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ゲームの“御褒美”を有料DLCにするのはやめて欲しい

 前に書いた有料DLCについての記事に、言葉足らずなところがあったので補足記事を書きます。

 尚、この記事で書くのは100%「(現在の)私個人の嗜好」の話です。
 そして、「個人の嗜好」だからこそ書いておかなければならない理由があるのですが、それはこの記事の最後に書こうと思います。



 まず、自分はゲームとは「課題」「挑戦」「御褒美(orペナルティ)」で成り立っていると考えています。
 「課題」はゲーム側から与えられる場合もあれば、プレイヤー側で設定する場合もあって、「目標」とか「条件」と言い換えてもイイです。「挑戦」はプレイヤーがそれを達成しようと実際にプレイすること。「御褒美」はその課題を達成した際にプレイヤーに与えられるもので、達成できなかった場合はペナルティが与えられることもあります。

(関連記事:ゲームをさせるためには“御褒美”が必要だ
(関連記事:『どうぶつの森』にある「アクションゲームとしての達成感」




【スーパーマリオブラザーズの場合】
・課題……1-1が始まる
・挑戦……ゴールまでたどり着く
・御褒美……1-2に進む

【ドラゴンクエストの場合】
・課題……「ローラ姫を助け出してくれ」と言われる
・挑戦……ローラ姫を助けて帰る
・御褒美……ストーリーが進む(おうじょのあいをゲット)

【ストリートファイターIIの場合】
・課題……「FIGHT!」
・挑戦……相手をボコボコにする
・御褒美……「YOU WIN!」

【脳トレの場合】
・課題……「毎日続けましょう」「昨日より良い成績を目指しましょう」と言われる
・挑戦……ハイスコアを更新
・御褒美……「素晴らしい成長です!」と教授が誉めてくれる


 「課題」「挑戦」「御褒美」はそれぞれ一つずつというワケではなくて、多くのゲームの場合は複数の「課題」「挑戦」「御褒美」を同時並行に進めていきます。
 例えば『スーパーマリオブラザーズ』の場合、「ステージのクリア」だけでなく「コインを100枚集める」とか「1UPキノコを探す」と言った横道的な課題も同時にこなしていきます。『ドラゴンクエスト』の場合、「ダンジョンのクリア」だけでなく「ザコを倒してレベルアップ」や「宝箱から強力な武器を拾う」など。『ストリートファイターII』だったら「相手に勝つ」だけでなく「この技とこの技を組み合わせてみよう」とか「この技を試してみよう」とか。

 大きな「課題」と小さな「課題」が混在しているおかげで、プレイヤーは細かく達成感を得られるようになってるんですね。


 「同時に幾つの“課題”をこなせるか」はゲーム初心者と上級者の間には差があるので、『脳トレ』や『Wii Fit』のようなゲームは「一つの“課題”に集中できるミニゲーム」を十何個とか何十個とかを自由に選べるようにすることで「ゲーム初心者でも楽しめる」ようになっている―――という分析も出来ますね。『どうぶつの森』と『牧場物語』の差とも言うべきか。





 話がズレてしまいました。
 ここまでをベースにして、ここからが「私の好み」の話です。

 なので、「御褒美」の部分を有料DLCで販売するのはゲームの根幹部分の否定になると思うんです。

 RPGのレベルアップは「敵をたくさん倒した」ことによる「御褒美」です。
 敵をたくさん倒したからキャラクターが強くなり、より敵を倒しやすくなる―――より敵を倒しやすくなるのだから、ザコ敵との戦いも「これをこなせばレベルが上がるんだ」と苦にならないんです。だから、レベルを有料で販売するのが納得いかないんです。うざったいザコ戦を何百回と戦う意味が見出せなくなります。達成感がなくなってしまいます。

 SRPGで「新しい仲間が入る」のは何よりの「御褒美」です。
 ストーリーが進んでとか、敵を説得してとか、誰々を防衛してとか、難しい条件をクリアして仲間が得られるのは何より嬉しいです。その仲間が強かったり可愛かったりしたら最高じゃないですか。だから、仲間を有料で販売されたらイヤなんです。何度もリセットを押してやっとの思いで仲間に出来たマチスよりも、数百円で買った仲間の方が強かったら納得いきません。いや、マチスの方が強くても納得いきません(笑)

 ノベルゲームで「ここまで辿り着いた御褒美に追加シナリオを購入する権利をやろう!」と言われるのは論外です。達成感も何もあったもんじゃありません。



 有料DLCは「買いたくない人は買わなければイイ」という意見もあるでしょう。
 でも、私にとってはそうではないんです。「御褒美」の部分を有料DLCで代替されるだけで、「挑戦」する気が起きなくなりますし、達成感が得られなくなってしまうんです。

(関連記事:RPGにレベルアップ制度は必要ですか?


 なので、本質的には「有料かどうか」は私には関係がないのかも知れませんね。
 『スーパーマリオ3Dランド』の「パタパタの羽」も、私個人の好みで言えばキライです。
 ファミコンの『スーパーマリオ3』のように手に入れること自体がミッションになっていて、使える個数も決まっているから使うステージを自分で判断しなければならないというのなら構わないんですけど。「(自力で)クリアできない人のために次のステージに進めるようにしたよ」だと、頑張ってクリアする気が起きなくなっちゃうんですよ。アクションゲームって、頑張ってクリアした「御褒美」に次のステージをプレイできるようになるゲームですから。





 ただまぁ、マーケティングとして「それではダメだった」という話なんでしょうけどね。
 「パタパタの羽」も「有料DLC」も、支持する人がたくさんいるのでしょうし、そういう人達のためにソフトが出続けることも否定出来ません。

 なので私個人としては「やめて欲しい」と思うし、そういうゲームは購入の優先順位が低くなりますし、応援する気も起きませんけど。私が応援していないソフトも存在してもイイと思うので、存在を否定する気はありません。私は3Dアクションゲームがキライですけど、3Dアクションゲームがなくなればイイとは思いませんしね。
 でも、だからと言って「私はイヤだ」と言うのはやめません。口を閉ざすことで「みなさんが有料DLCを支持してくださったようです」と誤解されても困るんで、「私はイヤだ」と言い続けるのです。


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| ゲーム雑記 | 17:50 | comments:13 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

ご褒美に、パタパタの羽根が含まれるとちょっと話がわかりにくくなったような。

ゲームの難易度調節についてはどうなんでしょうか。
(とりあえずややこしくならないように、イージー等、下げるものを指します)
ゲームというのは「合否を判定するために行うコンテスト」であり、簡単にするということは、本来「否」と判定される人を「合」として通してしまうシステムです。
もちろんそれに伴って、合格者のみに与えられるご褒美のレアリティは下がります。

本来必要とする「頑張り」をカットしてしまうのがイージーモード。
イージーモードがあると、ノーマルでチャレンジする気はなくなりますか?
それとも程度問題(イージーの調整次第)なのでしょうか。(イージー設定にすると死ぬ要素がなくなるぐらい簡単になるゲームもあります)

| あわれ | 2012/03/11 20:35 | URL | ≫ EDIT

>あわれさん

>ご褒美に、パタパタの羽根が含まれるとちょっと話がわかりにくくなったような。
 クリアしなくても「次のステージ=御褒美」に進めてしまう、ということです。

>イージーモードがあると、ノーマルでチャレンジする気はなくなりますか?
 ジャンルに依る、としか……
 基本的には難易度選択ができないゲームの方が好きです。

| やまなしレイ(管理人) | 2012/03/11 21:06 | URL | ≫ EDIT

なるほど。理解できました。
自分はどんなジャンルであろうと難易度設定はあって欲しいと思う派ではありますが、無いほうがいいという意見もよくきくし、よくわかります。
というか返事がいるようなレスしてしまって申し訳ありませんでした。

| あわれ | 2012/03/12 02:35 | URL | ≫ EDIT

つまらなくなっても儲かるなら実装されるでしょうね
金払って「御褒美」って何か違う気はムンムンにしますけど、企業は儲かるのが正義ですからね
ギリ黒字化出来るならがめつくやらんで面白いゲーム作る事にこだわるってゲーム会社もあることはありますけど
有料DLCはぶっちゃけ儲かってるから、これからはどんどんそっち方向がデカくなっていくのは見えてます
嫌な時代ですけど、折り合い付けてかないとどうしようもないんでしょうね

| ああああ | 2012/03/12 21:13 | URL |

>あわれさん

>返事がいるようなレスしてしまって申し訳ありませんでした。

 いえいえ。記事自体を短くまとめる替わりに、実験的にコメント欄に短い返信をするというのを試しています。どうしても言葉が足りなくて伝わらないものもあるでしょうから。だからお気になさらないで下さい。


>ああああさん
>有料DLCはぶっちゃけ儲かってるから、これからはどんどんそっち方向がデカくなっていくのは見えてます

 もちろんそうならそれで構わないと思うんですけど、本当に儲かっているのかな……というのが自分の気持ちです。熱心なファンを抱えているシリーズソフトならともかく、そうでないソフトは儲からないんじゃないかなと思っています。なので、「そういうソフトは有料DLCどころかソフトも買いませんよ」と書いておくのが大事だと思うんです。

| やまなしレイ(管理人) | 2012/03/12 22:02 | URL | ≫ EDIT

https://twitter.com/#!/HisakazuH/status/179028526635286528
https://twitter.com/#!/HisakazuH/status/179030172106895360

ツイッターで見かけたツイートです。
簡単にいうと、「頑張らないと要素が出揃わないのはいやだ」、という意見でしょうか。
「課題」「挑戦」「御褒美(orペナルティ)」の考え方が通用しない時代になっているのでは、というお話かな、と思って紹介しました。

| 通りすがり | 2012/03/13 10:41 | URL |

>通りすがりさん

>「課題」「挑戦」「御褒美(orペナルティ)」の考え方が通用しない時代になっているのでは

 これらのゲームはやったことがないので憶測ですけど、シリーズソフトの場合は「毎回最初は要素制限されている」ことにウンザリしちゃうことはありますね。『ルンファク3』→『牧場物語』とプレイしている今、出来ることが限られている序盤が退屈です私も。

| やまなしレイ(管理人) | 2012/03/13 21:14 | URL | ≫ EDIT

>本当に儲かっているのかな……というのが自分の気持ちです。
本当に儲かっちゃってるんです。
「良いゲームである」「DLC無しでもボリュームがあるゲームである」「DLCの値段は安いものを多くより、高いものでレアリティのあるorボリュームのあるもの」などの条件が重なると、より儲かるとの試算が公表されてます。
家庭用ゲーム機の隆盛によってゲーセンが廃れたように、アイテム課金、スマホ、SNSゲーの隆盛によって家庭用ゲームがジワジワ削られてるのは確かです。
だからって文句を言ってもどうにもならないんですけどね。市場原理は強い。
こういうものには「好きなものをなるべく買い支える」以外の手は無いです。
というか、「もちろんそうならそれで構わない」んですか。意外です。僕は正直、結構イヤですが。

| ああああ | 2012/03/14 19:50 | URL |

>ああああさん

>「良いゲームである」「DLC無しでもボリュームがあるゲームである」「DLCの値段は安いものを多くより、高いものでレアリティのあるorボリュームのあるもの」などの条件が重なると、より儲かるとの試算が公表されてます。

 これは海外の話じゃないですか?
 熱狂的なゲームファンの総数が違うので、日本だとまた違うんじゃないかなと自分は思うのですが。

>というか、「もちろんそうならそれで構わない」んですか。意外です。僕は正直、結構イヤですが。
 記事にも書きましたが、「私が応援していないソフトも存在してもイイと思うので、存在を否定する気はありません」。応援もしませんけど。

| やまなしレイ(管理人) | 2012/03/14 22:08 | URL | ≫ EDIT

>これは海外の話じゃないですか?
現在の家庭用ゲーム業界の動向に、海外と日本の垣根はあまりありません
というより、現在は海外のシェアがとても強く、海外8:国内2くらいの売り上げが出たら良い方と考えられています
なので、むしろ海外の動向が国内ゲーム会社の今後の方向性のほぼ全てを握ってると思って下さい
国内でしか売れず、海外では売れなさそうな企画は、かなり例外的なタイトルを除いて企画が通らない状況になってます
この海外志向は、結構日本のゲームユーザが普段思ってるより、かなり強いものだと思います
あと、DLCを利用するようなユーザは20代から30代で、これは主に北米のユーザ層と一致するというものあるらしいです。日本は今でも10代がメインターゲットという珍しいゲーム市場です

ただ、古参のガッチガチなコアゲーを作ってるような中小は、DLCやらなくてもニッチ層がついてくるぜって感じで、あまりDLCとかに手を出さなかったりしてるみたいですが……
古いタイトルのスマホ移植で意外と小銭が稼げるから、その金でなんかタイトル作ろうぜってノリでやってる会社もあるみたいですが、突き詰めるとゲームビジネスはヒットビジネスなので、泡沫に違いは無いです

| ああああ | 2012/03/15 18:47 | URL |

>ああああさん

>国内でしか売れず、海外では売れなさそうな企画は、かなり例外的なタイトルを除いて企画が通らない状況になってます

 へぇ……そうなんですか。

| やまなしレイ(管理人) | 2012/03/15 20:36 | URL | ≫ EDIT

http://www.nintendo.co.jp/wii/interview/rzpj/vol1/index2.html
社長が訊くに宮本さんのご褒美に対する考え方が載っています。
前々から宮本さんはご褒美というのが余り好きじゃないようなことを度々語っていたように記憶してます。
僕もご褒美があればそのときは嬉しいですけど、ゲームをプレイする上での一番のご褒美ってやっぱり、ゲームを遊んでること自体が楽しいことかなーと。
それからDLCはあくまで追加要素なので本編とは別物として考える必要があるかなとも思います。
あとパタパタの羽の件ですけど、あれは僕もいらないというか
あってもなくても使わないので関係ないと思ってるんですけど、
逆にうまいひとはあのブロックを出さないようにプレイしようとするでしょうし
楽しみ方の幅が広がっていいのかなと思います。
ブロックを出現させなかった人に対するささやかなご褒美というか勲章もNewマリオWii同様用意されてますしね。

| クコ | 2012/05/17 17:47 | URL | ≫ EDIT

>クコさん

>前々から宮本さんはご褒美というのが余り好きじゃないようなことを度々語っていたように記憶してます。

 これを読むに、やっぱり今のゲームは「御褒美のあるゲーム」が主流でスタッフもそれが当たり前だと思っていて、それに対するアンチテーゼを宮本さん自身が提案しているというカンジですね。この記事の話とはあんまり関係ない話ですけど……


>それからDLCはあくまで追加要素なので本編とは別物として考える必要があるかなとも思います。

 「ないと思えばイイ」とはよく言われますね。

| やまなしレイ(管理人) | 2012/05/17 19:52 | URL | ≫ EDIT















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