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| マリオシリーズから姿を消してしまった7匹のコクッパ |
最初に違和感を覚えたのは、ニンテンドーDSの『Newスーパーマリオブラザーズ』をプレイした時でした。 僕はこのソフトを持っていないのですが、友達宅で1Wだけプレイしたことがあります。コクッパによって誘拐されたピーチ姫(と僕は思っていたのです)を、マリオが追いかけるというスタートだったのですが……このコクッパを倒しても、また再び同じコクッパが逃げ出していくんですよね。
あれ?1匹のコクッパをこんなに引っ張るのか?と当時は思っていました。 ただ、思ってはいたのですが……友達宅でチョロッと遊んだだけだったのでその後はプレイしていませんし、そのことはすっかり忘れていました。
次にこのことを思い出したのは、Wiiで『スーパーマリオギャラクシー』をプレイした時です。 このゲームでマリオに立ちふさがる敵キャラとして頻繁に登場したのが、クッパ、カメック、コクッパ(と僕は思っていたのです)でした。しかし、ここでもコクッパは1匹のみ。
僕ら世代の常識では、『スーパーマリオ3』でも『スーパーマリオワールド』でもワールドごとの中ボスとしてコクッパは登場するものでした。よって、ワールド数に合わせてコクッパも7匹。こんなことは“パックンフラワーは踏めない”とか“水の中でもファイアーボールは出せる”ことのように、マリオシリーズの変わらないルールなんだと思っていました。
ただまぁ、『スーパーマリオギャラクシー』にはワールドの概念がありませんし。ステージの構成上、どうしても7匹もコクッパを登場させる余地がなかったのかなーと解釈し、このこともすっかり忘れていました。
しかし……どんなにニブチンな僕でも無視できない状況に遭遇したのです。 それは『スマブラX』で手に入るフィギュアの説明文を読んでいた時のこと……

注目すべきは右下。 この作品名は上が初登場タイトルで、下が最近のタイトルという順番になっているようなのですが……
初登場タイトルが『スーパーマリオサンシャイン』? 『スーパーマリオサンシャイン』はゲームキューブで発売された3Dマリオで発売は2002年。 当然のように、僕が子どもの頃にプレイした『スーパーマリオ3』(88年)『スーパーマリオワールド』(90年)よりは後の作品ですよね。
それどころか、僕がコクッパだと思っていたキャラはクッパJr.だったのです。
ということで、何が何だか分からなくなった僕はインターネットという超便利な文明を活用することにしました。全く便利な時代になったもんだぜ!
クッパファミリー−Wikipedia
やはり……僕が知っていた7匹のコクッパと、『Newマリオ』『マリオギャラクシー』に出ていたクッパJr.は別人だった模様。 一部の例外はあるものの、基本的には7匹のコクッパはスーパーファミコン時代までで、ゲームキューブ以降はクッパJr.が準レギュラーとしての地位を確立したみたいです。言われてみれば……7匹のコクッパは『スマブラX』のシールでも見かけないので、黒歴史として抹消されたということかも知れませんね(単に僕が入手していない可能性もありますが)。
先ほど“例外”と書いたように、Wikipediaの情報だと7匹のコクッパは『マリオ&ルイージRPG』(2003年)と『スーパーマリオアドバンス4』(2003年、マリオ3のGBAリメイク版)に登場したようなのですが、『スーパーマリオアドバンス4』の説明書には“クッパの部下”として書かれているそうです。
うーん……任天堂の公式設定としては「クッパの息子はクッパJr.」で「コクッパはなかったことにしたい」んですかね。 僕はスーファミ中期で一旦ゲームを辞めていて、(サターンとプレステ・プレステ2を経て)DS&Wiiで任天堂機に戻ってきたので、64やゲームキューブ時代の設定変更を知らずに混乱した―――ということなんでしょう。
これだけ長く続いているシリーズですし、作っているスタッフも変わっているのですから、設定が変更されること事態に不満は全くありません。それを言ってしまえば、ピーチ姫は最初は茶髪でしたしね。 ですが、僕と同じようにスーファミの次に(64やGCを飛び越えて)DS&Wiiで任天堂機に戻ってきた人も多いでしょうし、GBAでリメイクされた『スーパーマリオワールド』や『スーパーマリオ3』からマリオシリーズにハマった若者も少なくないと思います。そういう人達にとっての「クッパJr.って誰?コクッパはどこ行ったの?」という疑問を、誰が解決してくれるのでしょうか。
……と、ここで再び「あれ?」。 去年の12月に配信されたバーチャルコンソール版『スーパーマリオ3』のVC公式サイトに、コクッパがクッパを「オヤジ」と呼んでいるページがありました。
そうか、よくよく考えてみれば……クッパには8匹の子どもがいて、7匹のコクッパの下の末っ子としてクッパJr.がいて、7匹のコクッパはクッパの手伝いから離れて自立(引退)したという解釈もできますよね。 一人、また一人と離れていくコクッパ達を尻目に、生涯現役を貫いてマリオと闘おうとする親父クッパと、それを支える末っ子クッパJr.―――という設定なら、むしろ熱い家族物語じゃないですか。
世代によって、こちらも「あれ?」と違和感を覚えるのがドンキーコングシリーズ。
何週間か前に、Wiiの『みんなのニンテンドーチャンネル』にて“『スマブラX』に登場するファイターが初登場だった作品”の映像紹介として、ファミコン版『ドンキーコング』の映像が流れていました。 しかし、(元々アーケードじゃないかなんてツッコミは置いておくとして)マリオはともかくドンキーコングは、当時のドンキーコングと『スマブラX』に登場するドンキーコングは別のキャラのはずですよね。
Wikipediaしかソースがなくて恐縮なのですが…… ファミコン(アーケード)の『ドンキーコング』(VC公式サイト)でマリオと戦った初代ドンキーコングは孫にドンキーコングの名を譲り、その2代目ドンキーコングが主役を張った『スーパードンキーコング』(VC公式サイト)以降はクランキーコングという名で2代目ドンキーコング達に助言を送る役となったそうです。
まぁ……要は80年代前半に任天堂が作った『ドンキーコング』シリーズと、94年以降レア社が作った『スーパードンキーコング』以降では世代交代が行われて別キャラになったということなんでしょう。
さて、世代によってはここで「あれ?」と思った人も多いことでしょう。 「ドンキーコングって息子がいたよね?」と。
マリオを操って悪役ドンキーコングと戦うゲームが『ドンキーコング』でしたが、そのヒットを受けて、マリオに捕まったドンキーコングをドンキーコングJr.が助けに行く『ドンキーコングJr.』というゲームもありました。マリオが唯一悪役として登場するゲームで有名ですよね(もちろんバーチャルコンソールでも配信中)。
この頃は今のように“作品の垣根を越えたキャラクター同士の共演”は盛んではありませんでしたが、そんな中でもスーパーファミコンで大ヒットした『スーパーマリオカート』にこのドンキーコングJr.が登場します。 このゲームが発売された92年は、まだ2代目ドンキーコングが出てくる前ですから、ドンキーコングと言えばJr.だったんでしょう(『ドンキーコングJr.』から『スーパーマリオカート』の間にも10年近い月日が経っていたので、当時は「誰?」と思った人も多かったでしょうが)。
むしろスーファミ中期がピンポイントな世代の僕にとっては、ドンキーコングと言われれば『スーパーマリオカート』のドンキーコングJr.のことだったりしますもの。
2代目ドンキーコングの目印がネクタイならば、ドンキーコングJr.の目印はランニングシャツ。 この二匹のドンキーコングは一度だけ『マリオテニス64』で共演したことがあるらしく、その様子から「どうやらこの二匹が親子であることはないっぽい」みたいですね。空条承太郎と東方仗助のように、甥と叔父な関係という説が有力だとか…… まぁ、宮本さんですらこの辺の設定はよく分かっていないというのが真実かなと僕は思います。
ちなみに、このドンキーコングJr.のシールは『スマブラX』でも確認済みです。 コクッパと違って黒歴史にはなっていないんですね(コクッパも別に黒歴史と決まったワケじゃないですが)。

コクッパにしろドンキーコングJr.にしろ、初登場は20年前とかの話です。 逆に言ってしまえば、20年以上続いているシリーズということで……漫画やアニメですら20年以上続いている作品なんて数えるほどだったりします。
毎回新しい試みを入れなければ売れないゲーム業界で、しかも黎明期はさほど凝った設定を作っていたワケでもないでしょうし、スタッフの世代交代どころかゲームの複雑化によって外部の開発会社がシリーズを引き継ぐケースも多いですよね。 設定を一貫させることなんて不可能ですし、色んなスタッフが一つのシリーズを作ることでシリーズ全体の設定を理解している人が誰もいなくなってしまうのもムリが無いと思います。そう考えると、堀井さんが今でも『ドラクエ』を作り続けているのは凄いですよね……
色んな人が作った「ガンダム」シリーズを、全部ひっくるめて「アレは超昔に起こった黒歴史ですよ」とまとめてしまった富野監督の『ターンエーガンダム』の例のように。 フィギュアの世界という設定の『スマブラX』ならば、コクッパやドンキーコングJr.が登場しても違和感はないと思うんですが……原作のイメージを崩しかねないということで有耶無耶にされたままというところでしょうか。
でも、個人的にはこういう“設定があやふやなところ”を勝手に脳内補完してしまう作業が好きなので、これはこれで楽しかったりもします。「クッパJr.は最後まで父親を支え続けた8人兄弟の末っ子」という設定の方が、「クッパJr.はクッパの一人息子」という設定よりも断然燃えるじゃないですか。
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