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アニメ『花咲くいろは』各話感想メモまとめ(14話~26話)

 またしても、mixiにメモしていたアニメ感想をまとめる記事です。
 過去の文章の流用だから手軽に書けると思ったら、自分の感想を読み返してコメント追記しなきゃならないのですげー時間かかる記事なのねこれ!ここの部分は毎回コピペ!

(関連記事:アニメ『とある科学の超電磁砲<レールガン>』各話感想メモまとめ(1~12話)
(関連記事:アニメ『とある科学の超電磁砲<レールガン>』各話感想メモまとめ(13~24話)
(関連記事:アニメ『けいおん!!』各話感想メモまとめ(1~13話)
(関連記事:アニメ『けいおん!!』各話感想メモまとめ(14~26話)
(関連記事:アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』各話感想メモまとめ(1話~最終話)


 前回の記事:アニメ『花咲くいろは』各話感想メモまとめ(1話~13話)

<ルール>
・14話から26話までの感想メモをコピペ
・“26話まで観終っている”現在の自分のコメントを赤字で補足
・なので、基本的に26話までのネタバレを含みます
・思うがままに書いた感想なので、ところどころに間違いがあったりするでしょうが優しく許して下さいな


 ということで、今回の記事も超長くなることが予測されるので格納しました。
 続きは「続きを読む」か「記事URL」をクリックにて表示です。ではでは。




<07月10日 12:09更新>
○ 第14話「これが私の生きる道」感想

 修学旅行で水着回!!

 しかも、ヒンヌー+三角ビキニという黄金の組み合わせ!

 かな恵ちゃんに演歌を歌わせる!!

 もはや「どこが引っ込み思案やねん」という菜子のキャラクター!


 先週までが作品全体の第一ハイライトでシリアスな内容だったため、今週はサービスシーンありの息抜き回……と思いきや。
 先週からの流れ―――「喜翆荘に自分の居場所を見つけた緒花」を受けて、喜翆荘と喜翆荘以外の旅館を対比させつつ、同時に緒花と結名の対比をいよいよ使ってきました。



 盛りだくさんの回だったから何から語ってイイか分からんすなぁ。
 まずは水着から語るか!!

 ヒンヌー好きの自分からすると、「ヒンヌー=ロリ=スクール水着」みたいな安易な発想が嫌いでした。ヒンヌー好きとロリ好きはイコールじゃないんですよ!

 ヒンヌー&低身長の緒花の水着姿でしたけど、ウェストやヒップの描き方はきっちりと「成長した女性の体」として描かれていて好印象でした。そうなんだよ!緒花には健康的なエロスがあるんですよ!そりゃモテモテなのも納得だわ!!徹さんもロリコンじゃないのですよ!



 この作品は、サービスシーンだからといってよくある方向に進まないから好きです。
 演歌もそうよなぁ。
 あれは「緒花の歌が残念」なのか、「かな恵ちゃんの歌が残念」なのかイマイチ分からなかったんですけど(笑)。それが絶妙のトホホ具合になっているのがこの作品らしさだなあって思います。


 さて。本筋の話。
 喜翆荘で頑張っていこうと決めた緒花にとって、初めての「他の旅館」。
 菜子と一緒にスリッパ揃えちゃうシーンとかすげえ好きです!分かるわー、ああいうサービス業の職業病。

 「他の旅館のいいところを盗むぞ!」と気合が入っている緒花をヨソに、
 大きくて、効率化が目指されていて、人の心がこもっていない旅館に―――如何に喜翆荘が異質な旅館なのかが視聴者にも分かるという。
 機械を導入して「短期のバイトを雇えばコストも抑えられる」と言っている跡取り息子には、先週まさに仲居さんとして頑張っていこうと決めた緒花もショックだったことだろうよ。仲居さんなんて使い捨てでイイんだという発想ですもの、アレだと。


 そして、もう一つ。
 緒花と対比させられるように配置されていた結名というキャラ―――
 緒花が先週「喜翆荘」を選んで「孝ちゃん」を選ばなかったのと同じように、結名は「やりたいこと」のために「許婚との結婚」を否定したという。
 結果として「旅館の仕事を継ぐかどうか」が緒花と結名では違う答えになるんですけど、考え方は共通するものがあって。この作品全体として描かれている「女の幸せとは恋愛なのか」という部分に踏み込んでいますよね。

 ちょっと可哀想だけど、この跡取り息子は「女は男についてくるものだろう」という前時代的な考え方というか。
 そういや民子に告白してくるような男達もそんなカンジなんですよね。「俺がオマエを幸せにしてやるぜ!」的な。緒花が孝ちゃんに告白されてもポカンとしていたことにも通じる話。


 この作品の女性キャラは「自分の意志で男を好きになる」んですよ。


 ということで、2クール目のスタートから「飛ばしているなぁ」という印象でした。
 面白かった。いつか大失速するだろうと思いながら、まだここまで来ているのが凄いです。



※ 補足コメント
 この回は全体を通しても上位に来るくらい好きな回でした。
 緒花の水着姿が見られたしね!

 最終話まで観終わって振り返ると、ここで「喜翆荘以外の旅館」を描くことで、「喜翆荘」に執着してしまう終盤の展開に説得力を持たせる効果を狙っていたということかも知れませんでしたね。それでも、次の回で「やっぱり旅館の仕事は良いよね!」と描いちゃうので、その辺もブレて終盤の説得力が薄まっちゃった気もしますけど……




<07月17日 22:08更新>
○ 第15話「マメ、のち、晴れ」感想
 なるほど、こう来たか。
 この作品は一つのシーンで複数の意味を持たせるので、単純には予想できませんね。一つ一つはベタなんですけど、組み合わせることで相乗効果が出るというか。うーむ、秀逸な脚本すなあ。


 今回メインの話は「福洋を助ける喜翆荘メンバー」でした。
 機械の導入+短期バイトによる効率化を図った福洋でしたが、バイトはこぞって辞めるわ、機械は壊れるわで大ピンチ。そこに手助けするは、人の心を大事にしてきた喜翆荘メンバー!

 ここに説得力があるのは1クール13話をかけて喜翆荘で頑張る彼女達を描いてきたからなんですけど……
 これだけで終わったら、ありがちな「主人公達の思想を押し付けてメデタシメデタシ」なだけの回になっていたと思います。



 今回はそこに加えて、「旅館で働く人々(福洋メンバーも喜翆荘メンバーも)」と「働いたことがない結名」という二つ目の対比軸を用意していました。
 凄く象徴的だったのが、緒花がクラスメイト達にも配膳を手伝ってもらっていたというシーンでした。旅館としてそれでいいのか、と思わなくもないんですけど(笑)。

 このシーンは「人と人との助け合いの気持ちに頼った緒花」の方法に洋輔が考えさせられるという意味が一つと、
 「労働によって人に喜ばれることを結名が知る」という二つ目の意味があったんですよね。

 11話で皐月さんが言っていたように、「人に喜ばれることだけが仕事ではない」。
 逆に言うと、お客さんに直接喜んでもらえる旅館の仕事って、実は貴重な仕事なんですよね。喜翆荘メンバーが力を貸した理由も根本はそこで、辞めていったバイト達に対して「旅館の仕事をなめんな!!」と腹が立ったからなんでしょう。


 そうして、洋輔も結名もちょっとずつ考え方を変えて明日からを生きるのです………
 の前に、露天風呂でのサービスシーン。なんだろう、この「感動してたのが台無しになった」感は(笑)


 洗剤の描写とか、登場人物の気持ちを比喩した表現も良かったです。
 せっかく他所の旅館の服が着れたのに、福洋の仲居服は全然可愛くなかったのは「効率化を目指した成れの果て」という意味だったのでしょうか(笑)。

 そこだけが勿体なかったぜ!



※ 補足コメント
 この回も対比や比喩表現が上手くて好きな回です。
 結局、結名は「外国に留学して外国のホテル経営などを学ぶ」ことを夢にしたようなので、ここの回で旅館経営について前向きに考えるようになったんですね。最終回で喜翆荘の看板が外されるシーン、凄く哀しそうな顔をしていましたもの。

 この辺りから、自分も結名のキャラが好きになってきました。





<07月24日 22:38更新>
○ 第16話「あの空、この空」感想

 今週もまた「来週に続く」なのか!
 面白かったのは確かなんですけどさ……最近「3話完結」「2話完結」の話が続いていて、それらが考えさせられる内容だったんで、そろそろ気楽に観られる「1話完結」の話が観たかったところです。

 今週はそういう回なのかなーと思いきや。結構きっちり本題に絡む話っぽくて……ちょっと疲れ気味です。



 起死回生を図って喜翆荘を映画のロケ地にしてしまおうの回。
 絶対「詐欺に合う」というオチだと思ったのに、ちゃんと監督や女優さんも来ていましたね。来週は一気にピンチになりそうですけど……まぁ、それはココで書くのは野暮なので来週まで取っておくとして。

 まず面白いなと思ったのが、「ミンチは何になりたい?」「板前」という会話でした。
 自分の夢を見つけてうんぬんというこの作品において、映画の中ででも何になりたいかという話は考えさせられます。

 これが恐らく大人チームの話にも絡んできていて。
 縁はずっと「旅館を継ぐのは自分じゃなくて姉が良かったんだ」と思っていたことや、女将さんが出演をOKした理由なんかがここに繋がるんだろうなと思います。子どもチームは夢いっぱいに「仲居さんになるんだ」「板前になるんだ」と目を輝かせているけど、大人チームはそうして選んだ人ばかりじゃない―――と。

 それと、主演女優の末広さんが女将さんの一挙手一投足に目を光らせていたところなんかも面白かったです。
 その後にズケズケと入っていく崇子さんとかも(笑)。

 女将さんはそれでも女将さんになったんだよね、縁はまだなれていないのだけど。



 映画撮影のためのプール掃除で、縁が過去を振り返っていく描写も見事でした。
 夏の暑さと、そのボーっとしたカンジとが伝わってくる作画も良かったです。

 この状況で「来週に続く」なのでモヤモヤした感じは否めないんですけど……
 でもまぁ、来週を観てから細かいことは書こうかなと。なので今週はあまり書くことがありません!(えー)



※ 補足コメント
 さてと。この辺りは厄介な回が続きます。
 最初観た時、この「映画ロケ地」編は好きじゃなかったんですよ。16話はともかく17話は残念な話で、結構ボロクソにも描いたんですけど。
 しかし、このアニメ全体を見て考えるなら「斜陽に向かっていく喜翆荘」や「縁の挫折感や敗北感」は描かなければならないポイントでしたし、ここの映画が終盤孝ちゃんに届くとか―――終わってみれば「あって良かった」と思いますし、評価の難しいところでした。

 やっぱ『とある科学の超電磁砲』のスキルアウト編に似たものがあったなぁと。
 一つの回としては面白くないんだけど、全体の中では意味が分かるというか。





<08月01日 05:53更新>
○ 第17話「プール・オン・ザ・ヒル」感想

 え?ここで終わり?この話はここで終わり?
 ……じゃないですよねぇ。伏線がかなり残っていますし。

 となると、「16話:順調」「17話:挫折」「18話:逆転で達成」という3話の構成なのかしら。
 まさに第1~3話の緒花と似たような構成ですね。


 しかし、正直「2話にまとめられなかったのかなー」感は強いです。
 縁と崇子さんのシーンとか、結名が走ってくるシーンとか、「そこにそんな尺使うの!?」と思いました正直。
 メインキャラなら3話かけて心理描写もして、成長させて―――ってのも大事だと思うんですけど、縁の話ですからねぇ。視聴者としては「民子とか菜子の話が観たいのに!」と思ってしまいます(笑)。


 さて、そんな中でもカッチョ良かったのが皐月姉さんですよ!
 喜翆荘にとってこの人の存在は大きいんだなーと思いました。
 姉弟の電話シーンはウルッときました。ここで精一杯カッコつける縁はカッコ良かった!従業員に心配をかけさせないのが経営者の仕事だ!!

 ……と言いたいのだけど、Bパートで崇子さんに言いすがっていてゲンナリ(笑)


 皐月さんのシーンは伏線なんすかね。
 ほら、彼女の元彼は……なので、その辺のパイプもありそうですし。


 ということで……第2話のときと同じように、今週もあまり書くことがないというか。
 “タメ”のシーンが続いているので、次回のカタルシスに期待をしたいです。



※ 補足コメント
 Oh,no......
 映画編はとりあえずここで締めということで、この回をきっかけに男女の仲になった縁と崇子が結婚したりとか、それで縁は奮起して喜翆荘を存続させようと頑張るとか、映画プロデューサーは結局皐月さんのツテで捕まえられるとか―――実は繋がっているところもなくはないんですけど。

 サブキャラメインの回を2話使って、伏線張りまくって「後の回」にブン投げた……ことで、この回は僕のみならず、Twitter上でも評判の悪さを目にしました。それも仕方ないかなー。

 そういや後にプロデューサーを捕まえたけど、お金はどうなったんだ?





○ 第18話「人魚姫と貝殻ブラ」感想

 ええええええええ!映画の回って前回で終わりなのー!?
 皐月さんのいた場所とか、末広さんの視線とか、女将が映画に協力的だったとか、あの辺は全部伏線だと思っていたのだけど……あのまんま終わり?
 いや、まぁ崇子さんが挽回して映画が復活する回が今後にあるという可能性もなくはないですが。その可能性に期待したいところですが。

 うーん……今のところ『超電磁砲』と同じような感想になってしまいますね、この作品。
 「1クール目はキッチリまとまっていて文句のつけようがないクオリティ」だったけど、「2クール目でサブキャラメイン回になってから評判ガタ落ち」。

 もちろん『超電磁砲』は「レベル0にはレベル0の物語がある」という作品だったのでサブキャラメイン回も意味があったと思うんですけど、
 この作品は「ただサブキャラメインの話をやっているだけ」ですからねぇ。映画回は正直誉めるところのない話だったかなーというところです。



 でも、今週は面白かったです!
 菜子メイン回!
 妹に絵本読んであげるシーンとか素晴らしかったね!姉妹サイコー!!


 まぁ……僕の趣味は置いておきまして(笑)。
 ここで「1話完結の話」を入れてくれたのはありがたいですね。

 『けいおん!』なんかは典型的に「1話完結」の作品でしたけど。
 「来週へ続く」ってやられるのと「来週まで覚えておかなきゃならない」ことが多くなるので、気楽に観られなくなっちゃって。キャラクターに魅力のある日常アニメの場合は「1話完結の話」に頑張って収めて欲しいなぁと思います。


 そういう意味で、今週は文句なかったです。キャラクターの新たな一面も見られましたしね。
 家では弟や妹の面倒を完璧にこなす菜子。親も「立派に育った」と鼻が高いほどに。
 しかし、一歩外に出ると内気な性格が出てマトモに話せなくなってしまうという。

 菜子が緒花に「緒花ちゃんも友達いなさそう」と言ったのは衝撃的でした。
 確か4話では「緒花さんならすぐに友達ができるよ」って言ってなかったっけ(笑)。


 この「本当の自分」と「そうでない自分」のギャップ―――
 これって言ってしまえばこの作品の「自分がなりたいものとは何か」というテーマでもあって、3話の次郎丸さんへの「才能ありますよ!」にも繋がる話なんですよね。

 菜子は家での自分が「本当の自分」で、外でもそんな「本当の自分」でなきゃいけないんだと思って悩むんだけど。
 女将さんは、菜子が自分ではダメだと思っている「そうでない自分」にこそ良いところがあるんじゃないかと言うんです。

 次郎丸さんが自分では気付いていなかった才能を、緒花が見つけてあげられたように。
 それだけで人は勇気を持てるんですよね。


 緒花の前では結構毒舌になってきた菜子だけど、それだけ心を許しているってことなのかな。
 修学旅行の夜に一人で泳いでいたりとか、どこが引っ込み思案やねんと思ってましたけど。「本当の菜子」はあんなカンジだったんですね。クラスメイトの前ではそれを見せられないだけで。


 この他、4人でのショッピングのシーンなんかは4人それぞれの個性が出て面白かったです。
 結名が一番の常識人なのよね、あの中では。
 緒花はアレだけ働いて5千円というのは流石に可哀想だ………



 とまぁ、今週は面白かったんですけど、それ以上に「映画の回はアレで終わりなんだ……」というのがショックな回でした。
 このメンツで「縁メイン回」に2話も割いていること自体がアレなんですけど、色々と不安がつきまとってきた数週間だったなーと。



※ 補足コメント
 そう言えば、菜子メインの話ってこれだけだったんですね。
 菜子の生活が垣間見える回でした。そして、この回があるからこそ最終回の菜子が「やっぱり彼女も成長したんだな」と思えるようになっていたという。ラストから逆算すると、この辺もちゃんと必然性があったという。

 あと、蓮さんの私服が酷いとか、そういうのもありましたね(笑)。
 サブキャラクターを掘り下げるためにもちゃんと意味があった回だという。





<08月08日 04:26更新>
○ 第19話「どろどろオムライス」感想

 これぞ『花咲くいろは』!!
 今週、素ん晴らしく面白かったです。

 これだよ。こういうことが出来るんですよ、この作品は。
 奇抜なことをやっているワケではないのだけど、調味料の配分の上手さで二重三重の意味を持たせるという!



 まず…何から言及していきますかね。
 やっぱり「孝ちゃん可哀想」ってところから行きますか(笑)。

 これが伏線なのか、単なる悪ふざけなのか分かりませんけど。
 久々に出番だーと思ってアフレコ現場に行ったらこんな出番だったという声優さんに同情を禁じえません(笑)。



 あと、これはなかなかアニメ等では描かれない部分ですけど……
 菜子のクラスの文化祭の描写はすごく生々しくて、心が痛くなりましたね。あるなー、こういうこと。「自分のトコ以外」は学校行事にすごく盛り上がっていたり、大人達は「文化祭なんて青春だねー。いいねー」と言ってきたりするのだけど。

 自分のトコはそんなに盛り上がっていない、というあの寂しさ。
 「高校時代は今しかない」と分かっているけど、理想通りにはいかない現実。

 こういうものをしっかり描く作品は凄いなぁって思います。
 ちなみに菜子のクラスメイトの女のコはCV.寿美菜子さんですね。唯&紬コンビ!正反対すぎだ!


 誰もがみんな『けいおん!』のような華やかな青春は送れないんですよ。
 『けいおん!』の文化祭には感情移入できない、むしろこっちこそが自分の知っている文化祭だって人も多いんじゃないですかね。僕がそうかは置いておきまして。




 さてさて、「菜子のクラス」はサブの話。
 メインの話となっている、“華やかな”「緒花達のクラス」はそれはそれで問題を抱えています。

 民子の言い分は(言葉足らずなところはあったけど)真っ当で正しい。「オマエが好きな男のことなんか知るかよ!」って話ですし、最初に民子は「やるからには真剣に」と言っていました。100%民子が正しいです。

 でも、正しいからこそ、民子の言葉は民子自身に跳ね返ってくるんですよね。
 「好きな男がいて」「その男に振り向いて欲しくて頑張ろうとするんだけど」「その男には好きな女がいて」「でもその女はその男のことなんか眼中になくて」―――うわっ!ビックリするくらい「緒花・民子・徹」の関係じゃねえか!


 だからまぁ、民子自身イライラしてるんだろうけどさ。
 そんなこと緒花は全然気付いていないしさ。



 これと同時並行で「菜子のクラス」を描いている分、「あっちのクラスはクラス一丸となってて」というセリフが重いんですよね。今週の菜子の使い方は見事でした。1+1が2じゃなくて、5にも10にもなる使い方。あっぱれ。これぞ『花咲くいろは』。



※ 補足コメント
 文化祭編は実は全話通して一番好きな回かも知れません。
 女子同士のやり取りが多かったですしね!あの「お前が好きな男なんか知るか!」的なやり取りも凄くよく分かるし、凄くよく出来ていたと思います。結局、この文化祭編のラストで、民子も徹さんにオムライス作って渡しているワケですしね。キャラの対比のさせ方が非常に上手かったです。

 あとまぁ、「盛り上がらない文化祭」をちゃんと描いたというのも凄いところ。
 こういうのってあまりアニメにされませんけど、「菜子の気持ちが分かるわー」って人も多かったんじゃないですかね。秀逸な回でした。





<08月15日 06:11更新>
○ 第20話「愛・香林祭」感想

 菜子の「オムライス」をこう使ってきたか!
 流石の浦畑脚本である!無関係でバラバラに見える描写が、パズルのように組み合わさって一本の線になる感覚―――自分はこういうのに弱いんですよ。素晴らしい回でした。



 まず、菜子の「オムライス」について。
 先週ラストの「どろどろオムライス」は、緒花達の話に一切関係ない文脈で出てきた言葉でした。電車の中で緒花と菜子が同時に「オムライス」と言うところなんかは、それを視聴者により印象付ける効果があったんですが……

 これが逆に、「緒花達は空気を読んでオムライスと言えない」状況に、「菜子が何気なくオムライスと言ってしまう」という展開を自然としているんですよね。“御都合主義ではない”ように視聴者に思わせられる仕掛け。

 よく考えられているなーと感心します。



 徹さんがメニューの中から「オムライス」を選ぶ流れもそうです。
 緒花は「ミンチはオムライスを作れないんじゃないか」と勘違いして徹さんに尋ねるんですが……これが「実はオムライスが超上手い民子」への“タメ”になっているし、ラストで徹さんに「オムライス」を選ばせることで民子に“御褒美”を与える伏線にもなっているし。

 ユキちゃんも、民子も根っこのところはあまり変わらないんだと見せることにも成功しているという。


 女将さんの言う「誰もが民子のように将来の夢をいきなり見つけられるワケじゃない」の裏返しで、民子は一生懸命で真っ直ぐで迷いがないけれど、民子一人の力では出来ないことがあって―――
 (民子と違って将来の夢が決まっていない)緒花達の力を借りたことで、最後に徹さんにオムライスを届けられたというのは、ホンッット見事な構成だったと思いますよ。



 そして、最後に「友達」というタイトルの絵。
 水野さんと菜子を通して、緒花と民子の関係を描いたとともに。「民子のために駆けつける菜子」のシーンで水野さんが言った“友達”という言葉が、菜子を表す絵のタイトルになっているという美しい帰結。

 二組の“友達”を全く別のアプローチから描きつつ、しっかりと相互に影響させあって、最後にその二組が交わる―――ちょっと完璧すぎるんじゃないの、この2話の構成は。



 今回の話を通して、「民子のバックボーン」もしっかり見せることが出来ましたしね。

 自分はこの2話で結名の印象が随分と変わりました。「人を動かす」とか「人の気持ちを理解する」とかの能力がちゃんと高くて、リーダー気質なんですよね、女将の孫だけあって。
 緒花も女将の孫だけど、こっちはどっちかというと「動かされるタイプ」で「人の気持ちを理解できない」ですし(笑)。



 うーむ、堪能させてもらった文化祭編でした。
 2クール目に入ってからは微妙かなーと思っていたんですけど、この2話でテンションが初期の頃に戻りました。ラスト6話。この様子だと最後まで走りきれそうかな。



※ 補足コメント
 この回は凄かった!「青春すなぁ…」とキュンキュンしながら見ていました。
 そして、この「友達」というフレーズが重くのしかかってきて、ここからはヘビーな展開に進むんですよね。緒花と民子が冷戦状態になったり、喜翆荘の閉館問題が出てきたり。その前段階としてきっちり「幸せな時間」を描けたのは、やっぱり隙のない構成だったなーと思います。





<08月22日 05:40更新>
○ 第21話「蘇る、死ね」感想

 おー、やっぱキャラの使い方が抜群に上手いすなぁ。
 2クール目の鍵となる「緒花・民子・徹」の三角関係ですが、そのまんま描くんじゃなくて周囲のキャラの動向と一緒に描いてきました。

 三組の男女。
 「女将さんと旦那さん」「崇子さんと縁」「民子と徹」――――
 遠い昔に結婚した夫婦の二人と、これから結婚する恋人同士の二人と、まだ恋人にもなれていない二人。状況の違う三組の男女を同時に描くことで、一つのセリフが二重にも三重にもなってくるという。

 女将さんが話した過去話も、それだけで尺を取れる価値がある描写だったと思うんですが。これが崇子さんの現在に繋がり、視聴者としては民子の未来に繋げて観れるようにしてあるのです。
 超丁寧な脚本っすなー。


 映画回2話は擁護しようもない話だったけど、今回のこの描写を見せられて「これを見せてくれるなら」とちょっと納得してしまいました。


 あ……三組の男女と書いたけど、「巴さんと蓮さん」も入るのかも知れないか(笑)。
 蓮さんって独身だったのか。巴さんと結構イイコンビになれると思うけどなぁ。



 ということで、「緒花・民子・徹」が泥沼。
 緒花がとうとう徹さんの気持ちを知ってしまったので戻れない状況に―――こんな深刻な状況なのに、裁縫シーンは笑ってしまいました(笑)。
 結名の存在はありがたいわー。最初はウザイこだと思っていたけど、いつの間にか大好きになっていたよ。

 しかしまぁ今回、民子に避けられていることを察してちゃんと謝ろうとしているのに拒絶されて……と、緒花がちょっと可哀想でしたよね。
 孝ちゃんのくだりは多少緒花にも責任があったと思うんですけど、今回は緒花全く悪くないし。でも、緒花が悪くなければないほど、民子が不憫になっていくということか……

 誰かが「悪役」になってくれれば楽なのに、
 緒花がちゃんとイイコをしてくれちゃうから民子自身が「悪役」になるしかない……

 先週あんなに仲良く「友達」してたのに。切ないすなー。




 縁の結婚、喜翆荘の未来、それぞれの恋の行方―――
 終盤に向けてちゃんと話が盛り上がってきましたねぇ。

 縁が結婚するということは皐月さんも再登場するんでしょうし、そうすると気になるのは「緒花の父親はどうしたの?」ということ。
 「女はどう生きていくべきか」がテーマのこの作品において、緒花の両親の謎はマストで描かれなきゃならん部分でしょうしね。

 残りも楽しみです!
 あと、「妊娠するー」はやりすぎだと思います!



※ 補足コメント
 豊崎さんに「妊娠するー」と言わせるとは何事だ!
 3DSサウンドに録音して、『睡眠記録』で毎日の目覚まし音に設定しなければならないじゃないか!

 それはさておき……
 一挙感想を読み返していて思ったんですけど、このアニメで一番「鈍感」なのは徹さんでしたよね(笑)。民子の気持ちに気付かないというのは置いといても、好きな女の話を別の女に嬉々として語るその無神経さ!でも、民子はこれを全部緒花のせいにするんだよね。恋って怖い(笑)。





<08月29日 04:18更新>
○ 第22話「決意の片思い」感想

 ようやくここまで来たか!
 「幸せな日々の終わり」と「未来への希望」まで、両方同時に辿り着きました。

 こういう展開になることは「こういうテーマの作品」なんだから当然なんですけど、上手いことキャラを使って描いたなぁという印象です。驚くような予想外の展開はなかったけど、きっちりと地に脚つけたストーリーを見せてもらいました。堪能しました!


 まずは「未来への希望」から。
 緒花が孝ちゃんへの想いを取り戻すのは規定の展開だったんですけど、逆に言うと「よほど上手くやらないと御都合主義になっちゃうぞ」と思っていました。アレだけ緒花を落としておいて、ヒョイと復活させちゃったら台無しですからね。

 んで、そこに使ってきたのが「民子→徹」への片想い。
 緒花としても視聴者としても、民子が報われなくてもずっと一途に徹さんのことを想い続けてきたのを知っているので。だから、「ミンチのように想い続ける!」という緒花の決意に説得力が出るんです。

 徹さんのことは……本当に心底眼中になかったんだな……と、ちょっと思いましたが(笑)。
 あと、皐月さんがなんかロマンチックなことを言うてた。「松前」姓を続けているのもそういうことだったんですね。


 そして、この緒花の宣言を受けて民子も変わりました。
 こっちは逆に「徹さんに慰められたから仲直りしてんのかよ!」と思っちゃいましたが(笑)。
 緒花の「(孝ちゃんへの片想いを)諦めない!」気持ちが、民子の「(徹さんへの片想いを)諦めない!」気持ちへと繋がっていくというキレイな流れでした。



 泥沼な三角関係だったけど、終わってみれば見事。
 そして、これはこの作品全体に流れている「女の幸せとは」の一つの答えなんですよね。

 女将さんも皐月さんも、男に先立たれて、でも想い続けることで生き続けられた―――
 「恋愛か仕事か」ではなく、「恋愛するから仕事に頑張れる」とも言えて。
 片想いだとしても、そこに辿り着けた緒花や民子はようやくスタートラインに立てたんですよ。

 クライマックス前にちゃんと成長させられた。
 いや……やってること自体はあまり変わっていないんですけどさ!内面は変わったはずですよ、多分!




 で、いよいよ来る喜翆荘の最後。「幸せな日々の終わり」。
 「そりゃそうだろ」って話ではあるんです。
 「私はこれから先どうやって生きていくんだろう」って物語なんだから、クライマックスで拠り所がなくなるのはセオリー中のセオリーです。序盤から「喜翆荘の経営はヤバイ」と伏線を張ってありましたしね。

 女将さんが「継いで欲しかった」と言った皐月さんはもういない、縁は結婚するから身を固めなきゃならない―――
 女将さんと豆爺は身を退き――――喜翆荘はいよいよ持って………


 さあ!緒花はどうする!?
 民子は?菜子は?巴さんは?徹さんは?蓮さんは?

 次郎丸さんの借金はどうなるの!?


 ……ということで、残り4話ですよ。
 予定調和な着地だと「緒花が後を継いで女将さんになる」とかだと思うんですけど、残り4話ありますからね。過程をしっかり描いてくれたこの作品だから、ここからちゃんとした展開を見せてくれると期待していますよ!



※ 補足コメント
 それぞれの恋愛の結末。
 結局のところは、みんな「元の鞘に収まった」カンジだったんですけど……

 その描き方が「こっちのキャラのこの感情がこっちのキャラに影響して――」とパズルのように組み合わさって、と一応の説得力があったのが面白かったです。脚本に一工夫があるというか、普通だったらただ単に描いちゃうものもしっかりとテクニックを見せてくれるのがこの作品ならではでしたね。





<09月05日 01:31更新>
○ 第23話「夢のおとしまえ」感想

 ま、まさか……緒花の突然「孝ちゃんが…」とか言い出す奇行が伏線になっていただなんて!緒花の空気読めない言動はこの展開のために仕組まれていたんだよ!



 ……いや、マジメにかなり感心してしまいました。
 この作品の中ではあまり評判の良くなかった映画回ですけど、その時の映像が、離れ離れになっていた孝ちゃんと緒花をつなげる鍵となるとは!こういうところに、今までのエピソードを絡められるかどうかで「御都合主義かどうか」の印象が変わりますからね。


 また、「喜翆荘を閉めるのは資金難だから(と思っているから)」→「映画プロデューサーから資金を回収しようと東京に来る崇子」→「映画プロデューサーから情報を得ていた皐月」と―――別々に起こっている事柄がちゃんと繋がっているところも凄いです。

 あまり良くなかった映画回ですけど、こういう使い方をしたかったのかーと今思えばある程度納得しました。あそこまで縁にスポットライト当てなくても…とは今でも思いますけど(笑)。



 喜翆荘の閉館に向けて―――
 空っぽになる従業員達。菜子なんかは「自分を変えたくてバイトに来ている」だけなんだけど、あそこまでショックを受けるものなのか。あの場所が本当に大切になっていたんですね。

 緒花は今後を決めるために、東京の母親に会いに。
 菜子の言葉と、民子の弁当がグッと来ますね!「民子はほうれん草が苦手」だなんて設定はすっかり忘れていたけど!!


 「資金がないから喜翆荘を閉める」ということ自体が勘違いだと思うし、崇子はそもそも女将が何たるかを分かっていないことは映画回で描かれていたので……崇子が頑張ってもアレだとは思うのだけど。
 緒花と崇子の関係だったり、映画プロデューサーのひっ捕らえ劇だったりは見ていて痛快でした。あのプロデューサーも悪人じゃなかったんだよなぁ。何せ、あんな目立つ格好で歩いているのだから(笑)。



 それぞれがそれぞれの方法で「今後」と向き合いつつ、明日へ―――
 どういう結末になるかまだ分かりません。今週崇子さんが緒花に「女将になりたかった?」と訊いていたけど、これは伏線なのか、その可能性を潰しているのか。

 この作品が描いてきたものを考えれば、喜翆荘がなくなっても一人一人が変わらずに彼らでいられるというのが一番相応しいラストな気もするけど……この場所がなくなるのはやっぱり寂しいですもんね。さぁ、ラスト3話。



※ 補足コメント
 ここに来て崇子メインとかワケの分からないことをするのが『花咲くいろは』!
 でも、これも「結婚が女の幸せの終着駅ではない」ことを描いているんですよね。結婚しても崇子は崇子らしく、前に突き進んでいくだけ。この作品、走るのはいつも女性。孝ちゃんに緒花のビデオを見せるのも、それを男性側に見せる意図があったんじゃないかなぁって思います。

 それにしても……
 このタイミングで孝ちゃんに会うとか、実は皐月さん偶然じゃなくて狙っていた?
 何だかんだおせっかいな人ですもんね……





<09月12日 04:10更新>
○ 第24話「ラスボスは四十万スイ」感想

 まさか最終回直前のクライマックスに女将さんの入浴シーンを入れてくるとは!
 あんまり老人っぽくない体でしたけどね!
 リアルに描かれた方が嬉しいのか>自分!


 真剣な話になるかと思いきや、徹さんと民子が漫画について語り始めたり、次郎丸さんは相変わらず無視されたり、緒花もアレだけど孝ちゃんも大概だなと思ったり、コメディ色の強い回でした。


 しかし、この作品の「一番大事なところ」に関しては本当に大事にしていて。

・緒花は「自分で決断してから母親に会う」と決めて喜翆荘に戻り。
・喜翆荘の面々は、喜翆荘が繁盛してしまったことで、「喜翆荘が潰れるから」ではなく自分の意志で決断する必要が出てきて。
・女将さんは「喜翆荘があるとみんながここに縛られてしまう」と思い―――


 最終的に「それぞれのキャラクターに(状況に流されるんじゃなくて)自分の決断をさせる」ように展開しているんですよね。これが、状況に流されて緒花が喜翆荘にやって来るところから始まったこの作品のケジメなんでしょう。


 あれ?結名はー!結名の出番はどうしたの!?




 んで、ここでクライマックスぼんぼり祭りですよ。

 「それぞれの道を見つける」ためにずっと伏線が張られていたぼんぼり祭りで、さあみんなの決断はどうなる―――
 正直、雑誌に取り上げられたのはラッキーでしかないし、そのラッキーにしがみついている様では……とは思うんですよね。

 残り話数と残っている伏線とを考えると、喜翆荘がなくなってそれぞれの道に進んだ方がキッチリまとまるような気もします。これだけみんなが喜翆荘に固執するのって「自分で決断することを放棄している」ように思えてしまって、そう考えると女将さんの言い分もよく分かるんですよ。


 俺もお年寄りになったということか………



※ 補足コメント
 あれ、感想がすごく短い!
 この辺りは「最終回に向けての展開」が続くので、どういう最終回を迎えるのかが分からない当時の状況だと「これは肯定的に描いているのかな?」「ここは否定的に描いているのかな?」に確信が持てなかったので、あまり迂闊なことは書けなかった模様。

 最終回まで観た今振り返ると、やはり「喜翆荘がなくなってもなお喜翆荘の再建を願う」みんなの気持ちが大事で、この時点では縁達のことも女将さんのことも肯定していないんですよね。ぼんぼり祭りを通してみんなの気持ちが変わるので……なので、この時点では「登場人物の誰も正しくない」状態で、視聴者としてはちょっと辛い展開だったのかも。





<09月19日 11:26更新>
○ 第25話「私の好きな喜翆荘」感想

 さ、作画が……!
 どうした?超安定作画が何よりの武器だった『花咲くいろは』だったのに、今週はかなり「え……?」と思う箇所がありました。この終盤で、どうした……?


 お話の方は、うーん……
 女将さんの心情を知ってしまった緒花が喜翆荘の中で孤立する話なんですが―――
 つい最近「民子と緒花が絶縁する話」をやったばかりなので……「またこういう話なのかよ」というのが正直な気持ちでした。

 女将さん側にも、縁側にもイマイチ感情移入が出来ず。
 菜子の言った「自分で夢を追えず、他人の夢についていくことしかできない人がいるんだ」という話は、ものすごくグッときたんですが……その後の「私が好きだった喜翆荘を返して!」で、( ゚д゚)ポカーンと。


 女将さんは「もうこのままの形で喜翆荘は続けられない」と思い、
 縁達は「喜翆荘を生まれ変わらせて続けるんだ!」と言い、
 菜子は「それは私の好きだった喜翆荘じゃない」と言い――――


 皐月さんが来て手伝ってくれたことで仕事が上手くまわって「ワーイワーイめでたしめでたし」みたいなフンイキになっているけど、実際には何一つ解決していなくない?(笑)


 「女将さんを見返すんだ」と息巻いていた縁達とは別のところで、菜子の台詞を聞いて女将さんが考えを変えた―――ってのは上手い落としどころだとは思うのだけど。
 徹さんの言うとおりに「いつも色々騒いで引っかきまわす緒花」が出なかった分、カタルシスが弱めだった印象です。女将さんと皐月さんが手伝ってくれたから何とかなったのだし、若旦那は結局頼りないし。


 これ、来週どう決着させるのかによるんですけど……
 「このまま終わっちゃわないよな……」と、若干の不安があります。

 今週の衝突→和睦を経て、来週の最終回できっちりと登場人物達の“決断”を描いてくれるんですよね?
 このままなし崩し的に「お客さんたくさん入っているんでやっぱ喜翆荘やめません」で締めたら、「山ちゃんやめへんでー」レベルのラストだと思ふ。


 ということで、来週の最終回で結末をしっかりと見届けたいと思います。
 この作品の脚本ならば、ちゃんと落とし前をつけてくれると信じていますんで。ホント信じていますんで……信じて……



※ 補足コメント
 ふむ。
 この回は厳しい感想を書いたなという記憶があったので、自分で自分の感想を読み返すのが億劫だったのですが……読み返してみると「状況がちゃんと整理されていて」、最終回で何故自分が納得できたかが分かりました。

>女将さんは「もうこのままの形で喜翆荘は続けられない」と思い、
>縁達は「喜翆荘を生まれ変わらせて続けるんだ!」と言い、
>菜子は「それは私の好きだった喜翆荘じゃない」と言い――――

 この3者がみな納得する解法は、
 最終回で縁が決断した、「一旦喜翆荘を閉じて、勉強し直して、またみんなが大好きだった喜翆荘を再建しよう」という方法しかないんですよね。だから、菜子の「私の大好きだった喜翆荘を返して!」もちゃんと意味があったという。

 女将さんも一連の流れで「また喜翆荘を……」と思うようになったし、
 最後の幸せな時間がみんなを一つにまとめたし、


 やっぱりこの作品は「終わってみればあのシーンは大事だったんだな」と思える描写が多かったなと思いますね。当時は「何のためにあるのこのシーン」と分からなかったものも、最後まで観ると「あったからこそ話に深みが増していた」と分かるところが多かったです。





<09月26日 01:24更新>
○ 最終話「花咲くいつか」感想

 「私ね……ちゃんと見つけたよ」


 素ん晴らしい最終回でした!
 途中途中、正直不安に思った回もあったのですが、終わってみればしっかり着地+あー、今までの描写はこのためにあったのかーと思わせてくれるラストでした。驚くようなストーリー展開があったワケではないこの作品ですけど、ホント「全話観て良かった!」と心から思えた作品でした。



 緒花が見つけた“夢”とは何だったのか―――

 各登場人物の“夢”を描いてきたこの作品ですけど、やっぱりその中核にあったのは主人公:緒花の“夢”でした。何の夢もなく、成り行きと憧れだけで喜翆荘にやってきた彼女が、最後に辿り着いた夢―――これを描くことで、この作品が描いてきた“夢”とは何かが完成したのだと思います。

 「四十万スイになりたい」という緒花の夢。
 かつて結名に言われた「仲居さんになりたいの?」とも違う、かつて崇子に言われた「女将になりたいの?」とも違う、緒花が手に入れた緒花だけの夢だったんです。それを彼女に持たせるために26週があったんです。

 それを知った女将さんも、新たな夢を抱き―――
 先週で現実を知った縁達も喜翆荘を閉じ、それでも「またいつか喜翆荘を」という夢を持ち、別れ別れになっていきました。



 この作品が誠実だったなと思うことに……
 例えば、ラストシーンで「そして10年後」みたいな形で再結集する喜翆荘面々を描いたりはしなかったところです。あくまで「夢が花開く前」のところで終わらせているんです。菜子や孝ちゃんなんかは、自分の夢を見つけるところまでもいきませんでした。

 この作品は、夢をそんな軽いものとして描かなかったんです。
 見つけるのも、掴むのも大変―――そうしっかりと描こうとしていたんです。




 ラスト―――
 第1話と同じように「東京で」「電子レンジでゴハンを温め」「母と話し」「学校に向かう」緒花の絵なんですが、明らかに第1話と違う彼女がいました。26週かけて自分の夢を見つけた緒花は、走って終わるんですよね。


 テーマ的にも、第1話との対比のさせかた的にも、正直「これ、けいおん1期の最終回じゃねえか!」と思わなくもなかったんですけど(笑)。
 『けいおん!』がひたすら前向きに「目指せ武道館!」で締めくくったのとは対照的に……『花咲くいろは』は夢を持つ大変さも、仲間との別れも、ちゃんと描いた上で。「でも、私には夢があるんだ!」と描いて走り抜けたという。



 第1話を観た時は「どこにでもあるような作品」という印象だったし(作画の化け物っぷりは別として)、予想外のストーリー展開なんかはほとんどなかったのですが、しっかりと着実に描くものを描いて、ドラマを生み出したこの作品は―――


 やっぱ「大好きな作品でした」と、改めて思いますね。
 この作品の前まで、岡田先生にも、P.A.Worksにも特に凄いイイ印象というのは持っていなかったんですけど……この作品で「大好きになれる作品を作る人(達)」と、印象が変わりました。

 特にP.A.Worksは、自分の中で京アニにも負けない凄い集団という認識になりました。最終回の祭りのシーン、あそこを駆け抜けていく緒花の絵は凄まじかったですね。ああいう超面倒くさそうな絵を平然と作れるんだからすげーわ。



 ということで、素晴らしい作品でした。
 ポニーキャニオン製作のアニメはDVDオリジナルで1話最終巻に入ると思うんですけど、27話は番外編なのか「最終回後の話」なのか気になります。

 個人的には「最終回後の話」はやめて欲しいかなー。
 この作品はこれ以上の完結方法はありえないので、この良い形のまま思い出に残してもらいたいです。番外編だったらチェックしよう。時系列的に巻き戻ってお気楽な話をやってくれると嬉しいです。



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 終わりました。
 自分が各話感想メモをまとめた今までの作品―――『超電磁砲』とか『けいおん!!』とか『まどか☆マギカ』と比べると、『花咲くいろは』は正直「みんなが話題にする作品」ではありませんでしたし、ハデさのない作品だったと思うんですけど。


 でも、こうやって全話の感想を読み返すと、改めてこの作品の魅力を思い出されました。
 感想メモには書かなかったんですけど、最終回で豆爺が女将さんに別れを告げるシーン……「じゃあね、スイちゃん」って言うんですよ。女将さんと従業員の関係ではなく、それ以前の“同僚だった関係性”に戻ったというあのシーン。
 ものすごく地味なシーンですけど、たった一つのこの台詞で、この二人がこれまで過ごしてきた時間が想像出来るという……これが『花咲くいろは』の魅力だったんだなあとつくづく思いました。


 半年間、楽しませていただきました。
 大好きな作品をありがとう!


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| アニメ雑記 | 17:51 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

面白かったですね。 また見たくなってきました。

| 脱毛おじさん | 2011/09/28 19:57 | URL | ≫ EDIT















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