FC2ブログ

やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

2013年04月 | ARCHIVE-SELECT | 2013年06月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

ゲームから「紙の説明書」が消えつつある

 自分も最近気になっていた話題です。

 (戯言)ゲームソフトの説明書が電子化して感じたこと現実ゲームさん)


 自分は最近のゲームは任天堂プラットフォーム以外詳しくないので、この記事では任天堂プラットフォームの話を中心にさせてもらいますし。PS系やXbox系では「パッケージソフトに紙の説明書が付いていなかった」みたいな話は聞いたことがないので、これは「任天堂プラットフォームに限定した話」と見ることも出来るんですが……


 DSiウェア等の「ダウンロード販売のゲーム」を応援してきた身としては、
 「紙の説明書」がなくなって「電子説明書」に移行することに言及しないワケにもいかないと思うのです。



 だから、この話はPS系のソフトもXbox系のソフトもスマホやタブレット用のアプリについても無関係な話ではありません。
 ダウンロード専売のゲームは流通コスト等を抑えられるので、低価格でアイディア勝負のゲームが提供できる―――と、自分は言い続けてきましたし、そこに魅力を感じてきたのですが。その削られる「流通コスト等」の中には、「紙の説明書」も入っているんですよね。




 自分が「電子説明書」というものに初めて触れたのは、2006年から始まった「Wiiのバーチャルコンソール」でした。
 バーチャルコンソールとは……任天堂のゲーム機で提供しているサービスの一つで、「昔のゲームを低価格でダウンロード販売するよ」というものです。ダウンロード販売なのでもちろん「紙の説明書」は付いてきません。


 setsumiesyo1.jpg
 なので、バーチャルコンソールのソフトは「HOMEボタン」を押して中断すると、いつでも「電子説明書」を読むことが出来るのです(※1)


 setsumiesyo2.jpg

 中はこんなカンジ。


(※1:それと……「Wiiのバーチャルコンソール」は各ソフトのホームページもキッチリ作ってあって、操作方法基本情報だけでなく攻略のヒントなんかも書いてある優れものでした。Wii Uのバーチャルコンソールのホームページを見てくださいよ、何という簡素な(笑))



 比較画像として、PS3で購入したゲームアーカイブス(これもPS系で提供している「昔のゲームを低価格でダウンロード販売するよ」というサービス)の電子説明書も載せておきます。こちらは当時の説明書をそのまんま載せているんで、レトロゲーマーにはこっちの方が評判イイっぽいです。

 setsumiesyo3.jpg

 よりによってメモリアルコレクションの説明書なのはゴメンなさい。「ファミコン時代の作品をPSで再発売」したものを「PS3やPSPでダウンロード販売」したものなので、二重にややこしい(笑)。




 この段階では自分も「ゲームアーカイブスの方が昔の説明書がそのまんま読めるから嬉しいな」と思っていたんですが……
 後々に任天堂プラットフォームで「電子説明書」がメインになっていくに従って、「電子説明書とは何か?」を考えていくと。実はバーチャルコンソールの味気ない「電子説明書」ってものすごく効率の良いものだったのかもと思いました。詳しくは後述します。




 その後、任天堂は2008年から新作ゲームのダウンロード販売「Wiiウェア」を始めます。
 Wiiというハードの不幸なことに「内蔵フラッシュメモリの容量が小さい」ことがあって、Wiiウェアのソフトも厳しい容量制限がありまして、結果Wiiウェアの「電子説明書」はページ1枚で「もっと詳しいことを知りたい人はショッピングチャンネルにアクセスしてね!」という信じられない仕様でした。


 setsumiesyo4.jpg
 こちらはゲームを中断した際に見られる「電子説明書」。
 これが全ページです。



 setsumiesyo5.jpg
 こちらはショッピングチャンネル内の電子説明書。
 こちらは「Wiiのバーチャルコンソールの電子説明書」と同様に必要な情報が詰め込まれているのですが、当然、説明書を読むためにはソフトを終了して、別のソフト(ショッピングチャンネル)を起動してインターネットに繋いでどーのこーのという時間がかかります。Wiiというゲーム機が大好きだった自分ですが、ここはもう1ミリの擁護も出来ないくらいにアホな仕様だったと思います。




 続いて、2008年末から始まる「DSiウェア」
 ニンテンドーDSiも内部容量に余裕のないハードでしたが、携帯機の手軽に遊べるゲームを目指したからか、携帯機で「説明書が読みたかったらインターネットに繋いでね!」なんて言うワケにもいかなかったからか、今度は電子説明書が内蔵されていました。

 setsumiesyo6.jpg

 ただし、タイトル画面に。
 説明書を読むためにはタイトル画面に戻る必要があるのです。
 DSiはWiiや3DSと違って「HOMEボタンを押して中断」が出来なかったから仕方ないんですけど、今思うとやはり洗練されていない仕様だなーとは思いますね。


 setsumiesyo7.jpg

 ちなみに「電子説明書」自体も容量を節約するためか、かなり簡素です。「必要な情報を最低限載せている」というカンジです。





 そして、いよいよ今世代機。3DSの「ダウンロードソフト」が始まります。
 3DSの「ダウンロードソフト」自体は2011年の6月に開始されましたが、当初は「ダウンロード専売ソフト」だけでした。
 2012年の夏から任天堂は「パッケージソフトもダウンロード販売をする」と決めていたためか、2011年末の『マリオ3Dランド』から「パッケージソフトを買っても説明書は紙1枚。残りは電子説明書を読んでね」という仕様になりました。

 『マリオ3Dランド』は複雑な操作を要求するゲームではないからとか、誰でも遊べるとっつきやすいゲームを目指しているからだとか、当時は推測されていましたが……コレ以降の任天堂のソフトは基本的に「パッケージソフトを買っても説明書は紙1枚。残りは電子説明書を読んでね」という仕様になっています。シミュレーションゲームの『カルチョビット』とかでも。
 そして、冒頭で紹介した記事に書かれているように、2012年の5月に発売された『テリーのワンダーランド3D』以降はサードメーカーのソフトも任天堂プラットフォームでは同様の仕様になったそうです。



 つまり、それまではダウンロード販売のゲームでしか見かけなかった「電子説明書」がパッケージ販売のゲームにも採用されて、代わりに「紙の説明書」は紙1枚の簡素なものになったんです。


 setsumiesyo8.jpg
 ホーム画面、もしくはゲームを「HOMEボタンを押して中断している」時に「電子説明書」をいつでも開けるようになりました。「Wiiウェア」や「DSiウェア」のトホホな電子説明書を知っていると、とても進化したように錯覚してしまいますが、気のせいです。「Wiiのバーチャルコンソール」では出来ていたことですからね!


 setsumiesyo9.jpg

 中はこんなカンジ。



 setsumiesyo10.jpg

 この仕様はWii Uにも継続されていますね。
 Wii Uはゲームを中断している時しか「電子説明書」は開けなかったように思いますが。






 さてと。
 私個人の好みは置いといて……客観的に考えてみると、「電子説明書」ってムチャクチャ効率がイイんですよ。これはユーザーにとってもメーカーにとっても。

 バーチャルコンソールとゲームアーカイブスの「電子説明書」のところでもチラッと触れましたが、昔の説明書をそのまんま載せるんじゃなくて、今のフォーマットで必要な情報だけを載せてくれると「ユーザーは必要な情報を探しやすい」んです。
 目次がある。操作方法を知りたい人は、目次から「基本操作」のボタンを押すとそのページに飛んで必要な情報が得られます。「すれちがい通信で何が出来るか知りたいな」という時は「すれちがい通信」の欄を目次から探せばボタン1発で飛べる。見やすくて、検索しやすいんです、「電子説明書」は


 そして、当然「なくさない」
 ゲーム機を外に持ち歩いても、ソフトと一緒に「電子説明書」が付いてきます。
 まだ「紙の説明書」しかなかったDSの時代。DSとDSソフトを何本も持ち歩いている人はたくさんいたと思いますが、それらのソフトの「紙の説明書」を全て持ち歩いていた人はそんなに多くないでしょう。「電子説明書」には確かに利点があるんです。




 難点として、「ゲームをプレイ中に説明書を読みたくても中断しなくてはならない」という致命的なネックがあります。一人用のゲームならともかく、友達同士で集まってワイワイゲームを遊ぶ場合、プレイしていない人も説明書を読んで情報を得たりしたじゃないですが。それが出来ない――――と思っていたんですが。

 とりあえず任天堂は、「Wiiウェア」でも「3DSのダウンロードソフト」でも「Wii Uのバーチャルコンソール」でも「3DSのソフト」でも「Wii Uのソフト」でも、公式サイトで取扱説明書をPDFで配布しています。内容は「電子説明書」と同じもの。

 サードメーカーのソフトではPDFは配布していないし(Wii Uのバーチャルコンソールはサードのも任天堂が配布しているっぽい?)、目次からボタンを押してもジャンプしてくれないので「電子説明書」最大の利点だった検索性がなくなっているんですが……

 このPDFファイルを紙に印刷してもイイし、スマホやタブレット端末に移してもイイし。
 当然それらはゲームを中断することなくいつでも見られます。
 それをどうするのかはユーザー次第なんです。



 setsumiesyo11.jpg
 自分はプレイ中のゲームの説明書は、キンドルファイアHDに移していつでも見られるようにしています。ほとんど見ませんけど(笑)。サードメーカーもそうしてくれるメーカーが増えるとイイなあと思っています。




 というのが、「ユーザー側から見た利点」で。
 次は「メーカー側から見た利点」です。

 「紙の説明書」って地味に結構なコストがかかっていたんじゃないかって思います。
 サイズが大きくないとは言え、フルカラーで何十ページのものが何十万本と売れるソフトに欠かさず付いてきていて、印刷代だってそこそこかかるでしょう(※2)。「電子説明書」ならば、これらのコストはかかりません。

(※2:そういや、ファミコンの頃はフルカラーじゃない説明書も結構ありましたね)


 そして、当然説明書を作るためには「レイアウト」やら「デザイン」やら「イラスト」やらをやらなきゃならない。数人でゲームを作っていたような時代は、専門でない人が手作業で説明書も作っていたのかも知れませんが……それらを専門の人に頼むだけでお金がかかります。
 フォーマットが決まっている「電子説明書」はユーザー側からすると読んでいて味気ないところはあるんですが、フォーマットに当てはめるだけで構わないからメーカー側にとってはコストは抑えられると思うのです。レイアウトは決まっている。イラスト等を入れる余地はない。必要なのは文章だけ。
 読みものとして楽しめるような「紙の説明書」ってそれだけコストがかかっていたはずなんですよね。



 加えて……そういうかつて「紙の説明書」が担っていたような“無駄な面白さ”。
 ファミコンの時代のゲームなんて本編には出てこないような「ストーリー」とか「設定」とか「スタッフの遊び心」が「紙の説明書」に書かれていたと思うんですが、そういうのって今はホームページに書けばイイんですもんね。
 ホームページにコストをかければ宣伝にもなるし、「紙の説明書」には出来ない映像再生とかも出来るし、発売後に情報を更新することまで出来ます。ソフトの発売前から読み物としてガッツリ読み応えのあるものを提供しているところもありますし、「紙の説明書」で得られた面白さ以上のものを「ホームページ」で提供出来るようになったはずなんです。






 ということで……「紙の説明書」がとても非効率で、「電子説明書」はとても効率的だと整理してみれば分かりますし。今後も「紙の説明書」が減って「電子説明書」が増える流れは変わらないどころか加速していくんじゃないかなって思うのです。

 でも、“非効率”な部分にこそ“味”はあったよねとも思うのです。
 自分は別に「紙の説明書」を熱心に読むタイプではありませんでした。むしろ「ネタバレになるからクリアするまで読まない」とか言い出すワケ分からんちんでした。説明書が電子化されたことで「必要な情報だけ得やすくなった」とすら思っています。


 でも、「紙の説明書」が消えつつある現状を見ると、何か「寂しさ」のようなものを感じてしまうのです。最近は全く行っていなかった商店街がシャッター通りと化してしまっていた時の「寂しさ」と「申し訳なさ」のようなものを、今になって「紙の説明書」に思うのです。





 んで、提案です。
 メーカーさんは、各ソフトのホームページに「ユーザーが印刷できるコンテンツ」を増やしてくれないかなって思うのです。PDFで配布でもイイですけど、「電子説明書」というよりは「ホームページのコンテンツをそのまま印刷できる」カンジというか。


 具体的な例を挙げます。
 来年か再来年かには、Wii Uと3DSで『スマッシュブラザーズ』の新作が発売されることでしょう。今までは『スマブラ』の説明書には「どんなキャラがいる」とか「このキャラにはこんな必殺技がある」とか書かれていたので、順番待ちの人がそれを眺めて「次は誰を使うかなー」と考えられたじゃないですか。

 「電子説明書」ではそれが出来ない―――と考えると。
 公式ホームページに、今まで「紙の説明書」に載っていたような「キャラクター紹介ページ」の部分だけを各自で印刷して持ち帰れるような形で載せて欲しいんです。形式とかは任せますけど、文字だけの味気ないものではなく、尚且つなるべく一度に数ページまとめて印刷しやすい方法にして欲しいですね。


 インク代や紙代はユーザー負担になっちゃいますが。
 この方法ならば、今までの「紙の説明書」だと載せるとネタバレになっちゃうような隠しキャラも、発売後に情報解禁するとともにページを増やしていけば、隠しキャラの必殺技表なんかもユーザーが持ち帰られるワケじゃないですか。ユーザー側にもしっかりメリットがあるんです。





 もちろん対戦ゲームに限った話でもありません。
 RPGだったらストーリーとか設定資料とかを印刷して持ち帰られるようにするとか、『FF5』の「ジョブがズラッと並んだ紙の説明書」みたいなキャラクターカスタマイズに関する情報は紙に印刷して並べられるとか。ホームページだと見づらいから紙に印刷して読みたい、って情報もたくさんあると思うんですよ。

 どうですかね、ゲームメーカーさん。


大乱闘スマッシュブラザーズX大乱闘スマッシュブラザーズX

任天堂 2008-01-31
売り上げランキング : 164

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| ゲーム雑記 | 17:59 | comments:11 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |