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| 「縦書きの漫画を、横書きにする海外展開」の続き |
一昨日の記事「縦書きの漫画を、横書きにする海外展開」を書いたら、コメント欄にて「最近では海外展開した場合も左右反転しないケースが多いですよ」というツッコミをたくさん頂きました。
な……なんだってー!! 恥ずかしい……このブログは僕の生き恥を晒すブログなんで「やまなしはアホだ」と思ってもらうことは全然構わないのですが、あの記事を読んで勘違いをしてしまった人がいらしたら本当に申し訳ないです。 謝罪をするとともに、指摘をして下さった大勢の方に感謝をしたいと思います。
しかしまぁ、僕が「左右反転をさせない」ことを信じられないのもしょうがないというか…… 英語に限定した話として読んで欲しいのですが、英語を縦書きにすることは絶対にありえませんよね。いやまぁ、「絶対にない」かは知りませんけど、メジャーなことではありませんよね。
となると……漫画のコマ自体は右上から左下に向かって読ませるのに、その中のセリフ部分だけは左上から右下に読ませるということですよね。それ、読むのが凄く大変じゃないですか? 実際に絵があった方が分かりやすいと思うんで、2日前に載せたものに再登場してもらいましょう。
 これが日本で読めるフツーの漫画です。 非常にナチュラルな視線誘導……と、僕が言うのもアレですが。
 これが“左右反転をした”英語バージョン。 視線誘導が「上下」から「左右」に変わっていて演出が異なってしまうことや、デッサンの乱れがバレていることはありますが……これから見せるものに比べればまだマシというものです。
では、“左右反転をさせず”にセリフのみを横書きにしたバージョンを見てみましょう。 英語だと“僕が英語を読めないから”分かりにくいのかなと思ったので、今回は日本語の横書きにしてみました。擬音だけは直せなかったのですが勘弁して下さいな。 ※ 右上のコマから左下のコマに向かって読んで下さい  どのフキダシから読んで良いのか分かりませんね…… 描いた本人ですら、4コマ目は間違えると思いますよ。左上のコマから右下のコマに視線が流れてくる際に、ちょうどムトくんの「今日、入学式だからさー」のセリフの角度と合ってしまいますからね。(いやまぁ、元々このコマは「このフキダシ位置でイイのか」迷ったところではあるんですけどね)
最近読んだ何かの漫画で、外国人のセリフは全て横書きになっているシーンがあったのですが(そしてその漫画が何かは覚えていないんですが)―――それは最初から“横書き”であることを考えた上での配置になっているのでしょうし、上のケースとはまた違うことだと思います。
で、その“どれから読んで良いのか分からない”を克服して、完璧に右上から左下に読む技術を習得した人の視線はこういう流れになります。  3コマ目のカオスっぷりが凄ぇ(笑)。 逆に最後のコマのように、フキダシが一つしかないコマはさほど違和感ないですね。日本のバトル漫画が海外で受けるのって、フキダシの中身よりも絵柄でドーンと見せることが出来るからかも知れませんね。逆に、会話劇を楽しむ作品はキツそう。
『デスノート』が海外でも人気という話をどっかで聞いたことがあるんですが、アレは漫画ではなくアニメか映画の話だったのかな?あの漫画を左右アベコベ台詞で読むと、非常に疲れそう……
どっちにしろ、漫画家が考えた“演出”がどっかに行ってしまっているのは確か。 セリフが横書きになっている時点で演出が台無しではあるんですが、左右の向きがあべこべになっていると更に台無しですね。 大抵の漫画家は「少しでも読んでくれた人を楽しませよう」と試行錯誤していると思うんですけど、こういう形で演出が無視されてしまうのはショックじゃないんでしょうか(背に腹は替えられないことだとは言え)。
漫画家が命を賭けている“演出”を無視してでも、左右反転をさせない理由は……まぁ“絵”を優先したということなんでしょうね。何度か書いているように、絵は左右反転されるとデッサンの崩れがバレてしまうことがあります。 そりゃまぁ、プロの漫画家先生達なのだからデッサンが崩れることなんてそうそうないとは思うのですが、魅力を損なえる可能性があるのなら避けるべきだと。外国の漫画読者は(伝えることが出来ない)“演出”よりも、“絵”を観るのでしょうしね。
それと後一つ…… 一昨日の記事のコメント欄にて、「左右を反転すると野球漫画の一塁と三塁が逆になる」という指摘がありました。目から鱗でした。バトル漫画で左右の手がどっちになろうが大した問題じゃないのかも知れませんが、スポーツ漫画に代表されるように左右の概念が大事な漫画は沢山あります。
・サッカー日本代表を描いた漫画の場合、中村俊輔が右利きで、残り全員左利きという事態に。 ・柔道漫画は全て襟が右前になってしまいますし。 ・料理漫画で膳の向きが逆だと、「常識力に欠ける」と『常識力テレビ』のCMで×をもらってしまう。
碌な例が思いつきませんでした(笑)。 ですが、左右を反転させることで世界が歪んでしまうことは確か。漫画家としてもそれは望んでいないだろうということで……“演出”を犠牲にしてでも、その他の全てを守ったということでしょう。
ですが、こういう話を考えるたびに……アニメやゲームのような世界同時発信を目指した作品を、漫画で行うのは難しいのかなと思いますね。 もしやるのだとしたら、「最初から横書きセリフ&左上から右下に読んでいく形態で描く」必要があると一昨日までは思っていたのですが……海外の漫画読者が右上から左下に読む形態に適合していっていると言うのだから、こちらもどうしていいのやら。
いっそのこと、世界中の漫画スキーが日本語を覚えてくれれば理想なんですけどね。 プラトと任天堂に頼んで『えいご漬け』ならぬ『にほんご漬け』を作ってもらって、世界中で売ってもらいましょうよ。それならば世界中が日本の漫画を読めて幸せになるし、日本の経済も活性化するじゃないですか!万事解決!!
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