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『マンガは描ける!絵が描けない人でも』がキンドル6月の月替わりセールに選ばれました!

※ セールは終了しました

マンガは描ける!絵が描けない人でも
マンガは描ける!絵が描けない人でも

 私がキンドルで発売している電子書籍『マンガは描ける!絵が描けない人でも』が、キンドルの月替わりセールに選ばれました。6月1日から30日の間、通常価格250円のところセール価格139円での販売になります!
 これまで買っていなかった人は、この機会に是非お願いします!こないだのポイント還元キャンペーンで大量にAmazonポイントをもらったけど、特に使い道がないなーなんて余らせている人は使っちゃえばイイじゃない!


 内容は、「絵が描けない人」に向けた、世界一簡単な「“絵のようなもの”の描き方」を教える本です。

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 基本は「活字の本」ですが、「イラスト」付で分かりやすく解説していて、各章の始めと終わりにそれぞれ「1ページ漫画」が入っています。「別に絵が描けるようになりたいだなんて思わないなー」という人であっても、マンガというものを読み解くのに役立つ話をたくさん書いているので面白いと思いますよ!買ってね!(直球)





 特にセールにはなっていませんが、『オレは貧乳が好きなんだ!』も同じ形式の本になっているので、『マンガは描ける!』が面白かった人はこちらもどうぞ!

オレは貧乳が好きなんだ!
オレは貧乳が好きなんだ!

| マンガは描ける! | 20:05 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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じゃあ、実際にマンガを描いてみよう!その13~完結編~

oppai-tobira.jpg
 自作マンガ『おっぱい泥棒vs.うんこマン』(全7ページ)を公開しました。

 pixivで公開中。
 パブーで公開中。


 このマンガが出来上がるまでの過程を記した連続記事へのリンクを、以下にまとめておきます。

1.企画を立てる
2.プロットを考える&シナリオを書く
3.コンテに起こす
4.キャラクターをデザインする
5.ネームを描く
6.下描きをする
7.ペン入れをする(前編)
8.ペン入れをする(後編)
9.消しゴムをかける&修正する
10.ベタを塗る
11.トーンを貼る
12.スキャンしてセリフを入れて完成!


 内容に関してはノーコメントで!

 今日は最終回なので、「WEBにアップロードする」場合の話を書きます。
 元々このマンガは「ブログにアップロードする」つもりで企画を立てたのですが、ブログの幅だと少し窮屈だったことと、見開きを考えたコマ割をしたのにブログでは見開き表示は難しいことから予定を変更しました。アップロードしたのは「自分のホームページ」、「pixiv」、「パブー」の3つにしました。


 「自分のホームページ」へのアップロードは、今からマンガを描き始めるって人が用意するのにはそんなにはオススメしません。私がマンガを描き始めた頃にはまだPixivはありませんでしたし、そもそもニコニコ動画もまだなくて、YouTubeですらまだ話題になる前の時代でした。だから、選択肢が「自分のホームページ」くらいしかなかったんですね。
 「自分のホームページ」はレイアウトなどを自分の思い通りに出来る一方、自分で全部ページを作らなければならないので手間がかかります。今の時代だと「ヒマだからWEBマンガでも読み漁ろうかなー」という人はPixivなどのSNSや投稿サイトを探すでしょうから、「自分のホームページ」にアップしても読んでくれる人は少ないし。私のサイトの場合、ドメイン取得して有料サーバーを使っているのでお金もかかっています。

 手間とお金がかかる割に、読んでくれる人は少ない。
 なので、正直「いつまでこのサイトを維持していくのかなぁ……」とは思っています。何かのきっかけでやめるとしたら、ブログよりもTwitterよりも先に、私は「自分のホームページ」を辞めると思います。




 「pixiv」は2007年からサービス開始されたSNSで、イラストやマンガ等「自分の作品」を投稿することに特化したサービスです。投稿の手軽さや制限の少なさから、「自分のホームページ」や「ブログ」などに代わってイラストやマンガの公開&保存をする場所として一気に定着しました。
 その後、Twitterなどの普及でイラストや4コママンガを公開するだけならそちらでもイイじゃんと選択肢が増えましたが、何ページもあるようなストーリーマンガの公開ならば「pixiv」などのSNSが今でも向いているかなぁと思います。

 見開きの表示にも対応しているのだけど、閲覧者が「1ページごとに読むか見開きで読むか」を選べないのは今も変わらないのか……今回は試しに「見開き」で投稿しました。




 「パブー」は2010年からサービス開始された個人向け電子書籍作成サービスで、有料・無料どちらでも作品を「電子書籍」という形で公開することが出来ます。正直「有料で販売する」ことに関しては過度に期待しない方がイイと思うのですが、無料公開は予想外に閲覧数が高くなるし、閲覧者が気軽にPDFでダウンロード出来るのもいいところだと思います。

Screenshot_2015-10-25-16-29-51.png

 自炊した本を読んでいる人ならばお馴染みでしょうが、PDFで漫画を読めるアプリやソフトを持っている人ならばこんな風に見開きでも表示出来ます。

(関連記事:初心者のための「Perfect Viewer」の使い方講座
(関連記事:電子書籍のマンガを読むのに、タブレット端末は必須ではない



 その他にも「マンガを公開できるSNS」はたくさんありますし、KDPから出版して販売するという手もあります。KDPに関しては「アメリカの雇用者番号の取得」など面倒な手順を踏まないと損をしてしまうのだけど、正直私がKDPの準備をしていたのは2年半も前の話なのでやり方を忘れてしまいました。やりたい人は……申し訳ないですが、御自身で調べてください。


 せっかく描いたマンガをたくさんの人に見せたいと思った時、「複数のSNSに載せる」方がイイのか「一つのところに限定して公開する」方がイイのか、私にもよく分かりません。

 例えば今回の『おっぱい泥棒vs.うんこマン』は、3つの場所で読めるようにして「好きなところで読んでね!」としたので、アクセスが分散するんですね。そうすると1つのサイト辺りの閲覧数が増えないからランキングなども上がらないという考え方も出来ます。
 しかし、逆に考えれば「複数のSNS」はそれぞれ利用しているユーザーが違うため、たくさんの場所に登録しておいた方がトータルで手に取ってくれる人は増えるかも知れません。


 ゲームソフトで考えると、「3DSとVitaとWii UとPS4とXboxOneの5機種マルチで同時発売します!」とすれば、5機種のユーザーがそれぞれ手に取ってくれる可能性が出ますが、売上げは5つのソフトに分散される分だけランキング上位に上がってきません。それなら、最初から「Wii U独占です!」とやった方が注目を集めるんじゃないか―――みたいな話です。




 3ヶ月かけて毎週日曜日に更新してきたこの連続記事も、これで終わりです。
 私の出した『マンガは描ける!』を読んで、この連続記事を読んで、「自分もマンガを描いてみよう!」と思ってくださった人のために、最後に私から書いておきたいことを書いておきます。

 「初めて描いた自分のマンガ」を見たら、恐らく大多数の人が「思ったようにいかなかったなぁ……」と思うことでしょう。誰だってそうだと思います。私もまさに、今回出来上がった『おっぱい泥棒vs.うんこマン』を読んで「なんじゃこりゃ」と思いました(笑)。
 創作ってそんなもんだと思うんです。何もない「0」の状態から作品を生み出すのだから、「思ったようにいかなかったなぁ……」というのは仕方ないんです。

 そこから何を学べるのか――――

 「上手くいかなかった」ことが分かっていれば、そこを反省すればイイんです。んで、1作目の失敗を活かした2作目を作った時、自分の中で「成長」を感じることが出来ると思います。『ドラゴンクエスト』でレベルが上がってスライムベスを1撃で倒せるようになった時のような、『スーパーマリオブラザーズ』で1-1をノーミスでクリア出来るようになった時のような、「俺、上手くなってる!!」感を味わえると思います。


 だから、「思ったようにいかなかったなぁ……」と思った人は、是非もう1作にチャレンジしましょう。きっと「1作目を完成させた時」とは違った景色が見えると思いますから!


マンガは描ける!絵が描けない人でもマンガは描ける!絵が描けない人でも
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2015-07-23
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| マンガは描ける! | 17:01 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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じゃあ、実際にマンガを描いてみよう!その12~スキャン&セリフ入れ編~

 いよいよ来ました、最終週です!
 このマンガの作成を始めたのは8月初旬、連日の酷暑が話題になっていた頃ですよ。そこから12週が経ち、少しずつ「暑い」よりも「寒い」と感じる時間が長くなり、ようやく1本のマンガが完成するのです。長かったですね。この間はアクセス数もガタ落ちで、一体どうなってしまうのかと思っていましたよ。今でも思っていますよ。大丈夫なのか、このブログ。

マンガは描ける!絵が描けない人でも
マンガは描ける!絵が描けない人でも

1.企画を立てる
2.プロットを考える&シナリオを書く
3.コンテに起こす
4.キャラクターをデザインする
5.ネームを描く
6.下描きをする
7.ペン入れをする(前編)
8.ペン入れをする(後編)
9.消しゴムをかける&修正する
10.ベタを塗る
11.トーンを貼る
12.スキャンしてセリフを入れて完成!←今週はココ!



 さて、スキャナーの話。
 我が家の複合機(プリントアウト、スキャン、コピーが出来る機械)は、A4サイズの用紙までしかスキャン出来ません。しかし、私がマンガを描くのに使ったのはB4の原稿用紙です。このままではスキャンできないんですね。

 B4(というかA3まで)の原稿をスキャンできる複合機が売っていないワケではないのですが、高価だったり、2回スキャンしたものを合成するなど手間が面倒だったり、レビューを見てもあまり良さそうじゃなかったり、自分にとって必要な「DVDラベルのプリント」が出来なかったり……それぞれの機種ごとにウィークポイントがあって、まだ購入していません。あと数年したら「これぞ決定版!」みたいなものが出てくるんじゃないかと期待しているのですが、とりあえず今の自分の環境はA4サイズまでしかスキャン出来ないんですね。


 では、どうするのかと言うと……手段は幾つかあります。
 まずは「最初からA4サイズの原稿用紙に描く」という手です。実際に『マンガは描ける!』の中の1ページ漫画やイラストは、全てA4サイズの原稿用紙に描きました。そのままスキャンすればイイだけなので、その方が楽だろうということで。


 次に……これは私が普段使っている手なのですが、「B4サイズに描いた原稿用紙をA4サイズに切り落としてスキャンする」という手もあります。
 第5週の時に説明しましたが、漫画の原稿用紙というのは“確実に印刷される”基本枠は思った以上に小さく、それより外側は全てタチキリといって“切り捨てられてしまうかも知れない”部分なのです。だから、漫画描きはタチキリの部分には大事なものを描かないようにしていますし、逆に考えれば切り捨てちゃっても構わない理屈になるんです。

 もちろんそのまま原稿用紙を切り落とすのは抵抗があるので、一旦コンビニでコピーをして、コピーした方の紙をA4サイズに切り落とすのです。そうすれば、我が家の複合機でも問題なくスキャンできます。私の漫画は基本的にこの方法でスキャンされています。


 最後に、これは今回初めて使った手なのですが……
 今のコンビニのマルチコピー機って色々なことが出来るので、実はスキャン機能も付いているんですね。当然コンビニのコピー機は大型なのでB4サイズも楽々スキャン出来ます。「コンビニでスキャンしてくる」というのも一つの手だなと思うので、今回はこれも試してきました。




 ということで、三つ紹介した手段の内、今日の記事では二つ目の「B4サイズに描いた原稿用紙をA4サイズに切り落としてスキャンする」と、三つ目の「コンビニでスキャンしてくる」を両方試して、手間と費用と画質の比較をしていこうと思います。



◇ 「B4サイズに描いた原稿用紙をA4サイズに切り落としてスキャンする」
【使用する道具】
・コピー機の置いてあるコンビニ
・コピー代(1枚10円)
・トレース台
・ディスクカッター
・スキャナー(複合機)


serif1.jpg
 コピーしてきましたー。
 コンビニのコピー機の使い方は……説明した方がイイですかね。自分は今回セブンイレブンのコピー機を使ったので、こちらのページに詳しく書かれています。

 「白黒」→「B4」→「コピースタート」でOKです。
 以前は「濃度」などの設定をイジったこともあるのですが、スキャンした後に色々イジるのだからコピー時に設定をイジるのも二度手間だなと思ったので今はやっていません。

 白黒コピーなので1枚10円。
 今回の『おっぱい泥棒vs.うんこマン(仮)』は全7ページなので70円かかりますね。『shine』なんか全50ページだからコピーだけで500円かかったのですよ。結構お金かかるなぁ……と落ち込んだ人は先週を思い出しましょう。スクリーントーンが1枚500円なんだから、たったスクリーントーン1枚分のお金で全ページがコピー出来るんだと考えるのです!


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 B4のコピー用紙をA4に切り落とすのですが、どのラインで切り落とせばいいのかが分かりませんよね。なので、ここで「原稿用紙と同じ大きさに描いたネーム」が再登場です。トレース台を使って枠線にピッタリ合わせたところをセロハンテープでくっつけておけば、「ネームに沿ってカットするだけでA4のサイズに早変わり」するのです!


serif3.jpg
 トレース台のスイッチを付けるとこんなカンジ。
 ピッタリ合わせるのは外側の枠線ですね。



serif4.jpg
 自炊の記事の時に登場したディスクカッター!
 ディスクカッターはAmazonで2000円くらいで売っていますが、節約するのなら定規とカッターを使って人力でカットするというのも手です。あんまりオススメしませんけど!


serif5.jpg
 出来上がりー。
 後は、複合機のスイッチを入れてスキャン機能を使ってスキャンしていくだけです。



◇ 「コンビニでスキャンしてくる」
【使用する道具】
・スキャン機能のあるコピー機が置いてあるコンビニ
・スキャン代(1枚30円)
・USBメモリ(スマホでも出来るっぽい?)
・PDFから画像に変換できるソフト


 もう一つの方法。一旦コピーする手間を省いて、コンビニで直接スキャンする方法です。
 私が使ったのはセブンイレブンのマルチコピー機なので、他のコンビニにもこういう機能があるのか、価格が一緒なのかなどはちょっと分かりません。最寄のコンビニのホームページなどを調べてくださいな。

 使い方はこちら
 自分はここに書かれている通りUSBメモリを家から持っていったのですが、スマホにも保存できるっぽいみたいで、最初に「どっちにする?」という表示が出ました。USBメモリは差し込んでから認識するのにちょっと時間がかかるので、焦らずに待ちましょう。

 「白黒」にするのか、「カラー」にするのか。
 「サイズ」は幾つなのか。
 「解像度」は幾つにするのか。
 「PDF」にするのか、「JPEG」にするのか。


 色々聞かれます。
 私は最初何も考えずに「カラー」を選んじゃいました。「JPEG」画像に保存するためには「カラー」にする必要があると言われたので、PDFからJPEGに戻すの面倒くさいもんなーと「カラー」に設定したんですね。バカですね。

【カラーでスキャンした場合】
scan-c1.jpg

【白黒でスキャンした場合】
scan-s1.jpg

 白黒でスキャンした場合は「白」か「黒」かで判断してくれるので問題がないのですが、カラーでスキャンした場合「グレー」も判断されてしまうので修正液の跡が残るんです。また、トーンに縦線が入ったり、削ったトーンにも跡が残ったりしていて……修正が面倒くさそうな状態になってしまいました。

 「ペン入れまではアナログ」、「スキャンした後に修正やトーンの作業をする」場合はカラーモードでも問題はないかもですが……今回のように修正液やスクリーントーンの作業をした後にスキャンをする場合は、白黒モードでスキャンするのが無難だと思います。なので、私はもう1回コンビニに戻って全ページ白黒でスキャンし直しました。
 スキャンは白黒でもカラーでも1枚30円なので、7ページで210円、全ページやり直したのでトータル420円ですよ。結構な出費ですね。うーむ……へこむ。


 最終的には、「白黒」→「B4」→「600dpi」→「PDF」という設定だったかな。
 PDF形式で保存されるので、「Adobe Acrobat」で1枚1枚JPEG画像で保存しました。もっと楽に出来る手がありそうなのですが、ちょっと時間がなかったので取り急ぎこんなカンジで作業終了です。



◇ んで、どっちがイイの?
 あ……そうそう。
 コピーをする場合もスキャンをする場合も、深夜とか早朝とかなるべく人のいない時間帯に私は行くことにしています。
 真昼間からコンビ二で何十枚もコピーを取っていたらその間ずっとマルチコピー機を占拠してしまうワケで、女子高生の集団に囲まれて、「あぁ!この絵は『おっぱい泥棒』じゃないですか!貴方はやまなしさんですか!素敵!抱いて!」と懇願される可能性もゼロではありませんが、まぁ普通に迷惑だと思うんで人のいない時間帯に行きましょう。

 スキャンはUSBメモリの認識にちょっと時間がかかる分、コピーよりもコンビニでかかる時間は少しだけ長いかなぁ。
 ただ、コピーとってA4サイズに切って自宅でスキャンしてという手間はかからない分、トータルでかかる時間を考えれば「コンビニでスキャンする」方が早いと思います。PDFファイルから画像ファイルに戻すのは面倒くさいですけどねー。



 次に、かかるお金。
 白黒コピーは1枚10円です。白黒スキャンは1枚30円。
 たかだか20円の差と思われるかもしれませんが、例えば今私が描いている電子書籍用の漫画は全120ページくらいを想定して作っています。コピーなら1200円、スキャンなら3600円です。差額は2400円。電子書籍を売って2400円の儲けを取り戻すためには何冊売ればイイのかを考えると……ゾッとするものはあります。

 ただ、当然「家にスキャナーがない人」にとっては、わざわざスキャナーや複合機を買うまでもなく手描きの漫画をデジタルに変換できる方法とも言えますね。まぁ、今はプリンター系の機械本体は安くなったので(本体は安く売ってインクを高く売るシステム)、複合機も1万円前後で買えてしまうんですけどね。

 スキャナーを持っている人には、コンビニのスキャンは高い。
 でも、スキャナーを持っていない人にとっては、ありがたい機能かなと。



 最後に、画質の比較をしていきましょう。
 まずはトーンカーブも何もかけていない「そのままの画像」の比較です。スキャナーの設定が違うので、濃度が違うということを頭に入れておいて下さい。

【コンビニでコピーして、自宅でスキャンしたヤツ】
copy1.jpg

【コンビニでスキャンしたヤツ】
scan1.jpg

 クリックして拡大表示にしてもらえば分かるのですが、自宅でスキャンした方は集中線の「抜き」が消えちゃっているんですね。コピーの段階では残っていたので、自宅でのスキャンの際に消えてしまったみたいです。つまり、家庭用の安いスキャナーに比べれば、コンビニのスキャナーの方がちょっとだけ画質がイイってことなんだと思います。



 次に、実際に使うサイズに縮小→トーンカーブをかけて調整した画像を載せます。


【コンビニでコピーして、自宅でスキャンしたヤツ】
copy2.jpg

【コンビニでスキャンしたヤツ】
scan2-3.jpg

 トーンの濃さを見て濃度を合わせたら、線の濃さに若干の差が出ちゃっていますね……コンビニでスキャンした方はトーンにモアレが出ちゃっていますが、これは縮小過程で出ちゃったものです。同じように縮小したつもりが片方にのみモアレが大きく出るというのは何故なんでしょう。
 集中線の「抜き」はコンビニでスキャンした方がきっちり出ています。


 トーンのモアレの件は気になりますが……線の質はコンビニでスキャンした方がキレイだと見えますし、こういう機会ですし、今回は「コンビニでスキャンした方」を採用にしたいと思います。電子書籍用のマンガにコンビニスキャンを採用するかは悩み中です。このくらいの差に2400円払うのは、流石に……



◇ スキャンした画像を加工+セリフ入れ
 現在の私は、ペン入れまで終わらせた原稿用紙をスキャン→ CLIP STUDIOでトーンカーブをかける&枠線&修正&ベタ塗り&トーン貼り→ IrfanViewでサイズを縮小→ 再びCLIP STUDIOでセリフ入れ→ 完成!という手順をとっています。

 しかし、CLIP STUDIOは有料のソフトですし、IrfanViewは商用利用するにはライセンスの購入が必要です。ここまでの手順で「アナログでマンガを描く」工程を見せてきたのに、最後の最後に「セリフを入れる時はデジタルで作業するからソフトを買ってね!」では筋が通らないと思います。


 ということで……これらの作業が出来る商用利用可能なフリーソフトを、今回は試してみることにします。使いたいのは「トーンカーブなどの濃度調整機能」「解像度を下げる縮小機能」「セリフを縦書きに入れる機能」です。
 色々なソフトを試してみて、どれも微妙にかゆいところに手が届かず、「あーーー!もうイイや!CLIP STUDIOをみんな買えばイイよ!」とブチぎれて終わらせようかと思ったのですが……最終的に『メディバンペイント Pro』というソフトに行き着きました。


 メディバンペイント Pro

 このソフト、「フリーでこんなことが出来るのならソフト買わなくてイイじゃん!」ってTwitterで話題になっていましたね。私がCLIP STUDIOを買った直後に話題になっていたので「早く言えよ!」と思ったことを覚えています(笑)。

 ホームページには使い方がたくさん書かれていますが、私が今回使いたいのは「縮小」「濃度調整」「セリフ入れ」の三つです。後述しますが、「縦書きのセリフを入れる」ためには無料の会員登録が必要みたいです。会員登録は後ほど。



 ダウンロードしてインストールするとデスクトップ上にアイコンを作ってくれるので、それを好きなところに移して―――今回は既に描き終えたマンガを加工したいので、スキャンした画像ファイルをドラッグしてアイコンに重ねて起動します。


 まずは「縮小」からやります。
 「編集」→「画像解像度」で、画像を縮小します。
 
 幾つに縮小するかというと……今回は最終的に「724×1024」(ピクセル)にしたいと考えています。何故ならパブーにマンガを載せる時はこのサイズに決まっているからです。しかし、今までも散々書いてきた通り、マンガの原稿用紙には「タチキリ」という部分があるのでスキャンした画像をこのままそのサイズに縮小すると余白だらけになっちゃうんですね。
 なので、少し大きめのサイズに縮小しましょう。コンビニでスキャンしたB4サイズの画像ならば「横幅が950」、自宅でスキャンしたA4サイズの画像ならば「横幅が800」くらいかな。縦は今は気にしなくてイイですが、必ず「縦横の比率は保持」してください。

 注意点があります。
 大きな画像をいきなり小さく縮小すると、まず間違いなくスクリーントーンにモアレが発生します。今回コンビニでスキャンしてきた画像は横幅が6082ピクセルだったのですが、「6082→950」と一気に縮小するのではなく、「6082→4500→3500→2500→1500→950」といったカンジに段階的にモアレが発生しないように縮小していくのです。
 ただし、あまりに段階的に縮小すると線がぼやけてしまうので、自分がイイと思う按配で縮小していってください。ある程度のモアレは仕方ない部分も正直あります。線がぼやける方が厄介ですからね……


 次に「濃度調整」
 『メディバンペイント Pro』には「トーンカーブ」という項目はないんですね。
 「フィルタ」→「レベル補正」で調整します。詳しい理屈はここに書かれていますが……入力の方のバーを、左のスライダーを中央に寄せて、中央のスライダーを左に少し動かすカンジかな。この辺も好みで。


 最後に「セリフ入れ」について。
 詳しくはまた後で書きますが、パソコンに最初から入っているフォントは「商用利用がOKかどうかがかなり怪しい」と言われている上にマンガのセリフには合いません。なので、マンガを描く人は「フォントをどうするのか」に苦労するのですが、この『メディバンペイント Pro』はマンガっぽいフォントを幾つも用意してくれていて、それらを自由に使える上に商用利用も可ということです。

 何という大盤振る舞い!!
 と思ったのですが、使ってみると割と制約も多いです。

 まず「縦書き」を使うためには、「クラウドテキストを使用する」というチェックボックスを入れる必要があります。そうするとパソコンに登録しているフォントは使えなくなりますし、ソフト側で用意してくれているマンガっぽいフォントは会員登録をしないと使えません。会員登録は、ソフトを使っている時に左上に表示される「雲」のアイコンから簡単に登録出来ます。

 つまり……『メディバンペイント Pro』で縦書きのセリフを入れようとすると、基本的には「会員登録」が必要な上に、パソコンに登録しているフォントではなくアチラが用意してくれたフォントを使わなくてはならないんですね。


serif6.jpg
 それと、どうも他のソフトのような「セリフの変形・回転」などは出来ないみたいです。
 変形はともかく回転が出来ないと、フキダシに合わせたセリフ入れが出来ないんじゃないかと思うのですが……私が多用しているだけで一般的にはやられていないんですかね。今まで気にしたことがなかったです。
 白抜きも出来ないみたい……?今回のマンガには使いませんでしたが、私のマンガは結構「絵に直接セリフが重なる」ことがあるのでセリフの白抜きが出来ないのはちょっと厳しいですね。


 ただ、その点に目をつぶれば縦書きのセリフを入れられるし、後から位置を調整したりするのも直感的に操作出来ますし、フォントの種類も多彩ですし、フリーソフトと考えれば十分な使い勝手だと言えます。

 まぁ……私は既に持っているので今後はCLIP STUDIOを使いますけどね(笑)。CLIP STUDIOならセリフの回転も出来るし、白抜きも出来るし、フリガナも振れるし、「この行だけ行間を狭める」とか「この文字だけ斜体にする」とか細かい調整が出来るのが非常に便利なのです。30日間の無料体験版があるので、興味のある人は試してみるとイイと思います。


 話を『メディバンペイント Pro』に戻します。
 セリフを入れる際に気をつけるのは、「行間隔を考えること」かな。行間隔がないと非常に読みづらいですからね。あと、「!!」とか「!?」みたいな記号は縦書きだとそのままではセリフと揃わないので、セリフとは別に作って後から位置を合わせて配置します。



 ついでなので、この時点で「汚れ」がある場合は「修正」もしておきましょう。
 『メディバンペイント Pro』では右下のアイコン群の中の一番左「レイヤーの追加」を押して、一番上に何も描かれていないレイヤーを作ります。ここに「白色」のブラシで塗っていけば、スキャン時などに付いた汚れを除去できます。逆にベタがキレイに表示されていない場合は、「黒色」のブラシで塗ってしまいましょう。




 名前を付けて保存で、「レイヤー情報などが保存できるmdpファイル」でとりあえず保存します。

 次に「編集」→「キャンバスサイズ」を選びます。
 幅を724ピクセル、高さを1024ピクセルにして、「中央」を選んでOKです。基本枠の中がちゃんと全部画面内に収まっているのが確認できたら、これにてこのページは完成です。再び名前を付けて保存で、「他の画像ソフトにも使える画像ファイル」で保存します。WEBなどにアップする時は容量の小さいJPGファイル、なるべく劣化させたくない時はPNGファイルかな。


 お疲れさまでした!
 ようやく完成しました!これを全ページやりましょう!!



◇ フォントについて
 ついでに書いておきたいこと。
 『メディバンペイント Pro』を使うのならアチラが用意してくれたフォントを使えばイイだけなのですが、他のソフト……例えば『CLIP STUDIO』などを使う際にはフォントはどうすればイイのかという話を書きます。


 恐らく「マンガを書いたことがない」「デザインなどもしたことがない」多くの人はフォントについて考えたことはほとんどないんじゃないかなと思います。
 パソコンには最初から入っているフォントが幾つもあって、Windowsだったら「MSゴシック」とか「MS明朝」みたいな名前のフォントがメジャーだと思います。ゴシック体と明朝体の違いは……中学の美術の授業で習うはずですけど、ひょっとしたらこのブログも初潮を迎えたばかりの小学校高学年の女のコが「やまなしさんって何て素敵なの!抱いて!」と思いながら読んでいるかも知れないので説明しますか。「初潮」って書いた時点で帰ったんじゃないかな、その女のコ。

 明朝体は、「筆で書いたように」トメハネに強弱が付いている書体。
 ゴシック体は、線の太さが均一の書体。


 多分……この説明であっているはず。多分。


 んで、先ほどもチラリと書きましたが「パソコンに最初から入っているフォントを商用利用するのはNGじゃないのか」という議論があって、本当のところはよく分からないのですが、大丈夫だと思って使っていたらやっぱりダメでしたーみたいになったらイヤだなと不安になってしまう私は「パソコンに最初から入っているフォント」は使わないようにしています。

 マンガには、商用利用可能なフリーのフォントを探してそれを使っているんですね。


 私がメインで使っているのはIPAフォントです。
 商用利用可能なことが書かれているのはこのページ

 その他では、みかちゃんフォント
 商用利用可能なことが書かれているのはこのページ

 たぬき油性マジック
 このページを読む限り商用利用も可能みたい。

 衡山毛筆フォント行書衡山毛筆フォント草書
 上のリンクに商用利用が可能なことが書かれています。


 これらのフォントをダウンロード、インストールして使っています。



 しかし、マンガのフォントにはもう一つ考えなければならないこともあって……


shine-serif.jpg
 このセリフのフォントをよく見て欲しいのですが……
 「都会」の文字だけゴシック体で、「のコみたい」は明朝体になっていますよね。

 マンガのセリフは、基本的にひらがな&カタカナが明朝体、漢字がゴシック体となっているのです。
 あくまで「基本は」そうなだけで、場面場面によって「全部ゴシック体」のセリフの時もありますけどね。今手元にあるマンガをパラパラめくってみたところ、「キャラクターが考えているモノローグ」とか「叫んでいるセリフ」とかは全部ゴシック体になっていました。これは、場面場面に合わせてフォントの指定を変えているんです(多くの場合は編集者が、人によっては漫画家が直接指定するなんてことも聞いたことがあります)。


 さて、基本となる“ひらがな&カタカナが明朝体、漢字がゴシック体”をイチイチ手動で切り替えるのは面倒くさいですよね。なので、私は“ひらがな&カタカナを打つと明朝体、漢字を打つとゴシック体になるフォント”を自分で組み合わせて「漫画のセリフ用のフォント」を作ってしまいました。しかし、その作る方法を解説してくれていたページがどこにあったかを忘れてしまいました……。

 ただ、検索してみたところ……最初からマンガ用に“ひらがな&カタカナが明朝体、漢字がゴシック体”と組み合わせてくれたフリーフォントがあるみたいです。これを使えば良さそうですね。良かった……自分もパソコンを買い換えたらもう「漫画のセリフ用のフォント」が使えなくなるんじゃないかと焦っていました(笑)。


 やさしさアンチック

 これはなかなか良さげ。
 最初からこれだけ紹介すれば良かったのかも知れません。





 ということで……
 全作業が完了しました!!

serif7.jpg


 やったー!終わったー!



 ……

 ………


 ………しまった。WEBにアップロードする工程を忘れていました。



 ということで。
 もう1週だけ、続きます!! 

 来週ようやく公開ですよー。

| マンガは描ける! | 17:51 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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じゃあ、実際にマンガを描いてみよう!その11~トーン貼り編~

 2000記事目の傑作選も書き終わったので、数ヶ月間ずっと抱えていた作業の一つが終わりました!次はコイツだ、『おっぱい泥棒』!今週が11週目ということは、ほぼ1クール「日曜日にはこの記事を書かなければならない」と追われる日々を続けてきたということですか。それも、それも……あとちょっとで終わるんだ……!長かった旅の終着点へ!

 まぁ、今週もこの記事を書き始めている土曜日夕方の時点で作業が終わっていないんですけどね。しかも、今週はよりによって『Splatoon』のフェスがありやがんの!私はイカ派で戦っています!今回全然勝てないのでポイントも溜まりません!日曜日夕方までに終わるのか、トーン貼りは!?


マンガは描ける!絵が描けない人でも
マンガは描ける!絵が描けない人でも

1.企画を立てる
2.プロットを考える&シナリオを書く
3.コンテに起こす
4.キャラクターをデザインする
5.ネームを描く
6.下描きをする
7.ペン入れをする(前編)
8.ペン入れをする(後編)
9.消しゴムをかける&修正する
10.ベタを塗る
11.トーンを貼る←今週はココ!
12.スキャンしてセリフを入れて完成!


torn1.jpg
 これがスクリーントーンの山だ!

 自分が使っているのは、主に「アイシー株式会社」のものです。
 基本的に1枚の定価は518円、赤いシートに入っている廉価版は1枚の定価が378円だそうです。実売はもうちょっと安くなりますが……この山の総額が幾らになるのか、考えたくもありません。いきなり全部をドカッと買ったのではなく、何年もマンガを描いてきて増えていったんですけどね。

 マンガを描き始めた当初は「どのトーンが使えるのか」も分かりませんでしたから、とりあえずたくさんの種類を買って、使ってみて、思ったようにいかなくて……というのを繰り返しました。
 マンガを描く目的にも依るんですが、PCにスキャンしてWEBにアップする予定の人は、アナログでトーンを何枚も買うんじゃなくてデジタルソフトを1本買っちゃった方が手間も費用もお得だと思います。アナログのトーン貼りの技術がいつまで使えるのかは分かりませんからねぇ……


 ただ、この記事は基本的に「アナログ作業で原稿を仕上げる」企画なので、私はせっせとアナログでトーンを貼りましたよ。貼りましたっつーか、ここの文を書いている時点ではまだ終わっていませんけどね!じゃあ、行きますよ!


 今週は11週目の「ト-ンを貼る」作業です。

【使用する道具】
・スクリーントーン各種
・カッター
・トーンベラ
・バレン
・羽ぼうき
・トーン用のピンセット
・余った紙(原稿用紙を汚さないため用と、上からトーンをこする用)
・トレース台
・消しゴム



torn2.jpg
 左から説明します。

・ピンセット……細かいトーンを剥がしたりするのに使います。
・トーンベラ……トーンを原稿用紙に貼り付けるのに使います。
・カッター……こちらはカット用。
・カッター……こちらは削る用。
・バレン……トーンベラよりも広い範囲を貼り付けるのに使います。


 私はトーン作業をする際には、トレース台を使っています。その方が原稿の線が見やすいからです。

torn3.jpg
 これがトレース台を使っていない状態。

torn4.jpg
 これがトレース台を使っている状態。
 この画像は使っているトーンが61番というそれほど濃くないトーンなので「トレース台を使わなくても出来なくはない」ですが、これが濃いトーンだと原稿の線が全然見えません。トレース台には、そういう時に原稿の線が見やすくなるという使い道もあるのです。目は疲れますけどね。

torn5.jpg
 それでは、実際にトーンを貼っていきましょう。
 まずは羽ぼうきで原稿にホコリやトーンカスがない状態にします。その上から、少し大きめに切ったトーンを載せます。トーンは値が張るからと言って、ケチってギリギリの大きさで切ろうとすると後で痛い目を見ます。

torn6.jpg
 次に当て紙を載せて(トレース台-原稿用紙-当て紙、の順になる)、その上からトーンベラで「最終的にトーンが残る部分」をこすっていきます。トーンの仕組みを知らない人にも分かるように説明すると、トーンの片面には透明な接着剤の粒のようなものが付いていて、上からこすることでその粒が潰れて紙とくっついてくれるのです。

 ただ、この時点では「仮止め」くらいのカンジで軽くこする程度にしておきましょう。本気でこするのはカットが終わってから。


torn7.jpg
 「仮止め」が終わったら、トーンを削る部分を先に削っておきます。
 例えばここは夜景のシーンなので、光を放っている窓の部分のみ「トーンが要らない」んですね。1枚1枚の窓をカットしていっても良いのですが、時間がムチャクチャかかるのでトーンの模様のみ削っていくのです。

 慣れるまでは上手くいかないと思うので、ガチ初心者の人は練習してからの方がイイと思います。コツはカッターを立てるのではなく寝かせるカンジで。表面だけをなでていく感覚かな……「トーンの削り」をどういう場面で使うのかは、また後でも触れます。


torn8.jpg
 ハイ、削り終わりましたー。
 削ったトーンカスが大量に出ると思うので、羽ぼうきでキレイにしておきましょう。トーンカスが原稿に残ったままだと、次のコマにトーンを貼る際に下に入っちゃって大惨事になりかねませんからね。


torn9.jpg
 んで、いよいよ「カット」です。
 ここの場面はコマ全部にトーンを貼るので、枠線に沿って切っていきます。


torn10.jpg
 出来ました!
 再び当て紙を載せて、トーンベラかバレンでこすって完全に定着させます。


torn11.jpg
 アナログでトーンを貼るのが久々だったので忘れていたのですが、「定着させたら終わり」ではありませんでした。最初にトーンを大きめに切って、「仮止め」をした際に付いた接着剤が、多少ですが原稿用紙に残ってしまっていることでしょう。
 トーン1枚くらいならば大丈夫なのですが、こっちのコマにトーンを貼って、こっちのコマにもトーンを貼って、髪の毛もトーン、服もトーン、影もトーンで付ける……とやっていくと、1箇所に何度も何度も「仮止め」の接着剤が貼り付けられることになってしまいます。原稿がベタベタになるので、放置しているとそこにホコリとかが結構付いちゃうんですね。

 なので、キレイな消しゴムで軽くこすって「仮止め」の接着剤を剥がしていきます。ベタベタがなくなったなと確認できたらようやく完成です。次の箇所に移りましょう。



【カットと削りについて】
 マンガを描き始めた頃、私は本当に何もよく分かっていなかったので「トーンを削る」という意味が分かっていませんでした。なので、トーンは全て線に沿ってカットしていたんですね。「トーンを載せたいところ」に沿って切る―――それが一番簡単な方法だろうと思ってそうしていたのです。

 アホでした。

 時間の無駄でした。労力の無駄でした。
 さっきトーンを貼ったのは「コマ全部」でしたが、トーンが貼られるのはあんな風に楽な箇所ばかりではありません。細かい場所にトーンを貼ろうとすると、上手くカット出来なかったり、何かの拍子で剥がれてしまったり、カットの際に必要な部分も欠けてしまったりすることがあります。

 なので、細かい箇所にトーンを貼る際には、「大きめにトーンを貼って」「トーンが要らない場所は模様だけ削ってなくす」のです。


torn12.jpg
 とりあえず、一例として警部のスーツにトーンを貼っていきましょう。

torn13.jpg
 大きめにカットして、とりあえず「仮止め」でこすっておきます。


torn14.jpg
 まず分かりやすいところ。「ベルトの金具」はスーツの模様とは違う色になるので、トーンを削っておきます。さっきの「夜景のシーンで光る窓のところだけトーンを削った」のと同じようなものです。
 ちなみにベタの上にトーンは貼っても大丈夫です。コピー→スキャン→トーンカーブをかける間に「ベタ」として認識されるようになります。なので、私はキャラデザの段階で「このベルトはベタにすればトーンを削る箇所が少なくて済むな」と考えてデザインしています。


torn15.jpg
 次に分かりづらいところ。
 女のコの周りに「白抜き」がされているので分かりづらいのですが、この太い線は警部の左脚の線なのです。なので、ここにもスーツと同じ模様のトーンを貼らなければなりません。でも、この小ささにカットすると他の箇所にトーンを切り貼りしている際に一緒に剥がれてしまう可能性が高いです。
 なので、画像の白くなっている部分を全部カッターで削りました。この大きさにカットすれば、何かの拍子で剥がれる可能性は低いですから。


torn16.jpg
 もういっちょ。画面のレイヤーとしては、「手前:女のコ」「奥:警部」という位置関係なので、飛び石のようにトーンを貼らなければならないところが出てきます。しかし、この飛び石の部分にカットすると先ほどの例のように他の箇所にトーンを切り貼りしている際に一緒に剥がれてしまう可能性が高いです。

 なので、女のコの髪の毛の部分は「トーンの模様だけ削って」「カットする際には残す」ことにしました。こうするとトーンは貼ってあるのに模様は削ってあるので、トーンが貼られていないように見えるんですね。


torn17.jpg
 どこを剥がしてどこを残すのかをよく考えながらカットして、出来上がり!
 消しゴムで接着剤を剥がすのを忘れずに。



torn18.jpg
 さっきのは「飛び石」のように細かい箇所が出来てしまったところですが、こっちの画像のように「最初から小さい絵」に貼る時も大きめにカットして模様だけ削ります。このトーンは腕とウェストの部分にのみ貼りたいのですが、それだけだと小さいのでスカートのヒラヒラ部分の二段目までを削りました。


torn19.jpg
 その後、カットして不要な部分だけを剥がして―――


torn20.jpg
 こんなカンジになります。
 模様を削ると、どこまでトーンが貼ってあるのか分からないものです。「トーンを削る」技術があれば、細かいカットなんてしなくて済むのです。

 トーンをどこまで削って、どの大きさでカットするのかは、その都度その都度判断していくしかありません。「削り始めたけどものすごく時間かかるなぁ」とか「削るの面倒くさいからカットしたけど、逆に時間かかっちゃったな」ということもしょっちゅうです。この辺の判断は経験して身に付けていくしかないですね。



tone-erohon.jpg
 その他、今回の『おっぱい泥棒vs.うんこマン(仮)』では使いませんでしたが、「トーンを削らなければ出来ない表現方法」を過去作品での作例を使って幾つか紹介しておきます。
 まず「雲」。青空にトーンを貼り、その中を削ることで「雲」を表現していきます。貼るトーンの濃さや、削る雲の形状で時間帯や季節感を表現することも出来ます。


tone-continue.jpg
 これは、朝の部屋に差し込む「光」です。
 『マンガは描ける!』の中でも「影を描くことで光の強さを表現できる」と書きましたが、ここも「光」を描くために一旦トーンを貼って部屋を暗くしてから、トーンを削ることで「光」を表現しているんですね。


tone-shine.jpg
 光の表現と言えば、ここも。
 髪の毛や服のトーンを削って「強い光があたっている」ことを表現していますが、それだけでなく上のコマでは「まず斜線のトーンを貼って影を表現」「それを削って強い逆光があたっている」ことを表現しています。光を表現するために、まずは影から表現するんですね。

 余談ですけど、森の葉っぱのトーンはグラデーションのトーンを使っていますね。
 私あんまりグラデーションのトーンは好きじゃないんですけど、こういう光の当たり具合を表現するためには欠かせないトーンではあります。


tone-command.jpg
 あとは、スピード感を出すために削ることもあります。
 縮小したことでちょっと分かりにくくなっちゃったかもですが、1コマ目の青石くんの髪は集中線と同じ方向に削ってあります。こうすることで画面全体で読者の視線をそっちに動かしているのです。



【トーンを重ねて貼る場合の話】
 今回の夜のシーンのように、人物の上にもトーンを貼る場合は「トーンの上にトーンが貼られる」ことがあります。以前の私はこれを嫌って、夜のシーンでも人物の部分は切り抜いてトーンを貼っていた時期がありました。

tone-asakuru.jpg
 人物の上にはトーンが載っていないことが分かると思います。
 これは、わざわざ人物の形に沿ってトーンをカットしていたんです。


tone-command2.jpg
 しかし、それでは時間がかかるということで、最近ではもう人物の上にトーンが載っちゃってイイやと貼っています。この方が楽だし、陰影も不自然ではなくなります。今では「昔の自分はどうしてあんなことをしていたんだろう……」と疑問なくらいなのですが。



 このように人物の上にもトーンを貼る場合は「トーンの上にトーンが貼られる」ことがありますし、その場合「モアレ」と呼ばれる別の模様が発生することがあります。
 自分はつい最近まで仕組みがよく分かっていなかったために、比較的新しい作品であっても「モアレ」が発生しちゃっている場面があります。「でも、これは仕方ないことなんだな」と思っていたんですね。どうすれば「モアレ」が防げるのかなんて誰も教えてくれませんでしたから。


torn21.jpg
 それでは、うんこマンのスーツにトーンを貼っていきましょう。
 夜のトーンは61番、うんこマンのスーツは63番を使っていきます。


torn22.jpg
 これが「モアレ」が発生している図です。
 トーンを重ねて貼っているところに、斑点のような模様が発生しているのが分かるでしょうか。これが「モアレ」です。どうして「モアレ」が発生するかというと、2枚のトーンの角度が微妙にズレているからです。同じ線数の網トーンを重ねて貼れば本来ならピッタリ重なり合うはずなのに、その角度がズレてしまっているために「モアレ」が発生するのです。


torn23.jpg
 ということで、角度をしっかり見極めて「モアレ」が発生しない向きにして貼ればこの通り!「いや……ちょっと残っていない?」と言われても知りません!私の目に判別できないくらいならイイのですよ!

 重ねて貼る場合、小さい箇所の方が角度を調整しやすいため―――私は基本的にトーンは「大きなところ」→「小さなところ」の順に貼っていきます。「夜のトーン」→「空のトーン」→「葉っぱのトーン」→「髪のトーン」→「服のトーン」みたいな順番です。これは切り貼りした時に、前に貼ったのが一緒に剥がれないようにという理由もありますけど。




torn24.jpg
 ここまで「モアレ」が悪いもののように話を進めていましたが、演出のために敢えて「モアレ」を出す人もいます。このケースはちょっと「モアレ」とは違うのですが……このシーン、夜のトーンは「61」、パンプキンパイのマスクのトーンも「61」なんですよ(スカーフは「63」)。

 61番のトーンの上に、ピッタリと61番のトーンを貼った場合、厳密には「貼っていないのと同じ」ように重なり合ってしまうはずです。なので、ここでは敢えて位置を少しだけズラして貼っています。そうしないとマスクのトーンが分かりませんから。
 まぁ、アナログで貼っている場合は「ピッタリと貼る」のはスーパー難しいと思うので気にしなくてもイイと思いますが、デジタルで貼っていると設定上は勝手に「ピッタリと貼る」ようになっています。「重ねて貼っているはずなのにトーンが消えちゃっているなぁ……」という事態になっちゃうんですね。そのことに、今この文章を書きながら気付きました(笑)。



【トーンの種類】
 最後に、簡単に私が主に使っているトーンを紹介します。
 世の中にはものすごく膨大な種類のトーンがあって、私が使っているのはその中のごくごく一部だけです。演出にそのまま使えるような柄トーンは使っていませんからね。お金が勿体ないから今までは買えなかったけど、デジタルに移行したから今後はそういうのもガンガン使えるんだな……という話は置いておきましょう(笑)。

【網トーン】
torn10.jpg
 点々のトーンです。最も基本的なトーンですね。
 私が主に使っているのは、アイシーの「60」「61」「62」「63」「65」辺り。アイシーでは「61」「62」「63」は廉価版も出ているのでそっちを使うことの方が多いです。

 「61」とか「62」が何のことかというと、「線数が60」で「濃度が10%」なものが「61」番のトーンということです。線数は「1インチの幅の中にある点の数」、濃度は「1インチ四方中の黒い部分の割合」だそうです。
 線数が同じトーンならば、濃度が違ってもピッタリ合わせればモアレが発生しません。


【砂トーン】
torn17.jpg
 「網トーン」が規則正しい並んだ点々だったのに対して、「砂トーン」はランダムな模様なのが特徴です。そのため「モアレ」を起こさないそうです。私が主に使っているのは、アイシーの「151」「154」辺り。


【線トーン】
torn25.jpg
 平行な線が並んでいるトーンです。ここでは斜めにして使っていますね。
 私は影の演出によく使っています。自分が持っているのを調べたら、アイシーの「124」「129」「130」、廉価版の「1216」「1217」を使っているみたいです。「1216」はお気に入りで、ここで貼っているのもこれかな?


【グラデーショントーン】
 ここからは今回は使わなかったトーン。過去の作例から見ていきましょう。

tone-shine2.jpg

tone-shine3.jpg

tone-shine4.jpg
 グラデトーンはあまり好きじゃないと書きましたが、これでしか表現できないものがあるので使う時は使います。線数はそのままで濃度がグラデーションのように変わっているトーンのことで、夜の闇を表現したり、回想シーンへの導入に使ったり、朝日や夕焼けのシーンにも使っていますね。
 私が使っているのは、アイシーの廉価版「1231」「1232」「1233」辺り。今まで気にしていなかったのですが、線数が「60」なので、網トーンの「60」「61」「62」「63」「64」「65」と組み合わせてもモアレが起こらないようになっているんですね。廉価版が出ているのは人気のトーンでしょうから、なるほどそういう仕組みなのかと思いました。


【ホワイトトーン】
tone-continue2.jpg
 私の大好きなトーン!
 以前「エロ画像に走査線を入れる加工をすると、ビデオを撮られているような画像になって興奮する」ということが話題になりましたけど、それに近い論理で「何の変哲もないコマもホワイトトーンを上に載せると回想シーンに見える」というテクニックです。

 ホワイトトーンには「網トーン」「線トーン」「グラデトーン」など様々なタイプのものがありますが、私は上の理由から「線トーン」タイプのホワイトトーンを好んでよく使っていますね。アイシーでは「WS-128」というものらしいですが、持っているものを確認したところ、他のメーカーのものも何種類も買っていたみたい。アイシーのだと濃度が気に喰わなかったんですかね。




 トーンについて語りたかったのは、大体こんなもんだったと思います。


torn26.jpg

 ハイ、トーン作業終了しました!

 この作業のために『Splatoon』のフェスは途中で諦めました。恐ろしく戦績が悪かったためにポイントが溜まらず、「えいえん」を目指すほどプレイするとトーン作業が時間までに終わらないなと判断したからです。まぁ……正直、そろそろ『Splatoon』ももうイイかなと思ってきたのでいい機会になりました。


 さてさて、8月から続けてきたこの企画も11週かけて、ようやくここまで来ました。
 次週―――いよいよ感動のフィナーレです。


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じゃあ、実際にマンガを描いてみよう!その10~ベタ塗り編~

 あー……
 こんなことは書くべきではないのかも知れませんが……


 今週、とても「ブログを書きたくない」気分です!
 というのも、先週がアニメ感想まとめの週で「ほぼ毎日ブログ記事を更新しなければならない」日々が続きまして、それがようやく終わったという“燃え尽き”感がすさまじくて。もう2ヶ月くらいブログ書きたくない気分です。3ヵ月後にはまたアニメ感想まとめの週が来るんですけどね!

マンガは描ける!絵が描けない人でも
マンガは描ける!絵が描けない人でも
1.企画を立てる
2.プロットを考える&シナリオを書く
3.コンテに起こす
4.キャラクターをデザインする
5.ネームを描く
6.下描きをする
7.ペン入れをする(前編)
8.ペン入れをする(後編)
9.消しゴムをかける&修正する
10.ベタを塗る←今週はココ!
11.トーンを貼る
12.スキャンしてセリフを入れて完成!


 まぁ……そういうワケにもいかないので、書きます。
 どんなに気分がノらない時も、落ち込むようなことがあった時も、気にせずに書かなければならないのが「定期更新」なのです。


 今週は10週目の「ベタを塗る」作業です。

【使用する道具】
・面相筆
・墨汁
・丸ペン
・インク
・余った紙(原稿用紙を汚さないため用と、インクの出を確認する用)
・ティッシュ(筆のインクを拭く用)
・鉛筆(ツヤベタする場合は)



 まずは画材から。


beta1.jpg
 筆は「面相筆」と呼ばれる、先の尖った筆を使っています。
 メーカーにこだわりはありませんが、太さが違うので使う場面場面によって使う筆も持ち替えたりします。

beta2.jpg
 ベタには「墨汁」を使っています。100円ショップで売っている安いの。
 一度に大量に使うことは稀なので、ちょこっとずつ出して使っています。

 印刷に出す場合は「ムラがある」とか「インクが薄い」とかもそれほど気にすることではない―――とマンガを描き始めた頃にアドバイスをされたこともあるのですが、私はどうしてもそれが心配になってしまうのです。ペン入れに使っている「製図用のインク」だとムラが出来てしまったり、「筆ペン」とかだとインクが薄いように思えてしまったりするので……一番濃く、ムラの出ない「墨汁」を使うようになりました。


 ただし、「墨汁」は乾くまでにちょっと時間がかかるので、塗ったばかりのところに手を付いてしまって大惨事になりかねません。複数のページを同時並行に乾かしながら塗っていくなどして、原稿を台無しにしないように気をつけましょう。


beta3.jpg
 気をつけても、こうなっちゃう時もあるんですけどね……


beta4.jpg
 ちょっとのはみ出しならば「修正液」で何とかなります!
 詳しくは先週分を読んでくださいね!





 さて、ここまでは教科書的な話。
 ここから先は、「教科書に反する」話ですし、恐らくマンガを描いている人の間でも推奨されていない話だと思います。私も多分これをどこかに書くのは初めてです。今までは頑なに書かないようにしていました。日本一モテナイ日々を赤裸々に語ったり、チ●コが小さいことを惜しげもなくネタにしたりしている私でも、これは恥ずかしくてどこにも書けませんでした。


 私、筆でベタ塗り出来ないんですね。
 広いところならば出来るんですが、細かいところなんてムリムリムリムリ。
 何度も頑張って練習した時期もあるのですが、どうしてもはみ出してしまうのです。

 なので、私……細かいところのベタは丸ペンで塗っちゃっています。
 ペン先は広がっちゃうし、時間もかかるので、「マンガの描き方」的な本やサイトでは推奨されていないと思うのですが……丸ペンなら細かいところも自在に塗れるし、仮にペン先が広がったとしても、面相筆を買い換えるよりかはローコストですし、私はこれで困ったことはありません。ベタ塗りはデジタルに移行した今も、細かい部分は丸ペンで塗っちゃってからスキャンして→デジタルでベタ塗りとしています。


beta5.jpg
 例えば、警部のこの尖った髪の先。


beta6.jpg
 筆だと難しそうな尖った部分は、事前に丸ペンで塗っておいて……


beta7.jpg
 その後に、広い部分は筆で塗る――――ってカンジでやっています。





beta8.jpg
 今更ですが、「ベタを塗る箇所」が分からなくならないように、分かりづらいところはペン入れの時点で「ベ」という印を付けておきます。確か、一般的には「×」印が使われることが多いんだったと思いますが、「×」印はパースの消失点とか集中線の中心点にも使われるし、絵の中にも出てくる模様なので……私は他ではあまり使われない「ベ」という印にしています。

 「アシスタントに指示するワケでもないんだから、一人で作業する場合は印なんて要らなくない?」と思われるかもですが、意外に描いた本人でも「どこがベタだっけ……」と分からなくなるもんです。特に「人物」の奥に「人物」がいるコマだと、この線が一体何の線なのかが分からなくなったりするんですよ……
 また、ベタを塗っている最中も、原稿をグルグル回しながら塗っていると、「ここは半分まで塗って残りの半分も塗るんだっけ?それともこれで全部塗っている状態なんだっけ?」と分からなくなることもあります。そういう事態を避けるためにも、「べ」という印を付けるクセをつけておくと後で困りません。


beta9.jpg
 後は、印を付けたところを根気よく塗っていきます。
 それだけ!「根気よく頑張る」以上のテクニックがないのがベタ塗りです!!



beta10.jpg
 ベタ塗りの話題では一番の大ネタ「ツヤベタ」について語ります。
 女のコの黒髪に光があたってツヤが出来ている様を見せる演出方法です。


 この「ツヤベタ」のやり方は幾つかあって……

・ベタを塗る際に光があたっている部分を塗らないことでツヤを出す
・一旦ベタを全部塗って、乾かしてから、その上にホワイトを塗ってツヤを出す


 この二つが一般的ですかね。
 私はどちらも出来ません。前述したように私は筆を思ったように扱うのが苦手なので、筆だと「先を尖らせる」ことが何度練習しても上手く出来なかったんです。


beta11.jpg
 なので、私がやる方法は「邪道」な方法だとは思いますが……
 まず鉛筆で「髪の毛の流れ」と「光があたっている箇所」の目安を印します。


beta12.jpg
 その流れに沿って、丸ペン2でジグザグを描き込みます。
 昔はこのジグザグを「鉛筆で描く→丸ペンでペン入れ」としていましたが、時間短縮のために今は鉛筆は目安だけ描き込むようになりました。


beta13.jpg
 あとは、これを塗るだけ。
 多少の時間はかかるので推奨はしづらいですが、筆使いが苦手な人でもこれならばツヤベタを作れます。


beta-kakeru.jpg
 ちなみに、『マンガは描ける!』では「ツヤベタ」は別の方法で作っています。
 『マンガは描ける!』はペン入れして消しゴムを描けた以降の作業はデジタルで行っているため、デジタルでベタを塗る→その上から濃度を調整した白のスプレーで頭の丸みが出るように描きました。これは超簡単。時間もかかりません。




beta14.jpg
 あと、「ベタ塗り」で書いておいた方がイイ話は……
 遠近感をつけるためには、遠くにあるものは「敢えてベタを塗らない」で斜線にするというのもテクニックかな。空気遠近法ですね。



beta15.jpg
 ハイ、完成です!


 ベタは「画面を引き締めてくれる」とか「線のヘボさを隠してくれる」なんて言われていて、実際「消しゴムをかけた直後の原稿」はやたら白く情けなく見えるのだけど、ベタを塗った途端に絵がカラフルに見えてくるんですよ。黒しか塗っていないのに。
 なので、キャラクターデザインをする際にはムリヤリにでも「どこかにベタの要素をぶちこむ」ようにしています。黒髪とか、学ランとか、セーラー服とかはベタを塗る場所が多いので重宝しますね。


 あと、アナログ時代は「ベタは安い」のに助かっていました。
 スクリーントーンはとにかくお金がかかります。1枚数百円もするのに、1種類だけ買えばイイというワケでもないので10種類買ったらもう数千円ですよ。広く貼らなきゃいけないところはお金がかかるし、狭く貼らなきゃいけないところは剥がれないように苦心するし、トーン作業は大嫌いな作業でした。

 ベタは筆と墨汁だけでどこでも塗れるし、コストパフォーマンスも高いです。100円ショップで買った墨汁を何年もかけて使い切るくらいのペースです。貧乏人の味方!それが「ベタ塗り」だ!!


 まぁ、デジタルを導入してからは、トーンも「どんだけ貼っても同じ値段」になったのでベタのありがたみも以前ほどじゃなくなっちゃいまいしたけどね……さぁ!来週はトーン貼りだ!アナログでやるの、嫌だなあああああああ!

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じゃあ、実際にマンガを描いてみよう!その9~消しゴム&修正編~

 今週は作業自体はそんなに大変じゃなくて、早々に終わってくれたのですが……ブログの方が「アニメ感想まとめ」の週でものすごく時間を取られてしまいました。本当は1週間に5本記事を書く予定だったのが、時間が足りなくて4本しか書けなかったくらいなので……

 今日のこの記事も、時間の余裕がない中に書き始めております。
 しかし!そもそも今週はあまり書くことがないのであった!消しゴムかけて、修正液を使うだけだから、テクニックもなにもあった話じゃありませんからね。良かった、今週「ペン入れ編」じゃなくて……

マンガは描ける!絵が描けない人でも
マンガは描ける!絵が描けない人でも

1.企画を立てる
2.プロットを考える&シナリオを書く
3.コンテに起こす
4.キャラクターをデザインする
5.ネームを描く
6.下描きをする
7.ペン入れをする(前編)
8.ペン入れをする(後編)
9.消しゴムをかける&修正する←今週はココ!
10.ベタを塗る
11.トーンを貼る
12.スキャンしてセリフを入れて完成!


 いよいよゴールが見えてきましたねー。
 今回は9週目の「消しゴムをかける&修正する」です。

【使用する道具】
・消しゴム(下書き消し用)
・羽ぼうき
・余った紙(原稿用紙を汚さないため用と、インクの出を確認する用)
・キレイな紙(消しゴムの汚れを取る用)
・修正液
・丸ペン
・定規
・ティッシュペーパー(ペンのインクを拭く用)




keshigomu1.jpg
 時間がないので、ちゃっちゃと消しゴムをかけていきまーす。
 「消しゴムをかける」ということがよく分からない人もいると思うので説明すると、「下描き時の鉛筆の線だけを消す作業」です。

 「下描きの上からペン入れするんだから、消しゴムかける必要なくない?」と思われるかもですが、画像の通り下描きには「ペン入れをしない線」もたくさん描き込まれているのです。コマの外、フキダシの中、目安となる線、集中線の中心点などなど……
 もちろんペン入れは必ずしも下描き通りにはいかない(or敢えてそうしない)場合もありますし、とにかくペン入れが終わった後の原稿用紙には鉛筆の線がたくさん残るんですね。これを消していきます。


keshigomu2.jpg

 私が使っているのは、シードという会社のコミケシ「下書き消し用」を使っています。Amazonのリンク貼ってみましたが、メーカーのHP見ると定価は150円+消費税だったんですね。9月27日現在の価格だと、Amazonはちょっと高い。知らんかったです。今まで高い価格で買っていました。

シード コミケシ 下書き消し用 CK01
シード コミケシ 下書き消し用 CK01

 なんと、この消しゴム――――「マンガの下描きを消す」ためだけの専用消しゴムなのです。マンガを描かない人には「そんなものが存在するとは……」と驚きなことでしょう。
 私はマンガを描き始めてからしばらくは普通のプラスチック消しゴムで消していたのですが、ものすごく時間がかかるので消しゴム作業がホント大嫌いだったんですね。しかし、この消しゴムに出会ってからは「一気に広範囲を消せる」ことが出来るようになって、時間も精神的負担も軽減できるようになりました。

 ただし、力を分散させて消す消しゴムなので、濃く残っちゃった線を消すのとかにはそんなに向いていないという弱点はあります。


 消しゴムも消していくとどんどん汚れていきます。あんまり心配することでもないのかも知れませんが、万が一でも原稿を汚したくないので私は「キレイなコピー用紙」を置いといて消しゴムの黒くなった部分をそこで落としながら原稿用紙の線を消しています。

 出てくる大量の消しゴムのカスは、羽ぼうきでゴミ箱に。
 羽ぼうきは消しゴムのカスに限らず、机の上や原稿用紙の上をキレイにしてくれるものなのでアナログでマンガを描く際には持っておきたいアイテムの一つです。使わない人は全く使わないらしいですけど。

ウチダ 羽根箒 小 1-825-0200
ウチダ 羽根箒 小 1-825-0200



keshigomu3.jpg
 とりあえずは消しゴムかけ終わりました。
 「とりあえずは」というのは、また後で。



keshigomu4.jpg

 次に修正液で「はみだした部分」を消していきます。
 画像の通り、ペン入れの線は「線の勢いを殺さないように」コマの外やフキダシの中から描き始めている線も多いんですね。これらを修正液で消していくのです。


keshigomu5.jpg
 こんなカンジ。
 私が使っているのはライオン事務器から出ているミスノン修正液です。これもAmazonだとちょっと高いんですね。送料分か。

ライオン ミスノン 20ml
ライオン ミスノン 20ml

 色んなメーカーの色んな製品を試した時期もあるのですが、最終的にはこれ一つに落ち着きました。「修正液」じゃなくて「ホワイト」を使ったり、水で薄めてGペンに付けて描くように消したり、色々やってみたのですが……どれもあんまり上手くいきませんでした。


keshigomu6.jpg
 自分は右利き&右目の視力がほぼないため、右側から左の線に沿って線を消すのは得意なのですが、左側から右の線に沿って線を消すのは苦手です。

keshigomu7.jpg
 なので、修正液も原稿用紙を回転させながらかけています。
 自分の得意な角度で原稿を仕上げていく―――ペン入れの時にも書きましたが、原稿のクオリティが最優先なので出来ることは何だってしましょう。


 んで、この際に「消しゴムの消し忘れ」も見ます。というのも、原稿って一方向から見ているだけでは見落としている部分もあるんですね。回転させて見てみると「こんなとこ消し忘れてるじゃん」と気付くことも多いです。


 ということで、私は
 正面から消しゴムをかける→右側にはみ出した箇所を修正液かける→乾かしている間に他のページのをやる→原稿用紙が乾いたら、原稿用紙を90度回転→この方向から消しゴムの消し忘れをチェック→上側にはみ出した箇所を修正液かける→乾かしている間に他のページのをやる→原稿用紙が乾いたら、原稿用紙を90度回転→この方向から消しゴムの消し忘れをチェック→左側にはみ出した箇所を修正液かける→乾かしている間に他のページのをやる→原稿用紙が乾いたら、原稿用紙を90度回転→この方向から消しゴムの消し忘れをチェック→下側にはみ出した箇所を修正液かける

 というローテーションで、消しゴムと修正液をかけています。



keshigomu8.jpg

 修正液はインク以上に乾きやすく、固まりやすいです。
 開封直後はサラサラで消しやすいのですが、時間が経つとドロドロになって「原稿用紙の上に盛られる」カンジになってデコボコしてしまいます。後述しますがその上からまたペン入れをしたり、トーンを貼ったりもするので、あまりデコボコにならないように修正液も状態に気をつけたいです。

 「水で薄める」ということも色んなところで聞くのですが、自分はこれが苦手で「薄くなりすぎて白くならなくなってしまった」こともあります。ライオンのじゃなくて、他のメーカーの「水で薄められます」って製品でも上手く出来ませんでした。
 なので、ペン入れ同様に「余っている紙」に出してみて、どのくらいドロドロなのかを確認したり、ドロドロな部分を落としてから原稿用紙に使ったりしています。


 また、写真に載せた通り、ハケは凸の形状になっています。
 「筆」の先の尖ったとこで消そうと思ってハケを寝かしすぎると、その下の芯の部分(?)が原稿用紙に触れちゃって「全然関係ないところが白くなっちゃった!」ということにもなるので気を付けてください。




keshigomu9.jpg
 次に「白抜き」について。
 簡単に「白抜き」をする方法は先週書きましたが、集中線など線の勢いを殺したくない場面ではどうしてもその方法は使えません。なので、こういう場面は、あんな邪道な方法に頼らずに「修正液で周りを縁取る」という真っ当な方法でやりましょう。

 この際に気をつけるのは、「内側」ではなく「外側」をキレイにそろえること。
 コマの外やフキダシの中にはみだした線を消す際は線に沿って消していきましたが、「白抜き」は線に沿うのではなく「外側にある見えない枠」に沿うイメージで消していきます。書いてて思いましたけど、慣れない間は鉛筆で囲っちゃってその線に沿うのでもイイかもですね。

keshigomu10.jpg
 ハイ、出来ました!!


 「ガタガタじゃん!」って思ったことでしょう。
 そうです、私「修正液」苦手なんです。アシスタントとか出来ません。自分のマンガも、最近は「アナログでやるのは消しゴムまで」「修正以降はデジタルで」やるようになったのはこのためです。

 ただ、別にこれでイイんです。
 「修正液」ですからね。これが乾いた後に、また上からペン入れしてしまえばイイんですよ。



keshigomu11.jpg
 修正液、かけ終わりましたー。


keshigomu12.jpg
 しかし、キレイに修正液をかけられなかったところはガタガタになってしまいましたね。


keshigomu13.jpg
 なので、修正液が乾いた上からまた「ペン入れ」をしてあげればイイのです。


keshigomu14.jpg
 先ほどの集中線の「白抜き」もこんなカンジに仕上がりました。


penire21.jpg
 これは先週の「ベタフラ」の画像。

keshigomu15.jpg
 修正作業を終えるとこんなカンジ。
 「マンガになってきた!」って思えますよね。



 消しゴム&修正作業って、「描いたものを消す」作業だからそんなに楽しいものではありません。特にマンガを描き慣れない人は、「消しゴムをかけた直後の原稿」はショックを受けてしまうことも多いんじゃないかと思います。下描きの時点では描き込まれていた線が消えることで物足りなく感じますし、ペン入れした線が心もとなく見えてしまうものです。

 でも、「ラフ」だったものがちゃんと「マンガ」になるためには大切な作業なのです。修正作業が全部終わった時、それが下手くそに見えようがなんだろうが、「マンガだ……」と思えてきます。このマンガは今まで地球上に存在していなかった、自分が頑張って描いたからこそ生まれたものだと考えると感動的じゃないですか。


keshigomu16.jpg

 全ページ、修正作業終了!!

 来週はベタ塗りです!
 そして、その次が一番やりたくないトーン貼りだ!!


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| マンガは描ける! | 17:56 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

じゃあ、実際にマンガを描いてみよう!その8~ペン入れ・実践編~

 当たり前のように、今週もこの記事を書き始めた土曜日夕方時点でペン入れは終わっていません。でも、今週はまだ余裕があって日曜日の午前中には終わりそうなので、この記事がアップされる日曜日の夕方にも終わっていないということはないと思います。普段はどんだけギリギリなんだよって話ですが。


 こうしてデスマーチは続いていく……


マンガは描ける!絵が描けない人でも
マンガは描ける!絵が描けない人でも

1.企画を立てる
2.プロットを考える&シナリオを書く
3.コンテに起こす
4.キャラクターをデザインする
5.ネームを描く
6.下描きをする
7.ペン入れをする(前編)
8.ペン入れをする(後編)←今週はココ!
9.消しゴムをかける&修正する
10.ベタを塗る
11.トーンを貼る
12.スキャンしてセリフを入れて完成!


 ペン入れに使う画材の話や、「そもそも本当にペン入れは必要なのか?」という話は、先週書いちゃったのでそちらをどうぞ。今週は更に更にマニアックな「実際にペン入れをしていく際の話」を書こうと思います。



 今回は8週目の「ペン入れをする」です。

【使用する道具】
・Gペン、丸ペン
・インク
・マーカー(枠線用)
・定規
・余った紙(原稿用紙を汚さないため用と、インクの出を確認する用)
・ティッシュペーパー(ペンのインクを拭く用)
・鉛筆



◇ まず知っておきたい「自分の体」のこと
 絵を描かない人に「ペン入れなんてただ線なぞるだけじゃん、なんでそんな時間がかかるの?」と言われたことが何度もあります。
 私も自分でマンガを描くまでは同じようなことを思っていました。初めてマンガを描く前、「マンガを描くのは初めてだから下描きには2~3ヶ月はかかっちゃうかもだけど、ペン入れは線をなぞるだけだから1週間もあれば30ページくらい余裕で出来るだろう」なんてスケジュールを組んでました。無知って怖いですね。


 まず大前提として知らなければならないことは、

 人間は疲れると「マトモな線」なんて引けなくなるということです。人間の体は筋肉で動きます。絵を描くための動きも筋肉を使います。言ってしまえば、「絵」は筋肉が描くんです。1日中ずっと机に向かってペン入れをしようとしても、あっという間に筋肉は疲労して狙い通りの線なんて引けなくなります。

 例えば、野球のピッチャーは「1球だけすごい球を投げられる」だけじゃダメですよね。先発ピッチャーならば100~130球くらいは投げなければいけません。リリーフピッチャーも1イニングを投げるのなら30球くらいは投げられなければダメでしょう。ワンポイントリリーフであってもファウルで粘られることを考えれば10球は投げなければいけません。

 マンガ描きもそうなんです。
 「思い通りの線を1本引く」のはきっと誰にでも出来ます。しかし、1本の線だけでマンガは完成しません。何百本、何千本、何万本もの線を引いて、ようやくマンガは完成されるのです。マンガを描くということは「何百本、何千本、何万本という線を引く持久戦」なんです。


 「ペン入れなんてただ線なぞるだけじゃん、なんでそんな時間がかかるの?」と言う人は、これをイメージしていないんです。1本だけならそりゃ確かにちゃちゃっと引けますよ。でも、それを1日中は続けられません。

 「今日は8時間ペン入れをするぞー!」と8時間ずっと机に向かったとしても、私の場合「ベストな線が引ける」のはせいぜい30分くらいです。残りの7時間30分は筋肉が思ったように動かないので、狙ったような線なんて引けません。
 しかし、1日30分ずつのペン入れではマンガは完成しませんから、「狙ったような線なんて引けない」状態でも何とかペン入れをしてマンガを完成させるしかないのです。

 では、実際にどうやって「狙ったような線なんて引けない」状態でマンガを完成させているのかの話をしていきます。



penire1.jpg
 一つには、「体がしっかり動く」時間帯に「大事なところを優先してペン入れする」こと。

 私の場合、最優先にしているのは「女性の頬」です。
 私の体は疲れてくると、「曲線」を引こうとしても体が楽をしようとして丸みを失った曲線になりがちなんですね。この状態で「女性の頬」を描こうとすると丸みがなくなり、頬がこけたようになって、極端な話「女性に見えなくなる」のです。だから、体がしっかり動く時間帯に「女性の顔」だけを次々にペン入れしていくのです。

 後は、男女問わず「キャラクターの口」も優先してペン入れをします。口は感情を表現する部位ですから、ちょっと線がズレて口角が上がってしまっただけで“意味”が変わってしまうのです。だからここも優先するのですが、口だけを先にペン入れをするとバランスがおかしくなることもあるので、やはり「キャラクターの顔」を優先的にペン入れをしていくってカンジですかね。

 その他だと、「まっすぐな長い線」も疲れてくると難しいです。さっきの話とは逆の話になっちゃうのですが、「直線」も疲れている時に引こうとするとヘナヘナな線になりがちです。定規を使えば問題はないのですが、私はなるべく定規を使わないフリーハンドで背景を描きたいので、背景の「まっすぐな長い線」も優先してペン入れをしますね。


 逆に、「服」とか「木」とかは後回しにして、疲れている時間帯にペン入れすることが多いです。



 その他に心がけていることは、「休憩をちゃんと取る」ということです。
 こんなのテクニックでも何でもありませんが(笑)。
 マンガを描くことに一生懸命になると「何時間ぶっ続けで描き続けた」ことに酔いしれちゃったりするものなのですが、その結果ヘロヘロな線ばかりになってしまうくらいなら、しっかり休憩を取って「肩を回復させる」「長時間作業できるようにする」ことも大事です。

 私の場合、ペン入れに限らずマンガを描く作業の時はいつも「45分作業」「15分休憩」「45分作業」「15分休憩」「45分作業」「15分休憩」「45分作業」「15分休憩」というサイクルにしようと心がけています。まぁ、実際にはもっと作業続けちゃうことも、逆に30分で肩が動かなくなって休憩に入ることもあるんですが。
 「休憩」はちゃんと肩を回復させること。「休憩時間だからマリオやろうっと」なんてしたら、右手に力が入って逆に筋肉が疲労しかねません。私は普段、休憩中は横になって、目を休めるために目もつぶって、ただひたすらラジオを聴いています。以前ブログに書いたこともありますが、肩甲骨付近の筋肉の凝りをゴルフボールでほぐして肩を回復させていますが、これは血管を傷つけるからあまり良くないという話も聞いたこともあるので……まぁ、あの……自己責任でお願いします。

 これで肩を回復させられれば、そこそこマトモな線も引けるようになるので、それでまた優先順位の高いところをペン入れしていくってカンジかな。


 あと、そもそも「ペン入れ作業を分散させる」というのも大事です。
 今回の企画は毎週作業を進めるというものだったので、「この週は下描き」「この週はペン入れ」って形にしましたが……普段の私は「下描き」と「ペン入れ」を同時並行でやっています。体の動く時間に「ペン入れ」、疲れてきたら「下描き」ってカンジで。

penire2.jpg

 原稿を乾かすスペースが3枚分しかないので、チョコチョコとペン入れするしかないってのもあるんですけどね。この3枚の中から「優先順位の高い箇所」「そうでもない箇所」を判断してペン入れをしています。




 「体力を付けること」「肩の筋肉を付けること」も大事で、私もなるべく筋トレしているのですが……あまり成果は上がっていないので偉そうなことは言えません。

 マンガ描きにとって肩の疲労は最も気にしなければならないことなので、私は普段なるべく右肩を疲れさせるようなことはしないように気をつけています。一時期は左手で歯磨きをしようとしたこともあります。上手くできなくてすぐ辞めましたが(笑)。
 なので、「タイミングを合わせてボタンを押す」系のゲームが出来ないんですね。実際に肩を痛めてアクションゲームを封印した時期もありました。QTEで「ボタン連打だ!」とかやられるのホントきつい……



◇ ペン入れはどこからしていくの?
 ……と、ここまで書いてきましたが。
 さっきの「女性の頬など、大事なところからペン入れをしていく」という話は割と“邪道”な手段だと思います。

 マンガを描く教科書的な本には、ペン入れは「手前にあるもの→奥にあるもの」の順でしていくと書かれています。私も基本的にはそうしています。その中で、例外的に「体の動く時間帯に女性の頬だけ先にペン入れしておこう」としているのです。

 それではみなさんにクイズを出します。
 マンガにおいて「一番手前にあるもの」ってなんだと思いますか?

 正解は……



 正解は、「マンガによって違う」でした!


 わーわーわー、石を!石を投げないでください!当たったら死にます!石が頭に当たると人は死ぬんです!!



 なんでか知りませんが、時々こういう意味もない茶番を書きたくなるんですよね。何なんでしょう。新しい病気なんですかね。
 基本的には、マンガは「枠線」が一番手前にあります。次に「フキダシ」や「描き文字」。その奥にようやく「キャラクター」。で、最後に「背景」。

 ただ、「枠線」より手前に「フキダシ」が来ることもありますし、「描き文字」が来ることもあります。「キャラクター」が前に来ることもあります。そういう時は、臨機応変に手前にあるものからペン入れしていくのです。


penire3.jpg
 例えば、ここは「フキダシ」の上部と「描き文字」が枠線より手前に来るので先にペン入れをしています。


penire4.jpg
 ここはパンプキンパイの右腕が枠線より手前に来る予定なので、枠線を後回しにしています。

 ということで、分かりやすく説明すると。
 「枠線からはみ出ているもの」→「枠線」→「フキダシ&描き文字」→「キャラクター」→「背景」の順が基本ですかね。もちろん例外はあるので、その都度作者が判断するしかないのですが。

 「効果線は?」という話は後ほど。



◇ 紙を回転させながら描く
 先ほども書いたことですが、「絵」は「筋肉」が描いてくれるものです。スポーツ選手が「自らの筋肉」をしっかりと分析して最適な動きを模索するように、マンガ描きも「自分の筋肉」をしっかりと理解しなければならないと私は思っています。マンガ描きはアスリートなのです!ブクブク太るけどな!


 人間の体は、右利きだと「(」←この向きの曲線は得意ですが、「)」←この向きの曲線は引くのが苦手です。左利きだと逆。また、「↓」この向きに直線を引くのは得意ですが、「→」この向きに直線を引くのは難しいです。じゃあ、「)」や「→」といった線を引かなければならない時にどうすればイイか―――

 「)」を180度回転させれば「(」になります。
 「→」を90度回転させれば「↓」になります。

 原稿用紙の方を回転させてしまえばイイのですよ。


 「それだといつまで経っても線引くのが上手くならないんじゃないか」だって?
 そういうのは「(」や「↓」を完璧に描けるようになってから考えることだ!

 二流・三流の変化球をたくさんの種類投げられるように練習しても、投げたら打たれるような二流・三流の変化球は投げられないのと一緒だ!それならば、ストレート1本に磨きをかけて「ストレートだけなら通用する」方が先でしょうよ!ストレートも二流、スライダーは三流、フォークも三流、シュートもカーブもチェンジアップも三流じゃ、何も投げられないのと一緒なんですよ!!




penire5.jpg
 では、実際にグリッシーニ警部の顔をペン入れしていく様を見ていきましょうか。


penire6.jpg
 いきなり逆さま。
 先週書きましたが、髪の毛の先は「入り」を使って尖らせたいのでこの向きで描くのです。


penire7.jpg
 次に頭のラインをペン入れしています。
 

penire8.jpg
 まだまだ原稿用紙を回転させながら、次は輪郭。
 警部はあごひげ生えているのでここまでですが、普通のキャラは顎まで1本の線で一気に描きます。先ほども描いたように女性キャラは「頬のライン」を失敗すると別人に見えてしまうので気をつけて。


penire9.jpg
 グルッと回して反対側まで線を繋げます。


penire10.jpg
 次に顔の中のパーツを描きます。
 「(」の曲線で描けるところを描いていきます。眉毛、上まぶた、上唇……


penire11.jpg
 180度回転させて、今度は下まぶた、鼻、下唇……


penire12.jpg
 また180度回転させて、口の中……


penire13.jpg
 向きを戻して、鼻筋や黒目、シワなどを描きこみました。これで完成。
 女のコのキャラだと黒目を大きく描くこと多いので、黒目も回転させながら描くこともあります。



 すっごい面倒くさそうに思えるかも知れませんが、自分はもう慣れちゃっているので左手がパッパパッパと流れ作業のように原稿用紙を回転させてくれます。もうほとんど無意識。
 故に私はペン入れをデジタルに移行出来ないんですね。デジタルソフトにも原稿を回転させる機能は付いているのですが、アナログほど無意識で回転させてはくれないのですごく時間がかかってしまい、「これならアナログでやった方が早いやー」と今でもペン入れはアナログでやっているのです。



◇ 集中線&ベタフラにチャレンジ
 さーて、「効果線」の話をしますよー。
 マンガの絵は、「キャラクター」と「背景」だけで出来ているワケではありません。あくまで紙に描かれただけの「静止画」なのに、「スピード線」を加えれば「動き」に見えるし、「集中線」を加えれば「カメラがそこに寄っている」ように見えるのです。不思議ですよね。動いているのは「絵」ではなく「読者の目」なのに……というメカニズムの話は長くなるのでこの辺で。


 多分気付いている人はいないと思いますが、私のマンガは昔と今では「効果線」の描き方が変わりました。意図的に変えた時期があるのです。それは『shine』を描いた時。後述しますが、あの作品は自分の中で「線の太さ」というものを真剣に考えた作品だったので、「効果線の太さ」についても考え直したんですね。


200vssutyu.jpg
 それ以前の、『200vs1×1』の集中線はこちら。

 当時の私の「効果線」は細いんです。丸ペンで、なるべく細く描かなきゃダメなんだと思っていたんですね。



commansyuutyuu.jpg
 しかし、それ以後の『コマンド?→A/B/C』の集中線はこちら。

 1本1本の線が太くなっていることが分かると思います。この画像だとちょっと分かりづらいですが、「1本の線の中で“太い→細い”と太さが違う」ように引いています。なので使っているペンもGペンで、強弱をつけて引いているのです。スキャナが「抜き」を拾えていないというのは難点ですが。
 また、『200vs1×1』の頃も意識していなかったワケではないのですが、『コマンド?→A/B/C』の集中線は「3~4本の線ごとに束になる」ように描いています。

 「集中線はメリハリ」なんですね。
 等間隔で敷き詰めて描いてしまうと、「ただの射線」に見えてしまいかねません。集中線の目的は「読者の視線を素早く動かすこと」なので、太い部分と細い部分のメリハリをつけて、線が引いてある場所と引いていない場所もメリハリをつけることにしました。


penire14.jpg
 では、実際に集中線を描いてみましょう。
 これもマンガを描き始めた頃はやっていなかったのですが、いつからか「下描き時にも集中線を描く」ようになりました。その方が完成した絵がイメージしやすいという理由で。

 よく見ないと分からないと思いますが、「×」印が中心点です。ここに向かって強弱を付けてサッと線を引いていきます。
 あ……さっき「人間の体は↓は描きやすいが→は難しい」と書きましたが、定規を使う場合は「→」の向きの方が描きやすいと思います。ここも原稿を回転させながら「→」の向きで線を引いていきます。

penire15.jpg
 ハイ、完成。
 原稿だとちゃんと「抜き」が出来ているんですけどね……


 「効果線はどの順番でペン入れするのか」というと、これも「コマに依る」んです。
 効果線は“線の勢い”が大事なので、なるべくなら他の部分にペン入れをしていない段階で引いておきたいです。原稿用紙の上は平らではありません。たくさんの線がペン入れをされるとその分だけインクが載っかりデコボコしてしまうのです。なので、上の画像は「キャラクター」より先に「集中線」をペン入れしているのです。

 ただし、更に上で載せた『200vs1×1』や『コマンド?→A/B/C』の画像の集中線は「キャラクターの奥に引いている」のが見ると分かると思います。キャラクターの動きを浮かび上がらせるために集中線がキャラクターの上に載らないんですね。こういう箇所は、「集中線」より先に「キャラクター」にペン入れをしています。



commanbetafla.jpg

 どんどん行きますよー。次は「ベタフラッシュ」
 黒いベタの中に、白い部分がフラッシュのように輝いている演出です。

 正直、やりたくないです(笑)。
 体力も精神力もものすごく消耗するので、一番体が動く時間帯にやらねばなりませんが、時間もムチャクチャかかります。スクリーントーンで済ませてしまうとか、デジタルで入れてしまうとか、手描きでやらずに済ませる人の気持ちも分かります。

 例えば『月刊少女野崎くん』の中で、「先輩、どうしてバスケやめてマンガなんて描いているんですか。バスケやっていた先輩はあんなにカッコ良かったのに」と言われた野崎くんが「今だってカッコ良いぞ!ベタフラが出来るようになった!」と言うシーンがあります。
 それくらいベタフラは大変だし、逆に言うとベタフラが出来るというのはカッコ良いんです。


penire16.jpg
 ということで、そんなベタフラが描けるようになって、みなさんもモテモテになりましょう。
 今日から我々は非モテ卒業だ!!


penire17.jpg
 集中線と同様に、「×」印で中心点を決めます。
 次に「線が始まる位置=始点」の大体の位置を円状にして決めて、「線が終わる位置=終点」の大体の位置をジグザグにして決めていきます。これはあくまで目安ですが、この目安によって様々な形状のベタフラに変化するので、面倒くさがらずに鉛筆で描き込んでおきましょう。

 どういうベタフラが楽かというと、「始点と終点に距離がある」方が楽です。
 何故かは後で分かります。


penire18.jpg
 関係ないコマが汚れないように紙を載せてカバー。
 今回のこの箇所のベタフラはそんなに大変じゃないですが、上の『コマンド?→A/B/C』のように「コマとコマが重なっている」ところにベタフラをする際には隣のコマに侵食しないように細心の注意が必要です。

 ただし、紙を載せると「紙の厚さ」の分だけ線の勢いは死にます。
 かといって薄い紙だと染みこんで隣のコマに侵食しかねないので……もうホント大変だったんですよ、『コマンド?→A/B/C』のベタフラは。


penire19.jpg
 ベタフラというのは、言ってしまえば「密着している集中線」なんです。
 さっき集中線をGペンで強弱付けて「太いところと細いところにメリハリが付くように描いている」という話をしましたよね。アレの応用テクニックとも言えて、強弱のメリハリが出来ている集中線が密着すると白い部分がフラッシュのように見えるのです。“始点と終点が離れている方が楽”というのは、距離がある方が「強弱のメリハリ」を付けやすいからです。


 1本1本こうやって手描きしていくのは大変です。すっごい根気が要ることです。
 これが出来るんだから、野崎くんが言うとおり「ベタフラが出来る」って格好イイことなんです!


penire20.jpg
 根気が尽きました(笑)。
 肩が疲労してくると「抜き」がキレイに出なくなるので、適度な休憩も取りましょう。ペン先もずっと同じものを使っていると「抜き」が出なくなるので、自分はGペン1→Gペン2→Gペン3とフル動員して、Gペン3もキレイに出なくなったら新しいペン先に(Gペン1を)入れ替えることにしています。

 あ、そうそう……詳しくは先週の記事を読んでもらいたいのですが。インクもベタフラ前には容器を入れ替えて「抜き」が出やすくなるようにしています。とにかく、ベタフラをしなければならない日はありとあらゆる手を使ってこれに向かう必要があるのです。だから、なるべくならやりたくないのです。


penire21.jpg
 どうだ!完成したぞ!!
 久々のベタフラだったので緊張しましたが、そこそこちゃんと出来て良かったです。

 「枠線の外とかフキダシの中にはみ出してるのはどうするの?」という話は来週書きます。



◇ 超簡単に「白抜き」を入れる方法
commanshironuki.jpg

 『マンガは描ける!』の中でも名前だけは出した「白抜き」。
 キャラクターや描き文字などを、背景から浮かび上がらせて目立たせたい時に、その周りを白く縁取る演出方法のことです。

 私がマンガを描き始めた頃に読んだ本には、やり方は「描いた絵の周りを修正液でグルッと縁取る」と書かれていました。しかし、実際にやってみたらものすごく難しいし、ものすごく時間がかかってしまったし、現実的に出来るレベルではありませんでした。プロの人や、プロのアシスタントは次元が違うんだな……と打ちのめされました。なので、私のマンガもある時期まで「白抜き」を使っていませんでした。


 でも、ある日ふと気付いたんです。
 なんでわざわざ描いたものを消さなくちゃならないんだ?最初から描かなければ良いんじゃないか?と。

penire22.jpg
 このコマでは、「女のコ」の奥に「警部」がいるという奥行きを表現したいので、「女のコ」の周りを白抜きしようと思います。まずは「女のコ」のペン入れを済ませます。


penire23.jpg
 その周りを鉛筆で囲みます。
 『ドラゴンボール』のオーラみたいなカンジで。


penire24.jpg
 その囲った中にはペン入れしない―――これだけ。超簡単。
 後で消しゴムをかければ囲った部分は全部消えるので、「白抜き」が終わっているという算段です。簡単だし、早いし、修正液も使わないので経済的にも助かります。



penire3.jpg
 さっきも出したこのコマ。
 「描き文字」の周りに白抜きをしたいのだけど、枠線はどう引けばイイのかというと……


penire25.jpg
 同じように、「描き文字」の周りを鉛筆でグルッと囲んでそこには枠線を描かないだけ。

 こういうところだけは、普段枠線に使っている「マーカー」ではなく、小回りが出来る「丸ペン」で描くことにしています。まず、丸ペンで普通に線を引く、定規はその位置のまま固定してペンとインクエッジとの角度をちょっとだけずらして並行になるようにもう1本の線を引く―――これで丸ペン2本分の太さの線が引けます。

 この「ペンとインクエッジとの角度」を調整したり、2本ではなく3本にしたりすれば、自由自在に狙い通りの太さの線が引けるのです。しかも、小回りが効くので「どこまで線を引いて」「どこからどこまでは空ける」みたいなことが簡単に出来ます。カラス口なんか使わんでも枠線は引けるんですよ!


penire26.jpg
 では、小回りが効かない時はどうするのか。
 集中線の中の描き文字―――集中線は勢いが大事なので、「囲った部分で止めて、またここから続きを描く」みたいなことをやると線が死んでしまいます。先ほど描いた手段は使えません。

 なので、ここは私がマンガを描き始めた時に読んだ本の通りに「描いた絵の周りを修正液でグルッと縁取る」を使います(笑)。その方法は、来週「消しゴムをかける&修正する」の回で!乞うご期待!!



◇ 何故「線の太さ」を変えるのか
 この話は過去にブログに書いて「オメーだって全然できてねえじゃん。偉そうなこと言ってんじゃねえよ」と言われたことがあるので、軽くトラウマになって話題にすることをずっと避けてきたのですが……
 この企画記事を参考にマンガを描き始める人がいるかも知れないことを考えれば、「叩かれるのが怖いから避ける」なんて理由で書かないのは良くないなと思ったので正面切って書こうと思います。


 先週の記事で、Gペンはボールペンやマーカーなどと違って「筆圧の強さによって線の太さを変えることが出来る」と書きました。しかし、「変えられるからどうした?」と思った人もいると思うんですね。「線の太さを変えられる」ことで何が出来るのかを語らなければ、どうしてGペンを使ってわざわざペン入れをしているのかを説明出来ないんです。



shineinei1.jpg

 一つは、線の太さを変えることで「陰影」を表現できるということです。
 『shine』という作品はそのタイトル通り「光」を演出のキーアイテムにした作品なので、作者としては“線の太さをコントロールすることで「陰影」を表現する”技術が必要な作品でした。「オメーだって全然できてねえじゃん。偉そうなこと言ってんじゃねえよ」と言われたトラウマを払拭するために、一から“線の太さ”の意味を考えて、それが表現できるようにこのマンガの主人公二人は髪の毛を白髪と金髪にしたのでした。


shineinei2.jpg

 このコマの線、シャインの髪の毛は右側と左側で線の太さが違うことが分かりますよね。(こちらから見て)右側は強い光が当たっているので線が細く、左側は影が出来ているので線が太くなっています。顔だけの絵でも、よく見ると1本1本の線の太さは違いますし、それぞれ「どうしてこの太さなのか」を考えてペン入れをしています。


 光が当たっているところは、線を細く。
 影が出来ているところは、線を太く。

 これが基本だと思います。
 まぁ、実際にマンガを描いていて「どっちから光が当たっているか」なんてなかなか考えないものですし、絵の描けない人間にとって何が一番難しいかと言えばこの「陰影」だと思うんですね。なので、ここは今でも私は自信がないところですし、偉そうなことを書いたからまた叩かれるんだろうなと今から落ち込んでいます。


penire27.jpg
 後は、「厚みを表現する」のにもよく使います。
 これは背景に小さく描いたビルの屋上の一つなのですが、1本だけ線が太いですよね。こうするだけで、この屋上は「平ら」なのではなく「中央部分が低くなっている」という立体感が出るのです。よく考えてみると、雨が降ったら水が溜まりますね、この屋上……


tanosimifutosa1.jpg
 すんごい細かいところですが……
 分かりやすい例を見つけたので、紹介すると。

tanosimifutosa2.jpg
 赤い丸で囲ったところと、青い丸で囲ったところ―――線の太さが2倍くらい違います。そうすることで「布の厚み」が表現されて、絵に立体感が生まれるという考えでこうしています。



penire28.jpg
 後は、「手前の絵」と「奥の絵」の線の太さを変えることで、「奥行きを表現する」こともあります。この二つの「絵」が同じ太さの線で描かれると奥にいるキャラが小人のように見えてしまうので、同じ距離にいるワケではないと線の太さを変えているのです。

 まぁ、ここのパンプキンパイの腕と髪の毛は後でベタ塗っちゃうんであまり意味ないですけど(笑)。



 そうだ、確か先週に「来週書く」って予告してあったと思う話を書くのを忘れていました。「フキダシ」の話。私、「フキダシ」の線は2回描いています。その方が太い線になって絵の中に埋没しないし、キレイな線になるし。

penire30.jpg
 まずは「しっぽ」の部分は、Gペンの「入り」を使って尖らせて描いて。


penire31.jpg
 次に「(」の向きに描けるように回転させながら描きます。
 しかし、これが画像だとちょっと分からないと思うんですが……

 左側→「(」←右側

 左側はキレイに揃っているんですけど、右側は何故だかガタガタの線になっちゃっているんですね。私のクセなのか画材のクセなのかは分かりませんが、マンガを描き始めた頃からずっとそうなんです。だから私はずっと「ガタガタが出ないように」気をつけてフキダシにペン入れをするのが嫌いだったのですが。

penire32.jpg

 今度は「)」の向きに二度目のペン入れをすればいいのだと気付きました。

 左側→「)」←右側

 この向きでも右側がガタガタした線になるので、ガタガタした方が合わさるようにもう1回描くと、両側がキレイになるという考えです。





 ハイ、ペン入れで語りたかったことはこんなもんかな。
 ということで……

penire29.jpg


 無事に全ページ、ペン入れが終わりました!!

 今週はペン入れ作業よりもブログ記事を書く時間が足りなくて苦労しました……
 来週は作業自体はそんなに大変じゃないけど、アニメの最終回ラッシュなのでブログ記事を書く時間の確保が大変そうです。

 消しゴムかけて、修正液かけるだけの週なので……あんまりブログに書くことなさそうですけどね(笑)。


 とりあえず山場は越えたぜ!!

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