で撃てば倒すことはさほど難しくない相手――――


 「固定カメラ」、「ラジコン操作」、「銃による攻撃」。
 この3つの要素がガッツリ噛み合わさっているからこそ、『バイオハザード』は「サバイバルホラー」として完成されているのです!


 ……と、言いたいのですが。
 これらの要素は、実は『バイオハザード』がオリジナルではなくて、1992年にフランスのインフォグラムという会社が発売したPCゲーム『アローン・イン・ザ・ダーク』を参考にしたと言われています。私は『アローン・イン・ザ・ダーク』はプレイしたことがないんですけど、ネットで検索して動画を見たところ「固定カメラ」「ラジコン操作」はそのまんまですし、「銃による攻撃」も一応ありました(『アローン・イン・ザ・ダーク』はアイテムがなくなっても肉弾戦ができますが)。

 そのため「バイオハザードなんてアローン・イン・ザ・ダークのパクリじゃん」みたいに言う人もいるのですが、ゲームに限らず作品というのは「先行作品の土壌」があってこそ生まれるものなので、「その作品独自の魅力」があればそれでイイじゃんと私は思います。

 ということで、「固定カメラ」や「ラジコン操作」だけではない、『バイオハザード』独自の魅力を次の項目では語っていきましょう。


↓ここから2↓
◇ 遊びやすさを追求したRPGが失った、「限られたリソースのやりくり」の緊張感
 私は今回この『バイオハザード』を生配信の実況プレイで初めてプレイしたんですけど、始める前はちょっと不安がありました。ホラーゲームの実況を観に来るような人は、私が怖がる様を期待していると思うのですが、ホラーゲームだからと言って私は特別に怖がれないんじゃないかと思っていたんですね。


 だって私、「敵が出るゲーム」は全部怖いんですもの。
 みなさんよく考えてくださいよ。日常生活で、次から次へと「自分を殺そうとする敵」が現れたりしますか?少なくとも私は「自分を殺そうとする人」なんてブログのコメント欄以外では遭遇したことがありません。しかし、次から次へと「自分を殺そうとする敵」が現れるのがゲームなのです。

 だから私、ホラーゲームを実況しても、今までに実況してきた『マリオ』や『ゼルダ』や『ロマサガ』と大して変わらない配信になるんじゃないかと不安でした。私にとってはゾンビよりジュゲムの方が「空中からマリオめがけてトゲのついた球をぶん投げてくる、しかも笑顔で」という理由で怖いですもの。


 しかし、です。
 実際に『バイオハザード』をプレイしてみて、その認識が完全に間違っていたことが分かりました。『バイオハザード』ってゾンビが怖いゲームではないんですよ。ゾンビ自体は先ほどの項目で書いたように、遠距離から銃で撃てば簡単に殺せるので怖くありません。怖いのは、その銃の弾が尽きることなんです。

 先ほども書いたように、『バイオハザード』は「固定カメラ」の「ラジコン操作」なので敵との間合いが非常につかみづらいです。唯一無制限に使えるコンバットナイフで戦いぬくのは難しいのです。
 だから、攻撃は基本的に「銃」に頼るのですが……「銃」というのはもちろん「弾」を必要としていて、「弾」は現地にあるものを拾って使うしかないから有限です。それを使い切ってしまったらゾンビへの攻撃手段が(間合いがつかめないコンバットナイフ以外)なくなってしまうのです。

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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>


 また、このゲームには「宿屋のような回復ポイント」もありません。
 敵から攻撃を受けたダメージは、これまた現地に落ちているハーブなどのアイテムで回復するしかありません。もちろんこちらも数に限りがあります。

 更に、セーブをするにも「インクリボン」というアイテムを消費して、こちらも現地で手に入る数が限られているので、頻繁にセーブして「ゲームオーバーになったらすぐ手前から」というワケにもいきません。セーブアイテムを使うのをケチっていたらウッカリ死んでしまって随分前からやり直しというのを何度喰らったことか……

 更に更に、そうしたアイテムを持ち運べる数にも厳しい制限があります。自キャラにクリスを選んだ場合は6つ、ジルを選んだ場合は8つしかアイテムを持ち運べません。アイテムボックスにはハーブをたくさん入れてあるのに、手持ちの回復アイテムを使い切ってしまって死んでしまったということも頻繁に起こります。


 このゲームで「ゾンビ出ないでくれー」と願うのは、ゾンビが怖いというより、ゾンビに遭遇してしまうと「攻撃アイテム」や「回復アイテム」を使わなくちゃいけないのがイヤだからで―――そうしたアイテムを消費していくことで、最終的にアイテムが足りなくなってしまうんじゃないかという不安が常につきまとってくるからなんですね。

 これはファミコン時代くらいのRPGが、「持てるアイテムの数が限られている」「MP回復アイテムなどめったに手に入らない」「洞窟の中にセーブポイントなどない」ために、ダンジョン探索の緊張感が半端なくて雑魚敵との1回の戦闘が重かったことを思い出させられます。まぁ、RPGとちがうのは、『バイオハザード』にはピンチになっても帰って全回復してくれる場所がないということなんですけど……
 しかし、そういったRPGもスーファミ時代になると「アイテム持ち放題」「MP回復アイテムもバンバン手に入る」「洞窟の中にもセーブポイントが出来て、中ボス前には必ず設置してくれる」「何ならそこで全回復までできる」と……緊張感よりも、安心して気楽に遊べる作品がスタンダードになっていきます。

(関連記事:「ダンジョンの奥に中ボスがいない」ことによる面白さ

 『ファイナルファンタジー』シリーズで「デブチョコボ」が廃止された(=アイテムが持ち放題になった)のは1992年の『V』からで、『ドラゴンクエスト』シリーズで「ふくろ」が採用された(=アイテムが持ち放題になった)のは1995年の『VI』からで―――この時期にはもう、RPGのスタンダードは「回復アイテムやMPが足りるのか」というヒリヒリするような緊張感でダンジョンを探索するゲームではなくなっていたと思うんですが。

 1996年に出てきた『バイオハザード』が、「銃弾や回復アイテムが足りるのか」というヒリヒリするような緊張感で洋館を探索するゲームで、それが大ヒットしたというのもRPGが失ってしまったものを『バイオハザード』が持っていたというのが大きいのかなと思うんです。


 この“『バイオハザード』の源流はファミコン時代のRPG”説を裏付けるものとして、実は『アローン・イン・ザ・ダーク』よりも更に昔の1989年にカプコン自身が出したファミコンの『スウィートホーム』というRPGがあります。
 こちらは伊丹十三さんが総指揮をとって、黒沢清さんが監督した日本のホラー映画を原作としたゲームなのですが……RPGなのに「宿屋」がなく、回復は限られた数のアイテムでやりくりしなくてはならず、敵が落としてくれたりもしません。アイテムを持てる数も厳しいので、「誰に何を持たせるのか」と「持てないアイテムはそこに置く」といったことを考えなくちゃなりません。

 文章で説明すると、まんま『バイオハザード』ですよね(笑)。
 キャラクターを切り替えて進むのは『バイオハザード0』っぽい。

 この他、仲間のキャラが死亡するとか、生存人数でエンディングが分岐するとか、部屋を切り替える際のドアが開くアニメーションが怖いとか、効果音で恐怖を煽るところとか、『バイオハザード』に影響を与えたと思われる部分が数多くあります。もちろん同じカプコンのゲームです。



 そう考えると、ファミコン時代のRPG『スウィートホーム』を骨格にして、初代プレステでできる表現方法として『アローン・イン・ザ・ダーク』の「固定カメラ」と「ラジコン操作」で肉付けして出来上がったのが『バイオハザード』と言えると思いますし――――「バイオハザードなんてアローン・イン・ザ・ダークのパクリじゃん」なんて言い草は、ゲームの骨格部分を理解できず、表面に見える肉の部分でしか物事を見られない偏った視点でしかないと言わざるを得ません!

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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>



↓ここから3↓
◇ 「探索」と「謎解き」の要素がギュギュっと詰め込まれた密度の濃い洋館
 そう言えば、少し前に『とある魔術の禁書目録』の鎌池和馬さんが電ファミニコゲーマーのインタビューにて「プレステ世代の世界の捉え方」について語られている記事がありました。

 「とある魔術の禁書目録」は”格ゲー”世代? 鎌池和馬が語るゲーム史がラノベ作家に与えた影響【ゲーム世代の作家たち】(引用部分は2ページ目)

<ここから引用>
鎌池氏:
 ただ、少し話を戻すと、世代によってゲームの影響のあり方は変わると思うんです。例えば、私より前の作品で影響が大きいのは、たぶんTRPG、もしくは『ドラゴンクエスト』辺りのRPGなんですよ。それこそ私達が出てくる前、ファンタジーが主流だった富士見ファンタジア文庫の初期とかは、その影響が強いのかもしれないな、と。

-中略-
 
 彼らの特徴は、世界全体を作ったり、その世界全体に飛び込んでいくイメージがあるんです。ところが、私たち「プレステ」世代は、なんて言うのかな……もっと想像力が「箱庭」的なんですよ。

 だって、プレステのゲームがそもそもそうだったでしょう。ホラーゲームで霧に包まれた館一個が舞台とか、せいぜい街一個が舞台で、でもそこにはしっかりとルールがある……みたいな。どうも私達の世代は、イメージできる世界の限界が国や大陸よりも、街や学校、あるいは館のような場所に縮小しているように思いますね。

-中略-

 そのイメージの変遷は、ハードの発展が大きいと思うんです。最初の頃はハードのスペックが弱くて解像度が低かったから、逆に大胆に『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』のようにドットで世界全体を表現できていた。でも、やがてハードのスペックが上がっていくにつれて解像度も上がり、ディテールが求められるようになり、ディスクの容量が足りなくなると、想像力が街一個分だとかに縮小化されていったんだと思います。

</ここまで>
※ 省略や強調など、一部引用者が手を加えています

 ファミコン・スーファミ時代に生まれた『マリオ』や『FF』や『ゼルダ』や『ドラクエ』は、3Dになったとしても世界中を冒険するゲームのままでしたが。『Dの食卓』は「一つの古城」が舞台ですし、『バイオハザード』は「一つの洋館」が舞台ですし、『メタルギアソリッド』は「一つの基地」が舞台ですし、舞台が縮小化された時代なのかなと思うのです(『メタルギア』は元々MSXのゲームですけど)。

 だからといってゲームとしてのボリュームが少なくなったワケでもなく、私の『バイオハザード』の1周プレイ時間はファミコンやスーファミの『ゼルダの伝説』を最初から最後までプレイしたのとほぼ同じくらいの時間がかかりました。舞台は縮小化されたけど、遊びの密度はギュギュっと凝縮されているというかね。


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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 洋館と言っても、単なる民家とは思えないくらいにたくさんの部屋がある上に、鍵がないと開かない扉や仕掛けを解かないと開かない扉がたくさんあるので、すべてを探索するのは結構な時間がかかるのです。
 今となっては「そんなゲームは山ほどあるやん」って話になっちゃうかも知れませんが、当時は3Dのアドベンチャーゲームというジャンルがまだまだ物珍しかった時代なので、「こっちの部屋でこのアイテムを取って、それをここまで持ってきて使うと鍵が入手出来て――――」みたいに謎解きしていくゲームを『バイオハザード』で初めて遊んだって人も多かったのかも知れませんね。


 また、ゲームのクリアのためには「洋館の一つ一つの部屋を探索しなくてはならない」のですが、この「探索しなくてはならない」のと「そこにゾンビがいるかも知れない」というホラーゲームの要素の相性が憎らしいくらいにピッタシなのです。
 例えば、スーファミ時代のホラーゲームと言えば『弟切草』のようなノベルゲームが多かったですが、ノベルゲームの場合プレイヤーが出来ることはページをめくることとたまに選択肢を選ぶことくらいで、能動的に何かをしなくてはならないワケではありませんでした。しかし、『バイオハザード』は!自分の手で操作して、わざわざゾンビがいそうな部屋を!探索しに行かなくてはならないのです!



 こうした緊張感とか不安を100%堪能するためには、「この先に何があるのか」が分からないファーストプレイの体験こそが至宝なので、初見で攻略本とか攻略サイトとかを見ちゃうと全然面白くないゲームになってもおかしくないと思うんですが……
 「初見でなければ怖くない」というのを逆手にとって、クリア時間を計測していて、何時間以内にクリアできれば御褒美がもらえる―――と、2周目以降や攻略本などを読んじゃう人にはタイムアタックゲームになるというのもすごいですね。

 この辺は2Dと3Dで全然ちがうゲームですけど、「探索」を楽しむゲームという点では一緒の『メトロイド』に似ています。一度しか楽しめないはずの「探索ゲーム」に、「タイムアタック」の要素を加えると何周も何周も遊んでもらえるようになる―――という。

 また、舞台は同じですけど主人公は2人の内のどちらを選ぶかで若干ストーリーが変わりますし、どういうルートを進むかでもストーリーが分岐するなど、何周も遊びたくなる要素を入れているのもすごいところです。
 こう見ると、「開発中は社内ではあまり期待されていなかった実験作」とは思えないくらい1作目からすごい完成度のゲームのように思えてきますね。



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はプレイステーション版『バイオ・ハザード ディレクターズカット』より引用>

 あの時代のゲーム機のスペックだからこそ、その制約を見事に活かし。
 あの時代に忘れられかけていた古きゲームの緊張感を蘇らせ。
 あの時代を象徴する「縮小化された世界の凝縮した面白さ」を持った作品で―――

 色んな意味で、初代プレイステーションを代表するゲームですよね。
 そう考えると「現在ではあまりないタイプのゲーム」だとも思いますし、当時を知らない人が遊ぶと逆に新鮮な驚きがあるかも知れませんね。

 「ゲームには緊張感が欠かせない」という人には是非オススメです!
 アクション要素がないワケではないので「アクションゲームがまったくダメです」という人にはオススメしませんが、重要なのはリソース管理なので、求められるのは「アクションの腕前」というよりかは「判断力」とか「計画性」とかかなと思います。


 まぁ……私はもう疲れちゃったんで、1作やればイイかなってカンジですけど(笑)。
 生配信中に「『1』をクリアしたら、次は『2』『3』とシリーズをやっていくんですか?」って聞かれましたが、『1』を1周やっただけでお腹いっぱいです!
 もうゾンビに襲われるゲームはイヤだ!かわいい猫と戯れるだけのゲームを遊びたい!―――という風潮から、2000年代前後に「敵と戦わないゲーム」の大ブームが来るのかなと思うのですが、それはまた今度。


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『Dの食卓』紹介/“不自由”を遊びにした唯一無二のゲームデザイン!

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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
「映画のようなゲーム」というより「映画の主人公になれるゲーム」
普段ゲームを遊ばない人のために、アクション要素もゲームオーバーも(ほぼ)ない
遊べば遊ぶほど前回の経験が活きる死に戻りゲー

『Dの食卓』
 3DO用・セガサターン用・プレイステーション用/3Dアドベンチャーゲーム
 三栄書房(3DO版)・アクレイム(SS版・PS版)/開発:ワープ
 1995年4月1日発売(3DO版)、7月28日発売(SS版)、12月1日発売(PS版)
 セーブ不可能

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 現実時間で2時間が経過すると強制終了で最初からやり直し
 私のクリア時間は約 4時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:◎(父親が大量殺人事件を起こしたというスタートですから)
・恥をかく&嘲笑シーン:×
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:◎(死体がそこら中に転がってるし……)
・人が食われるグロ描写:○(もいだ人間の肉を……というシーンもある)
・グロ表現としての虫:△(虫を見つけると発生するイベントがある)
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓ここから1↓

◇ 「映画のようなゲーム」というより「映画の主人公になれるゲーム」
 このゲームは1995年に3DO、セガサターン、プレイステーションで発売されたアドベンチャーゲームです。全機種&全世界累計で100万本を売り上げ、「マルチメディアグランプリ'95 通産大臣賞」を受賞、ディレクターである飯野賢治さんは“時代の寵児”としてテレビやラジオにも出たりしたので「ゲームは遊んだことないけど名前だけは知っている」という人も多いんじゃないかと思います。

 若い人にはこの時期のゲーム業界がどんなだったか分からないと思うので簡単に説明しますと、1994年3月に3DO REAL、1994年11月にセガサターン、1994年12月にプレイステーションの本体が発売された―――第5世代と呼ばれる「次世代ゲーム機戦争」の幕が上がった時期なんです。

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 要は、「次世代機が出てきて1年の間に発売された“次世代機であることを活かしたゲーム”」だったということなんですね。

 また、この第5世代の据置ゲーム機というのは「次世代ゲーム機戦争」の中でも特殊な世代でした。第4世代と呼ばれるスーパーファミコン・メガドライブ・PCエンジンなどの時代はドット絵による2Dゲームの成熟期でしたが、その時期にもアーケードでは3Dを活かしたレースゲーム『リッジレーサー』や3Dを活かした格闘ゲーム『バーチャファイター』、スーパーファミコンでありながら特殊チップを積んで3D空間で戦うシューティングゲーム『スターフォックス』が出てきました。これが1993年です。
 2Dのドット絵のゲームが成熟期にあたる一方で、3Dのポリゴンによるゲームのヒット作が出始めて「これからのゲームは3Dが主流になっていくのかも知れない」「ホントに?マリオとかドラクエとかFFも3Dになっちゃうの?」と言われていた時期なんですね。

 そうしたタイミングで出てきた第5世代の据置ゲーム機は、3Dグラフィックス機能を本格的に取り入れたものが多く……1993年のアーケードゲームのヒット作『リッジレーサー』『バーチャファイター』も、その移植作が1994年に発売されたプレイステーション・セガサターンのそれぞれ同時発売ソフトになっていました。
 この第5世代の「次世代ゲーム機戦争」は、3Dのゲームがキラータイトルになっていたんですね。

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 『Dの食卓』はそういった時代に現れ、そんな3Dを活かして「3D空間を探索して城内を歩き回る」「3Dポリゴンで描かれたキャラクターが様々な感情を表情で表現する」というゲームでした。
 つまり、『Dの食卓』というゲームは、3DO・サターン・プレステといった次世代機初期に出てきた「次世代機の機能を活かしたゲーム」というだけに収まらず、ゲームが2Dから3Dへと切り替わる過渡期に出てきた「3Dを活かしたゲーム」だったんですね。



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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 ゲームジャンルとして一番近いのは今で言う「脱出ゲーム」です。
 扉が閉ざされているのでそのままでは先には進めないのだけど、部屋を調べてアイテムを見つけたり、仕掛けを解いたりすると、その扉を開ける方法が分かる―――といったカンジに、次の部屋・次の部屋へと進んでいってゴールを目指すのが目的です。


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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 しかし、「脱出ゲーム」として考えると独特なのが、左を向いたり、右を向いたり、前に進んだりといった一つ一つの行動が主人公目線で動くためあたかも3D空間を探索しているかのように遊べるところです。
 一般的な脱出ゲームは、例えば↓の『慟哭 そして…』のように一枚の背景画の中から「調べる場所」や「アイテムを使う場所」をクリックするものが多いと思うのですが……『Dの食卓』はキャラクター(カメラ)を移動させて「調べる場所」や「アイテムを使う場所」のところまで動かしていくんですね。

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<画像はセガサターン版『慟哭 そして…』より引用>


 だから、ハッキリ言って面倒くさいです(笑)。
 後に出てくる3Dゼルダなどのバリバリの3Dアクションアドベンチャーみたいにリアルタイムに3D空間を生成してその中を自在に歩き回れるワケではなく、「脱出ゲーム」の“背景画”と移動シーンの“ムービー”をつなぎ合わせることであたかも3D空間を探索しているかのように思わせているらしいんですね。だから、移動はイチイチ遅いし、移動シーンにムービーを使っているからか容量食いまくりでディスク3枚組なんかに分割されているという。

 今の感覚で言えば、ものすごく「非効率」ですし「不自由」です。
 単純に「面白い脱出ゲーム」を作るだけなら、1枚の背景画をクリックさせる方が遊びやすいと思います。



 しかし、このゲームはその「非効率」や「不自由」こそを楽しむゲームなんです。
 何故なら、このゲームは「映画の主人公になるという疑似体験」を楽しむゲームなのですから。

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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 このゲームの画面は、基本的に「一人称視点」=「主人公とプレイヤーの目線が同じ」です。方向キーの上を押すと前に進み、方向キーの左を押すと左に旋回、右を押すと右に旋回します。


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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 そして、特定の場所などに進むとカメラが「一人称視点」から離れ、主人公のローラを客観的に映すムービーが流れます。つまりこのゲーム……「映画の主人公=ローラ」を操作して目的を達成することによって、「映画のストーリー」を進めていくゲームなんですね。


 「そんなのどのゲームもそうじゃないの?」と思った人もいらっしゃるかと思います。「一人称視点」かどうかとか「ムービーが流れる」かどうかは置いといて、ストーリーのあるゲームは基本的に「キャラを操作して目的を達成する」→「ストーリーが進む」→「キャラを操作して目的を達成する」→「ストーリーが進む」→の繰り返しですからね。
 しかし、『Dの食卓』が独特なのは、この映画の上映時間が「2時間」と決まっていて、ゲーム開始から現実時間で「2時間」が経過すると問答無料にゲームが終了して最初に戻されるというところです。

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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 ゲームスタート時から持っているアイテム「懐中時計」です。
 「3時」から「5時」までがこのゲームの制限時間で、もし「5時」までにクリア出来なかった場合は……


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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 謎空間に真っ逆さまに落ちて、最初からやり直さなくてはなりません。
 この2時間という時間制限は、ポーズも出来ませんし途中セーブも出来ません。

 だってほら、映画館に行って、映画の途中で「今日はここまで観たから明日はこの続きから観ます」なんて言っても許されないでしょ。2時間という設定は一般的な映画の上映時間だと考えられますし、「一人称視点」「ポーズ出来ない」「途中セーブ出来ない」という仕様も「映画の主人公になるゲーム」だと考えると腑に落ちる仕様です。

 つまり、このゲームは「映画の主人公」になりきって「2時間という上映時間」の間に「映画のエンディング」を目指すというゲームなんですね。その“リアルな映画っぽさ”を表現するために、最先端の3D技術を駆使しして「3D空間」だったり「3Dで表現された表情のあるキャラクター」だったりが使われているのです。

 だから、「移動がイチイチ遅い!」とか「途中セーブが出来ないだなんてクソゲーだ!」といった批判をする人は、このゲームの楽しみ方が分かっていないと思うんですね。カレーを食べて「辛い!」と怒るようなものです。そうした不自由さを「本当に映画の主人公を操作しているようだ」と思える人が、このゲームを楽しめる人達なのです。


 あと、これはあの当時ではイマイチ分かっていなかったことなんですけど……
 当時の飯野賢治さんは25歳、高校中退で仲間達と下請け会社を作って様々な仕事をして、というエリート街道とは程遠い経歴の若者だったんですね。そんな若者集団が、ナムコだとかセガだとか任天堂だとかの大企業の後ろ盾もなく、最新技術を駆使した斬新なゲームを作って大ヒットを飛ばしたという。
 飯野さんはそうした活動を後に「バンドのようだった」と仰ったらしいんですけど、今で言うインディーゲームのノリでの成功と考えるなら、早すぎた『マインクラフト』みたいな位置づけだったのかも知れません。も、もちろん『Dの食卓』と『マインクラフト』ではジャンルも売上も全然ちがうんですけど。



 ただ、『Dの食卓』が斬新だった時代はあっという間に過ぎ去ります。
 「3Dを活かしたゲーム」も「3Dのアドベンチャーゲーム」も世にあふれていき、1996年3月には同じように「館の中を探索するホラー要素の強いアドベンチャーゲーム」でありながら「ゾンビと戦うアクションゲーム」の側面も持つ『バイオハザード』が、1996年6月には「リアルタイムに3D空間を生成してその中を自在に走り回れるアクションゲーム」である『スーパーマリオ64』とNINTENDO64が、1997年1月にはRPGとムービーを融合させてドラマチックなストーリーを描いた『ファイナルファンタジーVII』が発売されました。

 「3Dを活かしたゲーム」でありながら、「ちゃんとゲームとして面白く」、「長く遊べるゲーム」が次々と発売され―――たった1~2年で『Dの食卓』は、「3D黎明期の古臭いゲーム」になってしまったのです。
 なので、名前はムチャクチャ有名なのに実際に遊んだことがないという人が多いのだと思います。私もそうでした。セガサターンやプレイステーションを買ったのは本体発売から数年後だったため、もうその時期には『Dの食卓』は「古臭いゲーム」だったんですね。

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 しかし、バレンタインのプレゼントでもらったことで、私はこの2018年に初めて『Dの食卓』を遊んだのですがビックリしました。今やもう、もちろん「3Dを活かしたゲーム」なんて珍しくありません。3Dの空間を探索するゲームも、3Dのキャラクターが映画のように表情を変えるゲームも、これまでに数えきれないほど遊んできました。そういう側面だけ見れば『Dの食卓』は23年前のクオリティでしかないゲームなんですけど……
 でも、こんなゲーム、今まで遊んだことないぞ!という新鮮な気持ちですごく楽しみました。「3Dを活かしたゲーム」というだけでない、このゲームにしかない魅力を持ったゲームになっていたのです。そこを今日は語りたくて、わざわざ2018年に『Dの食卓』について語ろうと思ったのです。

↓ここから2↓

◇ 普段ゲームを遊ばない人のために、アクション要素もゲームオーバーも(ほぼ)ない
 先ほども書いたように、このゲームが一番近いジャンルは「脱出ゲーム」だと思います。館を探索して、アイテムを探して、その使い方を考えて、そこから脱出する―――という部分だけに注目すれば『バイオハザード』とか『ゼルダの伝説』などのアクションアドベンチャーに近いと思われるかも知れませんが、『Dの食卓』には敵との戦闘は(ほぼ)ありません。

 アクション要素も(ほぼ)ありません。
 “2時間”という制限時間内ならば、ゲームオーバーにも(ほぼ)なりません。
 謎解きの難易度も、正直それほど高くありません。
 「どこに行けばイイのか分からない」という時には救済アイテムがあります。


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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 突然、トゲの壁が動き出してこちらに迫ってくる!!


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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 危ないっ!ローラアアアアアア!!


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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 すんでのところで止まるトゲ。
 ふぅ~、助かったぜー。


 と、こんなカンジに「普通のアドベンチャーゲームなら主人公が死にそうな場面」であっても、ゲームオーバーには(ほぼ)なりません。アクション要素がないだけならアドベンチャーゲームとしては「元々はそういうジャンルだろう」という話なんですが、ゲームオーバーが(ほぼ)ないというのは変わっているんじゃないかと思います。『シャドウゲイト』なら何回死んでいたことでしょう。

 まぁ、「セーブすることが出来ない」「2時間ぶっ続けで遊ぶゲーム」で、そんなに頻繁にゲームオーバーになられても「また最初からやり直しかよ!」となってしまいますからね(笑)。意外とその辺はよく考えられています。
 あと、もう一つ。このゲームは多分、「普段からゲームばっかりやっているバリバリのゲーマー」というより「普段はゲームを遊ばないけど斬新なものには興味を示す人」に向けた作品だったと思うんですね。

 そういう人が、週末に2時間「映画を観る」みたいな感覚で遊べるゲーム―――そう考えて、ゲームに慣れていない人が敬遠しそうなアクション要素とかゲームオーバーとかは入れなかったのかなと思います。
 謎解きの難易度も、この手のジャンルに慣れた人からすれば低い方でしょうし。回数制限付きですが、救済アイテムもあります。

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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 主人公が最初から持っているアイテム「コンパクト」を使うと――――


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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 次に行くべき場所が表示されます。
 「そこで何をすればイイのか」は教えてくれませんし、使えるのは3回までで3回使用するとコンパクトは粉々に砕けてしまいます。その制限も「そればっかりに頼るワケにはいかない」ようになっていて丁度イイと思います。



 しかし、アクション要素も(ほぼ)ない&謎解きの難易度もさほど高くないとなると、「ゲームとしては単調なんじゃないのか?」と思われるかも知れません。そうならないために、色んな仕掛けだったりギミックだったりが次から次へとやってくるのがこの作品の魅力と言えるのですが……


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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 その一つがコレ!
 突然始まる「QTE」だっ!

 「QTE」とは?
 「クイック タイム イベント」の略で、画面に「このボタンを押せ!」と表示されたボタンを即座に押さなくてはならないイベントのことです。元々は1980年代のLDゲームが元祖らしいのですが、1996年の『ダイナマイト刑事』、1999年の『シェンムー』とセガが採用してこの名前を付けたらしいです。

 私は「ボタンをしょっちゅう押し間違える」「押したはずなのに押していないと判定される理不尽さ」ゆえに、この「QTE」という文化が大嫌いで、「ステルスアクション」と並んで「あると知っていたらそのゲームは買いたくない」「入れるなら苦手な人のために難易度を出来る限り抑えてほしい」と思っているんですけど……

 『Dの食卓』は1995年のゲームなので、『ダイナマイト刑事』や『シェンムー』よりも前の「(QTEと名付けられる前の)QTE」ってことですね。諸悪の根源はキサマかーーーーーーーーーー!


 ただ、まぁ……このゲームに「QTE」が入っているのは分からなくはないんですね。
 先ほども書いたように、恐らくこのゲームは「普段はゲームを遊ばないけど斬新なものには興味を示す人」に向けた作品なのでアクションゲームの要素は入れたくない、でもずっと探索とムービーだけ続くとゲームが単調になってしまう、それではどうしたらイイだろうかという折衷案で「1つのボタンを押すだけのQTEが入った」のかなぁと思います。

 つまり、アクションゲームが苦手な人にもアクションゲームの緊張感を味わってもらうための「QTE」ということで、後のアクションゲームに取り込まれる「QTE」とはまたちょっとちがうと思うんですね。まぁ、それでもタイミングがシビアすぎてイライラするのは否定できませんけど。


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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 失敗しても井戸に落とされてやり直しになるだけで、相変わらずゲームオーバーにはなりませんし。



 ということで、このゲームは「普段はゲームを遊ばない人」に向けたゲームデザインになっていて、それってこの10年後くらいに流行語のように繰り返し言われた「ゲームの定義を広げる」「ゲーム人口の拡大」の先取りだったんじゃないかって思うんですね。
 それが何故『エネミーゼロ』では……というのは置いといて、このライトユーザー向け路線を継続して「普段はゲーム遊ばないけど飯野さんの作品だけは遊ぶよ」という人を増やしていけたなら、彼が後に作ろうとして頓挫した『300万本売れるRPG(仮)』も本当に300万本売ることが出来たのではと思わなくもないです。

↓ここから3↓

◇ 遊べば遊ぶほど前回の経験が活きる死に戻りゲー
 さてさて。
 ここまでの話は「3D黎明期の技術で作った、映画の主人公になれるゲーム」「ゲームを遊ばない人に向けてアクション要素やゲームオーバーが(ほぼ)ない」といった内容でしたが、それだけなら2018年を生きている皆様にはフツーのゲームのように思えちゃうことでしょう。

 「映画の主人公になれるゲーム」なんて、今日日ごまんとありますし。
 「アクション要素やゲームオーバーがないゲーム」も、たくさんあります。


 私がこのゲームを「こんなゲーム、今まで遊んだことないぞ!」と思ったのは、「ゲームオーバーには(ほぼ)ならない」のだけど「2時間経つと強制終了する」という仕様に合わせたゲームデザインです。
 この仕様……ハッキリ言ってボリューム不足を逆手にとった苦肉の策だと思うんですよ。このゲームがもし「2時間経つと強制終了する」仕様じゃなかったら、恐らく大体2時間半くらいで終わってしまいます。当時の技術や、彼らの制作規模で考えたらこれ以上のボリュームにはできなかったのでしょうけど、2時間半で終わってしまうゲームをパッケージソフトとして売るのは厳しい。

 だから、「2時間経つと強制終了する」ようにして、何度でもやり直させるリプレイ性を取り入れ、「2時間以内にゴールにたどり着けるか」というゲームにしてしまったんだと思うんですね。そのために、このゲーム「やり直せばやり直すほど有利に立ち回れる」ようになっているのです。


 例えば、これ……序盤のネタバレになっちゃいますけど。

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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 階段をのぼるー。

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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 引き出しを開けると、そこに1枚の紙があるー。

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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 それを持って、階段を下るー。

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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 洗面器の中に入れると文字が現れるー。


