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| 「自分が興味のないものは規制されてしまえばイイ」のだろうか |
数日前、ネットを騒がせた大事件がありました。
アニメ・漫画・ゲームも「準児童ポルノ」として違法化訴えるキャンペーン MSとヤフーが賛同
とりあえず俺の中でのマイクロソフトの立ち位置が決まった。
「敵の敵は味方」。やまなしはSCEとPS3を応援することにします。 ヤフーは最初から使ってねえ。
まぁね……日本のヲタク文化を脅威だと思っている諸外国からしてみれば、根底からぶっ潰していこうとするイイ手段だとは思いますよ。ビジネスを破綻させてしまえば新たな人材も出てこなくなるでしょうしね。
「被害者がいないものを規制をする必要性は何なのか」とか、「二次元の性描写を禁止して起こる経済的な打撃と、三次元の犯罪がどのくらい減るのかの予測データくらい出してくれ」とか、「性描写とはどこからなのか?」とか、「設定に関係なく18歳未満に見えたら取り締まるというのなら、その判断は誰がするのか?」とか、「どう考えても拡大解釈&別件逮捕の材料という二連コンボに使う気満々マンだよなー」とか、「米兵は日本人中学生を強姦しても許されるのに、日本人はエロい漫画を持っているだけで罪になる。凄い国だねー」とか(※注)、「大人が描いた絵を大人が見て犯罪に走ることがあるというのなら、一体この国の教育って何の意味があるの?その責任は誰も取らなくていいの?」……とか、色々と言いたいことはあります。
ただ、だからこそ議論と検証を何百時間と行う必要があるので、「けしからん!」「けしからんのはオマエだ!」と言い合っていてもイミはないんですよね。あたかも慈善事業であるかのように振舞っている態度は「結論ありき」で始まっていて腹立たしい限りですが、だからこそ議論の必要があるのです。
※注:この表現は不適切じゃないかという意見を頂きましたが、その意見を踏まえて読み直してみても削除の必要はないと判断し、残しておきます。 この喩えを出したのは、事件への怒りもさることながら、(日本よりも児童ポルノの規制が厳しい)アメリカ人が日本で事件(不起訴になったんで罪ではないんでしょうけどね)を起こしたということを今回のキャンペーンは学ばないといけないと思ったからです。 もちろん、長く日本で暮らしている間に児童ポルノに触れてそうした欲望を持つようになったのかも知れません。それならばそれで、本当に児童を守りたいのなら、今回の事件をしっかりと検証して再発防止のためにしなければならないことをハッキリさせる必要があると思うのです。その検証の結果として漫画・アニメ・ゲームの禁止に繋がるかも知れませんし、それ以外のことに繋がるかも知れません。ただ、その検証を省いて、今回の事件を有耶無耶に「あんな事件はなかった」とするのならば、規制をしたところで大した効果は得られないんではないでしょうか。
そうした主張を文章の中で伝えることが出来なかったのなら、それは僕の文章に責任があるので大いに反省すべき点だと思います。申し訳ございませんでした。
それよりも何よりも。 僕個人が今回最も強く感じたことは、人間って「自分には関係ない」と思っているものは容易にぶっ潰せるんだなーということでした。
この1〜2週間前かにビデ倫(主に実写のアダルトビデオの審査を行う組織の一つ)から逮捕者が出た事件がありましたし、その更に数週間前には「(実写の)児童ポルノの単純所持も禁止しよう」という議論が起こっていました。 その時、僕は「自分は三次元に興味ないし、どんどん規制しちゃってイイんじゃないの?」と思っていたんですよ。もちろん実写の児童ポルノは被害者が出るんだから規制するべきというのが僕の意見ですが、それ以前に、心のどっかで「自分は興味ないから規制されても構わない」と思っているフシはあったんですよ。
そしたら、今度は二次元まで規制対象にしようという議論になっているワケです。 ここでようやく自分の愚かさに気付くんです。自分が撃たれるまで、撃たれた痛みを想像すらしなかった―――と。
これだけ何回も何回も「世の中には色んな考えの人間がいるべき」だとか言っていた僕ですら、「自分には関係がないから規制すればイイじゃん」と思ったんですよ。何たる詭弁。何たる偽善。自分で自分が許せません。
議論をするのは当然のことです。 それが実写であっても、二次元であっても、「児童ポルノは規制すべきか」とか「二次元においての“児童”とはどこからなのか」を議論することは正しいと思います。
でも、これを提案しているような人達は「自分には関係ないから規制してしまえばイイ」と考えていませんか? 「僕はセーラー服姿のエロ漫画でしかオナニー出来ないんですけど、そうしたものが規制された後、僕はどうやって生きていけばイイんですか?」という疑問に、このキャンペーンの参加者・賛同者はちゃんと答えを考えてくれるんですよね?その覚悟もなく、とりあえず規制しておけなんてことを言っているんじゃないですよね?
上述のビデ倫逮捕者騒動の際に、伊集院さんがラジオでそのことを語っていた内容をテキストに起こしたサイトがありましたんでご紹介(情報元:怪人の集会所IIさん)。
恥ずかしながら、自分は本当に三次元に興味がない人間なので最後にアダルトビデオ観たのは6〜7年前で、ビデ倫の基準の変更うんぬんについては知りませんでした(正確に言うと、この前の番組のバツラジで妹尾さんがニュースいじりをしていて知ったのだけど)。 なので、この時の伊集院さんの話は「自分には関係がない面白話」として聴いていたんですよね……「スノボ始めたらデブ過ぎて立てずに辞めた」という話と同じようなカンジに。
このテキスト起こしでは割愛されていますが、この数週間後に漫画・アニメ・ゲームまで規制の方向に進むのを予感していたのか、伊集院さんは「俺はエロい根菜以外には興奮できない」という喩えを出していたんですよ(もちろん伊集院さんの冗談です)。この辺が流石に喋りの天才だけあります。
“エロイ形をした大根”に興奮できる人は、恐らく日本人全体の中では少数でしょう。 “エロイ形をした大根”にしか興奮できない人は、もっともっと少ないはず。
ですが、実写のエロが規制されて、漫画やアニメやゲームのエロが規制されて、小説のエロが規制されて、音のエロが規制されたら……僕らだって“エロイ形をした大根”に群がるしかないよね。だって、この国にはそれしかエログッズがなくなってしまうんですもの。そしたら、今度はその“エロイ形をした大根”が「けしからん!」と規制される―――と。
この“エロイ形をした大根”は何にでもなります。 この部分には、“セーラー服姿のエロ漫画”でも“熟女モノのAV”でも“幼女の裸”でも“OLのパンティ”でも当てはまるのです。アナタがエロイと思うものを当てはめて読み直してください。対岸の火事じゃなくなるでしょ?
実際、エロゲーなんかはかつては“エロ大根”なみにマイノリティだったのが、一大産業にまで成り上がってしまったがために規制対象になるんでしょうしね。そう考えると、この国のエロに安全な場所なんてないのですよ。
これは別に、エロの話だけの問題じゃないですよね……
ちょっと前に「温暖化対策のために深夜のテレビ番組を自粛させるべき」みたいなことが自民党の総務会で提案されたとかで、『アクセス』(@TBSラジオ)でもそのことがテーマになっていました。 それが温暖化対策になるかは置いといて、「自分は深夜のテレビなんか観ないからどんどん自粛するべき」みたいな意見のリスナーが多いのに驚きました。効果があるかの議論を無視する辺り、二次元の規制と同じパターンですよね……
僕はラジオ党ですし、唯一観ている深夜アニメはネット配信という逃げ道がありますし、最近は海外サッカーも観ていませんから、「自粛されても困らない」というのが僕の立場ではあります。 でも、深夜のテレビから生まれる文化とか、深夜のテレビを観ている人の楽しみとか、深夜のテレビ番組を作っている人達の雇用とか―――そういうものを全部ひっくるめて「自分には関係がないし」と切り捨てる発想は、どうしても賛成できません。
どんな業界だって明日は我が身ですよ。 「自分には関係がないから」と言う理由でどんどん切り捨てていけば、いつか自分が切り捨てられる側に立つかも知れないのです。その覚悟、ちゃんと持っているのですか?
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