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バーチャルコンソールやゲームアーカイブスは、ゲーム機にとってマイナスだったのか

 バーチャルコンソールとは、任天堂が2006年からWii、ニンテンドー3DS、Wii Uで行っているサービスで、ファミコンやスーパーファミコンといった昔のソフトを最新機でダウンロード購入できて遊べるサービスです。

 ゲームアーカイブスとは、SCEが2006年からPS3、PSP、PS Vitaで行っているサービスで、初代プレイステーションやプレイステーション2といった昔のソフトを最新機でダウンロード購入できて遊べるサービスです。


 どちらも2006年に始まっている理由は、WiiとPS3という「標準でインターネット接続機能を備えてソフトをダウンロード購入できるゲーム機」が同時期に出たからだと思うのですが。そこでまず手を付けたのが「かつてのヒット作のダウンロード販売」というのが興味深いですね。私もWiiを購入した目的の6割くらいはバーチャルコンソール目当てでした。


Wiiのバーチャルコンソールで出ていたけど、Wii Uのバーチャルコンソールに出ていないソフトまとめ

 そこから11年が経過して、バーチャルコンソールやゲームアーカイブスで配信されるソフトは増えて、対応機種も増えました。しかし、その一方で2世代前のゲーム機であるWiiのショッピングチャンネルが終了となることが発表されましたし、2014年に発売されたPS4はゲームアーカイブスに対応していませんし、2017年に発売されたNintendo Switchはバーチャルコンソールに対応していません。

 拡大をし続けてきた「旧作ゲームの配信」ですが、そこに歯止めがかかっているのがここ最近の情勢だと思うのです。


 そんな状況で書いた上の記事に、辛辣なコメントが寄せられていました。
 要約すると―――「(バーチャルコンソールやゲームアーカイブスといった)旧作ゲームの配信は、新作ゲームの売上の邪魔になっている。新作ゲームの売上のためにこういう旧作ゲームの配信は終わりにするべきだ」といったものでした。

 PS4でゲームアーカイブスが始まることを切望している人や、Nintendo Switchでバーチャルコンソールが始まることを切望している人は、「なんてことを言うんだ!」と思われるかも知れません。私も「すべての旧作ゲームは現行機でダウンロード購入して遊べるようになって欲しい」と思っている人間なので、「そんなこと言わないでよ」と思う気持ちもあります。

 ですが、「私の願望」とは別のところで「実際にそうだよなぁ……」と思いもするんですね。
 PS4のロンチ時には意識していなかったのでこの手のニュースは追いかけていなかったんですけど、少なくともNintendo Switchのロンチ時には当てはまると思うのです。


 インディーゲーム開発者のニンテンドースイッチ版成功報告相次ぐ。『ワンダーボーイ ドラゴンの罠』は他機種合計よりも売れる
 「ニンテンドースイッチでインディーゲームは売れやすい」は本当なのか?実際にパブリッシャー2社に聞いてみた(以上2つはAUTOMATONさんの記事)
 Nintendo Switch版「The Flame in the Flood」が予想を大きく超える販売を達成、その他プラットフォームの初日販売を上回る結果にdoope!さんの記事)
 採掘アクション『SteamWorld Dig 2』売上、ナンバリング前作や『SteamWorld Heist』を上回る出足
 Nintendo Switch 版『ショベルナイト』、最後発ながら他機種版の販売実績を上回りトップ売上を記録(以上2つはt011.orgさんの記事)

 最近こんな風に「Nintendo Switchというゲーム機はインディーゲームがよく売れる」という話題がひっきりなしに出てきます。海外だけでの現象ということもなく、日本の会社が3月に発売した『神巫女』もスマッシュヒットを飛ばして話題になっていました。
 こうやって「Nintendo Switchだとインディーゲームが売れるみたいだぞ」という話題が広がった結果、これから発売されるソフトの対応機種にNintendo Switchが加わったり、他機種で発売されたソフトでもNintendo Switch版を発売しようとしたりして、どんどんインディーゲームが集まってきているという。

 「どうしてNintendo Switchだとインディーゲームが売れるのか?」を考えると、一つには本体がちゃんと売れているということ、もう一つには携帯機にも据置機にもなる上にいつでもスリープ&復帰ができるのでゲームを遊びやすいということが大きいと思うのですが……
 私、実は結構「Nintendo Switchにはバーチャルコンソールがないから」というのもあると思うんですね。


 例えば、Nintendo Switch本体は『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』や『マリオカート8DX』や『Splatoon2』目当てに買ったという人も、そのボリューム満点の1本のソフトだけをずっと遊ぶんじゃなくて、せっかく新しいゲーム機を買ったんだから軽いソフトも遊びたいなぁという気分にもなると思うんですね。メインディッシュだけじゃなくて、サイドメニューも頼みたくなるみたいな話で。
 『神巫女』なんかはかなりそういう需要に応えたヒット作だと思います。超大ボリュームの『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』を遊んでいる最中、ちょっとサイドメニューに何かないのかなとeShopを覗いてみたら、定価500円で、なんだか懐かしいジャンルとグラフィックで、クリアまでにさほど時間のかからなさそうなゲームが売っているぞと買われていったと思うんです。

 もし、そこにバーチャルコンソールがあったなら……
 選ばれたのは『神巫女』ではなく『スーパーマリオブラザーズ』になっていたかも知れません。『グラディウス』になっていたかも知れません。『ダウンタウン熱血行進曲』になっていたかも知れません。


 小さなインディーメーカーからすると、そんな往年の名作達と正面きって戦わなければならないのは溜まったものじゃないでしょうし。私達も「聞いたこともないようなメーカーの新作ゲーム」よりも、「昔遊んだ懐かしの名作ゲーム」の方を選んでしまうって人も多いと思うんですね。
 Nintendo Switchでバーチャルコンソールが始まることを切望している人はたくさんいますし、私だって始まって欲しいと思っていますが、その思いが強ければ強いほど「インディーメーカーの新作ゲーム」のパイを奪っていくのです。

 実際に私……Wiiの時も、Wii Uの時も、バーチャルコンソールのソフトは山ほど買っていましたけど新作のダウンロードソフトは数えるほどしか買っていませんでしたもの。バーチャルコンソールのないDSiではDSiウェアを山ほど買っていたし、ゲームボーイやゲームギアには思い入れがなかったので3DSではダウンロードソフトの方をたくさん買っていましたが。



 そう考えると、「新作ゲームの売上のためにこういう旧作ゲームの配信は終わりにするべきだ」という意見にも頷けるのです。
 任天堂とかバンナムとかコナミとかカプコンとかスクエニとか「往年の名作」の権利を多数持っている会社にとっては、新たなゲームを開発しなくても旧作の配信でそこそこ利益を上げられるのはメリットでしょう。WiiもWii Uも、そういう理由でバーチャルコンソールのソフトはたくさん出ましたからね。

 でも、そうしたサードメーカーが出してくれるのはバーチャルコンソールのソフトだけで、新作ソフトは全機種マルチからWiiやWii Uをハブっていたりしたワケで。Wii Uなんかは特に「任天堂のゲームとバーチャルコンソール専用機」と化していました。それと比較すると、バーチャルコンソールがなくてもインディーゲームがバシバシ出てくれるNintendo Switchの方が幸せなんじゃないかと思うんですね。
 まぁ、それは既にバーチャルコンソールというサービスが過去にあったことで、「バーチャルコンソールが遊びたいならWii Uを起動すればイイじゃないか」と思えるからというのもありますが……



 ということで私は、少なくともゲーム機の初期の段階では旧作ゲームの配信を行わないのは理に適っているかなと思います。これが、プラットフォームサイクル中期に入ってソフトが今後も集まってくることが確実になったらとか、逆にもうどこもソフトを出してくれなくなったらとかなら、旧作ゲームの配信をするメリットも出てきますんで今後は分かりませんけど。

 Nintendo Switchがバーチャルコンソールを始められないのも、分からんでもないと。


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| ゲーム雑記 | 17:47 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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