やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

ライトゲーマーはわがままだ

 自分は「コアゲーマー」「ライトゲーマー」という言葉が好きじゃありませんでした。
 定義が曖昧なまま“何となく”使われているにも関わらず、「ライトゲーマーのせいでゲーム業界はダメになったんだ」みたいなスケープゴートに利用されたりする。「よく分からないものに責任を背負わせて理解した気になる」、そんなの「天狗の仕業だ」と言っているのと大差ないじゃないか、と思っていました。

(関連記事:「コアゲーマー」の定義は発言者の立場によって異なるんじゃないか



 ただ、現実問題としてどんな分野にも「コアなファン」「ライトなファン」がいるのも確か。
 先日まで行われていたサッカーのW杯で、「コアなサッカーファン」「ライトなサッカーファン」が一緒になって試合を観ているという現象が起こっていて色々と考えさせられました。ゲームとサッカーに限らず、小説でも映画でも音楽でも「コアなファン」「ライトなファン」には分かれてしまいますよね。どんな分野だってそうなんです。

 「コアなサッカーファン」な人が「ライトな音楽ファン」だったりするように、誰もがみな「コアに好きな分野」「ライトに好きな分野」を内包しているのだと考えれば―――自分以外の立場の人間もそれほど大差がない存在だと思えるんじゃないでしょうか。敵視する必要も、恐れる必要もないだろうと。



 では、「コアなファン」「ライトなファン」の定義って何よ?

 定義が曖昧なまま語っているとフワフワした記事になってしまうので、最初に自分が思う定義を書いておきます。んで、この記事においてはその定義に基づいた話をしようと思っています。


 コレ……自分が「ライトなファン」の分野を考えると分かりやすいんですけど。

・「ある特定のものにしか手を出さない」のがライトなファン
・「色んなものに手を出せる」のがコアなファン



 W杯しかサッカーを観ない人は「ライトなサッカーファン」で、普段からサッカーにアンテナを伸ばしていてJリーグ・海外リーグ・年代別代表・高校サッカー・中学サッカーなどなどエトセトラなサッカー情報を積極的に得ようとするのが「コアなサッカーファン」。

 まー、この定義だと「コアなサッカーファン」は超少数の人間しかいなくなっちゃいますけど(笑)。
 「Jリーグもチェックする」「海外リーグもチェックする」「サッカー雑誌も買っちゃう」くらいならば十分、「色んなものに手を出せる」コアなサッカーファンになると思うんです。


 小説でも映画でも音楽でもそうですよね。
 「コアなファン」というのは色んなものに手を出して、色んなものを知っている人が多い。逆に「ライトなファン」というのは話題になっているもの・ベストセラーになっているものにだけ手を出して満足する人が多い―――こう考えてみると、「コアなファン」「ライトなファン」の区分はしっくり来るんです。




 でも、コレを“ゲーム”に当てはめるとどうでしょうね?

 アナタは御自分のことを「コアなゲームファンだ」と言えますか?


2010 FIFA ワールドカップ 南アフリカ オフィシャル Blu-ray  大会のすべて ≪総集編≫2010 FIFA ワールドカップ 南アフリカ オフィシャル Blu-ray 大会のすべて ≪総集編≫
スポーツ

キングレコード 2010-11-10
売り上げランキング : 1086

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

○ 母にゲームを薦める話
 『脳トレ』を買った2006年以降、母親にゲームを薦めることが多くなりました。
 1本のゲームを買う際、「自分しか遊ばない」のか「自分以外も遊ぶ」のかによって、同じ値段でも「元を取った」感覚が違うよなーと新たな判断基準になっている部分があります。この辺の目論見は、以前に任天堂の岩田社長も仰っていましたね(家族をゲームに巻き込むと家族“も”遊べるゲームが選ばれるようになる)。


 ただ……母親は「脳トレでゲームを始めた人間」なので、“遊べるゲーム”がとても少ないんです。


・アクション要素があると、指が追いつかないので即NG
・コマンド式RPGは『ドラクエ9』と比較して「何これショボイ」扱い
・せわしないゲームは「疲れるからイヤだ」
・情報量が多いゲームは「難しい」
・頭を使うゲームもイヤ
・アドベンチャーゲームは「同じ文章を何度も読まされてつまんない」
・そもそもストーリーを追うのが好きではない


 ゲームがどうこう以前に、世界に対しての興味が希薄なのである。
 3DSが発表される前『nintendogs』とかどうかなーと思ってさり気なく聞いてみたのですが、「犬とか育てて何が面白いの」と一蹴。『ぶつ森』『ドラクエ9』で着替えが好きだったのだからと、『ガールズモード』や『トモコレ』を薦めても興味なし。

 じゃーずっと同じゲームの続編をやればイイじゃないかと言うと、熱しやすく冷めやすい人なので。『どうぶつの森』はDS・Wiiで何百時間もやったから「もうやりたくない」、『レイトン教授』も「1本でお腹いっぱい」、『Wii Fit』も「体重増えているかも知れないからもう出来ない」――――

 まー、なんつーかこの辺は親子ですよね(笑)



 言っておきますけど、母は「ゲームが嫌い」ではないんですよ。
 「ゲームやりたいなぁ」と日々言っているんです。
 「でも、ゲームが沢山ありすぎて、自分が出来そうなゲームがどれなのか分からないんだよ」と嘆いているのです。上の条件で弾いていくと出来るゲームなんか残らねえよ、と思わなくもないのですが……こうやって「ゲームは好き」「でも自分に出来るゲームが分からない」って人はいっぱいいるんだろうなって思うのです。



 だって、この話……
 別にウチの母親に限ったことでもないですもの。



○ 「自分に向かないゲーム」
 自分も“苦手なゲーム”は山ほどあります。

・レースゲームは何が楽しいのか分からない(他人より速く走ることに興味がない)
・“タイミングを合わせてAボタン”が出来ない(リズム感が皆無)
・文化としては好きだけどゲームとしてはギャルゲーは苦手(ほぼ孤独エンドで終わる) 
・原稿中はWiiリモコンを振るゲームが出来ない(肘痛くなっちゃう)
・スティックで照準あわせとか神の領域だと思う(体験版の最初の敵にフルボッコ)


 あと、かつては「3Dアクション」「アナログスティックを使うゲーム」が出来ませんでした。
 『マリオギャラクシー』でその苦手意識を克服しましたけどね。


 これを書くと「ゲームに向かないから辞めれば?」とまた言われるんでしょうけど、いやいやいやコレに当てはまらないゲームなんて世の中に沢山ありますよ。「自分に向かないゲーム」に手を出さなくても、楽しいゲームライフは送れるんです。



 母と自分が違うのは、「ストライクゾーンの広さ」と「自分に向いたゲームを探す経験」の二点だけ。
 母も自分も、ゲームに対して「アレが出来ない」「コレが出来ない」とわがままなんですよ。そういう意味ではどっちも「ライトなゲームファン」に違いはありませんし。多分、一生かかっても「コアなゲームファン」にはなれません。




 そもそも、「色んなものに手を出せる」コアなゲームファンなんてどれだけの人数いるんでしょう?

 みな、多かれ少なかれ「出来ないもの」「興味がないもの」「手を出さないもの」があると思うんですよ。ゲームって1本買うと何十時間と遊べちゃいますし、高価ですし、ながらではやりにくいですし、他の趣味に比べて「色んなものに手を出せる」ハードルが高いと思うんです。
 自分の友達のゲーム好きもやっぱり「好きなジャンル」があったり、「好きなシリーズ」があったり、「話題になっているゲーム」をチェックしたりという人達ばかりです。それが普通だと思うんです。


 自称“俺達コアゲーマー”の人の中にだって、新規軸のゲームを「あんなのはゲームじゃない」とやる前から切り捨てる人がいるじゃないですか。「アクションゲームなんて出来ない」と切り捨てているウチの母と何が違うのか……


 まぁ、この話をするとまた“ゲームらしいゲーム”の話になっちゃうので控えますけど(笑)。


 自分は、大多数のゲーム好きは「わがままな」ライトなゲームファンだし、
 ゲームというメディアの特性上それが当然のことだし、
 「色んなものに手を出せる」コアなゲームファンへの幻想は危険だ
と思っています。


 RPGを買うのは「コアゲーマー」じゃなくて「RPGが好きな人」だし、
 FPSを買うのは「コアゲーマー」じゃなくて「FPSが好きな人」だと思うんですよ。



 もちろん「RPGが好き」で「FPSが好き」で「シミュレーションが好き」で「格ゲーが好き」な人もいるでしょうけど、その人が一方で「RTSは苦手」とか「パズルゲームはちょっと…」とか「アドベンチャーゲームやるくらいなら映画観るよ」って考えだったりするワケですよ―――(もちろんコレは一例ね)


 「コアゲーマー」という言葉に万能性という幻想を抱くと、問題から目を背けてしまうんじゃなかろうか。
 それこそ「天狗の仕業」にして問題から目を逸らしているのと一緒で。

 みんな、それぞれが「自分にとって向いているゲーム」を選ぶだけだと思うんです。
 認知された上で選ばれないということは「自分には向いていない」とどこかで思われているってことだと思うんです。


花札 天狗 (赤)花札 天狗 (赤)

任天堂
売り上げランキング : 6200

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

○ 余談
 ちなみに、ウチの母親―――現在は兄貴に借りたDS版『ドラクエ5』をプレイ中です。
 『ドラクエ9』後、『レイトン教授』や『パネルでポン』などを経たことでいい具合に「やっぱドラクエ面白いな」と思えることが出来たみたいです。

 しかし、コレだけ「わがまま」で「出来るゲームが少ない」母親が、ドラクエは一切の文句を言わずに大絶賛なんだから……すげえものです。他のRPGを薦めた時は「何これショボイ」扱いだったのに、『ドラクエ5』はそこも味になってしまうというか。これが国民的ゲームの力なのか。


 あとまぁ、地味に『ドラクエ』って毎回目玉のシステムは違うんですよね。
 変わらない部分は大切にしつつ、『9』は転職とスキルシステム、『5』は魔物を仲間にするシステムと、全く違う楽しみがあることで比較対象にならないことが楽しめている要因なのかなと傍から見て思いました。長く人気のあるシリーズってやっぱり凄いですね(自分は『ドラクエ』より『FF』派だったので、『ドラクエ』の凄さを甘く見てました)。


アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストV 天空の花嫁アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストV 天空の花嫁

スクウェア・エニックス 2010-03-04
売り上げランキング : 867

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| ゲーム雑記 | 17:55 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

ライトゲーマーは「(ゲームに対して)わがままな人」だとすると、コアゲーマーは「(ゲームをプレイすることに関して)我慢強い人」ということになるんでしょうか。 自分に合わないゲームでも一応買って、最後まで全部やってみる的な。
しかしそうすると“自分の好きなゲームしかやらない”人は皆ライトゲーマーになってしまうよなあ…うむむ。

そもそも自分のことをコアなゲーマーだと言う人も、ライトゲーマーだった時期が必ずあった筈ですから、どれ位ゲームをやりこんだら「ライト」から「コア」へレベルアップ(?)出来るものなんでしょうね?
誰が最初に「ライトゲーマー」と言う言葉を作ったのかは解りませんが、かなり基準は曖昧なような^^;

| じぇふ茶 | 2010/07/17 01:29 | URL | ≫ EDIT

俺としては

ライト=情報に対して受け身で話題になっているなどで興味を引いたら買う<情報を自分で得て取捨選択してやる<とりあえずやる=コア

かなぁ、と思っています。

ちなみに「ゲームらしいゲーム」しかしない人をコアだとは全く思いません。
ゲーム機でできる遊びがゲームらしくないってなんでしょう?
方向性の違いだけでれっきとしたゲームでしょうに。
個人的趣向でやらないのは自由ですがコンセプトに対して優劣をつけないでほしいもんです。

| ろどひろ | 2010/07/17 10:41 | URL |

どんなジャンルもこよなく愛するのがコアゲーマというのは、ちょっと乱暴なような。
私は、趣味の時間のどの程度の割合を割けるか、でライトとコアに別けられるんじゃないか、と考えています。
ライトゲーマは様々な趣味を持ちつつ、その中のほんの一部の時間でゲームをプレイしている人じゃないかと。
だから、沢山の時間を使って情報を集めなくても、みんなが面白いと思っているソフトをプレイするだけでお腹一杯になれる、と。
コアゲーマは受動的に入ってくる情報だけでは、趣味の時間を埋めるだけのゲームをプレイできないから、
「これ終わったらやるのないな。何か面白いのないかな」と情報を能動的に探していくんじゃないでしょうか。

ところで、最近Wii Fitをプレイして、「これこそゲームらしいゲームなんじゃね?」と思いました。
思った通りに動かず、動かした通りに動くキャラ(=自分)を、何とか思い通りに動かための試行錯誤が、すごく楽しいです。

| 通りすがり | 2010/07/20 10:03 | URL |

そもそも「ゲーマー」という表現自体が「ゲームを愛好する人」というニュアンスがあって、そこに接頭語をつけてもホントに「程度の差」という話にしかならない気がする。
そこに具体的な線引きが出来る項目要素なんてなさそう。

それでも敢えて分けるなら
ゲーム自体が目的な人
ゲームは手段でしかない人
には分けられるかなぁ。

所謂「ライト層」は、人付き合いとか話題作りのためだったり、世間の流行に乗っかったり、或いはもっと消極的で暇つぶしの一手段としてしかゲームをやってなかったり、そういうイメージ。

| ruf | 2010/07/20 18:22 | URL | ≫ EDIT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://yamanashirei.blog86.fc2.com/tb.php/1135-3faff6e5

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT