やまなしなひび-Diary SIDE-

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その「ゲームのルール」、何秒で説明できます?

 「鬼ごっこ」や「かくれんぼ」から、ゲームの複雑化を考えるという記事を書きながら思ったこと。
 まぁ「そんな当たり前なことを今更文字にする!?」って話なんですけど……「ゲーム」とは「ルール」のことなんだなと思いました。

 『パックマン』のルールは、「敵に捕まらずにドットを全て回収すれば勝ち」というもの。
 『スーパーマリオブラザーズ』のルールは、「敵に当たらず、穴にも落っこちずに、ゴールまで辿り着ければ勝ち」というもの。


 「ゲーム」とは「ルールの創造」なんですよね。すっげえ当たり前なことですけど。
 そして、この「ルール」には「大まかなルール」だけでなく「細かいルール」が沢山付随されていきます。『パックマン』には「パワーエサを食べると立場が逆転する」とか、『スーパーマリオブラザーズ』には「トゲのある敵は踏んではいけない」みたいな細かいルールがありますよね。
 シリーズ作品が続いたり、後追い作品が沢山出てくると、こうしたルールがどんどん増えて、なおかつ細分化されていきます。


 『鬼ごっこ』に「高いところなら鬼に捕まらない」というルールが追加されて『高鬼』になったように―――ゲームも進化に伴って、どんどんどんどん「ルール」が追加されて複雑になっていったのです。




 確か半年前に『スーパーマリオRPG』を母にプレイさせていた時だったと思うんですけど……
 「死んでる系の敵(アンデッドのことね)には炎の技が効いて、海の敵には雷の技が効くんだよ」と母に説明しながら、「ん?どういう理屈だ?」と自分で疑問に思ったことがありました。


 ゾンビに炎が効く。これは何となく分かるような気がする。
 ガイコツの敵に炎が効く?……そうか?コイツら既に火葬済みみたいなカッコしてね?
 幽霊に炎が効く?……なんで?誰か試した人いるの??

 海洋生物っぽい敵に雷が効くのもよく分からない。
 「水は電気を通しやすいから」という理屈なのかも知れませんが、それだと主人公達も感電しないか?その船は絶縁体ででも出来ているの?



 この「アンデッドには炎の技が効く」「海の敵には雷の技が効く」というのはどのゲームが初出なのかは知りませんが、自分は子どもの頃に『ファイナルファンタジー』シリーズで刷り込まれて以降、最近まで何の疑問も持っていませんでした。

 どんどん追加されたルールを「そんなの普通でしょ?」と思っていたら、初心者には全く通じず、初心者には「自分の知らないルールが沢山あってワケ分からない」と思われてしまっているケース―――ゲームに限らず、どんな分野でもあることですよね。




 “最近のゲーム”って一括りにしちゃうと、そうでないゲームも沢山あるんで誤解招きかねませんけど。“最近のゲーム”ってローカルルールだらけになった『大富豪(大貧民)』みたいだなぁと思うことがよくあります。
 ベースはよく知っているゲームなんですけど、それぞれに細かいローカルルールが設定されているので、まず最初に「8流しあり?」「あり」「革命は?」「革命なきゃ話にならないっしょ」「ピンポンは?」「何それ」「3は2に勝てる?」「スペードだけだっけ?」「あれ?クローバーじゃなかった?」「ハートの3は…」「最初の人でしょ?」と小一時間ルール確認をしなきゃならない、みたいな。


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 何年か前、自分はこのブログで「TVCMで売れるゲームのジャンルは限られてきている」と書きました
 「任天堂はお金がたくさんあるからTVCMをバンバン打てるから売れるけど、ウチはお金がないからムリだ」みたいな発言に対して、「任天堂がバンバンTVCM打った『タクトオブマジック』はもっと売れなかったよ……」という一連の流れ。その後に発売された『レギンレイヴ』も『ゼノブレイド』も購入者の評判の高さに見合わず、どんなにTVCMをしても大きな成果をあげられませんでした。


 これは別にゲハ的な問題ではなくて、「TVCMという短い尺」では「ゲームの複雑なルール」を説明出来なくなってしまったということなんだと思います。貴方の大好きなそのゲームのルールを、TVCMの30秒だとか15秒だとかで説明出来ますか?


 『ルーンファクトリー』シリーズのTVCMを死ぬほど観てきた自分が、初めて今『ルーンファクトリー3』をプレイしているんですけど……良い意味で「TVCMの印象と全然違え!」って思いましたもの。TVCMは「ギャルゲー風RPG」みたいなカンジじゃないですか。でも、『ルーンファクトリー3』におけるギャルゲー要素って5%くらいしかないんですよん。
 詰め込みすぎているゲームって、TVCMでは一側面しか見せられないから勿体ないよなーと思いましたよ。




◆ TVCMで魅力を伝えられているケース1:シリーズ作品
 『ドラゴンクエスト』なんかは分かりやすく、「ドラクエの新作が出るぞー!」だけのCMを流したりしますよね。大人気シリーズというのは、それだけで過去作品のファンが「ドラクエの新作」というイメージが持てるんです。

 既に大部分の「ルール」を覚えてもらっているので、新たな「ルール」を説明する必要がない。

 『マリオ』とか『どうぶつの森』とかの任天堂の人気シリーズのTVCMは、「新作が出るぞ」と「新しくなったのはここだぞ」をきっちり見せようとしますよね。
 もちろん複数バージョンのTVCMを用意できる資金力は大きいのですが、どんなに複数バージョンのTVCMを大量に流しても「シリーズ作品ではない新作」や「それほどファンが多くないシリーズ」では任天堂の資金力を持ってしてもそれなりの売上げにしかなりません。



◆ TVCMで魅力を伝えられているケース2:ゲーム以外からルールを拝借
 「みんなが知っているルールをゲームに落とし込む」作品のことです。

 『Wii Sports』は分かりやすく「テニスのルールはみんなが知っているからTVCMでどういうゲームか分かる」ゲームですけど、これは別に『Wii Sports』に限った話じゃないですよね。
 ファミコン初期の頃からスポーツゲームや麻雀ゲームなんかは根強い人気があったタイトルですし、プレステ以降の新ハードが出た際の『リッジレーサー』の役割も通じるものがあると思います。「ただ走るだけでしょ?」という安心感が『リッジ』にはあるんです。多分。


 『えいご漬け』とか『お料理ナビ』とか、ああいうタッチジェネレーションズのソフト達の大ヒットを――――「あんなのすぐに飽きられるよwwww」とバカにしていた人達は、「何故あれが売れたのか」を真剣に考えていなかったのが残念です。

 「TVCMを見ただけでどういうゲームか分かった」から、「このゲームなら自分にも出来そう!」と思えたんですよ。


 遊んでみたら万人受けするゲームだったのに、それがTVCMでは伝えられなくて誰にも認知されないまま消えていったゲームとか……いくつ見てきたことだろう。



◆ TVCMで魅力を伝えられているケース3:もういっそのことルールは見せない
 「どうやって遊ばれるのか」を見せる作品。
 ゲームの映像が流れるバージョンもありますけど、PSP版の『モンハン』の「PSPを持ち寄って遊ぼう!」というTVCMはやっぱり秀逸ですよね。実際のゲームは細かいルールが多くて求道的なアクションゲームなんですけど、とにかくみんなでワイワイ遊ぼうぜ!と思わせてくれるTVCMという。

 よくよく考えれば、ボウリングだってカラオケだって「みんなでワイワイやって楽しむ」娯楽って、「一人でストイックに極めようとすると果てしない道」ですもんね。


 ついでに書いておきますけど。
 そのゲームを遊んでいる人を映すTVCMは、「どうやって遊ばれるのか」を見せないと意味がないんですよ。任天堂ですら『ゼルダ』や『メトロイド』を一人黙々と遊んでいる姿を映したりしましたけど、ゲームを一人で遊ぶことなんて普通ですから!わざわざTVCMでアピールすることでもないでしょうが!
 ま、まぁ……『Wii Sports』なんかの「みんなで遊んでいる姿」で、「Wiiは一人では遊ばないゲーム機なんだ」という誤解を防ぐためという意図ではあったのかもですが。

 『Wii Sports』や『トモダチコレクション』も、ここに当てはまりますね。「どうやって遊ぶか」がTVCMでも伝わってくるという。
 

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 ふむふむ。
 「ゲーム」を「ルール」という視点で考え直すと、色々なものが見えてきますね。


 自分は『ニンテンドーチャンネル』で各ソフトの紹介映像を観るのが好きなんですけど……
 パズルゲームの類は確実に「このゲームはどういうルールのゲームか」の説明に時間を割くのに対して、RPGの紹介映像はルール説明一切なしでキャラクターの立ち絵と主題歌だけが延々と流れたりするものも多いです。名前は……出さないでおきますけど、今『ニンテンドーチャンネル』を起動すると「コレもコレもコレもじゃねえか!」って思うと思います(笑)。


 自分はそういうゲームに対して「売る気あんの?」と思っちゃうんですけど、映像を作っている側からすると「みんなRPGのルールくらい知ってるでしょ?」「それと大体同じですよ」くらいの感覚なのかなーと思いました。知っている人に向けての映像だから、わざわざRPGのルール説明なんかせず、その分の時間をキャラクター説明に割きたいと。

 んで、売れなかったら「ゲームらしいゲームが売れない!」と言う、と(笑)。
 「ゲームらしいゲーム」というのは「ゲーム独自の複雑で多様化したルールのゲーム」で、それを楽しめる「ゲーマー」は「そうしたルールを説明しないでついてこれる人」と考えると――――なるほど、ゲーマーの人達が世を嘆く理由も分かってきそうです。本人は大富豪をやりたいのに、世間ではババ抜きが流行っている、みたいな。

| ゲーム雑記 | 18:29 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

 ルーンファクトリーはまさに、『「ギャルゲー風RPG」だと思って買ってもらう』のを最適解と判断したのかもしれませんね……
 実態は、(一般化されたイメージにおける)「ギャルゲー」とも、(一般化された以下略)「RPG」とも、かなり異なるシロモノでしたけど。

 でも厳密に「このゲームのルール」を説明しようとしたら、きっと凄くつまらなそうな印象になってしまう恐れが強い。

 ……と、こう書いてて気が付いたのですが。
 「最近の」RPGがルールを広報しようとしないのも、根っこは一緒だったりしないでしょうか。

 ぶっちゃけ「ウィザードリィ」ですら、あれがどう面白いのかを「システムの紹介によって」理解してもらうのは、簡単でないと思われるのです。
 まして(オプションの肥大化した)(素の状態ですら実は難解な)「最近のRPG」にいたっては……

 結局のところ大富豪の楽しさを理解させるには、無理矢理にでも大富豪を遊ばせるしかないのですよ(暴言)

| kanata | 2011/07/29 02:16 | URL |

この話は漫画や小説や映画にも通じるところがありますね。
どの作品も、別の作品と差別化するために、作中に新しいルールを登場させて物語を構築するって点で。
作品をアピールする時に、作品自体じゃなくて作者やや絵師や監督を引き合いにだすところも似ているかも。

>>『ルーンファクトリー3』におけるギャルゲー要素って5%くらいしかないんですよん。
これは聞き捨てならない情報かもしれないです。

| 通りすがり | 2011/07/29 09:56 | URL |

将棋や囲碁に近いものがありますね。

| ああああ | 2011/07/30 20:53 | URL |

牧場物語にRPG要素(レベルとかJRPGっぽいストーリーとか)を足したものがルーンファクトリーシリーズ。
ギャルゲー成分も牧場物語シリーズにおける恋愛、結婚、出産イベントとウェイト的には大差ないんですけど、見せ方ずいぶん変えてきてますね。
それも含めて昨今のJRPG風って事なんでしょうか。

| ああああ | 2011/08/03 15:08 | URL |















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