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「ミスしたらステージの最初からやり直し」という宮本茂の信条

 今日は「『NewマリオWii』は何万本売れるかな?」みたいなライトな話題を書こうと思っていたのですが、「社長が訊く」の『NewマリオWii』編が公開されまして。これがまぁ、自分が最近考えていることに繋がることだったために、急遽この話題にしました。

 URLが「vol1」となっているということは、他のスタッフも登場するんですかね?


<以下、引用>
・岩田「コースのはじめからやり直したほうが面白いんですか?」
・宮本「アクションゲームというのは、難易度の高いところだけを遊び続けるとしんどいんですよ。
多少自分が上手にできてしまうところも遊ぶから気持ちがいい。」
・岩田「確かにそうですね。」
・宮本「それは僕の信条で・・・。」
・岩田「だから、途中セーブをいくつもつくるよりも、もう1回やさしいところから遊んでもらおうと。」
・宮本「はい、そのほうが気分がいいんです。で、上手なところを遊んでいるうちにさらに上手になっていくんです。」
</ここまで>



 対談は『ドンキーコング』以前のマリオ誕生秘話から始まってこちらも自分は興味深かったんですが、如何せん長いので(笑)。最終ページの「9. アクションゲームの正しい楽しみ方」だけでも読んでもらえたらなぁと思います。



 以前ウチのブログで「ゲームをさせるためには“御褒美”が必要だ」という記事を書いた際に、実はもう1つ対になる記事として「ゲームに熱中させるためには“ペナルティ”が必要だ」という記事を書くつもりでした。

 上手く考えがまとまらなくて頓挫してしまったのですが……要点だけ掻い摘んで説明すると


【没になった記事の三行まとめ】
・大抵のゲームはミスをすると「やり直し」という時間的&労力的なペナルティを負わされる
・だから、「ミスをしないように」とゲームに熱中できる
・「ミス」の原因が分かりにくいゲームは、どうして自分がペナルティを課せられているのか分からずに理不尽な思いをしてしまう



 三行でまとまりませんでした!
 「ゲームが上手い人」は「ゲームが下手な人」によく「それはオマエの努力が足りないからだ」「頑張れば必ず上手くなるだろ」と言うんですけど、「何故ミスをしたのか」「どこがミスだったのか」すら分からない人は上手くなりようがないというのが僕の持論です。

 だから、僕にとっての“初心者にもオススメなゲーム”というのは「何故ミスをしたのか」「どこがミスだったのか」が自分で反省しやすいゲームなんですが……
 いつの間にやら「ミスのないゲーム」「ミスをしても先に進めるゲーム」が“初心者にもオススメなゲーム”と言われるようになってしまって。それって自分が思うゲームの魅力から思いっきり背中を向けているようで、なんだかなーと思ったり。

(関連記事:自分にとってのギャルゲーとは、カーブだらけのレースゲームみたいなものだ




 しかし、ですね。
 宮本さんとしては、「ステージの最初からやり直しをさせた方が楽しめる」という発想みたいなんです。ふーむ……

 ゲームの容量が増えて1ステージとか1ダンジョンが非常に長くなってしまって、「ダンジョンの中にセーブポイントのないRPG」なんて少なくなりましたし。
 宮本さんの代表作シリーズである『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』は自分でワープポイントを作れるし、『スーパーマリオギャラクシー』はコンティニューポイントが細かく用意されていますし。その二大シリーズですら「ミスしたらステージの最初からやり直し」というゲームではなくなっているのです。だって、『マリオギャラクシー』なんて1ステージがやたら長いですし、ミスするたびに最初からやり直させられたらめげてしまいますよ。


 ただ、
 『Wii Fit Plus』の「トレーニング+」のように、ゲームの骨格だけで組み立てられたような作品は確かに「ステージの最初からやり直しをさせた方が楽しめる」という言葉が非常によく分かります。というか、『Wii Fit Plus』の各ゲームって宮本さんの信条が物凄く体現化されたゲームのように思えます(効果音の使い方とかも)。


 クリアした人なら分かると思うんですが……「アスレチックMii」にしても「バランスMii+」にしても、ゴール直前に半端ない障害物が待っているんですよ。最初の方はスイスイと進めるのに、終盤が鬼のようでミスしてやり直しを喰らって「あとちょっとでゴールだったのにぃいい!」と泣きたくなるという。

 そうだ。もっと酷い例を思い出しました。
 「バランスMii」の「初級」はクリアするだけなら簡単なんですが、☆4つを出そうとすると確か30秒を切らないといけなかったはず(詳しい秒数とかは微妙)。でも、30秒ギリギリで滑り込もうとするとゴール前にちょうどハチが飛んでくるタイミングになっていてミスになってしまうという。もっと余裕を持って28秒台でゴールしなければならない仕様なんですよ。
 アレはホント「これを作ったヤツは何て性格が悪いんだ!」と思ったなぁ。それを乗り越えると、「どうだ!俺は乗り越えたぞ!」と思えるのですけどね。




 そうやって最後に一番デカい障害を用意して、1ミスで最初からやり直させる―――
 自分はこれを「ペナルティ」だと思っていたのですが。
 宮本さんの中では「自分が上手にできてしまうところも遊ぶから気持ちがいい」と。

 確かに、言われてみれば頷けるところもあります。
 上で書いた「バランスMii」も「バランスMii+」も「アスレチックMii」も、最初からやり直しをさせられることで「サクサクッと進める序盤」「結構際どい中盤」「イジワルな終盤」を通じて遊ぶことが出来て。もしアレが「イジワルな終盤」ばかりの繰り返しだったら、時間的にはその方が楽なんだけど、多分楽しくはないんだろうなと思ったのです。

 「楽」と「楽しい」は同じ漢字だけど、全然イミが違いますよね。




 コレを書くと「任天堂信者ウゼー」と言われるんでしょうけど。
 『脳トレ』とか『Wii Fit Plus』とかの「シンプルなミニゲーム」って、「ゲームの面白さって何だったっけ」を思い出させてくれたと思うのです。『マリオ』ですら物凄く複雑で長いゲームになってしまった今、そういう「分かりやすさ」を持ったゲームが少なくなってしまって。

 逆に、「分かりにくいゲーム」が時として「ゲームらしいゲーム」と呼ばれたりして。
 この対談で宮本さんが「ミスしてもステージの最初からやり直すのが楽しいようにしたい」と仰っているのに、『NewマリオWii』が「ミスをしても先に進めるように」おてほんプレイやマルチプレイを推しているというのは、自分の中ではしっくりこなくて。


 いや、マルチプレイ自体は面白そうなんですよ。「コインバトル」とかは特に。
 でも、「全ての人にエンディングを観てもらいたい」ゲームって、「ゲームってエンディングを見るために遊ぶものなのかなぁ」と思ったりするワケです。うーん、自分でもモヤモヤしていて、宮本さんの考えに賛同したいのか否定したいのか、『NewマリオWii』を受け入れたいのか拒絶したいのか、イマイチよく分からないな……


 宮本さんの信条自体には賛同なんだけど、宮本さん自身それだけ(ミスしたらステージの最初からやり直しだけ)では付いてこれない人が出てくることが分かっていて、マルチプレイやおてほんプレイという救済措置を入れていて。
 『NewマリオWii』があたかも「誰でもクリア出来るゲーム」みたいに推し出されていることに抵抗感があるということなのかな。

(関連記事:もしも『NewマリオWii』のTVCMが「スキップ機能」をプッシュしたら、逆に感心する


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 まぁ!ここまで書いておいてアレなんですけど。
 自分は『NewマリオWii』を買わないつもりなんですけどね!「楽しんだゲームの続編は買わない」主義なんで。でも、「コインバトル」はやってみたいので、友達をけしかけて買わせてみせようホトトギス。


 で、この『NewマリオWii』―――日本市場でどれだけ売れますかね?
 “携帯機で成功したソフトがWiiで”という事例を言うと、真っ先に『どうぶつの森』と『モンハン』が思い浮かんで、これらは大体4分の1くらいの売上げに落ちています。でも、この2本は元々据置ハードではミリオン売っていないソフトですからね。

 そもそも……
 携帯機を持ち寄って遊んでいた人達からすると、「据置機は持ち寄れないから仕方なくネットに繋がないと」くらいの感覚だと思うんですよ。オンラインだからこそ面白さを発揮するゲームというのは、ゲーム機をネットに繋いでいない人からすると「自分には面白さが味わえないゲームだ」くらいの認識だと思うんですよ。

 こないだのFPSの話にも通じるんですけど、一般的には「オンラインだからこそ面白さを発揮するゲーム」はむしろ枷なんですよ。
 「オンラインだからこそ面白さを発揮するゲーム」で日本で最も売れたゲームって、定義にも依りますけど、自分はそれこそ『モンスターハンター3』の80~90万本付近だと思っています。『マリオカートWii』や『スマブラX』はオフライン対戦が出来たからこそ100万本以上売れたのだろうと。



 この論理から言うと……
 「オフライン協力プレイ」と「オフライン対戦プレイ」に、もちろん「一人で遊ぶモード」も充実させてある『NewマリオWii』は―――『どうぶつの森』や『モンスターハンター』の例よりも、『マリオカートDS』→『マリオカートWii』のそれに近いのかなと思います。

 ということで、『マリオカート』の売上げを調べたら『マリオカートWii』っていつの間にやら200万本を超えていたのね。これらの数字の割合から、『NewマリオWii』の売上げを予測してみると。
 『マリオカートDS』:350万本付近
 『マリオカートWii』:230万本付近

 『Newマリオ(DS)』:550万本付近
 『NewマリオWii』:360万本付近←予想!



 ………流石にこれは現実的な数字ではないな(笑)。
 新規ユーザーを巻き込めてロングヒットになったとしても『Wii Sports』『Wii Fit』を超えることはないと思います。前作『Newマリオ(DS)』もそうなんですけど、「このソフトにしかない魅力・話題性」みたいなものが売上げには圧し掛かると思いますので。前作は「十数年ぶりの新作2Dマリオ!」が話題になったけど、今度はどうだろうねというところ。

 ということで、『マリオカートWii』のちょっと上くらいを自分は予想しておきます。
 250万本くらい。「いつまで」かと言えば、「Wiiの次の機種」が出るくらいまでジワジワと売れるんじゃないかと。当然ながら、「ソフトの出来はイイ」という前提の話ですけど。


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| ゲーム雑記 | 17:41 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

マリオDSと、同じだけど、違うことをうまくアピールできれば、
Wii Fit買っただけの家庭なんかには、結構売れるかも・・・?

| sou | 2009/11/16 19:11 | URL |

>ゲームに熱中させるためには“ペナルティ”が必要だ

○世間的に「難しい」とされるゲームは、ミスにより課されるペナルティが厳しい。
○逆に「簡単」とされるゲームはミスをしてもその場でコンティニュー出来る(アイテムも何も失わない)等、ペナルティが緩いことが多い。
○故にペナルティが厳しければ厳しいほど、プレイヤーは「ミスをしない」ことに没頭することになり(簡単だと言って飽きることもなく)、結果的にプレイ時間の増加に繋がって行く。

自分なりに三行にまとめてみました(笑)

今回の記事を読んでいて思ったのですが、「不思議のダンジョン」系のゲームも宮本茂さんの「ミスしたらステージの最初からやり直し」に当て嵌まるなと。
でも風来のシレン3は散々だったしなあ…ミス=最初からやり直しという考え方はアクションやWiiFIt等のファミリーゲームにのみ適用できるものなんでしょうかね^^;

| じぇふ茶 | 2009/11/16 22:45 | URL | ≫ EDIT

オンラインの要素があってもよかったのではとは思います
まぁなくても売り上げに関係ないでしょうけど

せっかくの協力プレイなんですし
まぁ次の後継機のマリオでつけるためなのかもしれませんが・・・

| あらら | 2009/11/17 11:58 | URL |

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | 2009/11/19 09:39 | |

宮本さんは、マリギャラの社長が訊くでも「ホントは同じところを何度もやるのは楽しいはずなんです。」と仰ってますね。

「全ての人にエンディングを」については、自分は「全員がエンディングを見れても、全員が達成感を味わえるとは限らないのでは」と思いました。

>携帯機を持ち寄って遊んでいた人達からすると、「据置機は持ち寄れないから仕方なくネットに繋がないと」くらいの感覚だと思うんですよ。
オンラインは接続する環境さえあれば持ち寄る必要なく家で気軽に対戦できるというメリットもあります。
確かに環境を整えるのは大変ですけど。

ニューマリWiiは自分は300万本はいくと思います。
何だかんだ言って、2Dマリオは強いですから。

| モヤシ | 2009/11/22 16:21 | URL |

>モヤシさん

 どうも、こんにちはー。

>オンラインは接続する環境さえあれば持ち寄る必要なく家で気軽に対戦できるというメリットもあります。
 この部分、凄く興味深いんで別記事にて話題に出しても良いですかね?
 恐らく「オンラインプレイは気軽だろうか?」的な反論になってしまうと思いますが……

| やまなしレイ(管理人) | 2009/11/26 21:47 | URL | ≫ EDIT

レス遅くなってすみません。

>凄く興味深いんで別記事にて話題に出しても良いですかね?
いいですよ。

そういえば、今考えてみると、知人同士で通信する場合はフレンドコードを交換する必要があったり、電話などで時間を決めておかないと通信できないので、確かに気軽じゃないかも、と思いました。
外出の手間は省けますけどね。

| モヤシ | 2009/12/20 21:46 | URL |















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