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『あつまれ どうぶつの森』紹介/これぞ2020年型のシリーズ最新作!

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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

【これさえ押さえておけば知ったかぶれる三つのポイント】
“自分だけの島”を作ると、馴染みのキャラ達がこの島に集まってくる
一つ一つのルーチンワークに意味を持たせ、面倒にもさせた、マイルとDIY
インターネットが常にある時代の継続的なアップデートと、SNSと、ゲーム実況と


『あつまれ どうぶつの森』
・発売:任天堂
公式サイト
 Nintendo Switch用ソフト:2020年3月20日発売
  ※ Nintendo Switch本体機能でのスクリーンショット撮影○、動画撮影○
・コミュニケーション
・セーブ方法:一定時間ごとにオートセーブ(任意セーブ→ 即終了も可能)


 私のプレイ時間は130時間でした
 ※ 特にクリア―とかないゲームですが、島クリ手に入れて一つの島を完成させるくらいまでにかかった時間を載せておきます


【苦手な人もいそうなNG項目の有無】
この記事に書いたNG項目があるかないかを、リスト化しています。ネタバレ防止のため、それぞれ気になるところを読みたい人だけ反転させて読んでください。
※ 記号は「◎」が一番「その要素がある」で、「○」「△」と続いて、「×」が「その要素はない」です。

・シリアス展開:×
・恥をかく&嘲笑シーン:×
・寝取られ:×(しずえさんがたぬきちの横で働いているくらい)
・極端な男性蔑視・女性蔑視:×
・動物が死ぬ:×
・人体欠損などのグロ描写:×
・人が食われるグロ描写:×
・グロ表現としての虫:○(虫のディティールはリアルになった……)
・百合要素:×
・BL要素:×
・ラッキースケベ:×
・セックスシーン:×

↓1↓

◇ “自分だけの島”を作ると、馴染みのキャラ達がこの島に集まってくる
 『どうぶつの森』シリーズは2001年4月にNINTENDO64用ソフトとして、1作目が発売されて始まりました。「敵も出てこなければ、ストーリーが展開されるワケでもない」、「ただ村で生活するだけ」、「時計機能を使ってリアル季節と連動」、「1つの村に家族が住み、時間差でプレイする」、「それぞれの村は地形も果物も住人もちがう」と、それまでのゲームとはまったくちがう新しいゲームとして口コミでどんどん広がっていきました。

・2001年4月『どうぶつの森』(NINTENDO64)
・2001年12月『どうぶつの森+』(ゲームキューブ)
 ・2003年6月『どうぶつの森e+』(ゲームキューブ)
・2005年11月『おいでよ どうぶつの森』(ニンテンドーDS)
・2008年11月『街へいこうよ どうぶつの森』(Wii)
・2012年11月『とびだせ どうぶつの森』(ニンテンドー3DS)
 ・2016年11月『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』(ニンテンドー3DS)
・2020年3月『あつまれ どうぶつの森』(Nintendo Switch)


 とは言え、2001年4月というのはNINTENDO64末期です。
 2001年9月に当時の新型ゲーム機:ゲームキューブが発売されたため、任天堂は前作から8ヶ月後にあたる2001年12月に、続編というか前作の不満点を潰して完成形にした『どうぶつの森+』を発売しました。正確な数字は分かりませんが、最低でも国内60万本は売り上げたそうですね(ロングヒット商品なので集計に入っていないところで売れ続けていたみたいですが)。

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<画像はゲームキューブ用ソフト『どうぶつの森+』より引用>

 今の『どうぶつの森』シリーズの売上から考えると60万本は少ないように思えるかも知れませんが、ゲームキューブは普及台数がさほどでもなく、『マリオカート ダブルダッシュ!!』や『スーパーマリオサンシャイン』も推定80万~90万本とミリオンセラーに届きませんでした。そう考えると60万本は全然悪くない数字で、この時点で任天堂の中では「マリオ」や「ゼルダ」に続く人気シリーズという地位を獲得していたと思われます。


 海外版の逆輸入とも言える『どうぶつの森e+』をはさみ、2005年11月にいよいよ『おいでよ どうぶつの森』が発売されます。このタイトルは、「ニンテンドーDSをインターネットにつないで遊べるニンテンドーWi-Fiコネクション」の第1弾ソフトとして発売されているので、任天堂にとっても戦略的なタイトルだったことが分かるでしょう(第2弾が『マリオカートDS』)。
 携帯ゲーム機用のソフトになったため、本体とソフトを持ち寄ることで友達の村に遊びに行って一緒に遊べるようなった他、先に説明したようにインターネット経由でフレンドの村に遊びに行けるようになりました。携帯機での展開ゆえに簡略化された地形や削除された住人などもありましたが、「手軽に遊べる」「友達と持ち寄って一緒に遊べる」という携帯機との相性の良さを発揮して500万本以上売り上げた大ヒットゲームになりました。

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<画像はニンテンドーDS用ソフト『おいでよ どうぶつの森』より引用>



 しかし、次のWii用ソフト『街へいこうよ どうぶつの森』は、そうした「携帯機ならではの良さ」を失っている割にDS版から遊びがあまり変わらず、「据置機ならではの良さ」みたいなものもほとんどありませんでした。一応100万本は売り上げたものの「あまり上手くいかなかったソフト」と後に社長に語られたソフトになってしまいました。

記念撮影
<画像はWii用ソフト『街へいこうよ どうぶつの森』より引用>


 「どうぶつの森」シリーズにとってターニングポイントはここだと私は思うんですね。どんなに評判のイイ作品であっても、その作品から変わり映えのしない続編を出してしまえば売上は5分の1になる―――Wii版が売れなかったことを「やっぱり据置ゲーム機じゃダメだな」と言い訳にせず、その失敗を次の作品への礎にするからこのシリーズは強いんです。


 Wii版の反省をバネにして登場した次作『とびだせ どうぶつの森』は、「一人の住人として気ままに暮らす」というそれまでのコンセプトを一新して、「村長になって村全体を発展させていく」ようになりました。
 村の発展にともない徐々に施設が増えるなど「徐々に機能を覚えていく」仕様になっていたり、公共事業として家の外に置けるアイテムができたので「自分だけの村作り」で出来ることが増えていたり、「村長になる」というアイディアは「どうぶつの森」シリーズが抱えていたいくつかの問題を同時に解決してくれたんですね。

 「社長が訊く」で当時の社長だった岩田さんがおっしゃった「これまでの“家自慢”から、今度は「“村自慢”に変えるんだ」ということですね。」は、このゲームをものすごくよく表していたと思います。

 その“村自慢”の機会をつくるために、「知らない人にも自分の村を自由に見て回れる」夢見の館という機能があって。そのため、以前からあったマイデザインを地面に貼れる機能を使って、村に道路を引いてキレイに整地している人も少なくなかったですね。

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<画像はニンテンドー3DS用ソフト『とびだせ どうぶつの森』より引用>



 そこから7年半―――
 やっと出たWii U版がスゴロクだったり、スマホ版が出たり、スマブラに参戦したり、「どうぶつの森」シリーズはなかなか本編が出てきませんでしたが。7年半ぶりに出た『あつまれ どうぶつの森』は、「村長になって村を発展させていく」『とびだせ どうぶつの森』を同じ方向性で進化させたような作品でした。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 今作の舞台は「無人島」です。
 たぬき3匹と住人3人(と、空港にいるドードー)だけで「無人島」に移住して、島をどんどん発展させていくと、住人は増えていくし、新しい施設が建つことでフータやしずえさんといったおなじみのキャラがやってくるのです。ゲームタイトルの『あつまれ』は複数人のプレイヤーで遊べるという意味だけでなく、「自分の手で島を発展させて、どうぶつ達を集めていこう」という意味も込められているんじゃないかと思われます。

 その方向性は、3DS版の「村長になって村を発展させていこう」から引き継がれているものと言えるでしょう。今回のプレイヤーは「移住ツアーの初期メンバーの一人」に過ぎないはずなのに、散々たぬきちにこき使われていない!?



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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 「じゃあ、前作とあまり変わらないんじゃ?」と思ったら大違いです。
 今作最大の特徴は、今まで「自分の家の中」にしか置けなかった家具が「島のどこにでも」置けるようになったことです。前作のように一部の公共事業アイテムだけでなく、基本的にすべての家具が家の外に置けるようになりました(※1)

 これにより、例えば「焚火」みたいな、室内に置くのは不自然な家具の用途が格段に増えたのです。むしろ、今までは室内にしか置けなかったのに、どうしてそんな家具があったんだ??

(※1:壁掛け用のアイテムなんかは外の壁にはかけられませんので、完全に全部ではありませんが)


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 更に、島をある程度まで発展させると「島クリエイター」の資格をゲットできます。
 「川の位置を変えたり埋め立てたり」「高台を増やしたり削ったり」といったカンジに、これまでのシリーズでは決して手を付けられなかった地形変化をプレイヤーの好きなように出来るのです。

 また、前作では自分でマイデザインを用意して1枚1枚地面に貼り付けなければいけなかった「道路」も、あらかじめ用意してもらったデザインを好きなところに引いたり、自分で作ったマイデザインも連続で貼り付けられたりと―――前作まではかなりやり込んでいる人しか手をつけなかった「道路づくり」を誰にでも手軽に出来るようにしたのです。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 こんなカンジに、自宅前に1階層上のカフェテラスを作ったり。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 島を東西に分断する高い壁を作ったり。

 アナタの理想通りの島に作り変えることが出来るのです!



 「島全体を自分の好きなように作り変えられる」という要素だけを見ると、この7年半の間に『マインクラフト』のようなサンドボックス系のゲームが大ヒットした影響も少なくないとは思うのですが……前作の3DS版の時点で「自分だけの村を作る」コンセプトがあったこと、その後に出たスピンオフ作品の『どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー』が「自分だけの家(+庭)を作る」部分だけを楽しむゲームで今考えれば差別化されていたことなどから、「島全体を自分の好きなように作り変えられる」のはシリーズの流れに沿った展開だったのかなと思いました。

 この辺は『ブレス オブ ザ ワイルド』が何故オープンワールドになったのかの話と似ているんですけど、単に「最近アレが流行っているからアレを真似しよう」ってだけじゃなくて、シリーズが抱えていた問題点とか物足りなさを打開しようとした結果そうなったっていったのだと思うんですね。

 またDS版から変わり映えがしなかったWii版の反省を活かして、評判の高かった3DS版の方向性を引き継ぎながら出来ることを格段に増やして別ゲーにしてきたのも流石だなぁと思います。Wii U版がスゴロクでズコーッとなったのは忘れてあげよう!


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 それでいて、今作の目玉要素とも言える「島クリエイター」も「やってもイイし、やらなくてもイイ」としているのが凄い。普通こんな機能を実装したら、丁寧にチュートリアルを付けて「こんな島を作ってみましょう」みたいに押し付けがちだと思うのですが……島をある程度発展させた人へのご褒美に留めておいて、まったく使わなくてもイイようにしているという。

 その「島の発展」すら、別に無視しちゃって構わないワケですし。
 ゲームに設定された一応の目標は「島の評価を上げてスタッフロールを見る」ことだと思うのですが、それを無視して気ままに魚を釣ったり、虫を取ったりしているだけでもイイのが、このゲームです。「ちょっとだけ遊びたい人」と「ガッツリ遊びたい人」の両方をカバーしようとしているのは、頭が下がります。

↓2↓

◇ 一つ一つのルーチンワークに意味を持たせ、面倒にもさせた、マイルとDIY
 ゲーム内のすべての要素が「やってもイイし、やらなくてもイイ」のが「どうぶつの森」シリーズの特徴ですが……それだけだと「何をするゲームか分からない……」と投げ出してしまう人も多かったためか、前作『とびだせ どうぶつの森』から「実績」システムのような「バッジ」システムが導入されていました。

 「たくさん魚を釣る」とか「たくさん手紙を書く」みたいな条件を達成するとバッジがもらえたんですね。

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<画像はニンテンドー3DS用ソフト『とびだせ どうぶつの森』より引用>

 更に、2016年に発売された『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』(既に『とびだせ どうぶつの森』を持っていた人は無料アップデートが可能)では、そうした長期的な目標だけでなく、「明日の朝までに○○をしよう」といった短期的な目標をくれる「くらしサポート」といった機能が追加されました。



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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 今作『あつまれ どうぶつの森』にも似たような機能は実装されていて、「長期的な目標」と「短期的な目標」の両方を与えられて達成するとマイルがもらえるという仕組みになっています。特に「短期的な目標」となる「たぬきマイレージ+」は、「今日は何をやろうかなー」と思った際に「5匹さかなを釣れ」というお題が出てるから「じゃあそれやるかー」という動機付けになってくれます。


 「どうぶつの森」はゲーム内のすべての要素が「やってもイイし、やらなくてもイイ」というシリーズなため、「魚釣りしかしない」とか「服は最初のやつしか持っていない」みたいな遊び方も出来ちゃうゲームです。でも、作り手としては「せっかく作ったゲームの要素はなるべく全部楽しんでほしい」と思うもので、それでいて強制しない方法として、こういうシステムを入れているのかなと思います。「マイル目的で、やりたくもないことをやらされる」という見方も出来ますが、指定された仕事が面倒になってきた頃にはマイルが余ってくるでしょうし。

 『Splatoon』の1作目で「せっかくたくさんのブキを入れたのだから、ずっと一つのブキを使うんじゃなくて色んなブキを使ってほしい」と思ったからこそ、『Splatoon2』では色んなブキがローテーションで回ってくる「サーモンラン」というモードが入ったみたいなことね(そのモードも別に遊びたくなければ遊ばなくてもイイのだけど)。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 そして、新要素となる「DIY」です。
 ざっくり言ってしまえば、「アイテム」と「アイテム」を合成することで「別のアイテム」を生み出すという―――『アトリエ』シリーズとか、『牧場物語』シリーズとか、もっと言うと『マインクラフト』系のサンドボックスゲーとかにも採用されていることの多い“よくあるシステム”が今回「どうぶつの森」シリーズで初めて採用されました。

 今作は先にも書いたように「無人島を発展させていく」ゲームになっているため、従来通りの「お店でアイテムを買う」だけでなく、「自分でアイテムを作る」必要があるのですが――――マイル同様、このシステムが「同じことの繰り返しをする毎日」に意味を持たせているのです。

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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 一つには、「素材」集めがあります。
 従来の「どうぶつの森」シリーズにも、「毎日木をゆすると家具が二つ落ちてくる」とか「叩くとお金が出てくる岩が毎日一つだけある」といった要素があって、この“当たりの木”“当たりの岩”を探すのが毎日のルーチンワークになっていた人も多いかと思われます。

 今作『あつまれ どうぶつの森』の場合、“当りの木”以外でも揺すると「木の枝」が落ちてきて、これが釣り竿や虫取り網を作るのに必要だったり。“当たりの岩”以外でも叩くと「石」「粘土」「鉄鉱石」が出てきて、斧を作ったり、しょぼい道具を丈夫な道具に強化したりに使えます。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 更に、そうして集めた「素材」を使ってアイテムを作る「レシピ」集めの要素も生まれました。
 このレシピは1回覚えてしまえば(素材のある限りは)何個でもアイテムが作れるのですが、1度手に入れてしまえばカタログから注文して友達にも送れる家具や服なんかのアイテムとちがって、一つの「レシピ」で一人ずつしか覚えられません。そのため、「アイテム」集め「素材」集めと同じくらい「レシピ」集めも重要になってくるんですね。

 んで、この「レシピ」がどうやって手に入るか―――
 序盤のチュートリアルを進めることで手に入るものもありますが、それ以降になると「島に住む住人から教えてもらう」か「海岸に流れ着いているメッセージボトル」で読むとか、あとは季節のイベントなんかで覚えられるものもあります。

 さっきの「素材をゲットするために木をゆすったり岩を叩いたりするようになった」話と同様に、レシピをゲットするため、積極的に住人の家に押しかけるようになったし、海岸も毎日一通りチェックするようになりました。「行動」自体は今までのシリーズでもやっていたことなのだけど、そこにご褒美が入るようになったので、それらのルーチンワークも楽しくなったんですね。現金なやつ!



