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2012年7月のまとめ

 お知らせ。

 気付いていた人は気付いていたと思いますが、数ヶ月前からこのブログで「コメント欄への返信」を行っていました。
 2009年に「時間が確保できないのでコメント欄の返信はやめようと思います」と方針を変えて以降ずっと行っていなかったのですが、ブログ記事自体を短くしようという試みの中で「説明足らずなところも出ちゃうだろうからコメント欄の返信をもう1回やろうかな」と試験的に行っていたんです。


 んで、その試験的に行ってきた「コメント欄への返信」を再びやめようと思います。

 理由は……えっと、恐らくすごくネガティブなものだと想像する人もいらっしゃると思うんですが、そうではなくて。元々「ブログ記事を短くしよう」と始めたことなのに、ブログ記事を短くしたらアクセス数がガクッと落ちてしまって結局従来通りの長さに戻したため、最初の目的が既に見失われていることがまず一つ。


 あとは、「コメント欄への返信」をやめていた時期は、頂いたコメントの中の「切り口が面白いもの」からネタを膨らませてまた新しい記事を書かせてもらう―――みたいなサイクルが出来ていたんですが。コメント欄への返信をし始めたら、それが出来なくなっちゃったんです。一度返信したものに、再度ネタとして膨らませることが出来なくなったというか……

 その結果、「ブログに書く話題がなくなる」という事態にもなっちゃって。



 時間もネタも失う―――という、自分にとっては何もいいことがない状態が続いていたので。
 もう1回「コメント欄への返信」をやめて仕切りなおそうと思います。


 「コメント欄に返信してもらうのが楽しみでした」という人には申し訳なさでいっぱいですけど、どうかどうかご理解いただけるとありがたいです。今後はちゃんと面白い記事を書くことで、その気持ちに報いたいと思います。


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  「2012年7月のまとめ」は私事・創作活動の報告などが大半なので、今月も読みたい人だけ「続きを読む」か「記事URL」をクリックして下さいな。

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| ひび雑記 | 17:52 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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母がシミュレーションゲームにハマった理由

 一部で人気の「ウチのかーちゃん」話ですよ!
 今日の記事はあくまで個別のケースの話であって、皆さんのお母様にも同じことが当てはまるワケではないと強く言っておきたいのですが。例えば友達にゲームを薦める際や家族にゲームを薦める際に、「気にするべきポイントはどこなのか」の参考になれるんじゃないかと思って書きます。

 ゲーム以外にも当てはめられそうですけど、とりあえず今日はゲームに限定した話にします。




 さてと。
 6月頃の話です。

 自分の3DSは母が『牧場物語 はじまりの大地』を遊びたいということで、ほぼ一日中母に預けている状態でした。『牧場物語』が発売された2月の段階では「夏までには飽きてるだろうな」と思って何の問題もなく預けていたのですが、一向に飽きる気配がなく、7月の『カルチョビット』発売日が迫っている段階でした。

 当時はまだ3DSLLの発表前だったため、「3DSを取り返すために母に“新たなDSソフト”を薦めるしかないな!」という計画を立てたのです。DSソフトならばDSiLLが使えるから、3DSが私の元に戻ってきて、わーい『カルチョビット』三昧だー!



 ということで、幾つか候補をピックアップしまして、『ニンテンドーチャンネル』の映像なんかを見せて一番食いつきが良かったソフトを注文しました。そのソフトがAmazonから届くまでの間、『いつの間に交換日記』でフレンドの皆様にちょっとしたクイズを出してみたんですよ。


 「自分が母に薦めたDSのゲームは何でしょう?」と。

 こんなどーーーーーーでもいい問題に答えてくれるなんて、フレンドの皆様はホント良い人達ですよね!ブログだったりTwitterだったりで我が家の母がどんなゲームにハマってきたかを断片的にも知っている人達は色んなソフトを答えてくださいました。


 『ルーンファクトリー』シリーズ
 『とんがりボウシ』シリーズ
 『ポケットモンスター』シリーズ………などなど

 中には『どき魔女』とか『ナナシノゲエム』といった攻めたネタ回答もありましたが、多くの人は「どうぶつの森が好きな人だからどんがりボウシだろう」とか「ルーンファクトリー3が好きだった人だからルーンファクトリー2だろう」といった回答傾向でしたね。


tyabdai.png

 正解者ゼロだっ!先生はみなさんに失望しました!

 でも、普通はそう思うと思うんですよ。
 人にゲームを薦める際、「アレが好きだった人だからアレに似たゲームを薦めよう」とか「同じシリーズのコレを薦めよう」とか。いやこれ、人に薦める場合に限った話じゃないですね。自分のためにゲームを選ぶ時にも、やはり「好きなゲームに似たゲーム」とか「好きなシリーズのゲーム」とかを選びがちですよね。

 でも、私がまさにそうですし、私の母もそうでしたし、同じような人も多分いると思うんですけど。
 同じようなゲームばっかやってるから飽きてしまう人とか、同じようなゲームばっかりやっているので上手くなりすぎて「最近の○○は難易度が低くなった。ライト層に媚びすぎ」と言い出してしまう人とか。


(関連記事:ゲームが上手くなった日のことを覚えていますか。
(関連記事:俺達はあと何回世界を救えばイイんだ……あと何回ッ!
(関連記事:楽しめたもの勝ち



 ということで正解はこちらでした。









 A列車で行こうDS ナビゲーションパック

 『A列車で行こうDS』。

 母にとって初シミュレーションゲームです。
 しかし、勝算はありました。「母ちゃん絶対これを気に入るだろうな」と。

 実際にプレイしてみた母の反応はと言うと……あまりに多くの要素があるので説明書を開いて悲鳴をあげて、最初のチュートリアルマップでは出来ることが少なくて「何が面白いか分からない」と言っていましたが、チュートリアルマップ3つ目でビル等を自分で建てられるようになってからはものすごくハマっています。

 逆にシミュレーションゲーム苦手な私に向かって、「こんな初心者向けのマップもクリアできないの?」と鼻で笑ってくるほどです。ムキーーーーーッ!じゃあ今度はマリオで対決するかこんにゃろうううう!




 多分、母は「やさしい」より上の難易度のモードは遊ばないと思いますし、このゲームを極めようとは思わないでしょうけど。自分なりのペースで自分なりにこのゲームを楽しんでいくと思いますし、「シミュレーションゲームってこんな面白いジャンルがあるんだ!」と驚いていました。今までは知らなかったジャンルの魅力を知ったことで、今後は「シミュレーションゲーム」が選択肢に入るんですね。『ドラゴンクエスト9』で「RPG」が選択肢に入るようになったみたいに。

 重ねて言いますけど、「皆さんのお母様にも同じことが当てはまるワケではない」ですよ。
 でも、何故母自身ですら知らなかった「この人はシミュレーションゲームにハマるはず」と自分が思ったかということを書いています。


A列車で行こうDSA列車で行こうDS

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 その前に、知らない人のために『A列車』シリーズがどういうものかを説明します。
 自分も勘違いしていたんですけど、このゲームって「電車や線路を作るだけのゲーム」ではないんですよね。最初はそれしか作れませんしそれが基本なんですけど、そこから発展させて道路を引いてバスやトラックを走らせたり、子会社という形でコンビニとかマンションとか港とかを自由に作れるゲームだったんですね。

 言ってしまえば、『シムシティ』系のゲーム。
 西武鉄道のグループは野球チームとかマンションとかデパートとかいっぱい持ってて、一種の“城下町”を作っている―――みたいなイメージなんでしょうか。「鉄道会社の社長だからってこんなに権限あんの(笑)」と思うところもあるんですが、それ言ったら『シムシティ』の市長も市長どころの権限じゃないか。原子力発電所とか作れるし。


 『シムシティDS』じゃなくて『A列車DS』を選んだのは、単にこちらの評判の方が良さげで、以前にTwitterのフォロワーさんから「チュートリアルがしっかりしているからシミュレーションゲーム初心者にもおすすめですよー」と言われていたからです。




 母の話に戻しまする。
 「何故母にシミュレーションゲームが向いていると思ったか」はこの記事を書いたからです。


 母が『逆転裁判』を楽しめなかった理由

 「アクションゲームが苦手だから」という理由で母にアドベンチャーゲームを薦めてみたら全然ハマらなかったという話です。『ドラゴンクエスト』にはハマったのにどうして??と。



 アドベンチャーゲームって基本的に「たった一つの正解を見つける」ゲームなんですよね。
 移動したり、色んな人に話を聞いたり、調べたりというたくさんのコマンドがあるんですけど、流れとしては「正解を見つける」→「ストーリーが進む」→「正解を見つける」→「ストーリーが進む」の繰り返しで、正解を見つけられないと手詰まりになってしまうゲームなんです。

 『逆転裁判』は「選択肢が多いのに正解は一つ」というところが失敗だったのかなと、『428』を薦めてみたところ―――『428』はバッドエンドになると「こうすれば良かったのに!」と教えてくれるのでポンポン進めて「楽しい」と最初は言っていたのですが、終盤はノーヒントのためやっぱり手詰まりになってしまいました。写真見つけるところが分からなかったんですね。結局自分が教えてあげることに。




 逆に母が好きなゲームって、「自分の好きなように出来るゲーム」だったんですよ。
 『どうぶつの森』は言うまでもないですね。何をしてもいいスローライフゲーム。
 『牧場物語』や『ルーンファクトリー』はもうちょっとシビアですけど、どのタイミングでどう作物や家畜の世話をするのかはプレイヤーの自由となっています。
 『ゴーバケーション』でも競技そっちのけで宝箱探したり、家族のMiiを引き連れてひたすらバギーで島中を走り回って遊んでいました。母はキーコンプなんて最初から狙っていませんでした。
 『ファミリーフィッシング』でも、ただ自分の気に入った服を着て、自分の気に入った場所に行って、気ままに釣りをしていました。


 『ドラゴンクエスト』のようなRPGは「一本道のシナリオ」があるからアドベンチャーゲームと変わらないように見えますが、シナリオ無視してレベル上げずっとやっていたり、自由なメンバー編成を楽しんでいたりしました。
 ドラクエシリーズの『1』『2』『3』『4』『5』『6』『9』をプレイした母が一番気に入っていたのは最初に遊んだ『9』でしたけど、次が『5』というのが分かりやすいかな。パーティメンバーを自由に出来るから楽しかったそうな。「お嫁さんと子どもはちゃんと強くして連れて行ってあげるんだ」とせっせとレベル上げしていました。

 『二ノ国』が好きだったという理由も恐らくそういうところにあったのでしょう。



 「自由度の高いゲーム」と書くと、どうも野っぱらにポンと放り出されて「後は好きに遊べ!」みたいな厳しいゲームがイメージされちゃうと思うので……「母が好きなのは自由度の高いゲームだ」と書くと誤解をされてしまうかもなんですけど。
 「自分なりの遊び方」が出来るというのが母にとってのポイントならば、シミュレーションゲームこそが一番好きなジャンルになるんじゃないか、と思ったのです。


 あと、意外に「経営要素」が好きだってのもありますね。
 『牧場物語』や『ルーンファクトリー』でお金を稼ぐのは大好きだったみたいですし、『ファミリーフィッシング』でも水族館が豪華になっていく様が好きだったみたいです。

 また、『どうぶつの森』や『ゴーバケーション』で家具を置き換えて模様替えをするのが好きでしたし、『牧場物語』で街並みを自由にエディット出来るのも好きでしたから―――自分の好きなように街作りが出来る『シムシティ』『A列車』はかなりのツボに入るんじゃないかと。





 某女性声優さんが「シムシティ大好き」と言っているのを聴いたことがあったので、町作り系のゲームって意外に女性受けするかもなぁとも思っていましたし。「金を稼いで貯め込んで使う」のって主婦層にとっては一番馴染みのある要素でもありますしね。

 ただ、『A列車DS』を始めてから、「こんなに稼いだ金が4割も法人税で取られるのはおかしい!」とか「頑張っている企業の脚を引っ張るのかこの国は!」とか、母が竹中平蔵みたいなことを言い出しているので……「お金って人間を変えちゃうんだな……」と恐怖を感じているところはありますけど(笑)




 繰り返し書きますけど、これは「個別のケース」の話です。
 みなさんのお母様にも『A列車DS』がオススメですよとか書きたいワケじゃないです。

 要は、みなさんやみなさんの友達や家族にも、今まで遊んだことがないジャンルでも、実は物凄くハマるジャンルがあるのかも知れない―――という話を書きたいのです。実は自分の好みって自分自身には分からんものなのですよと。


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| ゲーム雑記 | 17:54 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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新キャラ投入は劇薬である

 Twitterを見てて、なるほど確かにと思ったPOSTがリツイートで流れてきました。
 元リンクはこちら


<以下、引用>
 学園モノで、進級に伴うキャラの追加/入れ替えは、ま、1回までですね。2回目に耐えられるコンテンツは希少だと思います。
</ここまで>

 言われてみれば。

 特に「高校の部活モノ」が顕著だと思うんですけど……
 主人公達が高校1年でスタートしたケースで、2年に進級した際に入ってくる新1年生には個性的なキャラを並べられるのだけど、3年に進級した際に入ってくる新1年生は無個性なキャラだったりそもそも入ってこなかったりなことが多いですよね。

 思い出せるだけの部活漫画を思い出してみたのですが、「主人公の2コ下の味方キャラ」ってほとんど思い出せませんね……まぁ、そもそもリアル高3だった頃の高1の後輩だってほとんど思い出せないんで、ある意味でリアルな描写なのかも知れませんが(笑)。



 で、今日の記事。
 「新入生」について語る前に、もっと広く「新キャラ」全般について語ろうかなと思います。


 「レギュラーキャラが増える」って結構な大事件なんですよね。
 キャラクター同士の関係性をガラリと変えることで作品の構造自体が変わっちゃうし、既存のファンが離れてしまうリスクを抱えた一か八かの大イベントだと思います。「たまにやってくる準レギュラー」とか「ライバルキャラ」とかならそんなに大きなリスクは背負いませんが、「レギュラーキャラ」はそうはいきません。


 具体的な例を。
 『けいおん!』アニメ1期が始まった頃、自分は軽音部の4人(唯・澪・律・紬)の関係性とか空気感が好きすぎたため、原作読者の人達からの情報で「○話から新キャラが加わるらしい」という話を聞いた時はゲーッと思いました。
 せっかく良いバランスで成り立っているこのキャラクター同士の関係性が、“5人目”によって崩されてしまうのか。イヤだなー―――なんて思っていました。


 そしたら、“5人目”が一番人気のキャラだったという(笑)。


 もちろんあずにゃんが入った後も『けいおん!』は楽しめましたし、大好きな作品でしたが。
 ただ、やはり「梓加入前の軽音部」と「梓加入後の軽音部」は別だとも思っています。


 例えば、梓加入前の軽音部では、唯が“末っ子”扱いでみんなから可愛がられるキャラでした。
 ですが、新たな“末っ子”として梓が加入した結果、梓がみんなから可愛がられるポジションになってしまいました。というか一番可愛がっているのが唯なんですけど(笑)、「梓加入前の軽音部」に思い入れがあった自分からするとそれはやっぱり「変わった」と思うのです。もちろん、「変わった」だけで「悪くなった」ワケじゃないんですけどね。

 そういやアニメの2期がやっていた頃、「自分は“唯×澪”が好きだったんだけど、あずにゃんが登場してからそんな描写が全然なくなってしまって寂しい……」と呟いている人がいました。あずにゃんに罪はないけど、あずにゃんが加入したことで、元からいた4人が変わってしまった―――というのは確かにあると思います。




 新キャラ投入は「一か八か」の劇薬なんですよね。
 成功すればマンネリを打破して新たな描写の可能性が増えるけど、失敗すればそれまであった良さを失ってしまう。
 せっかく出てきた新キャラなのに全然出番がなくなるパターンって「やべえ!今までの良さがなくなりつつあるから、この薬は飲んでいないことにしよう!」ということなのかも知れませんね。


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 思いついた例を……
 『大長編ドラえもん』って既に関係性が出来上がっている5人(ドラ・のび・しず・ジャイ・スネ)に、新たなメインキャラを“6人目”として足すことで新たな関係性を生む構造なんですよね。
 異世界が舞台になっているからということもありますけど、「のび太は意外と頼りになる」とか「劣等感に苛まれるスネオ」とか「劇場版だといいやつなジャイアン」とか、レギュラーの『ドラえもん』とは違うキャラになったりしますもんね。

 あれも言ってしまえば「新キャラ投入」。
 正確に言うと「ゲストキャラ」なので、1回ずつしか使えないキャラクターではあるんですけど。




 で、ちょっと思い出したこと。
 これはTwitterでそういうことを言っている人がいたというだけなので本当かどうかは分かりませんし、本当だとしても個別のケースを一般化して言っているだけじゃないのかと思うんですけど……「今の小学生にとってワンピースは“生まれる前から連載している漫画”だから、愛着もないし人気もない」

 ホントかよと思いますし、昔と違って今はブックオフで1巻から立ち読みしている子どもとかも多いんじゃないのと思うんですけど……「既に出来上がっているキャラクター同士の関係性」を途中から観ても感情移入できない、という話は理解できます。


 それこそ『けいおん!』をアニメ2期から観始めたら……みたいな話。
 自分の場合は比較的それでも楽しめる方だと思うんですけど、イヤな人はいるだろうなーとも思うのです。『けいおん!』アニメ2期が始まる際に、「2期からでもいいから観ようぜ!」と布教した身としてはそう痛感したのです。

(関連記事:『けいおん!』アニメ1期を観逃した人に「2期からでも!」のススメ




 んで、昔書いたこの記事を思い出しました。

 『ドラゴンボール』を読んでも悟空に感情移入できない世代がいる

 アニメでは明確に『ドラゴンボールZ』とタイトルが変わったタイミングなんですけど。
 「悟空の息子」という新キャラの中でも一番のどでかい花火を打ち上げた瞬間があるんですよね。いきなり悟空が父親になっちゃうんだからそりゃ「キャラクターが変わる」し、他のキャラも多かれ少なかれ影響を受けて変わりました。ピッコロやチチはもちろん、クリリンもやっぱり変わりましたよね。お兄さんらしくなったというか。ブルマはあんまり変わっていない気もする(笑)。


 あれだけの人気絶頂の時に、これ以上ない「劇薬」をぶち込んでくるんだからすごい勇気です。
 そして、それは“「既に出来上がっているキャラクター同士の関係性」を途中から観る人”に向けて、「既に出来上がっているキャラクター同士の関係性」に途中から入る新キャラクター(孫悟飯)という感情移入先のポイントを作る効果もあって。

 また、それがオッサン世代からすると「オッサンになること」を自覚させるという。
 ピッコロが「悟空は凄かったんだぞ」と言いたくなっちゃうのって、「ファミコンの頃はゲームは面白かったのに」とか「最近のプロ野球界には昔と違ってスターがいない」とか言っちゃう私達オッサン世代を自戒させるシーンというか何というか。





 話をそろそろ戻しましょう。
 「新レギュラーキャラクター」というのはこれだけ大きな影響を残すイベントになるんです。成功するとしても失敗するとしても作品を変えてしまう力があるんです。それが何百人単位で切り替わってしまう「進級」「クラス替え」「卒業」「新入生」となったら……

 1回目はものすごい効果を発揮するけど、2回目が出来ない―――という理由がよく分かりますよね。
 キャラクターが変わり、キャラクター同士の人間関係も変わって、それを二度も繰り返して、それでもまだ作品としての強度を保てるとしたら「キャラクター」の魅力や「キャラクター同士の人間関係」の魅力だけじゃない“他の何か”を持った作品なのだろうと。


 つーか、こう考えていくと『ジョジョ』ってやっぱ凄いですね。
 1人か2人のキャラを除けば毎回メンバーを総入れ替えしてもちゃんと「ジョジョらしさ」を保っているんですから。同じ長期連載作品でも『こち亀』とかとは正反対の強度を持っているというか。


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| 漫画読み雑記 | 17:50 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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楽しめたもの勝ち

 1さんが袋叩きにされていると、どうしても1さんに肩入れしたくなる病です。


 ヌルゲーを「縛りプレイすればいい」と擁護する風潮現実ゲームさん)


 ゲームとは、絶対的に「楽しんだもの勝ち」な娯楽です。
 「楽しむ」ことが唯一絶対の目的でそれを達成できればプレイヤーの勝利(スタッフも勝利)なのです。

 「クリアする」とか「上達する」とかは本来「楽しむ」ための手段に過ぎないのです。「クリアを目指して一生懸命になると楽しい」とか「自分が上達しているのを自覚するのは楽しい」から、それを当面の目標にしているプレイヤーが多いのですが、他に楽しい手段があればクリアもしなくてイイし上達もしなくてイイのです。

 「ゲームはクリアしなくちゃダメだろう!」とか「ゲームは上達しなきゃダメだろう!」とか思い始めたら、それはもう「手段が目的に変わってしまっている」んです。本来の目的である「ゲームを楽しむ」ことが出来ているなら、手段でしかない「クリア」や「上達」はしなくてもいいことなんです。




 という前提に立って考えてみると。

 「自分には簡単すぎる」難易度のゲームを縛りプレイで遊んで楽しい人―――この人は正しいです。
 そんな風に縛りプレイを楽しんでいる人を「本当に馬鹿だと思う」と言っちゃう1さん―――は正しくないです。他人がどうゲームを楽しんでいようが自由じゃないか。それを「馬鹿だ」と言っちゃうのは、自分の思想によって他人の自由を奪いこの世界を支配しようとしたる全体主義の悪しきうんぬんかんぬん。





 ですが、
 「他人がどうゲームを楽しんでいようが自由」という発想からすれば、「(俺には)縛りプレイの何が楽しいか分からない」「縛りプレイを強要されるゲームなんて(俺には)楽しくない」と言う1さんは正しいですし、それに対して「縛りプレイを否定する1は馬鹿だ」と言っている人は正しくないです。


 縛りプレイをしてもゲームを楽しめる人も、縛りプレイをしたらゲームを楽しめない人もいるのが当然。楽しめない人が楽しめる人を「馬鹿だ」というのも、楽しめる人が楽しめない人を「馬鹿だ」というのも、等しく正しくないです。自分の思想によって他人の自由を奪いこの世界を支配しようとしたる全体主義の悪しきうんぬんかんぬん。






 自分も「自分がどうゲームを楽しんでいるか」を考えると、縛りプレイはあまり好きじゃないです。
 自分の実力を全部出した上で、「クリア出来るか、クリア出来ないか」の瀬戸際のところで「やったー!クリア出来たー!!」と乗り越えられるから楽しいんです。縛りプレイをしていたら「ま、イザとなれば縛りを解除して余裕でクリア出来るんですけどね!」と思ってしまうから楽しめなくなってしまいます。

 戸愚呂(弟)だって「ようやく100%の俺で戦える」って喜んでいたじゃないですか!100%の姿で戦えないなんて本気の戦いじゃないんですよ!この例えが通じるのって何歳からだ!?


 ただ、1さんと決定的に違うのは、自分はゲームが下手くそなんでどんな低難易度のゲームであっても全力でプレイしてクリア出来るか出来ないかの瀬戸際に立たされるので、縛りプレイが必要になったことがないということです。
 でも、自分の性格を考えれば、「どんなゲームも簡単にクリア出来る」くらいの腕前になっちゃったらゲームは楽しくなくなると思うし、縛りプレイをしてでもそのゲームを続けたりはしないだろうなぁと思います。ゲームが下手で良かった!




 マジメな話、「どうして自分がゲームが下手か」というと。
 自分は“常に初心者”だというのがあります。「ゲームの続編は買わない主義」と言っていますが、正確には「ハマったゲームの続編は買わない主義」なんですわたくし。

 例えば現在3DSの『カルチョビット』をプレイ中ですが、GBA版の前作はプレイしていませんし、プレイしていないからこそ手探りで「どうやれば連携強まるのかな……」と試行錯誤できて楽しいのです。だから、こんなに大好きな『カルチョビット』の続編がもし出ても買いません。もう私は“初心者ならではの楽しみ”が味わえなくなっているでしょうから。


 これが自分にとっての「ゲームを最も楽しく遊ぶコツ」なのです。
 でも、これを他人に強要する気はありませんし、同じことを他の人がしても同じように楽しいとは思いません。「続編モノが大好き!」という人がいるのも分かります。

 ただ、一つのシリーズとか一つのジャンルばっか遊んでいたら上手くなっちゃうのは当然ですし、ヌルゲーと感じてしまうのも仕方がないんです。ヌルゲーばっかだけど縛りプレイはしたくないって人には、「全く遊んだことがないジャンル」に初心者として手を出してみるのも楽しいですよ!とオススメしておきます。

 「全てのジャンルを極めてしまったマスターオブザゲーマーなんですぼく」と言う人は、クリエイト系のゲームはどうですか!永遠に遊べますよ!あと、『絵心教室』とかね。絵を描くのは「頂点」がないから極め応えがありますよ!


(関連記事:ゲームが上手くなった日のことを覚えていますか。


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 ゲームに限ったことじゃないんですけど、娯楽メディアとよく付き合うには「(自分が)楽しむコツ」を知るのが大事だよなーと思います。誰かに教わるのではなく、自分が自分自身のためだけに見つけなきゃいけないコツ。


 例えばゲーマーさんで「また未開封の積みゲーが増えちゃった……」と毎週木曜日に言っている人ってたくさんいますよね。道義的にはあんまり良くないことですし、子どもにも「あのお兄さんみたいになっちゃダメだよ!」と教えたくなります。
 でも、その人にとってはそれが一番「楽しい」んですよね。遊びたいゲームに囲まれて「次は何を開封しようっかな!」という状況が楽しい。じゃあそれでいいじゃないか、と。



 人によって「楽しむコツ」は違います。
 自分は「ハマったゲームの続編は買わない」の他に、「攻略サイトは見ない」とか、「発売時期に関係なく遊びたくなったらそのゲームを買う」とか、「難易度設定はなるべくデフォルトのままで」とか、「同時に進めるゲームは出来れば2本まで」といった自分ルールを決めています。それが自分にとって「最もゲームが楽しめるから」です。

 あんまり守れていないものもありますけどね(笑)。
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 でも、それを見つけるのはなかなか難しいですし。
 「こうあるべきだ!」という雑音が入ってしまうこともあります。自分の場合もね、散々言われますよ。こんな下らないことですら「こうあるべきだ!」って言われるんですよ。「ゲームが好きならその続編は買うべきだ」とか「攻略サイトを見れば分かることだろう」とか「発売日前に予約して買え」とか。

 楽しみ方は人それぞれですよ。
 自分は自分の楽しみ方を「みんなもやろうよ!」と言う気はありません。みなさんもそれぞれ「ご自身にあった楽しみ方」を見つけて欲しいですし、大切にして欲しいです。そのためにも多種多様な「自分はこんな楽しみ方をしている!」とどんどん語ってイイと思うのですよ。


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| ゲーム雑記 | 17:51 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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「あ、俺ってテレビ番組が想定しているターゲットじゃないんだな」と思った瞬間

 誤解なきように。
 今日の記事の結論は「自分はもうテレビ番組が想定している“ターゲット層”ではないことを自覚してしまった」「だから文句を言うのは筋違いだ」というものです。


 テレビ局やテレビ番組を批判するつもりはありませんし、ましてや「自分が観たくなるようにテレビはこう変わるべきだ」と言うつもりはありません。女性向けファッション雑誌が自分のようなオッサンをターゲットにしていないからって文句を言う気は起こらないように、テレビ番組が私をターゲットにして作られていないからと言って文句を言う気はありません。

 また、「俺ってテレビなんか観ない変わり者なんだぜー」アピールをする気もありません。今時「テレビを観ない」くらいで変わり者になれるとも思っていません。本当に「他人とは違う俺」をアピールしたかったら、妊婦モノのエロ同人誌をいっぱい持っている話とかを記事に書きますよ!





 ここから本題です。
 7月から自分の大好きなタレントさんが看板のバラエティ番組が始まったので、毎週楽しみにして観ています。どのくらい楽しみにしているかというと、HDDレコーダーの毎週録画にセットして、放送終了後に観る時はその録画を、放送中に観る時は(テレビを直接ではなく)レコーダーに録画中の番組を「追っかけ再生」で観るくらい楽しみにしています。

 何故「追っかけ再生」で観ているかというと……
 自分はあまりにその番組を楽しみにしているから、一言一句を聞き逃したくないんです。でも、日本語を母国語としている自分が日本語で話している番組を観てても「今のフレーズ、微妙に聞き取れなかったな」というところが出てきてしまうので、その際にすぐさま巻き戻して聞き直したいからなんです。


 ドラマとか映画とかじゃなくて、バラエティ番組でもです。
 あまりに好きな番組だから会話の一つも聞き逃したくないんです。




 さて、こんな風に楽しみにしまくっていた番組。
 面白いのは面白いんですけど………「次回予告」などの「これから放送される内容のダイジェスト映像」をあまりに詳細に流すので、「もうこれ来週観なくていいんじゃないか……」と思ってしまうという不満点がありました。

 正確に言うと次回予告だけじゃないですね。
 第1回のラストに「次週はこんな内容です!」という予告が入ります、第2回の冒頭でも「今週はこんな内容です!」という予告が入ります、CMに入る前には「CMの後はこんな内容です!」という予告が入ります。予告本編予告CM本編予告本編予告CM本編予告……


 ヒロインが殺される度にタイムトラベルを繰り返しすぎて「もう何が現実だか分からない!」と追い詰められた主人公のように、「俺が今観ているのは“これから起こること”なのか“今起こっていること”なのか分からない!!」となってしまいます。今俺がいるのはどの時間軸だっ!!



 しかも、これがね……具体的には言いませんけど。
 「次週のオチの後」まできっちり予告で流しちゃうんですよ。例えて言うなら、「夢オチだったんだー!」というシーンは流石に予告で流しませんけど、「なーんだ。誰も死んでなかったんだ一安心」と笑っている主人公達を予告で流しているからバレバレ、みたいな。

 これは別にこの番組に限ったことではなくて……自分があまりテレビを観なくなった原因の一つです。
 予告本編予告CM本編予告本編予告CM本編予告……こういう番組、たくさんありますよね。
 「予告で流れたことが本当に起こるかどうかを確認してるだけ」だな、俺のしていることは、と気付いてからテレビを観てても楽しくなくなってしまったんです。



 そんな自分がスポーツの生中継ならテレビを観るのは、「予告のしようがない」からです。
 アニメなら観るのは、「(最後の提供クレジット直前の)次回予告さえ観なければよい」からです。

(関連記事:アニメの次回予告って観ます?




