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【旧サイトからの移行記事】フリーゲーム『シルフェイド幻想譚』紹介

 (製作者さんのサイト
 <ダウンロード方法:上記サイト→シルフェイド幻想譚→シルフェイド幻想譚のダウンロード>


 小学生の頃―――ディスクシステムを持っていなかった僕は、スーパーファミコンで初めて『ゼルダの伝説』をプレイしました。宮本茂の「ゲームとは、おもちゃ箱をひっくり返したもののようであるべき」という言葉の通り、そこには未知なおもちゃが転がっていたんです。もっと小さかった頃、「2丁目の公園に新しいすべり台が出来たんだよ」「あの坂の上に○○の家があるけど、アイツは家に入れてくれない」などと友達同士で話し合い、近所を駆け回ったものでした。その頃は近所が“世界”であり、放課後は“冒険”だったのです。『ゼルダの伝説』は、そうした「生まれて初めて駆け回った日のこと」を思い出させてくれるゲームでした。

 アレから10年以上―――忘れていた“冒険心”よ、再び。
 今回の『シルフェイド幻想譚』はフリーシナリオRPG―――前に紹介した『シルフェイド見聞録』とはジャンルもノリも別物です。『シル見』のノリが楽しめなかった人もこちらは楽しめると思います。もち、『シル見』が好きだった人も、トーテムとか、あのキャラが出てくるとことか・・・ニヤリとさせられる部分が多いことでしょう。まぁだから、誰でも楽しめる万人向けのゲームだってことです。


 最近のゲーム事情はよく知らないのですが、僕らの世代――スーファミ中期がストライクゾーンの世代にとっては、RPGとはお使いゲームのことを指していました。Aという町の長老に「Bという洞窟にCというアイテムがあるから取ってきてくれ」と言われ取って帰ってくると、Aという町で一番の美人がDという盗賊に攫われたので助けに行ったらEという鍵が手に入って―――といった感じに、やるべきことを誰かが説明してくれて、それをクリアしないと先には進めないゲームのことです。
 もちろん、こういうゲームが悪い訳じゃないです。面白いゲームもいっぱいあります。重厚なストーリーに感動させられることもあります。ただ、自分の意志で“冒険”している感は薄れていってしまうよねという話です。



 『シル幻』はプレイ開始後、まず名前と性別、そしてトーテムと呼ばれる相棒を3匹の中から選ばされます。
 強制的に行われるイベントはここまで。「15日後の午前0時に何か災いが起こるような気がするんで何とかして」という非常にアバウトなお願いだけをされて、世界に投げ出されます。ここから先は何をしても自由。Aという街に行っても、Bという洞窟に行っても、Fという森に行っても、Gという隣街まで歩いていっても―――(もちろん、最初のプレイでは街に行かないと情報入らないし、フツーは雑魚敵が弱いところから攻略するものなんですけどね)

 また、「15日後の午前0時」とタイムリミットがあることに代表されるように、作中では時間が経過していくんです。外を歩くたび、宿屋に泊まるたび、洞窟の中で彷徨っているたび―――それぞれの場合も常に時間が進み、時間が経過されないのは「街の中」と「戦闘中」だけです。
 宿屋も、1泊の宿泊代を払うと「明日の朝6時までベッドを自由に使える権利」が貰えるので、10分単位で睡眠を取ることになります。10分ごとにLIFEとFORCE(HPとMPね)が一定値回復するので、好きな時に起きることができる―――まぁ、大抵は全回復するまで寝ているんですが、最大値が上がった終盤はともかく、序盤は30分くらい寝ると「全回復しましたよー!」と起こされる羽目に。「オマエは漫画雑誌の編集者か」とツッコみたくなりますよ。世界を救う勇者は漫画家と一緒で、不眠不休で戦い続けるんですね。

 この時間経過が非常に上手くイベントに組み込まれているのです。「明日は客人が来る」「その橋は2日後に完成する」などのイベントが豊富で、1日ごとや朝昼夜ごとに街の人の位置やセリフが変わっていたりするという。1回目のプレイだけでは確認出来なかったんですけど、喩えば「何日目までに○○に行かなくては××というアイテムは手に入らない」というイベントもあったんだと思います

 こうした時間経過の“縛り”と、何処にでも行っても良いという“自由度”―――
 この相反する2つの要素が混ざり合っているからこその『シルフェイド幻想譚』なのです。

 「あの砦を落とすのが先か、洞窟に向かうのが先か」
 自由度の高さがゆえに選ぶのは自分自身なのですが、砦を落としている間にも時間は経過しているので洞窟が塞がってしまったりするんです(ネタバレ防止のため、あくまで喩えを書いてます)。一方に時間を割いていれば、もう一方は攻略できない・・・・・こうしたことも頻繁に起こるので、「あぁ、もしも時間が戻るなら、あれをやる前にこれをやっていたのに―――」としょっちゅう考えます。でも、「大量のセーブデータを用意して、あの地点からやり直そう」とは思えません。だって、現実ってそんなもんでしょ?

 全ての人を同時に救うことなんて出来る訳がなく、一方を向いていれば一方には背中を向けてしまうのが実際の僕らの現実です。『デスノ』が連載再開したから『武装錬金』が・・・・・(笑) スパロボなんかでも、「こっちのルートに行ったら無茶苦茶強い機体が手に入るけど、もう一方のルートに行けば仲間になるキャラは仲間にならないよ」ということはあります。ですが、そうした“フラグ立て”を時間経過と絡めることで、作業ゲームだとは思わなくさせている本作はやっぱ飛びぬけていると思います。


 まさに名作。
 さすがに商業ゲームと比べると1周あたりのプレイ時間は少なめ(6~7時間くらい?)ですが、ここまで密度の濃い6~7時間はそうそう得られないですよ。何周もプレイしたくなるゲームですが、やはりネタバレ抜きの1周目が一番楽しいと思います。各プレイヤーごとに物語があり、思うところのあるストーリーだったんじゃないでしょうか。僕はもう○○○○○で○○いると、その○○○が○○されていたのが衝撃的で衝撃的で―――あと、○○の○○への洞窟で3日間も彷徨っていたこととかも。

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