やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

2017年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2017年03月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

『三ツ星カラーズ』1~3巻が面白い!/クソガキ女子小学生ってやっぱりかわいくて面白い!

 2017年一発目の漫画レビューはこちらです!
 「買ったままずっと読んでいなかった」のだけど、このタイミングでこの作品を読めて本当に良かった!


【三つのオススメポイント】
・上野の街を舞台に、女子小学生3人が走り回る!
・クソガキだけど、女子小学生ってやっぱりかわいい!
・大人たちも楽しそうでワクワクする!


【紙の本】
三ツ星カラーズ (1) (電撃コミックスNEXT) 三ツ星カラーズ (2) (電撃コミックスNEXT) 三ツ星カラーズ3 (電撃コミックスNEXT)

【キンドル本】
三ツ星カラーズ1<三ツ星カラーズ> (電撃コミックスNEXT) 三ツ星カラーズ2<三ツ星カラーズ> (電撃コミックスNEXT) 三ツ星カラーズ3<三ツ星カラーズ> (電撃コミックスNEXT)


【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:×
・恥をかく&嘲笑シーン:×
・寝取られ:×
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×


◇ 上野の街を舞台に、女子小学生3人が走り回る!
 この作品は、月刊コミック電撃大王にて2014年からカツヲ先生が連載しているショートギャグ漫画です。

 『ひとりぼっちの○○生活』1~2巻が面白い!/作れ!友達ハーレム!

 カツヲ先生の作品と言えば、このブログでも猛プッシュしている『ひとりぼっちの○○生活』が有名ですが、作品としての方向性は対照的です。

・『ひとりぼっちの○○生活』は4コマ漫画、『三ツ星カラーズ』は普通のコマ割りの漫画
・『ひとりぼっちの○○生活』は笑いあり涙ありな総合力が魅力、『三ツ星カラーズ』はギャグ一点突破
・『ひとりぼっちの○○生活』は友情賛歌であり“良い子”たちの話、『三ツ星カラーズ』は“クソガキ”たちのいたずら話
・『ひとりぼっちの○○生活』はどんどん友達を増やしていく話なのでキャラが増えていくけど、『三ツ星カラーズ』はずっと同じメンバーでの日常が描かれる


 「女のコの可愛さ」とか「ちょっとブラックなギャグ」とか「オチに対するフリの構成が何気にしっかりしている」とかの共通点ももちろんあるので、そこが作者ならではの“個性”となっているのですが……その“個性”以外の部分は見事なまでに対照的なのが面白いですし、その作風の“幅”はすごいなと思います。普通なら「4コマ漫画」と「普通のコマ割りの漫画」の両方を描くのですら難しいのに。

colors1.jpg
<画像は『三ツ星カラーズ』3巻25話「クリーンアッププロジェクト」より引用>

 この作品をスーパー分かりやすく説明するのなら、『苺ましまろ』のキャラで描く『よつばと!』です。憎たらしいクソガキ感あふれる女子小学生3人が、街中を走り回って「面白いもの」に出会っていく作品です。

 一つの作品を紹介するために他の作品を引き合いに出すのは私はあまり好きではないですし、レビューなどを見るとやはりその2作品からの影響とかパクリだとかと指摘する人が多くてイヤんなるのですが……この作品は、『苺ましまろ』や『よつばと!』と同じ雑誌で連載されている作品なので、恐らく編集部レベルでポスト『苺ましまろ』・ポスト『よつばと!』を意識して企画していると思うんですね。

