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変わらない価値のあるもの

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2015年2月のまとめ

 地味に悩んでいることがあります。
 Wii Uのゲームパッドが壊れているかも知れないし、壊れていないかも知れないのです。


 症状を言うと、左のアナログスティックが常に右に入っているカンジです。
 ゲームを始めた直後は問題がないのですが……最初にアナログスティックを傾けて、その後に「ニュートラルポジション」に戻すと、「ニュートラルポジション」に戻したつもりが少し右に入っているらしくキャラやカーソルがずっと右に進み続けるのです。

 最初に気付いたのは、昨年の12月に『スマッシュブラザーズ』を「ゲームパッドだけで遊ぶとどんなカンジなんだろう」とプレイした時で、今年の2月に『熱血ホッケー部』をプレイした時もキャラが右に進み続けていました。ただし、『熱血ホッケー部』はアナログスティックを使うゲームではないのでそれほど気になりませんでした(理由は後述します)。

 しかし、現在Wii Uの『THE 密室からの脱出2』をプレイしていると、もう誤魔化しようが出来ないレベルに達しているのです。このゲームは「タッチペン」もしくは「アナログスティックでカーソルを動かして」対象物を調べるゲームなので、カーソルが常に右に動いているのが気になって気になって……

 WiiU_screenshot_GamePad_01497.jpg
<画像はWii U版『役満 鳳凰』から引用>

 また、『役満 鳳凰』をアナログスティックで操作すると、右に動き続けるカーソルをルーレットのように止めることで捨て牌を選ぶ別ゲーになります。



 もちろん、この手のアナログスティックは「ゲームを始めた時にスティックがニュートラルポジションにないとニュートラルポジションがズレてしまう」ことは知っています。だから、毎回ゲームを始める時はアナログスティックに触らないように気にしているのですが、それでも毎回ズレてしまうのです。
 いや……正確に言うと、「毎回ズレる」というよりかは。アナログスティックから指を離した後、自動でスティックが戻る位置が「ニュートラルポジション」の時もあれば「ニュートラルポジションから少し右にズレた位置」の時もあるって感じなのです。カーソルがそのままの位置に留まる時もあれば、カーソルが右に進み続ける時もあるのです。
 だから、『熱血ホッケー部』みたいなゲームはアナログスティックを「ニュートラルポジション」にしておけば問題がないのですが、頻繁にアナログスティックを使う『THE 密室からの脱出2』だとすごく気になってしまうのです。

 そういう理由なので、カーソルが右に進み続けている時(=ニュートラルポジションから少し右にズレた位置)に「ニュートラルポジションの再設定」の操作をすると、今度は「ニュートラルポジション」に戻った際にカーソルが左に動き続けるのです(笑)。



 自分で文章にしてみて、「なるほど、これは故障だな」と確信してきましたが……
 Wii Uのゲームパッドは普通のゲーム機のコントローラと違って単品販売をしていないので、コントローラだけ買い換えるということは出来ません。故障の場合は修理に出さなくてはなりませんし、修理に出している間はゲームパッドを使うゲームや機能は一切使えません。

 「ひょっとしたらこれは故障ではなく使い方の問題では?」と思っていたのですが、これは多分故障ですよね……このまま誤魔化し誤魔化し使うよりかは、『スプラトゥーン』までに修理した方が良さそう。
 さっさと『THE 密室からの脱出2』をクリアして、修理に出して、修理に出している間はWii Uではなく3DSのゲームでも遊べばイイかなーと思っていたのですが……その『THE 密室からの脱出2』が解き方が分からずにちっとも進まなくて、Miiverseに助けを求めても自分以外誰もいないから答えてくれる人がいないし。

 攻略サイトを見ちゃって、さっさとクリアするべきか悩んでいるのです。



 あれ……結局、「悩み」は「クリア出来ないゲームの攻略サイトを見てイイか?」って悩みだったのか……?

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 「2015年2月のまとめ」は私事・創作活動の報告などが大半なので、今月も読みたい人だけ「続きを読む」をクリックして下さいな。

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| ひび雑記 | 17:54 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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成長要素のないジャンルのゲーム

 記事タイトルは「このジャンルにはもう未来がない!」ってことじゃなくて、『ドラゴンクエスト』におけるレベルアップシステムのような「成長要素」のないジャンルについて語りたいってことです。


 自分はプレイしていないんですけど、父が最近LINEの『ディズニーツムツム』にハマってプレイしています。
 元々は、以前のように歩き回れなくなった父に兄がiPad miniをプレゼントして、兄と、兄の嫁さんと、兄の子ども(父から見て孫)とLINEでやりとりをするようになったのですが……兄の嫁さんと、兄の子ども(父から見て孫)が『ディズニーツムツム』をプレイしていたことで、父もプレイするようになったみたいです。

 で、私は『ディズニーツムツム』をプレイしていないんですけど「ゲームのことなら詳しいだろう」と父から最初の内はよく質問されて、どうも「兄の嫁さんや、兄の子ども(父から見て孫)に比べて点数が上がらないんだ」ということでした。確か、二人は80万点とか100万点とか出すのに、父は10万点くらいしか出せない―――と。
 ほとんどゲームをやらない兄の嫁さんや、まだ5歳の兄の子ども(父から見て孫)にどうしてこうも惨敗するのか――――


 私はプレイしていないどころか自分がゲームをする時間も作れずに積みゲーが積み上がっていっているというのに、父のゲームのためにネット上で攻略情報を調べたり、兄に聞いてみたりしたところ……色々な要因があるのだけど、根本には「長期間プレイしている人ほど各キャラのレベルが上がるので基礎点が増える」という理由だったみたいです。
 つまり、1ヶ月早く遊び始めてレベルが上がっている二人に、始めて数日の父が適うワケがない―――と。


 ソーシャルゲームというのは言ってしまえばオンラインゲームで、オンラインゲームというのは「長く遊ばせる」ことによって収益を上げるビジネスモデルです。
 買いきりのパッケージソフトならば、ゲーム屋さんで5000円を払って買ってもらったら、その後に1000時間遊んでもらっても1時間で飽きられても、最初に払ってもらった5000円が増えることもなくなることもありません。プレイ時間の長さはそれほど重要ではないんですね(※1)

(※1:と、言いつつも……「クリアしたら中古に売っちゃう」人への対策としてプレイ時間を水増ししたり、クリア後にも延々と遊べる要素を入れたりするゲームも多いんですけどね。)

 しかし、月額課金でもアイテム課金でもバナー広告からの収益でも、オンラインゲームは1時間で飽きられたら商売になりません。課金してもらうタイミング(広告クリックしてもらう回数)を増やさなければ利益は出ませんから、「たくさんの人」に「長く」遊んでもらうことが大切です。


 だから、パズルゲームであっても「成長要素」を入れるんですね。
 レベルが上がれば「レベルが上がった」ことが嬉しいし、長く遊べば遊ぶほど報われるし、他の人より長く遊んでいることを肯定してくれるし、ここまで長く遊んだんだから辞めるのはもったいないと思わせる―――プレイ時間を長くするためには「成長要素」は必須だと言えると思います(※2)

(※2:「課金」すればプレイ時間の差を埋めることが出来る要素があると、なおのこと「課金」への誘導が上手く行きます)



 私は、ゲームは全て「私の好きなゲーム」になればイイだなんて思っていません。
 こういうことを書くと、毎回のように「出たよ、またコイツ奇麗事を言ってんよ」とか「叩かれないように予防線張ってダセエ」とか言われるんですけど……世の中には色んな人がいて、それぞれに合った「ゲームとの付き合い方」は違うと思うのです。それは奇麗事でも予防線でもなくて、ただの事実です。


 それを踏まえて読んでもらいたいのですけど。
 私はこういうゲームが好きではありません。
 「友達がいないからソーシャルゲームが好きじゃない」とか、「新しいものを認められない老害だから買いきりのゲーム以外は認められない」とかって話じゃなくて……シンプルに「長く遊ばせるゲーム」が嫌いなんです。

 私はこのブログでゲームについての話題を書いています。
 世の中にはゲームを全く遊ばずにゲームの話題を書いてるところもありますけど、私は基本的に「今遊んでいるゲーム」から話題をもらいます。だから、1本のゲームを長く遊ぶのではなく、たくさんのゲームを次々に遊ばないとブログの話題が尽きてしまうんです。仮に、このゲーム1本あれば半年は遊べますってゲームを始めちゃったら、半年間そのゲームの話題しか書くことがなくなっちゃいますもん。

 だから、買いきりのゲームであっても「クリアまでに300時間かかりますよ」みたいなゲームは買う気になりません。「成長要素」のあるゲームが全部嫌いなワケではありませんが、プレイ時間を長くさせるための「成長要素」は嫌いです。



 ですが、普通の人は「たくさんのゲームを次々に遊ばないとならない」なんてことはありませんよね。普通は「面白いゲームがあって、その1本で何年も遊んでいられる」のだったら、それが最高だと思うことでしょう。
 どっちの人が正しいとかじゃなくて、「世の中には色んな人がいて、それぞれに合った「ゲームとの付き合い方」は違う」というだけの話です。私だってブログ辞めて、積みゲーを全部消化出来たのなら、ソーシャルゲームとかクリアまでに300時間かかるゲームとかも好きになれるかも知れません。



 さて、ここからが本題。
 『ドラゴンクエスト』におけるレベルアップシステムのような「成長要素」は、それこそ『ドラゴンクエスト』が大ヒットした1980年代後半から色々なジャンルのゲームに取り込まれてきました。アクションゲームにレベルアップシステムを加えて「アクションRPG」と呼んだり、シミュレーションゲームにレベルアップシステムを加えて「シミュレーションRPG」と呼んだりもしました。


 パズルゲームはその中でも、『テトリス』や『ぷよぷよ』などのレベルアップシステムのないタイトルが主流のジャンルで、レベルアップシステムのあるタイトルが異端だったと思います。
 しかし、近年では育成RPGとパズルゲームを融合させた『パズドラ』が大ヒットして、RPG色は強くないけどレベルアップシステムのある『ディズニーツムツム』が大ヒットして……と考えると、パズルゲームですら「成長要素」がある方が主流になっていると思うのです。

 発想を変えてみると……
 パズルゲームというジャンルはヒット作がしばらく出ていなくて、買いきりのゲームでは何千円もするパッケージソフトではもう商売にならず、数百円のダウンロードソフトが主戦場になっていたことと思います。
 斜陽だったパズルゲームというジャンルに「レベルアップシステム」と「フレンドと繋がるソーシャル性」を加えた結果、パズルゲームが再び大人気ジャンルに復活した―――とも言えると思うのです(※3)

 (※3:もちろんそれ以外の要因もたくさんありますけど、自分は実際にはプレイしていないので踏み込んだ話はしないでおきます。)


 そう考えると……現在ではまだ「成長要素」のないジャンルこそが、「成長要素」を加えることで新たなユーザーを獲得出来たり、ジャンル自体が復活したりという可能性を秘めているんじゃないかと思うのです。
 個人的にはそういう未来がここ数年で来るとは思っていませんが、もし仮にゲーム機がこの世界からなくなって、全ての新作ソフトがスマホやタブレット端末用のソーシャルゲームになったとしたら、そうしたジャンルも「成長要素」を無視することは出来ないでしょうし。妄想のしがいのあるテーマだと思います。


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○ ユーザーは何故「成長要素」を望むのか?
 これはゲームに限った話ではなく、人は娯楽に「成長」を求めるものだと私は思っています。映画でも漫画でも小説でも、主人公が「成長」していく様を観るのは王道のキモチヨサがありますからね。ゲームにおけるストーリーでも、この「主人公の成長」を描けていればキモチヨサを感じることが出来ます。

 しかし、ゲームの場合は更に二つ「プレイヤーの上達」と「キャラクターのレベルアップ」という成長要素があると思います。
 「プレイヤーの上達」は、アクションゲームで言えば「昨日はクリア出来なかった面をクリア出来るようになった!」とか「今まで出せなかった技が出せるようになった!」達成感がありますし。RPGやシミュレーションゲームにも、プレイヤー自身の戦略や状況判断が上達していく余地が多分にあります。『風来のシレン』なんかは分かりやすいですよね。アクションゲームではないけど、プレイヤー自身が上達していくのでレベル1からやり直しになっても効率よく進むことが出来るゲームです。

 しかし、「プレイヤーの上達」は感じられる人と感じられない人がいます。
 そのジャンルがどうしても苦手な人は、何十時間プレイしても上手くなっていることを実感できないでしょうし……逆に、そのジャンルが得意すぎる人も、ある地点から上達を感じられなくなってしまうものです。
 「俺、このシリーズ全作クリアしているけど、今回のが一番簡単だったわー。最近の若者に合わせてヌルゲーにしているの物足りないわー」とか言っている人は、「シリーズ全作クリアしてればそりゃ上手くなっているだろうし、そうしたらもう“上達する楽しみ”を味わえない」ってだけだと思いますからね。

(関連記事:ゲームが上手くなった日のことを覚えていますか。
(関連記事:「上達」が楽しいのか、「攻略」が楽しいのか


 しかし、「キャラクターのレベルアップ」は、全てのプレイヤーをレベル1からスタートさせて、遊んだ時間の分だけ経験値が蓄積されるので……「プレイヤーの上達」が実感出来ないほどゲームがものすごく下手な人もゲームがものすごく上手な人でも、全ての人が「成長」を実感できるシステムだと言えると思います。(※4)

 時間のない人にとっては、そうでもないか……(笑)。


(※4:もちろん「キャラクターのレベルアップ」というのは一例であって、ゲームによっては「強い武器を作れるようになる」とか「チームで保有できる人数が増える」とか様々な形での「成長要素」となります)


 ということを、踏まえて……



1.「一発で死ぬアクションゲーム」に「成長要素」は入れられるのか
 代表的なのは『スーパーマリオブラザーズ』とか。

 「一発で死ぬゲーム」と、「攻撃を喰らうことが前提のゲーム」

 これは去年の11月の記事。
 「アクションゲーム」と一括りにしても、「避けることが前提のアクションゲーム」と「喰らうことが前提のアクションゲーム」は別のジャンルだよねという記事でした。

 「喰らうことが前提のアクションゲーム」は「レベルアップシステム」を採用しているものもたくさんあります。レベルが上がることで、敵から喰らうダメージが減ったり、敵に与えるダメージが増えたりします。『ドラゴンクエスト』が大ヒットした1980年代後半からありましたし、『マリオ』シリーズであっても外伝である『スーパーペーパーマリオ』なんかはそうですよね多分。

 しかし、「一発で死ぬアクションゲーム」の場合は「成長要素」を入れづらいのです。
 『スーパーマリオブラザーズ』でマリオがレベル1の時ならクリボーに一発当たると死んでしまうけど、レベル10なら十発当たっても大丈夫―――というシステムにしてしまったら“避ける”ことをしなくなって、『スーパーマリオブラザーズ』の魅力自体を失いかねません。

 「どうして任天堂はスマホに『スーパーマリオ』を出さないのか?」という話は、ゲーム機事業が任天堂の基幹だからというのが第一、もしそこから撤退したとしても「ボタンのないスマホで『スーパーマリオ』がマトモに操作出来るのか」という問題が第二に来ると思うのですが……もう一つ、「成長要素」のない『スーパーマリオ』だと課金させるタイミングが作れないという問題もあると思うのです。

(関連記事:もしスマホで『スーパーマリオ』が出たら、皆さんは遊びたいですか?


 では、逆転の発想で「『スーパーマリオ』に成長要素を加えるとどうなるか」を考えると……
 レベルアップシステムではなく、「ステージに持ち込むアイテム」の方を成長させるというのはどうでしょう。『スーパーマリオワールド』以降のシリーズが一つだけアイテムをストックしたまま始められるようになったのをもっと押し進めて、「レベルが上がると持ち込めるアイテムの数が増える」とか「持ち込めるアイテムも一つ一つパワーアップさせられる」とかにするとか。

 時間も課金もかけていない人でも、ノーマルマリオでクリアしようと思えば高難度のままクリア出来るけど。
 アイテムを成長させると、ファイアーが巨大になって連射できて壁も破壊して突き進むとか、雷を落として画面上の敵を全部倒せるとか、葉っぱのバリアーを張れるようになるとかして、アクションが苦手な人でもクリア出来るようになる―――みたいな。

 これなら「一発で死ぬ緊張感」を残したまま「成長させる楽しみ」も生まれそうですけど、やっぱり主人公が成長するゲームだとマリオじゃない別のキャラの方がイイ気もしますね。「マリオじゃない誰かがマリオを目指して成長していくゲーム」とか。それ、もう『スーパーマリオ』じゃないですけど。



2.「アドベンチャーゲーム」に「成長要素」は入れられるのか
 日本のゲームの歴史を考えるのなら、『ポートピア連続殺人事件』にレベルアップシステムを導入して『ドラゴンクエスト』が生まれたのですから……「アドベンチャーゲーム」に「成長要素」を加えたらRPGになっちゃうじゃん!とも言えるのですが。

 考え方を変えると、『弟切草』のように「一つのエンディングを迎えると選択肢が増えて今までは行けなかったルートに入れる」システムも「成長要素」とも言えると思うのです。そう捉えている人は多くないかも知れませんが、時間をかけることで今まで行けなかった話が読めるようになるというのは『ドラゴンクエスト』の「時間をかけることでキャラクターがレベルアップするシステム」と似ていると思いますし、この「成長要素」こそがアドベンチャーゲームを「長く遊べるゲーム」に変えたとも言えますからね。


 イシイジロウ氏ら第一線で活躍するクリエイターがアドベンチャーゲームを語り尽くす!――「弟切草」「かまいたちの夜」から始まった僕らのアドベンチャーゲーム開発史(後編)

 これは2013年11月の4Gamer.netの記事で、2ページ目にアドベンチャーゲームがスマホやソーシャルゲームにどう対応していけるのかという話がされています。

 ボタンの感触がないことで誤操作を頻発しそうなアクションゲームと違って、テキストを読んで選択肢を選ぶだけのノベルゲームならばスマホやタブレット端末とは相性が良さそうなのですが……「基本無料のアイテム課金」というビジネスモデルとはあまり相性が良くないんですね。レアモンスターを手に入れたり、パワーアップさせたりみたいな要素がないので、課金のタイミングがないのです。


 ならば、いっそのことこんなのはどうでしょう。

・エンディングを迎えれば迎えるほど、主人公のレベルが上がる
・主人公のレベルが上がることで選択肢が増えて、新ルートに進めるようになる
・全員を救う真のエンディングに向かうには相当レベルを上げなければならない
・課金するとレベル上げの時間を短縮できるので、早く真のエンディングに到達できる


 うむ。えげつない(笑)。
 ガワを工夫すればこれも面白くなる余地はあるように思えるのですが……

 根本的な話として、『スーパーマリオ』とかもそうですけど、「終わりのあるゲーム」って終わりが来たらゲームを辞められちゃうから課金し続けてもらえないんですね。延々と遊べる育成ゲームとかパズルゲームとかと違って、アドベンチャーゲームは「真のエンディング」を迎えたらそこで終わってしまうから……「成長要素」の有無とか以前に、「基本無料のアイテム課金」というビジネスモデルに向いていないように思えますね。


 この記事は「基本無料のアイテム課金」を語る記事ではなくて「成長要素」について語る記事なので、話を戻しますが……バッドエンドが「失敗」ではなく「成長の糧」だとプレイヤーが思える演出になっているとプレイヤーも「しまった」ではなくて「やった!」と思えるので、「エンディングを迎えれば迎えるほど主人公のレベルが上がるアドベンチャーゲーム」もあながち馬鹿に出来たものでもないかなと思います。



3.「スローライフのゲーム」に「成長要素」は入れられるか?
 矛盾しているようなお題だ……
 今や『スーパーマリオ』と双璧をなす任天堂内製の人気シリーズ『どうぶつの森』は「終わりのないゲーム」ですし、DS版は「タッチパネルだけでの操作」も可能でしたし、スマホ&ソーシャルゲームと相性がイイと語られているのも見かけるのですが……『どうぶつの森』も「成長要素」のないゲームです。

 レベル1だとスズキしか釣れないので、せっせと釣りスキルを上げてレベル10になったらマグロが釣れるようになる―――みたいなシステムにしてしまったら、ちっともスローライフじゃないですし、『どうぶつの森』じゃないと思うんですね。


 「所持金が増えると好きなものが買えるようになる」「カタログが埋まると再注文も出来るようになる」のは成長要素と言えなくもないので、課金させるタイミングはここか?時間をかければ家具もコンプ出来るけど、課金して「ロイヤルな家具一式のカタログ」を買っちゃえば時間をかけずにコンプ出来る―――とか。

 さっきから、どうして「課金させるタイミングはどこか」みたいなことばかり考えているのだろう(笑)。


 こう考えてみると任天堂内製のゲームってレベルアップシステムのような「成長要素」がないゲームが多いし、人気シリーズをスマホ向けに出したとしても課金させるタイミングが難しいので業績アップにはならないように思いますね。スマホ向けアプリの開発は行っているみたいですが、そこで儲けるのではなく、ユーザーとの繋がりのために活用するというのも分からなくもないです。


 閑話休題。
 自分は『どうぶつの森』の楽しさは「成長する楽しみ」というよりかは、「収集(コレクション)する楽しみ」だと思っています。持っていない家具を集めて、釣っていない魚を釣って、住人と仲良くなって送ってもらう写真を集めて―――というのが楽しいゲームなので。

 「成長する楽しみ」と「収集(コレクション)する楽しみ」を両立している『ルーンファクトリー』のようなゲームもありますけど、逆に言うと『どうぶつの森』に「成長要素」を足すと『ルーンファクトリー』になっちゃうとも言えるのかも。
 私は逆に、『ルーンファクトリー』から「成長要素」を抜いて、ただひたすら住人とイチャイチャするだけのゲームが遊びたいと思っていたのですが……それが『どうぶつの森』だ!


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 こうやって「成長要素のないゲーム」を考えてみると、入れていないだけの理由があると分かりますし。もし、スマホで「基本無料のアイテム課金」をやっているゲームが儲かっているからウチもやろうみたいな志の低さで、既存のシリーズに「成長要素」を入れて「基本無料のアイテム課金」で儲けようと思っても……今まで持っていたそのゲームの面白さを失うだけで、別のゲームになってしまうのだと思いました。

 「妄想したら楽しそうだな!」という目的で書き始めた記事なんですけど、逆に、なんか、あの……申し訳ないカンジになっちゃって。


 逆に言うと、スマホ向けアプリで成功するためには「既存のシリーズの再利用」よりも「そこに向いた新しいゲームの発明」が大事だから……任天堂が作っているものがどんなものなのか楽しみではあります。




 こういう記事は時間が経つとイイカンジに発酵して面白くなるので。
 5年後くらいにこの記事を読み返してみたら、「え?5年前にはまだノベルゲーにレベルアップのシステム入れてなかったの?」とか「任天堂がスマホ向けゲームを出す前の記事なのか!」みたいに驚けるかも知れませんね。どうなっているのだろう、これらのジャンルの5年後は。

| ゲーム雑記 | 17:57 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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『SHIROBAKO』第15~19話に登場する元ネタ解説

※ この記事はテレビアニメ『SHIROBAKO』第19話「釣れますか?」までのネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。

 第5弾です!
 漫画版・小説版の記事も含めれば第6弾とも言えます!

 『SHIROBAKO』第1~2話に登場する元ネタ解説
 『SHIROBAKO』第4~6話に登場する元ネタ解説
 『SHIROBAKO』第7~10話に登場する元ネタ解説
 『SHIROBAKO』第11~14話に登場する元ネタ解説
 アニメにつながる彼女達の人生!『SHIROBAKO』漫画版&小説版

 いよいよ『SHIROBAKO』も終盤戦ですね。
 今回、多分ここが区切りだなと思ったので5話を一まとめにしました。今回はそれほど解説が必要な元ネタも多くなかったので助かりましたが、『SHIROBAKO』は全24話だからラスト5話……このラスト5話も一まとめに出来ればイイんですけど、はてさて。


 毎回の決まり文句となりつつありますが、今回も私には分からない&間違っている解説がありましたら、分かる人・思いついた人がコメント欄ででもお教えくださるとありがたいです。


◇ 第15話「こんな絵でいいんですか?」

○ 『きんぎょゆらゆらニュース』
 山田がかつて演出をやっていたアニメ?
 元ネタは恐らく『きんぎょ注意報!』公式サイト)だと思うんですけど……

 『きんぎょ注意報!』は猫部ねこ先生の漫画を原作に、テレビアニメは1991年~1992年に放送されました。田舎の中学校に都会からお嬢様が転校してきたところから始まるギャグ漫画で、空飛ぶ金魚などの動物が多数登場していました。シリーズディレクターは佐藤順一さんで、演出陣を見ると幾原邦彦さんや五十嵐卓哉さんなど後に監督として大活躍する面々もいらっしゃいますね。

 自分はほとんど観たことないので、「寝坊だけで1話持たせた回」というのはどのことか……そもそも山田さんの年齢(40歳前後くらい?)からすると、1991年に演出家だったかというのは微妙だと思うんですね。ひょっとしたら他に元ネタがあるんですかね。誰か思いつく人がいらしたら教えてください。


○ 『戦闘精霊コラーゲン』
○ 『閃光のシュツットガルト』

 舞茸しめじがピンチヒッターを務めて立て直したアニメ……と、安藤さんが言っていました。

 諸説言われているみたいですが……私はこれ、元ネタはないと思っています。
 「監督が逃げた」とか「メインライターが降りた」という作品ですからね。これが元ネタだって言っちゃうと風評被害になりかねませんし、「元ネタがないようなタイトル」にしたんじゃないかと思われます。それでも世の中にはたくさんのアニメがあるので「元ネタはコレじゃないか?」と言われてしまうんでしょうが。


○ 浜崎五郎
 『第三飛行少女隊』の音楽担当。見た目が作曲家らしくないからか、木下監督がマネージャーの方に挨拶してしまった人です。モデルは恐らく「浜口史郎」さんです。『SHIROBAKO』でも音楽を担当されていますし、『花咲くいろは』『TARI TARI』と言ったP.AWORKS作品や、『おおきく振りかぶって』『ガールズ&パンツァー』などの水島監督の作品でも音楽を担当されていました。

 画像検索してみると一目瞭然ですが、ルックスもとてもよく似せて描かれています(笑)。



◇ 第16話「ちゃぶ台返し」

○ エンゼル体操
 絵麻が屋上で「肩に効く」としてやっていた体操ですが……1978年に発売された「ムキムキマンのエンゼル体操」とは名前が一緒なだけで、同じ動きではないみたいですね。なので元ネタがあるワケじゃないと思います。

 自分は知らなかったんですけど、水島努監督の作品には「奇妙なオリジナル体操」が入っていることが多いという伝統があるんですってね。自分は観ていないんで分かりませんでしたが、『侵略!イカ娘』や『ガールズ&パンツァー』にもそういう「奇妙なオリジナル体操」が入っていたそうです。


 そして、もう一つ……



 こちらはかつて語ったことのある話!

 『TARI TARI』の時に「これは定番なのか……?」と書いたあの動きは、「伝統」だったんですね!

hanasaku4.jpg
<テレビアニメ『花咲くいろは』第4話より引用>

 メールの返信をどうするべきか、大股開きで悩んでいるところを見られて誤魔化す緒花。


taritari3.jpg
<テレビアニメ『TARI TARI』第3話より引用>

 大智の部屋に入ったら下着姿の女性がいたので、慌てて誤魔化すウィーン。


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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>

 肩に効くエンゼル体操をしている絵麻。


 どのキャラも、「屈伸」からの「うさぎ跳び」をしています。
 「伝統」ということは、他のP.A.WORKSオリジナル作品にもあったのかなぁ……『true tears』は「屈伸」は覚えているんですけど「うさぎ跳び」していましたっけ。『グラスリップ』は全く覚えていません。


○ バッティングフォーム
 もはや「アニメの元ネタを解説する」記事でも何でもありませんが(笑)。

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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>

 4人がバッティングセンターに行くシーンの構え、どうも「実在の有名野球選手の構え」をモデルにしているみたいなんですね。自分だけでは自信がなかったので、一応ネットでの反応を見たところ……


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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>

 宮森さんは「イチロー」の構えみたいです。この手の動きだけですけど。
 イチロー選手は、本名:鈴木一朗さんで現役のメジャーリーガーです。
 愛工大名電高校から1991年ドラフト4位でオリックス・ブルーウェーブに入団、1994年から登録名を「イチロー」に変更、「振り子打法」によって日本プロ野球史上初の200本安打を達成しました。そこから7年連続の首位打者(最も打率の高い選手)のタイトルを獲得。
 2001年からはアメリカのメジャーリーグ、シアトル・マリナーズに移籍、10年連続200本安打という偉業を達成します。2012年の途中からニューヨーク・ヤンキースに移籍、2015年からはマイアミ・マーリンズに移籍しました。また、2006年と2009年にはWBCに出場し、日本代表の2度の世界一に貢献しました。

 記録にも記憶にも残るスーパースターで、世界に誇る偉大なヒットメーカーです。
 ちなみにイチロー選手は左打ちです。

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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>

 絵麻は「落合博満」さんの構えみたいですね。
 落合博満さんは現在は中日ドラゴンズのGMです。
 社会人野球チーム東芝府中から1978年ドラフト3位でロッテオリオンズに入団、25歳でのプロ野球入りながら、1982年のシーズンには三冠王(首位打者、ホームラン王、打点王)、5度の首位打者に3度の三冠王という凄まじい成績を挙げます。中日ドラゴンズ、読売ジャイアンツ、日本ハムファイターズと渡り歩き、1998年にプロ野球選手を引退。
 2004年からは中日ドラゴンズの監督に就任し、8年間で4度のリーグ優勝と1度の日本一、8年連続Aクラスという好成績を収めます。

 独自の野球哲学や歯に衣着せぬ発言なども独特で、「オレ流」とも形容される唯一無二の存在です。


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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>

 井口さんは「王貞治」さんの構えっぽいですね。
 王貞治さんは台湾国籍で日本出身の元プロ野球選手・監督で、現在は福岡ソフトバンクホークス球団取締役会長だそうです。
 早稲田実業学校高等部から1959年に読売ジャイアンツに入団、荒川博コーチの元で「一本足打法」を会得、1962年から13年連続ホームラン王に輝き、通算でも15回のホームラン王のタイトルを獲得、868本のホームランは現在も世界記録とされています。5度の首位打者に2度の三冠王、長嶋茂雄さんとともに「ON」として人気を博し、巨人の9年連続日本一に貢献、初めての国民栄誉賞受賞者で、監督としても巨人とダイエー・ソフトバンクで4度のリーグ優勝と2度の日本一を達成、第1回WBCにおいても日本代表監督としてチームを優勝に導きました。

 列挙するだけでも大変(笑)。
 これだけのとてつもない経歴の人間でありながら人格者であり、誰からも愛されて尊敬される国民的ヒーローと言って良いでしょう。

 ちなみに、王さんも左打ちです。


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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>

 小笠原さんは「小笠原道大」選手の構えみたいです。
 小笠原繋がりだと……

 小笠原道大選手はNTT関東から1996年ドラフト3位で日本ハムファイターズに入団、骨折した指でホームランを打ったことから付いた愛称は「ガッツ」、また「ミスター・フルスイング」とも呼ばれる豪快な打撃フォームにも関わらず高打率を誇るアベレージヒッターで2度の首位打者に輝いています。
 2007年からは読売ジャイアンツに移籍、低迷期に入っていた球団を復活させる主軸として活躍しました。2014年からは中日ドラゴンズに移籍、左の代打の切り札として活躍しています。


○ ピッチングフォーム
 こちらにも元ネタがあるようです。
 私は当初「バッティングフォームは有名選手、ピッチングフォームは有名野球アニメをモデルにしているのでは」と思ったのですが、どうも“フォームが特徴的な投げ方”を二次元・三次元問わずにモデルにしているみたいですね。


shirobako16-7.jpg
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>

 宮森さんは多分、「トルネード投法」

 1990年から近鉄バファローズで活躍し、後にロサンゼルス・ドジャースなどのメジャーリーグのチームで大活躍したことで「日本人選手のメジャーリーグ挑戦のパイオニア」と呼ばれた野茂英雄さんの特徴的な投げ方です。打者に背中を見せるほど体を捻ることで球威が増す上にリリースポイントが見づらくなって打者としては非常に打ちづらいのだけれど、足腰の強さと高いバランス感覚を必要とします。

 野茂さんの活躍は社会現象になったほどだったので、多くの野球漫画でもこの投げ方を真似しているキャラは登場していましたね。


shirobako16-8.jpg
<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>

 絵麻は多分「大リーグボール2号」です。
 Twitterに自分は「サンダーバキュームボール」じゃないかと書いたのですが、後でネットで画像検索してみたところ、「サンダーバキュームボール」は左手をもっと上まで上げるみたいなんですね。なので、「大リーグボール2号」だろう。

 「大リーグボール2号」は、野球漫画『巨人の星』で星飛雄馬の魔球の一つです。
 原理を書くとネタバレになってしまうので避けますが、「消える魔球」として日本の野球漫画史上でも最も有名な魔球だと思います。しかし、多分……このバッティングセンターで投げても、消えませんよねきっと(笑)。


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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>

 井口さんは多分「マサカリ投法」ですね。

 1968年から東京オリオンズ→ロッテオリオンズで活躍した村田兆治さんの投げ方で、豪快に上から投げ下ろすことでストレートとフォークの切れが増したそうです。現在はプロ野球選手を引退して60歳も超えているのですが、2年前に135km/hという球速を記録した生きるレジェンド。


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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>

 小笠原さんが投げているのは恐らく「ドリームボール」です。
 野球漫画『野球狂の詩』に登場する水原勇気の投げる変化球で、日本プロ野球史上初の女性選手だった彼女はこの変化球を武器にプロ野球を戦います。左投げのアンダースローからボウリングのようなフォームで投げられ、ホップした後にスクリューボールのように落ちるのが特徴だそうです。

 何故、小笠原さんは「ドリームボール」を投げたのか―――
 『イデオン』の地球とバッフ・クランの関係が遠藤さんと下柳さんの対立に喩えられていたように、ここで小笠原さんが投げるボールが「ドリームボール」なのも意味があると思います。
 水原勇気というキャラは、『野球狂の詩』の中で日本プロ野球史上初めての女性選手として登場します。つまり、「自分以外は全員男」の中でたった一人「女性」の力で立ち向かう話なんです。これは、監督やプロデューサーなど「自分以外は全員男」の中でたった一人「女性」の力で立ち向かった小笠原さんの構図に重なっているんですね。

 なので、この回の小笠原さんは、あくまで男性社会の感覚の監督やナベPに「お酒を飲めば誰でも気分転換になるとは思わないでください」と怒り、宮森さんや絵麻を誘って女性陣だけでバッティングセンターに向かったのでしょう。


○ 『KILL BRIDAL5』
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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第16話より引用>

 若き日の小笠原さんが失意の中で観た駅のポスター。

 元ネタは恐らく『キル・ビル』です。
 2003年に第1作が、2004年に第2作が公開されたクエンティン・タランティーノ監督のバイオレンス・アクションムービーです。妊娠中の子どもと夫を殺された女暗殺者が復讐の旅に出るストーリーで、「戦う女として」武装することを小笠原さんに決意させたということなのでしょう。


◇ 第17話「私どこにいるんでしょうか…」

○ 『合格機動隊』
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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第17話より引用>

 『第三飛行少女隊』が情報解禁された雑誌の広告にあった作品名ですが……

 あれ……この『SHIROBAKO』の世界には既に『望遠機動隊』があったような……
 元ネタは恐らく『攻殻機動隊』だと思われます。『攻殻機動隊』の解説は5話で書いているんで、そちらをどうぞ。

 『ダンツィヒ回廊のエカテリーナ』は10話で宮森が効果音の収録に協力しちゃった作品で、『俺様のハーレムが少しずつ崩壊しているかもしれないけどたぶん気のせいかもしれない』は4話でしずかがオーディションを受けた作品ですね。あのオーディション原稿には「(仮)」が付いていたけど外れているので、あの「(仮)」は本当に「(仮)」だったみたい。


○ マンフェス
 『第三飛行少女隊』のPVを流すイベントで、「マンガフェスティバル」の略だそうです。「8月13日から」という茶沢の台詞があるので、「コミックマーケット」公式サイト)が元ネタだと思われます。

 通称「コミケ」、毎年8月と12月に行われる世界最大規模の同人誌即売会で、現在は東京ビッグサイトで行われています。同人サークルが同人誌やグッズの頒布を行うだけではなく、企業が参加してグッズを頒布したりPVを流したりもしています。『SHIROBAKO』のPVも、コミケで流れていたみたいですね。

 漫画・アニメ好きにとっては大メジャーイベントなので、ヲタクを題材にした漫画・アニメにはこれをモデルにしたイベントに行く回が頻繁にあるのですが……アニメだと微妙に名前をもじっていたり、名前が出ないようにしていたりしている作品がほとんどですね多分。


○ 『ミムジーとロロ』のPV
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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第17話より引用>

 ミムジーとロロがPVに付いて説明してくれる「架空のPV」。



 まんまこれ(笑)。
 今見ると、これも4話までのカットが使われているみたいですね。何気なく見ていたPVですけど、作るのには確かに余計な労力が必要だし、最初にお披露目する映像だから手抜きも出来ないし―――大変なんだなぁと思いました。


◇ 第18話「俺をはめやがったな!」

○ アフレコスタジオのポスター
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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第18話より引用>

 右は『えくそだすっ!』だけど、左は……というと。
 実はこのポスター……14話のオーディションシーンにも出ていたんですけど、14話の元ネタ解説を書いた時には気付かなくてスルーしちゃっていたんです。ということで、ハイ。14話で出てきたシーンはこちら。

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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第14話より引用>

 『Another』公式サイト)じゃないか!
 P.A.WORKS&水島努監督作品ということで、ガッツリ描かれちゃっていますね。解説は14話で書いたのでそちらをどうぞ。


○ 大倉正弘
○ 『ちょうりつうちゅうぐん』?
○ 『ゲキトバーツー』?

 名前は17話から登場していましたし、『ゲキトバーツー』は17話にしか出てきていない作品名ですが、メインとして登場するのは18話なのでこちらで。

 モデルは多分「小倉宏昌」さんです。
 何故なら19話のEDクレジットに名前が載っているからです(笑)。

 小倉宏昌さんは1987年の『王立宇宙軍 オネアミスの翼』で初めて美術監督を担当し、『アップルシード』『機動警察パトレイバー the Movie』『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』などなどの作品の美術監督を務められた人です。現在はIG小倉工房(公式サイト)の代表取締役です。

 『ちょうりつうちゅうぐん』の元ネタは『王立宇宙軍 オネアミスの翼』で、『町立宇宙軍』ってところですかね。規模がものすごく小さくなった!
 『ゲキトバーツー』の元ネタは『機動警察パトレイバー 2 the Movie』ですかね……字面は似ていないんですけど。


○ あおやま
○ 佐賀森さん

 「佐賀森さん」は大倉さんの師匠で、「あおやま」さんはそこで大倉さんと一緒にやっていた仲間で、渥美さんは「あおやま」さんの弟子―――という関係らしいですね。「佐賀森さん」は19話に登場します。

 小倉宏昌さんの経歴を見てみると、小林七郎さんが設立した小林プロダクションに1977年に入社して、1983年に退社後、1987年に『王立宇宙軍 オネアミスの翼』で初めての美術監督を担当ということなので……「佐賀森さん」のポジションは小林七郎さんで(名前は全然違うのでモデルとはちょっと違うと思いますが)、「あおやま」さんのポジションは小林プロダクション出身の「秋山健太郎」さんですかね。

 「秋山健太郎」さんは小林プロダクション出身の美術監督で、2008年に「studio Pablo」(公式サイト)を設立しました。
 代表作は『輪るピングドラム』『惡の華』『selector infected WIXOSS』などなど。たまたま現在dアニメストアの「見放題」で『輪るピングドラム』を観ている自分にとってはタイムリーな御名前でした。


 年代を見る限り、秋山さんが小林プロダクションに入った時点で小倉さんは小林プロダクションには在籍していなかったみたいですね。大倉さんの「あおやまが俺について言っていることは全部嘘」というのは、本人がいないところで大倉さんの話が伝説的に尾ひれが付いて広まっていたってことですかね。


◇ 第19話「釣れますか?」

○ 池谷ひろし
 矢野さんが『第三飛行少女隊』の5話のヘルプに誘った演出家。
 こちらはモデルがいるんですかね……

 名前が非常によく似ている池畠博史さんという演出家さんはいらっしゃるのですが、非常に仕事量が多く、年齢もまだまだ若い人なのでモデルではなさそう。流石に「仕事をあまりしない演出家」ともなると、名前は分からないので……誰かピンと来た人がいらしたら教えてください。

――2月26日23時追記――
 コメント欄にて、「池谷ひろし」さんのモデルは「池端隆史」さんじゃないかという情報をいただきました。これは!まず間違いないでしょう!何故なら……以前、『SHIROBAKO』の水島努監督&横手美智子さんのコンビは『げんしけん』コンビだと書いたことがありましたが、水島さんが『げんしけん』の監督をやったのはスピンオフの『くじびきアンバランス』と『二代目』で、初代の監督は池端隆史さんなんですよ。

 その初代にも演出家として水島さんが参加されていますし、一緒に仕事をすることも多いです。また、池端さんは『髭のおじちゃんの散歩日記』というブログを開設していますし、仕事をしないかどうかは知りませんが(笑)、散歩が趣味みたいですからね。

 情報ありがとうございました。



○ 武蔵野動画
 『SHIROBAKO』世界にかつてあったアニメ制作会社。
 武蔵野動画が倒産した後、その中のスタッフが色々な会社を作り、武蔵野アニメーションもその一つだそうです。モデルとかは……あるのか。こういうケースは珍しくないでしょうし、「よくある話」として描いていると思うんですけどどうなんだろう。

 有名どころで言うと、サンライズやマッドハウスが独立していった旧虫プロダクションとかがありますね。それこそ丸川社長のモデルは虫プロから独立してマッドハウスを設立したメンバーの一人である丸山正雄さんじゃないかという説もありますし……一応解説しておきますか。

 虫プロダクションは1961年に手塚治虫さんが設立したアニメ専門のプロダクションです。手塚治虫先生の漫画原作のアニメ『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』や、それ以外の『ムーミン』や『あしたのジョー』など数々の作品を手がけ、日本のテレビアニメの礎を築いた一つの会社と言えます。
 手塚先生の社長からの退任、労働問題、経営悪化などが続き、1973年に倒産―――現在の虫プロダクションは1977年に旧虫プロの労働組合が中心となって設立した別の会社です。


○ 『デカメロン物語』
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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>

 えっと……名前の響きからして『アンデルセン物語』が元ネタですかね。
 『アンデルセン物語』は1968年に公開された東映動画製作のアニメ映画で、1971年には虫プロダクション制作でテレビアニメも放送されました。
 年代的にも制作スタジオ的にも、虫プロ制作のテレビ版の方がモデルですかね。ストーリーを見たところ映画版とテレビ版はアンデルセン作の童話をモチーフにしている以外に共通点はない別物みたいですね。


○ 『新造人間ガチョーン』
○ 『ほねっこハチベエ』

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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>

 来たぜ、ポスター地獄!
 『新造人間ガチョーン』の元ネタは、1973年~1974年に放送された『新造人間キャシャーン』だと思われます。東京MXのサイトに似たような構図の絵が(笑)。自我を持って世界を征服しようとする戦闘ロボット軍団と、それに対抗する新造人間キャシャーンとの戦いを描いたSFヒーローアニメです。制作はタツノコプロ。

 1993年にはリメイク作品となるOVA版、2004年には実写映画、2008年には新作アニメが作られたそうです。


 『ほねっこハチベエ』の元ネタは、ちょっと分かりませんでした……
 『ジャングル黒べえ』は既に『アマゾン赤べこ』があるから(1話の解説参照)違うと思うのですが、フォントは似ているようにも思うんですね……

――2月26日23時追記――
 『ほねっこハチベエ』の元ネタは『けろっこデメタン』ではないかという情報をいただきました。全く知らないアニメだったのですが、画像検索してみて出てくる画像のポーズが一緒(笑)。これは間違いないでしょう。センスあるパロディですねぇ。

 『けろっこデメタン』は1973年に放送されたタツノコプロ制作のアニメで、Wikipedeiaでストーリーを読む限りはカエルの世界での権力闘争や身分を越えた恋などを描いた作品だったみたい……この絵柄からは想像できなかった意外なストーリーだ。
 情報、ありがとうございました。



○ 東城秀樹
○ キャンディガールズ

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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>

 こちらは武蔵野動画に貼ってあった当時のアイドルのポスターです。
 「東城秀樹」さんのモデルは、「西城秀樹」さんだと思われます。
 1972年「恋する季節」で歌手デビュー、1973年「情熱の嵐」でオリコントップ10入り、「ちぎれた愛」でオリコン1位を獲得し、名実ともにトップアイドルとなります。1979年の「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」は世代を超えて歌い継がれていく名曲となりました。
 郷ひろみさん・野口五郎さんとともに1970年代を代表するアイドル「新御三家」と呼ばれ、西城さんは「ワイルドさ」や「セクシーさ」の象徴でした。


 「キャンディガールズ」のモデルは、1970年代に活躍した「キャンディーズ」だと思われます。伊藤蘭さん、田中好子さん、藤村美樹さんによる3人組ユニットで、3人はそれぞれ「ラン」「スー」「ミキ」の愛称で親しまれました。

 『8時だョ!全員集合』にレギュラー出演をし、1973年に「あなたに夢中」で歌手デビュー、1975年の「年下の男の子」がヒットして、それ以降は「春一番」「暑中お見舞い申し上げます」などのヒット曲を次々とリリース、1976年デビューのピンク・レディーとともに70年代を代表する女性アイドルユニットとなりました。
 人気絶頂時の1977年に「普通の女の子に戻りたい」という言葉とともに解散を宣言し、1978年の最後のシングル「微笑がえし」で初のオリコン1位を獲得します。

 解散後、伊藤蘭さんは女優として芸能界に復帰し、水谷豊さんと結婚されました。田中好子さんも女優として芸能界で活躍されていましたが、2011年に若くして乳がんで亡くなられています。藤村美樹さんは1983年に期間限定でソロ歌手として曲を出したこともありましたが、その後は芸能活動は行われていないみたいです。


○ チャッキー
○ ピート
○ ポピー
○ リッキー
○ ブラス
○ ジョージ
○ バディ
○ ビル
○ エミー
○ ベソベソ

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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>

 『山はりねずみ アンデスチャッキー』のキャラクター達です。
 『アンデスチャッキー』の元ネタは『山ねずみロッキーチャック』なので、ここに登場するキャラクターはみんな『ロッキーチャック』にモデルのキャラがいるのかな……と思ったのですが、モデルのいるキャラとそうでもないキャラがいるみたい?漫画版の解説を書いた際にお世話になった『ロッキーチャック』のファンサイトを参考に書かせてもらいます。

 『ロッキーチャック』はdアニメストアの「見放題」に入っている作品なのですが、全52話もあるので流石に気楽には観られませんね……


 また、このシーンに出てくるチャッキーとポピー以外のキャラクターは、1970年代の武蔵野動画で働いていた人々とシンクロさせてあるみたいです。EDクレジットで判明するCV.と合わせることでどの人がどれかは分かるようになっているので、それも合わせて解説させていただきます。


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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>

 はりねずみが、このアニメの主人公チャッキーです。
 モデルは恐らくロッキーチャックファンサイト)。シャツ(?)がスカーフに変わっていますが、赤いものを身につけているという共通点があります。


 熊は、ピート。
 モデルはバスターファンサイト)というキャラですかね。名前は似ていないし、大きさも違うのだけど、身に付けている服が似ています。

 CV.は監督である森宮三郎と同じです。
 丸川が「武蔵野動画がなくなってもまたみんなでアニメを作りたい」と言うと、「俺も呼んでくれ」と賛同していました。この森宮さんにもモデルがいそうな気もするんですけど……誰でしょう。

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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>

 もう一匹のはりねずみがポピーです。このアニメのヒロイン。
 モデルはポリーファンサイト)だと思われます。頭に飾りを付けているだけじゃなくて、黄色いフサフサのある位置が一緒です。

 馬はリッキーです。
 ファンサイトを見ても馬のキャラクターはいないみたいですし、似たような服を着ているキャラを探しても見つかりませんでした。
 CV.は色彩設計の百瀬勇と同じです。「小諸に帰ろうかと思っている」という台詞があるように、その後に小諸に帰って小諸スタジオの社長になって『SHIROBAKO』第3話に登場します。車でハードディスクを運んできてくれた人ね。


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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>

 コックみたいな帽子を被った鳥はブラス。
 こちらもちょっとモデルが分かりませんでした。名前と目つきの悪さからすると、ブラッキー(ファンサイト)が怪しいかなと思うのですが……服が違うのが気になります。

 CV.は美術監督の佐賀森幸次と同じです。
 「アニメの背景を、観た人の魂を揺さぶるようなものにしたい」と言っていました。
 

 鶏はジョージ。このキャラもちょっとモデルがいるのかどうか……
 CV.は美術の大倉正弘と同じです。言うまでもなく、『第三飛行少女隊』で宮森が背景を頼んだ人です。ここで佐賀森さんへの弟子入りを志願していました。


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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>

 ウサギはバディ。名前は似ていないけど、服の色が似ているピーターファンサイト)がモデルと言ってイイでしょう。ロッキーチャックやポリーに続くレギュラーキャラみたいです。

 CV.は制作デスクの丸川正人と同じです。
 「武蔵野動画がなくなっても、このメンバーでまたアニメが作りたい」「そして絶対に今作っているアニメを超えるアニメを作りたい」と語っていました。それが後の武蔵野アニメーションになるのでしょうし、そしてコレ……「またこの5人でアニメを作りたい」と語っていた第1話の宮森達にシンクロさせてあるんですね。


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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>

 黒い犬はビル。これもモデルはいないみたい?
 CV.はキャラクターデザインの杉江茂と同じです。現在も武蔵野アニメーションで現役のアニメーターを続けている杉江さんです。丸川の意見に賛同していました。

 猫はエミー。
 CV.は「動画のあのコ」と同じですね。髪型から察するに後に杉江さんの奥さんになる人だと思われます。杉江と一緒に丸川についていくと言っていました。『SHIROBAKO』12話で宮森に「『アンデスチャッキー』の動画を描いていた」と言っていましたね。


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<テレビアニメ『SHIROBAKO』第19話より引用>

 カエルはベソベソ。
 カエルのキャラは『ロッキーチャック』にもステッキー(ファンサイト)というキャラがいますが、モデルかどうかは微妙なような。

 CV.は宮森さんと同じでした。
 吹雪が止んだ後にやってくるキャラなので、アニメが完成した後に「テレビの前でそれを観ている視聴者」や「そこから刺激を受けた次世代のアニメの作り手達」という象徴なのだと思います。まさに宮森さんのポジション。



 この情熱がアニメに夢を見られなくなりつつあった宮森さんに届くというシーンで、泣き顔の前に宮森さんの泣き声がかすかに聞こえるところが最高でした。
 この回の前半で「(宮森は)入って1年半も経つのにまだこの仕事に夢見てるんだ」という平岡の台詞があって。でも、アレだけ打ちのめされた宮森さんは夢を見失いかけていて。そこに、40年前に夢を見ていた若者が40年経ってもまだ夢を持ってアニメ作っている姿を見せることで、再び宮森さんがアニメへの情熱を取り戻すという展開だったんですね―――熱すぎる展開!


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 19話は本当に大好きな回で、宮森さんの泣き声が聞こえるシーンは何回見てもこちらも涙してしまいます。ただ「アニメを作るのって大変なんですよ」と愚痴るだけのアニメじゃないんです。必死に生きることを全力で肯定してくれるからこそ、この作品は心を打つのだし、私はこの作品が大好きなのです。


 よほどのことがない限りは、元ネタ解説は次でラストだと思います。
 残り5話―――惜しいけれど、大好きだったアニメがどう着地をしてくれるのかを楽しみに待ちたいと思います。ずかちゃんはどうなってしまうのか!


――追記――
第20話~最終話の元ネタ解説はこちら

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「主人公」が「俺」ではなくなる時

 何週間か前の『SHIROBAKO』のラジオを聴いていたら、佳村はるかさんが乙女ゲーをプレイする際に「1周目は“自分”がこの状況におかれたら取るであろう選択肢を選んで、その結果バッドエンドになることがほとんど」「2周目はそれを踏まえて、涙を呑んで“自分”ではなく“攻略”のための選択肢を選んでプレイする」というような話をされていました―――


 すごく分かる!と膝を打ってしまいました。
 自分の場合は乙女ゲーではなくギャルゲーですけど、私がギャルゲーを苦手な理由ってコレなんですよ。「私が本来取りたい行動」と「攻略のために取るべき行動」が明らかに違う時に、どうするべきかで悩んでしまうのです。

 漫画『ハンター×ハンター』の2巻に出てくる「不自由な二択」ってやつです。
 「明らかに条件の異なる選択を迫られる時、人は警戒心が働き即断できなくなる」
 「さらに、その選択が失敗した時の心理的ダメージは通常の二択よりも大きくなる」

 そんなに何周もプレイする時間はないから、ええい!攻略のためAを選ぶぞ!としたらそれが間違えだったりして、ならば!俺は俺の取りたいBを選ぶぞ!とするとそれも間違えだったりして、予想もしないCが正解で「三択だったんかい!」ってことがしょっちゅうです。


 こういう葛藤を抱えているのは、多分私だけじゃないと思うんですね。
 漫画やアニメにおいて、「ギャルゲーに詳しくない人」が「ギャルゲーに詳しい人」に勧められてギャルゲーをプレイするシーンがたまにあります。最近だと『月刊少女野崎くん』とか『冴えない彼女の育て方』とか。そこで「ギャルゲーに詳しくない人」が自分の選びたい選択肢を選んで、「ギャルゲーに詳しい人」に「何やってんだ!そこは○○を選ぶのが常識だろうが!」と怒られるシーンをよく見かけます。

 つまり、「自分の取りたい行動」ではなく「攻略のための行動」を取るという行為が、ギャルゲーや乙女ゲーといった恋愛アドベンチャーゲームの「あるあるネタ」になっていると思うのです。


 全然関係ない話を唐突に思ってしまったんですけど。
 男主人公を操作して女のコのキャラクターと恋愛するゲームが「ギャルゲー」で、
 女主人公を操作して男のコのキャラクターと恋愛するゲームが「乙女ゲー」って、おかしくないですか?「ギャル」も「乙女」もどっちも女性のことじゃないですか。しかも、「ギャルゲー」に出てくる女のコって今の言葉のイメージで言う「ギャル」と違うじゃないですか。

 だから私は、男主人公を操作して女のコのキャラクターと恋愛するゲームを「男ゲー」とか「漢ゲー」と呼ぶべきじゃないかと思うのです!




 閑話休題。
 恋愛アドベンチャーに限らず、プレイヤーが「ゲームの主人公がどう行動するのか」の選択肢を選ぶ行為は、本来は「プレイヤー」と「主人公」の一体感を強める狙いがあると思うんです。『ドラゴンクエスト』の主人公は「はい」と「いいえ」しか選べませんが、それをプレイヤー自身が選ぶことで「この主人公は俺だ」と思えたんですね。

 しかし、「自分だったらこうするな」という選択肢ばかりを選んでいたらバッドエンドにしかならないのならば、「自分とは違う行動」を主人公にさせなければなりませんし……
 もっと言うと、俺はお姫様を助けたいとは思っていないのに、お姫様を助けるという選択肢を選ばないと延々と「そんなひどい…」と言われ続けてゲームに戻れないというケースもあります。


 「これはゲームだ」「ゲームをクリアするためには仕方がないからこういう行動を取らせよう」と、本来は選びたくない選択肢を選んだ時、もう「この主人公は俺だ」とは思えなくなってしまうんですね。RPGならば自分ではないキャラクターを操作することなんて珍しくも何ともないのですが、恋愛アドベンチャーゲームの場合だと何のためにこのゲームをやっているのだという気になってしまいます。

 「俺ではない誰か」を俺が操作して、俺好みのヒロインとくっ付けている――――
 俺は何だ。仲人か?商店街のおせっかいおばさんか?




 これは私が男ゲーを苦手だからそう思ってしまうだけで、男ゲーが大好きで男ゲーを多数プレイしている人にとっては「なんでそんなこと気にするの?」と思われるんでしょうけど。むしろ、そここそが男ゲーを好きになれるかどうかの境界線なのかもと考えられます。
 まぁ……そもそも、男ゲーを何周もプレイして全エンディングをコンプリートするのが普通の人にとっては、「主人公は俺だ」と思っていたら、自分が次から次へと恋人をとっかえひっかえする最低の人間に思えてしまうでしょうし。『ラブプラス』の記事を書いた時にも色んな反応をもらいましたけど、男ゲーを楽しめる人は「主人公」と「自分」を切り離して考えることが出来るということなのかなと。

 私にはそれが上手く出来ないんですね。一人のキャラクターを操作するゲームの場合、どうしても「自分」と「主人公」を同一視してしまうところがあるし、その一体感こそが(映画とか漫画とかにはない)ゲームならではの魅力だと思っているので。だから、私は男ゲーが苦手なんだなぁと思いました。途中からもう「男ゲー」と書きたいだけの記事になってる。

(関連記事:凛子のカレシは俺じゃない

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≫ EDIT

今だからこそ『アイドルマスター XENOGLOSSIA』とは何だったのか

 私は序盤で脱落してしまったので「面白いか/面白くないか」を語る気はありませんが、今季のアニメ『艦隊これくしょん-艦これ-』について「自分の望んだようなアニメ化ではなかった」ことを「『ゼノグラシア』のようだ」と喩えている人をよく見かけます。

 確かに共通点がないワケでもありません。

・どちらも原作はゲーム
・どちらもたくさんの女のコが出てくるゲーム
・どちらもゲームの開始から時間が経っていない段階でのアニメ化(※1)
・どちらもシリーズ構成が花田十輝さん


(※1:アーケードゲーム『THE IDOLM@STER』は2005年7月稼動開始で、アニメ『アイドルマスター XENOGLOSSIA』は2007年4月放送開始。その間は1年9ヶ月。
ブラウザゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』は2013年4月にサービス開始で、アニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』は2015年1月放送開始。この間も1年9ヶ月)



 なので、私も『艦これ』のアニメ放送開始前に「『ゼノグラシア』になるのか、『ラブライブ!』になるのか」と書いて煽ってしまっていました。しかし、『ゼノグラシア』が抱えていた問題は『艦これ』のそれよりももっともっと根深い問題だったと思うのです。

 その『ゼノグラシア』ももう8年前のアニメですから、リアルタイムには知らないけど「ネット上でこんな風にネタにされている」「黒歴史アニメ」みたいな漠然としたイメージだけ知っているという人も多くなってしまっていると思うのですね。それこそ二次批判、三次批判と、実際には観ていないけど「ネット上の批判」を読んで分かった気になってしまっている人も多いことでしょう。


 かく言う私も、リアルタイムには観ていません。
 当時「アイマスのアニメが始まるんだー」とブログに書いたところ、まだアニメが始まる前にも関わらず「そんな糞アニメの話題を出すのならアイマスファンが一丸となってこのブログを潰す」という脅迫メールが届きまして……「うわっ、何この人キモチワル!アイマスファンはともかく、この人には関わりたくねえから今後なるべくアイマスには触れないことにしよう」と観なかったんです。

 それをずっと後悔していたのですが……
 昨年の11月にバンダイチャンネルの「見放題」を利用した際に、流石にその人ももうウチのブログ読んでねえだろうなーと思ったので全話視聴しました。7年越しの視聴でしたけど、逆にこのタイミングで観たからこそ分かったことも多かったので良かったと思っています。


 7年経っていましたからね。
 その後の2011年に「ちゃんとアイドルの姿を描いた『アイマス』のアニメ」が放送されたこともあって、流石に今はもう「『ゼノグラシア』の話題を出すヤツは殺す!」と怒っている人もいないと思いますし……7年間の間に「アイマスとして観なければそこそこ面白い」とか「ロボットアニメとしてはなかなか」という評判も見ていました。なので、感情的にならずにフラットな気持ちで作品と向き合えると思ったんですね。


 んで、実際に観てみたところ……


 普通に面白くなかったです。

 『アイマス』がどうこうとかじゃなくて、普通に面白くなかったです。
 終盤に燃える展開がないワケじゃないんですけど……「『舞-HiME』を水で薄めたストーリーに『アイマス』のキャラを当てはめただけの志の低いアニメ」というのが私の感想でした。純粋に『ゼノグラシア』を好きな人には申し訳ないですけど、私は『舞-HiME』『舞-乙HiME』が大好きでしたからそこからの劣化っぷりに愕然としました。


 だから、『艦これ』が「『ゼノグラシア』のようだ」と言われるのが納得いかないんです。
 『ゼノグラシア』はもっともっと問題の根が深い、アニメの歴史に残るくらいの惨劇だったと私は思っていますから。

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○ 当時の『アイドルマスター』は、どういう位置付けの作品だったか
 『アイドルマスター』ももう10年戦士なので、若い人達には初期の頃を知らない人も多いでしょうし、「『アイマス』は2011年から始まった」と素で誤解している人もいるらしいんで……そこから解説していきます。

 『THE IDOLM@STER』は、元々は2005年7月から稼動開始したナムコのアーケードゲームです。この記事では分かりやすさのために『アイドルマスター』というカタカナ表記で統一させていただきます。

 その後、2007年1月には家庭用ゲーム機に初めて展開され、Xbox360版がバンダイナムコゲームスから発売されます。同年11月には安価なプラチナコレクション版も発売されますが、その後も継続された有料DLCの販売が大成功を収めて現在のバンダイナムコに繋がっている……という話はまぁイイですか。

 アニメ『アイドルマスター XENOGLOSSIA』は2007年4月~9月に放送されたので、Xbox360版の展開に合わせたアニメ化だったとも言えますね。この記事では、こちらも分かりやすさのために『ゼノグラシア』というカタカナ表記で統一させていただきます。


 『SHIROBAKO』を観ている人ならば分かると思いますが、アニメは今月企画して来月から放送開始みたいなことはありません。企画自体は放送から1年前・1年半前とかから始まっているのが普通で、Wikipediaによると『ゼノグラシア』の監督が決まったのは2005年の暮れで、その時点でロボットアニメになることは決まっていたみたいですね。
 つまり、『ゼノグラシア』の世界観やストーリーが作られた頃の『アイマス』は、まだアーケードゲームしかなくて家庭用ゲーム機に進出する前だったんですね。なので、Xbox360版で初登場になった星井美希などのキャラクターは『ゼノグラシア』には登場しません。

 もちろんアーケードゲームとして人気だったからこそ家庭用ゲーム機に進出していくのですが、今と比較すると当時はまだまだ「知る人ぞ知る」コンテンツだったと思いますし、その後の『アイマス』がこんなにも国民的人気コンテンツになっていくだなんて誰も予想していなかったと思うのです。ファンでさえも。



 更にもう一つ、ややこしい問題が。
 ひょっとしたら今の若い人はご存じないかも知れませんが、現在の「バンダイナムコ」はかつては「バンダイ」と「ナムコ」で別の会社でした。その経営統合が始まった時期が2005年~2006年辺り。まさに『ゼノグラシア』の企画が立ち上がった時期です。

 これ……昔どこかでちゃんとした話を読んだ気がするのですがソースが思い出せないので、ひょっとしたら私の妄想かも知れませんが。「バンダイナムコ」への経営統合が行われている時期に、「ナムコ」の新しいコンテンツだった『アイドルマスター』を、「バンダイ」の傘下であるサンライズがアニメ制作をして、「バンダイ」グループのバンダイビジュアルが販売をするというのは……分かりやすく、「バンダイ」と「ナムコ」の橋渡しの象徴となるアニメ化だったんだろうなと推測が出来ます。

 ということで……「こういうアニメ化をしたい」とか「このチームにしか出来ないアニメ化をして欲しい」みたいなスタートではなく、「サンライズが『アイマス』のアニメを作らなければならない状況になってしまった」から始まっている企画だと思うんですね。


 さて、一方の当時のサンライズです。
 今でこそ『ラブライブ!』や『アイカツ!』が人気のサンライズですが、2005年~2006年頃のサンライズは美少女アニメ路線はまだそれほどではなく、2004年の『舞-HiME』が「サンライズ初の萌えアニメ」と言っていたくらいの時期です。なので、必然的にサンライズの中でも『舞-HiME』『舞-乙HiME』を手がけたスタジオに話が行き、後述しますがスタッフ・キャストともに『舞-HiME』『舞-乙HiME』からの人達が多く関わるようになりました。

 『舞-HiME』『舞-乙HiME』は続編が作られるくらいのヒット作ですし、サンライズの中で唯一「美少女アニメとして実績がある」人達と言えます。そして、これも後述しますが『舞-HiME』『舞-乙HiME』で採用された「スターシステム」が大成功を収めている時期なので、これを『アイドルマスター』に採用すれば色んな問題が解決できるとも言えました。
 こうして『舞-HiME』『舞-乙HiME』の成功体験を基盤に『アイドルマスター』のアニメ化を行い『ゼノグラシア』が生まれる―――という。


 なので、『ゼノグラシア』は『アイドルマスター』のアニメ化というよりかは、『舞-HiME』『舞-乙HiME』に続くシリーズ3作目を『アイマス』のキャラでやってしまったと言えますし。当時の状況からすると、「コレしかない」展開だったと私は思います。

 『ゼノグラシア』はネット上で言及される際には、「人気絶頂だった『アイドルマスター』を原作愛がなくて頭おかしい連中がロボットアニメなんかにして台無しにしてしまった」的に言われていることが多いのですが……
 私が思うには「まだまだコンテンツとして育っていない『アイドルマスター』を、当時ノリに乗っていた『舞-HiME』『舞-乙HiME』の手法を使ってアニメ化しようとした」という、どっちかというと“堅実な手段”だったと思うんです。2005年の暮れの時点では。


 ということで……『ゼノグラシア』というアニメを語るには『舞-HiME』『舞-乙HiME』の流れを語るしかないんですね。
 『ゼノグラシア』ですら8年前のアニメですから、更に前の『舞-HiME』『舞-乙HiME』なんて名前も聞いたことがないという若者も多いかと思います。当時私は『舞-HiME』『舞-乙HiME』が大好きで猛プッシュをしていたくらいなので……今だからこそ、『舞-HiME』『舞-乙HiME』からの『ゼノグラシア』がなぜ「普通に面白くなかった」かを語ろうと思うのです。


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○ 『舞-HiME』『舞-乙HiME』に比べて、どうして『ゼノグラシア』が面白くなかったか
 『舞-HiME』というアニメは2004年9月~2005年3月に放送されて、その続編アニメ『舞-乙HiME』は2005年10月~2006年3月に放送されていました。

 このシリーズの特徴は、何と言っても「スター・システム」です。
 キャラクターを「俳優」に見立てて、同じキャラクターが様々な作品に登場するのだけど、それぞれのキャラクターの性格や立ち位置、ストーリーなどが作品を横断・縦断して繋がっているという面白さがあったのです。

 分かりやすい例を挙げると……
 『舞-HiME』という作品は、毎週のテレビアニメとして放送されていたのとは別に、週刊少年チャンピオンで連載されていた漫画版もありました。このテレビアニメ版と漫画版は「キャラクター」の名前と容姿、性格みたいなものは共通しているのだけれど、設定・ストーリー展開などは全く異なっていて、完全なパラレルワールドになっていました。

 しかし、完全なパラレルワールドでありながらストーリーはシンクロしていて、テレビアニメ版と漫画版では同じ週に同じキャラクターが初登場するのだけど、テレビアニメ版では味方キャラで、漫画版では敵キャラとして登場する―――みたいなことが起こっていました。
 当然これはただの偶然ではなく、テレビアニメ版の脚本家と漫画版のシナリオ担当が話し合って「○週目に△△を出そう」と事前に決めていたからこそ出来ることですね。


 続編の『舞-乙HiME』になると、これが更に進み。
 『舞-HiME』は現代日本を舞台にした学園アニメだったのに対して、『舞-乙HiME』はお姫様やメイドさんが登場するファンタジーな世界観のアニメで、全く舞台が異なる作品なのですが……新キャラである主人公格の数人を除けば、前作『舞-HiME』に出てきたキャラクターが多数登場して、性格や境遇などが前作を知っている人ならばニヤリと出来る仕組みになっていました。世界観が違うので、当然『舞-HiME』に出てくるそのキャラと『舞-乙HiME』に出てくるそのキャラは別の人生を歩んでいる人なのですけどね。

 これは、キャラクターを「俳優」に見立てて、その「俳優」が『舞-HiME』のテレビアニメ版だったり漫画版だったり『舞-乙HiME』のテレビアニメ版だったり漫画版だったりに出演している―――という感覚のシリーズだったんですね。だから、それぞれ全く別の世界観とストーリーなのだけど、キャラクターだけは共通という。


 そんな風に『舞-HiME』『舞-乙HiME』が成功している2005年に、『アイドルマスター』のアニメ化の話がこのスタジオに来たのですから……2011年にアニメ化されたような「アイドルとしての活動を描くアニメ」ではなく、このスター・システムを使って「アイドルが『俳優』としてロボットアニメに出演している」という形の『ゼノグラシア』が出来るのはそんなに不思議なことではないと私は思います。

 今の感覚だと「何それ?普通にアイドルアニメとして作ればイイじゃん」と言いたくなるかもですが、2005年の段階でそれが出来たとは思いません。「プレイヤーごとの物語があるシミュレーションゲームを一つのストーリーにするのはムリ」とかではなくて、ダンスシーンの作画どうすんのよ。

 この『ゼノグラシア』がロボットアニメとして進むことが決まったのが2005年で、実際に放送されたのが2007年―――その間の2006年のアニメ界のトピックと言えば、何と言っても『涼宮ハルヒの憂鬱』の大ヒットでした。あのアニメではEDのダンスシーンが話題になって「京アニすげえ」と言われたのですが、逆に言うとアニメーションで「絵」と「音」を合わせてダンスをさせることがそれだけ難しかったということだと思うんです。

 少なくとも、『舞-HiME』『舞-乙HiME』とバトルもののアニメしか作っていなかったスタジオにそれが出来たとは思いません。
 現在のサンライズは『ラブライブ!』にしろ『アイカツ!』にしろダンスシーンのあるアニメを作っていますが、それも「アニメの中でダンスシーンを組み込むための3DCGの技術」を時間かけて取り入れたからで――――2005年のサンライズに同じことが出来たとは思いません。

 まぁ……それでも原作への愛が強ければ、社を挙げてダンスシーンの作画を頑張るという選択肢もあったかも知れませんが。前述の通り、2005年の時点での『アイドルマスター』はまだ「知る人ぞ知る」コンテンツだったし、言ってしまえば「早くアニメ化しなければ人気も落ちるかも知れない」コンテンツだったワケですからね。


 そういう意味で、「『アイマス』キャラを使ったロボットアニメ」になったことは私はそれほどおかしなことではないし、むしろ堅実な手段だったと思っています。現在のネット上でネタにされているような「頭のおかしい人達がおかしなことをしてしまった」みたいなことはないと思います。

 メインスタッフも『舞-HiME』『舞-乙HiME』で実績のある人達が集まっていて……
 監督の長井龍雪さんは『舞-HiME』『舞-乙HiME』でコンテや演出を担当していて、『ハチクロII』で初監督を務め、期待の若手監督でした。その後に『とらドラ!』『超電磁砲』『あの花』でスマッシュヒット連発するくらいなのだから、当然実力は申し分ない人でした。

 当時ゲームの『アイマス』ファンからの怒りを買ったキャスト変更については、サブキャラクターに『舞-HiME』『舞-乙HiME』で実績のある声優さんを揃えているところなんかを見る限り、『舞-HiME』『舞-乙HiME』のスター・システムを更に一歩俯瞰で見て、「俳優」であるキャラクターを、更に演じている「声優」さんが複数の作品にまたがっているみたいなことがやりたかったのかもなぁと思いました。
 結果的に、これが「スター・システムとしての面白さ」を台無しにしていたんで1ミリも擁護の出来ない大失策だったと思いますけど。



 ここまでをまとめますと……

・バンダイナムコ経営統合に合わせて始まった、『アイマス』を「サンライズ」がアニメ化するプロジェクトだった
・当時の「サンライズ」で美少女アニメを作っていたのは『舞-HiME』『舞-乙HiME』のスタジオだけだったので、必然的にそこが担当
・当時のサンライズにはダンスシーンは難しかったからか、『舞-HiME』『舞-乙HiME』の「スター・システム」を使ってロボットアニメになった
・スタッフ・キャストは『舞-HiME』『舞-乙HiME』で実績のある人達が集められた




 全体的に、『アイドルマスター』のファンに向けたアニメ化というよりかは、『舞-HiME』『舞-乙HiME』のファンに向けた新作アニメって印象があると思います。ただ、『舞-HiME』『舞-乙HiME』が大好きだった私からしても、『ゼノグラシア』は「普通に面白くなかった」です。


 そもそも「スター・システム」が全然機能していない。
 『舞-HiME』『舞-乙HiME』の「スター・システム」の何が面白かったというと、一つのキャラが複数の作品にまたがって登場して、それぞれがシンクロしていたところです。テレビアニメ版と漫画版で、同じ週に同じキャラが登場したりとかね。

 『ゼノグラシア』がシンクロしなければならない相手は、言うまでもなく原作にあたるゲームです。ゲームのキャラクターがアニメになるとこんな風になるんだよという相違点と共通点こそが「スター・システム」の魅力なのですが、Xbox360版の新キャラ星井美希が登場しないなど、ゲームとアニメが全然連動していないのです。

 もちろん『ゼノグラシア』のストーリーを作っている時点ではXbox360版は発売していませんけど、二次創作じゃなくて公式のアニメ化なんだから、事前に情報のやり取りをして「Xbox360版の新キャラをアニメにも登場させる」ことくらいはやらなければダメでしょうよ。
 「バンダイ」と「ナムコ」の橋渡し的な作品どころか、むしろ「こんな情報のやり取りもしていないのか……」という断絶を感じる内容でした。

 加えて、ゲーム版から声優さんが変わっているから、ゲームのキャラが「俳優」としてアニメに出ているというよりも。ただ単に別人にしか見えないんですよね。声が違う、性格も違う、キャラデも違う、共通しているのは名前と誕生日くらい?
 『舞-HiME』『舞-乙HiME』の「スター・システム」の面白かった部分を継承出来ていないのです。



 また、「ロボットアニメとしての設定」としても正直面白くないですし。
 『舞-HiME』の「好きな人への想いが召還獣を生む」というHiMEシステムや、『舞-乙HiME』の「一人の少女が軍事戦力を担うことで世界の秩序が保たれている」という乙HiMEシステムは―――たくさんのキャラに意味を持たせるだけじゃなくて、たくさんのキャラの思惑が錯綜して予測不能なストーリーに進む設定でした。面白いストーリーに進むことが出来る「設定」だったんですね。

 一方、『ゼノグラシア』の「意思を持ったロボット」は設定自体がありきたりなだけじゃなくて、ロボットの数もパイロットの数も限られているからストーリーが読めてしまうんですね。
 それでいて、例えばそのロボットに斬新な設定とか、見たことのない武器とか、戦略性の高いバトルシーンとか……そういう要素があれば良かったんですけど。基本ロボット同士でぶん殴り合うだけでしたし。ロボットバトルアニメとしても面白みはありませんでした。

 終盤の敵基地への生身での潜入展開はすごく面白くて、長井監督作品で言えば、後の『とらドラ!』の格闘シーンや『超電磁砲』の能力バトルはすごく良かったので……
 長井監督作品はロボットよりも人間動かしている方が面白いと思うんですね。監督に話が行った時点でロボットアニメになることは決まっていたというのが、そもそもの不幸だったのかなと。



 んで、何よりストーリーが『舞-HiME』『舞-乙HiME』と一緒。
 最初の『舞-HiME』は「こんな展開になるのか!」と驚いたし、次の『舞-乙HiME』は「今回は違うのかな……違うのかな……違わなかったー!」と驚けたのですが、3回目の『ゼノグラシア』だったらもう驚きも何にもないです。「またこのパターンか」としか思わないですよ。
 「このキャラきっとこの後こうなるんだろうな」「ラスト何話で逆転するために、ここの話数で一旦こうなってこうなるから、多分ここではこういう展開になるんだろうな」というのがことごとく当たってしまいました。それは私が未来を予知できる能力とかじゃなくて、だって毎回同じパターンなんですもの。

 加えて言うと、『舞-HiME』『舞-乙HiME』に比べてメインのキャラ数が減っているし、前述したようにロボットとパイロットの数が限られているから、キャラの動きが予測しやすいんですね。


 今だからこそ思うんですけど、ゼロ年代前半のアニメって「欝アニメ」の全盛期だったと思うんです。サンライズは特に『舞-HiME』『舞-乙HiME』、『ガンダムSEED』『ガンダムSEED DESTINY』とか、『プラネテス』とか『コードギアス』とか。終盤に主人公が全てを失って悩んで悩んで……みたいなアニメばかり。この『ゼノグラシア』もそうです。

 でも、『ゼノグラシア』の企画が始まった2005年と、放送が始まった2007年の間に―――2006年には京都アニメーションの『涼宮ハルヒの憂鬱』が大ヒットします。『涼宮ハルヒの憂鬱』は「セカイ系を終わらせて、日常系の時代を始めた」と言われていますが、私も「主人公が全てを失って悩んで悩んで……みたいなアニメはもう飽きたよね」という時代の象徴のアニメだったと思います。
 涼宮ハルヒの抱えている閉塞感はそれこそ「憂鬱」でしたけど、その向こうにある「オマエが興味ないと言っている日常だって捨てたもんじゃないぞ」と、その「憂鬱」からの脱却を描いたアニメだったんですね。以後、2007年の『らき☆すた』、2009年の『けいおん!』と、日常芝居を得意とする京都アニメーションによる「日常アニメ」の時代が来るワケで。

 京アニが『らき☆すた』で「チョココロネってどうやって食べる?」という話をやっているのと同時期に、サンライズは『ゼノグラシア』で裏切りと策謀の果てに主人公が苦しんで悩む姿を描いていた―――というの2007年を象徴しているなと思います。


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【とてもよく分かる三行まとめ】
・大人の事情で、『舞-HiME』チームでのアニメ化しか選択肢がなかった
・当時は『アイマス』がまだまだ浸透していなかったので、『舞-HiME』路線に進んだ
・しかし、とりあえず『舞-HiME』路線に当てはめただけの劣化作品になってしまった



 『ゼノグラシア』という作品は、ある意味では2005年~2007年を象徴するアニメだったと思うんですね。過去の成功体験に捉われること、大人の事情で決まるアニメ化と、育っていく原作の人気を読むことと、原作サイドとの断絶と、時代の流れが変わる瞬間―――ありとあらゆる要素が、『ゼノグラシア』にはマイナスに響いたのだと私は思いました。


 しかししかし、
 面白いもので。

・『アイマス』→その後も人気が膨らみ、現在は『シンデレラガールズ』が大絶賛放送中
・サンライズ→今や『ラブライブ!』と『アイカツ!』でアイドルアニメの中核に担う
・長井監督→『とらドラ!』『超電磁砲』『あの花』で日本を代表する超人気監督に



 みんな、その後に大成功を収めているんですね。



 そう考えると、究極のアゲマンアニメだったのかも。

| アニメ雑記 | 18:03 | comments:52 | trackbacks:0 | TOP↑

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壁を越えれば分かるスピード感と戦略性!『いけいけ!熱血ホッケー部』紹介(7点)

【三つのオススメポイント】
・「サッカー」とは違う、「アイスホッケー」ならではのスピード感
・倒した敵の「コスチューム」を奪って強くなる成長要素
・敵に合わせて様々なプレイスタイルを変えられる戦略性


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 ※ 3DSWiiのバーチャルコンソールでも配信されています

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※ この紹介記事はWii Uバーチャルコンソールにてダウンロード販売されたものをプレイして書いているので、オリジナルのファミコン版とは内容が異なっている可能性があります。

○ 「サッカー」とは違う、「アイスホッケー」ならではのスピード感
 くにおくんシリーズの「アイスホッケー」のゲームです。
 くにおくんシリーズは一つのゲームが多機種で展開されていてそれぞれ微妙に中身が違ったりするので、これを何作目と数えるのかは意見が分かれそうですが……大きな流れで考えれば、「ドッジボール」「サッカー」に続く「くにおくんのスポーツゲーム3作目」と言えますね。

 それまでの「くにおくんのスポーツゲーム」が、小学生が休み時間に遊ぶ定番競技「ドッジボール」「サッカー」だったのに比べると……恐らく「アイスホッケー」を実際にやったことのある日本人はそれほど多くないでしょうし、私は「アイスホッケー」のテレビ中継すら観たことがありません。ルールもほとんど分かりません。

 マイナー競技を題材にしたせいか……「ドッジボール」や「サッカー」が他機種に移植されまくったり続編が出たりしたのに比べて、この「アイスホッケー」は移植も続編もなくファミコン版の1作限りになってしまっています(※1)。故に、「くにおくんシリーズ」の中ではマイナーな知名度の作品かも知れませんね。

(※1:正確にはとてつもなく評判の悪いゲームボーイアドバンスの移植版もありますが)


 ゴールキーパーが守っているゴールネットにボールを撃ち込む競技―――と考えると、「サッカー」も「アイスホッケー」も似たようなものとも言えるので、自分はずっと「サッカーのような競技のゲーム化」と捉えて遊んでいました。しかし、それは間違いです。
 「アイスホッケー」は「サッカー」とは全然違う競技だし、このゲームは「アイスホッケーならではの魅力」を再現しているゲームです。「サッカーのような競技のゲーム」として遊んでしまうと、操作のしづらさにイライラしてしまうことでしょう。このゲームは「アイスホッケー」のゲームなんだと理解して遊ぶことが大事です。


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<写真は『いけいけ!熱血ホッケー部』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 『サッカー編』は1チーム「5人+ゴールキーパー」で、操作出来るキャラは1人だけで、他のキャラには指示を出すだけ―――というゲームだったのに比べると。
 この『熱血ホッケー部』は「3人+ゴールキーパー」で、キーパーも含めた全部のキャラを操作するゲームになっています。操作キャラの切り替えはオートで、ゴールキーパーだけは他のキャラを動かしている時にも同時に動きます。
 ファミコンのコントローラは「十字ボタン」と「Aボタン」「Bボタン」しかないから、キャラの切り替えが自分で出来ないんですね。2人協力プレイや4人対戦の際には一人はゴールキーパーを操作することになるみたいですが、それ……楽しいのかな。


 Wii版バーチャルコンソールのサイトを見ると、操作方法が書かれていますが……「十字ボタン」と「Aボタン」「Bボタン」しかないのに、多彩なアクションが可能で「何をどうしてイイか分からない!」と思ってしまうことでしょう。

 覚えるべきは
・「十字ボタン」を素早く2回押すとダッシュ
・「Aボタン」「Bボタン」同時押しでジャンプ
・攻撃時は「Bボタンでショット」「Aボタンを短く押すとパックを浮かせる」
・守備時は「Aボタン」でも「Bボタン」でも敵を吹っ飛ばす


 基本はこんなところです。



 『サッカー編』が、実際のサッカー同様に「スペースの奪い合い」が肝となっているゲームだったことは以前に書きました。なので、あのゲームは「ボールを持っていないキャラの操作」や「パスを要求するタイミング」が大事で、故に「操作出来るキャラは最初に決めた1人だけ」というシステムだったんですね。

 この『熱血ホッケー部』は、対照的に「パックを持ったキャラを操作する」ゲームです。
 なので、『サッカー編』のような「ボールを持っていないキャラの操作」や「パスを要求するタイミング」は重要ではなく、パックを持ったキャラがスピードに乗って敵のタックルをかいくぐりながら敵ゴールに迫るゲームなのです。パスワークよりも、カウンターの応酬が続くんですね。

 また、アイスホッケーなのでダッシュに強い慣性がかかりますし、ダッシュしたまま壁やゴールポストにぶつかると一定時間行動不能になってしまいます。そうしたリスクを制御して、華麗に氷上をかけめぐりゴールを決めていくスピード感がとてつもなく気持ちよいゲームなのです。

 サッカーゲームの感覚で「パスワークで崩そう」みたいに考えてしまうと、「動きに慣性がかかって操作しづらい…!」とイライラしてしまうのですが。ここは氷の上です。氷の上なのに陸と同じような感覚でプレイすることが間違っているのです。最初の壁は高いですが、それを乗り越えて思ったように動かせるようになるとスピード感が溢れるゲームに化けるのです。


○ 倒した敵の「コスチューム」を奪って強くなる成長要素
 『サッカー編』には「試合に勝っていくと、食中毒で倒れていたサッカー部員が次々と戻ってくる」展開がありました。
 今回の『熱血ホッケー部』にも「途中で入部してくる強力な新入生」はいるんですが、それ以上に目玉になっているのは「コスチューム」システムです。


 このゲームの大まかなストーリーを説明すると、「廃部寸前のアイスホッケー部を見かねたくにおが助っ人として参戦するだけでなく、くにおのツテで組まれた様々な練習試合に勝って自信と実力を付けていく」という話です。
 くにおのツテで組まれた練習相手はアイスホッケー部ではありませんが、それぞれの競技の特技を活かしたチームになっていて……そのチームに勝つと、そのチームが着ていた「コスチューム」を譲り受けて、それを着ることによって「その特性」を受け継ぐことが出来るのです。


 具体的に言うと、「剣道部」に勝つと「剣道着」が着られるようになって……
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<写真は『いけいけ!熱血ホッケー部』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 「剣道着」を着ているので、竹刀から衝撃波を出すことが出来ます。
 「剣道着」を着ているので当然ですね。



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<写真は『いけいけ!熱血ホッケー部』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 「野球部のユニフォーム」は攻撃力・守備力は低いのですが、ゴールキーパーが敵の必殺ショットを打ち返すことが出来るという特殊能力があります。「野球部」だから必殺ショットを打ち返せるのは当然ですね。


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<写真は『いけいけ!熱血ホッケー部』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 百合ヶ丘女子に勝つと「スカート」が手に入ります。
 可愛い。

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<写真は『いけいけ!熱血ホッケー部』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 「アメフト部の防具」は攻撃力・守備力ともにバランスが高く、アメフト部なので頭突きやバッグドロップが可能です。これもアメフト部だから当然ですね。「頭突き」が出来るということは豪田からもらうのかと思いきや、まさかのりきからもらうという(笑)。


 
 「コスチューム」は全部で8種類。特殊能力だけでなく、攻撃力・守備力も設定されているので……「攻撃力重視」か「守備力重視」か「特殊能力重視」か、プレイヤーのプレイスタイルと敵の能力を考えて選ぶ必要があります。

 “倒した敵の能力を奪って強くなる”ゲームは、『ロックマン』に代表されるようにゲームの王道システムではあるんですが……それが私達に馴染みのある「剣道着」や「野球部のユニフォーム」だったりする上に、ちゃんとストーリーに組み込まれているのも個人的にはポイントが高かったです。ストーリーとシステムが噛み合っている、ここ大事。



○ 敵に合わせて様々なプレイスタイルを変えられる戦略性
 このゲームで必殺ショットを撃つ方法は、「Bボタンで溜め撃ち」「Aボタンでチョンとパックを上げた後タイミングよくBボタンを押す」などがあるのですが……予備動作に時間がかかるので、相手のタックルを喰らってしまいがちです。
 私はこのページで書かれている「ダッシュ→Aボタンを短く押してパックを上げる→ABボタン同時押しで自分もジャンプ→空中でAボタンを押してジャンプマッハスイング」を使っていました。タイミングがシビアなので毎回必殺ショットが出せるワケじゃないですけどね。


 ただし、いずれの方法の場合も「パワーゲージが0だと必殺ショットは撃てない」のが基本らしいです。スクリーンショットを見てもらえれば分かる、HPゲージみたいなヤツです。敵に殴られたりすると、このゲージが下がってしまって必殺ショットが撃てなくなるんですね。

 そこで「コスチューム」の「攻撃力」「守備力」が大事なのです。
 「攻撃力重視」のコスチュームを着て、ピリオドが始まったらパックなど気にせずとにかく敵をぶん殴りまくってパワーゲージを0にして必殺ショットを封じるとか。
 「守備力重視」のコスチュームを着て、こちらが常に必殺ショットを撃てるようにするとか。
 相手に必殺ショットを撃たれることを覚悟して、「野球部のユニフォーム」で敵の必殺ショットを打ち返す作戦とか。


 こちらの布陣とプレイスタイルと敵の能力に合わせて、「コスチューム」を変えることで様々な戦い方が出来るんですね。バランスの良い「コスチューム」はありますが、最強の「コスチューム」はありません。自分と敵に合わせた「コスチューム」を選ぶ戦略性の高いゲームなのです。



 また、ゲームをやりこんだ人向けの裏技として、パスワードを「4728」と入力すると「メンバーはドッジボール部のまま」「コスチュームも最弱のまま」という戦略性も何もない裏モードも用意されています。

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<写真は『いけいけ!熱血ホッケー部』(Wii Uバーチャルコンソール)より引用>

 コンティニューは出来るけど、パスワードによる再開をするとメンバーはホッケー部に戻ってしまいます。
 全面クリア後に腕試しの目的で自分もやってみましたが、白金戦で力尽きました。どんだけ敵をぶん殴ってもパワーが減らないので、必殺ショットを撃たれまくるんですもの……



 とまぁ……ファミコン後期のゲームなだけあって「作りこみ」は凄まじいゲームですし、『サッカー編』とは全然違うことをやろうとした意欲作なのは間違いないです。『サッカー編』と違って対戦モードでほとんどのチームが選べることもgoodです。ただ、志は買うけどファミコンでコレをやらせるのは厳しいと思うところも残念ながらあります。
 途中でチラッと書きましたが、ファミコンのコントローラは「十字ボタン」と「Aボタン」「Bボタン」しかありません。「スタートボタン」と「セレクトボタン」は2コンには付いていなかったので、対戦ゲームでそれありきの操作方法に出来ないんですね。故に、プレイヤーが自分で操作キャラの切り替えが出来ないのが非常にイライラするのです。

 コンピューターがオートで操作キャラを切り替えてくれると言っても、パックに一番近いキャラが操作できるワケではありません。パックが目の前にあったり敵が溜め撃ちをしようとしたりしてても棒立ちなこともしばしば。
 また、味方のコンピューターがダッシュしている際に自分に操作が切り替わると急にダッシュが止まるみたいで、そのせいで敵に追いつけなかったりもします。一瞬の隙で必殺ショットを敵が撃ってきたり、味方が壁にぶつかって操作不能になったりするゲームでこれはキツイ。

 ダッシュに慣性が付くのはそれを使いこなせるようになる楽しさがあって「アイスホッケー」ならではの魅力だと言えますが、この操作キャラの切り替えのイライラは理不尽さしか感じません。


 『ドッジボール部』や『サッカー編』は後に色んな機種でも展開されるんだから、この『熱血ホッケー部』もスーファミ以降の機種で展開されて「LRボタンで操作キャラの切り替え」とか「操作キャラの切り替えのオン/オフ」「ゴールキーパーだけオートに出来る」とかの改良がされていれば万人にオススメできる傑作になったのになぁ……と思ってしまいます。このゲームこそが続編を出すべきだったと言いたいけど、「アイスホッケー」という題材ゆえにそんなに売れなかったんですかねぇ。

 現状だとやはり、「意欲は買うけど理不尽さも強い」ゲームかなぁと。


○ 総評
 ということで……クセの強いゲームですし、壁を乗り越えるまでが大変ですし、乗り越えてもまだ「ここさえ何とかなればなぁ」「続編で改良してくれないかなぁ」と思ってしまうゲームではあるのですが。
 続編が出ていないことで逆に、何十年経ってもまだ「このゲームにしかない魅力」を持っているとも言えて……私は、バーチャルコンソールで出ているファミコンの「くにおくんのスポーツゲーム」三作品『ドッジボール部』『サッカー編』『熱血ホッケー部』の中で、一番好きな作品になりました。

 もし、「昔遊んだことがあるんだけど、操作しづらいだけでよく分からなかったなぁ……」って人がいらしたら、その壁の向こうにこのゲームにしかない魅力があることを強く主張したいです!


 「くにおくんシリーズ」のバーチャルコンソール配信は、Wiiで出ていたものをWii Uでも出すだけになって久しいのですが……そろそろ『熱血!すとりーとバスケット』とか『くにおくんの熱血サッカーリーグ』も出して欲しいですね。「くにおくんのスポーツゲーム」、全作品制覇を目指したいです!
 それを言い始めると、『熱血格闘伝説』や『初代熱血硬派くにおくん』なんかも……いや、その前にアーケード版の『熱血高校ドッジボール部』を(キリがない)。


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昔の名作漫画のアニメ化を、私が歓迎したい理由

 賛否両論あると思いますが、私はとても嬉しかったニュースです。

 うしおととら : 今夏初のテレビアニメ化 累計3000万部の人気妖怪マンガ

 何故なら、私は『うしおととら』を読んだことがないからです。
 『うしおととら』は1990年~1996年に週刊少年サンデーで連載された藤田和日郎さんの大人気漫画で、通常版のコミックスは全33巻だそうです。私はリアルタイム世代と言えなくもないのですが、私がこの漫画の存在を知った時は既に長期連載になっていてコミックスが20冊とか25冊とか出ていた頃でした。

 「面白いよ!」「名作だよ!」「絶対に読みなよ!」とは、連載中も連載終了後も言われまくりましたが……その漫画をまだ「自分にとって楽しいかどうか」も分かっていない状態で、コミックスを20冊とか30冊とかポンと買うことは自分には出来ませんでした。
 子どもの頃は財力の問題で、大人になってからは置き場所と読む時間の問題でハードルが高く、今日まで「読みたいけど読めなかった名作漫画」だったのです。


 だから、アニメ化されるのはすごく嬉しいのです。
 私は好きな漫画がアニメ化されても楽しめないので、同じように90年代に連載されていた漫画のアニメ化だった『レベルE』も『ジョジョ』も『寄生獣』も、原作が大好きなのでアニメは観ませんでしたが。『うしおととら』は原作を読んだことがないのでアニメを観てみようと思います。
 逆に、アニメが面白かったことで原作を後から読んでみると「アニメも原作もどっちも面白い!」と私は思うので、アニメが面白かったら原作もチェックしてみようと思います。今ならば電子書籍版もありますしね。

(関連記事:アニメの後に原作を読むススメ



 さてさて。
 さっきもチラッと書きましたが、『うしおととら』に限らず「90年代に連載されていた漫画が今になってテレビアニメ化される」ことって続いていますよね。

『レベルE』:原作は1995年~1997年連載、2011年にテレビアニメ化
『ジョジョの奇妙な冒険』第1~2部:1987年~1989年連載、2012年~2013年にテレビアニメ化
『ジョジョの奇妙な冒険』第3部:1989年~1992年連載、2014年~テレビアニメ化
『寄生獣』:1988年~1995年連載、2014年~テレビアニメ化


 パッと思いついたのはこんなところ。
 また、今回が初のテレビアニメ化ではありませんが、こちらも2014年からWEBアニメで放送されている『美少女戦士セーラームーンCrystal』も1992年~1997年に連載された漫画を原作にしたアニメです(自分は観ていないので詳細は分かりませんが1992年~1997年に放送された過去のテレビアニメ版よりも、原作漫画に忠実な展開らしい…?)。

 アニメ以外のメディアミックスで言うと、『るろうに剣心』は1994年~1999年に原作漫画が連載されていた作品で、2012年と2014年に実写映画化されていますし。先ほど書いた『寄生獣』も、テレビアニメ化だけでなくて実写映画化もされています。
 映画ではなくテレビドラマで言えば、『地獄先生ぬ~べ~』も、1993年~1999年に原作漫画が連載されていて、2014年に実写ドラマ化されていましたね。



 何故、こうも1990年代の漫画が今になってアニメ化されたり映画化されたりするのか―――

 色んな理由が言われていますけど。
 1990年代に消費者としてこれらの作品を楽しんでいた10代の若者も、今や30代や40代になっているのですから……かつてのファンが「コンテンツを作る側」の中核になっているというのもあると思います。
 1990年代の作品じゃないですけど、1980年代に『ガンダム』シリーズを楽しんでいた人達が「ガンダムファンによるガンダムファンに向けたガンダム作品」として『ガンダムUC』を作ったみたいなこともありますものね。かつてのファンがシリーズを作る側に回っていく……


 また、単純に今の10代・20代よりも30代・40代の方が人口が多いし、お金も持っているということもあると思います。深夜アニメをビジネスとして成立させている「DVD&ブルーレイの販売」を考えると、20代の人はともかく10代の中高生に全巻買わせるのは厳しいでしょうし、人数も違います。


 あと、自分はあまり好きな意見じゃないですけど、「アニメの数が多すぎてアニメ化して売れそうな原作がもう残っていない」という意見も見ました。世の中にはまだまだ面白い作品があると思いますし、もし良さげな原作がないのならオリジナルやればイイじゃんって私は思うので、全面同意は出来ませんが……
 確かに、90年代と現在では「アニメ化される作品の数」が違いますもんね。『ジョジョ』や『うしおととら』が当時テレビアニメ化されずにOVA化に留まっていて、ここ数年でテレビアニメ化されるいうのは象徴的でもあります(ビジネスモデルの変化というのもあるとは思いますが)。



 ただ……こういう「ビジネス的な理由」だけじゃなくて、もうちょっと夢のある話をするのなら。原作を知らない世代にも、「名作」に触れる機会が与えられるって考えも、私は主張していきたいです。
 それこそ『うしおととら』を読んだことがないからこそテレビアニメ化が楽しみな私のように、今の10代・20代には『うしおととら』を読んだことがない人も多いことでしょう。1996年って19年も前ですからね。マリオが3Dになってビックリしていた時代ですよ。まだ『FF7』が出ていないし、日本はサッカーW杯に出場したことがないし、ポケベルと小室サウンドの全盛期ですよ。

 「『うしおととら』って名前は聞いたことあるけど読んだことないなー」という人が最初に触れるには、テレビアニメ化はイイ機会だと思います。実際、『ジョジョ』のアニメ化でも「『ジョジョ』読んだことがなかったけど面白いな!」という声は意外なほど多かったですもの。
 自分も含めて『ジョジョ』大好きな立場からすると、『ジョジョ』くらい大メジャーな漫画だったら日本国民全員が読んでいるに違いないって思ってしまいがちなんですが……どんな大メジャーな作品であっても読んだことがない人はいるし、世代が違うとなおさら読んだことがない人も増えることでしょう。


 記事の前半では敢えて書きませんでしたが、これって別に「1990年代の作品」に限った話じゃないんですよね。
 「昔の名作を、現代の技術で蘇らせる」ことは古今東西行われてきました。『鉄腕アトム』のアニメだって、1963年~1966年の第1作が、1980年~1981年にリメイクされていますし。ハリウッド映画だと「名作アメコミを現代にリブート」は立派な巨大ジャンルになっていると思います。

 自分がついこないだまでdアニメストアの「見放題」で観ていた『墓場鬼太郎』は、少年誌で連載されてテレビアニメ化もされて後に『ゲゲゲの鬼太郎』というタイトルで大メジャーになる作品の、貸本時代だった1960年代の作風を2008年にテレビアニメ化した作品でした。
 流石に貸本時代の原作なんて読んだことがない私ですが、「元々はこういう話だったのか!」と原作を知らないからこそ楽しみました。

 2012年のテレビアニメ『LUPIN the Third -峰不二子という女-』も似たような路線で、27年ぶりの連続テレビアニメでしたが、テレビアニメや劇場版アニメで定着したコミカルな路線ではなく、1967年~1969年に連載された原作に近いシリアスなテイストを目指して主要キャラの若い頃の姿を描いた作品とのことでした。
 2014年には『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』という劇場版も公開されましたね。

 2013年にテレビアニメ化されて前後して劇場版も公開された『宇宙戦艦ヤマト2199』は、1974年のテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクですし。
 現在放送されている『夜ノヤッターマン』は、1977年~1979年に放送されたテレビアニメ『ヤッターマン』を現代風に大胆にアレンジして、敵側を主人公にして描いている作品です。


 テレビアニメではなく、実写映画の話で考えると……

・『ヤッターマン』:1977年~1979年に原作アニメが放送、2009年に実写映画化
・『宇宙戦艦ヤマト』:1974年~1975年に原作アニメが放送、2010年に実写映画化
・『あしたのジョー』:1968年~1973年に原作漫画が連載、2011年に実写映画化
・『ガッチャマン』:1972年~1974年に原作アニメが放送、2013年に実写映画化
・『パトレイバー』:1988年~1994年に原作漫画が連載、2014年から実写化プロジェクト


 毎年のように過去の名作漫画やアニメの実写映画は作られていますし。
 『ぬ~べ~』のような実写ドラマ化で言うと、日本テレビの土曜9時台のドラマは……

・『怪物くん』:1965年~1969年に原作漫画が連載、2010年に実写ドラマ化
・『妖怪人間ベム』:1968年~1969年に原作アニメが放送、2011年に実写ドラマ化
・『地獄先生ぬ~べ~』:1993年~1999年に原作漫画が連載、2014年に実写ドラマ化


 昔の漫画やアニメのリメイクとかも多いんですよね。




 これらの「昔の名作を、現代の技術で蘇らせる作品」達は……名作をリアルタイムに楽しんでいた世代だけをターゲットにしているワケではなくて、リアルタイムには知らない「名前は聞いたことあるけど観たことないなぁ」という世代に向けても作られているのだと思います。
 原作を今から読む&観るのはハードルが高いけど、テレビで放送されるor映画1本で観られるのならじゃあ観てみようかなという人に向けても作られているのでしょう。

 実写映画とか実写ドラマの例を見るに、リアルタイムに楽しんでいた世代が親になって、リアルタイムには知らない自分の子どもに「これ、お父さんは昔のを観てたんだぞ」と見せてあげたくなる作品という側面もあるように思えますね。

 ん……ということは、何だ……?
 今になって1990年代の漫画がアニメ化されたり映画化されたりするのは、10代で『ぬ~べ~』読んでいた世代が大人になって結婚して子どもを作って家族団らんの中でドラマを観ているってことなのか……?あ、ヤバイ。死にたい。




 閑話休題。
 ということで、今になって1990年代の漫画がテレビアニメ化されていく現状は私は嫌いじゃないです。自分が観ようと思っている『うしおととら』はもちろん、自分が観なかった『レベルE』とか『ジョジョ』とか『寄生獣』とかもコレをきっかけに「こんな面白い作品があるんだ」と知ってくれる人がいるのなら、それらの作品が大好きな自分も嬉しいです。


 ただし、問題点もあります。
 「現代の技術で蘇った作品」が原作に比べて酷い出来だったり、似ても似つかない作品だったりした場合……原作を知らない人に「○○ってあんなもんでしょ?大して面白くなかったよ」と思われかねないのです。これはまぁ、「昔の作品」だけじゃなく「最近の人気作品のアニメ化」とかでもそうなんですが。

 だから……「テレビアニメ化」ならともかく、自分の大好きな漫画が「実写映画化!」とかされたら私は逃げ出したくなると思います。『スラムダンク』辺り、狙っている会社がないワケがないのですごく怖いんですけど、井上先生が拒否しているのかバスケットボール題材の実写は難しいのか、幸いなことにまだ無事ですね。無事って言い方もアレですけど(笑)。


 また、原作がメジャーすぎるからこそ「こんなのみんな知っているでしょ?」と平然と原作ファンがネタバレをしてくる問題もあります。『ジョジョ』とか、自分でもうっかりしてしまいがちですもん。「この後コイツこうなるんだよねー」とか「○○戦がすげえ好きなんだよねー」とか、みんなが知っていると思い込んでついつい言ってしまいそうになりますもの。
 『うしおととら』はすげー楽しみだけど、今からネタバレ地獄の恐怖との戦いです。ネタバレ踏まないようにどれだけ気をつけても、リプライとかコメントで直接送ってくる人いますからね……仕方がないので、そういうのはブロックとかアク禁で対応していこうと思います。

(関連記事:ネタバレは哀しいかな「善意」で行われる

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| 漫画読み雑記 | 17:52 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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ゲームを遊ばずに他人の批評を読んで分かった気になるリスク

 流石の『不倒城』さん、という記事。

 「読まずに馬鹿にする人」は珍しくもなんともないというお話、あるいは批評の追随者について

 私はラノベに詳しくはないし、ラノベを馬鹿にしているワケでもないし、ラノベを馬鹿にしている人を実際に見かけたり話しかけたりしたことはないのですが……ゲームについては「自分の好きなゲームが遊ばれずに馬鹿にされる」こととか、もしくは逆に「自分が遊んでいないゲームを遊ばないまま敬遠している」こととかは日常茶飯事であることなので、非常に頷けました。

 また、実際に遊んで批判をする人を「一次批判者」と呼び、
 その批判から拡散されたものを読んで、実際には遊んでいないけど「あのゲームはあんなカンジだってよ」と批判する人を「二次批判者」と呼ぶ……という言葉の分かりやすさは、流石のしんざきさんです。

 自分なりに付け加えると、これは「批判」という言葉の持つネガティブなイメージだけでなく、「絶賛」などのポジティブなイメージにも当てはまることだと思います。
 例えば「隠れた名作」と言われるゲームは、実際に遊んだ人の「絶賛」を読んで、実際には遊んだことがない人も「あのゲームはすげえ面白いらしいぞ」と「二次絶賛」を拡散させていくワケですからね。バーチャルコンソールやゲームアーカイブスといった過去の名作のダウンロード販売が始まる前は、「隠れた名作」の「二次絶賛」は今以上に多かったことでしょう。



 この現象……
 しんざきさんも仰っていますけど、「良い」とか「悪い」とかの次元の話じゃなくて「そういう人がいるのは当然」だと私も思います。人間ってそういうものだと思うんです。
 Twitterを見てても「実際には遊んでいないのにネットの評判だけ見て「今度のドラクエはクソらしい」とか言っているヤツは許せん!ちゃんと遊んでから批判しろ!」と言っている人が、同じ口で「今度のバイオはネットの評判を見るとクソらしいね」と言っていたりしますからね。

 自分の遊んだゲームは「遊ばずに批判されるのが許せない」のに、自分の遊んでいないゲームは「遊ばずに批判するのが普通」と思ってしまうのが人間なんでしょう。私だってそうです。「あのゲーム買おうか悩んでいたけど、評判悪いみたいだな、買うの辞めようっと」と遊ばなかったゲームがたくさんありますもの。


 これは、映画とか小説とか漫画とかアニメなどなど他の娯楽作品にもよくあることだとは思います。思いますけど、ゲームは特にこうしたことが起こりやすいメディアだと言えます。

 まず、パッケージソフトともなると1本6000円とか7000円というお金がかかります。
 更に、実際に遊ぶのには何十時間、何百時間という時間が必要だったりします。
 更に更に、ゲームは「この1本」だけ手に取って始めればイイものでもなく、シリーズものの場合「ストーリーやキャラクターが繋がっているのでよく分からない」とか「シリーズを遊んでいることが前提のシステムになっている」とか、遊んだことのないジャンルの場合は「そのジャンルの操作・決め事をまず知っていないとならない」なんてこともよくあります。遊んだことのないシリーズ、遊んだことのないジャンルは、最初に手に取る心理的な障壁が高いのです。
 そもそも難易度が自分に合っていなければ何十時間かかっても先に進めないのがゲームですから、「面白いか/面白くないか」よりも「自分にもマトモに遊べるか/全く太刀打ちできないか」が分からなくて手が出せないってことも多いでしょう。

 更に更に更に、ゲームソフトは6000円とか7000円で済んだとしても、「専用のゲーム機」とか「ゲームが動かせるパソコン」を持っていなければそれを買うお金もかかりますし。それを置く場所も必要です。
 ゲームが好きな人達はよく「本当にそのゲームを遊びたいのならゲーム機ごと買えるだろうが!」と言いますけど、ゲーム機は2~4万円くらいはする上に、据置機だと電源が足りないとかテレビに繋ぐ端子が足りないとかケーブルがゴチャゴチャになっちゃうとかの問題も多いし。


 「遊ばずに分かった気になるのは良くない!ちゃんと遊ぼう!」なんてこと、全てのゲームソフトに対して出来る人間は存在しないと思います。「今度の○○はクソらしいぞ」というネット上の評判を読んで、それを確認するためだけに「お金」と「時間」と「置き場所」を犠牲に出来る人なんてどれだけいるのだろうかと。

(関連記事:据置ゲーム機を悩ませるコンセント事情
(関連記事:逆に、どうすれば今から日本で据置ゲーム機が売れるんだろう?


 ということで、「二次批判」という形で口に出すかは置いといて、心の中で「ゲームを遊ばずに他人の批評を読んで分かった気になる」ことは誰もがやることだし、そうした方法で取捨選択をするのは仕方がないことだと思います。お金も時間も置き場所も無限にあるワケじゃないですからね。

 ただし、これには「リスク」があることは忘れてはならないと思うのです。
 「ゲームを遊ばずに他人の批評を読んで分かった気になる」のは、「デマ」の温床になるのだと。


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 以前こんな記事を書いていました。

 「情報弱者は愚か者だ」という風潮こそがデマを蔓延させる
 “かんなぎ非処女騒動”に感じた本当の悪意

 デマが拡散されるメカニズムについて、これらの記事では「人それぞれ“持っている情報や知識に差がある”ことと、専門家であっても“意見は分かれる”ことで、何を信じてイイか分からないからデマも一緒に拡散していく――――」と説明していました。「知っている人」と「知らない人」が分かれているものこそ、デマが拡散しやすいという話です。


 例えば、「テレビ番組」に対するデマ。
 「あの番組で、あのキャスターがこんなこと言ったらしいぞ」という最初の情報があったとします。それが意図的な「嘘」なのか、「勘違い」なのか、面白おかしく書こうとした結果「誇張されて歪められたもの」なのかはケースバイケースですが、真実とは少し違っていたとします。
 しかし、「テレビ番組」というのは後から観返せないものです。全番組録画でもしていない限り、「こんなけしからんこと言っていたらしいぞ」と言われても後から確認する術はありません。“「知っている人」と「知らない人」が分かれているもの”の典型なのです。

 なので、それが真実かどうかを確認せず、「あの番組で、あのキャスターがこんなこと言ったらしいぞ」という最初の情報を信じて、「アイツこんな酷いこと言っていたって!」とTwitterに呟く人が出てきます。それを読んだ「○○が××って言ってたんだって」「○○信じられない!そんな酷い人だと思わなかった!」と三次批判、四次批判が拡散されていきます。

 後日、YouTubeにアップロードされたその「テレビ番組」の違法コピーを確認してみたところ、本当は全然そんなこと言っていないってケースもありました。
 しかし、その確認をするためには「違法コピーの動画をアップロードした人」がいて「違法コピーの動画を視聴した自分」が必要なので、「本当は全然そんなこと言っていない」という事実は拡散されずに、デマだけが拡散されたままそれを未だに信じ続けている――――なんてケースもあるのです。



 ゲームの場合、プレミアがついて購入できなくなってしまったものとか、サービス終了してしまったオンラインゲームとかでなければ「後から確認できる」のでテレビ番組ほど厄介ではありませんが……
 前述の通り「遊ばずに他人の批評を読んで分かった気になる」ことの多いメディアなので、「実際にはゲームを遊んでいない二次批判者」が遊んでもいないのに「あのゲーム○○らしいよ」と語りがちで―――ものすごく「デマ」が拡散しやすい環境が整っているとも思うのです。


 もちろん、この「デマ」には、「イーヒッヒ!あのシリーズの売上を落とすためにネガキャンしてやるぞーーー!」という明確な意図で流された「嘘」もあるとは思いますが。

 遊んでいる人が「どうやって遊ぶと楽しいのか」が分からないままプレイしていて、「何だよ!このゲームはクソゲーだな!」と言ってしまっているケースもあると思います。それこそ「『スマブラ』ってテキトーにボタンをガチャガチャ押してれば初心者でも上級者に勝てる底の浅いパーティゲームなんでしょ?」と言っている人みたいな。

(関連記事:「一発で死ぬゲーム」と、「攻撃を喰らうことが前提のゲーム」
(関連記事:私は(貴方は)そのゲームの魅力をちゃんと把握していますか?
(関連記事:「このゲームはどうやって遊ぶのか」を教えてくれるサイトのありがたさ

 また、ゲームというのは楽しんで遊んでいる人も「不満」や「批判」を呟きがちとも言えます。「ここがイライラする」「ここを直せ」「ここがクリアできない!」……エトセトラエトセトラ。

(関連記事:「好きなゲーム」の「不満」ばかり書くリスク

 それに加えて、ゲームの場合は「面白い/面白くない」以上に「自分に合った難易度か/否か」というのが重要なので、好みの個人差は大きいと思いますし。

(関連記事:好きなゲームを「好き」と紹介することに意味があるのか



 つまり、ネット上の評判なんてとてつもなくアテにならないのが「ゲーム」だと思うんですよ。

 それをアテにして取捨選択をしなければパンクしてしまうくらいたくさんのゲームがあるのだから仕方がないんですけど、「ネット上の評判なんてアテにならない」ことは忘れてはいけないと思うんですね。


 これは「批判」だけじゃなくて「絶賛」もそうです。
 「高尚な映画」とか「高尚な小説」とか「高尚な音楽」とか、プロの批評家からの評価の高いものを観てもさっぱり分からないことがあるように……「ゲームが大好きな人」が評価している「隠れた名作」を実際にプレイしても、さっぱり分からないことってありますもの。

 「隠れた名作」には「隠れている」なりの理由があるな、と。
 「ネット上の評判を信じて遊んでみたらつまんなかった!」という具体例を挙げるとまた炎上しそうなので、「ネット上の評判を信じて遊んでみたらそこそこ面白かった!」具体例を挙げることにしますが……64ソフト『罪と罰』とか、確かに面白かったけど、「隠れた名作」と言われるほどの評判が高いのは「『罪と罰』を楽しめる層にしか売れなかったから」だと思いますもの。もしこれが100万本とか200万本とか売れていたら、「難しすぎる」とか「ストーリーがワケ分からん」とか叩かれていたと思います。



 繰り返しになりますが、ゲームソフトがこれだけたくさん発売されている現状「ゲームを遊ばずに他人の批評を読んで分かった気になる」のは仕方がないことだと思います。そして、その「他人の批評」がアテにならないことも仕方がないことだと思います。それは「批判」であっても「絶賛」であっても。

 ならば、「一次批判」や「一次絶賛」を読んだからと言って、それを拡散させていく「二次批判」や「二次絶賛」をするのはやめようと思いました。それはあくまで「他人の感想」。「自分の言葉」ではありません。
 「他人の感想」は自分の中にだけ留めればイイので、それを殊更に広める必要はないだろうし、もしTwitter等で書きたい時は「自分は遊んでいないけど評判イイので遊んでみたい」といったカンジに書いていこうかなと。


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| ゲーム雑記 | 18:05 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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考察:メガネスキーの方々に教えてもらいたい、理想のメガネ表現とは

 最初に私のスタンスを示しておきますけど、私は特に「メガネをかけている女子・女性」に思い入れはありません。また、「私自身が特に思い入れがないから」だけでなく、この記事でこれから語る「とある理由」が故に、自分の漫画に「メガネをかけている女性キャラ」をメインキャラとして描いたことはほとんどありません。


 だからこそ、「メガネをかけている女性キャラ」が好きな人達に教えてもらいたい。
 思い入れがない私には、どういうメガネ表現が「あり」で「なし」かが分かりません。
 実際、漫画・アニメで描かれる「女性キャラのメガネ」の表現に対して、Twitter等で「なんだこのメガネ表現は!」「メガネに対する愛が足りない!」「出直して来い!」と怒っているメガネスキーの方々をよく見かけます。思い入れのない人が描いたものに、思い入れの強い人が憤る―――弓道も花も鉄道もカメラも楽器も銃もバイクも刀も、そういう対象としてよく挙げられていますが、「メガネ」もそうだと思うのです。

 だからこそ、思い入れの強い人達に、どういうメガネ表現が「あり」で「なし」かを教えてもらいたいのです。私を含めた「女性のメガネ姿に思い入れがない人」が、今後「女性キャラのメガネ」を描いていくに役立つと思いますので。



 あ、ちなみにこれは「二次元」の話なので、「三次元」の話はどうでもイイです。
 また、「男性キャラのメガネ」も今日の記事では特に語りません。理由は、私がメガネの女性キャラを描きたくない「とある理由」に直結している話なので……追々分かってくると思います。



0.メガネをかけていない状態
megane0.jpg

 この記事のためだけにワザワザ絵を描きました!
 しかも、昨年の10月くらいからちょこちょこと描いていたという。これで本気度が分かってもらいたい。

 何故に5人もキャラを描いているのかというと……キャラクターというのは「色んな表情」をして、「色んな感情」を表現するものだからです。5人のキャラで「色んな感情」を表現してみました。
 最初は「喜怒哀楽」で描こうとしたんですが、描き終わってみれば「怒・絶望・酔・苦・照」と、「喜」も「楽」もなくて苦しい表情ばかりになってしまったのは何故なんでしょう(笑)。



1.メガネをそのままかける
megane1-1.jpg

 Pixivで用途自由の眼鏡フリー素材を提供している人がいたので、使わせてもらいました!感謝です!作業効率のために「ツル」の部分は用意しなかったのですが、今日の主題とは関係のない話題なのでご勘弁を。


 漫画やアニメのキャラクターの場合、感情を表現するために重要なのは「眉毛」・「目」・「口」の3つです。5人ものキャラクターを描いたのは、その3つの要素がそれぞれ組み合わさって「怒」とか「苦」といった感情を表現していることを伝えたかったからです。

 私が「メガネをかけている女性キャラ」を描きたがらない理由はここにあって……メガネというのは当然、顔よりも前のレイヤーに置かれるものです。「口」はともかく、「眉毛」や「目」をコロコロ動かして感情を伝えたくても、その上にドカンと「動かないメガネ」が鎮座されると感情が動いていないように見えてしまうのです。キャラクターが怒ったり哀しんだりしても、メガネの形状は変わりませんからね。

 二次元の女性キャラクターというのは、目を大きめに描かれるものです。三次元の女性や、二次元の男性キャラクターならば問題にならないかも知れませんが。目が大きめの二次元の女性キャラクターにメガネをかけさせると、上マブタに思いっきり被さって感情が伝えづらくなってしまいます。
 故に、漫画やアニメに登場する「メガネをかけている女性キャラ」は、感情が動きにくい冷静なキャラや、物怖じしない大人なキャラが多い印象を受けるのだと思います。



 では、「メガネをかけている女性キャラ」であっても、豊かな感情を表現するためにはどうすればイイのか―――という様々な工夫を漫画やアニメでは行われているのですが、そうした工夫こそが「なんだこのメガネ表現は!」「メガネに対する愛が足りない!」「出直して来い!」とTwitterで叩かれているのを見かけたりするので。


 だからこそ、「メガネをかけている女性キャラ」が好きな人達に、これから見せる「メガネ表現」が「あり」なのか「なし」なのかを教えてもらいたいのです。


2.メガネが最初から下にズレている
megane2.jpg

 代表的なのは、『境界の彼方』の栗山さん
 メガネの上フレームが、上マブタと下マブタの間に来るので……表情の変化を問題なく見せることが出来ます。『境界の彼方』は、このメガネが更にズレたり、それを直したりという動きによって栗山さんの感情を更に表現していました。結果、栗山さんはあのアニメのどのキャラクターよりも表情豊かでしたもんね。

 栗山さんほどではないけど、『アイドルマスター』の律っちゃんもこの手法だと思います。メガネが下にズレているキャラは、結構見かけますね。


 しかし、『境界の彼方』が放送されていた頃、リアルタイムの感想で「メガネをかけている女性キャラ」が好きな人が怒っているのをよく見かけたんですね。「こんなのはメガネじゃない!鼻メガネだ!メガネへの愛が足りない!」といったカンジの怒りでした。
 それがその人だけの感想なのか、メガネスキーの方々の総意なのかは分かりませんが……私も実はこの手法はあまり好きじゃありません。このかけ方だと前がよく見えなくない?と、つい気になってしまうんですね。老眼鏡みたいだなぁとも思っちゃうし。だから、個人的にはなるべく使いたくない表現です。

 なので、メガネスキーの方々の意見を聞きたいです。
 秋人がありあまるメガネへの情熱を語るたびに、「秋人は栗山さんのかけ方で満足しているのか?」と思ってしまうところが正直ありました。


3.上のフレームがないメガネをかける
megane3.jpg

 上のフレームだけ取っ払ってしまいました。
 代表的なのは、『ラブライブ!』の花陽ちゃんとか。
 表情が豊かなキャラとは違いますが、『けいおん!』の和ちゃんとか『ハナヤマタ』のマチさんとか、この手法が使われているキャラは結構多いと思います。女性キャラじゃないのでどうでもイイけど、『SHIROBAKO』の平岡もこれですね。

 上フレームがないことで「眉毛」と「上マブタ」に被らないので、表情を問題なく見せることが出来ます。それこそ『ラブライブ!』の花陽ちゃんなんかはコロコロ変わる表情が可愛らしいキャラでした。メガネ外しちゃいますけど(笑)。
 メガネの専門用語的には「アンダーリム」とか「逆ナイロール」とか言われているみたいですね。ピクシブ百科事典にも載っていました。

 キャラの一覧が載っていますけど……真希波は上のフレームなかったっけ?
 ほむらは確かにそうだったと思います。


 しかし、私……リアルにはこういうメガネって見たことないんですね。
 実際に売られているのは確かなんですが、ピクシブ百科事典にも「アニメや漫画では、フレームが眼鏡をかけた人物の目を邪魔しないために人気がある。」が、「形状的にフレームの強度が不安であることから、実際の眼鏡では多くは見かけない。」と書かれているようにレアなメガネなんじゃないかなぁと思います。
 もちろんフィクションが現実と常に同じである必要はないんですけど、それを言ったら弓道の構えがうんぬんだって別にイイじゃねえかよって話になっちゃいますし……メガネスキーの方々の意見を聞きたいなと思うのです。



4.フレームのないメガネをかける
megane4.jpg

 ちょっとイラストが分かりづらいかも知れませんが……「縁なしメガネ」です。
 フレームをなくし、レンズの線は透明なので「上部」と「下部」の線を消すことで「上マブタ」と「下マブタ」に被らないという手法です。『ヤマノススメ』のかえでさんなんかはこれだったと思います。

 これもピクシブ百科事典にページがあるのですが、「漫画・アニメではリムによって目が隠れることが無く、過度にメガネの存在感を主張しないことからアンダーリム同様、頻繁に見られる」が、「(現実では)高価で脆弱なこともあって下火になってしまった」とのことです。
 こっちのメガネは上フレームだけがないメガネと比べて割とリアルでも目にすることがあったと思うんですが、壊れやすいとか高価だとかって話は初めて知りました。

 メガネスキーの方々は最近のリアルメガネのトレンドなんかにも詳しいんじゃないかと思うので、是非意見を聞きたいなと思うのです。



5.デッカイメガネをかけてしまう
megane5.jpg

 「二次元の女性キャラは目が大きいから、メガネのフレームに重なってしまう」だと?ならば逆転の発想だ!メガネもデカくすればイイんだ!!
 ということで、上マブタにも下マブタにも被らないサイズのメガネにしてみました。ちょっとイラストだと大きくしすぎたかも(笑)。『Dr.スランプ』のアラレちゃんなんかはこれで、大きな目に重ならない大きなメガネをかけていました。最近の作品でも『SHIROBAKO』の井口さんはコレですね。


 現実でも、こういうメガネは「なくはない」ですよね。
 オシャレのためにこういうメガネをかけている女性はいると思います。ただ、それは恐らく「大きなメガネをかけることで顔が小さく見える」というファッションであって、実用的なメガネのためではないんじゃないかと思うので……メガネスキーの方々がどう思われているのか気になります。

 この記事を書くきっかけは、実はTwitterで「井口さんのメガネは最高だ」と仰っている人を見かけたからなんですが……それがその人だけの意見なのか、メガネスキーの方々の総意なのか、是非知りたいなと思うのです。


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1.メガネをそのままかける
2.メガネが最初から下にズレている
3.上のフレームがないメガネ
4.フレームのないメガネ
5.デッカイメガネ

 ご意見を聞かせて下さるメガネスキーの方がいらしたら、コメント欄にてどの手法が「あり」でどの手法が「なし」かとか、どの順で好ましいとかを教えて下さるとありがたいです。例えば「1、3、4はありだけど、2、5はなし」とか、「1>4>3>5>>>2」みたいなカンジで。

 もし、これ以外に望ましい手法がありましたら、なるべく具体的に教えて下さい。「このイラストのコみたいなカンジで、こういうかけ方が理想!」と、URLを貼ってくれるとかすればイメージが湧きやすいと思います。これはもちろん私も助かりますし、私以外の漫画描き・イラスト描きの人達にも勉強になると思いますんで。




 そうだ、ついでに。
megane6.jpg

 これは男女関係なくなんですが……
 上の画像のキャラのように「フレームの太いメガネをかけているキャラ」の横顔を描く際、左のコマのようにメガネを透けさせる手法があります。『四月は君の嘘』の公生なんかはコレを使われますね。こうすることで表情の変化がメガネのフレームに重ならないで済むという手法なのですが。

 「これが許せない!」とメガネスキーの方々が憤っているのを見かけたこともあります。
 これが「あり」か「なし」かも教えてもらいたいです。これを使わないと、正直「フレームの太いメガネをかけているキャラ」は登場させられないなと自分は思っているんですけど。

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| ヒンヌー | 18:06 | comments:17 | trackbacks:0 | TOP↑

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任天堂へのお布施機能としての「テーマ」や「バッジ」の意義

 始まったのは昨年の10月なので、ちょっと前の話題ですが……ニンテンドー3DSは本体更新によって、HOME画面を着せ替えられる「テーマ」の販売を始めました。
 「テーマ」で着せ替えられるのは、上画面・下画面の壁紙、BGMや効果音、フォルダの形などです。価格は100円か200円で、特典などでもらえることもあります。「テーマ」によってはBGMがないものもあるので購入前にはちゃんと調べましょう。

 任天堂ソフトの「テーマ」はもちろん、サードメーカーのソフトの「テーマ」や、DLソフトの「テーマ」、キャラクターの「テーマ」など種類はものすごく多いです。シャア専用ザクの「テーマ」や、SEKAI NO OWARIの「テーマ」など、3DSあんま関係ない!というものもあって面白いです。
 SEKAI NO OWARIの「テーマ」はランキング上位で驚いたのですが、動画見るとBGMに「歌」が入っているんですね。これはファンだったらテンション上がりますわ。レコチョクは他のアーティストの「テーマ」も出してくれないかなぁ。


HNI_0097_2015020520591123a.jpg

 私のお気に入りはセガサターンの「テーマ」です!
 今だとセガサターンというより『セハガール』のOPというカンジのBGM!




 さて、これとはまた別の話。
 任天堂は昨年の12月に、HOME画面をデコレーションできるバッジが獲れるソフト『バッジとれ~るセンター』を配信開始しました。ソフト自体は無料で、無料プレイも出来ないことはないけど、基本的にはクレーンゲーム5回で90円という価格です。

 今のところバッジは任天堂のキャラクターだけです。
 マリオシリーズ、どうぶつの森シリーズ、ゼルダの伝説 神々のトライフォース2、ニッキー、リズム天国シリーズなどなど……多分、任天堂が自社でキャラクターの権利を持っているソフトだけじゃないかなと思います。『カービィ』とか『ポケモン』とかはまだ出ていないんですね。
 その内に『カービィ』とか『ポケモン』のバッジも出てきたら喜ぶ人は多いでしょうし、サードメーカーのソフトのバッジも出てくると面白そうですが、クレーンゲームの台を無尽蔵に増やすワケにもいかないので「テーマ」ほど参入の壁は低くはないでしょうね。

HNI_0098_20150205205913ccb.jpg

HNI_0099_20150205205914957.jpg

 バッジは「ただの飾り」のものもあれば、「本体内蔵ソフトの起動」が出来るものもあります。
 「テーマ」と組み合わせて面白いHOME画面を作ったら、Miiverseにスクショを投稿しようというコーナーもありますし、それをゲーム内で発表するコーナーもあります。この「ゲーム内で発表するコーナー」が楽しくて、頻繁に起動してしまうところはあります。



 私は、「テーマ」にしろ「バッジ」にしろ、ほどほどに買っている―――というところです。
 「テーマ」販売開始の直後に、『神々のトライフォース2』の「テーマ」花札の「テーマ」は買いましたが、HOME画面は1度に1つのテーマしか表示できないということに気付き……『神トラ2』の「テーマ」だけでイイやとその後しばらく買っていませんでした。
 その後、機能がバージョンアップして「お気に入りのテーマをランダムで使う」ということが出来るようになったので、前述のセガサターンの「テーマ」を買いましたが……ランダムで表示されるので「壁紙に合わせたアイコンの配置」みたいなことは出来ないんですね。だから私がテーマを買うかどうかの基準は、「好きなBGMかどうか」だけです。

 『バッジとれ~るセンター』の方は、この記事に書いた通り配信からしばらくはほとんど起動していなかったんですが……コメント欄で「無料で遊べる練習台を毎日遊ぶと、本番の台の無料プレイを結構させてもらえますよ」と教えてもらったので、その後ほぼ毎日起動しています。
 練習用の台で「当たり」が出たことは、1ヶ月プレイして1度たりともないのですが(笑)。毎日起動していると「課金してもイイかなー」という気になってくるので、これまでに5~6回くらい課金していますかね。



 さて、こんな風に「ほどほどに買っている」レベルの私の率直な気持ちを書いておきます。
 価格は高いと思います。
 3DSのダウンロードソフトだと、新作のゲームが400円とか500円とかで買えることを考えると……テーマ1つ200円とか、バッジを獲るクレーンゲームの最低単価が90円というのは「高い」と思います。だから私は別に「みんなにオススメですよ!」と言う気はないです。そのお金はゲームを買うお金にまわした方が、たくさんのゲームが楽しめるとも思います。

 でも、私は今後も欲しい「テーマ」や「バッジ」が出たらお金を払うと思います。
 高いけど、高いからこそ「お布施」を払う感覚でお金を払うと思います。


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 ゲームソフトの開発費は高騰し続けているのに、ゲームソフトの価格は上げられない―――という話は、ゲーム業界では常に言われていることです。
 なので、前世代機では「ゲームソフトの価格」だけでなく「有料DLC」で稼ぐメーカーが現れました。最近も「有料DLC」が話題になっていましたけど、今になって出てきた話ではなくここ10年近くずっと賛否両論激論が繰り広げられてきた話なのです。


 私個人の好みで言えば、「お金を払うとゲームが有利になる」とか「ゲームの御褒美になるべき部分がお金で買えてしまう」のは好きではありませんが……人の数だけ好みの違いはあるのだから、それを望む人もいるのでしょう。
 それならば発売前にちゃんと告知して欲しいという記事を書いたこともあるのですが、「有料DLCを毛嫌いしている連中がいる限り、発売前に告知して売上を落とすようなことはするべきではない」なんてコメントももらいました。「それでひた隠しにして発売後に発覚したら信頼落とすだけで逆効果じゃね?」と思ったのですが、信頼を落としてでも初動で売れてしまえばイイやという考え方も出来ますからね。

(関連記事:「450円払うと10レベルアップ」に対する自分の考え
(関連記事:ゲームの“御褒美”を有料DLCにするのはやめて欲しい
(関連記事:ゲーム機をネットに繋いでいない人は「不完全版」しか遊べない
(関連記事:ゲームの有料DLCは、発売前にちゃんと告知して欲しい


 閑話休題。
 最近ではゲーム機用のソフトにもそういうソフトが出てきましたが、スマホやタブレット端末用のゲームには「基本無料」で「追加課金をすることで有利になったり優遇されたりする」ゲームが多いです。こういうゲームは「0円で遊ぶ人」もいれば、「何十万円も課金して遊ぶ人」もいます。『パズドラ』なんかは顕著ですけど、1本の大ヒットゲームが無尽蔵の売上を生むんですよね。


 「買いきり」のゲームだとこうはいきません。
 『とびだせ どうぶつの森』がどれだけ大ヒットしても、一人のプレイヤーが払ってくれるお金は4571円+消費税が限界です。そのお金を最初に払えば、何ヶ月遊んでも何年遊んでもそれ以降の追加料金は払われません。任天堂には1円も入らないのです。
 任天堂も「有料DLC」や「基本無料ゲーム」の方法を模索していましたが、行き着いた『マリオカート8』の有料DLCなんかを見ると……作るのに値段相応の労力がかかっていそうなものなので、プレイヤーとしてはありがたいけど「これって利益出るのかなー」と心配になるところもあります。



 ゲームの開発費は上がっている、でもソフトの価格は上げられない、でも私は「お金を払うとゲームが有利になる」とか「ゲームの御褒美になるべき部分がお金で買えてしまう」のは好きになれない―――

 熱烈な任天堂ファンの中には、「遊べる限り任天堂のゲームソフトは買っているのだけど、それでも経営が苦しいのならば好きなだけお金を寄付できる投げ銭システムを用意してくれ!」とまで言っている人がいました。
 私は正直そこまで任天堂に思い入れはありませんが(笑)、言わんとすることは分からなくないです。買いきりのゲームソフトにプレイヤーが支払える額は有限ですし、メーカーの収入も有限です。「ゲームソフト以外の収入源を任天堂も持つべき」という主張は理に適っていると思いました。


 その後、任天堂が「テーマ」や「バッジ」の販売を始めた時、真っ先に思い出したのはその“熱烈な任天堂ファン”の言葉でした。これこそが「好きなだけお金を寄付できる投げ銭システム」ではないか!と。

 1ヶ月間『バッジとれ~るセンター』をほぼ毎日起動して思ったんですけど、『パズドラ』なんかのスマホ用のオンラインゲームに似たことをやっているんですね。
 毎日クソバイト君のテキストが書かれていて、1日1回の練習プレイが出来るので、毎日起動したくなりますし。『パズドラ』が人気漫画や人気アニメとコラボして「この期間だけこのキャラクターが入手できる!」みたいなキャンペーンをやっているように、『バッジとれ~るセンター』も次々と人気ゲームのキャラのバッジが期間限定で手に入るというキャンペーンをやっているとも言えますし。自分のHOME画面をMiiverseに投稿して自慢&厳選した投稿をクソバイト君が紹介という要素は、それこそSNSを利用した元々の意味でのソーシャルゲームらしい要素とも言えます。

(関連記事:任天堂はソーシャルなゲームの会社である


 しかし、「お金を払うとゲームが有利になる」とか「ゲームの御褒美になるべき部分がお金で買えてしまう」みたいなことはなく、あくまで手に入るのは「HOME画面を装飾する要素」でしかないので、「有料DLC」に色々言ってきた私にとっては一番理想的な形だとも思います。

 当然、どの「テーマ」がたくさん売れているのか、どの「バッジ」を獲ろうとみんながお金を払っているのか―――という情報はデータ化されているのでしょうから、シリーズやキャラクターの人気のバロメーターにもなるかも知れません。数は少ないけど熱烈なファンのいるシリーズは、「テーマ」や「バッジ」で利益を挙げていくという方向性も考えられます。
 今後、任天堂が自社だけで権利を保有していないキャラクターの「バッジ」も出てくると、『ファイアーエムブレム』の歴代キャラのバッジとか出てきそうですよねー。チキのバッジがすげえ獲りづらいところにあって、ガンガン残高が吸い込まれていく未来が……!見える!



