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2013年に自分が遊んだゲームランキング

 何だかんだ毎年書き続けている 「今年遊んだゲーム」のランキング。
 去年は「大晦日の忙しい時期に書いてもみなさんが読むのは年明けになっちゃうから」と12月26日に更新していたのですが、今年は12月26日に『神々のトライフォース2』が出た影響で結局大晦日に更新ですよ!みなさん2013年中に読んでいますか!?



 「今年遊んだゲーム」の一覧です。
 自分は「発売直後のゲームにしか興味がない人」ではないので、2012年以前に発売したものも当然含まれています……というのは例年の通り。

『バルーンファイト』(VC/FC)(任天堂)
『peakvox ミュウミュウトレイン』(3DSDLソフト)(ファンユニット/オーツー)
『怪獣の出る金曜日』(3DSDLソフト)(レベルファイブ/ミレニアムキッチン)
『MOTHER2 ギーグの逆襲』(VC/SFC)(任天堂/エイプ&HAL研究所)
『任天童子』(DSiウェア)(任天堂/グランディング)
『トモダチコレクション 新生活』(3DS)(任天堂)
『スーパーメトロイド』(VC/SFC)(任天堂)
『ガールズRPG シンデレライフ』(3DS)(レベルファイブ/ゲームドゥ)
『レゴ®シティ アンダーカバー』(Wii U)(任天堂/TT Fusion)
『ファンタジーライフ LINK!』(3DS)(レベルファイブ/ブラウニーズ&ハ・ン・ド)
『TRUE REMEMBRANCE ~記憶のかけら~』(3DSDLソフト)(アークシステムワークス)
『レンタル武器屋 de オマッセ』(3DSDLソフト)(レベルファイブ/ネクスエンタテイメント)
『がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻』(VC/SFC)(コナミ)
『ラビラビ外伝 Witch's Cat』(3DSDLソフト)(シルバースタージャパン)
『レイトン教授VS逆転裁判』(3DS)(レベルファイブ/カプコン)
『Wii Fit U』(Wii U)(任天堂)
『ファミコンウォーズDS 失われた光』(DSiウェア)(任天堂/インテリジェントシステムズ)
『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』(3DS)(任天堂)

※ リストに漏れがあったので、1月1日修正しました

 計18本。
 紹介記事を書けたのは7本ですが…ファーストインプレッションだけ書いたソフトが3本あったので(『レゴシティ』『Wii Fit U』『神トラ2』)許容範囲じゃないですかね!
 この他に、「過去にクリアするほど遊んでいた」のでリストには入れませんでしたが、『ファイアーエムブレム 紋章の謎』『星のカービィ 夢の泉の物語』『スーパーマリオワールド』も遊んでいました。『すれちがいMii広場』の4本はどうするかは悩んだのですが、あれはゲームを拡張する有料DLCだと考えて、あとランキングに入れるほど遊んでいないし……ということで外しました。


 2010年のランキング
 2011年のランキング
 2012年のランキング


 ということで、ここからは例年通り「好きな順」「面白かった順」「素晴らしかった順」でTOP3を挙げていきます。これをきっかけに興味を持ってもらえるソフトがあれば嬉しいです。



【好きな2013年遊んだゲーム TOP3】
1位:『MOTHER2 ギーグの逆襲』(VC/SFC)(任天堂/エイプ&HAL研究所)
2位:『ラビラビ外伝 Witch's Cat』(3DSDLソフト)(シルバースタージャパン)
3位:『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』(3DS)(任天堂)


 「好きな順」というのは、「世間の評価」とか「他人に薦められるか」とか関係なく、言っちゃえば「自分が楽しかったか」すらも関係なく。「何か、このゲームは俺のためにあったゲームみたいだなぁ……」と思わせられたものなので、こういう順番になりました。


 1位は『MOTHER2』。
 遊ぶ前は「こんなに色んな人から薦められてハードル上がりすぎちゃったなぁ」と思っていたのですが、そのハードルを軽々と越えるゲームでした。
 正直、このゲームより面白いゲームはたくさんあると思いますし、このゲームより完成度の高いゲームはたくさんあると思います。でも、このゲームはこのゲームにしかないとてつもない魅力があるし、恐らく「もう一度作れ」と言われてもこういうゲームにはならないであろう奇跡のような一作でした。

 後半は号泣しっぱなしだったなぁ……
 今見てしまえば、シンプルなドット絵、漢字のない台詞、不自由なシステムなんですけど、そのどれもが最新のものには替えられない「これでしか表現の出来ないゲーム」になっていたのも見事でした。存在してくれてありがとう。

(関連記事:『MOTHER2』の足は遅くなくてはならない
(関連記事:この「イヤなヤツ」は俺だ。『MOTHER2 ギーグの逆襲』紹介


 2位は『ラビラビ外伝』。
 これは正直、『ラビ×ラビ1』→『ラビ×ラビ2』の変遷に失望してしまったところからの反動が大きかったです。「もう俺の大好きなラビ×ラビは作られないんだろうな」と思っていたところに、「実はもう作られていた」でした。1作目以上の「こんなんムリだろ」というステージを、アリス&リリコンビ以上の能力で次々と突破していくのが楽しかったです。

 シルバースタージャパンにはまた新作のパズルアクションを作ってもらいたいです!


 3位は『神トラ2』。
 とにかく完成度の高さと、「初心者にも経験者にもオススメ出来る」幅広さと、携帯機のソフトらしくコンパクトに遊べる気軽さと――――正直「素晴らしい」という評価はされるけど、「好き」かどうかで言うと「別に俺のためのゲームではないよなぁ」と思ってこの手のゲームは「好きな順」には入れないものなのですが。

 やっぱり「2Dゼルダの復活」というだけで、「俺の大好きなゼルダが戻ってきたぞ!!」と嬉しかったのも確かです。これでまた「ゼルダファンです」を名乗れるというものだ!



【面白かった2013年遊んだゲーム TOP3】
1位:『ラビラビ外伝 Witch's Cat』(3DSDLソフト)(シルバースタージャパン)
2位:『ファミコンウォーズDS 失われた光』(DSiウェア)(任天堂/IS)
3位:『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』(3DS)(任天堂)


 「面白かった順」は熱中度とか中毒度とかの順。
 「ついつい起動してしまう」とか「起動している間はその他のことを忘れてしまう」ゲームが上位に来ます―――ということなんですが、今年はあまり「好きな順」と変わりませんね(笑)。


 1位は『ラビラビ外伝』。
 熱中度で言ったらこのゲームに勝るものはありません。
 「ついつい起動してしまう」とか「起動している間はその他のことを忘れてしまう」とかだけでなく、「起動していない間もこのゲームのことを考えてしまう」のがこの手のゲームなのです。必死に必死に必死に考えて突破できた時の「俺って天才!」感は素晴らしかったです!

(関連記事:「ゲームを進められない時間」が「俺って天才!」感を生む
(関連記事:1作目を愛した人に向けた大傑作。『ラビラビ外伝 Witch's Cat』紹介


 2位は『ファミコンウォーズ』。
 『ファイアーエムブレム』の場合は自軍をどう鍛えるのかによって戦い方が変わるのですが、『ファミコンウォーズ』の場合は「与えられた戦力でどう戦うのか」なので最適解を探すパズルゲーム的な要素もあるんですね。だから、圧倒的な難易度の面にぶつかると、こちらもゲームを起動しない間も考えてこんでしまうほどでした。

 また、ストーリーもイイんですよ。
 ベタなんだけど、それがゲームシステムに見事にマッチしていて「ゲームでしか味わえないストーリー」にしっかりなっていたと思います。

(関連記事:この戦場に英雄はいない。『ファミコンウォーズDS 失われた光』紹介


 3位はまたも『神トラ2』。
 シリーズをずっと続けると感覚が麻痺してくるもので、初めてゼルダを遊んだ『神トラ1』の時に比べれば謎解きに慣れていると思うので「今回のゼルダの謎解きはスイスイ進めた」という感想になってしまい、「ゲームを起動しない間もこのゲームのことを考えていた」ほどではなかったのですが。

 でも、やっぱりダンジョンを進んでいく「たのしいいいいい!」感覚は流石の2Dゼルダですよ。「次のダンジョン行くぞー!」とあっという間にクリアしてしまいましたもの。そういう意味では、間違いなく「面白かったゲーム」です。



【素晴らしかった2013年遊んだゲーム TOP3】
1位:『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』(3DS)(任天堂)
2位: 『Wii Fit U』(Wii U)(任天堂)
3位: 『ファンタジーライフ LINK!』(3DS)(レベルファイブ/ブラウニーズ&ハ・ン・ド)

 「素晴らしかった順」は「万人にオススメ出来る順」とも言えます。


 1位はとうとう『神トラ2』。
 完成度の高さは言うまでもなく、ヒントお化けなどの初心者救済措置や「探索」をすることで「戦闘」も楽になるアイテム強化システム、ダンジョンもアイテムも自分で選べるなど――――胸を張って、「万人にオススメできるゼルダ」がとうとう出たぞと言えるゲームになっていました。

 クリアまでのプレイ時間はそれほど長くないのですが、「ストーリーを見ているだけの時間」「移動をしているだけの時間」が最小限になっているので、ものすごく濃密な時間を堪能できるのもイイですね。オススメ!

(関連記事:これぞ新生ゼルダ!『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』1stインプレッション


 2位は悩んだけど『Wii Fit U』。
 不満がないワケではないんですよ。「ここをもっとこうしてくれたら」とはそこら中に感じてしまいます。でも、『Wii Fit』→『Wii Fit Plus』→『Wii Fit U』とどんどん起動しやすくなっているのは確かですし、新トレーニングの楽しさや、既存トレーニングに追加されたエクストラステージの難易度も絶妙だったと思います。

 だから、やっぱり「オススメ」なのは「オススメ」!

(関連記事:便利にはなったけれど行き詰まりも感じる。『Wii Fit U』ファーストインプレッション


 3位も悩んだけど『ファンタジーライフ』を選びました。
 レベルファイブのゲームはやっぱり「ゲームが得意ではない人」の視点で作られていて、『オマッセ』も『レイ逆』もそういう意味では遜色がなかったのですが。やっぱり「遊びやすさ」と「自由さ」と「絵柄のポップさ」とで、このゲームはこのゲームにしかない魅力がある一作だったと思い、最後の1本はこれを選ぶことにしました。

(関連記事:世界を救うよりも大変なことが沢山ある。『ファンタジーライフLINK!』紹介

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 2013年のゲームのトピックを言えば、「PS4とXboxOneが発売された(日本以外で)」だったと思います。日本の据置ゲーム機の状況を考えると仕方がないのですが、「Wii Uの大苦戦」と「PS4とXboxOneが日本では発売されなかった」は2013年を振り返る上では外せない話だと思いました。

 その他では、「3DSは絶好調」「各社がスマホゲーに力を注ぎ」「家庭用ゲーム機でも追加課金の是非が話題に」辺りですかね。この3つは2014年も続きそうです。


 自分の話をすると、Wii Uのバーチャルコンソールが始まったことで「過去にクリア出来なかったゲームへのリベンジ」が本格化していて、これは2014年以降も続きそうです。恐らく来年は今まで以上に「バーチャルコンソール漬け」「積みゲー崩し」の年になるんじゃないかと予想しております。


 それでは、皆様。よいお年を!

| ゲーム雑記 | 17:13 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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2013年12月のまとめ

 私事ですが……ウチの父親が腰をやってしまいまして、ここ1週間以上階段を登るのがつらいので居間で寝起きする生活をしています。あんまり良くなっていないので、この後もしばらく続くのかも知れません。


 「だからどうした」という話なのですが。
 重要なのは、「なので居間のHDDレコーダーに録画している番組が観られない」ということです。冬アニメの視聴予定ラインナップなんて記事を書いて、皆様からオススメの冬アニメを募集していて、第1話を観る予定のアニメが12本あったのですが……さぁどうするか。

 自室のテレビだと東京MXテレビが映らない上に、録画環境もありません……
 週に1~2本ならリアルタイム視聴でも構わないのですが、12本+今季から継続のも観ると夜中の作画作業にも支障が来るというか、ほとんど作画する時間もなくなりそうですし。とりあえずTVKでも観られるものネット配信のあるものをチェックしていくべきかな……と思い、自分用メモとして曜日ごとに整理することにしました。


 ニコニコ動画で観られる新番組タイトル

 生放送のみのものありますし、生放送のみでタイムシフト予約できないものもありますし、有料でしか観られないものもあるそうなんですが……さあどうするかという時にTwitterで教えてもらいました。「最新話無料 」タグが付いているものなら、最新話のみ期間限定無料で観られるみたいなので録画環境のない状況だと頼りになりそう。


 ということで、リアルタイムに観るのとネット配信を活用するのはこんなカンジにするつもり。自分はネット配信でアニメをほとんど観ていないので自信はありませんが、多分これで問題ないはず……あくまで自分用のメモなので、みなさんのお住まいの地域で放送日時は違うと思います。
 『いなり、こんこん、恋いろは。』と『銀の匙』以外はネット配信もありますが、リアルタイムで観られそうなものはリアルタイムで観ることにしました。


<リアルタイム視聴>
【日曜】

24:30~『いなり、こんこん、恋いろは。』(TVK 1月19日)
26:05~15『となりの関くん』(テレビ東京 1月5日)

【木曜】
24:50~『銀の匙』(フジテレビ 1月9日)

【金曜】
25:10~25:15『ストレンジ・プラス』(tvk 1月10日)

【土曜】
24:00~ 『ニセコイ』(TVK 1月11日)

<ネット配信>
【日曜日】

『スペース☆ダンディ』(バンダイチャンネル 1月12日)

【月曜日】
『ガンダムビルドファイターズ』(バンダイチャンネル
『鬼灯の冷徹』(ニコ動 1月13日)
『Wake Up,Girls!』(ニコ動 1月13日)

【火曜日】
『桜Trick』(ニコ動 1月21日)

【水曜日】
『世界征服~謀略のズヴィズダー~』(ニコ動 1月15日)
『ウィッチクラフトワークス』(ニコ生タイムシフト予約 1月15日)

【金曜日】
『ノブナガ・ザ・フール』(ニコ動 1月10日)

【ネット配信もない?】
『ウィザード・バリスターズ~弁魔士セシル』


 もちろんこれは最初の数週間だけで、最終的には『銀の匙』と『ガンダムBF』を含めて4~5作品に絞る予定です。まぁそもそもの話ですが、父親の腰が良くなれば普通に居間のレコーダーを使えるようになるので、この自分用メモも必要なくなるかも知れないんですけどね(笑)。

 自分が思ったのは……
 こうして考えてみると録画環境のない人間にとっては「深夜アニメ」というのはハードルの高い娯楽なんだなーということ。リアルタイム視聴はもちろん、ネット配信も無料期間や回数制限があるので、時間的な拘束力が非常に強いんですね。そういう人に薦めるのは一気に12本じゃなくて、せいぜい1~2本くらいが限度かなーと。
 そしてもちろん作品によっては放送すらされない地域ももちろんたくさんありますし、「東京MXテレビが映る」というのはそれだけで特権階級なんだなぁとつくづく思いました。それを基準にしちゃいけないなと。


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 「2013年12月のまとめ」は私事・創作活動の報告などが大半なので、今月も読みたい人だけ「続きを読む」か「記事URL」をクリックして下さいな。

≫ 「続きを読む」

| ひび雑記 | 17:53 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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これぞ新生ゼルダ!『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』1stインプレッション

 とりあえず6時間半ほどプレイしました。
 序盤のネタバレは入ると思います。ネタバレが気になる人はこの記事を読まずに買えばイイです!今回はマジで「生まれ変わったゼルダ」になっていますから。

 『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』という名前のソフトですが、『神々のトライフォース』を遊んでいなくても問題なく楽しめるゲームだと思います。前作から100年後とかの話だったはずなので、ストーリーのつながりはあまりなさそうです。そもそも「ゼルダ」シリーズのストーリーって、「悪いヤツが現れてゼルダ姫が大変なことになったから主人公が出てきてやっつけた」でほとんどの作品は説明出来ちゃいますし(笑)。

 今回は「ゼルダ」シリーズ自体遊んだことがないご新規さんでも大丈夫だと思います。今までのシリーズが受け継いできた「ゼルダの文法」を取っ払っているので、シリーズファンも新鮮な気持ちで遊べますし、ご新規さんにも一から説明をしてくれていると思います。




 「そもそもゼルダって何?」という人もいらっしゃると思うので、シリーズの解説を。

 『ゼルダの伝説』は第1作が1986年2月21日にファミリーコンピュータのディスクシステム用ソフトとして発売された人気シリーズです。この5ヶ月前の1985年9月13日に『スーパーマリオブラザーズ』の第1作が発売されて、3ヵ月後の1986年5月27日に『ドラゴンクエスト』の第1作が発売されているとか、この時期の日本のゲーム業界は一体どうなってるんですかね(笑)。

 以後、『ゼルダの伝説』シリーズはスーパーファミコンでもゲームボーイでもNINTENDO64でもゲームボーイカラーでもゲームキューブでもゲームボーイアドバンスでもWiiでもニンテンドーDSでも発売されているのですが……実は、初代の『ゼルダの伝説』ってシリーズの中でも異質のタイトルなんですよね。

 いきなり世界に放り投げられて「どこにでも好きなところに行け!」というところから始まります。最初に行くべきダンジョンがどこにあるかも分からないし、後半に訪れるべき「雑魚敵すら超強いエリア」にうっかり入っちゃって瞬殺されて「なるほど。あっちはまだ行ってはいけないところか」と学習していくしかなかったんです。
 これは何度かウチのブログで書いていることですが、ファミコンの頃は『マリオ』も『ゼルダ』も『ドラクエ』も「みんなで情報を共有して遊ぶゲームだからノーヒントで遊ぶと今のゲームよりも難しい」んです。

(関連記事:自由度を捨てて、『ドラクエ』や『ゼルダ』が得た“遊びやすさ”
(関連記事:昔の名作ゲームを今遊んでも100%の面白さを味わえるワケがない




 そんな「ゼルダ」シリーズも『リンクの冒険』を経て、第1作から5年後の1991年11月21日にスーパーファミコン用ソフトとして発売された『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』で随分と変わりました。この『神々のトライフォース1』が「ゼルダの文法」を確立したと言っても過言ではないです。

 フィールドは「岩」や「川」で分断されているので、最初は行けるところが少ない→ 入れるダンジョンに入る→ ダンジョンの中に「アイテム」があるのでこれを入手→ 「岩」を持ち上げることが出来るようになるなど、行動範囲が広がる→ 次のダンジョンに入れるようになる……

 “いきなり世界に放り投げられて「どこにでも好きなところに行け!」”という初代『ゼルダの伝説』から比べて、“一本道のレールの上を進む”+“脇道に探索やミニゲームがある”という「ゼルダの文法」を確立したのが『神々のトライフォース』で、以後のシリーズは基本的にこの路線を踏襲&強化していくことになるのです。

 表現が3Dになるとか、操作方法がタッチペンになるとか、作品ごとに「新しい試み」にチャレンジはしているのですが、基本的には以後の「ゼルダ」シリーズは『神々のトライフォース』で確立した骨格部分を受け継いでいて……
 それ故に、最近では「深刻なマンネリ」という評価もあって、現在開発中のWii U版はそんな「ゼルダのアタリマエを見直す」と宣言されていますし、今回の3DSソフト『神々のトライフォース2』も「ゼルダの文法」を見直すところから始まっているように感じました。



 「ゼルダの文法」を確立した『神々のトライフォース』の名を受け継ぎ、舞台も一緒でありながら。『神々のトライフォース2』は「ゼルダの文法」を捨てることを目指している―――というのは、「なるほど。あのマップを自由に遊べるというのはこういうことなのか」と遊んでみて腑に落ちました。

 タイトルで「前作やっていないし……」「シリーズやったことないし……」と思ってしまう人もいると思いますが、むしろ今までの流れを全部捨てようとしたソフトになっているので、未経験者もどうぞ!!


ゼルダの伝説 神々のトライフォース2ゼルダの伝説 神々のトライフォース2

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1.ボタン操作とマップ表示は「いつものゼルダ」
 今回の『神々のトライフォース2』は2Dゼルダですが、DSで出た『夢幻の砂時計』『大地の汽笛』のようなタッチペン操作ではなく、完全にボタン操作の2Dゼルダです。ファミコン、スーファミ、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスの「ゼルダ」と同じような感覚で遊べます。

 Aボタンは「モノ」を持ち上げたり、引っ張ったり、投げたり、話したり。
 Bボタンは「剣で攻撃」です。
 Yボタン(ストーリーが進むとXボタンも)で、そのボタンにセットしたアイテムを使用。
 まだ自分はそこまで進んでいませんが、Lボタンでダッシュ。
 Rボタンで「盾を構える」です。

 移動はスライドパッドで、十字キーは「画面をスクロールさせて見渡す」のに使います。



kamitri2-1.jpg


 DSの『夢幻の砂時計』『大地の汽笛』と同様に二画面の片方はマップが常に表示されています(DSのとは上下の画面が逆だけど)。常にマップが表示されているとこんなに遊びやすいのかというのはDS版の時と同様。また、今回はマップにピンを刺してマーキングすることが出来ます。メモ書きのようなことは出来ず、ピンを三色から選ぶだけですが、あるのとないのとでは大違い。



 ボタン操作は「昔と同じような感覚で操作出来る2Dゼルダ」ですし、マップ表示もDS版の良いところをシンプルにして残しています。ここは新鮮さは全くなく、むしろ「いつも通りの安心感」があります。
 そもそもどうして今まで新作が出る度に「Wiiリモコンを振れ」とか「タッチペンで叩け」と言われてきたのかと思ってしまうほどに(笑)。



2.好きな「アイテム」を自分で選ぶ「レンタル武器屋」
 レンタル武器屋!レンタル武器屋だって!?
 というのは置いといて……今作の目玉要素とも言えるのが「レンタル武器屋」システムです。これはシリーズを追いかけてきたファンほどビックリするんじゃないかと思います。今までのシリーズは「ストーリーが進むごとにアイテムが手に入る」システムだったために、一本道のストーリーに沿って行動範囲が広がっていったんですね。


 しかし、今作は比較的序盤に「好きなアイテムを選んで借りてってね!」と、こちらに選ばせてくれるんです。レンタル期間は「ゲームオーバーになるまで」で、自分はまだゲームオーバーになっていないので分かりませんが、ゲームオーバーになってもお金をまた払えば借りられるんじゃないかと思います。

 ゲームオーバーになることを考えて、必要なアイテムだけを借りるか……
 金にモノ言わせて片っ端からアイテムを借りていくか……性格が出ますね。



kamitri2-2.jpg


 借りすぎた!
 主人公の身は一つしかないんだから、こんなに借りても意味はないような(笑)。


 今まではちょっとずつちょっとずつアイテムが手に入って、少しずつ少しずつ行動範囲が広がっていったのですが……今作は序盤からドカッとアイテムを入手出来ますし(借りているのだけど)、マップが「岩」などで分断されていないから、比較的最初から色んなところに行けるんですよね。というのは、後で書きます。


 「ダンジョン攻略はどうするの?攻略に必須なアイテム持っていなかったら途中で詰むじゃん」と私も思いながらプレイしていたのですが……少なくとも序盤のダンジョンは「攻略に必須なアイテム」は入口に書いてあって、それを使わないと中に入れないようになっていました。
 どうも攻略に必須のアイテムは安値でレンタル出来たようですし、その辺は抜かりなかったです。もちろんそれ以外のアイテムを持って行っても良いですし、持って行った方が楽に進める場面も当然あります。



 レンタルだけだったら安値なので私のように最初にドカっと借りることが出来るのですが、ストーリーが進むと高額で「買取」することも出来ます。買い取ったアイテムは、とあることをすると「強化」することが出来るのですが、この「強化」は一つずつどのアイテムを「強化」させるのか選ばなくてはなりません。

 つまり、「最初にレンタルするアイテムを自分で選ぶ」だけでなく、ストーリーが進むと「買い取って強化するアイテムを自分で選ぶ」必要が出てくるんですね。お気に入りのアイテムを「強化」させて、自分なりの戦い方が出来るようになるのです。
 ちなみに私は「フックショット」を真っ先に強化させました。「フックショット」は男のロマンですから!



3.「一本道ゲー」からの脱却
 「レンタル武器屋」システムで、プレイヤーが好きな「アイテム」を選べるようになったように……今作は『神々のトライフォース1』が確立させた「一本道ゲー」の流れを徹底して変えることを意識しているみたいです。ダンジョンの攻略順が決まっていないんです。

 最初のダンジョンクリアまでは一本道で進むのですが、2番目・3番目のダンジョンは好きな方から攻略出来るようになっていましたし、それ以降は「ハイ!こことこことこことここがダンジョンだから好きなとこから攻略してね!」となっているみたいです。
 実は過去作のダンジョンにも攻略順を無視しても良いダンジョンがあったのですが、今作が徹底しているのは「番号」も書いていないんですよ。初代の『ゼルダの伝説』ですら攻略順の目安として「LEVEL1」「LEVEL2」と書いてあったのに、今作はそれも辞めているんです。プレイヤーが自分で考えて選ばないとならないように、敢えてそうしているんです。


 だからこそ「自分が選んでいる」感があって、私は好きです。


 また、前項でもチラッと書きましたが、今作のマップは比較的序盤から「好きなところに進める」ようになっています。マップを分断する「岩」は少なく、「川」も序盤で泳げるようになります。「次に行かなければならないダンジョン達」の印はマップに付いているので初代のように「どこに行けばイイか分からない!」ことはないと思いますが、無視して自由に散策することも出来ます。
 マップは『神々のトライフォース1』に極めて似た構成になっているのですが(もちろんわざとそうしている)、だからこそ『神々のトライフォース1』と違って『神々のトライフォース2』は「自由に歩きまわれる」ことを序盤から実感させてくれるのです。


 自分が今回気に入っているのはこれ。

kamitri2-3.jpg
 今回は武器をレンタルしたり買ったりするのにお金がかかるので、金策をどうするべきかという問題があります。「ゼルダ」シリーズは「ドラクエ」と違って敵を倒したからといってお金を落とすとも限りませんから。ということで、今回「蜂を採集して売ってお金を儲ける」ことが出来るようになりました。

 ど、どうぶつの森……!

 でも、冗談抜きで今までのシリーズで「要らんわ、こんなもん」と言われることの多かった蜂を、お金稼ぎの要素に変えてしまったところは上手いですし。蜂を採集することを考えて「瓶」に空きを作らなければならないという戦略的要素も加わりました。



 シリーズ定番の「ワープアイテム」も今作はかなり序盤で手に入り、下画面のタッチパネルから一発で呼び出すことが出来ます。
 行けるところは「これまでに行ったことのあるセーブポイント」で、これのおかげで狭くないマップの移動が楽チンで快適に遊べるのですが、前述したように「蜂を採るとお金になる」という要素のおかげでついつい歩いて移動したくなるという(笑)。

 前項に書いた「アイテムの強化」にも実は探索要素が絡んでいるので……アクションが苦手な人でも、蜂を捕まえて金を稼いで、行けるところは探索しまくって、アイテムを強化させてから進む―――ってのもアリかも知れませんね。


 あ、そうだ。これは今作からではなくて『スカイウォードソード』かららしいんですが、今作は「どこでもセーブ可能&でも再開ポイントは決まっているからな」というシステムではなくて、「セーブポイントでのみセーブ可能&再開時はもちろんそこから」というシステムになっています。
 『トワイライトプリンセス』で、やっとの思いで地下道を抜けてセーブして辞めたら地下道の入口から再開された経験のある私としてはありがたいです。



4.2Dゼルダなのに3Dのような遊び方のある「壁画リンク」
 いやー、これは凄いアイディアですわ。
 ニンテンドーダイレクトか何かで最初に「壁画になるリンク」の絵を見た時は、「相変わらずバカだなぁ(笑)」と思っただけでした。これまでの「ゼルダ」にも「小人になる」とか「狼になる」みたいな変身要素はあったから、これもそういうカンジなのかなと思っていました。


 いや、これは「2Dゲーム」の発想を一新させる凄いアイディアですよ。

 2Dのアクションゲームは操作がしやすいです。3Dのアクションゲームが楽しめない自分にとっては、3Dの「ゼルダ」が発表されても「ゼルダ」の新作が出るのは嬉しいのだけど「また3Dかぁ……」とついつい敬遠してしまいがちでした。
 「ゼルダ」というゲームが「探索」ゲームである以上、3D化するのは必然だとは分かっているのですが……アクションゲームとして楽しくなくなってしまうのです。


 んで、今回の『神々のトライフォース2』なんですけど……操作は前述したようにファミコン、スーファミ、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスの「ゼルダ」と同じような感覚で遊べる2Dゼルダでありながら、「壁画リンク」のシステムによって3Dゼルダのような遊び方が出来るようになったんですね。

 つまりは「壁」を意識すること。
 2Dゼルダは上からの視点で「床」の上に立つキャラクターを操作するしかありませんから、「床」がどう繋がっているのかを見るだけで進む方向を考えられるゲームでした。今までの2Dゼルダは「床」を認識すれば良かっただけなんです。

 しかし、今回は「壁」を移動することが出来るようになったので、「壁」も見なければなりません。「壁」がどう繋がっているのか、移動する「壁」がどう動いているのか、三次元的な空間を把握しなければ解けなくなっているのです。これはまさに3Dゼルダの遊び方ですよ。
 また、「壁画リンク」は横にしか移動出来ないので、高さを変えるには「通常リンク」で段差の高いところから「壁画リンク」にならなければならないとか。今まで以上に高さが重要な2Dゼルダになっているのです。



 ということで……立体視は出来た方がイイです。
 海外では2DSも発売されているので「立体視なしでもクリア出来るように調整されている」ということで、実際に立体視の出来ない自分も今のところは問題なくプレイ出来ているのですが。序盤でも「あれ?ここは高さ違うのか!最初から登り直しだよー」という事態に陥ったので、『マリオ3Dランド』同様に「出来なくてもクリアは出来る」が「出来た方が楽」というのはあるかなと思います。




5.「遊びやすく」敢えて変更しているところ
 今回自分が驚いたのは「ヒントメガネ」機能でした。

kamitri2-4.jpg

 ヒントメガネというアイテムを使うと、ポイントポイントに「ヒントお化け」が立っているのが見えるので、コイツにゲームコインをあげるとヒントを教えてくれるのです。


 『ゼルダ』と「ヒント」というのはなかなか難しい問題で。
 全く「ヒント」がない状態だと「これ以上は進めない!」と挫折してしまう人が生まれる一方で、「ヒント」を充実させると「自分で考える」ことを辞められてしまいかねないので。このシリーズはずっとこのジレンマに悩まされてきたワケですよ。

(関連記事:「ゲームを進められない時間」が「俺って天才!」感を生む

 ゲームコイン(1日10枚までしか貯められない)を使うことでヒントがもらえるというのは、落としどころとしては上手いと思いました。1日10回までしかヒントをもらえないと考えるなら、ある種のスタミナ制と言えるかも知れません(笑)。もちろんこれまでにゲームコインを貯めている人ならもっとヒントがもらえますし、それが出来ない人はMiiverseに訊くという手もありますしね。




 さて……シリーズファンならば「あれ?」と思ったかも知れません。
 そうなんですよ。今回の『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』って、“相方”がいないんですよ。恐らく『時のオカリナ』以降の「ゼルダ」は主人公と一緒に行動する“相方”がいるのが定番で、コイツがヒントを出してくれたり、狂言回しのようにストーリーを進めてくれたりしていたのですが。今回はそれも辞めているんです。

 主人公は主人公一人で冒険に出て、主人公一人の力で世界を救わなければならないんです。助けてくれるのは「お化け」だけなんです(笑)。


 正直なところ……自分は最近の「ゼルダ」の「“相方”がベラベラ喋ってストーリーが進む」のがあまり好きじゃなかったんですね。どうしてこの主人公は喋らないんだろうとか、“相方”が主導権握って行動しているみたいだとか、世界を救ったのは“相方”じゃないかとか。
 自分自身で冒険している感がなくなってしまった原因だと思っていたので、今回本当に一人で冒険しているというのは「自分で考えて冒険している」というカンジが出ていて非常に良いです。




 その他にも結構「ゼルダの文法」を変えているところは多くて……
 アイスロッドやファイアロッドだけでなく弓矢や爆弾など「レンタル武器屋」で借りたor買い取ったアイテムは、使用時に「がんばりゲージ」を消費します。『神々のトライフォース1』の魔法メーターに近いのですが、魔法メーターとちがって時間によって回復していきます。

 フックショットはちょっとしか減らないけど、爆弾は1コ置くだけでものすごく減るので連発は出来ない―――みたいなカンジですし。弓矢や爆弾の残り個数を気にしなくて良くなったんです。シリーズの定番だったところを変えてしまったワケですが、変えてしまうと「どうしてもっと早く変えなかったんだ!」というくらいしっくり来るになっていました。



 その他には、「ダンジョンは最初からマップが手に入っている」とかも変わっていますね。

 「シリーズの定番」を「定番だから」とそのまま残すのではなく、一つ一つ「これは本当に必要なのか?」と吟味している辺り、同じ3DSの大ヒットソフト『とびだせ どうぶつの森』に通じるものがあります。アレもまた「シリーズのマンネリ」という問題を打破すべく生まれたソフトでした。

(関連記事:悪しき慣例をぶっ飛ばせ!『とびだせ どうぶつの森』紹介


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○ まとめ
 文句の付けようがないくらい大傑作です。
 シリーズをずっと遊んできた人には「マンネリではなくなった」と言えますし、初めてシリーズを遊ぶ人には「今までとは違うルールになったからみんな同じスタートラインだよ」と言えます。どちらにもオススメ。
 『とびだせ どうぶつの森』を引き合いに出しましたけど、あのソフトと同様に「シリーズファンが買ってハイ終わり!」という商品ではなく「長く幅広い層の人に遊んでもらう」ことを願う商品になっていました。これをきっかけに「ゼルダってこんな面白いゲームがあるんだ!」と知ってもらいたいです。


 「アクションゲーム」ではあるので「アクションゲーム」が苦手な人には流石にオススメは出来ないですけどね。成長要素があるとは言っても、『ドラクエ』のレベル上げのようにはいきませんから。
 「新しい剣、超つえーーーー!」→「今度出てきた敵、もっとつええええええええ!」→「剣を強くしたらその敵も余裕だああああああ!」→「もっとつええ敵出てきたあああああああああ!!」というカンジで、アクションゲームとしても常に油断出来ないカンジが続きますし、逆にアクションゲームが好きな人はその緊張感も楽しいですし。



 今までも十分に楽しんできましたけど「3DSを買って良かったぜ!」と言える一本。
 3DSで面白いゲームを探している人は是非どうぞ。

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『境界の彼方』アニメでキャラを好きになった人達へ、原作小説その他のススメ

 なるべくネタバレはしないで書こうと思います。
 自分は以前に書いたように「アニメ→原作」の順で観るのが好きなので、『境界の彼方』のアニメ全12話を観終わってようやく原作小説1巻を読みました。
 2~3巻はどうしようかと悩んだのですが、もしアニメ2期があった場合、ストーリーは全然違うものになるだろうけど会話劇なんかは踏襲されそうなので「まだ読まない」ことにしました。

(関連記事:アニメの後に原作を読むススメ


 『境界の彼方』のアニメは正直ストーリーは“難解”というか、1周観ただけでは意味不明なシーンも多いのであまり大きな声で「万人にオススメだよ!」とは言いづらいのですが。Twitterを見てると『境界の彼方』のアニメが好きな人達が、「とにかくキャラクターが好きだった」「もっと彼らの日常を見ていたかった」「2クールやって欲しかった」「2期やって欲しい」と言っているのをよく見かけます。

 私もすごくそう思います。『境界の彼方』の「すごいところ」を挙げると、構成とか演出とか作画のことをすごいと言うと思うのですが……実際に「何故好きか」を語ると「キャラクターが好きだったから」と言うと思いますもの。男のキャラも、女のキャラも、大人キャラも、みんな大好きでしたもの。


 ということで、アニメが終わってしまって寂しい想いをしている皆様に“延長戦”として、アニメ公式ガイドブックドラマCD原作小説の紹介記事を書きます。
 注意点を一つ。『たまこまーけっと』の小説版が出た時にも記事に書きましたが、京都アニメーションが発行している本は普通の本屋さんには置いていません。取扱店が限られていて、Amazonで買おうとすると「定価以上の値段+送料」と割増価格が提示されます。1500円の本を2800円とかで売ろうとする店もあるくらいです。

 ネットで注文する際には、JBOOKというサイトがオススメです。
 定価で買える上に3000円以上の商品を注文すると送料無料になるので、自分は「原作小説680円×3+アニメ公式ガイドブック1500円」をセットで注文して送料無料にしました。原作2~3巻はまだ読んでいませんが(笑)。



○ TVアニメ「境界の彼方」ガイドブック
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 取扱店は紹介ページに乗っていますが……少なっ!ここには載っていない店でも、アニメショップなんかでは普通に売っていたりもするらしいですね。

 「アニメ開始と同時に発売されたガイドブック」なので、基本的には「これからアニメを観る人」に向けて作られた本です。ストーリー解説は4話までで、終盤の展開などには触れられていませんが、微妙に中盤のネタバレとかも入っています。
 サイズはA5版=「4コマ漫画の単行本」なんかと同じですね。フルカラーなのでページ数の割には1500円となかなかの価格で、「お布施用のファンアイテム」と言っちゃってもイイと思うのですが。


 このアニメが出来るまでの話が詳細に書かれていて、むしろアニメを観終わったファンの方が唸らされるんじゃないかと思います。石立監督や、キャラクターデザインの門脇さんのインタビューはボリュームもあって、かなりの読み応えです。門脇さんは「京アニの天使」と呼ばれているそうですけど、なるほど確かにインタビューを読むだけで女子力の高さを感じます(笑)。
 決定前のキャラクターのラフ画なんかも掲載されているので、「三つ編みの桜」とか「ロングヘアーの泉」とか髪型が決まる前の各キャラクターの絵も見られます。桜の鎌は初期設定では「唯の形見」だったんですね(原作には登場しない)。

 背景設定なんかも主要なところは載っていて「栗山さんの家の間取り」や「新堂写真館の間取り」なんかは、なるほど言われてみればそうなっていたなと思わされるところも多いです。
 また、各キャラクターの表情設定や小物の設定なんかも充実していて、アニメ本編では出てこないそういう設定絵もガシガシ載っています。「愛ちゃんのムスッとした表情」とか「弥勒が眼鏡を外した姿」とかは多分本編には出ていませんし、2話で戦った妖夢と栗山さんが並んでいる絵(身長差を見せる設定絵なので)なんかは決して本編には出てこないほのぼのとした絵になっています。


 私くらい重症のファンになると「『境界の彼方』……『境界の彼方』分が足りない……!」とシュークリームを食べるがごとく、このガイドブックを開いて「花野寺駅の改札」の背景設定画を見てニンマリしているくらいです。文章化してみると、自分でもどうかと思うな(笑)。



 ということで、ファン以外には何が面白いか分からないであろう「お布施用のファンアイテム」なのですが、ファンにとってはお布施を支払うありがたみはある1冊だと思います。値は張りますが、そこそこオススメ。



○ TVアニメ「境界の彼方」ドラマCD『スラップスティック文芸部』
TVアニメ 境界の彼方 ドラマCD スラップスティック文芸部
 こちらは普通にAmazonでも買えます。

 私はこの国にあるあらゆる娯楽商品の中でも、トップクラスにコストパフォーマンスが悪い商品が「ドラマCD」だと思っています。この『境界の彼方』のドラマCDは全部で33分、価格は3000円で、描き下ろしの絵も商品情報から見られるジャケット絵だけですし、特典がたくさん付いてくるブルーレイ(もちろん絵が動く)に比べて何て気合の入っていない商品だろうって思うのです。


 ただまぁ、自分は『境界の彼方』にものすごく楽しませてもらったし、アニメが終わった今となっては「登場人物達がバカ話をしている」だけでも嬉しいし、お布施としての意味も込めて購入しました。結果を言うと、「お布施だったなー」というカンジでした(笑)。

 面白くないワケではないし、彼らが会話をしているだけでも嬉しいのですが……
 例えば博臣が栗山さんを呼ぶ時に「未来ちゃん」と呼ぶとか(原作では「未来ちゃん」だけどアニメでは一貫して「栗山さん」だった)、変にエロイ展開に行くとか、脚本担当が違うからかアニメとあまり繋がっていない印象を受けました。あと、序盤のような会話劇をもっとたっぷり聞かせて欲しかったかなーと。


 時間軸としては、アニメ版の8話前半辺り。
 文芸部の季刊誌「芝姫」でグラビアを撮ろうという話になって……というメインのストーリーと、幕間にはさまる「もしもシリーズ」という構成になっています。「もしもシリーズ」は結構面白かったので、もっと膨らませてくれれば良かったのに。「もしも美月がブラコンだったら」は、相当あざといなとは思いましたが(笑)。

 キャストはほぼ全員集合で(弥勒はいない)、彼らの声をまだまだ聴きたいファンに向けたアイテムというところ。価格が高いのでそれほどオススメはしませんが、お布施を納めたい人はどうぞー。





○ 原作小説『境界の彼方』1巻
 kyoukai-gensaku.png
 取扱店は「KAエスマ文庫取扱店」一覧をどうぞ。4月の時より格段に増えていますね。

 テレビアニメ版とは絵柄が違うので、原作小説のホームページや過去のTVCMと見比べてみるのも一興です。しかし、原作でもTVCMでもそれほどロリではない栗山さんを、「赤ちゃんっぽい感じにしました」とロリ化させた門脇さんの手腕には敬意を表したい!




 さて……ネタバレしないように原作小説の紹介を書きますが。
 まず大事なことを書きますと、現在は3巻まで発売されている原作小説ですが「アニメの製作が始まった時点では原作が1巻までしか出ていなかった」とのことです。
 普通ライトノベルを1クールのアニメにする場合は3冊程度が目安らしいのですが、なので「1巻」を「12話」に引き伸ばすんじゃなくて、「1巻」をやるのは「最初の数話」にして「中盤から終盤」にかけてはアニメオリジナル展開にした―――と、アニメ公式ガイドブックには花田先生のインタビューが載っていたのですが。

 原作を読んでみてビックリですよ。
 原作をそのままアニメ化したのはせいぜい第1話のAパートまでで、第1話のBパート以降はほぼ完全オリジナル展開ですよ!一応、“虚ろな影”や“凪”は出てくるのですがアニメとは違う描かれ方でした。
 前に番組ラジオで「原作は既に読んでいるのでストーリー展開は知っているのですが、あのシーンを皆さんがどう演じられるのかが楽しみです!」というメールが読まれて、種田さんがビミョーなリアクションをしているなとは思っていました。原作のシーンなんてほとんどアニメ化されていませんもの!(笑)


 というか……「アニメ→原作」の順で観た自分は驚いたのですが、根本的な設定も随分と変えているんですね。アニメ化に際して何を軸にアニメで語るのかを考えて、とてつもないリファインを行っているというか。
 ちょっと「アニメ」と「原作」で設定が違うところを書いていきますね。もちろん1巻の段階なので、2巻以降はどうかは分からないのですが。


◇ 栗山さんは原作だと最初から「凄腕の戦士」
 アニメ版の「妖夢をほぼ倒したことがない」「貧乏」「お腹が空いている」という設定は、アニメオリジナルで追加された設定。原作ではアニメのように秋人や美月を拒絶しない。
◇ 原作には桜はいない
 桜ポジションのキャラはいます。ただし、栗山さんの「幼馴染の男」。
◇ 美月は原作だと事務方の非戦闘要員
 恐らくヤキイモもアニメオリジナルキャラ。
◇ 泉さんは原作だと「名瀬家の時期当主」と言われている
 そもそも名瀬家の人間がいっぱいいるみたいなんですね。
◇ 原作には「妖夢を倒すと妖夢石が生まれる」「それを換金する」設定はない
 なので、彩華さんは普通に異界士。
◇ 原作には愛ちゃんがいない
 そもそも原作だと基本的に「妖夢=討伐対象」なのです。
◇ ニノさんは原作だと高校教師ではない
 アニメの設定だと「文芸部の顧問」はニノさんらしいのだけど、第1話で美月が「ニノさんに」ではなく「顧問に」と言っていたのはこういう理由か。


 「アニメ→原作」の順で観ることの何が面白いかと言うと、アニメ化の際に変えた部分にこそアニメスタッフが描きたいものがあることが分かることなのです。ということで、アニメ版の設定変更でどうなったのかをちょっと書いていきます。


1.アニメ版は「栗山未来の成長物語」
 原作は秋人という主人公の視点で世界を見ていく小説なので、「秋人と○○」の関係性がどう変化していくのかという物語なのですが……アニメ化に際しては、全12話の中で栗山さんがどう成長していくのかを軸に構成されていることが分かるのです。

 アニメの栗山さんは最初、最弱のところから始まります。
 能力はあっても実戦経験が皆無で「妖夢にトドメを刺せない」という致命的な欠陥を抱えています。でも、お金もなくて、お腹が空いて、生きるために妖夢を倒さなくてはならない―――というところから物語はスタートするのです。
 また、アニメ版の栗山さんは秋人のことも美月のことも最初拒絶して、その関係性が徐々に変わっていく様を描くのですが……

 原作の栗山さんは最初から超強くて、ガシガシ敵をやっつけますし、お金にも困っていないし、比較的序盤から秋人とも美月とも仲良くやっているんですね。「栗山さんの成長」がないワケでもないのですが、アニメ版は徹底的にここを描くために栗山さんの設定を「最初は最弱」のところに持ってきているのです。

 面白いのが美月の使い方で……
 アニメだと栗山さんの「先輩異界士」として助言したり一緒に戦ったりしていたのですが、原作では非戦闘要員なのです。栗山さんの「異界士としての未熟さ」を見せるために、アニメ版の美月は「先輩異界士」として戦うように設定変更されているのは上手いなぁと思いました。


 あと、原作では栗山さんと「幼馴染の男」の関係を秋人が考える場面があるんですが、アニメではここを桜に変えている辺り、京アニは分かっているな!と思いました(笑)。



2.アニメ版は、より「現実と地続き」の話に
 これはガイドブックのインタビューを読むと分かるのですが、石立監督は「ファンタジー作品だからと言って現実から離れてはいけない」と考えているらしいのですね。桜の髪型設定でツインテールを提案された際に、「アニメっぽい」と却下するやり取りなんかは顕著です。

 原作では結構メタ的な描写とか、「ツンデレ」「貧乳」「つるぺた」「百合」みたいな用語が出てくるのですが……軒並みその辺はカットされています。それでも「巨乳」を残している辺りは、どうしてか訊きたいのですが(笑)。


 「現実と地続き」にするための設定変更で一番大きいのは、「妖夢石の鑑定」をアニメオリジナル要素として加えたところです。原作だと異界士は依頼されて妖夢を退治して報酬を得るのですが、アニメ版は誰に迷惑をかけていなくても妖夢を倒すとお金に換えられるシステムが出来上がっていて、私達にも「妖夢を狩って生きていくこと」のイメージがしやすくなっているんですね。
 栗山さんがいつもお金に困っていて、いつもお腹を空かせているというのも、妖夢退治が生活に根付いていることを見せる効果があったと思いますし。この辺の見せ方はアニメ版は上手いなと思いますね。

 1話のファミレスで店員が料理を持ってくるところとかもアニメオリジナルのシーンで、「異界士」でも「妖夢」でもない「普通の人間」がそこに生きていることを徹底して描いているのもアニメ版の特徴です。
 博臣はあまり描かれませんでしたが、他のキャラは「普通のクラスメイト」と一緒にいるシーンも描かれていましたものね。ニノさんなんか先生になっちゃっていたし。



3.設定の簡略化と、秋人の孤独の緩和化
 アニメでも名瀬家と異界士協会の衝突が描かれていましたが、原作では「○○家」「△△家」「××家」と異界士同士の権力争いが描かれていますし。名瀬家の中も「博臣のいる部署と美月のいる部署が違う」といった組織の大きさを感じさせる描写がありました。アニメだと名瀬家って4人しか出ていないんだけど、実は結構な大組織だったのね(笑)。

 アニメ版もガイドブックによると「名瀬家の両親は健在」と書かれていて「どこにいるんだよ!」と思わずツッコんでしまったのですが、原作だと普通に両親が名瀬家の最高権力者で、泉はあくまで「次期当主」なんですね。

 原作は小説なのでやっぱり複雑な設定とか、“謎”を秋人が推理して右往左往するところがあるのですが……同じことをアニメでやると難しく見えてしまうので、なるべく登場人物を絞って簡略化させてあるなと思いました。その割にはストーリーが……というのは言ってはいけない。



 「アニメ→原作」で追加された要素こそアニメで描きたいものだ説で言えば、桜と愛ちゃんはアニメオリジナルキャラなので(弥勒もかな?)……桜は栗山さんの成長を描くために絶対必須のキャラだったと思うのですが、愛ちゃんは何のためにいたのかなーと原作を読む前は思っていました。

 でも、愛ちゃんって「妖夢でも学校に通って平穏な日々を過ごせる」象徴なんですよね。言ってしまえば秋人以上に危うい存在なワケで、そんな彼女でも学校に通って普通に毎日を暮らせているというのは、「妖夢なのは秋人だけじゃない」「妖夢がみんな悪いワケではないんだ」と視聴者に見せる効果があったのだと思います。


 まぁ……逆に言うと、愛ちゃんのいない原作にある「徹底された秋人の孤独」はアニメ版だと薄れちゃっているところはあるんですけどね。原作の秋人は定住することが許されず、妖夢であることがバレると町を去るような暮らしを続けていて、名瀬家の監視下に入ることで初めて特別に定住が許されて、それも許されない両親は常に逃亡中な上、「妖夢からも敵だと思われている」という設定で。本が好きなのも「友だちがいなかったから一人で楽しめるものを選んだんだ」とか泣けることを言うし。
 原作は秋人の一人称の物語だからそこが一番大事なところなんですが……アニメではこの辺の設定を多少マイルドにして、多少牧歌的なところがあって、ストーリーのメインは「栗山未来の成長物語」で――――と考えると、愛ちゃんの存在というのは必須だったんだなと痛感しました。





 ということで、「原作小説はアニメとは別物」なのですが。
 逆に言うと、原作未読者には「アニメとは違うルートに進む物語」がまだ残っているとも言えて。アニメとは全く違うからこそ、新しいストーリーを楽しむことが出来るよと強くオススメしたいです。


 アニメ公式ガイドブックのスタッフインタビューを読むと「原作の魅力は何と言っても会話劇」ということで、実はこれだけストーリーも設定も変えているアニメなのに「会話」の部分は踏襲されているところも多いんですね。原作では全然違うシチュエーションでなされた会話が、アニメでは別のところで使われるとか。

 もちろん「会話」の量は、アニメと小説では小説の方が圧倒的に多くなるので。アニメには入りきらなかった「会話」シーンもものすごくたくさんあります。秋人の眼鏡愛も、博臣の妹愛も、美月のサディストっぷりも、アニメには収まりきらなかったんだなと思うくらい、原作では更に大ボリュームで語られています。

 あんまり書いちゃうとネタバレになるのですが……私が一番好きなのは、秋人が「眼鏡をかけている人に「眼鏡」というニックネームを付けるのはナンセンスで、本来なら「眼鏡の置き台」と呼ぶべきだ」と熱弁するシーンです(笑)。
 その他にも、博臣が栗山さんを「義妹」と呼ぶところや、博臣が秋人の脇に栗山さんの手を入れさせようとするところなど、アニメの秋人・博臣・美月が好きだった人は更なる彼らを楽しめると思います。栗山さんは設定もアニメと違うし、出番もそれほど多いワケでもないので、アニメで栗山さんのファンになった人は物足りないかも。


 ストーリーはアニメとは違う展開で、アニメにはなかったようなチーム戦もありますし、原作だとちゃんと「芝姫」の選考作業をしているし(笑)、アニメを観ていても新鮮に楽しめます。自分は半日で一気に読み終えてしまいました。
 この記事の冒頭で「アニメ2期があるかも知れないから2~3巻はまだ読まない」と書きましたが、実を言うと「もったいないからすぐには読まないようにしよう」というのもあります。


 桜や愛ちゃんはいないし、栗山さんファンにとっても微妙かも知れませんが、秋人・博臣・美月のファンには是非オススメです。
 というか、これ……原作って「美月ルート」じゃないのかなぁ。栗山さんよりもよっぽど存在感あるし。秋人も結構満更でもないカンジだし……原作だと「頑張らないと……卒業式の日に私から告白されるという夢が適わないわよ?」の後に「それとも誰かほかに親密になりたい女の子でも現れたのかしら?」と言っていて、より“どちらのルートに進むのか”を秋人に提示しているように見えるんですよねぇ。


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○ オマケ
 原作小説を読む前に書いたアニメ版の伏線まとめの記事には、「アニメ版だけではよく分からなかった描写」がたくさんあると書きました。しかし、特に「名瀬家の能力」については原作にしっかり書いてあるんですね。

 アニメ版も同じ設定なのかは分かりませんが、「原作を読んだら分かったアニメ版で“謎”だったところ」を一応書いておこうと思います。


◇ “檻”の能力
 原作1巻にはこう記述されています。

<以下、引用>
 この学校の敷地内は名瀬一族によって施された干渉結界で覆われている。普通の人間には無害だが妖夢や異能力者を認識すると即座に担当者へ知らされる仕組みが確立されていた。これによって僕は博臣と激闘を繰り広げることになったし、栗山さんはその存在を美月に捕捉されたのである。しかも警戒難易度を引き上げれば絶対不可侵の檻となる代物だ。
</ここまで>


 アニメではバトル描写での登場が主だったので、“警戒難易度を引き上げた”状態でのバリアー的な使い方が多かったのですが。元々の使い道としては、「対象範囲内に入った異能力者を認識する」能力なんですね。アニメではそこまでではなかったけど、原作では「町中に“檻”が張り巡らされているので、町中の異能力者の動きを名瀬家は把握している」と思われる描写もあります。

 1話での栗山さんの動きを博臣が知っていて9話で回想していたのも、4話では町中に“檻”や“結界”を張って“虚ろな影”を誘導しようとしていたために美月が博臣に「秋人の居場所」を訊いていたのも、9話では博臣には秋人の居場所が分からなかったのも、秋人の部屋に「誰か来たら分かるようにしておく」と博臣が何かを仕掛けたのも―――設定が分かってしまえば不思議なところはないですね。

 アニメでやっていた「ワープ」みたいな能力と、バレずに車の中の話を聞いていたのは、この能力では説明出来ないのですが……まぁ、原作でも秋人が名瀬家の能力を全て知っているワケではないでしょうしね。



◇ 3話で美月が部室の“檻”を解除させたのは?
 全く同じではないけど、原作にも同様のシーンがありました。

 アニメでは「人間と妖夢の戦い」がメインでしたが、原作では「人間同士」というか「異界士同士」の権力争いも大きく描かれているので……学校だからと言って、安心して情報を話せないんですね。
 原作では秋人は博臣に情報交換を求めて、他者に聞かれないために博臣は部室に秋人を呼び“檻”を張って盗み聞きを防いでいたのです。これが、“警戒難易度”を上げた状態なのかは分かりませんが、名瀬家の人間は“檻”を中和出来るので美月には侵入が出来たということですね。

 アニメのシーンを振り返ると、話している内容は原作とは違うのですが、一応これも「他者には聞かれてはいけない情報交換」だったんですよね。栗山さんの事情を博臣に訊こうとしている。しかし、話が脱線して眼鏡や妹について熱く語っているところに美月が来て“檻”を解除させる―――


 しかし、そうすると1話で美月が学食に秋人を呼びつけたのは何だったのだろう。
 原作にも同じようなシーンがある(話している内容は違う)ので、それをやりたかっただけなのか……
 アニメ公式ガイドブックによると、この高校には「本館」と「別館」があるそうで。教室や文芸部の部室や度々出てくる屋上は「本館」で、学食は「別館」とのことなので、博臣が“檻”を張ってあるのは「本館」だけだったということですかね。



◇ 美月は何故、“虚ろな影”対策に参加しなかったのか。
 アニメ版の3~4話で泉は町中の異界士を使って、“檻”や“結界”で“虚ろな影”を誘導させていました。しかし、美月は蚊帳の外で、一人部屋で塞ぎこんでいました。
 9話でも博臣に「美月は下がってろ」と言われていましたし、最終話では「いつも末っ子で留守番させられていた」と言っていました。美月は名瀬家の中では“非戦闘要員”扱いだったのです。


 アニメ版だと「妖夢を倒すと妖夢石が生まれてそれを換金してお金を稼ぐ」という設定があるため、名瀬家とは別のところで美月が勝手に戦っている姿が3話や6話で描かれていたので、全く気にしていなかったのですが……

 原作では異界士は「依頼された仕事をすることで報酬を得る」設定なので“組織に属していない”限りは戦闘すらさせてもらえないんですね。
 博臣は名瀬家の幹部クラスとして前線でバリバリ戦っているのだけど、美月は事務方の仕事しかさせてもらえていないんです。美月はほとんど実戦経験のない異界士なんです。そこに不満があるのです。


 原作でもアニメでも美月はコンプレックスを抱えたキャラなのですが、原作では「名瀬家なのに」戦うことが許されないコンプレックスで、アニメでは「名瀬家だから」普通のクラスメイトとは溶け込めないコンプレックスで。コンプレックスの出所が正反対だったんですね。


◇ どうして秋人は「巨乳好き」と言われたのか?
 アニメ版1話では美月に、3話では博臣に、秋人は「巨乳なら誰でもイイ節操のない人間」と言われます。アニメ版には特にそういう描写もないので「過去にそういうことがあった」という伏線なのかなと思っていたのですが、アニメ版ではそういう話にはなりませんでした。

 原作小説版を読むと、その辺が理解出来ました。
 原作の秋人は美月の巨乳に見惚れているんです。

 アニメの1話Aパートにも美月が“伸び”をして巨乳が強調されるシーンがあるのですが、原作だと秋人はその巨乳をマジマジと見つめ「視線がエロい」と怒られるのです。
 その後、アニメでも原作でも部室を出た秋人が栗山さんと一悶着あって、部室に戻って美月と「頑張らないと……卒業式の日に私から告白されるという夢が適わないわよ?」→「いつからそれが僕の夢になった」→「それは失礼したわ。秋人は巨乳なら誰でもいい節操のない変態だものね。私にこだわる必要は見当たらないというわけね。」という会話になるのです。あの“伸び”のシーンが伏線だったとは(笑)。


 美月に限らず、原作の秋人は秋人の一人称で進むだけあって、他の女性キャラにも結構ときめいているんですよね。彩華さんにもニノさんにも泉にも。博臣にも眼鏡をかけさせようとするシーンがあるし(笑)。
 アニメ化にあたってそういう「ハーレム構造」をやめて、「栗山さん一筋」に見えるように構成しているということを考えると―――前の記事に書いた「『境界の彼方』アニメ版は栗山さんルートだった」というのも、あながち間違ってはいないのかもなと。

 しかし、美月の罵倒だけは残したかったのか、唐突に秋人のことを「巨乳好き」呼ばわりするところだけ残って。原作では秋人のムッツリ助平っぷりを見せるシーンなのに、アニメだと美月のサディストっぷりを見せるシーンになっているというのは……やっぱりアニメ版の美月は可哀想だなぁと思いました(笑)。


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| アニメ雑記 | 17:50 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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サービス開始から1年が経ったMiiverseの現在は

 他の記事を書くのに時間がかかって、いつの間にか過ぎてしまっていましたが……Wii Uの発売から1年が経過しました。Wii Uの発売から1年が経ったということは、Wii U発売と同時に始まった「Miiverse」も1年が経ったということです(※1)

(※1:正確には北米版が発売された2012年11月18日から始まっている)


 このブログではWii Uの発売前や発売直後にMiiverseのことを何度も話題にしていたのですが、1年経ってその頃とは随分と仕様が変わりました。1周年を記念として、発売前や発売直後に書いた記事とどのくらい変わっているのか、Miiverseの現在はどうなっているのか―――書き残しておこうと思います。

(関連記事:Wii Uの新機能「MiiVerse」でゲームはこんなに面白くなれる!
(関連記事:Miiverseと『いつの間に交換日記』とTwitterの違い
(関連記事:Miiverseを実装した任天堂の未来は
(関連:『ファイアーエムブレム 紋章の謎』こそが「Miiverseのためのゲーム」になるだろう
(関連記事:Miiverseの「ネタバレ防止機能」は、もっともっと知れ渡って欲しい



1.WEB版 Miiverseのスタート
 2013年4月からスタートしました。
 PCやスマホ&タブレット端末からMiiverseを閲覧可能(後に投稿も可能)になりました。

 これはやはり1年間の変化の中で一番大きなことだったと思います。
 1年前はWii UからしかMiiverseを見られなかったため、Miiverseを見るためにはゲーム機を「ゲーム以外のこと」に使わなければならなかったんです。Miiverseに切り替えている間はゲームが出来なかったのです。
 「○○が分かりません!助けてください!」と投稿して、コメントが付くかどうかを確認するために、またゲームを中断しなければならなかったのですもの。


 そこから1年。現在はPCからでもスマホ&タブレット端末からでも閲覧&投稿出来るようになりました。
 自分は投稿はスクショやイラストを使いたいのでWii Uや3DSからしていますが、閲覧だけならPCやタブレット端末からしています。特に「○○が分かりません!助けてください!」と投稿する際には、タブレット端末を横に置いてコメントが付いているかかどうか見ながらプレイするようになりました。文字入力もキーボードがあった方が楽なので、コメント入力なんかはPCから投稿することが多いかな。



 また、WEB版が始まったということは――――
 例えばこんな風にブログでMiiverse投稿を紹介したりも出来るワケです。
 投稿の閲覧だけならニンテンドーネットワークIDを持っていない人でも見られます。

 「Miivereseにはリツイート機能がないから、面白い投稿があってもそれを他の人に広めることが出来ない」と言っている人をTwitterで結構見かけるんですが、それこそTwitterで紹介すればイイじゃんと私は思います。そのために、各種SNSで紹介するボタンが付いているのですし。こんな風に。
 

 注意点は、WEB版からの投稿だと「手書き入力」は出来ず、「スクリーンショット貼付」も出来ず、WEBからしか投稿していないと「このソフトをプレイ済です」マークが付かないらしいということです。実機で投稿しないと「この人はこのソフトを実際にプレイしていますよ」と認識してくれないらしいんですね。
 Wii Uが発売した直後にいた、「プレイ済マークが付いていないのに「このゲーム面白くない!」と言っている人」みたいになりかねませんので要注意。



2.3DSでもMiiverseが始まる
 2013年12月からスタートしました。
 今まではWii Uを持っている人しかニンテンドーネットワークIDを取得出来ず、コミュニティも原則としてWii Uのソフトだけだったのですが……3DSの本体更新によって、Wii Uを持っていない人でもMiiverseを利用出来るようになり、3DSソフトのコミュニティも出来ました。

 当然、Wii Uの普及台数と3DSの普及台数では(国内だけで言えば)10倍以上の差がありますから、3DS版の開始によって10倍の利用者が増える計算になります。厳密には3DSは一人複数台持っている人も多いし、ネット接続している率も違うから単純に10倍かは分かりませんが。


 例えば、有名人で言えばシガタケさんなんかも3DS版からMiiverseを始めていて、シガタケさんを知らない人から「しがたけ村の人ですか?」と訊かれていたりするという(笑)。シガタケさんを知らないのにしがたけ村は知っているのかよ、と。

(関連記事:そろそろ『とびだせ どうぶつの森』に飽きてきた人へ

 コミュニティ開設されたソフトはまだまだ少ないのですが……Wii Uの場合はどうしても「HDグラフィックの据置機」ですから市場規模が狭い割に開発費がかかるのでRPGみたいなゲームはなかなか作れないものなのですが、3DSならばもうRPGだろうがシミュレーションだろうがアドベンチャーだろうが揃っているワケですし。これから先、Miiverseを活かしたゲームも3DSならば生まれるんじゃないかという期待もあります。


 そうなると……ホント、「Wii Uの存在意義って…」という話にはなりますが(笑)。



 しかし、書いておかなければならないことが一つ。
 3DS版の開始によってMiiverse利用者が増えて、3DSのソフトもコミュニティが出来たことによって……ここ1週間話題になっていることなのですが、「CERO:D=17才以上対象」のソフトのコミュニティが大荒れになってしまっているのです。
 言ってしまえばちょっとエッチなゲームなのでスクショを貼り付けるだけでいかがわしい画像が載ることになって、それを良しとしない人が通報→「審査中」→「運営者による削除」という流れで、「プレイ済の投稿」が全然掲載されないという事態になってしまっているのです。

 最初は「何でもかんでも通報するなんて自衛団気取りかよ!」と通報した人に対してゲンナリしていたのですが、その通報を受け入れて運営者が削除しているということは……Miiverseでは「エッチなスクショは貼ってはいけない」というルールみたいなんですね。


 Wii Uのソフトしかコミュニティがない頃には、Wii Uのソフトが少ないので表面化しなかったのですが……多様なソフトが出る3DSに対応した途端に明るみに出てしまうという。これでは3DSで「ちょっとエッチなゲーム」が発売されなくなってしまうじゃないですか!!

 まぁ、それがMiiverseの正義だというなら、仕方がないのですけど。
 それならば「CERO:D=17才以上対象」のソフトのコミュニティは作らなければイイのにと思います。そうすると口コミが広がらないとか言っても、結局スクショ貼ると削除されるんだから、コミュニティがある意味ないと思いますし。



3.「フリー投稿」が可能になり、様々なコミュニティが出来る
 フリー投稿は2013年9月から可能になったそうです。
 「様々なコミュニティ」はいつからだっけかな……

 1年前にMiiverseの記事を書いた際には、「Miiverseはソフトの口コミ効果を狙ったものなので、単に自分に関する投稿をさせることは禁じているんだ」みたいなことを書きましたが。蓋を開けてみたら、Wii Uのゲームが全然出なかったので、Miiverseを続けている人はどうしたって「ゲームに関係のない投稿」しかすることなくなってしまい―――


 ということで、「自分をフォローしている人&フレンド」にだけ見せられる「フリー投稿」が出来るようになりました。それが決まっていたからというワケではないんでしょうが、色々な事件もあって3DSの『いつの間に交換日記』がオンライン機能停止になってしまったので、結果的に『いつの間に交換日記』の後釜のような機能になりましたね。

 個人的にはMiiverseと『いつの間に交換日記』の併用が辛くなってきた時期なので、Miiverseへの統合はありがたかったんですけど……

(関連記事:任天堂はどれだけ俺達に絵を描かせたいんだよっ!!



 難点は、自分をフォローしている人しか見ていないから大丈夫だろうと思って「エッチな絵」を描くと即座に「運営者による削除」を喰らうこと。「エッチな絵」と言ったって成人向けの絵じゃなくて、ちゃんと服を着ている巨乳ちゃんを描いただけで削除されている人を見かけました。

 「その程度でダメなの……」と正直呆れました。
 『いつの間に交換日記』では3DSボリュームを駆使して「揺れる巨乳絵」とかを描いていた私ですが、そういう絵を描いたら即座に削除されてしまうワケです。これは!表現規制と言わず何と言えばイイんですか!私はどこにおっぱいの絵を描けばイイんですか!おっぱいを!!私はおっぱいを描きたいんですよおおおおおお!!!!!


 まぁ、こういう人もいるので、「いかがわしい絵」を見つけた途端に即削除というのも分からなくもないです。



 また、「フリー投稿」とは別に「ソフトとは関係のないコミュニティ」も生まれました。
 例えば「スマブラコミュニティ」を作り、ソフトの発売前からみんなで『スマブラ』の話題をしたり、桜井さんが毎日開発中ソフトのスクショを貼り付けてくれたりしています。


 それと、一つのゲーム内でたくさんコミュニティがあるゲームや、自分達でコミュニティを作れるゲームなんかも生まれて―――Miiverse開始直後の「口コミのためのSNS」から「コミュニケーションのためのSNS」に変遷しているように思えますね。そりゃ、口コミするにも今年の前半は全くゲームが出ませんでしたからね。

 でも、例えば『Nintendo TVii』のコミュニティは番組ごとのコミュニティが出来ているので、例えば『キルラキル』のコミュニティを開くと『キルラキル』について語っている人が一斉に表示されるという優れもの。ただ、東京MXのアニメは番組ごとのコミュニティがないので、ここは何とかして欲しいです!(ない理由も分からんでもないけど)



4.「プレイ済の投稿だけを表示」「ネタバレ投稿を表示するかの設定」なんかも実装
 「プレイ済みの投稿だけを表示」は2013年2月に始まったみたい。
 「ネタバレ投稿を表示するかの設定」はスタート時にはなかったと思うんですが、自分の書いた3月29日の記事にはこの機能の話が書かれているので……2013年1~3月の間に始まったみたい。


 2013年1月に書いた記事には「未購入者の投稿」が多すぎて「購入者の投稿」が読めないと書いたのですが、2月のアップデートで「プレイ済みの人の投稿だけを表示」とすることが出来るようになりました。これでMiiverseの使い勝手が格段に良くなったのですが……

 先に書いたように、「プレイ済みの人の投稿」を片っ端から通報して非表示→削除に追い込んでいるコミュニティもあるので、「プレイ済みの人だけでゲームの話題を和気藹々と出来る」ワケではないんですよね。まぁ、エッチなスクショを貼り付ける人が悪いという言い分なんでしょうけど。



 「ネタバレ投稿を表示するかの設定」はどうもWEB版からは設定出来ないみたいなんですけど、これもMiiverseの楽しさが膨れ上がる機能なのでもっとみなさんに知ってもらいたい良機能です。WEB版からも設定出来るようにしてくれたらイイのに。



 これまでの話を書いてきて思うのですが、Miiverseはこの1年間で「便利」になったかどうかで言えば格段に「便利」になりました。
 PCから見られるようになって、3DSユーザーも利用出来るようになって、3DSソフトのコミュニティも出来て、フリー投稿も出来るようになって、えとせとらえとせとら。


 ただ、「面白く」なるとしたらこれからだと思います。

 例えばスクショを貼り付けられるからって『絵心教室』のソフトを用意しましたって言われても、別にそれってTwitterに投稿したってイイじゃんって思うのです。Miiverseがあるから劇的に面白くなるワケではありません。
 2013年10月に始まった「Wii U 画像投稿ツール」を使えばTwitter等にスクショを貼り付けられるようになりましたし、ますます持って「Miiverseって何のためにあるのだろう?」というところ。



 正直なところ、「MiiverseではWii Uは普及の起爆剤にはならなかった」のは確かだと思います。3DS版も始まった以上、これからは「Wii Uだけの魅力的な機能」ではなくなりますし。これから先のMiiverseの中心は、Wii Uではなくて3DSになると思います。

 逆に言うと、国内1000万台以上普及している3DSが抱えているSNSにはすごい可能性があると思います。3DSの場合、Wii Uよりも遙かにダウンロード専売ソフトも活況ですし。Miiverseを活かしたソフトは、Wii Uではなく3DSでこそ出てくるんじゃないかと思うのです。現時点では、まだ過去のソフトにムリヤリ対応させただけですけど。

 そういう意味で言えば、「Miiverseの評価」というのはもう「Wii Uの評価」とは離れてしまっていて、5年後10年後に次世代機へと移行するかしないかの場面で「任天堂がSNSを抱えている意味」が分かるのかなぁって思います。
 極端な話、仮に任天堂がゲーム機事業から撤退してスマホにゲームを出すようになっても、Miiverseは継続されるでしょうからね。だからまぁ、この1年ではまだまだ評価は下せないんじゃないかと。

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≫ EDIT

初見では絶対にワケが分からないであろう『境界の彼方』の伏線をまとめました

※ この記事はアニメ版『境界の彼方』最終話までの全12話のネタバレを含みます。
 閲覧にはご注意下さい。


 原作小説はこの記事を書き終えてから読み始めるので、今日はアニメ版の話です。
 アニメ公式ガイドブックは読んでいるので、その内容もチラホラ書くところがあります。


 自分がプッシュしていたアニメ『境界の彼方』が最終話を迎えました。
 正直言って、最終話を見終わった後は茫然自失となっていました。今まで張ってあった伏線や謎を消化しないどころか、最終話になってもなお新しい伏線や謎が生まれて、一見すると「え?なんでそうなるの……?」というラストでした。
 普通に話をまとめただけでも傑作になったアニメだったと思うんですけど、敢えて謎を残して、来年7月に発売されるブルーレイ7巻(新作未放送エピソード1話収録)で明らかになるあのね商法かよ花田先生、もしくは劇場版とか2期ありきの構成だったのかよ京アニ―――と、最終話を観た直後は正直思いました。

 私はこのアニメが大好きでしたから元々ブルーレイ7巻は買うつもりでした。
 ですが、冬アニメどころか春アニメも通り越して夏アニメのどれを観るのか選別するのに忙しい時期に「真相はこうだったんだよ!」と言われても、その頃には伏線なんて覚えていませんよ。






 ただ……時間を置いて、ちょっと冷静になってみると
 最初から『境界の彼方』はこういうアニメだった気もするのです。

 「分かりやすく真相を説明」なんてしてくれない。
 ところどころに“謎”とか“伏線”とか“違和感”を仕込み、そこから視聴者が真相を推察するしかないし――― 一応、推察すると「多分こう」という説明は出来るようになっている。(恐らく)半年後のブルーレイ7巻発売まで“正解”を与えてくれないのも、ある意味でこのアニメらしいっちゃらしいところです。


 「何故、栗山さんは最後この世界に戻ってこられたのか―――」

 秋人視点で考えると唐突な展開に「取ってつけたようなハッピーエンドだ」と呆れた人も多いんじゃないかと思いますし、「何故」の部分に完璧な説明は出来ないのですが……「栗山さんが戻ってくる」という伏線はちゃんと張ってあったんですね。



 このアニメは“謎”とか“伏線”とか“違和感”を恐ろしいほど詰め込んで構成されているので、初見ではワケが分からず「意味不明なシーンばっかだなぁ」と思ってしまうところも多いです。ですが、それらのシーンを繋げて考えてみると、実はこのキャラはこの時点で何を考えて何をしていたのかが見えてくるのです。


 「美月は、この12話の中で何をしていたのか―――」

 これを考えると、秋人の知らないところで何が起こっていたのかが見えてきます。
 いや、まぁ……「そうとでも考えないと自分の中に納得がいかない」というのは正直ありますし、それらを全部踏まえた上でも「テレビ版12話の中でそれを語るだけで傑作になれたのに」とは思うんですけど(笑)。「秋人は美月が何をしていたのかを最後まで知らなかった」結末を考えると、実はこの結末はとてもよく出来た結末だったんじゃないかと思えてきました。




 ということで、全12話の伏線をまとめてみました。
 「2周目」を観てもらえば「1周目」では気付かなかった色々な真相に気付けると思いますし、みなさんにも2周目を観て欲しいのですが。みんながみんな「アニメを2周観る」ことが出来るワケではありませんものね。時間の問題、金銭の問題、環境の問題、エトセトラエトセトラ……
 なので、2周目を観ることの出来ない人は「そんなシーンもあったなぁ、そう言えば!」と思って欲しいし、2周目を観られる人にも「そうそう、そのシーンがあのシーンの伏線になっているのよね」と“2周目のお供”になってくれればなと思います。

 くれぐれも「1周目」を観終わるまでは読まないように。
 この作品の魅力の大幅減になってしまうと思いますから。

 それと、「恐ろしいほど膨大な量がある」ので……「あのラストシーンは何だったの?」というところだけ知りたい人は、伏線まとめはすっ飛ばしてその後に書く「まとめ」の部分だけ読んでもらえればイイと思います。



 記事タイトルには「絶対にワケが分からないであろう」と書きましたけど、本当にそれレベルの伏線ばっかり列挙するとみなさんポカーーーンだと思いますので。三段階+2で表示します。

・「○」← 分かりやすい伏線
・「◇」← 「何だこのシーン……」という違和感だけを残す伏線
・「☆」← 伏線が張ってあることにすら気付かせない伏線

・「×」← 視聴者のミスリードを誘う場面
・「?」← 最終回まで観ても、結局よく分からない場面




【第1話:カーマイン】
<アバンタイトル>
◇ 学校の上空に張られている“檻”
・いきなりコレで申し訳ない(笑)。
・物語の幕開けで、上空から学校→町へと俯瞰視点でカメラが流れるのですが。
・この際に、鳥が学校に近づけないという描写があります。

→ この時点では、博臣の“檻”が学校を守っているということ。
※ また、“檻”は「断絶」を暗喩していて、この物語が「人間と妖夢の断絶」を描いているのだと見せているのかも知れません


○ 秋人が「自殺」しない根本的な理由
→ 不死身の半妖だから

・この「自殺しようとしていた栗山さん」というのはブラフなんだろうけど、ここで秋人が栗山さんの自殺を止めることが、ここからの物語が栗山さんが秋人のおかげで「生まれてきて良かった」と言えるようになる物語なんだと象徴しているシーンとも言える。
・ちなみに最終話のラストシーン、栗山さんは「フェンスの内側」に立っているんですよね。


○ 秋人を刺す前に手が震えている栗山さん
→ 唯を殺してしまった件で、妖夢を殺すことに躊躇いがあるから

・よくよく考えてみると、「自宅にとりついている妖夢」すら怖くて倒せない栗山さんが、ここでたまたま会った秋人を刺すというのは不自然なんですよね。栗山さんには「妖夢かどうか」が分かるとは言っても。
・泉の指示で、秋人を殺すように指示されていたから。
・ちなみにこの後に何度も栗山さんは秋人を刺すのだけど、どれも“目を見ないように”胴体を刺しています。


○ 秋人「この眼鏡を……かけてくれないか」
→ 最終話ラストシーンの台詞


<オープニング>
◇ オープニングの映像は「過去」の話
 10話を観た人なら分かると思いますが、『境界の彼方』のオープニングは「泉から連絡を受けた栗山さんが花野寺町に来るまで」を描いています。第1話が4月ですが、オープニングは恐らく3月。しかし、それは10話を観る前からある程度推察できるようになっていました。

・愛ちゃんだけ制服が違う(恐らくまだ中学生という時期)
・美月と博臣が登校しているシーンで、他の学生のネクタイとリボンを見ると「赤と緑の2学年しかいない」(3年生はもう学校に来ていない時期)
・栗山さんは制服を着ていなくて、他のキャラと一緒にいるシーンがない

 もちろん「だからどうした」という話ではあるんですが、重要なのは

→ この物語は、「第1話」よりも前から始まっていると最初に見せている


○ 栗山さんが持っている写真は?
→ 栗山さんと唯と桜の子ども時代
※ オープニングの最後の頃に、伊波家の前で写真撮影をしているカットもある


○ 桜と弥勒が一緒にいる
→ 桜はこの鎌を弥勒から預かっていた


○ そもそも歌詞が
→ 秋人と栗山さんの二人のこれからの物語を指し示しているように思える


<Aパート>
☆ このアニメで大切なのは“行動”と“意味”
 なんのこっちゃな人も多いと思うので、台詞を書き起こします。

秋人「何でもかんでも殺し方を残酷にすれば、読者の興味を引けるってワケじゃないだろ」
美月「じゃあ、どういう殺し方ならイイの?」
秋人「読者にとって大切なのは、“行動”と“意味”だと思うけどね」


 この二人が話しているのは、文芸部の傑作選に選ぶ“先輩達が過去に書いてきた小説”についてなんですが……これは実はこのアニメがどういうアニメなのかを最初に提示しているとも読み取れます。
 『境界の彼方』に限らず、深夜アニメには「ショッキングなこと」を起こして視聴者の興味を引きつける作品があります。『境界の彼方』だって「ヒロインが主人公を殺す」「ヒロインが消滅してしまう」というところだけを見ればそういう作品と言えるのですが……

→ この作品で重要なのはそうした「ショッキングなこと」ではなくて、「どうしてそういう行動が取られたのか」「そこにはどういう意味があるのか」の方が重要なんだと言っているんですね。

※ 作品の楽しみ方をAパートの最初のシーンで提示していて、これを踏まえて2周目を見ると「栗山さんの行動」や「美月の行動」にちゃんと意味があると分かるのです。


? 『赤ずきん脱いじゃいました』
→ シンボルを失うという暗喩で、最終話で栗山さんが眼鏡を失うという伏線?
※ 流石にこじつけだと思います(笑)
※ でも、最終話で栗山さんは眼鏡を失うし、道中で秋人は“不死身”の特性を失うし、「自分らしさ」を失うことの象徴とも言える……か?


× 秋人「(栗山さんは)誤魔化すの下手すぎ!」
・これは伏線と見るべきか、ミスリードと見るべきか……
・自分はこのシーンのおかげで随分と惑わされました。「栗山さんは平沢唯のように、嘘をつくのが苦手な裏表のないコなんだ」と。
・そしたら、まさかの「秋人を殺す使命」を与えられていたことをずっと隠していたという。
・ただ、10話を観てから2周目を観返してみると驚くんですけど、栗山さんって実はほとんど嘘をついていないんです。真実を隠す時は俯いて黙ったり、大きな声を出したり。

→ 栗山さんは「嘘をつかないコ」と視聴者をミスリードに誘うシーンのように思えるけど、実は栗山さんはこの後も嘘はほとんど付いていない。


? 美月「頑張らないと……卒業式の日に私から告白されるという夢が適わないわよ?」
→ 美月は「秋人は卒業式までに殺される」と知っていたということ?
※ 美月がどの段階で栗山さんの目的を知ったのかはテレビ版12話の中では描かれなかったので、保留。
※ ただ、泉が秋人を殺す計画を立てていることには勘付いていたとは思います。


? 美月「例え怒られても…課せられた使命から逃れることは出来ないから」
→ これも栗山さんのことを指しているようにも見えなくもない……か?


◇ 何故、栗山さんは秋人を殺すことにこだわったのか?
・栗山さんは俯いて答えません
・秋人は「恋!?」と妄想していたし、後に「僕を練習台に使っていたのか」と自己解決するのだけど
→ 本当は、泉からの指示で“秋人=境界の彼方”の抹殺のために栗山さんはこの町にやって来ていた。


<Bパート>
○ 栗山さんが妖夢を(ほとんど)倒したことがない理由
・「それに…」の後に黙るのは
→ 唯を殺してしまったことで妖夢を殺すことを恐れるようになった


☆ 美月の忠告が指し示しているものとは
 これも説明が大変なので、台詞を書き起こします。
 美月は第1話で2度も秋人に同じ忠告をします。何故か……?

【部室】
美月「まぁ…とにかく。栗山未来にこれ以上関わるのはよした方がイイわ」
秋人「……どうして?」
美月「この地区の異界士を管轄している…名瀬家の娘が助言しているの。それで分からなければ……アナタはバカよ」


【学食】
美月「名瀬家が栗山未来を警戒しているわ」
秋人「どうして?」
美月「代々その地を治める長というのは、排他的で保守的なものよ」
秋人「つまり……どういうことだよ?」
美月「これ以上…栗山未来に関わるのはやめなさい
 って私が言ったら関わるつもりなんでしょ?」



 比べてみれば分かるのですが、部室では「名瀬家の娘」として、学食では「名瀬家を注視している者」として忠告をしているのです。美月が何を意図して忠告したのかはテレビ版の全12話では描かれなかったのですが、これが指し示しているのは恐らく二つ。

→ 美月は名瀬家の人間でありながら、名瀬家とは別の意志で動いていること。
→ 「部室」は美月にとって、隠し事を喋られない場所であること(博臣に聞かれることを警戒している?)



