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変わらない価値のあるもの

2019年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2019年03月

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『テトリス99』から考えられる任天堂のNintendo Switch Online戦略

 バタバタしていて話題にすることが出来ていませんでしたが、2月14日にニンテンドーダイレクトがあって、多数のNintendo Switch用ソフトが発表されました。そんな中、今日の記事で話題にしたいのはこちらです。



 99人で対決する『テトリス99』
 買い切りのゲームではなく、(今のところ)課金要素もない、Nintendo Switch Onlineの有料会員ならば無料で遊べる「有料会員の特典ソフト」ですね。


 Nintendo Switch Onlineとは?という人もいると思うので、そこから説明します。
 任天堂のゲーム機はこれまでは「オンライン対戦」や「オンライン協力プレイ」は基本的にソフトと本体を持っている人ならば無料というスタイルでしたが、Nintendo Switchからは「オンライン対戦」や「オンライン協力プレイ」をするためには有料会員にならないといけなくなりました(昨年9月までは特別に無料期間ではありましたが)。それがNintendo Switch Online。料金プランはこちらをどうぞ

 これは恐らくWii Uで『Splatoon』が大ヒットしたことによって、「オンライン対戦」や「オンライン協力プレイ」で1本のゲームを長く遊んでもらうことを任天堂も重視するようになったからなのかなと思いますし……Nintendo Switch本体発売から半年の間に、『マリオカート8DX』『ARMS』『Splatoon2』とオンライン対戦可能なキラータイトルを任天堂が立て続けに投入できたのも、それを見越しての投入だったのだろうと思います。


 20年くらい前なら「1つのゲーム機」を買ってもらえたら「何本のソフト」を遊んでもらえるのかというデータが重要だったのですが、今は1本のゲームを何年もかけて遊ぶ人が少なくありません。ファミコンやスーファミのソフトをその1本だけで1年半遊ぶのはなかなか厳しいですが、『Splatoon2』なら発売から1年半が経過した現在でも毎日遊んでいる人はタイムラインを見ても大勢いますもんね。
 ユーザーの「『Splatoon2』1本買えばずっと遊べる」と、メーカーの「『Splatoon2』だけずっと遊んでてもらって構わない」を両立させるものが、オンラインプレイの有料化なんだろうと思います。1本しかソフトを買わない人からもちゃんと収益をあげるというシステム。



 ですが、『マリオカート』でも『Splatoon』でも『スマブラ』でも、「1ヶ月ガッツリ遊んだらもうイイやという人」もいます。
 2月1日に公開された経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会の「質疑応答」の「Q8/A8」によると、Nintendo Switch Onlineスタート直後の10月末では「12ヶ月プラン」の比率が高かったのが、徐々に「1ヶ月プラン」などの比率が上がっているという話が出ています。
 「『スマブラ』買ったから1ヶ月だけ加入しよう」みたいなスタイルも私は共感ができるのですが、こうした有料会員のシステムの欠点として「数ヶ月後に久々に再開したくなってきた」という時にゲームを再開するハードルが高くなるというものがあります。久々に遊ぶのに「1ヶ月300円」を払わなくてはならないのはなかなかハードルが高く、『スマブラ』はともかく、『Splatoon』なんかはオフラインのみだと別のゲームですからね。



 なので、常時「有料会員でいてもらう」ため、月替わりのサービスを入れて「来月も有料会員でいよう」と思ってもらう必要があって。例えば、プレイステーション系の機種だと、「フリープレイ」で「有料会員でい続ける限り遊べるゲームが毎月どんどん増えていく」という大盤振る舞いをしていますよね。
 Nintendo Switch Onlineの場合は、ファミコンのソフトをオンライン対応にして月3本ずつラインナップに加えていくというサービスをしているのですが……若い層には「ファミコンみたいな昔のゲームなんて興味ないし」という人だって当然多いでしょうし、海外向けにローカライズされていないソフトを出すと海外のみ「今月は2本しかないよ」みたいなことも起こるしで、海外では特に不満が膨れ上がっていたみたいなんですね。

 任天堂の「Nintendo Switch Online」動画に対する、ユーザーの低評価投下続く。いくつかの不満が集約される形に



 という伏線を踏まえた上で『テトリス99』を見ると、なるほど―――と。
 この投入のタイミングは、12月に『スマブラ』が発売されて、1月末にパックンフラワーが追加されて、「そろそろ飽きてきたかな、来月から有料会員をやめてもイイかな」という時期をピンポイントで狙ってきたのだろうと思うのです。オンライン対応の大型タイトルの隙間を、こういう「有料会員の特典ソフト」で埋めて、有料会員を継続させようと。

【Nintendo Switch Online関連の流れ】
・9月:有料化開始、『ファミコン Online』配信開始、『Splatoon2』フェスの仕様変更など
・10月:
・11月:『ポケットモンスター Let's Go!』発売
・12月:『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』発売
・1月:『スマブラSP』パックンフラワー追加
・2月:『テトリス99』配信開始
・3月:
・4月:『スマブラSP』ジョーカー追加&Ver3.0アップデート(?春予定)
・5月
・6月:『スーパーマリオメーカー2』発売予定


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<画像はNintendo Switch用ソフト『テトリス99』より引用>

 『テトリス99』は明らかに「モードを追加する用意がある」仕様なので、オンライン対応の大型タイトルに特に動きがない3月か5月あたりにアップデートしてモード追加とかしてきそうですし。もっと先になるとは思いますが、『テトリス99』以外の「有料会員の特典ソフト」も準備していて大型タイトルの隙間にねじ込んでくることはありそうな気がします。


 そして、前作では「ステージのアップロードとダウンロード」だけだった『スーパーマリオメーカー』ですが、こうした流れからみると『2』はNintendo Switch Online有料会員の継続を狙って「オンライン対戦」とか「オンライン協力プレイ」を仕込んでいそうな気配を感じ取れなくもないです。
 任天堂公式のトピックスで見られるキービジュアルは、ビルダー姿のマリオとルイージの2人姿、フィールドを走るマリオとルイージとキノピオとキノピコの4人と―――協力プレイが出来るようになっていると見ることが出来るんですね。

 オンラインでありそうなのは、「1つのコースを2人で協力して作ることが出来る」とか、「1つのコースを4人で協力して遊ぶことが出来る」か「1つのコースを4人で競争して遊ぶことが出来る」とかかですかねぇ。
 個人的には「作る」よりも「協力して遊ぶ」方が魅力的かなぁ。難関コースの100人マリオに、オンラインで集まった4人で協力して挑むのは面白そう。1人で遊んでいるとヘイトが溜まる一方ですからね!(笑)




 この話は別の記事に書こうと思っていたのですが、一緒に書いちゃいます。
 昨年の7月に発売された『進め!キノピオ隊長』が、このタイミングで「2人協力プレイ可能に無料アップデート」+「追加ステージを有料DLCとして販売予告」されました。今まではアシストプレイ的な協力プレイしか出来なかったゲームが、2人同時にキャラを動かせるようになったのです。

 Nintendo Switchの任天堂タイトルは発売後もガンガン無料アップデートされていくものが多いのですが、「2人協力プレイ」なんてゲームの遊び方がガラッと変わるものをぶち込んでくるとは予想外でした。


 Wii Uが出たあたりの2013年~2014年頃だったと思うんですが……
 HDグラフィックのゲームの開発に思った以上に苦戦した任天堂は、「新作ソフトを何本も出す」ことが出来ない代わりに「有料DLCを発売することで1本のゲームを遊んでもらえる期間を延ばそう」としたことがありました。『NewスーパーマリオブラザーズU』の有料DLC「NewスーパールイージU」を販売したり、『マリオカート8』では追加キャラや追加コースを販売したり、『スマブラfor』では追加ファイターや追加ステージを販売したり。

 ただ、『マリオカート』や『スマブラ』をずっと遊び続けている人ならば「追加コースが遊べるなら有料DLC買っちゃおうかな」と考えられるのでしょうが、1回そのゲームをもう遊び終えたと辞めちゃった人が「有料DLCが発売されたから再開しようかな」と考えるかというと難しいと思うんですね。ただでさえ「一度辞めたゲームを再開する」のにはエネルギーがいるのに、更に有料DLCを買うにはお金がかかるワケで。


 なので、その後の「有料DLCを販売しなかった」『Splatoon』や『スーパーマリオメーカー』を経て出てきたNintendo Switchは、ゲームを遊び続けてもらうor辞めていたとしても再開してもらうための「無料アップデート」と、遊び続けてくれた人&再開してくれた人に向けて「有料DLC」を販売するという二段構えにしているのかなと思うのです。

 分かりやすいのは『Splatoon2』ですよね。
 発売後も追加ブキや追加ステージがどんどん増えていったのは前作と一緒ですが、そうした「無料アップデート」だけでないオクトエキスパンションという「有料DLC」も販売しました。

 『キノピオ隊長』はオンラインゲームではありませんが、2人同時プレイが可能になるという「無料アップデート」と、新ステージという「有料DLC」を発表しました。

 『スマブラSP』も、ジョーカーなどの新ファイターを「有料DLC」として販売することは発売前から発表されていましたが、どうやら「Ver 3.0」という「無料アップデート」で“何か”が追加されるとこちらもニンテンドーダイレクトで発表されました。その“何か”は多分アレだと思うのですが、その“何か”目当てに久々に『スマブラSP』を起動した人に「じゃあジョーカーも買おうかな」と思ってもらいたいという狙いだと思うんですね。


 この「無料アップデート」と「有料DLC」の二段構えは、今後の任天堂ソフトの方針の一つになるんじゃないかと私は予想しているのですが……
 更に、「無料アップデート」と「有料DLC」と、「Nintendo Switch Onlineを継続してもらうこと」は密接に関わっていて。ソフトの価格とは別に毎月の収益になるという意味では、オンラインゲームで「Nintendo Switch Onlineを継続してもらう」ということは、オフラインゲームで「有料DLCが売れる」のと同じくらいの価値があるのかなと思うのです。


 ということを踏まえて、前作では「有料DLC」をやらなかった『マリオメーカー』や『どうぶつの森』がどうなるのか、「有料DLC」の実験場のようになっていた『ファイアーエムブレム』はどうなるのか、気になります。

 とりあえずNintendo Switch Onlineのためにも、『どうぶつの森』はオンラインで出来ることは増えそうな気がしますし、長く遊んでもらうためにも「無料アップデート」で発売後にも遊びが増える可能性は高そうな気がします。今までの「時計・カレンダーと連動したイベント」だけじゃない、「アップデートで解禁されるイベント」みたいなものもあるかも知れませんね。


 まぁ、まだNintendo Switch版『どうぶつの森』がどんなゲームになるのかの発表もされていないのに、「無料アップデートで遊びが追加されていくと思う」とか言っているの、気が早いにも程があると思いますが(笑)。


  

| ゲーム雑記 | 17:52 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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ゲームに時計機能が付いた頃

 私は現在1997年に発売されたセガサターンの『デビルサマナー ソウルハッカーズ』に実況プレイで挑戦しているのですが、なかなか興味深い場面がありました。

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<画像はセガサターン版『デビルサマナー ソウルハッカーズ』より引用>

 このゲームの主人公は「持ち運べる銃型のコンピューター」を持っていて、そのコンピューターに自分の好きなアプリをセットすることが出来ます。「どこでもセーブできるようになるアプリ」とか「周辺のマップが表示されるアプリ」とかを、自分で選んでセットするんですね。今でいうスマートフォンをイメージすれば分かりやすいかなと思います。

 そうした様々な種類のアプリの中に、「現在時刻を表示する」というだけのアプリがあったのです。
 いやいや、こんなもん要らないでしょ。時計ならすぐそこの壁にかかっているのを見るし、ゲームウォッチかよ!―――と思ったのだけど、生配信中にいただいたコメントでハッとしました。これ、セガサターンに付いている「時計機能」を活かそうとしたのか!と。



 「セガサターンって何?」という人だっているでしょうから説明します。

 セガサターンは1994年11月に発売されたセガの据置ゲーム機です。
 3DO(海外では1993年10月発売)、ネオジオCD(1994年9月発売)、プレイディア(1994年9月発売)、セガサターン(1994年11月発売)、プレイステーション(1994年12月発売)、PC-FX(1994年12月発売)、バーチャルボーイ(1995年7月発売)、ピピンアットマーク(1996年3月発売)、そしてNINTENDO64(1996年6月発売)――――と、様々な会社の様々な機種が乱立し、最も過酷なシェア争いが繰り広げられたと言われる据置ゲーム機第5世代の一機種です。

 この世代、「標準メディアにCD-ROMを採用する機種が多かった(それ以前は周辺機器で対応していた)」「それに伴ってムービーや音声が収録しやすくなって、ゲームがマルチメディアと呼ばれるようになっていった」「ソフトの単価も下がった」、「ポリゴンによる3Dグラフィックの表現が標準となっていった」「アナログスティックを採用するゲーム機が現れた」「コントローラを振動させるギミックが出てきた」といったカンジに、ゲームが大きく変わった世代なんですけど……
 話題にされることは少ないのですが、「時計機能を活かしたゲーム」が生まれたというのもこの時代の革新の一つだったんじゃないかと思うんですね。


 今では恐らくすべてのゲーム機に付いている「時計機能」ですが、この時代ではまだ珍しく、(唯一かどうかは自信がありませんが)セガサターンは本体に時計機能が付いている稀有なゲーム機だったのです。

 もちろん「ゲーム」と「時計」の融合の歴史を語ると「ゲーム&ウォッチ」(1980年~)があるのですが、単に時計が付いているのではなく「時計と連動したゲーム」の歴史はこの1990年代中盤あたりが始まりかなと思います。
 今では当たり前に付いているし、スマホ用のゲームなんかはインターネットにつながることが前提なので、逆に「時計なんかと連動したところでゲームが面白くなるの?」と思う人もいるかも知れませんが、これが現在のゲームの礎になっているところがあると思うのです。

 「時計と連動したゲーム」とは、「ゲームを起動していない間も(疑似的に)ゲームが進む」ということですからね。



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<画像はゲームキューブ用ソフト『どうぶつの森+』より引用>

 恐らく世界一有名な「時計と連動したゲーム」は、2001年4月に1作目が生まれた『どうぶつの森』シリーズでしょう。
 時計機能を活かして「前回起動した時から今回の起動までに何日空いたのか」を計測しているので、数ヶ月ぶりに起動したら住民が自分のことを忘れているとか、住民が引っ越しているとかが起こるのです。
 今のはあまり良い例ではありませんでしたが……例えば「お店に売っている品物がリアル1日ごとに変わる」ため、毎日起動してお店をチェックしたくなるとか、昼に子供が買って品切れになっているのを親が夜に起動すると分かるとか、現実世界とあの村がリンクしているカンジが楽しいんですよね。

 また、時計機能はカレンダー機能も兼ねているため、「今日はクリスマスだからクリスマスのイベントが起こる」とか「夏だから夏の虫が捕れる」といったように―――起動する日によってゲーム内容が変わるのも特徴ですね。これは、現在のスマホ向けゲームなどでよくある「季節限定イベント」の先駆けのように思えます(こちらは時計と連動というよりインターネットと連動といった形ですけど)。

 ちなみに、『どうぶつの森』初代が発売されたNINTENDO64には時計機能がありません。同じ第5世代の据置ゲーム機であっても、セガサターンには時計が内蔵されていますが、プレイステーションやNINTENDO64には時計が付いていなかったんですね。
 元々『どうぶつの森』の原型は64の周辺機器64DD向けに開発されていて、64DDには時計機能が付いていたのでそれを使った「時間差のコミュニケーション」の遊びを目指していたんですね。それが、64DDでの開発がストップとなり、通常の64のROMカセットで発売することになったので、ROMカセットの中に時計機能を内蔵したという。

 64がROMカセットを採用したこと、64DDが大失敗に終わったこと―――NINTENDO64というゲーム機は、必ずしも任天堂が当初思い描いた未来にたどりつかなかったと思うのですが、その二つが功を奏して『どうぶつの森』という大ヒットシリーズが生まれたのだから分からんものですよねぇ。




 さてさて。
 しかし、『どうぶつの森』よりも前に「カートリッジに時計機能を付けたゲーム」はいくつも存在します。例えば、1999年11月に発売となった『ポケットモンスター 金・銀』です。『ポケモン』シリーズ第2作目ですね。
 現実時間と連動して「朝にしか出ないポケモン」や「この曜日にしか開かない店」といった要素が出てきました。『ポケモン』は元々、制作者が子供の頃に体験した“昆虫採集”を拡張したようなゲームなので、この進化はなるほど納得―――なのですが、そのせいでバッテリーバックアップの電池の消耗が激しく、およそ2年で電池が切れてセーブデータも消えるという問題が生まれたのだという。

 「時計とちゃんと連動したゲーム」の歴史を考えると、「セーブ機能」の歴史とも絡んでくるんですね。



 歴史を更に遡れば、1995年12月に発売になったスーパーファミコン用ソフト『天外魔境ZERO』も「カートリッジに時計・カレンダーを内蔵して連動するゲーム」でした。
 RPGでありながら、プレイヤーの誕生日を祝ってくれたり、特定の曜日にしか開いていないお店があったり、3月はひな祭り・7月は七夕といったカンジに季節と連動したお祭りが開催されたり―――後の『ポケモン』や『どうぶつの森』がやることを、この時代に先取りしてやっていたんですね。恐るべし、広井王子。

 開発スタッフは別ですが、ハドソンはこの流れを継承して1996年8月発売の『大貝獣物語II』にもこのシステムを採用。セガサターンでも1997年1月発売の『天外魔境 第四の黙示録』なんかに採用されているそうです。
 しかし、『天外魔境ZERO』や『大貝獣物語II』も『ポケモン金銀』と同様にバッテリーバックアップの消耗が激しくて、セーブデータが消えやすいと言われていて、カートリッジに時計機能を内蔵している特殊な仕様なためレトロフリークで遊ぼうとしても正しく進行しないそうなんです。どうしても遊びたかったら、自分で電池を交換して実機で遊ぶしかないのか。




 また、ここまで敢えて触れてきませんでしたが……
 「時計と連動したゲーム」のターニングポイントとして忘れてはいけない商品が、1996年11月に発売された『たまごっち』です。ゲーム機用のゲームではなく、キーホルダーのような形状の玩具で、普段ゲームを遊ばないような層にも大ヒットしました。
 『たまごっち』という名称は恐らく「たまご」と「ウォッチ」の合成でしょう。ゲーム&ウォッチのように時計を見ることが出来るだけでなく、ゲームそのものが時計と連動するようになっています。プレイヤーがゲームを遊んでいない間でもゲーム内時間が生きているため、「餌やり」や「トイレの世話」を一定時間ごとにやらないといけなくて、学校に隠れて持ってくる子供も多発しました。

 その面倒くささと、その後のブーム終焉とで、ゲームの歴史の中ではあまり語られることが多くない『たまごっち』ですけど―――要は、現実時間と連動した育成シミュレーションの先駆けですし、ゲーム内の時間に現実のプレイヤーが縛られるという体験の先駆けだったと思われます。そう考えると、現在のスマホ向けアプリのほとんどは『たまごっち』の礎の上に立っていると言えなくもないのではなかろうか!たまごっち先輩!

 ちなみにゲーム機用にも『たまごっち』のゲームは出ていて、初期のゲームボーイ版は「ゲームボーイの電源を入れている時だけ時間が進む」という仕様だったのが、1998年1月の『ゲームで発見!!たまごっち オスっちとメスっち』はゲームボーイのカートリッジに時計を内蔵するという『ポケモン金銀』仕様だったそうです。




 ゲームボーイやスーパーファミコン、NINTENDO64はROMカートリッジに時計機能を組み込めた一方、プレイステーション(初代)はメディアがCD-ROMだったため時計機能を活かしたゲームは作れませんでした。
 しかし、セガサターンは記事の冒頭に書いたように本体に時計機能が付いています。本体に時計機能が付いているのだから、さぞかし「時計と連動したゲーム」がたくさん出たのだろうと思いきや……この機能、セガはあんまり使わなかったんですよね。何のために付けたのか聞きたくなるし、「付けた機能は意地でも使う」任天堂との差だなと思わなくもないのですが。

 サードメーカーのソフトでは冒頭に紹介した『ソウルハッカーズ』のように「時計を表示する」みたいな使い方をしたり、誕生日を祝ってくれたり、新年のメッセージがあったり……オマケ要素のようなソフトはチラホラあるのですが、『たまごっち』や『どうぶつの森』のようにガッツリと時計を活かしたゲームというのは数少なかったと思います。


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<画像はセガサターン用ソフト『クリスマスナイツ』より引用>

 『クリスマスナイツ』はそんな中、セガ自身が作った数少ない1本と言ってイイでしょう。
 1996年7月に発売された『ナイツ NiGHTS into Dreams...』の体験版というかファンディスクのようなもので、ステージは1つしか収録されていないのですが、クリスマスの期間(11/25~12/25)に起動するとゲームのグラフィックやサウンドがクリスマス仕様にガラッと変わるのです。
 季節によってフィールドがガラッと変わってしまうというのは『どうぶつの森』の先取りと言えると思うのですが、これを製品版ではなく体験版というかファンディスクのようなものでやっているのがセガらしいというか何というか。



 その他でセガサターンの「時計機能を活かしたゲーム」の有名どころと言えば、1997年2月に1作目が発売された『ROOMMATE~井上涼子~』ですね。『ときめきメモリアル』の大ヒット以降、挑戦的なギャルゲーがたくさん生まれましたが、データム・ポリスターのこれもかなり時代を先取りしていたと思われます。
 主人公とヒロインが同居するという設定のゲームなのだけど、時計・カレンダーとガッツリ連動しているため、昼に起動しても彼女は学校に行っていて、深夜に起動しても彼女は寝ているというギャルゲーなのです。

 『たまごっち』のヒットを受けて考えられたのかと思ったけど、『たまごっち』の3ヶ月後に1作目が出ているということは「たまたま同じようなアイディアで生まれたゲーム」みたいですね。
 私は全く知らなかったのですが、同じ1997年2月にパソコン用のゲームで『リトルラバーズ』というこちらも現実時間と連動したギャルゲー(兄、または父になってヒロインを育成するゲームらしい)が発売になっているので……やはりこの時期のトレンドだったみたいなんですよね、「現実時間と連動したゲーム」は。

 話を『ROOMMATE~井上涼子~』に戻します。
 カレンダーとも連動しているので、クリスマスに起動したらクリスマスのイベント、正月に起動したら正月のイベントが見られるのだけど……深刻なバグが多いゲームなので、クリスマス→正月と年をまたぐとバッドエンドになるそうな(笑)。
 セガサターンの前座枠でプレイしようかなと考えたこともあるのですが、調べてみたらこのゲーム、サターンのパワーメモリーの中に入っている全セーブデータをクラッシュさせるバグがあるそうで、流石に『ソウルハッカーズ』の前座には使えませんでした。セーブが消えても惜しくないタイプのゲームに挑戦する際、パワーメモリーを抜いて本体だけにセーブして前座枠に使いますかね。

 バグのところはともかく、「現実時間と連動したギャルゲー」ということでニンテンドーDSで『ラブプラス』(2009年~)が発表された際にはオジサンゲーマー達が「井上涼子じゃねえか!」とザワザワしたという経緯があります。
 また、このゲームはプレイステーション版も出ているのですが、先ほども書いたように初代プレイステーションには時計機能が付いていないため、ポケットステーションをメモリーカードとして使用しないと遊べないらしい。ムリヤリすぎるが、そのおかげでポケットステーションでどこででも井上涼子とお出かけできるみたいな発想は、やはり『ラブプラス』を彷彿とさせなくもない。


【今日の記事で出てきたゲームのまとめ】
・1994年11月 時計機能を内蔵したセガサターン本体発売
・1995年12月 スーパーファミコンで『天外魔境ZERO』発売
・1996年11月~ セガサターンで『クリスマスナイツ』配布開始
・1996年11月 キーチェーン玩具『たまごっち』発売
・1997年2月 セガサターンで『ROOMMATE~井上涼子~』発売
・1997年2月 Windows 95用『リトルラバーズ』発売
・1999年11月 ゲームボーイで『ポケットモンスター 金・銀』発売
・2001年4月 NINTENDO64で『どうぶつの森』発売



 熾烈なシェア争いを繰り広げた据置ゲーム機の第5世代の後、第6世代になると恐らくプレイステーション2もゲームキューブも本体に時計機能を付けていたはずです。携帯ゲーム機でも、ニンテンドーDSやPSPの世代になると時計機能が標準で付くようになります。
 リアルなグラフィックや、インターネット通信の対応などばかりが「ゲーム機の進化」と考えられがちですけど、64DDの話で出てきた「大容量のセーブが出来るようになる」とか、今回のこの「時計と連動したゲーム」もあまり語られないゲーム機の進化だと私は思います。今日の記事に書いた90年代の試行錯誤が、「あるのが当たり前」の時代になった2000年代になると――――

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<画像はWii Uバーチャルコンソール版『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』より引用>
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<画像はWii U用ソフト『Wii Fit U』より引用>

 世界中で大ヒットした『脳トレ』(2005年~)や『Wii Fit』(2007年~)は、カレンダーと連動して毎日起動することでスタンプを押していくというゲームでした。一気にプレイするのではなく、毎日ちょっとずつでも起動することで継続して遊ばせようとしたこれらのゲーム……これも、要は「時計と連動したゲーム」なんですよね。

 『どうぶつの森』が1000万本クラスに大化けしたのもこの時期ですし、2000年代中盤あたりは1990年代中盤以降に種を蒔いた「時計と連動したゲーム」が花開いた時代と見ることも出来ます。そして、そこから10年が経つ2010年代中盤になると、みながみな「ログインボーナス」のために毎日ゲームを起動する時代がやってきて、「時計と連動したゲーム」なんて当たり前になっているという。


 時計機能を内蔵したセガサターンの発売が1994年。
 時計機能を活かした『脳トレ』や『おいでよ どうぶつの森』の大ヒットが2005年。

 なんか……うん……
 いつもいつもこういうオチにするのは「またかよー」と飽きられそうなんですけど。



 セガってここでも10年早かったんだな! 


  

| ゲーム雑記 | 17:51 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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Amazonの「ほしい物リスト」を通じていただいた「バレンタインデーのプレゼント」を開封する配信を行いました!(3年目)

 1年目に書いた企画の意図などはこちらをどうぞ。

 Amazonの「ほしい物リスト」を公開しようかと考えています
 Amazonの「ほしい物リスト」を公開する際&公開している人に贈る際に気を付けたいこと
 Amazonの「ほしい物リスト」を通じていただいた「バレンタインデーのプレゼント」を開封する配信を行いました!


 Amazonには一つ一つの商品を「今はまだ買わないけど、忘れないようにリストに加えておこう」という機能があるのですが、このリストを公開リストに設定することで他の人に買ってもらうことが出来る上に、なんならリストに入っていない商品も贈れるため「貴方のおすすめの商品を贈ってください」みたいな使い方も出来るのです。

 これを使えばいわゆる「福袋開封配信」みたいなことが出来て面白いなと思ったのと、「リア充のためのイベント」「だから爆発しろ」みたいに言われがちなクリスマスとかバレンタインを妬むんじゃなくてもっと面白いイベントに出来ないかと考えたのと、ブログとか配信とか創作活動をしている人達はもっともっとAmazonの「ほしい物リスト」を公開した方がイイんじゃないかとこの企画を考えました(ここまで一昨年のコピペです!)


 昨年は「ほしい物リストに入っていないもの“だけ”を贈る」ことが出来なかったのですが、今年は仕様が再度変更になったみたいで、「ほしい物リストに入っていないもの“だけ”を贈る」ことが出来ると1月4日に確認した上で企画を行いました。
 今年も本気で嬉しいものばかりをもらった上に、ゲラゲラ笑える楽しい開封配信を行うことが出来ました。プレゼントをくださった皆様、本当にありがとうございました。こういう想いに支えられているんだと兜の緒を締めて、もっともっと楽しいブログ記事を書いたり、もっともっと下手なゲーム実況をしたりしていきたいと胸に刻みました。

 今回も、開封する様子は生放送で開封したものの動画と、その後にブログ用に書いたテキストの両方でお届けしますので、お好きな方でご覧ください。



 ↓ テキスト版はこの後です。

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| ひび雑記 | 17:50 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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【大事な大事なお知らせ】『春夏秋冬オクテット』をパブーから撤退させます

 先月末から、パブーで電子書籍を販売している人にトンデモないメールが届いているみたいです。私のところには2月7日に届きました。

 電子ブックの個人出版は特定商取引法の適用対象か?諌山裕の仕事部屋さんより)

 パブーで電子書籍を有料で販売している人は、1冊も売れていなかったとしてもプロフィール欄に「“特定商取引法に基づく表示”の記載」をお願いしますという内容のメールです。んで、「“特定商取引法に基づく表示”の記載」とは何ぞやというのは実際に届いたメールによると、「戸籍上の氏名」「住所」「電話番号」「メールアドレス」だそうです。パブーのではなく、私のです。


 要約すると、パブーで電子書籍を売りたかったら「本名」「住所」「電話番号」の個人情報を載せなさいよという通達が来たんですね。

 馬鹿なの?
 インターネット上にそれらの個人情報を載せろと言うことは、「死ね」とほぼ同義ですよ。Twitterでの反応を見ると、パブ-で有料作品を販売していた人は既に次々と撤退していっているみたいです。当たり前です、みんなまだ死にたくないですからね。


 初期のキンドルのセルフ出版は容量制限が厳しかったため、パブーには随分と助けられました。感謝もしていますし、応援もしていました。しかし、その後に運営会社なども変わって、最終的にこんなことに。申し訳ないけれど、私だってまだ死にたくないです。バレンタインにもらった漫画を全部読んで、ゲームを全部遊ぶまでは死ねないんです!

 ということで、誠に申し訳ありませんが……
 2月末までに、パブーから『春夏秋冬オクテット』は撤退させます。

 パブーは1度購入すれば、PDF形式で何度でもダウンロード出来るし、ブラウザ視聴も出来るというのがウリのサイトでしたが……恐らく商品を撤退してしまえば、その両方が出来なくなるでしょう。パブーで『春夏秋冬オクテット』を買ってくださった人は、今の内にPDF形式でダウンロードして、消去しないでおいてくださると助かります(ローカルに保存しておいたPDFは、当然消去しない限りはずっと読めますし、別のPCやタブレットなどに移すことも出来ますので)。



◇ キンドル本は大丈夫?
  

 Amazonからは何も言われていないので、今のところは大丈夫みたいです。
 ということで、『春夏秋冬オクテット』は今後はキンドル本のみでの発売になります。

 それに伴い……どうせならば、と。
 『春夏秋冬オクテット』は8本の読み切り漫画からなる短編集なのですが、その内の4本はPixivなどの投稿サイトに載せていて無料で読むことが出来ます。しかし、それからもう何年も経過していて、役目を終えたとも思いますし、投稿サイトに載せていた4本の読み切り漫画も撤去しようと考えています。

 そうすることによって、キンドルで出していた『春夏秋冬オクテット』3冊は「キンドル独占扱い」になるのでKDPセレクトに登録できるようになるはず―――そうすると、キンドルオーナーライブラリーやKindle Unlimitedで(月額有料会員は)無料で読むことが出来るようになるのです。
 代わりに……多分ですけど、KDPセレクト扱いの商品が出来る一番安い価格設定は250円だったと思うので、200円→250円に値上げすることになるのですが。発売から5年弱が経過しているため、最近は『春夏秋冬オクテット』のキンドル本を買ってくださる人はほぼいない状況なので、それならばキンドルオーナーライブラリーやKindle Unlimitedで読んでもらえることを期待してKDPセレクトに登録したいなと思うのです。

・Pixiv等の投稿サイトから『春夏秋冬オクテット』に収録されている4本の読み切りを撤去
・キンドル本の『春夏秋冬オクテット』3冊が、各200円→250円に値上げ
・その代わりキンドルオーナーライブラリーやKindle Unlimitedで読めるように


 これらは、3月末くらいを目指して作業しようかなと思っています。
 「読み放題じゃなくて、買い切りで欲しいよ!」という人は、今のうちに買っておいてくださると嬉しいです。

| 春夏秋冬オクテット | 17:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【告知】2月14日(木曜日)20時頃~Amazonの「ほしい物リスト」経由でいただいたプレゼントを開封していました

 1月4日に「ほしい物リスト」に入っていないものだけでも贈れることを確認したので、今年も「ほしい物リスト」を公開することにしました!

 やまなしレイさんがバレンタインデーに欲しいもの(2019)

 1月14日から2月14日までに「ほしい物リスト」経由でいただいたものは開けずにとっておいて、2月14日の20時から開封していく配信をします。
 もし誰からも何ももらえなかった場合は、「プレゼントが届いたていで」3時間エアプレゼント開封配信をやります。これを言い始めた2年前は「そんな無茶苦茶な企画があるかー」というネタのつもりで書いたんですけど、『たけしの挑戦状』挑戦を経た今ならそれくらい余裕でできそうな気もします。洒落が洒落になっていない!

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 そして!
 今回のプレゼント開封配信だけではないのですが、福袋開封配信のために“秘密兵器”を用意しました!アップしてから気付いたけど、ファイル名を確認されたらバレるヤツだこれ(笑)。乞うご期待!


【動画・仮置き場】


 いただいたプレゼントをまとめた記事をアップしたら、そちらに動画は埋め込むので、こちらの記事は削除します。


 長くなりそうなので、続きは格納しておきます↓

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2019年2月の近況報告その1:クリスマスバーチャお嬢様伝説の愛後編 Escapogoa花組っちパークハッカーズ(舜帝~!)

 Twitterで商業漫画の宣伝をされると怒り出す人、インターネットコミュニティの原体験がMiiverseだった説を思いついたんで、どうぞご自由にお使いください。




【最近読んでいたWEB小説】

 少女輪廻協奏曲 ノギクとヴェドラナの愛

 懇意にさせてもらっている『ランゲージダイアリー』のあいばたんの新作小説が完結したので、一気読みしました。あいばたんの歴代作品の中でも最もエンタメ性に満ちた小説だと思うので、みなさんにも読んでもらいたい!

 読み始める前は、「異世界モノ」で「百合」かー、人気どころのジャンルを取り入れるんだなー、「震災経験者が主人公」なのもあいばたんらしい、「歴女」というのは一体どういうことだ……?くらいのテンションで読み始めたのですが、中盤あたりから「ん?」「あれ?」「何ィイイイ!?」の連続で、「まさかこんな展開になるとは」と「なるほど、これで腑に落ちた」のバランスが絶妙でした。
 ジャンルは全然ちがうのだけど、「まさか」と「なるほど」が読者の心を動かす一番のポイントだと思って推理小説を書いている自分の作品にも通じるものがあると思うので、ウチのブログを読んでいる人にも是非是非どうぞオススメです。

 「完結を見せられる作品としては、平成最後の自分の作品になる」と仰られていましたが、それにふさわしい作品でした。自分も今書いているキンドル本用の短編小説が平成最後の自分の作品になると思うのですが、ちゃんと平成の間に発売できるようにがんばらねば……このままだと、やむなしレイが平成最後の作品になってしまう(笑)。



【最近観ているアニメ】
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<画像はアニメ『えんどろ~!』第5話より引用>

 今季のアニメ、『かぐや様』とか『わたてん』とか『ケムリクサ』とか『どろろ』とか『バンドリ』とか面白いアニメがたくさんあるのでなかなか話題に出せなかったのですが……『えんどろ~!』も、毎週の癒しの時間として楽しんでいます!ドラクエ以後のJRPGの世界観で繰り広げられる日常アニメです。

 第5話からはとうとう「お姫様」が登場。
 そして、突然の百合展開ですよ!「わたしたち、女の子同士だよ?」に対して「法律程度ならなんとかなります」と言えるお姫様かっこいい。

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<画像はアニメ『えんどろ~!』第5話より引用>

 このアニメ、「JRPGの定番」に対するパロディ的なところも多い作品なのだけど……「勇者と姫」という『ドラクエ1』以降の定番のカップリングが女性同士だったら、というネタなようで。本人達は特に気にしていないで、結婚する気満々なのが良いよね。よし、新しい国を作りに行こう!

 土曜日までなら、第5話はAbemaTVGyaO!ニコニコ動画などで無料配信中。
 有料会員は全話見放題は、Amazonプライムビデオdアニメストアバンダイチャンネルなどで配信中です。



【最近遊んでいたゲーム】
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<画像はセガサターン版『デビルサマナー ソウルハッカーズ』より引用>

 今月ゲーム実況で挑戦しているのは、『女神転生』シリーズの中でも初心者でも遊びやすいと評判の『デビルサマナー ソウルハッカーズ』です。1997年のゲームなんですが、「インターネット内の仮想空間」とか「VR体験」なんかがテーマになっていて、主人公の持つ「銃の形をしたパソコン」は今でいうスマホのようなものだったり、ものすごく時代を先取りしていますよね。

 とりあえず「5日目」までプレイした感想は、「絶妙な難易度のゲーム」というところです。
 ボス戦が毎回紙一重の勝負になっていて、たまたま自分が仲間にした悪魔が役に立ったから勝てたけど、そうでない人は勝ち目ないだろコレ―――と、全員に思わせるゲームが「最良の難易度のゲーム」ですからね。「これ俺はクリア出来たけど他の人にはムリじゃない?」と全員が思うゲームが良いゲーム。

 しかし、どうして私がこのゲームを生配信で挑戦するゲームに選んだかというと……『パズドラ』の頃から頻繁に話題に出している、「たくさんいる仲間をチョイスして育てていくRPGが(心理的に)苦手」というものを克服したかったんですね。育てる仲間と、育てない仲間を選別して、育てない仲間は合成の餌にする―――みたいなのが苦手で、『パズドラ』も『スクフェス』も『デレステ』も辞めてしまったのだけど。
 敵を仲間に出来るゲームの元祖とも言える『女神転生』シリーズに挑戦すれば、その苦手意識を克服できるんじゃないかと思ったら……なんと!『女神転生』シリーズは、レベルが上がるのは人間だけで、悪魔は仲間になった時のままで育たないんですって!

 「育成」要素が苦手だから、「育成」ゲームに挑戦しようとしたら、「育成」要素がなかった!どのゲームに挑戦するかを選ぶ段階で失敗するという、これ以上ないゲームの下手っぷり!

 まぁ、RPGとしてはすごく面白いんでこのままクリアまで遊ぶつもりです。「育成要素の強いRPG」はまた数年後にでも改めて別のソフトで挑戦しましょう。ヌルくない難易度のRPGを求めている人にはオススメです!

→ プレイ継続中



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<画像はセガサターン版『バーチャファイター』より引用>

 20時から『ソウルハッカーズ』実況を始める前の“前座枠”として、毎回10~30分だけプレイしているのが『バーチャファイター』の初代です。イージーモードならノーコンティニューでサクッとクリア出来るだろうと思って始めたのですが、4人目のKAGEにすら勝てない……何回コンティニューしても勝てない……

 しかも、ですね。
 テスト配信でプレイした時、攻略サイトどころか説明書すら読まずにテキトーにガチャガチャとプレイした時はワンクレジットでKAGEを倒すところまでは行ったんですよ。説明書を読んで、ちゃんと操作方法を覚えて、攻略サイトを読んで、連携技とかを覚えて、そうした後の方が弱くなっているという。

 説明書も攻略サイトも、読まない方がイイってことだな!

 「もうやめたい……」という気持ちでいっぱいだし、観ている人も「ずっと同じ画面を見させられてる……」とつらいだろうし、ギブアップしたいんですけど。『ソウルハッカーズ』が大体20日前後でクリア出来る計算でいるので、その半分の10日目まではギブアップせずに挑戦しようと思います。泣きたい。

 泣けるゲームを探している人にはオススメです!

→ プレイ継続中



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<画像はセガサターン用ソフト『サクラ大戦 花組通信』より引用>

 引き続きセガサターンのターン!テスト配信でプレイしたゲームの一つ『サクラ大戦 花組通信』は、もうクリアと同格の引退扱いにしました。

 『サクラ大戦1』と『サクラ大戦2』の間に発売されたファンディスクで、ファングッズの宣伝をキャラクターがしてくれたり、声優さんのインタビューを見れたりします。唯一ゲームっぽいのはLIPSを使った相性占いで、相性の良かったキャラとのストーリーが読めるところくらいかな。

 ↓で紹介する「CGポートレート」とかもそうですけど、スーファミ世代のROMカセットからプレステ・サターンで標準メディアがCD-ROMに替わったことで安価なソフトが出せるようになって、こういうものも出てくるようになったということなんですかね。まぁ、定価は税別4800円なんですけど。スーファミのソフトは1万円近くしていましたから。
 今はこういうのはなくなりましたよねー。今ならインターネットで無料公開されるようなものを、当時はディスクに入れて販売していたんだということですかね。そんな時代を感じたい人にはオススメです。

→ 引退!



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<画像はセガサターン用ソフト『機動戦士Zガンダム 後編 宇宙を駆ける』より引用>

 こちらは生配信後も続けてプレイして、イージーモードですがクリアしました『機動戦士Zガンダム 後編 宇宙を駆ける』です。セガサターンの原作再現ガンダムゲーは3本出ているみたいなんですが……

・1995年12月発売『機動戦士ガンダム』
・1997年4月発売『機動戦士Zガンダム前編 ゼータの鼓動』
・1997年9月発売『機動戦士Zガンダム後編 宇宙を駆ける』


 1作目の『機動戦士ガンダム』が「アニメパートを描き直し」&「2Dアクションで奥行きのある戦闘を表現」という良作だったにも関わらず、2作目の『Zガンダム前編』は「アニメパートはテレビ版の使いまわし」&「遊びやすかった操作方法を敢えてゴチャゴチャに」&「紙装甲のガンダムMk-II」という駄目改変で地獄のようなゲームになっていました。
 では、3作目の『Zガンダム後編』はというと……難易度がマトモになって、ちゃんと遊べるゲームになりました。Zガンダムの変形は何の役にも立ちませんが、ハイメガランチャーが強力という評判ですね。私は溜め撃ちが苦手なので使いませんでしたが!

 ただ、ゲームとして面白いかと言うと……
 元々原作の『Zガンダム』が「似たような宇宙空間で、ちがいの分からないモビルスーツと延々と戦うアニメ」なので、アクションゲームにしても変わり映えのしないステージが続くんですよね。かと言って、地上戦は動きがモッサリするのでダカールでのジェリド戦で15連敗くらいしましたが。
 んでもって、どのステージでも「俺ががんばってボスにダメージを与える」→「突然アニメが始まる」→「原作の使いまわしアニメで原作と同様にトドメを刺されるボス」と―――最後のトドメが毎回ムービーで済まされるので、俺が倒している感がゼロ!『ファイナルファンタジーVII』のリスペクトなのかな!?

 『Zガンダム』の映像をチラッとでもイイから観ないと禁断症状を起こしてしまうのだけど、DVDプレイヤーもパソコンもスマホも持っていなくて、セガサターンだけは持っている――――という人にならオススメできるかな。

→ クリア!



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<画像はセガサターン用ソフト『バーチャファイターCGポートレートシリーズVOL7 (舜帝)』より引用>

 こちらもテスト配信で使った『バーチャファイターCGポートレートシリーズVOL7 (舜帝)』ですが、生配信でプレイした部分が全てなのでクリア扱いです!こういうソフトにも攻略Wikiがあるんですね!
 セガサターンの『バーチャファイター』シリーズは、本体と同時発売の1994年11月に1作目が発売、1995年6月にリメイク版『バーチャファイターリミックス』がリリース、1995年12月に『2』、1996年7月に『バーチャファイターキッズ』、1996年12月に『ファイターズメガミックス』と―――半年に1本ペースで関連作が出される大人気シリーズだったんですね。むしろ、コレしかないというか……

 この『CGポートレートシリーズ』は、『2』のセガサターン発売の前後の時期となる1995年10月~1996年3月の期間に10本発売されました。価格は1300円くらい。要は「いよいよ発売になるセガサターン版『バーチャ2』」の販売促進を兼ねたディスクってことかなと思います。「『バーチャ2』が出るまで待ちきれないからコレでも見てカラオケを歌うぜ!」的な。

 10分もかからずにクリア出来るゲームを探している人にはオススメです!

→クリア!



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<画像はセガサターン用ソフト『クリスマスナイツ』より引用>

 こちらもテスト配信でプレイした『クリスマスナイツ』ですが、その後に1人でクリアまで遊びましたー。男女の主人公それぞれに1ステージずつしかなく、両方を連続でクリアすればスコアに関係なくエンディングになりました。スコアがまるで足りなくてギブアップした『ナイツ』に比べて良心的ですね!

 元々『ナイツ』が1996年7月にセガサターン用ソフトとして発売され、その販売促進として1996年の年末商戦あたりに様々な方法で配布されたのがこのゲームです。位置づけ的には「体験版ディスク」なんでしょうが、ストーリーが『ナイツ』の後日談となっていたり、セガサターンの内蔵時計を使って「起動した季節によってステージのグラフィックが変わる」という仕様だったり、単なる体験版に収まらない凝った仕様となっています。

 インターネット普及前なので、「体験版ダウンロード」も「アップデートで内容を変える」ことも出来ない時代の産物という気がしますね。
 時計によってゲーム内容が変わるというのは、『天外魔境ZERO』(1995年12月発売)とか『ROOMMATE~井上涼子~』(1997年12月発売)とか、この時期の「最先端のトレンド」だったんですかね。後の『どうぶつの森』などで標準的になるゲームの仕様ですけど、ルーツはどの辺りのゲームなのか気になりますね。

 クリスマスの時期に遊ぶのにピッタリな雰囲気のゲームを探しているのならオススメしないこともありません!

→クリア!



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<画像はセガサターン用ソフト『セガサターンで発見!!たまごっちパーク』より引用>

 まだまだ続くよ、セガサターンのターン!
 『ソウルハッカーズ』実況のためにセガサターンを出しっぱなしにしているので、この機会にセガサターンの積みゲーをどんどん消化していくのです!まずは『セガサターンで発見!!たまごっちパーク』です。

 1996年11月に発売になり、大ブームとなった玩具『たまごっち』。このゲームはそんな第1次ブームの末期である1998年にセガサターンで発売されたゲームで、原作同様の育成シミュレーションを強化して「8キャラ同時育成」が出来るという優れものでした。
 ですが、何故かこのゲーム「専用パワーメモリ」が付属されていて、これ以外にはセーブが出来ないという仕様になっているのです。恐らく中古対策なんでしょうね。私が持っているのは中古の福袋から出てきたヤツなので、当然「専用パワーメモリ」なんて入っていません。つまり、キャラを育ててもセーブが出来ないのです!

 ゴミかな?

 ゴミが欲しい人にはオススメです!

→ 引退



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<画像はセガサターン用ソフト『銀河お嬢様伝説ユナ REMIX』より引用>

 続けて、「短時間で終わりそうなアドベンチャーゲームをサクッと終わらせよう」と『銀河お嬢様伝説ユナ REMIX』もクリアしましたー。思ったより時間かかりましたけど……

 元々は1992年にPCエンジン SUPER CD-ROM2用で発売されたゲームで、それが人気となって続編やOVAなども展開されていました。制作はレッドカンパニーで、横山智佐さん演じるユナは作中でアイドルという設定で、彼女が歌う主題歌が流れるなど、「アニメのようなゲーム」という点では『サクラ大戦』の前身のように思えなくもないです。

 この『REMIX』は1996年、それまではPCエンジン系のハードに出ていたこのシリーズが、初めてセガハードで発売されたソフトです。この辺は「PC-FXの不調」や、「同じレッドカンパニーの『サクラ大戦』が1996年にセガサターンで発売になることが決まっていた」からなんですかね。
 1996年に1作目のリメイクとなるこの『REMIX』、1997年にシリーズ最終作となる『3』がセガサターンで発売されるのですが……『2』はどうした(笑)。まぁ、要は「ゲームキューブで『バイオ4』を出すから、『バイオ1』もリメイクしてゲームキューブで出すよ」みたいな話かなと思います。

 ゲームとしてはスタンダードな「コマンド選択型のアドベンチャーゲーム」です。「見る」「話す」「移動」を選んでストーリーを進めていくだけなんですが、トンデモない枚数の一枚絵とボイスで、今の水準でも「これだけの枚数のイベント絵をよく描いた!」と震えるほどでした。
 設定も2300年辺りの未来を舞台に、「普通の女子高生」が「突然アイドルになってしまって」、「更に光の戦士として宇宙をかけまわって闇の軍団と戦うことになる」というてんこ盛りの設定で面白かったです。色んな星を気軽に冒険するSF作品って、最近あまりないですよねぇ。

 しかし、その良さを全部台無しにするくらいに「バトルパート」が壊滅的につまらない……戦略性のかけらもない「ゲージの目押し」で攻撃力が決まるシステムなのもつらいけど、敵のHPがむっちゃ高くて時間がかかる!こちらが与えられるダメージが3、敵の最大HPが60、ということは最低でも20ターンはかかるのに敵が攻撃を避けまくる!どうすれば命中率が上がるとかのシステムもないのに!
 中盤以降はこちらの攻撃力も上がるのでまだマシですが、それまでは本当にキツかった。「暗黒お嬢様13人衆」とか、「13人もいるのかよ……」とウンザリしてくるし、敵によって戦略を変えるみたいなのもないから黙々とゲージを目押しするだけの時間が延々と続く。もうちょっと展開にメリハリがあったらなぁ。

 長所があれば短所など気にならないという人にはオススメです。

→ クリア!



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<画像はNintendo Switch版『Gorogoa(ゴロゴア)』より引用>

 来月がNintendo Switch本体発売から2周年なので、「これまでに私が遊んだNintendo Switchのゲームを全部簡易レビュー」という記事を書こうと考えています。その計画自体は昨年の秋くらいからぼんやりと考えていて、なので「どうせなら幅広いジャンルのラインナップにしたいな」と百合ゲーの『白衣性愛情依存症』をプレイしたり格ゲーの『Fight of Gods(ファイトオブゴッズ)』を買ったりしていたのでした。

 ということで、Nintendo Switch2周年までに1本でも多くのゲームをプレイしておきたいと、パズルゲームの『Gorogoa(ゴロゴア)』もプレイしてサクッとクリアしましたー。「1時間くらいで終わっちゃう」という評判でしたが、私はガッツリ2時間かかりましたよ!これだからゲームが上手い人の感想はアテにならないな!

 一言で言うと、「一見関係のなさそうな絵を合わせることでストーリーが進んでいくパズルゲーム」です。パターンをコロコロ変えてくるので「これは、さっきも使ったこのパターンだな!」が通用せず、適度に考えさせてくれるのが面白かったです。そして、正解がハマった時の「こことここがつながるのか!」という気持ち良さは、『ゼルダ』の謎解きだけを遊んでいるみたいな気持ち良さでした。
 ゲーム内容だけなら、私、今まで遊んできたNintendo Switchダウンロード専用ソフトの中でも1番くらいに好きかも(ただし、私の「1番好き」はアテにならない)。

 ネックなのは「価格」。
 私は「クリアまでのプレイ時間が短くても、濃密な体験が出来るのならお金を払える」と思っていて、1500円という価格は決して高くないと言えるのですが……このゲーム、スマートデバイス版も出ていて。iOSなら600円AndroidOSなら540円で買えてしまうみたいなんですね。ゲーム機のコントローラで遊べば操作しやすいってゲームでもありませんし、この価格差ならゲーム機版をオススメしなくてもと思ってしまいます。

 でも、内容は申し分ないので、どの機種でもイイから遊んでもらうことをオススメしますし、ゲーム機で遊びたいのならセール待ちとかでもイイのかななんて思います。

→ クリア!



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<画像はNintendo Switch版『The Escapists2』より引用>

 こちらは昨年の夏にNintendo Switch版が出て、生配信でちょっとだけプレイしたのだけど、当時はまだ『オクトパストラベラー』で忙しくてそこから一度も起動していなかった『The Escapists2』です。
 最初からやり直すことにしたのですが、アップデートで修正されたのか、オフラインモードにしたからなのか、最初の刑務所にロビンソンがいて「脱獄するためのクエスト」をくれるようになっていました。その指示に従っているだけで、最初の刑務所を難なくクリア!

 文字が恐ろしく小さいのを除けば、なかなか楽しいです。
 簡単に説明すると、このゲームは「脱獄に必要なアイテムをどうにかして作るゲーム」かなと思います。穴を掘って抜けるならシャベルが、金網を切って進むならハサミが必要なのだけど、当然囚人にはそんなものは支給されません。様々なものを組み合わせてそうしたアイテムを作るために、あの手この手で材料を集めたりするのが主な目的みたいですね。

 そのために、刑務所内で仕事をこなしてお金を稼いだり、依頼を受けたり、様々なことをしていく―――と。
 1つの刑務所ごとに様々なクリア条件があるみたいですが、とりあえず全刑務所を1回ずつクリアするのを目指してプレイしていきますかね。小さな文字でも大丈夫(モニターが大画面)という人にはオススメです!

→ プレイ継続中




<クリア:5>
・『機動戦士Zガンダム 後編 宇宙を駆ける』
・『バーチャファイターCGポートレートシリーズVOL7 (舜帝)』
・『クリスマスナイツ』
・『銀河お嬢様伝説ユナ REMIX』
・『Gorogoa(ゴロゴア)』

<引退:2>
・『サクラ大戦 花組通信』
・『セガサターンで発見!!たまごっちパーク』

<プレイ継続中:3>
・『デビルサマナー ソウルハッカーズ』
・『バーチャファイター』
・『The Escapists2』



 7勝0敗3分で、クリア率100%でした!
 目標はクリア率75%以上なので、当然セーフ。
 しかし、『バーチャファイター』は次の近況報告でギブアップ扱いになるでしょうから、つらい。格闘ゲームはいつか表挑戦で実況したいジャンルだったんですけど、これは考え直した方が良いかなぁ。



<現在の積み状況>

【紙の本】
・漫画:所有674冊、未読46冊
・小説:所有11冊、未読3冊
・その他:所有11冊、未読0冊
→ 積み本(紙)合計:49冊<前回:49冊>
【自炊済】
・漫画:所有331冊、未チェック32冊
・小説:所有22冊、未チェック3冊
・その他:所有28冊、未チェック1冊(+2冊)
→ 自炊の未チェック合計:36冊(+2冊)<前回:36冊(+2冊)>
【電子書籍】
・漫画:所有814冊、未読205冊
・小説:所有89冊、未読31冊
・その他:所有39冊、未読2冊
→ 積み電子書籍合計:238冊<前回:234冊>

【Nintendo Switch】
・所有37本、未起動7本、未クリア&未ギブアップ2本
【Wii U】
・所有24本、未起動2本
【Wii】
・所有62本、未起動12本、未クリア&未ギブアップ2本
【ゲームキューブ】
・所有13本、未起動7本、未クリア&未ギブアップ2本
【スーパーファミコン】
・所有50本、未起動31本
【ファミリーコンピュータ】
・所有75本、未起動30本
【ニンテンドー3DS】
・所有64本、未起動5本、未クリア&未ギブアップ1本
【ニンテンドーDS】
・所有37本、未起動1本
【ゲームボーイアドバンス】
・所有10本、未起動7本
【ゲームボーイ(カラー)】
・所有34本、未起動19本
【プレイステーション】
・所有43本、未起動7本
【ドリームキャスト】
・所有12本、未起動6本、未クリア&未ギブアップ1本
【セガサターン】
・所有49本、未起動32本、未クリア&未ギブアップ2本
【メガドライブ】
・所有3本、未起動1本、未クリア&未ギブアップ2本
【PCエンジン】
・所有10本、未起動1本
【アーケード】
・所有6本、未起動1本、未クリア&未ギブアップ1本
【スマートデバイス】
・所有116本、未起動3本
【PCゲーム】
・所有35本、未起動16本

→ 未起動188本、未クリア&未ギブアップ13本
→ 積みゲーの合計は201本<前回:208本>

 積み本は微増、積みゲーはかなり減らせた今月前半でした。
 まぁ、積みゲーに関しては「クリアまでに時間のかからないもの」を先に消化しているので、「クリアまでにかなりの時間がかかるもの」が後に残っているんですけどね(笑)。とりあえず今月・来月はセガサターン本体を出しっぱなしにしているため、セガサターンの積みゲーを1本でも多くクリアしなくては!


【これから買う予定のもの】


 新PC購入後の節約期間のため、しばらくはゲームは買わないつもり。
 この期間に積みゲーをガンガン減らしていくぞー!と思いきや、『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』には毎月ゲームが追加されていくのです。今月の追加は2月13日――――

 1本目は『スーパーマリオUSA』
 元々は1987年に『夢工場ドキドキパニック』として日本で発売されたものを、海外で『SUPER MARIO BROS. 2』としてキャラクターをマリオに差し替えたものを、1992年に日本国内でも販売したものです。『どうぶつの森e+』みたいなものか。

 なので、マリオシリーズだけどプレイ感覚は別ゲーで、異質な立ち位置なゲームですよね。私は友達の家でクリアまで遊んだ記憶があったので積みゲーリストには入れないつもりだったのですが、ひょっとしてクリアしたのはスーファミの『マリオコレクション』版かも。

 2本目は『つっぱり大相撲』です。
 ファミコン福袋常連なので、友達が家に置いていったので既に積みゲーです。でも、やるんだったらオンライン対戦も出来るこっちでやった方がイイ気がする。オンライン対戦をする機会があるのかは分かりませんが。

 ちなみに『つっぱり大相撲』はスーパーファミコン版も1993年に発売されていて、実名ではありませんが貴ノ花、若乃花、曙、小錦、舞の海など超個性的な面々が出てくるみたいなんですね。こっちもバーチャルコンソールで出してくれれば良かったのに。

 3本目は『星のカービィ 夢の泉の物語』です。
 Wiiのバーチャルコンソールでも、Wii Uのバーチャルコンソールでもクリアしているので、これも積みゲーリストに入れなくてイイかな。今月は積みゲーが増えない!喜ぶことなのか、それは。

 『カービィ』シリーズ2本目で、コピー能力が使えるようになりました。
 発売は1993年と、スーファミが出てから3年目にまだファミコンのソフトが出ていたんですよねー。こないだ『スターフォックス2』や64版『MOTHER3』はハードの切り替えに間に合わなかったために発売されなかったという話を書きましたが、ファミコン→スーファミの時は絶対王者の余裕なのかスーファミ本体が発売された後もファミコンソフトは発売されているんです。『マリオオープンゴルフ』とか『ヨッシーのたまご』とか『ジョイメカファイト』とか『ワリオの森』とか……Nintendo Switchで遊べる率が高いな!


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『どうぶつの森』は何故Wii Uで発売されなかったのか

 2019年のNintendo Switch期待のソフトと言えば、何と言っても『どうぶつの森』の新作でしょう。これまでのケースに倣うのならば、6月のE3近辺で詳細が発表され、11~12月あたりに発売ですかね。



 『どうぶつの森』シリーズは、2001年にNINTENDO64用ソフトとして1作目が発売されました。ハード末期での発売にも関わらず、「これまでにないゲーム」と普段ゲームを遊ばない層にも口コミで広がっていったことを受けて……
 前作からわずか8ヶ月後に、64版に様々な追加要素を加えた『どうぶつの森+』がゲームキューブ初期に発売されました。そして、その『どうぶつの森+』の海外版をベースにした国内版『どうぶつの森e+』が2003年に発売された後――――

 完全新作『おいでよ どうぶつの森』が2005年にニンテンドーDS用ソフトとして発売され、国内500万本以上、全世界1100万本以上の大ヒットとなりました。ローカルプレイやオンラインプレイで、友達の村に遊びに行って一緒に走り回ったり出来るのが特徴でしたね。

 その後、2008年にWiiで『街へいこうよ どうぶつの森』が発売されたのだけど、DS版からあまり変わり映えしなかったこともあって思った以上のヒットにならず。

 2012年に思い切った変化を加えたニンテンドー3DS用ソフト『とびだせ どうぶつの森』を出して、国内400万本以上、全世界1200万本以上の大ヒットとなりました。


 ということで、初代、『+』、『e+』は追加要素を加えたアレンジ版と一括りで考えると―――
・2001年 NINTENDO64『どうぶつの森』
・2005年 ニンテンドーDS『おいでよ どうぶつの森』
・2008年 Wii『街へいこうよ どうぶつの森』
・2012年 ニンテンドー3DS『とびだせ どうぶつの森』


 3~4年周期で新作が発売されてきたことが分かるかなと思います。
 このペースならば、2015年の年末か、2016年の年末にWii U版『どうぶつの森』の新作が発売されるにちがいない!と、2013年頃には思っていました。しかし、実際に出てきたのは「Miiverseに書き込むためだけのソフト」である『どうぶつの森 こもれび広場』と、「amiiboを使ったすごろくゲーム」である『どうぶつの森 amiiboフェスティバル』だけで、『どうぶつの森』本編はWii Uでは発売されませんでした。


 どうしてWii Uで『どうぶつの森』本編が発売されなかったのか―――それを考えることがNintendo Switch版『どうぶつの森』がどういう形になるかを解き明かすヒントになるのではないかと思い、今日はこの記事を書くことにしたのです。




仮説1:Wii U本体が売れなかったから、「作るだけ無駄だろ」と開発されなかった
 恐らく今日の記事タイトルを読んだ時点で、こう考えた人が多かったんじゃないかと思います。
 Wii Uなんて大失敗に終わったゲーム機なんだから、開発を始めていたとしても見切りを付けて途中でやめただけじゃねーのと。人が一生懸命考えて長々と文章を書いているのに、タイトルだけ読んで浅はかに「俺の方がよく分かっているぜ」みたいに上から言ってくる人、大嫌い!私は「そこから先」を考えたくてブログやってるんですよ!


