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変わらない価値のあるもの

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2015年7月のまとめ

 9月に発売が予定されているWii Uソフト『スーパーマリオメーカー』に合わせて、『スーパーマリオメーカー』ダウンロード版が入ったWii U本体が発売されることが発表されました。現在のところ販売されている『マリオカート8』が入ったWii U本体と比較すると……(※ 全て定価の税別表示です)

『スーパーマリオメーカー』セット:33000円
 『スーパーマリオメーカー』単体だと、5700円

『マリオカート8』セット:32800円
 『マリオカート8』単体だと、5700円
 ※ こちらのセットにはWiiリモコンプラス1つとセンサーバーが同梱




 ……


 ………


 高くなっているじゃねえか!!


 今年2月の決算説明会で、その『マリオカート8』セットも「前年の『ファミリープレミアムセット』ほどのお得感を感じていただけなかったために国内では数字が伸ばせなかった」と言っていたのに!その『マリオカート8』セットよりも高くなっているじゃないか!

 うーん……まぁ、こうなるともう分からんでもないかな。
 任天堂にとってWii Uはもう「本体価格を下げてでも普及させなければならない商品ではなくなった」ということなんでしょう。2013年の『ファミリープレミアムセット』が一番お得だったので、あの時期が最も「本体価格を下げてでも普及させなければならない」時期で、昨年の『マリオカート8』セット、今年の『スーパーマリオメーカー』セットとどんどん「本体価格を下げてでも普及させなければならない商品ではなくなっている」ように思えます。

 そもそも「本体価格を下げてでも普及させる」メリットを考えると、ハードを赤字で売ってもソフトをたくさん売れば黒字になるからなので。だから、3DSはこれからソフトがたくさん出る時期に1万円の値下げをしたのですが、ソフトがもうあまり出そうにないWii Uは値下げしても意味がないってことなのかなぁと。


 僕個人としては、「『Splatoon』が出て、『マリオメーカー』を9月に控えている夏休み前に値下げをすれば、Wii Uを買う人も増えるんじゃないのか」と思っていたので、春にも夏にも値下げをしなかったことが意外だったのですが……『スーパーマリオメーカー』セットの価格を見て、「あぁ……そういうことか」と納得してしまったところがあります。


 奇しくも『ドラゴンクエストXI』が、ニンテンドー3DSとプレイステーション4の二機種で発売されるとお披露目されて、更にNX(仮)でも発売が検討されているという話で。どうもNX(仮)はWii Uに替わる据置の後継機ではないかという見方が濃厚になってきたタイミングです。
 「どうしてWii Uの『ゼルダ』新作が延期されたのか」「どうしてWii U用『どうぶつの森』は発表されなかったのか」も勘繰ってしまいます。これらが全部NX(仮)用にシフトしたのなら、NX(仮)はロンチに『ドラクエ』と『ゼルダ』と『どうぶつの森』の本編新作が並ぶすごいハードになってしまいますけど(笑)。



 それはそうと、『スーパーマリオメーカー』超楽しみです。



 す、スイミーじゃないか!スイミー!

 保存できるコースは「120コース」ですが、100人マリオチャレンジなら「インターネット上に公開されているステージを自動で選んでくれる」みたいなので保存できるコースには含まれないのかな。自動で選んでくれたステージの中からお気に入りのステージだけ保存できると最高なんですけど、どうでしょう。
 パッケージ版に付いてくるブックレットはPDFファイルで無料公開もされるそうなので、私はダウンロード版を買います。Wii Uの本体、空き容量が足りるかな……


 「このコース、超難しかったんだけど!」とか、「すげえアイディアのコースがあったのでみんなも遊ぶんだ!」みたいなやり取りが面白いソフトだとも思うので……このゲームも『Splatoon』同様にブログでプレイ日記を書いていくかも知れません。

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 「2015年7月のまとめ」は私事・創作活動の報告などが大半なので、今月も読みたい人だけ「続きを読む」をクリックして下さいな。

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| ひび雑記 | 17:57 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

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「縦書きの文章」は今でも「読みやすい」のか?

 宣伝ではありませんが、先日7月24日に個人でも電子書籍を出版できるAmazonのサービスKDPにて『マンガは描ける!絵が描けない人でも』 を発売しました。

マンガは描ける!絵が描けない人でも
マンガは描ける!絵が描けない人でも

kakeru1.jpg
 宣伝ではありませんが、今回は「活字の本」で「挿絵の入る」「縦書き」の本です。
 この「挿絵を入れたい」「文章は縦書きにしたい」を実現するのが地味に大変で四苦八苦しました。KDPに(も)使える書式に出力してもらえるWEBサービスやフリーソフトはたくさんあるのですが、「挿絵を入れる」のが難しかったり、「横書き」でしか出力できなかったりするものが多くて、一時期は「縦書き」を諦めて「横書き」に妥協しようかと思ったくらいです。

 そこからどうやって解決したのかみたいな話は興味ある人がそんなに多くないと思うのでこの辺にして、今日書きたいのは「そんなに大変だったのに、どうして縦書きにこだわったのか?」という点です。



 半年前だったか、1年前だったか……WEBで連載されていたとある小説をまとめたものが、それも電子書籍で発売されまして。私はWEBでも読んでいたのですが、まぁこの機会に最初から読み返そうと思って電子書籍でも購入してもう一度読んでみたところ……

 WEBで連載されていた時は「横書き」だったものが、
 電子書籍で発売された時には「縦書き」になっていて―――

 同じ文章なのに、「縦書き」だとこんなに読みやすさが違うのか!と驚いたのです。
 いや、もちろん「WEBで一度読んだ」ものを「電子書籍で二度目を読んだ」から頭に入りやすかったというのもあるとは思うんですけど(笑)、「横書き」の時には頭に入らなかった風景描写なんかが「縦書き」だとすんなり頭に入ってきて。それまでは「縦書きも横書きも同じ日本語でしょ?」と思っていた自分ですが、そんな自分の脳の中にも「縦書きの文化」が強く根付いているんだと実感したのです。


 ということで、苦労してでも「自分も縦書きで電子書籍を作ろう」と頑張りました。
 宣伝ではありませんが、今後はブログの記事をリメイクしてまとめた電子書籍とかも出したいなぁと考えていて、そこでも「横書きのブログ」を「縦書きの電子書籍」に変えるのが面白いんじゃないかと思ったのです。


 しかし……ここで一つ疑問が思い浮かびました。



 ひょっとして、こんなことを思うのは私がオッサンだからなだけで。
 最近の若い人達には「縦書きが読みやすい」なんて文化は残っていないんじゃないのか?と。

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 一応断っておきますと、この話は「最近の若者はけしからん!」って話にしたいワケじゃないですからね。私は最近の若者にもモテたいので、最近の若者が何を思って何を好いているのかを知りたいのです!そして、ゆくゆくは私だけのハーレムを築き上げたいのです!

 まぁ……マジメな話をすると、良かれと思って縦書きにしたら「横書きの方が読みやすかったのに」と言われてしまう可能性もあるんで。リアルな声を聞きたいなと思ったのです。



 私達の子どもの頃にはインターネットがまだありませんでした。
 携帯電話の普及率もそれほどではなかったし、スマホもありません。

 活字を読む機会と言えば、言うまでもなく「本」「雑誌」「新聞」などが主でした。洋書を翻訳した「本」は横書きなことが多いですし、パソコン系の「雑誌」は横書きなものも多いですが……総数の割合で考えれば、「本」「雑誌」「新聞」は圧倒的な縦書き文化だったと思います。


 しかし、インターネットが普及して、パソコンなりスマホなりに日常的に触れる人が多くなり、最近の若者の中には「物心ついた頃からパソコンに触ってた」「スマホがあった」という人も少なくないと思います。
 そして、このブログもそうですけど……インターネットは基本的に横書きの文化です。パソコン自体が横書きの文化ですし、パソコンで作られる多くのものは横書きの文化で出来ています。例えば、ゲームなんかも、日本人が日本語で書いた日本人向けのノベルゲームであっても横書きのものが多いですよね。

 「本」や「雑誌」は売れなくなって書店なども苦しくなって、「新聞」は最近ではインターネットで記事が読めてしまったりしますし……最近の若者に限った話ではなく、我々オッサン達だって昔よりかは「縦書きの文章」に触れる機会が減っていることでしょう。むしろ、逆に最近「縦書きの文章」に触れる機会がどれだけあったろうか?

 これだけ「横書きの文章」に触れる機会が多ければ、「横書きの文章の方が読みやすい」という若者が増えてもおかしくないし、そうした人達に向けて本を作るのならば「横書きの文章」で作るという選択肢もあるし、そうなるとますます「横書きの文章」に触れる機会が増えて「縦書きの文章」に触れる機会が減っていくということも考えられます。



 昔、日本の漫画は「縦書き」文化だから「横書き」文化の海外に輸出するのが難しいみたいな話を書きましたが、それ以前に日本でも「縦書き」よりも「横書き」の方がしっくり来ている世代があるのかもってちょっと思うんですね。国語の教科書は「縦書き」だろうけど、それ以外の科目の教科書は「横書き」が多いだろうし、国語の教科書でしか「縦書き」を読んだことがないって人がいてもおかしくないでしょうし。

 宣伝ではありませんけど、今後活字の本を出す際には「縦書き」にするべきか「横書き」にするべきか悩むところです。宣伝ではありませんけど。

(関連記事:縦書きの漫画を、横書きにする海外展開
(関連記事:「縦書きの漫画を、横書きにする海外展開」の続き

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| ひび雑記 | 18:03 | comments:11 | trackbacks:0 | TOP↑

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クラブニンテンドーに替わる新たなメンバーズサービスを大胆予想する!

 この記事のコメント欄にてリクエストをいただいたので、今日はこの話です。

 リクエストをいただいた時は「えー、その話ってあんまり広がらないでしょー」と乗り気ではなかったのですが、いざ考えてみると、ここ数年間の任天堂にまつわる色々な出来事が1本の糸で繋がったような気がしてきて。ものすごく面白い予想が出来るなと思ったので、記事にして書くことにしました。リクエストを下さって、ありがとうございます。


 なので、今日の記事は「予想」です。
 「事実」に基づいた話ではなく、こうなるんじゃないかという「予想」、もしくはこうなったら面白そうだなという「希望」も混じった話です。実際にこの通りにならなかったとしても、知ったこっちゃありません(笑)。こういう「予想」は「確実に当たりそうなもの」だけ書いても面白くないんですよ!



◇ そもそも「クラブニンテンドー」は何が問題だったのか?
 「クラブニンテンドー」をご存じない方もいらっしゃると思うので、そこから説明します。
 「クラブニンテンドー」は2003年から始まった任天堂の会員制ポイントサービスでした。任天堂のゲーム機、ゲームソフトなどを買うと↓のようなシートが同封されていて、そのシリアルコードを入力することでポイントを溜めることが出来たのです。

seet1.jpg

 簡単に説明すると、「商品を買うとポイントが溜まるので、そのポイントと引き換えにオリジナルの任天堂グッズがもらえるよ」ということですね。アンケート的な側面や早期購入を促す販促的な側面もありましたが、基本的には「商品を買ってグッズをもらおう」というサービスでユーザーの購入履歴を管理してマーケティングに活用するという目的で行われていたのだと思います。

 しかし、ここ数年……オリジナルの任天堂グッズ(の特にプラチナ会員特典)がショボくなっていると言われていました。任天堂の業績下降のタイミングとも重なり、「経営が苦しいからこういうグッズがショボくなっているんだな」と囁かれていたほどです。
 そして、とうとう今年(2015年)の2月から新発売の商品を買ってもポイントが付かなくなり、現在はもう新たなポイント追加も出来なくなり、9月30日を持ってクラブニンテンドーは終了するそうです。

 このことが発表された2015年の1月の時点では、「こういうところから経費を節減するようになって任天堂もとうとう追い詰められたな」なんて言っている人もいました。


 しかし、その後の3月……任天堂はDeNAとの業務・資本提携共同記者発表の席で、秋に予定していた「クラブニンテンドーに替わる新たなメンバーズサービス」をDeNAと共同で開発することを発表しているのです。経費を削減するどころか、むしろ今後の任天堂の事業の中核をなすサービスにすると発表されているのです。
 任天堂がスマホでゲームを出すということと、新型ゲーム機NX(仮)ばかりが騒がれていましたが、今日の話で一番重要なのはここの部分です。


<以下、引用>
 スマートデバイスは、もっとも間口が広く、多くのお客様とつながる可能性が高いデバイスと言えます。
 そこでお客様をゲーム専用機にいざなうことができるように、スマートデバイスとゲーム専用機の間に架け橋を架けていきたいと考えています。そして、スマートデバイスを通じて任天堂とつながり、任天堂IPに興味をもってもらったお客様には、よりプレミアムなゲームプレイ体験を、任天堂ゲーム専用機を介して提供したいと思っています。

 このような方針を採ることにより、スマートデバイスに参入することでゲーム専用機のビジネスが縮小するのではなく、より広い間口でお付き合いする世界中のお客様に任天堂IPの魅力に触れていただき、スマートデバイスとゲーム専用機が限られた需要を奪い合うのではなく、新しい需要を創り出して相乗効果を生み出していけると確信しています。

 このスムーズな移行を実現するために、現行のニンテンドー3DS、Wii U、そして、今お話しした全く新しいコンセプトのゲーム専用機NX、そして、スマートデバイスやPCなど、複数のデバイスを統合する、新しいメンバーズサービスを、DeNAさんと任天堂が共同で開発し、任天堂が中心となって運営します。これは、これまで運用してきたクラブニンテンドーに替わりお客様と1対1でつながり、複数のデバイスを統合したサービスを提供する、任天堂の新しいプラットフォームの中核要素の一つになります。

</ここまで>
※ 改行・強調など、一部引用者が手を加えました



 この話……2014年1月の経営方針説明会で発表された「プラットフォームの定義を変える」という話と繋がっていると思うんですね。
 これまでの任天堂は「ニンテンドーDSを持っている人」や「Wiiを持っている人」というゲーム機一つ一つを通してでしかお客さんとのつながりを作れていなかったけど……今後はNNID(ニンテンドーネットワークID)に「ニンテンドー3DSを持っている人」「Wii Uを持っている人」「スマホで任天堂のゲームを遊んでいる人」を統合して、NNIDを通してお客さんとつながっていくことで機種間の横のつながりをスムーズにさせるという話が2014年1月の時点でされています。「NX(仮)を持っている人」や「QOLの機器を使っている人」もここに繋がることと思います。


 恐らくこの二つは同じことを指し示しています。
 端的に言うと、クラブニンテンドーはIDをNNIDに統一させるために終了となるのだと私は予想します。

 そもそも今までが妙だったと思うんですね。
 プレゼントの発送やアンケートの記入はクラブニンテンドーのIDとパスワードで行い、Wii Uのゲームのインターネットプレイやダウンロード購入はNNIDとパスワードで行い、(後にNNIDを使うようになったけど)ニンテンドー3DSは機種ごとにインターネットプレイやダウンロード購入を行い………それらはクラブニンテンドーのIDに紐付けすることも出来たけど、「やりたい人だけやってね」という任意で行われていたワケです。


 これらを全部NNIDに統一できれば……
 ユーザーもメーカーも「複数のIDを管理する」という手間をかけずに済みますし、販売促進などもスムーズに行えるようになります。
 例えば、スマホで『メトロイド』のIPを使ったアプリを遊んでいる人で、NX(仮)を既に持っているNNIDには、NX(仮)で出る『メトロイド』の新作をプッシュする広告を出すとか。逆にNX(仮)で出た『メトロイド』の新作を買うと、その購入履歴がNNIDに残るので、スマホの『メトロイド』アプリでそのキャラが使える―――みたいなことだって出来ると思うのです。



 恐らく2014年1月の時点で、「クラブニンテンドーに替わる新たなメンバーズサービス」は企画されていたんじゃないかと思います。NNIDの話とスマホ進出の話に続いて、岩田さんは次の話をしています。

<以下、引用>
 任天堂が、今日お話ししている「プラットフォームの再定義」を実現することができれば、アカウント単位でお客様とのつながりがはっきりします。
 例えば、年に1タイトルだけゲームソフトを楽しまれるお客様も、年に5タイトル、10タイトルとゲームソフトを楽しまれるお客様も、ソフト1タイトルの価格は同じであることがこれまでは当たり前でしたが、もし、アカウント単位に、特定の条件を満たすお客様を対象に、ソフト価格を柔軟にすることができたら、「遊べば遊ぶほどソフトが安く楽しめる」というようなことが実現可能になります。

 この特定の条件というのは、ソフトを多く買っていただく、ということだけではなく、例えば、友達同士で誘いあって一緒にゲームを始めるというようなことも条件として含めることもで きます。このような販売方法が実現できれば、一つひとつのソフトのプレイ人数が増えたり、一緒に遊べる仲間が増えたりすることが期待できますし、それは、結果、プラットフォームの稼働の維持につながります。プラットフォームの稼働が高い水準で維持されれば、その上で動作するソフトに注目していただきやすくなり、結果、より多くのソフトを楽しんでいただくことができるようになります。

 現在、お客様全体を平均すれば、年間に楽しんでいただいているソフトのタイトル数は2~3タイトル程度ですが、お客様の出費を大きく増やすことなく、年間により多くのタイトルを楽しんでいただき、今よりプラットフォームの稼働を高め、お客様にとっても、ソフトの作り手にとっても両方にメリットのある新しい販売方法を目指していきます。
 任天堂は、このような新しい売り方に中期的に取り組んでいきますが、早期にWii Uで実験的な取り組みをはじめたいと考えています。

</ここまで>
※ 改行・強調など、一部引用者が手を加えました


 この話……リアルタイムに読んだ時はピンと来なかったんですね。
 「アカウント単位でお客様と繋がる」ことと、この話がどう繋がるのかがよく分かりませんでした。しかし、「クラブニンテンドー」の機能をNNIDに集約し、新たなメンバーサービスを立ち上げ、そのサービスを開発するのがソーシャルゲームで一時代を築いたDeNAだと考えると繋がってきました。



 恐らく、「クラブニンテンドーに替わる新たなメンバーズサービス」は……

・クラブニンテンドーが担っていた「ユーザーの購入履歴の管理」と、
・NNIDが担っていた「ユーザーのオンラインプレイの履歴管理」と、
・Miiverseが担っていた「ユーザーのフレンド・フォローなどのソーシャル要素」を、


 全て統合したものになるんじゃないのかと思うのです。
 そのためのDeNAのと共同開発なんでしょう。ここまでの規模になると任天堂やはてなには難しいので、DeNAが築いたノウハウに頼らせてもらおうってことなんだと思います。



◇ そう言えば、忘れ去られていたスマホ展開
 ちょっと……どこから出てきた話だったか記憶が定かではないのと、検索しても一次ソースが分からなかったのですが。2013年の1月の時点で任天堂はMiiverseの専用アプリをスマホなどで展開すると発表していたみたいです。一次ソースが見つからなかったので、ひょっとしたらどこかの飛ばし記事かも知れませんが……そういう噂があったんですね。

 現在のMiiverseはスマホやPCのブラウザからも閲覧・投稿ができますが、専用アプリというものは出ていません。私個人としては出す意義はそれほど感じていませんが、未だにネタのように「Miiverseのアプリはまだー?」と言う人はいます。

――21時追記――
 Twitterにて情報をいただきました。
 2013年1月23日のニンテンドーダイレクトにて、Miiverseを「今年春からスマートフォンのブラウザでも閲覧可能にする」「将来的にはスマートフォン用の専用アプリを用意する予定」と発表されているのを確認しました。




 また、これはスマホアプリではありませんが……
 2011年の時点で、任天堂は「eShopのWEB化」展開を発表していました

<以下、引用>
 また、これは、今回の更新の対象ではなく、次のステップになりますが、ニンテンドーeショップをWeb化して、PCやスマートフォンからアクセスできるようにする取り組みを進めています。現在、ニンテンドーeショップの情報は、これは先ほどお話しした「おすすめ投稿」も含めて、ニンテンドー3DSの中に閉じていて、今の時代の情報を広げる手段になっているソーシャルメディアとの相性が良くありません。せっかく高評価のソフトがあっても、ニンテンドーeショップを起動していただかなければ、知ることがないままになってしまうわけです。

 今回、ニンテンドーeショップをWeb化して、PCやスマートフォンからもアクセスできるようにすることで、この課題を解決します。
 当初は、PCやスマートフォンから直接ソフトを購入することはできず、画面に表示されたQRコードを使って、ニンテンドー3DSのカメラでそれを撮影すると、ニンテンドーeショップにジャンプする、という実装から始め、その準備はすでに今回の本体更新に盛り込んでありますが、将来的にはPCやスマートフォンからもソフトを購入できるようにしていきたいと考えています。

</ここまで>
※ 改行・強調など、一部引用者が手を加えました


 この展開は2015年の現在でも実現していません。
 AmazonのようなネットショッピングサイトにNNIDを連動させて、ダウンロードソフトを購入すると自動ダウンロードしておいてくれる―――というサービスがあるので、私個人としては現状でも別に不満はないのですが。Amazonには置いていないダウンロードソフトもたくさんあるので、実現したらこれはこれで嬉しいとは思います。これも定期的に「eShopのWEB化まだー?」と話題になることがありますね。



 「クラブニンテンドーに替わる新たなメンバーズサービス」が、クラブニンテンドーIDとNNIDを統合するために行われるのだとしたら……そして、そのサービスをDeNAと開発するのだとしたら……と考えて、思い出したのがこの二つだったのです。どうせスマホ用のアプリを出すのならば「Miiverse用のアプリ」「eShop用のアプリ」といったカンジに別々に作るのではなく、全ての機能を統合した一つのアプリを出した方がイイんじゃないかと思うのです。

 えーっと……えーっと……
 私は技術的なことは分からないので、「一つのアプリで全部出来るアプリ」を出すことが可能なのか、「複数のアプリを統合するポータルアプリ」を出すのが現実的なのかは分からないのですが。



 ビジョンとしては、「そのアプリ」を起動すると……

・NNIDに紐付けされて、
・フレンドやフォローしている人がゲームを遊んでいる様子をMiiverseで観られて、
・eShopで(スマホアプリはもちろん)ゲーム機のDLソフトも買えて、
・クラブニンテンドーのように買ったソフトのアンケートなんかも答えられて、
・そのアンケートで他の人が書いたオススメ文なんかも読めて、
・eShop同様にPVも視聴できて、
・自分のゲームプレイやQOLの履歴もそこから確認できて、
・当然これから出す「スマホ用ゲーム」とも連動して、
・フレンドをゲームに誘うなどのソーシャル要素もある。


 こんなカンジ。
 前段の「友達同士で誘いあって一緒にゲームを始めるとゲームが安くなる」みたいな仕組みは、ソーシャルゲームの「友達を招待したら双方がアイテムをもらえるよ!」といったサービスに近いのかなと思います。

 「任天堂に関してはこのアプリさえ起動すれば全部のことが出来るよ!」というアプリを出して、そこに集約させるのが理想です。そうすることによって、そのアプリを日常的に起動することになって、そこから他の人が遊んでいるゲームを知って、自分もプレイしてみて、その様子を他の人が見てその人も遊びたくなる―――という流れが出来ますからね。


◇ 「スマホ用ゲーム」のビジョンと、Miiverseのこれから
 恐らく任天堂が「ポータルアプリ」と「スマホ用ゲーム」でやりたいことは、『LINE』『ツムツム』みたいな関係じゃないかなぁと予想しています。根っこにあるのはソーシャルアプリ(SNS)だけど、それと連動する「人気IPを使ったゲーム」を出して、両方の稼働率を上げたい―――みたいなビジョンかなと。


 そう考えると……「スマホ用ゲーム」も何となくビジョンが見えてきそうですよね……

・1回1回のプレイ時間はそれほど長くなく、誰でも楽しめるもので
・長く遊びたくなる仕組みを仕込んであって
・ソーシャル要素で、スクショをフレンドやフォロワーに見せびらかせたくなる


 任天堂のゲームということでスマホに出すIPも『マリオ』とか『ゼルダ』とかを真っ先に思い浮かべる人も多そうですが、この流れからすると『ガールズモード』とか『どうぶつの森』とか『トモダチコレクション』のような「着せ替え要素」を使ったゲームを最初期に持ってくるんじゃないかなぁと予想しています。
 Miiverseのスクショ機能は「人それぞれ違う遊び方をしている」のを見せ合うのに向いていますし、着せ替え要素ならばオンラインで新しい要素をガンガン追加していけますし、例えばWii Uの『#FE』を買った人にはNNIDで購入履歴が分かるのでスマホのゲームで『#FE』のキャラの服がもらえるとかも余裕で出来ますしね。クロム、オマエじぇねえよ。チキの服をくれ、チキの。


 さてさて。
 LINEは、LINEという「SNS」が既に確固たる地位を築いていて、そこに乗っかるような形で『ツムツム』もヒットしています。「SNS」の方に主導権があるんですね。

 任天堂はどうなのかというと、Miiverseはぶっちゃけた話「SNSとしての人気は全然」で、『Splatoon』を遊びたくて遊んだ人が「こんな機能もあるんだ」とMiiverseにイラストを投稿しているというのが現状だと思います。「ゲーム」の方に主導権があるという。
 だから、まずソーシャル要素なんかなくても「ゲームとして面白いもの」で人を集めていって、そこから「Miiverseでフレンドを増やしていくとこんな面白いことが起こりますよー」という仕掛けを作っていって、そこでMiiverseの利用者を増やしていかなくちゃならないのだと思います。任天堂がスマホで成功するかどうかの命運はMiiverseが握っていると言っても過言ではない!


 さて、そのMiiverse……直近の7月29日に大幅リニューアルをすることが告知されています。
 「自分の活動」への投稿が出来なくなる&1日の投稿は30件までになる(ゲームからの投稿はこれに含まれない)ことで猛反発をしている人も多いみたいなのですが、これはつまり「Miiverseはあくまでゲームの話をするための場所であって、チャットルームじゃないんだよ」ということだと思うんですね。

 実際、今回のリニューアルでは「出来なくなったこと」だけでなく「出来るようになること」もあります。それはずばり「アルバム機能」です。

 今までのMiiverseは「現在プレイしている場面のスクショ」しか投稿できなかったのですが、今後は「一旦スクショをアルバムに保存しておいて」後でMiiverseに投稿が出来るようになるそうです。
 運営者さんからの告知によると「これまでゲームの画面写真をつけて投稿するときはプレイを中断する必要がありましたが、リニューアル後は、プレイ中の画面写真をアルバムに保存しておくことで、プレイ後に画面写真を選んで投稿できるようになります。」とのことです。

 この説明だと、PS4みたいにボタン1発押すとスクショが保存できるみたいに読めるんですけど……それを可能にするためにはWii Uの本体設計から変えないとならないんじゃないか?
 現実的なのは、HOME画面→Miiverse起動→スクショ保存のボタンを押すだけでスクショが保存できるので、イチイチ文章を書いたりしなくてイイよってことかなぁ。「ボタン1発押すとスクショが保存できる」と『Splatoon』の試合中にスクショ撮れるんで嬉しいけど、ラグの原因にもなりそうですしねぇ。


 ということで。Wii Uや3DSではどうなるのかは分かりませんが……
 この仕様は恐らく、今後出る「スマホ用のゲーム」や「NX(仮)のゲーム」に合わせたものじゃないかなと思います。そちらでは、それこそPS4のようにワンボタンでスクショをガンガン保存できるようにしておいて、後で好きなスクショを選んでMiiverseに投稿、それを見た他のユーザーが興味を持つって仕掛けを作っていきたいのだと思います。

 Miiverseはあくまで「ゲームを遊んでいる人同士がつながれる」「他の人が遊んでいるゲームに興味を持ってもらえる」場所なので、ゲームに関する投稿を強化して、「自分の活動」への投稿を廃止するという流れは自分は分からなくはないかなと思っています。しかし、その場合だと『Nintendo TVii』にアニメのイラスト描いて投稿したりしている自分も微妙な気もするんですね……



【よく分かる三行まとめ】
・クラブニンテンドーはIDをNNIDに統合するために終了するのではないか
・Miiverse、eShop、クラブニンテンドーの機能を備えたポータルアプリが出そう
・「スマホ用ゲーム」はMiiverseを活かしたソフトで、Miiverseのリニュもその伏線か?


 一応言っておきますけど、今日の記事は「予想」ですからね。
 これが現実になるかどうかなんて知ったこっちゃありません。いずれにせよ、新しく始まるのは秋とかで、発表されるのはそのちょっと前とかじゃないかと思います。そして、任天堂の「スマホ用ゲーム」もそのタイミングに合わせて出てくるのかなと予想しています。

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| ゲーム雑記 | 17:54 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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Kindleで電子書籍『マンガは描ける!絵が描けない人でも』を発売!

 本日7月24日、Amazonの電子書籍サービスKindle(キンドル)にて電子書籍の新刊を発売しました。

マンガは描ける!絵が描けない人でも
マンガは描ける!絵が描けない人でも

 価格は250円!
 キンドルの電子書籍は、Kindle(キンドル)という名のついた端末からはもちろん、それ以外のスマートフォンやタブレット端末、パソコンからでも読書アプリを使えば読むことが可能です。

(関連記事:キンドル(Kindle)とは
(関連記事:超初心者の自分がキンドルファイアHDを起動して漫画を読んでみた
(関連記事:キンドルで「活字の本」を読む際に使える“電子書籍ならではの機能”
(関連記事:2015年1月のまとめ


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 今回は「マンガ」ではなく、「活字の本」です。
 縦書きの文章に、ところどころにイラストなんかが入っています。イラストは縦長の画像で統一しているので、お読みになる端末は縦にして読んでもらえるとありがたいです。


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 各章の始めと終わりに、それぞれ1ページマンガが入っています。


 内容は……タイトルで全部言っちゃっているような気もしますが(笑)。
 「絵が描けない人」に向けた、世界一簡単な「“絵のようなもの”の描き方」を教える本です。

 何を隠そう、私も「絵が描けない人」です。
 謙遜でもなんでもなく、本当に絵が描けないんですね。そんな私でも「マンガは描ける!」んです。知恵と工夫と文明の利器を駆使して今までマンガを描いてきました。この本では、そんな風に私が実際に使ってきた【ズル】の方法を惜しみなく公開していく本です。この本を読めば、明日からアナタも「マンガ?描いたことはないけど、描こうと思えば描けるよ!」と言い張れること間違いなし!


 「別に絵が描けるようになりたいだなんて思わないなー」という人であっても、マンガというものを読み解くのに役立つ話をたくさん書きましたし。既に絵が描けるって人も、「絵が描けない人」がこんな工夫をしているのかが面白いと思いますし。普段このブログを読んでくださっている人には、私らしい文章を込めた本になっていると思います。「とにかく日本語が羅列してあるものを眺めていたい」という人にも、日本語で書かれているので有用だと思いますよ!


 理由は何でもいいから買ってね!
 この本の配信開始日である7月24日は私の誕生日でもあるので、私への誕生日プレゼントだと思って買ってください!



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 パソコンのアプリから読むとこんなカンジ。
 でも、「縦長の画面で読むことを想定して」作ってあるので、画面はあまり横に広げない方がイイかも。


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 活字の本なので、キンドルの各種機能が使えます。
 「辞書機能」「本文検索」「章を読み終えるまでの推定時間」「画面の色の変更」「文字サイズの変更」などなどなど……


 今回は、とりあえず「キンドル独占」で出しています。
 本当はパブーでも出したかったのですが、パブーには縦書きのフォーマットがないので断念しました。裏技がないワケではないので「未来永劫ずっと出さない」というワケではありませんが、とりあえず少なくとも3ヶ月以内にパブーで出すことはないです。恐らく出すとしても1年とか2年とか後かなぁ……



 世の中の人間が「絵が描ける人間」と「絵が描けない人間」に二分されるのならば、私はその壁をぶち壊してやりたくてこの本を書きました。「絵が描けない人間」よ、立ち上がるが良い!「絵が描けない」ことをコンプレックスに思う日々など今日で終わりです。明日からアナタも『マンガは描ける!』のです。

| マンガは描ける! | 20:27 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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「童貞を蔑む風潮」に思うこと

 数週間前、「童貞を殺す服」というワードがTwitterでトレンドになっていました。

 ほとんどの人は「タイムラインに流れてきたワードを大喜利のように面白おかしくネタにする」くらいの感覚だったのでしょうが、普段仲良くしているフォロワーさんでも嬉々としてのこのワードを使っていることが私はとてもイヤでした。
 しかし、そこで「童貞を殺す服だなんて、童貞を蔑むのもいい加減にしろよ!」と言おうものならば、「うわー、アイツ童貞だよ。みんなが笑っているネタにマジレスしてんよー」と晒し上げにあってしまい、「童貞を蔑むことの是非」どころが「自由に石をぶつけられる童貞が見つかった!殺せー!」という流れになることが想像が出来たのでじっとこらえていました。


 そもそもこの「童貞を殺す服」……
 ピクシブ百科事典によると、「おっぱいが強調される上に白くてフリフリなのが可愛いので童貞がイチコロになってしまう服」という意味ではなく、元々は「見た目は可愛いけれど実物を見たことがない人には構造が分かりづらいので、童貞が想像だけでイラストに描くと、これを描いたヤツは童貞だなとバレてしまう服」という意味だったとのことです。そうだったのか。



 余計に腹が立つじゃねえか!


 童貞で何が悪いんだよ!!
 何だよその「童貞なことがバレてしまうと死ぬ」みたいな死生観は!「告白されたら死ぬゲーム」とか「パンツを見たら死ぬアニメ」とかそんなノリかよ!こちとら何年も前からブログで“日本一モテナイ男”を自称してんだよ!そんな設定のゲームを作ったらスタート地点で俺はゲームオーバーだっ!

 俺達童貞が何をした!
 むしろ、誰にも迷惑をかけずに生きてきた結果の童貞じゃねえかよ!

 それなのに人間どもは「気持ち悪い」「近づくな」「社会不適合者だ」と俺達に石を投げ続け、俺達を森に追いやったんじゃないか!これはこれで漫画にして描いたら面白そうな話だな……




 とまぁ、元々の発言の真意はさておき。
 大喜利場と化したTwitterのタイムラインは「ぼくのかんがえる“童貞を殺す服”」で面白いことを言い合いたい人で溢れていたのですが……そういう状況を「あーあ」と思いながら眺めていて、「童貞じゃない人の考える“童貞”像」ってもはや本物の“童貞”かどうかはどうでもよくて、ステレオタイプの架空の“童貞”イメージなんだなぁと思いました。

 中国人のキャラクターだから、「そうアルね!」と喋らせているような感覚。



 今回のケースに限らず、漫画とかアニメとか映画とかドラマとかで“童貞キャラ”が出てきた場合……そのキャラは「人と喋るのが苦手」とか「女性とマトモに喋れない」とか「いつも二次元の嫁を想像してグヘグヘ言っている」とか、逆に「女の裸を見ることに執着する変態キャラ」とか、すごく定型のキャラクターなことが多いです。そうしたキャラは「童貞であること」がクローズアップされたキャラだからそうなりがちなのかも知れませんが。

 実際には、童貞だって普通に人と喋るし、女友達がいる童貞だっているし、人前でグヘグヘ言ったりしないし、そんなに女に執着してこなかったからこそ童貞なのです。スポーツ漫画とかで「この作者、絶対剣道やったことないのにイメージだけで剣道漫画を描いてるだろ!」と言いたくなる作品があるのと同様に、「この作者、実際の童貞がどういうものなのか知らずにイメージだけで童貞キャラ描いてるだろ!」と言いたくなる漫画とかアニメとか映画とかドラマとかたくさんあります。

 女性作家ならともかく、男性は必ず童貞だった時期があるから「実際の童貞がどういうものなのか」は知っているだろうと思うかも知れませんが……例えば13歳で童貞を卒業した男性作家さんには、「15歳で童貞の人」「20歳で童貞の人」「25歳で童貞の人」「30歳で童貞の人」「35歳で童貞の人」「40歳で童貞の人」それぞれが「童貞をどう捉えているか」が全然違うだなんて分かるワケがないんです。そこをイメージだけで描いてしまうと、「30歳越えても童貞だなんて女とマトモに喋られないに違いない」みたいな偏見でキャラを描いてしまうのでしょう。



 恋愛経験の少ない作家さんが恋愛漫画を描くと「こんなの妄想の塊じゃねえかよ!ちゃんと自分で恋愛経験積んでから描けよ!」とか言われるのに、童貞じゃない作家さんが童貞キャラを描いても「こんなの妄想の塊じゃねえかよ!ちゃんと自分で童貞経験積んでから描けよ!」と言われないのは何なんでしょうね。どっちもイメージだけで描いているのは変わらないのにね。




 「ぼくのかんがえる“童貞を殺す服”」の話題でも思いました。
 「童貞はおっぱいが好きに違いない」「童貞は清楚な服に弱いに違いない」「童貞はフリルに弱いに違いない」―――どっかから拾ってきた貧困なイメージで童貞を語る人が多いこと多いこと。挙句の果てには「童貞は女に飢えているから何着たって喜ぶよ」とか「童貞が一番喜ぶのは全裸だよ」とか。それ、貴方が童貞だった中学二年の頃(例)に好きだったものじゃないの?

 童貞なまま年齢を重ねていった人達は、また別だと思いますよ。



 ぶっちゃけた話をしますとね。
 私くらい“モテナイ”を極めて、“童貞”をこじらせた人間から言わせてもらえば……





 “童貞”はちゃんと年月をかけてこじらすと、どんな服を着ている女性であっても、全ての女性が全裸に見える能力が会得できるんですよ。

 おっぱいを強調する服だろうが、白くて清楚な服だろうが、フリフリな服だろうが、女性が何を着ようが私には全部全裸に見えます。「童貞を殺す服」も何も、童貞には服なんて関係ないんです。街を歩く全ての女性が全裸に見えますからね。むしろ、どこに行っても全裸の女性しか見かけないから、女性の裸なんて見飽きてしまっているくらいです。
 だから、好きな女性芸能人がヌードになっても別に嬉しくないし、エロビデオで全裸になられると「もう見飽きたよ!」という気持ちになってしまうのです。「むしろ服を着てくれよ!」「ブラジャーが観たいんだよ!俺はブラジャーが観たいんだよ!」と思ってしまいます。


 この記事を読んでいる人の中には「そんなワケがない」と思う人もいるかも知れません。
 「俺の知り合いに童貞がいるが、そんな話は聞いたことがないぞ!」と思う人もいることでしょう。その場合、その知り合いの方がまだまだ童貞をこじらせる年月が足りていないのか、もしくは……とっくに女性が全裸に見えているのだけど、それを人には明かしていないだけだと思います。

 当たり前です。
 「俺、なんか女の人が全員全裸に見えるようになったんだけど」と言われたら、アナタはどう思いますか?「頭がおかしくなったんじゃないか」とか思うか、女性の場合は気持ち悪くてその人の傍には行きたくないと思われるかも知れませんね。男性の場合であっても「ズルイ!」「羨ましい!」という思いが、更なる偏見や迫害を生むかも知れません。

 だから、女性が全員全裸に見える能力に目覚めたとしても、それを人に明かしたりはしないのです。私も友人に明かしたことはありませんし、ブログにも初めて書きました。ひっそりと墓まで持っていこうと思っていましたが、「偏見だけで語られる童貞像」がどうしても許せなかったので勇気を出して書きました。



 それくらい「ステレオタイプな定型のイメージ」と「実像」は違うものです。
 これは“童貞”に限らずです。
 「○○だからこうに違いない」「だからきっとこうに違いない」「ならばこうに違いない」と誰かが書いたラベルだけ読んで、瓶に詰め込まれた中身を全部そうだと思い込むのは“偏見”でしかありません。逆に言えば、そういうところどころで、その人が“偏見”でしかものごとを見ていないことがバレてしまうのです。


 アナタが“童貞”をバカにしている時、“童貞”もアナタのことをそう見ているのです。

(関連記事:「彼女はいません」が恥ずかしくない社会へ


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RPGにはこれだけの可能性があった!『ライブ・ア・ライブ』紹介(7.3点)

【三つのオススメポイント】
・7人の漫画家がキャラデザを手がける、全く別の7つのゲーム
・しかし、共通する「RPG」という枠組みに、「RPG」の無限の可能性を感じられる
・7つの世界を表現する見事なドット絵グラフィック!


『ライブ・ア・ライブ』
 スーパーファミコン用/RPG
 スクウェア
 1994.9.2発売
 セーブデータ数:4
ライブ ア ライブライブ ア ライブ

スクウェア 1994-09-02
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 Wii Uバーチャルコンソール用
 スクウェア・エニックス
 2015.6.24配信開始/858円+消費税
 公式サイト


 プレイ時間は約29時間
 ※ ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください
 バッドエンドではないエンディングだったので「クリアした」と言ってイイと思うのですが、自分がたどり着いたエンディングは「真のエンディング」ではなかったっぽいです


【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目の有無を、実験的にリスト化しました。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番強くて、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:◎(SF編と中世編はトラウマ案件として有名らしい)
・寝取られ:◎(スクウェア三大悪女として有名らしい)
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×(一般的なレベルだと思う)
・動物が死ぬ:△(RPGなので動物と戦うことも多いです)
・人体欠損などのグロ描写:△(そういうグラフィックの敵が……)
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:△(若干、虫っぽい敵もいるけど……)
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:○(隠しイベントとしてあったらしい)
・セックスシーン:×


◇ 7人の漫画家がキャラデザを手がける、全く別の7つのゲーム
 権利関係が複雑そうなので「バーチャルコンソールの配信は絶望的」と噂されていた作品ですが、この度Wii Uのバーチャルコンソールとして配信が実現しました!
 自分は発売当時ちょうどゲームから離れていた時期だったので、今回が初見プレイでした。同じように「今回このゲームを初めて知った」という若い人もいるかも知れないので、まずはこのゲームが発売された1994年頃の「スクウェア」がどういう立ち位置だったのかから説明しようと思います。


 スクウェアという会社は1980年代に創業、当初はパソコン用のゲームを作っていましたが、1985年からはファミコン用のソフトを手がけることになります。DOGを結成しディスクシステムにアドベンチャーゲームなどを発売したりしていました。『水晶の龍』なんかが有名ですかね。
 1986年にエニックスが『ドラゴンクエスト』を大ヒットさせて、日本にもRPGブームが来ていたところ、スクウェアは様々なところに『ドラクエ』の模倣には収まらない要素を盛り込んだ『ファイナルファンタジー』を1987年にヒットさせます。以後のスクウェアはRPGに注力するようになり、ファミコン、ゲームボーイ、スーパーファミコンに『ファイナルファンタジー』シリーズ、『Sa・Ga』シリーズ、『聖剣伝説』シリーズなどを展開してヒットさせていきます。

 そのフットワークの軽さと『ドラゴンクエスト』よりも大人びた層を対象にしていたこともあって、『ドラゴンクエスト』のエニックスと並んで、『ファイナルファンタジー』『Sa・Ga』『聖剣伝説』のスクウェアが二大RPGメーカーとして肩を並べたのがちょうどこの頃なのです。
 その後の1996年、スクウェアは任天堂と決別し、ソフトをプレイステーション用として発売していくと発表しました。その結果、当時の次世代ゲーム機戦争はプレイステーションの勝利が確定し、『ドラゴンクエスト』を始めとする他のソフトメーカーのソフトもプレイステーションに集まることとなりました。


 当時のスクウェアはそのくらい大きな影響力を持っていたし、当時のRPGはそのくらい市場の中心のジャンルだったんですね。任天堂がNINTENDO64に『マリオ』や『ゼルダ』を出しても、「64はアクションゲームばかりじゃん。アクションが苦手な人でも遊べるRPGがなければ売れないよ。」なんて言っている人も多かったです。今だともう信じられない話かも知れませんが。


 さて、『ライブ・ア・ライブ』に話を戻します。
 当時のゲーム業界において「RPG」は市場の中心でしたし、スクウェアはその中でもRPG専用メーカーとも言えるくらいにたくさんのRPGを発売していました。王道の『ファイナルファンタジー』シリーズ、それに対する異端とも言える『Sa・Ga』シリーズ、アクションRPGの『聖剣伝説』シリーズ、シミュレーションRPGの『フロントミッション』シリーズ、超豪華スタッフによるドリームプロジェクトだった『クロノ・トリガー』などなど……

 そうしたソフト群の中で、この『ライブ・ア・ライブ』は「実験的」で「RPGの色んな可能性」に挑んだ作品だったのだと思います。

 まず「オムニバス形式」の作品で、7つの章から成っています。
 章立てのRPGと言えば『ドラゴンクエストIV』などが既にありましたが、『ライブ・ア・ライブ』の場合は「全く別のゲームが7つ入っていて、そのどれから遊んでも構わない」という作品でした。そのために、それぞれの章には別の漫画家さんがキャラクターデザインとして起用されていて、章ごとの独自性を際立たせていました。

 当時の自分は「漫画家7人もキャラデザに起用なんて、なんでそんなことするんだ?」と分からなかったのですが、今回プレイしてみてよく分かりました。試みとしては『GUILD01』とかに近いんですよ。著名なクリエイター4人が作った別々のゲームが1本のパッケージに収録されている、みたいなカンジで。『ライブ・ア・ライブ』は「著名な漫画家7人がキャラクターデザインを手がけた別々のゲームが、1本のパッケージに収録されている」んです。

 そのくらい、それぞれの章は別のゲームになっているのです。
 「システム」は同じなのに。
 切り口が違うと、全く別のゲームになってしまう――――


 RPGにはそれくらいの可能性があるんだと、時代の最先端を突き進んでRPGを作りまくっていた当時のスクウェアは考えていたのだと思います。
 そして、実際にプレイステーション時代になってからもスクウェアは様々なRPGを作りまくっていきますものね。『ライブ・ア・ライブ』はRPGが色んな方向に進んでいく過渡期にあたる、「色んなRPGの可能性」を見せた見本市のような作品だったとも言えます。



◇ 共通する「RPG」という枠組みに、「RPG」の無限の可能性を感じられる
 それでは、収録されている7つの章を見ていきましょう。
 順番は単に「私がプレイした順番」です。

○ 西部編
 西部劇をモチーフにしたシナリオ。
 キャラクターデザインは石渡治さん。代表作は『B・B』『LOVe』など。

 ならず者の集団クレイジー・バンチに支配された町を救うために、賞金首であるサンダウン・キッドが立ち上がる章です。ゲームとしては「鐘が8回鳴る」という制限時間までに町を探索し、見つかったアイテムを使って町人に罠を仕掛けてもらい、それで敵を迎え撃つのです。

 言ってしまえば、RPGの「探索」要素にスポットを当てた章です。
 プレイ時間が長くなく、「探索」が苦手でも「戦闘」で挽回できるなど自由度も高く、私はお気に入りの章でした。


○ 現代編
 高原日勝が最強の格闘家を目指す話です。
 キャラクターデザインは皆川亮二さん。代表作は『スプリガン』。後に『ARMS』や『D-LIVE!!』なども執筆されますね。

 当時流行していた『ストリートファイターII』のような格闘ゲームの世界観をベースにしていて、ゲームシステムとしても格闘ゲームのように「6人のキャラクターから対戦相手を選んで順々に倒していく」というもの。戦闘自体は「格闘アクション」ではなく、このゲームに共通するSRPG風のコマンドバトルですが。

 言ってしまえば、RPGの「戦闘」要素にスポットを当てた章です。
 喰らった相手の技を覚えるシステムがあるために、対戦する順番に攻略要素があるなど、シンプルなのに奥が深くて楽しかったです。個人的には、これもお気に入りの章です。


○ 原始編
 原始時代の人類をコメディタッチで描くシナリオです。
 キャラクターデザインは小林よしのりさん。代表作は『おぼっちゃまくん』『ゴーマニズム宣言』など。

 言葉を持たない狩猟民族が主人公達なので「台詞」が一切なく、『FF5』や『FF6』のようなドット絵の動きだけでキャラクターの感情を説明し。戦闘は「シンボルエンカウントなんだけど敵の姿は見えない」のでニオイを嗅いでその場所を推理する、など独特のシステムがあります。
 レベルアップ要素やアイテム合成によって強い武器を作るなどの「育成」要素もあって、最初はどうすりゃイイんだこんな敵というザコ敵に囲まれて絶望するのだけど、次第にそうした敵も楽々倒せるようになっていくのが気持ち良いです。

 原始人という設定を活かして、他のRPGにはない独自の味を出してしまった章です。
 これも、割とお気に入りです。


○ SF編
 宇宙を航行中の宇宙船の中で起こるドラマを描いた話です。
 キャラクターデザインは田村由美さん。代表作は『巴がゆく!』『BASARA』など。

 宇宙船の中で作られたロボット:キューブを主人公にして宇宙船内を動き回り、人間関係の中で立ち回っていく話です。ザコ戦の要素はなく、ゲームシステムとしては指示された場所に向かってストーリーを進める「一本道アドベンチャーゲーム」に近いです。

 言ってしまえば、RPGの「ストーリー」要素にスポットを当てた章です。
 個人的には、1~2位を争うくらいに好きな章でした。


○ 功夫編
 クンフーの流派:心山拳の継承を描いたシナリオです。
 キャラクターデザインは藤原芳秀さん。代表作は『拳児』『ジーザス』など。

 「7つの話の中でこの主人公だけジイさんなのかよ!?」とプレイ前は思ったのだけど、この章はそれがポイントとなっていて。このジイさんが主人公となって3人の弟子を見つけ、育てて、その3人の中から1人を「継承者」にするという話なのです。

 言ってしまえば、RPGの「育成」要素にスポットを当てた章です。
 3人の内の誰を育てるのかでストーリーが若干変わるのが面白いです。終盤の連戦は正直退屈でしたけど、発想としてはなかなかお気に入りの章でした。


○ 近未来編
 スーパーロボットアニメのような世界観のシナリオです。
 キャラクターデザインは島本和彦さん。代表作は『炎の転校生』『逆境ナイン』など、後に『吼えろペン』や『アオイホノオ』なんかも描かれますね。

 父を殺され孤児院に暮らすアキラを主人公に、暴走族クルセイダーズと陸軍の企みに挑んでいく話です。ゲームシステム自体は「シンボルエンカウントのRPG」として特筆するところも少ないのだけど、細かい寄り道イベントと、主題歌があるなど(スーファミのゲームなので歌は流れませんが)往年のロボットアニメを彷彿とする熱いシーンもあります。

 RPGで「ストーリー」を描くという点ではSF編と共通するものがあるのですが、あちらが「アドベンチャーゲーム」の流れだったのと比較すると。こちらは凝った「演出」によるアニメ的、映画的な見せ方を目指した賞とも言えます。
 非常に人気の高い章らしいのですが、個人的には延々と湧き続けるシンボルエンカウントの敵がつらくてあまり好きではありませんでした。ラストは確かに燃えるんですけどね……


○ 幕末編
 悪の大名にとらわれた要人を救うために敵城に潜入する忍者の話です。
 キャラクターデザインは青山剛昌さん。代表作は『YAIBA』など。このゲームの開発が行われている頃にちょうど『名探偵コナン』の連載が始まるんですね。

 非常に多くのやりこみ要素があるシナリオで、敵を倒した数がその都度「○人斬り」と表示されます。そのために城内の全ての人間を殺す「100人斬り」や、逆に誰も殺さない「0人斬り」を目指すことも出来ます。0人斬りを目指す場合は、シンボルエンカウントの敵から隠れる「隠れ蓑」や、鐘の音によって変化する合言葉などの要素をしっかり理解しないとなりません。

 また、幕末に限らず江戸時代付近の有名人物が次々と登場するストーリーも面白いです。

 非常に「自由度」も「やりこみ要素」も充実している章で、人気の高い章なんじゃないかなと思います。
 ただ、私はノーヒントでプレイしたために「0人斬り」は途中で断念(レベル上げをしなかったので中ボスでどうしても勝てなかった)、結局2回目をやり直して中途半端な虐殺をするだけで終わってしまって……「自由度」も「やりこみ要素」も、結局は「しっかりと攻略情報を理解しなくてはならない」ことを痛感しました。



 7つの章はそれぞれ「別のゲーム」と言ってイイくらいプレイ感覚が違うのですが、実は根っこにあるゲームシステムは共通です。見下ろし型のフィールドを移動して、戦闘は「7×7」のマス目を使ったSRPG風のコマンドバトル―――それなのに「全く別のゲームが7つ入っている」と思えるくらい、RPGには可能性があったのです。切り口によって様々な顔を見せるんです。

 それを可能にしているのは、「7×7」のマス目を使ったSRPG風のコマンドバトルという独自のシステムじゃないかと思います。
 普通のRPGのコマンドは「通常攻撃」「MPを消費する魔法攻撃」のように二つに分類されると思うのですが、このゲームにはMPの概念がなく全てのキャラが複数の技を持っていて、「攻撃」も「回復」も「補助」も全て「戦う」コマンドから持っている技を選んで行います。それぞれの技には「距離」「方向」「技が出るスピード」「追加効果」のようなものがあって、「一度に複数のマスを攻撃できるMAP兵器」のようなものもあります。

 特に重要だと自分が思ったのは「速さ」の概念で、「強力だけど時間がかかる技」は発動前に敵がそこを動くとその技はもう当たらなくなってしまったり、回復役は敢えて順番をパスして味方に先に行動させたりという戦略性があります。自分が一番近いなと思ったのは、『ファイナルファンタジーX』のカウントタイムバトル(CTB)かなぁ。『ライブ・ア・ライブ』のシステムをより万人向けにしていくとCTBになるように思えます。


 この独特のバトルシステムが「普通ではない7つのRPG」をそれぞれ成り立たせていると言えるのですが……逆に言うと、私がこのゲームで一番感じた「欠点」もこのバトルシステムでした。戦略性の高いバトルシステムなので、とにかく1回の戦闘に時間がかかるんですね。なのに、とある章だと普通のRPGのようなランダムエンカウントでザコ戦を何百回と戦闘をしなきゃならなくなるので、とにかく時間がかかるかかる。

 「普通ではないRPGに適したバトルシステム」を「普通のRPG」に当てはめた結果、ただひたすら時間がかかるようになってしまった悪例だと思います。

 クリアした後に攻略サイトを読んだりTwitterで教えてもらったりした話なのですが、その章は「こちらのレベルが上がるとザコ敵も強くなる」「なのでレベルを上げすぎないように逃げるのが基本」だったみたいです。
 私はRPGで「逃げる」を選ぶのが苦手なのでエンカウントした敵は全部倒していて、その結果レベルが上がりすぎてザコ敵も強くなってしまい、1回の戦闘に5分くらいかかる→ 2秒歩く→ ザコ敵にエンカウントするので5分かけて倒す→ 2秒歩く→ ザコ敵にエンカウントするので5分かけて倒す→ 2秒歩く→ ザコ敵にエンカウントするので5分かけて倒すを繰り返していました。

 おかげでレベルが上がりまくってラスボスも瞬殺でしたしね……その辺にいるザコ敵の方が強かったような……


 ランダムエンカウントにしなければとか、「こちらのレベルが上がるとザコ敵も強くなる」仕様にしなければとか、エンカウント率が3分の1くらいならばとか、「逃げる」が勝ちなシステムだとあらかじめ教えてくれるとかしてくれたら良かったのに……と思いました。
 その章さえなければ私はこのゲームをかなり好きなまま終われたと思うのですが、その章のせいで随分と印象が悪くなってしまいました。



◇ 7つの世界を表現する見事なドット絵グラフィック!
 話を変えます。
 スクウェアという会社のゲームは創立当時からグラフィックに定評があり、現在でも日本でトップクラスのグラフィックのゲームを作れる会社と認識されていると思います。しかし、そのスクウェアの歴史の中でも「スクウェアのグラフィックの黄金期はいつだと思う?」とアンケートを取れば、スーパーファミコン時代かプレイステーション時代のどちらかになるんじゃないかと思います。


 「ドット絵グラフィックが極まったスーファミ時代」
 「ポリゴンによる3D表現やムービーで一時代を築いたプレステ時代」


 私はどちらにも違った良さがあると思います。
 「ドット絵には暖かみがあるけどポリゴンは無機質で人間味を感じない」みたいな定型の“昔は良かった”語りが私は好きではありません。ただ、この二者には明確な「出来ること/出来ないこと」の差があって、スーファミ時代とプレステ時代はその一点で大きく異なるのです。


 プレステ時代になってポリゴンで作られるようになったスクウェアのゲームは、「カメラワーク」を手に入れるんですね。
 人物の周りをグルグル回ったり、顔のアップに寄っていったり、俯瞰からキャラを映したりということが出来るようになりました。「ムービー」もその延長線上にあるものですし、その結果プレステ時代のスクウェアのゲームは「映画のようなゲーム」と絶賛される一方で、「じゃあ映画でも作ってろよ」というアンチも出てきたという。

 ドット絵で作られたスーファミ時代のゲームは、基本的には「カメラワーク」がありません。
 なので、スーファミ時代のスクウェアのRPGは、プレステ時代と同じように「ストーリー重視」のものであっても、「映画のような演出」ではなく「(カメラの位置が固定されている)演劇のような演出」が基本になるのです。


 本当ならここでババーンとスクリーンショットを載せて「どうだ!すごいでしょ!」と説明したいのですが……スクウェア・エニックスのバーチャルコンソールのソフトはスクショ貼り付け禁止なので、私もそれに倣ってスクショに頼らずに文章で凄さを説明したいと思います。


 例えば、「西部編」。
 西部劇の雰囲気を出すために、キャラクターではなく「転がる草」が画面を横切るんです。あの西部劇っぽい草!正体のよく分からないけど、「あ!西部劇でよく転がってるヤツだ!」と思えるあの草が画面を転がっているんです。

 例えば、「現代編」。
 空と地面の色を上手く変化させることで、「夜明け」を表現する演出が見事でした。カメラアングルが変えられないからこそ、画面内にあるものを使って時間変化を表現させて、それがストーリーともマッチしているという。

 例えば、「原始編」。
 言葉を持たない時代の話なので、台詞は一切なくキャラクターの動きだけでストーリーを説明しなくてはなりません。プレステ以降のようなカメラワークもありません。それが逆に「舞台上で走り回るコント」のようで面白いんですね。映画は演劇の上位互換ではなく、両者にはそれぞれの良さがあるのだと実感させてくれます。



 また、大前提として「7つの世界」をゲームで作ろうとすると「素材の使いまわし」が出来ません。
 例えば『ファイナルファンタジーV』だったら、序盤に出てくる城も中盤に出てくる城も、壁のグラフィックなんかは一緒なワケです。同じ世界観だからそれが許されるんです。しかし、『ライブ・ア・ライブ』のようなゲームの場合、「幕末編」に出てくる城と「近未来編」に出てくるビルが同じグラフィックというワケにはいきません。「7つの世界」をゲームで作ろうとすると、全部別々に作らなければならないんです。


 「作るのが非常に大変そう」で言えば……
 このゲームのバトルシステムには「向き」の概念があるので、敵も味方も「手前側を向いたグラフィック」と「向こう側を向いたグラフィック」の両方が必要なのです。その上、味方はたくさんある技ごとに細かく違った動きをしまくります。どんだけ労力がかかったんだと震え上がります。



 ただ……ここも不満点で申し話ないんですけど……
 それ故に「どうだ!このグラフィックすごいだろう!」とただただ画面を見ているだけの時間も長いんですね……ストーリーが進む場面は「そこが見せ場」なんだから文句を言っちゃいけないのは分かります(リトライ時にAボタン連打するのは億劫だけど)。しかし、戦闘シーンで一つ一つの技が長いのがつらくてつらくて。

 このゲームには、普通のRPGにおける“たたかう”のような通常技がありません。なので、ザコ戦でも敵も味方も必殺技の応酬のようなことが続くのですが、その一つ一つがとても長いのです。いつまで経っても戦闘が終わりません。ボス戦ならそれもテンション上がる演出なのですが、先ほども書いたようにランダムエンカウントで何百回とザコと戦わなければならない章で延々と敵が大量の火の鳥を召還しているのを眺めていれば心も淀んでいきます。


 この「ザコ敵の長い攻撃モーションを延々と眺めている時間」は『スーパーマリオRPG』でも感じましたし、プレステ時代の『ファイナルファンタジー』シリーズにも感じました。それが当時のスクウェア基準で、実際にそれが受けていたのだからそれが正しかったのかも知れませんが、私はこれがあまり好きではありません。
 何百回と繰り返し観るザコの攻撃は、なるべく短くして戦闘のテンポを良くしてくれよ―――と、どうしても思ってしまいます。


◇ 総括
 自分の感想を読み返してみると、不満点は「とある章のランダムエンカウント」に集約されているのが分かりますね……それくらい、あのエンカウント率と戦闘の長さは苦痛でした。それ故にフィールドを「探索」する気にもならず、結果的にそれが「真のエンディングじゃないエンディング」にしかたどり着けなかった理由だと思います。しかし、あの鬼エンカウント率が待っていると考えると、やり直す気にもなれない……

 ということで、ゲームのトータルの評価としては「前半は超楽しかった」けど「終盤はつらかった」というものになってしまいます。


 「RPGには色んな可能性がある!」とこのゲームが見せていたように、この後のRPGは確かに色んな方向に進んでいって成功していくのですが……この頃のRPGが既に抱えていた「ただただ画面を見ているだけの時間も長い」問題を、プレステ時代も、PS2時代も解消できず、自分がRPGをあまりやらなくなってしまうことを考えると。「可能性」と同時に「行き詰まり」も感じてしまった作品だったのかなぁと。

 あと、スクウェア・エニックスのバーチャルコンソールのソフトはMiiverseにスクショが貼れないのも寂しいです。会社の方針なら仕方がないんですけど、バーチャルコンソール以外のソフトはスクショが貼れるんですよねぇ。謎。


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| ゲーム紹介 | 18:08 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

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『がっこうぐらし!』アニメ第1話は、どうして面白かったのか

※ この記事はテレビアニメ版『がっこうぐらし!』第1話「はじまり」までのネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。
※ テレビアニメ第2話および原作漫画版については触れませんので、コメント欄などにも内容を書き込まないで下さい。


 今季の私の推しアニメは、6月に書いた記事でも第1枠に挙げた『がっこうぐらし!』です。その『がっこうぐらし!』アニメ第1話の後、ちょっとどうしても見過ごせない反応を見かけたので今日はそのことについて書こうと思います。


 なので、第1話のネタバレを思いっきり書きます。
 第1話を観てからこの記事を読むことをオススメします。

 テレビ放送を録画している人はもちろん、録画していない人も『がっこうぐらし!』はWEBでの公式配信を積極的にやっているのでそちらで観ることが出来ます。ニコニコ動画バンダイチャンネルGyaO!ビデオマーケット楽天SHOWTIME「第1話無料配信」が行われています。
 またニコニコ動画、GyaO!、ビデオマーケット、楽天SHOWTIMEではどうやら「最新話1週間無料配信」みたいなので、現在のところ「第2話も無料配信中」です。つまり、今ならまだ追いかけられるんです!是非!

 ただ、当たり前ですが「第1話」を観てから「第2話」を観た方がイイです。
 それと、ニコニコ動画で観る場合はコメントを消して観た方がイイかもですね。



 今日の記事は本当に「うっかりネタバレを読んでしまった」ということを避けたいので、格納しておきます。TOPページからお越しの方は「続きを読む」をクリックしてください。

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| アニメ雑記 | 17:52 | comments:26 | trackbacks:0 | TOP↑

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任天堂の次世代ゲーム機「NX(開発コードネーム)」を大胆予想する!

 今だからこそ、「未来」について語ろうと思います。
 ちょっと前にTwitterに呟いていたネタではありますが。

 任天堂は今年3月のDeNAとの業務・資本提携の共同記者発表、「全く新しいコンセプトのゲーム専用機プラットフォームを開発コード名NXとして現在開発中」と発表しました。本来ならばまだ発表する段階ではないものですが、「任天堂はもうゲーム機を作らないんだな」と思われることを避けるために、前倒しで発表したとのことです。

 詳細な発表が行われるのは、恐らく2016年6月のE3でしょう。
 発売は最速でも2016年の年末商戦だと思われますが、個人的な予想ではもうちょっと後になるんじゃないかなぁと思っています。というのも、期限を決めて出す必要はそんなにないと思うからです。「NX」が据置機なのか携帯機なのかは分かりませんが、世界的に見れば据置機はもうPS4圧勝で牙城は崩せないでしょうし、携帯機は3DSがライバル不在というか、スマホは毎年新機種に入れ替わるのでスペック争いをしてもしょうがない相手です。

 PS4とXboxOneに対して1年先行のアドバンテージを取ろうとして、ムリに年末商戦に間に合わせてOS未完成&ソフト不足に苦しんだWii Uがあったので……「NX」は2016年の年末商戦にムリに合わせるのではなく、2017年の後半辺りに持ってくるんじゃないかと予想しておきます!



 さて、その「NX」。
 現段階では何も分かりません。何も発表されていませんし、出てくる情報は全て噂レベルの話です。だからこそ、今の内に「NXがどんなゲーム機なのか」を予想しておこうじゃないですか!1年後ではもう出来ませんもの。

 ヒントは「NX」という開発コードネームしかありません。
 しかし、この開発コードネームは大きなヒントになります。

 Wiiの開発コードネームは「Revolution」でした。「革命」、それはまさにWiiが目指していたものを表していますよね。
 ゲームキューブの開発コードネームは「Dolphin」でした。「イルカ」、それはまさにゲームキューブが目指していたものですよね。




 ……そうか?


 まぁ、イイや!
 そこに疑問を持っちゃうと始まらないので気付かなかったフリをして、この「NX」という二文字から任天堂の次世代ゲーム機がどうなるのかを考えていこうじゃないですか!これで来年のE3が待ち遠しくなることこの上ない!



仮説.1:「NX」は、何かの頭文字である説
 アルファベットが二文字揃えば、何かの頭文字を合わせた略語であると考えられます。
 「SF」は「サイエンスフィクション」、「TV」は「テレビジョン」、「SGGK」は「スーパーグレードゴールキーパー」です。

 「N」はそれっぽいものが思い浮かびますよね。
 「ニンテンドー」は当たり前だけど、ありそう。
 「ニュー」も「新しいコンセプト」を明確にするためにはありそう。
 「ネクスト」、これもコードネームではありそう。

 しかし、「X」から始まる英単語など私には分かりません。
 「キシリトール」
 「ゼロックス」
 「クリスマス」……これくらいしか思いつきません。どれもゲーム機を表す名前っぽくはありませんよね。

 そう考えると「X」というのは、「何かの頭文字」というよりかは「クロス」=「何かと何かが交差している様を表している文字」ではないのかと思えます。『スマッシュブラザーズX』とか『ゼノブレイドX』みたいなカンジで。


 Wiiというゲーム機は「We=私達」を表していました。
 Wii Uというゲーム機は「You=あなた、あなた達」を表していました。

 NXというゲーム機は「X=何かと何かが交差している様」を表していると考えられ……
 「NXってどんなゲーム機だと思う?」と聞かれたのならば、「何かと何かを交差させるゲーム機なんだよ」と予め言っておけば、NXがどんなゲームであろうとも恐らく何となく当てはまるはずです。

 「ゲームが大好きな人」と「普段をゲームをあまりしない人」を交差させる、とか。
 「ゲーム専用機」と「スマートデバイス」を交差させる、とか。
 「据置ゲーム機」と「携帯ゲーム機」を交差させる、とか。
 「任天堂」と「それ以外のゲームを愛するソフトメーカー」を交差させる、とか。
 「みんなの日常」と「楽しいゲーム体験」を交差させる、とか。

 ほら!何でも言えそうな気がします!
 これは当たらないワケがない!これが、詭弁だ!!


予想:「NX」というコードネームは「何かと何かが交差している様」を表しているに違いない!



仮説.2:「NX」は、数字である説
 これが元々、Twitterで呟いていた話題です。

 では、数えてみましょう。
 「ゲームボーイカラー」とか「ニンテンドーDSi」とか「newニンテンドー3DS」のようなバージョン違いや、「ディスクシステム」のような周辺機器は含んでいません。

1.カラーテレビゲーム15
 1977年7月発売。任天堂初のテレビゲームだそうです。
 ソフトの交換は出来ず、スイッチの切り替えでゲーム内容を変えていました。

 廉価版「カラーテレビゲーム6」はバージョン違いと考えてカウントしません。

2.ゲーム&ウォッチ
 1980年4月から発売。任天堂開発による初の携帯型ゲーム機だそうです。
 後の携帯型ゲーム機のようなソフトの交換は出来ず、「1ハード1ソフト」で多数のバージョンが発売されて、特大ヒットしました。今でも「任天堂のゲームの原点」と語り継がれる大ヒット商品です。

3.ファミリーコンピュータ
 1983年7月発売。
 ロムカセットの交換によって様々なゲームが楽しめるようになった据置ゲーム機です。初期はアーケードゲームで人気だった作品を移植していましたが、1985年には『スーパーマリオブラザーズ』が大ヒット、1986年には周辺機器ディスクシステムも投入。任天堂からだけではなく、サードメーカーからも多数の人気ソフトが発売されました。

4.ゲームボーイ
 1989年4月発売。
 ROM交換方式の携帯型ゲーム機で、『スーパーマリオランド』、『テトリス』、『星のカービィ』、そして何と言っても『ポケットモンスター』といった大ヒットソフトによって全世界1億台以上を売り上げました。ゲームボーイブロス、ゲームボーイポケット、ゲームボーイライト、スーパーゲームボーイ、ゲームボーイカラーなどなど、バージョン違いもたくさん出ました。

5.スーパーファミコン
 1990年11月発売。
 ファミコンの後継機となる据置ゲーム機として人気シリーズの続編や、「ファミコンには出来なかったゲーム」が次々と発売されたことによってこちらも大きく普及しました。しかし、CD-ROMアダプタをめぐるゴタゴタによってソニーと決裂、1994年には他社からセガサターンとプレイステーションが発売されて次世代ゲーム機戦争が本格化して、スーファミは発売からたった4年で「旧世代機」扱いされてしまうという。


6.バーチャルボーイ
 1995年7月発売。
 ゴーグル型のディスプレイを覗き込んで遊ぶ3Dゲーム機です。一応分類的には携帯ゲーム機になるんですかねぇ。ソフトも少なく、普及台数も少なかったため、「任天堂の黒歴史」とネタにされる時期も長かったですが……そこから15年後に3DSが発売されるのだから何があるか分からないものです。3DSの発売前に、岩田さんと宮本さんと糸井さんがバーチャルボーイについて語った「社長が訊く」があるので、是非そちらもお読みください。


7.NINTENDO64
 1996年6月発売。
 3Dポリゴンの演算能力の高さとアナログスティックの標準搭載で「3Dアクションゲーム」に特化したゲーム機として高い評価を受けたものの、当時国内で大人気だったRPGを作っていたスクウェアがプレイステーションにソフトを独占供給したこともあり、サードメーカーのソフトが出ずに国内では苦戦してしまった据置ゲーム機です。

 しかし、この時に任天堂が「3Dアクションゲーム」と向き合ったことで今の『Splatoon』に繋がっているのだろうし、『スマッシュブラザーズ』や『どうぶつの森』を生んだハードでもあるし、ゲームの歴史を考えれば無視できないハードだと言えます。


8.ゲームボーイアドバンス
 2001年3月発売。
 ゲームボーイの後継機で、性能はスーパーファミコン以上の携帯ゲーム機です。任天堂の2Dハードとしては最高スペックと言えたのだけど、後継機になるニンテンドーDSが2004年に出てしまうので、最新機としての時期は非常に短いハードと言えます。しかし、『メイドインワリオ』や『逆転裁判』、『リズム天国』など、実はこの後のゲーム業界の主流を生み出したハードなのだけど……その辺は長くなるので割愛します(笑)。


9.ゲームキューブ
 2001年9月発売。
 ソフト不足に苦しんだNINTENDO64の反省から「ゲームを作りやすいハードウェア」を目指して作られた据置ゲーム機です。しかし、PS2の発売から時間が置いて「既に勝敗は決した」時期の発売になってしまい、普及台数は64時代よりも減少。ゲームキューブのみでの発売を予定していたサードメーカーのソフトもPS2で発売されるなどの事態を生んでしまいました。

 任天堂ハードの中でもかなり不遇なハードにあたると思うのですが、個人的にはゲームキューブのコントローラは大好きでWii Uでも『スマブラ』はこのコントローラを使っています。ゲームキューブのVCも始まらんかなぁ。


10.ニンテンドーDS
 2004年12月発売。
 当時のゲーム業界が高性能化・映像の美麗化に突き進んでいたことによる「ゲーム離れ」に一石を投じた携帯ゲーム機で、「二画面」「タッチパネル」によってゲームのあり方を変えてしまいました。“Touch!Generations”と呼ばれる「普段をゲームを遊ばない人でも楽しめる」「ゲームの定義を広げるゲーム」達が大ヒット、またファミコン&スーファミ世代が大人になって久々に任天堂機に戻ってきたことよる「かつてのシリーズの復活」なんかも多く見られました。

 そう言えば、忘れちゃいけないのが「ニンテンドーWi-Fiコネクション」。
 「カンタン・あんしん・無料」を掲げることで、子どもでも安心して楽しめるインターネット通信でのゲームの一歩目を踏み出しました。


11.Wii
 2006年12月発売。
 DSと同様に「ゲーム離れ」が進んでいた当時のゲーム業界に対して、Wiiリモコンによる直感的な操作や日常に溶け込むWiiチャンネルなど「普段をゲームを遊ばない人でも楽しめる」「ゲームの定義を広げるゲーム」ことを目指した据置ゲーム機でした。

 世界市場で考えると1億台以上を売り上げた大ヒットハードではありますが、特に国内ではサードメーカーのソフトが途中から出なくなってしまい、市場を十分に広げられなかったハードという印象です。「PS3に負けた」というよりも「DSが強すぎた」というのが私の持論ですが、長くなるので過去記事読んでください(笑)。


12.ニンテンドー3DS
 2011年2月発売。
 裸眼立体視を標準搭載した携帯ゲーム機で、アナログパッドの搭載、通信機能の整備、ダウンロードソフトをSDカードに保存できるようになった―――などなど、前世代機DSの不満点を潰していった穴のないハードとも言えます。それ故に発売直後の価格が高くスタートダッシュに苦戦、その後は急遽値下げ+潤沢なソフトラインナップで十分な普及はしているのですが、前世代機のDSと“Touch!Generations”の功績が凄すぎてそれと比較してしまえばそりゃあまあ……


13.Wii U
 2012年12月発売。
 任天堂初のHDグラフィックを実現した据置ゲーム機で、その特徴は巨大なスクリーンを搭載したコントローラです。二つのモニターを使った“非対称型の対戦ゲーム”や、テレビを観ながらでも遊べる「ながらプレイ」などを提案したのだけど、ソフト不足によって全世界的に大苦戦中。

 『Splatoon』は面白いけれど、ハード発売から2年半が経過したタイミングのソフトが「なるほど!ゲームパッドを活かしたゲームってこういうことか!」と言われている辺り、Wii Uの2年半とは何だったのかと思わなくもない。


14.NX(開発コードネーム)
 任天堂にとって、「14機目のゲーム機」。



 キタコレ!!

 テキトーに言ってみたら、何かそれっぽいことになった!
 「○○が抜けているんじゃない?」とか思いついてはならない!誰も気にしてはならない!


 ……で?
 「NXは任天堂にとって14機目のゲーム機だ」ということが明らかになったところで、「NX」がどんなゲーム機になるかは分かりませんよね。そうですよね。

 「カラーテレビゲーム14」という名前で、これまでの14機の全てのゲームが遊べるゲーム機とか……うーん、ビジネスとして成り立つとは思えません。
 これまでの13機のゲーム機は「据置機」と「携帯機」が交互に来ていたことを考えると、わざわざ開発コードネームに「14」と(読めなくもないものを)付けるということは、よく言われている「据置機」と「携帯機」の融合辺りはありそうな気もするんですけど。どうでしょうね。


予想:「NX」は任天堂にとって14番目のゲーム機になるに違いない!



仮説.3:「全く新しいコンセプトのゲーム機」=「NX」という説
 それを言っちゃおしまいなのだけど……
 「Dolphin」という開発コードネームから、後に「ゲームキューブ」になるゲーム機を予想できますか?
 「Nitro」という開発コードネームから、後に「ニンテンドーDS」になるゲーム機を予想できますか?

 私にはムリです。
 正直、開発コードネームがどういう意図で付けられているのかもよく分かりません。「NX」も何かテキトーに「全く新しいコンセプトのゲーム機だから、Nextっぽいアルファベット付けておくかー」くらいの意識で付けられたようにも思えます。「X」が「何かと何かを交差させている」とか、「NX」を反対にすると「14」と読めるとか、そんなのはそれっぽいことを言っておけば後で「ほら!当てはまっているじゃん!」と言い張れるくらいのことです。


 では、ヒントは何もないのか?
 というと……私はそうではないと思っています。

 というのも、NXは最初から「全く新しいコンセプトのゲーム機」として紹介されています。むしろこっちの方が重要ではないかと思うのです。「NX」なんてアルファベット二文字とにらめっこしても何も出てこないんですよ!


 もうその記事は会員以外は読めなくなっちゃったのでリンクは貼らないんですけど……今年の3月に掲載された「日経ビジネスオンライン」のインタビュー記事で岩田さんは、DSはタッチパネル、Wiiは加速度センサーを「この技術を使えばこんなことが出来ますよ」と提案したことで、それが今のスマホに繋がっているというようなことを仰っていました。そして、「NX」で提案することも同じように「まだ他が活用していない技術の活用」になるだろうというニュアンスの話でした。

 そう考えると、3DSは「裸眼立体視」はあったものの「タッチパネル+アナログパッド」という前世代機から受け継いだ技術の入力装置でした。Wii Uも「二画面」を遅延なく表示する技術はあったものの、コントローラは「今までの全部載せ」みたいな入力装置でした。

 3DSもWii Uも「出力装置」に新しさはあったものの、「入力装置」は既存のゲーム機の延長線上にあるものだったんですね。それはまぁ、Wiiが「ゲーマーには受けなかった」と思っていたからのことでしょうから間違っていたとは言いませんが……
 そこから考えると、「NX」は「入力装置」の方を「全く新しいコンセプトのゲーム機」として提案してくるんじゃないのかと予想します。「今までのゲーム機」も「スマホやタブレット」も活用してこなかった新たな技術。


 実際、任天堂のゲームソフトの歴史は「コントローラの歴史」とも言えるワケですしね。
 「十字ボタン」「LRボタン」「アナログスティック」「タッチパネル」「加速度センサー」「ポインティングデバイス」「ジャイロセンサー」……そうした新しいコントローラに合わせた新しいゲームを作ってきたからこそ「新しいゲーム体験」が味わえたワケで。
 3DSやWii Uが「続編ばかり」「新しいゲーム体験がない」と言われてしまっていたのも、コントローラの革新が出来なかったからとも言えます。『Splatoon』が受けているのも、ジャイロセンサー対応で「スティックを使いこなせないような人でもTPSが遊べる」という革新があったからだと分析することも出来ます。


予想:「NX」は新しいコントローラのゲーム機になるに違いない!

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【よく分かる3行まとめ】
・「NX」は「何かと何かを交差させるゲーム機」だ!
・「NX」を逆さまにすると「14」になるので、任天堂14番目のゲーム機だ!
・多分、新しいコントローラになるんじゃないかな!



 すっごい。
 今日の記事、何にも内容のあることを書いていない気がする……(笑)。

| ゲーム雑記 | 17:50 | comments:12 | trackbacks:0 | TOP↑

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殺人、ドラッグ、オカルト……なのに爽やか群像劇!『ヴォイニッチホテル』全3巻紹介

【三つのオススメポイント】
・南国のホテルを舞台に、様々な登場人物が躍動する群像劇
・本当ならグロイはずなのに、コミカルな作風ゆえに、爽やかさまで感じられる
・風刺と、パロディと、テンポの良さが光るテキスト


[紙の本]
ヴォイニッチホテル 1 (ヤングチャンピオン烈コミックス) ヴォイニッチホテル 2 (ヤングチャンピオン烈コミックス) ヴォイニッチホテル 3 (ヤングチャンピオン烈コミックス)

[キンドル本]
ヴォイニッチホテル(1) (ヤングチャンピオン烈コミックス) ヴォイニッチホテル(2) (ヤングチャンピオン烈コミックス) ヴォイニッチホテル(3) (ヤングチャンピオン烈コミックス)

【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目の有無を、実験的にリスト化しました。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番強くて、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:○(それほど重くはないけれど、人が死ぬ話なのでそれなりには)
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:◎(絵柄上そんなにはグロくないけど)
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×


◇ 南国のホテルを舞台に、様々な登場人物が躍動する群像劇
 この作品は、2006年から2015年までヤングチャンピオン烈(隔月誌→後に月刊化)にて連載された道満晴明さんの漫画です。ヤングチャンピオン烈は「ヤング○○」という青年誌の中でも過激寄りの雑誌で、グラビアにはAV女優のヌードが掲載されたりもする雑誌です。
 自分は成年向け漫画はあまり詳しくなくて知らなかったのですが(ホントですよ!?)、道満さんは元々成年向け漫画でも活動している漫画家さんで、そうした漫画家にも積極的に作品を描いてもらおうというヤングチャンピオン烈の方針に合致したということみたいですね。

 でも、一応言っておきますけど『ヴォイニッチホテル』はエロくはないです。
 殺人も麻薬も幽霊も出てくる作品なので、下ネタというか性の話も出てくるくらいで。過激さは、「エロイ」というよりかは「何でもあり」という方向性での過激さです。



 舞台は太平洋南西に浮かぶブレフスキュ島、そこに建つ「ヴォイニッチホテル」を中心に描かれます。
 一応の主人公格として、ヴォイニッチホテルの従業員であるエレナベルナという二人のメイド、日本からやってきてこのホテルに長期宿泊しているクズキ・タイゾウという男の三人がいるのですが……

 その他にも、同じように長期宿泊している日本人の漫画家、日本人の殺し屋、麻薬の密売人、連続殺人犯、それを追う警察、少年探偵団、ホテルのコック、ホテルのオーナー、幽霊、悪魔……これでもかというほど多種多様なキャラクターが登場し、回によって描かれるキャラは入れ替わります。ということで、この作品は!私の大好きな「群像劇」なのですよ!!

 どのキャラも大好きなのだけど、強いて好きなキャラを挙げるならやっぱりアレかなぁ。ロボット刑事かなぁ。アイツが出てくるシーンは全部面白い、ズルイ。



 この漫画を機に、私が「群像劇」を好きな理由を改めて考えてみたのだけど……
 一つには、「一つの出来事を(読者だけは)色んな“視点”から見ることが出来る」というのがあるのかなと思います。
 “視点”となるキャラクターが回によって入れ替わるので、例えば殺し屋が“視点”になる回もあれば、その標的が“視点”になる回もあります。どちらの立場にも読者としては感情移入が出来てしまうし、標的に対して「殺し屋が迫ってるよ!早く気付け!」とドキドキしてるのに、殺し屋に対しては「早くしないと標的に逃げられるよ!急げ!」とワクワクできて、一粒で二度美味しいという。こういうことが全3巻ずっと続くんですね。


 二つ目には、「“視点”となるキャラクターがたくさん出てくるために、話がどう転がっていくのかが全く予想できない」という魅力も群像劇にはあります。
 例えば先ほどの殺し屋の例で言えば、「殺し屋の“視点”でしか進まない話」だったら殺しが成功するか失敗するかなんだろうなという予想が出来てしまいます。しかし、「殺し屋」「標的」「標的のことが好きな人」「標的のことが好きな人を好きな人」といったカンジに“視点”となるキャラクターが増えると、これらのキャラクターがどう作用するのか予想できなくなります。だから、「この後どうなっちゃうんだろう」にドキドキワクワク出来るんですね。


 私は単行本である程度一気に読むことが出来ましたが(最終巻が出るまではしばらく待ちましたが)、これを隔月誌の時から毎号読んでいた人は「早く!早く続きを読ませてくれよ!」とやきもきしていただろうなと思います。そのくらい、後を引いてしまうのが群像劇の魅力なのです。


◇ 本当ならグロイはずなのに、コミカルな作風ゆえに、爽やかさまで感じられる
 先ほど、例え話として「殺し屋」の話を書きましたが……実際にこの漫画には「殺し屋」が出てきます。なので、殺人のシーンもあれば、血みどろになるシーンもあります。
 殺人も十分に犯罪ですが、同じように犯罪描写として「麻薬の販売・購入・使用」なんかの描写も出てきます。舞台が架空の島なだけであって、やりたい放題です。麻薬が切れて禁断症状が起こってしまう描写もあります。
 精神的に病んでいる人間や、自殺しようとする描写もあります。
 もっと言うと、幽霊だったり、ゾンビ(のようなもの)だったりも登場します。


 これ……同じ題材でも、描く人によってはものすごくグロイものになっていたかもなぁって思います。ゲームだったらCEROは高めの年齢推奨にしていたかも知れませんし、ひょっとしたら18歳未満は禁止になっていたかも知れません。血がわんさか出てきますからね。


 ですが、可愛らしい絵柄に、一歩引いたところから描いているような無機質な演出、“不条理”とも言える世界観ゆえにグロさは全然感じないんですね。むしろ、コミカルに見えるし、読んでいる間は爽やかな気分になれます。
 だってさ、島中を震撼させる謎の連続殺人犯の犯行現場にやってきて捜査を開始する警察サイドのキャラがロボット刑事ですからね!世界観どうなってんだよ!と言いたくなります(笑)。


 題材的に、重い話にしようとすれば好きなだけ重く出来た題材だと思うんですよ。
 スペイン軍の侵攻と、植民地時代の話、日系企業が進出しつつも内戦が起こったことでとっとと撤退してしまったことによる反日感情、放置されて荒廃している街並み……「殺人」や「麻薬」が描かれているのならそういう罪の意識の話とか、ロボット刑事がいるのなら「人間とは何か」みたいな切り口にしたっておかしくないと思います。

 でも、この漫画はそういうことはしません。
 作者の信念とか、作者の思想みたいなことを持ち込んだりはしないのです。喋るのはあくまでキャラクターで、行動するのはあくまでキャラクターなんです。極端な話、この作品の中では「殺人は良くない」とすら言いません。ただ、殺す人の人生と、殺された人の人生が描かれるだけ。このフラットさがなければ、もっと重く押し付けがましい話になっていたかも知れません。



 これだけ血がわんさか出てくる話なのに、可愛らしい絵柄の白黒の漫画ゆえにグロさを感じさせず、むしろ爽やかに思えてしまいます。命に対しては冷淡に殺す人も殺される人もたくさん出てくるのに、「人間って捨てたもんじゃないよなぁ」と思えてしまう暖かみもある―――これは作者の作風の力であって、他の人には出来ない芸当だと思います。



◇ 風刺と、パロディと、テンポの良さが光るテキスト
 この漫画、1話1話はとても短いんですね。
 1話6ページとか、8ページとか。終盤はちょっと長くなりますが、それでも12ページとか。

 それが大きく繋がって全体的には破綻なく話が進んでまとまるのも凄いんですけど、それぞれの話は“視点”となるキャラが変わって6ページとか8ページとかで一応の区切りが付くことが多いです。この短いページ数の中で話をまとめるのはよほどの技術がないと難しいと思うのですが、そこはやはり「短編の名手」と呼ばれた道満晴明さん。短いページ数でも1話・1話が面白いんです。


 1ページの中に、ゴチャゴチャさせずにコマ数を多く押しこめる技術とか。
 そのコマの中に必要なキャラを必要なポーズで描ける技術とか……そういうところももちろん目を見張るのですが、“1話・1話が面白い”最大の理由としては「台詞の面白さ」が大きいかなぁと思います。 


 「何でもあり」な世界観ゆえに、風刺も、パロディも、下ネタも「何でもあり」で―――それらがテンポ良く、それでいてクドくなく使われていて、数ページに1度はクスリと笑わされるからこそ1話・1話が面白いんですね。



 しかし、それを「紹介記事」で説明するのは難しいのです!
 流れを無視してその部分だけ切り取ってテキストで紹介したってその面白さは伝わらないし、ネタバレになってしまいます。だから、「面白い」以上に説明のしようもないのですが……方向性だけ言っておくと、個人的にはやっぱりロボット刑事のロボットネタと、少年探偵団のやり取りが好きだったかなぁ。


 あと、テキスト関係ない話だけど、女のコの漫画的な動きの可愛さなんかも特筆すべきところ。アリスの愛くるしさと言ったら!姉妹の話もすごく良かったなー。


◇ 総評
 全3巻と一気に読むにも負担のかからない長さで、それでいてたくさんのキャラクターのそれぞれの生き様が見られる傑作だと思います。群像劇好きならば、是非是非!

 殺人・麻薬・性の話と苦手な人は苦手かも知れない題材も取り込んでいる「何でもあり」な作品なので、そこに抵抗感がある人もいるかも知れませんが……ですが、私はこの作品を「ブラックな漫画」だとは思わないんですね。人間の欲をコミカルに、スリリングに描いて、多くの人が楽しめるエンターテイメントにしてしまっている、とてつもないバランス感覚の作品だと思います。
 「何だこの世界観は」という出だしだけど、不条理さとか意味不明さとかは皆無で、最後まで読んだ後に1巻から読み直しても「やっぱり良く出来ているなー」と感心する見事な構成になっています。

 大好きな作品です。オススメ!


[まとめ買い] ヴォイニッチホテル[まとめ買い] ヴォイニッチホテル
道満晴明


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| 漫画紹介 | 17:51 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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「あとどれくらいで終わるのか」が分からない“ゲーム”というメディア

 Wii UのeShopで、7月15日の午前9時59分まで『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』がセール中です!通常1080円のところが、現在は500円!みんな買うべし!

 私がどのくらいこのゲームを好きかは、紹介記事を書いたんでそちらを読むべし!

 ストーリーが面白いんだから、それでイイじゃないか!『D.M.L.C. デスマッチラブコメ』紹介(9.5点)


 その応援というワケでもないのですが、今日はそんな『デスマッチラブコメ』のクリア後にMiiverseを眺めていて思ったことを書こうと思います。内容をネタバレするつもりはありませんが、『デスマッチラブコメ』のストーリーの構成のようなものについて書くので、それが気になる人は今すぐWii UのeShopから購入して、プレイして、TRUE ENDに到達してからこの記事を読んでください(笑)。




 このゲームをクリアした後、「あー面白かった」と満足してMiiverseで同じように「あー面白かった」と投稿している人を眺めていて、とある投稿に「そうか!だからこのゲームは面白かったのか!」と気付かされたのです。「だからこのゲームは」というか、このゲームに限らず「ゲームでストーリーを語ること」自体の面白さを知ったんですね。

 それは、
 ゲームって「あとどれくらいで終わるのか」が分からないということです。

 『デスマッチラブコメ』のストーリーはコレが非常に活きたストーリーになっていました。
 「そろそろクライマックスかな?今日でエンディング迎えられるかな?」と思ってプレイしたら全然そんなことなく、翌日「今日こそクライマックスかな?」と思ってプレイしたらそこから更に二転三転して、更に翌日「今日こそはエンディングを迎えるんじゃないかな?」と思ってプレイしたら更に更にそこからどんでん返しがあったんです―――


 実はこういうメディアってゲームだけじゃないかなぁと思うんですね。
 例えば、小説だったら持っている本の今どの辺を読んでいるのかは一目瞭然ですよね。すっごい話が盛り上がっていても、「今読んでいるところは半分くらいだから決着はつかないんだろうな」と分かってしまいます。推理小説とかなら「まだこれだけのページ数が残っているんだから、ここで追求されている彼は真犯人じゃないんだろうな」とかね。

 漫画の場合、「○○編」「××編」みたいな区切りの終わりどころは分かりませんが、作品自体の完結は「最終巻かどうか」で分かってしまいますよね。予め完結した漫画を一気に読む場合は「全○巻」と先に知ってしまうことが多いですし、単行本を1冊ずつ買っている場合も表紙とか目次とかから「あー、これ最終巻なんだー」と分かってしまうケースが多いです。
 雑誌連載で追いかけている場合は「次回が最終回かどうか」も分からずにドキドキ出来ることが多いですけど、人気作になると「来週センターカラーということはここで最終回なのかー」と分かってしまったりします。

 ドラマやアニメは、季節ごとに新番組が入れ替わるので「このタイミングでは最終回にならない」というのが分かってしまいますし、最終回は番組欄に思いっきり「終」マークが付いていたりします。

 映画や演劇などは上映前に大体の時間が分かってしまいますし、例えば映画だったら「大体2時間前後」という目安があると思います。「予備知識なしで観始めたら、この映画ちっとも終わらなくて6時間もあったよ!」という映画もないことはないですが(笑)、ゲームはそれが標準なんですよね。「大体2時間前後」みたいな目安がゲームにはありません。クリアしてみるまで何時間かかるか分からないのがゲームなんです。



 ネタバレになるので作品名は出しませんが、某Wiiのアクションゲームは「これが!俺達の最終決戦だ!!」「うおおおおおおお!」という最高潮に盛り上がるステージが全体の真ん中辺りにくるので、「これで終わるのかと思ったらちっとも最終決戦じゃねえじゃねえか!」とネット上ではネタになっていました。
 アレもゲームならではの仕掛けなんですよね。小説とか漫画とかアニメとか映画とかで同じようなことをやろうとしたら、「まだページ数が半分残ってるし……」「まだこの後に5巻あるんだけど……」「まだ8月だから最終回にならないよね……」「上映時間、まだ半分残っているし……」と、実は終わらないということがバレバレになってしまいます。“ゲーム”というメディアを活かして、プレイヤーを上手く騙す演出だったのでしょう(※1)

(※1:まぁ、実はそのゲームも作れる武器の素材の入手具合から「まだ半分しか進んでいない」ことは何となく分かっちゃってはいたんですけどね……『デスマッチラブコメ』も、バッドエンドを先に漏れなく回収するタイプの人ならば「まだバッドエンド埋まっていないから終わりじゃない」と気付けたのかも知れませんが)



 ということで、「だから実は“ゲーム”ってストーリーを語ることに向いているメディアなんですよ!」と言いたいところなのですが、その反面として「だからこそのデメリット」もあります。
 ストーリーを語るゲームに限らず、新しいゲームって「どのくらいの時間がかかるのか」が分からないので、手を出しづらい――――という人も多いことでしょう。

 小説1冊だったら、その厚みと文字の大きさで大体どのくらいの時間をかければ読み終わるのかの想像は付きます。漫画も1冊辺りにかかる時間は想像できますから、それが何冊あるかで全体にかかる時間は想像出来ます。ドラマやアニメは1時間とか30分が1クールで全12話だから、12時間とか6時間とか。映画ならば1本2時間前後。

 ゲームもファミコンの時代なんかには厳しい容量制限があったので無限に世界を広げることは出来ませんでしたが、大容量で世界を表現できるようになってしまった今では、ゲームによってクリアまでかかる時間はまちまちです。クリアだけなら2~3時間で終わるゲーム、10時間でクリア出来るゲーム、100時間はかかるゲーム……しかも、それは人それぞれの力量によっても変化するので、実際に自分でプレイするまでどのくらいの時間がかかるのかが分からないんです。


 まぁ、それでも目安として「自分はこのくらいかかったよ」とクリアまでのプレイ時間を書くレビューも多いと思うのですが、逆に言うとそうネタバレすることで“「あとどれくらいで終わるのか」が分からない面白さ”は損なわれてしまうとも言えます。




 「クリアまでには20時間かかりました!」
 ※ ネタバレ防止のために、読みたい人だけ文字を反転させて読んでください



↑こんなカンジにすれば、「購入前にあらかじめかかる時間を知りたい人」は反転させれば読めるし、「どのくらいで終わるのかも知りたくない人」は知らずに済む―――とも言えるのですが、私はこれがベストなやり方とも思わないんですね。
 人間って「私はA」「僕はB」と分けられる生き物じゃないじゃないですか。「具体的な時間は知りたくないけど、流石に50時間以上かかるゲームだったらそんな時間はとれないのであらかじめ教えて欲しい」みたいな、そういう要望を持っている人もいると思うんですね。自分の知りたい情報だけは知りたいけど、それ以上は知りたくない―――という。ネタバレ問題で一番難しいのは、これなんです。



 なので……悩んだ結果、『デスマッチラブコメ』の紹介記事は「全体のプレイ時間は隠しもしないで書く」「(やりこみ要素などを無視した)エンディングまでのプレイ時間は隠して書く」という二段構えにしました。

 しかし、これがベストなやり方なのかはまだ分かりません。
 自分が読んでいる側だったら「全体のプレイ時間もネタバレになるので見たくない!」って言いそうですし、でもそこを隠すと興味すら持たれないかも知れないし……まだまだベストなやり方の模索は続きそうです。


 そう言えば、Wiiの時代は任天堂は『みんなのニンテンドーチャンネル』に各ソフトのみんなの平均プレイ時間を載せていて、載せているということは「プレイ時間をデータとして見せることで購入の参考になるだろう」という目論みだったんでしょうが。
 3DSやWii Uでは、ああいう機能がないんですよね。「本当はやりたいのだけど実現できなかった」のか、「大して活用している人もいないから辞めちゃった」のかは分かりませんが……他のやり方での代用とかも行っていないということは、「プレイ時間を書いたところで購入の参考にはならない」という判断なんですかね。個人的には、ただアレを眺めるだけでも好きだったのでなくなっちゃったのは残念です。

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| ゲーム雑記 | 18:04 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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Splatoon日記.4~行くぜ!ガチマッチ!~

(今までの記事:Splatoon日記.1~チャージャーで戦えるようになりたい~
(今までの記事:Splatoon日記.2~あまりに勝てないので、そろそろ装備を考える~
(今までの記事:Splatoon日記.3~どうして自分が勝てなかったのかが分かった~

WiiU_screenshot_GamePad_004C0_20150708224133c84.jpg

 プレイ時間は7月8日夜の時点で77時間30分。
 オンラインランクは20。
 ガチマッチのウデマエは「B」まで上がりました。
 一人用のヒーローモードと、ガールのamiiboチャレンジはクリア。
 アップデートで、新ステージ「ホッケ埠頭」「モズク農園」「ネギトロ炭鉱」が追加され、ガチマッチに新ルール「ガチヤグラ」が追加され、第2回のフェスが終了した時点での日記になります。追加ブキは多すぎるので今回から割愛させていただきます。


 1回目のプレイ日記で、3種類のブキの中から「チャージャー」を使おうと決めたという話を書き。2回目のプレイ日記で、「チャージャー」で勝てないから「装備」をしっかり考えようという話を書き。3回目のプレイ日記で、「チャージャー」で勝てるようになったという話を書きました。

 3回目の記事の最後に予告したように、勝てるようになってきたという自信をひっさげて、満を辞して「ガチマッチ」に挑戦したというのが今日の記事です。その結果はこの記事の後半で書くつもりですが、さっきチラッと書いた気もする(笑)。


◇ 第2回「フェス」が終わって
splatoon4-1.jpg
<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 ですが、その前にフェスについて。
 第1回のフェスが終わった直後に書いた紹介記事には「フェスならではの面白さがない」と書いたのですが、3回目のプレイ日記で普段のマッチングについて考えてみた結果、このゲームにおけるフェスがどういう位置付けなのかがある程度分かったと思います。


 このゲームでマッチングされる対戦相手は……

・ガチマッチ…同じくらいの「ウデマエ」の人とマッチングされる
・レギュラーマッチ(ナワバリバトル)…自分に似た「プレイスタイル」の人とマッチングされる
・フレンド合流してレギュラーマッチ…「プレイスタイル」関係なくフレンドと同じ部屋に入る


 フレンド合流は例外で、「自分よりムチャクチャ上手い人」とも「自分よりムチャクチャ下手な人」ともマッチングしてしまうのですが……基本的にはこのゲーム、自分と同じくらいの実力の人か、自分と似たようなプレイスタイルの人とマッチングするゲームなんですね。
 加えて……これは異論のある人も多そうですが、私は「マッチングされた8人」を「4人ずつのチームに分ける」のも上手いこと考えられていて、同じくらいのチーム力になっていると思います。もちろん毎回毎回がそうだとは言いませんが、ナワバリバトルの3回に1回くらいは「43%vs46%」みたいな接戦の末での勝利or敗北になりますもの。これって凄いことだと思いますし、そうした接戦が多く起こるからこそこのゲームは面白いのだと私は思うのです。


 で、フェス。
 「フェスマッチ」の時はこのマッチングが適用されず、「ごはんチーム」vs「パンチーム」や、「赤いきつねチーム」vs「緑のたぬきチーム」に分かれての対戦になります。なので、ガチマッチもレギュラーマッチも「ウデマエ」も「プレイスタイル」も関係なく、普段は決してマッチングしないようなメンバーでチームを組んで戦う「異種交流戦」なのがフェスなんだと思うのです。

 第1回のフェスの時は、自陣でグルグル回っているだけの味方とか、塗りもしないでひたすら自陣で隠れているだけの味方がいて、普段のマッチングではそんな人はまず見かけなかったので「こんな人がまだいたんだ?」と思ったのですが……毎週何万本も売れているゲームなんだからそういう初心者だって今でもいるはずなのに、私とはマッチングしなかったから私が気付かなかっただけなんですよね、きっと。

 第2回の時はそこまで分かりやすい「初心者」にはマッチングしませんでしたが、「4人vs4人」なのにこっちのチームは4人全員スタート地点から下に降りることすら出来ないくらい押し込まれてボコスカにやられた「超上級者集団」とはマッチングしてトラウマにはなりました。何だったんだ、あの人達……


 ということで、フェスにはフェスの「普段にはない面白さ」を目指しているであろうことは分かりました。普段は交流のない人とも一緒になって遊ぶのは「お祭り感」があるのも分かります。ただ、それが楽しいかというと正直……
 先ほども書いた通り、私はこのゲームは「実力やプレイスタイルが近い人で集められて、接戦になるようにチーム分けされて、実際に接戦になりやすい」からこそ面白いと思うんですね。そうしたマッチングが行われないフェスは、勝っても負けてもワンサイドゲームになりがちで、勝っても負けてもあまり盛り上がらないな……と思うのです。

 もちろん「強いメンバーでずっと固定してワンサイドで勝ち続けるのが楽しい」という人もいると思いますし、そういう人が「4時間同じチームで勝ち続けて超楽しかった!」と言っているのも分かるのですが……私の個人的な好みで言うと、そういうのはこのゲームにあまり求めていないんですね。毎回違うメンバーで、勝つか負けるかギリギリの戦いに息を呑むのが楽しいのであって。


 なので、第2回のフェスは「多数派チームはなかなか対戦相手が見つからない問題の解決」「負けたチームがもらえるスーパーサザエの量が増える」などの変更が行われて、それでも不満点として「得票数で差が付いたら勝率では挽回できない」ことが多く言及されていたと思うのですが……私は根本的に、この「異種交流戦」があまり楽しくないなぁと思っています。


◇ ダウニーさんの「装備カスタマイズ」沼
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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 それでもスーパーサザエが欲しいので、フェスでせっせと「労働」に勤しむんですけどね。

 ということで、とうとう手を出し始めました「装備のカスタマイズ」!
 確かオンラインランクが20になってから出来るようになったのだと記憶しているのですが、路地裏のダウニーさんにスーパーサザエか大金を渡すことで「装備のサブスロット」を増やすことが出来るのです。

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 これが……

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 こうなる!

 既にサブスロットが3つ埋まっているものは、この3つが別のものになるそうです。私は試していません。メインのギアパワーは変わらないのと、装備のブランドによって付きやすい「ギアパワー」が違うなんて話もあるそうです。私にはよく分かりません。



 私はこういう「スキルのカスタマイズ」みたいなのが、まあ苦手で苦手でしょうがないので手を出すのも怖かったのですが……「既にサブスロットが3つ埋まっているものを付け直す」のではなくて、「サブスロットが1つか2つしかないものに付け足して3つにする」のならやって失敗することもないだろうと思って始めました。
 「メインのギアパワーが良さげなもの」もしくは「デザインが気に入っているもの」のサブスロットをチョコチョコ増やして、それをナワバリバトルで解放して、ガチマッチに持ち込めるかどうか考えるという流れでやっています。


 後述しますが、ガチマッチは(ナワバリバトル以上に)負けるとチームに迷惑がかかるので、「育っていない装備」や「使いこなせないブキ」を持ち込むのではなく、「完璧に育った装備」と「使いこなせるブキ」を持ち込んでガチで勝ちに行くことを目指しています。




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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 今のところのガチマッチに向かう時の装備はこんなカンジ。
 ブログのコメント欄やTwitterのリプライでオススメされた「逆境強化」「うらみ」「安全靴」をメインにして、「メイン効率」辺りをサブスロットに選んでいます。本当は「インク回復量アップ」も欲しいんだけど、なかなか上手い具合に出ないもんで……頭に装備しているウィンターボンボンは、ダウニーさんに頼んでサブスロットを1つから3つに増やしました。

 ブキはステージによって「スプラスコープ」と「スプラスコープワカメ」を使い分けています。私はサブウェポンはほとんど使わないので(インクが勿体ない)、スペシャルウェポンの違いで使い分けています。高低差の大きいステージは「ボムラッシュ」の使える「スプラスコープ」で、平地なステージおよびガチヤグラでは「メガホンレーザー」の使える「スプラスコープワカメ」を選んでいます。


 チャージャー以外のブキを使い始めた際には、また別のギアパワーを考えて装備を付け直していこうと考えています。最近はもう滅多にお店に新しい商品が並ばなくなったので、アップデートで新しいフクとかも追加して欲しいですよねー。メイド服とかメイド服とかメイド服とか。



◇ 「ナワバリバトル」とは違う魅力の「ガチマッチ」
 さて、いよいよ「ガチマッチ」ですよ!
 「ガチマッチ」はオンラインランク10になると参加できるようになるエクストリームモードらしいのですが、解禁初日に行ってみてよく分からず足引っ張りまくりで負けまくりで、それ以降はしばらく触れもしていませんでした。紹介記事でも無視して書いたくらいですからね。


 ですが、このゲームがどういうゲームなのかが分かるようになってから行ってみると、なるほど!これは楽しい!と思えるモードとなっていました。

 この記事を書いている7月9日の時点では、「ガチエリア」と「ガチヤグラ」の2つのルールがあって時間帯によって入れ替わります。「今の時間はガチエリアのルールで、シオノメ油田とネギトロ炭鉱ね」「11時になったから、これからはガチヤグラのルールで、デカライン高架下とモズク農園ね」みたいなカンジです。
 ナワバリバトルの「現在のステージ」は公式サイトから見られるんだから、ガチマッチも「現在のルールとステージ」を公式サイトから見られるようにして欲しいです。



 「ガチマッチ」がどういう遊びなのかを説明する前に、まず「ナワバリバトル」がどういう遊びなのかを説明しようと思います。

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 「ナワバリバトル」は、ステージの床をどれだけ自軍の色で塗れたかを競うルールです。
 サッカーとかバスケは「ボールを相手ゴールまで持ち込む」ルールなので、攻撃する側は相手ゴールに向かいますし、守備する側は自分達のゴール前を固めて敵が近づけないようにしますよね。だから、敵と味方の衝突が頻繁に起こるのです。

 『Splatoon』の「ナワバリバトル」はステージの全てがゴールとも言えるので、極端な話「敵と一度も遭遇しないようなプレイ」だって可能なワケです。誰もいないところをせっせと塗るのもポイントになるのだから、誰とも撃ち合わないプレイだってあることでしょう。私も、このゲームを買って1回目のプレイは3分間誰とも撃ち合うことなくひたすら塗るだけのプレイをして、それで勝ちました(笑)。


 それと比較すると、「ガチマッチ」はサッカーやバスケにおける「ゴール」のようなポイントを用意することで、意図的にその場所に敵味方を集めることで、敵味方の衝突が常に起こるようにしてあるルールだと言えます。


【ガチエリア】
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 ステージに設定された1つ(もしくは2つ)のエリアを長く占拠した方が勝ちというルールです。当然、敵も味方もこのエリアに集まるので逃げようのない撃ち合い・殺し合いが行われることになります。


【ガチヤグラ】
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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 ステージ中央にある「ヤグラ」に味方チームが乗ると「ヤグラ」がレール上を動くので、敵陣のゴールに向かってより押しこめた方が勝ちというルールです。当然「ヤグラ」に敵味方が集まり、「ヤグラ」の上に乗っている人は敵の集中攻撃を受けます。
 「ガチエリア」に似たルールではあるんですが、「ガチエリア」と違って「ガチヤグラ」は“動く”のがポイントです。敵味方が集まる激戦ポイントが動くので、局面局面に合わせた戦い方が必要なのが面白いです。




 「ナワバリバトル」も「ガチエリア」も「ガチヤグラ」も、基本的にはステージの形状は一緒です。一部に足場が出来たり防壁が出来たりしてバランスが取られているところもあるのですが、一つのステージを複数のルールで使いまわして、それでいてそれぞれの面白さが出ているのです。

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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 例えば、これはデカライン高架下での「ガチヤグラ」。
 この手前の光っているところが「ゴール」なのでここまで押し込まれたら負けになってしまいます。なので、ここが最終防衛ラインになるのです。「ナワバリバトル」の際にはさほど意識することもなかったこの細い路地が、「ガチヤグラ」では勝敗を決する最後の攻防ポイントになるというのがすごく面白い!



 この感覚、どこかで味わったことがあるなぁ……と思ったのですが、そうか!これ『スーパーマリオ64』だ!!と気付いてから色々と腑に落ちました。
 3D空間を自由に駆け回れる遊び場にしてしまった3Dアクションゲーム黎明期の代表作です。あのゲームは「1つの地形」で「1つの遊び」ではないんですね。「山の上のボスを倒す」、「山の上までノコノコと競争する」、「赤コインを全部集める」などといった違った遊びを1つの地形で楽しめるんです。

 この「せっかく作った3D空間だから、色んな遊びに使おうぜー」は任天堂の伝統ともなり、一番顕著なのは『Wii Fit』で作られた「ウーフーアイランド」だと思います(最初はウィフィ島)。
 『Wii Fit』では分岐するレールの上を「ジョギング」して進む場所なだけだった島が、以後は『Wii Sports Resort』『パイロットウイングスリゾート』『マリオカート7』など他のゲームに登場するだけでなく、『Wii Fit Plus』では島中を自由に走り回れる「サイクリング」、『Wii Fit U』では写真から場所を推理してそこに向かう「探してMii」として使われ、同じ地形に色んな遊びを詰め込んでいるんですね。

 言葉を悪くすると「使いまわし」と言えるかも知れませんが、同じ地形だからこそ「ジョギングではレールの上を走るだけだったのがサイクリングなら自由に走れる!」と感動したり、「馴染みの場所だから写真から場所を推理する探してMiiが成り立つ」など、同じ地形だからこその遊びを盛り込んでいるのが上手いなと思います。



 なので、そんな任天堂が『Splatoon』のステージを作っているんだから、「色んな遊びが出来るようなステージ設計」を考えて作っていると思うんですね。この通路は「ナワバリバトル」ではただの通過点だけど、「ガチヤグラ」では最後の攻防ポイントになるだろうと考えてステージを作っているのだと思います。
 ということは、シオノメ油田の南エリアも、きっと3つ目のガチマッチルールである「ガチホコ」で活用されるんですよ!きっと!そうに違いない!!


 また、「ナワバリバトル」しかやっていなかった頃には目立たなかったブキが「ガチマッチ」で活躍したりなんてこともあります。



 スペシャルウェポン「メガホンレーザー」は、「ナワバリバトル」や「ガチエリア」ではよほどのことがない限りは敵に避けられてしまうという認識で、平地のステージ以外ではどう活用してイイか分からないスペシャルウェポンだったのですが……「ガチヤグラ」ではヤグラに乗っている敵を圧殺してくれるだけでなく、壁の向こうから敵を足止めしている間にヤグラ進められるなど大活躍してくれます。おかげで随分とポイントを稼がせてもらいました。


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<写真はWii Uソフト『Splatoon』より引用>

 ということで、チャージャーだけでウデマエ「B」まで上がりましたよ!
 やったぜ!「B」まで上がれたぜ!と堂々と記事を書こうと思ったのですが、ついさっき「ど下手くそだから発売日に買ったのにまだBなんですよー」というMiiverseの投稿を見て心が折れました。俺も発売日購入組なのに、Bを目標に頑張ってきたんですよ!これだから「自称ゲーム下手」なヤツは!

 このゲームのガチマッチのウデマエは「A+」「A」「A-」「B+」「B」「B-」「C+」「C」「C-」の9段階に分かれていて、最初は「C-」から始まり「A+」が最上位。マッチングの際には大体前後くらいのウデマエの人が集まった部屋になります。
 個人成績に関係なく、チームが勝てばポイントが上がり、チームが負ければポイントが下がります。「C-」の頃は「勝てば+20」「負ければ-10」で100まで溜まると「C」に上がれたので、1勝1敗ペースでも上のクラスに上がっていけたのですが……自分が最後にプレイした「B-」は「勝てば+10」「負ければ-10」だったみたいで連勝しなければ上のクラスに上がれない仕組みになっていました。


 この記事を読んだことで、ガチマッチに興味を持ってくれた人もいるかもと思うので……ウデマエ「B」ごときの私からアドバイスをさせてもらいますと。
 このゲームは「ナワバリバトル」も「ガチエリア」も「ガチヤグラ」も地形を理解することがポイントになるので、始めて数戦で勝てなくたって気にしない方がイイです。初めてのルールでの初めてのステージはどう立ち回ってイイか分からなくて当然です。自分は毎日最初の3戦は3連敗しても構わないというつもりでプレイしています。味方が上手くて勝てることももちろんありますけど。

 また、「C-」はホント色んな人がいるので、「C-」で勝てないからと言って気にすることはないです。「ナワバリバトル」で完璧に上手くなってから、満を持して「ガチマッチ」に挑むという社会人野球出身のような即戦力の「C-」もいれば。ランク10になったからとりあえず「ガチマッチ」やってみました的な高卒1年目の「C-」もいるのです。
 チーム分けの時点で勝敗が決しちゃっていることも正直あると思います。なので、「C-」は「1勝1敗でも上のクラスに上がれる」ようにしてあるのです。

 それと、「ナワバリバトル」はお気楽な人しかプレイしていなくて、「ガチマッチ」は上級者ばかりが集まる場所、ということはありません。
 自分のプレイしていた「B-」くらいのクラスだと、「はー、ガチマッチ疲れたー。気分転換にナワバリバトルやろうっと」と「ナワバリバトル」を息抜きでプレイしたら相手を殺しまくる修羅集団の部屋に入って「ガチマッチ」以上に疲れたこともあります(笑)。「ナワバリバトル」はステージ全体を気にしなければなりませんが、「ガチマッチ」はエリアやヤグラに集中すればイイから楽だという考え方も出来ます。

 最後に、どんなゲームであっても集中して何時間もプレイするのは疲れるので、疲れて連敗がかさむ前に「今日はここまで」と引き上げるのも大切です。自分は「体調のいい時に30~40分」と決めてプレイしていました。連勝が続いていても、接戦の末の勝利など「やった!」と思えたところで満足してやめることにしていました。




 あ、そうそう。
 「ガチマッチ」に限った話じゃないですけど、意図的にラグを引き起こして戦いを優位に進める悪質なプレイヤーについても語っておかなければ。自分はそれまで遭遇したことがなかったので意識していなかったのですが、「ガチマッチ」を始めてどうも妙な動きをしている人がいると気付き、その後「ナワバリバトル」でもよく見ることに気付いたんですね。

 こっちのインクを塗っている場所なのに、その相手は瞬間的に消えて、気付いたら目の前に現れてローラーで殴り殺される―――という事例が、数日間の間に立て続けに起こりました。“こっちのインクの上を敵が瞬間移動してくる”ような感覚。
 以前から「意図的にラグを引き起こして戦いを優位に進める悪質なプレイヤー」がいるとは話を聞いていたのですが、この人がそうなのかは分かりませんでしたし、仮にラグが原因だと確定しても意図的に行っているのか分かりませんし、私の気のせいという可能性もあるのですが……同じ相手に二度それをやられると、「流石にこれは……」と不信感で全然楽しめなくなっちゃうので、その人とはマッチングしにくくなるように設定することに決めました。

 Wii Uに慣れていない人は「え?マッチングしにくくすることなんて出来るの?」と知らない人もいると思うので解説すると、オンライン対戦中以外の時に「HOMEボタン」を押して、「フレンドリスト」のアイコンを押す、「Y いっしょに遊んだユーザー」を選んで、そのユーザーの名前を選んで一番下の「ブロックする」で完了です。
 逆に、野良で一緒に遊んだけどフレンドになりたくなった人にはここから「フレンドリクエスト」を送ることも出来ます(相手が設定で許可している場合のみ)。


 これを設定するようになってからは、不自然な動きをするプレイヤーとは当たらなくなって非常に快適にプレイ出来るようになりました。同じように困っている人がいらしたら、参考までにどうぞ。



◇ これから……
 目標にしていた「チャージャーだけでガチマッチに参戦してBまで上げる」を達成したので、いよいよもってチャージャー以外のブキも使い始めようと思います。シューターかローラーか悩んだけど、シューターはチャージャーとの射程距離の違いに戸惑いそうなので、まずはローラーからかなぁ。


 チャージャーで勝てないというプレイ日記を書いた際、優しい言葉をかけて下さったりアドバイスを下さったりという人もたくさんいましたけど、罵詈雑言もたくさん浴びました。その時に「ぜってえチャージャーやめないで勝てるようになってやる!」と心に誓い、ある程度は達成できたと思います。チャージャーだけで「B」まで上がれたように、チャージャーは弱いブキでも難しいブキでもないんです。

 じゃあ、チャージャーだけで「A+」目指せよと言われそうですけど(笑)。
 自分の実力じゃそりゃ無茶でしょうし、もしチャージャーだけで「A+」まで到達できたとして、その後にシューターやローラーを使い始めても「後は落ちる一方」です。ならば、真ん中の「B」で留めておいて、シューターやローラーを使ってみて「上がる」か「落ちる」かを試してみたいなと思ったのです。


 とりあえずしばらくは「ナワバリバトル」で練習して、十分に勝てる自信が付いてから「ガチマッチ」に挑むつもりですけど……ランク20だけど、ローラーは発売前の試射会1時間しかプレイしていないので。「史上最弱のランク20ローラー」としてしばらくは「ナワバリバトル」に挑むことになりそうです。
 しかも、マッチング的には、「チャージャー時代に相手を殺しまくっていた」因果でキル優先の人ばかりと戦うであろうワケで……誰か気軽に合流させてくれる初心者のフレンドとかいませんかねぇ(笑)。


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≫ EDIT

『響け!ユーフォニアム』アニメが描いていたものを原作小説から読み解く

※ この記事は原作小説版『響け!ユーフォニアム』1巻と、テレビアニメ版『響け!ユーフォニアム』全13話のネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。

 『響け!ユーフォニアム』のアニメ放送が終わったので、原作小説の1巻を読みました。
 アニメの制作が始まった頃には原作は1巻まで出ていなかったと思ったので1巻だけ読んでみることにして、実際に原作小説1巻のラストがアニメ版1期のラストまででした。アニメは今後も展開が続くと信じているので(テレビアニメ2期なのか、劇場版なのかは分かりませんが)、2巻以降を読むのはその後にしようと考えています。


 私は、好きな漫画でも小説でも「原作→アニメ(ドラマ、映画なども含む)」の順で観るとどうしても原作と比較してしまって「展開が遅い!」「演出がおかしい!」「好きだったシーンがカットされた!」「原作にない要素が足されてる!」「夜神月がアイドルヲタクってどういうことだ!」と文句ばかり頭に思い浮かんでしまって楽しめません。
 楽しめないものを観るのは時間がもったいないし、その文句をブログとかTwitterに書いても読んでるみなさんを不快にさせるだけでしょうから、最初から「好きな原作のアニメ化(ドラマ化、映画化なども含む)」は観ないようにしています。

 逆に、アニメ(ドラマ、映画なども含む)から入って「面白かったから原作も読んでみようっと」と後から原作を読むと、アニメなどでは描かれなかったシーンがあったり、アニメなどでは分からなかった設定が分かったり、「元はこうだったのか!」と思えてすごく面白いんですね。
 また、『けいおん!』の1期の時なんかは、アニメで印象的だったシーンはほぼ全てアニメオリジナルのシーンだったことに驚き、そうした差を見ることで「アニメのスタッフがアニメ版で描きたかったもの」が分かるのが面白かったんですね。原作は日常4コマだったのが、アニメでは高校生の成長物語になっているだとか。姉妹がイチャイチャするシーンが増えているとか。


 もちろん、この「原作→アニメ」は観ないけど「アニメ→原作」は観るというのは“私にとってのベストな楽しみ方”でしかありませんからね。「みんなもそうしろ!」と押し付ける気はありませんし、みなさんにとってもそれがベストな楽しみ方になるかどうかは責任は持ちません。アナタは私ではないし、私はアナタではありませんもの。

(関連記事:アニメの後に原作を読むススメ
(関連記事:「小説」と「アニメーション」の違い


 なので、私がこの記事で語りたいのは「アニメの後に原作を読むと面白いのか、原作を読んでからアニメを観るのが面白いのか」みたいなことではありません。『響け!ユーフォニアム』というアニメを観終わって、その勢いのまま原作小説1巻を読み終わって、そこで気付いた「原作はこういう話だったのか」「アニメは再構成するにあたってここに焦点を持ってきていたのか」を語りたいのです。

 ということで、アニメの結末までのネタバレは当然書きますし、原作小説1巻のネタバレも遠慮なく書きます。
 出来ればアニメも原作小説も両方チェックした上でこの記事を読んでもらいたいですけど、片方だけ観てる人にもう片方に興味を持ってもらえるかも知れませんし、両方観ていない人にも興味を持ってもらえるかもと思って書きます。


 そろそろネタバレ防止のための尺稼ぎはイイかな。
 この『響け!ユーフォニアム』の原作小説版→アニメ版で追加された要素は、大体こんなカンジです。これらは、1クール13話のアニメとして構成するのに、アニメスタッフが「ストーリーの軸」として考えた要素とも言い換えることが出来ますね。

1.久美子の成長(変化)
2.久美子と麗奈の描写の強化
3.先輩達を始めとする「久美子以外のキャラクター」の掘り下げ


【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ (宝島社文庫)【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ (宝島社文庫)
武田 綾乃

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◇ 口調の違い
 まずは分かりやすいところから。
 原作小説を読み始めて、1ページ目から度肝を抜かれました。

 この作品……原作小説版もアニメ版も舞台は京都なので、原作小説版だとみんな関西弁で喋るんですよ。高坂麗奈は「めっちゃ悔しいねん」と言うし、葉月も緑ちゃんもあすか先輩も香織先輩もみんな関西弁で喋ります。
 唯一、久美子だけは「小学校3年生の頃に東京から引っ越してきた」そうで標準語を喋るのと、先生方も標準語で喋っているみたいですが……基本的に高校生のキャラは関西弁で喋っているのが原作小説版です。それに対してアニメ版は全てのキャラが標準語で喋っています。


 これ……私が仮に元々の原作小説版のファンで、アニメをその後に観ていたとしたら「どうして標準語になっているんだよ!」と文句を言っていたと思います。標準語で喋る麗奈なんて麗奈じゃない!!と。
 で、どうしてアニメ版は標準語なのかというと……恐らく声優さんの問題でしょうね。日本に声優さんはたくさんいるとは言っても、エセではないちゃんとした関西弁を喋ることが出来る声優さんは関西出身者に限られてしまいますし、関西弁と言っても京都と大阪と奈良では微妙に違うなんて話も聞きます。

 なので、アニメの場合、地方を舞台にしたアニメであっても「基本的にはみんな標準語で喋る」「けど、一部に方言で喋るキャラも出てくる」くらいにしてあるのが一般的だと思います。『たまゆら』のほぼろ店主とか、『花咲くいろは』の巴さんとか。
 『いなり、こんこん、恋いろは。』のアニメはメインキャラに関西出身者を起用した上に京都弁の指導を行い、「京都出身者に台詞を喋ってもらったものの録音を声優に聞かせてからアフレコを行う」という二度手間・三度手間をやってまで原作の京都弁を完全再現していたという話でしたが……逆に言うと、それくらい大変なんですよね。アニメで方言を再現するのって。



 「アニメ→原作」の順で読んだ自分は、最初こそすっごい違和感があったのですがすぐに慣れました。むしろ、途中から「どうして久美子だけ関西弁じゃないんだよ」と思うようになったくらいです。地の文は標準語で、台詞だけ関西弁にした方が、久美子の「上っ面だけ周囲に合わせる」キャラクターが表現できたんじゃないかとまで思ったのですが……全員が関西弁だと、どれが誰の台詞だか分からなくなっちゃうか。


 アニメ化の際は、この「関西弁→標準語」への修正だけでなく、細かい口調の修正でキャラクター性をより出しているように思えました。
 例えば、緑ちゃんはアニメ版だと同級生にも敬語で喋るので「お嬢様学校出身」というカンジが強調されていますし。久美子は原作だと「葉月」「緑」「麗奈」と最初からみんなを呼び捨てにしていますが、アニメだと「葉月ちゃん」「緑ちゃん」「高坂さん」と呼んでいて途中から「麗奈」と彼女だけ呼び捨てにすることで“久美子と麗奈の関係が特別であること”を強調しています。この辺は後で詳しく書きます。

 後は、すっごい細かいことなんですけど……先輩達が後輩を呼ぶ際、原作だと「久美子ちゃん」「麗奈ちゃん」といったカンジに名前ベースなのに対して、アニメだと「黄前ちゃん」「高坂さん」といったカンジに苗字ベースに統一されていると思います。香織先輩の「優子ちゃん」だけは例外ですけど。
 これは多分、アニメ版は「1年生同士で呼び合う」のと「先輩が1年生を呼ぶ」のとを分かりやすく区別したかったのかな……と思うのだけど、そう言えば梨子先輩はアニメ版でも「久美子ちゃん」「葉月ちゃん」って呼んでた気がするな。何だろ、分からん。



◇ 原作の黄前久美子と、アニメの黄前久美子
 そろそろ本題。
 アニメの『響け!ユーフォニアム』が何を描いていた話だったのかは、“「吹奏楽もユーフォも何となくで続けていた久美子が、心の底からユーフォを大好きと言えるようになる話」だった”感想まとめの記事に書きました。原作もそういう側面がないワケではないのですが、アニメ版はそれがより分かりやすくなるように様々なシーンが追加されています。

 例えば、アニメ第1話で久美子が吹奏楽部に入るか悩んで、一旦「入ろうと思っていたけど辞めた」と言うシーンはアニメオリジナルです。原作は葉月と緑に「一緒に入るんやんな?」と言われてそのまま流されて入ってしまいます。
 また、アニメ第2話の楽器選びのシーンで、久美子が一旦トロンボーンを志望するけど葵ちゃんと再会したことでユーフォ経験者なことがバレて……というのもアニメオリジナルです。原作だと、どの楽器も選べずに立っているところをあすか先輩と緑に押しきられてそのまま流されてユーフォになってしまいます。

 原作の久美子はひたすら「周りに流される」んですね。自分の意見を持たない。
 アニメの久美子もそういうところがありましたが、原作を読むとアニメはまだ意志のあるキャラだなと思うようになりました。高校デビューをしようとポニテにしたり、吹奏楽を辞めようとしたり、やっぱ入ったり、ユーフォ以外の楽器を選んだり。アニメ版の久美子は「吹奏楽」も「ユーフォ」も一度自分の意志で辞めようとしているんですね。そこからのスタートとなっている。

 高坂さんとのシーンはまた後でも語りますが、3話の『新世界より』を高坂さんが吹くシーンもアニメオリジナルで、4話で久美子がそれを聴いていたことを高坂さんに告げるシーンもアニメオリジナルです。なので、高坂さんを通して久美子が一歩を踏み出せるように成長した描写は原作にはありません。
 なので、4話で夏紀先輩を練習に誘うシーンや、5話で梓ちゃんの誘いを断るシーンも、アニメオリジナルです。原作に比べてアニメは、中盤の時点で明確に久美子が変わりつつあることを繰り返し描いているのです。

 サボテンのシーンや、お姉ちゃんとの絡みもアニメオリジナルです。
 アレらの一連のシーンは「サボテン以外には心を開かない」久美子の心情と、徐々に周りに心を打ち明けていく変化を描いていた要素だと思うのですが……あの辺も全部アニメオリジナルなんですね。

 んで、極めつけは12話。
 急遽ユーフォも吹くことになった箇所に久美子が大苦戦し、必死に必死に必死に練習するのだけど滝先生から外される場面―――そして、「上手くなりたい」「死ぬほど悔しい」と涙することで麗奈のあの時の気持ちに気付くシーン、及びその後にお姉ちゃんに「私ユーフォ好きだもん!」と言うシーンも全てアニメオリジナルです。


 つまり、原作ではあまり重点的には描かれなかった「久美子の成長」を、アニメ版では軸にして描くために「最初はユーフォを辞めさせようとして」「最終的にユーフォが好きだと言わせる」までの過程に再構成したのだと思うのです。だから、アニメで好きだったシーンがアニメオリジナルなシーンだったことに衝撃を覚えつつ、とても納得しました。『けいおん!』1期もそんなカンジでしたしね。



 「じゃあ、原作は中身のないすっからかんな話なの?」と思われたかも知れませんが、そんなことはありません。というか、アニメは「久美子の成長」を王道エンタメとして「良かったね」「感動だったね」と描いていましたけど、原作はそうした変化を成長と捉えることに懐疑的に描かれているように思いました。

 原作の久美子って、アニメ版以上に「超優柔不断」で「周りに流される」キャラとして描かれています。
 先ほど書いた「吹奏楽部に入部した理由」も葉月と緑に流されたからですし、「ユーフォに決まった理由」もあすか先輩と緑に押しきられたからですし。「全国を目指すかどうか」の多数決のシーンで、アニメの久美子はどちらにも挙げないのですが、原作の久美子は「みんなが挙げているから」という理由で全国を目指す方に挙げているのです。
 アニメでは描かれなかったエピソードですけど、原作では入学式の校歌斉唱で「高校ではみんな校歌をマジメに歌うのだろうか」「周りが歌わないのに自分だけ歌ったら浮いてしまう」と周囲を見渡すシーンがあるんですね。つまり、周囲から浮かないことをひたすら気にする性格として描かれているのです。

 んで、この性格はアニメ版だと割と抑えられているように思えるのですが、ところどころに「原作のままの台詞が残っている」ので違和感として覚えていたところがあったんですね。この台詞どういう意味なんだろうとアニメだけ観た時には分からなかった台詞が幾つかありました。
 例えばアニメ6話のAパートラストでソフトクリームを食べているシーン、久美子が「やっぱり抹茶味にすれば良かったかなぁ」と後悔している台詞があります。同じようなシーンが原作にもあるのですが(原作だと相手は梓)、原作の久美子はこれを「優柔不断な性格だから」と自分で語っているんです。吹きたい楽器が選べないように、ソフトクリームの味も即決できない久美子の性格を描写していたんですね。
 ちなみに、アニメ10話にあたる部分で夏紀先輩がシェイクの味を譲らなかったのは、こことの対比でしょう。「ソフトクリームの味も即決できない久美子」と「自分の好きなものを譲らない夏紀」を原作ではしっかり対比しているのです。


 また、アニメだと9話にあたる部分で、秀一にフラれた後の葉月が久美子に「久美子は押しに弱いから自分が先に言えば(秀一のことから)引いてくれるかと思った」と言うシーンがあります。アニメだとこの台詞の意味がよく分からなかったのですが、原作の久美子は部活のことも楽器のことも「人に流されて決める」くらいでしたから、葉月はそれを利用したのです。
 後述しますけど、原作の久美子は確かに「葉月が秀一を誘った」際に「本当は嫌なんだけど譲るしかなかった」的な気持ちが描かれていましたし、原作の久美子は秀一のことが好きなんだろうなと百合原理主義者である私でも思いました。まぁ、ここは後で。


 ということで、原作の久美子はアニメ版以上に「超優柔不断」で「周りに流される」キャラで、アニメ版のように分かりやすくそこが直っていく様子も描かれません。私の印象ですけど、原作1巻のラストでも久美子はそのままだと思いますし、逆にアニメのラストでは久美子はもう「ユーフォが好きだもん」が揺るがなくなっていると思います。だから、アニメ版の方が分かりやすく「久美子の成長物語だった」と言えるのですが……

 ですが、この作品が何を描いていたのかを考えると、原作の方が分かりやすいと思うのです。「超優柔不断」で「周りに流される」久美子を主人公にして描くことで、麗奈だったりあすか先輩だったり吹奏楽部の面々だったりがどうしてそういう行動を取ったのかが分かるのです。
 というか……アニメ版だと久美子が4話の時点で自分で決断して行動できるように成長しちゃっているから、アニメだけ観てもよく分からなくなっちゃった部分もあるんですよね。一番の例は、どうして最終回のコンクール直前にあすか先輩はあんなことを言ったのか?です。あのシーンは原作小説版だとものすごく自然な流れなんです。



◇ アニメ版は「高坂麗奈ルート」である
 あすか先輩の話はこの次の項で語るとして……。

 この話は不快に思う人もいると思うので、まず最初に「その人がした“解釈”こそがその人の“正解”でイイじゃないか」というのを大前提にしておきます。それで、ここから語るのは私の“解釈”で私にとっての“正解”ですが、それを他人に押し付ける気はありません。


 「久美子と麗奈の関係は百合か?」という激論が飛び交っていたそうで、それでつらい思いをしたという人の話を聞いて心が痛くなっていました。異性愛か同性愛かという話を置いといても、「久美子が好きなのは秀一なのか」「それとも麗奈なのか」というカップリング論争とシンプルに考えればそりゃ一筋縄ではいきませんよね。

 んで、その際に「原作の久美子は秀一のことが好きだと思わせる描写があるじゃないか」「だから、久美子と麗奈は百合じゃないだろう」と言っている人を見かけました。私がその際に思ったのは「テメー!ネタバレするんじゃねえよ!」だったんですけど(笑)、実際に読んでみたら確かに原作はそう感じるところは多いです。アニメだとコンクールに向かう直前にグータッチをしていますが、原作だと指を絡ませあって始まるのを待っていたみたいですしね。

 逆に言うと、アニメだと「久美子が秀一のことを好きだと思わせる描写」を意図的に削っているんですね。どっちかというと戦友的に描いているし、「まだ恋愛が始まっていない二人」として描いているように思えます。原作だと秀一は葉月を「他に好きな人がいる」とフっているのだけど、アニメだと秀一は「ごめん」としか言っていませんからね。


 なので、原作の1巻は「秀一ED」と言えると思うのですが。
 アニメの1期はそうは思えなくて、むしろ「麗奈ルート」による「麗奈ED」だったんじゃないのかなぁと思います。

 そのくらい、アニメ版ではアニメオリジナルのシーンとして「麗奈と久美子のシーン」が追加されているのです。
 例えば、中学のあの一件以降、気まずくなってしまった(と久美子が思っている)描写はアニメオリジナルです。なので、喋りかけようとして喋りかけられないとか、謝ろうとして謝る必要あるのか考え直すとかあの辺も全部アニメオリジナルです。原作では、確かにあの一件はあったけれど、それでも会えば普通に話すくらいの関係に最初からなっているのです。

 んで、アニメ版では久美子の意識を変えた3話の『新世界より』の演奏シーンや、4話で麗奈が謝って久美子が自分の気持ちを麗奈に告げるシーンもアニメオリジナルです。あの2つのシーンはお互いがお互いを意識するようになったきっかけのシーンで、これ以降この二人の距離は接近していくんですね。原作にはこの描写がないんです。
 だから、5話の「黄前さんらしいね」もアニメオリジナルだし、6話の「高坂さんらしいね」もアニメオリジナルです。8話の山に登るシーンは原作にもある重要なシーンですが、楽器を持って登るのはアニメオリジナルですし、アニメ版では久美子の唇を麗奈が指で弾いていましたが、原作では頬を滑らせるだけです。明らかにアニメスタッフはここに性的なメタファーを加えていると思うのですが、百合原理主義者の言っていることなんであまり本気にしないでください(笑)。

 先ほども書いたように、久美子が麗奈を呼ぶ時の呼び方が「高坂さん」から「麗奈」に変わるのはアニメオリジナルで、アニメは特にここで二人の関係性が変わったことを強調しています。

 原作でも久美子は麗奈と一緒にいると安心するようなことを言っていますが、そもそもアニメ版のように「誰にも心を開かなかった久美子がサボテン以外にも心を開けるようになる」成長が原作にはありません。
 なので、アニメでは9話にあたるオーディション直前に夏紀先輩のことで動揺している久美子を麗奈が支えるシーンはアニメオリジナルですし、逆に11話の再オーディション前に久美子が麗奈を支えるシーンも、久美子だけが真っ先に麗奈に拍手をするシーンもアニメオリジナルです。12話自体がアニメオリジナル回なので、久美子の練習に麗奈が付き合うのも、久美子が外されて落ち込んでいるのも、そこに着信履歴を麗奈がめっちゃ残すのも、その後に「今から会えない!?」と言うのも全部アニメオリジナルです。

 アニメを観た後に原作を読むと、原作は「序盤で高坂さんのフラグを立て損なったせいで高坂さん関連のイベントを全然回収できていないじゃないか!」というカンジがするんですね。これがゲーム脳です(笑)。
 逆に言うと、この原作をアニメとして再構成する際に、アニメスタッフは「久美子の成長」を一つ目の軸にして、じゃあどうやって久美子を成長させるのかを考えた結果、二つ目の軸として「麗奈と支え合う関係になる」描写を増やすことで久美子の成長に説得力を持たせたんじゃないかと思うのです。


 なので、「原作の久美子と麗奈は百合ではない」という意見は頷けるのですが、「だからアニメの久美子と麗奈も百合ではない」という意見は頷けないのです。明らかにアニメ版はこの二人の関係性に重点を置いて描いているし、原作とは違う関係性になっていると思うのです。

 逆に秀一の方は……というと、アニメ化にあたって足されている秀一のシーンは主に「滝先生に怒られているシーン」です(笑)。これは別に「滝×秀」だとかそういう話が言いたいのではなく(言いたい気もするけど)、アニメ版の秀一は「上手くなりたい」と努力する描写が原作以上に繰り返し描かれているのです。
 それを久美子が遠くから見て「上手くなりたいよね……」と一人呟くシーンや、12話で橋の上から「上手くなりたい!」と二人が叫ぶシーンもアニメオリジナルです。んで、13話のコンクール直前のシーン、原作では指を絡ませているところを、アニメではグータッチに変えられています。

 だから、私は「アニメ版の久美子と秀一は戦友のような関係」だと思うんですね。
 アニメ版の久美子と麗奈のように支え合う関係ではなく、互いに努力している姿を遠くから見て「自分も頑張ろう」と思える関係。もちろんここから恋愛感情が生まれる可能性もあると思いますし、これから先どうなるかは分からないのですが、明らかに原作から描写が変えられているのだから「原作がこうなんだからアニメもそうだろう」とは言えないと思います。



◇ 何故、この吹奏楽部は変わったのか?
 さて、いよいよ本丸に切り込みます。

 先ほど私は「原作の久美子と麗奈は百合ではないと思う」と書きましたが、じゃあ『響け!ユーフォニアム』の原作には百合描写がないかというとそんなことはなく、むしろ原作の方が「吹奏楽部は女性が女性をアイドル視する空間」と明言されています。アニメでは優子先輩くらいでしたが、原作ではその他の女子部員も香織先輩やあすか先輩にメロメロだという描写があります。

 その香織先輩も、原作だとアニメ以上にあすか先輩への想いがガチっぽいように描かれていますし。あすか先輩も「(あがた祭りは)香織とデート」と二人であがた祭りに行っているんですね。アニメだと晴香先輩と三人で行っていたのに。
 じゃあ晴香先輩はどうなのかというと……原作だと久美子が晴香先輩の首筋にキスマークのようなものを見つけるシーンがありますし、どうもそれを付けたのはあすか先輩じゃないかと思わせる描写もあります。

 え?何?
 アニメだと三人仲良くキャッキャッしてたのに、原作だと泥沼三角関係なの?


 と、1巻の時点では思いました。
 アニメだと「香織先輩―晴香先輩」の友情が繰り返し描かれていましたし、一番の理解者みたいな描き方でしたよね。実は原作1巻ではこの二人の関係はほとんど描かれていないんです。これは2巻以降どうなるのか、アニメも2期をやるとしたらどうするのか……


 原作だと久美子の一人称で話が進みますが、アニメではその他の部員にもしっかりとスポットが当たっていて、それぞれのキャラの考えが描かれて、それが久美子に影響を与えていたように思います。先ほどの「滝先生に怒られる秀一」もそうですし、6話で葉月が「チューバが好きだ!」と言う展開もそうですし、ついさっき書いた香織先輩と晴香先輩の友情もそうですし、優子先輩と夏紀先輩の仲良し具合もほぼアニメオリジナルです。

 というか、原作の優子先輩は割とカンジワルイまま1巻が終わっちゃうのよね……
 アニメは夏紀先輩を上手く使ってフォローしてあったと思います。



 さて、その夏紀先輩……原作とアニメで一番違う立ち位置のキャラでした。
 原作には、アニメ3話の高坂さんが『新世界より』を吹くシーンがなく、なので4話でそれを久美子が麗奈に告げるシーンもないことは繰り返し書いてきました。そのため、原作の久美子は「自分の意志で一歩を踏み出す」ことが出来ず、アニメ4話で夏紀先輩を練習に誘う場面がありません。

 先ほどの表現を引きずるのならば、原作の久美子は「夏紀先輩フラグ」を立て損なっているので、原作だと最後まで夏紀先輩は練習に本気にならないのです。
 夏紀先輩がユーフォを持ち帰って練習をするのも、オーディション前に必死に練習しているところを久美子が目撃してしまうのもアニメオリジナルのシーンです。原作の夏紀先輩はそんなに練習していません。オーディション後にシェイクをおごってもらうシーンは原作にもありますが、「来年一緒に吹こう!」と楽譜に書いてもらって久美子が泣くという一連のシーンはアニメオリジナルです。そもそも原作の久美子は他人にそこまで心を開いていないので、コンクールの発表まで泣きませんからね。


 で、原作ではこのシェイクをおごってもらうシーンで夏紀先輩が何を喋るのかというのが……実は、この『響け!ユーフォニアム』という作品の根幹にあるものだと思うのです。ここの会話はアニメ版ではカットされています。入れようと思えばどこかに入れられたと思うのですが、恐らく意図的に削っているんです。
 アニメの感想でも、とある人が「どうして下手くそだった吹奏楽部がいきなりこんな上手くなるんだよwww」と言っているのを見かけたことがあります。私は「アニメってそういうもんじゃん。そんなとこにケチ付けてたら始まらないじゃん」と思っていたのですが……原作だと、しっかりとここに理由付けがされているんですね。

 1年前、ちゃんと練習しようと言ってきた当時の1年生を無視して辞めさせて。
 4月の段階では新入生にも「下手すぎる」と言われるような演奏しか出来なくても何とも思っていなかった吹奏楽部が……

 どうしていきなり一生懸命練習して、オーディションに落ちたからといって泣き出すほどに真剣になったのか?



 原作の夏紀先輩はそれを「空気」だと表現しました。
 この吹奏楽部は「みんなが練習をサボるのなら自分もサボる」けど、「みんなが一生懸命練習しているのなら自分も一生懸命練習する」だけ―――つまり、誰も自分の意志なんて持っていなくて「周りの空気に流されているだけ」なんだと夏紀先輩は言うんですね。

 これ、まさに原作の久美子がそういうキャラなんです。
 校歌斉唱を「みんなが歌っていないのに自分だけ歌ったら浮いてしまう」と周囲を気にして、みんなが「全国を目指す」方に挙げているから自分もそっちに手を挙げて、どこの部活に入るのかもどの楽器を吹くのかも他人任せ、練習しない先輩達の陰口を言う秀一にも「別にそれでイイじゃん」と思ってしまうのが原作の久美子なんです。それが、みんなが必死に練習する空気になると自分も必死に練習して、最終的には「ユーフォが大好き」と思ってしまう……

 アニメはそれを「久美子の成長」と描いていたように思います。
 何にも夢中になれなかった久美子が「死ぬほど悔しい」と涙して、「ユーフォ好きだもん」と言えるようになって、それは成長だったし「青春ってイイね!」「頑張るのってイイね!」という感想を持った視聴者も多かったことでしょう。アニメはそういう方向で描いていたと私も思います。

 しかし、原作は「それも周りの空気に流されただけだよね」と描いているのです。



 思えば、『響け!ユーフォニアム』という作品は、この「周りの空気に流されること」と「それに反発すること」を描いていた作品だったと思うのです。
 原作でも重要なシーンですし、アニメでも8話で描かれた「あがた祭り」で久美子と麗奈が山に登るシーン……麗奈は「みんながお祭りに行っているのに、私達だけ山に登っている」という“特別”になろうとしていました。「周りの空気に流される人間」ばかりの中、自分達だけはそうではないとあろうとしました。


 原作での夏紀先輩も、その流れに乗れなかった一人です。
 アニメだと4話で久美子に声をかけられて、それ以降は一生懸命に練習する夏紀先輩ですが……原作だと彼女は一生懸命練習しません。急にやる気を出した吹奏楽部内でも「部活の変化についていけへんねんなあ」とマイペースで、オーディションに落ちても全く気にしていませんでした。


 葵ちゃんの行動も、この文脈から考えればよく分かります。
 彼女は、こうした「周りの空気に流される」ことに耐えられなかったのです。1年前は「やる気のないみんな」に反発して辞めていく1年生を必死に引きとめて、それが適わず、なのに「急にやる気になったみんな」に耐えられなかったのです。多数決のシーンで「全国を目指さない」方に挙げたように、彼女はこの流れに真っ向から逆らおうとしたのです。

 ニコ生だったかで、久美子役の黒沢ともよさんが「(アニメの)最終回に葵ちゃんが出なかったのがつらかった」と言っていましたが……何も考えずに作っていたら、最終回のコンクールを葵ちゃんが観に来て拍手をするシーンとか入れることだってあると思うんですね。別の道を進んでしまった吹奏楽部と葵ちゃんだけど、最終回で繋がったね、みたいな。『けいおん!』の純ちゃんとかはそうしていたワケですし。
 でも、この作品でそれはしてはいけないことだった―――葵ちゃんは「周りに流される」ことなく「自分の意志」で吹奏楽部を去ったのです。最終回、「コンクール頑張ったね!」「青春ってイイね!」「吹奏楽部最高だね!」とまとまっている吹奏楽部の中に、その流れを嫌った葵ちゃんが混じってはいけないのです。

 原作だと、アニメ以上に久美子と葵ちゃんの距離感は露骨に描かれていて……
 葵ちゃんは久美子となるべく関わりたくないと思っていて、久美子は葵ちゃんは自分には上っ面でしか喋っていないと思っていて、「周りに流されるだけの久美子」と「それに反発する葵ちゃん」の溝を生々しく描いているんですね。




 そして。ようやく書けます。
 あすか先輩は、どうしてコンクールの直前にあんなことを言ったのか?
 そして、関西大会出場が決まった後、どうしてアニメ版ではあんな表情をしたのか?

 前者は原作にもあるシーンですが、後者はアニメオリジナルの描写です。
 アニメ版だとよく分からなくて感想まとめの記事で時間かけて考察したのですが、原作を読めばとてつもなく分かりやすかったです(笑)。基本的にはあの記事に書いた私の考察と、それほど差はないです。

 あすか先輩だけは、「周りの空気」なんて関係がないんですね。
 原作での夏紀先輩の話によると、みんながマジメに練習しなかった1年前もあすか先輩だけは一人ものすごく練習をしていて、でも「マジメに練習しましょう」と言って無視されてしまった当時の1年生達の味方をしたワケでもなかったのです。彼女は自分のためにしか練習しないので、それを他人に強要しないし協調もしません。夏紀先輩が練習サボってても文句を言わなかったくらいですからね。

 アニメ版のあすか先輩はまだ周りを気にかけていて、葉月に練習しろと発破をかけたり、久美子に稽古をつけたりしてくれていましたが、あの辺は全部アニメオリジナルのシーンでした。なので、違和感があったんですね。
 葉月が秀一にフられた後にやる気をなくしてしまうシーンが原作にあるのですが(アニメだとスランプに陥るのは緑ちゃんですが)、その際にあすか先輩は「うちが助けるメリットなんてないやん」とあっさり見捨てるんです。彼女にとって「周り」なんてそんなものだ、と。


 だから、コンクール直前に「これが最後なんて寂しいね」と言ってしまうんです。
 彼女は「周りの空気」なんて気にしていないから、みんなが必死に全国を目指して練習をしていたことなんて意識していなかったのです。ここで久美子が「私達は全国に行くんですよ!これが最後じゃありません」と言うシーン、アニメだと久美子がここまで言えるくらい成長したのかーと思えたのですが、原作では印象はむしろ逆で。久美子ですら「周りに流された」結果、そんなことを言ってしまうくらいになってしまったのか……というシーンに思えました。




 麗奈は、「特別」になりたい人だった。逆に考えれば、まだ「特別」にはなっていない。
 だから、彼女は意識して他人と違うことをしようとした。

 (原作の)夏紀先輩は、ただ「周りの空気」についていけないだけだった。
 チョコのシェイクを譲らないように、自分を変えることが出来なかった。

 葵ちゃんは、「周りの空気」に反発した。
 「周りの空気に流されて」やる気のあった1年を追い出し、なのに今更やる気を出している部に耐えられなかった。


 しかし、あすか先輩はどれでもない。
 「特別」―――「周りの空気」など関係なく、自分の意志を持って、他人がどうであっても気にもしない孤高の人間。だから、「正直言って、心の底からどうでもいいよ。誰がソロとか、どうでもいいこと」と言ってしまう。




 ホントに?


 久美子は実は勘付いているのです。「みんなに笑顔を振りまくあすか先輩」の姿だけでなく、「誰の味方もせずにただただ音楽にだけ集中するあすか先輩」という像も彼女が作り出した“仮面”でしかなくて、その奥には人間らしさがあるのではないだろうか―――だから、久美子は原作でもアニメでも“仮面”という言葉を使ったのだと思うのです。久美子自身も「周りに合わせるイイコちゃん」の“仮面”を付けて生きてきたのだから、それが分かるのだと思います。
 アニメ最終話、最後の最後に見せたあすか先輩の表情というアニメオリジナルのカットは、久美子が剥ぎ取れなかった仮面の奥にある「人間らしさ」を視聴者だけには見せたのではないかと私は思いました。




 原作にあった“「周りの空気に流されること」と「それに反発すること」”は、アニメ版では大分薄められていると思います。アニメ版は「久美子の成長物語」として再構成させるために、久美子は自分の意志で踏み出せるようになったし、夏紀先輩も一生懸命練習していたし、久美子と葵ちゃんは原作ほど溝を感じる関係でもありませんでした。「周りの空気に流されること」も、割と肯定的に描かれていたのがアニメ版だったと思います。

 だから……原作にあった「多面性」というか「深み」を削ってでも、アニメ版は分かりやすい王道エンタメ「成長物語」な青春作品に徹したと言えるのかも知れません。

 しかし、あすか先輩だけは「特別」なんです。
 「周りの空気に流されない」存在として、アニメ版でも最後の最後まで徹底して描かれたのです。だから、アニメだけ観ている時にはどういう意味だか確信が持てなかったのですが、あれはアニメ版が原作に敬意を払って残した“原作にあった「多面性」”だったんじゃないかと私は思いました。



 そういう意味では、
 「原作小説版」と「アニメ版」は、同じような出来事が起こりながら、全然違うドラマが描かれているメディアミックス展開だったなと思います。どっちがどっちはそれぞれお好きな方を選んで欲しいのですが、片方が「通常エンディング」で、もう片方が「TRUE END」みたいなカンジ。

 個人的には、どっちにも良さがあって、どっちも観て良かったと思っています。



 が……この「アニメ化に際して付け加えられたオリジナル要素」は、今後アニメも続いて2期とか劇場版とかが作られた際に、原作との乖離が生まれるんじゃないのかという心配もあります。それこそ『けいおん!』が直面した問題に、この作品も直面してしまうのかと。

(関連記事:「原作が絶賛連載中」作品のアニメ化による物足りなさ
(関連記事:「原作通り」を再現するアニメと、「原作とは違う物語」を描くアニメ

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≫ EDIT

任天堂のIP戦略に感じる不安

 もう随分と時期遅れですけど、E3の話題です!
 今年の任天堂のラインナップは、ここ最近ウチで話題にしていたことにも通じるラインナップになっていたのでとりあえずそれだけでも触れます。「やまなしさん、確か『トリコ』目当てにPS3買っていましたよね……」という話題には触れないで下さい!


 任天堂 E3 2015情報

 昨年のこの場で『Splatoon』が電撃発表され、ネット上でも話題騒然、1年後の発売まで「楽しみだねー」と言われ続け、発売後も「楽しいねー」と言われ続けているくらいですから……「今年も『Splatoon』みたいに電撃発表されるタイトルがあるのでは?」と期待を集めていたのだと思います。その期待の大きさ故に、デジタルイベントの映像配信終了後のタイムラインは「過去最大級にガッカリした」という声までチラホラ見かけるほどでした。

 私もご多分にもれずガッカリした一人なのですが、「何故ガッカリしたのか」を考えてみると面白い話だなと思ったのです。




 では、このデジタルイベントの映像で紹介されたゲームソフトを振り返ってみましょう。

Wii U『スターフォックス ゼロ』
・Wii/3DS/Wii U『Skylanders SuperChargers』
 ※ サードメーカーのタイトル ※ マルチタイトルだけど任天堂版は任天堂キャラが参戦
3DS『ゼルダの伝説 トライフォース3銃士』
3DS『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ』 ※ 移植モノ
3DS『METROID PRIME: FEDERATION FORCE』
3DS『ファイアーエムブレムif』
Wii U『幻影異聞録♯FE』
・Wii U『ゼノブレイドクロス』
3DS『どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー』
Wii U『どうぶつの森 amiiboフェスティバル』
Wii U『ヨッシー ウールワールド』
・3DS『妖怪ウォッチ』 ※ シリーズのどれか私には分かりません
  ※ 日本ではレベルファイブから発売されているけど、海外では任天堂から発売
3DS『マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX』
Wii U『マリオテニス ウルトラスマッシュ』
Wii U『スーパーマリオメーカー』
※ E3での初公開タイトルは太字にしてあります

 こうして見ると分かりやすいのですが、任天堂は今回のE3で『ゼルダ』と『メトロイド』と『どうぶつの森』の新作を初公開しているんですよ。これだけ見ると、ものすごいサプライズだったように思えます。ただし、全て「外伝」です。

 『ゼルダ』や『メトロイド』や『どうぶつの森』の「本編」が作り上げた世界観やキャラクターを利用して、また別のゲームを作ろうとしているソフトばかりなんですね。もはやそれが新しいシリーズになっているとも言えますが、『マリオ&ルイージ』や『マリオテニス』も本編である『スーパーマリオ』シリーズからの派生タイトルと言えるでしょう。
 そう考えると……初公開タイトルに限らず、今回の任天堂のラインナップは「外伝」ばかりと考えられます。日本で既に発売済みの『ゼノブレイドクロス』と(『妖怪ウォッチ』も?)、この後に発売された『ファイアーエムブレムif』を除けば、本編タイトルと呼べるのは『スターフォックス ゼロ』くらいでしょう。私が楽しみにしている『幻影異聞録♯FE』や『スーパーマリオメーカー』だって、『ファイアーエムブレム』や『スーパーマリオブラザーズ』というIPを利用した「外伝」タイトルです。


 新規IPのゲームは本当に減っているのか?(任天堂編)

 これは5月に書いた記事です。
 「新規IPのゲーム」、「既存のIPを使った新しいシリ-ズソフト」、「続編」の三種類に分類していったのですが……この視点で考えると今回の任天堂のE3へのガッカリは大きく分けて二つあると思うんですね。

 一つには、『Splatoon』のような「新規IPのゲーム」が出てこなかったこと。
 もう一つには、「既存のIPを使った新しいシリ-ズソフト」ばかりで「本編の続編」が出てこなかったこと。

 私は前者の理由でガッカリしていましたが、恐らく後者の理由でガッカリしている人もかなりの数がいるんじゃないかなと思います。『どうぶつの森』の本編が発表されなかった、『マリオギャラクシー3』が発表されなかった、『メトロイドプライム4』作っていないのか……ってなカンジで。


 「E3は北米のトレードショーなんだから、日本人が楽しめるものでは元々なかっただろう」という意見もあるでしょうし、任天堂も「ネットで見ている人は不満だったようだが現地で実際にプレイした人は喜んでいた」と言っているのですが、私はむしろ「これで北米のクリスマス商戦を戦うつもりなの……」と思ってしまいました。特にWii Uに関して。

 日本はWii Uに限らず、据置機は全滅状態だから大して気にすることじゃないのかもですが。海外では他の据置機と比べてWii Uは大苦戦中で、サードメーカーのソフトもマルチタイトルから省かれることも多々多々多々多々あるくらいです。その状況のWii Uがこれからクリスマス商戦を戦うのに、このラインナップで大丈夫なんですかね。

 『スーパーマリオメーカー』『どうぶつの森 amiiboフェスティバル』『マリオテニス ウルトラスマッシュ』『スターフォックス ゼロ』……『幻影異聞録♯FE』は海外だと2016年発売予定なので、クリスマス商戦には間に合いません。
 今まで2D『マリオ』、3D『マリオ』、『マリオカート』、『スマッシュブラザーズ』を出してもWii Uを買ってこなかった人達にWii Uを買ってもらうのに、このラインナップで「行ける!」と思っているのですかと言いたい。


 「他所は来年以降に発売するソフトの映像出展が多かったけど、ウチは今年発売するソフトのプレイアブル展示に絞ったんですよー」と堂々と言っていますが、そういうのは“今年発売するソフト”がちゃんと揃えられた時に有効な手であって、“今年発売するソフト”が揃っていない時に言っても言い訳にしか聞こえません。「来年から本気出す」みたいな。
 「『Splatoon』のためだけにWii U本体買うのもなー」と躊躇っている人の背中を押すためには、来年発売だろうが、まだ映像しか見せられなかろうが、「人気シリーズの本編」が発売すると明言しておくべきだったと私は思います。この映像のラストに、『どうぶつの森』とか『マリオギャラクシー』の新作が顔見せされるだけで全然違ったと思いますもの。





 というか……「見せなかった」ことによって、こう思った人も多いことでしょうよ。

 任天堂はもうWii Uのソフトを作っていなくて、NX用のソフトの開発にシフトしているんじゃないの?って。

 開発に3~4年はかかってしまう『どうぶつの森』の新作を発売するのならば、もうこれ以上は普及しそうにないWii U用で作るのではなく、今後会社を背負っていく命綱になるであろうNX用に『どうぶつの森』の新作を出してスタートダッシュから一気に普及させたい――――普通の会社だったらそう考えるでしょうし、そうするのが会社として生き残るには賢い選択だと私でも思いますもの。

 「そうじゃないですよ、Wii U用にも『どうぶつの森』作っていますよー」というのならこのタイミングで見せなければ意味がありませんし、見せないということは作っていないという可能性も十二分どころか十五分くらいありえます。実際、Wii U用の『メトロイドプライム』は作っていないらしいですしね。



 と、ここまで散々愚痴ってきましたが……
 私個人の好みとしては、「好きなゲームの続編」にはあまり興味がないので「シリーズ本編の続編」が発表されなかった(=作られていない?)ことは割とどうでもイイと思っています。「このラインナップじゃクリスマス商戦でボロ負けするんじゃないか」ということも、今からWii Uがどんなに売れたとしてもサードメーカーが「Wii U売れてるみたいだからソフト作りますね!」と考えてくれるとは思いませんし、自分にとってはあまり関係のない話です。


 私が気になるのは、「新規IPのゲーム」が出てこなかったことです。
 どうして「既存のIPを使った新しいシリ-ズソフト」ばかりだったのか?

 これ、きっと任天堂の「IP戦略」の一環だと思うんですね。


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 今から1年半前の2014年1月の経営方針説明会で、任天堂の岩田社長は「キャラクターIPの積極的活用」について触れています。

<以下、引用>
 より具体的には、自社キャラクターIPのライセンスビジネスに対して、適切なパートナーを能動的に探すことも含め、より積極的な展開を行うということです。実際に、アメリカでは、キャラクターマーチャンダイズの商品展開を、1年ほど前から積極的に展開しています。
 また、これまでライセンスしないと決めていた分野、例えば、デジタル分野におけるライセンスなども、直接の競合関係ではなく、Win-Winでやっていけるものについては、例外とせずに柔軟に対応していきます。
 このような活動を世界で進めていくことで、任天堂キャラクターを、ビデオゲーム・プラットフォーム以外の場でも、より多くの人の目に触れるようにしていくことを目指していきます。

</ここまで>
※ 強調など、一部引用者が手を加えました


 経営的に厳しかった任天堂が発表した施策の一つだったので、当時の私は「グッズを出すことで小金を稼ぐのかな」くらいにしか思っていなかったのですが……ここから1年半が経過した今になって思うと、全ては繋がっていたんだなと思うことがあります。

 まず、2014年5月には「キャラクターIPの活用方法」の例として(後の)amiiboが発表されています。

 2015年3月のDeNAとの業務・資本提携の発表の際には、任天堂IPを活かしたスマートデバイスでのゲームビジネスの展開について触れられています。
 これは“任天堂IPの価値を最大化させていく取り組み”として行われることで、同様の試みとして「任天堂IPの映像コンテンツ化」「任天堂IPのキャラクター商品化」も計画されていると発表されています。海外で『ゼルダ』の実写ドラマ化が噂されていたみたいですが、任天堂のスマホ進出はそれと同様の施策なんですね。つまり、「スマホ向けにゲームを出すから全く新しいスマホ向けのIPを作る」のではなく、「既存のIPを活用したスマホ向けゲームを出すことでIPの認知度を上げたい」ってことなんですね。

 2015年5月、「ユニバーサル・スタジオ」の運営会社と任天堂の提携が発表されたことにより、任天堂IPを使ったアトラクションが登場することが予想されています。



 一見すると無関係のように思えるこれらの展開は、「任天堂IPの活用」という点で繋がっているのです。分かりやすく言うと、「任天堂のゲーム機を持っていない人にも、任天堂のゲームキャラクターに馴染んでもらいたい」ということだと思います。
 例えば、ウチの6歳の甥っ子は家庭の教育方針でゲーム機を与えられていないんですけど、マリオのことは知っていてマリオがTVCMなどで映るとハシャぐんですね。マリオは現在でも別格の知名度だと思いますが、その他のキャラクターも同様に知ってもらうことがこれらの戦略の目的じゃないかと思われます。『ポケモン』とか『妖怪ウォッチ』のアニメなんかもそうだと思うんですが、まずはゲーム以外の入口で親しんでもらい、そこからゲームに触れて欲しい―――ということですね。

 よくある笑い話ですけど、「『ゼルダの伝説』の主人公ってゼルダじゃないんだよ」とか「『メトロイド』の主人公ってメトロイドって名前じゃないんだ」みたいな話って……それらのゲームを遊んだことがない人には、それらのゲームキャラクターが知れ渡っていないという話ですからね(それも『スマブラ』が出来て以降は変わったとは思いますが)。



 で、この話が今年のE3のラインナップにどう重なるのかというと……
 せっかく「ゲーム以外の入口で親しんでもらい、そこからゲームに触れて欲しい―――」と任天堂IPをゲーム以外の分野に解放しているのに、肝腎の「ゲーム」で任天堂IPが使われるゲームが出ていなかったら本末転倒じゃないですか。

 例えば、スマホで「メトロイド」を使ったアプリが大ヒットするとします、USJで「メトロイド」のアトラクションが凄まじくて大人気になるとします、「メトロイド」キャラのamiiboが次々と発売されて、海外でも「メトロイド」の実写ドラマ化が発表されて――――という事態になったとします。しかし、肝腎の『メトロイド』シリーズのゲームがWiiの『Other M』(2010年発売)以降出ていなかったら本末転倒なワケです。「せっかくメトロイドに興味持ったのに、ゲームが出てないじゃん!」と。
 だから、「外伝」であろうがなんだろうが、「新規IPのゲーム」ではなく「メトロイドの名を使ったゲーム」が出てくるのだと思います。自分は『メトロイド』シリーズ詳しくないんで、アレでイイのかとかは知りませんが。


 『どうぶつの森 amiiboフェスティバル』はもっと分かりやすいと思います。
 『どうぶつの森』は現在でも既に『マリオ』『ポケモン』と並ぶ任天堂のキラータイトルで、キャラクター人気も高いことと思われます。だから、amiiboを発売してamiibo自体も売りたいし、反対に「ゲームソフトはゲーム機がないから買ってあげられないけどフィギュアなら買ってあげてもイイか」とamiiboを入口にしてもらえる子どもも出てくると思うんですね。

 しかし、肝腎の『どうぶつの森』本編のゲームは開発にものすごく時間がかかるのでポンポンと出せるものじゃないんですね。今現在発売されている最新作の3DS版は2012年発売ですから当然amiibo非対応ですし、現在作っているであろうWii U版なのかNX版はいつ発売になるか分からない状態です。
 せっかく『どうぶつの森』のamiiboを発売したのにそれを使えるゲームがないし、amiiboきっかけで『どうぶつの森』に入った子どもが遊ぶゲームがないのです。

 なので、3DSの『ハッピーホームデザイナー』とWii Uの『amiiboフェスティバル』が出るのです。言葉は悪いですが、本編までの“つなぎ”という役割もあるでしょうし、amiiboを買ってくれた人に向けたサービス的な意味合いもあるのでしょう。『amiiboフェスティバル』はソフト自体は無料ダウンロード可能で、『どうぶつの森』のamiiboを持っていることで遊べるようになるソフトみたいですしね。



 こう考えると、「新規IPを使ったゲーム」ではなく「既存のIPを使ったソフト」が増えるのは会社全体の方針でしょうし、今後も続いていくことが予想されます。

 ただ、これで大丈夫なのか?という不安が私にはあるのです。
 『Splatoon』が発表された時、発売される前、発売された後、私も含めて絶賛していた人達は「マリオやMiiに頼らない新しいIPでの新しいゲーム体験を提供してくれたこと」を絶賛していたじゃないですか。「既存のIPの活用」ばかりが続けば、『Splatoon』みたいなゲームは出てこなくなってしまいます。


 また、「既存のIPの活用」として「外伝」ばかりを出すと、逆にその価値を落とすことになるのではないかという不安もあります。それこそ『METROID PRIME: FEDERATION FORCE』に対してシリーズのファンの一部が「こんなのはメトロイドじゃない」と怒ったように、Wii U版『どうぶつの森』が本編ではなくすごろくだったことに落胆した人が多かったように……「とりあえず出しただけ」のソフトだったら、むしろファンが離れていってしまう可能性もあると思うのです。
 いや、実際に遊んでみたらすげー面白くてファンが倍増という可能性もあるので、今の段階では何とも言えませんけどね。


 あと、シンプルな話ですけどamiiboって親御さん受けがあんま良くなさそうだなーとも思うんですね。
 定価はとても安いですが、そもそも売ってないし。ネットで買おうとしても転売価格で馬鹿高いし。
 カード型のamiiboならば生産の手間が抑えられるので転売価格にもならないかも知れませんが、『どうぶつの森』のamiiboカード「100種類の中からランダムで3枚入ってて300円」という、お目当てのキャラが出るまで買い続ける気すら起きない仕様な上に。これが第1弾で、第2弾も出ます。

 というか、今Amazon見たらカード型のamiiboもオール転売価格で定価より遥かに高い価格になっていますね。発売したらガンガン生産してもらって価格が落ちてくる可能性もありますが……そうじゃなかったら、一体ホント何なのだamiiboって。



 今回のE3は任天堂にとっては“ハザマ”のタイミングだったのだと思います。
 2D『マリオ』も、3D『マリオ』も、『マリオカート』も、『スマッシュブラザーズ』も3DSとWii Uで既に発売されて、しかしWii U版の『ゼルダ』や『どうぶつの森』(作っているのかも微妙だけど)は間に合わなかった―――結果的に、本編タイトルが『スターフォックス ゼロ』だけになってしまったのだからそりゃ寂しいものがあります。そこには同情する気持ちもあります。

 しかし、私が漠然と思った「不安」はそこではありませんでした。
 「既存IPの活用」を積極的に行うと言っていた結果が、このラインナップなのか……という不安を感じたのです。「4人協力プレイで大型モンスターを捕獲するメトロイド」とか「キャラクターを使っただけのすごろくでしかないどうぶつの森」とか「4つの剣から1人減った!なゼルダの伝説」とか、割とフツーだなぁと思ってしまったのです。任天堂以外の会社も作りそうな“よくあるゲーム”に、任天堂IPを当てはめているだけという印象を受けました。


 「外伝」をやるからには、もっとハッチャケたことやればイイのに!
 『幻影異聞録♯FE』のハッチャケ具合を見なさいよ!クロム、何があったんだよ!




 段々何を書いていたのかよく分からなくなってきたので、そろそろまとめます。
 私が今回の任天堂のラインナップに感じた不安は以下の通りです。

・このラインナップしか発表出来ないとは、もうWii Uのソフトを作っていないのかもなぁ
・「既存IPの活用」に力を入れる以上、「新規IPのゲーム」は今後も出てこなさそうだなぁ
・その「既存IPの活用」した初公開タイトルが、「どこかで見たようなゲーム」ばかりだなぁ
・チキが可愛すぎて『幻影異聞録♯FE』が発売されたら俺、死ぬかもなぁ


 そんなカンジだったのです。

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アニメ『響け!ユーフォニアム』各話感想メモまとめ(1話~最終話)

 春アニメ感想まとめ、最後はこちらです!
 最後の最後にとてつもないのが来てしまいました!果たして夏アニメが始まる前に書き終わっているのでしょうか、この記事は!

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・「まとめ」という記事タイトルですけど、まとめるのは「私の感想」だけです。「みんなの感想」をまとめるのが目的の記事ではありません
・私はまだ原作を読んでいないので、コメント欄などに原作のネタバレを書き込むのはやめてください
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな


 今回の記事も長くなることが予測されるので格納しました。
 続きは「続きを読む」を押してもらえれば表示されます。ではでは。

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