◇ 栗山さんがこの町に来た目的
 すんごい遠めの絵なので分かりづらいけど、「特には…」と栗山さんが嘘をつく際には俯いています。

栗山「もし目的があったとして、ここで先輩に言うと思いますか?」
秋人「それは……つまり、“ある”ってこと?」
栗山「誘導尋問には引っかかりません」


 ここでは話が「栗山さん宅にいる妖夢」に行ってしまうし、この後に栗山さんは“虚ろな影”討伐のため単独行動に出るので「栗山さんは“虚ろな影”を倒すためにこの町に来たんだ」と視聴者も秋人も思ったことでしょうが…

→ 栗山さんは泉に「秋人=境界の彼方の抹殺」を依頼されてこの町に来た


○ 秋人「それは僕も同じだよ」
→ 触れただけで死をもたらす血を持つ栗山さんと、世界を破滅させる“境界の彼方”を自分の中に持っている秋人―――実はこの二人は似たような境遇の二人だった

・この時点で視聴者は秋人の力の凄さは知らないのだけど、栗山さんは泉に聞いて知っている。
・なので、栗山さんは秋人に心惹かれていき、以後栗山さんは秋人を殺せなくなる。


? 公園では夕方だったのに、栗山さんの家に着いたのは夜
・2話で明らかになるように、栗山さんの家はこの公園のすぐそばにある
・なのに、移動で夜までかかっているのは何故だ??謎。

→ 「夜にならないと出ない妖夢だから、夜まで待機していた」ってとこですかね。


? 博臣が泉に何かを報告して泉が微笑んでいる
・美月も何かを察してクッションを抱いている
・2話でも話題になるのだけど、1話アバンで学校の周りに張ってあった“檻”がAパートでは張っていなくて、おかげで秋人と栗山さんは学校で妖夢に襲われるのだけど……それは泉の指示だったということ?
・9話の回想シーンを見る限り、博臣は秋人が栗山さんに襲われている様を知っていたみたいなので、その報告かも知れない。博臣と美月には秋人の“監視”が命じられていたのだし。

→ 栗山さんと秋人の戦闘や、その後の妖夢登場などの学校での出来事を報告していた?

※ ただ、それって作中では「一日前」の出来事なんですよね……
※ 単なる思わせぶりなシーンという気もする


<エンディング>
 直接的な伏線はないんですけど、「たくさんの色」と「たくさんの花」と「たくさんの人」が出てくるエンディングの映像。「色」と「花」はこのアニメ全体でキーアイテムになっているとも言えて、「色」は各話のタイトルになっているだけでなく、キャラクター一人一人にイメージカラーが設定されています。

 エンディングの最初と最後、コマ送りにすると「誰かの手」と「花」のカットが細かく切り替わっていることが分かると思います。それぞれの花の色はキャラクターのイメージカラーに準じているっぽい。

【最初】
 ピンク→栗山さん→白→愛ちゃん→ピンク(紫?)→美月→青→博臣→白→栗山さん

【最後】
 オレンジ→秋人→ピンク→ニノさん→白→彩華さん→オレンジ→栗山さん


 博臣のイメージカラーは緑だけど、緑色の花だと画面に問題があると思われたのか青に。栗山さんのイメージカラーはピンク&白、美月は藤色、秋人はオレンジや黄色とアニメ公式ガイドブックに書いてあるのでそれに沿っていることが分かりますね。

→ オープニングが「まだこの町に来る前の栗山さん」を描いているのに対して、エンディングが「この町に来て色々なものを手に入れた栗山さん」を暗示しているのが面白いところ。



【第2話:群青】
<アバンタイトル>
○ 誰かを傷つけてしまった秋人の回想
→ 妖夢化した際に誰かを傷つけてしまったというイメージ

・何故このタイミングでこんなことを考えているのかは不明(笑)


<Aパート>
◇ 指輪を外す前に、秋人には当たらない距離だと確認する栗山さん
・呪われた血の力を解放すると「血に触れただけで相手を殺す」恐ろしい威力を発揮するので、それが秋人に当たらないように考慮した―――というのが普通の見方なんだけど。
・栗山さんの目的は「秋人を殺すこと」なんだから、本来は当たっても構わないはず

→ この時点で、栗山さんは「秋人を殺せない」ようになってしまっている


○ 妖夢を殺すことに躊躇している栗山さんの回想
→ かつて栗山さんが殺してしまった唯のことを思い出している

※ 前髪長い人は別人なのかと思っていたのだけど、あれはカチューシャを外すと前髪があれだけ長いって同一人物だったんですね


? 1話の時にはなかった栗山さんの家の前の園芸セット
・栗山さんの趣味が園芸だという伏線なのだろうけど……
・妖夢を倒してから数日経っているという伏線なのかなと思ってTwitterに書いたこともあるのですが、前後にちゃんと「明日」とか「昨日」とかの言葉があるのでそれは気のせいっぽい。
→ 栗山さんが貧血から起きてから買いに行ったのか、業者に届けてもらったのか


◇ 頑なに秋人のことを拒絶する栗山さん
・リアルタイムに観ていた時は「このコは平沢唯に似て可愛いけど、強情で面倒くさいコだなー」と思っていましたが……振り返ってみると、栗山さんは秋人を殺さなくてはならないので拒絶するのも当然でした。
・1話のラストで「自分と同じように孤独」と思って惹かれ始めた秋人に、「他にも女がいるんかい」「自分とは違って仲間がいる」ことを知って距離を取り始めるのも面白いところ。
・8話や10話を観れば分かるように、栗山さんって結構嫉妬心が強いんですよね(笑)

→ 「いずれ秋人を殺さなくてはならない」ので、距離を取ろうとしている


<Bパート>
? 博臣が“檻”を張り忘れたせいで掃除屋を呼ぶ羽目になった
・1話のAパートラストで妖夢に襲われた(ニノさんが退治した)件だと思われます。
・わざわざコレを言うということは、「敢えて」博臣は“檻”を張らなかったということなのかなと思うのですが……テレビ版12話の中では真相は明かされませんでした。
・ただ、9話を見る限り博臣は栗山さんと秋人の戦闘は見ていたようなので……「敢えて」説が有力じゃないかと思うのですが。

→ 不明。この件に限らず、博臣は視聴者に「コイツは何か裏があるな」と思わせるミスリードの役を担わされていたように思います。


○ 妖夢が攻撃的になっている理由
→ “虚ろな影”の接近で、本来攻撃的でない妖夢も攻撃的になっていた。

・細かいことなんだけど、博臣が「美月に頼まれたのか?」と訊いているということは……美月は“虚ろな影”の接近を教えてもらえていなかったということですよね。同じ名瀬家でも博臣と美月では立場が違うことを見せている。


○ 博臣と秋人の“休戦協定”
→ 博臣は秋人の中にいる妖夢(博臣は知らないが“境界の彼方”)に殺されかけているのだが、「秋人が余計なことに首をつっこんで妖夢化しない」限りは始末しないという“休戦協定”を結んでいる

・実際に戦ったら100%“境界の彼方”が勝つのだろうけど、博臣はこの時点では“境界の彼方”とは知らないし、4話で戦った際に「俺が消す!」→「こないだより成長している!」と博臣があっさり負けているので――――ある程度は本気なんだろうけど。
・アニメ公式ガイドブックによると、博臣は人間の状態の秋人と触れ合うことで「自分の使命」に疑問を抱き始めているそうなので……本心としては「戦わないに越したことはない」と思っているんじゃないかと思います。


◇ 栗山さんが美月に秋人との関係を訊くシーン
・この時、美月は「“観察”……かしら」と答えます。
・後々になって分かることだけど、栗山さんは秋人を“危険な妖夢”として認識していて、泉から「(秋人のことを)監視している」と聞いている。
・つまり、この美月の返答に驚いている栗山さんは「美月は名瀬家の人間として“監視”するためでなく、一人の人間として“観察”するために秋人の横にいる」ことに驚いているんじゃないかと推察されます。
・この時点で美月が栗山さんの立場を知っていたかどうかは不明なんですが……

→ 栗山さんが、美月は「名瀬家サイド」ではなく「秋人サイド」の人間だと察した


○ “虚ろな影”という言葉に反応する栗山さん
・に反応する美月
・この時の反応が気になって、美月はこの後に栗山さんの過去を調べることになる

→ 栗山さんと唯がかつて討伐に失敗して、栗山さんが唯を殺すことになってしまった原因の妖夢

※ 今になると分かるけど、栗山さんは“虚ろな影”が来ることを知らなかったみたいなんですね。だから「“虚ろな影”を倒すためにこの町に来た」ワケではなかったと。


◇ 栗山「私は……以前、この手で人を殺したんです」
・と言って、秋人のように「みんなと仲良く生きる」ことが許されないと言うシーン。
・もちろんこれは唯のことなんですけど……
・栗山さんはこの後に「秋人を殺さなければならない」のだから、秋人のように「みんなと仲良く生きる」ワケにはいかないと他者を拒絶するのも仕方ないですよね。
・リアルタイムで見ていた時は「面倒くさいコだなー」と思ったけど。

→ 唯を既に「殺してしまった」こともそうだけど、秋人をこの後に「殺さなくてはならない」ことを指していたのだと思います。


【第3話:ムーンライトパープル】
<Aパート>
○ 人がいる限り生まれ続ける妖夢と、それを倒し続ける異界士とは
・弥勒の目的は最後までよく分からなかったのだけど……
・最終話で明らかになる弥勒が自分の体内に妖夢を飼っているという話から考えるに、

→ 弥勒は「妖夢を倒す異界士」自体に反逆心があったのかもなぁとここの台詞から考えられます。


☆ 泉「(妖夢とは)決まっているじゃないですか。ただのバケモノですよ」
・弥勒に「貴女にとって妖夢とは何ですか?」と訊かれた泉の回答。
・このカットの直後に、場面転換のカットを挟まずに秋人の顔のカットに移るのです。
・ということで、泉が秋人を「ただのバケモノ」と認識しているという伏線でもありますし……
・8話でニノさんが泉のことを「バケモノよ」と言っていたシーンを思うに、これは泉が泉自身に対して抱いている感情だったとも言えるのです。

→ 泉が秋人のことを「ただのバケモノ」と認識していただけでなく、泉は泉自身のことも「ただのバケモノ」と認識していた。


× 博臣「アレが栗山未来か」
・これは流石にミスリードを誘った場面だと思うんですけどね。
・秋人の前で(後ろで)、栗山さんを初めて見たと博臣が言っているのだけれど……9話で博臣が回想した場面を見ると、博臣は(1話の)栗山さんと秋人の戦闘を知っていたし、泉と栗山さんが以前から知り合いだったことも知っていました。
・それを秋人には隠していたということだと思うんですけど、おかげで視聴者もまんまと騙されました。

→ 博臣が栗山さんを初めて見るシーンなのだけど、多分これは“嘘”だと思います



× 博臣「(栗山未来に)騙されているんじゃないのか?」
・これは見事なミスリードですよ。
・視聴者からすると、この時点では「栗山さん=厄介だけど嘘はつかないコ」「博臣=真相を知っているけど話してはくれない信用できない人物」くらいの認識なので―――博臣がそう言うということは、栗山さんが秋人を騙しているなんてことはないはずだと思ってしまう。
・実際には栗山さんには秋人も博臣も騙されていたし、博臣は全く真相を知りませんでした。

→ 視聴者に「栗山さんは信用できる」と思わせる見事なミスリード


? 美月「変態お兄ちゃん、“檻”をとっとと解除して欲しいのだけど」
・これはアニメ版12話を見ただけではよく分からないシーン。
・部室を“檻”で囲んでいたら誰も入ってこられないだろうし、それを美月が解除させる意味もよく分かりません。
・9話で博臣は秋人の部屋に「誰か来たら分かるようにはしておく」と言っているので、博臣の能力には「索敵」の能力もあってそれが部室にもかかっていたということですかね。
・そう考えると、1話で美月が秋人をわざわざ学食に呼び出した理由が説明できます。秘密の話をするのに、部室ではなく学食でというのには何か理由があっただろうし。

→ このシーンまで、部室には“檻”が張ってあって博臣の監視下にあったということかな?


○ 美月が秋人に「栗山未来の過去」を教えるのに、どうして秘密の場所を使ったのか
・あの話をすれば、秋人が栗山さんを助けるために“虚ろな影”に近づくことは想像できたはず。
・妖夢化の危険性を考えれば、「秋人が妖夢化したら殺さなくてはならない」博臣からすればその情報は教えたくなかったろうし(博臣は知らなかったみたいですが)、部室を避けたのも分かる。
・ただ、泉にとっては「秋人が妖夢化したら栗山さんが“境界の彼方”を殺せる」ので、望んでいた形だとも思います。流石に美月はそれを知らなかったでしょうが。

→ 秋人の妖夢化の危険性を考えれば、博臣に反対されるから。


○ 美月が情報をもらった「イチノミヤイオリ」
→ 美月は、名瀬家とは違うネットワークの情報網を持っているということ。


<Bパート>
☆ 栗山さんは何故博臣の名前を知っていたのか?
 “虚ろな影”討伐に向かう栗山さんを秋人が止めるシーンなのですが、栗山さんが口走った台詞が「あれ……?」と思える台詞なのです。自分は以前そのことを記事で「ミスですよねぇ」と書いていたのですが……全文を書き起こしますね。

栗山「先輩に何が分かるんです!
先輩は半妖だと言いました!私と同じ……特別な存在だと!
でも、違います!先輩には仲間がいます……博臣先輩、美月先輩、それどころか妖夢の彩華さんや愛ちゃんまで。」
秋人「それは……違う!」
栗山「何が違うんですか!!」


 1話のラストで「僕も同じだよ」と言ってもらえて、初めて自分だけが一人ではないと思えた栗山さんが、やっぱり秋人は違うんだと突っぱねるシーン……1話とも2話とも4話とも繋がっている見事なシーンなのですが。

あれ、どうして栗山さんは博臣の名前知っているの……と当時は混乱しました。
・栗山さんが秋人から博臣を紹介されるのは5話の冒頭だから、3話の時点では博臣を知らないはずなのに―――と、9話までは思っていました。あぁ、これはミスだ、と。
・そしたらどっこい、栗山さんは秋人と出会う前から博臣の名前を泉から聞いていたのです。「仲間」と言ったということは、泉から「秋人と仲良くし過ぎた」くらいのことも聞いていたのかも知れません。こんな伏線の張り方、聞いたことがないですよ!!(笑)

→ 栗山さんは秋人と出会う前から博臣の名前を知っていたという伏線。こんなの分かるか!!


○ 博臣の背中の傷
→ 過去に妖夢化した秋人に付けられた傷だと思われる。

・9話で「栗山さんに秋人を殺させるのか」と問い詰めようとした美月が、博臣の傷を見て一瞬言葉に詰まるシーンがあるので。


【第4話:橙】
<アバンタイトル>
☆ 栗山「なんで来たんですか!もし目覚めたら……」
・ミスだと思っていたら伏線だったシリーズ第2弾。
・この時点での栗山さんは、秋人の本当の力を知らないはず。だからずっとここはミスだと思っていて、「何やってんだよ。しっかりしてくれよ花田先生」とか言っていました。ゴメンなさい。

→ 栗山さんは最初から秋人が目覚めると“境界の彼方”になってしまうことを知っていた。


? 秋人はどうやって栗山さん達のところまで来られたのか
・これはアニメ版12話の中では説明されませんでした。
・秋人は「栗山さんの姿が見えたから飛び込んできただけ」と言っていたけど、“位置”が分からないだけでなくて、「オマエ、さっきまで家でオムライス作ってたじゃねえか!」というのも分からない。栗山さんと別れてから家に帰ってオムライスを作っている時間を考えると、追いつけるワケがないのです(栗山さんはトラックに乗って移動していたし)
・答えの前に間があるところから見ても、秋人も何かを隠しているみたいだし。

→ 不明。秋人には「いつでも眼鏡美少女のところにワープ出来る能力」でもあるのだろうか。

※ 11話でも栗山さんのところに一直線に飛んでいったし、あながちないワケでもない(笑)


<Aパート>
? 美月が秋人の居場所を博臣に訊いている
・これもよく分からなかったシーン。
・初見では「博臣の能力には“特定人物”の居場所を探知できるレーダー的な能力があるのかな」と思ったのだけど、9話を見る限り博臣は常に秋人の居場所を把握出来ているワケではないみたいだし。
・この場合のみ、町中の異界士が“結界”や“檻”を使っていたことで秋人の居場所を探知できたということなのかな。

→ 不明。博臣の能力の応用性がよく分からないので。


◇ 言い争いの途中で言葉に詰まる栗山さん
 このシーン、すっごく好きなシーンなので書き起こします。

秋人「こんな行き当たりばったりで、“虚ろな影”を倒すつもりだったのかよ!」
栗山「予定が狂ったんです!勝手に来ておいて文句ですか!?」
秋人「勝手に来た!?だったら僕に余計なこと言わないで一人で行けば良かっただろ!」
栗山「勝手に調べて、私の家の前で待ち伏せしていたのは先輩ですよね!」
秋人「そう仕向けたのは誰だよ!そもそも最初に僕に絡んできたのは栗山さんの方だ!」
栗山「それは……!」(言葉に詰まって俯く)


・これ、初見では秋人の方が正論を言っているように思えたのですが、
・10話を見た後だと、栗山さんだって好きで秋人に絡んだワケではないし、自分が殺すために秋人に近づいたことの負い目もあるし、ここで哀しい顔をして目を伏せて黙ってしまう栗山さんの気持ちも分かるようになっている。
・2周目を観た時に「あーーー」と思えるナイス場面。
・しかし、秋人。「そう仕向けた」のは栗山さんじゃなくて美月だと思うぞ。

→ 栗山さんにも事情があったのだ。


○ 異界士の力のない桜がどうして力を持ったのか
→ 弥勒が与えた鎌の力によって

・とは言え、子どもの頃は“虚ろな影”の空も見ることができなかった桜なので、本来なら妖夢の姿も見えないはずなんだけど……あの鎌の力によって見えるのか、子どもの頃から成長して妖夢くらいは見えるようになったのか。
・鎌を失った後の11話でも妖夢が見えていたみたいなので後者かな。


<Bパート>
○ 聴こえなかった栗山さんの台詞とは
→ 「さよなら」

・栗山さんは血の力を使うと秋人は死ぬと思っていたので、泣きながら「さよなら」と言った
・血の力を使って“虚ろな影”を秋人の体から追い出すというのは、終盤で血の力を使って“境界の彼方”を秋人の体から追い出す展開を御都合展開と見せないための前フリとも言えます。


◇ 泉の表情の意味とは?
・妖夢化した秋人が暴れている時に微笑んでいて、
・秋人が人間に戻った後に険しい顔をしている

→ 妖夢化した秋人=“境界の彼方”を殺すチャンスだったのに、栗山さんが秋人を殺せなかったから


◇ “鏡面世界”を見る美月と博臣
・秋人が妖夢化した際に現れた鏡面世界を二人が確認する
・美月はこの後「秋人を助けることは出来ない」と塞ぎこみ。
・博臣は9話で秋人=“境界の彼方”だと気付くきっかけになる。

→ 美月にとっても博臣にとっても、今後の行動に関わる大きな出来事だった


◇ 200円の妖夢石の正体
・これだけ細かく伏線をチェックしている自分も、まさかこれがキーアイテムになるとは思いませんでした。
・これは栗山さんが「さよなら」と言って秋人に血の力を使った際に現れた“境界の彼方”の欠片。これが後に秋人の体に戻り、栗山さんを助けることとなる。
・部室にずっと置いてあるから「何だろう」とは思っていたのですが。

→ 秋人の体から出た“境界の彼方”の欠片。

※ 200円なのか……


<Cパート>
○ “虚ろな影”の妖夢石を回収した泉の目的とは
・「これでしばらくは異界士協会の動きを止められます」とのこと。
・9話で弥勒がこれを奪還しに来た隙に、栗山さんが“境界の彼方”を倒そうとするので……“囮”として使えると判断したのだと思っていたのですが。
・これが弥勒の手に渡ったことで泉の計画が崩れるのだから、泉は「桜が持っていた鎌」の存在を知らなかったのか?

→ 若干謎なところも多いけれど、弥勒の足止めに使ったということかな。


【第5話:萌黄の灯】
<Aパート>
× 秋人「栗山さんって博臣達の家に来るの、初めてだったよね?」
・秋人は知らないが、当然初めてではない。
・泉の手引きで名瀬家の祖父にも会ったことがある。
・なので、この時の栗山さんの返答は「はい」でも「いいえ」でもなく、「あぅ」みたいなどっちつかずの返答だという(笑)

→ 視聴者に「栗山さんは怪しくない」とミスリードさせる描写


? 弥勒をにらむ秋人
・意味深なシーンだったけど何だったのだろう、これ。
・弥勒の方は秋人を“境界の彼方”だと知っているので(多分)、一瞥したのも分かるのだけど。秋人の方は弥勒に何を感じたのかはよく分かりません。

→ 単に弥勒の敵意を感じただけ?

※ にしても、秋人は男の眼鏡姿には興味ないのね。


◇ 泉が栗山さんにした「今後の話」とは
→ 秋人=“境界の彼方”を殺すチャンスを逃したことについて咎められる

・泉と栗山さんのラインに視聴者が初めて気付く場面。
・ただ、これまでに張ってあったミスリードを誘うシーンによって、この二人が以前からの知り合いであるとは考えにくい状況を作っているのが上手い。
・博臣と美月の表情も意味深だけど、この時点で二人がどれまで知っていたのかは分からないので保留。
・しかし、この後に慰めようとしている秋人がてんど的外れなことを言っているのが、2周目を観ると分かってしまう(笑)


☆ 栗山さんと美月の間に流れる気まずい雰囲気
 部室と喫茶店で二度、この二人は微妙な間で黙るシーンがあります。

栗山「あの……他には?」
美月「…?…これで終わりだけど?」
栗山「っ…・・・そ、そうですか」
美月「……」
栗山「……」


・10話を観た後に観ると、栗山さんはここで美月に「助け」を求めているように見えます。
・栗山さんは美月を「秋人の仲間だ」と認識している(2話の「“観察”かしら」)ので、秋人を殺さずに助ける方法はないのかを美月に相談したいのだと思われます。
・しかし、美月はそれを受け止めない(笑)。
・「前に言ったでしょう?私は秋人を“監視”しているんだって」の台詞は、美月のミスなのか、実は描かれていないだけでそういうシーンがあったのか。
・2話の時点では「観察」だったのが、4話を経て「秋人を助けることは出来ない」と思って、5話で「監視」と言葉を変えたと考えると……前者かなぁ。

→ 栗山さんは「秋人を助ける」ために美月に助けを求めているのだけど、美月は「秋人を助けることは出来ない」と歩み寄ろうとしない。流石、作品一のコミュ障。


○ 一人黙々と妖夢退治を続ける桜
→ 妖夢を喰わせることで鎌の力を強化させるため

※ その鎌の力は弥勒に利用されてしまうのだけど


<Bパート>
? 泉「異界士は異界士である限り、ずっと一人なの」
・美月を縛り続けた呪いのような台詞だけど……
・名瀬家を背負い、望まぬ形でつまらない大人になり、体内に妖夢を飼っている―――という最終話の泉の台詞から考えるに。
・泉は美月を「自分のようにはさせたくない」と思っていたのかも。
・そもそも「何故美月は祭りに行けなかったのか」が説明されていないしな…

→ この辺はよく分からないし、詳細に説明されても野暮という気もする。


☆ 写真館をクローズにした後、美月が栗山さんに何かを言う
・よーーく観ると分かると思うのですが、美月の口が動いていて何かを言っています。
・その直前に美月が回想していたシーンは

美月「躊躇いがなくなったわね」
栗山「いつまでも迷っていたら……何も変わりませんから」


・妖夢憑きを倒した時の二人の会話
・これを回想した後に何かを栗山さんに喋るということは、美月は「状況を変えるために迷うのを辞める」と決意した証。恐らくはこれ以降の美月は「秋人を助ける」ために行動を始め、栗山さんと美月は同盟関係になるワケです。
・なので、これ以降の二人はやたらイチャイチャしているという(笑)

→ 恐らく「秋人を助けるため」、美月は栗山さんと同盟関係になって動き始める


☆ 祭りでバッタリ会った秋人との会話
 これも全文書き起こしておきます。

栗山「先輩?」
秋人「栗山さん、美月……どうして?」
美月「『どうして』?便所飯でお馴染みの秋人を慰めるために決まってるでしょ?」
秋人「だから!何度も言うが、僕は誰の世話にも…」
栗山「先輩。みんな……一人だから、です。みんな……一人だから」


・これ、初見では唐突な会話に思えました。話が噛み合っていない、と。
・でも、栗山さんと美月がこの直前に同盟関係を結んでいるということを考えると、「誰の世話にもならない」という秋人の台詞を遮る栗山さんの意志表明なことが分かるのです。

→ 秋人を助けるため、栗山さんと美月は行動を始めるという表明。


<Cパート>
○ 祭りで泉とバッタリ会って、一歩引く栗山さん
→ 「秋人=“境界の彼方”の抹殺」から手を引こうと栗山さんは泉に伝える

※ なので、後ずさる動きをしているんですよね。



【第6話:ショッキングピンク】
・この回は本編の流れから外れたサブエピソードなので伏線らしい伏線はありません。
・逆に考えると、この回がリアルタイムではとても評判が良かったのって「この1話で説明されない意味不明なシーン」がなかったからかも知れませんね。
・ただ、この「最初に結末を見せて、どうしてこういう結末になったのかを後に描く」という構成は、この『境界の彼方』というアニメを端的に表しているとも思えますね。

・こうして全話の流れを見ると、「平和な日常」を描いているのはこの回だけという(笑)。


【第7話:曇色】
<Aパート>
? 『全裸リーマン』シリーズ
→ 『赤ずきん脱いじゃいました』と同じようにシンボルを失うという暗喩で、最終話で栗山さんが眼鏡を失うという伏線?

※ 「こじつけ」にしか思えないけど(笑)


○ 美月が打っているメールの内容
・これも詳細はテレビ版12話の中では明かされなかったのですが……
・文面は「鏡面世界の発生 今回のことについて、私の」と読めます。
・4話で秋人が妖夢化した際の現象について、5話での栗山さんとの同盟関係を経て、“誰か”に連絡を取っているのが分かります。これは「状況を変えるために迷うのを辞める」美月の行動ですね。
・相手は、異界士協会か神原弥生(秋人のお母さん)か。
・8話で弥生が「秋人が“虚ろな影”に近づいた」ことを知っていたので、弥生の方が可能性高そう。

→ 恐らく弥生に、秋人の妖夢化について連絡を取って「秋人を助けようとしている」。


◇ ニノさんの言う「泉に頼む」という“裏技”
・転入してくる桜を止めるために、地元の名士である泉の力を使うという手もある、と。
・これ自体は謎を残す台詞でもないんですけど……
・恐らく栗山さんはこの“裏技”を使ってこの町にやって来ているんですよね。
・栗山さんがこの町に来る3月の時点では高校入試は終わっているだろうし、身よりもないのにどうやってアパートを借りたんだって話ですし。
・泉と栗山さんが以前から知り合いならそのことに全部説明が付くという。

→ 泉には「学校への転入」を拒否できるだけの力があるので、栗山さんの件も泉なら簡単に処理できたという後々明らかになる真相に説得力を持たせる伏線。


? 秋人の作るオムライスは不味い
・伏線じゃないけど一応(笑)。
公式サイトによると秋人の母親の作るオムライスは壊滅的に不味いらしく、アニメ公式ガイドブックによると秋人の好物は「不味いオムライス」だそうな。
・普通の美味しいオムライスでは満足できない秋人は、なので自炊する際にはやたらオムライスを自分で作って食べているという。
・11話で愛ちゃんの作ったオムライスを食べていたけど、アレは美味しいのか不味いのか

→ 秋人にとっては「おふくろの味」なのだが、普通の人にとっては「不味い」


◇ 栗山さんが想像した「秋人の家に来ていた人物」
 ここも超好きなシーンなので、書き起こしますね。

栗山「先輩は一人っ子ですよね?妹も弟も、イトコもハトコもいませんよね!?
この靴……サイズ的に若い女性のものですよね?」
秋人「…先回り!?」
栗山「男子高校生が一人暮らしとなれば、それくらいのことは普通なのかも知れませんが……やっぱり、そういうのってどうなんだろうって思うんですけど!どうなんだろうって思うんですけど!!」
秋人「だから、思ったことを(ブログに)すぐ書くのは炎上の元だよ!!」
栗山「誰ですか!?」
秋人「えぇ……」
栗山「やっぱり美月先輩ですか?ですよね。私が知らないのをイイことに、二人でこっそり私の噂話ですか!」
秋人「ちがう!美月のワケないだろ!!」
栗山「じゃあ…彩華さん!?いや……愛ちゃん?いけません!相手は妖夢ですよ!」
秋人「だから、勝手に想像を飛躍させるな!!」
栗山「あーーーー!に、に、二ノ宮先生と!?」
秋人「ない!!!」
栗山「じゃあもしかして……っ!!ひ、ひ、博臣先輩!!アッキーの脇はあったか以上の仲だったんですか!?不潔です!不愉快です!不潔不愉快です!!」
秋人「あのなぁ……」


・あぁ……栗山さんは可愛いなぁ、というのは置いといて。
・共通の知り合いを漏れなく全員挙げているのに、泉の名前だけは出していないんですね。
・栗山さんは、泉が秋人を殺そうとしているのを知っているので。
・あと、美月と秋人の関係を真っ先に疑っておきながら、エロ展開ではなくて「二人でこっそり私の噂話」と想像しているのもポイント。栗山さんはこの二人がそういう関係にはなっていないのを知っているということなんですね。

→ 栗山さん視点からすると、「泉の名前を挙げない」のも「美月は秋人と恋仲にはなっていない」ことも分かっている。


<Bパート>
? 美月がヤキイモを飼っていることを泉に隠す理由
・泉は「妖夢」をバケモノだと言い放ち、秋人のことも殺そうとしている。
・美月がヤキイモを飼っている理由は明かされなかったし、美月と秋人との出会いも描かれなかったのだけど、ずっと一人で生きてきた彼女にとっては「妖夢であっても大切な存在」と―――相反した考えの姉妹なのだけど。
・泉は彩華さんのことは助けているし、そこまで急進的に「反・妖夢」というワケではないと思えます。体内に妖夢を飼っているというのは、彼女にとって負い目なのか……?

→ 「美月が、泉を信用していない」という描写なのだけど、美月がヤキイモを飼っている理由は明かされないので若干消化不良な件ではあります。


? 泉は何故「境界の彼方」と言ったのか?
・鏡面世界が広がり、「“凪”が来る……全てが止まる、停滞の時。そして……“境界の彼方”」と泉は言う。
・何故鏡面世界が現れたのか、どうして泉は美月に“境界の彼方”のことを教えたのか。
・ここはホント、よく分かりません(笑)。

→ 謎。「やったー!とうとう凪が来たから“境界の彼方”を殺せるぞー!」とテンション上がって口走っちゃったとしか説明出来ない(笑)。


【第8話:凪黄金】
<アバンタイトル>
○ 泉「“凪”の訪れにより状況に変化が起きると考えられます」
→ “凪”によって弱体化した“境界の彼方”ならば、栗山さんが秋人の体から追い出せるという計画。


<Aパート>
? 秋人が“虚ろな影”に近づいたことを弥生は知っていた
・まぁ、名瀬家からか異界士協会からか報告が行くのも当然だと思うのだけど……
・自分はこれは、7話の美月のメールによって伝えられたんじゃないかと思っています

→ 美月と弥生がコンタクトを取っていたというシーン?


? 美月は何故走っていたのか?
・弥勒と会うシーン。
・写真館で一人考えているようなカットもあるし、「どうしてアナタが…?」という台詞もあるので、誰かと会う約束をしていたところ弥勒がいた―――ってカンジですかね。
・異界士協会に連絡したら弥勒が来た、か。
・弥生に連絡したら何故か弥勒が来た、のどっちかですかね。

→ 「秋人を助けよう」と7話に打ったメールの相手と会うつもりだったのに、弥勒が来た……ってところだと思います。


◇ 弥勒は何を美月に語ったのか
・美月は4話で秋人が発生させた鏡面世界を見ている。
・7話で誰かにそのことをメールで送っている。
・8話で弥勒がやって来て「話しておこうかと思いまして、貴女が見たものについて」と、“境界の彼方”について話し始めている。
・つまり、美月はこの時点で「秋人=“境界の彼方”」だと察しているはずなんですね。
・美月はここで「栗山さんは秋人を殺すために近づいた」のだと気付いたのか、もっと前から気付いていたのか―――この辺はテレビ版12話だけではよく分かりませんね。自分としては「5話の時点で知っている」ように思えるのですが。

→ 秋人の正体と、それを殺すために栗山さんが泉によってこの町に呼ばれたことを教えた。


○ いきなりワープした弥勒の能力
→ 光の屈折を利用して幻影を見せる能力。

・何故これを美月に見せたのかは謎。


? 突然現れた博臣の能力とは?
・不明。
・泉と博臣にはワープ的な能力があるのかと思うのだけど、その有効範囲は長くないだろうし、姿を隠して尾行する能力でもあるのだろうか?
・この回のエンドカードで博臣が弥勒の車の後ろに乗っている絵があるのだけど、当然本編中の車の後ろには誰も乗っていません。ただ、その後の様子を見るに博臣は車内の会話を聞いていたようにも思えます。

→ 博臣の能力が多岐に渡りすぎてよく分かりませんが、姿を隠す能力ですかね。


<Bパート>
○ 秋人は何のために倒れたのか?
→ “凪”で弱っている“境界の彼方”を引きずり出すために、泉の凍結界で人間部分を更に弱らされたため。


○ 弥勒が誰かと喋っているのは何?
 ここも分かりにくいので書き起こします。

「エサは撒いておきました。そろそろ頃合でしょう。
元々“アレ”は僕が追っていたものですし。
分かっていますよ……名瀬家にはやらせません」


・エサを撒いていた相手というのは、美月のように思えて実は博臣。
・泉の行動に不信感を抱いた博臣が結界を開けることで、弥勒が侵入出来るということなんですが……
・“アレ”というのが「虚ろな影の妖夢石」を指すのか「秋人=境界の彼方」を指すのか「泉」を指すのかは不明。「名瀬家にはやらせない」ということは「秋人=境界の彼方」ですかね。
・そもそも誰と喋っているのか。弥勒が体内に飼っているという妖夢なのか、アレを通して異界士協会と喋っているのか。

→ 博臣を利用して「虚ろな影の妖夢石」を回収するという話みたい。


○ ニノさんと泉の関係は?
・この二人は多分長い付き合いで、ニノさんは泉を信用しているんですよね。
・11話で、秋人を追おうとする泉を博臣・美月・桜・弥生で立ちふさがるシーンがあるんだけど……ニノさんは参加しないんです。泉の肩を持つ発言もしているし、高校生組には分からない関係があるのだなと。
・ただ、奇しくもここでニノさんが泉を称した「バケモノ」という言葉は、3話で泉が妖夢を称した言葉で、泉=妖夢という図式をこの時点で見せているという。

→ 二人の長い付き合いを感じさせる場面だが、それが皮肉にも「泉=妖夢」という真実を浮かび上がらせるという。


☆ 桜に「良かったね……出会えて」と言われた時の栗山さんの表情
・10話を見てからこのシーンを見ると、栗山さんはすごく哀しい顔をしていることが分かります。
・殺さなくてはいけないから近づいた、殺さなくてはいけないのに惹かれてしまった、好きにならなければ何も考えずに殺せたのかも知れないのに―――
・ここから11話の「先輩と出会えて本当に良かったです」に繋がるという。

→ 「出会えて良かった」のか「出会わなければ良かった」のか、この時の栗山さんにはまだ分からない


? 弥勒は何故秋人の様子を見に来たのか?
・放っておけば、泉の戦略で秋人=“境界の彼方”が殺されると思ったから?
・弥勒の目的は、「“境界の彼方”を使って世界を滅ぼす」ことだったのか「泉の失脚」だったのか……自分は前者と見せかけた後者だと思っているんですが、正解はテレビ版12話の中では描かれていません。
・名瀬家が“境界の彼方”を殺してしまうと、どちらにしても弥勒の目的は果たせないので……「保護します」というのはあながち嘘じゃなかったと思われます。

→ 泉達に“境界の彼方”を殺させないため


【第9話:銀竹】
<Aパート>
○ 秋人が栗山さんの誕生日にあげようとしていた眼鏡
・10~12話で“境界の彼方”に取り込まれた栗山さんがかけていた眼鏡ってこれ?
・ちなみにアニメ公式ガイドブックによると、栗山さんの誕生日は3月31日。
・7月からそんなこと考えているなんて、気が早すぎるだろ!!

→ 多分、“境界の彼方”に取り込まれた栗山さんはこの眼鏡を具現化したっぽい。


<Bパート>
? 栗山さんに何かを言いかけて辞める博臣
・「アッキーを殺すな」と栗山さんに言おうとして、辞める博臣。
・ということは……この時点で、栗山さんが最初から秋人を殺そうとしていることに勘付いたのかな?

→ 博臣がいつから栗山さんを認識していたかも不明なので、これもどういうシーンなのかちょっと確定しづらい。


◇ 栗山さん「こんなことが待っているなら、こんなこと……知らなければ良かった」
・殺さなければならない相手ならば、最初から知らなければ良かった。
・だから、泉は忠告していたのだし、栗山さんは秋人を拒絶していたのに。

→ 「異界士」と「妖夢」として接すれば殺すことに問題はなかったのに、「人間」と「人間」として接してしまったがために殺せなくなってしまった。


○ 泉は栗山さんを呼びたてて何を伝えたのか
→ 満を持して、秋人を殺さずに“境界の彼方”を外に出す方法があると。

※ 10話の表情を見る限り、泉は栗山さんにこの決断をして欲しくはなかったのかなと思います。本当は「秋人を殺して自分は生き延びる」方を選んで欲しかったのかなと。


◇ 栗山さんは何を想って秋人と対峙したのか
・これは本当に素直にすごいなぁと思ったところ。
・9話を観た際、栗山さんは「これから一番好きな人を殺さなくていけない」という哀しさを背負っていると思ったのだけど……10話を観た後だと、栗山さんは「自分が消滅することで一番好きな人と別れなくてはいけない」哀しさを背負っていると分かるんですよね。

→ 1周目と2周目で正反対に見える描写にしてあるところが流石。


【第10話:白の世界】
<Aパート>
○ 並行して描かれる“夏”と“冬”の世界
・まぁ……説明するまでもないかも知れませんが。
・“夏”は秋人の体に残った栗山さんの血が見せている夢の世界。なので、秋人が知らない情報(桜が、栗山さんが秋人を好きだと知っている)(美月が秋人を助けようと尽力していた)もこの夢の中に出てくる。
・“冬”は栗山さんの血と融合して消滅を免れた“境界の彼方”が栗山さんを殺すために作り出した本物そっくりの世界。秋人と眼鏡は栗山さんが作り上げた傀儡。なので、栗山さんの頭を撫でてはくれない。

→ “夏”は秋人の夢で、“冬”は境界の彼方が作り出した世界。


◇ “夏”で秋人が見ていた妖夢石
・4話で200円と鑑定された妖夢石。ずっと部室に置いてあったのか。
・当然これの正体は……

→ 秋人の体から出てきた“境界の彼方”の一部。


<Bパート>
○ “冬”で栗山さんが追いかけているものと、現実で秋人が聴いている音とは
・栗山さんは“境界の彼方”の本体を殺すことで全てを終わらせようとしていて。
・秋人は、かつての半身である“境界の彼方”の叫びが聴こえている―――ってところか。
・恐らくこの時点では、栗山さんが“境界の彼方”を倒すと“境界の彼方”ごと栗山さんも消滅してしまうはず。

→ 栗山さんは自分の身を犠牲にしてでも、“境界の彼方”を消そうとしている。


【第11話:黒の世界】
<アバンタイトル>
◇ 「弥勒の鎌」は人の憎しみが塊になったもので、弥勒に相応しい
・つまり弥勒は人間全てに憎悪を抱いているのか、人間全ての憎悪を背負って生きているのか……
・これまでの言動から察するに、弥勒は「人間の憎しみが生む妖夢」を否定していないので後者なのかな。

→ 「妖夢=人の心の歪み」を肯定する弥勒にこそ相応しい武器ということか。


<Aパート>
◇ 博臣「確信はないが……母親と話をしてみるんだな」
・ここの台詞、最初見た時は「ここでこんな台詞があると後半に弥生が来ることに驚かなくなっちゃうからダメじゃん!」と思ったのですが。
・逆に考えると、

→ 博臣は3ヶ月の間に弥生とコンタクトを取っていたということか。


○ 博臣が喋る際に美月と目を合わせている
→ 3ヶ月の間にこの二人の関係も少し変わっていることが分かる。

※ 推察するに、美月と博臣と弥生が連絡を取り合っていたんじゃないかと思います。


○ 博臣達の能力が弱体化した理由
→ “境界の彼方”が栗山未来を殺すために、妖夢や異界士の力を吸収することで力を増幅しようとしている

・弥勒がこれまで仕込んできた“鎌”は、この力を更に促進させて、町中の妖夢を吸収させて“境界の彼方”を強化させるためのものだった。
・“境界の彼方”が栗山さんを倒すと、栗山さんから解放された“境界の彼方”は世界を滅ぼす。
・ということで弥勒が望んでいたのは「世界の滅亡」だったのかというと……
・結果的に、秋人が“境界の彼方”を取り込んで世界を守ったということは―――弥勒の行動が“境界の彼方”を守ったということか?それが目的だったのか?


<Bパート>
○ 何故、弥生はみんなのところにやって来たのか。
 全文書き起こします。

秋人「本当か?本当に栗山さんは生きているんだな?」
弥生「ええ、生きているよろ。未来ちゃんは今でも一人で戦っているよろ。
本当は手を貸せないのだけど、このまま“境界の彼方”が勝っちゃうと世界が滅びちゃうよろ。だから、非常事態ってことで柔軟な対応をすることにしたよろ。」


・“境界の彼方”「が」勝っちゃうと、なんですね。
・この時点での戦力は「栗山さんvs“境界の彼方”+弥勒の力で町中の妖夢の力を吸収している」なので、圧倒的に栗山さんが不利。このままだと世界は滅んでしまう。なので、秋人に助けに行くように言っている。

→ 秋人が行かないと世界が滅んでしまうから

※ 「本当は手を貸せない」の部分は一体……?
※ 弥生は、名瀬家とも異界士協会とも違う組織に属しているということ??


? 何故、弥生は“境界の彼方”の事情を知っているのか?
・弥生は「分かるでしょ?アナタの母親は神原弥生よ」と言った。
・秋人の出生の秘密に関係しているのか、弥生もかつてこういう経験をしていたのか、この辺はテレビ版12話の中では明かされませんでした。
・まぁ……この辺の設定は原作で明かされそうな気もする。

→ そもそも秋人の存在自体がどうやって生まれたのかが分からないので。


【第12話:灰色の世界】
<Aパート>
? 泉と弥生の関係は?
・どうも弥生は泉の小さい頃を知っている……?
・現在の二人の年齢を考えると、弥生は高校生の息子がいてもおかしくない年齢なので30代中盤くらいと考えられて、泉は美月の回想シーンから考えるに美月+10歳くらいに思えるので20代中盤くらい?
・二人の年齢差が10歳くらいだと考えると、この二人にも色々あったのだろうし……泉が美月に「異界士は異界士である限り、ずっと一人なの」と言った高校生くらいの時には、既に弥生が子持ちなので(秋人と美月が同い年だからね)。その頃には関係は途絶えていたみたい?

→ かつては知り合いだったけど、恐らく秋人達が生まれてからは会っていないみたい。


◇ 弥生はどうして博臣と美月の名前を知っていたか
・弥生は泉に「大人同士のウダウダにいつまでこの子達を付き合わせるつもりよ。異界士協会はもう動いているのよ」と言っている。
・異界士協会というのは弥勒のことか……?
・弥勒が泉の失脚を狙って行動していると考えると、それに秋人や栗山さんは巻き込まれているとも言えて。確かに弥生の言っていることは筋が通っている。
・そして、「博臣くん、美月ちゃん。秋人と未来ちゃんはただの妖夢と異界士ではない。特別な存在なの。よろしく頼みます!」と言って去っていった。

→ 作中では描かれていないところで、博臣と美月は弥生と連絡を取っていたのは間違いない。

※ 「続く!」じゃねえよ!!とは思いました。
※ 2期はあるんですかねぇ……


? どうしてニノさんは着替えたの?
・謎。まさか弥勒がイイ男だからってワケでもなかろうに。
・法被姿は「妖夢退治のユニフォーム」だから、弥勒戦には使わないということかな。

→ 不明。どう考えても着替える時間は無駄だ。

※ それはそうと、よく見るとニノさん→博臣にフラグ立っているんですけどおおおお!


※ 伏線関係ないけど、原チャリに秋人と栗山さんが乗るシーン。細かく一時停止して見てみると、栗山さんのパンツを見てしまった秋人がとっさに目を逸らしているのが分かります。
→ どうしても誰かに言いたくて書いてしまった。


<Bパート>
○ 弥勒は異界士協会の人間ではなかったのか?
→ 異界士協会が弥勒に全責任を押し付けただけだと思われる。

※ 泉は以前、「異界士協会は名瀬家の失墜を狙っている」と言っていたので。弥勒一人の意志ではなく異界士協会の意志ではあったと思います。


○ 泉は何故姿を消したのか
・美月が「お留守番から卒業」と言った場面、博臣が「姉さんのようにはならない」と言った場面、泉は微笑んでいるんですね。
・二人の成長を見て、自分はもう必要ないと思ったからか、自分のようにはならないと安心したからか。

→ 弟と妹の成長を見て、名瀬家の統括の責務から離れた。


☆ 「それが娯楽というものだろ」
 このアニメ、第1話のAパートで秋人と美月が「作品に大切なのは“行動”と“意味”」と言っていて。最終話のエピローグでも秋人と美月が娯楽について語っているんですよね。つまり、この作品とはどういうものだったかをここで二人が語っているのです。

美月「結局……最後は悪が滅びるのが分かっているのに読み進めるのは、まったく時間の無駄じゃない?」
秋人「それが娯楽というものだろ」


・この作品の“悪”とは何だったのか。
・全てのキャラクターが“行動”と“意味”を持っていたこの作品において、ただの“悪”は存在しなかったし。「妖夢」も「異界士」も「人間」も“悪”ではなかった。弥勒だって「妖夢」を“悪”とする者達を裁こうとしたのだし。
・栗山さんは“呪われた血”を受け入れて「生まれてきて良かった」と言えるようになったし、秋人は“嫉妬”も“絶望”も“哀しみ”も“後悔”も“我侭”も“猜疑心”も“憎悪”も“諦め”も“狡猾”も“保身”も受け入れて“境界の彼方”と生きていくことを選んだ。
・人間の憎悪=“境界の彼方”が“悪”だというのなら、この作品の結末は「それを受け入れて生きていく」決断をしたのであって、決まった“悪”が滅びる話では決してなかった―――というのと。
・それと、もう一つ

→ それが分かりきっているとしても、やはり最後はハッピーエンドで終わるのが娯楽なんだ。


 おかえり。栗山さん。



○ まとめ
 列挙してみれば分かるとおり、このアニメは最終話を迎えてもまだなお「説明が付かない」“伏線”や“謎”が大量に残っています。
 これらが説明されるのはブルーレイ7巻なのか、原作小説なのか、劇場版なのか、2期なのかは分かりませんが、テレビ版12話の中で説明されなかったことに自分は失望してしまったのですが……


 人間一人が認識できる“物語”なんてこんなものなのかもとも思うのです。

 秋人は「美月が秋人を助けるために何をしていたのか」を最後まで知りません。「博臣が何をしていたのか」も知りません。「弥生は一体どういう経緯で秋人の母親になったのか」も分かりません。「泉の正体」も分かっていません。でも、そういうものだと思うんです。

 たまたま栗山さんだけは、一度目の消滅の際に全てを語って消滅したから明らかになりましたけど―――それは、テレビ版の秋人は「栗山さんルート」に進んだからというだけの話です。
 「美月ルート」や「博臣ルート」「泉ルート」が、ブルーレイになるのか原作になるのか劇場版になるのか2期になるのかは分かりませんが、少なくともテレビ版では描かれませんでした。それはこの作品における必然だったのかもって思うのです。



 「名瀬美月」にとって、このテレビアニメ『境界の彼方』全12話は「秋人に選ばれなかった」物語だったのです。

 美月は秋人のことを好きだったのか――――
 自分は、美月→秋人は「恋愛感情」ではなく「似たもの同士の共感」だったと思っていましたし、秋人も多分そう思っていると思います。でも、栗山さんが秋人に惹かれた理由も、秋人が栗山さんに惹かれた理由も、最初は「自分に似ているから」だったじゃないですか。

 11話の病室で秋人が真っ先に栗山さんの心配をしたシーン、
 最終話で秋人が部室から出ていくシーン……美月にある表情は「自分は選ばれなかった」という表情なのです。


 美月が秋人を助けようと尽力していたのは確かだと思うのですが。
 作中ではハッキリとは描かれません。秋人も全く気付いていません。

「予めそう定められていたのか……
それとも、栗山さんが頑張ったおかげかは分からない。
それとも、僕の栗山さんへの想いが届いたのか――――」



 この作品最大の謎とも言える「何故、栗山さんは最後この世界に戻ってこられたのか―――」について秋人はこんなことを言っているのです。
 残っている伏線から考えるに、栗山さんが戻ってこられた理由に美月は関係していると思うのですが。秋人は全く気付いていません。


 “テレビ版12話の中では説明されなかった”ことで、誰にでも楽しめる分かりやすいエンターテイメントとは言いがたくなってしまったとは思うのですが。「敢えて説明しなかった」意図は分かりますし、美月視点で考えるとこんなに切ないハッピーエンドはないと分かるのです。選ばれなかったことで、描写すらされない、気付いてさえもらえない、これが名瀬美月にとってのエンディングだったのです。



「秋人……頑張らないと……卒業式の日に私から告白されるという夢が適わないわよ?」

 卒業式というのはエンディングのこと。
 「卒業式の日に告白される」というのは恋愛ゲームの定番のエンディングです。

 しかし、この「美月ルート」は選ばれなかったのです。
 第1話で提示されたこのエンディングを迎えることはありませんでした。告白されることも、真相が明かされることもありませんでした。栗山さんのように秋人から「ありがとう」と言ってもらえることもありませんでした。


 美月視点でこの物語を振り返ると、この物語は「主人公から選んでもらえなかったヒロインも、主人公を助けようと必死にもがいていた物語」だったのです。




 だから、やっぱり。
 この結末を迎えてもなお、私はこのアニメが大好きなのです。

 ありがとう。美月。



○ 余談
 ということで……アニメ版についての記事をようやく書き終えたので、これから原作小説版を読み始めようと思います。恐らくアニメ版で謎だったところも原作小説版では描写されていたり、原作小説版で描かれるためにアニメ版では明らかにならなかったりしたところもあると思うので。

 「アニメはアニメ」「原作は原作」と分けて考えるために、
 アニメ版についての記事を書き終えるまでは原作小説は読まないでおいていました。

 読み終わったら、また紹介記事でも書こうと思います。

| アニメ雑記 | 17:54 | comments:10 | trackbacks:1 | TOP↑

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この戦場に英雄はいない。『ファミコンウォーズDS 失われた光』紹介

『ファミコンウォーズDS 失われた光』
 ニンテンドー3DS用(ただしDSiウェア)/戦略シミュレーション
 任天堂/開発:インテリジェントシステムズ
 2013年10月30日配信開始
 クラブニンテンドーの2013年度プラチナ会員の特典、
 もしくはクラブニンテンドーポイント800ポイントで交換(2014年5月より)
 セーブデータ数:3
 公式サイト

ニンテンドー3DS LL ブルーXブラック (SPR-S-BKAA)ニンテンドー3DS LL ブルーXブラック (SPR-S-BKAA)

任天堂 2012-10-11
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 とりあえずストーリーモードをクリアしたところまでプレイしました。
 ネタバレになるので文字色を隠しますが、ストーリーモードは全26面で、私のプレイ時間は30時間弱でした。その他にも「トライアルステージ」や「フリーモード」、自分でマップを作る「エディットモード」もあり他人がエディットモードで作ったマップをインターネット経由で受け取ることも可能で、インターネット対戦も可能(ボイスチャット対応)。各ステージにはスコアとランクが記録されて、「実績」的なシステムもあります。

 ガッツリ遊ぼうと思えば、ストーリーをクリアするだけの3倍くらいの時間は遊べそうなのですが……全部遊んでから紹介記事を書こうとすると永遠に終わりそうにないので、ストーリーモードクリアを機に紹介記事を書くことにしました。



 このゲームは元々ニンテンドーDS用のパッケージソフトとして開発されていたもので、海外では2008年1月に発売されて非常に高い評価を受けたそうです。
 日本では……理由は分かりませんが、とにかくずっと発売されず。2013年度のクラブニンテンドーのプラチナ会員特典として無料配布されるという謎の展開。

 クラブニンテンドーに登録して、2012年10月~2013年9月までの間に400以上ランクポイントを貯めた人には全員配布されたということです。プラチナ会員になれなかった人も、2014年5月からはクラブニンテンドーポイント800ポイントで交換出来るようになるそうです。

 配布・交換された際には、クラブニンテンドーのページから「引換番号」を受け取って、3DSのeShopからその番号を入力するとダウンロード出来るようになります。ソフト自体はニンテンドーDSiウェアなのですが、(ニンテンドーDSiではなく)3DSでしか遊べないというのはそういう理由ですね。




 ということで……
 「プラチナ会員なら全員がもらえるもの」をわざわざ紹介する必要があるのかとは思ったのですが……
 このゲームが気になっているけどプラチナ会員になれなかった人、プラチナ会員になったけど時間がなくて遊んでいない人、3DSの内部容量がいっぱいだからダウンロードしていない人―――と、まだこのゲームを遊んでいない人もたくさんいらっしゃると思うので、そういう人達に向けて紹介記事を書くことにしました。

 ちなみにDSiウェアのブロックは「426ブロック」使います。
 容量の大きいソフトでも100ちょっとのブロック数が相場のDSiウェアの中ではずば抜けて容量が大きいです。DSiウェアはSDカードからの直接起動が出来ないので、内部容量のやりくりが大変で、自分はこのゲームのためにDSiウェア版『絵心教室』を削除しました。この後に『シャンティ』とか『コロぱた』がDSiウェアで出るのにどうしますかねぇ……



 こんな風に、遊ぶのに色々と面倒な本作。
 でも、遊んでみたらすげー面白かったです。


 自分は『ファミコンウォーズ』シリーズから派生した『ファイアーエムブレム』等のSRPGはガッツリ遊んでいましたが、『ファミコンウォーズ』シリーズは今作が初めてです。なので、今までのシリーズとの違いなんかを語るのではなく、『ファミコンウォーズ』シリーズを全くプレイしたことがない人に「初めてでも大丈夫なゲームなんだよ」と伝えていこうと思います。


↓ 以下、感想はクリックで。

≫ 「続きを読む」

| ゲーム紹介 | 17:56 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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自分が期待している2014年の冬アニメラインナップ

 今回で5回目!
 1月から始まる(主に)深夜アニメの中から、自分が「とりあえず第1話だけでも観てみよう」とした作品をリストアップするだけの記事です!

 アニメ初心者の人は「たくさん作品があってどれを観てイイか分からない……」と絶望してしまうかも知れないので、その目安の一つになれればイイかなと思います。
 冬アニメは、2013年『たまこまーけっと』、2012年『あの夏で待ってる』、2011年『魔法少女まどか☆マギカ』と毎年自分好みの作品が出ている季なのですが……今季ほど「軸」になる作品が見当たらない季はないと思っています。「とりあえずこれはみんな観るだろうな」という作品がないんですよね……そういう意味では今回のチョイスはすごく難しかったです。

(関連記事:超初心者のための“深夜アニメの楽しみ方”講座
(関連記事:超初心者のための“深夜アニメの選び方”講座
(関連記事:超初心者のための“深夜アニメの切り方”講座


 今回のラインナップには『銀の匙』(分割2クールの2クール目)は入れませんでした。自分を含め1クール目を観ていた人は観るでしょうし、1クール目を観ていなかった人は観ないでしょうし。
 ということで、今回はラインナップを7つに絞りまして、自分は最終的にこの中から2~3作品を選ぶ予定です。

 どうしようか悩んだのですが、こんな記事を書いた手前「メインキャラクターの男女比」が分かるように最初の5人の身体的性別を記しておくことにします。
 「5人じゃ検証にならないだろ」みたいな話はまだ必要ですかね。前の記事の繰り返しになりますけど「自分はこれがベストだと思ってやっているので、それ以外の方法がベストだと思う人は是非ご自身で検証してみてトラックバックを送ってください。」


 今回も『脳とアニメーション』さんの一覧記事を参考にさせていただきました。
 皆さんもそちらを読むとイイと思いますよ。



○ 『いなり、こんこん、恋いろは。』
 <公式サイト
 <女女男男女
いなり、こんこん、恋いろは。 (1) (角川コミックス・エース 326-1)
いなり、こんこん、恋いろは。 (1) (角川コミックス・エース 326-1)
いなり、こんこん、恋いろは。 第1巻 [Blu-ray]
いなり、こんこん、恋いろは。 第1巻 [Blu-ray]

 原作は月刊漫画誌ヤングエースに連載中。
 京都の伏見を舞台に、クラスメイトの男子に片想いをする女子中学生が神様と出会ってうんぬんかんぬんという話らしいです。自分が日参しているブログで原作が絶賛されていたことからずっと気になっていたのですが、あっという間にアニメ化されてしまいましたです。今、私は可愛い女子中学生に飢えているので非常に楽しみです。

 アニメーション制作は『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(1期)』等を作っていたAICから独立したプロダクションアイムズで、この作品が初の制作元請になるそうな。



 放送日程は、最速放送が東京MXの1月15日で、以後サンテレビ、三重テレビ、KBS京都、BS11等で放送されます。ネット配信もありそうだけど、発表はもうちょっと後になると思うので公式サイトをウォッチしてください。



○ 『となりの関くん』
 <公式サイト
 <男女女女男
となりの関くん① (MFコミックス フラッパーシリーズ)
となりの関くん① (MFコミックス フラッパーシリーズ)

 10分間のショートアニメだそうです。
 原作は月刊コミックフラッパーに連載中の漫画で、隣の席に座る関くんが授業中に先生の目を盗んで遊んでいるのを、隣の席の女子生徒の目線から描く「日本唯一の授業サボりマンガ」だそうです。やっべ、超面白そうと思いつつも、これをラインナップの1番手には持ってこれなかった私のチキンぶりを笑うが良い。


 最近は5分アニメや10分アニメも普通に人気になるものも少なくないのですが、自分のアニメ視聴のサイクルには合わなくてあまり観てこなくて……それでもコレは観ておきたいなと思ったので、30分アニメとは違う楽しみ方が出来るんじゃないかと自分の中への期待も大きいです。


 放送日程は、最速放送がテレビ東京の1月5日で。AT-Xや、そのほか各種ネット配信でも観られるみたいです。GyaO!は一週間無料みたいですね。



○ 『桜Trick』
 <公式サイト
 <女女女女女
桜Trick (1) (まんがタイムKRコミックス)
桜Trick (1) (まんがタイムKRコミックス)

 この枠って『けいおん!(1期)』の枠ですっけ?
 芳文社×ポニーキャニオン×TBSという組み合わせも共通。そして、百合!

 原作はまんがタイムきららミラクに連載中のガチ百合4コマ漫画だそうです。どのくらいガチかというと、まぁ結構なガチだそうです。
 キャラクターデザインが坂井久太さん。アニメ版『苺ましまろ』とか『ひぐらし』とか、最近では『人類は衰退しました』とか、丸みを帯びた可愛らしい絵柄が特徴の人で、この絵で百合ってくれるとは!と楽しみMAXにしております。『ストロベリーパニック』……?はて………?


 放送日程は、最速がTBSの1月9日で、MBS、CBCと続いていきます。
 TBS系列のBS・CSでは放送されますが、ネット配信は厳しいかな……有料ならTBSオンデマンドで出るだろうけど。



○ 『世界征服~謀略のズヴィズダー~』
 <公式サイト
 <女男女女女

 『Fate/Zero』『SAO』『物語シリーズ』など、大ヒットアニメを次々と出している土曜24時の東京MXテレビのアニプレックス枠(東京以外の地域ではどうだか知りません)。ひょっとしたら「日5」よりも「ノイタミナ」よりも、アニメファンにとってのゴールデン枠とも言える枠での今季はコレ。

 完全新作のオリジナルアニメ(コミックREXでコミカライズはされる)。
 監督は『DARKER THAN BLACK』や『青の祓魔師』の岡村天斎さんで、シリーズ構成はTYPE-MOONの星空めておさん、キャラクター原案は『キノの旅』や『サモンナイト』の黒星紅白さん。『まどか☆マギカ』が思い出される「なんだ……この組み合わせは……」感。


 順当に考えれば今季一番の注目作かなーと思うのですが、最近アニプレックス作品とは相性の良くない自分としては期待4割・不安6割ってところです。



 放送日程は、最速が東京MX・群馬テレビ・とちぎテレビの1月11日。ネット配信も多分あると思うので公式サイトをウォッチしておいてくださいな。



○ 『スペース☆ダンディ』
 <公式サイト
 <男女男男男

 今季の「なんじゃこりゃ……」枠。
 バンダイビジュアル×ボンズのSFアクションコメディらしいのだけど、公式サイトにも「現時点で参加が発表できるクリエイター一覧」というページが出来ているように、同業者・異業者ごちゃ混ぜの「約70人のクリエイター」と「約20人のアーティスト」が参加して作るオリジナルアニメだそうです。


 こ、このパターンは……「出来上がってみたら、クリエイターの名前は豪華だけど参加の度合いが大したことなくて内容が伴っていない作品になっていた」という未来がすごく想像出来るのだけど!この手の作品は「超駄作」か「奇跡の大傑作」かのどちらかになると思うので、とりあえず第1話は注目してみます。

 声が女性なので女キャラにしたけど、ヒロインはロボットで――――CVはアイドルグループ9nineの佐武宇綺さん。「なんで…?」と思ったら、『HUNTER×HUNTER』とかにも出ていたんですってね。



 放送日程は、最速が東京MXの1月5日で、TV大阪、テレビ愛知、BSフジ、AT-Xと続いていきます。ん、BSフジ……?



○ 『鬼灯の冷徹』
 <公式サイト
 <男男男男男※ 犬はどっちだか分からん
鬼灯の冷徹 壱 (モーニング KC)
鬼灯の冷徹 壱 (モーニング KC)

 原作はモーニングで連載中の漫画。
 “地獄”を舞台に閻魔大王やら桃太郎やらも出てくるブラックコメディだそうです。アニメーション制作はProduction I.G.から独立して『進撃の巨人』のアニメを制作したウィットスタジオですし、他の作品とは違う色の作品ですし、視聴ラインナップの中の一つには加えておきたい作品でした。


 ただ、関東だと↓の作品と微妙に時間が重なりそうなんですよね……


 放送日程は、最速がMBSの1月9日で、TBS、CBCと続いていきます。
 アニメイズムの枠はニコニコ生放送でも配信されていると思うので、今作もまだ発表されていませんがその内にネット配信の告知が出ると思います。



○ 『Wake Up,Girls!』
 <公式サイト
 <女女女女女
劇場版「Wake Up, Girls! 七人のアイドル」 初回限定版[Blu-ray+CD]
劇場版「Wake Up, Girls!  七人のアイドル」 初回限定版[Blu-ray+CD]

 7作品目をどれにするのかは悩みましたけど、これを外すと後悔しそうなので入れます。
 アニメ版『涼宮ハルヒの憂鬱』や『かんなぎ』で知られる山本寛監督の最新作です。東北を舞台にした「アイドルを目指す女のコ達」のストーリーで、“2011年3月11日”の後の世界を正面切って描いていくみたいです。
 思いっきり『あまちゃん』の二番煎じっぽいのですが、このアニメが制作開始された頃にはまさか『あまちゃん』がアイドルものだなんて予想できなかったでしょうし……クドカンvsヤマカンとか、そういうことではないと思います。

 山本寛さんは、まぁネット上では賛否の分かれる人ですし、私はどちらかと言うと「否」側なんですけど。面白いアニメを作ってくれるなら文句は言えないし、今回は得意分野とも言える“アイドル”が題材ですし、相当気合の入った作品になるという期待もあります。

 これからアイドルを目指す女のコ達の成長物語とするために、メインキャスト7人はオーディションで選考された「声優経験のない人達」。キャストの名前とキャラの名前もシンクロさせているとか。
 また、既にアイドルとして活躍しているライバルポジション(?)のキャストに、『らき☆すた』や『かんなぎ』のキャストが起用されているなど、メタ構造としても面白いことをしていると思いますね。“アイドルとは何ぞや”という話でもあります。


 劇場版は「前日譚」みたいですね。こういう戦略がどっちに出るのか……



 放送日程は、最速がテレビ東京の1月10日で、その後はテレビ愛知、テレビ大阪、仙台放送でも放送されます。

 関東の場合は金曜のテレ東1時23分~で、『鬼灯の冷徹』が金曜のTBS1時55分~で、我が家のレコーダーはW録画が出来ないので、どっちかの放送時間がズレると録画できないということに。早い段階でどちらかを脱落する必要があるかも知れない……



 この記事の冒頭部分で今季は「軸」がないと書きましたけど、逆に言うと幅広い作品が並んでいるとも言えて。自分が選んだ7作品も、「男女比半々の恋愛モノ」「女のコだらけの百合モノ」「男だらけのモノ」と毛色の違うものが揃いました。どれもすごく楽しみですが、毛色の違う作品を揃えたことで「脱落する」ものを選ぶのは大変そうですね……


 今回も早めに記事にしたのは、「他にもオススメ作品があったら早めに教えて欲しい」からです。他にもオススメ作品があったら教えてください。
 「面白いか分からないから第1話をちゃんと観て面白かったからオススメする」って人もいらっしゃったんですけど、1話の放送が終わってから観ると「1週間限定のネット配信」をギリギリのタイミングで観なきゃいけないんで大変なんです。放送前に言ってもらえればHDDレコーダーに録画して後で観ることも出来るんで、「面白いか分からない」状態でイイんで早めに教えてもらえると助かります。



 それはそうと……
 前回の秋アニメの放送開始前の記事を読み返してみたんですけど、その後に大絶賛する『境界の彼方』とか『ガンダムビルドファイターズ』を紹介するテンションの低さったらないね!
 アニメってホント第1話を観てみないと何も分からないし、その1話を観た途端に世界がひっくり返るくらいの衝撃を受けるもんなんですよ。なので、第1話だけでもどうぞー。


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| アニメ雑記 | 17:49 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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「ストーリーを語る装置」としてのRPG

 すごく面白かった記事。

 ドラクエは一本道だから面白いまつたけのブログさん)


 「ドラクエらしさとは何か?」という話は、『1』が好きな人『2』が好きな人『3』が好きな人『4』が好きな人『5』が好きな人『6』が好きな人『7』が好きな人『8』が好きな人『9』が好きな人『10』が好きな人『モンスターズ』が好きな人『アベル伝説』が好きな人、等々。様々な人がいて、それを語るだけで半日は過ぎてしまうような話題なのでここでは置いておきます。

 自分が面白いと思ったのは、まつたけさんはあくまで「このゲームが好きだ」と“自分を”語っているだけなのに、この記事を読むと『ドラクエ4』(1990年発売)から『ドラクエ9』(2009年発売)の約20年間で“ゲームがどう変わってしまった”のかが見えてくるところです。



 『ドラゴンクエスト』シリーズは日本のRPGの代表作で、「RPGと言えばドラクエのようなゲーム」と連想する日本人も多いと思うのですが。1990年における「RPG」と、2009年における「RPG」では、ゲーム業界における「RPG」の立ち位置が全然違うんですよね。

 かつては「ゲームでストーリーを語る」ためにはRPGが最適だと思われていたのが、今ではもうそうではなくなってしまった―――だから、『ドラクエ』も『4』と『9』では違うゲームになるのは仕方がないことだと思うのです。



○ 「ストーリーを語る」アドベンチャーゲームの登場
 元々コンピューターゲームには「ストーリー」なんてあってないようなものでした。
 1970年代の『PONG』や「ブロックくずし」でストーリーが語れるワケもありませんし、1983年の『ゼビウス』ですら重厚なストーリーは“ゲームの外で”設定として語られるものでした。
 ファミコン初期のアクションゲームなんかは説明書にストーリーが書いてあるだけで、説明書なしの中古で買ってくると「ストーリー」どころか「主人公の名前」も分からないでプレイしているのが普通でしたからね。

 状況が変わってくるのは80年代前半にPCで展開されていた「アドベンチャーゲーム」が、家庭用のファミコン等に移植される80年代中盤くらい。一応説明しておきますと、当時のPCの普及率は今とは比べ物にならないくらいに低かったのです。
 1985年にファミコン用に移植された『ポートピア連続殺人事件』は60万本の大ヒットで、1986年にはアドベンチャーゲーム向きとも言える「セーブ可能」「安価で書き換え可能」なファミコンの周辺機器「ディスクシステム」が登場し、(PCではない)家庭用ゲーム機でも「ストーリーを語るゲーム」が数多く発売されるようになりました。

・『ミシシッピー殺人事件』(1986年)
・『水晶の龍』(1986年)
・『さんまの名探偵』(1987年)
・『探偵 神宮寺三郎 新宿中央公園殺人事件』(1987年)
・『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』(1987年)
・『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』(1988年)
・『サラダの国のトマト姫』(1988年、PC版は1984年)


 『たけしの挑戦状』(1986年)はアクションもあるから『ゼルダ』寄りで考えるべきかな……
 この時期は西村京太郎さんや赤川次郎さんの名前の付いたゲームも発売されていましたし、「ゲームでストーリーを語る」ことが普通になっていった時期なんですね。アクションゲームが苦手な人でも遊べるし、アドベンチャーゲームは大人でも楽しめるジャンルだったのです。

 ですが……「ストーリーを楽しむゲーム」はアクションゲームやシューティングゲームのように「何周も遊んで上達する」ことが出来ませんし、当時のゲームの容量では何十時間も遊べるようなテキストを入れられませんし。コストパフォーマンスの悪さからか、市場の中心にはならなかったんですよね。




○ 「アドベンチャーゲーム」の問題を解決した『ドラゴンクエスト』の登場
 逆に……というか、「そんなアドベンチャーゲームを発展させた」というべきか。
 1980年代後半のゲーム市場の中心は、『ポートピア連続殺人事件』を大ヒットさせた堀井雄二さんの次作『ドラゴンクエスト』シリーズと、それに続く数々のRPG達となっていくのです。

 『ドラクエ1』なんかは分かりやすいですが、『ドラクエ1』って「アドベンチャーゲームに“戦闘”を足したゲーム」なんですよ。やることは「町の人に話を聞く」とか「○○に行って××を取ってくる」とか「△△と◇◇と☆☆を手に入れる」とか、アドベンチャーゲームとあまり変わっていないんです。
 ただ、その道中に“敵”が出てくるので「ダンジョンを撤退するかこのまま進むか」の葛藤とか、レベルが上がることによるパワーアップ要素とか、出てくる“敵”の違いで土地の違いが表現されるとか、全く違う遊びになっているという。


 RPGというジャンルは元々テーブルトークRPGから始まり、『ウルティマ』や『ウィザードリィ』が生まれ、それらのソフトの影響を『ドラゴンクエスト』も受けてはいると思うのですが。『ドラクエ』自身を含む以後の日本のRPGは、テーブルトークRPGよりもアドベンチャーゲームからの流れで発展したジャンルと考えた方が色々なことに説明がつくと私は思っています。アドベンチャーゲームをヒットさせた人が『ドラクエ』をヒットさせて日本のRPGの源流を作ったワケですからね。

 RPGはアドベンチャーゲームにはなかった「敵との戦闘」「レベル上げ」によってプレイ時間が長くなるため、アドベンチャーゲームが抱えていた問題を解決するジャンルと考えられていて……「ゲームでストーリーを語るジャンル」にはアドベンチャーゲームとRPGという二つの方法があって、1980年代後半はRPGの方が優勢だったと私は思っています。

(関連記事:母が『逆転裁判』を楽しめなかった理由

・『ドラゴンクエスト』(1986年)
・『イース』(1987年)
・『デジタル・デビル物語 女神転生』(1987年)
・『桃太郎伝説』(1987年)
・『ファイナルファンタジー』(1987年)
・『天外魔境 ZIRIA』(1989年)
・『MOTHER』(1989年)



 『ドラクエ』を作った堀井さん自身も元々は「フリーライター」ですけど、この頃のRPGは「異業種の有名人が企画を立てる」なんて作品も多かったですよね。
 『桃太郎伝説』は『ジャンプ放送局』の構成をしていたさくまあきらさん、『MOTHER』はコピーライターの糸井重里さん、『天外魔境』はアニメのプロデューサー等をしていた広井王子さん、『サンサーラ・ナーガ』はアニメ監督の押井守さん―――それぞれ関わり方は違うと思いますが、当時はまだまだ有名なゲームクリエイターが存在していませんから、異業種の人の「作家性」を発揮してもらうジャンルとしてRPGがあったんですね。

 この時代は、キャラゲーもみんなRPGになっていた時代でした。
 『ウルトラマン倶楽部』『ドラえもん ギガゾンビの逆襲』『ドラゴンボール 大魔王復活』……

 また、他のジャンルにもどんどんRPGが侵食していって、「アクションゲームにレベル制とストーリーを足したアクションRPG」「シミュレーションゲームにレベル制とストーリーを足したシミュレーションRPG」なども生まれました。兎にも角にもRPGという時代でした。


 『ドラクエ4』が発売された1990年というのは、そういう時代だったのです。
 「ゲームでストーリーを語るにはRPG」だったし「RPGと言えばストーリーを語るゲーム」でした。『ドラクエ4』以外にも、『イース』が生まれ、『FF』が生まれ、『シャイニング』シリーズが生まれた時代でした(『テイルズ』はもうちょっと後だけど)。


 でも、もう今ではそうではないと思うのです。
 技術が進歩した結果、RPGでなくても「ストーリーを語るゲーム」は作れるのです。この20年間でRPGというジャンルの立ち位置は全く別のものになったと言えるのです。



○ アドベンチャーゲームを復権させたノベルゲーム
 先の項で私は「80年代中盤にストーリーを語るゲームとしてアドベンチャーゲームが出てきたが、あっさりとRPGに取って代わられた」というようなことを書きました。当然それはここからの展開に向けた伏線です。

 1992年、「マイナージャンルに落っこちた」と思われたアドベンチャーゲームが『弟切草』という1本のゲームで再興します(※1)
 それまでのアドベンチャーゲームはクリアしたら終わりという問題を抱えていたのですが、『弟切草』は「選択肢によってストーリーが分岐していく」マルチシナリオのゲームで、再プレイ時には選択肢が増えて新たなルートが現れる等“何周も遊べるノベルゲーム”として以後に多大な影響を与えていくことになるのです。

(※1:これもファミコン版『ポートピア連続殺人事件』『ドラゴンクエスト』のプログラムを行っていたチュンソフトというのは、すごい興味深い話ですよね)


 『弟切草』から続くサウンドノベル第2弾『かまいたちの夜』は1994年に発売されて100万本以上を売り上げる大ヒット。以後は(サウンドノベルという商標は使っていませんが)各社から同様のノベルゲームが発売されていきます。1995年発売の『学校であった怖い話』なんかも有名ですね。

 ちなみに『弟切草』の脚本はテレビドラマの脚本家の長坂秀佳さんが多くを手がけていて、『かまいたちの夜』の脚本は小説家の我孫子武丸さんが書かれている―――と、ここでも異業種の有名人が参加して“作家性を発揮する”というのも面白い話です。




 さて、ちょっと話は変わります。
 1990年代のゲーム業界はやはり激動の時代だったんだなと思うことですが、ノベルゲームの台頭と重なる時期の1990年代前半に“美少女を題材にしたゲーム”が次々と台頭していきました(※2)

(※2:もちろん『中山美穂のトキメキハイスクール』等のように80年代に美少女ゲームがなかったワケではないのですが)


 PCゲームも家庭用ゲームもありましたし、アダルトゲームも非アダルトゲームもあるのですが…

・『プリンセスメーカー』(1991年)
・『卒業 ~Graduation~』(1992年)
・『同級生』(1992年)
・『ときめきメモリアル』(1994年)

 『プリンセスメーカー』は娘を育てるゲーム、『卒業』は生徒を育てるゲーム、『ときメモ』は自分を育てるゲーム―――と、この時期のギャルゲーは“育成シミュレーションゲーム”でシナリオよりも自由度の高さに比重があったと思うのですが、ドラマ性の高い『同級生』『同級生2』がヒットしていったことで“ストーリーを語る恋愛アドベンチャーゲーム”も人気のジャンルになっていきます。




 そして、もう一つ。
 1995年にWindows95が発売されて以降、PCの普及率はどんどん上がっていきます。

 「『弟切草』的マルチシナリオのアドベンチャーゲームの定着」「美少女を題材にしたゲームの台頭」「PCの普及」の3つが重なり、1990年代後半以降はPC用のマルチシナリオの美少女ゲームが「ストーリーを語るゲーム」として主流になっていくのです。これにもアダルト・非アダルト、同人・商業、PC用・家庭用への移植などなど、様々なタイプがあるんですけどね。

・『EVE burst error』(1995年)
・『雫』(1996年)
・『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』(1996年)
・『To Heart』(1997年)
・『ONE ~輝く季節へ~』(1998年)
・『Kanon』(1999年)
・『月姫』(2000年)
・『ひぐらしのなく頃に』(2002年~)
・『沙耶の唄』(2003年)
・『Fate/stay night』(2004年)


 この手のジャンルに詳しくない人は(私も別に詳しくはないけど)、「PCの美少女ゲームなんてオナニーのためのゲームでしょ?」と思われるかも知れませんが。感動ものの“泣きゲー”や、重厚な設定で戦ったり、殺されたり殺したり……どっちかというとシナリオ重視のジャンルであって、むしろ「ストーリーでのみ勝負する」ゲームであると言えます。

 実際、かつてはアダルト作品を出していた会社も「エロシーンなんて要らないんじゃね?」と非アダルト作品を出すようになったり。PCではアダルト作品扱いだったものを、家庭用ゲーム機にエロシーンを抜いて非アダルト作品として移植してもヒットしたり、非アダルトのテレビアニメになっても大ヒットしたりしていますからね。


 以前、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の脚本を書いた虚淵玄さんがラジオに出演した際、「どうしてこんな斬新なことをやろうと思ったのですか?」と訊かれて「いやいや、元々アダルトゲームでやっていたことをテレビアニメでやったら、アダルトゲームを知らない人達から「斬新だ!」と言われただけなんですよ」と答えていて、絶妙に分かりやすい表現だなと思いました。

 一応言っておくと虚淵さんはニトロプラスで、アダルトゲームのシナリオを書いていた人ね。今や超売れっ子のアニメ脚本家ですけど。



 冒頭で紹介したまつたけさんの記事の後半にこういう記述があります。

<以下、引用>
 だからビジュアルノベルというのか、人によってはゲームとすら認めないようなエロゲーとかの分岐を選択していくだけのアドベンチャーゲームもすごく好き。最初にやったFate/stay nightもめっちゃハマったけど、CROSS†CHANNELが死ぬほど好き。酸欠起こすほど泣いた。
</ここまで>


 「ドラクエとは全然関係のない話」と仰られていますけど、これこそが『ドラクエ4』と『ドラクエ9』の違いの理由だと思うんです。かつては「ゲームでストーリーを語る」にはRPGが最適だと思われていたけど、90年代後半以降は「ビジュアルノベル」に代表されるアドベンチャーゲームの方が優勢になったんじゃないかと思うのです。

 より実験的で、より作家性が発揮されて、ストーリーのみで勝負する誤魔化しの出来ないジャンル。
 もちろんアドベンチャーゲームはその後「ビジュアルノベル」しかなくなったワケではなくて、『逆転裁判』(2001年)、『レイトン教授と不思議な町』(2007年)、『428~封鎖された渋谷で~』(2008年)、『STEINS;GATE』(2009年)、『ダンガンロンパ』(2010年)と、様々なタイプのアドベンチャーゲームが発売されていて。『レイトン教授』は若干微妙かも知れませんが、どれも「ストーリーで勝負するためには」を考えてゲーム性だったり演出だったりを発明したシリーズとなっています。




○ 「ストーリーを語る」以外の道を進んだRPG
 さて、一方のRPGは……というと。
 1980年代後半は『ドラクエ』の後追いで多くのRPGが生まれたワケですが、そうしたRPGの全てが志もなく「ドラクエのおこぼれで売れればイイやー」なんて思って作られたのではありません。それぞれがそれぞれの独自のシステムで、「ドラクエとは違うRPG」を目指しました。

 その一つの流れが「それぞれのプレイヤーが好きなようにキャラクターを育てられる成長システム」です。“敵”を仲間に出来る『女神転生』(1987年)、熟練度システムの『FF2』(1988年発売)、主人公が全く成長せずに竜だけを強くする『サンサーラ・ナーガ』(1990年)――――

 『ドラクエ3』(1988年)の「酒場で好きな仲間を選ぶ」「転職によって複数の職業が組み合わさった仲間になる」というシステムの時点で、既にその道筋は決まっていたようにも思えるのですが……アドベンチャーゲームが『弟切草』を出す1992年に、『ドラクエ5』が「モンスターを仲間に出来るシステム」を採用し、『FF5』が「ジョブとアビリティを組み合わせるシステム」を採用していたことも象徴的だなと思います。

 その後のRPGは、1996年に『ポケットモンスター』が超特大ヒットをして“育成シミュレーション”要素の強いゲームがメインになっていきますし。『ドラクエ』も『FF』も、毎回「新しい成長システム」を取り入れていきます。

 アドベンチャーゲームが『弟切草』の登場以後「ストーリーを語るゲーム」として発展していくのと同じタイミングで、RPGは育成シミュレーションゲーム寄りの発展をしていくんです。

(関連記事:RPGは変わった(20年前に)



 まつたけさんのブログとは別に、最近話題になった『ドラクエ』の記事。

 ドラクエとソーシャルゲームの違いがわからない
 (大彗星ショッカーのヒマつぶし2さん)

 『クロノ・トリガー』はイイのかよ!とは思うのですが(笑)。
 私もこの意見は分かります。というか、前に書いています。「ネット上をいくら調べてみても、ドラクエがそんな風に批判されている記事はほとんど見つからなかった。」というのは、どういうことだ。『やまなしなひび』というエレガントでセンセーショナルでミラクルなブログが検索では見つからないということか、どういうことだ。Google八分ってヤツか。


 『パズドラ』にハマれなかった自分が思う、「探索」要素の危機

 この記事ではRPGを「探索」「育成」「戦闘」「ストーリー」の4要素で考えて、ソーシャルゲームや『パズドラ』はその中から「育成」と「戦闘」だけを切り取ったゲームだ――――という記事でした。
 『ドラクエ』には「探索」も「ストーリー」もありますけど、ソーシャルも『ドラクエ』も一本道だからこそ大人気になったと私は思っているので……「『ドラクエ』もソーシャルも嫌いだ」という人の言い分は、同意はしませんけど納得はします。


 ちょっと話がずれてきてしまいました。
 『パズドラ』は言ってしまえば「ストーリーのないRPGの大ヒット作」という究極の形とも言えて、もはやRPGにストーリーは必要ないのか?というところまで“「ストーリーを語る装置」としてのRPG”は来ているんじゃないかなと思います。



 プレイステーションが大人気だった1990年代後半、『FF7』に代表されるスクウェアのRPGが「ムービー」を使うことによって映画的に「ストーリー」を語っていました。あの時期はそうしたゲームが主流になっていましたから「最近のRPGは一本道のムービーゲームになってしまった」的に言われていましたよね。

 だから、あの時期が“「ストーリーを語る装置」としてのRPG”のピークだったようにも思えるのですが、あの時期には既に“「ストーリーを語る装置」としてのRPG”は崩れ始めていたんじゃないかなぁって思うのです。あの時点で、スクウェア以外のRPGはもう付いていけなくなっていたというか。

 PS唯一のナンバリングタイトルになった『ドラクエ7』は「あの頃から開発が長期化するようになった」と言われていますし、一方の64では『MOTHER3』が開発中止にまで追い込まれていました。64版『MOTHER3』開発中止の際のイトイ新聞から、糸井さんと宮本さんと岩田さんの鼎談をちょっと引用させてもらいます。


 6ページ目から。

<以下、引用>
糸井「で、あこがれちゃうんですよね。
 ロールプレイングゲームというのは記号と記号が出会って何かが起こったとき、また記号で表現されるみたいなシステムですよね。
 そこに対する欲求不満がいつもあって、記号以上のものに見せていきたい、となったときに、マリオ
(※ 64の『マリオ64』のこと)の中にものすごくいいヒントがあったりする。
 こんなに、生理的に体感できるドラマになる、ということを、入れられるんじゃないかって。」
 
岩田「 映画的な手法を、上手に使って、ロールプレイングというものの刺激を強められるんじゃないかというのを、みんなが思っていることですからね。」
 
宮本「 N64のはじめの頃、ドラクエの堀井さんにマリオの試作品を見せたんですよ。
 堀井さんも、一気に3Dに走るんですよ。 この感じでドラクエがやれたら全然違うって。
 でもやっぱりまともにここに入ってくるとドラクエじゃなくなるから、まだまだですよ、って止めたんですが、止めたせいでPSへ行っちゃったかもわかりませんけど(笑)。正直すぎたかも。

 あの冷静な堀井さんでさえも、ほとんど現実に近い感じのところに自分のキャラクターを全部置いてみるということにすごく興味を持っていました。」
 
糸井「したいんですよ、たぶん。」
 
岩田「たぶん、シナリオを書くひとの本質的な欲望だと思いますよ。」
 
宮本「僕は、逆に、あれを見せないから堀井さんの筆が面白いんやないか、って。」
 
岩田「それは第三者だから分析できることじゃないですかね。」

</ここまで>


 次に11ページ目から。

<以下、引用>
糸井「でもね、そういう大きい世界が描けるんじゃないか、っていう夢の世界は、いままでで一番うれしかったかもしれない。(※ 『MOTHER3』でやりたかったことは)
 
宮本「「ゲームを超えて」ってことですか?」
 
糸井「うん。ゲームを超えてって言っていいのかわからないけど、ここまでできる、みたいな。」
 
宮本「ちょうど、その頃、映画のクオリティとゲームのクオリティに歴然と差があったのが、埋まってきた時期ですよね。
 『MOTHER 3』を作り始めた頃に『スーパードンキーコング』が出てきたり、それから、ムービーの片鱗がゲームにもぱらぱら出てきたりして。
 またそれまでは、『ファイナルファンタジー6』と映画の間に明らかに溝があったし。」
 
岩田「というか、一気に埋まりそうに見えた時期。」
 
宮本「ゲームのクオリティが、世間にある高級エンターテインメントと肩を並べてきた時期で、表現に関してはそこまでいったから、あとはその表現つきの新しいアイディアってことでものすごい騎馬兵を手に入れたみたいな、ものすごい軍隊が作れるって気がしたんですよね。」
 
糸井「うん。したんですね。」
 
宮本「だから、ちょうどその時期にのったんですよ。
 その軍隊を仕立てることばかりに興味がいっちゃって、そこからどう戦うかみたいな戦略への興味が薄かったのかなあと思いますよね。」

</ここまで>
※ 改行・強調・読点など、引用者が手を加えたところがあります


 セガサターン、プレイステーション、NINTENDO64の時代、ハードは違えどどのハードも「ゲームに3Dが本格的に加わった時代」でした。
 RPGに3Dが加わるというのはどういうことかというと、「カメラワーク」の概念が生まれるんです。2Dだった『FF6』の時代はプレイヤーは固定のカメラでキャラクターを見ているので「舞台演劇」のような楽しみ方になるのですが(そう言えば分かりやすくオペラ座とかあったな)、『FF7』になるとカメラをグルグル回して「映画的な演出」が出来るようになったのです。


 『ドラクエ』を作った堀井さんも、『MOTHER』を作った糸井さんも、言ってしまえば「2DのRPG」の良さを知り尽くした人達です。そんな彼らでさえもその新しい表現方法に惹かれてしまい、そして苦しめられる―――
 「ストーリーを語るRPG」がここで絶滅したワケではなく、今でももちろん生き続けていますが……『ドラクエ7』の開発期間が珍しくないくらい開発が長期化してしまうジャンルになってしまい、大型タイトル以外はなかなか生まれなくなってしまいました。



 RPGが「ムービー」を手に入れて映画的表現を可能にした結果、1990年代後半は付いていけないシリーズがたくさん生まれました。
 そして、全く同じような時期にPC用ゲームでは「ビジュアルノベル」が人気ジャンルになっていたというのは面白い話です。



 実際、今の時代は「ストーリーを楽しみたい人」がわざわざRPGを遊ぶかと思いますからね。早くストーリーの続きが見たいのに、その為にザコ敵と戦って「育成」して、ダンジョンに潜って「探索」して、ボスとの「戦闘」に勝ってようやく話が進む。しかも、昔と違ってクリアまでに50時間かかるのが珍しくなくなってしまいましたし、

 RPGでは「ストーリー」以外のことをこなさないと「ストーリー」の続きが読めないため……メーカー側は「時間のない人は課金するとサクサク進めるようになりますよ!」みたいな有料DLCを用意したり、ユーザーから「ストーリーだけ楽しみたいならノベルゲーでもやるっての!」と言われたり。


 『パズドラ』の例は極端だとしても、『世界樹の迷宮』とか『メタルマックス4』とか「育成」要素の強いRPGは今でも生まれていますし、『ポケモン』はもちろん『ドラクエ』も『9』→『10』と「育成」ゲームの側面を強めていますし(そもそもMMOがそういうジャンルとも思いますし)。

 かつてはアドベンチャーゲームの進化とも言えたRPGですけど、現在ではどっちかというとシミュレーションゲーム寄りのジャンルになっていて、ユーザーの層も「育成」要素を求めている人が主流なんじゃないかって思います。



○ もう「ストーリーを語るRPG」は復権しないのか?
 今回この記事を書くにあたって、4Gamerさんに掲載されたアドベンチャーゲームのクリエイターさん達の座談会を読みました。すごくボリュームのある記事なので読んでいなかったのですが、“ゲームとしての表現”を踏み込んで語っている面白い記事でした。是非一読あれ。

イシイジロウ氏ら第一線で活躍するクリエイターがアドベンチャーゲームを語り尽くす!――「弟切草」「かまいたちの夜」から始まった僕らのアドベンチャーゲーム開発史(前編)


 この記事の後半でスマホやソーシャルゲームが主流になった今、どういうアドベンチャーゲームが革新を起こせるのかという話がされています。
 「トゥルーエンドが出るまでガチャを回す」という冗談の部分だけが話題になってしまっていましたが、話されていることは本当に興味深いことが多いです。

・『ひぐらし』の大成功以降のアドベンチャーゲームは、『428』も『シュタゲ』も「情報交換しながら攻略してもらう」ことを意識して作られた
・現状では「章ごとに買う」タイプの売り方はあまり売れない
・アドベンチャーゲームはある程度の「尺」が必要なため、短時間で遊ばせるソーシャルゲームの手法にそのまま合わせても上手くいかない
・スマホ用に特化することによって新しい“物語のあり方”が生まれる可能性があるし、アドベンチャーゲームの復権はそこにかかっている



 この話はアドベンチャーゲームの話ですが、「ストーリーを語るRPG」にも言える話だと思います。
 「育成」に特化した『パズドラ』のように、スマホに向いたRPGを考えれば「探索」や「ストーリー」の部分をバッサリ切り捨てるのは当然のことですし、従来型のRPGをそのままスマホに移植しても上手くいかないと思います。

 逆に言えば、そこが一番「今のねらい目」なのかも知れませんし。
 もし今後「ストーリーを語るRPG」が復権するとしたら、HDグラフィックの据置機による大迫力のムービーとかではなくて、スマホ用のアプリとか3DSのダウンロードソフトなんかで“作家性”を表現できる場所が整った時かなと思います。

 それが『魔神STATION』なのかというと……どうだろうなとは思うのですが(笑)。
 誰かがそれを発明した時、全く新しい「ストーリーを語るRPG」が現れるんじゃないかなと期待しています。


 個人的にはMiiverseはそういう方向に行くんじゃないかと期待していたんですけど、現状ではただの掲示板ですもんね。
 『ファミコン探偵倶楽部 ただし探偵が1万人いる』みたいなカンジで、みんなで情報交換しながら進む新しい「ストーリーを語るゲーム」が生まれるんじゃないかって期待していたんですけど。現状だとスマホの方が可能性高そうですねぇ。

| ゲーム雑記 | 17:47 | comments:10 | trackbacks:0 | TOP↑

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「好きだからこそ厳しく言う」のリスク

 スポーツの例を最初に挙げると分かりやすいと思うんですけど……
 贔屓にしているチームのことを、“応援しているからこそ”「ここが悪い」「ここを直せ」「このままじゃ惨敗するぞ」みたいに厳しく言うことってありますよね。サッカー日本代表の試合がある時のTwitterとかホントすごいです。国民総出で悪いトコ探し。

 私もそうです。西武ライオンズとサッカー日本代表については、散々「交替のタイミングが悪い」「何度同じことを繰り返すんだ」「××を使えよ」と呟いてしまいます。
 野球中継を観ながら「俺に監督をやらせろ!」と文句を言っていた昭和のオジサン達とやっていることは一緒なのですが、Twitterのような「愚痴を投稿しやすい場所」が普及したせいでそれが集まって見えるようになってしまって、実はこれ結構マズイことじゃないかって最近思うのです。



 自分のTwitterのTLにはプロ野球の各チームのファンも揃っていますし、Jリーグの各チームのファンもたくさんいます(流石に全チームは揃っていないけど)。
 「愛情がある」というのは分かるんです。「応援しているからこそ言っている」というのも分かるんです。でも、タイムラインに「何だよこの糞チーム!」「もう絶対こんなチームの試合は観ねえよ!」みたいな罵声が並ぶと……そのフォロワーさんのことをどうこう思うよりも、まず「あぁ、そのチームって糞なんだな」って思っちゃうんです。

 本人は愛情込めて言っているのだと思いますし、そのチームのファンならばそれが共有できるのかも知れませんけど――――そのチームに詳しくない人には「糞チーム」という情報だけが伝わってしまうんです。




 Twitter時代の落とし穴というか……
 例えば、新作のゲームが発売された際―――私は今は遊ぶ時間がないから買わないけど、後で買うかどうかを決めるために評判をチェックしたいから、タイムラインで遊んでいる人の呟きを見ることがあります。

 先月に発売された某ゲームの場合、「ここがダメだ!」「ここムズくてイライラしてきた」「距離感がつかみにくい!3DSで出せ!」という呟きが並んでいて……「あー、今回は評判イマイチなのかー」と思ったら、その後にその人達は「まぁ、面白いんだけどね」と呟いていて。

 当たり前ですけど、新作のゲームを発売日週に買って遊びながらTwitterで感想呟いているような人は「そのゲームが好きな人」ですよ。興味がなかったら発売日週になんて買わないし、つまらなかったら遊ぶのやめるだろうし、熱中しているからこそ不満点が出てくるものだと思うのです。


 冨樫義博先生の『レベルE』という漫画に「○○さえなんとかなればなぁ」と言っているのはそのゲームにハマり始めている兆候というシーンがあるんですけど、まさにその通りだと思います。
 不満点をTwitterに呟いている人はそのゲームに不満しか抱いていないワケではなくて、「基本的には面白いんだけど○○だけなんとかなればなぁ」くらいのつもりで呟いていることがあると思うんです。

 というか、自分がゲームのことを呟いている時を省みればそんなカンジでした。「『ファミコンウォーズDS 失われた光』の23面の難易度ふざけんなよ!クリア出来る気しねえよ!」と呟いていても、それを呟いている本心は「うわー、ちくしょー、楽しいなー。どうやってクリアすっかなー」ですからね。




 でも、多分Twitterを読んでいる人はそうは思いません。
 流れてくるのは140文字以内の「不満点」だけですから、それを呟いている本心など考えずに、「○○ってチームは糞チームなんだな」「××の新作はイライラするような出来なんだな」「『ファミコンウォーズDS 失われた光』は難易度が酷いんだな」と思ってしまうだけです。

 「好きだから厳しく言う」結果、「じゃあ応援するの辞めよう」「じゃあ買うの辞めよう」「じゃあせっせと体験版の感想書いてクラブニンテンドーのポイントを貯めて来季こそプラチナ会員を目指すのを辞めよう」と、ファンを減らす(ファンになりそうな人を遠ざける)ことになってしまうんじゃないかって思うのですよ。




 ブログもそうよね。
 コメント欄とかTwitterとかはてブのコメントにネガティブなリアクションしかもらえなかったら、もしそれが「好きだからこそ」だったとしても、そんなのは伝わらないから「今日の記事はイマイチだったんだな。この手の話は二度と書かないようにしよう」としか思いませんもの。

(関連記事:コメント欄には「面白かったです」なんて書かれない


 あ、私が「面白かったです」ってコメント欄に書いて欲しい訳じゃないですからね!
 あくまで一般的な話ですよ。


 「好きなもの」はどうしたって「○○さえなんとかなればなぁ」と思ってしまうものですし、今のインターネットはそれを書きやすい環境が揃ってしまっているのですが。「好きなもの」こそ「好きなところ」を語った方が、その「好きなもの」のためになると思うのです。

 「好きなところ」を上手く言語化出来ないのだったら、「好き好き好き好き好き」でもイイからさ。「○○がイマイチ。ここは本当直して欲しい。でも、好き!」てもイイからさ。「好きなもの」こそ「好き」と書きましょうよ、と。

| ひび雑記 | 18:15 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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考察:「百合好き」と「百合キャラ好き」は似て非なる

 耳が痛くなった話。





 詳しくは画像を見てもらうのが一番ですが、私なりに要約すると……
 『ゆるゆり』のおかげで新規の百合ファンが増えてくれたけど、「女のコ同士の恋愛を描いている百合作品が好きなファン」「百合作品なら男が出てこないから安心して“俺の嫁”と言えて好きだというファン」という隔絶が生まれてしまった―――という話です。

 一般人にも受ける大ヒット作が生まれたおかげでファン層が拡大したからこそ、古参ファンと新規ファンの間に隔絶が生まれるというのはどこの分野にもある話です。サッカーW杯の時だけ大騒ぎする人に眉をひそめる“普段からサッカー好きな人”とか。『脳トレ』が流行った時に、「あんなのはゲームじゃない!」と自称ゲーマーさん達が排斥しようとしたとか。



 ただ、この話って『ゆるゆり』は関係ないと思いますし、「古参ファン」と「新規ファン」の話でもないと思うんです。私は90年代から「女のコが好きな女のコ」が好きでしたけど、「百合作品なら男が出てこないから安心して“俺の嫁”と言えて好き」という人の気持ちは分かりますもの。

 というか、「唯憂姉妹はイチャイチャしていて最高だ!」と言っていた一方で。
 「平沢唯は俺の嫁」って言っていましたもの。2009年4月からずっと!


 もちろん『けいおん!』は純粋な百合漫画ではなくて「観ようによっては百合」くらいの作品なので、同じような人はたくさんいると思います。
 例えばあずにゃんが好きで「あずにゃんのエロ同人漫画を描こう!」と同じように思った人でも、Aさんはあずにゃんと唯先輩がラブラブする話を描いて、Bさんはあずにゃんがオッサンに強姦される話を描いて―――ってことはあるじゃないですか。


 男性ファンだと特に分かりやすいんですが。
 女のコ同士の恋愛が好きな「百合好き」と。
 女のコが好きな女のコを、「俺の嫁」として好きな「百合キャラ好き」は似て非なるスタンスなんですよね。


 これは「人によって違う」とも「キャラによって違う」とも「気分によって違う」とも思いますし、自分の中には「百合が好き」な時も「百合キャラが好き」な時もあって。
 あずにゃんが唯先輩とラブラブしている漫画を読みたい時もあれば、あずにゃんがオッサンに強姦されている漫画を読みたい時もあるけど、唯(=俺の嫁)がオッサンに強姦されている漫画は365日24時間絶対に読みたくないとか、一貫した説明なんて絶対に出来ないような複雑な欲求なんじゃないかって思います。


 『ゆるゆり』は「キャラクター全員が“恋人としては”くっついていない」し、「でもみんな女のコ同士でイチャイチャしている」から、こういう欲求の妄想の余地が入り込みやすいし。入り込みやすいからこそ幅広い層にヒットしたとも言えるので、そういう楽しみ方をしている人を許してあげて欲しいし。
 「その楽しみ方は間違っている!」と言われても、人間の欲求なんて“倫理”とか“みんながそうしている”とか“不謹慎だ”とかそういうものを超越したものなので、統一なんてしようもないと思うのです。「自分が気に喰わないもの」が存在していたってイイじゃないですか。それが表現じゃないですか。『ゆるゆり』キャラがオッサンに強姦されている漫画を描きたい人がいたって仕方ないじゃないですか。仕方ない……かなぁ(笑)。



 ただ、そういう楽しみ方をしている人は「自分は百合好きだ」と言うのではなく、「自分は百合キャラ好きだ」と言うべきって思います。そうすれば誤解も生まれないし、余計な争いも生まれないと思うのです。





○ 余談
 これは男の視点から考えた“「百合好き」と「百合キャラ好き」は違う”という話だったのですが、女性はどう百合を捉えているのかが気になるところです。
 以前に「百合好きの女性は別に自分が百合りたいワケではない」というような記事を書きましたが、その視点からすると男性の中に「俺はこの百合キャラと結婚したい」と思う人がいること自体がワケ分からないかもって思います。


 それと、BL好きの女性はどうなんでしょう。
 最近人気のカップリングが分からないので、とりあえず自分の好きな『境界の彼方』の「博臣×秋人」を例に出すとして――――「博臣になりたい」とか「秋人になりたい」というプレイヤー願望の人もいるのか、それとも「栗山さんのように横でそれを見ていたい」という観客席願望の人がほとんどなのか。私、気になります!(京アニ違い)

| ヒンヌー | 17:59 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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「女ばかりのアニメ」じゃないと本当に売れないのか、検証してみました

 「女ばかりのアニメ」は本当に多いのか、検証してみましたの続き。
 あの記事に対するリアクションで「円盤売上などの上位作品に限定して女性比率を出してみればどうか」という御意見をもらったので、じゃーいっちょやってみっか!と重い腰を上げることにしました。


 検索したら「アニメDVD・BD売り上げまとめwiki」というページが。
 このページの数字がどれだけ正確な数字なのかは分かりませんが、各作品のDVD・BDの平均売上(全巻の売上÷巻数)を一覧で載せてくれている便利なサイトさんなのでこちらを利用させていただくことに。
 勝手に使うことに心苦しさもあるので、みなさん是非元のサイトさんで数字を確認してくださいな。ここに載せていない作品(1万本未満の作品)についても意外な発見があると思いますので。


・2000年以降のアニメでDVD+BDの売上平均1万枚以上の作品が対象
・売上枚数は「千の桁」以下は切り捨てとします
・3万本以上の場合は、「太字」表記にします
・各作品の公式サイトにおける「キャラクター」もしくは「キャスト」のページの、上から5人目までのキャラをメインキャラとして「男」「女」と“身体的性別”をリストアップしていきます
・公式サイトでメインキャラが分からなかった場合はWikipediaに頼ります
・5人の男女比率で、女100%は「☆」、女80%は「◇」、女60%は「△」、女40%は「=」、女20%は「―」、女0%は「・」で表記します
・私も全部の作品を観ているワケではないので、「そのキャラって男に見えるけど女ですよ」みたいなところがあったらコメント欄などで教えてもらえるとありがたいです。
・前回の記事で「5人じゃ検証にならないだろ」という御意見もたくさんいただきましたけど、自分はこれがベストだと思ってやっているので、それ以外の方法がベストだと思う人は是非ご自身で検証してみてトラックバックを送ってください。その方が多角的な記事になると思います。



2000年
『ラブひな』2万…男女女女女
『HAND MAID メイ』1万…男女女女女
『フリクリ』2万…男女女男男 ※OVAシリーズ
『エクスドライバー』1万…男女女男女 ※OVAシリーズ

 『ラブひな』すげーな、な2000年。
 流石にこの辺のアニメは自分はまだよく知らないのですが……当時はまだDVDもそんなに普及していなかったと思いますし、ブロードバンド普及前なのでインターネットの公式サイトも今では信じられないくらい簡素で。そんな時代に、テレビアニメでこれだけDVDを売っていたとか何者ですか『ラブひな』。


2001年
『フルーツバスケット』1万…女男男男女
『まほろまてぃっく』1万…女男女女女
 ※ リンク先、音が鳴ります

 流石に作品数が少ない2001年。
 この頃もまだまだ自分は知らないアニメがほとんどです。


2002年
『おねがい☆ティーチャー』1万…男女女女女
『ちょびっツ』1万…女男男女男
☆ 『あずまんが大王』2万…女女女女女
『藍より青し』1万…女男女女女
『まほろまてぃっく ~もっと美しいもの~』1万…女男女女女 ※2期モノ
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』1万…女男男男男
『機動戦士ガンダムSEED』5万…男男女女女
『マクロス ゼロ』1万…男男女女女 ※OVAシリーズ

 『ガンダムSEED』が飛びぬけていて「ガンダムってやっぱすごいんだな」と思う2002年。
 「深夜じゃなくて夕方枠だから当然だろ」と思うかも知れませんが、後に出てくるジャンプアニメなどと比べても別格の数字です。

 その他ではハーレムアニメに混じって「メインキャラ全員女性」の『あずまんが大王』が出ていますね。



2003年
『D.C.~ダ・カーポ~』1万…男女女女女
『おねがい☆ツインズ』1万…男女女女男
『鋼の錬金術師』3万…男男女女男
『真月譚 月姫』1万…男女女女女

 『ガンダムSEED』の後番組『鋼の錬金術師』が大ヒットを起こした2003年。
 この土曜の夕方枠(土6)は後に日曜夕方枠(日5)に引っ越すのですが、現在でも続いている「アニメのゴールデン枠」です。日曜に引っ越してからはあまり存在感がありませんが……



2004年
『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』1万…女男男男男 ※2期モノ
『頭文字D Fourth Stage』2万…男男男男男 ※3期モノ
『BLEACH』1万…男女男男女
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』6万…男男男女女 ※2期モノ

 まさかの「女性比率が多いアニメ」が1作品も1万本を超えなかった2004年。
 自分をアニメヲタクの道に引きずり込んだ『舞-HiME』は9994本だそうな。惜しい!

 『ガンダムSEED DESTINY』が異次元の売上を残してはいますが、1万本越えの4作品の内3作品が続編モノということで……業界としては若干停滞していたのかも知れませんね。翌年から始まる激動の時期を予感させる静けさというか。


2005年
『The World of GOLDEN EGGS』13万…女女男男男?
『魔法先生ネギま!』1万…男女女女女
 ※ どのキャラがメインキャラか分かりませんでしたが、恐らく
『AIR』2万…男女女女女
『ハチミツとクローバー』1万…男女男女男
『魔法少女リリカルなのはA's』1万…女女女男女 ※2期モノ
『灼眼のシャナ』1万…女男男女女
『ARIA The ANIMATION』1万…女女女女女
 ※ 要望があったのでアリア社長は外しました
『蟲師』1万…男
 ※ メインキャスト1人だけ
『FINAL FANTASY Ⅶ ADVENT CHILDREN』46万…男男女男男
 ※OVAシリーズ ※ リンク先、音が鳴ります

 『The World of GOLDEN EGGS』!?13万本!?という驚きを吹き飛ばす、『FF7』のスピンオフ作品が46万本の超ヒット。まぁ、単価だったり巻数だったりが違うので深夜アニメと同じ土俵に並べるのはどうかと思うんですが、ネタのつもりで入れてみました。

 アニメヲタク的には、『AIR』が入っていよいよ京都アニメーションが現れたぞ、な2005年。
 『AIR』の頃はまだKeyブランドの力の方が強いと思いますし、京都アニメーションが知名度とブランド力を上げるのはこの翌年のアレなんですけど……2005年~2010年の間ずっと毎年1万本以上のヒット作を出し続けたのはとてつもないです。1年に2~3本しか作らないのに。
 「ゼロ年代後半は京都アニメーションの時代だった」と言えると思いますし。その1矢目が2005年だったという。

 そして、その他のトピックとしてはこの年にフジテレビが「ノイタミナ」枠を作ったこと(第1作が『ハチミツとクローバー』)。女のコ達が戦う『リリカルなのはA's』、ライトノベル原作の『シャナ』、メインキャラ全員女性の『ARIA』が1万本を超えているということ。どれもここから主流になっていく流れです。



2006年
= 『The World of GOLDEN EGGS "SEASON 2"』10万…女女男男男?
 ※2期モノ
『Fate/stay night』2万…女男女男女
『涼宮ハルヒの憂鬱』4万…女男女男女
『銀魂』1万…男男女男女
 ※ 定春って男でイイんだっけ?
『ウサビッチ』6万…男男男男男?
『DEATH NOTE』1万…男男男女女
『Kanon』1万…男女女女女
『コードギアス 反逆のルルーシュ』4万…男男女女女
『機動戦士ガンダム MSイグルー -黙示録0079-』1万…男女男男男 ※OVAシリーズ
『GUNDAM EVOLVE../Ω』4万 ※OVAシリーズ
 ※ 歴代ガンダム作品をモチーフにした短編作品集
『FREEDOM』3万…男男男男男 ※OVAシリーズ

 深夜アニメの歴史を変えたと言っても過言ではない4万本越えの『ハルヒ』と『コードギアス』について盛り上がりたかったのに、『The World of GOLDEN EGGS』と『ウサビッチ』と『GUNDAM EVOLVE』のせいで何だか微妙な雰囲気の2006年!

 『コードギアス』は『ガンダムSEED』から続く「サンライズの欝アニメ」の系譜で、1期は深夜アニメでしたけど2期は前述の「日5」での放送になりますね。超豪華スタッフとたくさんのメディアミックスを行っていたとは言え、ガンダムブランドを使わないでこの数字とは凄まじいものがあります。

 『涼宮ハルヒの憂鬱』はゼロ年代後半を代表する大ヒットアニメ。京都アニメーションのブランドを日本中に浸透させました。
 YouTubeで(違法コピーだけど)「なんかすげー面白いアニメがあるらしいよ」と口コミが広がり、それまでアニメに興味を持っていなかった人もアニメを観始めるきっかけになりましたし。今では普通に行われている、「インターネットでのアニメ配信」が本格的に始まるきっかけにもなりました。前述の『コードギアス』は『ハルヒ』の半年後のスタートだったので、上手くインターネットを利用して年末にそれまでの話数を一挙ネット配信とかやっていたと記憶していますし、アニメとインターネットの関係が変わった時期とも言えますね。



2007年
『天元突破グレンラガン』2万…男男女男男
『魔法少女リリカルなのはStrikerS』2万…女女女女女 ※3期モノ
『らき☆すた』2万…女女女女女
『おおきく振りかぶって』1万…男男男男男
『モノノ怪』1万…男女男女男
 ※ 各エピソードのメインキャラを順に並べました
『ウサビッチ シーズン2』5万…男男男男男? ※2期モノ
『CLANNAD』2万…男女女女女
『機動戦士ガンダム00』3万…男男男男女
『みなみけ』1万…女女女女男

 京アニが『ハルヒ』に続く『らき☆すた』を作り、ガンダムは新シリーズ『OO』が始まり、京アニ&Keyコンビとしては(現状)最後の作品になった『CLANNAD』が始まるなど――――“過渡期”という印象の2007年。
 『グレンラガン』に『なのは』に『おお振り』に『モノノ怪』に『みなみけ』と、様々なジャンルの作品が1万本を超えていますね。2006年以降、アニメファンの裾野が広がったということなのか。



2008年
『ARIA The ORIGINATION』1万…女女女女女 ※2期モノ
 ※ 要望があったのでアリア社長は外しました
『マクロスF(フロンティア)』4万…男女女男男
『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』4万…男男男女男 ※2期モノ
『ファイアボール』3万…女男男男男?
 ※ 性別あるのかこの人達
『図書館戦争』1万…女男男男女
『ストライクウィッチーズ』1万…女女女女女
『夏目友人帳』1万…男男女男男
『とらドラ!』1万…女男女男女
『CLANNAD AFTER STORY』1万…男女男女男 ※2期モノ
『黒執事』1万…男男男男女
△ 『かんなぎ』1万…女男女女男
『とある魔術の禁書目録』1万…男女女女男
・ 『機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン』3万…男男男男男 ※2期モノ
『ウサビッチ シーズン3』5万…男男男男男? ※3期モノ

 『マクロス』『コードギアス』『ガンダム』が揃って登場の2008年。
  『ストライクウィッチーズ』はちょっと例外ですけど、『図書館戦争』『とらドラ!』『かんなぎ』『禁書目録』と「男女比半々くらいのアニメ」が1万本を越えるようになったのが特徴的な時期ですね。男比率多めの『夏目友人帳』『黒執事』も入っています。ゼロ年代初期の頃とは明らかに客層が変わっていることが分かります。



2009年
『続 夏目友人帳』1万…男男女男男 ※2期モノ
『涼宮ハルヒの憂鬱(新アニメーション)』1万…女男女男女
  ※1期の再放送+2期
『クイーンズブレイド 流浪の戦士』1万…女女女女女
『けいおん!』4万…女女女女女
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』1万…男男女男女
 ※2期だけど話は仕切り直し
『化物語』7万…男女女女女
『とある科学の超電磁砲』2万…女女女女男
『DARKER THAN BLACK 流星の双子』1万…男女男男男
『ヘタリア Axis Powers』2万…男男男男男 ※WEBアニメ
『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱とにょろ~ん ちゅるやさん』1万…女男女男女 ※WEBアニメ
『いっしょにとれーにんぐ』1万…女 ※OVA
 ※ 登場人物一人しかいないし…

 『けいおん!』4万に驚いていたら『化物語』が7万って!という2009年。
 『化物語』は男主人公のハーレム配置のアニメですが、『けいおん!』『超電磁砲』『クイーンズブレイド』と「男主人公すらいない女のコばかりのアニメ」が主流になってきました。「別に男キャラなんて要らないだろ」という流れが今にも続いていて、元となった「女ばっかり出てるアニメていい加減飽きたよな」という意見が生まれるという。

 それと、翌年はもっと顕著ですが「男ばかりのアニメ」も1万枚を越えることが普通になってきましたね。この二極化は面白い傾向です。




2010年
『デュラララ!!』1万…女男男女男
『Angel Beats!』3万…男女女女男
『薄桜鬼』1万…女男男男男
『WORKING!!』1万…男女女女女
『けいおん!!』3万…女女女女女 ※2期モノ
『ストライクウィッチーズ2』1万…女女女女女※2期モノ
『戦国BASARA弐』1万…男男男男男※2期モノ
『薄桜鬼 碧血録』1万…女男男男男※2期モノ
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』2万…女男女女女
『とある魔術の禁書目録Ⅱ』1万…男女女女男 ※2期モノ
『ヘタリア World Series』1万…男男男男男 ※WEBアニメ ※2期モノ

 2期モノばっかの2010年!
 『AB!』も言ってしまえばKeyブランドからの流れですし、新しいヒット作が生まれないことの閉塞感がうんちゃらかんちゃら―――という翌年に新しいことがドカドカ起こることが、こうしてまとめて見ると分かりますね。

 2005年から毎年入っていた京都アニメーション作品は、この年の『けいおん!!』を最後に連続記録が途絶えます。というか、『けいおん!』の映画作っていたからでもあるんですけどね(笑)。



2011年
『魔法少女まどか☆マギカ』7万…女女女女女
 ※ キュゥべえは性別ないはずなので省きました
『IS<インフィニット・ストラトス>』3万…男女女女女
『ウサビッチ シーズン4』4万…男男男男男? ※4期モノ
『TIGER&BUNNY』3万…男男女男女
『銀魂’』1万…男男女男女 ※2期モノ
『ファイアボール チャーミング』1万…女男男男男 ※2期モノ
『STEINS;GATE』1万…男女女男女
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』3万…男女女男女
『青の祓魔師』1万…男男女男男
『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%』1万…女男男男男
『夏目友人帳 参』1万…男男女男男 ※3期モノ
『THE IDOLM@STER』2万…女女女女女
『WORKING’!!』1万…男女女女女 ※2期モノ
『Fate/Zero』5万…男女女男男 ※スピンオフ作品
『境界線上のホライゾン』2万…男女女女男
『ペルソナ4 the ANIMATION』3万…男男女女男
『僕は友達が少ない』1万…男女女女女
『ブラック★ロックシューター』2万…女女女女女 ※OVA

 『まどか☆マギカ』7万!『IS』3万!『ウサビッチ』4万!『タイバニ』3万!『あの花』3万!『Fate/Zero』5万!『P4』3万!
 『ウサビッチ』君、ちょっと席を外しておいてくれないかい、な2011年。


 『まどか☆マギカ』の超ヒットばかりに目がいってしまうのですが、ハーレム配置の『IS』、男比率高めな『タイバニ』、男女比半々くらいの『あの花』『P4』、オッサン比率の高い『Fate/Zero』―――と、様々なタイプの作品が3万本越えをしているというすごい年です。

 一体何があったんだ……集計の方法でも変わったのか……と疑いたくなります。
 単純に「アニメのDVD&BDを買う人が増えた」ということなんですかね。Twitter等のSNSの浸透で「ヒット作にのみ売上が集中するようになった」のかと思ったのですが、『花咲くいろは』や『ゆるゆり』など8000本付近の中ヒット作も出ているんで、純粋にヒット作が多かった年ということでイイのかな。




2012年
『偽物語』6万…男女女女女 ※2期モノ
『妖狐×僕SS』1万…女男男女男
『Fate/Zero 2ndシーズン』5万…男女女男男 ※スピンオフ作品の2期
『黒子のバスケ』2万…男男男男女
『ソードアート・オンライン』3万…男女女女女
『境界線上のホライゾンII』2万…男女女女男 ※2期モノ
『中二病でも恋がしたい!』1万…男女女女女
『To LOVEる-とらぶる- ダークネス』1万…女女女男女
『リトルバスターズ!』1万…男女男男男
『ガールズ&パンツァー』3万…女女女女女


 前年に比べると、ヒット作の女性比率が高い2012年。
 『Fate/Zero』自体はオッサン比率の高い作品ですけど、元々はエロゲーのスピンオフ作品ですから「美少女アニメの流れを汲む」とも言えますし。直近の2012年の記録だけ見れば「売れるのは美少女モノばかり」という意見も分からなくはないかなと思います。





 とりあえず以上で。
 2013年は記録が出きっていないのでリスト化しませんが、『ラブライブ!』『うたプリ2期』『俺妹2期』『進撃の巨人』『超電磁砲2期』『Free!』『物語』辺りは1万のラインを越えてきそうです。『進撃の巨人』がどのくらい数字を伸ばすのかが注目ですかね。


 長くなったので、インターバルを挟んで「「女ばかりのアニメ」じゃないと本当に売れないのか」を書いていこうと思います。もうすっかり最初の目的を忘れてしまっていました。


 まず、今回の「女ばっかり出てるアニメていい加減飽きたよな」という話は、日本のテレビアニメの話だと思うんで……『The World of GOLDEN EGGS』とかOVA作品とか劇場版作品は除いて考えた方がイイと思います。『ウサビッチ』も全1巻なので、テレビアニメと同じ土俵に上げるのはどうかと思って外して考えます。

 日本で一番売れたアニメのDVDは『FF7 ADVENT CHILDREN』なので「女ばかりのアニメしか売れない」というのは誤解であるとか言っても、誰も納得してくれないと思いますし(笑)。




 それと……「2000年にDVDを1万枚売る」のと「2013年にDVD+BDを1万枚売る」では意味が全然違います。DVDの普及率が違いますし、アニメファンの数も違うことでしょう。なので、13年間の売上トップ10みたいなことをやってもあまり意味はないと思うんです。なので、絶対的な数字よりも、その時期その時期の相対的な数字の方が大事かなと思います。


 2000年~2003年までは圧倒的に「男主人公1人+複数の女のコ」という構図の“ハーレムアニメ”が売れています。『ラブひな』 『HAND MAID メイ』『まほろまてぃっく』『おねがい☆ティーチャー』『藍より青し』『D.C.~ダ・カーポ~』……『おねがい☆ツインズ』と『月姫』もここに入れちゃってイイかな。『月姫』を一緒に入れるのは若干抵抗ありますけど(笑)。
 とにかく、こういう作品が1万本以上を売り上げることが多かったというか、こういう作品以外はなかなか1万本以上売れていないんですね。


 時期は重なるのですが……2002年の『ガンダムSEED』辺りから若干市場が変わっています。
 2002年の『ガンダムSEED』、2003年『ハガレン』、2006年『コードギアス』辺りは“欝アニメ”全盛期とも言えて……出てくる女のコが可愛いのは可愛いんですけど、そんな女のコ達が無惨に死んだり復讐心に狂っていったり。悲惨な境遇のキャラクター達がどんどん悲惨になっていくアニメがヒットしていて、“ハーレムアニメ”全盛期からは随分と空気が変わっているんですね。

 1万本は届きませんでしたが、2004年の『舞-HiME』なんか象徴的で、美少女が集まって殺しあって自分が負けると好きな男が消滅していくという―――この時期のアニメを端的に表していたなと思いますね。


 2002年の『ガンダムSEED』からの「土6」枠、アニメヲタクを主人公にした『電車男』のヒット(ネットや書籍が2004年、映画とドラマが2005年)、2005年からフジテレビが「ノイタミナ」枠を作り、2006年にはYouTubeで『涼宮ハルヒの憂鬱』が話題に――――という流れで、ゼロ年代中盤はアニメファンの層が広がった時期と言えると思います。様々な作品が1万本を越えるようになったんですね。

 2005年の『ハチクロ』や2008年の『図書館戦争』『とらドラ!』『かんなぎ』のように「男女比半々くらいの恋愛物語」も普通に1万本を越えるようになり。
 2007年の『おお振り』や2008年の『黒執事』など、「男比率の高い作品」も1万本を越えるようになりました。


 また、『涼宮ハルヒ』以後の時期は様々なタイプの作品が1万本を越えるようになった一方で、2006年~2008年の『コードギアス』、2007年の『グレンラガン』、2008年の『マクロスF』、2007年~2008年の『ガンダムOO』とそれ以上のヒット作と言えばロボットアニメが中心だったとも言えます。
 逆にこの時期は「男主人公+複数の女のコ」という典型的な“ハーレムアニメ”はあまり1万本を越えるものが出ていないんですね。京アニ&Keyの『Kanon』と『CLANNAD』くらい。


 2009年になると、その反動からなのか“女のコだらけのアニメ”として『けいおん!』がヒット。その前年の2008年の『ストライクウィッチーズ』、2009年の『とある科学の超電磁砲』、2011年の『まどか☆マギカ』、2012年の『ガールズ&パンツァー』等―――「もはや男主人公すらいらない」という“女のコだらけのアニメ”が人気ジャンルになり。


 その一方で、2009年に『化物語』が“久々にヒットしたハーレムアニメ”となりました。『化物語』は「ハーレム構造のアニメを再構築したアニメ」とも言えるんですけど(主人公が早々にヒロインとくっ付いてしまうし)、この時期に「男主人公+複数の女のコ」というハーレムアニメが再興することになります。
 2010年の『俺妹』、2011年の『IS』『シュタゲ』『僕は友達が少ない』、2012年の『中二恋』なんかはそうですね。『アイマス』もそうか。2012年の『SAO』もそう?
 『Fate/Zero』も切嗣がセイバーとアイリと舞弥をはべらかすアニメと見ればハーレムアニメと捉えられなくもない(笑)。2008年の『禁書目録』と2010年の『WORKING』は、無理があるかな……


 2010年~2011年は『AB!』『あの花』『P4』など「男女比率半々」のアニメも3万本を越える大ヒットをあげて、『タイバニ』や『Fate/Zero』のような男比率高めのアニメも大ヒットしているのですが……
 2012年の記録だけ見ると、『偽物語』『SAO』『ガルパン』と言った女性比率高めのアニメが上位で、京アニ作品でも男女比半々の『氷菓』よりハーレム配置の『中二恋』が売れているので。
 「女ばかりのアニメじゃないと売れない」というのは、最近の売れ筋だけで言えば間違ってはいないかなと思います。“女のコだらけのアニメ”と“ハーレムアニメ”が二強というか。



 ただ、2000年からの流れを見てもらえば分かるように、アニメの売れ筋って3~4年単位で変わっているんですよね。現に、2013年のTOP3には男女比半々の『進撃の巨人』が入ると思われますしね。
 2009年の大ヒット作『けいおん!』と『化物語』は、前者が“女のコだらけのアニメ”の流れを作り、後者が“ハーレムアニメ”の流れを再び作ったのですが―――2013年は『けいおん!』スタッフが再結集した『たまこまーけっと』と、『化物語』シリーズの締めくくりとも言えるセカンドシーズンが放送されていて。現在は2009年からの流れの一区切りの時期と見ることも出来るんですね。

 そう考えると来年はまた新しい流れが生まれそうな気もしますし、2013年に現れた『進撃の巨人』『ラブライブ!』『Free!』は“既に何かが始まっている”という兆しなのかも知れません。


 「女ばかりのアニメじゃないと売れない」というのは最近の売れ筋だけで言えば間違ってはいないと思いますが、2014年はどうなるのかが分からないので非常に楽しみ――――という。結局何も言っていないような結論で締めくくろうと思います(笑)。

| アニメ雑記 | 17:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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もしスマホで『スーパーマリオ』が出たら、皆さんは遊びたいですか?

 煽りではなくて、純粋に気になります。

 前にも書いたことがありますが、ネット上には「マリオの新作がスマホで出るんじゃないか」とか「ポケモンの新作がスマホで出るんじゃないか」というようなことを言っている人がいます。任天堂のネガティブキャンペーンをやりたいだけのアンチももちろんいますが、真剣にそういう未来を予測して記事を書いている記者もいます。

 そういう人達が考えているのは、「任天堂が業績不振だ→ かつてセガがそうなったように、任天堂もゲーム機を作るのをやめるのではないか(予想)→ そうなればスマホ用に任天堂のゲームソフトも集まってくるだろう(予想)」という未来予想なんですね。
 私は、この予想は1~2年以内にはありえない話だとは思いますが、5~6年後には可能性がないことはないと思っています。具体的に言うと「3DSが現役の時期はない」けれど、「任天堂が“3DSの次”を出して、それが大失敗に終わったらありえる」と思っています。Wii Uの現状を見れば、“3DSの次”もちっとも安泰じゃないことは分かりますしね。




 ということで、これから話すことは「決まっていること」でも「1~2年以内に起こること」でもなくて、5~6年後の未来を予想してその中でも「任天堂がゲーム機を作る事業から撤退している」世界線という限定的な話なのですが……そもそもスマホで『マリオ』を遊びたい人っているんですかね?

 『マリオ』というのは、『スーパーマリオブラザーズ』の流れを汲む「2Dマリオシリーズ」のことです。
 煽りではなくて純粋に気になるんです。私はスマホで『スーパーマリオ』なんて遊びたくないんですもの。それは、スマホが嫌いとか課金システムが嫌いとかではないし、ましてや『スーパーマリオ』が嫌いなワケでもなくて……


 ボタンのない機械で『スーパーマリオ』なんて遊べるの??

 私がプレイしたらイライラしてスマホを投げつけて破壊する自信がありますもの。
 任天堂の人気タイトルの中にはスマホの入力装置でも問題なく遊べそうなシリーズもたくさんありますが、『スーパーマリオ』は絶対に無理です。「5000円あげるからスマホのマリオをクリアしてください」って言われたらぶん殴るレベル。5億円もらえるんだったらなんとか頑張るかも知れませんが(笑)。



 だから、今日の記事は煽りじゃなくて純粋に気になるのです。
 「マリオの新作がスマホで出るんじゃないか」と言っている人は、『マリオ』がどういうゲームなのかを知らないのか、スマホにボタンが付いていないことを知らないのか、数年後にはスマホにボタンが付いていると思っているのか、ボタンのないスマホでも『マリオ』を遊べるのか、マトモに遊べなくてもとりあえずスマホに出すと思っているのか、単に任天堂の悪口を言いたいだけなのか――――是非コメント欄ででも理由を教えてくださるとありがたいです。




1.バーチャルパッドで『スーパーマリオ』を遊べるのか?
 スマホのようにボタンのない機械に従来型のゲームを移植する場合、タッチパネル上に幾つかの仮想ボタンを置いてそれを押させるという操作方法が多いです。通称“バーチャルパッド”ですね。

 私はこのバーチャルパッドという操作方法がムチャクチャ苦手です。
 「ボタンを押した感触がない」ので、上ボタンを押したつもりが右に進んでいるとか、「話す」ボタンを押したつもりが無反応といったカンジに―――“誤操作”の嵐になってしまうのです。


 じっくり手元を見ながら操作出来るコマンド式RPGとかならまだ何とかなるかも知れませんが(それですら私はぶん投げたことがあるのですが)、瞬時の操作が必要なアクションゲーム『スーパーマリオブラザーズ』でコレというのは想像しただけで腹が立ってきます。
 「キラーが飛んできた!しゃがまないと当たる!」→下ボタンを押したつもりが右に進んでキラーに直撃。「よーし!Bダッシュジャンプであっちの足場まで跳ぶぞー!」→いつの間にかBボタンから指が外れていた上にジャンプボタンを押せなくて穴に落下。こんな未来しか見えません。イライラしかしないと思いますもの。



 もちろんバーチャルパッドは「ソフトによって調整が違います」。
 最近出たスマホ版『ドラクエ1』のバーチャルパッドは酷い出来だけど、同じスクエニの『聖剣2』等のバーチャルパッドは良かった―――という記事は最終防衛ライン2さんが書かれていましたね。

 聖剣伝説2好きならiPhone版を買っておいても後悔はしない
 iOSとAndroid向けのドラクエ1がリリースされましたが操作性に難あり


 コントローラを作り続けてきた任天堂だからこそ、スマホアプリに参入したら今あるバーチャルパッドの不満点を解消して「マリオを遊ぶのに最適なバーチャルパッド」を発明するかも知れません。
 その可能性はゼロではありませんが、現状のバーチャルパッドでは『スーパーマリオ』のようなバリバリのアクションゲームは遊びたくないなぁと思っています。



2.『スーパーマリオ』はタッチ操作に適応できるか
 では、バーチャルパッドではない操作方法はどうでしょうか。
 任天堂はDSの頃、“タッチパネルを標準搭載したゲーム機”の特性を活かそうと、人気シリーズをタッチ操作対応にして出していました。


 例えば『おいでよ どうぶつの森』はボタン操作だけでも遊べますが、ボタン操作が苦手な人でも遊べるように「タッチした場所にキャラが動く」「タッチしたものを拾う」といったカンジにタッチペンだけでも遊べるようになっていました。
 自分はボタン操作の方が好きなのでボタン操作で遊んでいましたが(笑)、母親は当時まだゲームに慣れていなかったのでタッチペンメインで遊んでいましたね。家具の移動だけは思うようにいかずボタン操作を覚えていきましたけど。

 『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』はそこから更に踏み込んで、ボタン操作は補助的なものだけで、タッチペン操作でしか遊べない『ゼルダ』となっていました。私はこれはあまり好きではなかったんですけど(笑)、軸合わせをしなくてもタッチした場所に弓矢を射るとか、タッチペンだけで遊べる『ゼルダ』を考えて作られたダンジョンは見事だったと思います。



 「5~6年後にもし任天堂がゲーム機事業から撤退して、人気シリーズをスマホに出すとしたら」を考えたら、任天堂のシリーズの中でも『どうぶつの森』や『ゼルダの伝説』は前例があるのでまだ実現の可能性は高いと思います。『ポケモン』とかもそうなのかな。
 スマホには傾きを検出する機能もあるので、ジャイロセンサーでのハンドル操作を3DSで実現していた『マリオカート』とか『スターフォックス』だって可能性はあります。『スターフォックス』は別の理由で出なさそうですが(´;ω;`)



 でも、『スーパーマリオ』は……「2Dマリオシリーズ」は違うんですよ。
 タッチペンを推しまくっていたDS時代も、ジャイロセンサーを搭載した3DS時代も、タッチパネルでのアシストプレイを実現したWii U版でさえも、マリオは頑なに「ボタン操作」でしか遊べないんです。タッチ操作だけで遊べるマリオは、正統続編では出ていないんです。

 きっと、タッチ操作で『スーパーマリオ』を遊んでも面白くならないとスタッフも思ったからでしょう。
 タッチしたところにマリオがオートで走っていくゲームを出したところで、それは外伝としては面白いかも知れないけれど、「2Dマリオシリーズ」にはならないと自分も思います。



3.スマホの操作方法に最適化した『スーパーマリオ』を考えても、それは『スーパーマリオ』なのか?
 そもそも「任天堂がスマホにゲームを出したらどうなるか」を考えて、今ある人気シリーズを無理矢理スマホの操作方法に当てはめて出したところで面白くなるとは思いません。それでは従来型のゲームに「Wiiリモコンを振る操作」を入れただけでは売れなかった幾つもの商品を思い出すだけです。

 何故『パズドラ』は大ヒットしたのか――――を考えれば、スマホの操作方法に適した遊びを提案したからです。十字キーもアナログパッドもないから「ダンジョンは一本道でオートで進む」。Aボタンの感触がないなら「攻撃ボタン連打」ではなくて「パズルを解くと攻撃できる」というルールにしてしまう。

 従来型のゲームにバーチャルパッドを付けただけで「スマホでも遊べるようになりましたよ」とか言っているメーカーよりも、よっぽど真剣にゲームのことを考えていると思いますよ。



 スマホで出ているアクションゲームには、操作を極限までシンプルにしてある「スマホでも遊べるアクションゲーム」も少なくありません。
 “走り系アクションゲーム”と言われるジャンルで、主人公はひたすら走り続けていて、プレイヤーは障害物に合わせて上にスワイプでジャンプ、下にスワイプでしゃがむ、などの操作をしていくゲーム――――『チャリ走』なんかもそうなのかな。


 これこそが「スマホに最適化されたアクションゲーム」と言えるのかも知れませんが、もし『スーパーマリオ』もスマホでやっていくためにそういう路線に変更したとしたとしても……それは多分『スーパーマリオ』ではないですよね。


 『スーパーマリオ』の魅力は「探索の楽しさ」だからです。
 ゴールに一直線に進むだけではないんです。土管に入るルート、隠しブロックで1UPキノコ、豆の木に登って上空を突き進むルート、無限1UPが出来る場所、ワープ土管……あのステージには色んな“寄り道”が用意されていて、それを探すのと、その情報をみんなで交換するのが楽しかったんです。

 ひたすら走り続けるマリオをジャンプさせてゴールまで進むゲームを作っても、それは『スーパーマリオ』ではないです。『スーパーマリオ』の面白さを受け継いでいませんから。外伝ならともかく、「2Dマリオシリーズ」だと私は思いません



 なので、もし仮に“3DSの次”がすっ転んで任天堂がゲーム機事業から撤退して、保有している人気シリーズをスマホ用に次々と出していく未来が来たとしても――――『どうぶつの森』とか『ゼルダ』とか『ポケモン』とか『マリオカート』は出したとしても、『スーパーマリオ』は出さないんじゃないかなぁって思うのです。




 だから……純粋に気になるのです。
 「マリオの新作がスマホで出るんじゃないか」と言っている人はどういう考えで言っているのか。


 興味があるのはゲームじゃなくて株価だから、「マトモに遊べないマリオ」でも「別物になったマリオ」でもイイからスマホに出るんじゃないかと予測しているのか。
 『スーパーマリオ』がどういうゲームなのかを知らないのか。
 スマホを見たことがないのか。


 それとも……「ひょっとして……」と私が一番気になっていることなんですけど。
 私以外の全員はバーチャルパッドを普通に使えるのか……? 
 そうでなければ、どうしてこんなに「従来型のゲームにバーチャルパッドを付けただけでスマホ用にしたと言い張るゲーム」が多いのか説明がつきません。

 だとしたら、こんな記事を書いていること自体が滑稽ではあります。
 「マリオがスマホで出てもバーチャルパッドじゃマトモに遊べないよ!」と書いても、「いやいや、みんなはバーチャルパッドを普通に使えるから」と前提が間違っている可能性がありますもの。だから、煽りではなくて純粋に気になるのです。私だけがバーチャルパッドに適応できないオールドタイプなのか……?と。



 私以外の誰もバーチャルパッドに不満を抱いていないとしたら需要もないのかも知れませんが、不満しか抱いていない私は「だからボタン付きスマホが主流になって欲しい」と思うのです。
 もし任天堂がスマホアプリに本格的に参戦するのなら、どこのメーカーでもイイから電機メーカーと協力してこういうゲームを遊ぶのに特化したスマホを出して欲しいです。

 スマホそのものを作るのは大変ならば、こんな風な周辺機器を出すか対応するかにして、「これがあれば任天堂のゲームは全て対応しています」としてくれるかして欲しいです――――「周辺機器がないとマトモに遊べないゲーム」を出すのって、もはや「新しいゲーム機を作る」のと何が違うんだという気もしますが(笑)。

(関連記事:ゲーム機にしか出来ないこととは何だ



 あとはまぁ、5~6年後だったら「ボタンを押した感触がするタッチパネル」の実用性も上がっているでしょうし、バーチャルパッドももっと使いやすくなっている可能性もありますけどね。
 そういう意味で言えば、「従来型ゲームを遊びやすいスマホ」はこれからもっと主流になっていくのかも知れませんし、そう考えると“3DSの次”だって安泰ではないし。むしろ“3DSの次”がコケる可能性は、スマホ側が「従来型ゲームの遊びやすさ」の問題を解決した時かもって思います。今はまだゲーム専用機のアドバンテージが“ボタン”という一点にありますが、これから先は分からないなぁと。


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