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「自分だけ」の携帯ゲーム機と、「他人と共有する」据置ゲーム機と

 上半期は「うわー、コレどうなるんだ」と暗い話題ばかりだった日本のゲーム業界ですが、下半期になった今思うのは2009年はDSの年だったなということです。Wiiに『モンハン3』が出ようが、PS3が値下げして『FF13』を出そうが、ゲーム業界の歴史としてはDSの強さが目立った年になると思います。売上げ的にも、世間の話題的にも。


 売上げだけなら、『ドラクエ9』と『ポケモン金銀リメイク』が圧倒的。
 両者のソフトとも「ゲームを持ち歩くこと」に付加価値をプラスしたというのも印象深いですね。

 “DSオリジナルのソフト”としては、『トモダチコレクション』が恐らくまさかのミリオン突破になりそうですし。サードメーカーからは『ラブプラス』のようにゲームの新時代を感じさせるソフトが登場しました。ギャルゲーとしては売上げ好調らしく、続編やらスピンオフやら後追い作品やらが今後登場しそうですね。


 言ってしまえば、今のDSは“ハード円熟期”。
 『ドラクエ9』や『ラブプラス』は「DSとは思えないほどのグラフィック」と評され、ハードのスペックの限界に挑戦したソフトと表現されています。

 500万本カルテットが大暴れした2006年をピークに、2007年、2008年とDS市場は存在感を薄くしていった気がするのですが(いや、数字的にはミリオンタイトルをチラホラ出していたんですけど)……
 2009年下半期にまさかこんな存在感を見せるとは、と驚いています。去年の今頃は「そろそろ“DSの次”を出す頃じゃね?」とか思っていたのですが、ところがどっこいDS市場はまだまだ元気いっぱいでしたとさ。



 んで、先に挙げた4本を振り返ると―――『ドラクエ9』『ポケモン金銀リメイク』『トモダチコレクション』『ラブプラス』はどれも「自分だけの○○」をプレイヤーに持たせてくれるソフトなんですよね。
 「自分だけの主人公」「自分だけのポケモン」「自分だけの箱庭」「自分だけの恋人」―――いずれもプレイヤーによって異なる成長・変化をするからこそ、そこに愛着が湧くというゲームですよね。「俺の凛子」と「アイツの凛子」は違う、みたいな。

 それこそ初代『ポケモン』が出てきた頃からずっとそうなんですけど、携帯ゲーム機というのはこういう「自分だけの○○」を描きやすいんですよね。『たまごっち』とかもそうか。「持ち運べるから」「どこでも遊べるから」「画面が“個人”用だから」
 居間に置いているWiiで『ラブプラス』を遊べ、というミッションは家族のいる人には難易度が高すぎます。他人(家族)には見せたくない“個人”用のゲームは、携帯ゲーム機の特性を最高に活かしたソフトなんですよ。


 「そんなん当たり前じゃん」と思う人は思うでしょうけど。
 でも、据置ゲーム機でも“個人”用のゲームが出たりするじゃないですか。そして売上げ苦戦するじゃないですか。んで、「Wiiではゲームらしいゲームが売れない」とか言うじゃないですか。「ゲームらしいゲーム」というワケの分からない言葉に責任をなすりつけるじゃないですか。

 DSでヒットしたこの4作品(と一括りには出来ない売上げ差がありますが)―――
 (仮に普及台数が同じであっても)Wiiで出してもここまで売れなかったと思うんですよ。これらのソフトは“個人”用のゲームだから、“個人”用の携帯ゲーム機でこそ予想以上のヒットになったのだろうと思うのです。


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○ 『どうぶつの森』は“個人”用?“家族”用?
 別にデータがあるワケじゃなくて、「なんとなく」な話なんですけど……
 『街へいこうよ どうぶつの森』目当てにWiiを買った人って、そのWiiをどこに置いていると思いますか?居間か、自室かという話。僕は、自室じゃないかと考えています。『どうぶつの森』って家族に観られるのが恥ずかしいゲームだから。