 だからずっと「テレビを作っている人はなんでこんなことをするんだろう」と疑問でしたし、不満だったんですが……でも、ふと気付いたんです。あ、テレビ番組って俺みたいにテレビの前に正座して「1秒も見逃さないぞ!」って人はターゲットにしていないんだ……と。

 テレビって毎週録画しているようなヘビーユーザーではなく、フラッとテレビ付けてチャンネル切り替えてたまたま観てくれたようなライトユーザーがメインターゲットなんですよね。だって、レコーダーで録画しても視聴率には反映されませんし、「追っかけ再生」は視聴率に反映されませんもの。

 まぁ、そもそも我が家に視聴率計る機器なんて置いたことないんですけど、それは置いといて(笑)。


 自分はレコーダーで録画した番組でも間のTVCMは観るようにしているのですが、普通の人はTVCMは飛ばして観るでしょうから、スポンサー企業としてはレコーダーで観ているような人が何人いようが意味はなく。フラッとテレビを付けた人がなるべく「この後も観よう」「来週も観よう」と思ってくれる作りじゃなきゃダメなんですよね。

 そう考えると、「予告」という形でダイジェスト映像が流れるのも分かる話です。
 面白いところの詰め合わせですし、「この後こういうことが起こるならちょっと観てみようかな」とチャンネルを切り替えられずに済みます。
 自分のような「俺この番組が超好きだから最初から最後まで目を離しません!」って人にとっては逆効果のネタバレ全開シーンですけど、“番組の入り口”としては大事なシーンなんですよね。



 だから、テレビ局やテレビ番組を批判する気はないのです。
 自分のライフスタイルと、テレビという形態のビジネスモデルが、ただ単に合っていないというだけなのです。




 ということで……
 自分がどうしているかというと、映像が「予告」に切り替わった瞬間に目をつむり耳をふさぎ大声で「アーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアー」と叫び続けることにしました。
 一見すると奇行ですが、これによって「予告」で先のオチを知ってしまうこともなくなりますし、「奇行をする」というイベントに切り替えてしまうのでむしろ「予告」が楽しみになってきました。逆転の発想ですね!


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ユーザーが勝手に宣伝してくれるゲーム

 『カルチョビット』が面白い!
 ということで、この一週間で我がチームがあげたゴールの中から凄いものをお見せしたいと思います。


 

 まずはコレ。
 「試合に勝てなくてもイイからスペイン代表みたいなパスサッカーをするチームを作りたいなぁ」と思って始めたので、まさに理想的なゴールです。最初の縦パスが入った時に3人が連動して動いているのがイイんです。




 しかし、これを上回るミラクルなゴールが次になります。




 「ん?普通のコーナーキックからのヘディングゴールじゃないの?」と思った人!
 一人だけユニフォームが違うでしょ!ヘディング決めたのはゴールキーパーなんですよ!

 負けたらステップリーグ首位陥落の試合で、相手は格下ながら「2戦2敗」を喫している苦手な北野ブリザード戦。なのに主力に出場停止や疲労が重なって、「引き分け狙いで構わない」と割り切った一戦でした。そしたら前半で1-3のビハインド。交代選手を次々と投入して、2-3で迎えた後半ロスタイム、もうダメかと思った矢先にゴールキーパーが上がっていってこのゴールですよ。

 サッカーってこんなドラマチックなスポーツなんだと思えるゴールでした。





 単純にカッコよくて気に入ってるのはこちら。




 ボレーシュートかっちょいいいいいい!
 こんなカクカクしたちっこいキャラクターなのに、ものすごくカッコイイんですよ!




 一応書いておきますけど、『カルチョビット』は監督になるゲームなので「自分で操作している」ワケじゃないですよ。自分が育てた選手達が選手達自身で考えて動いた結果、こういうスーパーゴールが生まれるのです。

 ウチのチームはまだ3年目。
 オンラインのランキングでは8595位なので強豪チームでも何でもありません(笑)。

 誰にでもこういう「ミラクルゴールきたあああああ!ウチのチームって凄いんじゃないの!」と思わせてくれる一瞬が来るゲームなんです。みんなも買って遊ぶがイイさ!


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 ……と、ここまでは「前置き」と称した「ウチの子自慢」だったのですが。

 このゲームは本当によく考えてあるなぁと思うのです。
 『カルチョビット』は前述した通り、「サッカーチームの監督になる」ゲームなので。

→ 育成していると「ウチのチームってすごい!」と愛着が出てくる

→ スーパーゴールが生まれると保存したくなる
 ※ 試合後にわざわざゴールシーンだけリプレイで流してくるくらいですし

→ ビデオライブラリーに保存できるゴールシーンは6つだけ。すぐ埋まる

カルチョビットWEBにアップロードすればそちらに保存できる
 ※ 何件まで保存できるかは分からないけど、6つよりは多いという報告あり

→ WEBに保存されたゴールシーンは「ブログに貼り付けられる」「Twitterで紹介できる」「動画としてダウンロードできる」ため、「見て見て!ウチのチームが決めたスーパーゴールだよ!」自慢が出来る

→ すなわちユーザーが勝手に宣伝してくれるということ




 メディアクリエイトの集計によると『カルチョビット』の初週売り上げは2万6千本だったそうです。
 前作の累計売り上げがこの辺りだったそうなのでそんなに悪い数字じゃないと思うのですが、面白いんだからもっと売れて欲しいと思っている購入者はたくさんいると思います。私も含め。
 そういう人達は、ブログでもTwitterでもイイから、「どうだ!ウチのゴールは凄いだろ!」自慢をもっともっとすればイイと思うんです。これからが勝負ですよ!任天堂もそうして欲しいからこういう機能を設計しているのでしょうし。




 『トモダチコレクション』が売れた理由から目を背けてはならない

 2009年にこんな記事を書いていました。
 書いた本人が言うのもアレなんですけど、自分でもお気に入りの記事です。


 『トモダチコレクション』は「遊ぶ人は友達や知り合いのMiiを作って遊ぶだろう」→「なら、そのMii同士が結婚したり喧嘩したりした方が本人にその話をしたくなるだろう」→「それが宣伝となってどんどん広まっていくだろう」と考えて作られたゲームだと思います。

 『Wii Sports』は「遊ぶ人は「これならゲームに不慣れな人にも遊べるはず」と思ってくれるだろう」→「家に遊びに来た人を積極的に誘ってくれるだろう」→「そのためにはMiiの切り替えを簡単にして、ゲストMiiも使えるようにしよう」→「そうすれば口コミでどんどん広まっていくだろう」と考えて作られたゲームだと思います。




 『カルチョビット』のケースもコレに通じるものがあります。
 このゲームを遊ぶ人はこう遊ぶだろうからこういう仕掛けを作っておけばユーザーさんが「他のユーザーさん」に宣伝をしてくれるだろう!という。
 だからと言って、カルチョビットWEBみたいなすんげえものを作るとは想像出来ませんでしたし、たかが数万本クラスのゲームにこんなことして元が取れるのかって話は……他の狙いもあるんでしょうね。後述します。


 そう言えば『街へいこうよ どうぶつの森』の時も思いました。
 スクリーンショット撮影機能があるので、ついつい起こった出来事を写真に収めたくなる→写真に収めたらブログに貼り付けたくなる→いつの間にか宣伝部隊になってる!!と。

 ユーザーはただゲームを楽しんでいるだけなのに、いつの間にか「宣伝部隊」になっているという。







 大好きなゲームだから敢えて名指しで書きます。
 バンダイナムコから発売されたWiiソフト『GO VACATION』が発売するちょっと前に、「社長が訊く」でこんなやり取りがありました。

<以下、引用>
岩田「実際にこの商品をアピールするとしたら、小林さんはどのように説明しますか?
というのは、要素が非常に多いので、ひとことで説明するのがけっこう難しい気がするんです。
たとえば、15秒のコマーシャルをつくるとしたら、どう表現しますか?

小林「そうですねぇ・・・。
『GO VACATION』をいかに短く15秒の枠の中で伝えるにはどうしたらいいか、という問題は、開発当初からずーっと出ている話なんです。」

岩田「それから、それを聞いた人が、ほかの人に説明できるようにならないとなかなか広がらないんですよね。

小林「そうですね・・・うーん・・・。
『GO VACATION』ですと、キャッチコピーは、「遊びの島は遊びホーダイ!!」なんですが・・・。リゾートに行った気分が味わえるゲーム、ゲレンデもビーチも高原もあって、四季折々のアクティビティが楽しめるゲーム、
これらをひとことで伝えるのは本当に難しいです・・・。

『Wiiスポーツ リゾート』ではどうですか?」

岩田「『Wiiスポーツ リゾート』に関してはWiiモーションプラスだからこそ実現できるいろいろな可能性をサマーリゾートの世界で表現したということなので、主題はWiiモーションプラスなんです。
Wiiモーションプラスのための最高のカタログソフトを目指した、と言ってもいいかもしれません。」


小林「そうか・・・うーん・・・。
・・・・・・。
・・・ちょっと・・・、宿題にさせていただいていいですか?」

</ここまで>
※ 改行・強調は引用者が行いました


 なんでやねん!(笑)

 というお約束のツッコミはさておき。
 岩田さんはやっぱり「社長」という立場だから、そこを考えなければなりません。「15秒のTVCMで魅力を伝えられるか」と「遊んだ人が口コミで伝えられる内容か」を。しかし、「プロデューサー」の小林さんはよく答えられないという。いや、プロデューサーも考えてなきゃまずいと思うんですけど(笑)


 私は『GO VACATION』大好きで、珍しくやりこみ要素のゴールドキーも全部集めたくらいにハマったんですけど……ここのやり取りがまぁ納得できるゲームだとも思いました。このゲームを作った人は後先考えずに、「面白いもの全部詰め込もうぜ!」と作ったんだろうな……と。その大はしゃぎ感というか、採算度外視した文化祭感がこのゲームが絶対的な魅力になっているんですけど。


 案の定、バナナマンを起用した当初のTVCMは購入者からも「こんなに面白いゲームなのに、あのCMじゃ魅力伝わらないよ!」と悲鳴が上がったほどでした。
 かと言って、自分が友達に「面白いゲーム買ったからやろうぜ!」と誘う時も、ブログに紹介記事を書く時も、「何て書けばいいのか分からない………」と困るゲームでもあったんですよね。面白い要素が詰め込まれすぎていて、どこをピックアップすればいいか分からないという。



 そんなことを岩田社長が仰っている任天堂にも、『安藤ケンサク』みたいな例がありますし。
 散々書いたことですけど……DS&Wiiの時代は「任天堂ですら15秒のTVCMや口コミで魅力を伝えられないゲームは苦しんだ」のだと思います。ネットでは大絶賛の嵐だった『ゼノブレイド』も、世間にはほとんど知られていなかったでしょうしね。


(関連記事:全てのゲームには4つの層が存在する
(関連記事:その「ゲームのルール」、何秒で説明できます?


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 DS&Wiiの時の反省を活かして、ここ1年間の任天堂は「TVCMで魅力を伝えられないゲームをどう売っていくか」を考えているのがよく分かります。

 ニコニコ動画と連携して『カルチョビット』の発売前エキシビジョンマッチを行ったことはもちろん、ニンテンドーダイレクトでマイナーソフトを取り扱っているのもその一環だと思います。
 『カルチョビット』や『カルドセプト』は数字だけ見ると物足りない売り上げに見えるかも知れませんが、前作と比較すると微増はした初動だったんですよね(というか6~7月はソフトが集中しすぎだっただろう!)。



 んで本丸の話です。


 今回の「カルチョビットWEB」の仕組み。

・ゲームを遊んだ人の情報がネット上にアップロードされて蓄積される
・その情報はWEBページ化されて、PCからも閲覧できる
・もちろんそのゲームを遊んでいない人も閲覧できる
・自分がゲームを起動していない時でも、他の人が遊んだ情報は蓄積されて、次回自分が起動した際にフィードバックされる



 この仕組み、予告されているWii Uの新機能「MiiVerse」と同じ仕組みなんですよね。
 というか、恐らくこれから全世界で何千万台と売っていくWii Uの「MiiVerse」の前に、日本で数万本規模で売れる『カルチョビット』でテストした―――という側面もあると思うんです。




 任天堂の岩田社長は「第72期 定時株主総会」の質疑応答で以下のように仰っています(A2)


<以下、引用>
 みなさんも例えば音楽や映画で、自分はこの音楽や映画を知らなかったけれども、友達に紹介されてそれを初めて見て聴いて、今までこのアーティスト、この映画監督の音楽や映画に触れてこなかったことを後悔したというご経験をお持ちではないでしょうか。
 それは、知らなかったから、なかったのと一緒だったんですね。

 ゲームにも実は同じようなことがございまして、われわれは特に今回、Wii Uで展開する『Miiverse(ミーバース)』と呼んでいるネットワークサービス、社内では、「お客様のゲームに関する共感をいかに増幅してお伝えするか」ということをテーマにしているんですが、
 例えばあるソフトを楽しまれている方が、「こういうソフトも楽しいよ」というのを見たときに、今までまったく購買の対象として考慮に入っていなかったソフトウェアを「あ、これも面白いのかも」と、目を向けていただけるチャンスが生まれると思っています。

</ここまで>
※ 改行・強調は引用者が行いました


 まさに「ユーザーが勝手に宣伝してくれる」仕組みを作ろうとしているワケです。
 もちろん宣伝のためだけだったらユーザーは離れてしまうでしょうが、「カルチョビットWEB」の例を見れば「楽しさと宣伝を兼ねたサービス」を目指しているんじゃないかと推測できますし。『Wii Sports』や『トモダチコレクション』の頃はリアル友達の間で行っていた口コミを、如何にインターネットサービスに落とし込めるかを考えているのだと思えます。

 MiiVerseは「スクリーンショットを貼り付けられる機能」を準備しているそうです。
 また『カルチョビット』のゴールシーンのような短いプレイ動画を貼り付けられたら魅力が増すゲームも多いですよね。具体的に言うと『Wii Music』とかね。あのゲーム、自分なりのミュージッククリップを作れる機能に特化すれば蘇ると思うんですよ。まぁ、音楽も送れるとデータ量が跳ね上がりそうな気もしますが(笑)。




 しかし、アレですよね。
 6~7月の3DSの「怒涛の新作ラッシュ」の渦中にいると、こんなインターネットサービスを始められたら「これ以上オレ達の積みゲーを増やすつもりか!」と思ってしまいますよね(笑)。ちくしょう『世界樹4』も『タイムトラベラーズ』も『ルーンファクトリー4』も面白そうだぜ!


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| ゲーム雑記 | 17:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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電子書籍に向いている漫画、紙媒体に向いている漫画

 数週間前からAmazon公式サイトにキンドル(日本でも)近日発売という告知ページが出来ました。
 ようやく。公式で「近日発売」と言っているということは、2013年末くらいには発売するかな!と思ってしまうほどに、キンドルの日本開始時期とドラクエの発売日は信用していないですぼく。さっさと始まってくれることに越したことないですけどね!


 電子書籍端末としてのキンドルが発売になることと、電子書籍の販売サービスとしてのキンドルストアが開始することはイコールではありませんし、そのどちらもが日本で始まったとしても「漫画」がその中に入れるかは分からないとも思っているのですが――――



 キンドルに限らず「電子書籍」が普及して、そこで普通に「電子書籍の漫画」が発売される未来が来たのなら、漫画はどう変わるんだろう―――を今日は考えます。




 突然ですけど、
 現在の日本の漫画ビジネスは、長編の「連載漫画」に重点が置かれています。

 例えばこれから漫画家を目指すぞって若者A君がいるとします。
 まず彼がするのは短編の「読みきり漫画」を描いて出版社の賞に送るとか持ち込みをすることでしょう。『バクマン』でも『G戦場ヘブンズドア』でも『アオイホノオ』でもそうしていましたよね。そして、そこで評価されたら今度は“プロとして”読みきり作品を描くことが多いです。

 んでんで、そこで読者に人気が出てようやく「連載漫画」を始める―――というのが超順調なサクセスストーリーです。ここでA君が「いや、僕は読みきりばっか描いていたいんです。連載漫画は別にやりたくないです」って言っちゃことは……まぁそういう人がいないとも限りませんけど、メジャー漫画家にはなっていませんよね


 つまり、現在の日本の漫画ビジネスは
 「連載漫画」がメインストリームで。「読みきり漫画」は連載にたどり着くための“踏み台”だったり、もう十分にキャリアを重ねた漫画家先生が“単発の仕事”として引き受けたりするもので、「読みきり漫画」は全然メインじゃないんですよね。

※ あ、一応補足。「1話完結のストーリーを毎号掲載している」というのは連載です。
 要は「定期掲載しているかどうか」という話です。





 「連載漫画がメインストリーム」な理由はたくさんあって。
 まず「発表される媒体が雑誌だから」
 雑誌にとって毎号買ってもらうことは大事です。目を引く特集コーナーで新規読者を増やしたとしても、買ってもらうのが1号だけではビジネスが成り立ちません。毎号載っている連載枠があることで定期購読者を維持できるのです。これは漫画以外の雑誌もそうですね。


 あとは、「固定ファンを維持しやすいから」というのもありますね。
 例えば、単行本の1巻から11巻までがそれぞれ10万部ずつ売れたとします。そうしたら12巻も大体10万部前後売れると予測できますよね。いきなり500部しか売れませんでした、みたいなことは起こりにくいです。多分。

 ゲーム業界とかでもそうですよね。前作がこれだけ売れたから続編になる今作はこれだけ売れるだろう、だからこれくらいの予算で作ってくれ―――みたいな。



 それと、これが一番言いたいことです。
 「本屋さんにはスペースに限りがあるから」
 例えば『ワンピース』の最新刊―――が、今どのくらい出ているのか私は知らないので仮に253巻だとします。今週253巻が出るのなら、本屋さんは252巻も251巻も250巻も置きたいものです。「あ、ワンピースの新刊出たんだ!でも、俺249巻までしか読んでないんだよなぁ」って人にまとめて買ってもらえるからです。

 「読みきり漫画」をメインにしていくのは難しいという話を書きました。
 「読みきり漫画」だけを集めた短編集というものも単行本として発売されていますが、そうした短編集の多くは同じ作家さんが連載している「連載漫画」の単行本と一緒に発売されたり、置かれたり、買われたりするんです。「読みきり漫画」をメインにしたくても「短編集」というのはそれだけ発売してもらうのが大変ですし、置いてもらうのが大変ですし、買ってもらうのも大変なんです。





 ということで、現在の漫画ビジネスは「連載漫画」がメインストリームとなっています。
 こんな記事を書いている私も、短編集を持っている作家さんって極一部ですし、「じゃあどうしてその人の短編集を買ったの?」と聞かれると「その人の連載漫画が好きだったから」と答えるしかないんです。

 でも、恐らく読者としても長編の「連載漫画」よりも短編の「読みきり漫画」が好きな人もいるでしょうし、漫画家さんとしても長編の「連載漫画」よりも短編の「読みきり漫画」が得意な人がいると思うんです。紙媒体しかなかった時代には逃がしてしまっていた読者のニーズと漫画家の才能を、電子書籍では拾えるんじゃないかと期待しているのです。


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 『ワンピース』最新刊(まだ67巻までしか出ていなかったのか!)のアフィリンクを貼った直後に言うことではありませんけど……

 自分は長く続いている漫画って苦手なんです。
 新刊が出ても前の巻までの話を全く覚えていないので、「よし!1巻から読み直そう!」とするのですが、何十巻も出ているといつまで経っても最新刊に追いつかないという。完結した漫画を全巻セットで買って一気に読むのは超楽しいんですけどね。

(関連記事:先週までの内容を覚えていられない
(関連記事:「続きが気にならない」型エンタテイメント


 こういう人って結構多いんじゃないかなーと思うんです。
 連載雑誌を毎号追いかけるのは時間的に辛いし、何十巻も続いている漫画を新たに買うのも決断力がいるし、でも通勤電車の中で気軽に読める短編の「読みきり漫画」とか長編でも1~2巻くらいで完結している「連載漫画」があったら読みたい―――って需要。




 そして、“描く側”にとっても大事な話です。
 ほとんどの漫画家さんは漫画作品を発表するためには雑誌に連載を持って、雑誌のペースに合わせて原稿を仕上げる必要があります。なので、プロの漫画家にとって必要な最重要スキルは「毎週原稿を完成させる」とか「毎月原稿を完成させる」という商業ペースで漫画を描くスピードなんです。

 今ここで「え?あの漫画家さんって毎号載っていないよね」と思った人もいるでしょうが、最初から「4週に1回休む」という契約をしている場合とか、よほど人気があるから急に原稿落としても出版社は連載打ち切れないとか、個別のケースはあるけど「あくまで原則としては」だ!新人がいきなり冨樫先生みたいなことして許されるワケないだろう!


 “商業ペースで漫画を描く”ってのは、単に「面白い漫画を描ける人」では務まりません。
 例えばアシスタントを雇うとしたら「人を使う能力」が必要になるし、「アシスタントが雇える場所」に住まなきゃちゃなりません。デジタル機器を使いこなせる人ならオンラインでデータだけやり取りするアシスタントさんというのも今はあるそうなんですが、「PCを使いこなす」スキルが必要になりますし……
 そういうのを乗り越えてこそプロという世界でしたが、逆に考えると「そういうのを乗り越えられないけど面白い漫画は描ける人」を逃がしてきたワケです。

 例えば、そういう人がちょこちょこと1年かけて全20ページの「読みきり漫画」を描いて、その超面白い1作品だけを30円で売る――――みたいなことは、紙媒体ではありえませんけど、電子書籍では出来るんです。「読みきり1作品だけ読みたい」って人にマッチングすれば、そういう人の才能が世に出る可能性があるんです。


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 十年後・二十年後の未来は分かりませんけど……
 少なくとも「電子書籍が日本でも普及できるか」の段階で重要なのは、「紙媒体で出来ることがそのまま電子書籍でも出来るか」ではなくて「紙媒体では出来なかったことが電子書籍では出来るか」だと思います。


 例えばアメリカでキンドルが普及した理由の一つとして、「アメリカには文庫本がないから」というものがあるそうです。高価で大きくて持ち運びしにくいハードカバーの本しかなかったところに、安価で持ち運びしやすい電子書籍が登場したから「これは便利だ!」と普及した。
 日本では既に「安価で持ち運びしやすい文庫本」の文化があるので、電子書籍が普及するのは難しいだろうって言われています。自分もその路線だったら「じゃあ文庫本でイイじゃん」って思われるだけだろうって思っています。



 この手の新しい技術が受け入れられるかどうかは―――今までの技術(この場合は紙媒体)に不満を持っている人がどれだけいて、その不満を新しい技術が解消できるかどうかだと思います。


 もちろん「紙媒体に向いている漫画」が面白くないワケではないです。
 週刊少年誌なんかは「たくさんのお金をかけて描かれて」「たくさんの人に読まれて」「たくさんのお金が動いている」超豪華なエンターテイメントです。映画で例えればハリウッド映画のような巨大ビジネスモデルの世界です。世界中の人を楽しませる普遍的な面白さがある世界です。

 でも、全く無名な監督が撮った自主制作映画が、響く人には「あのハリウッドの超大作よりも俺はこっちの映画の方が好きだ!」と言われる―――みたいなことが、電子書籍の漫画だったら目指せると思いますし、紙媒体では現れなかった才能が世界中に眠っていると思うのです。


(関連記事:漫画を1500冊持ち歩けるという革命――電子書籍への期待
(関連記事:電子書籍に音声が付けられれば、読書の概念が変わる

| 漫画読み雑記 | 17:58 | comments:5 | trackbacks:1 | TOP↑

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美化されていないファミコン時代の思い出を語ろう!

 自分はファミコンで「コンピューターゲーム」というものに出会い、その後もスーファミ→サターン→PS→PS2→PCのフリーゲーム→DS&Wiiと来て現在は3DSを毎日起動しているという“昔も今もゲームが好き”な人なんですけど……そういう人間からして、最近よく見かける意見で若干気になるものがありました。



 「ファミコンの頃は電源入れたらすぐゲームが始まったのに、最近のゲームはメーカーのロゴとか特許のロゴとかコピー禁止の注意文とかの表示が長くてなかなかゲームが始まらなくてやる気が失せる」


 こういう意見は「誰か一人の意見」ではなくて、よく見かけます。
 Twitterでも見かけますし、リアル友達にも何度か言われたことがありますし、私も昔書いたことがあります。「ファミコン時代は良かった」という結論ではありませんでしたが。

(関連記事:『キミの勇者』は電源を入れた後に企業ロゴが出ないらしい




 だから、敢えて書きましょう。


 それって都合の悪いとこは忘れてるだけですよ。
 昔のゲームはもっといっぱい「やる気が失せる」ことがありました。


 昔は「やる気が失せなかった」けど、今は「やる気が失せてしまう」のはアナタの環境が変わったからでしょう。それを「最近のゲームのせい」にするのはズルくないですか?

 もちろん「昔のゲーム」はそれはそれで面白かったし、今遊んでも面白いものはたくさんあります。『ダウンタウン熱血物語』は面白いぞー!

 でも、昔のゲームは間違いなく「不便」でしたよ。
 そこを忘れて語るのは「昔のゲーム」を美化しているんじゃないですか?




1.そもそもゲームを起動するのが難しい
 ファミコンと言えば、「カセットにフーッと息を吹きかける」でしょう。
 リアルタイムでは知らない若者の皆さんも、数年前の『スーパーマリオブラザーズ』25周年のTVCMで見かけたんじゃないかと思います。


 何故アレが日本中(世界中?)で行われていたかというと、ゲームが始まらないからです。

 「わーい!ファミコンやろうぜー」
 「おー!」
 「おっ!オマエんち、こんなゲームあるのかよ!1回やってみたかったんだ!やらせてよ!」
 「いいよー!やろう!」
 「よーし!楽しみだなー!」

 ―電源入れる―

 「あれ……付かないな」
 「ちょっと貸して。」フーッ「よし、コレで付くはずだ」
 「付かないな」
 「付かないね」
 「ちょっと貸して」フーッ

 ―以下10分くらい続く―

 「他のゲーム……やろうっか」
 「………うん。そのゲーム、あんま面白くないよ。むしろ付かなくて良かったよ」
 「うん……なんか、ごめんね……」



 こんなん日常茶飯事でしたからね!
 何故こういうことが起こるかというと、ファミコン本体とゲームカセットが接触する端子部分にホコリが付着しているからで。それを息で吹き飛ばして入れ直せばゲームが起動できる―――と、日本中の子どもは誤解して行っていたんですけど。

 実際には、息を吹きかけた際に飛ぶツバによって端子部分がサビてしまい、ますますゲームが起動できなくなってしまうんです。インターネットの時代になって初めて「息を吹きかけるのではなく綿棒などでホコリを取り除くと良い」って知りましたよ!



 「最近のゲームは起動するまでに時間がかかる」だとおおおおお!
 ファミコンの頃の方が大変だったわーーーーーー!最近のゲームで「起動すら出来るかどうか分からない」なんてことあるのかよおおおおおおおお!



 あ、あったわ。
 PS2が壊れかけた時はゲームが始めるまでに20回くらい読み込み直したりしてたわ。
 SCEのカスタマーセンターに電話したら「修理すると高額になるんで新しい本体を買ってください」と言われて「オマエんとこの商品なんて二度と買わねえよ!」とブチぎれたというあの話。あの頃は若かった。


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2.線を繋ぐのが大変
 実は、当時まだ私は小さかったので未だによく分かっていません。
 ファミコン時代の配線って、アンテナとテレビを繋いでいる線の間に割り込んで繋ぐ―――みたいなカンジでしたよね。赤白黄のAV端子に差し込んでハイ完了、というケーブルが出たのは次の世代(スーファミ)からだったと思います。

 これがね、意外に厄介なんですよ。
 小学校低学年の子どもが自力では繋げない。壊すかも知れないから親に繋ぐのは禁止されていたりで、友達の家に遊びに行って、親がいないからファミコンやろうぜーとなっても自分達では繋げられないんです。たまに同い年でも繋げられる友達がいてソイツがすげーヒーローになったり、友達のお兄ちゃんが帰ってくるのを待ったり。


 まぁ……これはこれで良い思い出な気もする(笑)。



 自分はずっと携帯ゲーム機を買ってこなかったんで、DSを初めて買った時はビックリしましたね。
 「配線なんか要らない」、「ただソフトを入れて電源を入れればゲームが始まる」。
 何て便利な時代になったんだ!と思いましたよ。


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3.パスワードをメモするのが超大変
 最近のゲームはオートセーブだったり細かくセーブポイントが設定されていたりで、「ちょっと10分」遊んでもゲームが進められるようになってるものも多いですよね。そういう「ちょっと10分遊べるゲーム」の方が気軽に起動できるから「気付けば2時間経ってる」ってことも多いんですけど!


 ファミコンの頃はそんなことは出来ませんでした。
 憂鬱になるくらい長いパスワードをメモしなくてはいけないため、「小まめにパスワードをメモしよう」なんて思えず、「最低30分は進めてからパスワードはメモしよう」と思ってしまったものです。だからこそ、あああああああああ!パスワード書き間違えてるううううううううう!なんて悲劇のダメージがデカかったのです。


 『ファミコンジャンプ』で40文字、『ドラクエ2』で52文字だったそうです。
 中にはパスワードが100文字オーバーというゲームもあったり、文字数だけじゃなくて「文字の種類」でアルファベットや数字が混じっていたり、そもそもファミコンの画面なんて文字を正確に認識するのも難しかったり。それをゲームを起動&終了する度にメモって入力しなきゃならなかったんですよ!



 セーブ&ロードが数秒で完了する最近のゲームの何というテクノロジーか!
 しかしだ、「バッテリーバックアップが登場してパスワードを自分でメモしなくなった時、人々は感動したのであった」と恐らく歴史の教科書に書かれているだろうが、その歴史教科書は偏っていると言わざるを得ない!一部の人間の偏った思い出のみ構成された歪められた歴史の一局面なんだうんたらかんたら!


 ということで、↓の項に続きます。


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4.セーブデータは消えるものだった
 ファミコンで「セーブデータを記録できる」ようになるのは1987年の『森田将棋』以降で、何といっても1988年の『ドラゴンクエスト3』で多くの子ども達は「セーブデータ」というものに出会いました。「パスワードをメモしなくても続きが遊べるなんて!」と驚きました。


 が、そのセーブデータが勝手に消えて二度と復元できないことを経験すると、「………パスワードの時代は良かったなぁ」と言い出すのです。
 パスワードはメモをミスしても、その更に前の回からやり直すことが出来るからです。コストの問題もあるのでしょうが、なのでファミコン時代のアクションゲーム等ではパスワードを使用するゲームがそれ以後も発売されていました。


 個人的には、スーファミ時代の方が「セーブが消える」経験が多かったです。
 中古で買った『ロマンシング サ・ガ』はバッテリーバックアップちゃんがストライキを起こしているんじゃないかというくらい「3回に1回はセーブデータが消えている」仕様で当然クリア出来ませんでした。
 「セーブは3つまで出来る」ゲームは、とりあえず同じデータを3つにコピーして「どれか1つは消えても大丈夫!」とかやってましたよね。そしたら3つとも全部消えてるの。泣きたい。



 ちなみに最近のゲームのセーブデータはバッテリーバックアップじゃなくてフラッシュメモリなので、不具合とかセーブ中に電源切るとかしない限り、滅多なことでセーブデータは消えなくなったそうですね。「セーブデータが消えるバグが見つかった」で大騒ぎになるなんて、ファミコン時代には想像できませんでした。

(関連記事:「DSソフトにバッテリーバックアップは付いていない」という衝撃の事実


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 もちろん、こんな不満を抱えながらも当時の子ども達は「ゲームっておもしれーーー!」と遊んでいました。だから思い出が美化されるのも当然だと思っています。

 中身さえ面白ければ不満点など吹き飛んでしまう―――それが「好き」ということです。


 「昔のゲームは面白かったけど最近のゲームは面白くない」という意見も、同意はしませんが理解はできます。例えば昔は市場の中心だった2Dアクションとか2Dシューティングとか、(最近はそうでもありませんが)一時期は「絶滅危惧種」になっていましたもの。
 下火になってしまったジャンルを好きだった人が「最近のゲームは面白くない」と言うと、「懐古厨乙!」「オマエのようなヤツはどーせ最近のゲームを遊んでもいないのに文句言ってんだろ!」と叩かれるのはヒドイと思います。まぁ、「最近のゲームは面白くない」と言うんじゃなくて「最近は2Dアクションゲームが少なくて面白くない」って言うべきだと思うんですけど。



 だからね、バーチャルコンソールは素晴らしいなって思うのですよ。
 ファミコンの頃の面白かったゲームが、「カセットにフーッと息を吹きかける」こともせず、よく分からない配線に戸惑うこともなく起動が出来て、長ったらしいパスワードや消えやすいセーブデータに頼らなくても「いつでもどこでも中断セーブが出来る」のですから!


 版権モノはちょっと厳しいですけど、5年半かけて結構なラインナップが揃っていますよ!でも『MOTHER』シリーズの配信はまだですか社長!


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| ゲーム雑記 | 17:51 | comments:13 | trackbacks:0 | TOP↑

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「××を語るなら○○くらいはチェックしておいて下さい」と薦められたものは大抵面白くない

 今日の記事はタイトルで全てを語っているかも知れない(笑)。


 特に長くブログなんかを続けている自分はよく言われるのですが、
 そうでない人も一度や二度言われたことがあるでしょう。


 「バトル漫画を語るなら『○○』くらいは読んでおいてください」
 「『○○』も観ていないでSF映画について語らないでください」
 「えっ?1作目プレイしてないのにそのシリーズのファンを名乗ってんの?」




 作品は過去作の積み重ねで成り立つものです。
 今ある新規作品も過去の名作が築いた土壌の上に成り立っているんだから、「その作品が好きならその作品の元となった○○も観ておかなきゃダメだよ!」と薦めてくる気持ちは分からなくはないです。「言われたことがあるでしょう」と書きましたが、みなさん「言ったこともあるでしょう」?



 でも、そう言われて、「そんなに薦められるなら……」と手を出したものは大抵面白くないです。むしろ「時間返せバカヤロオオオオ」と薦めてきたヤツを殴りたくなるくらいです。


 それは、「その作品」に問題があるのではありません。
 その作品の「薦め方」に問題があるのです。



1.ハードル上げすぎ
 薦めてくる方はその作品を「名作」「生きている人間は全員この作品を面白いと思うに決まってる」「○○も観ていないなんて人は人生を損している」と思っているのかも知れませんが、薦められる方はその作品を観たことないし「これから先観なくても何も困らない」と思って生きています。


 そんな人に「○○は絶対に観ておかなきゃダメだよ!」と薦めてしまうと、薦められた方は「そこまで言われるってことはよほどの名作なんだろうな!」と期待値MAXで観てしまいます。100点満点で150点くらいのものは期待しています。実際に観て80点の作品だったとしても、「なんか……イマイチだったな…」と思ってしまうのです。



2.名作だからこそ薄味に感じてしまう

 名作だからこそ薄れてしまう味

 ちょっと前に書いたこの記事の通り。
 今ある新作は過去の名作が作った土壌の上に成り立っているので、「その新作が好きだったらその元となっている過去の名作も観なきゃダメだよ」と言ってしまいがちなんですが、むしろ逆なんですよね。
 後から生まれた作品は過去の名作を研究して再構築して今の世代に受けるように仕立て直しているので、そっちを先に知った人に過去の名作を薦めても気に入られなくて当然です。


 刺身に醤油つけて「うめーうめー」と食べている人に、「素材の味を楽しまなきゃダメだよ!」と醤油を奪ったところで、「醤油……欲しいなぁ(´・ω・`)」としか思われません。



3.嫌いな人から薦められても楽しめない
 究極的な話。

 「××を語るなら○○くらいはチェックしておいて下さい」とか上から目線の薦め方をされた時点で、内心「うわー何コイツうぜー」って思いますよね。「○○面白いよ!」って薦めてくれれば観る気になるのに、なんでこうカンジノワルイ薦め方をしてくるんだよーぺっ、って思いますよね。思いますよ。

 そんな人に薦められたものを、「仕方ないなぁ……観ていないとまたイヤミ言われるから仕方なく観るかなぁ」と観るじゃないですか。映画だったら2時間、漫画だったら数時間、ゲームだったら数十時間。「仕方なく」で観たものなんて面白いワケないですよ。



 これが逆に「大好きな人」や「尊敬している人」に薦められたものならば、なかなか面白さが分かりづらいものであっても「あの人が薦めてくるんだから面白いはずだ!」と“良かった探し”が出来るし、面白さを読み解く努力が出来ます。ゲームだったら「上手くなる」という序盤のハードルを乗り越えられます。



 「嫌いな人に薦められたくらいでその作品ごと嫌いになるのはおかしい」と思われるかも知れません。
 でも、私達は評論家ではないのです。作品が「優れているかどうか」を評価するために映画を観ているワケではないし、漫画を読んでいるワケではないし、ゲームを遊んでいるワケではありません。重要なのは「私が楽しめるか」なんです。「私が好きになれるかどうか」なんです


 だから、「誰から」「どう薦められたのか」―――というのはとても大事な要素なんです。
 この薦め方次第で、その人にとっての「名作」か「駄作」かが変わってしまうほどに。作品の価値なんてそんなもんです。人はみな「主観」で作品と接するのですし、薦めてきた人の印象が「主観」に影響するのは当たり前なことなんです。



(関連記事:漫画を人に薦める時に必要なのは、漫画ではなく人を見る目
(関連記事:好きなものを人に薦めることが、幸せの連鎖を生むという話



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 人にモノを薦める時。

 「これ、すっごく面白いからオススメだよ!」とプラス方向の薦め方をする人と。
 「これを観ていないと人生損しているよ!」とマイナス方向の薦め方をする人がいるんですが。


 マイナス方向の薦め方は、言っちゃえば「脅迫」のようなものなので印象は良くないんですよね。



 以前、実写版ドラえもんについての記事で以下のように書いたことがあります。

<以下、引用>
 TVCMは商品を買ってもらうためにやるのだから、「この商品を買うとこんないいことがありますよ!」「この商品には他の商品にはないこんな素晴らしいイメージがあるんですよ!」とポジティブなメッセージを込めるのは凄くよく分かります。
 でも、「この商品を買わないとアナタに不幸が訪れますよ!」とか「この商品を買わないアナタにはこんなみすぼらしいイメージが付くんですよ!」というネガティブなメッセージを込めるのはナシでしょうよ。僕は「トヨタってのは何てカンジの悪い会社なんだ」と思いましたよ。

</ここまで>


 そうしたらその記事に「その二つは同じことじゃないですか」ってコメントが付いてて、軽く目眩ががががががががががががががががががががががががががが。
 同じじゃないですよ。全然同じじゃないですよ。
 「不幸にならない」を目標に生きて、「幸せ」になれますか。





 ……と、ここまでお読みの皆様の中には気付いていらっしゃいる方もおられるでしょうが。
 この記事自体が「「××を語るなら○○くらいはチェックしておいて下さい」と薦めると不幸になるからやめましょうよ」という、思いっきりマイナス方向のメッセージの記事なんですよね!

 ほら、今オレカンジワルイでしょ!?
 だからダメなんですよこういうやり方は。


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| ひび雑記 | 18:13 | comments:20 | trackbacks:0 | TOP↑

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最小の手で最大の効果を。『ポケットサッカーリーグ カルチョビット』ファーストインプレッション

 公式で行われたエキシビジョンマッチの動画(3本合わせて2時間弱)を観て、体験版を22時間プレイして、製品版を2時間プレイしての「ファーストインプレッション」記事です。どこがファーストインプレッションやねん、と自分でも思います。

 このゲームに興味があるって人はまず、エキシビジョンマッチの動画を観てください。公式サイトでも観られますし、3DSのeShopや、Wiiのニンテンドーチャンネルでも観られます。

 そこで興味を持てたら3DSのeShopで体験版をダウンロードしてプレイするのが良いのですが。
 この体験版は「製品版にセーブデータを引き継げる」のですが、その条件が「1年目でフレッシュリーグ優勝」か「2年目のラストまでプレイ」することなので、10時間か20時間かかります。20時間遊べる無料体験版のせいで、他の買ったゲームが進まない進まない(笑)。

 問題なのは、この体験版には「30回の起動回数制限」があるということ。チマチマと10分ずつ遊ぶみたいなペースだと30回でラストまで行けないかも知れないんですよね。体験版の試みは素晴らしかったと思うのですが、この起動回数制限だけはネックだったなぁ……と。


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○ 監督に出来ることは少ない
 3DSソフト『ポケットサッカーリーグ カルチョビット』はサッカーの監督になるゲームです。
 『ウイニングイレブン』シリーズのように自分で選手を操作するのではなく、基本的にはチームを育てて試合は眺めているだけというゲームです。『プロサッカークラブをつくろう』シリーズのような経営要素はほとんどありません。


 まず最初に自分のことを。
 自分はサッカーは(テレビで観るのは)かなり好きで、日本代表の試合はもちろん、Jリーグの試合やヨーロッパの試合などもテレビ中継されている時は率先して観るくらいです。サッカーについて語るのも好きで、サッカー用語や戦術など、素人レベルでは「それなりに知ってる」方だと思います。


 反面、シミュレーションゲームはかなり苦手なジャンルです。
 スーファミの『シムシティ』から始まって、『三國志』シリーズ、『ギレンの野望』シリーズなどなど……クリア出来たゲームは1本もありません。現在母に勧めるために『A列車で行こうDS』をプレイ中ですが、シミュレーションゲーム初挑戦の母の方が上手いというくらい。

 前述の『プロサッカークラブをつくろう』もPS2版の『2002』を買ってプレイしたのですが、1年目「J2ビリ前」で、2年目も「J2最下位独走中」だったのでそっと電源を切って起動することがなくなった―――というトラウマを持っているくらいです。
 出来ることが多いから自分なりの遊び方が可能なのがシミュレーションゲームの魅力だと思うのですが、出来ることが多すぎて何をして良いか分からないというのが自分が苦手な理由なんだと思っています。



 ということで、「サッカー好き」で「シミュレーションゲーム苦手」な人のファーストインプレッション記事だと思って読んでくださいな。


 まずは設定。
 全国各地から実在する市町村を選び、本拠地となるホームタウンを決めます。
 続いてチーム名や、ユニフォーム、フラッグなどを決めます。これで設定終了。この設定は後から変更可能みたいです。変更するの項目を選んだら秘書ちゃんに「サポーターは哀しむでしょうね……」と言われたので、私はキャンセルしましたけど!


 次にチーム方針を決めます。
 「フォーメーション」「ゾーンの高さ・幅」「攻撃意識」。
 これも後から変更可能というか、相手に合わせて局面ごとに変えることが出来ます。自分は「フォーメーション」と「ゾーン」は固定で、「攻撃意識」だけ状況に応じて変えていますね。

 サッカーに詳しくない人にとっては「ゾーン」が難しい用語だと思うのですが、「どこで守備をして相手からボールを奪うか」と考えてください。前からガンガン守備してボールを奪って攻める(今の日本代表はこんなカンジです)か、後ろに引いて相手の攻撃を跳ね返してチャンスを待つ(2010年W杯の日本代表はこんなカンジでした)かってところですかね。



 試合中に出来ることは、敵チームの「要注意選手」を決めるのと。
 「選手交代」させるのと、その都度「チーム方針の一時的な変更」の指示を出すこと。くらい。

 試合中に監督が出来ることってコレくらいなんですよ!



 試合が終わると、試合内容に合わせて「課題」の特訓カードがもらえます。
 シュートが下手だと「シュート」カードがもらえるとか、終盤バテちゃうと「ランニング」カードがもらえるとか。何も良いところなく惨敗すると、「今日はカラオケにでも行くぞー!」と「カラオケ」カードがもらえたりします(笑)。


 試合後、次の試合に向けて準備としてそれらのカードを使って「特訓」が出来ます。
 選手達はそれぞれトレーニングをしているので勝手に能力は上がるんですが、更に重点的に鍛えたいところは特訓カードで個別に強化出来るんです。




 プレイヤーに出来るのはコレくらいです。

 最初にチーム設定と方針を決めたら。
 後は「カードを使って特訓」→「試合中に選手交代と指示を出す」ことくらいしか出来ないんです。


 様々なシミュレーションゲームに挑んで「やること多くて何していいか分からない…」と打ちのめされてきた自分が、「こんなにやること少なくて大丈夫なの?」と不安になったほどです。普通だったら恐らく「こんなにやれること少なかったら誰が作っても似たようなチームになっちゃうんじゃないの?」と思ってしまったことでしょう。

 でも、そうならないことを私は知っていたんです。
 エキシビジョンマッチを観ていたから。西野監督の超攻撃的サッカーのチームを観ていたから、バリカタ古賀の超守備的サッカーのチームを観ていたから、プレイヤーによって全く違うチームが出来ることを私は知っていたんです。エキシビジョンマッチにはそういう効果があったんです。


 体験版をプレイしていても最初は思うように行かなかったんですが、1年目の中盤あたりから狙ったようなパスサッカーが出来るようになりました。「パスサッカーのチームにしよう!」なんて一言も言っていないのに、そういうチームに自然となっていったんです。



 シミュレーションゲームを「難しそう……」と思っている人には是非オススメしたいです。
 出来ることが少ないのに、ちゃんと「自分だけのチーム」になるんです。
 シミュレーションゲームのとっつき難さを廃して、シミュレーションゲームの魅力をちゃんと持っているんです。

 それが分かるためにも体験版が「20時間遊べる」仕様なんでしょうね。上手い人は1年目でもクリア出来るそうですけど、シミュレーションゲーム苦手な人が魅力を分かるのは2年目からなので、この体験版の仕様は大正解だったと思います。 



○ 「自分だけのチーム」に
 そうそう。
 最初の練習試合が終わると、選手の名前も自由に変更出来るようになります。

 デフォルトの名前もイイんですけど、私は選手の名前は変更した方が断然面白いと思います。
 自分の場合「中学時代の同級生の名前」「歴代ジャンプ漫画のキャラクターの名前」「自分の描いている漫画のキャラクターの名前」の混合チームにしました。

 これらのオリジナル選手が勝手に動いて、成長して、それぞれにドラマがあって―――と、遊んでいく内に「これは男子が夢見たトモダチコレクションだ」と思いました。


 本家『トモダチコレクション』は自分の友達のMiiや芸能人のMiiなどを一つのマンションに住まわせて、そこで起こるあれこれを眺める―――というもので、これはこれで面白いと思いますが。男の子のテンションは上がりませんよね。
 男の子は「よーし!オマエら集まれ!サッカーやんぞ!」と、クラスも年齢も飛び越えて、近所の子ども達で集まって一つのボールに集まってゲラゲラ出来る人種ですから。『トモコレ』よりも『トモコレ』なんですよこれ。(もちろん個人差はあるので全体的な傾向の話ね)


 リアル友達に会った時に、「こないだのクラシコ西条戦でオマエがゴール決めてさぁ」と報告したくなりましたもの。これはまさに『トモコレ』の凄さ。各選手の顔が変更出来ないのは残念だけど、そしたらそしたで「似た顔がない!」という不満が出るからコレでいいか。

(関連記事:『トモダチコレクション』が売れた理由から目を背けてはならない



 ずっと試合を見ていると、選手達に本当に「人間味」を感じてくるんですよ。
 「コイツはずっと入る見込みのないロングシュートばっか打ってんなぁ」みたいな個性があります。なので監督としては、特訓カードを使って矯正していく―――「そこで周りを見てパスを出せる選手になるんだ」とパスのカードを使うとパスもするようになっていくという。


 また、特訓カードは3枚まで同時に使うことが出来て。
 特定の「2枚」もしくは「3枚」のカードを同時に使うことでスペシャルメニューを覚えることが出来ます。ネタバレになるので文字は隠しますが「リフティング」と「パス」を組み合わせると「ダイレクトパス」とか、「ウェイトトレーニング」と「座禅」で「不屈の闘志」「ハングリー精神」とか。(7/14追記:間違っていました。お詫びして訂正します。すみませんでした)

 こういったスペシャルメニューを使うことで、より特徴的な選手になりますし。
 どんどん選手が個性的に見えてきて、「ウチの子が一番強いんだもん!」という親バカ監督になっていくのです。




○ 体験版から製品版へ
 ………というのが、体験版を22時間プレイした感想です。
 製品版がAmazonからなかなか届かないので、製品版が届く前にここまで書いてしまいました(笑)。


 製品版も体験版とほとんど同じ感覚ですね。
 セーブ時間は目に見えて長くなりました。セーブできるデータ数は2つになりました。シミュレーションゲームは「ダメだ!もう1回最初からやり直したい!」と思っちゃうものなので、これはありがたい。



 体験版になくて製品版にある要素は、一番大きいのは「通信対戦」の要素です。
 ソフトを持ち寄って対戦する「ローカル対戦」だけでなく、すれ違った人のチームと対戦したり、いつの間に通信で配信されるチームと対戦することが出来ます。

 更にインターネットに繋がっていればランキング対戦も可能です。
 この対戦は「インターネットを同時に接続して対戦」するのではなく、(多分)いつの間に通信でアップロードされたそれぞれのチームのデータを元に「プレイヤーがゲームを起動していない時も対戦を申し込まれて、対戦をして、結果が残る」という仕様のようです。

 もちろん「3DSフレンドのみんなの順位」も分かります。


 普通のセーブデータを上書きするだけでオンライン対戦用のチームの情報も更新されるみたいで、対戦した試合は申し込まれた方も後で観られるとか、非同時接続型オンライン対戦ゲームとして理想的な形で「任天堂どうしちゃったの!?」と逆に心配になる力の入れようです。

 

 また、製品版から「試合のVTR」「ゴールシーンのVTR」を記録出来るようになり。
 「ゴールシーンのVTR」はWEBにアップして、ブログに載せることまで出来ます。




 会長のチームからゴール奪うシーンをこれでもかと流すいやがらせ。
 また、ランキング対戦をするとチームデータがアップロードされるので、任天堂公式の「カルチョビットWEB」にチームのホームページが自動生成されるというのも凄い。ちなみにウチのチームはこちらです。

 フレンド登録していない人でも「クラブID」を入力すると対戦できるそうなので、是非。




 製品版は起動回数制限もないので(そりゃそうだ!)、「ちょっと1試合観ようっと」と10分ごとに遊べるのが良いですね。手軽に&気軽に遊べるのに、ちゃんとシミュレーションゲームとして面白いし、ネット対戦の仕組みがコレ以上ないほどよく出来ていて、現状ダメなところが見当たらないくらいです。


 まぁ……サッカーに全く興味がない人が遊んで楽しいかは自分は分からないんですが、サッカーをテレビで眺めるのが好きって人には「シミュレーションゲームが苦手でも楽しめますよ!」と是非オススメしたい一品です。


 3DSで「コレ1本あれば他に何も要らない」ってゲームに出会っちゃいました。


トモダチコレクショントモダチコレクション

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○ オマケ
 特訓カードを組み合わせて選手達に覚えさせることが可能な「スペシャルメニュー」。
 攻略サイトなんかを見ちゃう人もいると思いますし、それも別に否定しませんが、自分は断然「自分で一つ一つ探したい人」なのでこんなものを作ってみました。


calcho6.png

 クリックして拡大したものを印刷してもらい、何と何を組み合わせればスペシャルメニューが出てくるのかのメモに使ってくださいな。「特訓カード3枚の組み合わせはどうするの?」という人は、これを32枚印刷してもらって、1枚目の特訓カードごとに分ければイイんじゃないですかね!ものすごくインク代かかりそう!


 あ……でも、これって真ん中で分けて使えば16枚で済むのか(全部で17枚)。
 いや、それも大概だな……



 calcho7.png

 ということで4枚組み合わせてみました。
 これならば1枚印刷するだけで8通りの1枚目が使えるので、全部で4枚印刷するだけで「特訓カード3枚の組み合わせ」を表に出来ます。文字が小さいので目が痛くなるのが難点ですけどね!(ブラウザのまま印刷せず、一度画像を保存して画像印刷した方が文字はキレイに出ると思います)

| 1stインプレッション | 20:38 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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いじめは「善悪の価値観」が狂うことで生まれるんだと思う

 いじめに関する辛いニュースが起こる度に思い出す、さかなクンのコラムがあります。

 広い海へ出てみよう(東京海洋大客員助教授・さかなクン)


 自分はこのコラムに感動して、勇気をもらい、こういうことを伝えられるような人間になりたいと奮い立たされました。
 「さかなクン」なんて馴れ馴れしく呼べません。私にとって彼は「さかな様」です。しかし、「さかな様」と呼ぶとものすごくバカにしているみたいなので、やっぱり「さかなクン」と呼ぶことにします。



 「広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。」



 いじめ問題について、これほど的確に事態を表現した言葉があるかって思います。
 いじめは“閉鎖された狭い社会”の中で生まれます。学校の教室も、部活も、“せまい水槽”もそうです。つまりね、いじめというのは「いじめ加害者」にも「いじめ被害者」にも最大の原因はなく、「その環境」にこそ最大の原因があるんだと思うのです。



○ 悪人が「いじめ加害者」になるのではない、と思うべき
 今日の記事は落ち着いて読んで欲しいです。
 私は「いじめをした加害者」を擁護する気はありませんし、ちゃんとした形で罰せられるべきだと思っていますし、「いじめ加害者になると社会的な罰を負うことになる」という認識がちゃんと広まらなければならないと思っています。罰がなければ罪を食い止められないというのは寂しい話ですけど。


 それを前提にして。
 「いじめ加害者」は“生まれながらの悪人”がなるワケではなく、“普通の人”がいつの間にかなってしまうんだ―――と書かなきゃならんと思うのです。この記事を読んでいる貴方も、貴方の親しい人も、いつ加害者になるか分かりませんし、既になっているかも知れません。

 「いじめというのは滅多に起こらない特別なことで、いじめ加害者は極悪人で、まさか自分の身の回りの人が加害者になんかなるワケがない―――」という認識は間違っています。



 今回の辛い事件を受けてTwitterに流れてきた話で興味深かったPOSTがあって、
 学生時代に自分をいじめていたヤツに同窓会で会ったら、ソイツが「ウチらの時代にはイジメなんかなかったのに最近の子どもは酷いね!」と言っていた――――という話でした。


 いじめをしている人は自分のしている行為が「いじめ」だと認識していなかったり、
 いじめをしている人は自分のしている行為が「悪いこと」だと認識していなかったりするんです。



 世の中で起こっている「いじめ」の多くは、「むしろクラスのため」とか「むしろ部のため」とか「むしろ水槽のため」みたいなカンジに、「悪いこと」と認識していないどころか「良いこと」だと思って行われていることが往々にしてあると思うのです。


 まぁ……流石に今回ニュースになった件は度が過ぎていると思いますけど、
 いじめの入り口としてよく起こる「みんなで無視する」行為も、やっている当人達は「悪いこと」とも「いじめ」とも思っていなくて、「これでクラスのみんなが幸せになるだろう」くらいの認識じゃないかと思うのです。



 もちろんおかしい。
 外から見ると「クラスのみんながソイツを無視している」状況なんて異常だし、絶対に良くないし、「悪いこと」だと分かります。でも、中にいるとそれが分からなくなってくるんです。
 いじめがニュースとして取り上げられた際に、後から教師に話を聞くとよく出てくる「生徒同士でじゃれあっているだけだと思っていた」なんてのもまさにソレですよね。

 さかなクン言うところの「せまい水槽」の中では、独自の「善悪の価値観」が生まれ、徐々にそれが暴走していってしまうんです。広い世間の中では「悪いこと」として当然のように認知されている行為も、狭い閉鎖された社会の中では「悪いことではない」とみんなが認識してしまうことが起こるんです。善悪の価値観が狂ってしまうんです。



 いじめの例だと「いや、そんな酷いことは起こらない」と思う人も多いでしょうから、もっと誰にでも起こる軽い例で書きます。
 いつも遊んでいる友達グループだけど、今日はその中の一人が来なかった。そうすると残りの全員でソイツの陰口を言うんだけど、次にみんなで会った時にはわざわざそんな話はしない――――

 自分の身に置き換えて考えれば「それくらい別に悪いことじゃないよ」と思うでしょう。
 でも、貴方がファミレスに行って、後ろの席に座っている女子高生グループがこんな陰口大会をしていたら「女子高生怖い……(´・ω・`)」って思うでしょう。閉鎖された人間社会の中では「善悪の価値観」が独自の方向に狂っていき、悪いことが悪いこととして認識出来なくなることがあるんです。




 加えて言うならば、「いじめ」は中学生や高校生の間でだけ起こることではありません。
 「いじめ加害者は人間的に未熟な子どもだからいじめを引き起こしてしまうんだ」とは必ずしも言えないんです。

 職場にもいじめがあるところがあります、世界中の軍隊とか自衛隊なんかでもいじめはあると聞きます。日本古来の「村社会」にも独自の価値観でいじめと呼べるようなこともしていました。
 人間的に成熟した大人であっても、閉鎖された人間社会の中では「善悪の価値観」が狂ってしまい、いつの間にかいじめをしていた(けど本人はいじめだと認識していなかった)――――なんてことが起こるんです。



 「いじめ加害者」になるのは「悪人」だけだなんて思っちゃダメです。
 その閉鎖された人間社会の中では、知らず知らずの内に「いじめ加害者」になってしまう可能性が誰にだってあるんです。
もちろん私もそうです。いつ加害者になるか分かりませんし、既になっていた時期もあるかも知れません。


 新たな加害者を生み出さず、新たな被害者を生み出さないためには、「閉鎖された人間社会」に流動性を与えて、「善悪の価値観」が暴走しないようにすることが大事だと思います。だから、「いじめは悪いことだ」と言うことに意味があるんです。



 もちろん「閉鎖された人間社会」の中でもいじめが発生しない例はたくさんあります。
 それは「善悪の価値観」を暴走させないストッパーが働いたからで、ストッパーを機能させるためにも「いじめは悪いことだ」という普遍的な価値観を言い続けなきゃならないんです。



○ 「いじめ被害者」は愚かではない
 閉鎖された人間社会の中では独自の「善悪の価値観」が生まれてしまい、悪いことが悪いこととして認識されないことでいじめが生じてしまうことがある―――と書きました。


 それだけでも悲惨な状態ですが、更に辛いことに「いじめ被害者」の方にも狂いが生じてしまいます。
 「いじめ被害者」も“閉鎖された人間社会”の中の一員なので、価値観が狂ってしまい、つい「自分には価値がないんじゃないか」とか「生きてても意味がないんじゃないか」とか思ってしまうこともあるでしょう。

 でも、それは“閉鎖された人間社会”の中で暴走した価値観でしかないんです。


 いじめに合っていない人は、いじめ被害者の人に「そんな学校(職場)なんか行かなくて良いんだよ」とか「外の世界に出れば貴方にも価値があるって分かるから」と言います。その通りなんです。
 “閉鎖された人間社会”の外にいる人からすれば、そんなことは当たり前なんです。「貴方には価値がある」と。でも、中にいてしまうとそれが分からなくなってしまう。「自分には価値がないんじゃないか」と思ってしまう。


 中学・高校と酷いいじめに合っていた人も、大学生になって「何百人が一斉に受ける授業」とか「自分の好きに組める時間割」とか「サークルに入るのもバイトをするのも個人の自由」とかの“開放された空間”に驚いて、生きるのが楽しくなった―――なんて話も聞きます。


 貴方に価値がない―――なんて決め付けているのは、貴方を悪気もなくいじめているその異常な閉鎖社会だけなんですよ。だからみんな、「そんな学校になんて行かなくていいんだよ」と言うんです。


(関連記事:秋山澪に学ぶ「モテ/非モテ」学



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○ 日本全体が“閉鎖された人間社会”になりつつある……?
 ここからは余談ですが……



 どうも最近、「日本全体」が“巨大な閉鎖社会”になりつつあるなぁと思っています。
 例えば「特定個人をターゲットにして袋叩きにしている一部のワイドショー」とか、
 例えば「イジメ加害者の実名や写真をインターネット上で拡散しようとしている人達」とか


 どちらも普通に考えれば「悪いこと」です。
 でも、やっている人達は「これは正義だ」と思ってやっているんです。「悪いヤツをこらしめている自分達は正しいんだ」的な。




 それ、「いじめ加害者」が「いじめ被害者」を「クラスのみんなのために」いじめをしているのと同じ理屈ですよ。暴走した「善悪の価値観」の中で自己を正当化しているだけです。昔からそうだったのかも知れませんが、最近は特にそれを感じます。

 インターネットが世に出てきた時、「世界中の人間と繋がれる!」「色んな価値観の人と仲良く出来る!」という期待がありました。しかし、結果インターネットは「日本全体を狭い閉鎖空間に閉じ込めてしまった」という気もするのです。

 日本はどうしても「日本=日本語圏」になってしまうところがありますし(本当はそれはイコールではないのですが)、インターネットの性質上「同じ趣味・同じ思想の人が集まりやすい」ところも大きかったのでしょう。同じ思想の人が集まった閉鎖社会をネット上に形成して、暴走した「善悪の価値観」で特定個人を攻撃する―――みたいなことをしょっちゅう目にして心を痛めてきました。




(関連記事:「漢字が読めない首相(笑)」という嘲笑に自分が思ったこと



 だからもう一度。
 もう一度書きます。


 「いじめ加害者」になるのは「悪人」だけだなんて思っちゃダメです。
 その閉鎖された人間社会の中では、知らず知らずの内に「いじめ加害者」になってしまう可能性が誰にだってあるんです。

| ひび雑記 | 18:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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マリオはどうして6~8頭身にならなかったのか?

 大ネタ書くぜ。

 昨年の12月に「絵柄でゲームを選びますか?」という記事を書きました。
 あの記事の中で、ウチの母は「リアル系の絵柄のゲーム」がダメで「デフォルメ系の可愛い絵柄のゲーム」を(どんなゲームか全く知らずに)面白そうと言っている―――ということを書きましたが。当時Twitterで沢山の反響を頂き、その中にウチの母と全く逆の意見の人もいらしたんですね。


 マリオやトゥーンリンクは絵が子ども過ぎて遊ぶ気になれません。
 『トワイライトプリンセス』みたいな絵ならイイんですけど。



 自分がこの意見を面白いと思ったのは――――
 「遊んだことがないゲームの絵柄だけ見て子ども向けだと食わず嫌いしている」のではない点です。特にゼルダに関しては、『ゼルダ』シリーズがどういうゲームか分かった上で、同じ『ゼルダ』であっても絵柄だけで「トワプリは遊べるけど風タクは遊べない」と判断しているのです。


 自分は「ゲームが面白かったら絵柄なんて何でもイイんじゃない?」と思っていますし、世の中のゲーマー&ゲーム好きはそういう人種なんだと思っていたのですが。
 「ゲーマー&ゲーム好き」という人であっても、ゲームの中身よりもゲームの絵柄を重視する人はたくさんいるんだと分かりました。やっぱり自分と違う意見の人の話を聞くのは面白いですね。




 さて、そこから半年が経ってふと思ったことがありました。

 「リアル絵柄のマリオが発売されたらその人は遊ぶんだろうか?」と。

 ゲームの中身は『マリオ』のまんま。
 絵柄だけリアル調になって、マリオはもちろん8頭身のマッチョな傭兵、クリボーを踏みつけて殺せば血を撒き散らして地面が赤く染まり、ファイアーフラワーはリアリティの欠片もないから「火炎瓶」に変更、コインを100枚集めれば新たな傭兵を雇えるので1機アップ。

 スーパーマリオが1ダメージでチビマリオに変わるのだけはどう表現すればいいのか分かりませんが、他は全然出来る気がしますよね!ゲーム人口拡大のために1回作ってみたらどうでしょうか、『スーパーリアルマリオブラザーズ』!!





 というのは冗談ですけど。
 「どうしてマリオの絵柄はリアルにならなかったのか?」というのは、考えてみると面白い話ですよね。

 絵柄と言っても色んな切り口があると思うので、ここでは「キャラクターの頭身」で考えます。



 『ゼルダの伝説』も『ドラゴンクエスト』も『ファイナルファンタジー』も最初はみんな「デフォルメ頭身」でした。しかし、『ゼルダ』は「時のオカリナ」でリアル頭身になり、最新作「スカイウォードソード」でもリアル頭身です。『ドラクエ』も「8」でリアル頭身になり、最新作「10」でもリアル頭身です。『FF』も「8」でリアル頭身になり、最新作「14」もリアル頭身です。

 それぞれ事情とタイミングは違いますが、「ゲーム世界を3Dポリゴンでリアルに表現しよう」とした際にキャラクターの頭身も6頭身や8頭身に上がりました。

 しかし、『マリオ』だけはゲームが3DになろうがグラフィックがHDになろうがずっと2.5頭身くらいという。
 それは何故だろうか――――


 えっ!?
 『魔界帝国の女神』はリアル頭身だったって!?


 そんなもん知るか!!


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 そう言えば。
 「ファミコンの頃はスペックが低かったのでデフォルメ絵のゲームしか作れなかったから問題がなかったけど、ゲーム機のスペックが上がったことでリアル絵のゲームもデフォルメ絵のゲームも作れるようになったのでユーザーが分かれてしまった」と言っている人がいましたし、自分も以前の記事はそう誤解させてしまったかもと思っているのですが……


 これは明らかに間違いです。

 ファミコンの頃から「リアル絵のゲーム」はありました。
 「リアル頭身のゲーム」と表現した方が分かりやすいかも知れませんが、背景もおどろおどろしく描き込まれていた作品も多く、当時としては十分に「リアルな絵柄」でした。
 例えば、『悪魔城ドラキュラ』『魂斗羅』シリーズ、アーケードで言えば『スプラッターハウス』とか、『くにおくん』だって最初はリアル頭身でした。



 実を言うと、当時の自分はこれらのゲームを「大人っぽいゲーム」と思っていて、プレイしたことは一度もありません。世代的には兄貴がプレイしているのを横で見ることはあっても、「難しそう」「自分には出来なさそう」と思って自分でやろうとは思ったことがありませんでした。


 んで、当時のメーカーもそう思っていたのか……スピンオフ作品のような形で「デフォルメ頭身」にしたゲームが出ていたんですね。
 『ドラキュラ』の場合は『悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん』
 『スプラッターハウス』の場合は『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』
 『くにおくん』は言うまでもなく『熱血高校ドッジボール部』から『ダウンタウン熱血物語』と、デフォルメ頭身の方が本流になっていきます。
 『魂斗羅』の場合はデフォルメ頭身の作品はなかったと思うのですが、『ワイワイワールド2』の中にデフォルメキャラとして登場します。というか『ワイワイワールド』自体が「1はリアル頭身」→「2はデフォルメ頭身」という作品でした。


 自分はこれらのゲームは全てプレイしています。自分で買ったのもあるし、友達の家にあったのもありますが、とにかく当時子どもだった自分の世代にとっては「リアル頭身」の本編作品よりも「デフォルメ頭身」のスピンオフ作品の方が馴染みやすかったのです。

 大人になってインターネットで当時の思い出話なんかを読むと、ちょっと上の世代の人達からするとこれらの「デフォルメ頭身のスピンオフ作品」はものすごく酷評されてて驚いたんです(くにおくんシリーズは除く)。「子どもに媚びた駄作」とか「完全に別物。シリーズの名を騙らないで欲しい」とか。




 なんか、「今と全然変わらないじゃん!!」って思いますよね(笑)。

 ファミコンの頃から「リアルな絵のゲーム」も「デフォルメ絵のゲーム」もちゃんと存在していて、子どもは「リアルな絵のゲーム」にハードルの高さを感じて、大人(というか小学校高学年~大学生くらいまで)は「デフォルメ絵のゲーム」を馬鹿にしていたんです―――1980年代も、2010年代も、ゲームの絵柄に関する論争は大して変わっていないんです。


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 そう考えると……「どうしてマリオはデフォルメ頭身のままなのか」よりも。
 「どうしてゼルダ・ドラクエ・FFはリアル頭身に変わったのか」を考えた方が真実を捉えられるような気がしますし、要は「頭身が変わったのってRPG系のゲームだけじゃないか?」という気がしてきました。

 ちなみに当たり前のように「リアル頭身に変わった」と書いてきたゼルダ・ドラクエ・FFですけど。
 『ゼルダ』は「時のオカリナ」でリアル頭身になった後、「風のタクト」でデフォルメ頭身になり。
 『ドラクエ』は「8」でリアル頭身になった後、「9」でデフォルメ頭身になり。
 『FF』も「8」でリアル頭身になった後、「9」でデフォルメ頭身になっているんです。


 どのシリーズも「リアル頭身」路線にした後に、共通して「デフォルメ路線」に1回戻しているのは興味深い話ですよね。
 そして、これらのシリーズは今のところの最新作はみなリアル頭身ですが、デフォルメ頭身のスピンオフ作品も持っていたりで、ちゃんと棲み分けをしているんですね。

 余談ですけど……最近の『FF』に元気がないのって、リアル頭身とデフォルメ頭身の両方を出していた『9』までと違って、「リアル頭身の本編」と「デフォルメ頭身のFFCC」に分化してしまったことでユーザーも分かれてしまったからじゃないかなぁと思っています。『FF8』よりも『FF9』が好きだった自分としては寂しい話。





 そろそろ記事タイトル通りに『マリオ』の話に戻します。
 究極的に言えば、『マリオ』には「リアルな絵柄」にする必要性がなかったということなんだろうと思います。『マリオ』を作っているのはハードメーカーの任天堂ですから、『マリオ』だけの売り上げを考えればイイのではありません。
 自ハードのために多彩なユーザー層の獲得を狙う必要があったので、「リアル絵柄のゲーム」と「デフォルメ絵柄のゲーム」の両方を確保しなければならず。「リアル頭身」に向いていた『ゼルダ』や『メトロイド』がその方向に進んだために、マリオは「デフォルメ頭身」に留まり続けたんだろうなと思います。

 『メトロイド』はずっと「リアル頭身」でしたし、『ゼルダ』も「リンクの冒険」で1回「リアル頭身」をやっていましたしね。





【3行まとめ】
・ファミコンの時代から「リアルな絵柄のゲーム」と「デフォルメ絵柄のゲーム」は両方存在していた
・RPG系ゲームの多くは3Dポリゴンに合わせて「デフォルメ」→「リアル」に絵柄が変わっていった
・『マリオ』は「デフォルメ」路線に留まり、昔と変わらず(昔以上に)バカ売れしてる



 そう言えば、今年のE3で発表された任天堂のWii Uラインナップはみんな「デフォルメ絵柄のゲーム」だったんですよね。そちらはサードメーカーに任せるためということだったのかも知れませんし、他陣営が「リアル絵柄のゲーム」ばかりだったことを考えると良いアクセントだったと思うのですが。

 「任天堂のリアル絵柄のゲームを期待していた人達」からすると不満だったのもなーと。


 逆に言うと、これまでの歴代ハードのラインナップを省みるに、「リアル絵柄のゲームを作っていないワケがない」のでその辺が9月に見えてくるのか楽しみにしておこうって思っています。


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| ゲーム雑記 | 17:58 | comments:15 | trackbacks:0 | TOP↑

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名作だからこそ薄れてしまう味

 自分は伊集院光さんのラジオが大好きで、4月から伊集院さんが昼のラジオも始めたのでほくほくと聴いております。
 その番組とはTBSラジオ昼の帯番組『たまむすび』内の箱番組で、伊集院さんが出ているのは金曜3時~3時30分の間の20分間の『伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう!』という部分です。


 この番組はザックリ言っちゃうと、伊集院さん(と竹内アナ)が毎回ゲストを呼んで「アナタがオススメする名作映画を教えてください!」という番組なんですが―――面白いのはゲストが2週間後にもう1回来るところ。

 1回目はゲストが大好きな映画の中から「伊集院さんが観たことない1本」をオススメしてもらい、その映画を観たことのない伊集院さん(とリスナー)に向かってネタバレなしで魅力を語ってもらい。

 そこからの2週間の間に伊集院さんもリスナーもその映画を観て。

 2回目のゲストに来てもらった際には伊集院さんもその映画を観ているので、「あそこが面白かったねー!」「あのラストには俺は納得いってないよ!」等と感想を言い合うのです。





 んで、本題はここからです。
 ゲスト松尾貴史さんに選んでもらった『裏窓』の感想を言い合う回が、とてつもなく面白かったです。

 自分もこの映画を観ようと近所のレンタルDVD屋さんを探したんですが……レンタル屋さんって古い映画をどう探していいか分からなくて見つかりませんでした。

 なので、この番組で聞いた情報とネットで検索してきた情報でしかないのですが、簡単に紹介を。
 この映画は1954年にアメリカで公開されたヒッチコック監督の作品で、足を骨折してしまった主人公がヒマすぎて部屋から望遠レンズで隣のアパートを見ていたらどうやら殺人事件が起こったらしくて――――というサスペンス映画だそうです。



 伊集院さんはこの映画が「何が面白いか分からなかった」とのこと。
 自分がどうして伊集院さんのラジオが好きかというと、ここからが重要で、伊集院さんは「何故自分がこの映画を楽しめなかったのか」を分析して説明するのが上手いからなんです。


 伊集院さんはこの『裏窓』という映画を観たことがありませんでした。
 しかし、この『裏窓』という映画は名作すぎて色んな人に影響を与えていて、この『裏窓』からインスパイアされたと思われる『UFO -A day in the life-』というゲームを伊集院さんはプレイしていて、伊集院さんは『裏窓』なんか知らないのだけど、『UFO -A day in the life-』の方は「生涯ベスト3に入るゲーム」というほど大好きになっていたそうなんです。


 つまり、色んな人に影響を与えた古典中の古典と呼ばれる名作よりも先にそこから影響を受けた作品を知ってしまったがために、後に「古典中の古典と呼ばれる名作」を見てもピンと来ない――――これは自分の身に置き換えてもよくある話だなーと思うのです。

 オススメした映画を気に入られなかった松尾さんの分析も見事で、「後から出る作品は古典のイイ部分ばかりを濃縮できるから、そっちを先に知っちゃうと古典の方が薄味に思えてしまうかもね」とのこと。これもすっげー分かります。



 今回の『裏窓』と『UFO -A day in the life-』は40年以上の差があるので直接影響を受けたのかも確かではありませんけど(間接的に影響を受けた可能性は高いだろうけど)―――もっと近い年代差でこういうことは頻繁に起こっていますよね。

 分かりやすいのは『ドラゴンクエスト』。
 日本中に衝撃を与え、多くの日本人に「RPGって面白いゲームがあるんだぞ」と知らしめたゲームなんですが……当然『ドラクエ』以前にもRPGは存在していて、既に海外で大ヒットしていた『ウルティマ』や『ウィザードリィ』といった海外RPGを日本向けに大幅アレンジして日本で大ヒットしたのが『ドラゴンクエスト』でした。

 なので当時、「ドラクエの元となったゲームを遊んでみたい!」と思った人が『ウルティマ』や『ウィザードリィ』に手を出して、大抵の人が「なんじゃこりゃーーーー」と跳ね返されたと聞きます。これを日本人の口に合うように仕立て上げた『ドラゴンクエスト』って凄いなぁという話。



 漫画の世界でもよくある話ですよね。
 例えば現在の少年ジャンプでバトル漫画を描いている作者達は多かれ少なかれ『ドラゴンボール』の影響を受けているのは間違いないのだけど、当時を知らない今の世代のジャンプ読者が「名作って言われているからドラゴンボール読んでみたけどそんなにイイとは思わない」みたいなことを言って、私らの世代がムキーーーッ!となるというのはお約束な話ですよね。

 だって、「ドラゴンボールの影響を受けた世代の漫画家さん」達は、そこからイイ部分イイ部分を抽出して洗練させて今のジャンプ読者世代に面白くなるように濃度調節して提供しているのですもん。『ドラゴンボール』の場合は「薄味」というより「原液が濃いい状態」だと思いますけど。




 これは「名作の方を後から知った」例とはちょっと違うのですが、『ももたろう』はどうして面白いのかの記事を書いた際に思ったことで―――あまりに出来が素晴らしい名作は、後の作品の「手本」になるがゆえに、「定番」となり、「ありふれたもの」になり、いずれ「陳腐なもの」と思われてしまうことがありますよね。



 「映画でも小説でも漫画でもイイから、あなたがストーリーを一番好きな作品は何ですか?」と訊かれ


 「ももたろうです!」


と答える人に出会ったら、きっと私達は失笑してしまうじゃないですか。えーこの年齢になって『ももたろう』なのーって。
 でも、私達が大好きな作品の方をよくよく分析してみると、実は『ももたろう』の影響を大きく受けていたり――――ってことも多いと思うのです。古典ってそういうものだと思うのです。





 「だからこそ古典は大事」だとも思いますし、
 「だからこそ古典を楽しめなくても仕方ない」とも思います。

 作品のルーツとかに詳しい人には「その作品が好きならその作品の元となった○○も見ておかなきゃダメだよー」と言ってくる人もいます。それは別に悪気があるワケでも、威張りたいワケでもなくて、「その作品の作者は○○が大好きだったんだから」という純粋な善意からだと思われます。

 でも、実際に「ルーツとなった作品」を見ても楽しめないことはしょっちゅうですし、むしろ楽しめない方が自然なことじゃないかと思うようになってきました。それはどっちの作品に優劣があるとかじゃなくて、「出会うタイミング」が違っただけなんだと。



 最後に、番組で松尾さんが仰られていて印象に残った言葉をここに記しておきます。 

 「誰の心にも響く普遍的な名作なんて存在しない」
 「全ては人それぞれの好みとタイミングだ」


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| ひび雑記 | 17:57 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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Wii Uの新機能「MiiVerse」でゲームはこんなに面白くなれる!

 E3からもう1ヶ月が経ってしまい、世間の温度はすっかり冷めちゃっていると思うのですが……
 だからこそ今!「Wii Uすごそうじゃん!楽しみだね!」という記事を書きます!ただ単に当時は忙しくてブログ更新する余裕がなかっただけなんですけどね!


 Wii UのコンセプトはE3直前に行われた「ニンテンドーダイレクト プレE3」でお披露目され、ここで中心となって紹介されたのはWii Uの新機能「MiiVerse」でした。

 分かりやすく表現すると、「任天堂版Twitter」で。
 「短いメッセージ」や「スクリーンショット」や「手描きの絵」を自分のMiiとともに投稿して、他の人と情報を共有出来るというものでした。


 自分はこれ、「ゲームの根本」を変える力があると思っています。




 岩田社長の説明によると、「MiiVerse」には大きく分けて2種類があります。
 一つは「本体機能に組み込まれているため、全てのWii Uソフトに紐付けされているMiiVerse」です。

 映像から推察するしかないのですが、恐らくニンテンドー3DSソフトを遊んでいる際に「HOME」ボタンを押すとゲームが中断状態になり「インターネットブラウザ」や「ゲームメモ」が起動できるように、Wii Uソフトを遊んでいる際に「HOME」ボタンを押すことで「そのソフトを遊んでいる人のMiiVerseが閲覧・投稿できる」という仕様だと思われます。

 これはこれで楽しそうですし、「メニュー画面から今どんなゲームが遊ばれているか」がわらわら集まるMiiで分かるなんて仕様も早く見てみたいところなんですが。
 これは正直Twitterなどの既存の他社のサービスで出来ることかなと思っています。そういうのに慣れていない人でも出来るという良さはあるけど、これが劇的にゲームを面白くする機能だとは思いません。あくまで補助的なものだろうと。




 私が期待しているのは、「MiiVerse」の二つ目の使い方です。
 先ほど紹介した「ニンテンドーダイレクト プレE3」の動画の21分辺りに出てくる話です。

 「ゲームごとに専用のプログラムをすればHOMEメニューを介さずにゲームの中から直接MiiVerseを活用することも可能です」の部分です。


 この動画だと『NewスーパーマリオブラザーズU』でゴール直前にミスしてやられてしまったプレーヤーに、「同じような境遇の他のプレイヤーのメッセージ」が表示されているのが分かります。
 どうも特定条件を満たすと「MiiVerse」を入力することが可能になり、そのメッセージがインターネットを通り、同じ条件にあった他のプレイヤーに表示されるそうです。



 ここで見せられた例が「マリオでミスしてしまった時」だからピンと来ない人も多いでしょうが、
 使い方によっては大化けする機能だと私は思うのです。




 例えば『ドラゴンクエスト』のようなRPGの場合。
 長い長い洞窟を超えて、命カラガラ新しい町にたどり着いたー、というところで「MiiVerse」のメッセージをプレイキャラの見た目とセットで残せるようにしたら。後から来た人は、「いやー、あの洞窟は長くてしんどかったねー」と言っている他のプレイヤーを見ることが出来て、同じような境遇で冒険している人がこの世界には沢山いることを実感できるのです。


 例えば『ゴーバケーション』のような箱庭ゲームの場合。
 ハイスコアを出したプレイヤーが「MiiVerse」を残せるようにすれば、「バッティングで○○点も出したぜー!挑戦者求む!」と言ってくるキャラがそこに残り、自分以外にもこのリゾート地に来ている人がいるのだと実感できますよね。


 例えば『牧場物語』のようなシミュレーションゲームの場合。
 「1年目の秋の30日」のような特定の日付で「MiiVerse」を残せるようにすれば、同じ境遇のプレイヤーと情報交換することが出来ます。「○○の組み立て図が売りに出てた!」「牛を妊娠させた」「ティーナとの恋愛イベントが起こらない!」などなど。


 例えば『テレビの友チャンネル』のようなWiiチャンネルの場合。
 「この番組が楽しみ!」マークと一緒に「MiiVerse」を残せるようにすれば、自分と同じ番組を楽しみにしている人のメッセージを読むことが出来ます。




 例を挙げればキリがないくらい、色んな使い方が出来ると思うんです。
 「でも、“他の冒険者”を出すならMMOとかで充分じゃないの」と思う人がいるかも知れませんが、MMOのような「大規模同時接続のゲーム」にないメリットがものすごく沢山あるのです。



1.同時に接続しなくても“他者”の痕跡を見ることが出来る(プレイヤーのメリット)
 一つには「プレイヤーが遊ぶ時間帯」の話。
 Wii版の『街へいこうよ どうぶつの森』をプレイしていた際に、「自分が主にゲームをやっている時間」と「フレンド登録したみんながゲームをやっている時間」がズレているために苦労したことがありました。午前3時からゲームを始める自分と一緒にプレイしてくれる人なんていなかったんです。たぬきちの店も閉まってるしね!


 もう一つには「プレイヤーが遊ぶ時期」の話。
 発売から2年経ったWiiウェアのゲームを購入して一人用のモードをクリアして面白かったからオンライン協力プレイをしようと思ったら誰ともマッチングしなかった――――という話を以前に書きました。


 同時接続前提のゲームは「みんながやっている時間帯」に「みんながやっている時期」にプレイしないと楽しめない、言ってしまえば“窮屈な制限”があったのですが―――「MiiVerse」のような“メッセージが蓄積される”タイプの繋がりならば、この制限を取っ払うことが可能なのです。


2.サーバー管理費が安そう(メーカーのメリット)
 具体的な値段とかは知らん。「多分そう」くらいのカンジで読んでくださいな。
 MMOの場合は一人一人の膨大なデータをメーカー側(サーバー)が管理しなければならないので、膨大な費用がかかるって言われていますよね。そのため『ドラゴンクエスト10』ですらパッケージ代の他に月額1000円がかかりますし、月額課金をしないゲームは結構なアイテム課金を求められたりします。

 「MiiVerse」の場合はメッセージだけですし、ぶっちゃけ「全部のメッセージをサーバーに残す必要もない」と思うので(最新50以外は消える仕組みとかでもイイと思う)、メーカー側の負担はそれほどじゃないんじゃないかなぁと思われます。素人意見なので「多分そう」くらいで読んで欲しいですけど。



3.同じ進行度のプレイヤーと情報を共有できる(ネタバレ防止)
 一番重要だと思っているのはこれ。
 例に出した「ドラクエのようなRPGで、洞窟抜けて町にたどり着いたところでメッセージを残せる」仕様の場合、発売日に買って即行でクリアした人も、発売から2年後に購入して始めるような人も、「同じだけゲームを遊んだ状況」でそのメッセージは残せるんですよね。

 Twitterとか、本体に紐付けされた「MiiVerse」と違って、なのでネタバレしようがないんです。まぁ、2周目をプレイしている人がいたらネタバレされる可能性はあるか(笑)。


 みなさんは「れとげのまち」という企画をご存知でしょうか?
 この企画は「みんなで一緒に昔のゲームを遊ぼう!」というTwitterの企画で、自分も『ドラゴンクエスト』の回は参加したのですが―――この企画の何が面白いって、自分と同じ進行度の人の書き込みが読めるってとこなんです。

 進行度ごとに設定されたハッシュタグがあるため、そのハッシュタグで検索をすると……

 「竜王の城、何レベルで行ったらいいかな……」
 「みんなどこでレベル上げしてる?」
 「メタルスライムの経験値低いなっ!」

 みたいなPOSTが並んで、なんかそこに一体感が生まれるんですね。一体感だけじゃないか対抗心とかもある。「この人はレベル21で挑んだらしいから俺はレベル20で突入するぜ!」みたいな。


 「MiiVerse」はこれをゲーム内に組み込むことが出来るのです。
 MMOとか対戦ゲームだけではなくて、一人用のジャンルのゲーム(RPGとか2Dアクションとかアドベンチャーゲームとか)であってもオンラインで他者と繋がるメリットがある―――きっと一人用のジャンルのゲームも、これで面白くなれると思うのですよ。


 ねぇ?『ゼルダの伝説』はどう使ってきますかね……すっげー楽しみです。

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○ 非同時接続型オンラインゲームの魅力
 恐らくゲームに詳しい人は、ここまで読み進める間に何度もツッコミを入れていたことと思います。


 「別のその機能、Wii Uじゃなくても出来るよね」と。
 その通りです。というか、ここ数年間のゲーム業界の一種のトレンドでもあったと思います。


 『デモンズソウル』の“血痕”システム(先にプレイした人の死亡直前のプレイを見ることが出来る)、『ドラゴンズドグマ』の“ポーン”システム(他の人が作ったノンプレイキャラを貸し借り出来る)、『みんなで投票チャンネル』の“投票”システム(一定期間に集められた投票結果を一定期間中に見ることが出来る)――――

 どれも非同時接続型の機能で、「他の人のプレイの蓄積」が「今ゲームをプレイしている自分」に何らかの効果を与えてくれることになっています。そして、そういうゲームを得意として作っているのは日本の会社なんです。


 これは予算規模だとか市場規模だとかの制限のせいで「同時接続型のゲームを作りにくい」という消極的選択だったのかも知れませんが、逆に言うとこの分野では日本の会社に一日の長があるぞとも思いますし、日本のユーザーのライフスタイルにも溶け込みやすいぞとも思うのです。

 『ニコニコ動画』の“コメント”システム(先に動画を見た人のコメントが蓄積されて動画と一緒に再生される)が人気なのもその一環ですよね。




 ゲーム機にオンライン機能が付いて、MOだったりMMOだったり、ネット対戦機能とかネット協力プレイ機能とか、そういうものに魅力を感じる人は「ゲーム機にオンライン機能を付けるとこんなに面白いんだね!」と既に思っていると思うのですが。

 そうでない人も沢山いました。
 「オンラインでまで対戦したくない」「協力プレイはむしろ気を使ってしまう」「そもそも一緒の時間を共有しているのがつらい」「午前3時に起動しても誰もオンラインにいないや……」―――同時接続型のオンラインゲームに魅力を感じない(抵抗を感じる)人にも、魅力を感じてもらえる可能性がある、それが非同時接続型オンラインゲームだと思います。


 それをわざわざ本体機能の目玉して紹介されたからこそ、Wii Uが楽しみだなと思ったのです、はい。



 本体同時発売ソフト『ニンテンドーランド』にて、アトラクションの外でうろうろしているMiiは「実際にニンテンドーランドをプレイしたことのあるMii」になるそうで、これもまた非同時接続型オンラインゲームですよね。

 『ニンテンドーランド』にはそういう機能はないみたいですが、ゆくゆくは、そこら辺をうろうろしているMiiを(『ドラゴンズドグマ』のポーンのように)誘って一緒にアトラクションを対戦・協力プレイで遊べるようにしてくれたら面白いのになと思います。ハイスコアを出しているMiiほど強いとか、そのプレイ結果は後日元のプレイヤーに通知されるとか、ね。


 『ゴーバケーション2』頼ムーーーー!
 あのリゾート地を自分以外のプレイヤーがうろうろしてて、話しかけると一緒に遊べるとか最高じゃないか。あの世界をMMOにするなんかよりもよっぽど現実的で、よっぽど楽しそうだと思います。


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| ゲーム雑記 | 17:59 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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「どれだけ描いても絵が上手くならない!」という人へ

 この手の記事は「別にオレ、そんな偉そうなこと言えた立場でもないよな……」と書くのを躊躇ってしまうのですが、今日はまぁ「自戒」も込めて書こうかなと思います。自分も含めた「絵が上手くなりたい!」と思っている全ての人に向けて。



 絵が上手い人に「どうすれば絵が上手くなるんですか?」と訊くと、大抵「描き続けること」「とにかくたくさん描くこと」と言われます。結局は日々の努力しかない、確かにその通りだと思います。

 しかし、言われた通りに描き続けたとしても、みんながみんな上手くなれるワケではありませんよね。
 「描き続けているのに上手くならない!」「才能がない人間がどんなに努力しても上達しないんじゃないか!」「絵が上手い人にはそれが分からんのです!」、そういう声はよく見かけます。自分もそんな風に悩むことがあります。



 この話、「才能」か「努力」か―――って問題に思ってしまう人が多いでしょうが。
 実は根本から間違っているんじゃないかと思うのです。






 「描き続けているのに上手くならない!」と嘆いている人も、実は"上手くなっている”んじゃないのか?

 自分の実力を客観視するのは、どんな分野でも難しいです。
 部活スポーツなんかだと「地方大会○回戦まで進みました」「県大会まで行きました」みたいな基準がありますけど、絵の場合は(特に初心者は)そういう基準がありませんから自分が今どのくらいのレベルなのか分からないと思うんです。


 「いやいや、やまなし君。オレは本当に絵が上手くなっていないよ。ほら見てみ、オレの絵と○○先生の絵を見れば一目瞭然じゃないかよ」というもう一人の私の声が脳内に響いてきたので、これからカウンセリングを受けてこようと思うのですが、その前にこの記事を書き上げていきます。


 それは比べる対象(目標設定)が高すぎるんです。

 初心者はレベル1からレベル2に上がるかどうかって段階なんです。
 それをいきなり「竜王を倒せるか」という基準で考えてしまうと、最低でもレベル20はないと竜王退治は難しいですから、レベル1もレベル2も大差ないように思えてしまって「俺、全然強くなってない!」と勘違いしてしまうんです。

 初心者が最初に持つべき目標は「スライムベスを倒せるか」なんです。
 これならばレベル1からレベル2に上がったことを実感出来ますし、スライムベスが倒せるようになったらおおさそりを目標にして、おおさそりを倒せるようになったらドロル、ドロルが倒せるようになったらリカント……といった感じに、その場その場に応じて、身の丈にあった目標を決めるというのが「上達のコツ」ではなくて「上達を実感するコツ」だと思うのです。


(関連記事:『ドラゴンクエスト1』のレベル1→レベル2→レベル3の「強くなった」感は半端ない


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 ドラクエの例えついでに、もう一つ重要なことを。

 絵って基本的に「描いたことがあるものは描ける」けど「描いたことがないものはなかなか描けない」ものだと思います。「描き続けているのに絵が上手くならない!」場合、「何を描いているか」が問題じゃないかと思われます。

 人間ばかりを描いても風景の絵は上手くなりませんし、銃器ばかりを描いても動物の絵は上手くなりません。
 いやもちろん「線の技術」とか「デッサン力」とかは付きますし、全く上手くならないワケじゃないんですけど―――経験値は溜まっているからレベルは上がるけど、スキルポイントの割り振りを間違えているからお目当ての特技を全く覚えない、みたいな状況に似ているんです。


 どれだけ盾スキルにポイントを割り振っても剣の特技を覚えないように、女体ばかりをたくさん描いても背景を描くのは上手くならないんですよね。私は『ドラクエ』は『7』までしかやっていないために、何だろうこのふわっとした解説は(笑)。




 例えば「漫画家さんの画力」だけで言っても、「何を描くか」で必要なスキルは違います。

 格闘漫画だったら、戦っている二人の間合いを正確に表現するスキルが必要ですし。
 サッカー漫画だったら、選手達がどこに立っているかという「空間」を描くスキルが必要ですし。
 エロ漫画だったら、何より「エロイ表情」を描くスキルが必要です。


 どれも「人間を描く」スキルという共通の必要スキルはありますが、特化しているスキルは別々です。一線級のエロ漫画家さんにサッカー漫画を描かせても上手くはいかないでしょうし、サッカー漫画家さんに格闘漫画を描かせるのも最初は戸惑うことでしょう。




 「絵を描きたいなぁ」「絵が上手くなりたいなぁ」と漠然とした目標で絵を描く場合、スキルポイントをあらゆる項目に割り振って、何の特技も覚えていないという結果に陥ってしまいがちです。
 もちろん目標を高く持って「俺は何でも描ける人になりたいんだ!」という場合はそれしか道はありませんが、「女のコだけ描ければそれでいいんだ」って人や「猫だけ描ければそれでいいんだ」って人はそれに特化したそれを描くためだけの練習があるだろうって思うのです。





 逆に言うと、「全てが描けるようにならなければ絵が上手くなったとは言えない」のではないとも言えると思うんです。
 「描き続けているのに上手くならない!」と言っている人も、その人が描き続けている「そういう絵柄」の「そういう被写体」に限ればものすごく上手くなっていたり。出来上がった絵自体はさほど変わらなくても、描くスピードは上がっていたり。

 実はこっちのスキルポイントが結構溜まっているのに、溜まっていない項目を見て「オレ、全然上手くなってないなー」と嘆いてしまっている人―――これを読んでいる人の中にもいるんじゃないでしょうか。



 最近自分も1年半前に描いた自分の漫画を読み返す機会があったのですが、「うわーここは見てらんねえ!」ってところと「今とあんまり変わらないな」と思うところが分かれてて、その差はやはり「この1年半の間にスキルポイントを割り振っていた項目かどうか」という差でした。

 戦闘シーンとベタフラは今の方が断然上手いから、1年半前のは見るのが辛い、
 でも、風景とか建物の描写は今もあんまり変わってなかったです。



 ベタフラにばっかスキルポイント割り振ってもねぇ!


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