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「ゲームの楽しみ方」は誰のものなのか?という議論
 ちょっと前の記事かも知れませんが……この度、fc2ブログに移転(というかまだミラーサイト中?)なさった西園寺さんが興味深い記事を書いていたのでご紹介。

 レイトン教授を攻略サイトなしで攻略に挑戦してみたサイオンジ探偵社

 西園寺さんの凄いところは、こういうタイトルの記事なのに「攻略サイトの是非」とかにはほとんど触れず、自然とアナ・コッポラちゃんの話にシフトさせてしまう辺りだと思います。これはもはや天性の才能です。


 まぁ……そんなことはさておき(笑)。
 ゲームにさほど興味がない西園寺さんでもご存知だったほど、このニュースは有名だったんですね。

 レイトン教授シリーズ、ナゾ解答の掲載について

 この文章だと「ご遠慮お願いします」とかなりマイルドな言い回しになっていますが、確か当初は「即刻削除をお願いします」的な言葉だったはず。だからこそユーザーの反発を受けて、文章も訂正せざるを得なかったという流れでした。

 コレが「攻略本利権との兼ね合い」という背景での文章ならば分かりやすいのですが、どうやら『レイトン教授』シリーズは攻略本を出していないみたいなので、純粋にユーザーに楽しんでもらうために書かれた文章だったということが話をややこしくさせています。ユーザーのためを思った行動がユーザーの怒りを買ってしまったという意味で、僕はメーカー(レベルファイブ)の気持ちも分からなくないんですよ。自分もよくやりますもの、こういうこと。



 「説明書や紹介映像もネタバレになるから見ない」という僕ですから、攻略サイトありきでゲームをプレイすることに抵抗がありますし、そういう意味ではレベルファイブの言い分も僕はよく分かります。自力でクリアしたゲームというのは、やっぱり特別な思い出が残りますからね。
 ですが、一方で自力でクリアできない局面というのも確実にあって、子どもの頃なら友達なんかのコミュニティを使って「あそこどうした?」「代わりにソコだけやってくれない?」と突破できたんですが、友達がいない現在は一人の力で何とかしなくてはなりません。そういう時に攻略サイトはありがたい存在なんですよね。実際に攻略サイトに頼るかはともかく、「本当にどうしようもなくなったら攻略サイトに頼ればイイや」と思うことで自力クリアできたゲームも多いです。

 もちろんアクションゲームで「倒し方が分からない!」と攻略サイトに頼ることと、答えが一つしかないパズルゲームで答えを見ちゃうことは根本が違うんですけどね……『ピクロス』で完成した絵を見ながらマス埋めてっても楽しくなさそうですし、そういう意味で『レイトン教授』の解答掲載に反対する意見も分からなくはないのですが。


 「色んな人がいるから世界は面白い」という僕の理念からすると……あくまで自力のクリアを目指す人、攻略サイトも込みで楽しむ人、攻略サイトを作ることの方が楽しい人、クリア後に攻略サイトを眺めるのが好きな人(=僕)、やったこともないゲームの攻略サイトを眺めてやった気になる人(=僕)―――そのどれもが正しい楽しみ方だと思いますし、要は自分に合った使い方を出来るかということであって(これは改造ツールとかもそうか)。

 メーカーからするとサイトの削除の方ではなく、「まず自力で解いてみて下さい」とユーザーに呼びかける(そうした文をサイトの方に掲載してもらう)ことの方が重要だったんじゃないかと思うのです。




 ―――というのが、教科書的な攻略サイトに関する議論。
 ここからはちょっとイジワルなツッコミをしてみます。

 『レイトン教授』シリーズのキャッチコピーって「ナゾトキ×ストーリー」「ナゾトキ×映画級」だったじゃないですか。ナゾトキの部分を全て攻略サイトに頼って解いたとしても、「ストーリー」や「映画級」の部分は楽しめるはず。なのに、こんな文章を掲載しちゃうなんて、あたかも自分達で「このゲームのストーリーには魅力がありません」と公言しちゃっているようなものなんじゃないの?

 イジワルな言い分だとは自分でも思いますが。
 「ゲームの楽しみ方は人それぞれ」という僕の考え方からすると、“『レイトン教授』のナゾトキには興味ないけどストーリーが大好き”という人もいるはずで、そうした人を切り捨てたかのような公式文章なのはどうだったのかなーと。



 繰り返しになりますが、僕はレベルファイブの考え方には賛成寄りなんですよ。
 「まず攻略サイトありきでなくて、自力でプレイした結果として攻略サイトに頼るくらいが一番楽しい」と思いますし、言い方を変えただけで本質的にはレベルファイブの意見とほとんど一緒です。


 ただ、このニュースの本当の問題はそこではなく。
 「ゲームの楽しみ方」をメーカー側が決め付けてしまうことに対してユーザーから反発が起きた、ということの方が貴重な意味を持つんじゃないかと思ったのです。


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 ゲームとネットの関係を考えると、パズルゲームと攻略サイト以上に深刻な問題もあります。

 ここ数年の動画共有サイトの急激な普及によって、ストーリーメインのゲームが売れなくなってしまうんじゃないかという危惧です。「ニコニコ動画でストーリーだけ観るから買わなくていいや」ってな人が増えてもおかしくないですよね。


 もちろん動画の違法コピーと『レイトン教授』の解答掲載は法的なレベルでは全く別次元の話ではありますし、僕自身は立場上違法コピーを認めるワケにもいきませんし利用したこともないので地に足がついていない話で申し訳ないのですが―――



 実際問題、ムービーゲームという前評判だった『ロストオデッセイ』も好調に売れているみたいですし、ストーリーメインのゲームであっても今はまだ需要があるのは間違いないと思います。

 ですけれども、もし今後ストーリーメインの大作ゲームがズッコけた時に「ニコニコ動画のせいで売れませんでした」という言い訳が通用してしまうかも知れません。そうすると恐らくユーザーは「面白いゲームを作ればニコ動あっても売れるのに、責任転嫁してるだけじゃん」とメーカーを叩くと思うんですけど………
 ユーザーの思惑とは関係ないところで、“動画だけ見て満足するようなストーリーメインのゲーム”の企画は通りにくくなってしまうことが予想されます。開発費がかかる大作ゲームであればあるほど、企画は慎重になるでしょうしね。



 その一方で、動画を共有することで売上げを伸ばしたソフトもあるワケで―――
 正直なところ、それらが国内市場の多数派になることはまだまだ当分先のことだと思うんですけど。『アイマス』の成功を受けて、“共有したくなる動画を作れるゲーム”“ヘビーユーザー一人辺りからの課金を強めるビジネスモデル”なんかの企画が通りやすくなったとも想像できるのです。

 『スマブラX』だってネット対戦の動画を共有させることを目指しているみたいですし(勝者を予想するシステムは、コピーでは楽しめない要素を取り込んだとも思えますしね)、『Halo3』とかでも既に行われているそうですし。そう言えば、野安さんも『レイトン教授』の話から動画共有の話についての記事を書かれていました。


 ゲームの著作権

 凄腕ゲーマーの話で言うと、僕は『Miiコンテストチャンネル』のMii職人ランキングを思い出しました。
 あの要素……「優れたMiiは優秀な職人の元から生まれる」という前提がないと生まれなかったシステムだと思うので、根源的には「凄腕ゲーマーの神業プレイをみんなで共有しよう」という考え方と似ているんじゃないでしょうか。

 『Miiコンテストチャンネル』と『Halo3』が目指しているものは一緒だ―――なんて書くと、「オマエはどうかしてるんじゃないか?」と言われそうですけどね(笑)。



 ゲーム機がネット対応を標準装備にしたことにより、出来ることは大幅に広がりました。そのことで恩恵を受けるソフトも増え、ユーザーの楽しみも広がるとは思います。その未来を否定する気はさらさらありません。
 ですが、その一方でストーリーメインのゲームは今後2〜3年がターニングポイントかなとも思います。『ドラクエ9』はオンラインゲーム(友達との共有体験)の方向に進みましたが、果たして『FF13』は……

 何だろうね。
 僕自身も何十時間もかかるようなストーリーメインのRPGをプレイ出来ない身になってしまいましたから文句も言えませんが、この先にあるゲーム業界の末路というものがちょっと不安に思えたりするのです。


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