FC2ブログ

やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

2018年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年12月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

『白衣性愛情依存症』紹介/なんだか…想像してたのと全然ちがうぞっ!

2018101823101000-7236C468C03A7F414FA188ADBB94FD03.jpg
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
「男が出ない百合」どころか、「男が存在しない世界の物語」
ポンコツ「アホの子」主人公:大幸あすかが可愛い
「看護学生の日常を描いた作品」とも「可愛い女のコ達のイチャラブ」ともちがう…何だこれ


『白衣性愛情依存症』
・発売:工画堂スタジオ
 PlayStation Vita版:2015年4月30日発売、パッケージ版5800円、DL版4800円
 Windows 7/8/10版:2015年12月25日発売、パッケージ版8800円
  ※グッドエンド後を収録した録り下ろしドラマCDなどの特典が付く
 Steam版:2016年7月7日発売、DL専用4400円
 Nintendo Switch版:2018年5月24日発売、DL専用4800円
  ※ スクリーンショット撮影可能、動画撮影可能
公式サイト
・テキストアドベンチャー
・セーブスロット数:64


<PVはPlayStation Vita版のものです>
 私の1周クリア時間は約08時間でした
 全エンディング到達にかかった時間は約20時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください


【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:◎(グッドエンドに到達すればそこまでだけど、バッドエンドが…)
・恥をかく&嘲笑シーン:◎(良いシーンだけど、共感性羞恥の人にはきついシーンかも)
・寝取られ:○(寝取りですよね、コレ)
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:△(欠損はないです。人が刺されたりするけど)
・人が食われるグロ描写:◎(食われるワケではないけど、食うシーンがある!)
・グロ表現としての虫:×
・百合要素:◎(百合ゲーですよ?)
・BL要素:×
・ラッキースケベ:○(おっぱい触っちゃう程度ですが…)
・セックスシーン:○(直接的な描写はないけど、事前・事後をにおわす描写がそれなりに)


↓1↓

◇ 「男が出ない百合」どころか、「男が存在しない世界の物語」
 このゲームを開発・販売している工画堂スタジオという会社は、実は創業100年を超える歴史のある会社で、ゲーム制作も1980年代からPCゲームを中心に行っている老舗メーカーだったりします。
 ゲーム機用に移植されたものや、ゲーム機用に作られたものは多くないので、ゲーム機だけを遊んでいた私みたいなゲーマーにはあまり馴染みのある名前じゃありませんでしたが……初期の『Emmy』という作品は、1984年のPCソフトながら女性キャラとチャットして親密度を上げてエッチな絵を見る「ひょっとしたら世界初のギャルゲーでは?」と言われている作品なんですって。

 2011年、社内チーム「しまりすさんちーむ」のデビュー作となる『白衣性恋愛症候群』(通称:『白恋』)がPSP用ソフトとして発売されます。これは恐らく、2007年に発売したPC用ゲーム『ソルフェージュ』を2008年にPSP向けに移植して成功したことが大きかったんじゃないかと推測できます。「PSPで百合ゲー、行ける!」みたいな。

2018102900452900-7236C468C03A7F414FA188ADBB94FD03.jpg
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

 そして、『白恋』の流れを汲んで2015年にプレイステーションVita向けに発売になったのがこの『白衣性愛情依存症』』(通称:『白愛』)です。名前は似ていますが、前作は病院の看護師が主人公で、今作は看護学校の看護学生が主人公なので、ストーリーは独立しています。実はこの看護学校が前作キャラの一人の母校だったみたいな小ネタがあったりもしますが、特に知らなくても問題はなさそうです。
 その後、PC版、Steam版、Nintendo Switch版と移植されて―――この多機種路線を引き継いでか、この「しまりすさんちーむ」の3作目『夢現Re:Master』は2019年2月にVita/PS4/Nintendo Switch/Windows/Steamの同時期発売が発表されています。こちらは病院や看護学校を舞台にした『白衣性~』2作から一転、ゲーム会社を舞台にし百合ゲーを作るアドベンチャーゲームになるそうです。対応機種、多いな!ありがたいけど!


 さて、ここからは今作『白衣性愛情依存症』』(通称:『白愛』)についての話です。
 どうしてわざわざ前作の話とかを書いたのかは後程。

 このゲーム、分類をするなら間違いなく「ゲーム機用ソフトでは珍しい百合ゲー」です。私もカワチさんが書いた以下のタイトルの記事を読んで購入しましたからね。「百合の世界に疎い人でも、百合入門に向いている1作」みたいなね。

 『白衣性愛情依存症』を男女両方の目線でレビュー! 少しでも百合に興味ある人なら誰でも楽しめる!


 ただ、実際にプレイしたら「なんか…思ってたのとちがうぞ」と戸惑いの連発でした。
 「百合ゲー」という言葉だけを見ると「女性同士の恋愛を主題にしたゲーム」とイメージすると思うのですが、共通ルートと言える前半は特に“恋愛”の描写はほとんどなく、「女性しかいない看護学校に入学した主人公達の日常を描く作品」といったカンジでした。普通の女のコ達が看護師になっていく勉強を描き、その厳しさや尊さをリアルに&等身大に描いていっているんですね。
 なので、前半は「百合作品」というより、女のコだけのゆるふわな部活を描いた『けいおん!』系の作品とか、女のコだけで目標に向かって突き進むスポ根の『ラブライブ!』系の作品に近いという印象でした。んで、後半は前半に選んだ選択肢によって各ヒロインの個別ルートに分岐して、そこで“恋愛”をしていくカンジです。「女性しかいない看護学校」だからそりゃ女性同士の恋愛になるよね、という。


 さて……

 「女性しかいない看護学校……?」と思った人は鋭いですね。
 現実の看護学校って多分、男性もいますよね。男性の看護師が存在するのですから。多分。

 しかし、この作品の看護学校には男性キャラがいません。というか、この作品には男性キャラが出てきません。ただの一人も。
 『ラブライブ!』ですら小さな男の子や父親の後ろ姿は出てくるというのに、この作品では子供も老人も全員「性別:女」ですし、もっと言うと「父」や「お父さん」といった単語すらこの作品には出てきません。『ラブライブ!』すらも凌駕する徹底した「男性が排除された世界」なのです。

2018102315504900-7236C468C03A7F414FA188ADBB94FD03.jpg
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

 というのも、この作品世界はiPS細胞によって「女性同士で子作り」が可能になっていて、それが一般的とされているそうなんです。そのため「女性同士の結婚」も普通ですし、「女性同士の交際」だってもちろん普通です。


hakuai1.jpg
hakuai2.jpg
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

 例えば、細かいですがこのシーン。
 ヒロインの一人:さくやの母親が倒れ、さくやと母親の関係をいつきから訊くというシーンなのですが……普通(まだ「女性同士で子作り」が可能ではない私達の現実世界)だったら「母親の話は分かったけど父親はどうしているの?」と言うであろうシーンで、「片親」「もう片方」という言葉を使って性別を言及していないんですね。


hakuai3.jpg
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

 例えば、ここのシーンも……普通だったら「父が○○、母が××」と書きそうなところを、「両親が○○と××」と書いていて、性別をぼかしているのです。男と女の夫婦かも知れないけど、女と女の夫婦かも知れない―――どちらにも取れるようにしてあるんですね。

 これはエンディングまでのガッツリとしたネタバレを含むインタビューで語られていることなんですけど、前々作『ソルフェージュ』ではまだ「女性同士の恋愛」が認められていない世界で、前作『白恋』では男の人は存在しているけど「女性同士の恋愛」「女性同士の結婚」が認められてきた世界で、今作『白愛』でとうとう男の人の存在が確認できない「女性同士の恋愛」「女性同士の結婚」が一般的になっている世界になっている……と、意図的にそういう世界を作ったことが語られています。


 「百合」と呼ばれる作品にも、「男が出てこない百合」と「男が出てくる百合」の二種類があると言われています。
 前者には『ストロベリー・パニック』や『ゆるゆり』があって、後者には『青い花』や『やがて君になる』がありますが――――前者はどうしてもファンタジー色が強くなってしまい、リアリティを求めると後者になっていくと思うんですね。外界から完全に隔離された『ストロベリー・パニック』ですら「高校を卒業したら許嫁(男)と結婚する」みたいなセリフがありますし、男性メインキャラがまったくいない『桜Trick』にも男性モブキャラは出てきます。


 そんな中、この『白愛』は「iPS細胞によって女性同士で子作りができる」という(現実とはちがうという意味での)ウソを一つ作ることによって、「男が出てこない百合」の世界にリアリティを持たせたんですね。
 この発案はどうやら男性ディレクターだったみたいですが、私も同じように男性の百合好きなので気持ちがよく分かります。いっそのこと世界から(自分も含めて)男性が消滅してくれたら、残った女性達が百合ってくれるのでは―――みたいな妄想をすることがあって、その妄想世界を本当に作っちゃったのがこのゲームだと思うんですね。




