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やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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「知っている役者さん」が出ていること、嬉しいですか?

 色んなことに合点がいった話。


 人間って、基本的には「知っていること」から「興味」を広げていくものだと思うんですね。
 
 例えば「スポーツ中継」とかも、どちらのチームの選手も一人も知らないとなると「日本代表」の試合であっても観る気が起きないけれど、一人でも知っている選手がいるならちょっと観てみようかなと思うもので……なので、スポーツニュースなんかでも「スター選手」を作り出そうとするし、サッカー日本代表の試合中継とかでも右上に「香川・長友出場中」みたいに比較的有名な選手が出ていることをずっと表示するのでしょう。

 「知っている」と「知らない」のでは天と地ほどの差があって、どんな人だって「まったく知らない」ものにはなかなか手を出せないものだと思うんです。
 『ドラゴンクエスト』の新作が発売されたら「ドラゴンクエスト!知っている!買ってみようかな」と思ってもらえるけど、『ぺちょまにゃーがりゃぐにょにょ』という聞いたこともないタイトルの新作が発売しても「全然聞いたことない!面白そう!」とは思ってもらえないですよね。
 でも、ゲームに詳しい人になれば、「タイトル」だけじゃなくて「メーカー」とか「開発会社」とか「開発者」とかまでチェックするので、実はその『ぺちょまにゃーがりゃぐにょにょ』は昔『ドラゴンクエスト』を開発した人の新作らしいぞみたいなことを突き止めて興味を持ったりしますが、それも「知っているもの」から興味をつなげているだけですからね。(※1)
 インディーゲームとかだと、開発者は全然関係がないのだけど「ロックマンに影響を受けている」とか「MOTHERに影響を受けている」みたいにリスクペクト先を明らかにすることで「自分の知っているものに近いものだ」と思ってもらおうとしたりしますね。

(※1:一応言っておきますけど、実在しないゲームを喩えとしてでっち上げただけですからね)


 引用したツイートで話されていたことは「洋画の吹き替え」のことだと思うんですが、「アニメの吹き替え」にしても同じようなことはよく話題になります。

 「『君の名は。』の監督の最新作だよ」と言われたら、『君の名は。』を観た人には「知っている!」→「興味がある!」と思ってもらえるけど、(その人にとって)全く聞いたことのない監督の最新作と言われても「知らない」し、「興味がない」となってしまうと思うんですね。
 そこで、アニメに詳しい人が「この監督は知っている」「この作画監督は知っている」「この脚本家は知っている」「この声優さんは知っている」と言っても意味がないのです。アニメに詳しくない人にとっては『ぺちょまにゃーがりゃぐにょにょ』と一緒なんです。だから、「バラエティ番組とかでおなじみのあの人が出ていますよ」で「その人なら知っている!」→「興味が出てきた!」としたいのでしょう。そして、実際にそれで観に行く層が一定の数はいる……


 要は「知っているもの」の分野と広さがちがうだけだと思うんですね。
 アニメファンだって「知っている声優さんが出ているから観る」とか「あの監督の過去作は観たことあるから今作も観よう」みたいなカンジで「知っているもの」から興味をつなげているだけで、アニメファンもアニメに詳しくない人も「知っているものから興味を持つ」のは一緒だと思います。




 ということを前提にして、ここからが私の話なんですが……
 私、「知っている役者さんが出ているか」どうかってあまり気にしないんですよ。むしろ「知らない役者さん」の方が嬉しいときまであります。これは「アニメ」でも「実写」でもそうです。

 「実写」の映画の方がイメージしやすいでしょうから、「実写」で説明しましょうか。
 他の映画とかでもよく見かける俳優さんとか、バラエティ番組でよく知った顔が出てくると、もうその映画は「作りもの」だと私は思ってしまうんですね。だって、この人の職業は本当は警察官じゃないじゃんとか、この人ホントは死んでないじゃんとか、この人プライベートでは○○さんと結婚して幸せな家庭を築いているのに映画の中で「俺は不幸だ」みたいに言われても困るわとか思ってしまうのです。

 逆に言うと、例えば『カメラを止めるな!』みたいに全然知らない役者さんばかりだと、「役」と「役者」の境界線があいまいになって没入度が増していきます。怖い役の人は本当に怖く見えるし、情けない役の人は本当に情けなく見えてきます。


 とは言え、この記事の冒頭に書いたように「人間は知っているものにしか興味を持たない」ものなので、興行的なことを考えたら有名な役者さんをズラリと並べた方がイイというのは分かります。「全然知らない役者さんばかり」で映画を撮り続けるのは難しいですよね。
 なので、私は日本の映画を観るのは程々にして、「昔の映画」とか「外国の映画」とかをキャストを知らずに観て、「全然知らない役者さんばかりだ!」「本当に悪い人にしか見えない!怖い!」と没入度を楽しんだりするという。これはまぁ、私は特に外国人の顔を覚えられないというのも大きいのですが(あと、没入度が高い=楽しいというワケでもないんですけどね)


 んで、アニメの声優さんについてもそうで―――
 私は「知っている声優さんが出ている」ことをあまりプラスに捉えられないんですね。もちろん「好きな声」とか「好きな演技」とかで好きな声優さんがいないことはないんですが、好きな声優さんが出ていると「キャラクター」というよりも「声優さん」の方に気が取られて、「この人、本当にこういう演技が上手いなー」とか「こういう声も出せるようになったのか!」みたいに“演技”として見ちゃうんですね。

 だから、芸能人の吹き替えとかも「演技の上手い/下手」以前の問題で……
 「キムタクが声優初挑戦!」みたいな作品に対して、感想が「キムタクの演技、思ったほど悪くなかった」みたいになっちゃうの、何その授業参観みたいな感想って思っちゃうんですよ。“演技”として見ちゃった時点で、もうその映画は「作りもの」じゃん!


 ということは、私の理想的なアニメの楽しみ方は「キャストを全く知らずに観る」で、観終わった後にEDクレジットで「えー、あの人って○○さんがやっていたんだ!気付かなかった―」と確認するのがイイんでしょうけど、キャストの情報は真っ先に入ってきちゃうのでなかなか「知らずに観る」ってのは難しいんですよね……


 「知っている役者さん」が出ていること、みなさんは嬉しいですか?


| ひび雑記 | 17:56 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

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