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アニメ『とある科学の超電磁砲<レールガン>』各話感想メモまとめ(1~12話)

 何度か書いていますが、自分は週に1度mixiの方にも日記を書いていまして。
 棲み分けとしては、ザックリ言って「人に読んでもらうことを意識して書くのがブログ」「自分の思ったままを書くのがmixi日記」としています。だからまー、自分の中ではブログの方がより洗練されたネタを!と思って書いていたのですが、最近は「思ったままを書き連ねることにもイミがあるんじゃね?」と考えるようになりまして。



 mixi日記に書いていることを、ブログの方にも活かせないかなーと今日の記事を書くことにしました。
 mixi日記に思うがまま書き連ねていたアニメ『とある科学の超電磁砲<レールガン>』の各話感想を、まとめてブログに載せちゃうよ!



<ルール>
・1話から12話までの感想メモをコピペ
・“12話まで観終っている”現在の自分のコメントを赤字で補足
・なので、基本的にアニメ版12話までのネタバレを含みます
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな
・自分は原作未読でアニメ完結するまでは読まないつもりなので、原作の情報をコメント欄などでくれたりはしないで下さいね
・自分は『とある魔術の禁書目録<インデックス>』をバンダイチャンネルでアニメ版6話までしか観ていなくて、続きはいずれ観るつもりなので、『禁書目録』の情報をコメント欄などでくれたりはしないで下さいね



 ということで、今回の記事は超長くなることが予測されるので格納しました。
 続きは「続きを読む」か「記事URL」をクリックにて表示です。ではでは。




<10月5日 22:29>
○ 第1話「電撃使い<エレクトロマスター>」感想

 秋アニメの大本命です。
 『とある魔術の禁書目録<インデックス>』のスピンオフ作品で、今作からの新キャラに豊崎愛生&伊藤かな恵という“今ノリにノっている若手声優”2人を起用という磐石の布陣。fripSideの主題歌も超カッコイイ!
 期待値MAXで観てみましたが、その期待を上回るトンでもないものを見せてもらいましたよ。


 最初から最後までコンテが神がかっていると思ったら、監督が長井龍雪さん(『ハチクロ』2期の監督)だったんですね。どうりで。どことなく『舞-乙HiME』っぽい雰囲気を感じたのもそのためか。

 ハッキリ言って、凄すぎる。
 「超能力が日常に溶け込んだ学園都市」というファンタジー設定を、最初の10分で視聴者に把握させるムダのない描写。
 それでいて、美琴&黒子、初春&佐天さんという2組の会話でメインキャラ4人の抱えているものをきっちり描き、後半の展開に向けて美琴&黒子の能力の伏線を張っておく。バスツアーの伏線も言うまでもないです。

 「“基本”って大事だわー」と思わせる、物凄く手堅い脚本に加え。
 メインキャスト4人がそれぞれ面白い演技をしているので、会話を聴いているだけで凄く楽しいです。キャラも“漫画的”でありながら“人間臭く”て“好感が持てる”んだわ。

 キャラデザや中の人からすると自分の好みは初春なんだけど、第1話を観だだけで佐天さんに惚れてしまったくらいキャラ描写が素晴らしいです。
 今回の話は特に「レベル0の佐天さん」が「レベル5の美琴」を理解する話だったので、佐天さんにグイグイ感情移入させられるとともに、そんな佐天さんからの視点で「佐天さんのために立ち上がる美琴」がムチャクチャ格好良く見えました。

 細かいことだけど、美琴が黒子殴った後に優しい顔をしたりしているのを、初春&佐天さんが見ている―――なんてカットがあったりして、すっごく細かい伏線を仕込んでいて。1シーン1シーンが楽しくて仕方がなかったです。


 1ミリもケチの付け所のない完璧な第1話でした。
 アニメの第1話というのは「やらなくてはならないこと」がある程度決まっているので、テンプレ通りというかそれを如何に応用するかみたいな話なんですけど。そうは言っても、ここまで完璧なものはそうそうお目にかかれないと震え上がりました。

 敢えて不安要素を挙げるとなると―――
 第1話が神がかり過ぎていて、第2話以降のハードルが上がりまくってしまったということくらいか。いやーホント凄かったわ。当然ながら今後も視聴継続。期待しています。



※ 補足コメント
 清々しいくらいの絶賛感想ですね。
 でも、そのくらい第1話は凄かったと思うし、この第1話があったからこそその後も大注目して追いかけてきたんだと思います。
 佐天さんと美琴の話は第1話で描かれただけあって、今後の軸になっていくんですよね。この時点ではまだ触れていないんですけど、第1話で佐天さんが取った行動(一人で子どもを助けに行く)がこの作品の“キーワード”になっているという。





<10月12日 21:37>
○ 第2話「炎天下の作業には水分補給が必須ですのよ」感想
 何と言うか……第1話との落差が酷いね…(笑)。
 もちろんアニメの第1話というのはエースクラスで作るワケですから、演出・脚本・作画が第1話だけ突出することはよくあることなんですが。そういうクオリティ的な話ではなくて。

 第1話を観て「良い話だったよー」と感動した人が、第2話での黒子さんの変態っぷりにドン退いて脱落しないか心配です。いや、オマエが言うなよって話なんですけどさ。流石の自分も、黒子さんのあまりなアレっぷりには退くわ。


 変態はともかく。普通、序盤は話を進めることに徹して、こういう“作品が始まる前からの関係”を描くのは中盤に持ってくると思うんですけどねー。『けいおん!』の唯憂姉妹が13話中7話目だったみたいな話で。
 「超能力者達の日常を描く作品」だから、美琴が普段どういうところで生活しているかを描けたのは大きいか。こういう描写の意味が出てくるのは今後次第かな。

 「友達の部屋に遊びに来たらまずガサ入れ」
 「日常に戻るために初春のパンツを見る」―――
 佐天さんは本当イイキャラしてるわー。美琴が「私も最初はレベル1だった」と言った時の佐天さんの表情はどっちの意味なんでしょう。「ならレベル0の私だって」なのか、「それでも私はレベル0なんだ」なのか。


 にしても、自分も美琴がこんなに「すぐに周囲と打ち解ける」キャラだとは思っていませんでした。事前情報だけだと特に。そういう意味では、今作からの視聴者目線は限りなく佐天さんのそれに近く合わせられていて。
 でも、どうしたって前作がある分、この2話のように黒子視点(ずっと前から美琴を知っている立場)の話も出てくるワケで。作る側からすると、どっちにバランスを取れば良いのか難しいんだろうなーと思いました。

 どうでも良いけど、佐天さんと書くとたまに任天堂とごっちゃになります。


※ 補足コメント
 打って変わって、2話はテンション低いですね(笑)。
 12話まで観終った後だと2話の存在意義というのは強く分かるんですけどね。2話で美琴-黒子のラインを描いて、5話で初春-黒子のラインを描いて。それぞれのキャラに「大切なものがある」と見せておいたおかげで、佐天さんの「何もない」状態が際立ったという。

 だからこそ、皆で佐天さんを救おうとする展開に説得力を増せたというか。
 でも、黒子はあそこまで変態でなくてもイイじゃないかと思う時は今でもあります。




<10月19日 22:07>
○ 第3話「ねらわれた常盤台」感想
 第1話は佐天さんのターン・第2話は黒子のターンだったので、第3話は初春のターンですよ!初春の台詞が多くて多くて、豊崎さん好きな自分としては幸せな1話でした。

 やっぱ自分は豊崎さんの演技が心底好きなんですよ。制服を着られなくてむくれているとこの黒さとか、チョイチョイっと情報処理してる時の応答の間とか、全てがイイ味出していると思ってしまいます。信者脳でサーセン。
 次回予告のツッコミは思いっきり豊崎さんの“素”じゃねえかと思いましたけど(笑)。というか、次回予告に漫才やらせるのは『舞-乙HiME』からの流れなのでしょうか?(自分は次回予告を観ないのがフツーなので元祖がどの作品なのかは知らんけど)


 とりあえずスタートダッシュの3話が終了しました。
 美琴を除く3人に活躍の場を順々に与えつつ、美琴もきっちり活躍しつつ、彼女らの生活している空間を見事に描きつつ、サブキャラや今後の伏線もしっかり見せました。
 見事なまでの磐石さは、やっぱり『舞-乙HiME』を思い出すなー。メインキャラが絞られている分、こっちの方が取っ付きやすいとも思うし。全く持ってスキがないです。

 「情報が間違っている?」はレベル1の初春やレベル0の佐天さんが後半どうなるかの伏線っぽくて。
 「少しくらい外した方が茶目っけがあって」という佐天さんの台詞は、超能力による完璧主義だけでは見失ってしまうものがあるという作品全体の主題みたいなものかなと思いました。『禁書目録<インデックス>』もそういう話みたいですし。


 ちょと話変わって……
 “学舎の園”は別として、この作品の舞台になっている「東京西部」は何気に自分の第3の故郷でして。街の雰囲気なんかを見ると懐かしくて色々と思うところがあります。

 もちろん設定は全然違うのだけれど……第1話の美琴の「見掛け倒しなのよ、この街は」という台詞は都市開発の目論見と現実のギャップに苦しんだあの地域を知っていると感じるものがあって。
 そう考えると、完璧な天気予報のくだりなんかは何気に後半に向けた重要な描写なのかもなーと思ったりするのです。

 追伸:実は自分は太マユゲのコが好きなので、落書き後の佐天さんも落書きの犯人もフツーに可愛いと思ってしまいました。


※ 補足コメント
 作品の方向性が見えてきた第3話。
 天気予報の件が思いっきりその後の展開を示唆していたのは言うまでもないのですが……この回では“感情”優先だった佐天さんと、この回では“理屈”で活躍した初春(学園都市の機能を活かした)が、後々にひっくり返ってくるというのが面白いですね。佐天さんの扱いは、ホント細心の注意を払われているわーって思います。





<10月26日 22:09>
○ 第4話「都市伝説」感想
 上条当麻、登場!
 ま、第2話で伏線張られていたから登場するのは分かっていましたけどね。

 こういう「女のコ同士が集まってキャッキャウフフする」作品の場合、男を出すことは相当のリスクがあるのだけど……美琴というキャラを描くのに当麻は不可欠な存在だとも思います。

 前作主人公である当麻を登場させることで、「前作を観ていた人」も楽しませなきゃならないし、「今作から入った人」を置いてけぼりにも出来ないし―――で、どう描いてくるのかなとワクテカしていました。
 結果……基本的には“当麻視点で描かれた”『禁書目録<インデックス>』第1話を、今度は“美琴視点から描いた”というカンジですかね。もちろん起こっている出来事は違うのですが。


 第1話は佐天さん、第2話は黒子、第3話は初春のターンで。
 彼女らの視点からすると美琴は「頼りになるお姉さん」として頑なに描かれていたのですけど―――
 当麻や新キャラのお姉さんの前では、表情は崩れるし、しょっちゅう焦っているし、涙目になるしで。“弱い一面”が物凄く際立っていていました

 言ってしまえば、第4話で初めて“美琴”に焦点が当たったというか。
 ホント計算され尽くした構成になっていますよね……


 “理詰めの完璧さ”と“それを超越する感情部分”というのはこの作品のテーマだと思うのだけど―――
 (例えば第1話で佐天さんが子どもを守る際、理屈で言えば大声で美琴を呼べば良かったのだけど。それでは多分、美琴は佐天さんを本当の意味では理解出来なかったろうし、今のような関係にはならなかっただろうね、みたいなこと)

 脚本面でもその2つの要素がぶつかりあっているのが面白いです


 これまでに張られた伏線からすると、どう見ても「女のコ同士が集まってキャッキャウフフする日常だけを描いて終わり」ではないでしょうから。
 落ちこぼれ組の初春&佐天さんの物語を、“選ばれた存在”たる美琴の物語にどう絡めるのかが注目ですかね。ポジション的には、初春辺りに相当アツイ話が待っているんじゃないかと期待しています。


※ 補足コメント
 「初春が活躍するのでは」という予想はピタリ賞。
 後方支援だった彼女が前線に赴く場面がこの作品のハイライトになると思っていたのですが、1クール目でもう描かれてしまいましたね。彼女に対して「落ちこぼれ組」なんて言葉はもう使えません。

 4話の美琴vs当麻の描写は「ふーん」くらいのカンジで観ていたのですが、ここでの戦闘描写が後々に活かされていくというのに驚きました。無敵すぎる美琴の能力を見せる場面を当麻は作ってくれていたのですね。





<11月02日 22:06>
○ 第5話「とある二人の新人研修」感想
 5~6話はアニメが“息切れを始める”頃合。
 特にこの作品は1~4話で順々にメインキャラ4人を描いてきたので、そこから一歩進まなきゃならない5~6話が勝負の回になるだろうなと思っていました。ここで作品全体の評価が決まるぞ、と言ってもイイほどに。

 面白かったです。
 第1話がグンを抜いているのは仕方がないとして(というか1話辺りのアニメでアレを超えるものはそうそうお目にかかれないだろうし)、その次くらいに第5話は面白かったです。最後ちょっとウルッと来てしまった……


 「黒子と初春の過去話」
 先週のこの欄で「ポジション的に初春辺りに熱い話が待っているのでは」と書いたら、早くも初春にスポットが当たっちゃいました。違うんだ、自分が書いていたことはこういうことではなかったんだ!

 恐らくこのアニメ全体のハイライトは「初春-佐天さん」ラインをどう使うかだと思っています。
 だから、第5話はあくまで過去話で、前哨戦でしかなくて。黒子と初春という「既に信念を持っている人」を改めて描いただけなんですよね。本当の肝は、「何も持っていない」佐天さんを作品全体でどう描いてくるのか、それに初春をどう絡めるのかと。


 そうは言いつつ、今週もすごく面白かったですけどね!
 チビ初春が激しく可愛かったですけどね!ロリコン魂が刺激されそうというか、そりゃ人質にも取りたくなるわ!とイケナイ気持ちになりそうです。あの犯人もきっとロリコンだな(違)。

 二人の絆を描く過去編ではありましたが、今週も「完璧な理論」と「それを超越する感情」のお話でした。
 初春は第3話では「完璧な理論」サイドにいたと思うのだけど……黒子が初春と組んだ理由は「コンピューターを扱う能力の高さ」とか「後方支援の能力の高さ」という理論サイドの理由ではなく、あくまで「それを超越する感情」側だったというのが熱かったです。

 一見すると感情で突っ走る黒子をネガティブに描いているようにも見えるんだけど、だからこそ黒子は信念を曲げなかったし。一人では上手くいかないことも、二人の信念がぶつかり合うことで「完璧な理論すら超越するさ」と描いたということかな。
 実際、美琴がレールガンを撃ったのって「チビ初春が無力にも助けを求め続けた」からなワケで。本人達は気付いていなかったけど、「感情が理論を超えた」一つのケースだったのだろうと思うのです。


 ラストシーンで初春が走っているのも、「理論」だけで考えれば非効率だし無意味にも思えるのだけど……そこにもきっと意味があるよね、と美琴や先輩の台詞でキッチリ思わせる辺り、キャラ回しがパーフェクト。
 何か、このまま最終回でも文句がないくらい完璧なまとめ方でした(笑)。


 もちろん、ここからの揺り返しがあるのなら
 “現在の時間軸”で「感情」サイドの否定がどこかで描かれるんでしょうけど……

 「楽しければそれでイイじゃん!」という佐天さんはもちろん、他の3人も「感情」優先だと今週で改めて描かれましたし。
 逆に言うと、「理論」サイドを肯定するためにはこの4人の関係をどこかでぶち壊す必要があるのだけど……

 そこまで踏み込んで描く度胸があるのだろうか。
 そして、そこまでボロボロになってしまう鬱展開を自分は見たいのだろうか。


 『ハガレン』とか『舞-HiME』が出てきた2004~06年辺りは鬱なアニメが確実に流行っていたけれど、『けいおん!』のヒットに代表されるように2009年現在のアニメにそれは求められていないとも思うんですよね……


※ 補足コメント
 第5話は好きな話。珍しく冬服が見られますしね!
 初春-黒子のラインが描かれることで、この二人が“感情”優先のキャラであることを印象付けられました。言うまでもないっちゃ言うまでもないことですが、彼女らが日々戦っているのは「人のため」なんですよね。完全に機能しているとは言いにくいジャッジメントは、あくまで“感情”サイドであると徐々に描かれました。

 あと、今振り返ってみると固法先輩の天然っぷりはここから始まっていたのか。




<11月09日 22:13>
○ 第6話「こういうことにはみんな積極的なんですよ」感想
 物語が動き始めた第6話。
 作風は全然違うんだけど、根底で描いているものは『とある魔術の禁書目録<インデックス>』のソレと同じ気がしますね。“才能の裏返し”というか。
 同じ食材をヘビーに仕上げると『禁書目録<インデックス>』になって、ライトに仕上げると『超電磁砲<レールガン>』になるというか。

 あまりにメッセージ性が強いので、観る人によっては「説教くさいなぁ」と思われかねないかと不安になったりもします。


 そんなカンジで、第6話は美琴メインの回でしたよ。
 1対1では無敵の強さを誇り、学園都市に7人しかいない最強のレベル5の一人である御坂美琴が、ジャッジメントの仕事である「人助け」では全然役に立たないという。
 コレって、能力者を「レベル0→レベル5」といった序列の中に放り込むことへのアンチテーゼとも言える話であって。「効率的な手法」による「序列化」に対する疑問を、序列最上級の美琴を使って描くというのは面白い手だなーと思いました。
 フツーは序列最下級の人間の活躍を描きますからね(『禁書目録<インデックス>』もそういう話でしたし)。

 このエピソードのラスト……カバンを救ったのは「レベル5の力」では決してなくて、「人を救いたいという純粋な気持ち」だったんだろうなーという素晴らしくキレイなまとめ方で、一見一件落着と。
 そして、「人を救った」ことによって、その人から感謝されるということを知って美琴は一つ成長をし、物語は中盤へ―――


 ちなみに、カバンを失くしていた女のコのcv.は竹達さんだったみたい。
 つまり、膝枕のシーンは「唯に膝枕してもらうあずにゃん」という構図だったんだよ!ハァハァ。
 けいおん厨でサーセン。

 EDクレジット見るとしゅがりんもいたみたいなんだけど、流石にそれには気付きませんでした。


 さてさて、Cパートでまさかの犠牲者発生。
 これまでの6話で半端ないほどの伏線を張ってきたので……単純に犯人が捕まってハイ終了という展開にはならなさそうですね。

 「佐天さんの御守り」というのはグッとくるアイテムだなぁ。まだストーリーに関わっていないのに、早くもウルウルしてしまいました(笑)。
 デジタルオーディオプレイヤーで音楽を聴きながら、御守りというアナログなものを大事に持ち歩いている―――第1話で初春に「ダウンロード版もパッケージ版も両方買ってこそファンだ!」と熱く語っていたのが、佐天さん物語の伏線になっているっぽいですね。

 「理詰めの完璧さ」という切り口で見ると佐天さんは相当非効率なんだけど……というところで止めて、まだまだ佐天さんの内面には切り込まずに中盤へ。

 佐天さんのこの葛藤をどっちに使ってくるのか(ポジティブに使うのかネガティブに使うのか)がこの作品の鍵になるかなと思って観ています。先週書いた通り、数年前だったらネガティブに使って佐天さんを追い込んでいくのが流行りだったんですが……さて、2009年のこの作品はどちらを選ぶのか。


※ 補足コメント
 しゅがりん(佐藤聡美さん)は公園で最初に美琴に話しかけてくるコです。
 この感想書いた後に2度目見て確認したから間違いないです(笑)!まさか、この後にもう一度しゅがりんが出てくるとは予想していませんでしたからね。

 ジャッジメントのお仕事を描きながら、「序列化」に対する疑問を視聴者に抱かせる第6話。
 こうやって振り返ってみると、細かい描写を後々の展開に絡ませて構成していることが分かりますね。佐天さんの描写は言うまでもなく。あ、あとこの頃は「1クールか2クールか」分かっていなかったので“中盤”という言葉を使っています。構成的には1クールで終わってもおかしくないなと思っていたんですよ。




<11月17日 22:43>
○ 第7話「能力とちから」感想
 先週この欄で「この作品はあまりにメッセージ性が強くて、説教臭く思えちゃう人もいるかも」とか書きましたけど、今週はそれを超越するエンターテインメント回でした。

 メッセージ性は確かに強いんだけど(つか、当麻の存在自体すごくメッセージ的というか)、その中で如何にハラハラドキドキさせられるかに注力してあったというか。

 「上条さん、かっけーっす!!」の一言に尽きるのであった。


 ただ、上条当麻の存在はバランスブレイカーでもあるので、登場した時点で「あ、上条さんの出番だな」と分かってしまうのが難点ではあります。それを逆手にとって、話の焦点としては、それを受けた美琴の心情描写に当たってはいたんですけどね。


 彩ち演じるカバンの女のコを、初春、美琴、当麻と3人が順々に前に立ちふさがるシーンが―――下手すれば1パターンに思われかねない場面なんだけど、カメラ位置の工夫と、モノローグとアップの組み合わせでスピード感を感じさせて。やっぱアニメってのはコンテで決まるんだなぁとつくづく思わされました。


 サブタイトル「能力とちから」からも分かるように、この回は“この作品が何を描くのか”において重要な回になりそうですね。
 5話でチビ黒子とチビ初春を使って&6話で美琴を使って描いたことは、この回の爆弾魔の裏返しで。「能力があるかどうか」ではなく、「人を救いたいという意志があるかどうか」が大事だよねというのを視聴者は既に観てきたワケです。

 「喩えレベル1のままだったとしても、お姉様はアナタの前に立ちふさがったでしょう」

 だからこそ、この言葉に重みが出てくるのです。
 美琴も黒子も初春も、間違いなく立ちふさがるであろうことを僕らは知っているのです。

 そして、「ホントにレベル0のまま飛び出した上条当麻」の存在。
 美琴はCパートで「カッコつけやがってー!」とか言っていたけど、オマエも5話で似たようなことやってたじゃねえか!とお決まりのツッコミを入れておきます(笑)。似たもの同士だからイラつく(=惹かれる)んだろうなぁ、美琴は。


 一方で、一人蚊帳の外でどんどん伏線が積み上がっていく佐天さん。
 美琴に吐露したもどかしい思いとは裏腹に、初春はそれに気付かずに佐天さんを「守る対象」としてしか観ていなくて(美琴には協力を頼んだのにね)。

 「佐天さんは美琴には心情を告白した」というのは、今週後半の爆弾魔退治にかけての伏線だったんだろうけど。もう1コ、「美琴は佐天さんの悩みを知っている」「初春はそれを知らない」というのを、初春物語の重要な要素に使うんじゃないかとワクテカしています。


 「レベルアッパー」は、「能力者を序列化している学園都市」へのアンチテーゼとして重要なキーワードになりそうですね。まさか都市伝説が伏線になっていたとは!と思ったけど(笑)。

 都市伝説もそうだし、オーディオプレイヤーもそうだし、キャラごとの物語としてもそうだし。佐天さんが「レベルアッパー」を使ってしまうだけの下準備が着々とされていて……ある程度の鬱展開は確定したかなというところ。
 鬱展開にする場合、「誰を追い込むのか」がポイントになるんですけど……キャラ的にもポジション的にも佐天さんが一番向いちゃっていて。それが分かってくると、今のうちから「初春ー!気づけー!気づけー!」ともどかしくなってしまうというか。段々と初春の鈍感さに腹立ってくるというか(笑)。


 いやーでもホント、抜群に面白いな毎週。
 構成を見る限り恐らくは2クールものだろうから最終的な評価は2010年に持ち越しになるんでしょうけど、2009年の作品としては『けいおん!』と『超電磁砲<レールガン>』のどちらを1位にするのか悩むくらいハマっています。



※ 補足コメント
 この回も大好き。美琴がひたすらカッコ良いんですもの。
 しかし……今にして思うと、この頃の美琴はまだ「ゴメンね。気付いてあげられなくて…」の「気付いていない」状態なんですよね。力がないからって嘆いてんじゃねえ!と叫ばせていることから分かるように、この頃は作品全体として「だから頑張れよ!」とスパルタに描いてあったというか。

 もちろん、これは後々にひっくり返す伏線なんですけどね。
 「頑張っている」美琴・黒子・初春に焦点を当てることで、「頑張っていない」でレベルアッパーに手を出してしまう人々を否定的に思わせるように仕込んであったという。こういう構成って勇気要るだろうに、って感心します。





<11月24日 22:25>
○ 第8話「幻想御手<レベルアッパー>」感想
 うわあああああああああああああ!マジか、マジでやるのか!
 先週までは「このスタッフに鬱展開をする勇気があるのか」とか、「やったとしてもゆるーい鬱展開にするんじゃないのか」とか考えていましたが甘かったです。甘っちょろかったのは自分の方でしたよ。

 ガチだった。このスタッフはガチで“人の心の一番弱い部分”から目を背けずに、そこに飛び込んできました。別にこのまま「女のコ達の平凡な日常を描く」だけでも高い評価は得られたと思うんだけど、そんな気はさらさらなかったのでありました。
 この結果がどちらに転ぶのかは最後まで観ないと分からないけれど、この勇気には自分も目を背けずに賛美の声を送りたいです。


 分かる人にしか分からない喩えで申し訳ないのだけど、『舞-乙HiME』で言えばジェットコースターのように滑り落ちた鬱展開の直前の15~16話辺り。「最後の幸せ」の回でした。

 こんなにも残酷なことを2009年にやるとはなぁ……
 しかも、これを豊崎愛生&伊藤かな恵コンビで描くというのは“アニメの歴史における2009年”を考えると深いものがあるというか。今年の二人の代表作である『けいおん!』だったり『宙のまにまに』だったりは、これとは対極な方向のアニメだったワケで。
 そういう意味では、この若手二人がこの作品でどう輝くのかというのは非常に興味深いです。


 そんなカンジで、全てのシーンに二重・三重の意味が込められている超高密度な回でした。いい加減に脳のキャパシティを超えてしまいそう……

 「風鈴の音を聴くと涼しく感じる」「夏になったらカキ氷を食べたくなる」
 “理屈”だけで言えば、こんなものに意味はないのかも知れない。

 佐天さんは美琴や黒子を「レベル5とレベル4」と評した。
 「自分とは違う存在」だと。
 “理屈”だけで言えば、学園都市に来たにも関わらず能力を開花できない佐天さんには意味はないのかも知れない。


 「それだけでも、学園都市に来た意味はあると思うんです」

 でも、初春はそうは思わない。
 ここに来たことでここでしか会えなかった仲間に出会えたこと。
 能力が低かったとしても、黒子と一緒に強くなろうと誓い合ったこと。
 “理屈”が何だろうと、彼女にとっては全てが意味のあることでした。
 “理屈”で固められた学園都市は、美琴一人の力によって機能マヒ(停電)してしまうような脆弱な存在でしかありません。

 “理屈”では佐天さんを救えない
 でも、みんなの“感情”が集まれば―――という救いを暗示させて、物語は急展開に。

 当然ながら先週の上条さんは“感情”サイドの象徴。
 「佐天さんの御守り」にだって“理屈”では意味がないし、「幼女のカバン」だって“理屈”では「同じものを買えばイイじゃん」となってしまいます。でも、ジャッジメントのみんなは“感情”で「幼女のカバン」を探した―――
 機械と“理屈”で治安が守られているように見える学園都市だけど、でもジャッジメントだって美琴だって第1話の佐天さんだって、“感情”で人を救ったじゃないか、と。人を救うのは、いつだって人の“感情”なんだと。



 完全に偶然でしょうし、こじつけでもあるんですけど。
 “2009年の豊崎愛生キャラ”を考えると、『けいおん!』の唯と『かなめも』のかなと『超電磁砲<レールガン>』の初春は1本の線に繋がると思うのです。

 唯は「勇気を出して一歩を踏み出せばこんなに世界が輝くんだよ!」と歌いました。
 かなは「それで、何かを成し遂げられなくたってイイじゃない」と答えに辿り着きました。
 そして、初春はまさに『かなめも』のかなが13週かけて辿り着いた境地に最初から達しているキャラなんだけど(正確には5話で描かれた“誓い”によって辿り着いた)―――

 それだけでは“大切な人”を救えないという現実


 『かなめも』のラストに号泣した自分としては、初春の言葉にまたしても号泣しましたし。その言葉は佐天さんにも届いて、彼女の救いになったはずなのに―――

 それでも、佐天さんは抗えなかった。「自分を変えたい」という欲求に。



 幸せな時間はいずれ終わりを迎えます。
 大切な仲間であっても、いつか別れが来るのです。

 『けいおん!』は、それでも唯に「目指せ武道館!」と“終わらない幸せな時間”を語らせて幕を引きました。
 『かなめも』は、再び独りになってしまったとしても「それもまだ旅の途中」「だから今を大切にしたい」と幕を引きました。

 『超電磁砲<レールガン>』がこれから描くものは、『けいおん!』や『かなめも』が描かなかった“未来”の話。佐天さんを失った初春に、『けいおん!』でも『かなめも』でも描けなかった誰よりも熱い物語が待っているんだろうと期待しています。



 個人的には“神回”でした。
 度肝を抜かれた第1話も“神回”だったし、キレイに構成された5話やエンタメに徹した7話も素晴らしい回だったのですが―――多分、自分が数年後にこの作品を思い出す時、真っ先に思い浮かぶのは今週の初春と佐天さんのシーンなんだろうと思うのです。


 しかしまー、これだけ高密度な脚本で急展開させたということは1クールでまとめるつもりなんですかね。
 先々週くらいまでは「この構成は2クールかな?」と思っていたのですが、作品の本質部分にググッと近づいたこの2週を見る限り1クールでもまとめられそうですし、佐天さん物語を中心にして1クールで収められたら自分の中では伝説の作品になるかも。
 光子(cv.寿美菜子)とかメガネの人(cv.遠藤綾)とか、全然出番ないけど良いのかコレ。今のところ綾ち(カバンの幼女)の方が台詞多いよね(笑)。


※ 補足コメント
 メモにしては感想長すぎるんじゃなかろうか(笑)。
 しかも、この回で尺取っていた「レベルアッパーを探る美琴たち」の話には一切触れていないという。でもなぁ、ホント初春の台詞には感動したんですよ。3話があって5話があって7話があって、そしてこの8話があって。初春というキャラの人間性にどんどん惹かれていきました。

 そうそう。散々「鬱展開にするなんてスタッフは凄い!」と書いていましたけど、原作読んでいる人は「何を言っとんだオマエは」というカンジだったと思います。この後くらいから気付いて、でも別にわざわざ書くほどのことでもないしで、そのまま軌道修正出来ずに懺悔の場所を探していました。なのでここで懺悔します。




<12月01日 22:03>
○ 第9話「マジョリティ・リポート」感想
 2クール突入は確定かな。
 まさか「レベルアッパーを使うか悩む佐天さん」で1話使うとは思っていませんでした。鬱アニメ全盛期の頃は、この辺の葛藤描写はサラリと流して堕ちていった後の“結果”をどう描くかに焦点が当たっていたと思うので。こうやって1話まるまる使って丁寧に描くのは好印象なんですけど……


 「先週の初春の言葉は全く佐天さんに届いてなかったのか」と思わなくもない。
 初春も美琴も黒子も散々助け舟を出しているのに(黒子が佐天さんを「友達」と呼んだのは初めてですよね)、拒絶したのは佐天さんの方で。こうやって逃げ場を潰して徐々に追い詰めていく手法は流石なんだけど、「いやいや!助かれる方法は沢山あったじゃん!」と思ってはしまいます。

 答えが出ているのに、そこから目を背けているだけというか
 本来、“無能力者”たる佐天さんこそが視聴者目線のキャラになる存在で。第1話もそうだし、今回の話も、「それでも勇気を振り絞って立ち向かう佐天さん」に視聴者は胸を打たれるのだけど。
 その分だけ、そんな佐天さんが大事なものを全部放り出してまでレベルアッパーに手を出してしまう心理はなかなか理解が難しいというか。

 『舞-HiME』みたいに「誤解に誤解が重なって更に誤解が増幅して」といったワケでもなく、みんな素直に佐天さんを救おうとしているから。放り出されてしまう大事なもの(初春や美琴や黒子)側に視聴者が感情移入しやすくなっているというか。

 この辺の意図は、ラストまで観てみないとよく分からんかなー。



 とにかく、今週は“それ以外”も佐天さんの葛藤を象徴するような回でした。

 そもそも敵の能力が「実像とは違う虚像を見せる能力」ですしね。
 2度に渡るカーブミラーの描写とか。
 木山先生の「殿方は私の体に興味がないだろう」、黒子「人の好みはそれぞれですから!」とか。
 チンピラに絡まれていた男がどう見てもバナナマンの日村さんだったとか(笑)

 “感情”サイドのキーアイテムである「母がくれた御守り」と対比させるということは、やっぱり「レベルアッパー」は“理屈”サイドのアイテムなんですね。“理屈”というか“実績”というか。「アレを使ってレベルを上げた人がいるよ」という噂話が、いつの間にやら“理屈”になっていくというか。

 それこそ前作のインデックスの「超能力は信じるのに魔術は信じないなんておかしいよ」という台詞にも通じるものがあって。“理屈”なんてものは実はあやふやなものでしかないという話なのかも。


 そういうことから考えると、佐天さんを救えるのは非“実績”的な描写からというか。
 5話で、何も出来なかった初春こそが黒子と「一緒に強くなろう」と誓い合えたことを、佐天さん物語でも描かなくてはならなくて(相手が美琴になるか初春になるか。個人的には美琴で確定だと思っているけど)。
 そう考えていくと、1クールでは佐天さんを救うのに尺が足りないと思ったのです。前作『禁書目録<インデックス>』が2クールだったのだから、そりゃ今作も2クールでおかしくないんですけどね(笑)。


 今週のバトル描写は、第1話の神コンテに比べるとアップばっかりで面白味に欠けたかなぁ。コンテというか作画スケジュール上どうしようもないことなんでしょうけど。
 第1話であんなトンデモねえもん見せられたら、どうしてもアレと同じものを期待してしまうというかね。


※ 補足コメント
 若干テンション落ち目の第9話感想。
 まぁ……ここで書いたことへの回答は↓で思い知るワケなんで……ここは短めで。




<12月08日 22:30>
○ 第10話「サイレント・マジョリティ」感想
 泣きました。号泣しましたよ。感動しまくりでしたよ。
 個人的に“2009年のアニメ”のハイライトと言ってもイイ回でした。
 『けいおん!』12話→『かなめも』12~13話→???に代入される“最後の答え”がココにありました。もうこの時点で「2009年はいい年だったなぁ~」とまとめに入りたいくらいです(笑)。

 先週「佐天さんに感情移入出来ない」と書きましたが、モノの見事にスタッフの思惑通りのリアクションをしてしまっていて。掌の上から抜け出せない孫悟空の気分です。


 今週冒頭が「仲間達とレベルアッパーを使ってハシャいでいる佐天さん」→「レベルアッパーを拒否する初春」という流れだったように。
 先週から今週にかけて、佐天さんが「負」、初春・黒子・美琴が「正」と思われるように徹底して描かれていました。「レベルアッパーを使って暴れまくっている無法者」達のシーンを挿入したのもそういう意図だったんでしょうし(黒子に怪我させる意味ももちろんあるけど)。

 そりゃ視聴者としては「佐天さんって酷くね?」と思うし、「初春が可哀想だ」と思っちゃいますよね。



 でも、初春は佐天さんを見捨てなかった。


 道を踏み外してしまった親友を、周りを巻き込んでしまった“加害者”を
 怒ることもなく、見限ることもなく
 「私が救ってあげます!」と叫んだ。

 徹底して「負」として描かれた佐天さんを、それでも初春は「救ってあげます!」と叫んだ。大好きな、大切な親友のために、精一杯強がって―――

 「力があってもなくても、佐天さんは佐天さんです!」

 細部に渡って物凄く緻密に計算された脚本は“理屈”によって作られたストーリーだと思うのだけど……最後の最後には、豊崎愛生&伊藤かな恵という2009年を代表する若手二人に「さぁ!オマエら見せ場だぞ!」と任せてしまうという。

 “理屈”によって作られたストーリーだけど、“感情”によって演じられたからこそ、この台詞達が非常に胸を打ったんだろうと思います。凄いシーンでした。
 だからもう、Aパートが終わった時点で「あー、いいもん観たなぁ~」と大満足してしまいました。

 事件はちっとも解決してないけど(笑)。
 佐天さん、眠ったままなんだけど(笑)。


 ということで、Bパート以降は解決編へ。
 初春の花の伏線が張られたということは、とりあえず1クールであらかたの伏線は回収するんですかね。1クールでまとめられる可能性もまだありつつも……まぁイイや、この話は。
 佐天さんが真に救われるためにはもう一段階必要だと思っているのだけど、仮に佐天さん物語をこのまま終わらせたとしても、8話→10話の流れがパーフェクトだったから文句は一切ないです。


 美琴の決意に、真犯人の発覚、そしてとうとう初春の能力が明らかになりそうで―――と、盛り上がって参りました。“初春の能力”をポイントで使うのは難しそうなんですけどね。「レベル1止まり」という設定上の制約があるので。

 佐天さんを通して美琴が自分の不甲斐なさを感じるというのも、丁寧に描写してきた結果ですよ。傍から見ると「美琴は十分助け舟出してたよ」とは思うのだけど、でも「美琴は佐天さんを救えなかった」という結果は残ったワケで(救えたチャンスは沢山あった)。
 メインの流れは初春-佐天さんにありつつ、それでも美琴の存在を蔑ろにしないストーリー展開は凄いなぁと思います。


 真犯人の発覚やらレベルアッパーの仕組みやらの解答は、予想通りこれまでの細かい描写にありましたね。授業のシーンでうっすらと後ろで解説されていたこととか、8話の初春と佐天さんとの会話とか。


 “感情”サイドは、あくまで個々人を大事にするのに対して(8話で語られた「私だけの世界」うんぬんの話ね)。
 “理屈”サイドの象徴たる「レベルアッパー」は、個人をすっ飛ばして脳波を共有してしまおう→その方が強い力が出るのだから、そのために犠牲になる人(意識を失っちゃう人)がいても仕方ないよね、と。

 「レベルアッパー」は存在が示唆された3話辺りでは、“理屈”で固められた学園都市のアンチテーゼとして描かれると思っていたのですが。
 思想的には、個人個人を管理してしまおうという学園都市の“理屈”の延長線上にあって。ゲスな言葉を使うなら、「落ちこぼれも有効活用してやるのが理想の社会」みたいな究極の思想で。
 実際、世の中もそうやって回っているところはありますし。合理性を突き詰めていくとそういう結果になるのかも知れませんが。

 だけど、
 だけど、“感情”サイドはそうは言わない。

 初春は「佐天さんは欠陥品なんかじゃありません!」と言った。
 どんなに弱くたって、ちっとも合理的じゃなくたって、道を踏み外してしまうことがあったって、人を救えるのは“個人の想い”なんだ―――この作品はそれを描いてきました。
 初春のあの台詞は“この作品が大切にしてきたこと”なんです。


 いやーホント素晴らしかった。度肝抜かれました。
 自分はこの作品が大好きなんだと身に染みて思いました。


※ 補足コメント
 第9話で感じた「しっくり来ない」感は全てこのためだったのか。
 いや、冷静になれば「そりゃ初春は佐天さんを救うでしょ」と思うんだけどさ。9話で散々「佐天さん酷いよね」と思い込まされた分、10話で全部ひっくり返されたのに大感動したワケです。凄いなー、ホントこの回は震え上がりましたよ。序盤から緻密に佐天さんの内面を描いてきたからこそ、ここのシーンが活きるんだよなぁ。勉強になります。

 『けいおん!』→『かなめも』の流れ話で言うと。
 初春も8話の時点では「私もまだ旅の途中」「成し遂げられなくたって良いじゃない」というスタンスだったと思うのですが(もちろん事件解決には必死だったんだけど)、佐天さんを失ったことで「成し遂げなくてはならない」必死さを覚えたんだと思います。
 12話の「私もジャッジメントなんだから…!」の台詞に感じるように、「人にはいつか戦わなくてはならない場所がある」ことを描いたのかなと……そして、それは2クール目以降の佐天さんにも言える話なんだろうなと。




<12月17日 21:27>
○ 第11話「木山せんせい」感想
 このアニメ、Aパート終了時にその回のサブタイトルが出るという珍しい構成になっているのですけど。今回はそれがバッチリとハマって、凄く効果的だったと思います。あれだけの死闘の後に「木山せんせい」というサブタイトルを見せられてしまっては。もう泣くしかないじゃないか!!


 自分でも「うわー、Bパートまでも持たなかったよ。俺の涙腺」と、呆れました(笑)。


 Aパートは美琴vs木山の頂上決戦。
 この作品って「“感情”は“理屈”に負けない」という一本のテーマがあるため、「勝つに決まっている」と描かれた方が負けるんですよね(笑)。
 余裕ぶっこいていたアンチスキルが一瞬で敗れるのも、複数の能力を使いこなして美琴を圧倒した木山が1ミスで敗れるのも。当然なことというか。

 しかし、そこまでの過程の見せ方は非常に面白く。
 今回、美琴が使った能力は4話や8話で既に出てきた使い方なんですよね。
 美琴は“作中最強キャラ”とも言える設定ですから、「彼女の本気の実力」を前以って見せるのは難しいのですけど。上条当麻という“更に反則的能力”キャラのおかげでソレを予め見せておけたという。

 2話とか4話とか、最初観た時は「今週はイマイチだったかな」と思ったのだけど、振り返ってみるとちゃんと布石になっているというのがスゴイと思いますわ。


 Bパートは木山の過去編。
 「おぉっ!しゅがりんの声だ!」と驚いたのも束の間、まさかのカチューシャ&オデコ全開キャラで吹きました。

 ね、狙っているのかコレは。
 「おかっぱ声優」や「ポニーテール声優」のように、「オデコ声優」としての地位を確立していくのか。<そんなにキャラ数いなくね?


 “理屈”サイドにいた木山に“感情”を教えた子ども達。
 この後の木山を知っている身としては「お誕生日おめでとう」のシーンでまたしても号泣(笑)。幾らなんでも涙腺どうかしているだろう。

 “理屈”サイドの極みのようなレベルアッパーを作ったその目的は、あくまで“感情”でもって子ども達を救いたかったという。

 ふーむ。
 ということで、ここで同じ場所に味方側のキャラが二人(美琴と初春)いることが活きてきそうな予感。


 そもそも“ジャッジメント”というのは異質な存在だよね、と思うのである。
 仕組みやら何やらはアンチスキルなどの“理屈”サイド=学園都市側と大して変わらないのに。ここまでの話で、物凄く“感情”で動いていることが強調されて描かれていると思うんですよ。
 5話のチビ黒子&チビ初春の話もそうだし、6話のカバン探しを総力挙げてやっていたこととか、身を挺して爆弾から一般人を守ったとことか。今回、先輩が美琴を信用して任せたこともそうか。

 “理屈”では通らないようなことをやっていて。
 でも、そうして一人一人の“感情”を集結させることの意味がそこにはあると描いているんじゃないかと思うのです。


 木山は立派な“感情”で動いたのだけど、自分一人で考えて、一人一人の“感情”をすっ飛ばして脳を掌握してしまい。それは「子ども達を見捨てた」学園都市上層部とそんなに違わなくない?というところで、いよいよもって初春がここにいる意味が描かれるのかなと。

 こと前線においては、初春は「作中最弱キャラ」とも言えるので。
 「“感情”は“理屈”に負けない」論理で言えば、初春の使い方こそがこの作品の前半の山場になるんじゃないかとずっと期待していました。さあ!どうなる!


※ 補足コメント
 “感情”vs“理屈”による最終決戦。
 木山の過去は「よし!泣け!」という話でしたし、そりゃ子ども出せば泣くよね的な、一歩退いた目で見ることも出来るんですけど。“理屈”で生き続けてきた木山が、子ども達との触れ合いで“感情”を手に入れる描写が素晴らしくよく出来ていただけにそれだけで号泣というか(笑)。

 また、しゅがりんって「何も考えていなさそうな」演技が上手いんだ。





<12月22日 21:43>
○ 第12話「AIMバースト」感想
 恐らく全24話だろうから、ちょうど前半分で一区切りですね。
 レベルアッパー編の完結、及び2クール目への伏線張り……と、見事なまでに走り抜けました。2クール目にも期待していますよ!


 初春の能力は結局明らかになりませんでしたね。
 自分の予想は外れたけど、自分の予想よりも遥かに面白くて完成度の高い脚本だったのでグゥの音も出ませんでした(笑)。

 初春に関しては10話で既に彼女の“感情”を描ききっている分、そこは軽めで。
 アンチスキルの二人組が、“感情”で街を救ったのに加え。初めて対峙する“感情”の塊ともなる敵の思念体に戸惑いつつ、だからこそ最後に優しく葬り去った美琴のカッコイイことカッコイイこと。

 「佐天さんを救えなかった美琴」というこれまでの細かい描写は、ここで美琴に「諦めないで」「もう1度頑張ろうよ」と言わせるためだったのか。


 初春→佐天さんは10話で描ききっちゃっていたけど、美琴→レベルアッパーを使った人達(佐天さん含む)はここまで取っておいたという。見事すぎる構成。

 “理屈”vs“感情”(11話)はあくまで前哨戦でしかなく、
 レベルアッパー編の締め(12話)は“感情”vs“感情”になっていたというのが熱いですし。敵が「これまでの登場人物一人一人の感情の集まり」なのに対して、こちらが「それらを全て認めて肯定してしまう美琴」というのがまた熱いんだ。

 この展開を描けたのも全部「佐天さんが道を誤ったから」であって。
 あの頃は「鬱展開に飛び込むほどの覚悟があるのか」とか書いちゃったけど、飛び込んだだけのことはある素晴らしい話を見せてもらいましたよ。



 画面構成もひたすら凄かったです。1クールの最後を締めくくるに相応しい出来。
 コンテは福田道生さんか。流石に“コンテ職人”の異名は伊達じゃねえ。
 最後の最後にレールガンを使うってのもニクイよなぁ……やっていることは、敵の攻撃→破壊→再生→敵の攻撃というループなのに絵の見せ方が楽しいから飽きが来ない……というのは流石に信者発言すぎるか?


 佐天「私、もう少しで能力なんかよりずっと大切なものをなくすところだった……」

 この台詞のためにここまでの1クールがあったと言っても良いエピローグでした。
 台詞にするまでもないことかも知れないけど、この台詞があって初めて完結するとも思うのです。
 美琴と黒子のエピソードは2話で描かれたし、黒子と初春のエピソードは5話で描かれました。でも、佐天さんだけはそれがなかったんですよね。設定上“初春の友人”ではあったけど、本当の意味では誰とも繋がれていなくて。1クールまるまるかけて、初めて本当に“初春の友人”になったのだと思いました。


 能力自体は大したことがない初春が「諦めない」心で学園都市を救ったように、レベルアッパーを使ってしまった人達も、いつか―――と、未来に希望を見せてレベルアッパー編完結。
 良いものを見せてもらいました。御見事でした。


 さぁ、そして2クール目。
 話によると原作コミックス準拠はここまでで、ここから先はオリジナルみたいな噂を聞きました。自分はアニメを観終わるまで原作に手出さない主義なので、その辺は全部終わってから確認しようかなと。

 この作品は『とある魔術の禁書目録<インデックス>』ありきの作品ですから、学園都市の闇の部分にはどこまで踏み込んで描くんでしょうね?
 初春の能力&花飾り、アンチスキルとジャッジメントの共闘、光子の存在意義は一体、今週出てきたcv.大原さやかは明らかに悪そうなカンジだったけど何者なのか
・……などなど、細かい伏線は残っていますねー。

 当然「諦めない」ことを知った佐天さん物語の後編が2クール目の目玉か。
 そういや8話に出てきたアネゴ(cv.浅野真澄)ってレベルアッパーを使っていなかったんですかね。今日の思念の中にはいなかったように思うのですが。だとすると、何かの伏線?


※ 補足コメント
 AIMバーストvs美琴のコンテは凄まじかったなー、な第12話。
 結局のところ、レベルアッパー編で描かれたものって「美琴が佐天さん(達)に、もう1度頑張ろうよと言えるようになる」というただそれだけのシンプルなものだったのかなと思います。「美琴が佐天さんを理解する」でもイイか。
 第1話で「佐天さんが美琴を理解した」ことの裏っ返しを、1クールまるまる使って行ったというか。
 2話とか7話とかでは、自分のレベルを気にしている佐天さんに対して、美琴は苦笑いしか出来ていなくて。9話では「レベルなんて気にすることじゃないよ」とか言っちゃって。でもそれは、「そうだよね。私と貴女は違うものね」と言っているのと変わらなくて。

 レベルアッパー編で描きたかったものは。
 「出来なくたってイイじゃない」ではなくて、「失敗したってまた頑張ればイイじゃない」だったんだなと。この二つは似ているようで全然違うってことを描いたんだと思います。

 だからこの作品、道を誤ってしまった人達を否定しないんですよ。今まで倒してきた悪役にまで救いの手を差し伸べ、たった1回の失敗で人間の価値は下がらないよ、と語っているのです。
 だから、こんなにも自分の心を打つ作品になったのかもですね。




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 想像以上に長かったです。
 「コピペするだけだからお手軽な記事だな!」とお思いの人もいらっしゃるかと思いますが、一応自分で全部読み返して補足コメントをしているので……「こんなはずじゃなかった!」「もっとお手軽な記事になると思ったのに!」と後悔しました。“お思い”だったのは俺か。


 いや、でもこうして「思うがままに書いた文章」もまとめて読むと意味があるように思えますね。
 自分でも「この時の自分、こんなこと思っていたんだ」と驚きますから。これからもチョクチョクこういうことをやっていけたらなと思います。ではでは。


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| | 2015/02/05 23:39 | |















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