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ゲームの進化とグラフィック

 毎度話題に出して申し訳ないのですが、今日は野安ゆきお氏のブログにて書かれていた「(ゲームの)グラフィックの評価」について。

 僕も何度か「違和感」として書いたことありますけど、「ライトユーザーはグラフィックなんか気にしないから―――」という現在の前提条件って昔は違っていたんですよね。それがいつ頃までなのかは僕には分かっていなかったんですが、野安氏曰く「4~5年前」とのこと。ちょうど我が家のPS2が壊れた辺りですね(笑)。なるほど・・・だから、世間の変化に僕が気付いていなかったのか。


 すっげー簡略化して分析するならば・・・
 PS・PS2時代に「グラフィックをウリにして」取り込んだライトユーザーが徐々にメインターゲットになっていって、現在のヘビーゲーマーとなったから「ゲーマーは映像にこだわる」という論調が生まれ。
 PS・PS2時代にグラフィック偏重していったゲーム業界から離れていった人達が、DS・Wiiで戻ってきてライトユーザーと呼ばれるようになったから「ライトユーザーは映像を気にしない」という論調になったのかなぁと思うのですが―――


 実際、DS・Wiiのユーザーも映像をある程度は求めているし、PSP・PS3・Xボックス360のユーザーもゲーム性を求めていないワケではないと思うので。その論調自体、どこまで現実を正確に表現してるのよ?とは思いますね。


 ここでちょっと昔話。
 でも、確かにファミコン→スーファミ時代などのグラフィックの進化はゲームをとっつきやすいものにしたし、記号性をなくして現実に近付けていったことがゲームの未来を切り開いていたのは間違いないと思います。

 以下、クリックで続きへ




 ひょっとしたら、若い人はそんな時代があったことすら知らないんでしょうが・・・
 ファミコン時代のRPGは、『ドラゴンクエスト4』も『ファイアーエムブレム』も戦闘時の背景は真っ暗でした。『ファイナルファンタジー3』は上の方だけチラッと背景が描かれていましたが、背景の上に複数のキャラを描くことは出来なかったんですよね(プログラムのせいか、容量のせいかは知りませんが)。
 でも、当時はそれが当たり前だったワケです。それでも船の上でモンスターに襲われれば大海原の絵が思い浮かんだし、火山で戦っている時は汗だくになりながら戦っている自キャラを想像していたのです。想像力で補っていたから、ゲームの表現力が劣っていても気にしなくて済んだんですよね。


 で―――時代が変わってスーパーファミコンがメジャーになると。
 背景画面が全部描かれている『ファイナルファンタジー4』に僕らは驚愕したし、『ロマンシング・サガ』で台詞に漢字が入ってることに感動したし、『ファイナルファンタジー5』でキャラが劇のようにチョコチョコ動き出したのに胸躍ったのです。

 それまで「ゲームだから仕方ないじゃん」と目をつむっていた記号的な部分が、どんどん記号的じゃなくなってきたんですよ。
 それはRPGだけじゃなく、ファミコンではとても動かせなかったどデカいキャラを操れた『ファイナルファイト』とか、物凄いスピードを感じた『F-ZERO』とか。今考えればショボい話ですが、「なんてリアルなゲームになってしまったんだ!」と当時は思ったのです。


 記号性というのは、言ってしまえばプレイヤーの想像力に委ねる部分が大きかったので、ゲームが記号からリアルに進化することで「初心者でも分かりやすい」ものになっていきました。それはスーファミ時代だけじゃなく、プレステ・サターン・64時代にも、PS2時代にも当てはまると思います。
 『ウイニングイレブン』はサッカーシミュレーターとしてリアルになったことでゲーム好きよりもサッカー好きに売れましたし、『スパロボ』の戦闘シーンが動くようになったのは僕がプレステ側にやってきた一因にもなりました。

 FFなんかは特に目に見えて進化してるシリーズですから、表現面だけに注目しても―――
 『4』(スーファミ、91年)・・・戦闘時の背景が全画面に
 『5』(スーファミ、92年)・・・フィールド画面でのキャラの動きが細かく、台詞に漢字が使用
 『6』(スーファミ、94年)・・・究極の2D、2Dでも奥行きを表現
 『7』(プレステ、97年)・・・3D化、ムービーの挿入
 『8』(プレステ、99年)・・・頭身が8頭身に、主題歌が入る
 『9』(プレステ、00年)・・・原点回帰(笑)、細かい動き
 『10』(プレステ2、01年)・・・台詞が音声付きに、より細かい表情の描写

 うーん・・・『9』だけが邪魔なんだけど(もちろん技術的には物凄いのですよ?)、それ以外の流れは「よりリアルに」「記号性をなくす」方向に進んでいるのは明白ですよね。それをある人は「映画的」とみなし、ある人は「総合エンターテイメント」なんて照れる言葉で表現したりしますけど―――根本には「記号性の排除」があるのかと思います。


 実際問題、僕がスーファミの『ファイアーエムブレム(紋章の謎)』よりもGC版『ファイアーエムブレム(蒼炎の軌跡)』の方をオススメするのはそういう理由だったりします。
 スーファミの頃は傭兵は傭兵で(顔グラ以外)全員同じグラフィックでしたし、基本的に違いは能力数字だけでした。GC版は攻撃時のグラフィック、MAPのグラフィックが各キャラで描き分けられるようになりましたし、“必殺の一撃”のモーションも各キャラで違うみたいです。「ゲームだから」と目をつむっていた記号性が薄れていっていたので、生の太ももにハァハァしたり僕は「自分が望んでいた『エムブレム』はコレだ」という仰々しい発言をしたりしたんですが・・・


 でも、じゃあコレが次世代機になると「どうよ?」という気はします。
 Wii版(暁の女神)はGC版からグラフィックの進化はさほどしていないという話ですが、じゃあ6~7年後にWiiの次のハードが出たら?、更にそこから数年後に次々世代機が出たら?

 どこをどうリアルにしていけば良いんでしょう?
 髪の毛をリアルにとか、太ももの艶を自然にすることでキャラへの愛着は増すかも知れません。でも、分かりやすくはなっていないし、とっつきやすくはなりませんよね。



 そもそも、ゲーム以外の全てのメディアもある程度は記号化されてるワケです。
 漫画で「汗」で焦りを表現したり、アニメで「赤らめる頬」で照れを表現したり。
 ヲタク分野以外でも、バラエティ番組は「ここは笑うところですよー」とテロップが入りますし。ハリウッド映画でも悪そうなヤツは悪そうな顔をしているし、セクシーなお姉ちゃんは総じて巨乳の谷間を見せてきます(笑)。政治家は失言しない政治家が「良い政治家」と思われ、ゴール数の多いFWが「良いFW」と評価され、SMAPが出てると「人気の映画」となるワケです。

 ちょっと・・・脱線してきたな・・・
 ともかくです。メディアはもちろん、対人関係だって僕らは記号化して個別認識しているのです。「この人は友達が多い」とか「この人はヲタクっぽい」とか。それが真実を正確に表現しているかは関係がないのです。




 では―――ゲームの話に戻ります。
 どんどん「リアル」に近づいているゲームのグラフィックは確かに凄いです。僕はその思想を好きになれないですけど、『グランツーリスモ5』の“ピット内の人物すらリアルに動かす”こだわりは凄まじいと思います。

 でも、多分それは“分かりやすいものを求める”現在の人々の認識可能レベルを超えてしまっているんじゃないかとも思うのです。誰かも書いていたような気がしますが、NHKハイビジョンでアフリカの大自然を流しているのと同じ感覚というか・・・


 喩えば、世間の平均が求めている比率が「リアル:記号=80:20」くらいだったとして、最先端のゲームグラフィックはコレを超えてしまったんじゃないでしょうか。その分岐点が、まさに野安氏の仰る「4~5年前」だったのかなーと。



 しかし・・・この論理だと、記号的な部分に物凄い表現力を費やしている『アイマス』なんかはバカ売れしてもおかしくないということになるな(笑)。アレは確かに一つの方向性ですよね。記号的なのに超絶グラフィックというか。
 「なるほど!記号的なのに高いクオリティなのが今後の道か!」と物凄い発見をしたような気になったけど、冷静になって見れば『どうぶつの森』とか『ピクミン』とかMiiとかやってる任天堂はとっくの昔に辿り着いていた結論だったんだなー。


 以上。あたかも「PS3のゲームは売れねえ!」みたいな記事になっちゃいましたが、超絶グラフィックをリアル路線以外にも使えば受け入れられる余地は沢山あると思いますし―――
 正直、今の“分かりやすいもの”が売れる風潮もそろそろ歯止めがくるんじゃないかと僕は期待をしています。不遜な言い方かも知れませんが、民意が上がればリアル路線の受け入れ余地も広がるんじゃないかと思うのですよ。

 まぁ・・・そうは言っても、「グラフィックが凄い」以上に「3Dの画面は情報量が多くてワケ分からない」ということの方が問題だと『ゼルダ』積んだ僕は思いますけど。

| ゲーム雑記 | 07:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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