 ただ、その弊害もあって……
 この『白愛』には男性がいないため、本来なら男性キャラが担うはずの「ナンパ男」とか「酔っ払い」とか「○○の売人」とかも全部女性なんですね。例えばそれが女性らしい「ナンパ男」とか「酔っ払い」とか「○○の売人」とかになっているならともかく、設定上は女だけど台詞や行動はすごく「テンプレな男キャラ」みたいなのばかりで。そこはちょっと工夫がないかなぁと思いました。

 まぁ……よく言われる「女性しかいない街があれば、その街では夜中でも女性が安全に歩き回れるのでは?」「いやいや、女性しかいなくなったとしても女性の犯罪者が増えるだけだ」という議論からすると、男が完全に消滅した世界ではそれがリアルな姿なのかも知れませんが。


↓2↓

◇ ポンコツ「アホの子」主人公:大幸あすかが可愛い
2018102122422800-7236C468C03A7F414FA188ADBB94FD03.jpg
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

 可愛い。


き(気)のせいだ、うん
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

 可愛い。



き(着替えよう
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

 可愛い。


 割とヘビーなストーリーと、なかなかバッドエンドを抜け出せない難易度と……かなり癖があって「好き嫌いは分かれる」ゲームだと思うんですが、このゲームを好きになれるかどうかはやはり「主人公を気に入るかどうか」次第だと思うんですね。私は途中めげそうになったけど、あすかが可愛かったので最後まで付き合うことが出来ました。


2018100422463600-7236C468C03A7F414FA188ADBB94FD03.jpg
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

 大幸あすかという主人公を一言で説明すると「ポンコツお姉ちゃん」です。
 朝は起きれず、身の回りは全て年子の妹任せ、学校の成績も下から数えた方がイイ劣等生―――「何でもできる」上に、「お姉ちゃんのことが大好き」な妹であるなおちゃんが支えてくれているから何とかなっているようなコです。『けいおん!』の平沢唯・憂姉妹のような黄金姉妹ですね。妹であるなおちゃんもヒロインの一人なので、もちろん攻略可能です。

 でも、ポンコツなお姉ちゃんだけど、その前向きさだったり明るさだったりが周囲を引っ張っていってるのも確かで―――そういう意味では『ラブライブ!』シリーズの穂乃果ちゃんや千歌ちゃんみたいな「主人公らしい主人公」と言えるのかも知れません。こんなポンコツだった彼女が……的なストーリーになっていったり、ならなかったりするゲームなので。



 没個性の「どこにでもいる投影型の主人公」というより、個性的な「キャラとして立っている主人公」なので、この主人公を好きになれるかが全て……ということなのか、例えば私服もピンクピンクしていて一番可愛いと思うし、髪型とかも「誰からも嫌われないデザイン」を意識されていると思います。

2018101823274100-7236C468C03A7F414FA188ADBB94FD03.jpg
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

 個人的にすごく好きなのは、「言葉遣いが乱れる」ところ。
 普段は可愛い可愛い声で女の子らしい言葉遣いをしているのだけど、焦ったりすると素が出るのか低い声で荒い言葉遣いになるのが可愛いです。と思ったら、ゆるーいシーンではおばあちゃんみたいな口調になったりして、コロコロ変わる表情と、それに合わせて声優さんのトーンも変わって、日常シーンでも観てて飽きないんですね。
 プレイ時間の大半はこのコと一緒に過ごすのだから、「観てて飽きない」ってのは大事ですよね。スクショ映えするテキストも豊富です。


 あすかを演じる声優さんは浅倉杏美さん。
 『アイドルマスター』の萩原雪歩や、『中二病でも恋がしたい!』のくみん先輩のように、大人しいキャラやおっとりとしたキャラが多い印象の声優さんなので、こういう明るくて元気な主人公らしい主人公は新鮮な気持ちで演じられたのだとか。


2018102916191800-7236C468C03A7F414FA188ADBB94FD03.jpg
2018110102155200-7236C468C03A7F414FA188ADBB94FD03.jpg
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

 脇を固める声優さんは、超甘々な妹:なおちゃん役はスーパー甘々ボイスの加隈亜衣さん、お嬢様:さくやさん役は田村ゆかりさんと、こちらは逆に安定の配役です。特に、加隈亜衣さんの声って私は「たくさんいる声優さんの中でも一番可愛い声」だと思っているので、この声でずっとずーっと「お姉ちゃん大好き」とイチャイチャしてくれたのは眼福・耳福でした。

 どうも、このチームのディレクターさんは「姉妹百合」が好きらしく、この『白愛』もメインヒロイン一番手が妹だし、次の『夢現Re:Master』もストーリーを読む限りは思いっきり「姉妹モノ」っぽいんですよね。うむ!私と気が合うな!


↓3↓

◇ 「看護学生の日常を描いた作品」とも「可愛い女のコ達のイチャラブ」ともちがう…何だこれ
2018110101285700-7236C468C03A7F414FA188ADBB94FD03.jpg
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

 さて、ここからですよ。
 このゲーム、「どういうゲームだったのか」を説明するのが非常に難しいのです……

 もちろんアドベンチャーゲームですから「ネタバレに配慮して書きたいことが全部書けない」というのもあるのですが、ネタバレなんか気にしなくても全ルートをクリアしてもなお「何だったんだこのゲーム…」感が強いのです。


 まぁ、ここはもう「ネタバレ」とか関係なく書いちゃっても構わないと思うので書きますが、このゲーム―――前半はどのプレイヤーも通る共通ルートで「看護学生の日常を描いた作品」なんですね。
 最初に書いたように『けいおん!』とか『ラブライブ!』みたいな雰囲気で私はすごく好きでした。看護婦になるための勉強はすごく大変だけど、入学から、病院実習、夏休みに海に行くとか、文化祭の準備とか……ザ・青春!ってカンジのストーリーが楽しかったです。

 んで、前半に選んだ選択肢によって、それぞれのヒロインの個別ルートに分岐していくのですが……個別ルートに入った途端、看護学校の描写が希薄になるし、「え?この作品ってそういう作品だったの?」と言いたくなる展開になっていきます。
 そして、その個別ルート内の選択肢によって「各ヒロインごとのグッドエンド」「各ヒロインごとのバッドエンド」に分岐するという形なのですが、特にこの「各ヒロインごとのバッドエンド」が……なかなかなものでして。

 他の人のレビューでは「前半と後半でライター変わった?」と言っている人もいたくらい前半と後半の温度差が激しいのです。



 ただ、これはどうやらスタッフの狙い通りみたいなんですよねぇ……
 というのも、ここで前作『白衣性恋愛症候群』(通称:『白恋』)の話が出てくるのですが、前作もまた「可愛い可愛い百合ゲーだよ!」と言っておきながら割とヘビーな話だったため、前作を通過したファンには「どうせまたヘビーな話なんでしょ?」と警戒されているだろうとこういう構成になったそうです。

 ガッツリネタバレ含むインタビューにそのことが書かれているので引用しますが、核心部分はここでは伏字にさせていただきます。

<以下、引用>
みやざー氏「個別ルートに入ったら、◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ながら、それぞれのヒロインと近づいていくので、そこだけ見せると重いゲームになってしまうこともあり、共通ルートは日常の積み重ねでとにかく可愛らしい、とにかく萌えるイベントを多く入れようということにしました。」

向坂氏「共通ルートが長いというのにも関わってくると思うのですが、みやざーさんからは「白恋」のファンの方たちは絶対“キラ☆ふわ”だとは信じてくれずに入ってくるだろうから、そんな人ですら「今回は本当に“キラ☆ふわ”なの?」と油断してしまうくらい、共通ルートは影が一切無い、明るくふわふわ、ゆるゆる、萌え萌えでいきたいという話がありました。それを受けて、夏の海のような季節イベントを充実させたりといったところにつながったのかなという気もします。」

みやざー氏「そこまでの溜めがあるからこそ、◆◆◆◆◆のシーンが映えるだろうと。」

</ここまで>
※ 強調・伏字など一部手を加えています


 つまり、本当に描きたいのは「個別ルート後の後半」なのだけど、それを衝撃的に見せるために「共通ルートの前半」は平和に描いたとのこと。この手法……ネタバレになるから具体的な作品名は挙げませんが、ゼロ年代の鬱アニメで見たことある!

 なので、例えばこの記事の序盤で紹介したカワチさんのレビューとかが象徴的なんですけど、このゲームを紹介する人って「共通ルートの前半」にしか触れずに「個別ルートの後半」には一切ネタバレしないようにする人が多いのです。それも一つの手だと思いますし、「後半に衝撃的な展開が待ってるよ!」と紹介するのは作品の魅力を損なうんじゃないかと迷ったんで、「このゲーム、「どういうゲームだったのか」を説明するのが非常に難しいのです……」と書いたのですが。



 ぶっちゃけ、このゲームの魅力を語るに「衝撃的なバッドエンド」に触れないワケにはいかないと思うんですよ。

 私、最初に到達したエンディングが「先生ルートのバッドエンド」だったのですが、その時点では「グッドエンド/バッドエンド」の仕組みも分かっていなかったので、「ひょっとしてこのスタッフはこれをハッピーエンドだと思って作っているのか……?」と震えました。

 全ルートをクリアした後、ネット上を周って色んな人のレビューを読んでもみんな、「○○のバッドエンドがキツかった」「私は◆◆のバッドエンドが一番つらかった」「△△のバッドエンドはある意味では一番幸せなのでは?」みたいにバッドエンドについて熱く語っているし。あすかを演じた浅倉さんですら全ルート制覇後に解禁されるオマケメッセージで「○○のバッドエンドを演じてから×××が食べられなくなった」と言っていて。


 このゲームを語る人は、みんな「どのバッドエンドがキツかった」と語る時が一番熱量が上がるのですよ。かく言う私も先月の活動報告では、「先生ルートのバッドエンド、ひどすぎるでしょ!」と書いていましたし(笑)。私、チュンソフトのサウンドノベルとかケムコのデスゲームものとかを結構遊んでいて「惨たらしいバッドエンド」には耐性が出来ていると思ってたんですけど、またそれとはちがう心にダメージが来るバッドエンドだったというか。

 それってやっぱりこのゲームの欠かせない魅力の一つだと思うんですね。
 そんなにみんなが熱く語りたがるのだから。

 だからまぁ、最初のVita版の発売から3年半、最後のNintendo Switch版の発売から半年近くが経過しているのだから、これくらいまでなら書いてもイイかなぁと書くことにしました。



2018102901245600-7236C468C03A7F414FA188ADBB94FD03.jpg
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

 ただ、「衝撃的なバッドエンド」に比べて「グッドエンド」がイマイチ地味というか記憶に残らないというのが若干の不満ですかねぇ。まぁ、「グッドエンド」とは得てしてそういうものなのかも知れませんが、「やっぱりそうなるよね」以上のものがない、予想できる未来しか与えられなかったというか。
 そういう意味では、一人のルート(ネタバレになるので文字反転させますが、さくやさんルート)は予想を上回る展開をしていって面白かったです。最後に「そうなるのかー」と思わせるのも美しい着地点だったと思います。

 また、このゲームもう3年半も前のゲームなこともあって、サイト上で行われた特別企画なんかも残っていて……各ヒロインのグッドエンド後の「その後どうなったか」を描いたオマケストーリーが公式ブログに掲載されていたりもします。当然ゲームラストのネタバレを含むので、まだゲームをプレイしていない人は読んじゃダメよ?さくやルートなおルートいつきルート

 書いているのはゲームと同じライターさんなのでストーリー的に破綻もありませんし、面白いです。なおちゃんルートはこれを読んで「ようやく報われた」という気になれました。


◇ 結局、どういう人にオススメ?
2018103022493100-7236C468C03A7F414FA188ADBB94FD03.jpg
<画像はNintendo Switch版『白衣性愛情依存症』より引用>

 ということで、このゲーム「前半」と「後半」でテイストが変わるので「どういう人にオススメ」って言いづらいんですよねぇ。「前半が好きな人」には後半はヘビーだろうし、「後半が好きな人」には前半は長ったらしく思えるだろうし。

 ただ、そもそもチュンソフトが『弟切草』を作ったころからマルチシナリオのアドベンチャーゲームは「様々なテイストの話が入っているゲーム」だったようにも思えます。それはまぁ、ルートによってテイストが変わるという意味であって、前半と後半でテイストが変わるという意味ではないのですが(笑)。

 「様々なテイストの話が入っているアドベンチャーゲーム」を求めている人には、このゲームもオススメかなと思いますね。あとは、「男性が完全にいなくなった世界」を見てみたいという人にもオススメかな!これは俺が夢見た「俺達がいない世界」だ!早く死にたい!


白衣性愛情依存症 - PS Vita
Posted with Amakuri
¥5,530
売上げランキング: 15174

工画堂スタジオ 白衣性愛情依存症 PC普及版
Posted with Amakuri
¥5,694
売上げランキング: 3898
グッドエンド後を収録した録り下ろしドラマCDなどの特典が付く

白衣性愛情依存症 ホワイト・メモリアル ([バラエティ])
Posted with Amakuri
¥3,456
売上げランキング: 609258
ファンブック

| ゲーム紹介 | 17:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |