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武器も防具もないRPG

 現在の自分はDSiウェア『セパスチャンネル』(公式サイト)をプレイ中です。
 詳しい話はクリア後にするとして……今日は「ある一点」についてのみ語ろうと思います。


 公式サイトのスクリーンショットを見れば「スーファミのゲーム?」と思ってしまうくらい懐かしい絵の2D・RPGなんですけど、元々が携帯アプリ用のゲームなので、システム面でも余計なものはとことん削ろうとしていることが分かります。


 このゲームには武器も防具もないんです。
 装備品の概念がないので、敵を倒してもらったお金は(ほぼ)回復アイテムに使うだけという。


 実はコレ、このゲームの中では非常に理に適っているんですけど………
 同時に、ほとんどのRPGでは「武器や防具」の装備品の要素が入っていたのは何故か?を考えるきっかけになったのです。あ、ここで言っているRPGというのは、いわゆる『ドラクエ』以後の日本製RPGのことです。
 自分は武器も防具もない『セパスチャンネル』でもRPGとして楽しめているのだけど、しかしやっぱり「武器や防具」のあるRPGにあって『セパスチャンネル』にはないものがある――――それは何なのか?と考えさせられました。




1.ダンジョンの寄り道が楽しくなる
 RPGを遊んだことがある人なら分かると思うのですが……
 ダンジョンの中で道が二つに分かれていたとしたら、「正解の道」じゃない方に行きたいって思いますよね。自分なんかはちょっと進んで「ヤバイ!こっちは正解ルートっぽいぞ!」と気付いたらただちに引き返して、「間違った道」の方に進みますもの。


 何故なら、「間違った道」の方には行き止まりに宝箱があることが多いから。


 もちろん宝箱がないこともあるんですけど、「宝箱がない」こともちゃんと確認したいんです。ダンジョンの全ての道をちゃんと見て、ちゃんと全ての宝箱を入手してから先に進みたいんです。


 これは別に僕が几帳面だからとか神経質だからとか完璧主義者だからってことではないです。
 RPGのダンジョンにある宝箱には、多くの場合「武器や防具」の装備品が入っていて、それによってゲームの進行が楽になるケースが多いからです。つまり、RPGというジャンルは寄り道をすることにも達成感を与えてくれるんです。

 だから、ダンジョン探索が楽しいんです。
 ダンジョンを単なる「ゴールまでひたすら歩き続けるもの」にしてしまえば、苦痛なだけのものになってしまいます。各所に御褒美を与えてくれることで、ポイントポイントで「宝箱あった!中身は何かな~♪」とワクワク出来るんです。



 『セパスチャンネル』には残念ながらコレがなくて、「ただひたすらゴールを目指して歩く」だけなんです。ただ、このゲームは同じダンジョンを何度も通ったりするので意図は分からなくはないんですけど、一般的なRPGに「武器や防具」が“ある方が無難”だというのは痛感しました。

 逆に言うと、この「寄り道によってゲームの進行が楽になる」要素って他のジャンルにも使えるものな気がしますね。アクションゲームだと割かし普通か(笑)。『バイオ』とか『メタルギアソリッド』なんかはそうですよね。
 個人的には「たくさん敵を倒すとキャラのレベルが上がって戦闘が有利になります!」をRPG要素と呼ぶよりは、「色んなところを寄り道するとゲームが有利になります!」をRPG要素と呼ぶ方がしっくりくるんですけどね。

(関連記事:RPGにレベルアップ制度は必要ですか?



2.成長の軸が増える
 分かりやすい例として『ファイナルファンタジー5』を使います。
 このゲームを進めていて「どうしても倒せない!」という強い中ボスにぶつかってしまった場合、どう仕切り直して再戦するでしょうか?


・レベルを上げる
・アビリティポイント上げて新しいアビリティを覚える
・武器や防具をもっと強いものに変える
・プレイヤー自身がもうちょっと頭を使う(攻略サイトなんかで勉強をする)


 このゲームにおける“成長”というのは4種類あると思うんです。
 『ドラクエ』以前のゲームというのは「プレイヤー自身の成長」しかありませんでした。自分自身が上手くなることが絶対的な価値でしたから、○○名人のプレイに夢中になったし、ゲームの上手いクラスメイトはヒーローだったんです。

 でも、『ドラクエ』によって「レベル」「武器や防具」「プレイヤー自身の技術」の三つの軸が出来ました(正確に言うと「普及した」って表現の方がイイか)。
 『ドラクエ』に「プレイヤー自身の技術」は必要ないって思う人もいるかも知れませんが、『ドラクエ』だって「こういう事態はどうすればイイのか」の判断によって低レベルでもクリアできるってのはあると思いますよ。


 「レベル」は、そのプレイヤーがどれだけ遊んだのかという蓄積。
 「武器や防具」は、そのプレイヤーがどれだけそのゲーム内世界を探索したのかという達成。
 「プレイヤー自身の技術」は、そのプレイヤーがどれだけそのゲームを理解したのかという習得。



 攻略本が役に立つケースって、真ん中の「武器や防具」が多いですよね。
 『ドラクエ』以前のゲーム、初代『ゼルダの伝説』で宮本さんは「友達と情報交換しながら遊んで欲しかった」と仰っていた通り、「探索」の要素は情報交換可能なソーシャル要素を孕んでいるんですよね。
 インターネットが普及する前、クラスメイトから「どこどこにあの武器がある」とか「最後の青魔法はあそこにある」とかの情報を交換していました。おかげでデマにも踊らされました(笑)。

 攻略本というのはそういう需要に応えていたんだと思います。

(関連記事:『ドラクエ』以前のRPG:『ゼルダの伝説』紹介



 この「成長の軸は幾つあるのか?」は、あまり語られていないけど重要な要素だと思うんです。
 Wiiウェア『マッドセクタ』をプレイした際、どうしても9面がクリアできずに攻略サイトを見ました。このゲームはFPSだから「プレイヤー自身の成長」をしないとダメだろう、と思ったからです。そしたらそこに書かれていたのは、「○面に隠されている武器を取ってくれば攻略が楽になる」というものでした。

 「プレイヤー自身の成長」の他に「武器を入手する」という二つ目の成長軸があったんですね。


 『ゼルダ』なんかもそう。
 『ゼルダ』にはレベルがないから「プレイヤー自身の成長」がないとクリアできない、と思われがちですが、強力な「武器や防具」や「ハートのかけら」をしっかり入手しているとアクションが苦手でも突破できたりします。特に最近のは。『ゼルダ』もまた二つの成長軸のあるゲームですね。


(関連記事:未経験者の方々に捧げる『ゼルダの伝説』シリーズのススメ(前編)
(関連記事:未経験者の方々に捧げる『ゼルダの伝説』シリーズのススメ(後編)


 『斬撃のレギンレイヴ』は「武器や防具」がありますけど、探索して見つけるものじゃなくて、巨人を倒した結晶を使って作るものなので―――「経験値によるレベルアップ」とあまり差はないんですよね。「探索」が好きな自分としては正直残念なところでした。


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 今回、「武器や防具」のない『セパスチャンネル』をプレイしたことによって。
 今まで何とも思っていなかった「武器や防具」の要素が、密接に「このゲームは何故楽しいのか」に関わっていて――――こうしたことが、「自分が面白いと思えるゲームは何か」「このゲームはあの人にオススメして楽しんでもらえるのか」の答えを導くヒントになるんじゃないかと思いました。


 ただ、
 自分はRPGの「探索」の要素が好きなんで、「武器や防具」の要素がない『セパスチャンネル』はじゃー楽しめないよねというのが理論的な答えになるはずなんですが。実際にはものすごく楽しんでいるので、理屈だけでは説明出来ないこともあるとは思います(笑)。

| ゲーム雑記 | 18:04 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

>「寄り道によってゲームの進行が楽になる」
ゼノブレイドはそこを突き詰めた感じでした。
ただフィールドを探索するだけで経験値が入ってレベルアップしたり、町の人からのおつかいをクリアするだけでアイテムがたくさん手に入ったりするものだから、寄り道そのものが正解ルートを進むことを妨げずむしろ勧めることを助けるようになっていると思います。

| 壱五屋毒蛙 | 2011/04/27 22:41 | URL | ≫ EDIT















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