 「Wii Uが売れなかったから『どうぶつの森』は発売されなかった」というのはある程度は正しいと思うのですが、それだけでは説明のつかないことがあります。

 まず、2013年8月に『どうぶつの森 こもれび広場』という無料ソフトがWii Uで配信されます。これは前述したように『どうぶつの森』のキャラについてMiiverseで盛り上がろうというだけのソフトなのですが、HDグラフィックに描き直されたどうぶつ達がフィールドをテクテク歩いているのです。あの数のキャラクターのHDグラフィックをこのソフトのためだけに作ることは考えにくいので、恐らく2013年8月の時点ではWii Uの『どうぶつの森』本編は計画されていて、そのグラフィックを流用することで『どうぶつの森 こもれび広場』を無料配信することが出来たんじゃないのかと思うのです。


 また、Wii Uは確かにスタートダッシュに失敗したゲーム機でしたが、だからと言ってゲームソフトが出なかったワケではありません。任天堂は2014年~2016年前半は月1本弱のペースでソフトを発売していて、特に2015年のラインナップは『マリオパーティ10』『ゼノブレイドクロス』『Splatoon』『ヨッシー ウールワールド』『デビルズサード』『スーパーマリオメーカー』『幻影異聞録♯FE』と大型タイトルがズラリと並んでいました。
 これらのソフトは発売されたのに、『どうぶつの森』だけが「Wii Uなんて大失敗に終わったゲーム機なんだから開発を始めていたとしても見切りを付けて途中でやめただけじゃねーの」と考えるのは筋が通りません。


 そして、こっちの方がもっと重要な話なんですが……
 2015年の年末までには間に合わなくて、2016年の年末までに完成が延びてしまうペースだったとしたら―――『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』のように、Wii U版とNintendo Switch版のマルチで発売するという手だってあったと思うんですね。もしくは、Wii U版の開発はやめてNintendo Switch版だけに移行するとか。
 Nintendo Switchというゲーム機はWii Uとアーキテクチャが似ているので移植がしやすく、『ゼルダ』はマルチで発売されましたし、『マリオカート』『ポッ拳』『ドンキー』『キノピオ隊長』『NewマリオU』とWii Uのソフトは数多くNintendo Switch版が出ています。『スマブラSP』で「全員参戦」が実現できたのはWii U版で作っていたものの移植から始められたからだと桜井さんも仰っていますし、『Splatoon2』があんなに早い段階で発売出来たのもWii U版の資産を引き継げたからでしょう。

 こないだ64DDについて色々書いたこともあって、私たまたま最近『MOTHER3』の64版開発中止の鼎談を読み返していたんですけど……どうして『MOTHER3』が開発中止になってしまったかというと、すごく簡単に説明すると「NINTENDO64というゲーム機を売る期間内にゲームが完成しなかったから」なんですよね。
 「あと1~2年あれば完成するかも知れない」「任天堂にはその開発資金力はある」、だけど「もうその頃には任天堂はゲームキューブを売らなくちゃいけないんだ」ということだったのです。ゲームキューブの時代に64のソフトを発売するワケにはいかないし(互換機能もないし)、64のソフトをゲームキューブに移植するのは簡単ではない―――

 ミニスーファミでまさかの復活を遂げた『スターフォックス2』も似たような理由ですよね。完成はした。しかし、完成するのに時間がかかりすぎて、もう半年後にはNINTENDO64が出るタイミングになってしまった。こんな時期に、わざわざスーファミの3Dポリゴンのゲームを出す意味はあるのか―――


 つまり、任天堂のゲームが「開発中止」や「発売中止」になる時って、ゲーム機のサイクルに間に合わなかったからという理由がままあるんですね。これは「ゲーム機とゲームソフトを両方売る会社」のジレンマでもあると思うんですが……

 なので、ゲームキューブ→Wiiの時はそれを防ぐために、意図的にアーキテクチャをそのままにすることでゲームキューブ用に開発していたソフトをWii用ソフトとして発売しました。『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』はマルチでしたし、『ドンキーコング たるジェットレース』や『スーパーペーパーマリオ』はゲームキューブ用ソフトとして発表していたものをWii用ソフトに変更して発売していました。『ファイアーエムブレム 暁の女神』がWii初期に発売されたのも、ゲームキューブの『蒼炎の軌跡』で作った資産を活かせたからですよね。

 Wii U→Nintendo Switchも同様で、Wii U用に開発した資産をNintendo Switchに移植させやすいようにアーキテクチャを近くしたのだから……もしWii U用に『どうぶつの森』を開発していて、「やっべーWii Uがあまりに売れていないぞ、どうしよう」となったとしたら、「じゃあ、ここまで作ったものをNintendo Switchに移植してNintendo Switch1年目に発売しよう」と考えると思うんですね。しかし、Nintendo Switch版『どうぶつの森』もNintendo Switch3年目まで出てきませんでした。
 

 何が言いたいのかというと……
 Wii U版『どうぶつの森』は恐らく「開発は始まっていた」と思うのですが、「開発が中止になった」理由は「Wii U本体が売れなかったから」だけではない「他の理由」との合わせ技での開発中止じゃないかと私は考えるのです。



仮説2:任天堂のIP戦略の犠牲になった
 現在の『どうぶつの森』最新作であるニンテンドー3DSの『とびだせ どうぶつの森』が発売されたのは、2012年11月です。

 その翌月(海外では当月)、2012年12月にWii U本体は発売されて大苦戦することになります。売れない理由はたくさんあったのですがそこは置いといて……
 同じようにスタートダッシュに失敗した3DSは「本体発売半年後に1万円値下げ」という強行策を取って、最初の年末商戦に『マリオ3Dランド』『マリオカート7』『モンハン3G』を揃えたことで持ち直したのに対して。Wii Uはソフト2本とWiiリモコンなどが付いた「Wii U すぐに遊べるファミリープレミアムセット」を発売したり、『Wii Sports』や『Wii Fit』の新作を基本無料の形で配信したりしたのですが、挽回することは出来ませんでした。

 任天堂は恐らく、この「2013年の年末商戦」までは巻き返せるかも知れないという希望を持っていたと思うのですが、そこで挽回出来なかったことを受けた2014年1月の「経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会」のプレゼンテーション資料を読み返すと、「Wii Uがトップシェアを獲るのは恐らくムリだろう」という方針転換が垣間見えて、実はそれが現在につながっていると分かるのです。

 「任天堂のゲーム機を持っていない人も、任天堂の顧客になりえる」―――任天堂のスマホゲーム参入が発表されるのはここから更に1年2ヶ月後ですが、『ポケモンGO』や『ファイアーエムブレムヒーローズ』で大成功している未来を知っていると「なるほどそういうことだったか」と思えますし。
 「任天堂が持っている豊富なキャラクターIPをゲーム以外にも積極的に展開していく」―――というのは、この半年後のE3で発表されるamiiboへの前フリだったことが分かります。



 amiiboをご存じない人も読んでくださっているかも知れないので説明しますと、任天堂が発売している「ゲームと連動する安価なフィギュア(もしくはカード)」です。連動要素はゲームによって様々ですが、基本的にはコレクション要素の方が強いと私は思っています。

 業績的に苦戦していた当時の任天堂からすれば、amiiboは「任天堂のゲーム機を持っていない人でも鑑賞目的で買ってくれるかも知れない商品」であり、どんなヘビーユーザーであっても1本ずつしか買ってくれないゲームソフトとちがって「ヘビーユーザーが幾つも買ってくれるかも知れない商品」だったのでしょう。2014年の年末商戦以降、amiiboは断続的に発売されています。



 ということで、ようやく『どうぶつの森』に話が戻ります。
 任天堂は2014年から「キャラクターIPの活用」として様々な展開をしていき、その第1弾がamiiboでした。本編が2012年の3DS版以降発売されていない『どうぶつの森』シリーズですが、2014年以降は積極的にスピンオフ展開をしているんですね。

・2015年7月 ニンテンドー3DS『どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー』
・2015年11月 Wii U『どうぶつの森 amiiboフェスティバル』
・2016年11月 ニンテンドー3DS『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』
・2017年11月 スマートデバイス『どうぶつの森 ポケットキャンプ』


 『ハッピーホームデザイナー』は「どうぶつの森 amiiboカード」と同時発売ソフトで、部屋作りに特化したスピンオフ作品です。amiiboカードを使うと、そのどうぶつに営業電話をかけることができます。
 『amiiboフェスティバル』はamiiboがないと遊べないすごろくゲームで、amiiboが同梱された上に、これを機にフィギュア型の『どうぶつの森』キャラのamiiboが次々と発売されます。
 『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』は3DSで大ヒットした『とびだせ どうぶつの森』に追加要素を加えたような完全版で、『とびだせ どうぶつの森』を持っている人ならば無料アップデートが可能です。追加要素は様々あるのですが、amiiboを使ってキャラを呼び出せる的なヤツです。

 ということで、『ポケットキャンプ』以外はamiiboを使ったゲーム、もっと言うと「amiiboを売りたい!」というゲームなんです。
 恐らくですけど、2014年に「キャラクターIPの活用」を会社の方針にすると任天堂が決めた時から、amiiboを売りたいシリーズの代表格として『どうぶつの森』の名前は挙がったと思うんです。多数の人気キャラクターがいるシリーズですし、客層としてもピッタリですから。
 しかし、『どうぶつの森』最新作は2012年に3DS版が発売され、(開発していたとしても)Wii U版が完成するのは当分先です。amiiboは売りたいけど、それに対応したソフトがないのでは「ゲームのためにamiiboがある」という言い分が崩れてしまいます。しかし、Wii U版が完成する数年後まで『どうぶつの森』のamiiboは発売できないとなったら、amiiboというビジネスモデルもコケてしまうかも知れません(この時点ではまさか『Splatoon』みたいな大人気タイトルが生まれるとは思っていなかったでしょうし)

 つまり、「amiiboを売る」ための戦略的タイトルとして『どうぶつの森』のスピンオフ作品が必要だったんじゃないかと考えられるんですね。
 『とびだせ どうぶつの森』や『どうぶつの森 こもれび広場』で作ったものを活用するので比較的短期で開発できる一方、当然ここに開発人員を割くのだから『どうぶつの森』本編の開発はストップしてしまった―――これが、Wii Uで『どうぶつの森』本編が発売されなかった一つの可能性だと思います。





 そして、「キャラクターIPの活用」として任天堂が展開しているもう一つの柱が、スマートデバイス用アプリです。分かりやすいように、ここから先は「スマホ版」と表記させていただきます。
 任天堂がDeNAと業務・資本提携を結んで「スマホ版」のゲームを出すと発表したのは、2015年の3月です。その第1弾『Miitomo』が出てきたのは1年後の2016年3月で、その翌月である2016年4月にはスマホ版のゲームとして『ファイアーエムブレム』と『どうぶつの森』が開発中であることが発表されました

 発表された時点では2作品とも「2016年秋に配信開始を目指しています」と言われていたのに、どちらも間に合っていない……というのは、いつものことなので気にしないようにして。先述したように、スマホ版である『どうぶつの森 ポケットキャンプ』は2017年11月に配信開始となりました。

・2015年7月 ニンテンドー3DS『どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー』
・2015年11月 Wii U『どうぶつの森 amiiboフェスティバル』
・2016年11月 ニンテンドー3DS『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』
・2017年11月 スマートデバイス『どうぶつの森 ポケットキャンプ』


 その結果、上手いこと「1年に1本ペース」で『どうぶつの森』関連作品が世に出ていることになっているんですよね……


 『どうぶつの森』シリーズは「1つのソフトがあればずっと遊べてしまうゲーム」だと言われています。ハマる人は何年も何年もそれだけを遊び続けるゲームなんですね。それは本編もそうですし、『ポケットキャンプ』もそうでしょう。故に、スマホ版とゲーム機版を同時期に出してしまうと食い合いになってしまうとも言えるのです。

 任天堂は「両者が連動するような要素が~~」と言っていましたが、プレイヤーからすると両方をプレイするのは大変ですし、Nintendo Switchは持ち運びが出来るゲーム機ですからスマホ版のプレイ時間と食い合いにもなるでしょう。そう考えると、ゲーム機用の『どうぶつの森』本編はスマホ版『ポケットキャンプ』にみんなが飽きてきた頃に発売するのがベストだと考えられて、2019年の後半というのは上手い時期だと言えます。
 もちろん、それまで『ポケットキャンプ』を続けてきたプレイヤーはNintendo Switch版にその成果を持っていけるみたいな連動要素があれば、Nintendo Switch版の販売促進にもなるでしょうからね。



 要点をまとめますと、任天堂が「キャラクターIPの活用」を会社の方針にして「amiibo」や「スマホ版」を展開していくと決めた段階で、『どうぶつの森』は人気タイトルであるがゆえに戦略的タイトルとして選ばれ、皮肉にも本編が長らく発売されなくなった―――ということなのかなと思われます。

 こうやって振り返ってみると、Wii Uって不遇なゲーム機だったと言えると思いますし、時代にほんろうされたゲーム機だったのかなぁと思います。こんな中から生まれた『Splatoon』が大ヒットタイトルになるのだから何が起こるか分からないものですが、それを言うと『どうぶつの森』自体も64DDという超不遇な周辺機器が間接的に生み出した産物ですもんね。



仮説3:新作にふさわしい「新しい遊び」が提案できなかった
 「仮説1」と「仮説2」は続きものというか、ワンセットの考え方ですが……
 「仮説3」はまた別のアプローチで、Wii U版『どうぶつの森』が発売されなかった理由を考えます。

 3DS版『どうぶつの森』は2012年の年末に発売されて大ヒットしますが、それ以降のゲーム業界のトレンドと言えば―――なんと言っても『Minecraft』の大ヒットだと思うんですね。
 『Minecraft』が生まれたのは2009年ですが、家庭用ゲーム機に進出したのは2012年(Xbox360)で、2014年になるとPS3、PS4、Xbox One、PS Vitaと様々な機種で遊べるようになります。特にVita版は国内だけで100万本を超える大ヒットとなりましたものね。

 『Minecraft』というゲームは「フィールドを自由にイジくりまわせる」サンドボックスというジャンルを定着させて、多くのフォロワーを生みました。『フォートナイト バトルロイヤル』みたいな全然別のジャンルのゲームにもそれっぽいモードが追加されたりもしましたし、『スーパーマリオメーカー』もある意味ではサンドボックス的なゲームと言えるのかも知れません。


 『どうぶつの森』の開発者が、『Minecraft』の大ヒットに危機感を抱かなかったワケがないと思うんですね。
 アプローチはちょっと違うのだけど、どちらも「フィールド内で自分の好きなように遊べるゲーム」ですし、3DS版『どうぶつの森』は家具のリメイクが出来ることで「アイカ村」のように作りこまれた村が話題になったりしました。しかし、その後にもっと自由な建築が出来たりもっと大人数のマルチプレイが出来たりする『Minecraft』に触れた子供達からは……「『Minecraft』なら色んなことが出来るのに、『どうぶつの森』ってこんなことしか出来ないの?」と思われかねません。その不自由さが『どうぶつの森』の魅力でもあるとは思うんですけど……


 あくまで「可能性の一つ」ですけど、Wii U版『どうぶつの森』は「サンドボックス系のゲームの大流行」に対しても負けない目新しさを押し出せずに開発中止になったということも考えられるのかなぁと思います。特に、据置ゲーム機だと『どうぶつの森』は苦戦傾向にありましたしね。

 逆に言うと、「サンドボックス系のゲームの大流行」を経てから開発が始まったであろうNintendo Switch版『どうぶつの森』は、その流行に対する回答を見せてくれるんじゃないかなと期待しています。今までのシリーズとはちがって「自由な村作り」が出来るのか、もしくは逆に「不自由を楽しませる」ようになるのか。
 『ハッピーホームデザイナー』や『ポケットキャンプ』を経た後の本編という意味でも気になります。



 それと、『Minecraft』とはまた別の考え方で―――
 「仮説1」で私は「Wii Uで開発していたなら、そのままNintendo Switchに移植して出せばええやん」と書きましたけど、もしWii U版『どうぶつの森』がWii Uというハードに特化した遊びを組み込んでいた場合、安易にそれは出来ないんですね。つまり、Wii Uゲームパッドを使った二画面のゲームだった場合、Nintendo Switchには移植できません。

 もう流石に時効だと思うので書いちゃいますけど、確かWii版の『街へいこうよ どうぶつの森』が発売された際のクラブニンテンドーのアンケートで「1台のゲーム機とテレビで家族と一緒にプレイしたいですか?」といったカンジの質問があったように記憶しています。
 64版の頃から『どうぶつの森』は「家族が交代で遊ぶ」というプレイを提案してきましたが、DS版でローカルプレイが出来るようになったことで「複数のDSとソフトがあれば一緒に遊ぶことが出来る」ようになりました。「交代で遊ぶ」のも楽しいけれど「同時に遊ぶ」のはもっと楽しいのは、『Newマリオ』とかでも実感されていますものね。

 なので、私……Wii U版『どうぶつの森』は「テレビ画面」と「ゲームパッドの画面」を使って、2人のプレイヤーを家族がそれぞれ操作できるゲームになるんじゃないかと予想していたんです。Wii Uのスペックなら難しくはなさそうですし、今までにないプレイ体験になるでしょうし。


 そしたら、まさかのWii U版『どうぶつの森』は発売されない!というね……(笑)。
 もしそうしたものを作っていたとしたらNintendo Switchには移植出来ませんし、根本から考え直さなければならないでしょう。Wii U版が出なかった理由の一つとして、なくはないかなと思います。

 逆に、「Nintendo Switchの機能を活かしたどうぶつの森」を考えると……おすそ分けプレイで、やはり2人同時プレイが出来るとか?(笑) 「画面分割の2人同時プレイ」だとメッセージとかを調整しなくちゃいけなくなるから難しいんですかねぇ。
 タッチペンがなくなったのでマイデザインがしづらくなるとか、カメラがなくなったのでQRコードでの交換が出来ないとか、その辺がどうなるのかも心配です。逆に期待できるのはオンラインマルチプレイ方面で、従来の「村に遊びに来られるのは同時に3人まで」なのを何とかしてくれると願っています。



結論:

 6月のE3が楽しみですね!



 『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』や『スーパーマリオオデッセイ』が、長く続いてきたシリーズの「アタリマエ」を見直してきたのだから……『どうぶつの森』も「アタリマエ」を見直すのか、それとも「変わらない良さ」に磨きをかけるのか、7年越しの新作を楽しみに待とうと思います。

| ゲーム雑記 | 17:54 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑

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男性作家が、女性キャラを「ブス」と描くことは許されるのか

 Twitterでこんなアンケートを取っていました。
 多くの人に拡散してもらったので、普段の自分のアンケートに比べて何倍もの回答数をいただくことが出来ました。ありがとうございます。


 どうしてこんなアンケートを取りたくなったのか―――
 事の発端は、「漫画・アニメ・ゲームなどのフィクションにおいて、男性キャラはイケメンもオッサンもブサイクも登場して活躍するのに対して、女性キャラは“若くて美人なキャラ”ばかりなのが許せない」といった女性のツイートを複数人からあがっているのを見たからです。
 その意見に対して「いや、美人じゃない女性キャラが活躍する漫画・アニメ・ゲームもあるやろ」と言いたくなる人もいらっしゃると思いますが、そこは置いといて……



 私が思ったのは―――
 男性作者が、女性キャラを“敢えて”「ブス」に描いてもイイのか?ということでした。


 アンケートは「漫画家」に限定しましたが、漫画に限らずアニメでもゲームでも小説でも映画でも、男性作家が女性キャラを「ブス」に描くのってものすごーーーーーーく勇気が要ると思うんですね。それは「ブスな女性キャラだと人気が出ないから」とかではなくて、男の子って幼稚園・小学生の頃から「女の子の容姿をバカにしてはいけない」という鉄の掟を植え付けられているからです。


 例えば、私(男)が一人のクラスメイト女子を「ブス!」と罵ったとします。そうすると、本当にその子が「ブス」であろうがなかろうがその女子はひどく傷つきますし、それを見ていた他の女子から「やまなしって最低ー」「女の敵だよねー」「もう女子全員で無視しよう」と女子全員から嫌われてしまうことだってあります。
 もっと事態がエスカレートすると、「先生ー、やまなし君が○○ちゃんのことをブスって言いましたー」と密告されて、緊急学級会が開かれることもあります。その結果、クラスのみんなの前で「ブスって言ってゴメンナサイ」と公開謝罪をさせられることや、「女の子のことをブスと言ってはいけません。言った男子を見かけたらすぐに先生に報告を」みたいな相互監視社会が出来上がることまであります。


 故に、男性作家には大人になった後でも「女性キャラを“敢えて”ブスに描く」ことに抵抗がある人が少なくないんじゃないかと思うんですね。「絵として」ブスに描くのは画力のせいと言い訳できますが、「設定として」ブスに描くのはもっと抵抗があると思うのです(アンケートの文で“作中でも周りから「ブス」や「デブ」と言われているなど「容姿が劣っている」と描写していたり”と書いたのはそのため)
 つまり、「男性読者から人気が出ない」ことを恐れるというより、「女性読者から嫌われる」ことを恐れるがゆえに、標準以上の女子しかいない作品世界が出来上がるんじゃないのかなと私は思います。


 なので、例えば『ヤング○○』系の雑誌みたいに「ターゲットが男性読者に大きく偏っている」場所で描かれた作品には、敢えて「ブス」に描かれた女性キャラクターはそれなりにいると思いますし(ギャグなものも含めて)―――全年齢・全性別に向けた万人向けタイトルほどそういう冒険はしにくいから、国民的な大ヒット作品だけを見ると「女性キャラにブスがいない。美人以外は存在してはならないというのか」と思えてしまうのかなぁ……と。



 ということで、冒頭のアンケートにつながるのです。
 男性作家の目から見て「女性キャラを敢えてブスに描くことは女性読者から嫌われる」と思って、今まで避けてきました。全世界に向けて作品を発表する立場になれば、緊急学級会でクラスメイト全員の前で謝罪させられるだけではすみません。全世界に向けて「○○ちゃんをブスに描いてゴメンナサイ」と謝罪しなければならなくなるぞ―――と。

 しかし、女性の立場から「どうしてブスな女性キャラは出てこないんだ!」という声が幾つもあがっているのを見て、「え?描いてイイの?」と思ったのです。
 描いてイイなら全然描きますよ? ヒロインが全員ブスなハーレムものとか、ブスのお姫様が魔王にさらわれる勇者ものとか、ブスが世界を守って戦う変身ヒロインものとか、アイディアならたくさんありますよ!全部「これ描いたら女性読者からむっちゃ嫌われるよなぁ」と没にしたものばかりだ!設定を説明しただけで既にもう「やまなしって最低ー」「女の敵だよねー」「もう女子全員で無視しよう」と思われている気がする!



 さて、投票結果はどうだったかというと……

 女性の回答だけを見ると恐らく177票で、割合は以上のようになります。
 「腹が立つ」と「何とも思わない+嬉しい」を比べるとダブルスコア以上の差があるので、「なーんだ、女性も別に気にしていないんだ!じゃあ、ガンガン描いていってイイかな!」と思ってしまいそうになるのですが……割合を見ると「4分の1以上」「3割弱」の女性が「腹が立つ」に投票していると考えることも出来ます。

 全女性の3割を敵に回すとなると炎上には十分な数ですし、これは緊急学級会→ 公開謝罪の流れになりかねません。この投票結果を見ると、「わざわざ火中の栗を拾ってヒロインをブスにするリスクを背負うことはない」と私なら考えます。
 仮にそれが「どうしても描きたいもの」であって、「最後まで読んでもらえればヒロインをブス呼ばわりした意味が分かってもらえる」ものであったとしても、まず間違いなく最後まで読んでなんかもらえませんからね。推理小説の前半だけ読んで「こんなの犯罪だ」って言われるのが現代社会なんですよ!?


 しかし、7割以上の女性は「何とも思わない+嬉しい」と感じたのだから、こういう女性達の中には「漫画・アニメ・ゲームなどのフィクションにおいて、男性キャラはイケメンもオッサンもブサイクも登場して活躍するのに対して、女性キャラは“若くて美人なキャラ”ばかりなのが許せない」と思ってしまう人が出てくるのかも知れません。要は、「女性の意見」といっても一枚岩ではないということですし、こういうのは多数決に従って少数派の意見を無視すればイイということでもありません。

 「7割の女性を信じて死地に飛び込む」のか、「3割の女性からの炎上を恐れて無難な道を進む」のか―――


 私は無難な道を進むことにします。
 ヒロインが全員ブスなハーレムものも、ブスのお姫様が魔王にさらわれる勇者ものも、ブスが世界を守って戦う変身ヒロインものも、私は炎上が怖くて描けないので、描きたい人がいらしたらどうぞご自由にお使いください。


 

| ひび雑記 | 21:04 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑

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どうして『ドラクエ』『FF』『ゼルダ』は東洋を舞台にしていないのか?

 ネタにマジレスなのかも知れませんが……こんな話を読みました。

 白人「何故ジャップには東洋ファンタジーの名作が少ないんだ?」

 『天外魔境』を知っていて『FF』を西洋ファンタジーと認識しているイギリス人なんて本当に存在するのか微妙だと思うのだけど(しかも大学生くらいの年齢と思われる)、それに反論できなかったという日本人の筆者が存在するのは確かだから言わせてもらおう。

 『ドラクエ』にも、『FF』にも、ついでに言えば『ゼルダ』にも東洋を舞台にしている作品があるぞ。


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<画像はWii版『スーパーファミコン ドラゴンクエストIII』より引用>

 『ドラゴンクエスト』シリーズの中でも特に高い人気を誇る『III』には、どう見ても「日本そっくり」の島に、どう見ても「日本風」の村ジパングが登場します。このゲームをクリアした人が、「まさかあの村が日本モチーフだったなんて!」と気付かないことはありえないレベルの日本です。『天外魔境』を知っている人なら、イギリス人であっても気付くでしょう。



 ウチの初代プレステが行方不明&PS2がメモリーカードを認識してくれなかったのでスクショは載せられませんが、画像付きで解説してくれている攻略サイトがあったのでそちらをどうぞ(ここここ)。
 『ファイナルファンタジー』シリーズの中でも全世界的に大ヒットした『VII』には、ウータイという町が出てきます。日本風なのか中国風なのかは微妙ですが、少なくとも東洋風の町なのはイギリス人が見ても分かると思います。ここではユフィという「忍者キャラ」が仲間になりますし、歴代『FF』シリーズには「忍者」というジョブが登場します。

 それもまぁ『ウィザードリィ』の影響とも言えるのですが、少なくとも「何でもかんでも西洋の設定にしているワケではない」ことは分かるでしょう。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』より引用>

 『ゼルダの伝説』シリーズ最新作『ブレス オブ ザ ワイルド』に登場するカカリコ村は、日本風の建物・服装で統一された村になっています。地蔵もいます!「イーガ団」という名称はどう考えても伊賀忍者がモチーフでしょうし、このゲームをクリアした人なら「このゲームは西洋だけを舞台にしたゲームだ」なんて思わないでしょう。



 『ドラクエ』も『FF』も『ゼルダ』も、確かに「東洋だけを舞台にしたゲーム」ではありません。しかし、これらのシリーズはファミコンやスーファミの頃から「世界地図の端から端までを舞台にしたゲーム」なのです。砂漠の国も出てくれば、雪にまみれた国も出てくる、火山だって、森だって出てくる。『ドラクエIII』の場合、古代日本だけじゃなくて古代エジプトっぽい国も出てきますもんね。

 世界中の色んな場所を舞台に冒険するゲームだから、「東洋風の地域」はその中の一つにしか過ぎないのです。最初から最後まで東洋を舞台にしていないから「自国の文化を大事にしていない」とか、世界中を自国の植民地にしなければ気が済まないヨーロッパ人のエゴじゃねえのかよ!


 まぁ……ホントにこんなイギリス人が存在しているのかは微妙だと思いますけどね。
 『FF』が西洋ファンタジーっぽかった時代は海外でなかなか売れなくて、SF路線を組み込んで海外で成功するようになっていったんで……「『FF』は西洋ファンタジーをベースにしている」なんて発想があるとは思わないし、そこまで分かっているのなら「ルーツが『指輪物語』だからですよ」ってことも分かると思うんですけど(笑)。


 ちなみに、ワールドマップを廃止したことで「世界地図の端から端までを舞台にしたゲーム」ではなくなった『ファイナルファンタジーX』は、琉球風の東洋ファンタジーなんですよね。「世界を全部描くことが不可能になった」ことで、東洋だけを舞台にしたゲームを作れるようになった――――というのは面白い話です。



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<画像はWiiバーチャルコンソール版『ストリートファイターIIダッシュプラス』より引用>

 RPG以外のジャンルに目を向けると、『ストリートファイター』シリーズの主人公は日本人ですが、対戦相手は世界各国の猛者達です。『II』からはそうした世界各国の選手を使うことも出来るようになって大ヒットしました。これもまた「世界中の色んな選手」の中に「日本選手もいる」という位置づけですよね。

 日本人は「世界」をそう捉えているという表れなのかも知れません。
 広い広い世界の中に「日本」もあるんだ―――という。



 あとまぁ、『ストリートファイターII』に関しては、日本よりも海外からの要望が強くて続編が作られたという経緯なんですね。日本の会社で作ったゲームであっても「世界で売る」ために、日本だけを舞台にするのではなく、世界を舞台にしなくてはならなかったという見方も出来ます。

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<画像はアーケードアーカイブス版『ドンキーコング』より引用>

 「日本人が生み出した国民的キャラクター」であるマリオさんが日本人でない理由もそういうことです。1980年4月に任天堂はNintendo of Americaを設立するのだけど、アーケードゲーム『レーダースコープ』がアメリカで大失敗になってしまって、大量の基盤が余ってしまいます。その基盤を書き換えて別のゲームにして売ろうという苦肉の策で生まれたのが『ドンキーコング』であり、後にマリオと名のつくキャラクターでした。

 要は、最初から「海外でも売る」ことを考えて作られたゲームなんですね。
 日本のゲームがなかなか海外で売れなかった2000年代だったか、宮本さんが「そんな中でも任天堂のゲームはどうして海外で売れると思いますか?」とインタビューで質問されて、「海外で売れるかどうかも何も、僕らは最初から世界で売ることを考えてゲームを作ってきたから……」と当然のように答えたことがあったのですが。スタート地点がまず「アメリカでも売れるもの」ってところなんですもんね。年季がちがう。



 あと、元々は「日本を舞台にしたゲーム」だけど、ローカライズの力で海外の人はそれに気づいていないということも多そうですよね。
 『ポケットモンスター』シリーズ1作目の舞台は「カントー地方」で、日本人なら99%が「関東地方がモデルだ」と分かるでしょうが……世界中でこのゲームを遊んだ子供達は「日本が舞台のゲームだ」なんて思ってプレイしていなかったと思うんですね。世界中の子供達が、「このゲームの舞台はぼくらが普段遊んでいる野っぱらだ」と思いながらプレイしたからこその大ヒットだったのでしょう。

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<画像はゲームキューブ用ソフト『どうぶつの森+』より引用>

 今や全世界で大人気のシリーズ『どうぶつの森』ですが、ゲームキューブ版の『+』までは明らかに日本風の施設「おやしろ」がありました。神社にあるヤツと説明したら分かりやすいですかね。しかし、『+』をベースに翌年海外向けに作られた『Animal Crossing』からは「おやしろ」は廃止されて、逆輸入のような形で日本でも発売された『e+』以降は「おやしろ」はなくなりました。

 そもそも「たぬきやきつねに化かされる」とか「河童が船に乗せてくれる」といったことから、『どうぶつの森』の舞台はどう考えても日本だと思うのですが……海外に販売する際にそれを分かりにくくした結果、外国人からは「日本を舞台にしたゲーム」だとは思われなくなったのだと言えます。


 だから、「日本人は自国を舞台にしたゲームを作らないでやんすかー」とか外国人に言われても、「オマエが気付いていないだけやで」って言いたくなるのです。




 ついでに。
 ゲーム以外はどうなのかと言うと……

 日本で公開された全ての映画の歴代興行収入ランキング1位は、『千と千尋の神隠し』です。どう見ても西洋ファンタジーには思えない、東洋ファンタジーです。同じ宮崎駿監督作品である『もののけ姫』も日本を舞台にしたファンタジー作品です。『君の名は。』『崖の上のポニョ』『風立ちぬ』は日本を舞台にした作品なので、興行収入上位の邦画で西洋を舞台にしたものは『ハウルの動く城』くらいです。

 漫画はどうかと言うと……海外でも大人気な『NARUTO』は言うまでもなく「日本をベースにしたファンタジー」ですし、『ドラゴンボール』は「中国をベースにしたファンタジー」です。モチーフは西遊記ですからね。孫悟空、亀仙人、ウーロン(烏龍)、プーアル(普洱)、ヤムチャ(飲茶)、牛魔王……と序盤に出てくる登場人物はみな漢字にすることが出来るキャラですし、クリリンが修行をしていたのは多林寺ですし、ジャッキー・チュンのモデルは香港映画の大スター:ジャッキー・チェンです。
 そこに「西の都」からやってきたブルマがドラゴンボールのことを教えて冒険が始まるというスタートですから、「西洋」に対する「東洋」のファンタジーなんです。

 もちろん連載が長く続いたことにより、悟空は東洋だけじゃなく世界中を冒険して、あの世にも行って、宇宙にも行きますが……それは、「広い広い世界の中に日本がある」という『ドラクエ』や『ストリートファイター』の描き方と同じだと思うんですね。


 「日本人には東洋ファンタジーの傑作は作れない」って考え方自体が、ムチャクチャ視野が狭いんですよ。日本人は「西洋も東洋も出てくる傑作」をバシバシ作って、世界中で大ヒットさせているんじゃボケエ!


   
◇ 余談
 ここまで書いて気付いたんですけど……
 この手の「日本の作品には○○がない!」みたいなヤツ、高確率で炎上目当ての「釣り」なのかも知れないですね……

 私がまさにそうだったんですけど、「いやいや、あるじゃん!例えば『ドラクエIII』と『FFVII』と『ブレスオブザワイルド』!」とついつい語りたくなってしまいますし、これを読んだ人も「そうそう!◆◆もあるよね!」と語りたくなってしまうし、そうして話題になることで元記事がたくさんの人に読まれてゲラゲラ笑うって目的の「釣り」なんじゃないかと思えてきました。


 最近ホント多いんですよ、「日本の作品には○○がない!」みたいなヤツ。
 んで、「ありますよ、◆◆とか」みたいに教えたところで「教えてくれてありがとう!解決しました」なんて絶対に言わないし、もっともっと炎上するようなことを言う。そこまで含めて全部「釣り」だと考えると合点がいくんですよねぇ。


 だから、私もアクセス数を稼ぐためにそういう記事を書くことにしましょう!
 この手の話題を炎上させるには「日本は~~」とか、「男は~~」「女は~~」といったカンジに主語をデカくするのがコツです。そうすることによって、誰にとっても無関係ではなくなるので「そうではないぞ!」「実際にはあるぞ!例えば◆◆」というコメントがガンガン付いていくでしょう。

 ということで、可能な限り主語をデカくして炎上させるぞーーー!



 次の記事のタイトルは、
 「人類にはもう生きる価値がない」で決まりだ!
 これで「いやいや、人類にはまだまだ価値があるじゃん!例えば◆◆と××と△△!」みたいなコメントがたくさん付いてアクセス数の爆上げだぜ!やったーーーーーー!

| ゲーム雑記 | 17:49 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

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『巨人のドシン』紹介/あなたが求めるのは「自由」か、「労働」か

doshin5.jpg
<画像はゲームキューブ版『巨人のドシン』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
「大容量のセーブが可能になった」64DDだからこそ実現できた新しいゲーム
シビアな要素は少ない、ゆる~く楽しめる箱庭シミュレーション
幻のプレミアディスクに込められた「自由を楽しめない人々」へのメッセージ


『巨人のドシン』
<配布:ランドネットDD、開発:パーラム>
 NINTENDO64 64DD専用ソフト:1999年12月11日配布
<発売:任天堂、開発:パーラム>
 ゲームキューブ用ソフト:2002年3月14日発売
・南国の島で暮らす人々を自由に見守るシミュレーションゲーム

 私がエンディング到達までにかかった時間は約11時間でした
 ※ネタバレ防止のため、読みたい人だけ反転させて読んでください

↓1↓


◇ 「大容量のセーブが可能になった」64DDだからこそ実現できた新しいゲーム
 私がプレイしたのはゲームキューブ版ですが、元々このゲームはNINTENDO64の周辺機器64DD専用に作られたゲームです。

 「64DDって何?」どころか、「NINTENDO64って何?」という若い人もこのブログを読んでくださっていることを期待して、今日の記事はそれらの説明から始めます。
 NINTENDO64は1996年6月に任天堂が発売した据置ゲーム機です。「据置ゲーム機」というのはテレビにつなげるタイプのゲーム機ですね。分かりやすく、ファミコン以降に任天堂が発売した据置ゲーム機を一覧にしてみました。

・1983年~ ファミリーコンピュータ
・1990年~ スーパーファミコン
・1996年~ NINTENDO64 ←これ
・2001年~ ゲームキューブ
・2006年~ Wii
・2012年~ Wii U
・2017年~ Nintendo Switch

 NINTENDO64というゲーム機は、2年先行で発売されたソニーのプレイステーションとのシェア争いに敗れたハードではあるんですが……
 3D空間を描写することに特化していて、アナログスティックを標準装備したことで、『スーパーマリオ64』や『ゼルダの伝説 時のオカリナ』などで3Dアクションゲームの雛型を作っただけでなく。マルチタップを使わずに4つのコントローラを挿せることで「4人対戦のゲーム」が多数作られたり、振動パックを付けることでコントローラがブルブル震えたり、その後のゲームの基準点になった部分も多いゲーム機なのです。『スマッシュブラザーズ』『どうぶつの森』『マリオパーティ』など、現在も続く人気シリーズ1作目が生まれたのもこのゲーム機でしたね。


 64DDは、そんなNINTENDO64を拡張する周辺機器でした。
 当初は64本体発売から半年後の1996年末に発売予定で、多くのタイトルが64DD専用で発売されるという話でした。『ゼルダの伝説 時のオカリナ』や『MOTHER3』といった任天堂タイトルだけでなく、『ファイナルファンタジーVII』や『ドラゴンクエストVII』も64DD用に作られているという話があったんですよね。

 しかし、卵が先か鶏が先かは分かりませんが、64DDはちっとも発売されず、「64DD用タイトルとして発売予定だったソフト」も通常の64ソフトだったり他機種だったりで発売されていくことになります。最終的に64DDが出てきたのは1999年末で、専用ソフトはたった10本しかありませんでした。
 その10本の内の1本が『巨人のドシン1』で、1本が『巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合』ですから、全ソフトの5分の1が『巨人のドシン』というハードになってしまったのです(笑)。


 とまぁ、結果だけ見れば「大失敗商品」なんですが……
 64DDが出る以前の1997~1998年あたりの宮本茂さんのインタビューを読むと、「NINTENDO64はそれ単体では不完全、64DDによってようやく新しい遊びが提案できるようになる」と仰っていて、64DDで新しいゲームが生まれると熱く語っていたんですね。



 1998年1月に発売された別冊宝島に宮本茂さんのインタビューが載っているので、これを引用させていただきます。

<以下、引用>
―――「もう一つの柱=スーファミにはなかった新しい遊びの可能性」というのは、どのようなものですか。

宮本「これはN64単体で実現されるものではなく、「64DD」を使うことで広がる“遊びの構造″といったものです。
 64DDによって、ユーザーが個々に、自分だけのゲームデータの書き換えをするということ。それにどんな可能性が生まれるかといえば、大きく三つのポイントがあります。それは「育成」「交換」「追加」といった楽しさです。
 ゲームの世界を自分なりに育て、記録として残し続ける。育てた自分のゲーム内容を他人と交換することでコミュニケーションをはかる。さらに、新たに内容を付け足し盛り込み、自分のゲーム世界を変貌させる。―――そうやってユーザーがゲーム世界を独自に広げていくことが、64DDというツールによって楽しめるんです。
 いわば「ゲームをカスタマイズする楽しさ」というわけです。」

―――ということは逆に言えば、N64本体だけではそうした新しい楽しさは得られないわけですね。

宮本「そう言えます。N64は“本体だけで完結した機械”ではありません。データを記録・交換するDDがつながり、ユーザーがさまざまな働きかけをするための、さまざまなインターフェイスがつながり、さらに「ゲームポーイ」といった他ゲーム機ともデータがつながる。そのように、たんなる一個の機械ではない「遊びのシステム」としての広がりにこそ、N64ならではの楽しさがあるんです。」

</ここまで>

 64DDの一番の特徴は、「磁気ディスク」なことです。
 ファミコン、スーファミ、64のようなROMカセットではなく、プレステやサターンのようなCD-ROMでもない特殊なメディアを採用していました。容量自体は64MBと、CD-ROM媒体に比べれば決して大きくないのですが、その内の38MBをセーブに使うことが出来るというのが圧巻でした。
 プレステのメモリーカードは120KB、セガサターンのパワーメモリーは512KB、PS2初期のメモリーカードでも8MB……これらのゲーム機は1つのメモリーカードに幾つものゲームのセーブデータを書き込むのに対して、64DDの場合は1つのゲームごとに最大で38MBをセーブデータに使うことが出来たのです(もちろんセーブ領域に容量を使うとゲームの容量も減るのでしょうが)。


 これによりゲームが変わるというのが先の宮本さんのインタビューなのですが、当時の自分にはその意味がよく分かりませんでした。例えば『RPGツクール』みたいなゲームだったら確かに大容量のセーブデータはありがたいでしょうが、大容量のセーブデータを活用できるジャンルのゲームなんて極一部じゃないかと思ったんですね。「大容量のセーブが可能になったところでゲームは変わらないだろう」「FFにもドラクエにも逃げられて宮本さんも苦しいのかな」なんて、その時の私は思っていました。


 ただ、よくよく考えてみると、「プレイヤーがゲームの進行状況を保存(セーブ)できる」ようにしたことでゲームが激変したという経験が、任天堂にはあったんですよね。それがファミリーコンピュータの周辺機器ディスクシステムです。

・1983年~ ファミリーコンピュータ ←これ
・1990年~ スーパーファミコン
・1996年~ NINTENDO64
・2001年~ ゲームキューブ
・2006年~ Wii
・2012年~ Wii U
・2017年~ Nintendo Switch

 ディスクシステムも、ファミコン本体発売から3年後の1986年に発売された周辺機器で、磁気ディスクをメディアに採用したハードでした。
 ディスクシステムと言えば、当時のファミコン用ROMカセットよりも大容量(約3倍!)なことや、持っているディスクを別のゲームに書き換えることで安価にゲームが買えるのがよく話題にされます。特に書き換えシステムは今でいうダウンロード販売のようなものと考えることも出来ますし、時代を先取りしていたと思うのですが……

 しかし、ゲームの歴史から考えると「ファミコンのゲームに“データをセーブする”という概念を持ち込んだ」ことこそが画期的だったのかもと思うのです。ディスクシステム以前のファミコンのゲームは「セーブ」がありませんから、毎回1面から始めるか、パスワードを入力する必要がありました(唯一の例外はファミリーベーシックなのだけど、その話は長くなりそうなので割愛します)。

 そのため、任天堂が発売したディスクシステム専用ゲームには「データをセーブ出来る」ことを活かしたものが多かったんですね。
 『ゼルダの伝説』『メトロイド』『パルテナの鏡』なんかは、主人公が成長するゲームで、最初は貧弱な主人公がどんどんパワーアップしていくのを楽しむゲームでした。『新・鬼ヶ島』や『ふぁみこん探偵倶楽部』は長い物語を途中セーブ出来るだけでなく、それを引き継ぐことで「前編」の続きを「後編」で楽しめるというゲームでした。
 タッチパネルを採用したニンテンドーDSではそれを活かして『nintendogs』や『脳トレ』を出したり、加速度センサーを採用したWiiでは『Wii Sports』や『はじめてのWii』を出したりしたように、ディスクシステムの頃から任天堂は「そのハードでしか出来ない新しい機能を使ったゲーム」を出していたんです。

 1987年になるとファミコン用ROMカセットにもバッテリーバックアップを採用するソフトが出てきて、セーブ出来ることがディスクシステムだけの特権ではなくなってしまい、1988年の後半には任天堂自身もディスクシステムに見切りを付けてROMカセットでの新作ソフトを出していくようになるのですが……ディスクシステムがなければ「セーブ機能を活かしたゲーム」として『ゼルダの伝説』や『メトロイド』が作られることはなかったと考えると、その意義は大きかったのかなと思うのです。


 64DDに話を戻します。
 なので、任天堂は「セーブ出来る容量が大きくなること」によってゲーム自体が変わることを確信していたのでしょうし、確かに実際に出てきた64DDのソフトを見ると未来を先取りしていたようにも思えなくもないのです。

 例えば、『マリオアーティスト タレントスタジオ』。
 Miiの原型になったことで有名なソフトですが、自分でキャラを作り、ショートムービーを製作して、ランドネットというインターネットサービスに投稿することも出来たそうな。キャプチャーカセットを使えばデジカメやデジタルビデオカメラも使うことが可能。YouTubeやニコニコ動画なんかが生まれるよりももっと前から、「動画作成の楽しさ」「それをみんなで共有する楽しさ」をゲームに落とし込もうとしていたのだから凄いです。

 例えば、『F-ZERO X エクスパンションキット』。
 64のROMカセットで発売された『F-ZERO X』の拡張ディスクで、追加のコースが入っているだけでなく、自分でコースやマシンを作成することが可能でした。『マリオアーティスト』シリーズとちがって作ったコースをネットにアップロード・ダウンロード出来なかったそうなのだけど、もし出来ていたら「早すぎた『マリオメーカー』」になっていたかも知れません。

 また、「自分で作る」ことばかりが注目されがちですが、アペンドディスク的に「コースを追加する」ことも可能ですから、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』や『マリオパーティ』なんかは64DDに対応してダンジョンやミニゲームを追加する計画があったように思われます。
 それ自体はプレステやサターンの「アペンドディスク」や「前後編」に近いと思うのですが……64DDはインターネットにも接続できるので、ひょっとしたらインターネット経由で追加ステージを配信するみたいなことも考えられていたんじゃないかと思われます。それ以前にサテラビューがありましたからね。そう考えると64DDの大容量保存領域は、単なる「セーブデータ」ではなく、現在の「ゲーム機本体のストレージ容量」に相当するものだったのかもと。


 そして、ようやくです。お待たせしました、『巨人のドシン1』です。
 『巨人のドシン1』は64DDで遊べる64DD専用のゲームで、『アクアノートの休日』や『太陽のしっぽ』の飯田和敏さんがディレクターです。ここまで長々と説明したように、64DDで出すゲームなので「セーブ出来る容量が大きくなること」を活かしたゲームになっています。

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<画像はゲームキューブ版『巨人のドシン』より引用>

 一見するとこのゲーム、3D空間を自由に暴れまわる3Dアクションゲームに思われてしまいそうなのですが……実際には「フィールド」を自由自在に操れるシミュレーションゲームです。南国の島に暮らす住民を好きな場所に移動したり、木を移動したりするだけでなく……地面の高低までを自由にコントロールできるので、海を埋め立てて島を作ったり、山を平らにしてそこに住民を住まわせたりなんてことも、自分の好きなようにやって良いのです。

 そうしたフィールドの変化をいちいち全部セーブするのだから「大容量のセーブ領域」が必要ということですね。
 ゲームキューブ版は64DD版よりもフィールドが狭くなったみたいなのですが、それでも当時のゲームキューブのメモリーカード(512KB)をほぼ丸々1コ使いますからね。プレステ1のメモリーカードが120KBでしたから、もしプレステ1で発売していたらメモリーカードを4枚挿さなくちゃいけなくなります(笑)。


 飯田和敏さんのゲームは『アクアノートの休日』にしても『太陽のしっぽ』にしても「世界を自由に遊びまわれるゲーム」でしたが、『巨人のドシン』の「世界を自分の好きなように作り替えることが出来る」楽しさはそこに「砂場遊び」的な面白さを加えたゲームに思えます。

 砂場遊び……サンドボックス……
 そう、実はこのゲーム―――「早すぎた『Minecraft』」なんですよ。


 もちろん『Minecraft』と『巨人のドシン』では出来ることが全然ちがいますし、『Minecraft』の作者が『巨人のドシン』の影響を受けているだなんて思いませんけど……64DDなんて周辺機器まで出した任天堂が「セーブ出来る容量が大きくなること」で夢見た未来の一つの形が、『Minecraft』のようなゲームだったんじゃないかなって思うんですね。

 よくセガに対して「セガはいつも10年早いんだ」と言われることがあります。最新技術を取り入れた超すごいものを投入するも、商業的には成功せず、10年後・20年後に他の会社がそれに似たものを商業的に成功させて「その道はセガが10年前に通過したのに……」となるヤツです。

 それに対して任天堂は「枯れた技術の水平思考」という言葉でイメージされるように、既に使い古された技術を応用して商業的に成功する会社のように思われているかも知れません。DS以前からタッチパネルはありましたし、Wii以前から体感ゲームはありましたが、それを本格的に取り入れたことで成功したという。
 しかし、任天堂も「ディスクシステムは早すぎたダウンロード販売」でしたし、「サテラビューは早すぎたデータ通信で遊ぶゲーム」でしたし、「バーチャルボーイは早すぎた立体視対応ゲーム」でしたし、10年・20年後を先取りすることは結構あるんですね。任天堂は10年・20年後に自分達でリベンジして成功させることも多いので、セガみたいに「10年早いんだ」とは言われませんが。


 社長が訊く ゲームセミナー2008~『どうぶつの森』ができるまで~

 64DDの話で言えば、64DDを活かしたゲームとして開発していたのにROMカセットに移行させられて全然別のゲームになった『どうぶつの森』の話がめっちゃ面白いんで、読んだことがない人はこの機会に是非どうぞ!
 他の機種にはない大容量のセーブデータを使ったゲームを開発していたのに、会社の事情でROMカセットに移行することになり、そうするとセーブ領域が1メガビット=125KBしかなくなってしまいました。それでもまぁ、プレステのメモリーカード1枚分なのですが、『巨人のドシン』で使ったセーブデータの4分の1しかありません。その結果、広大なフィールドをどんどん狭くしていって、最終的に「村だけのゲーム」になっていったという(笑)。

 こうして生まれた『どうぶつの森』は大ヒットシリーズになるんですけど、元の構想のゲームも「オープンワールド的」というか「サンドボックス的」なゲームに思えて面白そうですよね。

 この社長が訊くが公開されたのが2009年1月26日なので、ちょうど64DDから10年後の年なんですね。そして、この2009年の末に、『Minecraft』の最初のバージョンがリリースされるのです。


 64DDが当初の任天堂の目論見通りにリリース出来ていたのなら『Minecraft』のようなゲームは日本から生まれていたのかもなんて妄想してしまうのですが、とりあえずこの言葉は言っておきましょう。「64DDは10年早かった」のだと。

↓2↓


◇ シビアな要素は少ない、ゆる~く楽しめる箱庭シミュレーション
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<画像はゲームキューブ版『巨人のドシン』より引用>

 プレイヤーが出来ることは、先に説明した「土地の高低をいじくる」ことと、「住民や建物、木などを運ぶ」こと、破壊の巨人に変身して建物を破壊することくらいです。
 住民はやたらめったら「ここの土地を上げて!」とか「ここに木を持ってきて!」と頼んでくるので、「何をして良いのか分からない」ということはないでしょうし、むしろ住民の要望を全部聞いていたらめっちゃ忙しいゲームになると思います。もちろん自由に遊べるゲームなので、住民の要望なんて無視する遊び方でもOK!


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<画像はゲームキューブ版『巨人のドシン』より引用>

 「何をしても自由とか言われても困る。目的を設定してくれ」という人のためにあるのが、「モニュメントリスト」です。「ハズレのモニュメント」を除いてモニュメントは16種類あって、それを全部作らせるとエンディングになります。

 住民の要望に応えていくと「集落」が発展していって、ある程度のところまで行くと、その集落に住む「住民の色」に合わせたモニュメントが作られます。赤の住民だけの集落なら「赤一色のモニュメント」、赤と青の住民がいる集落なら「赤青二色のモニュメント」といったカンジに。

 また、モニュメント建設のタイミングで住民は「花」を要求してきます。
 「花」は島の中にある木を調整することによって生まれる(詳しくはゲーム内で説明されます)ので……「どの色の住民をどこに運ぶのか」と「限られた本数の木をどこに運ぶのか」という、リソース管理が重要なゲームとも言えますね。


 とは言え、シミュレーションゲームとして考えると難易度は無茶苦茶低いと思います。私は「シミュレーションゲームが下手」と自称するだけあって、初日のプレイで取り返しのつかないことをやっちまったんですが、時間さえかければちゃんとリカバリーできました。『シムシティ』や『A列車』みたいなゲームとちがってお金に縛られることもありませんし、『ポピュラス』のように敵対勢力も存在しませんからね。とあることをしなければ、ゲームオーバーにもなりません。

 「火事を踏み消す」とか「住民を踏まないように歩く」とかはアクションゲームが苦手な人にはシビアに思えるかも知れませんが、ぶっちゃけた話人間の1人や2人殺したところで大した問題はないのがこのゲームなんで、「ハッハッハー!うっかり踏み殺しちゃったぜー」と笑いながら遊べるような人に向いているゲームだと思います。


 『シムシティ』とか『A列車』みたいに集落がどんどん近代的に発展していく要素はないのですが、集落が発展していって住民が作る建物は「巨人への好感度」で変わるそうです。巨人のことを嫌っている集落だと、巨人に対抗して「大砲」とか作るんですって。そんなこと知らなかった私は、「おー、ここの集落は大砲なんか作ってるよー。立派になったもんだなぁ」なんて言っていました(笑)。


 なので、シビアな都市開発ゲームというより、『アクアゾーン』(1993年)とか『たまごっち』(1996年)とか『シーマン』(1999年)のような「育成」よりも「観察」に重点を置いたペットと共に生きるゲームの系譜なのかもと思います。大容量のセーブが出来る64DDを使った結果、その規模が「一つの水槽」から「大きな島」に広がったのがこのゲームというか。
 そう考えるとこの延長線上にあるのは『トモダチコレクション』とかかも知れませんね。あちらが自由度の高い人形遊びだとしたら、こちらはだだっ広いフィールドの砂場遊びなので、『トモダチコレクション』次回作はその2つを融合してフィールドも好き勝手イジれるように出来たら楽しそう。

↓3↓


◇ 幻のプレミアディスクに込められた「自由を楽しめない人々」へのメッセージ
 ということで、このゲームを1行で説明すると「大容量のセーブ領域を活かしたゆる~く遊べる育成シミュレーションゲーム」といったカンジになるのですが……
 そうやってゆるく遊んでいると、終盤の展開やエンディングが「なんじゃこりゃ?」と理解できないんじゃないかと思います。私はエンディングまで生配信でプレイしていたのですが、私も視聴者も「どういうこと?」と戸惑ったまま終わってしまいました。


 ただ、その後にこのゲームのことを調べてみて合点がいきました。
 このゲーム、元々の64DD版は『巨人のドシン1』と『巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合』という2つのソフトが出ていたんですね。1本目が基本ディスクで、2本目が拡張ディスクというか。

 しかし、ゲームキューブ版の『巨人のドシン』は『巨人のドシン1』の移植であって、『巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合』にあたる部分は移植されていません。
 64DD自体がほぼ普及しなかった周辺機器なんですが、『巨人のドシン1』はランドネット会員に配布されたため64DDを入手した人の多くがプレイしたのに対して、『巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合』はランドネットのホームページから購入しなければならないため入手した人は更に少なく、現在では超プレミア化しているソフトとなっています。
 Amazonでは取り扱いがありませんでしたが、駿河屋だと85000円ですね。8500円じゃないですよ、85000円ですよ。




 プレイ動画をアップして下さっている人がいらっしゃいました。感謝感謝。

 簡単に説明しますと、『巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合』は『巨人のドシン1』とセーブデータを連動して「ディスクを入れ替えながら遊ぶゲーム」です。
 『巨人のドシン1』でモニュメントを作ると、『巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合』にもパビリオンが立ちます。そうすると、そのパビリオンのコンパニオンから「こうやって『巨人のドシン1』をプレイしなさい」というお題のようなものが出されるので、ディスクを入れ替えて『巨人のドシン1』でそれを実行します。再び『巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合』に戻ってそれが実行されたことが確認されると、ムービーを観ることが出来るようになる――――と。




 流石に「プレイしたことのある人数」が激少ないので、コンパニオンさんからどういうお題が出されるのかの情報がインターネット上を探し回ってもほとんど見つからないのですが。アップされているプレイ動画から確認されたのは、「ずっとピョンピョン飛び跳ねていろ」というお題でした。通常のプレイでは決してやらない遊び方ですよね。

 要はですね……後の時代のゲームが「クエスト」とか「実績」とか「トロフィー」と呼んでいる“やりこみ要素”をするとムービーが観られるという拡張ディスクなのです。


 恐らく、『アクアノートの休日』『太陽のしっぽ』『巨人のドシン』と自由度の高いゲームをいち早く作っていた飯田和敏さんは、その後のゲームがどういう方向に進むのかを予測していたんじゃないかと思うんですね。
 ゲーム機のスペックが上がっていけば「自由度の高いゲーム」というのは今後どんどん増えていく、しかし「自由度の高いゲーム」が増えると「どうやって遊べばイイのか分からない」という人もたくさん出てくる、そうすると「自由度の高いゲーム」も遊び方を迷わないように「こうやって遊びなさい」というお題を入れるようになるだろうと。


 『巨人のドシン』というゲームは、そういうゲームの未来を予測した上で「クエスト」とか「実績」とか「トロフィー」のためにゲームを遊ぶのなんてクソつまんねえから!と先回りして言っていたゲームだと私には思えます。
 『巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合』で出されるお題というのは、「ずっとピョンピョン飛び跳ねていろ」みたいに、意図的につまらなくしているお題ばかりみたいなんですね。「せっかく自由に遊べるゲームなのに、こんなことをやらされる」と、わざとプレイヤーに苦痛を与えるお題にしているのです。自由を楽しめないプレイヤーに対する警鐘とも言ってイイかも知れません。



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<画像はゲームキューブ版『巨人のドシン』より引用>

 そもそも、『巨人のドシン1』でもモニュメントリストをコンプリートしろなんて言われません。「最後のモニュメントを建設すると災いが起こるから、作るかどうかはプレイヤーが決めてイイ」的なことも言われます。
 なのに、我々はリストがあればコンプリートしたくなっちゃうし、エンディングがあるならばそれを観るのがクリアーだと思い込んで、それを目指しちゃうじゃないですか。自由に遊んで良いゲームなはずなのに、「住民の言うことを聞かなきゃ」「集落を発展させなきゃ」「新しいモニュメントを作らせなきゃ」と、住民の言いなりになって労働してしまうじゃないですか。

 その皮肉が、あのエンディングなんだと思うんですね。
 住民の言うことを聞いた「労働」の果てにあるのがコレかよと。



 『巨人のドシン1』にもそのメッセージは込められていましたが、『巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合』は更にそのメッセージを強めた拡張ディスクなんだと思います。
 「ゲームの自由度が高くなるとお題ばかりを課せられるお使いゲーになる」というのも飯田和敏さんからの皮肉なんですけど、「お題をクリアしたご褒美がムービー」というのも当時の「ムービーを観るためにストーリーを進める」というゲーム業界への皮肉でもありそうですよね。当時はプレステの『ファイナルファンタジー』シリーズが300万本とか売れている時期ですから。


 そして、ようやく自分の中でつながったことがありました。
 飯田和敏さんは『巨人のドシン』の後しばらく商用ゲームを作っていなかったのですが、『巨人のドシン』からちょうど10年後の2009年にWiiウェアで『ディシプリン*帝国の誕生』というゲームを出します(発売はマーベラス)。私はこのゲーム、「クソつまんねえ」と思ったのですが……『巨人のドシン』をプレイして納得がいったのです。

 『ディシプリン*帝国の誕生』は、刑務所のようなところに入れられた主人公が、同じ牢屋に入れられている仲間の「睡眠」や「排泄」の世話をするというゲームでした。『アクアノートの休日』や『巨人のドシン』のようにフィールドを動き回れる「自由」はなく、牢獄の中でひたすら「労働」をするだけです。この、ひたすらつまらない「労働」を延々とやらされる作業は『巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合』につながるものがあるように思えます。

 『アクアノートの休日』で「自由」を描き、『巨人のドシン』『巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合』でそれを台無しにする「労働」をぶちこみ、『ディシプリン』でただただ「労働」を強制されるだけのゲームを作った――――
 田中圭一さんの『若ゲのいたり』でインタビューされた際、飯田和敏さんは「今の異端が未来のスタンダードになる」と仰っていましたけど、『ディシプリン』の「労働」ってこの後に携帯電話やスマホで出てくるソーシャルゲームなんかへの皮肉だったのかもと今なら考えることが出来ます。



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はゲームキューブ版『巨人のドシン』より引用>

 いやー……これは難しい。
 ものすごく「人を選ぶゲーム」なのは間違いないと思いますからね。

 一つには、1990年代の『アクアゾーン』『たまごっち』『シーマン』のように「ペットを鑑賞&ペットに干渉するゲーム」が好きだった人には、「それの人間版だよ」とオススメ出来るかなと思います。熱帯魚を飼う感覚で、人間共の世話をするゲームだと考えるとイメージしやすいかな。

 そして、もう一つには「このゲームにこめられた皮肉」を楽しめる人なんですけど……ゲームの進化と変化の歴史を把握した上で、それを斜に構えて見られる人じゃないと理解も共感も出来ないと思いますから。一つ目と被る部分もあるんですけど、人間社会を俯瞰的に捉えて、人類全体を見下しているところがある人にはオススメかなぁと思います。


 こう書いて、「そうか!俺も人類を見下しているところがあるから、きっとこのゲームが楽しめるはずだ!」と思える人がどれだけいるんだって話ですが……(笑)。私は楽しかったです!人類なんて滅べばイイって日々思っていますからね!(良いのかそれで)



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