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| 漫画の主人公の名前を読者が付ける日が来るのかも知れない |
元々は美少女ゲームのヒロインがMMO化されたことに対して「ヒロインは誰のもの?」という記事を書き。そのコメント欄にて「主人公=自分自身」と感情移入して楽しむという意見を受けたことにより、ゲームの話題に限定して「『ドラクエ』の主人公に自分の名前を付けられますか?」という記事を書き。
そしてまた今日、その記事に対するコメント・トラックバックにて面白い意見を頂いたことで新しい記事を書く……という再生産です。自らは全く何も生み出していないのに、悪びれもせずにどんどん記事を増やしていくというのが、このブログの凄いところですね。
ゲームの主人公に変な名前をつけてしまうのは自分の責任じゃない
こちらはトラックバックを下さった西園寺さんの記事。 RPGに「自分の名前」を付けるワケでもなく、「デフォルトで用意されている名前」を付けるワケでもなく、「自分で作ったオリジナルの名前」を付けるという御意見でした。実はこれと似たような意見をコメント欄にも頂いたんですよね。そちらの御方はソフトごとに合った名前を考えるとのことでした。
僕はこれまで「自分の名前」と「デフォルトで用意されている名前」の二択に、「デフォルトで用意されている名前」がない場合は「創作物から拝借した名前」という三つ目の選択肢くらいしか思いつかなかったんですが―――この「自分で作ったオリジナルの名前」という人は、予想以上に少なくないみたいですね。
こちらもコメント欄で頂いた情報なんですが…… 『FF12』でプレイヤーが主人公に名前を付けられないことに対して、伊集院さんがファミ通のコラムとラジオでボロクソに叩いたという話を調べてみたら……どうやら伊集院さんは名前を変更できるゲームの場合、「くそだま」もしくは「クソ玉投げ太郎」という名前でプレイしていたそうなんですよね。 てゆうか、僕、この回のラジオ聴いてましたわ。もうホント不可抗力というか、僕の脳が腐っているんだなと思うことに……僕が前の記事に『FF13』の主人公に「カツどんたべたろう」と名付けたいと書いたのは、どうやらこの『FF12』の主人公に「クソだまなげたろう」と名付けたかった伊集院さんの話を聴いていたからみたいです。
完全に忘れていたくせに身に染み付いていたために、ごくナチュラルに呼吸するようにパクっていました。 本当に申し訳ないです。伊集院さんと、伊集院さんのファンと、あの記事を読んで下さった皆々様に「すいません」と言いたいです。
さて、気持ち切り替えて話を戻しますが…… この情報をコメント欄で頂いた時は、「でも、FFのキャラに名前を付けられても自分自身とは思えなくない?」と思ったんですが―――どっちかというと、この伊集院さんの行為は「自分で作ったオリジナルの名前を付ける」というソレに近いのかなと思いました。
「主人公=自分自身」だと思ってプレイする―――でも、 映画や演劇を観るかのようにプレイする―――でもなくて、 名前を付けることによってその作品世界の構築の一端を担う―――とでも言うんでしょうか。
では、何故わざわざ「オリジナルの名前を付ける」のでしょう? 名前を考えるのが面倒だから「デフォルトの名前」がある方が楽、とまで言った僕ですが……敢えて考えてみました。当然と言えば当然なんですが、それはそれで「デフォルトの名前」とは違う楽しみ方がありそうなんですよね。
これ……たまたま現在、僕は投稿用漫画のキャラデザ&キャラの名前付けをしている最中なんで強く感じたことなんですけど。キャラって名前を付けて初めて自分のキャラになるんですよね。 僕の場合、人や団体(学校名とか)の名前を決めるのが大の苦手なので、ストーリー→キャラデザ→キャラの名前くらいに後回しにしているんですけど。そのキャラに「あ、命が入った」と思うのは、キャラの名前を決めた時なんです。もちろん性格とか家族構成とか人間関係とかどういう表情をするかとかはもっと前に決まっているんですけど、名前が入って初めてそこに1本通るんですよ。
それくらい、キャラにとって名前は重要な要素なのです。 そう考えると……ゲームの主人公に「オリジナルの名前を付ける」ことって、「主人公=自分自身」というよりは「主人公=自分のオリジナルキャラ」みたいに思えるということなのかなと思いました。 もちろん性格その他は変更できませんし、ストーリーメインのRPGだと「強制的に世界が崩壊する」とかのストーリーを与えられるだけでプレイヤーが介入できる部分なんてほとんどないのですが……主人公の名前を自分で決められるだけでも、作品世界を構築する最後の1パーツを自分で作り上げた感覚になれるんじゃないかと思いました。
なるほど…… これもまた一つの「ゲームらしさ」なのかなぁと思ったんですが、今日の本題はここから。
これって漫画でも同じことが言えるんじゃないの? もちろん紙媒体の現在の漫画で「主人公の名前を読者各人が付ける」ことは出来ませんが、10年後か20年後か半年後か、近い将来デジタルな電子書籍のような形で漫画が読まれるようになったのなら……「主人公の名前の部分だけ読者が変更できる」なんて、簡単に出来ることでしょうからね。
「デジタルなんだから絵が動く」とか、「デジタルなんだから音が入る」とか、「デジタルなんだからストーリーが変化する」とか、「デジタルなんだからカラー絵になる」とか………漫画が電子書籍になった際に想像しうる“新化”は、どれも果たしてそれは面白いのか?というものが多かったと思います。 漫画家のスキルを無視したものとか、漫画そのものの魅力を損なってしまうものとかね。
それに比べると……「主人公の名前の部分だけ読者が変更できる」は大した労力もかからない上に、上手く使えば抜群の効果を発揮するとも思えます。 もちろん全ての漫画に活用して面白くなるワケではありませんよ。喩えば、「主人公=自分自身」と思って欲しい漫画(ハーレム漫画、等)に使うとか、登場人物の名前を自分で決めることによって「自分だけのオリジナル作品」のように思ってもらうなんてことも出来るじゃないですか。「キャラが沢山いて名前を覚えられないー」という作品に使うのも面白そう。
この分野は僕は詳しくないのですけど…… ノベルゲームではそれこそ『弟切草』の頃から主人公の名前を付けられましたし、WEBで発表しているアマチュアの短編小説などでは登場人物の名前を最初に入力させるものも見たことがあります。
小説と違って漫画はビジュアルがあるので、主人公を「自分自身」とも「自分のオリジナルキャラ」とも思いづらいでしょうが……そうしたウィークポイントも踏まえた上で使う一つの表現技法としては、凄く面白い試みが出来そうです。 これが実現したとしても、流行るかどうかは当然ながらコンテンツの善し悪し次第でしょうけどね。
恐らく……こうやって「主人公の名前の部分だけ読者が変更できる」漫画が出てきたら、「こんなのは漫画じゃない!」「いや、元々漫画とはこういうものだ!」という議論が起こるでしょう。 必死になってキャラの名前を考えている漫画家からすると、その名前が持っているキャラの特性が失われてしまうことに抵抗を覚えるでしょうし……喩えば、ある読者にとっては「ヴァン」というキャラが、ある読者にとっては「クソ玉投げ太郎」となるように、同じ作品でも読者によって印象は変わってしまうリスクがあるのですが……
個人的には、それで楽しくなる作品ならば「アリ」だよなと思います。 こういう技術があれば、こういう技術があることを前提にした作品が出てくるでしょうしね。作り手としても、名前を読者が変更出来るだけで「アレが出来る!」「コレも出来る!」と表現の幅が広がるんじゃないかと妄想しています。
っつーか……WEB媒体だったら、Flashとか使えば普通に出来そうですね。 Flashで「動かない&音も出ない漫画」を読みたい人がどれだけいるのかという問題と、Flashの勉強をする時間があるなら漫画家は漫画を描けという話ではあるんですが。
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