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やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

2008年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2009年01月

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処女厨が批判されているみたいだから、童貞厨についても語ってみるぜ

 まずは、武梨先生の体調回復を最優先に全力で祈ります。
 それは前提にしつつ、語りたいことも溜まったので今日はこの話題にします。



 『かんなぎ』休載が決定打になったみたい。
 それまでは均衡を保っていた「処女じゃなくてもイイじゃない」「処女じゃなきゃイヤだもん!」という二勢力による論争は、一気に「処女厨キメェ」に傾いたようです。これまでこのことについて何もコメントしていなかったサイトさんでも、「処女じゃなきゃ怒るなんて理解出来ないなぁ」みたいなことを書いていたリで。どちらかというと「処女じゃなきゃイヤだもん!」派の自分としては、肩身の狭い思いをしています(匿名掲示板だとまた状況が違うのかもですが)。

 今や「ヒロインには処女でいて欲しいんです!」なんて言おうものならば、「オマエのような奴がいるから武梨先生は倒れられたんだ!」とでも叩かれそうな勢い。先生の体調は気がかりです、そこは同意。でも、それとこれとは関係なくね?



 コミックス破壊とかは、流石に「モノを大事にしなさい」と言いたくなりますけど……
 好きだった漫画の展開がどうしても許せなかった時、購読を止めたり、持っているコミックスを全巻ブックオフに売っちゃったりすることはフツーにあると思います。僕も、作品名は出しませんけど、「死んだように描いていたんだけど、じっつはこのキャラ生きてたんだよね~~パンパカパーン!驚いた?驚いた?」みたいな作品を全巻売りに行ったことは何度もあります。

 それも一種の意思表示ですもの。
 「気に入らない展開も愛するのがファン」みたいなこと言われても、許せないものは許せません。

 僕がどうしても許せない「死んだように描いたキャラが普通に生きている」展開も、多くの人に「どうしてそんなことで怒るの?」と言われてきました。僕は僕なりに「それを許してしまえば、今後一切“生きるか/死ぬか”の展開にハラハラ出来ないから」という理由を持っているのだけど、そこを重視していない人には何度説明しても理解されません。
 それはもう、仕方がないことです。僕は僕であり、アナタはアナタなのだから。


 それと今回の非処女騒動は何ら変わらないことだと思います。要はその作品に何を求めていたかという違いがあるだけで、その価値観は人それぞれでイイじゃないですか。好きなものは「好き」、キライなものは「キライ」と自分の言葉で言えなくなってしまったら哀しいですよ。





 一つ思ったこと。
 今回これだけ「処女厨キメェ」的な意見が大勢を占め、「女性に処女性を求めるのは女性をモノとしてしか見ていないからだ」といった人格否定まで出てきているのをチラッと読んだんですけど……フェミニズム的な話に発展させるのなら、何故「童貞厨」については語られないんだろうなぁと気になりました。

 このケースで言う「童貞厨」とは、女性読者が男性キャラを「童貞でいて欲しい」と思うことではなく。
 男性読者が男主人公を「童貞でいて欲しい」と思うことです。


 喩えば、『かんなぎ』で言えば主人公の仁は恐らく「童貞」でしょう(原作の設定は知らんけど、アニメの1~2話にはそれを匂わせるシーンが意図的に入っていた)。
 少なくともここ最近の漫画・アニメにおいては、ヒロインに「処女性」が求められている作品では男主人公は「童貞」であることが多いと思います。多いというのは、100%ではないけれど過半数は超えているだろうってくらいの話ね。


 それは何故か?

 「童貞読者が童貞主人公に感情移入することで処女ヒロインとイチャイチャするのを体感したいからだろ」―――その意見も分からなくはない(というか、今のも僕が考えた回答だし)のですが、これだけでは説明できないことも多いと思うのです。
 読者は必ずしも「自分=主人公」とは思えないものだし(例:カップリング萌え)、あまり露骨に自分に近い主人公だと嫌悪感を抱いたりするものです。僕が『N・H・Kにようこそ!』を観て抱いた「オマエラ全然恵まれてんじゃねえかよ!(泣)」感みたいにね。



 なので、僕はこう思うのです。

 これは、セックスのない世界の話なのではないか。



 正確に言うと、セックスの存在を知って興味を持ってはいるけれど、それが実際に自分の周りの空気としては触れられていない時期の話―――と言うべきでしょうか。実は、人生においてこんな時期はごく僅かな時間しかありません。
 もちろん個々人の体験としてはその時期は様々でしょうけど……喩えばクラスメイトの誰かがとか、友達グループの誰かがとか、好きだったあのコが誰かととか。自分の周囲において非童貞・非処女の存在感に気付く時期というのは、比較的多くの人が共通するんじゃないかと思います。


 童貞の主人公と処女のヒロインで描く世界とは、それ以前の限られた猶予期間を描いているとも言えて―――どちらかというと「あの頃は良かったなー」と懐古させる意味合いもあって、そこに非処女のヒロインが出てくると「あれ?」と急に現実に引き戻されてしまう、みたいな話なんでしょう。

 『三丁目の夕日』を観て「この時代は良かったなー」と思っていたら、CMにPS3が出てきた、みたいな。




 もちろん……「セオリーは覆すために存在する」のも確か。
 「貧乳を際立たせるのは巨乳」とか、「女しかいない世界の百合よりも、男もいる世界での百合の方が背徳を感じる」みたいな話と一緒で。「処女だらけの中に非処女ヒロインを一人投入する」ことの意義というのは凄くよく分かります。
 僕はアニメを観終わるまでは原作の『かんなぎ』は読まないつもりで、しかもそのエピソードがコミックス化されるのはいつなんだろうって状態なので詳しくは分かりませんが……最終的に「非処女で良かった」と思わせられるかが全てなんだろうと思います。なので、武梨先生の体調回復を切に願います。


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 というところで今日の記事は終わらせるつもりだったんですけど……面白い記事があったので、もうちょっとだけこの記事も続くんじゃよ!


 非処女ヒロイン騒動もろもろ(情報元:痕跡症候群さん)


 語りたいのは、一つ目の事例に登場する『りびんぐゲーム』について。
 全巻一気読みしたのはもう数年前だから記憶も曖昧だし、どうしてもネタバレになってしまうのですけど……漫画感想サイトをやっていた時代、感想は書いたのだけれど「処女処女とか書いたらキメェって言われそうだよな」とカットした部分があったのを思い出しました。



 この『りびんぐゲーム』こそ「処女だと思わせていたけれど、実ははヒロインは非処女でしたー!」という作品です。これはもう意図してやったと言って間違いないと思います。『かんなぎ』騒動で最初に僕が思いだしたのが『りびんぐゲーム』でしたもの(主人公は童貞じゃないから『かんなぎ』とは違うケースですけどね)。


 端的に分かるシーンがコレ。
 「俺はいずみと寝た!それでも、お前は彼女を愛せるのか!!」
 主人公がいなくなったヒロインを追った旅先で、ヒロインの元彼に吐かれるセリフです。正確なセリフを覚えているワケがないので、何となくこんなカンジだと思ってもらえればイイと思います。ヒロインを処女だと思っていた主人公(と読者)に過去を突きつけ、それを乗り越えられるのかどうかを試したシーン。
 作品の序盤ではヒロインは子どものように描かれていて、「恐らく処女なんだろう」と思わせておいての落差ですからね……正直ショックでしたが、作者としてはそれも見越しての展開だったんだろうなぁと思います。


 処女・非処女の話ではありませんが、『りびんぐゲーム』には主人公の元彼女の現彼氏が「アイツら、ヨリを戻すつもりなんじゃないのか……」とヲタヲタする場面もあったりで。どうにもところどころに、恋人の過去を受け入れられるのかを描いているフシがありました。(というか、僕が読んだ星里先生の別の作品にも同様なシーンを見かけました。作風?)




 男は女の過去を受け入れられるのか?

 いや、別に「女は男の過去を~」でもイイんですが。
 今回騒がれた処女・非処女の問題って、昨日今日生まれ出た話ではなく、言ってしまえばずっと前から創作のテーマになってきたワケです。「乗り越えられたから気にしない」「乗り越えられなかったから気にする」―――そりゃ色んな人がいることでしょうが。少なくともどっちか片方の意見が正解だなんてことはなく、ずっと議論され続けてきた話で、これから先も議論されていくんだと思うのです。


 まぁ、なんつーか。
 「処女厨キメェ」の6文字で終わらせられるほど単純な話じゃないですよ、という話。


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| 漫画読み雑記 | 18:07 | comments:25 | trackbacks:0 | TOP↑

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