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ゲームをさせるためには“御褒美”が必要だ

 以前に予告した“ゲームの御褒美”についての記事です。
 大ざっぱに考えると、コンピューターゲームは3つの要素で成り立っていると思うのです。

1.ルールがあって
2.成功・失敗の審判をコンピューターがしてくれて
3.成功すれば御褒美がもらえる



 正確に言うと「コンピューターゲーム」ではないアナログなゲームにも当てはまることではあるのですが……コンピューターゲームは2の「審判」と3の「御褒美」をコンピューターがやってくれることによって、様々な「ルール」を作ることが出来たというのが普及した一つの要因なのかもと思いました。


 どのゲームを買おうか迷った時、そのゲームを買うか悩んだ時―――
 もしくはそうした人達に対しての判断材料になるゲーム雑誌やゲームレビューサイトに書かれる時―――多くの場合は1の「ルール」に注目しがちですよね。別にそれが悪いとは言わないのだけど、そのゲームを楽しめるかどうかは実は3の「御褒美」も重要なんじゃないかとここ最近の記事を書きながら思ったのですよ。



 喩えば、『スーパーマリオブラザーズ』。
 1-1という最初のステージをクリアすると、どんな御褒美がもらえると思いますか?

 “1-2が遊べる”権利なんですよ。
 ここで「ハア?1-2が遊べるなんてちっとも嬉しくねえよ。御褒美をくれるならおっぱいを見せてくれよ」と思う人には、『スーパーマリオブラザーズ』は向いていません。おっぱいが見たいなら素直にエロ本を買ってきましょう。


 不思議な話じゃないですか。
 『スーパーマリオブラザーズ』というゲームの中には、最初から全てのステージが入っているワケですよ。技術的には1-1をクリアしなくても1-2を遊べるように出来るワケです。「3-4のクッパ手前から始めたい」みたいなことだって、本来なら出来るワケじゃないですか(多分)。

 でも、それでは面白いゲームにはなりません。
 1-1をクリアしなければ1-2が遊べない、1-2をクリアしなければ1-3が遊べない、1-3をクリアしなければ1-4が遊べない―――とされているからこそ、一つ一つのステージを楽しめるのだし、クリアしていくことで「俺うまくなっている」感が味わえるのですよ。


 ま、世の中にはステージセレクトのあるゲームもありますけどね(笑)。
 そもそも『スーパーマリオブラザーズ』にもワープ土管ありますけどね(笑)。
 でも、ワープ土管も「隠し要素を見つける喜び」とか「隠し要素を教えあう喜び」とかの“御褒美”だと思うのですよ。初代『ゼルダ』の「ミンナニハナイショダヨ」みたいな話で、情報探しと情報交換も一つのゲームになっているというか。


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● ストーリーは“御褒美”だ
 「プレイヤーが成長するゲームと、キャラクターが成長するゲーム」という記事を書いた際、コメント欄にて「RPGなどではストーリーによってキャラクターが“人間的に”成長することもありますよね」という御意見を頂きました。なるほど、興味深い話です。


 ゲームに限らず、映画でも小説でも漫画でもアニメでも―――
 もっと言うとフィクションではない分野(スポーツ選手とかアイドルとか俳優さんとか)でも―――

 人間が成長していく過程を見ると、それだけで達成感(爽快感)を覚えられるんですよね。
 自分自身は何もしていないのに、何にも持ってなかったヒロインが最終的に「ここが私達の武道館です!」と歌うだけで感動して泣けるワケですからね。よくよく考えると不思議な現象です。



 RPGなどストーリーのあるゲームで「成長」が描かれるのも、それがより多くの人にとって「達成感」になってそれが「御褒美」になるからなのかなーと思うのです。
 今はそうでもないんですけど。昔、ストーリーメインというかムービーメインのRPGが大流行していた頃。ならゲーム部分要らないからストーリーだけ切り取って見せてくれればイイじゃん、なんて毒づいていたことがあります。10代の頃の話だから大目に見て下さいな。

 でも、それって「1-1クリアしていないけど1-2をやらせろ」と言っているようなものですよね。
 麻雀出来ないけどおっぱい見たいから友達に脱衣麻雀をやらせるようなものですよね。どうして俺はこっちを太字にしたのだろう。喩えとしては1行目の方が分かりやすかったのに。



● 成長は“御褒美”だ
 前回記事で書いたことに通じるのですが―――
 成長をするということは、それだけで「達成感」が得られ、それだけで「御褒美」になるのです。

 “それだけで”というのは語弊があるか。
 「達成感」を感じさせられない“成長”には意味がないと言った方がイイですかね。良いゲームというのは、この部分を物凄くキッチリ考えて作ってあると思うのですよ。


 『ドラゴンクエスト』シリーズなんかはすげー分かりやすいですよね。
 レベル1では2発攻撃しないと倒せない敵が、レベル2に上がると1発で倒せるようになる―――みたいな。

 『ゼルダの伝説』シリーズもそう。
 『ゼルダ』ってゲームは、言ってしまえば「さっきまで行けなかった場所に今は行けるようになったぜ」という達成感を延々と浴び続けるゲームですからね。「扉が開かない→周囲を見渡す→カギあった→扉が開いたぜ!」「壁にヒビある→開ける方法がないので先に進む→爆弾を入手→さっきの壁に戻って穴開けよう!」



 んでんで。
 RPGなどで「ゲームのキャラクターが成長する」のと同様に、アクションゲームなどで「プレイヤー自身が成長する」のもまた“達成感”を覚えられる“御褒美”になるのですが。成長を実感出来ない人にとっては“御褒美”にはならないんですよね。

 成長というのはあくまで「相対的に」しか判断出来ないものなので。
 喩えばAくんと『ウイイレ』を勝負して今日はAくんが勝って、また会う時までに自分は物凄く練習をして上手くなったはずなのに、Aくんも同じくらい練習をしているからまたAくんが勝って―――となると、「自分、ゲーム向いていないんだなぁ」と思ってしまうのです。

 そのため、「プレイヤー自身が成長するゲーム」というのはハイスコアやらゴーストやらで「過去の自分と比較」させたり、オンラインランキングで「比較対象を全国に」させたり(Aくんと違って練習していない人は追い抜けるから)、難易度設定を細かくして「コンピューターを指針に」させたりするワケなんですが―――

 それでも、「上手くなっている気がしないなぁ……」と思って辞めてしまうことって多いですよね。
 まー、全てのゲームは「いつかは辞める」のだから、そんなに気にすることではないのでしょうが。



● 演出は“御褒美”だ
 格闘ゲームが大ブームになった頃―――
 自分は何をモチベーションにしていたのかなーと漠然と思い出してみました。「目の前の対戦相手に勝ちたい」というのはまず一つ。これを突き詰めていくと「俺より強いヤツに勝ちたい」になっていくのでしょうが、正直自分はそういう気は起きませんでした。

 何かさ……ちょっと思い出すと、
 『ストII』を初めてやった頃って波動拳が出せただけで嬉しかったじゃないですか。

 それだけで達成感が得られたのだと思うのですよ。
 コマンド入力して必殺技が出せた、連続技が決まった、コンボが繋がった―――格ゲーが楽しく思えていた頃って、多分こういう(パッと見)小さな喜びを味わえていたんだなーと思い出しました。別に、みんながみんな1位を目指していたワケではないのです。


 なるほど、そう考えると……
 『ストII』で必殺技を出すと「はどーけん!」などと喋ってくれた理由も分かりますよね。波動拳の色が派手だったのとか、スピニングバードキックが無駄にアクロバティックな動きをするのとかも分かる気がします。あれは「コマンドを入力して必殺技を出す」だけで爽快感が得られるように考えられた演出だったのですね。


 『ドラクエ』のレベルアップの音とか、
 『ゼルダ』の謎解いた時のティロリロリロリン♪という効果音とか、
 『スーパーマリオ』でファイアーフラワー取った時だけマリオの服の色が変わるとかも、そうか。

 プレイヤーに「やったぜ!」と思わせる演出が“御褒美”になっているというか。



 『Wii Fit Plus』の「足踏みパレード」なんか最たるもので。
 ゲーム内容をざっくり説明すればタイミングに合わせてリモコンとヌンチャクを振るというシンプル極まりない音ゲーなんですが……「パーフェクト」なタイミングで振るとリモコンが気持ち良い音・気持ち良い振動をして、「パーフェクト」を繋げていくと後ろにどんどん仲間(広場にいるMii)がニコニコ続いてくるという。(バランスボードの使わせ方も上手いのだけど、長くなるので割愛します)

 ハイスコア狙いはすぐに上限が見えてしまうのだけど、「やってて気持ち良い」のでついプレイしたくなります。「足踏みパレード」だけ切り取ってWiiウェアで新作ゲームとして出してくれませんかね。



 いやまぁ、こういうのってゲームを作る人からすれば「基本の基本」なんでしょうけど。
 全てのゲームがこういうところがきっちり出来ているワケではなくて、でもゲームをやっていて楽しいと思えるかどうかはこういうところに気を使われているか次第じゃないかと思うのです。出来ていないゲームの具体名とかは言わんけどさ。


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● けつろん!
 喩えばRPGの感想とかで「ストーリーが面白くなかったのでクソゲー」みたいなことが書かれているのを見ると、「RPGにストーリーってそんなに必要か?」なんて的外れなことを今までの自分は思ってきたワケなんですが。今回の記事を書いて、「クソゲー」と言いたくなる気持ちも分かるようになりました。


 “御褒美”が嬉しくないものだったら、ゲーム自体やる気になれないもんね。
 賞金1000万円の大会と、賞品カメムシ1000万匹の大会―――どちらが優勝したいかと言えば、カメムシマニアの人以外は1000万円の方を選ぶワケで。「クリアしてみたらストーリーがクソだったRPG」は「優勝したら賞品がカメムシだった」みたいなことなのかな。


 “ゲームの御褒美”という視点で『Wii Fit』や『Wii Fit Plus』を考えると面白いですよ。
 「体重が減っていく」かどうかは、ぶっちゃけあのゲームでは副次的な要素でしかなくて。
 それぞれのトレーニングにはグレードがあって(初級・上級・超上級など)、それぞれにハイスコアランキングがあって、得点によって星が4段階で評価されてそれがメニューから確認できて。筋トレやヨガで高得点を出すとトレーナーの人が拍手してくれて、バランスゲームなんかだとMiiが物凄く喜んでくれて。

 すごくゲームとしての基礎が出来ている(高得点を出したい!と思わせてくれる)ゲームだと思うのです。だからやっぱ「あんなのはゲームじゃない」という意見が、自分にはピンと来ないんですよねー。


 自分はやったことがないのだけどXbox360の実績システムとかも似た感じですよね?
 細かい目標を沢山設定して、一つ一つ達成する度に「よくやった!」と誉めてくれる。達成した後にもらえる“御褒美”こそが大事だと分かっているからこそのシステムだと思うのです。


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| ゲーム雑記 | 18:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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