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2010年のまとめ

 2010年最後の更新となりました。
 この1年の社会情勢は本当に気が滅入ることの多い1年でしたが、その辺の愚痴はmixiの方に散々書いたので、ここではもうちょっとパーソナルな話を書こうと思います。


 「“限界”の向こう側に挑む」

 これが自分が今年の1月1日に掲げた目標でした。
 描いた漫画作品を“公開する"ことはなかなか出来なかったので皆さんにお伝えできていませんが、自分としてはこの1年間で10レベルくらい上がった充実した1年間だったと思っています。走りまくりました。「漫画を描く」ことのイシキが随分と変わったと思います(ちなみに『生き生け』は2009年に描いた作品です、ねんのため)。

 また、漫画描き以外でも……
 Pixiv始めたり、Twitter始めたり、(漫画描きにも重なる話ですけど)4コマ漫画を描いてみたり。
 ブログの記事も今まで避けてきたような話題も書いてみたり。


 肉体的には本当にしんどい1年でしたし、今も疲労困憊なんですけど……
 精神的には楽しい1年でした。叩かれることもそりゃ多かったですけど、それも踏まえてプラスになっていると思います。来年はそれを形にすることと、ちゃんと公開していくことが大事ですね。




○ ゲームの話
 「今年観たアニメで面白かった順」は、4月~3月基準の年度末にやることにしているので……そちらは3月に書くとして、今日はゲームの話をしておきます。

 今年遊んだゲームは以下の通りです。
 悩んだんですけど、プレゼントされたソフト(◇)、友達から借りたソフト(△)も一緒にリストに入れました。どんな手順であれ遊んだことには変わりないですし、それを記しておく方がフェアかなと。
 あと、個人的に「最新のゲームばかり追いかけるのはやめよう」と思っていることもあって、2010年に発売されたソフトは少ないですが、まぁこんなカンジになりやした。



◆ 『ゾンビ イン ワンダーランド』(Wiiウェア)(マーベラス/Akaoni Studio)
◆ 『レイトン教授と魔神の笛』 (ニンテンドーDS)(レベルファイブ)
◇ 『SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ』(VC・FC)(バンダイ)
◇ 『マリオカート64』(バーチャルコンソール・NINTENDO64)(任天堂)
◆ 『甘口!大籠城』(DSiウェア)(河本産業)
◆ 『写真で格闘!フォトファイターX』(DSiウェア)(任天堂)
◆ 『わりと本格的 絵心教室 前期』(DSiウェア)(任天堂/Headstrong Games)
△ 『ラブプラス+』(ニンテンドーDS)(コナミ)
◇ 『レッツキャッチ』(Wiiウェア)(セガ/プロペ)
◆ 『ピクダン』(DSiウェア)(インテンス)
◆ 『G.Gシリーズ 超ヒーロー皇牙2』(DSiウェア)(ジェンタープライズ)
◆ 『逆転裁判 蘇る逆転』(ニンテンドーDS)(カプコン)
◆ 『アルバートオデッセイ』(バーチャルコンソール・SFC)(サンソフト/東海エンジニアリング)
◆ 『安藤ケンサク』(Wii)(任天堂/Shift/Google)
◆ 『へべれけ』(ゲームアーカイブス・PS・FC)(サンソフト)


 締めて15本。忘れているものもあるかもですが……
 意外に多いなぁ……もらいもの&借り物を除くと11本で、その内8本がダウンロード購入ソフトだというのが分かりやすいですね。『ピクダン』を除けば1本辺りにそれほど時間がかかっていないというのも、ダウンロード購入ソフトの魅力の一つです。『ピクダン』を除けばなっ!



 では、ここから「好きな順」「面白かった順」「素晴らしかった順」でTOP3を挙げていこうと思います。何故評価軸が3つもあるのかは、1年前に書いたこの記事の通りです。

(関連記事:「好きな作品」と「面白い作品」と「素晴らしい作品」は別



【好きな2010年遊んだゲーム TOP3】
 自分にとって「好きなゲーム」というのは、「コレしかない」「応援したい」という感情を揺さぶってくるものです。売上げの高さはもちろん関係なく、むしろ「このゲームを好きなのって世界で俺一人しかいないんじゃねえの」と思えば思うほど「好き」度は加算されていくところがあります。


1位:『写真で格闘!フォトファイターX』(DSiウェア)(任天堂)
2位:『安藤ケンサク』(Wii)(任天堂/Shift/Google)
3位:『レッツキャッチ』(Wiiウェア)(セガ/プロペ)


 1位のソフトは、当時のゲーム紹介を読んでもらえれば僕が如何にこのゲームが大好きかが伝わると思います。ゲームもバカだけど、遊ぶ方がバカになればなるほど面白くなるというすんげえゲームです。
 あんまり知られていないけど、『脳トレ』のディレクターがゲームコンセプトを作っていて、自分の中では「やっぱり脳トレってのはラッキーパンチじゃなかったんだな」と感動もしたソフトでしたね。

 2位は「統計データで遊ぶ」というただ1点の基本コンセプトで突き抜けたソフト。
 突き抜け方が14方向にも突き抜けて「いやいやもっとスリムに作れよ」と行儀よい大人なら思わなくもないんですけど、アレもコレもやりたいんだもん!的なスタッフの意気込みが伝わってくるのも確かでした。
 ゲーム紹介では酷評したゲームモードも何だかんだクリアまではやってしまったし、クリアしたら「面白かったんじゃないか?」と思ってしまったのも確か。絶対続編は出ないでしょうし、歴史上「コレしかない」1本ということで忘れられないソフトでした。

 3位のソフトは「好き」以外の言葉がなかなか出てこないので、3位には入れたかったです。
 ハッキリ言って基本コンセプトの「Wiiリモコンでキャッチボールをする」という時点では「そんなの面白くないだろ」と思っていたんですが、それがまさかの「心が暖かくなる人間ドラマ」に料理されていたという。
 いや、正確に言うと、暖かいだけじゃなくちょっと黒い部分もあるんですよね。でもなんかそれも人間らしいっちゃ人間らしいし、「キャッチボール」一つでそこまで表現しているのが凄かった。「面白かった」とも「素晴らしかった」とも言えないんだけど、なんか「好きだったなー」と言いたくなるソフトでした。




【面白かった2010年遊んだゲーム TOP3】
 「好きなゲーム」が来年も再来年も忘れられないし忘れたくないゲームだとしたら、こちらは「遊んでいる間は夢中になっていたゲーム」です。中毒性が高いというか……休憩時間が待ち遠しくなってしまったゲームですね。


1位:『逆転裁判 蘇る逆転』(ニンテンドーDS)(カプコン)
2位:『ラブプラス+』(ニンテンドーDS)(コナミ)
3位:『アルバートオデッセイ』(バーチャルコンソール・SFC)(サンソフト/東海エンジニアリング)


 1位は「やめどきを失う」典型的なゲームでした。
 プレイヤーにストレスを与えて「事件を解決させなければ」と夢中にさせて、逆転していく過程は爽快感を与えて「もっともっと真実に近づきたい」と夢中にさせて―――プレイ時間はさほど長いワケでもなかったのですが、非常に濃密で充実した時間を与えてくれました。賛否両論あるらしい第5話の長さは、自分は別にイイんじゃないかなぁと思いました。姉妹がラブラブしている話だったし。


 2位。うーん……難しいけど、「楽しんでいた」のは間違いないですしね。
 自分は完璧にハマれはしなかったですし、みなさんのご想像通りもうプレイしていないというか友達に返しちゃったんですけど。手元にある間は「放っておけない」で「毎日起動」していました。それを「楽しんでいなかった」というのは、やっぱりちょっと違うなと。
 「好きなゲーム」という評価軸になれなかったのは、やっぱり自分は「俺が女のコとイチャイチャしたい」と思うより「女のコと女のコがイチャイチャしているのを見ていたい」と思うからなんです。そこはまぁ、次世代に期待したいところですね。『ゆりプラス』!!


 3位は、「惜しいゲーム」ではあるんですけど……テンポの良さゆえに、つい「あと10分」「あと10分」と遊んでしまう魅力のゲームでした。磨ききれていない部分も沢山あるんですけど、その未完成具合もまた魅力の一つというか。ソフィアたんのチート性能で沢山いる敵をまとめて一掃するのが楽しかったです。




【素晴らしかった2010年遊んだゲーム TOP3】
 時間がないのでサクサク行きます。
 上の2つが「加点方式」だったのに対し、こっちは「減点方式」で「ケチのつけどころがなかったゲーム」というカンジですかね。他人にオススメしやすいゲームというか。 


1位:『わりと本格的 絵心教室 前期』(DSiウェア)(任天堂/Headstrong Games)
2位:『レイトン教授と魔神の笛』(ニンテンドーDS)(レベルファイブ)
3位:『安藤ケンサク』(Wii)(任天堂/Shift/Google)


 1位。パッケージソフトでも発売されそこそこの売上げを残したことで「DSiウェアって本当に利用されていないんだなぁ…」と痛感させられてしまったのですが、ぶっちゃけパッケージ版よりもDSiウェア版の方がSDカードに出力出来るからオススメですよ。
 800円で「いつでもどこでもカラーの絵が描ける画材」に「絵が上手く見えるコツ」もセットで付いてくるというのはお得。ケチのつけようがない。絵を描くのが好きな人も、描きたいけど二の足を踏んでいる初心者も是非。


 2位の『レイトン教授』もケチのつけようがないソフトでした。
 ストーリーや世界観は好き嫌いあるかもですが(僕は好きです)、ゲームを遊ぶ人のことを思って出来うる限り親切にしているというその姿勢がまず素晴らしかったです。操作しやすいし、簡単すぎるワケでもないし、救済策もあるし、わき道に逸れた遊びもある―――クリア後に見られるオマケモードも「このゲームを好きな人に向けての」おもてなしを最後までしようと考えられています。御見それしました。


 3位、『安藤ケンサク』再び(笑)。
 色々考えたんですけど、「クロスワード」以外の13コのモードをクリアした今日現在「やっぱり全方位的に楽しませようとする姿勢は凄かったな」と思います。家族で楽しむこと、友達と楽しむこと、一人で楽しむこと。全部考慮して作ってあるゲームなのは確かですし、長い開発期間をかけて作っただけはあったなと思います。





 以上です。
 多分、来年も「最新のゲーム」とか「売れ線のゲーム」とかとは違う話題をしていくことと思いますけど……そういうのもまた「こういうゲームの楽しみ方もある」という一つのロールプレイとして皆さんに見せていけたらと考えています。


 ではでは、よいお年をー。


(関連記事:超お手軽な格ゲーツクール『写真で格闘!フォトファイターX』紹介
(関連記事:『みんなで投票チャンネル』の超豪華版『安藤ケンサク』紹介
(関連記事:『Wii Sports』+セガ風味=『レッツキャッチ』紹介
(関連記事:王道ヒーロー物語『逆転裁判 蘇る逆転』紹介
(関連記事:ゲームはコレで良い。『アルバートオデッセイ』紹介
(関連記事:800円の最高傑作『わりと本格的 絵心教室 前期』紹介
(関連記事:シリーズ未経験者も是非!『レイトン教授と魔神の笛』紹介

| ひび雑記 | 18:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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2010年12月のまとめ

 いやー、『ラストストーリー』のプレゼン凄かったですね!
 ……とか書いていると、ここの欄をいつ書いているのかバレてしまうな。




 『ラストストーリー』のプロモーションはちょっと色々と考えさせられたというか。
 26日のM-1グランプリのTV放送で「優勝者はCMの後に発表します!」というCMまたぎの間に『ラストストーリー』のCMが流れたのですが、「明日インターネットで新作RPGのプレゼンを生中継しますよ」「だから任天堂のサイトを観てね」というものでした。

 今のゲームって30秒のTVCMで魅力を伝えるのは不可能になっているってことだと思うんです。
 実際、僕も『ラストストーリー』の戦闘システムに関する文章を今までたくさん読んできて「ちっとも理解できない……」と思っていました。要素が多過ぎて「これ全部自分で覚えなきゃならないの?」と思っていました。でも、プレゼンの生中継を見て180度印象が変わりました。


 最終的には「骨」と「肉」と「皮」の要素が合わさって高度な戦闘をすることになるので、ゲームシステムを紹介する記事ではいきなりその全部を紹介されるんですけど。
 今回のプレゼンのように「ゲームの冒頭はこうなっています」とイチから戦闘の基本を説明してもらうと、基本の部分は「骨」1コだけで、徐々に「肉」と「皮」が追加されて高度になっていることが分かるのです。


 こういうのってある程度の“尺”がないと説明出来ませんものね。
 30秒のTVCMで「骨」「肉」「皮」を見せられても何がなんだか分からないし、「骨」だけ見せられても「こんなんだったらドラクエみたいな戦闘でよくね?」と思ってしまう―――複雑になってしまったゲームをTVCMの尺だけで説明するのは不可能なんだろうなぁと思います。



 それはそうと……
 プレゼンで一番大笑いしたのは、着せ替えシステムの部分でした
 (上に埋め込んだ動画の47~51分目辺り)。

 坂口さん自ら「私の強い要望で、裸でプレイできるようにしました」とのこと。
 実際に主人公がパンツ一丁でイベントシーンに突入する姿を見せられ、あの部分をTVCMで使えないものかと本気で思いました(笑)。同じイベントをマジメな装備で行っているのと、裸で行っているのとを、順番に見せるとか……どうせCERO:B(12歳以上推奨)だしさ!パンツ一丁推しで行こうぜ!!


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 「2010年12月のまとめ」は私事・創作活動の報告などが大半なので、今月も読みたい人だけ「続きを読む」か「記事URL」をクリックして下さいな。

≫ 「続きを読む」

| ひび雑記 | 17:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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広がる世界・認識する世界

 じいちゃんになったら相撲見て、将棋して、盆栽する生活になるんだと思ってたな
 (『無駄な知識などない』さん

<以下、引用>
17 :イラストに騙された名無しさん :2007/11/27(火) 21:31:11 ID:UOhp36nF
>>15
じーさんが盆栽やってるのは、
じーさんが若い頃に盆栽ブームだったんだよ。
これは本当の話。
</ここまで>



 そ、そうだったのか!
 気になって検索してみたら、戦後の高度経済成長期に盆栽ブームがあったという説をチラホラ見つけました。大体50~60年くらい前?とすると、当時働き始めた20代くらいの青年が「今は忙しいけど定年後に時間が有り余ったら盆栽を始めよう」と思って現在70~80歳くらいか。合点はいきますね。



 何歳になったら盆栽を始めて演歌を好きで聴いて笑点の観覧に行くようになるのか―――というのは、定番の話題だと思います。老人が好きなものに今は興味がないのだけど、ある日突然興味を持つようになるのかみたいな話。
 ただ、実感として年齢をとることで好みが変わるのは「あるなぁ」と思います。食べ物の好みなんかは顕著で、湯豆腐が美味いと思えるようになったのは20代になってからですし。最近自分は「演歌ってイイなぁ」と思うようになってきました。盆栽の境地は恐らく最も高いハードルだと思うんですが、肉体も精神も変わるんだから好みが変わるのも当然のことだと思います。

(関連記事:好みは変わる、考え方も変わる



 んで、思い出したこと。
 こういう話題が数週間前の『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(@TBSラジオ)でされていました。「盆栽は何歳から始めるのか?」「そもそも盆栽ってどこに売っているんだ?」「盆栽って売っていなくない?」という会話の流れで出た結論がこうでした。


 「盆栽に興味がない内は、盆栽が売っているのが見えないだけ」説


 納得。
 宇多丸さんは流れで「実はコンビニとかでも盆栽は売っているけど気付いていないだけなんじゃないのか」と笑い話にしていました。コンビニ店員の経験あるんで流石にそれはないと断言出来ますけど(笑)、商店街に盆栽を売っている店がポツンとあっても目に入らないし、認識していないだけというのは確かにありそうな気がします。

 車の免許が取れる年齢になるまで、車関連の店を認識していない―――これは構成作家さんの出した例でしたが、これも頷けます。18歳になって免許取るかなーと思って始めて自動車教習所のパンフレットってこんなにあるのか!って驚きましたものね。


 自分は大人になってから漫画を描いてみようと無謀にも始めた人間なので、「Gペンとかスクリーントーンとかどこに売ってるんだ?」というところから始めました。すると、小学生の頃から利用していた駅前の文具屋さんの、普段見ていたシャーペンとかボールペンの棚の一つ向こうの棚に漫画専用の区画があったという。
 うわっ!今まで知らんかったけど、こんなとこにあったのか!と驚きました。
 漫画を描き始めるまで、見えていなかっただけなんですよね。


 そうだ、もっと分かりやすい例がありました。
 お笑いを熱心に好きだった人はまた違うと思うんですけど、自分はM-1グランプリが始まるまで「漫才はお笑い芸人がブレイクする前にやるもの」くらいの認識でした。後はベテラン勢だけ。テレビの枠の中にだけお笑い芸人がいるものだと認識していたので、漫才とかコントとかが“主戦場”として存在することを知らなかったんですよ。

 M-1きっかけで「漫才って面白いんだ」「漫才って色んなスタイルがあるんだ」ということを知ったし、お笑いライブというものを「あ、こんなに色んなところでやっているんだ」と認識できるようになりました。以前からのお笑い好きの人は「オイオイ何言ってんだコイツ」と思われるかも知れませんが、こういう人は多いんじゃないかなぁ。





 僕らが認識している「世界」って、本当に存在している「世界」のほんの一部だけなんだと思うんですよ。そして、ふとそこに興味を持つキッカケさえ持てば広がる世界が待っているんだと思うのです。


 生きていると、辛いことって沢山あります。
 「あー、もう碌なことねえなぁ」と思うサイクルが続いちゃうことがあります。
 「楽しいことなんて何一つないなぁ」としか思えない時があります。


 でも、たった棚一つ分。
 隣の棚を見るだけで、そこに自分が知らなかった「世界」が広がっているんです。

 そう考えると、まだまだ「世界」は面白いじゃないですか。




 サッカーに興味のない人にW杯を勧めて、アニメに興味のない人に『けいおん!!』を勧めて、ダウンロード購入ソフトに興味のない人に『フォトファイター』を勧めて―――と、自分の2010年は“世界の入り口”を見つける1年だったのだなと思い返し、今年の記事を締めくくろうと思います。


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【お知らせ】
 作業がなかなか終わらないんで、年末年始のブログ更新は「今月のまとめ」「2010年のまとめ」「2011年の抱負」のみとさせて頂きます。御了承お願いします。本格復帰は……とりあえず下描きが終わってから。それはいつだろう。

 Twitterやmixiは今まで通りに使っていると思うので、生存報告はそちらで。
 ではでは皆様、よいお年を。

| ひび雑記 | 17:50 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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『FF5』のストーリーは『FF10』の半分のボリュームだったか

 「社長が訊く」を読んでいて気になるページがあったので、ちょっと反応します。
 一部引用だけだと文脈が伝わらないかも知れないので、出来れば原文を読んでもらった方がイイかもです。


<以下、引用>
坂口「最近、RPGを最後までプレイしない方も多いですよね。」

岩田「そうですね。メディア容量が増えて、すごい物量が入るようになりましたよね。
 だからつくり手としては、たくさんつめ込んだほうがお客さんは嬉しいと考えるのかな、と思うんです。
 でも、たとえるなら毎日美味しいフランス料理を食べつづけていたら、やがては食べ飽きてしまうのといっしょで、同じ手法でゲーム容量ばかり増やしても、やがて飽きられてしまうように思います。
 だから、どうしたら最後までプレイしてもらえるか・・・途中で料理を食べ飽きないためにはどうするべきかが大切なんでしょうね。」

坂口「そうですね。」
</ここまで>

※ 改行は引用者の手で行いました。


 坂口さんというのは『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親で、現在『ラストストーリー』を制作中の坂口博信さんです。岩田さんというのは任天堂の社長の岩田聡さんです。
 「社長が訊く」という媒体の特性上、「最近のゲームってつまんねえよな!」みたいな話は出来ないでしょうから100%の本音ではない部分もあると思うんですが……とりあえず岩田さんの見解に、自分は異論があるなと思って今日は記事を書きます。



 増えた部分は何だったか?


 スーパーファミコンの『ファイナルファンタジー5』は、自分は20~30時間くらいでクリアしたのを覚えています。とりあえずエンディングまでは。
 PS2の『ファイナルファンタジー10』は、自分は50時間前後でクリアしました。これもとりあえずはエンディングまでの話。


 プレイ時間はおよそ倍。
 しかし、「ストーリー」に限定すれば「『FF10』が『FF5』の倍のボリュームのストーリーだった」とは思いません。好き嫌いは置いといて、体感の「お話の長さ」としては同じくらいかむしろ『5』の方が長い物語だったように思い出せます。

 『FF10』にあって『FF5』にないものは、そりゃ沢山ありました。
 ムービーがあって、ボイスがあって、3Dの美しいグラフィックに豪華な音楽、ブリッツボールのようなミニゲーム……などなど。


 しかし、ストーリーに関しては「同じくらいの長さのお話」を、50時間かけて味わうのと20~30時間かけて味わうのとでは、前者は薄味・後者は濃味に思えますよね。同じ「原作漫画2冊分」を「27話」にするのか「14話」にするのか、みたいな話で。
 むしろ50時間の方は、ムービーやらボイスやら3Dのグラフィックなどで水増しされて、味の薄くなったカルピスのようなストーリーに思えてしまうのです。


 あれ……この例えをすると、あたかも自分が『FF10』を嫌いなようじゃないか。
 そんなことはないのです。自分がやった『FF』シリーズの中では『5』も『10』も同じように上位に好きなタイトルだから例に挙げただけです。ただ、昔に比べて「引き伸ばされている」感は確実にありました。
 自分が一番最近遊んだ3DのRPGが2001年の『FF10』という辺りに、「RPGってのはとにかく時間のかかるゲームだなぁ」という自分の気持ちが反映されているのだろうなと思うのです。



 坂口さんは「最近、RPGを最後までプレイしない方も多いですよね。」と仰っていましたけど、そういう人はまだマシな方で、「最近のRPGは時間がかかるから買わないし遊ばない」って人の方が多いんじゃないかと僕は思っています。

 『ドラクエ』『FF』『ポケモン』以外のRPGが苦戦している&新規のRPGのヒット作が随分と出ていないというのは、その三作品以外の“RPG市場”が縮小しきってしまったということなんだと思うんです。


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○ RPGとストーリー
 ということで、RPGにおける「ストーリー」の役割は昔と随分変わったんだろうなぁと思います。
 かつては「ゲームでストーリーを表現したいならRPG」という時代がありましたけど、RPGが3Dになって、開発期間が長くなって、(中古対策もあって)プレイ時間過多になって、その割にはストーリー自体の長さはさほど変わらないから密度が薄くなって。

 その間にノベルゲームの隆盛や2Dアドベンチャーゲームの復活、3Dのアクションアドベンチャー系が強くなり。
 今では「RPGで体感するストーリー」に、ユーザーが魅力を感じていないんじゃないかなぁと思うのです。もちろん根強いRPG人気というものを否定はしませんけど、『ドラクエ』『FF』『ポケモン』を除けば30~40万本付近に上限がある市場になりつつあると思いますもの。



 動画共有サイトの問題も、自分はあまり詳しくないんで何万人くらいが「動画共有サイトでイイやー」と思っているのかは分かりませんけど……「動画共有サイトのせいでゲームの売上げが落ちている!」というのが本当ならば、RPGの場合「ストーリーは見たい」「でもそれ以外の部分が長くなり過ぎていて面倒」って人が動画共有サイトでストーリーの部分だけ見ているんじゃないのかなぁ。

 スーファミ時代は20~30時間で体感できたストーリーが、最近のゲームは50時間とかかかっちゃうから、動画共有サイトでストーリー以外の部分は早送りして10時間で楽しめた―――みたいなカンジで。
 自分は動画共有サイトをほとんど使わないんで憶測ですけど、使う立場の人を考えるとこういう思考なのかなーと思います。もちろん違法コピーは違法コピーなんでそれが正しいなんて言うつもりはありませんけどね。

 「お金がない」だけじゃないと思うんですよ。
 「RPGで体感するストーリー」の方に限界があるんじゃないかなと思うのですよ。




 でも、『ラストストーリー』含めて、「どうです!新しい要素を足しましたよ」「コレとコレとコレ!」「こんなに色んなことが出来るんですよ!」「物凄くたくさん楽しめますよ!」「すごいでしょ!」と言ってくるRPGがほとんどで……それでは、「最近のRPGは時間がかかるからやりたくないなぁ」という人は戻ってこないと思うんですけどね。

 どうすんのかなぁ、コレ……
 開発費を高騰させて「すごいゲーム」を作り続けているゲーム会社と、「そこまでは求めてなかったのにな…」というユーザーとの差が広がっていることが原因だと自分は思っているんですけど。DSが3DSになって、PSPがPSP2になったら、もっと深刻な問題になるんじゃないかなぁ。


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| ゲーム雑記 | 17:55 | comments:6 | trackbacks:1 | TOP↑

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アニプレックスは『化物語』の成功体験を引きずり過ぎだと思う

 作品としての好き嫌いは置いといて。
 ここ数年間の“コンテンツビジネスとしてのアニメ商品”を考えるに、『化物語』とその製作会社アニプレックスの存在は無視出来ないと思います。
 これから紹介する話は、『化物語』が初めてやったことは少ないけれど、色んな作品がやっていた試みをまとめて試みて大きな売上げを記録したということで―――アニメ業界の一つのターニングポイントになるのかもと思い、今敢えて書き残しておこうと思います。


 どっちかというと、アニメに詳しくない人向けに書くつもりです。
 頑張る。



1.「話数ごと」ではなく「話の一区切りごと」に分けてブルーレイ&DVDの販売
 テレビアニメをブルーレイ&DVD販売する場合、通常は「2話ごと」とか「3話ごと」に分けて巻数表記で販売していきます。例えば、ポニーキャニオン製作『けいおん!』1期は全14話を「2話ごと」に分けて全7巻(14話目はテレビ未放送)、『けいおん!!』2期は全27話を「3話ごと」に分けて全9巻(27話目はテレビ未放送)で販売する――みたいな形です。

 しかし、『化物語』はちょっと違っていました。
 この作品は5人のヒロインをそれぞれ描いた5つの物語からなる全15話の構成だったため――――ブルーレイ&DVDは「ひたぎクラブ(2話)」「まよいマイマイ(3話)」「するがモンキー(3話)」「なでこスネイク(2話)」「つばさキャット上(3話)」「つばさキャット下(2話)」という、異例の形式の全6巻という販売になっていました。

 僕が知る限り、テレビアニメのブルーレイ&DVDを「第○巻」という形ではなく「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」のように副題をつけて売り出しているというのはこの作品が初めてです。というか、コレしか観たことがありません。(一応、ブルーレイ&DVDのパッケージには「第○巻」という表記はあります)


 アニメでは聞きませんけど、ライトノベルなんかではよくある手法ですよね。
 僕が好きな戯言シリーズなんかは1巻が『クビキリサイクル』で2巻が『クビシメロマンチスト』で、タイトルだけ見てもどの巻から手を出してイイか戸惑う一方、2巻目にあたる『クビシメロマンチスト』から読んでも大丈夫なように『クビキリサイクル』の犯人は書かれていないという気配りがされていました。

 巻数表記をしないことで「好きな巻から買ってね」という手法。
 現に『化物語』のアニメも、4巻目にあたる「なでこスネイク」がテレビアニメのブルーレイ売上げ最高記録になったというニュースがあって。4巻が一番売れるなんて、普通はないことですよね。他の巻は買わなかったけど「なでこスネイク」だけは買ったという人が多かったことになります。
 これは「話の区切りごと」「ヒロインごと」に分けて販売したことが勝因なのは間違いないと思います。まぁ、「なでこスネイク」はテレビ放送時の作画が…という事情もあるのかも知れませんが(笑)。



 この影響なのか、同じアニプレックスの『世紀末オカルト学院』は全13話をヒロインごとに2話完結の物語に構成して、1巻(1~2話)はマヤメイン、2巻(3~4話)は美風メイン、3巻(5~6話)はこずえメインという商品展開になっていました。

 まぁ……正直、『オカルト学院』はどうなんだろうねとは思いましたが。それは後に。



2.各エピソードごとにオープニングを変更&収録CDをブルーレイ&DVDに同梱
 作中で使われた曲をCDに収録してブルーレイ&DVDに同梱するという方式は他のメーカーもやっているような気がするのですが(ちょっと自信ない)、ここまでビジネスの中心として使っているのはアニプレックスくらいな気がするんだけどどうでしょう?

 『化物語』は5つの物語からなる話なので、「ひたぎクラブ」には「ひたぎクラブ」、「まよいマイマイ」には「まよいマイマイ」専用のオープニングがあり、そのオープニングテーマのCDはブルーレイ&DVDを買わないと手に入らないようになっています。
 前述した「なでこスネイク」の大ヒットも、このオープニング曲「恋愛サーキュレーション」の力が大きいでしょう。レンタル屋さんでDVDを借りても、同梱物であるCDは手に入らないワケですからね。


 同じアニプレックスの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』は、毎回エンディングテーマを変え、そのエンディングテーマを収録したCDをブルーレイ&DVDに同梱しています。
 『刀語』も(巻によりますが)エンディングテーマが話によって違い、それを収録したCDが同梱されていますね。

 先ほど書いた『世紀末オカルト学院』は、巻のメインヒロインによる90年代JポップのカバーCDが同梱されています。1巻はマヤメインなので、マヤ役の日笠陽子さんの歌う「LOVEマシーン」が当時話題になりました。




3.副音声としてキャラクターコメンタリーをブルーレイ&DVDに収録
 これは多分、『化物語』が初めての試みじゃないですかね。
 アニメに限らず映画なんかでも、スタッフやキャスト陣が副音声としてオーディオコメンタリーを収録するということはかなり以前からある試みでした。最初が何かは分かりませんが、2000年代の前半には既に定着していたんじゃないですかね。


 それを、実在の人物である「スタッフやキャスト」の人達ではなく、架空の人物である「キャラクター」にやらせてしまおうというのがこのキャラクターコメンタリー。『化物語』の場合、本編が阿良々木君とヒロインのやり取りが多いため、このキャラクターコメンタリーで「ヒロイン同士」のやり取りを聴くことが出来るというレアな機会でした。

 原作小説家自らがセリフを書いているというのが大きいですよね。
 言ってしまえば、作者自らがメディアミックス商品に関わっているワケで、原作小説のファンとしても無視できない商品になってしまうワケです。


 同じアニプレックスの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』でも、更に進化した形として「キャラクターコメンタリー風特典映像」が収録されるそうです。こちらも原作小説家自らが脚本を書いているそうですね。



 個人的には「キャラクターコメンタリー」は面白い試みだと思います。
 自分は声優さんが好きで声優さんのラジオもよく聴くからキャストコメンタリーも好きなのですが、「アニメは好きだけど声優さんのことはそんなでもない」という人も多いでしょうし、そういう人が興味を持てる副音声として「キャラクターコメンタリー」はベターな解答なんじゃないかなと。

 ただ、これは原作小説家にそれなりの知名度がなければなりませんし、小説と脚本は求められる仕事が違うので、『化物語』のキャラクターコメンタリーは面白かったけど、他の作品が追随して面白いかは別の話だよなとも思いますね。




4.本編終了後もインターネットで続きを配信
 先ほど『化物語』は「全15話」と書きましたけど、「全15話」のテレビアニメは珍しいです。
 テレビというのは3ヶ月ごとに改編があるので、テレビアニメも「全11~13話(3ヶ月)」「全22~26話(6ヶ月)」くらいの尺に収まることが多いです。いや、収めなきゃならなかったんです。

 だから、アニメ化の際に「急ぎ足」とか「説明不足」になるのも仕方ないなと許容してきたんです。
 決まった尺の中に話を詰め込まなきゃならないんだから、ここの要素を削るのは仕方ないよね、と。


 ですが、『化物語』はその常識を打ち破りました。
 今までにも「テレビ未放送分の追加エピソードをDVDに収録しました」という作品は沢山ありましたが、それだとあくまでおまけエピソードしか描けないんですよね。まぁ、「あのね商法」とかもありましたけど、逆に言うと「あのね商法」の呪いがかかったように「本編はテレビで完結させなければ」「DVDにはおまけエピソードにとどめなくては」という不文律が出来ていたように思われます。


 『化物語』の場合、全15話中、テレビ放送されたのは12話までです。
 12話は12話で「最終回」らしい回だったのですが、羽川さんのエピソードは伏線だけ張って終わりました。そして、その後の最終エピソード13話・14話・15話はインターネットによる配信が行われ、全ての伏線が回収されて終わります。


 ぶっちゃけ、テレビ放送の尺に収めようと思えば収められたんじゃないかなと思います。
 関東では全12話+1週総集編があったので、全13週の放送枠に収めるには2話分削ればイイのだし、不可能な話ではなかったと思います。でも、ムリに収めるんじゃなくてハミ出した分はネット配信にしようという構成にしたのでしょう。そうすれば「テレビ放送したのをブルーレイに録画すればイイや」って人も、ラスト2巻は買わなきゃなりませんし。


 んで、同じアニプレックスの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』も。
 テレビ放送は12話までで、13話・14話・15話はネット配信にするそうです。アニプレックスとして明確な意図があって企画しているということですよね。


 理由は後述しますけど、自分は「条件的賛成」です。
 『化物語』のやり方は「作品としての価値を下げた」と思いますけど、『俺妹』は「別に構わないんじゃない」と思っています。実際に見てみないと分かりませんし、迂闊に調べると原作のネタバレ直撃するんで皆さんは気をつけて下さいね!



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 ……ということで、パッと思いついた『化物語』が“商品を売るためにした”ことを書き、アニプレックスが他の作品にも繋げていることを書いてきました。最初に書きましたが、『化物語』が初めてやったワケじゃないものもありますが、ここまでとことんやったというイミで『化物語』は無視できないでしょう。


 自分としてはアニメもビジネスなんだから「黒字にする」ための努力を否定しませんし、他社も真似するところは真似するべきだとも思います。ただ、今は過渡期ゆえに、問題点も沢山あったとも思うのです。ここからはそれを書きます。



1.ブルーレイ&DVD販売のためのシリーズ構成
 「話数ごと」ではなく「話の区切りごと」にパッケージして売るということについて。

 『化物語』に関しては、「ひたぎクラブ」が2話、「まよいマイマイ」が3話――と柔軟な構成にしてあったのでさほど違和感を持ちませんでしたが。全13話を各ヒロインごとの2話ずつに分けた『世紀末オカルト学院』は、正直「ヒドイ構成だな……」と思いました。


1巻:1~2話、マヤメイン
2巻:3~4話、美風メイン
3巻:5~6話、こずえメイン
4巻:7~8話、亜美メイン
5巻:9~10話、あかりメイン
6巻:11~13話、千尋メイン

 最終エピソードの13話を除けば、全て2話完結。
 でも、ストーリーとしては「本来1話で済ませるべきエピソード」を2話に引き伸ばしてスッカスカになっていたり、「もっと尺を取って描いて欲しかったエピソード」も2話に押し込められたせいで超展開になっていたり。ストーリーライン自体は非常に面白い作品だったと思うんですけど、そのせいで薄味の回と濃味の回にハッキリ分かれてしまったなぁと思うのです。


 「パッケージ販売にあわせたシリーズ構成」という手法も洗練されていけば最適解も見つかりそうですが、現状だと「商品のために作品としての質が犠牲になっている」印象は否めません。当然、商品が売れるためには“作品としての質”が不可欠ですから、商品としてもイイことではないと思うんです。



2.「CDだけは買おう」というライトなファンを拾えない商品展開
 オープニングやエンディング曲をブルーレイ&DVDに同梱することについて。

 賛否両論あると思います。
 「ブルーレイ&DVDを買いたくなる」のは間違いありませんし、アニメをコンテンツビジネスとして考えたのなら“ブルーレイ&DVDの収益”は一番大きいとも思います。

 しかし、「ブルーレイ&DVDを買うほどのお金はないなぁ」「でもCDくらいなら買おうかな」というライトなファンもいることを考えると、その“入り口”としてのハードルを自ら高く設定するのはリスキーだとも思います。
 他社の作品……例えば『涼宮ハルヒ』や『けいおん』なんかはまさに「CDだけ買った」ってファンも多かったでしょうしね。お金の問題だけでなく「アニメ本編は1度観れば十分」「CDは何度も聴くから買おうかな」って人もいるでしょう。テレビ放映の録画で済ませるという人もいるでしょう。



 もちろんアニプレックスにはアニプレックスの方針というか、ソニー系列の会社なので事情も複雑だと思うんですけど(PS3が本家ソニーの顔色伺いながら右往左往しているみたいな形で)。ファンからするとそんなことは関係ないですからね。

 そうは言っても、『化物語』はエンディング曲、『俺妹』や『刀語』はオープニング曲をCD展開しているので、現状は「バランスを取りつつ…」ってカンジなんでしょうが。
 いや、でも「恋愛サーキュレーション」をCD展開していたら、どれだけ大ヒットしたんだろうと思うんですよ。



3.キャラクター推しの作品ばかりになる危惧
 副音声に「キャラクターコメンタリー」を付けることについて。

 自分は非常に面白い試みだと思うんですけど、これが活きるには「キャラクターに人気がある作品」じゃないとなりませんよね。『化物語』や『俺妹』が採用しているということから、どういう作品がこのキャラクターコメンタリーを採用して、このキャラクターコメンタリーが主流になっていったらどういう作品が多くなるのか……推察出来ると思います。


 「キャラクターには全く人気がないけれど、その他の部分で評価されている作品」だっていっぱいありますよね。それこそアニプレックス作品にも。そういう作品はキャラクターコメンタリーを付けてもさほど意味がないので、他のことをやらないといけませんよね。


 その“他のこと”を発明すればイイだけな気もする(笑)。
 なのでまー、実はこの「キャラクターコメンタリー」にはあまり問題点はないと思っています。



4.インターネット配信は「最終手段」にして欲しかった
 さぁ、これだ。
 正直な話、僕は『化物語』のネット配信は好きではありませんでした。商業的には成功したかも知れませんが、これが主流になったらイヤだなぁと思いました。そして案の定『俺妹』でも採用されるということに。

 2回「最終回」が来るってことなんですよ。
 『化物語』の12話はテレビ版の最終回として非常に美しく感動的な最終回でした。阿良々木くんと戦場ヶ原さんの物語の“一旦の結末”として自分もお気に入りの回でした。だから、その後の13話・14話・15話は、ラスボス倒した後のエンディングを延々と見ているような雰囲気でした。本来は物語としてのクライマックスになるはずなのに。

 それと……12話までは地デジのテレビで観ていたものが、13話以降はPCの中の小さな画面で観なくてはならず、一番盛り上げるべきところが一番ショボイ環境で観なきゃならず―――「ブルーレイ&DVDを買えよ!」って話なのかも知れませんが、初見がショボイ環境だった分、後日DVDで観ても印象はあまりよくありませんでした。

 “ラスト3話”って作品全体の記憶に一番残る部分じゃないですか。
 ここが面白ければ、そこまでがイマイチでも「あー面白かった!」と思えます。ここがつまらなかったら、そこまで完璧でも「あー……あー……あー」と思えちゃうじゃないですか。そこを敢えてネット配信にするということは、“次の作品”を考えた時に印象が良くないと思うんですけどね。


 なので、結局「ネット配信もオマケ程度のエピソードにしなきゃならない」ということになっちゃうのかな。そういう発想で行くと、「ブルーレイ&DVDを買った人だけ楽しめる」よりも「ネット配信でも観れる」方がお得感が増しますね。

 例えば、他社作品の『とある科学の超電磁砲』なんかはテレビ放送分のブルーレイ&DVDの発売が終わった後、テレビ未放送分のOVAを発売していますし、テレビ放送が終わった後に劇場版を製作する作品も多いですが――――アニプレックスの『俺妹』はこの分をネット配信する、という考え方も出来るんですよね。他社の作品がお金を取って販売している部分を、ネット配信ではあれ、無料で見せますよーと。
 この辺は実際に観てみないと分かりませんが。


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 あれ……この記事を書き始める頃は、「今日はアニプレックスの悪口を思う存分書くぞー!」と思っていたのに、実際に書いてみると「アニプレックスのやり方も一つの手だよね」という記事になってしまいました。何だろう、こういうのもツンデレなのか!?


 何と言うか……今は過渡期なんだと思います。
 そもそもが、ブルーレイにしろCDにしろ「パッケージにまとめられたコンテンツを買う」こと自体が10年後にはなくなっているかも知れない現状で、如何にして生き残れるのかを各社が考えていると思うのです。

 その意味で、自分はポニーキャニオンの『けいおん』は優れた方法で成果をあげたと思いますし。
 アニプレックスの『化物語』も一つの“成功例”を築き上げたと思います。

(関連記事:『けいおん!!』アニメ2期から入った人に向けて、1期楽曲の解説


 しかし、“『化物語』だから”成功したと思えることも多かったのに、それを他作品に採用しているのを見て「それは見通し甘くない?」と思ってしまうこともあったので、苦言を呈す目的でこの記事をこのタイトルで書きました。なんか……ミイラ取りがミイラになってしまった感はありますが(笑)。


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| アニメ雑記 | 18:16 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

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Wiiで売れるパーティーゲーム/Wiiでも売れないパーティーゲーム

 ゲーム紹介にも書いた『安藤ケンサク』をプレイしながら、「面白いゲームなのにどうしてここまで売れなかったのかなぁ」「このゲームを楽しめる層だっていたはずなのになぁ」と色々と考えたことを今日は書きます。



 「Wiiではパーティーゲームしか売れない」という揶揄はよく見かけます。
 ポジティブに言うと「Wiiでは他機種に比べてパーティーゲームが売れる」だと思うんですけど、それは置いといて……
 国内ソフト売上げランキングを見れば『Wii Sports』2本、『はじめてのWii』、『マリオパーティ8』、『Wii Paty』が上位にいて。『Newマリオ』『マリオカート』『スマブラ』という“4人まで一緒に遊べるソフト”も強く、サードメーカーのソフトでも『太鼓の達人』『カラオケ』『桃鉄』などのソフトが上位に入っています(サードに関してはシリーズソフトが投入されていないというのも大きいのだけど)。


 Wiiではパーティゲームが強いというのは、確かに間違いないと思います。
 しかし、Wiiでも売れていないパーティゲームも沢山ありますよね。任天堂のソフトであっても。


 DS版が100万本を突破した『常識力』は、Wii版は10万本に届かなかったそうで。
 『NHK紅白クイズ合戦』は初週1万本台。
 『安藤ケンサク』に至っては初週1000本付近だったという話です。

 ネットの情報だから正確な数字ではないと思いますし、そもそも初週で大きな売上げをあげるようなソフトではありませんが。華やかに売れまくっている上述のパーティーゲーム達と比べると、何とも寂しい数字だなぁと思うのです。




 Wiiであっても「頭を使う」タイプのパーティゲームは売れないんです。

 ここまでは売上げランキングを見れば分かる話。
 重要なのはここからです。「では何故か?」


 「頭を使う」タイプのパーティゲームは、大人と子どもの実力差が出てしまうからです。

 実際に遊んでみたら子どもでも楽しめるかも知れませんが、買ってみるまでは分からないんです。
 『安藤ケンサク』の「パネル9」なんかはむしろ小学生くらいの方がゲラゲラ笑って楽しめると思うんですけど(言葉遊びだからね)、それは買って遊んでみるまで分からないんです。


 幼稚園児の子どもと「常識力」を競っても、そりゃ大人が勝ちます。
 小学校低学年の子どもと「クイズ」で戦えば、そりゃ大人が勝ちます。そう思われているんです。


 「子どもと一緒にゲームを遊びたい」と思っている親からすれば、親の圧勝なんかは嬉しくないんです。子どもも楽しくないし、子どもが楽しくないのを見れば親だって楽しくないんです。
 『Wii Sports』や『マリオパーティ8』が売れたのは「これなら子どもと一緒に遊べそうだ」と思われたからなんです。『太鼓の達人』が売れるのは親御さんの信頼を勝ち得ているからなんです。そのために、ゲームデザインを極力シンプルにしているワケですよ。

(関連記事:Wiiが成し得なかった“革命”~その2.予備知識の要らないゲーム


 「よし!我が子が大きくなったら『NHK紅白クイズ合戦』で対戦するぞ!」と思っている親御さんは、子どもが何歳になったらマトモに対戦出来るでしょうか?
 幼稚園児ではムリですよね。小学生低学年でもムリですよね。中学生辺りでギリギリでしょうか。でも、中学生くらいの子どもって「親と一緒にゲームなんかウッゼエし」とか言いますよね。


 小学校高学年くらいから子どもは同じパーティゲームでも「友達と一緒に遊ぶゲーム」を選ぶでしょうし、そうすると『マリオカート』や『スマブラ』で良いんですよね。DSだったら『ポケモン』や『イナイレ』で良いんですよね。わざわざ「常識力」や「クイズ」のゲームを選ぶ子どもは少ないでしょう。子どもは毎日学校に行って勉強しろって言われているんですから。


 そう考えると、こうしたゲームってどういう家庭で遊ばれることを想定して作っているのでしょう?
 『安藤ケンサク』は本当に「良いゲーム」だと思います。でも、「良いゲーム」かどうかはその人の環境にも依るので、このゲームを「良いゲーム」と思える家庭というのは物凄く限定されるんだなとも思ったのです。
 小さな子どもには楽しめない、かと言ってネットに詳しくない高齢者には楽しめない――――「良いゲーム」なのに売れないのはおかしい!って思うかもしれませんが、売れないのには売れないなりの理由があるんです。


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○ 『人生ゲーム』に負け続けた日本のゲームメーカー
 多くの人は「何を当然のことを言っているんだ」「売れなかったゲームの売れなかった理由なんて後から何とでも言えるじゃないか」と思うことでしょう。僕もそう思います(笑)。


 今この記事を読んで「そうか!Wiiでは頭を使わないパーティゲームが売れるんだな!よし今から作ろう!」と思ったメーカーさんが万が一でもいたら、「でも完成するのは1年か2年後ですよ」と言っておきます。その頃には市場は全く違うものになっているでしょう。

 『安藤ケンサク』も着想は2007年の2月、ソフト開発が本格的に動き出したのは2007年の夏だったという話です。『Wii Sports』が超絶売れまくって、Wii本体が品切れだった頃なんですよ。本当は短期で完成させる予定だったソフトが伸びに伸びて3年、3年経てば市場はガラリと変貌して、この有様です。


 だから、『安藤ケンサク』が売れなくて僕が「売れない理由はコレだ!」と説明しても、「それ3年前に言ってくれないかなぁ」って話なんです。過去の話なんです。「信長は明智光秀に優しくしておくべきだった」と今言っても、信長さんは「もっと早く教えてくれよお」と思うだけなんです。



 重要なのは未来の話。
 今のゲームは大人数+長期間で作っているので、開発費はかかるわ、完成するまでに市場は変わっちゃうわで大変なんだと思います。3年後のニーズを予測してゲームを作るなんて、全てのメーカーに出来ることではないでしょう。

 なので……ある程度のニーズが既にあって、開発も過去の資産が使える、続編モノ&シリーズモノに力を注がれるのも仕方がないですし。その結果として、少しずつ市場が先細っているのも仕方がないのかなぁと思います。
 ソーシャルゲームが人気になった要因を「最初は無料だから」「携帯電話はみんな持っているから」と分析する人も多いですしそれも確かに頷けるのですが、続編&シリーズばっかりのコンシューマーゲームにはない魅力があると思われたからってのも大きいと僕は思いますよ。



 今世代のコンシューマーゲームはまだ携帯ゲーム機が「ローコストで開発できる」最後の砦になっていたと思います。
 でも、DSが3DSになって、PSPがPSP2になれば開発費&開発期間は膨らむことでしょう。岩田さんは「3DSでもDSと同じくらいの開発費のゲームがあってもイイと思う」と仰っていましたし自分もそう思いますけど、同じことをWiiの時も言っていた気がする……とも思うのです。だから僕は3DSの未来を楽観視していません。


 自分はやっぱり、Wiiウェアで『人生ゲーム』が1位になり続けたというのが日本のゲーム業界の現状だと思うんです。作り手の思う「良いゲーム」を作ることに手一杯で、遊び手が望むものを出せていないのが現状だと思うんです。
 しかもそれを「ライト層はネットでゲームの情報を収集しないからだ!」と遊び手のせいにしたり、っていうのは自称ゲーマー層の人達の話ですけど。『人生ゲーム』を打倒して現在のWiiウェアランキング1位になっているゲームは、『人生ゲーム』の続編ですからねぇ。メーカーもそう思ってんのかもなぁ、と哀しくなってしまいます。


(関連記事:『人生ゲーム』はどうしてWiiウェアランキング1位になり続けたのか


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| ゲーム雑記 | 17:56 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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漫画業界も“レーティング制度”を導入すべきだったのか

 東京都の条例とは関係ないような関係あるような話。
 今年になってから活発になった「漫画・アニメの表現を規制していく」流れを受けて、規制は嬉しくはないけれどという前置きをした上で「でも漫画業界は自業自得じゃないの」という意見の人は多いです。

 ゲーム業界や映画業界が導入しているレーティング制度をもっと早い段階で導入して、「この作品は12歳以上推奨」「この作品は15歳以上推奨」「この作品は17歳以上推奨」のように細かい規定を設けておくべきだった―――それをしなかったのは漫画業界の怠慢だったし、だから今回の規制も仕方ないんだ、という意見は結構見かけます。



 僕個人がレーティングに賛成か反対かは、この記事の後半に書きますが――――
 「漫画業界が何故レーティング制度を導入できなかったか」は、簡単に説明が出来ます。業界がどうのじゃなくて、メディアの特性として導入するのが難しかったので、「ゲームや映画がやっているんだから漫画もやっておくべきだった」という意見は言いがかりにしか思えません。



1.“漫画雑誌”には複数の漫画が連載されている
 漫画というメディアは圧倒的に“雑誌に連載されているもの”が多数です。
 新聞や漫画雑誌以外の雑誌に連載されているものもありますが、ダントツで多いのは漫画雑誌でしょう。漫画雑誌なしでは漫画を語ることは出来ないのです。



 そして、その漫画雑誌には20~30前後の漫画が連載されています。

 『Dr.スランプ』も『シティハンター』も、同じ雑誌に連載されていたんですよ。
 それが雑誌なんです。少年漫画雑誌と言っても「子どもだけが楽しめる」「子どもも大人も楽しめる」「大人だけが楽しめる」漫画が揃っているんです。
 青年向け漫画雑誌もそうです。『バガボンド』と『島耕作』と『チーズスイートホーム』が同じ雑誌に連載されているんです。


 大人だって、ハードボイルドなもの以外が読みたい時があるし。
 子どもだって、ちょっと背伸びをして大人なものを読みたい時があるんです。


 そうした需要に応えてきたのが(漫画に限らず)雑誌なんです。
 多種多様なものを揃えているのが雑誌なんです。


 漫画雑誌にレーティング制度を導入した場合、最も年齢層が高い漫画に合わせて雑誌全体の推奨年齢を上げるか、推奨年齢別に区分した雑誌を作るかのどちらかになるでしょう。前者は読者の層を恐ろしく限定することになりますし、後者は「雑誌」としての強みを失うことになります。

 せっかく多種多様なものを揃えているのが人気だった幕の内弁当を、「揚げ物だけ」「煮物だけ」「白飯だけ」に分けて売れってことですよ。
 漫画業界がこれまでレーティング制度を導入できなかったのも頷けますし、それを「怠慢」だと言うのは漫画業界が可哀想だと思ってしまいます。もし導入していたら漫画雑誌自体がとっくに死滅していた可能性もあったと思いますもの。



2.漫画は“完結してから”売るものではない
 では、単行本はどうかという話。
 レーティング制度に賛成な人は、雑誌にレーティングを導入できないのなら少なくとも単行本には導入しておけよ―――というイメージで仰っている人が多いと思われます。漫画=単行本という認識の人も多いでしょうからね。


 しかし、これも難しい話。
 例えば『ドラゴンボール』の初期の冒険活劇の頃って、ブルマのお尻やらおっぱいやらが描かれていて、ゲーム業界のレーティングで言えば「15歳以上推奨」か「17歳以上推奨」かひょっとしたら「18歳未満禁止」になると思います。
 でも、中盤以降にバトル漫画化した後はそうした描写はなくなります。血の描写は多いので「全年齢」になるかは微妙だと思いますが、少なくとも初期の頃よりは推奨年齢が広がると思います。

 14歳のコが『ドラゴンボール』を読みたいと思ったら、10巻までは読んじゃダメで、11巻からはOKみたいなことになっちゃいますよね。いや、ひょっとしたら「1巻と9巻だけは読んじゃダメ」みたいな不思議な事態になりかねません。



 漫画というのは、ゲームや映画と違って「この後どうなるかは分からない」まま売り始めるものです。
 あ……ゲームや映画にも三部作ものとかあるか。まぁ、それは置いといて(笑)。

 1巻を描いている段階では、作者にすら「この後どうなるのか」なんて分かっていないんですよ。
 『ドラゴンボール』も最初はドラゴンボールを集める冒険モノでしたが、人気が爆発的になったのは天下一武道会辺りからなので、そこから少しずつバトルものへとシフトしていったのです。読者が求めているものを察知して、その都度その都度シフトチェンジしていくことが漫画の強みなんです。
 『スラムダンク』だって序盤は学園モノでしたからね(バスケット漫画にヒットなしの法則があったので、序盤はバスケットのシーンを少なめにしていた)。

 1巻の段階で「この漫画はエッチィから15歳以上推奨にしよう」と決めていたら『ドラゴンボール』はあれだけの大ヒット作品にはなりませんでしたし。1巻の段階で「暴力シーンがあるから12歳以上推奨にしよう」と決めていたら『スラムダンク』はあれだけの大ヒット作品にはならなかったのですよ。




 なので、単行本にもレーティング導入が難しかったのだと思います。
 「漫画業界もレーティング制度を導入しておけば良かったんだ」という人はどういう形をイメージしていたんでしょう。自分は現実的に出来る方法なんてほとんどなかったと思うんですけど。

 出来たとして――――
 「この雑誌ではこれ以上の表現はしません」というある程度のガイドラインを決めて(ここまでは恐らく全部の雑誌がしている)それを公表するくらいですかね。でも、それって「僕達が出来る一番過激な表現はコレですよ」と手の内を晒すことになるワケで、やりたがらないのも仕方ないんじゃないかなぁ………


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● “紙の本”が死ぬ日
 ……と、ここまで“これまでの話”について書いてきましたが。
 未来のことを考えると、「電子書籍ならレーティングの導入も楽だよね」と言えると思います。


 ペアレンタルコントロールみたいな形で、電子の漫画雑誌を買うと「○歳未満には推奨していない漫画」を表示しない機能を付けるとか。
 電子の漫画単行本なら、修正の入っていない「15歳以上向け版」と修正の入っている「14歳未満向け版」を同時発売することも簡単でしょうし。やろうと思えば、持ち主が規定年齢以上になると修正の入っていないバージョンに書き換えられる機能とかも出来るんじゃないかなぁ。


 “紙の本”は死ぬしかないでしょうね。

 今まで出来なかったレーティングを導入すれば、どうしたって今までの形は保てません。
 それはきっと“漫画”というものが変わらざるを得ない瞬間です。それは電子書籍になってもそうですね。“今までの漫画”は形を変えるしかなくなり、“今までの漫画”が好きだった人は好きなものを失うことになります。


 だから、僕は「漫画業界もレーティングを導入すべき」だなんて言えません。
 大好きだったものを理不尽な形で失わなくてはならない人が沢山生まれるからです。

 好きなものを奪われる悲しみ、恨み、怒り―――
 別にイイコぶるワケじゃなくて、それを沢山の人に味わわせることのイミを考えると、決して社会のためにはならないと思うんです。

(関連記事:「自分が興味のないものは規制されてしまえばイイ」のだろうか




● 「子どもに見せたくないもの」で決められるレーティング
 そもそもだけどさ。
 ゲーム業界のレーティング制度を「アレを見本にしろ」みたいに言うのもどうかと思います。


 例えば、初代『逆転裁判』のDSリメイク版――――
 あれはCERO:Bで「12歳以上推奨」なんですけど、それをみんな納得しているんですかね?

 12歳以上推奨ということは、小学生にはプレイを推奨していないということです。
 ナルホドくんが給食費を盗んだ犯人にされて学級裁判にかけられるところなんて、小学生にこそ触れて欲しいところだと僕は思いますよ。人は誰か一人でも味方がいれば救われるんだって、小学生にこそ見て欲しいと僕は思いますよ。

 でも、このゲームは「暴力」「セクシャル」アイコンが付いているため、12歳未満には推奨されていないゲームなんです。親御さんにも「12歳未満には買ってあげることを推奨しません」と言っているワケです。




 こういうレーティング制度は、「子どもに見せたいもの」(加点主義)の要素は無視され、「子どもに見せたくないもの」(減点主義)の要素のみで決められます。僕はこんなレーティング制度が正しい形だとは決して思いません。

 “子どもの教育”よりも、“PTAから文句を言われないもの”を重視しているだけじゃないですか。これを「業界の努力」と言うなんて、ちゃんちゃらおかしいですよ。



 「暴力表現がありますよ」「血の描写がありますよ」「性描写がありますよ」とパッケージに書くことが悪いとは言いませんし、僕も漫画を紹介する時には「性描写があるんで苦手な人は注意して下さい」と書いてきました。
 それを年齢によって区分するのはどうだって話です。

 18禁はまた別の話ね。これは今回の話とはちょっと領域が違う話なので。




 つまり……僕の意見としては、(年齢で区分する)レーティングには基本的に反対。
 でも、望まない人がそれを手に取らないように、パッケージ(表紙とか)に記載することには賛成です。

 それでも手に取るって人は自己責任でイイじゃないか。何歳であっても。
 自分の部屋にある漫画が「表紙にセクシャルアイコンのある漫画」ばかりになったら、それはそれで未成年者は恥ずかしくて耐えられないと思いますし(笑)。


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| 漫画読み雑記 | 17:34 | comments:8 | trackbacks:1 | TOP↑

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『みんなで投票チャンネル』の超豪華版『安藤ケンサク』紹介

『安藤ケンサク』
 Wii用/検索ことばあそび
 任天堂/開発:Shift/Powered by Google
 20010.4.29発売
 4800円
 公式サイト(音が出ます!)

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 任天堂がGoogleと組んで作ったゲーム。
 「and検索」にかけて付けられたタイトルは『安藤ケンサク』。
 パッケージは、本作のマスコット「安藤ケンサク」の目と口のアップ―――という事前情報だけで、発売前から「こ、このゲームは売れそうにないぞ…!」と話題になりました。そして案の定、売上げは散々なもので各小売店ではトンデモない値崩れを起こしました。年末の「みんなで集まってWiiしようぜ!」という任天堂のプロモーションからも、すっかり省かれて……

 かく言う僕も、Amazonで900円で売っているのを見かけてついポチッと買った口。
 ハッキリ言ってどんなゲームかも分かっていなかったのですが、世間の評判の良さと、販売価格の安さに「ちょっと手を出してみようかな」と買ってみたのです。


 なるほど、これは『みんなで投票チャンネル』だ。

 一言で説明すると「統計データを使って遊ぶゲーム」なんです。

 『みんなで投票チャンネル』は1週間かけて実際にプレイヤーにアンケートを取って、「どっちが多いか」を予想させるゲームです。リアルタイムに募集・集計・発表をするため、“臨場感”を感じることが出来る一方、そのデータは「どっちが多いか」にしか使うことが出来ません。

 『安藤ケンサク』はGoogleによって既に集計されているインターネットの情報を元にしているため、データは過去のデータ(2008年までがほとんど)(多分)で“臨場感”はありませんが、逆にそのデータを使って多種多様な14種類のゲームに使うことが出来たんです。



 「統計データを使って遊ぶ」ことの何が面白いのか?
 『みんなで投票チャンネル』を遊んだことのある人なら頷いてくれると思うのですが、「正解が分かるようで決まっていない」ところだと思います。

 「徳川幕府を開いたのは誰?」という問題ならば、正解は「徳川家康」という正解が決まっています。
 教科書にそう書いてあるから。歴史には諸説あるとかそういうこともあるかも知れませんが、クイズゲームというのは基本的に“知識”があるかどうかで決着がつくのです。

 しかし、「秀吉と家康、どっちが好きな人が多いでしょう?」という問題ならば、「え……多分、秀吉じゃないのかな…」というくらいに自信は半減しますよね。「統計データで遊ぶ」というのはこれが楽しいんですよ。

 “知識”の量を競うのではなく、“推理力”も必要なんです。



 統計の取り方は違いますが、『安藤ケンサク』は『みんなで投票チャンネル』に通じる面白さがあります。ということで、『投票チャンネル』を楽しんでいる(楽しんでいた)人にはオススメのゲームです。年末年始、家族や親戚で集まる機会に是非。任天堂がプッシュしないなら、オイラが猛プッシュしてやんよ!!


↓ 以下、感想はクリックで。

≫ 「続きを読む」

| ゲーム紹介 | 17:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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Twitterのアイコン、あなたはどのタイプ?

 「Twitterのアイコンに何の画像を使っているのか」は、その人を示す面白い題材だと思います。


1.自分を象徴するアイコン
 自分の写真、自分の似顔絵、自分を擬態したキャラクターなどなど……

2.好きな“他者”のアイコン
 好きなアイドルの写真、好きなキャラクターの絵などなど……

3.キャラクターを持たない非人間のアイコン
 猫アイコン、犬アイコン、無機物・記号などのアイコン、デフォルトの卵や鳥のアイコンなどなど……



 もちろんこれはザックリとした分類で、「猫には高い知能があるから非人間扱いはヒドイ!」という人や「俺がガンダムだからガンダムの画像を使うのも自分の写真を使うのも一緒だ!」という人もいらっしゃると思いますが……まぁ、一般論として「自分」「他者」「人間以外」かという分類が出来るのだと思います。


 2の場合、「他人の絵を無断で使っている」とか「他人の写真を無断で使っている」ケースが多くて著作権・肖像権の侵害じゃないかという問題はあるのですが……迂闊に触れるとブログが炎上しかねないので、今日は考えないことにします(笑)。



 「1の人」と「2の人」はアイコンに思っている役割が違うので、「なんであの人達はあんなアイコンを使っているんだろう……」と互いに思っていることがあるみたいです。
 実際に僕は自分の似顔絵を使っている「1の人」なので、「2の人」から言われたことがあります。



○ 「2の人」から「1の人」への言い分
 自分の画像を使うなんて、ナルシストなんじゃないの?

 「ナルシスト」という言葉は攻撃的な気がしますが、「Twitterのキャラに自分を使う必要があるのか」という疑問は確かに抱いてもおかしくないです。
 例えばキャラメイキングが出来るオンラインゲームを始める際、自分を投影させたキャラクターを作るべきでしょうか。実際の俺はブサイクだからキャラもブサイクにしなきゃとか、実際の俺はチビだからキャラもチビにしなきゃとか―――そんなことを悩むのなら、「エバンス」みたいに架空のキャラクターを作り上げて全然自分に似ていないキャラで遊んだ方が気が楽という見方も出来ます。


 オフラインのゲームで主人公の性別を選べる場合、自分も100%女性主人公を選びますもの。気持ちは分かります。

(関連記事:『ドラクエ』の主人公に自分の名前を付けられますか?



○ 「1の人」から「2の人」への言い分
 あずにゃんはそんなこと言わない。

 好きなアイドルとか好きなキャラクターをアイコンにしたいという欲求も分からなくはないです。一番自分が目にする絵ですからね。
 あずにゃんを好き過ぎて、あずにゃんになりたいという気持ちも……自分はそう思ったことはないんですが、そう思う人がいるのもおかしくはないと理解できます。時々僕も「もう俺いっそのことおっぱいになりたいよ」と思う時がありますからね。

 しかし、「1の人」な僕から見ると、あずにゃんのアイコンが「とてもじゃないけどあずにゃんには発して欲しくない言葉」を発しているのを見てドン退くことがあります。ど下ネタとか、差別的発言とか、「うえっ!うぇっ!ざまあみろwwwwメシウマwwwww」とか。


 あの……なんか…申し訳ないんですけど。
 ちょっとあずにゃんのことを嫌いになるよね。

 あずにゃんにはまーっったく罪がないのに。
 かと言って、あずにゃんになりきった口調でツイートとかしていると、「キャラの理解が浅い!」とか文句を言いたくなるとか(笑)。まー、別に僕はあずにゃんの熱狂的なファンというワケでもないのでそんなに目くじら立てて怒ったりはしないんですけど、こういう理由で唯のアイコンを使っている人は極力フォローしません。

 唯はこんなこと言わない!と。



 あとまぁ……単純に、今人気のキャラクターのアイコンを使うとみんなと被るというのはありますよね。タイムライン上にイカちゃんアイコンが多くて(絵自体は一人一人違うんですけど)、誰が誰だか区別が付かなくなってしまいました。

 『イカ娘』は公式サイトでアイコンを配布しているんですけど、人気がありすぎるのも考えものだなというか……まぁ、ある意味で侵略が成功しているとも言えるのか。



○ 「3の人」
 どちらからも文句を言われない賢い判断をしているとも言える。


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○ 「ネットについて語る」=「人間について語る」
 一応言っておきますけど、僕は「どの人が正しい」なんて言う気はありませんよ。
 色んな人がいるから世界は面白いのですし、インターネットに何を求めるのかはみんなが違うから面白いんだと思うのです。


 「インターネットとは?」とか「ホームページはこうあるべきだ」とか「ブログは~~」「mixiは~~」「Twitterは~~」みたいな話題は、それこそ人生哲学が何千年経っても尽きないように、永遠と話題になるテーマだと思います。

 それらを語るのが何故面白いかって、それは「人を語る」ことだからだと思います。



 自分を表現したい人、自分ではない誰かになりたい人、誰でもない匿名の顔で本音を好き勝手書きたい人、みんなと同じアイコンにして個性を消したい人―――色んな人がいて。Twitterというのは「色んな人がいる」代表格のようなサービスなので、アイコン一つをとっても、色んな考え方の人がいて面白いなーとタイムラインを眺めて思うのです。

 みんながみんな同じアイコンだったら面白くないんですよ!


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| ひび雑記 | 17:56 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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ゲームはコレで良い。『アルバートオデッセイ』紹介

『アルバートオデッセイ』
 スーパーファミコン用/シミュレーションRPG
 サンソフト/東海エンジニアリング
 1993.3.5発売
 Wiiバーチャルコンソール用
 2010.10.19配信開始/800ポイント
 公式サイト

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 ※ この紹介記事はWiiバーチャルコンソールにてリメイクされたものをプレイして書いているので、オリジナルのスーパーファミコン版とは内容が異なっている可能性があります。


 90年代前半は、日本のRPGにとって最も幸せな時期だったのかも知れません。
 『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエストII』『ドラゴンクエストIII』の大ヒットにより、後追いのRPGが大量に発売されたのが80年代後半でした。その中から「ドラクエとの差別化」を何とか出そうとする作品が生まれ、90年代に入ってからは(当時の)次世代ゲーム機の力で「新しいシステム」をRPGに導入していく流れが出てきます。

 フリーシナリオの『ロマンシング サ・ガ』(92年)、1000回遊べる『不思議のダンジョン』(93年)、正義とは何かを描いた『オウガバトル』(93年)。『ファイナルファンタジー』『ゼルダの伝説』『ファイアーエムブレム』等の前世代機から引き続いたシリーズも、90年代前半にシステムが確立することが多く、RPGというジャンルに最も進化と多様性が見られた時期だったのかも知れないと思うのです。


 『アルバートオデッセイ』も、当時のゲーム雑誌にそうした「新しいシステムのRPG」の一つとして紹介されていたのを覚えています。

 このゲーム、当時のゲームと比較しても見劣りする部分は多いです。
 まず操作性が良くないですし、コマンドが使いづらい。キャラが動く時にいちいちフィールドが回転する謎仕様と、移動をキャンセルするたびに同じ道をテクテク歩いて戻るのが非常にイライラします。町の中の移動速度も遅く、町の中を探索する楽しみもそれほどないし、宿屋に泊まるために一人一人を町に戻すのに非常に面倒な手順を踏まなくてはなりません。
 ストーリーは、自分は嫌いじゃないですけど、万人受けはしないと思います。全体的なボリュームも、当時のRPGとしても短めかなというところ。

 でも、“ゲームのルール”が凄く面白いんです。
 この一点だけで、他の全ての欠点に目を瞑ったくらいに面白かったです。「あ、ゲームはコレでイイんだ」と思いました。

 万人にオススメ出来るゲームではありません。少なくとも2010年の現在では。
 でも、このゲームにはこのゲームにしかない魅力があるんです。



↓ 以下、感想はクリックで。

≫ 「続きを読む」

| ゲーム紹介 | 17:32 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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電子書籍は「試し読み」で化ける

 今年は「電子書籍元年」と言われていて、来年には「日本版キンドルが始まるのでは?」なんて憶測が言われたりしていて。何か、毎年毎年「来年には…」と言われている気がするんですけど、電子書籍というものがそう珍しくない未来が近づいているんだろうなと思います。


 自分は、正直よく分かっていません。
 色んな会社が競合して端末を出していることでどれを買ってイイか分かりませんし、そんな面倒な先行投資をするくらいなら「紙の本で良いやー」という気分ですし、もし読みたい本が「紙の本では出しません!電子書籍しか出しません」と言っていたら「じゃあ読まなくて良いやー」としか思わないくらいに面倒です。


 いや、まぁ……日本版キンドルが始まって「誰でも気軽に出版が出来る」未来になったのなら、自分だって電子書籍を出したいなーなんて漠然と思ってはいるのですが。僕レベルの人が分かるくらいに「これ買っておけば大丈夫!」な端末が安価で出ない限りは厳しいんじゃないかと思います。

 漫画は特に、ある程度の画面サイズが必要ですしね……うーん。





 とまぁ、それくらいの知識しかない自分が。
 “読む側”の立場で、「こんな機能があったら魅力的なのになぁ」と思うことを書いておきます。

 「電子書籍だと安くなりますよ」ってだけじゃ普及しないと思うんですよ。端末にお金払うワケですし。
 「電子書籍だと置き場所が要りませんよ」ってだけじゃ普及しないと思うんですよ。紙の本だって、読み終わったらブックオフかネットオークションに売り払っちゃう人が大勢いるんですから。


 ずばり、自分が欲しいのは「試し読み」機能です。
 調べてみたところ、キンドルは「ほぼ全ての書籍が最初の1章分を無償で読める。」らしいですね。じゃあ「欲しい」じゃなくて「強化して欲しい」「プッシュして欲しい」に言い換えておきます(笑)。


 でも、個人的には「どこまでを無償にするのか」は著作者が決められるようにした方が、物凄く可能性が広がると思うんです。「サンプルを試し読みする」→「面白かったからそのまま購入して続きを読む」の流れを定着させることこそが電子書籍の強みになると思うのです。


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○ 「全部読める」か「全部読めない」しかなかった“立ち読み”
 “紙の本”にも一応「試し読み」をする方法がありました。それが“立ち読み”です。
 しかし、この立ち読み―――漫画なんかではビニールがかかっているなどで「全く開けることが出来ない」か。普通の本や雑誌、ブックオフなどの新古書店なんかで「最初から最後まで読むことが出来る」の2通りしかなかったんです。



 これって、作り手側からするとジレンマだと思います。

 手にとって欲しい、中を見て欲しい、中を見てもらったら気に入ってもらえる自信がある。
 でも、“立ち読み”で全部読まれちゃうこともあるんです。

 自分は小心者なので出来ませんけど、小説を全部“立ち読み”で読んでしまう知り合いがいますし、ブックオフで漫画全巻を読んだって人もいますし、漫画雑誌は“立ち読み”で済ませてしまうって人は多いでしょう。

 かと言って、「買ってみるまで中身が全く分からない」と読者は手を出しにくいし、作り手側からしても「手を出してもらえば気に入ってもらえる自信があるのになぁ」というジレンマに苦しむんじゃないかと思います。



 なので、電子書籍で「試し読み」出来る部分を予め作り手が決められればイイと思うんですよ。
 ここまで読んでもらえれば残りは買ってもらえる自信がある、というところを作り手側が設定すればイイし。読む側からしても「そこまで読んだけど面白くないということは肌に合わないんだな」と分かると思うんです。


 漫画だったら一番「この作品の魅力が伝わる」と思う回をタダで読めるようにすればイイし。
 推理小説だったら「犯人が分かる最終章」以外全部無料で読めるようにしちゃってもイイと思います。
 「試し読み」では湯気で見えにくかったところが、購入して読むと湯気が消えるとかもイイか(笑)。


 “紙の本”では出来なかった売り方があると思いますし、“電子書籍”ならではの面白い試みって沢山あると思うんです。ただ“紙の本”を安くして置き場所に困りませんよーとしただけじゃ“電子書籍”なんて面倒なものは普及しないと思いますよ。




○ どこででも「試し読み」出来るメリット
 ここまではどちらかと言うと「作る側」のメリットで、「読む側」のメリットはないんじゃないか?と思った人もいると思いますんで解説します。自分としてはむしろこっちのメリットが欲しいです。

 当然のことながら、“立ち読み”は本屋さんでしか出来ませんよね。
 本屋さん以外で“立ち読み”をしていたらそれは万引きです。


 でも、持ち歩き出来る端末に「試し読み」のサンプルを保存して世界中の何処ででも読めるのなら、布団の中でも電車の中でも待ち合わせの間でも退屈な授業の間でも読むことが出来ます。授業はちゃんと受けなきゃダメだよ!

 で、3Gならその場で「面白いから続きを買おうっと」と出来るワケっすよ。
 世界中の何処もが本屋!世界中…?世界中なのか、自分「3G」がよく分かっていないんで、「日本中」にしておきますか(笑)。日本の何処に行ってもアナタの手のひらが本屋になる!



 しゃらくさい言葉を使うのならば、これは「ライフスタイル」の変化なんだと思います。
 人と本との向き合い方が変わってしまうくらいの革命なんだと思います。


 そのためには「サンプルはPCから読めます」とかじゃ全然ダメですし、携帯できる端末でサンプル版を読んでいて「続きを読みたいな」と購入ボタンを押したら十秒後にはその場で製品版にデータが替わっているくらいのことをしてくれなきゃダメだと思います。



 電子書籍の普及には“コンテンツ”より“サービス”の方が重要じゃないかなと僕は思っていますし、この「試し読み」は一つの例です。「電子書籍ならではのサービス」で、本を読むことが劇的に楽しくなる―――くらいじゃないと、普及はしないと思っています。

 いや、こういう機能が「実際に実装されているかどうか」もよく分かっていない僕が言うのもアレなんですけどね(笑)。技術的には何の難しいところもないでしょうし、「1章」と言わずに、「作り手の好きなように」出来ると売り方も楽しみ方も幅が広がるんだけどなーと思うのです。


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○ 余談
 端末の話ですけど……
 iPadは価格が高くて、3DSは画面サイズと解像度が低くて、端末としてのキンドルは「専用端末」ゆえに物凄く興味がある人にしか手に取ってもらえないだろうって思ってしまいます。携帯電話はスマートフォン含めて、画面サイズに難があって(漫画を読むには)。


 一般に普及するためには、どれも「痒いところに手が届かない」印象です。




 で、何気に自分が期待というか、ダークホースとして妄想しているのが「PSP2」です。
 「出るの?」というところから怪しい存在なんですけど、これが大画面携帯ゲーム機路線に進んでくれると自分は嬉しいなと思っています。iPadよりはちょっと画面小さめで価格も安くて、ゲームがメインだからボタンももちろん付いていて、様々なメディアに対応している内の一つに「電子書籍」がある、みたいな妄想。


 ライバルである3DSが立体視の方向に進んだので、どうしたって現時点ではコストの問題で大画面には対応出来ませんでしたから―――「自宅で携帯ゲーム機を遊ぶ層」には、PSP2が大画面で行きますよー!と進んだら受け皿になると思うんですよ。

 まぁ、今の段階で噂されている「PSP2」の仕様はこっちの方向ではないっぽいんですが……
 そんなこんなで、ここからの半年~一年は「電子書籍」がどうなるかの期間になるかもですね。来年の今頃には「電子書籍?そんなものもあったねえ」と言ってるやも知れぬ(笑)。

| 漫画読み雑記 | 18:01 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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