 ということで、今回の「テーマ」や「バッジ」の機能を、私は好意的に「楽しくお布施を払えるシステムを作った」くらいに捉えています。今後も「ほどほどに」ですがお金を払っていこうと思っています。
 要望があるとすれば、任天堂以外の「バッジ」も出して欲しいってとこですかね。『ラビ×ラビ』のバッジを出してくれれば、『スーパーマリオ』の世界をアリスとリリが歩いている画面とか作れる!

 まぁ、DLソフトはマイナー過ぎて実現性は低いかも知れんですが、ファミコンとかスーファミの頃の画像を使って“『ストリートファイターII』のリュウvs『ファイナルファンタジー』のバハムート”みたいな画面を作ってみたいです!縮尺どうなってんの!

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| ゲーム雑記 | 17:55 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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考察:ショートカットの女のコ≠ボーイッシュな女のコ

 私が毎週聴いているラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(@TBSラジオ)の、数週間前の特集コーナーが竹中夏海先生による「グループアイドルを楽しむ基礎教養としての、セーラームーン入門特集」でした。私は『セーラームーン』はほとんど観たことないので興味深く聴いていたのですが、そこで「目からウロコ」の話がされていました。
 元々はヒャダインこと前山田健一さんが仰っていた話らしいんですけど、どこがソースなのかはよく分からなかったので……「誰が言っていたか」よりも「そういう説がある」くらいに読んでもらえれば助かります。


 かつて、漫画やアニメに登場する「ショートカットの女のコ」は「活発」だったり「ボーイッシュ」だったりというキャラが多かったのだけど。
 『セーラームーン』に登場する水野亜美という「ショートカットの女のコ」は「大人しく」て「内気」で「優等生」というキャラクターで、男性人気が非常に高かったため。それ以降、漫画やアニメに「ショートカットの女のコ」で「大人しく」て「内気」で「優等生」というキャラクターも多く登場するようになり、『エヴァンゲリオン』の綾波レイの人気に繋がる―――



 「ショートカットの女のコ」論。
 「ショートカットの女のコ」が大好きな私ですが、『セーラームーン』を観ていなかったためにこんなことは考えたこともありませんでした。これがもしその通りならば、漫画の歴史を語る際に「大友以前、大友以後」という言葉が使われるように、「ショートカットの女のコ」の歴史を語る際には「水野亜美以前、水野亜美以後」という言葉が使われるべきなのかも知れませんね。


 『美少女戦士セーラームーン』のスタートは漫画もアニメも1992年だそうです。
 それ以前の漫画やアニメに登場する「ショートカットの女のコ」を思い返すに……『らんま1/2』(1987年~)の天道あかねはショートカットで「男勝り」のキャラでしたし、『ガンダムZZ』(1986年~)のエルピー・プルはショートカットで「活発」な女のコでしたし。あだち充先生の『みゆき』(1980年~)はショートカットのみゆきが「活動的」なコで、ロングヘアーのみゆきは「控えめ」なコでした。

 自分の曖昧な記憶の中ですけど……確かに、1980年代までの作品で「ショートカットの女のコ」で「大人しく」て「内気」で「優等生」というキャラは思い出せません。「ショートカットの女のコ」は中性的、「ロングヘアーの女のコ」は女性的、みたいな記号性が強かったように思います。
 もちろん「ドラクエよりも前に日本製のRPGは存在していた」みたいな話で、「存在していたかどうか」よりも「市場を切り開くほどの人気になっていたかどうか」の方が大事なんですけど。


 で、90年代に入ると確かにコレが変わります。
 「大人しく」て「内気」で「優等生」というのとはちょっと違うと思うんですけど、『エヴァンゲリオン』(1995年~)の綾波レイは「活発」でも「ボーイッシュ」でもなく口数の少ないキャラクターで、今もなお高い人気のキャラクターです。
 綾波系の無口・無表情キャラには「ショートカットの女のコ」は多く、『涼宮ハルヒの憂鬱』(2003年)の長門有希とか『Another』(2006年~)の見崎鳴とか、今ではむしろ定番のキャラ造形になっていますよね。

 ……と、ここまで書いて思い出しましたが、『Zガンダム』(1985年~)のフォウ・ムラサメは「ベリーショートの女性」だけど「活発」でも「ボーイッシュ」でもなく、「妖艶」な「大人の女性」というキャラでした。それでいてある意味で「守ってあげたい」と思わせるキャラだから、綾波レイの源流はむしろこっちか……?



 “「ショートカットの女のコ」は中性的、「ロングヘアーの女のコ」は女性的、みたいな記号性”という話に戻すと……例えば今dアニメストアで私がアニメ版を観ている『らき☆すた』(2004年~)の柊姉妹は、髪の長いお姉ちゃんが「攻撃的」で、髪の短い妹の方が「おっとり」しています。『CLANNAD』(2004年~)の藤林姉妹も、髪の長いお姉ちゃんが「攻撃的」で、髪の短い妹の方が「引っ込み思案」でした。

 これは、「ショートカットの女のコ」には「幼さ」を表現する記号性があるので、姉妹では妹の方がショートカットになる―――という見方も出来るのですが。かつては「活発」だったり「ボーイッシュ」だったりというキャラが多かった「ショートカットの女のコ」が、今では「おっとり」とか「引っ込み思案」なキャラも多くなって、定番の一つになっているとも考えられます。

 『アイドルマスター』(2005年~)の萩原雪歩とか、『ハナヤマタ』(2011年~)の関谷なるとか、『ラブライブ!』(2010年~)の小泉花陽とか、「ショートカット」というか「セミショート」くらいの長さのキャラだと「引っ込み思案」なキャラはいっぱいいますよね。そして、この辺のキャラは男性人気がとても高い。この路線こそが「水野亜美以後」のキャラの路線と言えるのかも。



 この記事は、「かつては漫画やアニメのショートカットの女のコは「中性的」という記号を持たされていたけど今はもう違うんだ!」みたいな話になるかなと思って書き始めたんですけど……そういう単純な話でもないように思えてきました。「中性的なキャラ」ばかりではなくなったけど、「引っ込み思案」などのまた新たな記号性が足されただけ、なんじゃないかと思うのです。


【漫画・アニメにおけるショートカットの女のコ】
・ベリーショート…大人っぽさ、「年上の女性」感
 フォウ(Zガンダム)とかエウレカ(エウレカセブン)とか
 → 綾波(エヴァ)や長門(涼宮ハルヒ)はこの系譜?
・ショート…中性的、活動的、元気なキャラ
 定番中の定番。
 → 今で言うと、韻子(アルドノア)とか未央(シンデレラガールズ)とか
・セミショート…幼さ、大人しさ、引っ込み思案
 「水野亜美以後」の定番。
 → 雪歩(アイマス)とか花陽(ラブライブ!)とか

 もちろん厳密に「長さ」で分類できるワケではなくて、綾波はベリーショートではないと思うし、水野亜美さんもセミショートよりは短いと思うんですけど……今も昔も、「ショートカットの女のコ」のキャラクターにはそれなりの「記号性」があるんじゃないのかなと思うのです。「水野亜美以後」という概念が正しいのならば、むしろ「水野亜美以後」はそれが定番化してしまったとも考えられます。




 さて、
 この記事の冒頭で“「ショートカットの女のコ」が大好きな私”と書きましたが、今回この記事を書いていくに考えてみたところ……私は、3つの分類の中では「幼さ、大人しさ、引っ込み思案」という記号性を持たされた「セミショート」のキャラが好きだと分かりました。
 ボーイッシュなキャラも好きですし、韻子可愛い韻子可愛いんですけど、自分の好きなキャラの傾向を考えるに『アイマス』では雪歩が好きだったし『ラブライブ!』ではかよちんが好きだったし『ハナヤマタ』ではなるが好きだったことを考えると……自分の好きなキャラの源流は「水野亜美」さんにこそあるのかもと思うのです。私は『セーラームーン』ほとんど観ていないので、「水野亜美」さんのことはほとんど存じ上げていないんですけど、この人がいなければ雪歩やかよちんやなるはロングヘアーだったかも知れないと考えると足を向けて寝られません!


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| ヒンヌー | 17:50 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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「このゲームはどうやって遊ぶのか」を教えてくれるサイトのありがたさ

 ゲームを遊ばないと、ブログに書くゲームの話題があっという間に尽きちゃうなーということで……2月に入ってからWii Uのバーチャルコンソールで『いけいけ!熱血ホッケー部』を始めました。くにおくんシリーズのアイスホッケーゲームです。

 このゲームは元々はファミコンのソフトなのですが、このゲームが発売された1992年はスーパーファミコンの大ヒットソフトが連発した年なのです。『ロマンシング サ・ガ』『弟切草』『ストリートファイターII』『マリオペイント』『スーパーマリオカート』『ドラゴンクエストV』『ファイナルファンタジーV』……
 くにおくんシリーズも『初代熱血硬派くにおくん』をスーパーファミコンで発売しているくらいで、みんなの遊ぶゲームがファミコンからスーパーファミコンに移行した時期と言えます。我が家がスーパーファミコン本体を買ったのも、『ストII』目当てでこの年でした。そういう時期だったので、この年の2月にファミコンで発売された『いけいけ!熱血ホッケー部』にはそれほど存在感がなく、遊ぶ機会がほとんどありませんでした。友達の家で1~2度遊んだくらい。


 このゲームがWiiのバーチャルコンソールで配信された時も「くにおくんシリーズはとりあえず応援のために買おう」と買ったのですが、面白いか面白くないか以前に「どうやって遊ぶゲームなのかが分からない」状態でした。
 いや、まぁ……ファミコンのゲームなのでボタン数は多くないし、「十字ボタンで移動」「Bボタンでショット」「Aボタンはパス?」「ABボタンでジャンプ」というのは触ってみれば分かるのですが……どうやれば必殺シュートが撃てるのかとか、どうやれば相手のシュートを防げるのかとかが全然分からなかったのです。


 なので、今度こそWii Uのバーチャルコンソールでリベンジだ!としたところ……
 やはりよく分からない。
 説明書を読んでも「特殊な操作がいっぱいある」ことは分かるのですが、それらをどう使えばイイのかが分かりません。Wiiのバーチャルコンソール公式サイトの「アドバイス」を読んでも、「このパスワードを入れるとサウンドテストが出来るよ!」というどうでもイイ情報しか載っていません(笑)。


 実は、くにおくんシリーズって「取っつきやすいようで取っつきにくい」シリーズだと私は思うのです。『ドッジボール部』の頃から「必殺シュートの撃ち方」なんてノーヒントですし、『熱血行進曲』だって「このキャラがこういう特徴を持っている」なんてことをいちいち教えてくれませんでした。

 ものすごく奥が深い要素を仕込んであるのに、一切説明せずに「さぁ!楽しむが良い!」と放り投げてくるだけなので……「どうやって遊ぶゲームなのかが分からない」ことも多く、それなのにキャッチコピーなんかだと「敵をぶん殴ったり出来るハチャメチャスポーツ!」と気軽に遊べるゲームとして紹介されていて。
 友達みんなで同じゲームを遊んでいる時期はそれでも「このキャラ実は強いらしいぞ」とか「あそこに秘密の店があるらしいぞ」みたいな情報がまわってきて問題なく楽しめたのですが、一人で遊ぶと「どうやって遊べばイイのか」がさっぱり分からないという。


 「ファミコンの頃のゲームはみんなそうじゃん」と思うかもしれませんが、『スーパーマリオブラザーズ』にしろ『ドラゴンクエスト』にしろ、最初の数分で「このゲームはどうやって遊ぶゲームなのか」を教えてくれていたことを考えると。
 くにおくんシリーズが行き詰ってしまった理由として、「スーパーファミコンに移行出来なかった」とか「テクノスジャパンがくにおくん一本になりすぎた」とか色々言われていますが、「奥が深い要素」に気付かれないまま「底の浅いゲーム」として思われてしまったからというのもあるんじゃないかと思いました。

(関連記事:私は(貴方は)そのゲームの魅力をちゃんと把握していますか?



 ということで、攻略方法が書かれているホームページを探しました。

 いけいけ!熱血ホッケー部の部屋MARKN'SHomepageさん)

 おぉ!すごく分かりやすい。
 「たくさんある特殊操作」の中で「特に覚えた方がイイ操作」を書いてくれているのがありがたい。また、「このゲームすげえ難しいんじゃ……」と途方に暮れた自分にとって、「このゲームは最初は難しいです」「操作に慣れてしまえば爽快感のあるゲームに変わります」と書いてくれているのが勇気付けられます。


 じゃあ、実際にここに書かれていることをやってみよう!と1試合プレイしたところ、全部が全部出来たワケではないのですが、見違えるように「このゲーム面白ええええええ!」と驚きました。
 このゲーム、「ダッシュ」が肝なんですね。守備時に使う「ダッシュ回転足払い」も、このページでテクニックとして紹介されている「ジャンプマッハスイング」も、ダッシュ時にしか使えません。しかし、このゲームはダッシュしたまま壁やゴールにぶつかると一定時間行動不能になってしまうので、「ダッシュ中ターン」などのテクニックでキャラの動きを制御しなくてはならないという。
 なので最初は「思ったように動かせない……」と戸惑ってしまうのですが、恐らく実際のアイスホッケーだって最初はそうでしょうし、慣れてきて自在に動かせるようになるとスピード感溢れるゲームに変わってくるという。


 このページを読まなければこんなことは分かりませんでしたし、このゲームが面白いことにすら気付きませんでした。23年越しに知る、このゲームの魅力。こういうサイトがWEBに残り続けてくれていることに感謝です。


 さて、この話……別にレトロゲームに限った話ではないですよね。
 ファミコン時代とは比べ物にならないほどゲームが複雑になった今、「このゲームはどうやって遊ぶゲームなのか」が分からないままゲームを辞めてしまう人はむしろ増えているんじゃないかと思うのです。

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 あれだけたくさんの人に遊ばれている『スマッシュブラザーズ』ですら、「ボタンをテキトーにガチャガチャ押していれば初心者でも上級者に勝てる底の浅いパーティーゲームでしょ?」と言う人はいます。
 私自身も3Dアクションゲームは世間でものすごく評価の高いゲームであっても、エンディングまで到達してもなお「何が面白いのか分からない……」ままだったりします。で、その感想をそのままブログに書いたら「オマエのようなヤツは二度とそのゲームについて語るんじゃない!」と炎上する日々。


 こういうのは「このゲームはどうやって遊ぶと楽しいのか」が分からずにプレイしているからではないかと思うのです。「そんなことも教えてもらわないと分からないのかよ!」とまた炎上しそうですけど……

 例えば、ゲーム内で「全部のテクニックをチュートリアルで説明してくれるゲーム」であっても、「この操作をするとこういうことが起こるんだ」は分かっても、「この操作はどういう時に使うのか」がサッパリ分からなかったりします。
 ファミコンの『いけいけ!熱血ホッケー部』ですら「ノーマルスケーティング」「ダッシュスケーティング」「ダッシュ中ストップ」「ダッシュ中ターン」「チョン!パス」「スラップショット」「フリップパス」「スラップショット」「あしばらい」「スティック振り抜き」「ショルダータックル」「どすこいパンチ」「ダッシュ回転あしばらい」「ジャンプマッハスイング」と特殊な操作がいっぱいあって、どれを使えばイイのかサッパリ分かりませんでした。あのページは、特に使うのはこの4つだ!と教えてくれたから実用的だったのです。


 また、最近のゲームは「買った人は全員クリアまでは出来るようにしよう」と、難易度選択とか稼ぎプレイでのパワーアップとかで下手くそな人でもクリアは出来るようになっているものも多く。そうしたゲームは、「このゲームはどうやって遊ぶと楽しいのか」が分からなくてもクリア出来ちゃったりするんですね。
 それこそ『スマッシュブラザーズ』も、難易度が低ければ「ボタンをテキトーにガチャガチャ押していれば初心者でもシンプルモードのクリアは出来るゲーム」です。難易度を上げたり、オンライン対戦でちゃんと上手い人と戦ったりすれば全然適わないのだけど、クリアだけして「底の浅いゲームだったなー」と辞めちゃう人もいるんです。前作『X』の時はそういうレビューもそこらで見ました。



 もし自分がプレイしているゲームの何が面白いのかが分からなかった場合―――
 今回私が「攻略方法が書かれているホームページ」を頼ったように、インターネットという集合知に頼るというのも手だったのかなと思うのです。攻略Wikiを読むでも、Miiverseみたいな場所でアドバイスを求めるでも、上手い人のプレイ動画を観るでもイイんですけど……
 23年間、私が『いけいけ!熱血ホッケー部』のことを「底の浅いゲームだ」と思っていたことを考えると、自力で攻略したり上達したりという楽しさを放棄したとしても、「このゲームはどうやって遊ぶと楽しいのか」を知ることは大事だったんじゃないのかなと思うのです。


 いや、もちろん……その上で「何にも面白くないゲーム」もありますし……
 世間でものすごく評価されていて、その楽しみ方を熟知してもなお「自分の肌には合わないゲーム」もあるとは思いますけど……




 で、逆に自分の好きなゲームが何が面白いのか分かってもらえていない場合―――
 「なんでこんな面白いゲームが売れないんだ!」とか「ヌルイ世代はこの程度で投げ出すのか!俺らの若い頃のゲームはもっと難しかったぞ!」とか愚痴るんじゃなくて、「このゲームはどうやって遊ぶと楽しいのか」を広めていくのが大事なんじゃないかなぁと思うのです。
 攻略サイトを作ったり、攻略Wikiを作ったり……というのが面倒くさいんだったら、Miiverseみたいな場所でアドバイスするとか、他の人が書いた「このゲームはどうやって遊ぶと楽しいのか」という記事をRTしていくとか、手は何だってあると思うのです。


 「上達」が楽しいのか、「攻略」が楽しいのかという話で考えると、「上達」が楽しいゲームはともかく、「攻略」が楽しいゲームはネタバレになってしまうとも思うのですが……

 くにおくんシリーズの話を思い出しても、友達同士でみんなで遊んでいる時は「集合知」によって「こうやると必殺技が出せるぞ」とか「このキャラ実は強いぞ」とかの情報が共有されていましたが、一人で遊ぶとそうしたものを全部自力で見つけなきゃいけないんですね。そりゃとっつきにくいよと思うのです。
 好きなゲームを本気で応援していきたいのなら、ウチのブログもそういう「このゲームはこうやって遊ぶと楽しい」みたいな情報を書いていくべきかなぁと思いました。自分がオススメしたゲームを買ってくれた人が「手も足も出ません!」とブン投げている様を見ると、オススメするだけじゃ無責任だとも思うんですね。


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| ゲームプレイ日記 | 17:47 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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