やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

憂はいつから唯を好きなんだろう

 これはとても良いTweetですね!


「せんせー、ういちゃんが泣いてるー!」
「えっぐ、ぐす……」
「平沢さん、どうしたの。どこか痛いの?」
「ういちゃんね、このまえお姉さんと別々のおへやになったんだって」
「いいなー。オレも早くひとりべやになりてー」
「男子うるさいー!」
「ひっくっ……おねえちゃぁん……」



 『けいおん』1期7話「クリスマス!」にて、幼少期の唯憂姉妹が同じ部屋(現在の唯の部屋)に二段ベッドで寝ている様子が描かれています。
 しかし、現在の時間軸(少なくとも唯が高校生になってから)では唯と憂は別々の部屋を持っていますよね。


 アレだけお姉ちゃんを大好きな憂だから、別々の部屋に移った時には何かのドラマがあったのだろうと思うのですよ。
 いや!それすらも受け入れるのが憂のお姉ちゃん愛なのだよ!
 いやいや!それでも……

 みたいな妄想を、唯憂姉妹スキーの人なら誰もがしますよね。必修科目ですよね。




 自分もご多分にもれずそんな妄想をしていましたら、ちょっと思うことがありました。

 果たして、憂はいつから唯のことを好きなんだろう?

 「好き」というのは恋愛感情的な意味でなくて、重度のシスコンという意味で。



 実はこれ、順番が逆だと思うんですよ。
 「憂は唯のことが好き」という設定が出来る前に、「唯と憂は別の部屋を持っている」という設定が出来たのではないか、と。


けいおん!! 平沢 憂 (1/10スケール PVC塗装済み完成品)けいおん!! 平沢 憂 (1/10スケール PVC塗装済み完成品)

Wave 2011-05-30
売り上げランキング : 2686

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 原作コミックスを読んでいる人なら分かると思うんですけど、原作初期の憂って別にシスコンキャラじゃないんですよね。
 これは憂というキャラが何のために配置されているかという話になるんですが、「天然ボケの姉(唯)」を際立たせるために「しっかり者の妹(憂)」がいるんで―――原作初期は、「しっかりとしたキャラ」という一面が強く出ています。


 なので、原作の憂って「ツッコミ」なんですよね。
 お姉ちゃんが「天然ボケ」なので、憂は常識人として「ツッコミ」をしている―――じゃないと4コマ漫画としてオチが成立していないシュールな漫画になってしまうんです(もちろんそういうのを狙った4コマ漫画もありますけど)。


 この辺、過去に書いた“憂はどうして軽音部に入らなかったのだろうか”という記事へのセルフ回答にもなるんですけど。
 原作の憂はツッコミなので、部活見学の時に軽音部のゆるゆるな空気にもツッコミを入れています。常識人として軽音部の変態性を一歩引いたところから見ている、みたいな描かれ方なんですよね。だから、原作だと憂が軽音部に入らないことに違和感がないんです。
 その頃はまだシスコンでもないですし(面倒見がイイ方だとは思いますけど)。




 ですが、原作コミックスの2巻半ばくらいから、憂のキャラが別方向に開花します。
 それは当然、梓の登場ゆえ。

 梓は軽音部の中でも一番マジメで一番厳しいキャラとして登場し、言ってしまえば最も「ツッコミ」寄りのキャラクターになります。なので、梓と憂が一緒に登場すると、憂の方に「天然ボケ」の平沢家DNAが発動するんですよね。

 唯と憂だと、ボケ(唯)でツッコミ(憂)で。
 唯と梓だと、ボケ(唯)でツッコミ(梓)になるんですが、
 憂と梓だと、ボケ(憂)でツッコミ(梓)になるんです。




 そして、唯にあれだけ溺愛されても拒絶してしまう梓と対比させられるように、憂は「お姉ちゃん(唯)のことが大好き!」と公言するキャラクターになります。これはもちろん、梓のキャラクターを際立たせるために。


 原作2巻の途中くらいで、初めて憂は「お姉ちゃん大好き」キャラになるんですよね。



 で―――『けいおん!』1期のアニメ化は、恐らく原作の連載がこの頃に動き始めたと思いますので。アニメ版の憂のキャラクターは、原作2巻くらいの憂のキャラクターに近いんですよね。「しっかり者」だけど、ちょっと「天然ボケ」で、「お姉ちゃんのことが大好き」―――




 えーっと、何をきっかけにこの記事を書き始めたのか失念していましたが。
 唯と憂の部屋が別々だという描写は、原作1巻の早い段階で出てきます。部屋で騒いでいる唯に憂が文句を言いに来るところとか、軽音部のみんなが勉強を教えに来てくれるシーンに「ゆいのへや」と描かれているとか。

 なので、「2人は別々の部屋を持っている」という設定が先に決まっていて、後から「憂はお姉ちゃんのことが好き」という設定が出来たんだろうなと思います。「子どもの頃は二段ベッドで寝ていた」という描写はアニメオリジナルなので、更にもっと後でしょう。


TVアニメ「けいおん!!」キャラクターイメージCDシリーズ 「けいおん!!」イメージソング 平沢憂TVアニメ「けいおん!!」キャラクターイメージCDシリーズ 「けいおん!!」イメージソング 平沢憂
平沢憂(米澤円)

ポニーキャニオン 2011-01-19
売り上げランキング : 222

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 アニメは1週分を作るのに数ヶ月かかると言われていますから。
 深夜アニメの場合、放送が始まった頃にはシナリオもとっくに最終話まで出来ているのが普通だと思われます。(細かい部分の変更とかはあるかも知れませんが)


 漫画は逆に、描いて渡して雑誌に載って、というスパンの短いメディアですから。
 連載漫画の場合、「前の前の号は評判が良かったからこの路線で」とか「この展開は評判悪いから路線を変えよう」みたいな軌道修正が頻繁に行われるものです。「このキャラ、意外に人気あるみたいだからもっと出しましょう」とかね。



 どっちが優れているかという話ではなくて……
 『けいおん!』の憂のこの描き方の変遷って、「素早い軌道変更が可能」な連載漫画と、「一貫性のあるシナリオが求められる」テレビアニメという両者の特性が見えて面白いと思うのです。

 好きな漫画がアニメ化された際に「ここが変えられた」「ここがイジられた」と不満を持つ人がたくさんいますし、僕もそうだから好きな漫画のアニメ化はほとんど観ないのですが……
 この憂の描写に代表される“上手く改変された例”を見ると、2つは別のものなんだから変えて当然じゃないかなーと思うのです。






 さて。こういうタイトルの記事を書いたからには、「原作がどうとかどうでもイイんだよ!作品世界の中で憂はいつから唯を好きなんだよ!」とお怒りな人もいらっしゃるでしょう。言うまでもなく、憂は生まれた頃から唯のことを好きに決まっているじゃないか!!!!!!

 と、押し切るのもアレなんで……(笑)。
 1期のブルーレイ特典映像で、子どもの頃は唯は憂に(ほっぺにだけど)チューをしていたと描かれていて、憂も嬉しそうだったので。少なくとも、幼児の頃には既に「お姉ちゃん大好き」だったのだと思いますよ。素晴らしいですね!

| アニメ雑記 | 17:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://yamanashirei.blog86.fc2.com/tb.php/1213-a9121c2c

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT