やまなしなひび-Diary SIDE-

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ゲームは現実(原作)に抗えるのか

 先週月曜日の『伊集院光の深夜の馬鹿力』で話された『信長の野望』についての話がすごく興味深かったので、簡潔にまとめてみます。

・伊集院さんは、超初期の頃の『信長の野望』をプレイしたことがある
・しかし、歴史に疎い&興味がないのでその後のシリーズは未プレイ
・「シリーズがどの程度進化をしたのか」を見たくて、最新作を買ってみることにした
・ところが、歴史に疎い身にとっては、「歴史をどう解釈しますか?」みたいな機能がよく分からない
(「上杉謙信は女だった」説を受け入れますか?みたいな)
・なので、歴史が大好きな後輩芸人の家に押しかけて、解説をしてもらいながらプレイすることに
・すると、その歴史好きな後輩芸人の口出しがウザくなってくる
・伊集院「こっちの国、弱そうだから攻め込んじゃえば良いんじゃない?」
・後輩「ダメです!歴史上、そこの国にはまだ攻め込んではいけません。今は同盟を結んでください」
・伊集院(メンドくせー……)



 ゲームは「現実を再現する」のか、
 ゲームは「現実に出来ないことをする」のか問題。

 言ってしまえば、ゲームというのは「現実には出来ない願望を叶える」装置なワケですよ。
 現実にはベラボウな値段がかかる高級車を好きなだけ乗り回せる『グランツーリスモ』も、
 多彩な武器を使いこなす勇者となって世界を救える『ゼルダの伝説』も、
 恋人と四六時中イチャイチャしまくれる『ラブプラス』も―――
 こうありたいけど、こうはなれないという願望を実現してくれる装置なワケです。多くのゲームはそういう要素を備えているのです(『テトリス』だって片付け願望を刺激するって話ですしね)。


 で、伊集院さんのこの話には続きがありまして―――
 『信長の野望』に関しては、「歴史に詳しくない伊集院光」と「歴史マニアな後輩芸人」という人物配置で、「いちいち口を出してくるマニアってウザイよね!」といったニュアンスの話を展開するのですが。
 その後に、今度は『プロ野球チームをつくろう』というゲームに関して「(昔の)野球に詳しくない小学生」と「野球マニアな伊集院光」という構図に逆転させて。「小学生が王貞治をピッチャーとして大成させていた」と、今度は自分が「口を出してくるマニア」の側になった話にするという。



 ゲームが「現実には出来ない願望を叶える」装置ならば、「ピッチャーとして大成する王貞治」も一つの可能性ですよね。確か王さんはプロに入る段階まではピッチャーだったはずですし。
 でも、後に一塁手に転向して世界に名を残す名打者になることを知っている伊集院さんとしては、「王さんをピッチャーで使うなんて……!」と嘆きたくなってしまう。



 「現実を再現する」のと「現実に出来ないことをする」
 ゲームが二つの側面を持っているために起こった興味深い話だなーと思いました。


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○ ユーザーはどちらを望んでいるのか?
 自分は初代PS時代に死ねるほど『ウイニングイレブン』をプレイしていたのですが、サッカー好きな自分からすると、友達が「ロベルト・カルロスをフォワードとして使っている」のを見て「ええええええ」と言いたくなったことが何度もありました。

 世界最高の左サイドバックの選手をフォワードに使うなんて!!


 でも、当時の『ウイイレ』はフォワードに脚の速い選手を入れて、スルーパスやワンツーパスを使うだけで点が取れてしまったので。ゲーム攻略としては、「ロベルト・カルロスをフォワードとして使っている」のも間違ってはいないんですよね。
 それもまた、一つの「現実には出来ない願望を叶える」装置ゆえの出来事だと―――



 しかし、サッカーファンからのブーイングが大きかったったせいか、単にハードのスペック向上で出来ることが増えたからか。
 PS2時代くらいからの『ウイニングイレブン』には、「ポジション適正」という能力が付くようになったんですよ。「脚が速いから」という理由だけで左サイドバックの選手をフォワードに起用しても、能力を発揮してくれないようになったそうです(試したことはないですけど)。


 でもこのケース、「ロベルト・カルロスをフォワードに使っていた」ような人=現実のサッカーにさほど興味がない人を切り捨てる仕様とも思えなくもないんですよね。
 いや、実際にはその友達は『ウイニングイレブン』やめてなくて「ポジション適正」を受け入れたんですけど……「ポジション適正」が嫌いで辞めてしまった可能性も十分あるワケで。結構な決断だったのかもと思いました。


 あまりに「現実を再現する」方に寄り過ぎてしまうと、「現実に出来ないことをする」ことに魅力を感じていた人は切り捨てられるというか。

 『ウイニングイレブン』の場合は、「現実のサッカーに興味がない人」よりも「現実のサッカーも好きな人」にターゲットを定めて成功したというか。まー普通に考えれば、サッカーゲームを買ってくれる大半の人は「現実のサッカーも好きな人」でしょうしね(笑)。
 要は、このソフトはどちらを望んでいるユーザーが多いのかという話か。



 ちょっと別のケースの話。
 『スーパーロボット大戦』シリーズは、シリーズの基礎になった『第2次』の頃からずっと、「原作では救えなかったキャラをプレイによって救うことが出来る」を目玉の一つにしてきました。あのキャラとかあのキャラとかあのキャラとか、原作では不幸な最期を遂げるキャラを自分の手で救うことが出来る―――
 「現実には出来ない願望を叶える」装置というよりも、「原作では出来なかった願望を叶える」装置と言うべきか。漫画やアニメやドラマを原作にするゲームの場合、この要素が「ゲームならでは」の要素だと自分は注目しています。

 なので、『スパロボ』のそういう仕様は自分は大好きなのですが……
 逆に、いっつも葛藤に悩まされるのが「シャア(クワトロ)をニューガンダムに乗せるのはアリなのか?」という問題です。



 『スパロボ』は確か『第3次』の頃から、パイロットを他の機体に乗り換えさせることが出来る―――という仕様になりまして。喩えば、アムロをNT-1アレックスに乗せたり、カミーユをZZに乗せたりといった「原作では出来なかった組み合わせ」を楽しむことが出来るようになったのですが……

 自分は、シャアをニューガンダムに乗せるのだけは抵抗があるんですよ。
 ちょっと『逆襲のシャア』の原作ネタバレ。

<ネタバレ>
 ニューガンダムというのは、シャアが「アムロには(自分が乗るサザビーと)同等のモビルスーツに乗ってもらった上で決着を付けたい」とこっそり流出させた技術で完成した機体。なので、シャアがニューガンダムに乗るってのは、敵に贈った塩を自分で食べちゃうみたいな滑稽さを感じてしまうのです。
</ここまで>



 サザビーがあればベストだし、サザビーがなくてもジオン系の強いモビルスーツが手に入ればそれに乗せればイイだけなんですけど。作品によっては全然手に入らないこともあって、かと言って百式だと性能として厳しいところがあるし……
 キュベレイ(MK-II)もシャアを乗せにくいんですよね。キュベレイはどうもハマーンのイメージが強いので、それにシャアを乗せるのは「女性を弄んでいる」みたいな気がしてしまってねぇ。


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○ 結論とかは別にないです
 うーん……今日の記事は論点が二つあって、それがごっちゃになってしまった気がします。

 一つは「現実(原作)を再現することにこだわりすぎるとマニアックになってしまう」怖さ。
 プロ野球ファンだけを対象にした野球ゲームや、サッカーファンだけを対象にしたサッカーゲームは、気軽に手が出せないジャンルになってしまうんじゃないかという話です。
 今の『ウイイレ』とか、数値の種類がベラボウに多くて色んなことが出来るようになってるそうですが、そのまま突き進むとどんどん先細ってしまうんじゃないかと傍から見て不安になります。『6』以降買っていない自分が言うのもアレなんですけど。


 もう一つは、「現実には出来ない願望を叶える」のはどこまでが許されるのか?問題。
 10年以上前、『パワプロ』についてのコラムで「現実では全く打てない清原が、ゲームでは打点王を取れてしまうバランスを許せるのか」みたいなものを読んだことがあって(巨人に移籍した直後打てなかった時期の話だと思われ)。結構根深い問題だよなぁと思ったことがあります。

 喩えば、オリンピック系のゲームで「頑張れば100mを8秒台で走れる」ってのはアリ?
 自分は萎えてしまう派なんですよ。「あー、これはゲームの中だけの記録なんだなぁ」と思ってしまうのです。でも、ギリギリで世界新記録を出せるくらいのバランスだったら「何てリアルなゲームなんだ」と思えるという(笑)。


 自分が『スパロボ』でシャアをニューガンダムに乗せたくないのも、この延長線上の話。
 多分、シャアに「ニューガンダムに乗れ!」って命令しても、「私がこの機体に乗るワケにはいかない」とか何とか言って逃げると思うんですよ。だから、シャアがニューガンダムに乗っている姿を見ると「現実的ではないなぁ」と萎えてしまうというか。現実的って、何だろうというか。

| ゲーム雑記 | 17:59 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

ところがどっこい最近のスパロボやGジェネなんかは
シャアが「フィンファンネル!」とか声付きで言っちゃってます
池田さんに言われちゃしょうがない

| ああああ | 2009/09/28 01:19 | URL |

わたしは「シャア」は乗せるのに抵抗がありますけど「事情を知らないクワトロ」やスパロボにありがちな
「アムロと直接戦以外の目的でサイコフレームを渡したクワトロ」は普通にμガンダムに乗り換えます。
最近の作品には上位機種のHi-μが出るのでサザビーより(アムロ使用時に改造済みの)μに乗せることが多いです。

| 名無しさん@見たよ! | 2009/09/28 06:56 | URL |

その人物(キャラクター)のイメージにあうIFかそうでないかが
マニアの許容するか否かのキーポイントなのでしょうかね?

史実(作中のもの含む)ではこうはならなかったけれど
もし~だったならば…という夢想ができるものであれば
許容されるし
この人がこんなことするのは似合わない!
というのであればマニアは拒絶するでしょう

| tohri | 2009/09/28 13:17 | URL | ≫ EDIT

ガンダムのことはファーストくらいしか知らないのですが・・・。
もし、キャラクターとしてシャアを選び、搭乗させる機体を選ぶときにはガンダム系
(連邦軍系?)の機体が選択肢には表示されていても、グレーになっていて実際には
選択できなかったり、そこで選択しようとしても「私に本当にそれに乗って欲しいのか?」
みたいな台詞を話したら、もう一生そのゲームについていきたくなるかも。(笑

| 亜蓮 | 2009/09/29 10:28 | URL | ≫ EDIT

濃いのと薄いのどっちがいいかというより
傾向が違うゲーム(とファン)がそれぞれ住み分け出来るのが一番幸せでしょうか
フライト物やFPSもリアリティ重視のシミュレーション的なのと
SF要素ありあり、ゲームとしての面白さ重視ってのに大別されますし

あとはオプションで対応ですかね
エースコンバットの操作系や高度計のメートル・フィート表示変更は
初心者にはやさしく、こだわり派にはより便利になる感じでベストじゃないかと

| ななし | 2009/09/30 09:26 | URL |

単純にゲーム攻略効率を高めるため、が抜けています。

関係ない話ですが、スパロボの2週目ではいつもマジンガーにさやかを乗せたりグレートにジュンを乗せたりする私としてはシャアをμに乗せても強すぎて妥当すぎて詰まらないので、ザクⅡ改とかに乗せます。シリーズによりますが

| とおりすがり | 2009/10/03 09:49 | URL |















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