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かつての人気作品が再アニメ化されていく流れ

 原作ファンの一人として、語らざるをえないニュースが来ました。

 「封神演義」再びTVアニメ化、太公望は小野賢章!“仙界大戦”を主軸に描く

 メインキャストの2番目に聞仲が来ていて“「仙界大戦」のエピソードを主軸”ということは、原作の最初から最後までをアニメ化するワケではなくて、原作の一エピソードだけをアニメ化するということなんですかね。「仙界大戦」だけならコミックス4~5冊分くらいだったはずなので、1クールでも収められそう。
 原作全部だと23冊もあるので、それを忠実にアニメ化すると3クールどころか4クールはないと尺が足りないと思われます。個人的には『封神演義』は最初から最後まで「話がつながっている」ことが魅力な作品だと思っていますから、一部分だけアニメ化というのは残念なんですけど、ビジネス的には仕方がないことなのかな……


 ネットでも有名なあのエピソードとかも、アニメでは恐らくやらなさそうですね。
 初見の人がどういう反応をするのか見たかったのに!(ゲス)



 『封神演義』って何?という若い人もいらっしゃると思うので、一応の解説をします。

 『封神演義』とは、元々は中国の明の時代(14世紀~17世紀)に生まれたファンタジー小説で、史実である殷周易姓革命(紀元前1000年代の出来事)に仙人や妖怪などが関わって大戦争を繰り広げていたといった話です。
 中国の娯楽小説の有名どころ『三国志演義』『西遊記』『水滸伝』などに比べると知名度が落ちる作品だったんですが、日本では1988年から安能務さんがこの作品をリライトした小説が発行されました。その小説を元に、更に大胆な改変を行って「少年漫画らしいファンタジーバトル漫画」として藤崎竜さんが1996年~2000年に少年ジャンプにて連載したのがこの作品です。

 「史実」があって、そこにファンタジー要素を加えた「古典」があって、それを「リライトした小説」があって、それを独自解釈して「少年漫画」にしてしまった―――と、この時点でかなりややこしい立ち位置の作品なんですけど。
 更にややこしいことに、1999年にはこの少年漫画版を原作とした『仙界伝 封神演義』というテレビアニメが2クール放送されて、こちらもその少年漫画版を大幅な改変をしていたことでファンの間では黒歴史的な扱いを受けているのですけど、そもそもの『封神演義』自体が改変に改変に独自解釈を付けていった作品ですから「原作と全然ちがうアニメ」というのもある意味で忠実なアニメ化だったのかもと思わなくもなくもないです。



 それはさておき。
 「約20年前に人気だった作品」で、「一度アニメ化された作品の再アニメ化」というのが今日の話題です。


 昔の名作漫画のアニメ化を、私が歓迎したい理由

 こちらは2年前に書いた記事です。
 『ジョジョ』『寄生獣』『レベルE』、そして『うしおととら』といった「90年代に人気だった作品」で「今までテレビアニメ化されていなかった作品のアニメ化」について触れた記事でした。かつての名作のリブートものは昔から多いけれど、それがもう「90年代の作品」になっていたんですね。


 この流れで言えば、実は『封神演義』の再アニメ化は妥当なところだったんですよね。
 「90年代に人気だった作品」なので当時この作品に熱狂した若者も30代くらいになってお金を持っているでしょうし、当時を知らない現若者には「名前は聞いたことのある名作」に触れる機会になりますし、ファンタジー作品なので設定などは古びれませんし、一度目のアニメ化が「原作を大胆に改変したアニメ化」だったために「原作を忠実に再現したアニメ化」も待望されていたでしょうし――――

 まぁ、それならば「原作の最初から最後まで」をアニメ化して欲しかったとは思わなくもないですけど……実際にどういう形でアニメ化されるのか楽しみにしたいと思います。
 自分は「原作が好きな作品のアニメ化はあまり楽しめない」んですけど、20年くらい前の作品が原作だと内容をほとんど覚えていないから新鮮に楽しめると『ジョジョ』4部のアニメを観た時に気付いたので、自宅にコミックス全巻ありますけど敢えて読み返さずにアニメを待ちます!



 『封神演義』同様、「20年くらい前に既にアニメ化された作品の再アニメ化プロジェクト」はここ数年のトレンドですよね。パッと思いついたのは……


・『美少女戦士セーラームーン』
 原作漫画:1992年~1997年に連載
 テレビアニメ:1992年~1997年に放送
 再アニメ化:2014年~2015年に配信、続編が2016年に放送、劇場用アニメ前後編も公開予定
※ 元のアニメが原作漫画とはちがう展開をしていくのに対して、再アニメ化は原作をベースにしている

・『魔法陣グルグル』
 原作漫画:1992年~2003年に連載
 テレビアニメ:1994年~1995年と2000年に放送
 再アニメ化:2017年現在放送中
※ 再アニメ化は原作の最初からアニメ化し直していることで、かなりスピーディな展開になっている

・『カードキャプターさくら』
 原作漫画:1996年~2000年に連載
 テレビアニメ:1998年~2000年に放送
 再アニメ化:2018年から放送予定
※ 2016年から原作の続きを描く新作漫画が連載開始され、アニメ化プロジェクトも発表されていた

・『キノの旅』
 原作小説:2000年から刊行
 テレビアニメ:2003年に放送、2005年と2007年には劇場版アニメ化も
 再アニメ化:2017年10月から放送予定
※ どういう再アニメ化になるのかはまだ不明だけれど、スタッフ・キャストは変更されている


 それぞれ事情はちがうのだけれど……「原作通りにアニメ化されなかった」「原作の最後まではアニメ化されなかった(アニメ化されていないエピソードがある)」ものをアニメ化しようという試みもありつつ、2000年前後と現在ではデジタル技術やCG技術がちがうので現代の技術で描きなおしたいという目論見もありつつ、「当時のファン」の経済力と「新規ファン」の獲得が見込めるという商業的な理由もあるのかなぁと思いますね。

 『キノの旅』は私、原作も旧アニメも全く観ていなかったので新アニメから観てみようかと考えているのだけど……いきなり新アニメから入って大丈夫かしら。





 そう言えばちょっと話が変わりますが、最近『ガンダムTHE ORIGIN』の安彦良和さんが「最初のガンダム」をリメイクしようとしているといった話が話題になっていました。

 “ファースト”ガンダム復活へ 安彦良和氏、節目の40周年に大プロジェクト

<以下、引用>
 安彦氏はスケジュールや予算の問題で完成度が低くならざるを得なかったファーストガンダムに心残りがあったという。「最初の作品が1番だと自分では思ってる。でも、若い人に見せようと思ってもとても見せられない」と歯がゆい思いをしていた。
</ここまで>

 私自身は古い作品でも全く気にならないんですけど、友達に「最初のガンダム」を薦めても「絵が汚くて観る気にならない」と言われたことが何度もあります。アニメを全く観ない人ではなく、最近のアニメを観ている人に。「汚いとは何事だ!」とファンとしては思ってしまうのだけど、ファンじゃない人の率直な気持ちはそんななんだなーと思うんですね。
 ゲームとかでも、私はファミコンのゲームも今でも楽しいと思いますけど、流石に今の子どもに薦めるには「ちょっと絵に抵抗感ありそうだよなー」と思っちゃいますもんね。スーファミのゲームなら全然イケるんですけど!(笑)


 『ガンダム』シリーズは、昔からのファンは『UC』とか『THE ORIGIN』とかで根強く人気を維持していると思うんですけど……新しいファンがあまり入ってきていないというか。水島精二監督の『OO』とか、長井監督の『鉄血のオルフェンズ』とか、“今を時めく大人気監督”を起用したり。レベルファイブによる『AGE』だったり、ホビーアニメの『ビルドファイターズ』だったり、新規層獲得のための手はあらかた打ち尽くしたと思うんですけど、それがあまり成果になっていないというか。

 新しい『ガンダム』始まるから観ようよ!と薦めても、「『ガンダム』シリーズ1作も観ていないから最新作から観始めるのはちょっと……」と躊躇う人もいるという問題もあって―――

 「1作目」のリメイクは、これはもう『ガンダム』シリーズ最終手段だと思いますし。
 『THE ORIGIN』の前日譚が終わったタイミングは、「もうここしかない」時期だと思いますし。

 『宇宙戦艦ヤマト』は、私は元のアニメを1作も観ていなかったのですけど、リメイク版にあたる『宇宙戦艦ヤマト2199』で初めて観てものすごく面白かったですし―――『ガンダム』もそうやって新しいファンを取り込める可能性がある以上は、自分は結構歓迎したい気分です。
 別に、リメイク作品が作られたら元の「最初のガンダム」は二度と観られなくなっちゃうというワケでもありませんし。



 『ヤマト』や『ガンダム』は約40年前の作品のリメイクですけど、今日の記事の主題となっている約20年前の作品たちも「今の技術で作ったら……」「今のビジネスモデルで作ったら……」というところもあると思うんですね。
 かつての人気作の再アニメ化に対して、「最近の作品に魅力的な作品がないから古い作品に頼るしかないんだ」とか「企画が守りに入っている」といったようにネガティブにとらえる向きもありますけど―――私は、これで「かつての人気を知らない人にも届くかもしれない」とポジティブに捉えています。


 というか……今の時代に『封神演義』を再アニメ化することのどこが「守りに入っている」んだと思いますけどねぇ。最近人気の漫画をアニメ化するのとかよりもよっぽど売上が予測できないですよ!

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藤崎竜


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