やまなしなひび-Diary SIDE-

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「昔の○○は良かったよねー、それに比べて今は……」、の意味

 色々と考えさせられた『不倒城』のしんざきさんのTwitterでの呟き

<以下、引用>
私も、「レトロゲーム好き!」「ほうほう、例えば何を?」「幻想水滸伝とか!」って言われた時は(・ω・)って感じの顔したし、「Dの食卓!」って言われた時は逆に尊敬した。
</ここまで>



 しんざきさんのこの発言の後、自分のタイムライン上でも「レトロゲームの定義って何だ?」という話題で持ちきりでした。果たしてこれらのソフトは「レトロゲーム」と呼ぶべきなのか?と。
 『幻想水滸伝』は95年12月発売のゲーム、『Dの食卓』は95年4月発売のゲームです――――ファミコン登場が1983年ということを考えると、2011年現在「家庭用ゲームソフトの歴史」は28年間ということになります。95年は、28年間の中の12年目ですね。

 「家庭用ゲームソフトの歴史」を前半・後半で分けたら、これらのソフトは前半のソフトなんです。これにゃーオイラも驚きだ!!どっちのソフトも「最近のゲーム」くらいの感覚でしたもの。



 しかし、そもそも「レトロ」の意味って何よ?って話です。
 ということで、goo辞書で検索してみました。


【レトロ】
 懐古的であること。古いものを好むこと。また、そのさま。


【懐古】
 昔のことをなつかしく思うこと。



 当然のことですけど“主観”なんですよね。発売年はあまり関係がないんです。
 自分のように『幻想水滸伝』や『Dの食卓』を未だに「新時代のゲーム」と認識している人もいれば。
 これらのゲームを「技術が洗練される前の懐かしいゲーム」と認識している人もいるんだろうなって思います。



 もっと分かりやすい例。
 自分は『スーパーマリオ64』(96年)とか『ファイナルファンタジー7』(97年)は、未だに「新しい時代のゲーム」って認識なんですよ。ゲームはこんなに進化しちゃったのかー、もう俺ついていけないかもなーくらいの感覚なんです。『FF7』はその後にプレイしてクリアしましたけど、「最近のゲームってこんなになっちゃったんだ」と思いましたもの。

 でも、世代によっては、「PSや64の頃のカクカクしたポリゴンが好きだった。」「最近のゲームは絵がリアルすぎてついていけない」って言っている人も多いんです。だから、その人達からするとそこらをレトロなゲームと懐古していてもおかしくないでしょう。





 さて、ここからが本題。
 こういう現象って別にゲームに限った話じゃないですよね。

 ジャンプ感想サイトをやっていた時代、「昔のジャンプは良かったねー」「あの頃は面白かった」「それに比べて今は……」みたいなことをしょっちゅう聞きました。しかし、その「昔のジャンプ」がいつの時代を指しているのかは様々なんです。
 『聖矢』の時代は良かった、『スラムダンク』の時代は良かった、『封神演技』の時代は良かった――――俺の知っている時代のジャンプが最強説です。


 ガンダムサイトをやっていた時代もそうでした。「昔のガンダムは良かった」「あの頃は面白かった」「それに比べて今は……」みたいなことをしょっちゅう聞きました。しかし、その「昔のガンダム」がいつの時代を指しているのかは様々なんです。
 ガンダムはガンダム以外ありえないだろファーストとか呼ぶな、宇宙世紀までは面白かったんだけどねただし『ZZ』は除く、『G』『W』『X』は良かったのに『SEED』はクソだね――――俺の知っているガンダムが一番面白い説です。



 映画でも音楽でもスポーツでも、同じような話は聞きます。
 「昔は良かった、それに比べて今は……」と言っておけば大抵の人が同意してくれるけど、実際に「昔っていつのことですか?」と聞くとみんなバラバラな時期のことだったという。


 一連の事件が起こる前でしたけど、数年前に「最近の曲は全部同じ曲に聴こえて面白くない。小室哲哉の時代は良かった」と言っている人を見かけて、時代は延々と繰り返すんだなーと思ったり。
 小室さんの時代も、ちょっと上の世代の人から「今の音楽は中身が空っぽで数年経って流行が終わったらみんな忘れられるだろうよ」「それに比べて俺らの時代の音楽は良かった」と言われてたんすよ………




 これは、別におかしな話でも何でもなくて。
 ゲームにハマった、ジャンプにハマった、ガンダムにハマった、映画にハマった、音楽にハマった―――そのハマるきっかけになったものが凄く好きだからハマるワケですから、それがなくなった後の落差に「昔の方が良かったよなー」と思うのは当然なことなんです。

 「ドラゴンボールおもしれー」と思ってジャンプを読み始めた人が、『ドラゴンボール』終了後のジャンプを物足りなく思って、「昔のジャンプは良かったよな……(ドラゴンボールが連載してて)」って思うのはしょうがないことだと思うのですよ。
 僕だって、「けいおんは1期の頃が最高に面白かったよなー。あの頃は良かったよなー」と思ってますもん!2009年を懐古してますもん!レトロアニメなんだな、『けいおん!』ってもはや!


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○ 「あの頃は良かったな」という便利なフレーズ
 20代男性「最近の若者(10代)はダメっすよね」
 30代男性「そうだな、最近の若者(20代)はダメだな」
 40代男性「確かにそうだ。最近の若者(30代)はダメだな」
 50代男性「その通りだ。最近の若者(40代)は本当にけしからん」
 60代男性「まさにその通りだ。最近の若者(50代)はなっておらん」
 70代男性「最近の若者(60代)のせいでこの国はこんなことになってしまった」
 80代男性「最近の若者(70代)にはもうちょっと頑張ってもらわないと」

 全員「その通りですよねー」



 「今日は暑いですねー」「雨降るんですかね?」といった天気の話題はみんなに共通する“無難な話題”と言われていますね。逆に、政治・宗教・プロ野球の話は支持政党やら宗派やら応援している球団が人それぞれ違うので、“迂闊にしてはならない話題”と言われていました。

 「最近の若者」批判って、多分“無難な話題”なんですよ。
 石原都知事(70代男性)が「最近の若者」批判をしている時、「これで言われているのって40代・50代のことだよなー」ってことが結構あるんですけど。言われている当の50代の人は「そうだ!最近の若者はなっていない!」と30代くらいの人のことだと思っていたりで。

 「最近の若者」と言っておけば、実際に批判している相手が誰かをぼやかすことが出来る―――その結果として色んな人の同意を得やすいってことはあるんだろうなと思います。言われた方は、それぞれの頭の中で考えた「けしからん若者」について話してくれるのだから。




 「昔の○○は良かったなー」も同じようなことだと思うんです。
 「昔のゲームは良かったですよね。それに比べて今は……」と言っておけば、インベーダーが好きだった人も、アイスクライマーが好きだった人も、ポートピア連続殺人事件が好きだった人も、ファイナルファイトが好きだった人も、パラッパラッパーが好きだった人も、クレイジータクシーが好きだった人も、「そうだよね、昔のゲームは面白かったよね」と言ってくれる――――という幻想があるんだと思います。


 漫画もそう、アニメもそう、音楽だって、映画だって、スポーツだってそう。
 テレビやラジオもそうですね。


 でも、数字で面白さを測れないのが娯楽。
 「昔の○○は良かったなー」という言葉を僕が嫌いなのは、その曖昧な言葉ゆえにです。


 自分の意見で具体名を出してくれた方が百倍面白いんですよ!
 僕からすればどこの誰かも分からない“『幻想水滸伝』と発言した人”のおかげで、こんなに話題が持ちきりになりましたし、こんな記事が書けました。感謝!しんざきさんにも感謝!!


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| ひび雑記 | 17:30 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

たしかにおっしゃるとおりですね。
同じこと言ってるようで、実は噛み合ってないという。

ところで「昔はよかった」説=「俺の知ってる○○が一番面白い」説ですが、今現在その人が○○に興味を持っているかどうかがポイントなのでしょうね。

やまなしさんが例に出された「最近の曲は全部同じ曲に聴こえて面白くない。小室哲哉の時代は良かった」という言説は、あらゆる分野でもっともポピュラーなケチのつけ方だと思います。
いわく、「今のサッカー選手には個性がない。ドーハのときはみんな個性的だった」「おニャン子は1人1人覚えられたけど、AKBはどいつも代わり映えしないから区別がつかない」「昔のアニメはいろいろな分野の作品があった。今は萌えアニメばっかじゃないか」などなど。

もちろん時代が変わり、趣味趣向が変わったというのもあるでしょう。
ただ、こんなことを声高に唱える方って、今のサッカー選手なりアイドルなりアニメなりをどれほど知ってるのかなと疑問に思うのです。興味がない人にとっては、往年のドーハ戦士だろうがおニャン子だろうが懐かしのアニメだろうが、結局区別がつかないのですから。ゲームに興味のないお母さま方が、TVゲームをすべて「ファミコン」「ピコピコ」なんて呼ぶようにw

しかし今まさに楽しんでいる人にとっては、違いが歴然です。Jリーグをみれば前田選手は初の2年連続得点王だし闘莉王選手はキャラ濃いし。AKBは研究生まで全員名前が呼べるだろうし。アニメだって『聖痕のクェイサーII』『逆境無頼カイジ 破戒録篇』『とっとこハム太郎でちゅ』なんて方向性が違う作品が同時期にやってると知っているし。といったように。

| koto | 2011/04/22 01:28 | URL |

既にある程度評価が固まっているために会話の中で諍いを起こしにくい
悪く言ってしまえば特に優劣の付け合いの激しいマニア間では貶められずに済む、という意味では確かに無難な話題と言えるかも知れませんね。

流行物に対して"硬派"や日本に対する"海外"、ゲーム関係ではいつぞやによく言われた"ゲーム性"みたいにある程度意味が曖昧で各々の都合に合わせて便利に使える単語なんかも重宝されがちな感じはします。
それなら対象についてあまり詳しくなくとも良くも悪くも話題に出しやすくなりそうですし。

| ああああ | 2011/04/22 01:53 | URL | ≫ EDIT















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