 「雑誌の色」として意図的に企画された作品をパクリだって言っちゃうと芳文社の日常4コマとかも全部パクリになっちゃいますし、ここは「電撃大王の伝統的な系譜」と言っておくべきじゃないかなぁと私は思います。



colors2.jpg
<画像は『三ツ星カラーズ』1巻6話「どうぶつえん」より引用>

 しかし、もちろんこの作品には“この作品ならではの魅力”もあって、その一つが「上野」という街を舞台にしているところだと思います。

 アメ横、上野動物園、不忍池、そしてごくごく稀に秋葉原……などなど。
 東京になじみのない人でも名前くらいは聞いたことがあるであろう場所が舞台になっていて、“どこかは分からない県”が舞台になっている『よつばと!』や“静岡県”が舞台になっている『苺ましまろ』とちがって“都会”が舞台だし、この子たちは“都会っこ”で、放課後の遊び場所がアメ横とか上野公園とかなんです。


colors4.jpg
<画像は『三ツ星カラーズ』2巻17話「大佐撮ってるカー」より引用>

 “都会”が舞台でも子どもたちは元気に走り回り、商店街には活気があって、大人もいっぱい笑顔で――――読んでいると、どんどんこの街が好きになっていくんですね。あくまで「家」を中心に描かれる『よつばと!』や『苺ましまろ』とちがうのは、こんな風に「街」を中心に描いているところかなぁと私は思います。

 あと、上野が舞台ということもあって「パンダ」がモチーフになっているものも多々出てくるので、パンダが好きな人にもオススメ!



◇ クソガキだけど、女子小学生ってやっぱりかわいい!
 同じ作者の『ひとりぼっちの○○生活』が「登場人物みんな良い子」なのとは対照的に、こちらの作品の主人公となる女子小学生3人組“カラーズ”は基本的にやかましくていたずらばかりするクソガキ集団です。

colors5.jpg
<画像は『三ツ星カラーズ』3巻25話「クリーンアッププロジェクト」より引用>

 結衣は3人の中では比較的マジメだけど、こんな風に「しょうがないなぁ」と言って一緒になって色々やってしまうコです。“カラーズ”の中では赤担当で、リーダー。


colors6.jpg
<画像は『三ツ星カラーズ』2巻12話「花よりベビーカステラ」より引用>

 さっちゃんは3人の中で一番「クソガキ」感が強くて、やかましくて行動力のあるコです。どことなく『苺ましまろ』の美羽っぽい。果物屋の娘で、“カラーズ”の中では黄色担当です。


colors7.jpg
<画像は『三ツ星カラーズ』1巻4話「かくれんぼ」より引用>

 私の推しキャラは琴葉です。黒髪ロングで、いつもオシャレな帽子とポーチとワンピースで「お嬢様」っぽいルックスなのに、3人の中で一番「ブラック」で「残虐的なものが大好き」で「携帯ゲーム機で遊んでいる」というコです。でも、「ゲームのせいで性格が歪んだ」のではなく「元からこう」という本人談(笑)。この子がたまに子どもらしい表情を見せる時がかわいい。“カラーズ”の中では青担当です。




 とまぁ、ここまでいつも以上に引用する画像を多めにさせてもらったのですが、ここまでの画像を見てもらえば分かるように女子小学生達の服が毎回ちがっていて、どれもかわいいのです。それでいて服装がキャラごとに個性があって(結衣は優等生っぽい服、琴葉はお嬢様っぽいワンピースが多いなど)、琴葉に至っては毎回帽子とかポーチとかも凝っていて、見てて飽きません。

 中身はどーしようもないクソガキどもなのに、すんごいかわいい服をオシャレに着こなしているために「あー、やっぱり女子小学生ってかわいいなぁ」と思わされてしまうあたりは、確かに『苺ましまろ』っぽくはあります。



 それじゃー「ロリコン御用達マンガ」なのかっていうと、パンチラなどの性的な描写は一切ないし、『苺ましまろ』の伸ねえのような「かわいい女のコを愛でるロリコン風のキャラ」もいないし、徹底して性のにおいが排除されている漫画だと思います。そもそもこの子らが何年生なのかもよく分かりませんしね。

 この辺は『よつばと!』のよつばや恵那が「性の連想をさせないデフォルメされた子ども体型」として描かれているのに近いですね。そこが逆に興奮するという人もいるかもですが(笑)、『三ツ星カラーズ』は「エロくてかわいい」ではなく「子どもらしくてかわいい」を追及した作品じゃないかなと思います。


colors8.jpg
<画像は『三ツ星カラーズ』2巻12話「花よりベビーカステラ」より引用>

 それは、さっちゃのお母さんのこのシーンにも見て取れます。
 この作品の「かわいい」はあくまで母親が娘に対して思う「かわいい」なんだ……というか、さっちゃんあんなクソガキなのに、母親からすればやっぱり「かわいーねぇ」という存在なんですね(笑)。



◇ 大人たちも楽しそうでワクワクする!
 この作品の主人公たちは“カラーズ”という女子小学生3人組ですが、上野という「街」を舞台にしていることもあって大人たちもサブキャラクターとして登場します。


colors9.jpg
<画像は『三ツ星カラーズ』1巻9話「まんなかのめさがし」より引用>

 まずはアメ横でなんかよく分からないものを売っている「おやじ」。
 上野の街を守りたい“カラーズ”に事件を提供してくれたり、おもちゃをくれたりする、“カラーズ”の一番の遊び相手です。毎回変なサングラスを付けているのが特徴。


colors10.jpg
<画像は『三ツ星カラーズ』2巻14話「ミジン子」より引用>

 次に“カラーズ”の宿敵である「斎藤」。
 交番勤務のおまわりさんなので、上野の街を守りたい“カラーズ”の目の上のたんこぶです。“カラーズ”のいたずらは主にこの斎藤に向けられたもので、斎藤も斎藤で子ども相手に本気で応戦するのでいつもバトルをしています。


colors11.jpg
<画像は『三ツ星カラーズ』3巻27話「バイトっす」より引用>

 そして、パン屋の娘「ののか」。
 かわいい。友達がバイトしているというので多分高校生、セーラー服にエプロン姿がかわいいです。“カラーズ”をかわいがっているのだけど、ちょっと抜けているところがあるので“カラーズ”からはなめられています。そこもかわいい。



 とまぁ……
 言ってしまえば、「ジャンボ」「ヤンダ」「風香」なんですが(この他に「あさぎ」っぽいキャラもいる)、先ほども書いたように同じ雑誌のポスト『よつばと!』を意識している作品だと思いますし、子どもを主人公にキャラ配置していくと似たような配置になってしまうのはある程度は仕方ないのかなとは思います。ののかがかわいいので、イイじゃないですか!

 これは『よつばと!』もそうなんですが、大人のキャラがいて、大人の中で子どもである主人公たちが日常を過ごしている姿が描かれると、読者は大人の目線で子どもたちを見られるんですね。『よつばと!』でよつばが悪いことをしたら読者はとーちゃんの目線で叱りたくなるし、よつばがジャンボと一緒に遊んでいる時はジャンボの目線で甘やかしたくなるし。

 『三ツ星カラーズ』も、“カラーズ”がひどいイタズラをしている時は「斎藤」の目線で「このクソガキどもめ!」と思うし、“カラーズ”が誰にも迷惑かけずに楽しそうに走り回っていると「おやじ」の目線で「よーし、次はこのおもちゃをやろう」と思うし、大人キャラがいるからこそ子どもたちの行動にワクワク出来るんですね。




 私は2017年に入ってからどーも落ち込むようなことばかりで、何も上手くいかないなーと心が病みつつあったのですが、買ったまま読んでいなかったこの作品を一挙に読んだおかげで「そうだそうだ!世界ってこんな楽しいんだった!」とすっかり元気になりました。

 こういう作品は貴重なので、雑誌としても大切に育ててほしいし、一人でも多くの人に手に取って欲しいと思います。


 2017年2月1日現在、作者さんのPixivで「1巻の最初の3話」と「2巻の3話」が無料公開されています。この記事を読んで興味を持たれた人は是非どうぞ。

第1話「カラーズ」
第2話「チュカブる」
第3話「お宝さがし」

第10話「特務!隠密行動」
第11話「公園の真ん中で昼寝した子供」
第14話「ミジン子」

 今見ると、最初の頃は頭身が低いですね。サザエさん時空の作品か思いきや、実はこの子たちって成長している……?
 この6話の中では私のオススメは第14話「ミジン子」です。続きを知らないと楽しめない作品でもないと思うので、どの回からでもどうぞ。

| この漫画が面白い! | 17:59 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |