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新キャラ投入は劇薬である

 Twitterを見てて、なるほど確かにと思ったPOSTがリツイートで流れてきました。
 元リンクはこちら


<以下、引用>
 学園モノで、進級に伴うキャラの追加/入れ替えは、ま、1回までですね。2回目に耐えられるコンテンツは希少だと思います。
</ここまで>

 言われてみれば。

 特に「高校の部活モノ」が顕著だと思うんですけど……
 主人公達が高校1年でスタートしたケースで、2年に進級した際に入ってくる新1年生には個性的なキャラを並べられるのだけど、3年に進級した際に入ってくる新1年生は無個性なキャラだったりそもそも入ってこなかったりなことが多いですよね。

 思い出せるだけの部活漫画を思い出してみたのですが、「主人公の2コ下の味方キャラ」ってほとんど思い出せませんね……まぁ、そもそもリアル高3だった頃の高1の後輩だってほとんど思い出せないんで、ある意味でリアルな描写なのかも知れませんが(笑)。



 で、今日の記事。
 「新入生」について語る前に、もっと広く「新キャラ」全般について語ろうかなと思います。


 「レギュラーキャラが増える」って結構な大事件なんですよね。
 キャラクター同士の関係性をガラリと変えることで作品の構造自体が変わっちゃうし、既存のファンが離れてしまうリスクを抱えた一か八かの大イベントだと思います。「たまにやってくる準レギュラー」とか「ライバルキャラ」とかならそんなに大きなリスクは背負いませんが、「レギュラーキャラ」はそうはいきません。


 具体的な例を。
 『けいおん!』アニメ1期が始まった頃、自分は軽音部の4人(唯・澪・律・紬)の関係性とか空気感が好きすぎたため、原作読者の人達からの情報で「○話から新キャラが加わるらしい」という話を聞いた時はゲーッと思いました。
 せっかく良いバランスで成り立っているこのキャラクター同士の関係性が、“5人目”によって崩されてしまうのか。イヤだなー―――なんて思っていました。


 そしたら、“5人目”が一番人気のキャラだったという(笑)。


 もちろんあずにゃんが入った後も『けいおん!』は楽しめましたし、大好きな作品でしたが。
 ただ、やはり「梓加入前の軽音部」と「梓加入後の軽音部」は別だとも思っています。


 例えば、梓加入前の軽音部では、唯が“末っ子”扱いでみんなから可愛がられるキャラでした。
 ですが、新たな“末っ子”として梓が加入した結果、梓がみんなから可愛がられるポジションになってしまいました。というか一番可愛がっているのが唯なんですけど(笑)、「梓加入前の軽音部」に思い入れがあった自分からするとそれはやっぱり「変わった」と思うのです。もちろん、「変わった」だけで「悪くなった」ワケじゃないんですけどね。

 そういやアニメの2期がやっていた頃、「自分は“唯×澪”が好きだったんだけど、あずにゃんが登場してからそんな描写が全然なくなってしまって寂しい……」と呟いている人がいました。あずにゃんに罪はないけど、あずにゃんが加入したことで、元からいた4人が変わってしまった―――というのは確かにあると思います。




 新キャラ投入は「一か八か」の劇薬なんですよね。
 成功すればマンネリを打破して新たな描写の可能性が増えるけど、失敗すればそれまであった良さを失ってしまう。
 せっかく出てきた新キャラなのに全然出番がなくなるパターンって「やべえ!今までの良さがなくなりつつあるから、この薬は飲んでいないことにしよう!」ということなのかも知れませんね。


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 思いついた例を……
 『大長編ドラえもん』って既に関係性が出来上がっている5人(ドラ・のび・しず・ジャイ・スネ)に、新たなメインキャラを“6人目”として足すことで新たな関係性を生む構造なんですよね。
 異世界が舞台になっているからということもありますけど、「のび太は意外と頼りになる」とか「劣等感に苛まれるスネオ」とか「劇場版だといいやつなジャイアン」とか、レギュラーの『ドラえもん』とは違うキャラになったりしますもんね。

 あれも言ってしまえば「新キャラ投入」。
 正確に言うと「ゲストキャラ」なので、1回ずつしか使えないキャラクターではあるんですけど。




 で、ちょっと思い出したこと。
 これはTwitterでそういうことを言っている人がいたというだけなので本当かどうかは分かりませんし、本当だとしても個別のケースを一般化して言っているだけじゃないのかと思うんですけど……「今の小学生にとってワンピースは“生まれる前から連載している漫画”だから、愛着もないし人気もない」

 ホントかよと思いますし、昔と違って今はブックオフで1巻から立ち読みしている子どもとかも多いんじゃないのと思うんですけど……「既に出来上がっているキャラクター同士の関係性」を途中から観ても感情移入できない、という話は理解できます。


 それこそ『けいおん!』をアニメ2期から観始めたら……みたいな話。
 自分の場合は比較的それでも楽しめる方だと思うんですけど、イヤな人はいるだろうなーとも思うのです。『けいおん!』アニメ2期が始まる際に、「2期からでもいいから観ようぜ!」と布教した身としてはそう痛感したのです。

(関連記事:『けいおん!』アニメ1期を観逃した人に「2期からでも!」のススメ




 んで、昔書いたこの記事を思い出しました。

 『ドラゴンボール』を読んでも悟空に感情移入できない世代がいる

 アニメでは明確に『ドラゴンボールZ』とタイトルが変わったタイミングなんですけど。
 「悟空の息子」という新キャラの中でも一番のどでかい花火を打ち上げた瞬間があるんですよね。いきなり悟空が父親になっちゃうんだからそりゃ「キャラクターが変わる」し、他のキャラも多かれ少なかれ影響を受けて変わりました。ピッコロやチチはもちろん、クリリンもやっぱり変わりましたよね。お兄さんらしくなったというか。ブルマはあんまり変わっていない気もする(笑)。


 あれだけの人気絶頂の時に、これ以上ない「劇薬」をぶち込んでくるんだからすごい勇気です。
 そして、それは“「既に出来上がっているキャラクター同士の関係性」を途中から観る人”に向けて、「既に出来上がっているキャラクター同士の関係性」に途中から入る新キャラクター(孫悟飯)という感情移入先のポイントを作る効果もあって。

 また、それがオッサン世代からすると「オッサンになること」を自覚させるという。
 ピッコロが「悟空は凄かったんだぞ」と言いたくなっちゃうのって、「ファミコンの頃はゲームは面白かったのに」とか「最近のプロ野球界には昔と違ってスターがいない」とか言っちゃう私達オッサン世代を自戒させるシーンというか何というか。





 話をそろそろ戻しましょう。
 「新レギュラーキャラクター」というのはこれだけ大きな影響を残すイベントになるんです。成功するとしても失敗するとしても作品を変えてしまう力があるんです。それが何百人単位で切り替わってしまう「進級」「クラス替え」「卒業」「新入生」となったら……

 1回目はものすごい効果を発揮するけど、2回目が出来ない―――という理由がよく分かりますよね。
 キャラクターが変わり、キャラクター同士の人間関係も変わって、それを二度も繰り返して、それでもまだ作品としての強度を保てるとしたら「キャラクター」の魅力や「キャラクター同士の人間関係」の魅力だけじゃない“他の何か”を持った作品なのだろうと。


 つーか、こう考えていくと『ジョジョ』ってやっぱ凄いですね。
 1人か2人のキャラを除けば毎回メンバーを総入れ替えしてもちゃんと「ジョジョらしさ」を保っているんですから。同じ長期連載作品でも『こち亀』とかとは正反対の強度を持っているというか。


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| 漫画読み雑記 | 17:50 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

最初は廃部寸前で部員を集めるところから始まる漫画なんかは特に大変。
主人公たちが卒業しちゃったら、公式戦に出られないけどどうすんの?
とか気になって気になって。
結局、触れないことになっちゃいます。
後輩の能力が先輩を超えることは許されないなんてのも新キャラの扱いに困ってる感じですよね。
そう考えるとエースの座を新入生に譲ったやったろうじゃんとか凄かったんだなあ。

| ああああ | 2012/07/28 09:23 | URL |

さっきの「最初は廃部寸前」で始まるコメントはわたしのです。
名前を忘れちゃいました。

| 児斗玉文章 | 2012/07/28 09:25 | URL |

>児斗玉文章さん

>最初は廃部寸前で部員を集めるところから始まる漫画なんかは特に大変。

 あずにゃんぼっち問題か!
 あの『ドカベン』ですら山田達が抜けた後の明訓高校は甲子園に行けてないみたいなことをプロ編の最初の頃で言っていましたし、「主人公達が抜けた後の部活はどうなったのか」は面白い題材かも知れませんね。

| やまなしレイ(管理人) | 2012/07/28 18:48 | URL | ≫ EDIT

はじめまして
「進級」「クラス替え」「卒業」「新入生」のある漫画と言えば『キャプテン』を思い出します。
主人公が毎年度変わる漫画ってそうないでしょうね

| かわみこ | 2012/08/08 00:00 | URL | ≫ EDIT















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