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2D『マリオ』はもはや文化である

 ふと1年半前に読んだこの記事のことを思い出しました。

 スマブラと麻雀橘寛基の『ブログ de Gamersta!』


 Wiiの『スマブラX』が発売してちょっと経った頃に書かれた記事で―――
 「対人コミュニケーションのツール」としての麻雀のポジションに、『スマブラ』のようなゲームが今後もシリーズ継続していけば、当てはまる(取って代わる)ことがあるのかも知れないという話。自分はこの記事が凄く好きだったんです。ゲームも、いつかは文化になると。


 『スマブラ』は99年に誕生したソフトなので、まだ10年の歴史しかありません。
 “入り口は広いがその先の道は果てしない”ゲームなので、そこまで万人向けなソフトではないとは思いますし、この喩えにはピンと来ない人も多いんじゃないかと思うのですが……(ただ、それを言うと麻雀自体が万人向けかって話なんですけどね)。



 じゃあ、『ボンバーマン』ならどうです?
 『桃鉄』は?『テトリス』は?『マリオカート』は?

 『ボンバーマン』の初出は85年だそうな(対戦モード搭載は90年?)。
 『桃太郎電鉄』の初出は88年(現シリーズの基礎が出来た『スーパー』は89年)。
 『テトリス』の日本での初出は88年(超ヒットとなったゲームボーイ版は89年)
 『マリオカート』の初出は92年。


 どの作品も20年前後の時を経て、未だに続編が出続けるソフトです。
 そして“対戦ゲーム”としての定番ソフトですよね。多くの人が基本的なルールを知っているから、久々でも「ちょっとみんなでやろうぜ!」と言いやすいのです。それこそ橘さんが例に出した「トランプ」とか「人生ゲーム」と同等かそれ以上に、“気安く”“みんなで遊ぶ”ことが出来ますよね。

 ……『マリオカート』はちょっと微妙か、と思ってしまうのは僕がレースゲームが苦手だからか。



 「トランプ」の起源は古代にあるらしいので別格ですけど。
 喩えば、「オセロ」は戦後間もない頃の日本の学校から碁石を使って考えられた遊びで、商品化されたのは1973年だそうな(リバーシという遊びはもっと前から外国にはあった)。発祥からまだ60年ちょっと、商品化からは30年ちょっとの歴史なんですね。

 「人生ゲーム」の日本版は1968年が初出だそうな。こちらは40年の歴史。


 80年代生まれの自分からすると、「オセロ」なんてもっともっと昔からあったのかと思っていました。でも、30年ちょっと経てば“誰もが知っている”“誰もが遊べる”娯楽になってしまう。これはもう立派に文化だと思いますし、コンピューターゲームもこうなれる(orもうなっている)んじゃないかと自分は思っています。


 『ボンバーマン』とか、久々に会った友達みんなでやるとすげー盛り上がりますもんね。
 年末に(無事に原稿が終わっていれば…)友人宅で鍋パーティをやる予定なので、WiiにPCエンジン版『ボンバーマン』でも買って本体ごと持っていこうかなと画策中。


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 ということで、ここからが本題なのです。いつものことながら前置き長ぇーな。
 『NewスーパーマリオブラザーズWii』のTVCM攻勢が始まったみたいですね。

 Wii.comでは観られませんが、公式サイトと『みんなのニンテンドーチャンネル』にて閲覧が可能です。凄まじい量のバージョンが用意されているので、手当たり次第にCM展開をすることが想像できます。当然。2D『マリオ』はCMを打った分だけ売れるソフトですからね。


 初代『スーパーマリオブラザーズ』の国内売上げは681万本だそうな。
 少なくとも日本に681万人は遊んだことのある人がいるということです。
 当然1本のソフトで遊ぶのは1人ではありませんし(あの当時は今以上に貸し借りが定番だったでしょうし)、その後もシリーズソフトは発売され200万本・300万本は普通に売上げ、ブランクを経て、リメイクもありつつ、DS版は500万本オーバーの超ヒットになりました。

 シリーズを遊んだことのがある人がこれだけいるというのは、それだけで強みになります。
 TVCMで「新しいマリオ出るよ!」とアピールするだけで、過去に遊んだことのある人は「おっ、出るんだ」と思えますからね。0からアピールしなければならない新作ソフトとは状況が全然違うのです。

(関連記事:全てのゲームには4つの層が存在する


 卵が先か鶏が先かって話ですけど……
 日本では「2Dマリオは売れる」けど「3Dマリオは売れない」のが現実で、これの要因はやっぱり「シリーズ売上げの差」にあると思うのです。3Dマリオ史上最高売上げの『マリオ64』でも190万本で、別にこれが少ないワケじゃないですけど、600万本・500万本をたたき出す2Dマリオとは格が違うのも仕方がないのかなと。

 ゲーム内容で言うと、『マリオギャラクシー』なんか「3Dマリオが抱えていた取っ付きにくさ」をことごとく解消していった“限りなく2Dマリオに近い3Dマリオ”だったと思うのですが。それは、実際にプレイしてみないと分からないことでしたからね。




 『NewマリオWii』のTVCMの話に戻します。
 今回のCMは「シリーズダイジェストバージョン」と「芸能人がプレイしているバージョン」に大きく分かれるんですが、「芸能人」の人選も含めてホントツボをよく心得ているというか。これだけバージョン用意すれば、そりゃツボも当たるよなというか(笑)。

・二宮和也(男・26歳)
・松嶋尚美(女・37歳)
・大橋のぞみ(女・10歳)
・生瀬勝久(男・49歳)

 ※敬称略
 ※年齢はWikipedia調べで11月20日現在の年齢


 恐るべしは「2人プレイ篇」のCMです。
 今回の目玉でもある「協力プレイが可能」という要素なんですが、10歳の大橋のぞみちゃんが49歳の生瀬さんに『マリオ』をレクチャーしているという。
 当然ながら、10歳の彼女は初代『スーパーマリオ』の頃は生まれていませんので、アレだけ上手いというのはDS版かGBAリメイク版かバーチャルコンソール版かをプレイしているということなんでしょうね。


 初代『スーパーマリオ』から24年。
 シリーズソフトを幾つも出して、その度に新しいユーザーが入り、継続して愛され続けているってこれはもう立派な文化じゃないかと思うのですよ。買う気がなかった自分だけど、これらのCMを観てると「んわー!やっぱ面白そう!」と思ってしまうという。


○ 変わらない『マリオ』
 「どこを切り取ってCMにするのか」を考えると、ここを選ぶのは流石だなーと思います。

 「2人プレイ篇」で二宮くんが松嶋さんに「Bダッシュ中にしゃがんで滑って1マス分のスキマをすり抜ける」テクニックを教えているところ―――これって初代『スーパーマリオ』の頃からある定番テクニックで、「あぁ!あったな!コレ!」と思わせてくれます。

 「大橋のぞみさん篇」で、無数のテレサに囲まれつつも左・右・左・右と細かく振り返って足止めするところとかも凄く懐かしいですよね。

 「松嶋尚美さん篇」でヨッシーが出てきて「何これ?良い人?」と戸惑うところとか、クリボーに当たって逃げられるところとかも、ニヤニヤしながら観てしまいますよね。



 2Dマリオが「文化」となっているのは、この「変わらなさ」ゆえだと思うのです。
 『スマブラ』もそうだし、『ボンバーマン』も『桃鉄』も『テトリス』も『マリオカート』もそうです。ゲームの根本部分のルールは変わらないからこそ、“シリーズソフトのどれをやったとしても”シリーズ経験者になれるのです。
 



○ 新要素な『マリオ』
 そのヨッシーは、DS版『Newマリオ』には登場しません。
 なので、あのCMを観たDS版の経験者は「今度のはヨッシー出るんだ!」or「何この緑の生物!?」と思えるという。だから、アレも立派に新要素の説明なんですよね。パッケージに描かれているので今更ですけど(笑)。


 「プロペラマリオ」に「ペンギンマリオ」に、「2人協力プレイ」にくにおくん的な「かつぎアクション」も。変わらないマリオだけど変わっている部分もあるよ!というアピール。磐石すぎて可愛げがないとすら思ってしまうほどです。
 『マリオ2』では毒キノコが衝撃的だったし、『マリオ3』ではワールドマップにしっぽマリオにカエルマリオという新要素が沢山、『マリオワールド』は言うまでもなくヨッシー。―――「変わらない」から文化になるのだけど、「追加される」「増えていく」ことも文化には大事だよねという話。



○ ルールが分かりやすい
 今回のTVCMもそうですし、『ニンテンドーチャンネル』で有野課長が『マリオ3』をプレイしているのとかを見てもそうなんだけど。2D『マリオ』って観ているだけでグッと力が入ってしまうんですよね。
 穴に落ちると「あー」と言っちゃうし、見事に難所を越えると自然と嬉しくなってしまうという。他人のプレイなのに(笑)。

 これはやっぱり2D『マリオ』が物凄く分かりやすいゲームだからなんだと思います。
 敵に横から当たると死んでしまう(スーパーマリオはチビマリオになる)。穴に落ちると死んでしまう。(『マリオ2』の毒キノコを除けば)アイテムは基本的に嬉しいものだし、目的は「右に進むこと」にあります。


 『Wii Sports』の発売前、「このゲームはハイタッチをしたくなるゲーム」とスタッフの人が仰っていて。すげーよく分かる話だなぁと思ったことがあります。ボウリング場の感覚に近いかな。「ルール」が単純で、「成功と失敗」が分かりやすくて、その成功・失敗は「身体的機能」に帰結するというか。

 2D『マリオ』もそれに近いと思うのです。
 逆か。『Wii Sports』が2D『マリオ』に近いんだ(笑)。


 これまでの2D『マリオ』で協力プレイをしようとすると、「1機交替ねー」とか「2・2でマリオとルイージに分かれようぜ」とかそんなカンジだったと思うのですが。今作はガチで同時な“協力プレイ”が可能ですからね。各所でハイタッチが起こりそうですね。

 『スマブラ』とか『ボンバーマン』とかもそうなんだけど、“一番上手いヤツ”を他の3人で蹴落とす遊びとか流行りそうだなー(笑)。そういう意味では、『NewマリオWii』は“新たな対戦ゲームの定番”になる可能性を秘めているとか思ったり。


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 うわっ、Amazonだともう在庫切れているのか……すげーな。

 こんなに沢山の人に愛されて、期待されている2D『マリオ』なんですけど……
 こないだの「社長が訊く」で宮本さんが気になることを仰っていて、「作っている側はこんな認識だったのか!」と驚きました。


<以下、引用>
宮本「ええ。
 でもやっぱり技術を追いかけているほうからすると、「えっ、いまさら2Dで横スクロールですか?」となるんですけど、「ポリゴンや3Dを使ってもいいから、横スクロールでゲームをつくったほうがたくさんの人にとって遊びやすいものになるのと違うのか?」と。
 だから、「原点に帰った『マリオ』をつくろう」という話になったんです。そこで名前に『New』をつけたんですね。
</ここまで>

 ※ 改行・読点など編集を加えました。


 ファミコンミニを受けて、DS版『Newマリオ』が生まれた経緯について。
 自分は2Dだったスーファミ時代が好きで、3Dになった64時代(プレステ時代・サターン時代)にゲームから離れてしまった人間なので。「早くまた2Dマリオ出ないかなぁ……」と思っていました。そして、自分以外にも沢山思っていた人がいたことは、ファミコンミニやDS版のヒットが証明してくれたと思っています。

 でも、作り手側(宮本さん本人なのかその周辺なのかは分かりませんが)からすると、「3Dの技術があるのに今更2D?」くらいの感覚だったのかなーと。3D『マリオ』と2D『マリオ』は別物だと認識している人が沢山いたのに、それに気付けなかったのだと。



 自分はもう3Dアクションに対して「自分にはムリ!」とは思わなくなりましたけど、まだまだそういう人は多いだろうし、Wiiの場合はアナログスティックを使えない人が沢山いると思うので―――Wiiの突破口としては“リモコン横持ちの2Dアクション”というのが一つの回答だと今の時点では予想しているのだけど、「それだとボタンが少ない!」と作り手側は思うんでしょうね(笑)。

 「沢山のボタンなんて使えないよ!」って人が沢山いたから『Wii Sports』が売れたのにね。


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| ゲーム雑記 | 18:22 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

もっと言えば、2Dドット絵でもいいくらい
さすがにちょっとニッチか・・・(笑)

でも、ロックマン9だったり、コナミのREBiRTHシリーズだったり、
SEGA AGES 2500のSYSTEM16リメイク版ファンタジーゾーンIIだったり
ゲームセンターCXシリーズだったり
そういうゲームが少し出ているのもあるし、
ここまでさかのぼるとパイが小さいかもしれないけど、
今回のマリオみたいに、2,3歩戻る勇気みたいなものはあってもいいでしょうね


それにしても大橋のぞみと生瀬さんを組ませた任天堂は凄いと思うw

| sou | 2009/11/22 23:58 | URL |

僕は、ドラクエやゼルダみたいな大型のタイトルやオリジナルの新作も据置で
思い切り力を入れて2Dで作ってみても良いと思います。
勿論3Dでリアルな方向性も好きですが、
同じくらい親しみやすさと分かりやすさにおいて2Dは魅力的です。
テレビも大画面化してきましたし、また新しい遊びをいれることができるんじゃないでしょうか。

| naru | 2009/12/02 19:01 | URL | ≫ EDIT















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