やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

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「ゲーム+インターネット=オンライン対戦&協力」だけなんて勿体ない!

 まず前提として―――
 日本では「ゲーム機をインターネットに繋ぐ人」と「ゲーム機をインターネットに繋がない人」では後者の方が多いと思われます。

 一例としてWiiを挙げると―――2009年10月の任天堂決算説明会で岩田社長が「Wiiのネット接続率は35%前後」とコメントしています。Wiiの現在の普及台数は900~1000万台なので分かりやすく1000万台と考えれば、Wiiをネットに繋いでいる世帯は350万世帯となりますよね。
 350万って『Wii Fit』の売上げと同じくらいなんですよ。『Plus』のボード同梱版を買った人もいるでしょうから、Wiiをネットに繋いでいる人よりもバランスWiiボードを持っている人の方が多いんです。


 「それはWiiだからだろ」と思われるかも知れませんが……。
 PS3やXbox360のネット接続率は調べても分からなかったのですけど(データ持っている人はソースを教えて下さるとありがたい!)、普及台数から考えるに350万を超えるほどじゃないでしょうし。現在国内で最も普及しているゲーム機:ニンテンドーDSの接続率は30%に届かないという話です。推測に推測を重ねていくだけですけど、やっぱり日本では「ゲーム機をインターネットに繋がない人」の方が多いんじゃないかと思うのですよ。


 参考記事。
 Wiiのネット接続率について、岩田社長「ざっくり言うと35%前後」N-Wii.netさん)




 いや、過半数がどっちかというのはあまり重要じゃないですね。
 今日の記事の中では思い切って「ゲーム機をインターネットに繋ぐ人」と「ゲーム機をインターネットに繋がない人」の割合が5:5だと仮定して、そうした半数の「ゲーム機をインターネットに繋がない人」に今後インターネットに繋いでもらうためにはどうしたらイイのかを考えていこうと思います。

 この辺の話ってインターネット上だとあまり賛同を得られないでしょうけど。
 自分は、日本で据置ゲーム機市場が縮小した原因の一つ(20コくらいある内の1つ)に「半数のユーザーが望んでもいなかった“オンライン対応”をセールスポイントにしてしまったから」があると思っています―――


 こういうことをブログに書くと、「そんなことはない!みんなゲーム機をインターネットに繋ぎたいはずだ!」と言われちゃうんですけどさ。そりゃ、インターネット上でゲームについて熱く語っている人はそういう人が多いでしょうよ。でも、そういう人ばかりじゃないですよね。

 FPSの議論とかでも「どうしてこんなに面白いゲームが日本では売れないんだ!」と言われるじゃないですか。「オンライン対戦や協力プレイが超楽しいのに!」って言われるじゃないですか。半数の人がネットに繋いですらいない現状で言うのかソレを。





 早めに今日の主題を書いておきます。
 「半数のユーザーがインターネットには繋いでいない」のは、「ゲーム機をインターネットに繋ぐメリットを感じていない」からです。現状で打ち出されているオンライン対応ゲームソフトでは、ゲーム機をインターネットに繋ぐだけのキラーコンテンツになっていないんだと思うのです。

 既に「インターネットに繋いでいる半数の人」は現状でも魅力は感じるでしょう。自分も含め。
 ただ、まだ「インターネットに繋いでいない半数の人」は魅力を感じていないと思うんですよ。そういう人達に対して「日本人は閉鎖的だ」とか「ゲームらしいゲームがどうの」みたいなことを言って、挙句の果てには「こんなに面白いものに魅力を感じないアナタ達はおかしい!」とまで言っちゃう人もいるじゃないですか。


 何故、魅力を感じないのか?という最も重要なポイントを無視して。
 ウチのブログだとWiiの話題をすることが多いですけど、Wiiに限った話じゃないですよ。日本で最も売れた「インターネットに繋がないと大幅に魅力が欠けるゲーム」って『モンスターハンター3』だと思いますよ(『スマブラX』とか『マリカWii』はオフライン対戦があるからこそ売れたのだと)。
 大体90万本くらい。「インターネットに繋がないと大幅に魅力が欠けるゲーム」って、そんな市場規模でしかないと思うんですよ。



 この話を書こうとずっと暖めていたタイミングで、
 先日まさかの『モンスターハンターフロンティア』のXbox360版が発表されまして。

 僕はずっと「日本でPSPを持ち寄って遊ぶ『モンハン』が大ヒットして、自宅同士をオンラインで繋げるXbox360が流行らない理由は表裏一体じゃないか」と書いてきまして。
 Wiiの『モンハン3』がミリオンまで行かなかったことも“自宅同士をオンラインで繋げる”ゲームが市場に受け入れられなかった証明だと思うんですけど、それを書くと「いや!悪いのはWiiだ!」と全責任をWiiユーザーに押し付けられて(笑)。


 マイクロソフトの思惑は別として、
 カプコンとしては“それ”を見定めたいと思っているんじゃないかと思うのです。日本に“自宅同士をオンラインで繋げるゲーム”の需要はどれくらいあるのか?『モンハン3』の売上げは「Wiiだから」だったのかを確認したいんじゃないかと踏んでいます。


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○ 「リアルタイムで繋がる」のか「情報を蓄積させる」のか
 「ゲーム機をインターネットに繋ぐ」ことを考える前に、一つイメージの訓練をしてみましょう―――


 「パソコンをインターネットに繋ぐと何が出来るの?」と、デジタルなことなんて何も知らない88歳のおばあちゃんに訊かれた場合どう答えますか?その88歳のおばあちゃんにせがんでパソコンを買ってもらう13歳の孫だと自分を想定して、何と答えますか?

 「ホームページを見て調べものができるんだよ」
 「メールがあれば遠くの人とも連絡が取れるんだよ」
 「チャットで沢山の人と同時に喋れるんだよ」
 「インターネットで聴けるラジオなんかもあるんだよ」

 うん。今の時代ならパソコンじゃないものでも出来そうですね(笑)。
 でも、自分が初めてパソコンを買うか悩んでいた90年代後半って、インターネットってこういう“未知のもの”だったんですよ。インターネットってホントに便利なの?みたいなところから始まったんです。



 ゲームのオンライン対戦やオンライン協力プレイって、「チャット」に近いと思うんです。

 唐突に今日一番のキーワードを発表しました。
 つまり「情報の発信者」と「情報の受信者」をインターネットで繋げてリアルタイムにやり取りをさせてしまうという仕組み。どちらも「せーの!」でパソコンの前に座っていないといけませんよね。「俺は23時からチャットするわー」「じゃあオイラは25時から入るわ」だと、2時間待たされるワケですよね。


 他は全部違うんです。
 喩えばホームページ―――僕が今日の23時にホームページを更新したとします。超面白い漫画を描いたので「コレをみんなにも読ませたいぜー!」とアップしたとします。僕が削除しない限り、明日でも明後日でも1週間後でも1ヵ月後でも見てもらえるんです。

 ブログもそう。今日の18時に更新した記事は、22時でも23時でも1週間後でも読めるんですよ。
 (加えて“予約投稿”もあるから、更新時間にパソコンの前にいなくても平気)。

 メールもそうですよね。「電話よりもメールの方が気楽」というのは、その瞬間にリアルタイムで繋がる必要はなくて。「後で見る」「後で返信する」ことが出来るからです。


 情報は“蓄積”されて、その瞬間にインターネットに繋がっていなくても後から受け取ることが出来る―――
 まー、厳密に言えばチャットの会話もサーバーには蓄積されるんですけど。そこは置いといて。
 詳しくは違う機会で語りますが、Twitterも“蓄積”されることに一つの魅力があるのかなと思います。言ってしまえば「後からでも返信できるチャット」。ザックリ言い過ぎかな。見方を変えると「リアルタイムに繋がれるブログ」とも言えるか。




 つまりね。
 「ゲーム機をインターネットに繋ぐと出来ること」でオンライン対戦やオンライン協力プレイをまず最初に挙げられるのって、「パソコンをインターネットに繋ぐと出来ること」で最初にチャットを挙げられるような感覚なんですよ。リアルタイムに繋がることで起こるメリット。
 そこをみんなが望んでいると思うなよ、と言いたい。

 もちろん「誰も望んでいない」ワケじゃないですよ。
 でも、望んでいる人はあらかた享受した上で、現状の「半数はインターネットに繋いでいない」接続率だと思うのです。ゲーム機のネット接続率をもっと上げたいのなら、「チャット」的な使い方だけではなく、「ブログ」的とか「メール」的とか「Twitter」的な使い方をアピールしていくべきと思うのです。



 情報を“蓄積”させることで起こる新たな可能性。

 当然ゲーム会社の人は僕なんかよりもよっぽどゲームのことを真剣に考えていますから、そういうサービスは既に沢山あります。『バンブラDX』とか『リトルビッグプラネット』で誰かが作った曲やステージをネット経由で受け取れるとか、『Miiコンテストチャンネル』で見つけた有名人のMiiを持ち帰ってゲームで使えるとかは分かりやすい例。ブログを読むのに近い感覚ですかね。

 トロステーションはWEBラジオとか番組配信みたいなカンジですし。Wiiの間は言うまでもなく。

 『みんなで投票チャンネル』なんかも「1週間の間の好きな時に投票してください」と、1週間という“リアルタイム”な時間の間に情報を“蓄積”させる使い方で。「Twitter」的なのかもなーと思ったりします。

 Xbox360のオンライン機能を「Twitter」的と表現する人もいるんですけど、自分としては「メッセンジャー」とかに近い印象を持っています。やったことないから偉そうなこと言えないんですけど。“情報の蓄積”よりも“リアルタイムに繋がる”ことに主がある印象。




 「ゲーム機をインターネットに繋がない人」ってこういうサービスをあまり知らないんじゃないかと思うのです。
 オンライン対戦とかオンライン協力プレイとかMMORPGみたいなものはイメージできても、こういうサービスはなかなかイメージしづらい。だってそうですよ。「インターネットに繋がないと享受できない遊び」を、インターネットに繋いでいない人にイメージしろって言ったって難しいですよ。


 じゃー、任天堂さんCMの大量投下の出番ですよ!と言いたいがそんなに簡単な話じゃないです。
 これまでにも何度も任天堂は「Wiiをインターネットに繋ぐと出来ること」みたいなCMを展開しましたし、NTTと提携したりと「ネット接続率を上げる努力」をしたんですけど―――喩えば『Miiコンテストチャンネル』のCMって、『Miiコンテストチャンネル』の魅力を伝えられないんですよ。


 『Miiコンテストチャンネル』の面白さって、芸能人とか漫画のキャラとかがゴソッと広場に並んでいるところにあるので。ぶっちゃけ肖像権や著作権の侵害ですよね。だから、CMではそういう人達のMiiを映さないようにしなくてはなりません。
 言ってしまえば、インターネットの魅力ってそういうところにあるワケです。胡散臭かったり、下世話だったり、大人気なかったり。行儀の悪いものが沢山並んでいて、でもそういうものの方が実は人間臭くて面白いよねって魅力なんだと思うのです。


 でも、それはTVCMではなかなか認知させていけない。




 Wiiの話を続けますと―――
 『NewマリオWii』『Wii Sports Resort』『Wii Fit Plus』といった昨年の任天堂ミリオンタイトル3本は全てオンライン非対応のソフトです。Wiiユーザーの65%はネットに繋いでいないのですから、オンライン非対応はむしろ多数派のタメなんです。

 もう、コレで良いんじゃね?と思わなくもない(笑)。


 「ゲーム機をインターネットに繋ぐ人」と「ゲーム機をインターネットに繋がない人」。
 そりゃメーカーは「繋ぐ人」を増やしたいと思うんですよ。Wiiウェアとか売っていきたいんでしょうし。でも、ユーザーは必ずしもそうではないですよね。メーカーの思惑なんか知ったこっちゃないんですよ。


 オンライン対戦とかオンライン協力とかソフトのダウンロード販売だけじゃなくて、僕なんかじゃ予想も出来ない「ゲーム+インターネット=???」の部分を作り出せない限りコレ以上は「ゲーム機をインターネットに繋ぐ人」の割合は増えないと思います。その部分を誰かが考えられるのか、誰も考えられないのかが―――ここから先のゲーム業界の焦点じゃないかなぁと予想しておきます。


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| ゲーム雑記 | 18:30 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

他の国ではどうかわかりませんが、日本人って多分パソコンでネットをしてるひとより
全然携帯電話でネットをしてる人のほうが多いと思います。
余計な設定なしで最初から繋がるようになってますから。
岩田社長も言ってましたが、キンドルがそういう意味では興味深いです。
ネットの通信料を全部アマゾンが負担してユーザーにかかる負担は0という。
でもこれでは収益が上がっているわけではないらしいので
ここら辺が解決されて全くユーザーに負担なしで何の設定もいらず
すぐ携帯電話のようにネットに繋がるゲーム機が出来たら
ネット接続率の低さは劇的に改善されるでしょう。
逆にそのくらいじゃないとネット周りはややこしいと感じるひとが
まだまだ少なくないですから当面厳しい状態が続くと思います。

| naru | 2010/01/28 20:00 | URL | ≫ EDIT

一番大事なのは「いかにオモシロイものを作るか」ではなくて「受け手側の楽しむ能力」なんだとこの頃思います.
例えば,サッカー.
僕は,オフサイドとかサッカーのルールも良く知らなかったり,どんな選手がいるか知らなかったり,どんなチームがあるのか知らなかったり・・・・「サッカーを楽しむ能力」が低いんです.
で,その「サッカーを楽しむ能力」を伸ばすことも放棄してるわけで.
だからスゴい選手がいたとしても「ああ,名前と顔ぐらい見たことあるね」ぐらいのレベルだったり.
「サッカーを楽しむ能力」が伸びれば試合を観戦しにチケット買ったり,サッカーボールやスパイクを買ったりする「消費者」になるわけで,僕はサッカーが楽しめるようになっておトク,供給する側は儲かっておトク,となるわけですが,そう簡単には実現しません.
誰かが頭を下げて「サッカーを楽しむ能力を上げてください!」と頼んできても,ムリなわけです.
新しいことを覚えるのにはそれだけエネルギーや時間が必要なわけで.
ネットに関しても同じで受け手側の「ネットを活用して楽しむ能力」が一番重要だと思います.

「オモシロイものを作ればそれでOK」という考え方はハズレることがあります.
DSやWiiが成功したのは今まで「ゲームを楽しむ能力」に欠けていた受け手側の人に「これなら楽しめるかも」と思わせて「楽しむ能力を伸ばす」モチベーションを上げたからで,シリーズものが売れ続けるのは「前作を楽しめる能力」があった人に強く訴求できること+周囲の人に「続編が出るくらい売れてるんだからオレにも楽しめるかもな」と思わせるからだとこのごろ思うようになりました.

えー結局何が言いたいかというと,「ゲーム機をネットにつないで楽しむ能力を持った人ってそんなに多くないから,ムダだったよね,据え置き機衰退の原因の一つだよね」というのはわかるんですが…僕がサッカー好きの人間だったとして「サッカー楽しめる人ってあんまり多くないから各地に競技場作ったりサッカーボール作ったのってムダだったよね」と言われてる風に感じちゃって「そんな寂しいこというなよ(´・ω・`) これから楽しめる人口がもっと増えるんだから・・・」と思っちゃったわけです.

| kyu-zero | 2010/01/30 23:13 | URL |















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