 ということで、前作からそういう傾向はあったとは思いますが、今作は如実にゲームの様々な要素を「やってもイイし、やらなくてもイイ」から「なるべく全部やって欲しい」というゲームデザインになっていると感じました。
 例えば、「魚釣りだけやりたい人」がいたとしても、釣り竿を作るためには「木の枝」と「鉄鉱石」が必要で、そのためには木を揺すって岩を叩く必要があるのだけど、そのために必要なスコップを作るには「木材」が必要で、それを手に入れるためには斧が必要で―――と、色々なことをして、色々な素材とアイテムを用意しなくてはならなくなりました。

 釣り竿に限らず、頻繁にアイテムが壊れるの……ちょっとイラっとするんですよね。ゲーム序盤だけの我慢じゃなくて、ずっとそうなので。
 ゲームが進んだら店でも上位アイテムが買えるようになるので、いっそのこと金で全部解決するのも手なんですが。「こうだったら良かったのになぁ」という願望を言わせてもらえば、ゲームが進んだらムチャクチャ壊れにくい「丈夫な釣り竿」が作れるようになるとか、いつ壊れるかが分かるように耐久値が表示されるとかしてくれたら良かったのに。


 そのせいで「なるべく全部やって欲しい」というゲームデザインのはずが、「木を揺するの面倒くさいから釣りするのやめよう」「木材あんまりないから岩叩くのやめよう」と、一つのことを面倒だと考え始めると全部一気にやる気がなくなってしまうゲームデザインになっているような。私は最終的にアイテムを消費しない、「カブの売買」とか「島クリ」だけやるマシーンになってしまいました。やっぱり土いじりが一番だね!


 この辺は、時代に合わせて“よくあるシステム”を採用した結果―――楽しくなった側面も、面倒くさくなった側面もあって、賛否が分かれそうなところだと思います。個人的には飽きるまで楽しんだから満足ですが、「気軽に楽しめるゲームだよ!」と言いづらくなったかなぁと。


↓3↓

◇ インターネットが常にある時代の継続的なアップデートと、SNSと、ゲーム実況と
 さて、前作『とびだせ どうぶつの森』が発売された2012年から、今作が発売された2020年の間の7年半で、任天堂が一番大きく変わったのは「インターネットとの距離感」だと思います。

 分かりやすい例から挙げると、「インターネット経由での継続的なアップデート」があります。
 前作の頃には(『amiibo+』は当初から計画していたものではないだろうから考えないこととして)、インターネット経由で追加された要素はせいぜい「新しい家具」くらいでした。その配布も、セブンイレブンとコラボして「セブンイレブンに行けば3DSをインターネットに接続できるよ」と限定家具を配布するなど、自宅ではゲーム機をインターネットに接続していない人でもインターネットに接続できるサービスをかなり推していたんですね。

 正確な数字は分かりませんが、当時はまだまだゲーム機をインターネットに接続しない人が多いと任天堂は考えていたのか、2012年の『とびだせ どうぶつの森』は「インターネットに接続しなくても問題なく遊べる」「インターネットに接続すると更に楽しい」というバランスのゲームになっていました。


 しかし、そこから7年半が経ち、その間に様々なゲームが発売されました。
 象徴的なのは、2015年の『Splatoon』や『スーパーマリオメーカー』です。この2本のゲームは「インターネットに接続しなくても遊べるのはチュートリアルのようなモード」「本番はインターネットに接続するモード」でかつ、「インターネット経由による無料アップデートで遊びが追加されていくゲーム」でした。

 この2本が発表された時、私は「俺は買うけどインターネット必須のゲームがどれくらい売れるんだろう」と思ったのを覚えています。しかし、蓋を開けてみれば、Wii Uというさほど普及台数の多くないゲーム機でどちらもミリオンセラーを達成しました。
 インターネット必須のゲームでも問題なく売れるくらい、ゲーム機のネット接続率は上がっているという実感が任天堂にも生まれたのでしょう。2017年に本体が発売されたNintendo Switchの任天堂ソフトは、「インターネット経由での無料アップデート」と「有料DLCの販売」の2本柱で継続的に遊ばせるものが多いです。ブキやステージが追加されていって、フェスのようなイベントがあった『Splatoon2』は言うまでもなく、『スマブラSP』もステージ作りのようなモードが追加されたり、『キノピオ隊長』なんて2人同時プレイのモードが無料で追加されましたもんね。

 そう言えば、ニンテンドー3DSの頃は前述したセブンイレブン等でインターネットに接続できるサービスを展開していた任天堂ですが、現在はもうニンテンドーゾーンって終了していたんですね。自宅でネットに接続する人が増えたからなのか、もうその役割を終えていたという。お疲れさまでした。


 そんな経緯なので『あつまれ どうぶつの森』も、インターネットにつながっていることが前提で、有料DLCは発表されていませんが、「インターネット経由での無料アップデート」で遊びが継続的に追加されることが発表されています。
 例えば、「イースター」だったり「メーデー」、「ジューンブライド」のような季節のイベントは、最初からソフトに入っているワケじゃなくて、その季節が近づいてきたら無料アップデートで追加されるようになったんですね。もしNintendo Switchをインターネットに接続していない人がいたなら、それらのイベントは遊べません。



 このアップデートのタイミングもよく考えられていて、発売日から始めた人がそろそろ「島クリ」を手に入れた頃&お金も余裕が出来た頃に、低木を売ってくれるレイジや、美術品を売ってくれるつねきちが来るという。
 イースターのイベントはむっちゃ不評でしたが、アースデーのイベントは「島作りのテクニックを教える意味合い」があったり、メーデーのイベントは「こんな島が作れるんだという見本」になっていたり、国際ミュージアムデーは「見ていない人も多そうな博物館めぐりをさせる目的作り」になっていたり、ジューンブライドは「パニエルの島を使わせる」だったり、イベントはタイミングと内容がしっかりと考えられている印象です。

 前作にはあったけど今作には(まだ)ない要素は結構あるのだけど……そう考えると、「夢見の館」は一通り島作りが完成してみんなが飽きてきた頃にアプデで追加されるんじゃないかとか、「南の島」はフレンドの島もみんな完成して遊びに行ったり来たりするのに飽きてきた頃にアプデで追加されるんじゃないかとか、予想&妄想は出来ます。

 つまり、現時点ではまだ実装されていない要素もたくさんあるみたいなので、今の時点でレビューなんて書けないんですね(笑)。

 何というレビュアー泣かせ。
 でも、『Splatoon』みたいなオンラインゲームだって、スマホ用のゲームだって、年単位で遊ばせることを考えて徐々に機能が実装されるのが最近のゲームですから……2020年型の『どうぶつの森』は当然こういう形になるんだろうなと思っていました。



 また、レイジやつねきちが「ゲームの進行具合」ではなく「アップデートで同時期に」みんなの島にやってくるというのは、SNS等で話題になることを狙っているのかなぁと思います。
 前作の時の3DSでもスクショに撮ってTwitterにアップしたりとかは出来ましたが、通常3DSではSNSへのアップはかなり時間がかかりましたし、何よりあの時期の任天堂って「SNSとの共存方法」が中途半端だったと思うんです。


 例えば、3DS本体機能にはスクショを撮る機能がないため、SNSにスクショをアップできるソフトは限定されていたとか。Wii UでMiiverseが始まって、そちらでは多くのソフトがスクショをアップ出来たのだけど、Wii Uを持っている人しか見ないMiiverseで話題になっても宣伝効果が薄かったとか。


 Nintendo Switchはその辺すごく割り切っていて、Miiverseは廃止、本体機能でスクショも動画もワンボタンで撮れて、それを即座にTwitterやFacebookにアップすることが出来る―――と、個人的には攻略情報を共有できるMiiverseはすごい好きな機能だったんですけど、Miiverseを廃止したおかげでNintendo SwitchのゲームはTwitterで話題になって売れることも多いと『ブレス オブ ザ ワイルド』の頃から思わされてきましたからね。

 『あつまれ どうぶつの森』も、Twitterでスクショや動画を見かけない日はないというくらいに溢れていて、プレイしていない人も遊びたくなってのこの売上なのかなと思います。


 更に、前作ではQRコードで配布&もらうことが出来た「マイデザイン」は、IDを入力することで受け取ることが出来ます(Nintendo Switch Onlineの有料会員になる必要はあります)。これもまたSNSでの共有に向いている形で、良さげなマイデザインがバンバンTwitterのタイムラインに流れてきますねー。




 そして、最後―――
 今作は「ゲーム実況映えするどうぶつの森」という印象を受けました。

 この7年半の間の任天堂最大のトピックは「任天堂が公式にゲーム実況をすることを認めた」だと私は思います。今やゲームは「自分で遊ぶ」だけでなく「人が遊んでいるのを見る」時代。ゲーム実況に馴染みのない人は「人が遊んでいるのを見るだけで楽しいの?」と思われるかも知れませんが、人が遊んでいるのを見るだけで楽しいし、そんな中でも「視聴者も参加できるタイプのゲーム」は視聴者も一緒になって遊べて盛り上がれるんですね。

 4人vs.4人の多人数戦でフレンドならガンガン乱入できる『Splatoon』とか、自分が作ったコースを人に遊んでもらえる『スーパーマリオメーカー』とか、99人まで一緒に遊べる『テトリス99』とか―――そう狙って作ったワケじゃないと思うんですが、結果的にものすごく「ゲーム実況映えするゲーム」になっていると思うのです。


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 最初の項でも述べたように、「どうぶつの森」シリーズはDS版の頃からオンラインに対応していて「フレンドの村」に遊びに行ける機能がありました。しかし、スペックの問題もあったでしょうが、オンラインで遊びに来られる人数は3人まで(自分を入れて4人)なのが慣例でした。3人ずつしか入ってこられないと、割と出来ることが限られちゃうんですよね……

 それが、今作『あつまれ どうぶつの森』ではオンラインで遊びに来られる人数が7人まで(自分を入れて8人)と倍増しました。更に、『テトリス99』とか『Ultimate Chicken Horse』とかでも採用されていたので最近のトレンドだと思うんですが、部屋を作った際に提示されるパスワードを入れることで「フレンドになっていない人もオンラインに参加できる」システムが採用されています(※2)

 このおかげで、普段ゲーム実況を観ているだけの雲の上の人の島にも、フレンドになんかなってもらえなくても遊びに行けるんですね。もちろん、ゲーム実況以外でも「カブが高騰した島をTwitterで見かけたので初めましての人でも売りに行ける」みたいな使い方も可能です。

(※2:パスワードを発行しないで、フレンドだけ自由に入ってこられる設定にも出来ます)


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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 前作の「南の島」のようにミニゲームがみんなで遊べる要素は(まだ)ないのですが、「島クリ」や「マイデザイン」が使えて、8人集まれば色んなことが出来るもので―――上の画像は、ウチの島で開催された「絵しりとり」大会の様子です。他の島では、みんなでピクロスを解いたり、みんなでクイズに挑戦したり。他の人の実況を見ていたら、デスゲームが開催されたこともありましたっけ。

 ニュース記事で見かけただけですが、新型コロナウイルスのせいで行えなかった卒業式を『あつまれ どうぶつの森』で開いたとか、結婚式を『あつまれ どうぶつの森』で開いたなんて話も聞きました。こういうことが出来るのも、オンラインで一緒に遊べる人数を4人→ 8人に倍増させたからだと思います。


 このゲームがここまで話題になって、売れているのは、シリーズのネームバリューに胡坐をかかないで「2020年に発売するに相応しいどうぶつの森」を作ったからだと思います。お見事!



◇ 結局、どういう人にオススメ?
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<画像はNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』より引用>

 このシリーズ、以前は「人を選ぶゲーム」って言われていたと思います。
 分かりやすい目標がなくて、何をしても自由、何をしなくても自由、自分なりの目標を立てられる人には最高のゲームだけど、分かりやすい目標を与えられないと遊ぶ気にならない人には向かない――――だから私、「コアなゲーム好きな人」がこのゲームを好きだと言っているのが意外だったりしたのですが。

 3DS版→ 今作と、「村の発展」「島の発展」という分かりやすい目標が与えられる方向性になっているんですね。なので、もうこのシリーズは「人を選ぶゲーム」ではなく、「誰にでも楽しめるゲーム」と呼んでイイと思います。


 その中でも特にオススメな人を考えると、やっぱり今作の目玉は「家の外にも家具が置ける」ことだと思うので……手持ちのアイテムによるコーディネートを考えるのが好きな人にオススメかな。家の中にしろ、家の外にしろ、自分が着る服にしろ、「どれを置こうかな」「どれを着ようかな」と考えるのが楽しいゲームなんで。

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