やまなしなひび-Diary SIDE-

変わらない価値のあるもの

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

イージーモードを選べますか?

 この記事のコメント欄で振られた話題が面白かったので、しばらく考えてしまいました。
 元々は有料DLCの話だったのですが、今回は有料DLCのことは忘れてこっちの話題に集中して書こうかなと思います。ズバリ、「難易度設定が出来るゲームはありがたいのか」という問題です。



 それを語るに興味深い記事がありました。
 3DS版『新パルテナの鏡』について、桜井さんに岩田さんが「社長が訊く」をしている一場面です。


<以下、引用>
桜井「たとえば宮本さんは、わたしと違ってお客さんが難易度を選べるようにすることに対しては、反対派だったりしますよね。」

岩田「それは、「難易度についてはゲームのつくり手がベストを決めるべきもので、お客さんに選んでもらうものじゃない」、という意味ですか?」

桜井「はい、キーコンフィグレーションなんかもそうです。」

岩田「ああ、「キーコンフィグについては、多くの人は初期状態で遊ぶはずなので、ひとつ最も適切と思われる割り当てを作者が決めて、責任をもってそれを押し出すべき」、というのは宮本さんの思想としてあるかもしれないです。」

桜井「でも、わたしはお客さんが選べる自由度は、もうちょっと高いほうがいいと思ってるんです。」

岩田「それはある種、ゲームに対するある部分の考え方としては、宮本さんと違う流派にいるのかもしれないですね。」

桜井「ゲームによって多様性があったほうがよいと思うので、違う流派にいるのはよいことなのでは。自分は、「なるべく多くの人が、自分の好きなように遊んでほしい」、というのが強いんだと思います。」
</ここまで>

※ 改行・強調は引用者が行いました


 桜井政博さんという人は「全く新しいジャンルのゲームを作り出す人」というよりは、「既にあるジャンルのゲームを分析して抱えている問題点を解消した結果として新しいゲームを作り出す人」だと自分は思っています。
 『マリオ』すらマトモに遊べない人でも遊べるアクションゲームとして『星のカービィ』を作ったとか、格闘ゲームの複雑化が問題化してきた時期に『スマッシュブラザーズ』を作ったのが分かりやすいところですが。

 なので、桜井さんは自分と宮本さんとの違いを昔から考えていて、だからこそこの機会に(宮本茂ウォッチャーの)岩田さんにこの話を振ったんじゃないかなぁと興味深く読んでいました。この部分、「社長が訊く」じゃなくて「社長に喋らせている」んですもの(笑)。

 この「社長が訊く」では、他にも『マリオカート』と『スマブラ』の違いなんかも話されていて、宮本茂と桜井政博という二人の天才を分析するにも面白い話題ばかりです。是非1ページ目からお読みくださいな。





 宮本さんの作品、というか現状では「任天堂社内開発のゲームは」という括りでも構わないと思うんですが……宮本さんのゲームは基本的に「難易度選択」も「キーコンフィグ」もありません。『マリオ』も『ゼルダ』も「全員がクリアできるゲーム」ではありませんが、頑なに「イージーモードを入れる」なんてことはしていません。

 『マリオカート』の「50cc」「100cc」「150cc」とか、『Wii Fit』の「初級」「上級」「超上級」などはありますけど、アレはまぁ難易度選択というよりかは別ステージを用意しているみたいなカンジですからね。



 対照的に、桜井さんの作品は……特に『スマブラ』なんかは「難易度選択」も「キーコンフィグ」も細かく出来るようにしてあります。
 今回の『新パルテナ』の「難易度選択」も、『スマブラX』の「アドベンチャーモード」に原型がありますよね。難易度はステージごとに毎回選べて、難しくすればするほどもらえるアイテムが良いものになる、と。




 この二人のスタンスの差について、「ゲームによって多様性があったほうがよいと思う」という桜井さんの考えに自分は全面的に賛同します。私も全てのゲームが同じ方向に進んでは欲しくないですもの。

 それは二人に求められている役目の違いでもあります。
 宮本さんのチームは「任天堂のゲーム機を買ってもらう」ソフトを作らなければならないので、世界中の人が等しく楽しめるものを求められている。「広いターゲット」。
 桜井さんに求められているのは、そうして売り出されたゲーム機を「より熱中して遊んでもらう」ためのゲームです。「深いターゲット」。そこが違うのだから、最終的に選ぶ道が違うのも当然ですよね。




 ということを大前提に、「私の好み」を書いておきますと……
 私は「難易度設定」も「キーコンフィグ」も出来ないゲームの方が好きです。
 「これがベストだ!」とスタッフが思ったものを提示して欲しいと思っています。細かく設定が出来ると言われても、例えば『レギンレイヴ』の各種設定は最後までしっくりいったものが見つからないままクリア→終了してしまいましたもの。自分に合った難易度もキー配置も、自分には分からないんです。


 なので、「難易度設定」や「キーコンフィグ」があるゲームも基本的にはデフォルトのままプレイします。そもそも「キーコンフィグ」が要るようなたくさんのボタンを使うゲーム自体が好きではないんですけど、まぁ「キーコンフィグ」の話は置いといて(笑)。

 「イージー」「ノーマル」「ハード」という難易度選択が求められたのなら、私は「ノーマル」で始めることが多いです。『スマブラX』でもそうでしたし、「3Dアクションなんてもうやりたくない!」と悲鳴をあげた『レギンレイヴ』でもそうでした。そして、何度ゲームオーバーになっても「イージー」にはしませんでした。


 「イージーモード」がある理由は分かりますよ。
 「ノーマル」でどうしてもクリアできない人は「イージー」という選択もありますよ、ってことなんでしょう。
 でも、難易度を「イージー」に下げることは自分には出来ないんです。だってさ、ゲームって「昨日はクリアできなかったステージ」を「今日はクリアできた」から嬉しいんじゃないですか。そこを「イージー」に下げてクリアできても嬉しくないだろうって思っちゃうんです。
 どうしても進めないポイントに来ると「イージー」に下げて進むのか、潔くゲーム自体をやめるのか、毎回悩みながらプレイしています。んで、2週間くらい悩んだまま気付くと「ノーマル」のまま突破しているという(笑)。



 もちろん、これは私が「頑張ればノーマルでもクリアできる」ギリギリの力量だからであって、そうでない人もいるでしょうし、「イージーモード」がなくなればイイって話じゃないですよ?
 でも、私は「難易度選択」をさせることなく初心者も上級者も遊べるゲームの方が好きです。悩まなくてイイから。


 『スーパーマリオワールド』は複数のルートに分岐することで「苦手な面」を避けることが出来ましたし、情報さえあれば序盤でクッパ城までショートカットすることも可能です。マリオシリーズの中では初心者でもエンディングを迎えられた人が多いゲームだったと思います。それでいて上級者が全面クリアを目指すと高難度のスペシャルステージが待っているという。

 『ドラゴンクエスト』のようなRPGも「難易度選択」せずにプレイヤーごとに難易度を選べるゲームですよね。同じ『ドラゴンクエスト』でも、レベル20でラスボスに向かうのと、レベル30でラスボスに向かうのとでは難易度が違います。『ファイナルファンタジー5』の「低レベルクリア」のような楽しみ方もあります。



 どちらの場合も「ノーマルモード」か「イージーモード」かを選ばされるワケではないのですが、結果としてプレイヤーが自分に合った難易度で遊べる好例だと思います。
 ただ、3DSの『スーパーマリオ3Dランド』が一本道になったように、ステージを選ばせることが初心者には厳しかったり。RPGのレベル上げが、忙しい大人プレイヤーを遠ざけてしまったとも思ったりもするので……「難易度選択」という分かりやすくて気軽な方法を提示するのも現実的な手段なのかなとも思います。


 最新作の『ファイアーエムブレム』や『世界樹の迷宮』にも「カジュアルモード」が用意されているくらいですもんね。最初は「マニアックな人達だけ楽しめればイイ」と始まったシリーズでも根強い人気が付くに従ってプロジェクトも大きくなり、「より多くの人が楽しめるように」と難易度選択が出来るようになるのは、時代の流れからしても自然なことかも知れませんね。


 『エムブレム』はともかく、シリーズ未経験の『世界樹』をもし自分が始めた場合―――自分は「ノーマル」で始めるのか「カジュアル」で始めるのかしばらく悩むでしょうねぇ。自分にどっちが向いているかなんて分かりませんから。


新・光神話 パルテナの鏡新・光神話 パルテナの鏡

任天堂 2012-03-22
売り上げランキング : 1

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

世界樹の迷宮IV 伝承の巨神世界樹の迷宮IV 伝承の巨神

アトラス 2012-07-05
売り上げランキング : 28

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| ゲーム雑記 | 17:57 | comments:14 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

実は作り手としても、難易度設定はデバッグの手間が倍々になってくので、やらずに済むなら、なるべくやりたくないものだったりします
ただ、バランス調整が容易なんですよね、難易度あると
作り手は本気で殺しに掛かる難度が作りたい人が多いので、水をかけて落ち着かせる意味にもなります
どちらを選ぶのかは勿論ディレクターの趣味も出ますけど、結構制作進行にも関わってくるんです

ノーマルとハードでは動きが違うぜ!って感じで、使いまわしと少しの変更でボリュームが増やせる利点もあります
使いまわしだけでなく、作り手がノッてると、特定の敵の動きがメチャクチャ増えちゃったりして、これをノーマルでやらせるのは結構無茶だし、勿体無いからこれはハードで使おう、なんてのもあります
この辺は、裏ゼルダとかマリオ2みたいなもんですね

| ああああ | 2012/03/15 18:57 | URL |

パラメータいじっただけの難易度は好きじゃないです

 いま現在、『初音ミク -Project DIVA- 2nd』というリズムゲームを遊んでいまして、これの難易度はマリオカートのような別ステージという意味合いが強いです。これだったら単純にバリエーションが増えたと感じるので嬉しいんですが、難易度上げると敵が硬くなるだけみたいなパラメータいじるタイプの難易度は好きじゃないです。それは単に調整放棄に思えてしまうので。
 わざわざ数段階の難易度を設けるのであれば、それぞれに違った楽しみが見いだせるような作りになっていると嬉しいですね。

| Sono | 2012/03/15 19:01 | URL |

>ああああさん

>この辺は、裏ゼルダとかマリオ2みたいなもんですね

 『マリオ3Dランド』も、クリア後の裏ステージで難易度上げていますよね(自分はやりませんでしたが)。
 最初に「イージー」「ノーマル」を選ばせるんじゃなくて、1周目「イージー」2周目「ノーマル(ハード)」にしている。


>Sonoさん
>わざわざ数段階の難易度を設けるのであれば、それぞれに違った楽しみが見いだせるような作りになっていると嬉しいですね。

 なるほど、これは良い表現ですね。
 「本当はハードで遊んで欲しいんだけど仕方なくイージーを用意しました」みたいのではなく、「どっちもそれぞれ面白く作りましたよ!」って方が嬉しいですもんね。

| やまなしレイ(管理人) | 2012/03/15 20:43 | URL | ≫ EDIT

自分が難易度設定があったほうがいいと思うのは、レギュレーションになりうるからなんです。

低レベルクリアや縛りプレイなんかは、クリアできればいいですが、ある部分で詰まって「レベル10で○○倒せないんだけど」なんて話そうとしても、高確率で「レベル上げろよw」って返事しかかえってきませんよね。
でもハードの○○倒せないんだけど、っていうのは他にも大勢同じ条件でチャレンジしてるので、きちんとしたアドバイスが聞けたりする。

わざと抜け道を用意しつつ、縛りプレイで調整して下さいというのはわざと手を抜いてるようであまり達成感がないし、レギュレーション化してないものはコミュニティで話題を共有しづらい。
パタパタの羽根ぐらいあからさまなものは、逆に使わない前提で話が出来るので良かったりするんですが。

ただこれらは主に難易度を上げるほうの事情なので、下げたい場合とはちょっと異なる話ではあります。

| あわれ | 2012/03/16 11:37 | URL | ≫ EDIT

>あわれさん

>「レベル10で○○倒せないんだけど」なんて話そうとしても、高確率で「レベル上げろよw」って返事しかかえってきませんよね。

 その喩えで言えば、「ハードモードで○○倒せないんだけど」「難易度下げれば?」ってなりませんかね(笑)

 まぁ、でも「やりこみ要素」も、「各自で勝手に楽しんでね」というソフトよりも実績リストみたいのが用意してあるソフトの方が人気ですし、分かりやすく提示されている方が好きという気持ちは分かります。

| やまなしレイ(管理人) | 2012/03/16 20:19 | URL | ≫ EDIT

人生初マリオが、DSの最初のヤツでした。
始めたは良いけれど死にまくり、最初のセーブができるまでになんと三日!ほどもかかりました。
何度も何度もオープニングから始めなければならずくじけそうになり、
その後もちまちまと進めたもののワールド3で行き詰まり、今は完全に詰んでいます。
というか、マリオってメチャクチャ難しくないですか?
と思って調べてみたら、
「文句言うなゆとりめ、ファミコンはもっと難しかった」と主張する昔からのユーザーと、
「セーブくらいじゃんじゃんさせればいいだろ、不親切な」と主張する新規参入者の間に
歴然と溝が横たわっているのがわかりました。
そういえば、こちらのサイトでもそのような記事を拝見したことがあります。
ああ、そういうことだったのか、と納得しました。
ただこんな私でも、以前記事で紹介されていた洞窟物語だったら、真エンディングを見ることができたんですよ。
思うに、イージーモードがあろうがなかろうが、
自分の腕の向上とそのゲームの面白ささえ実感できればどうにでもなるのです。
私個人にとって、マリオは最初のステージでさえハードルが高く、
おまけに腕が向上する間もなくステージの難易度が上がってしまっていたのです。
補助輪つき自転車のように懇切丁寧な任意の練習用ステージでも入れたらどうかとも思いますが、
そういうのはなかなか古くからのユーザーの理解は得られにくいのかもしれませんね。

| 蕪 | 2012/03/18 00:08 | URL |

>蕪さん

>始めたは良いけれど死にまくり、最初のセーブができるまでになんと三日!ほどもかかりました。

 ウチの母はそこまで1週間かかり、最終的に2-1で詰んだので「むしろ上手いほうだ!」と思ってしまいました(笑)。
http://yamanashirei.blog86.fc2.com/blog-entry-768.html

>「文句言うなゆとりめ、ファミコンはもっと難しかった」

 とは言われるものの、『マリオ2』を除けばそうでもないんですよ。
 『マリオ1』はワープ土管が、『マリオ3』は笛が、『マリオワールド』は隠しルートが、それぞれ「出来ない面を飛ばして遊べるように」なっているので。下手な人でも先のワールドまで飛べるようになっていたんです。そう考えると最近のマリオはワープできないから難しくなったという見方もできますね。

| やまなしレイ(管理人) | 2012/03/18 20:53 | URL |

マリオ1はワープだけじゃクリアできませんよ
面もエグいけど、クッパが鬼畜すぎる
あれをやれるなら、普通に今のマリオの方がセーブが出来る分、コツコツやれば楽勝でしょう

| 名無しさん@ニュース2ちゃん | 2012/03/19 19:09 | URL |

>名無しさん@ニュース2ちゃんさん

>マリオ1はワープだけじゃクリアできませんよ

 このコメント欄で話していたのは、そういう次元の話じゃないです。
 「クリアできなくても先の面が遊べる」という話です

| やまなしレイ(管理人) | 2012/03/19 19:35 | URL | ≫ EDIT

宮本茂は万人に楽しんでもらうために作ってるから、っていうブログ主の意見が要点ついてると思います
万人向けならインベーダーやパックマンみたいなオプション画面も何も無くすぐにはじめられる感じが理想だと。

| ああああ | 2012/03/21 08:47 | URL |

全力を注いでやっとクリアできる達成感が欲しいときもあれば、同じステージを鼻歌交じりにクリアして格好良く活躍させたいときもある。
難易度設定があるとそんな気分に対応できて便利です。

| 道端 | 2012/03/21 12:52 | URL | ≫ EDIT

>ああああさん

>宮本茂は万人に楽しんでもらうために作ってるから

 「オプション画面」とか「設定変更」を1回も開かない人も多いでしょうしね。


>道端さん
>同じステージを鼻歌交じりにクリアして格好良く活躍させたいときもある。

 なるほど、こういう意見もあるんですね。
 自分は思ったことがなかったです。「別ステージでいいじゃん」と思ってしまいますね。

| やまなしレイ(管理人) | 2012/03/21 20:11 | URL | ≫ EDIT

キーコンフィグは、自分にとって慣れたボタン配置で遊びたいから欲しいなー、特にシューティング。
(最近絶滅危惧種だけどさ)

さて、自分だったら難易度は一番下を「ノーマル」にします。
その上として「ハード」だの「SUPER MANIA」だの「GOD OF GAME」だの「鬼」だの作ります。
その代わり「ノーマル」は自分にとって歯ごたえがある難易度よりも、かなり下げます。
(そーいうのは鬼とかGODでやればいい)
対象層でもなんとかできるんじゃないかな? って程度に抑えます。

つまりノーマルが事実上のイージーですが・・・
あくまで概念としてデフォルトは「ノーマル」としたいですね。
それに「イージーでクリアした」っていうの、何か悔しくないですか?
(まあ、あくまで基本理念で、諸事情でEASYモード作る事もあるけどさ!)

| さきち | 2012/03/23 13:51 | URL | ≫ EDIT

>さきちさん

>それに「イージーでクリアした」っていうの、何か悔しくないですか?

 自分はそういう理由でイージーモードが選べないのですが、本当にゲームに自信がない人は「俺初心者なのにこのゲームってイージーモードないのか、俺にはムリそう!」って思っちゃいますから、名前だけ変えてもどっかしらに歪みは出てきますね。

| やまなしレイ(管理人) | 2012/03/23 20:16 | URL | ≫ EDIT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://yamanashirei.blog86.fc2.com/tb.php/1368-97ec3a1d

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT