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「続きが気にならない」型エンタテイメント

 以前に書いた記事の裏表記事です。
 この記事タイトルとの比較で「続きが気にならない」と書きましたけど、どっちかと言うと「いつも同じことをやっている」「毎回見なくても構わない」「久々に見てもついていける」という方が的確かもです。

(関連記事:「続きが気になる」型エンタテイメント




 全盛期の『ドラゴンボール』だとか『20世紀少年』なんかの例を出して、「早く続きが読みたい!」と思わせる楽しみ方があるというのが前回の記事でした。
 当然「早く続きが読みたい!」と強く思わせられる作品ほど雑誌の売上げやコミックスの売上げを押し上げるキラーコンテンツになります。


 しかし、こうした作品は「毎週雑誌を読んでいる人」「全巻コミックスを読んでいる人」向けの、言ってしまえば“ヘビーユーザー”向けの作品になりがち。もちろんソレが悪いことではないんですけど、そういう作品ばかりになってしまうと漫画雑誌も漫画業界も先細りになってしまうんですよね。

 なので、漫画雑誌にとっては「いつも同じことをやっている」「続きが気にならない」型の裏キラーコンテンツというものが大事になってくるんです。言ってしまえば、“ライトユーザー”向けの作品。



 子どもの頃から20代前半まで少年ジャンプを読んでジャンプ感想サイトなんざやっていた時期もある自分ですが、もう5年くらいジャンプを読んでいないので――――例えば、今『ワンピース』を読んでも話についていける自信はありません。誰このキャラ?となることでしょう。5年前より後に連載が始まった作品ももちろんついていける自信はありません。

 でも、多分『こち亀』なら読めるんですよ。
 5年間読んでいないから今がどんなだか分かりませんけど、多分5年前と比べてさほど変わらないことをしているんじゃないかと思います。それが安心感なんです。
 5年ぶりに読んでみたら、謎の大魔王が復活して部長と中川と本田が殺されて、一人残された両さんがカリン塔で超神水を飲んだりみたいな展開にはなっていないと思います。むしろ、なっていたら読んでみたい気もする(笑)。


 ジャンプを毎週読んでいた頃は、「続きが気になる!」って漫画が大好きでしたから「こち亀って惰性で続いているよなー」なんて思っていましたけど。しばらく離れてみると「ずっと同じことを続けている」意味の大きさに気付きますし、実は各誌こういう「続きが気にならない」裏キラーコンテンツというのを大事にしているんですよね。




 つまり、
 「漫画雑誌」という一つのカテゴリーの中でも、求められている楽しみ方というのは決して一つではないので。たった一つの評価軸で考えると説明が付かないことが往々にしてあると思うんです。


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○ そこに「物語」はあるのかい?論争
 『けいおん!』のアニメ2期が放送していた頃、Twitterにて「けいおんに物語があるのか?」「けいおんに物語は必要なのか」「けいおんに成長はあるのか」「けいおんに成長が必要なのか」みたいなことがしょっちゅう議論になっていたのを見ました。「物語」や「成長」というよりかは「連続性」と表現した方が分かりやすいかな。


 ウチのブログでは散々「けいおんの物語性」について語ったので、自分は当然「物語」も「成長」もあると思っていましたし、そういう意味では自分にとって『けいおん!』は「続きが気になる」型の作品だったんです。あずにゃん一人で大丈夫かなー、とドキドキしながら見ていました。


 しかし、一方で『サザエさん』的なというか、『こち亀』的なというか、非連続的な「いつも同じことをしている」「続きが気にならない」型の作品として楽しんでいる人も多かったのも確かだと思います。2期は特に。
 1期の途中で1コ下の学年が入ってきて、あずにゃんが加入した回は例外ですけど――――基本的に「ずっと同じメンツ」で「ずっと同じ場所」で「ずっと同じこと」をしているのが『けいおん!』というアニメでしたもんね。
 久々に観たら、謎の大魔王が復活して唯と澪とムギが殺されて、一人残されたあずにゃんがカリン塔で超神水を飲んでいながら、律っちゃんが命をかけて魔封波の修行をするみたいな展開にはなっていないと思います。そして、骨折して役立たずのさわちゃん。



 これは恐らく『けいおん!』という作品が「続きが気になる」型でも「続きが気にならない」型でも楽しめるようにと考えた結果であって―――毎週欠かさず観る“ヘビーユーザー”と、時間のある時だけでも観る“ライトユーザー”の両方を狙った作品だったからだと思います。

 まぁ……だから、「続きが気になる」型を期待した人にとっては物足りないという指摘は間違ってはいないと思うんですけどね。アナタが求めているものと作品が狙っているものが微妙にズレているということですから。



 今季自分が観ているアニメで言うと、『シュタゲ』や『あの花』は「続きが気になる」型の要素が強くて、『花咲くいろは』は(2話完結の話とかもあるんだけど)「続きが気にならない」型の要素が強くて――――
 アニメの“ヘビーユーザー”の自分が楽しむ分にはその差は大して重要じゃないんですけど、普段アニメを観ない人にオススメする時に「どう勧めるのか?」の部分で重要なポイントになると思うんです。端的に言うと、『まどか☆マギカ』を途中からオススメするのは難儀だよねというか。




 最後にちょっと蛇足話。
 自分は映画って「続きが気にならない」型の究極のエンタテイメントだったと思っているんです。1本の中に全部押し込められていて、「その前の話」も「その後の話」もない。予備知識0でフラッと映画館に寄って2時間映画を観て「あー、面白かった」と言えるのが映画の魅力だったと思うんです。


 しかし、最近……と言うのは語弊があるか。『スターウォーズ』なんかは自分が生まれる前の映画だし。
 とにかく「予備知識がないと楽しめない」映画が増えてきたよなぁというのが残念なところです。最初から三部作で作られていたり、人気映画の続編だったり、テレビドラマの続きを映画でやったり。そういう作品は途中からだと手を出しにくいですよね。

 シネコンの普及で「大ヒット映画」と「そうでない映画」の二極化が進んじゃって、シリーズ作品により投資がされるようになっていっていると思うんですけど………映画に関しては“ライトユーザー”の自分としては、ハードルが高くなっているなあと思うところです。


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