・自分だけの分身を作って
・自分だけのコーディネートで服を選び
・自分だけの家を持ち
・自分だけの村に花を植え
・自分だけの村人たちとの交流を持つ

 すごく“個人”用のゲームだと思うんですよ。
 DS版で大ブレイクした理由は様々(どこでも遊べるとか、手軽に協力プレイが出来るとか)あると思いますが、この「“個人”用のゲームだから」というのも理由の一つじゃないかと思うのです。他人と画面を共有せずにする携帯ゲーム機だからこそのヒット。


 ですが、『どうぶつの森』の元々のコンセプトは「家族で共有するゲーム」でした。
 据置ゲーム機であるNINTENDO64で始まったシリーズですからね、「据置ゲーム機ならでは」の要素を目指して作られたのでしょう。でも、一番ヒットしたのは携帯ゲーム機であるDS版だったワケです。
 「家族で共有するゲーム」である『どうぶつの森』が、「家族で共有するゲーム機」であるWiiで発売するということで、大ヒットを期待した人も大勢いたと思いますが。結果的に、Wii版は社長に「期待通りにはならず」と言われてしまった売上げでした。

 これは、「“個人”用のゲーム」と「家族で共有するゲーム」を混同した結果なんじゃないかと思います。一人プレイでは足枷にしかならないたぬきち商店の営業時間の短さなんかは、典型例で。


 「Wiiでは一人用のゲームは売れない」
 この揶揄は半分は正しいけど、半分は言葉足らずだと思うのです。正確には「据置ゲーム機では一人用のゲームは売れない」だろうと。Wiiの『モンハン3』や『マリオギャラクシー』も、PS3の『メタルギアソリッド4』も大体80万本付近のカベで跳ね返されています。これが現在の日本での据え置きゲーム機の限界なんじゃないかと思っています。『FF13』はこれを乗り越えるだろうから、今の内に言っておきます(笑)。

 「Wiiでは一人用のゲームが売れない」の言葉を裏返すと、「据置ゲーム機のソフトが売れない時代にWiiの多人数用ゲームだけは売れている」になるんですよ。『Wii Sports』『はじめてのWii』『マリオカートWii』『スマッシュブラザーズX』―――

 「Wiiでは任天堂のゲームしか売れない」のって、結局のところ任天堂は64以降ずっと(ファミコン以降かも知れない)多人数用ゲームを作り続けていて、そのジャンルにノウハウとブランド力があるだけだと思うのです。
 バンダイナムコが『太鼓の達人Wii』『ファミリースキー』『ファミリートレーナー』で成功したというのも、この考え方の延長線上にあると思いますしね。

※ ↑「一人用のゲーム」は「“個人”用のゲーム」と置き換えた方がイイかも。
『モンハン3』はオンライン協力プレイがメインだけど、画面は一人で使うよねという話です。



 ということで、「“個人”用のゲームは携帯ゲーム機で」「多人数用のゲームは据置ゲーム機で」出せばイイってことだね!分かりやすい!良かった良かった!



 とはならない。
 この論理だと、『Wii Fit』の大ヒットだけが説明が付かないんですよ。

 『Wii Fit』って物凄く“個人”用のゲームじゃないですか。
 体重というコレ以上ない個人情報がデータ化され、どのトレーニングをどれだけプレイしているのかも記録化されて、何より珍妙なポーズを取らないとならない(笑)。
 『Wii Fit Plus』では改良されているそうなんですが、横で見ている人が「自分にもやらせて」と言いづらい仕様(タイトル画面まで戻ってプレイキャラを切り替えてウィーボくんの話を聞かなきゃならない)のも、「家族で共有するゲーム」として考えるとマイナスポイントですよね。


 だから、僕は『Wii Fit』は国内30万本くらいの売上げじゃないかと予想していました。
 でも、結果は300万本以上の大ヒットだったという。


 まー、答えはきっとシンプルで。
 「据置ゲーム機のソフトが売れない」この時代に、「据置ゲーム機“ならでは”」のソフトを出せたからということなんだと思います。あのゲームをDSで再現しようとすると、画面の小ささに「やりにくっ!」と思うでしょうし。

 恐らくミリオン突破するであろう『FF13』だって「DSやPSPでは絶対に出せないソフト」だと認識されているから、予約が殺到しているのでしょうし。結局のところ「据置ゲーム機のメリット」を消費者に感じさせられるかどうかというだけの話なのかも。
 で、「Wiiでは多人数用ゲームが売れる」というのも、幾つかある「据置ゲーム機のメリット」の一つに「一つの画面をみんなで共有できる=対戦・協力プレイが盛り上がる」があるに過ぎないと考えれば分かりやすいか。

(関連記事:据置ゲーム機のメリットって何なんだろう?

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○ 「据置ゲーム機“ならでは”」の意
 言葉にすれば簡単ですけど、「“ならでは”」なんてなかなか分かるもんでもないですよね。
 「自分“ならでは”の特技を披露してみて下さい」と言われても、「そんなんないわー」という人の方が多いでしょう。


 「据置ゲーム機“ならでは”の特技」って、多くの消費者にとってはスペックとか技術とかじゃないと思うんです。さっき『FF13』は売れると書いておいてなんなんですけど(笑)。あれはまー例外みたいなもので。
 『街へいこうよ どうぶつの森』や『モンスターハンター3』って、「インターネットにつなぐことで離れた友達と協力プレイが可能」というのが一つの「特技」だったと思うんですが……でも、DS版やPSP版から入った人からすると「携帯ゲーム機なら持ち寄って遊べるのに、据置ゲーム機はインターネットにつながないと協力プレイが出来なくて面倒」くらいの認識だと思うんですよ。

 インターネットにつないで協力プレイが出来ることは、そりゃ技術的には凄いことだけど。
 消費者は「技術的に凄いもの」を買うんじゃなくて、「楽しいもの」を買うワケで―――



 『428』のPS3版が売上げ苦戦しているのも、「PSPで出るものをどうしてわざわざPS3でやらなきゃならないの?」ということなんじゃないかなぁ。フルHDとか5.1chとか、僕もよく分かっていませんけど、「PSP版が出るってことはそんなよく分からんものなんてなくても別に構わないんじゃないの?」と思われているんじゃないかと。
 これでPSP版も売上げ苦戦したら笑えばイイと思うよ。PSPはアドベンチャーゲームが売れないって言われていますしねぇ。その辺は謎。DSとは客層が違うということなのかな。




<今回の結論を3行でまとめる>
・DSでは“個人”用のゲームが、「携帯ゲーム機“ならでは”」として売れている
・では、「据置ゲーム機“ならでは”」って何だろう?
・「他人と共有する」が一つの答えだろうけど、それ以外の道も絶対にあるはず(『Wii Fit』や『FF13』)


 うむ。今回の記事もまた、「アレもコレも書きたい!」を詰め込んだらワケの分からない文章になってしまいました。この記事で書こうと思っていたことは「インターネットチャンネルの無償化の意味」みたいなことだったのに、どこにも入れられなくなってしまったという(笑)。それはまた、またの機会に。

 まー、何だ。
 そろそろ「ゲーム人口の拡大とは何だったのか?」を考えてみる時期かなと、思っています。


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| ゲーム雑記 | 17:52 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

私がWii Fitに思う事に関しては端末にとって最適なゲームもそうですが
個人用を売るには純粋な需要が根本にあると思います。

三大欲(睡眠欲(健康)・食欲(食事)・○欲(恋愛))に直接訴えかけるもの、
さらに口コミ(リアルorネット)が生まれやすいもの。

○が禁止キーワードにひっかかった^^;

| eeepc | 2009/09/13 18:59 | URL | ≫ EDIT















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