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やまなしなひび−Diary SIDE−
hinnyu is the best!
『Wii Sports』が今でも売れ続けているのは一体どうして?
 お盆を越え、東京ゲームショウに向けて情報が出てくる時期だからなのか……各ハードの売上げも若干落ち着いた模様。週に7万台ペースで売り上げていたWiiもここ数週は4〜5万台に落ちていて、「買おうと思った時には買える」状況になったと各地のブログで報告されています。ようやく正常な状態になったとも言えるので、良かった良かった。

 しかし……驚くべきことに、ソフトの売上げランキングの方では未だに『Wii Sports』がトップ10に入っていたりするんですね。発売日に買って家族で大ハマりした僕ですら、この現象には「え?」って思うのです。


 どこも不思議じゃないだろうって人もいるとは思います。
 「全く新しいゲーム」「誰にでも操作が出来る」「家族で楽しめる」「広告展開の上手さ」「ブームになっている」……確かに、『Wii Sports』のヒット要因は色んな言葉で説明できます。
 「全く新しいゲーム」に興味がある人がこぞって買っているというのは分かります。未知の体験を求めて人間は生きているのですからね。でも、発売してから9ヶ月が経過しているんですよ?「全く新しいゲーム」に興味がある人の手には、既に行き渡っていてもおかしくないじゃないですか。現にWii本体は「買おうと思った時には買える」んですから、「『Wii Sports』欲しいー!買わなきゃー!」と思った人は9ヶ月間どうして買わなかったのだろうと不思議なのですよ。

 もちろん事情があってWii本体をこれまで買えなかったという人もいるとは思います(子どもの誕生日プレゼントとか、たまたま見かけたとか)。ですが、ちょうどそういう人達が毎週2万人近く『Wii Sports』を買っているというのは……流石にムリのある説明のような気がしませんか。



 この疑問は別にWiiに限った話ではなく、他陣営にも関わってくる話です。
 よく「PS3にはキラータイトルがない」「『Wii Sports』を越えるキラータイトルがあれば…」「『FF13』が出れば情勢は変わる」みたいな話を聞きますが、『Wii Sports』が未だに売れている理由を考えると微妙な気がするんですよ。『FF13』は『Wii Sports』になれないというのが、これから語る僕の結論です。

 「『Wii Sports』は家族で楽しめるけど『FF13』は家族で楽しめない」から?
 もちろんソレもあるでしょうが、それだけが『Wii Sports』が売れる理由だとは思いません。


 敢えて刺激的な言葉を選ぶなら―――

 『Wii Sports』が未だに売れ続けるのは、『Wii Sports』がキラータイトルではないから

ということではないかと思うのです。


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 1.「とりあえず、あと…枝豆」という選択
 日本国内だけで言えば、Wii本体が300万台を売り上げたのに対して『Wii Sports』はそろそろ200万本到達だそうです。3人に2人というほどではありませんが、それに近い割合で“Wii本体を買った人は『Wii Sports』を買っている”ことになります。

 さて……では、この200万世帯の中に“『Wii Sports』を遊ぶためにWii本体を買った世帯”はどれだけいるでしょう。細かい数字は分かるワケがないのですが、多く見積もっても4分の3くらいじゃないですかね。ひょっとしたら半分くらいかも。
 残りの人達は“『Wii Sports』を遊ぶためにWii本体を買ったワケではないけど、『Wii Sports』を買った”という人―――こういう人が多いからこそ、『Wii Sports』は未だに売れ続けているというのが僕の考えです。

 喩えば、他のゲーム……『ゼルダ』なり『ドラクエソード』なり『フォーエバーブルー』なりのためにWiiを買って、「せっかくWiiを買ったのだから『Wii Sports』も買うか」という人。
 それが同時購入なのか、目当てで買ったゲームのクリア後なのか、そもそも目当てのゲーム自体まだ発売してないけど買っちゃったのかは分かりませんが―――こういう人は結構多いと思います。かくいう僕も、『ゼルダ』とバーチャルコンソールのためにWiiを買い、ついでに『Wii Sports』を買ったら思いのほか家族が食いついてきたという人間でした。

 あとは、「何となく」任天堂の出しているゲーム機だからとか、友達も買っているからとか、ハードが売れているならソフトもその内揃うだろうとか。漠然とした理由でWii本体を買ったという人も、「とりあえず『Wii Sports』でも」と買った人が多いんじゃないでしょうか。



 僕ら世代の間では「とりあえず『マリオ』」という言葉があります。
 誰の家のファミコンでも大抵『マリオブラザーズ』か『スーパーマリオ』か『スーパーマリオ3』が置いてあるから、他に面白いソフトがなけりゃソレで遊ぼうぜみたいな意味です。ハズシのない安全牌として、『マリオ』ブランドは強かったんですよ。
 それはスーパーファミコンにおける『マリオワールド』とか、ゲームボーイにおける『マリオランド』なんかにも当てはまると思います。「新しいゲーム機買ったけど、ソフトは何を買おうかな〜」という際に、『マリオ』+他に何かもう1本という選択が有効だったのです。


 ちょうど一年前に僕がDSを買った頃、同じ時期に僕も含めて4人の友達がDSを買っていました。その4人中4人が、『脳トレ』もしくは『もっと脳トレ』を買っていたという話があります。
 母親が『脳トレ』をやりたがっていた僕はともかく、後の3人は脳が衰えるような世代ではありませんでしたし、「『脳トレ』を遊びたいからDSを買った!」という人でもありませんでした。

 他のソフトが遊びたくてとか、何となく流行っているからという理由でDSを買い。「そういや『脳トレ』ってゲームが流行ってるみたいだし、やってみるか」と買ったのだそうです。
 DSを買ったからにはDSならではのゲームをやってみたいと思うのも当然ですし、そうした理由で買うには『脳トレ』の実売2000円ちょっとという価格は魅力です。

 実は、『脳トレ』が売れている理由って―――「とりあえず、あと…『脳トレ』でも買ってみるか」という理由があると思うんですよ。400万人全員が脳を鍛えたかったワケではないでしょう。
 こうしたソフトは「○○のためにゲーム機を買う」というよりは、新しいハードを買うかどうかの判断基準の中で「そういや、○○もあるからこのゲーム機を買うか」と最後に背中を押してくれるくらいのものです。


 居酒屋で色々と食べたいものを頼んだ後、「あ、枝豆も頼んでおくか」と頼むようなもの。未成年の人に分かりやすく言い換えるのならば、ハンバーガー屋でフライドポテトが付いてくるセットメニューを頼むようなものというか。

 メインデッシュにはならないけど、実はその店で一番頼まれるものってあると思うんですよ。
 枝豆やフライドポテトはキラーコンテンツになりにくいです。それらを目当てに店を訪れる人というのは、そう多くはないと思います。Wiiにおける『Wii Sports』や、DSにおける『脳トレ』とか、ファミコンにおける『マリオ』シリーズは、いわば「居酒屋における枝豆」なのではないでしょうか。


 もちろん「マリオ目当てにファミコンを買ったぞ」と言う人も、「『脳トレ』欲しくてDS買ったぞ」と言う人も、「『Wii Sports』のためにWiiを買った」という人もいるでしょう。そうした人達がいたからこそ、そういったソフトは定番商品になったのですからね。



 ここで『FF13』の話に戻します。
 『FF13』ってメインデッシュなんですよね―――

 もちろんDSの『ポケモン』だってメインデッシュながら爆発的に売れたのだし、歴史を顧みればプレステ時の『FF7』だってメインデッシュとして「FF7のためにプレステを買う」という人を沢山作りました。同じように『FF13』も爆発的に売れて、最終的に『Wii Sports』の売上げを抜く可能性もあります。

 ただ、「FF13のためにPS3を買う」と「ついでに『Wii Sports』でも買うか」では、同じ売上げでも意味合いは違うんですよね。そして、『FF13』はメインデッシュであるがゆえに「ついでに買うか…」と思いにくい(思う人が限られている)ソフトなんです。


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2.「誰でも遊べる」という本当の意味
 「ついでに○○も買うか」と思われるゲームソフトの条件は何でしょう?

 もちろん「そのハードならでは」というのはあります。
 ですが、もっと重要なのは「自分にも遊べる」ということです。自分では遊べないゲームを買うこと自体ストレスになるんですが、大本命のソフトならば「それでも上達すれば…」と気合入れてプレイすることが出来ます。ただ、「ついで」で買ったソフトはそこまで気合入れられないんですよね。

 喩えば、高度なテクニックを持っていないと楽しめないシューティングゲームや格闘ゲームは、コアなファンを引っ張ってくれるので「○○のためにゲーム機を買う」という要因になりますが(プレイ人口はともかく)……「ついでに買う」ソフトになりにくいですよね。


 『脳トレ』や『Wii Sports』が「誰でも遊べる」ことについては今更説明しなくても良いでしょう。
 ファミコン時代の『マリオ』は最初はみんな苦労したと思うんですけど……基本的に僕ら世代なら、そこそこはプレイできたはず。“そこそこ”というのは全面クリアということではなく、(『スーマリ』以降は)1Wくらいは多くの人がクリアできるというレベルで。そのくらい遊べば、「あー楽しかった」と思えるのが『マリオ』なんですよね。


 逆に、ストーリー重視のRPGとかは“最後まで遊ばないと良さが分からない”ことも多いです―――鬱な展開を繰り返して繰り返して最後に跳ね返してハッピーエンドめでたしめでたしみたいな話の場合、鬱な場面で挫折してしまう可能性もありますからね。メインデッシュとしては重宝されるRPGも、「ついでに買うか」とは思われにくいのです。
 そもそも……何十時間もかかるRPGとかシミュレーションゲームって、他に本命がある場合は「ついでに買う」のが難しいんですよね。だって、そのついでに買ったゲームを遊んだら、本命のゲームを遊ぶ時間がなくなっちゃうじゃないですか。

 比較的誰でも楽しめると言われる『ドラクエ』とか『FF』も、時間的な制約で考えると、シューティングゲームや格闘ゲームと同じように“人を選ぶゲーム”なんだと思うのですよ。


 「誰でも遊べるゲーム」というのは、それだけ「自分にはムリだろうな……」と選択肢から外してしまう人が少ないということだと思います。
 『Wii Sports』の売上げと、同じような広告戦略を取った『マリオパーティ』の好調っぷりを見ると、「ゲームには興味あるけど操作が難しそうだから…」と敬遠していた人達が如何に多かったかというのが分かりますよね。ゲーム業界は今まで、それだけ消費者を逃してきたのだとも言えるのです。

 もちろん消費者に媚びずに自分の味を出すのも素晴らしいことなんですけど、それはあくまでメインデッシュの話だと思うんですよ。「ついでに買わせる」戦略的な商品は、より多くの人に受け入れられなければその役目を果たせません。
 その意味で言えば、『Wii Sports』はWii普及のためにコレ以上ない働きをしてくれたのですし。そうした働きを本来メインデッシュになるべき『FF13』のようなRPGに求めるのは、ちょっと違うんじゃないかと思うのです。


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 勘違いしないで欲しいのは、僕は「RPGよりも『Wii Sports』は優れているんだ!全てのゲームは『Wii Sports』のようになれ!」なんて言いたいワケではないのですよ。狙っている方向が違うという話がしたいのです。
 PS3に枝豆が不足しているのと同じように、Wiiにはメインデッシュが不足しているという指摘はその通りだと思います。『Wii Sports』、『みんなで投票チャンネル』、バーチャルコンソール……軽食ばかり充実しちゃって(笑)。任天堂信者らしい解釈をするのならば、Wiiのメインデッシュは「家族と笑うこと」だからそれでも構わないとかそういうことか。



 だからですね……「『FF13』があって!『メタルギア』があって!『グランツーリスモ』があって!これだけソフトが揃えば、『Wii Sports』なんてメじゃないぜ!」という意見は「?」なんですよ。そもそも競っている箇所が違うだろと。PS3にメインデッシュが揃うというのは、ずっと前から分かっていたことです。

 むしろ、PS3で『Wii Sports』的というか枝豆的なソフトを用意できるのかというのが今後のポイントじゃないかと思います。それが『みんなのゴルフ』であれ、『ぽちゃぽちゃあひるちゃん』であれ、アプコンであっても良いんですけど―――
 全てのソフトを「どうだ!凄いだろ!お腹いっぱいになるだろう!!」とアピールするのではなく、「お腹いっぱいになるソフトも、ちょっとつまむようなソフトもありまっせ」ってな広告展開をすべきじゃないのかなぁと思うのです。これはXbox360も一緒ですね。

 アプコンももちろんそうなんですが、ダウンロードコンテンツとかももうちょっとアピールするべきだよなぁ。値段的にはWiiのバーチャルコンソールよりは優れているんでしょうから(こっちには思い出補正があるから手ごわいんですけどね)、CM打つ意味は大きいと思うんですけど。



 僕個人としては……Xbox360はともかく、日本国内で言えばPS3はWiiとどっこいどっこいくらいは売れるだろうとは思っています。ただし、それは「お腹いっぱいになるソフトが出るから」ではなく、「ついでに○○も遊ぶかと思えるソフトが出てくるだろうから」だったりします。

 で……PS3にとっての枝豆的ソフトを探してみると。うーん……プレステ時代を堪能していない僕には、ちょっとよく分からない(笑)。
 とりあえず買うとしたら(現実にはテレビがないので難しいのですが)、本命は『ウイイレ』で枝豆はアプコンかなぁ……アプコンでPS2のゲームを遊ぶというのも、立派に魅力だと思いますしね。アプコンの画質検証動画みたいのをCM打つだけで大きく変わるはずなんだけど……企業のしがらみでソレが出来ないということが、PS3最大のネックなのかも知れませんね。




 ………
 『Wii Sports』の話をしていたはずなのに、どうして最終的にPS3の話になってしまったんだろう。

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