 といったカンジに、あっちに行ったりこっちに来たりして謎を解いていくのがこのゲームなんですが、2周目以降は「ヒントの文字」を覚えておけば、階段をのぼって紙を取って階段を下りて洗面器に入れるという過程を全てすっとばすことが出来ます。1周目でのプレイが、2周目に活きてくるゲームなんですね。

 些細なショートカットのように思えるかもですが、移動の遅いこのゲームだと過程を幾つか飛ばせるだけで数分の短縮になりますし。1周目は仕掛けがなかなか分からなかったギミックも2周目は分かった状態で解けるとか、3回しか使えないヒント機能ももちろん復活するとか、QTEのコマンドも予め何が来るか分かるとか―――このゲーム、周回すればするほど有利になっていくところが多いんです。

 アクションゲームなんかだと「同じ面を何度もプレイして上手くなっていく」ことは当たり前のことですけど、この『Dの食卓』はアクション要素が(ほぼ)ないアドベンチャーゲームでありながら何度もやり直すことで「自分の上達」を実感できるゲームになっているんです。

 この感覚は他のゲームではあまり味わったことがありません。
 『Re:ゼロから始める異世界生活』でスバルくんが何度も死に戻って、「前回の経験」を活かして絶体絶命の状況を突破する―――みたいなタイムリープものの主人公になった気分を味わえます。


 だからこのゲーム……「何度もやり直す時間がもったいないから、攻略サイトを見ながら1周でクリアしよう」みたいな遊び方をしちゃう人にとっては全然面白くないと思います。
 手探りで1周目を遊んで、ヒントとか、ギミックの謎とかをメモに取りながら進めて、それで2時間が経過してしまってクリアできなかったとしても、そのメモを活かして2周目は1周目より効率的に進める――――そういう成長の過程を楽しめる人にとっては面白いゲームとなるでしょう。

 「移動速度の遅さ」とか「3回しか使えないヒント機能」とか「やたらタイミングがシビアなQTE」とかも、この“2周目は1周目より効率的に進める”ことを実感させるためにそういった仕様になっているのかと思ってしまうほどです。
 「リメイクしてほしい」とか「VRで遊びたい」といったコメントもあったんですけど、快適に遊べるように現代風にリメイクして移動速度を速くしたら誰でも1発で2時間以内にクリア出来ちゃうでしょうし、やり直した際のショートカットに感動できないでしょうし。やっぱりこのゲームは現代風には直せないゲームじゃないかなぁと思いますね。飯野さんが亡くなっているということを差し引いても。



 ただ、「じゃあ、完璧に効率的なプレイを覚えたらそのままそれを繰り返すだけになっちゃうのか」というと、実はショートカットできないランダム要素もほんの少しだけあります。

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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 それが「玉虫イベント」です。
 これはクリアには必須ではないのですが、館のどこかに玉虫が数匹いて、それを見つけるとローラの断片的な記憶が再生される→ 全て集めた状態でクリアすると「真のエンディング」にたどり着くのですが。この玉虫のいる場所は毎回固定ではなく、ランダムで変化するみたいなんですね。なので、全てをショートカットして効率よく進もうとすると、「前回はここに玉虫がいたのにいなくなってる!」ということになるという。



 ただまぁ、それでもある程度は「玉虫が出る場所」は決まっているみたいですし、そもそも「普通のエンディング」も「真のエンディング」もほとんど変わらないのでやり直すほどではないです(笑)。
 これも多分、「クリアしたらすぐに中古ゲーム屋に売っちゃう人」対策として「まだまだやり残したことがありますよ!」と周回プレイをさせるための工夫だと思うので……2018年の今これを遊ぶなら無視しちゃってイイんじゃないかと思います、虫だけにね!



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はプレイステーション版『Dの食卓』より引用>

 ……

 流石に2018年にこのゲームを遊ぶには、「3D黎明期のゲームを遊んでみたい!」「名前は聞いたことある名作は触れておきたい!」といったゲームの歴史を紐解くモチベーションがなければなかなか厳しいです。そもそも現代だと「2時間ぶっ続けでゲームをやる(途中中断も途中セーブもできない)」なんてゲームは受け入れられないでしょうし、移動の遅さにイライラしてしまう人も多いでしょう。

 そうした「不自由さ」も含めてゲームデザインになっているということを楽しめる人にしかオススメ出来ませんし、逆に言うとそれを「面白そう!」と思える人にはオススメです!


 生配信でワイワイ言いながら遊んだこともあって、私はすごく楽しみました。
 「ホラー映画のDVDを借りてみんなで一緒に観る」みたいに、友達同士で集まってみんなで一緒にあーだこーだ言いながら遊ぶのもイイかも知れませんね。そして、みんなで一緒にQTEにぶちぎれよう!


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