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アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』各話感想メモまとめ(1話~最終話)

 半年ぶりに帰ってきました、mixiにメモしていたアニメ感想をまとめる記事です。
 過去の文章の流用だから手軽に書けると思ったら、自分の感想を読み返してコメント追記しなきゃならないのですげー時間かかる記事なのねこれ!

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<ルール>
・1話から最終話(12話)までの感想メモをコピペ
・“最終話まで観終っている”現在の自分のコメントを赤字で補足
・なので、基本的に最終話までのネタバレを含みます
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな


 ということで、今回の記事も超長くなることが予測されるので格納しました。
 続きは「続きを読む」か「記事URL」をクリックにて表示です。ではでは。




<01月09日 21:55更新>
○ 第1話「夢の中で逢った、ような…」感想

 今季の注目作品。
 監督:新房昭之、キャラクター原案:蒼樹うめ、アニメーション制作:シャフトという『ひだまりスケッチ』メンツによるオリジナル作品ですね。
 ここで書くのなら、『化物語』の新房監督の新作という表現の方がイイのかな。

 原作ものが中心の今の深夜アニメ界で敢えてオリジナル作品に挑戦してくれるアニプレックスは偉い!という言葉をちょうど1年前にも書いた気がするぞ。



 さてさて、そんなカンジで第1話でした。

 冒頭の家族のシーンで度肝抜かれました。
 シャフトらしい贅沢な絵作り、小気味いい会話の応酬で伝わってくるキャラクターの個性、ロングとアップを緩急見事に使い分けるコンテ。ママの化粧シーンも素晴らしかったです。

 うめてんてーの可愛らしいキャラデザも「ずっと日常パートを見ていたい」と思わせる暖かさと色彩で。でも、そうならないことはアバンタイトルから既に分かっていて。


 ストーリーライン自体は「転校生がやって来て、不思議なことに巻き込まれそうです」という第1話で、「すんげえふつう!」なはずんですけど。

 脚本と演出で緩急つけると、全く退屈せずに30分が過ぎてしまうものなんですね。
 冒頭の母娘で歯を磨いているシーン、母娘のキャラクターを会話の中で視聴者に伝えるだけじゃなくて、後々に出てくる登場人物の伏線にもなっていて。

 それでいて、描かれる家族像がすっごくステキなんだやな。
 ママの「(隠れファンが)いると思っておくんだよ。それがー、美人の秘訣」のセリフ一つで惚れてしまいそうでした(笑)。
 また、出かけのシーン。ママが弟にキスをして、パパとキスをして、娘とはハイタッチをするシーンもすげえ好きです。あのアップに切り替わるタイミングでご飯三杯はイケます(笑)。


 そして、この“理想の家族・友人関係”が壊されてしまうのか――というBパート。
 王道の魔法少女モノはそうした家族や友人を守るために戦うことが多いと思いますし、アバンタイトルでもそれを匂わされていたのですが。

 ほむらさんの「(家族や友人が大事ならば)今とは違う自分になろうだなんて絶対に思わないことね」という言葉は、魔法少女になることで失われるものを暗に示していて。
 やはりタダの魔法少女モノには留まりそうにない期待がプンプン。

 いや、第1話のクオリティならば普通の魔法少女モノでも全然構わないんですけどね。でもそれなら深夜にやるなよって話になっちゃうか(笑)。


 碧ちゃんのヒロイン無双が続いているけれど、意外にも自分この手の普通の女のコ役の碧ちゃんは初めて観るかも。
 対する相手役は斎藤千和さん、まさかの戦場ヶ原ひたぎさんそのものでした。『化物語』と同じ監督ですし、これは狙っているのかな……



※ 補足コメント
 今にして思えば、伏線ばかりだった第1話。
 アバンタイトルの「ワルプルギスの夜」戦のミスリードはもちろん、ママとの会話も伏線だらけなんですよね。「まどかの隠れファン」というのはほむらのことですし、「女は外見で…」というのは10話でほむらがメガネを外す描写の伏線ですし。もちろんリボンのくだりも最終話への伏線だったワケで。

 ほむらのセリフも最終話を観終わった後だと考えさせられるというか。
 「まどかが魔法少女になれば大切な友達と家族を失うことになる」のだけど、逆に考えるとまどかのことを覚えていたのは友達(ほむら)と家族(タツヤ)だけだったんですよね。失われたけど、残ったものもあったという。





<01月16日 23:15更新>
○ 第2話「それはとっても嬉しいなって」感想

 ふむ……
 これは「色々と仕込んでいる序盤」なのか、それとも「素直にこのまま魔法少女もの」なのか。
 それによって感想の書き方も変わってしまうなぁ……とりあえず、自分は「色々と仕込んでいる序盤」なのだと思って書きます。「深読みしすぎなんじゃない?」と思われるかも知れませんが御了承を。


 自分はあまり魔法少女モノのアニメを観たことないんで比較も出来ないんですけど……
 第1話が「魔法少女の先輩との出会い」で、今後に来るであろう「主人公が魔法少女として活躍する展開」の前に、第2話をまるまる使って「魔法少女になるかどうかを決断する回」を描いたというのが興味深いです。

 魔法少女モノじゃありませんけど、例えばアムロは第1話でガンダムに乗るしかなくて、そのままパイロットとして活躍しなきゃならない展開になっていました。
 シンジ君もあーだこーだ悩んだのはエヴァに乗ってからでしたもんね。


 戦いの前に、主人公に「魔法少女になるんだ」としっかり決断させるというのは珍しい展開だったんじゃないかと思います。

 つまり、この時点では「魔法少女にならない未来」もしっかり用意されていたし、
 ハッキリ言って「まどかが魔法少女にならなくても他になる人はいる」と提示されているんです。
 “仕方なく”ではなく、まどかは自分の意志で「魔法少女になる未来」を選びました。これがこの作品全体の柱になるんじゃないかと思います。


 もうちょっと踏み込んで書くと……
 この作品の魔法少女は「人助けのため」ではなく、「一つ願いを叶えてもらうため」に魔法少女になっているとのこと。

 言ってしまえば「欲のため」―――
 魔女を殺してその卵で魔力を補充するというのも、魔法少女が絶対的な正義ではないことを示唆しているように思えるのです。


 第1話のほむらさんの「(家族や友人が大事ならば)今とは違う自分になろうだなんて絶対に思わないことね」の言葉とか、
 第2話のさやかの「幸せボケ」の言葉とか……その“欲”について色々と考えさせる描写が結構あるんですよね。


 象徴的なのがまどかママの存在。化粧によって毎朝“変身”している彼女は、
 魔法少女でなくても全てを手に入れているように思えるのです。
 バリバリのキャリアウーマン、大きな家、優しそうな旦那さん(専業主夫?)、可愛い娘に息子―――

 このママも先生と顔見知りっぽかったりで、「親世代(?)」にも色々と仕込んでありそうです。



 果たして「叶えたい願いはないけれど、困っている人を助けたい」という“純粋な気持ち”で魔法少女になることを選んだまどかは正しかったのか。
 このふわっとした決断をそれほど責められないのは、視聴者としては第1話のアバンで「まどかがほむらを助けなければならない」未来を観ているからなんですよね。あの夢が何を意味しているのか、正確にはまだ分からないんですけど。

 もう一つ面白かったのは、さやかはまどかと違ってセンシティブに「正義」とか「一件落着」とかの言葉を使っていたこと。
 起こっている事象を「正義」と「悪」に分けて捉えている―――そして、ほむらのことは「悪」サイドの人間と見なしている。


 この作品が「色々と仕込んでいる」作品ならば、この辺もわざとやっているんだろうと思います。
 仁美はどうなんだろう……この描き方だと『舞乙』のエルスポジションっぽいんだけど。BGMが梶浦さんだからそう思うだけなのか。



※ 補足コメント
 「センシティブ」……?
 「ポジティブ」の間違えか?3ヶ月前の自分にどういう意図でこの言葉を使ったのか聞きたいくらいです。

 さやかの暴走や、仁美の存在が不穏だとか、まどかの決断がどーのこーのだとか。
 2話の段階で作品全体の方向性みたいなものは感じさせて、でもまだこの時点では「普通の魔法少女モノ」の皮を被っていたという。この辺のバランスはやっぱり策士ですね。魔女と魔法少女の説明もこの回でしたっけ。キュゥベエさんマジ鬼畜。





<01月23日 22:16更新>
○ 第3話「もう何も怖くない」感想

 マジかあああああああ!!
 想像以上に仕掛けてくるのが早かったなぁ、もうちょいゆるいペースで進むものかと思っていました。マミさん脱落。



 ちょっと踏み込んだことを書く。
 マミさんに死亡フラグが立ちまくりだったのでこの展開は予想していたのですが、ぶっちゃけ「まどかが願い事を叶えてマミさんが助かる」ラストだと踏んでいました。
 さやかの「誰かのために願いことを叶えても」の辺りは、その伏線だと思っていたので。でも、それをやるんだったら今週中に助けますよねぇ……


 正直、ここで自分の中の評価は決まっちゃいそうです。
 自分は昔から「死んだように描いたけど、ところがどっこい!助かってましたー!驚いた?ねえ驚いた?」という作品が大嫌いなので。

 来週フツーにマミさんが死んでいたら「大好きな作品」になるし、
 まどかがマミさんを生き返らせたら「大っ嫌いな作品」になっちゃうと思います。

 グレーゾーンなのが“マミさん生き返ったけど記憶がない”とか、その辺か(笑)。
 逆に考えると“マミさん生き返ったけど植物人間”とかが一番ヘビーだし、この作品的には正しい気もするか。それを背負ってまでも、まどかは戦わなくちゃならなくなる。


 この作品の根底にあるものは、“選択”だと思うんです。
 「片方を選ぶともう片方は選べない」

 1話のほむらのセリフもそうだし、2話でほむらがマミさんからの施しを受けなかったこともそうで。「全員が仲良く手を取って、全員が幸せになることなんて出来ない」と描かれている作品なんだと思います。
 まどか家の構成を考えても、ママがキャリアウーマンで、パパが専業主夫(多分)というのが象徴的ですよね。パパはきっと“選択”をしたんだろうと。


 今回の話も、マミさんが死ななくても良かった未来はありました。
 マミさんがほむらと対立することを選ばなければ、もっと早くまどかかさやかが魔法少女になっておけば、マミさんが「仲間」を欲しなければ―――これは、彼女らの“選択”が招いた結末なんです。


 先週に引き続いて、まどかもさやかもまだ魔法少女になっていないのだけど……これもやっぱりこの作品が“選択”を重視しているからだと思うのです。
 普通の作品だったら、魔法少女になってから「命を失う危機感」に直面させる。
 でも、この作品は「命を失う危機感」に直面させた上で魔法少女になるかどうかの“選択”をさせるという。「今までになかった魔法少女モノになると思う」という監督談はこういう意識ゆえなんだろうと。


 それと、こういうことを言っちゃうと身も蓋もないんですけど。
 キャラ配置的にはマミさんは厄介な存在だったんですよね。
 「強い先行者」ポジションにはほむらがいる、「導いてくれる存在」にはキュゥべえがいる、「一緒に戦ってくれる仲間」にはさやかがいる―――

 まどかという主人公を軸に考えると、マミさんがいない方がまどかが自分で考えて“選択”出来るんです。
 そう考えると、マミさんは最初から「早々に脱落するキャラ」として置かれていたのかなぁと思います。来週フツーに生き返るかも知れませんけど、その場合でも戦闘要員に戻すことはないでしょう。多分……


 つーこって、「ようやくプロローグが終わった」というところですかね。
 ここからが本番。
 来週の描き方次第で神アニメにも堕アニメにもなりそう。き、期待していますよ!




※ 補足コメント
 「マミさん死んじゃったけど普通に生きてたらどうしよう」という感想に、この時点ではまだまだこの作品を甘く見ていることが分かりますね(笑)。
 一応、最終的には「まどかの願いでマミさんは生き返ったけどマミさんの記憶にまどかはいない」ってところですか。魔女が存在しない世界を再構築したのでマミさんが魔女に殺されることがなくなる―――と。この時点でそう教えられたら「何だよ御都合主義だな!」と思っていたかも知れません。この後の壮絶な展開に、そんな文句を言う気もなくなりましたけど(笑)。







<01月30日 22:52更新>
○ 第4話「奇跡も、魔法も、あるんだよ」

 いやー、面白い。
 前回で大きく話が動いたから「その後」を描く今週はそれだけで面白くなるとは思っていたのだけど、キッチリと「描くべきこと」を描きつつ。ストーリーを止めずにどんどん進めてきましたね。

 このまま1クール走りきったら凄いんだけど、それは流石に高望みしすぎかなぁ……


 マミさんが死んだ後の世界。
 マミさんが登場していた期間は2週間とちょっと。ハッキリ言って、この間に「ものすごい人気キャラ」になっていたワケではないですし。嫌な言い方をすると、「死ぬまではさほど注目されていなかったキャラ」だったと思うんです。

 しかし、いなくなった後の喪失感がとてつもなくて。
 かつてマミさんが「あまり感心できた話じゃない」と言った、さやかの恭介を救おうとする“願いごと”―――マミさんというストッパーがいなくなったために、さやかはアッサリとその“願いごと”を選んでしまいます。

 一方のまどかは、マミさんの死によって自分の身のかわいさを知り。
 マミさんがいなくなった部屋、それでも変わらず動いている周りの日常にもどかしさを覚えてしまう―――マミさんがみんなを助けていたのに、みんなヒドイ……と。


 そして、魔法少女のいなくなった街に訪れる危機と、マミさんがいなくなったことで始まる縄張り争い……と、物語が一気に加速してきました。
 これまで保たれていた平穏はマミさんの力が大きかったことを思い知りましたし、死んでしまったことでマミさんというキャラクターは完成したのだと思います。この辺は「スタッフは妥協していないなー」と心底尊敬します。


 ということで、さやかが魔法少女になりやした。
 恭介を救うためというその“願いごと”も、どう考えても「後からしっぺ返しを喰らう」フラグが立ちまくっているのですが。さやかというキャラクターは始めからそういうコだった気もする。

 今週も「どういう覚悟がいるのか私達に思い知らせるために、あの人は…」とか言ってて、
 「いやいやいやいや!」と天国のマミさんもきっと全力でツッコんでいることだろう(笑)。
 マミさんは思いっきりオマエらを勧誘していたぜ。オマエらの決断がもうちょっと早ければ、死んでいたのはきっとオマエらだったぜ。

 でも、そういうのも「自分の中の美談」にしてしまうのがさやかというキャラなんだと思うのです。世界を「敵」と「味方」に分けているところとか、魔女を倒して「一件落着」と言っちゃうところとか。


 そういう分かりやすい物語の外にいるほむらと、そのほむらを理解しようとしているまどかとはちょっと対照的で。
 ここにやってくる新勢力:杏子(CV.野中藍)が、さやかを「ぶっ潰す」宣言。

 主人公が蚊帳の外のまま、面白くなってきていますね。
 これまでの4話の中でも、自分は特に4話がお気に入りでした。


 あ、そうそう。
 まどかの弟はCV.水橋さんでしたね。マミさんとの兼役。
 ま、まさかこれはマミさん復活フラグなのでは………ないな。
 まだまどかの“願いごと”が出ていないのでマミさんを生き返らせる可能性もなくはないんですけど、その“願いごと”も一筋縄にはいかなさそう。

 指が動くようになった恭介のカット、どう考えても「この後に良からぬことが起こります」って絵でしたもんね(笑)

 さやかが適えた“願いごと”の代償は果たして、という次週の引きで。
 あー、来週へも長い一週間になりそうです。




※ 補足コメント
 魔法少女さやかちゃんな回。
 「マミさんがストッパーになっていて、さやかが恭介を助ける願い事をしていなかった」説について……自分もちょっと思うことがありました。10話で明らかになったほむらの過去によると、1周目と2周目ではさやかちゃんの姿はないんですよね。ひょっとしてマミさんが生きている時間軸だとさやかちゃんは魔法少女にならなかったのか?

 ただ、3周目はさやかは魔法少女になっているんですよね。
 加えて言うと、「マミさんが死んだから」この町にやってきたはずの杏子もいました。3周目だけが例外なんですかねー。5周目ほむらはさやかが魔法少女になることをノーマークだったみたいですし。これは、ほむらがまどか以外に興味がなかったせいもあるんですけど(笑)。






<02月06日 23:28更新>
○ 第5話「後悔なんて、あるわけない」感想

 うーん……まだ設定を明かさずに引っ張るのか。
 正直、そのせいでテンポがイマイチ悪かった印象の今週でした。4話まではポンポン話が進んでいただけにね。
 いやさ……『俺妹』の時は「詰め込みすぎ!」と文句言って、『まどか☆マギカ』には「引っ張りすぎ!」と文句言って、一体どうすりゃいいのだという話なんですけどさ。



 魔 法 少 女 に は 何 故 「グ リ ー フ シ ー ド」 が 必 要 な の か。


 ここが明らかにならないと、
 「どうしてほむらは魔法少女になりそうなコを止めているのか」「どうして魔法少女同士が戦うのか」「どうして魔法少女同士で共闘できないのか」が分からないので。。
 まどかが魔法少女の契約をしそうでも「なっちゃダメだよ!」とは思えないし、ほむらが助けに来ても「オマエが最初から仲良くしてくれれば…!」と思ってしまうのです。


 ぶっちゃけ、魔法少女になって“願いごと”を叶えて、後は知らんぷりして家で寝ていればイイんじゃないの(笑)。
 そうすれば魔力も必要ないからグリーフシードも要らないし、他の魔法少女と争うこともないし、魔女と戦って死ぬこともない。ほら、みんな万々歳。誰も損をしていないし、みんなで平和に暮らせましたとさ。



 とは多分ならないんですよね。
 恐らくグリーフシードで魔力を補充しないと何らかのペナルティを受けるという設定で、ほむらや杏子はそれを知っているんだけど、キュゥベエはそれを隠しているからさやかはそれを知らないってことなんだろうと思います。

 それが明らかになっていないから、どうにも腑に落ちないまま魔法少女同士の戦いを見せられて、さやかが罵倒され、
 さやかと同じように「何故魔法少女にはグリーフシードが必要なのか」が分からない視聴者も一緒に罵倒された気分になってしまうという。


 今週のラストにでも捻じ込んで明らかにすれば、Aパートの「上條恭介を救って満足している」さやかに“報い”を与えることにもなったんですけど。それもしなかったので、さやかが「人助けをするイイ人」で杏子が「新人をイジメるイヤな人」に見えてしまうだけのような。


 そうしたいのか。
 勧善懲悪だと偽装したいのか。「さやか(善い人)/杏子(悪い人)」だと視聴者を思い込ませたいのか。

 しかし、視聴者の大部分は「杏子は悪くない」「キュゥベエは酷い」「さやかは何も知らされずに可哀想なコ」「ほむらは正論を言っている」と考えているので、今目の前で繰り広げられている「杏子vsさやか」が空虚なものに見えて全く感情移入出来ないという。



 シンプルに考えると、魔法少女が魔力を失うと「魔女」になるという設定で……
 これなら「魔女はどこから来るのか」「魔女はどうして人を恨むのか」「グリーフシードでどうして魔力が回復されるのか」「グリーフシードがないとどうして魔法少女が困るのか」が一気に説明できてしまうのだけど。

 「それだとあまりに平凡過ぎて面白くない!」という意見をTwitterで見かけて、「ふむそうか」と(笑)。
 これも設定を明らかにするのを引っ張りすぎた弊害だよなぁ……「これだけ引っ張ったからには予想を裏切ってくれるはず」と思ってしまう。最終的に「引っ張ったのも納得だったぜ!」と思わせられたらイイのですが、果たして。



 しかし、このまままどかが魔法少女にならないまま終わって、魔法少女の衣装はオープニングだけとかだったら個人的神アニメになるんだけどなぁ(笑)。
 あのオープニングって、まどかが夢見た魔法少女なんだよね。2話の段階で彼女がなりたかったもの。マミさんもいるし、魔法少女同士が戦うこともなく、まどかは猫を助けて笑顔。

 なら、魔法少女にならないまま終わるというのもアリな気がするけど、エンディングを観ると逆に「魔女になって終わる」とまで思ってしまう(笑)。
 あー、来週へも長い一週間になりそうです。



※ 補足コメント
 実を言うと、この5話あたりは厳しかったです。
 「設定を小出しで見せる」のがこのアニメの特徴だったんですけど、3話で祭りになった分だけ視聴者の熱が上がっちゃって考察とかも盛り上がりまくって、脚本のペースを追い越しちゃった感はあります。視聴者全員キュゥベエの胡散臭さに気付いているのに、まどかとさやかだけ気付いていないのでヤキモキしてしまったというか。

 んで、再び祭りが起こる6話になる――と。






<02月13日 23:27更新>
○ 第6話「こんなの絶対おかしいよ」感想

 5話がイマイチだったんで6話は恐る恐るの視聴でしたが、面白くて良かった!
 秋アニメの時にも言っていた気がする。そういや、あの作品もアニプレックスでした!!不思議な偶然!!


 5話までは設定を見せないままストーリーが進んでいたのでゴニョゴニョ歯に何か挟まったような楽しみ方しか出来なかったのですが。
 6話で一気に設定やらキャラの思惑やらを見せたので、今までの鬱憤が晴らされました。ストーリーは全く進んでいないのにカタルシスを感じられる!ネット上でも話題騒然!何か、釈然としないぜっ!!


・持っているグリーフシードの数だけ魔法少女は強くなる
・使い終わったグリーフシードはキュゥベエが回収する
・まどかが魔法少女になれば杏子なんざ目じゃないくらい強くなる

・ほむらの狙いは2週間後の「ヴァルプルギスの夜」を乗り越えること
・「ヴァルプルギスの夜」は、魔法少女1人だとキツイけど2人いれば大丈夫っぽい
・何故、2週間後の出来事をほむらは知っている??

・魔法少女の契約は、魂をソウルジェムに移して肉体を抜け殻にしてしまうこと
・ソウルジェムから100m離れると肉体は動けなくなってしまう
・杏子ですらそれを知らなかったが、ほむらは知っていた


 こんなところかな……何か忘れているかな……
 これらの設定をただ見せるんじゃなくて、まどか・さやか・ほむら・杏子の四者四様それぞれの思惑を描きつつ見せているのが上手いですね。四人のキャラをそれぞれ動かしているのは退屈させていないというのもそうなんですけど、もう1コ意味があって……



 まどかママがひたすら格好良い件について。
 世の中を「正義」と「悪」に分けてしまっているさやかと違い、まどかママの言い分はすげー大人。

・みんなが正しいと思っていることをやるから衝突して、ハッピーエンドにはなれない。
・問題を解決するためには敢えて間違ったことをするのも大事。
・若い内は傷の治りが早いんだから失敗もしな。
・大人は誰だってつらいんだよ、だから酒を飲んでイイってことになっている。


 自分が10代だったらピンと来なかったろうし、現にまどかはピンと来ていなかったのですけど(笑)。
 メインキャラがみな魔法“少女”のこの作品だからこそのこの言葉の重み。
 ほむらはもちろん、杏子にも自分の正義があるから戦っている――四者四様それぞれ自分が正しいと思ってそれぞれ行動しているから、衝突してしまうんです。「強い大人」が不在の力関係では、正義をぶつけ合って問題が悪化してしまうという。

 この「敢えて間違ったこともする」というのは今後の伏線になりそうですね。
 ソウルジェムを投げ捨てて泣きじゃくるというだけのセリフではないと思います。



 んで、ほむらと杏子の同盟。
 ほむらは別に自分以外を拒絶していたワケではなくて、まどかやさやかは魔法少女に向いていない(=なっても不幸になるだけ)だから止めていたんですよね。
 杏子はその分、自分のために行動をしている人だから魔法少女に向いているし、同盟も結べる―――ってところか。でも、杏子がさやかに「アイツのこと好きだったらアタックしちゃえよ☆」とか構っているからイラッとして怒りにきたのかな(笑)。杏子は何だかんださやかのこと好きだよね。


 この見せ方、誰の視点で見るかにも依るんですけど……
 やっぱり「さやかは間違っている」ように見せていますよね。
 「ほむらがマミさんを見捨てた」というさやかの脳内シナリオとか、正義と悪の二元論に分けるのもここまで来たかというカンジ。その結果、まどかは「誰も頼れない」状態に追い詰められていく。

 「それぞれがそれぞれの足を引っ張り合っている状態」を止めるべく、まどかがさやかのソウルジェムを放り投げて―――というその後の展開が話題騒然だったのだけど、正直キュゥベエさんならそれくらいしていると思っていました(笑)。
 自分は『舞-HiME』の「自分が負けると好きな人が死ぬ(消滅する)」というスーパー欝設定を経験しているので、このくらいなら……

 多分これが「ソウルジェムを黒いままにはしていられない」設定とかにも繋がってくるんでしょうね。何せ自分自身がどんどん汚れていくんですから。


 そして、こういう設定も全部知っていたほむらは一体何者なのか。
 2週間後の出来事は第1話のアバンのアレなのだろうけど、予知夢なのかタイムリープなのか……タイムリープだとマミさんの復活なんかもありえるんですけど、1話でアレを見せてタイムリープだとベタベタすぎるからこの作品っぽくない気もするか。何かの叙述トリックなのかも知れぬ。

 キュゥベエの本性を知った上で第1話のアバンのセリフを思い出すと、非常に怪しく思えてしまうというのがなんとも。


 悔しいけど1話進むごとにアレコレと考察したくなる仕掛けは見事ですし、今のところは成功していると言って問題ないんでしょうな。
 しかし、このやり方で最後まで破綻しないのかな……全部放り出して、最後の最後で「夢オチでした!」で終わらせやしないだろうか。いや、それでもある意味アニメ史上に残る伝説の作品になりそうですけど。



※ 補足コメント
 この辺りから「ほむらは実は……」が見えてきたり、「杏子は善いやつ」と分かってきたりで、盛り上がりの幅が広がってきました。3話の祭りは何というか「インパクト勝ち」だったんですけど、この辺りになると着実にキャラに人気が出てきたなと思います。

 ある意味での一番人気はキュゥベエさんでしたけどね(笑)。
 「わけがわからないよ」が今でもTwitterで目にするフレーズです。キュゥベエのウザさと、でもキュゥベエがラスボスなワケでもないやるせなさと、良い意味で『魔法少女まどか☆マギカ』という作品を決定付けた存在だったと思います。名脇役……というか、もう主役でもあるのか。





<02月20日 23:17更新>
○ 第7話「本当の気持ちと向き合えますか?」感想

 容赦ねえええええええ!!
 先週「『舞-HiME』の方が設定は鬱だったよ」とか書きましたし、設定に関しては今でもそう思っているのだけど……

 そこから先のさやかの壊れっぷり&まどかの悲痛な叫びと、まー正直『舞-HiME』で舞衣がブチギレたあの回を超える衝撃でした。
 あれは鬱アニメ全盛期だから出来た芸当だと思っていたのだけど、日常アニメ全盛の今の時代にコレをやるとはなぁ。だからこそ、今季の話題独占状態なんでしょうけど。

 アニプレックスがビジネス的に成功すると、何か悔しい!!


 真実を知ったさやかがぶっ壊れていくまでに、まるまる1話を使いました。主人公の蚊帳の外っぷりが溜まりません(笑)。
 キュゥベエに痛めつけられ、杏子に同情されて、仁美に恭介を奪われそうで、自分の信じていた「正義」も失って。魔女との戦いで痛みを完全に遮断することで、もう自分が人間ではないことを魂に刻み込んで―――

 杏子が差し伸べた「仲間だ」という手も払いのけたとか、魔女戦が影絵で「どちらが魔女かは判別できない」かのように見せているとか。
 これ………さやかにぶっ壊れ→魔女化フラグが立っちゃっていますよね。
 2話で「願いから生まれるのが魔法少女で、呪いから生まれるのが魔女だ」とキュゥベエが言っていましたしね。



 ただ、このアニメの凄いところってどんなフラグが立っても「最強のフラグクラッシャー」をまだ残しているってことなんですよね。

 もちろん「まどかが魔法少女になって叶える“願い事”」。
 これによって誰を生き返らせることも、誰を魔法少女から人間に戻すことも、誰の記憶を消すことも、時間を巻き戻すことも――全部出来るワケで。

 さやかや杏子にどんなフラグが立っても、ストーリー展開が完全には予想できないというのが流石です。


 しかし、「気の良い親友ポジション」のさやかをここまできっちりぶっ壊すとはなぁ……
 そして、案の定……杏子はさやかのことが気になっていた模様で、ほむらに「テメーこないだと言っていること違ぇじゃねえかよ」とチクチク言われているという(笑)。

 杏子は良いキャラしていますねえ。
 自分は先週「そんな鬱設定でもないだろ」と思っちゃった分、今週ケロッと設定を受け入れている杏子に感情移入してしまいました。
 杏子もまたかつてぶっ壊れてしまったキャラなんで、自分に似たさやかを見てかつてのように自分以外のために行動してしまって……というフラグを立てているのだけど。どうでしょうね。この手のキャラは結構最後まで生き残りそうな気もします。
 「1人ではヴァルプルギスの夜はキツイ」という伏線があるから、ほむらも杏子も無事だとまどかが魔法少女になる理由がなくなっちゃうか……



 今週書いておかないと来週は手遅れになっていそうなので、書いておきたいこと。妄想8割というところですが。
 1話のアバンや、オープニングで2人のまどかが抱き合う絵とか、ほむらの「全てを知っている」風な行動からするに……

 この『まどか☆マギカ』の世界が「タイムリープした2周目」なのか「鏡の中の世界」なのか「予知した未来」なのか分かりませんけど。“もう1つの物語”が鍵になっていると思われます。

 これは単に設定の遊びかも知れませんけど。
 このアニメのメインキャラのフルネームを並べると「かなめ・まどか」「あけみ・ほむら」「みき・さやか」「ともえ・まみ」「さくら・きょうこ」と――苗字が「かなめ」「あけみ」「みき」「ともえ」「さくら」と、ファーストネームっぽいファミリーネームなんですよね。

 1話でまどかがほむらに「変わった名前だね」と言った時のほむらの表情からするに、名前の設定にも何かの意味がありそうです。
 その後にほむらがまどかに「貴女はかなめ・まどかのままでいなさい」とわざわざフルネームで言っていたところも意味深。


 ほむらと言えば、2話でまどかに「ほむらちゃんはどんな願いを叶えたの?」と訊かれた際、ほむらはまどかを見てそのまま去っていったんですね。ほむらが叶えた願いにまどかが関係しているとすれば、それはやっぱり「1周目」の話なのかなと思うワケです。

 ほむらがまどかばっか気にしてて、さやかをノーマークにしていた理由もそれで説明が付きますしね。「1周目」ではさやかは魔法少女にならなかったから油断していた――とか。


 仁美の存在なんかも色々と妄想が出来ます。
 「しづき・ひとみ」……魔法少女(+魔法少女になる資格のある)5人と同じように、ファーストネームっぽいファミリーネームと見ることも出来るんですよね。
 ちなみに、先生は「さおとめ・かずこ」なのでこちらはファーストネームっぽくありません。


 まぁ、こうやって色々と「1周目」「2周目」を妄想させる描写が各所にあるんで、1話のアバンのあのシーンも色々と深読みが出来てしまいます。

 「2周目」に移ったのはほむらの願いなのか、まどかの願いなのか。
 そもそもほむらはあのアバンの中でもまどかを止めようとしているみたいだとか。
 あのアバンでは「私」とか「君」とかしか会話をしていないので、あの世界では「まどか」ではなく「かなめ」なのかも知れない――とか、まぁ色々と妄想して楽しんでいますし。


 間違いなく、こうやって「考察させて」「みんなであーだこーだ議論させて」、それを傍から見ている人が「話題になっているから観てみよう!」となるように考えられた脚本でしょうしね。
 実際、回を進むごとに話題にしている人が増えているなんて意見もありますもんねぇ。

 悔しいなぁ、アニプレックスが大成功するのが……(笑)。
 アレだけ賛否両論あった『俺妹』もブルーレイがすげー売れているみたいですし、まぁ何というか流石だなと。



※ 補足コメント
 「2周目」どころか「5周目」だった件。
 名前の設定に関しては完全にミスリードにかかりましたねぇ。ほむら家の表札に最初「ほむら」としか書いていない場面があって「ほらキタ!」と思ったのだけど、その後に「暁美ほむら」とフルネームの表札が書かれていて。これ、絶対ワザとやっただろ!と思いました(笑)。

 「オープニングで2人のまどかが抱き合う絵」は、魔法少女になった(1~4周目の)まどかと、新世界の神になった(5周目の)まどかってことでイイのかな。






<02月27日 22:37更新>
○ 第8話「あたしって、ほんとバカ」感想

 種明かしの回でした。
 割かしキッチリ伏線を拾っているので、予想通りだった人も多いだろうし、ウチの感想でも結構書いちゃっていたので。「何だ、今週は大して話が進まなかったな」と思っている人もいるかもですが。

 こういう回も大事っすよ。

 「分かる人だけ付いてこい」って姿勢じゃなくて、キッチリと種明かしに1週かける姿はちょっと見直したくらいですもの。
 単に刺激的な話題を振りまくだけのアニメじゃなくて、地に脚つけて「視聴者が付いてくるギリギリのところで」残酷な描写を入れているという。なんか、そっちの方が性格悪い気もするんですが(笑)、自分は感心しました。


◇ 魔法少女が成長すると魔女になる
 5話の感想の時に、「そのまんまだったら捻りがないですね」とか言っててゴメンなさい!
 まー正直、2話の時点で「魔女ってちっとも女性の形してないよね。あれは元が魔法少女だとかの設定なのかな」と言っていた人もいましたからね。ぼくわるくないよ!!


 実際、設定としてはコレでまとまりが出来たと思いますもの。
 この手の日常ファンタジーものの場合「敵の出所はどこにあるのか?」はポイントになって、「ただ単にそこら辺から湧いてきます」じゃ盛り上がらないんですよね。
 魔法少女は世の中のために魔女を狩る、でも孤独に耐えられずに心を壊すと魔女化してしまう。その魔女を倒すことで魔法少女は魔女になることを先送りすることが出来る。


 どっちに行っても破滅しか待っていない設定とも言えます(笑)。
 そう考えると、ほむらがたった一人で魔法少女として魔女と戦おうとしていた理由も納得ですよね。
 むやみに魔法少女を増やそうとしたキュゥベエやマミさんと対立していたのも、魔法少女を増やす=魔女になる根源を生むワケで。ほむらのように「覚悟を決めた者」だけが魔法少女になって、魔女を殲滅していくのが最も効率的とも言えます。


 でも、それだとほむら自身の幸せはどうなっちゃうの?

 と……考えていくと、まどかが「私が魔法少女になればみんなを救えるはず」と思っちゃうのか。
 だから、ほむらは実状をまどかに明かさなかったんでしょうね。結局、誰か一人が背負うことでしか解決しないし、それでは解決にならない。


◇ ほむらの正体は「違う時間軸の人」
 先週書いておいて良かったです(笑)。
 『時かけ』みたいなタイムリープなのか。『ドラゴンボール』のトランクスみたいなパラレルワールドなのか分かりませんが。
 とりあえず、ほむらの能力は時間移動だった模様。「ヴァルプルギスの夜」の出現位置を「統計」と言っていたのもそういう理由ですね。

 その割には第1話で全然隠す気がなかったけどな!!

 自宅の表札が「ほむら」だったのも興味深いです。
 さやかの自宅の表札はしっかり「美樹」と見せてあるので――――ねぇ?


 ほむらの願いは「まどか」の幸せなのか。
 あれだけ冷たくし続けたのは、魔法少女のからくりを説明したら、まどかが自分を救おうとすると思っていたからか。
 一番大事な人を救うために片想いでい続ける覚悟……切ない話だ。せめて杏子、ほむらと仲良くしてあげてよ。オマエ余っているんだしよ(酷ぇ)。



◇ キュゥベエの正体は「インキュベーター」
 キュゥベエの体は1つじゃないというのは、魔法少女の体の話からは推測出来ていたんですが。

 自分の死体をムシャムシャ食っているところは流石に衝撃的でした。
 『エヴァ』のアレも気持ち悪かったけど、『エヴァ』はまぁ最初から最後まで気持ち悪いアニメだったから違和感なくって(笑)。こっちは序盤を健全アニメに偽装していた分、色々と吐き気がしてしまう……

 ほむらの言うキゥベエの企みというのは、「まどかを最強の魔法少女にすることで最強の魔女を作る」ってところでしょうか。真っ黒になった「グリーフシード」を集めていたことも関係ありそうですしねー。

 ちなみに「インキュベーター」をググってみたら「元来は鳥類や魚類等の卵を人工的に孵化させるための孵卵器(ふらんき)を指した」とのWikipediaの記述あり。
 魔女の卵を孵化させる―――魔女の元になる魔法少女を生み出しているんだから、まあそういうことか。コレ全部踏まえて1話のアバンを見返すと、まどかへのスカウト行為は詐欺としか思えんな(笑)。



 さて、こんなカンジで絶望を振りまきながら、さやかがとうとう魔女化へ。
 この『まどか☆マギカ』は「3話ごとにショッキングなことが起こる」法則があるので、来週こそが地獄絵図になるような予感です。むしろ、この展開で来週が地獄絵図にならないという可能性があるのだろうか(笑)。

 まどかは今すぐにでも魔法少女になっちゃいそうだし、ほむらは「まどかのため」と魔女化したさやかを殺しそうな勢いだし、さやかはさやかでみんなを呪い殺しそうだし……

 真人間は杏子だけだよ!このコしかマトモなコがいないよ!
 むしろ、さやかとの初対面の時の「4~5人くらい人間を食わせてから……」の発言が信じられないよ!アイツはどこ行ったんだよ!魔法少女だけは仲間だって思っているってことなのかな。


 とまぁ、どっちに進んでも悲劇しか待っていなさそうな引きで話は終盤戦へ。
 ぶっちゃけ仁美の行動はブラフだと思うんですけどね。「なかなか行動を起こさないさやかに発破をかけるため」とか。でも、それが判明したところで事態が好転しそうにないのがなんとも。
 「みんなが正しいことをしているから幸せになれない」というまどかママの話が思い出されます。


 いやー、面白いなぁ。「面白い」という言葉でイイのか分からない感情が渦巻いています。
 好き嫌いは分かれる作品だとは思いますけど、深夜アニメの歴史を数年後に振り返った時にターニングポイントになる作品には確実になると思います。「新しい時代を切り開いているぞ」感というか。この辺は全話終わってから語るべきかな。


 今週のBパートはホント全部のシーンが凄まじかった……
 電車の中の闇の演出、まどかとキュゥベエのシーンの緊張感、ほむら(CV.千和さん)のすげー演技に水しぶきの演出、ラストシーンの緩急が一気に切り替わる瞬間。
 普通なら7~8話にもなればシナリオも作画も消耗戦に入っている頃だと言うのに、きっちりと山場に持ってくる辺りが凄いですよね。逆に考えるなら、「他の作品が疲れている頃こそ勝負だろ」ってことなんだろうけど。言うは易し、行うは難しですよ。すげーなぁ。



※ 補足コメント
 「ほむらの幸せはどうなるのか」はここから終盤にかかってくる話。
 魔法少女が魔女化する事実と、キュゥベエの目的がその魔女化だったことが判明した回なのだけど―――分かりきっていたこととは言え、ラストにそれをキュゥベエが語るシーンは圧巻でした。全12話を振り返っても、この回のBパートが一番の自分のお気に入りです。

 「真人間は杏子だけだよ!」と書いていた通り、この次の回で杏子が頑張るんですけど……
 その結果、真っ先に杏子が脱落―――後は「どうかしている人」しかいませんという状況になるという(笑)





<03月06日 22:41更新>
○ 第9話「そんなの、あたしが許さない」感想

 何という予定通りな展開!!
 そして、全てがキュゥベエの「計画通り」に進んでいるという。ぎゃー!!

 タイムリープしているはずのほむらより、キュゥベエの方が未来予測できてないか…?
 ひょっとしてほむらちゃんはドジっこなんじゃなかろうか!


 杏子がさやかと道連れに死亡。
 これにて残った魔法少女はほむら一人になって、「このままだと第1話のアバンタイトル通りの展開になってしまう」ことになりました。つまり、ヴァルプルギスの夜にほむら一人で立ち向かって負けて、まどかが魔法少女になろうとして――って展開。

 キュゥベエの言動からすると、まどかを魔法少女にするためにキュゥベエがヴァルプルギスの夜を呼んでいる――くらいに考えてしまいますね。



 にしても、第1話を観た時は、まさかここまでキレイに第1話アバンに向けた展開になるとは思わなかったです。
 あの頃はマミさんがいたし、さやかも魔法少女になれたし、その後に杏子も出てきたし―――「ほむらしか戦える魔法少女がいない事態になる」なんて想像できませんでした。そもそもまどかがこんな終盤まで契約をしないってことが予想外でしたからねー。

 この展開は「お見事」と言わざるを得ません。

 もちろん腑に落ちない場面がなかったワケじゃないんですけどね。
 ほむらがマミさんと手を組んでいればこんなことにはならなかったろうし、登場したての杏子の偽悪さっぷりには御都合主義を感じたのも確かです。でもまぁ、「必ずしも人間は最良の行動を取るわけじゃない」と考えるとそれで納得できてしまうのも確か。

 ほむらはまどか以外のことにはちょっと抜けているというか、優先順位が変なんですよね。
 今週だって、長い目で見ればほむらがさやかを殺して杏子を助ければ良かったんだけど、ほむらはまどかを無事に連れ出すことを優先してしまった―――

 杏子に関しても「論理的な行動を取る」タイプじゃないし、さやかに出会って心変わりしちゃった気持ちは分からなくはないし。イチャモンをつけるほどのことではないかな。




 ほむらがここまで頑なにまどかのために行動してきたことを考えると、
 まどかが最後まで魔法少女にならなくてほむらの想いだけは成就される……みたいなエンディングもアリだとは思うんですけど。
 このアニメ、「自己犠牲して何かを成し遂げようとする」ことにはものすごく冷徹な裁きが下さりますからねぇ。


 キュゥベエの目的は、魔法少女が魔女になる際のエネルギーをグリーフシードという形で回収して、宇宙全体から失われているエネルギーを保とうとすること――――文章化してもよく分からん!!スケールが大きすぎるわ!!

 とにかくまー、「すごい魔女」を産むことがキュゥベエの目的だから、「すごい魔法少女」になれるまどかに目を付けていたってところか。あれ…でも、まどかが最強の魔女になったら「倒せる魔法少女」なんて存在しないんだからグリーフシードも回収できなくないか?
 とすると、キュゥベエにはまだ奥の手が残っているっぽいな。



 さて、このキュゥベエ先生の言い分が面白い。

 「今現在で69億人。しかも、4秒に10人ずつ増え続けているキミ達が、どうして単一個体の生き死にでそこまで大騒ぎするんだい?」
 「この宇宙のために死んでくれる気になったら、いつでも声をかけて。待ってるからね!」

 キュゥベエが魔法少女に求めているのは「自己犠牲」なんだけど、このアニメの登場人物の行動動機もほぼ「自己犠牲」なんですよね。
 恭介のために魔法少女になって「私は見返りなんて求めない」と言い放ったさやか、まどかのためにタイムリープして嫌われてでもまどかの魔法少女化を止めようとしているほむら、かつては父のために魔法少女になって最期はさやかのために死んだ杏子、マミさんは……そうでもなかった気がするか(笑)。

 そして、先週さやかのために自分の身を捨てようとしたまどか―――と。

 このアニメの登場人物は「大切な人のために何かをして」そのカウンターとして「大切な人を失う」ようになっていて。そんな作品の大元となっているキュゥベエの目的が、究極の自己犠牲の強要だというのは興味深い話だなと。

 「自己犠牲」を美談化していないんですよね、このアニメ。
 今週の杏子の特攻も『ガンダム』シリーズだったら名シーンとして語り継がれたと思うんですけど、この作品の中では「事態の悪化」でしかないんです。もちろん感動的っちゃー感動的だったんですけど、その後に絶望するほむらの方が重要だという。




 「親友のために自己犠牲できる彼女達が、宇宙を救うためには自己犠牲できないのか?」


 この作品が最後にハッピーな結末を迎えられるかどうかは、この辺の答えを描けるかどうか次第かな。
 一応、それっぽい伏線メッセージのようなものは散りばめられていたとも思えるんですが、それでも容易じゃないですねー。ブン投げて終わったとしても誰も責められないけど、しっかり描いて締めくくれたらそれこそ伝説の作品になりそうな。


 ソウルジェムの秘密は全部明らかになりましたが……
 「まどかが理論上ありえないほどの魔法少女になれるのは何故か?」とか、「ほむらはまどかの何なのか?」とかはまだ謎なままですね。
 オープニングでまどかと抱き合っているもう一人のまどか……なーんか、アレがほむらっぽい気もしてきたんですよね。表情を見せないように描いているし。でも、それだと8話のほむらが「まどか」と呼んだのは引っかかってくるか。名前のギミックもまだ謎。



 全然関係ない話をしますけど、『化物語』にもあった「線路で戯れている間に反対の線路を電車が通る」演出って何の意図があるんでしょう?
 まず自分は「危なくないの!?」と焦ってしまって会話に集中できない(笑)。
 『化物語』の時は仕方なくああいうシーンになったけれど、『まどか☆マギカ』は普通にまどかが線路を歩いていて「どんなアウトローだよ!」「スタンドバイミーかよ!」「あんなにマジメに育っていたまどかが不良になってしまった!」と思ってしまったという。



 あれ……そういや『スタンドバイミー』って死体を捜しに行く映画だったな。
 さやかの死体にたどり着く的な含みがあったのだろうか(←考えすぎです)。




※ 補足コメント
 「このアニメ、「自己犠牲して何かを成し遂げようとする」ことにはものすごく冷徹な裁きが下さりますからねぇ。」と、この時点で感想を書いていました。最終話の放送後、この辺のことについて「こういう結末はガッカリだよ!」と言っている感想も幾つか読みました。

 分からんでもないです。
 このアニメ、「自己犠牲」をたらいまわしにして、最後にババを引いたまどかが全部背負って終わっちゃうという結末ですからね。それに比べて何も「自己犠牲」しなかった仁美ちゃんだけがハッピーエンドですよ!まどかがかわいそうだよ!さやかちゃんはもっと悲惨だよ!

 でも、それを「まどかの魔法少女への憧れ」で納得させようとしたのも確かですし、各人が納得できるかはともかく、シナリオ上のケジメは付いているんじゃないかなと思います。








<03月20日 22:05更新>
○ 第10話「もう誰にも頼らない」感想

 東日本大震災があったため先週のTBSでは放送休止になっていた分がネット配信されたので観ました。


 出所がどこなのかはよく分からないのですが、地上波での放送は全局で打ち切りという噂がありますね。10話を観てかなり納得出来る話だなとは思っています。

 「ワルプルギスの夜」出現と、それ以降の展開(まどかの魔女化など)で荒廃していく世界は震災を連想させるものがあったので、テレビでの放送を自粛するという考えは頷けます。
 最後に希望を持たせる作品だろうから、放送してもそれはそれで意味があると思うんですけど……テレビは「観たくない人も観る可能性がある」メディアですからね。しかもキー局であるTBS系列というのが更に大きいでしょう。

 なので、ネット配信で残りを放送してくれればイイのですけど―――ここまで作品としても商品としても完璧に展開してきた『まどか☆マギカ』だけに、関係者は悔しいでしょうね……


 スタッフは間違いなく「歴史に残るアニメ作品を作ってやる」という高い志で作っていただろうし、通常通りに放送されていれば間違いなく「深夜のアニメの歴史に名を残す傑作」になったと僕は思っています。
 2006年の『涼宮ハルヒ』の大ヒット以後の深夜アニメの中で、一つの答えを出せた作品だったと思っていた……んですけどねぇ。

 なんかもう、誰も責められないし、残酷な運命に歯を食いしばることしか出来ません。
 それとは別に、9話まではテレビ放送を録画していた身としては、10~12話分はブルーレイを買わなきゃならないのかと悩み中です(笑)。別にブルーレイ2本買うくらい構わない大傑作だったと思うんですけど、正直ブルーレイ最終巻が出る頃には熱が冷めているだろうしなぁ……(え)



 ということで、とりあえず10話の感想。
 いつもと違って「1回しか観られていない」上に、読み込みに超時間がかかった&計画停電のために最後の2分くらい観れていないという(笑)。だからね……「ネット配信は最後の手」にして欲しいんですよね。今後も。


 10話はほむらの過去についてのネタ晴らし回でした。
 一言で言っちゃえばそれだけなんだけど、まー凄かったです。

 過去編でのネタ晴らしというのは、「今までの疑問を解決する」のが第一の目的なんですけど……それだと退屈なだけになってしまうので、「どれだけエンタメ要素を入れられるのか」がポイントだと自分は思っています。

 今回の過去編は、なんつーか「みんなが期待している夢のようなエンタメ展開」と「その後に待つ壮絶な悲劇」を見せてくれたし。
 気弱だったほむらがタイムリープを重ねていく上であんな風になってしまって、だからあんなにも「みんなが魔法少女になる展開」を妨害していたのだと納得できる内容でした。


・まどかの魔法少女バージョンお披露目!!

・マミさんとまどかのコンビ!!

・マミさん・まどか・ほむらのトリオ攻撃!!

・どの時間軸でもやっぱり良いヤツな杏子!(笑)

・ほむらの武器は、時間操作の能力でヤーさんかパクってきたやつなんかーい!!

・何と言っても、まどか×ほむらの百合百合展開!!



 「ワルプルギスの夜」戦の後、二人で手を交差させながら“終わりの時”を待つシーンは哀しかったけど美しかったです。何度ものタイムリープを超えての「やっとまどかって呼んでくれたね」は、涙腺を強く揺さぶられるものがありました。



・一人、「ワルプルギスの夜」に立ち向かって死ぬまどか

・まどかの魔女化

・キュゥベエの企みを喋っても誰にも信じてもらえないほむら

・魔法少女が魔女になることを知って、みんなを殺そうとするマミさん

・そのマミさんを殺すしかなかったまどか

・そのまどかの最期の願いで、まどかを殺すしかなかったほむら

・全てを背負ってたった一人で戦いつつも、結局まどかの魔法少女化→魔女化を止められなかった最後の過去


 ほむらが背負ってきた壮絶な過去は、これまでの1~9話で描かれてた凄惨な戦い以上のものでした。

 「なんとなくこんなカンジかなー」と思っていた大枠通りではあったんですけど、ディティールの細かさが半端なかったですね。
 最初の転校シーンが第1話と同じセリフや同じカットを使っていたり(まどかとほむらの位置が逆)。第1話の名前の謎が明らかになったり。ところどころのシーンでのセリフが1~9話で使われていたものと一緒だったり。最後に流れるオープニングテーマ『コネクト』の歌詞がほむらを歌ったものだと分かったり。


 まぁ、何つーか。沢山の作品で「過去編でのネタ晴らし」を観てきましたけど、これはその中でもトップクラスのものだったんじゃないかなー。この過去編を観てから1話から観返すと、ほむらの全部のセリフに涙してしまいそうです。


 結局、「まどかがワルプルギスの夜に殺される」のか「まどかがワルプルギスの夜を倒して魔女化してしまう」のどちらかしか結末はなかったのだけど……コレを見た感じ、タイムリープを繰り返すたびにまどかの魔力が増している気がしますね。

 最初はキュゥベエもまどかを特別視していなかったし、ワルプルギスの夜に殺されているし。それが徐々に魔力を増して、最終的にはワルプルギスの夜を1撃で倒すほどに―――

 これって、ほむらが願った「まどかを守りたい」的な希望の裏返しなのかな。
 恭介の肉体を取り戻したさやかが肉体を失ったり、「父親の話を聞いて欲しい」と願った杏子の声はさやかに届かなかったりするみたいなことで。希望と絶望の差し引き0の法則で、ほむらの願いがまどかに呪いとなって降りかかっているからこその強さということなのかなーと思いました。


 いやー凄ぇ面白かったです。
 これがちゃんとスケジュール通りに地上波放送出来ていれば……3ヶ月放送が早かったら……歴史が作られる瞬間が見られたろうにと思ってしまいます。

 とうとう残り2話……かな。
 もうどうしようもないくらい「詰んでいる」状況なんだけど、さあここからどう逆転するのかというところ。

 正直、こればっかしは見当もつかないです。
 ここまで完璧な脚本を見せられていると、「結局負けちゃいました」とか「またタイムリープします」みたいな終わり方にはならないと思うんですよ。これでちゃんと納得させられる形で逆転を描いてくれたら、ホント伝説に残ると思います。


 さて……僕らが11話を観られるのはいつになるのか………




※ 補足コメント
 後に残るかも知れない記事なので補足をしますと――――
 10話の放送は関西圏で3月10日に放送され、関東圏で3月11日の深夜に放送される予定でした。3月11日の昼間に未曾有の大震災が起きてしまったのでその後は全局放送休止、関西圏でのみ放送された10話が後にネット配信されたのでした。

 しかし、この間に自分は関西圏の人からネタバレ直撃喰らっていたのでした!
 アーッハハッハッハッハッハッハ!

 だからこんなに愚痴っぽい感想になっているんですね。サーセン。
 まどかの魔法少女姿は震えがくるほどカッコ良かったですね。自分はまどかスキーなんで。
 この回のAパートは「みんなが夢見る魔法少女モノ」な展開だったのだけど、Bパートはずっと地獄絵図という(笑)。「まどかを守る存在になりたい」とほむらが願った分、ほむらとまどかの距離が開いちゃって、5周目はもう1周目と別人格でしたもんねぇ……これが希望と絶望の差し引きゼロの法則だったのか。







<04月24日 23:50更新>
○ 第11話「最後に残った道しるべ」感想

 あの悪夢のような3月11日。
 いや、正直言って「悪夢にも思ったことがなかった」3月11日。

 フィクションの世界で描かれている「ワルプルギスの夜」なんかよりもよっぽど凄惨で、よっぽど残酷で、よっぽど絶望的なものを知ってしまった僕らだからこそ。
 3月11日に止まってしまった時間を進めるべく、またこの『魔法少女まどか☆マギカ』の放送を再開してくださったことに心から感謝をしたいです。ありがとうTBS。流石の自分もテレビ局批判なんかやめて感謝の気持ちでいっぱいになりました。



 な の に 地 震 速 報 と か、マ ジ で 地 震 さ ん は 空 気 読 ま ね え な。

 「地震速報を出されたこと」に文句を言っているワケじゃないですよ、TBSは悪くない。必要な情報だもん。
 しかし、せっかくのほむらの変身シーンに地震速報が被るとか、何という運命なのだろうと思ってしまうのですわ。

 逆に考えると、アニメ史に残るであろうこの『まどか☆マギカ』という作品を象徴する出来事のようにも思えなくないというか。
 地震速報とリンクするように崩壊していく街、避難している体育館、そこから一人飛び出していくまどか―――という構図には。震災にあって絶望しているこの国に希望を与えるために、あたかも最初から全部分かった上でこの話が組み立てられていたんじゃないかと思うほどでした。

 実際に3月11日以降に脚本を書き変えるとかは、アニメの制作スケジュール上不可能だと思いますけどね。ということは、まさか虚淵玄さんこそが時をかける魔法少女なのかしら!



 ちなみに、この感想は12話を観る前に書いています。
 でも、11話のこのカンジだと多分「逆転満塁ホームランでハッピーエンド」にするってことなんだろうなって思いました。
 ようやく、“逆転への布石”が見えましたから。ここまで頑なに全く見せてこなかった脚本はやっぱり凄いすなー。それでいて「理不尽」だとも「ご都合主義」だとも思わず、「あー、その手があったか」と全て納得させる手段が……実はあった。

 と、ここまで書いて12話でスーパー欝バッド全滅エンドだったらどうしましょう(笑)。


 9話のさやかちゃん戦からのその後。
 さやかの死体は普通に発見され、杏子ももちろん死亡、通夜に参席するまどかの姿は見ていてしんどかったです。


・ほむらに突きつけられる「自分が時間を巻き戻すたびにまどかに因果を背負わせてしまっている」という事実。
・まどかに突きつけられる「自分を救うためにほむらが何度もタイムリープしている」という事実。

・ほむらが「まどかを救わなきゃ……!」という希望を失った時点で、ほむらもまた魔女化してしまうという事実。


 これ、非常に上手いことに――――視聴者は「ほむらが生き残っている限り、何回でもやり直せるんだろ」と甘く見ていたと思うんですよ。でも、ほむらには「自分のせいでまどかに因果を背負わせている」という事実が重くのしかかり、やり直しが出来ない――――

 見事なまでに退路を断った“完 全 な 絶 体 絶 命”を作り出しました。


 だからこそ、ようやく駆けつけたまどかの姿に視聴者は「ようやく!!」と震え上がれるんですね。「またタイムリープすればイイんでしょ?」と思われたままだったら、この感動はないんです。


 さて。
 で、その「駆けつけたまどか」の方。
 ほむらはずっと「まどかを魔法少女にしないために」一人で戦ってきたのに、オマエが駆けつけちゃダメじゃん感―――を否定するために。ここで「ママ」を使ってくるのかと。


 1話の頃から「ママ」は頼りになる存在でした。まどかにとっても視聴者にとっても。
 6話の時点でもそう。「ママ」の助言がまどかにとって道しるべになっていましたし、視聴者も「それが正解だ」と思っていました。

 しかし、それでは事態は解決しませんでした。
 まどかの行動によってソウルジェムの秘密を知ったさやかは心を壊し、最終的に魔女になって殺されてしまいます。


 それじゃダメだったんです。

 早乙女先生の「あの年頃の子どもはね、ある日いきなり大人になっちゃったりするものよ」の言葉の通り、まどかは大人にならなければダメだったんです。
 「ママ」の静止を振り切り、自分にしか出来ないことをするために、自分の意志で「魔法少女になること」のリスクも全部踏まえた上で戦場に向かわなきゃダメだったんです。

 騙されているワケではない。
 絶望しているワケじゃない。

 「自分にしか出来ないことがある」という確信と、“希望”を持って飛び込まなければならなかったんです。この瞬間、まどかは「単なる14歳の少女」ではなくなったんです。
 そう――――ほむらの目的は「まどかを魔法少女にしないこと」じゃなかったよね、「まどかを魔女にしないこと」だったよね。


 というとこで、ここから先は「当たっていたら野暮」だし「外れていたら恥ずかしい」ので書きません(笑)。



 その他のことー。
 仁美ちゃんはガチだったのね……絶対ブラフだと思っていたのに。

 ママと先生の会話シーンは作画サボリすぎだろう!と正直(笑)。
 でも、声優さんの演技が良かったですねー。
 第1話だとママが先生をちょっと見下しているみたいなセリフだったのだけど。「中学生の扱い方」に関しては先生の方に軍配が上がるというのが面白かったですし、「まどかがママから自立する」ためにもこのシーンがあるのとないのとでは全然印象が違いますよね。


 ワルプルギスの夜が強すぎる件。杏子がいてもいなくても関係ない次元の戦いじゃね?
 それにしても、4周目まどかならともかく、2周目や3周目のまどか&ほむらコンビでもコレを倒しているんですよね。もっと言うと1周目もまどかは死んだけどワルプルギスの夜を倒せているっぽいんですよね。

 ひょっとして、ワルプルギスの夜もタイムリープごとに強くなっているのかしら。
 ほむらの希望と絶望の差し引きゼロの論理からすると、それでもおかしくないと思いますし。


 うーん、やっぱり面白かったなぁ。
 Aパートは正直微妙かなと思ったんですけど、Bパートになった途端に俄然テンション上がりっぱなしでした。





※ 補足コメント
 この回のmixi日記、文字数オーバーしちゃったんでところどころカットしたんですが……
 自分で何をカットしたのかもう覚えていません!ポンコツな脳みそでゴメンなさい!

 この一挙感想を振り返ってみて思うのは、
 『まどか☆マギカ』は「決断の物語」だったなと思うんです。自分の意志で自分の行動を決断していく物語、11話のこの時まではそれが必ずしも肯定的には描かれていませんでした。さやかの行為も杏子の行動も結果的に状況を悪化させただけですし、ほむらの決断によってまどかは重い因果を背負わされてしまいました。

 でも、まどかはこの「決断」を丸ごと肯定したかったんですよね。
 その「まどか自身の決断」をするまでの12話だったんだと思います。何にも持たなかった少女が、最終的に自分の決断をする物語―――そこから逆算していくと、頼れる人がどんどんいなくなっていくシナリオや、ママからの自立などなどのシーンもそのためにあったのだと分かりますよね。

 だから、やっぱり「まどかに全部背負わせてハイめでたし!みたいなエンディングは酷い」って感想は、まどかが何を肯定したかったのかの部分を無視しちゃっているなって思います。ま、それでも「まどかのその決断は間違っている!」という意見もあるんでしょうけど。






○ 最終話(第12話)「わたしの、最高のともだち」感想

 なるほど、これは『ターンエーガンダム』だったのか!
 『ターンエーガンダム』は「全てのガンダム作品の未来の話」だったけど、『魔法少女まどか☆マギカ』は「全ての魔女アニメの過去の話」だったということですね。呪いを孕んだ魔法少女というシステムを、まどかが破壊するまでの物語だった、と。


 「逆転満塁ホームランでハッピーエンドになる」とは11話の時点で確信していましたが、まさかこれまでの魔法少女どころか歴史上の人物達までまとめて救って終わるとは。

 でも、そこにちゃんと説得力を持たせるように積み上げてきたというのは流石ですし、
 11話と12話(最終話)がセットで放送されたというのは「伝説を作る」一因になったのかも知れませんね。11話の時点でほとんどネタは割れちゃっていたワケで。


 ということで、「まどかの物語」としては11話でほとんど完結していました。

 まどかの願いは「希望の肯定」。
 希望を持ったがために絶望を背負ってしまった幾多の魔法少女達の、「絶望」部分だけをまどかが背負って全肯定してあげようというものでした。11話を観ていないと「なんじゃそりゃーーーーー!!」な展開なんですけど、

 この魔法少女→魔女化のシステムって、「絶望しなきゃイイ」ってだけなんですよね。
 キュゥベエに騙されたからってワケではなく、ソウルジェムの仕組を全部納得した上で自分の意志で魔法少女になれば、「希望」が「絶望」に勝てる―――11話で「暁美ほむらは絶望した瞬間に魔女化する」のセリフでそれは示唆されていました。

 裏返せば、「希望を失わなければ魔法少女は素晴らしい存在」なんじゃないかって。
 「魔法少女」の存在がなければ「ほら穴で裸で暮らしていた」のセリフがあったから、魔法少女を全否定するワケにもいかないし、魔法少女に夢を見たまどかだからこそ魔法少女を否定したくなかった。

 だから、「唐突」でも「御都合主義」でもないし、
 まどかが魔法少女になれば「神にだってなれる」「宇宙の法則を変えられる」とキュゥベエが以前にしっかり言っていましたものね。本当に新世界の神になった時には驚きましたけど(笑)。



 そして、すげーなぁと思ったのが「ほむらの救済」について。
 まどかが自己満足してもほむらが「まどかを救えなかった」と思ったら彼女の物語としては意味がないので、どう落とし前を付けるんだろうと考えていたのですが……
 11話でほむらは「繰り返せば繰り返すほど、貴女と私が過ごした時間はズレていく。気持ちもズレて、言葉も通じなくなっていく」と言っていました。実はこれこそが彼女の苦悩だったんですよね。

 でも、それすらも救おうとするのが虚淵脚本。
 新世界の神になって、「過去も未来も全ての魔法少女を絶望から救う」と願ったまどかは、ほむらが経験してきた全ての過去を知ることになります。その全てを知って受け入れたまどかの言葉で、ようやくほむらが救われる―――という。

 最後のシーン。「まどかのためだけに戦ってきた」ほむらが、まどかのいない世界を守るために戦うのは、彼女もまたこの12話の間で成長した証なんだろうなって思います。


 マミさんや杏子とも、(精神世界の中で?)再会。
 さやかとも2人で恭介の演奏を聴くことに。

 彼女らと交わせなかった「会話の続き」をして、ようやくまどかも救われます――
 「さやかちゃんだけ死んじゃうのは救いがないんじゃない?」と最初は思ったんですけど。
 これは“魔法少女になることを選んだこと”を否定させないって答えなんですよね。

 まどかの力だったら、マミさんや杏子やほむらが魔法少女になる前に食い止めることだって出来たはずなんだけど。それをしちゃったら彼女らの生き方まで否定してしまう――――


 これ、多分6話のママのセリフが絡んでいて。
 「問題を解決するためには敢えて間違ったことをするのも大事」という言葉の通り、まどかは「間違った(と自分で思い込んでしまった)みんなの選択」も全肯定したんですよね。

 さやかの行動は誰からも肯定されなかった、「バカなことをやった」と言われ続けた。
 でも、まどか一人が「間違ってなかったんだよ」と言ってあげることで、さやかも救われたんですよ。



 見事なエンディングでした。
 最後ちょっと説明過多かもなぁと思ったのですが、きっちりと時間内に収めたのは流石だと思いました。
 自分としては、まどかママの「まぁ、娘とかいたら付けさせたかも知れないねぇ…」のリボンのくだりがグッときました。当然、視聴者としてはあのリボンはママが選んだリボンだということを知っているので……ね。


 着地点も「万人が納得いく形」だったと思いますし、ここから全ての魔法少女アニメが始まっているんだよ的な壮大な描き方もこの作品を締めくくるに相応しいラストでした。


 何の因果か分かりませんけれど。
 2011年の3月という戦後最悪の大災害が起こったこの時期に、「どんなに絶望的な事態になっても希望を失わないで!」「希望を持つことが間違っているなんてことはないから!」とメッセージをこめたこの作品が出てきていたことに驚きますし。

 色んな意味で忘れられない作品になりましたし、何年経ってもこの作品のことは大災害とともに思い出されるんだろうなって思います。そういう意味でも、やっぱり全肯定して終わったというのは大きな意味を持っているんじゃないかって思いますよ。

 楽しかったです。
 この作品が放映されている間、凄く楽しかったですし、
 放送休止が本当に残念だったし、しかしそこからの1ヶ月の「未完の時期」がまたこの作品への思いを育んでくれましたし。祭りのように盛り上がった最終回まで一挙放送も楽しかったです。幸せな時間でした。ありがとうございました。



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 こうして全話感想を一挙に読み返してみると……この作品って「感想を書くのが楽しかった」なーって思い出されます。
 別に毎週感想を書くことを義務にしているワケじゃないんですが、どんな作品でも「今週は何も思うことがない」って回があるものなんですよ。でも、『まどか☆マギカ』は毎週話題に困りませんでした。

 この「どの回も話題になる」仕組みこそが、この作品最大の発明だったんじゃないかと思います。
 話題を振りまいて、話題になることがムーブメントを起こして、それが商品売上げを押し上げていくというのなら、これを否定する理由はありません。アニプレックスに色々言ってきた僕ですけど、やっぱり深夜アニメのビジネスを一番真剣に考えているのはアニプレックスだと思いますもの。そこは認めてあげなきゃならんです。


(関連記事:アニプレックスは『化物語』の成功体験を引きずり過ぎだと思う
(関連記事:『まどか☆マギカ』はソーシャルアニメだった




 ということで、非常に楽しませていただきました。
 2006年の『涼宮ハルヒ』のヒット以降、アニメとネットは必ずしも良い関係だけではなかったと思うんですけど、ものの見事にネットを使いこなしたアニメが出てきたと思っています。もちろん内容が素晴らしかったのは確かですが、その伝え方も見事でした。

 内容的にも、ゼロ年代後半を席巻した日常アニメの向こう側に行こうとするものを、まさかの『ひだまりスケッチ』メンバーで作ったというのも興味深かったです。2010年代というものがあるのならば、そのオープニングに相応しい“新時代の一歩目”と呼べる作品だったと思います。


 すげー作品をありがとうございました。


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| アニメ雑記 | 18:02 | comments:1 | trackbacks:2 | TOP↑

COMMENT

12話の考察お疲れ様です!

前の記事のまとめ分もあるとはいえ、これだけの量の考察、お疲れ様でした。 すごく読み応えがありました。 1話から見てきたまどかマギカのジェットコースター的なプロットで。わくわくしたり、ドキドキした感覚が、再認識できました。 1、2話であった「ほんわか感」が、3話、6話・・・と、どんどんヤバイ感じになっていく様は、さすがだと思いましたね。

この、最初幸せで、どんどんやばくなっていく感じは、「男たちの挽歌」を思い出します。

ともかく、12話で、話がきれいにまとまり、カタルシスも得ることが出来て、僕は満足しています。 おもしろかったー!

| http://madokamagica.web.fc2.com/ | 2011/04/27 15:07 | URL |















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