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未経験者の方々に捧げる『ゼルダの伝説』シリーズのススメ(後編)

 前回:未経験者の方々に捧げる『ゼルダの伝説』シリーズのススメ(前編)の続きです。


 前回の記事は『ゼルダ』シリーズの外枠だけを語って肝腎の内容については何にも触れないまま終わってしまったので、今日は『ゼルダの伝説』という作品が「何を楽しむゲームなのか」を語ろうかなと思います。



3時限目.『ゼルダの伝説』とは「探索」を楽しむゲームである
 これは以前に書いた記事の補足です。
 『ゼルダの伝説』というゲームは「探索」「ボス戦」「ミニゲーム」の3つから成り立っていると僕は思っています。「ミニゲーム」は……僕は『ゼルダ』に限らずRPGでは「ミニゲーム」や「やりこみ要素」は完全スルーするので語れることはありません。


 なので、とりあえずこの項では「探索」について語ろうと思います。
 『ゼルダの伝説』シリーズには「オートマッピング機能」が付いています。フィールド及びダンジョン内にて、「行ったことがあるエリア」「まだ行ったことがないエリア」を色で分けてくれるのです。

 こうされると、「全部「行ったことがあるエリア」にしたい!」と思ってしまうのが人間の欲求なのですが……ただ単に走るだけでは、ほとんどのエリアには到達出来ません。
 ダンジョン内では鍵を使わないと開けられない扉、スイッチを押さないと通れない道、爆弾を使わないと開けられないヒビ壁……などなど。フィールドでは、草を刈らないと通れなかったり、泳げるようにならないと行けなかったり、イベントを起こさないと障害物があったり……などなど。


 これはよく「謎解き要素」とか「パズル的要素」と言われると思うのですが、実は自分はそうは思っていません。いや、頭を使わないといけない部分もありますけど、大半の場合は「先にこっちのフラグを立てておかないと、ここはまだ通れないよ」という“RPGではよくあるフラグ立てシステム”だと思うのです。

 この道を通るには、あそこのスイッチを押さなくてはならない→でも、剣では届かない場所にある→弓矢かブーメランが必要→弓矢は「1番のダンジョン」にある→先に「1番のダンジョン」をクリアしなければこの道は通れない。

 こんなカンジ。
 初代はそうでもないんですけど(ポーンとフィールドに放り出されて「さぁ!好きに進め!」とされる)、スーファミの『神々のトライフォース』以降は細かくフラグ管理されて、順々に行動範囲が広がるように設計されています。


 ダンジョン攻略→新アイテムをゲット→行動範囲が広がる→「探索」出来るエリアが広がる→新たなダンジョンに行けるようになる→新アイテムをゲット→以下ループ

 物凄く簡略化して説明すると、『ゼルダの伝説』というのはこういうゲームなのです。
 「新たなダンジョンに行けるようになる」ためにはフィールドでイベント起こしたり、住人の話を聞いたりしなきゃならないこともありますが―――メインはやっぱり「探索」で、中でも「ダンジョンの探索」が一番の楽しみだと言えます。

 「最初は行動範囲が狭い」けれど、「アイテムを入手することによって行動範囲が広がる」ことによって「成長している感覚が味わえる」のです。そのためのオートマッピング機能なんですよね。マップが埋まっていく様子を見るだけで、「成長している」達成感が得られるということです。



 なので、『ゼルダの伝説』シリーズの作品は―――
・フィールドの広さはどのくらいか
・ダンジョンの数は幾つあるのか
・一つ一つのダンジョンの長さはどのくらいか
・ダンジョンのバリエ-ションやギミックはどうか
・ダンジョンのギミックでは入手したアイテムをどの程度使わせるのか

 こういう要素が評価に直結します。
 「色んなダンジョン」が求められるので、森だったり砂漠だったり水中だったりと様々な場所に行くことになり、そのため『ゼルダの伝説』シリーズは任天堂のゲームの中でもグラフィックを求められることが多いですね。2Dであっても3Dであっても。
 グラフィックに説得力がないと「はるばる雪山までやってきたなー」などと思えませんから。

 まとめ:『ゼルダの伝説』の「探索」は、一つ一つフラグを立てていく作業と言えるのかも



4時限目.求められるのは「記憶力」と「応用力」
 とは言え、やっぱり「頭を使うゲーム」だとは思います。
 前編で紹介したコメントを下さった方のように「ゲームに頭を使いたくない」という人には、やっぱり向いていないと思います。


 まずは「記憶力」。
 『ゼルダの伝説』の伝統として、先に行けない場所を見せておくというものがあります。
 これは前項の「探索をさせたいゲーム」というところにも繋がるんですが……爆弾を持っていない時期にヒビ壁を見せて「何だろうこの壁?何かありそうだけど何にも起きないなぁ」と最初に思わせておいて、後に爆弾を入手させて「これであの壁を壊すのか!」と気付かせるということですね。事前に「まだ行けない場所」見せておくことで、「探索できるエリアが広がった!」と思えるのです。

 でも、「記憶力」がなくてヒビ壁があったことを忘れてしまうとそうは思えないですよね。
 ダンジョン内で鍵を入手して、一つ前の部屋に開かない扉があったことを思い出せないとなかなか先に進めません。

 「そんな馬鹿なヤツいねーよ!」と思われるかも知れませんし、連続して遊んでいる場合はそうそう忘れないと思うのですが……ゲームを遊ぶ時間がなくて“週末に1時間ずつ遊ぶ”スタイルの人などは、来週の週末まで覚えていられるかって話なんですよ。

 そういう意味では、やっぱり『ドラクエ』『FF』ほど万人が楽しめるゲームではないかなと思ってしまうのです。
 携帯ゲーム機で出ている『ゼルダ』は、「1時間ごとでも楽しめる」ようにセーブ後再開ポイントやらワープゾーンやらを考えられている印象はあるんですけどね。なので、時間のない人は携帯機の『ゼルダ』から入るのがイイのかも。



 次に「応用力」。
 これが『ゼルダの伝説』の一番の醍醐味だと自分は思っています。「俺だけが解けた」感と言いますか。もちろん世界中の人が「ここは俺だけが解けたんじゃないか!」と勘違いしているんですけど(笑)。

 「謎解き」と一言で言ってしまうと全然その魅力が伝わらないと思うので……
 「手持ちのアイテムをどう工夫して使えるのか」と、具体化して書こうと思います。『ゼルダ』大好きな人からすると「その説明じゃ不十分だ!」と思われるかも知れませんが、大目に見てください。


 攻撃すると道が開ける“スイッチ”があるとします。
 剣で攻撃すると道が開けました―――これが“基礎”。ここまでは誰でも分かるように作られています。
 しかし、先に進むと今度は剣では届かない場所にスイッチがあります。
 手持ちのアイテム欄を見て、弓矢でスイッチを攻撃すると道が開けました―――これが“応用”。この例では弓矢を使いましたが、実際には爆弾を投げてもイイし、ブーメランでもイイし、その辺に落っこちているツボを持ち上げて投げてもイイ。そうした幅を持たせていることで、自分で工夫して解いたと思えるんですよ。


 こうやって自分で考えさせて”応用”させることによって、「自分で工夫して解いている感」をズーッと味わうのが『ゼルダ』なんです。学校の勉強が出来るかどうかというよりは、「工夫の出来る人」が向いているというか。


 しかし、この「ゼルダの文法」って、言ってしまえば「任天堂の文法」なんですよ。
 『スーパーマリオ』シリーズでも、最初にアクションの“基礎”を教え込んで、それを“応用”させることを意識させていますよね。普通のジャンプでは届かないブロックも、パタパタを踏んづけて二段ジャンプすると取れる、みたいな。

 『どうぶつの森』とかでもそうです。まず「果物を売るとお金になるよー」と教えといて、果物のある木を揺することを覚えさせる。そうすると「果物のない木も揺すってみようか」と思え、揺するとお金やら家具やらが落っこちてくることがある。たまに蜂の巣も落ちてくる(笑)。
 蜂に刺された状態で住人と話すと「薬を飲んでゆっくりしな」と言われるので薬を買って治すと、今度は住人の方が風邪を引いて「薬を買ってきてあげよう!」と“応用”させるように考えられているのです。

 『Wii Fit Plus』ですらもそうです。
 「サイクリング」の旗を全部獲るだけなら簡単に出来るのだけど、効率よく回って星4つを獲るためには犬を上手く使わなくてはなりません。その為に、如何に無駄なく犬を迎えに行くか……を考えていくと、「エキスパートコース」では遠回りしないと犬を迎えに行けないようになっているという。
 「犬抜きで最短距離で回収する」か、「遠回りしてでも犬を仲間にする」かを、考えさせるのです。性格悪いよね、任天堂の人は!と思わなくもないです(笑)。


 任天堂のゲームが好きな人って、こういう部分が好きなんだと思うのです。
 「最後の一手は自分で考えなくてはならない」―――だから、「自分でクリアしてやった感」が味わえるという。決して「任天堂」という会社名が好きなワケではないのです。
 でも、外枠しか見ていない人からは「任天堂のゲームが好きなヤツはゲーマーではない!」みたいに言われるんですよね。僕達は中身の話がしたいのに。



 閑話休題。
 『ゼルダの伝説』の場合はアイテムを沢山入手するので、これらのゲームよりももっと「手札が多い」複雑な印象はあります。『スーパーマリオ』は「ジャンプ」「踏んづける」「隠しブロックを探す」くらいしかなかったりするし(笑)。
 でも、『ゼルダの伝説』も1つ1つアイテムを入手して増やしていくので、実際にやってみるとそこまで複雑ではなかったりします。主人公が成長していくのに合わせて、プレイヤーも成長している感を味わえるというか。

 何と言うか……『ゼルダの伝説』は最も「任天堂イズム」が色濃いゲームだと思うのです。「任天堂イズム」の濃度と密度を上げていくと『ゼルダの伝説』になるというか。



 まとめ:多くの任天堂ゲームと同じように、「自分で工夫してクリアした」感が味わえるのが『ゼルダの伝説』である


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 『ふしぎのぼうし』はカプコン開発なんですけどね!

 5時限目.難易度はどうなの?
 『ゼルダの伝説』というゲームは「アクションで戦わなければならない」し「頭も使わなければならない」と敬遠する人が多いとよく聞きます。逆に、『ゼルダ』が好きな人は「アクションも出来るし頭も使えるのが楽しい」と言います。僕もそう思っています。

 ただ、難易度の話をすると、この2つはお互いに補い合う関係なんだと思うのです。
 もちろん最低限のアクション、最低限の頭脳は必要なんですが―――アクションが苦手な人は手間と頭を使ってアイテム収集することで補えるし(ハートのかけらや妖精など)、頭を使うのが苦手だけどアクションに自信があるって人ならば寄り道せずにガンガン進めばイイのだと思います。

 いや、やっぱりある程度「工夫」はしないとアクション上手くてもキツイか(笑)。


 個別に、まずは「アクションの難易度」から語ると―――
 昔の作品は最近の作品と比べると難しいと思います。初代なんてダンジョンに辿り着くまでに死にまくりましたもの。
 これを以前に書いたら「それはアナタの努力が足りないからです」みたいなことを言われたのでそれを踏まえて、「アクションゲームが下手糞で努力もしたくない自分のような人間のクズにとっては初代『ゼルダ』は難しかったです」と書いておきます。

 やったのが小学生の頃だったこともあるのだけど、スーファミ版『神々のトライフォース』も頻繁に死にまくっていた記憶があります。『神トラ』はMPの概念があって、しょっちゅうMP切れに泣かされていたっけなぁ……
 それに比べると、最近の作品は「ゲームオーバー」自体あまりならなくなりましたね。操作に慣れているという前提ですけど。『ふしぎのぼうし』はラスボスで初めてゲームオーバー画面を観ましたし、『トワイライトプリンセス』は(アナログスティックに慣れてからは)1度も死なずにクリアしましたし。そう言えば、『トワイライトプリンセス』はラスボスの最後の最後でビンを使い切って倒すという理想的な難易度でしたよ。アクションゲームが下手糞で努力もしたくない自分のような人間のクズにとっては、ですけど。



 で、次に「謎解きの難易度」について―――
 『ゼルダの伝説』で「詰まった」「コレ以上進めない」と言っている人がいたら、ほとんどの場合は「解法が分からなくて」というケースです。そこを必死に考えるのが楽しいし「やった!先に進めた!」という瞬間は、久々のお通じくらいの爽快感があるのですが……

 困ったらネットで調べちゃえばイイんじゃないかな!
 もちろん自力で解くのが面白いゲームなんで、「2時間も同じところから進めなかった場合はネットに頼る」みたいな制限をかけた方が楽しいと思いますけど。先に進めない場合は「自分の中の先入観に邪魔されている」ことが多いので、一人の頭脳だと厳しいかもとも思うのです。

 逆に言うと、凝り固まった視野を広げる訓練になるとも言えますけど。


 作り手側もやっぱり「途中で詰んでしまう人が多い」のは辛いらしく、シリーズを重ねるごとにヒント機能が充実している気はします。『トワイライトプリンセス』のミドナヒントはあまりにも的確すぎて、「コイツを倒しているのは俺なのかミドナなのか」と悩んだくらいです(笑)。
 「自分で解きたい!」という人は敢えてヒントを聞かないで進むという手もありそうですね。自分はぬるま湯に浸かった人間なのでムリです。ボス戦の度に「教えてくだせえ、ミドナ様」と頭を下げていました。

 まとめ:「アクション」も「頭脳」も必要だけど、どちらも救済措置が用意されている……と思う


6時限目.で、何が目的のゲームなの?
 勇者になって悪いヤツを倒して世界を救うゲームです。

 その一点は『ドラゴンクエスト』と一緒ですよね。
 剣を持って、お城や森や火山や洞窟や雪山や遺跡や砂漠や湖を冒険して、世界中の困った人を助けて世界中の悪いヤツをやっつける―――ゲーム内容は全然違う2つの作品ですが、目的だけは一緒というのが面白いです。


 ゲームの内側の部分は、『マリオ』や任天堂のゲームが好きな人にこそオススメできる作品だと思うのですが。もちろん外側の部分も大事ですよね―――剣とか弓矢とか爆弾とかにワクワク出来る人じゃないと、やっぱり『ゼルダ』にはワクワク出来ないのかもなぁと思ったりします。

 『トワイライトプリンセス』は、細かい不満点はもう半端なく出てくる作品ではあったんですけど―――
 “勇者になれる”というその一点で最高のゲームでした。馬に乗って草原を駆け回り、一騎打ちをしたり馬車を守ったり。時には西部劇のようだったり、時にはチャンバラだったり。空飛ぶドラゴンの背後に回って剣を突きつけたり。

 子どもの頃に夢見た“勇者”を体現出来る―――
 『ドラゴンクエスト』ももちろんそんな王道ゲームですが、『ゼルダの伝説』もまたそんな王道ゲームだと思うのです。


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○ まとめのまとめ
・『ゼルダ』は、『ドラクエ』よりも『マリオ』っぽい作品
・シリーズのどの作品からでもどうぞ
・“本編”と“外伝”があるけど、未経験者の方々はどれからでもどうぞ
・一つ一つフラグを立てていくのが楽しい
・「自分で工夫してクリアした」感が味わえる
・「アクション」も「頭脳」も必要だけど、どちらも救済措置が用意されている
子どもの頃に夢見た“勇者”を体現出来る―――



 誤解して欲しくないんですけど……
 『ゼルダの伝説』というゲームが「全ての人にとって楽しいゲーム」だとは思いません。それは『ゼルダ』に限らず、『マリオ』を楽しめない人だって『ドラクエ』を楽しめない人だっていますからね。全ての娯楽はやっぱり「自分に合うかどうか」が大事なんですよ。


 でも、本当は「自分に合っている」のに、誤った先入観で手を出してこなかった人が沢山いると思うんですよ。そういう方々が「あれ?『ゼルダ』って自分に向いているのかも?」と思ってもらえ、そして手を出した結果「面白かった!」と思ってもらえたらなと、この記事を書きました。


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| ゲーム雑記 | 17:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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